(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
本体の上面から上方向に延出し第1の端縁と第2の端縁との間に配置された第1の側壁と、本体の上面から上方向に延出し第1の側壁と第2の端縁との間に配置された第2の側壁とをさらに備えており、複数のファスナー、支持部及び複数の横壁は第1の側壁と第2の側壁との間で本体の上面に配置されている、請求項1に記載の面ファスナー。
複数のファスナーの横方向に隣接するものを連結する横壁の少なくとも1個の内部に、又はそれに隣接してスリットがあり、スリットは少なくとも1個の横壁の頂端から本体の上面に向けて延在する、請求項9に記載の面ファスナー。
磁性材料は互いに分離した区分を含んでおり、区分の各々は、複数の高地の少なくとも一部の高地の支持上面の前向き部、支持上面の上向き部又は支持上面の後向き部の少なくとも1つに配置される、請求項17に記載の面ファスナー。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の態様及び実施例の内容は、法定要件を満たすためにここで特定的に説明するが、この説明は必ずしも限定するように意図していない。説明した内容は、他のやり方で実施してよいし、異なる要素又はステップを含んでもよく、他の現行又は将来の技術と連係して使用してもよい。この説明は、個々のステップの順序又は要素の配列が明示的に述べられている場合を除き、各種ステップ又は要素間のいかなる特定の順序又は配列も意味していると解釈してはならない。
【0012】
以下の説明は本発明の効果的な教示として提示されている。このために、本発明の有益な成果を変わらず得ながら、本書に記載された本発明の各種態様に多くの変更がなし得ることを当業者は十分に認識するであろう。所望の利益の一部は他の特徴を利用することなく本発明の特徴の一部を選択することによって得られることもまた明白である。従って、本発明への多くの修正及び適応が可能であり、場合によっては望ましくさえあって、本発明の一部であることを当業者は認識するであろう。このように、以下の説明は、その限定としてではなく本発明の原理の例示として提示される。
【0013】
全体を通じて使用される通り、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈が明確に別様に示していない限り、複数の指示物も含む。従って、例えば、「ファスナー」という言及は、文脈が別様に示していない限り、2以上の当該ファスナーを含み得る。
【0014】
範囲はここで、「およそ」ある1つの値から、及び/又は「およそ」ある別の値までとして表現され得る。そのような範囲が表現された場合、別の態様はその特定の値から、及び/又は他の特定の値までを含む。同様に、値が近似として表現された場合、先行する「およそ」の使用によって、その特定の値は別の態様を成す。さらに、範囲の各々の端点は、他方の端点に関して、且つ他方の端点とは独立に、両方とも有意である。
【0015】
ここで使用する限り、用語「随意の」又は「随意で」は、以後に記述された事象又は状況が起こり得るか起こり得ないかどちらでもよいこと及び、その記述は前記事象又は状況が起きた事例及び起こらない事例を含むことを意味する。
【0016】
ここで使用する限り、語「又は」は、あるリストの任意の1つの構成員を意味し、さらにはそのリストの構成員の任意の組合せも含む。さらに、例えばとりわけ、「できる」、「できた」、「かもしれない」又は「できる」といった条件を表す言語は一般に、特定的に別様に述べていない限り、又は使用された文脈内で別様に理解されない限り、他の態様が含まない一方、特定の態様が特定の特徴、要素及び/又はステップを含むことを伝えるように意図している。従って、そのような条件を表す言語は一般に、特徴、要素及び/又はステップが1以上の特定の態様に何らかの形で必要であることを意味するように意図していない。とりわけ、「上」、「下」、「最も上」、「左」、「右」、「前」、「後」及び「角」といった方向を示す言及は、その構成要素及び方向が参照している単数又は複数の図に図示記載されている向きを指すように意図している。
【0017】
面ファスナーならびに関連する方法、システム、装置及び各種機械を開示する。一態様において、面ファスナーは、本体、側壁、フックといった複数のファスナー及び横壁を有する。一部態様において、面ファスナーは支持部を含む。
【0018】
図1〜
図3に言及すれば、面ファスナー100は第1の端縁104及び第1の端縁104から遠位の第2の端縁106を有する本体102を含む。本体102はさらに上面108及び底面302(
図3)を含み、各々第1の端縁104と第2の端縁106との間に延在する。本体102は、第1の端縁104から第2の端縁106へ及ぶ方向としてよい横方向110及び、横方向110に交差するように及ぶ縦方向112を画成する。随意で、
図1及び
図2に示すように、一部態様において、面ファスナー100は第1の端縁104及び第2の端縁106からそれぞれ外方に延在するタブ138を有する。
【0019】
図1〜
図3に示すように、面ファスナー100は側壁114A、Bを含む。側壁114A、Bは上面108から上方向に延出し、本体102の上面108に沿って縦方向112に延在する。
図1〜
図3に示すように、1つの非限定的実施例において、側壁114Aは第1の端縁104に近接して配置され、側壁114Bは第2の端縁106に近接して配置される。
【0020】
一部態様において、各側壁114A、Bは側壁構成要素116A〜Cを含む。3個の側壁構成要素が図示されているが、各側壁114A、Bにはそれぞれ、1以上の側壁構成要素を含む任意の数の側壁構成要素116が存在し得る。
図1〜
図3に示すように、各々の側壁構成要素116A〜Cは上面108から上方向に延出し、複数の高地及び谷を含む。高地及び谷は一定又は不規則な間隔で存在し得る。側壁構成要素116は、各種形状の輪郭を有することができ、例示の配列に限らない。場合によっては、側壁構成要素116A〜Cは複数の高地及び谷を持たない。
図1及び
図2に示すように、一部態様において、1個の側壁構成要素の高地は隣接する側壁構成要素の谷と揃えられている。側壁114A、Bは、成形プロセス中に側壁114A、B間の空間へのフォーム侵入の量を低減する防壁の働きをするために配置されている。
【0021】
また、図示のように、面ファスナー100は、本体102の上面108から上方向に延出する複数のファスナー118も有する。
図1〜
図3に示すように、ファスナー118は側壁114A、B間に配置される。少なくとも1個のファスナーを含む任意の適切な数のファスナー118が面ファスナー100から延出し得る。各ファスナー118は茎部120及び付着部122を有する。一実施例において、付着部122はフックである。ファスナー118は、一般にY字形、J字形などを含む、任意の適切な形状及び構成を有し得る。各ファスナー118は、本体102の上面108からファスナー118の頂端132までの距離であるファスナー高さf(例えば
図3、
図33A、
図33B及び
図34に図示)を画成する。
【0022】
図1及び
図2に示すように、ファスナー118は側壁114A、B間で横方向110に延在する列に配列される。例示実施例では、ファスナー118の各列は4個のファスナー118を含むが、1列につき任意の適切な数のファスナー118が存在し得る。さらに、第1の端縁104から第2の端縁106までの距離である面ファスナー100の幅は、必要に応じて調整できる。例えば、追加の、又はもっと少数のファスナー118が面ファスナー100の幅に応じて面ファスナー100の幅にわたって存在し得る。
【0023】
さらに、
図1〜
図3に示すように、面ファスナー100は、本体102の上面108から上方向に延出する支持部124A、Bを縦方向112に含む。任意の適切な数の支持部124が存在でき、場合によっては面ファスナー100はいかなる支持部124も含まない。
図1〜
図3は、側壁114Aとファスナー118との間に配置された支持部124A及び、側壁114Bとファスナー118との間に配置された支持部124Bを図示している。この実施例において、ファスナー118は支持部124A、B間で本体102に配置される。他の実施例では、支持部124A、Bは、以下に限らないが、面ファスナー100の中央で、又は他の種々の位置で、それぞれ側壁114A、Bと端縁104、106との間を含み、本体102上の他の種々の位置に配置できる。場合によっては、側壁114A、Bは省略でき、支持部124A、Bが側壁として機能し得る。
【0024】
図示のように、支持部124A、Bは一般に縦方向112で側壁114A、Bと平行に延在する。
図4に関して以下でさらに詳述する通り、各支持部124A、Bは支持上面426を含む(支持上面426Aだけが
図4に図示されている)。各種実施例において、支持上面426は複数の高地438及び複数の谷440を画成する。上面108から支持上面426までの距離である支持部124A、Bの高さは谷440よりも高地438で大きく、そのため支持部124A、Bの高さは縦方向112で変化する。
【0025】
図1〜
図3に言及すれば、面ファスナー100は、以下に限らないが鉄又は鉄合金といった磁石に吸着可能な材質、いわゆる磁性材料128A、Bを側壁114A、B間に配置して含む。1つの非限定的実施例において、磁性材料128は合成樹脂に鉄粉を混ぜた鉄モノフィラメントであるが、他の任意の適切な磁性材料も存在し得る。
図1〜
図3に示すように、磁性材料128は縦方向112に延在し、一般に側壁114A、Bに平行である。
図1〜
図3に示された実施例では、磁性材料128A、Bはそれぞれ支持部124A、Bに配置される。各種実施例において、磁性材料128A、Bは、支持上面426の高地438の少なくとも1個又は谷440の少なくとも1個の少なくとも一部分に配置される。限定ではなく例えば、磁性材料128は、支持上面426の高地438だけに、谷440だけに、又は高地438及び谷440の両方に配置できる。場合によっては、磁性材料128は高地438及び/又は谷440の一部分だけに配置される。
【0026】
磁性材料128A、Bの各々は、縦方向112の連続要素とし得るか(例えば
図13〜
図19及び
図22〜
図47参照)又は、磁性材料128A、Bの高さが縦方向112で変化するように縦方向112に延在する区分とし得る(例えば
図1〜
図12B参照)。磁性材料128A、Bの高さは、磁性材料を別個の部片に切断するか、又は磁性材料の連続部片に一連の刻み目を付けることによって不連続にし、それにより材料が縦方向112に延在するにつれて本体102の上面108に対する磁性材料128A、Bの各々の高さが変化するようにできる。ここで使用する限り、縦方向112に配置された磁性材料128A、Bの別個の部片間の分離又は隙間は、たとえ磁性材料128A、Bが隙間にまったく存在しなくても、磁性材料128A、Bの高さの変化を生じる。縦方向112で磁性材料128A、Bの高さを変えることによって、面ファスナー100は縦方向112でより柔軟になる。これにより例えば、面ファスナー100は面ファスナー100が配置され得る湾曲した表面に良好に合致でき、それは転じてフォームが面ファスナー100のファスナー118に侵入する可能性を低減する。
【0027】
また、面ファスナー100は、本体102の上面108から上方向に延出する横壁130を横方向110に含む。
図1〜
図3に示すように、横壁130の一部は横方向に隣接するファスナー118を連結する。他の横壁130は、ファスナー118の一部及び支持部124A、Bをそれぞれ連結する。場合によっては、横壁130の一部は支持部124A、B及び側壁114A、Bをそれぞれ連結する。一態様において、横壁130は、個々のファスナー118の片側又は両側で連結されファスナー118の強度を高めるのを助ける。しかし、横壁130はファスナー118を含む必要はなく、連結される必要もない。
【0028】
各横壁130は、本体102の上面108から横壁130の頂端134までの距離である高さを画成する。一部実施例では、横壁130の高さはファスナー118の高さとほぼ同じであるが、必ずしもその必要はない。一部態様において、各横壁130は横壁幅を画成する。場合によっては、横壁幅は一般に、隣接ファスナー118間の距離、ファスナー118と支持部124A、B間の距離、支持部124A、Bと側壁114A、B間の距離などといった、横壁130が連結する隣接構造間の距離から、存在する場合に(以下で検討する)単数又は複数のスリット136の幅を引いたものに一致する。
【0029】
図1〜
図3に示すように、横壁130内に、又は面ファスナー100の少なくとも1個の横壁130の端に隣接して少なくとも1個のスリット136がある。
図1〜
図3に図示した実施例では、スリット136は横壁130の頂端134から本体102の上面108に向けて延在する。スリット136は、横壁130内の隙間又は空間及び/又は、横壁130と横壁130が連結する隣接構造との間の隙間又は空間を表し得る。例えば、スリット136は横壁130によって、又は横壁130及び面ファスナー100のいずれかの他の構成要素によって画成され得る。非限定的実施例として、スリット136は、横壁130によって、横壁130及びファスナー118によって、及び/又は横壁130及び側壁114A、Bによって画成され得る。場合によっては、ファスナー118の片側又は両側はスリット136に接しない。
【0030】
一部実施例では、スリット136は横壁130の頂端134から本体102の上面まで延在する。場合によっては、スリット136は横壁130の頂端134から本体102の上面108の下方まで延在し、それにより本体102の上面108に溝が形成される(例えば
図33B参照)。他の場合、スリットは横壁130の頂端134から、頂端134の下方であるが本体102の上面108上方のある距離まで延在する。そうしたスリットの任意の組合せが面ファスナー100に存在し得る。
【0031】
少なくとも1個のスリット136の位置及び/又はスリット136の数は異なってもよい。この線に沿って、任意の列のファスナー118が任意の適切な数のスリットを含み得る。
図3に示すように、少なくとも1個のスリット136は全部の横壁130内に存在する必要はない。さらに、複数のスリット136が横壁130のうちの1個以上に存在し得る。1つの非限定的実施例において、一列のスリット136の数はその列の横壁130の数未満であるが、これは必ずしもその必要はない。さらに、複数のスリット136が複数列のファスナー118に存在し得る。それらの実施例では、1列のファスナー118におけるスリット136の位置は、他の列のファスナー118のスリット136の位置と揃えてもずらしてもよい。加えて、1列のファスナー118におけるスリット136の数は、他の列のファスナー118におけるスリット136の数と同じであってもよいし異なってもよい。
【0032】
場合によっては、面ファスナー100は随意で、スリット136内に配置され本体102の上面108から上方向に延在する、以下でさらに詳述する隆条を含む。複数の列のファスナー118が存在する一態様において、隆条は、縦に整列したスリット136を貫いて本体102の上面108に沿って縦方向112に延在し得る。他の実施例では、隆条は特定のスリット又はスリットの部分集合に局限され得る。
【0033】
スリット136は均等又は不均等な幅を有し得る。1つの非限定的実施例において、スリットの各々又はスリット136の部分集合は、およそ0.1mmないし0.2mm又は、およそ0.05mmないしおよそ0.2mmの幅を有する。別の非限定的実施例では、少なくとも一部のスリット136は上面108から横壁130の頂端134まで幅が狭くなる。スリット136は全部同じ幅を有し得るが、必ずしもその必要はない。1つの非限定的実施例において、スリットの一部又はスリット136の部分集合の幅はおよそ0.1mmであるのに対し、他のスリット136の幅はおよそ0.2mmである。例えば、ファスナー118及び支持部124Aを連結する横壁130間のスリット136がおよそ0.2mmの幅又は他の任意の適切な幅を有し得るのに対し、隣接ファスナー118を連結する横壁130間のスリット136はおよそ0.1mmの幅又は他の任意の適切な幅を有し得る。単数又は複数のスリット136の幅は、所要のレベルの柔軟性を考慮に入れながら、成形プロセス中のフォーム侵入を最小限にするように選択可能である。場合によっては、スリット136の幅は横壁幅よりも小さい。
【0034】
単数又は複数のスリット136の存在により、単数又は複数のスリット136を含まない面ファスナーに比べて横方向110の面ファスナー100の柔軟性を改善可能である。一部実施例では、スリット136は、以下でさらに詳述する通り、面ファスナー100に所要量の柔軟性を付与するのを助けるためにある高さ範囲内の高さを有し得る。これは、面ファスナー100が配置され得る曲面に面ファスナー100をより良好に合致させ、それはさらにフォームが面ファスナー100のファスナー118に侵入する可能性を低減する。
【0035】
図4は支持部124Aの一部分を図示している。支持部124Aに言及しているが、以下の説明は支持部124Bにも等しく当てはまる。
図4に示すように、一部実施例では、支持上面426Aは複数の高地438及び谷440を画成する。各種実施例において、面ファスナー100の柔軟性を改善するために、少なくとも1個の谷440がファスナー118の隣接する列の間に配置され得る。これらの実施例では、高地438はファスナー118の列と揃えられ得る。一部態様において、各高地438は、支持上面426Aの前向き部442、支持上面426Aの上向き部444及び支持上面426Aの後向き部446を有する。他の実施例では、支持部124は任意の適切な形状及び寸法を有し得る。一部実施例では、高地438のピッチは、側壁114A、Bのピッチ(又は側壁構成要素116の各々のピッチ)よりも大きいとしてよい。
【0036】
前述の通り、磁性材料128Aは支持部124Aに配置され得る。磁性材料128Aは、支持上面426Aの高地438の1個の少なくとも一部分及び/又は複数の谷440の1個の一部分に配置される。
図4に示すように、一部実施例では、磁性材料128Aは支持上面426Aの部分に配置された複数の別個の区分を含む。
図4に示された実施例では、磁性材料128Aの別個の区分は高地438及び谷440の部分に配置される。磁性材料128Aは、以下に限らないが、連続要素を別個の部片に切断する、連続要素に一連の刻み目を形成する、支持上面426Aに別個の部片を堆積させる、又は他の各種の妥当な機構の使用を含む、各種機構によって不連続な高さを有するように構成できる。上述の通り、磁性材料128Aが隙間にまったく存在しなくても、縦方向112に配列した磁性材料128Aの別個の部片間の分離又は隙間は、磁性材料128Aの高さの変化を生じる。磁性材料128Aの高さが縦方向112で変化する場合、面ファスナー100は、曲げ又はねじれに抵抗する磁性材料128Aが少なくなるので、より柔軟になり得る。このように、面ファスナー100は面ファスナー100が配置される曲面に良好に合致でき、それは転じて、以下でさらに詳述する通り、フォームが面ファスナー100のファスナー118に侵入する可能性を低減する。
【0037】
1つの非限定的実施例において、磁性材料128Aは、各々の高地438の支持上面426Aの前向き部442、支持上面426Aの上向き部444又は支持上面426Aの後向き部446の1つ以上に配置された別個の区分を含む。別の非限定的実施例では、磁性材料128Aの別個の区分は支持上面426Aの前向き部442、上向き部444及び後向き部446に配置され、それにより隣接する区分間に隙間448が形成される。上述の通り、縦方向112に配置された磁性材料128Aの別個の部片間の分離又は隙間は、たとえ磁性材料128Aが隙間にまったく存在しなくても、磁性材料128Aの高さの変化を生じる。また別の非限定的実施例では、磁性材料128Aの別個の区分は支持上面426Aの谷440を埋めるか、又は谷440を部分的に埋め、それにより別個の区分の上面450は支持上面426Aの上向き部444と面一又は概ね面一になるか、上向き部444の下方又は上向き部444の上方にある。磁性材料128Aの別個の区分は他の位置に配置可能である。
【0038】
図16の実施例では、磁性材料128Aの連続部片が支持部124Aの支持上面426Aに配置されている。連続する磁性材料128Aは縦方向112で刻み目を付けて、それにより磁性材料128Aが支持上面426Aの高地438及び谷440の両方に配置され、磁性材料128Aの高さが縦方向112で変化するようにできる(例えば
図16参照)。
【0039】
支持部124Aは、磁性材料128Aを支持し、磁性材料128Aを本体102の上面108から離れたある距離をおいて配置して、面ファスナー100の磁性特性を改善するのを助けるように構成できる。一態様において、磁性材料128Aは上面450がファスナー118の頂端132及び/又は横壁130の頂端134とほとんど同じ高さにあるように配置されるが、必ずしもその必要はない。
なお、十分な磁力を発揮させるためには、より多くの磁性材料128Aが、ファスナー118の頂端132及び/又は横壁130の頂端と同一高さにあるように配置されるのが好ましい。例えば、磁性材料128の上面は、縦方向において、少なくとも半分以上がファスナー118の頂端132及び/又は横壁130の頂端と同一高さにあるように配置されるのが好ましい。
【0040】
隣接する谷440の中心点の間の距離は高地長452に一致する。一実施例では、高地長452は、
図1に示すように、1列のファスナー118にまたがる距離である。他の実施例では、高地長452は1列未満のファスナー118にまたがる距離であるか、又は以下に述べる
図5〜
図8の実施例に示すように、2列のファスナー118といった複数の列のファスナー118にまたがる距離である。高地長452は用途に依存して必要に応じて変えることができる。例えば、短い高地長452のほうが長い高地長452に比べて面ファスナー100に縦方向112でより大きい柔軟性を付与し得る。一部実施例では、高地長452は谷440の長さよりも大きい。これらの実施例では、大きい高地長452はより良好な磁性引力をもたらすことができ、支持部124A、Bが側壁の働きをする時にフォーム侵入を防止できる。
【0041】
磁性材料128Aの隣接する別個の区分間の支持上面426Aの部分の長さは、高地長452を調整し、それによって面ファスナー100の柔軟性を調整するために変えることができる。例えば、一部態様において、相対的に短い高地長452の面ファスナー100は、高地長452の長い面ファスナー100に比べて面ファスナー100に沿って谷440をより多く画成できる。これらの態様において、谷440が多い面ファスナー100は、高地長452が長い面ファスナー100に比べて相対的に柔軟になり得る。
【0042】
磁性材料128Aの各区分の長さは面ファスナー100に沿って均等であっても異なってもよい。高地長452は面ファスナー100に沿った各高地438について均等であっても異なってもよい。同様に、谷440の間隔又は長さは面ファスナー100に沿って均等であっても異なってもよい。
【0043】
図5〜
図8は別の実施例の面ファスナー500を図示している。
図5〜
図8に示すように、面ファスナー100と比較して、面ファスナー500は支持部124A、Bの代わりに支持部524A、Bを含む。支持部124A、Bと同様、各支持部524A、Bは、複数の高地838及び谷840を画成する支持上面826を有する(支持上面826Aだけを図示している)。支持上面426と同様、支持上面826の各高地838は前向き部842、上向き部844及び後向き部846を有する。しかし、
図8に示すように、高地838の高地長852(又は谷840の谷長)は高地438の高地長452(又は谷440の谷長)よりも大きい。
図5に示すように、高地長852は2列のファスナー118にまたがる。
【0044】
図9、
図10、
図11及び
図12Aは、別の実施例の面ファスナー900を図示している。
図9、
図10、
図11及び
図12Aに示すように、面ファスナー100及び面ファスナー500と比較して、面ファスナー900は支持部124A、B及び支持部524A、Bの代わりに支持部924A、Bを含む。支持部124A、B及び支持部524A、Bと同様、各支持部924A、Bは、複数の高地1238及び谷1240を画成する支持上面1226を有する(支持上面1226Aだけを図示している)。支持上面426及び826と同様、支持上面1226の各々の高地1238は前向き部1242、上向き部1244及び後向き部1246を有する。
【0045】
図9、
図10、
図11及び
図12Aに示すように、また、支持上面1226は、各高地1238から上方向に延出する支持隆条954を画成する。各支持隆条954は、支持上面1226の上向き隆条部956及び前向き隆条部1258を有する。
図12Aに図示した実施例では、磁性材料128Aの別個の区分は前向き部1242及び上向き部1244に配置される。図示のように、磁性材料128Aの区分は、磁性材料128Aの一部分が前向き隆条部1258に接するように上向き部1244に配置される。一部態様において、磁性材料128Aの区分は、磁性材料128Aの区分の外面950が、上向き隆条部956と概ね面一であるか、上向き隆条部956の下方にあるか、又は上向き隆条部956の上方にあるように上向き部1244に配置される。
【0046】
図12Bは面ファスナー900とほとんど類似である別の実施例の面ファスナー1200を図示している。
図12Bに示すように、面ファスナー900と比較して、面ファスナー1200は磁性材料128Aを含むが、それは谷1240内の上面1226Aに、及び後向き部1246の一部分に配置される。
【0047】
図13〜
図16は別の実施例の面ファスナー1300を図示している。
図13〜
図16に示すように、面ファスナー100、500、900及び1200と比較して、面ファスナー1300の磁性材料128A、Bは、縦方向112で支持部124A、Bの長さにわたって支持上面426に配置された連続要素に刻み目を画成することによって縦方向112に不連続な高さを有する。このようにして、本体102の上面108からの磁性材料の上面450の距離は縦方向112で変化する。例えば、磁性材料128A、Bは支持上面426の高地438及び谷440にわたって延在し、そのため磁性材料128A、Bの上面450の高さは谷440にわたる上面450の高さよりも高地438にわたって大きい。
【0048】
図17〜
図19は複数の結合した面ファスナー区分1760を有する面ファスナー1700を図示している。各面ファスナー区分1760は上面1708を有する本体1702を含む。面ファスナー100と同様、各面ファスナー区分1760は、側壁114A、B、ファスナー118、横壁130及び、上面1708から上方向に延出する支持部124A、B(支持部124Bは存在するが見えない)のほか、磁性材料128A、Bを含む。
図17〜
図19に示すように、一部態様において、また、各面ファスナー区分1760は、支持部124A、B間に上面1708から上方向に延出する防壁1762を有する。図示のように、面ファスナー区分1760は柔軟要素1764によって互いに連結されている。
【0049】
面ファスナー100を成形する方法も開示する。ここで面ファスナー100に言及しているが、以下の説明は面ファスナー500、900、1300及び1700を含む他の面ファスナーにも等しく当てはまり、ステップは面ファスナーの相違を実現するために修正できる。
【0050】
図20は、本書に述べた面ファスナー100を成形するために使用されるダイホイール2068(
図21に図示)の外面2066のイメージ模型を図示している。
図20は単に図解のための外面2066の図である。ダイホイール2068は形状が円筒形であり、外面2066はファスナー118を成形するための複数のファスナー形キャビティ2070を含む。一態様において、ファスナー形キャビティ2070はフック形キャビティである。
図20に示すように、また、ダイホイール2068の外面2066は、横壁130を成形するための複数のキャビティ2072、支持部124A、Bを成形するための複数のキャビティ2074及び側壁114A、Bを成形するための複数のキャビティ2076を含む。また、ダイホイール2068の外面2066は、以下に述べる通り、面ファスナー100を切断又は刻み目を付けるための複数の拡張部2078を含む。
【0051】
図21は、上述の面ファスナー100を成形するための例示的な押出しプロセスを図示している概略図である。
図21に示すように、押出機2180がダイホイール2068に隣接して配置される。押出機2180は、面ファスナー100を成形する樹脂が流動する流路2182を含む。流路2182は、樹脂がダイホイール2068の外面2066上に流動するようにダイホイール2068の外面2066に対して配置される。一態様において、樹脂が流路2182によって導入されると同時に、(鉄モノフィラメントといった)磁性材料128A、Bもまたダイホイール2068に対して導入され、磁性材料128A、Bを備えた面ファスナー100を成形する。ダイホイール2068は、樹脂及び磁性材料128A、Bが導入されると(例えば
図21では反時計回りに)回転できる。
【0052】
一態様において、ダイホイール2068の拡張部2078は鋭利であり、それによりその必要がある場合、磁性材料128A、Bの高さを変えるために磁性材料128A、Bを切断又は刻み目付けできる。一態様において、切断部片を形成するために、ダイホイール2068の拡張部2078は磁性材料128A、Bを完全に断ち切るように構成される。別の態様において、刻み目を形成するために、ダイホイール2068の拡張部2078は磁性材料128A、Bを部分的に切断するように構成される。成形プロセス中、切断部片又は刻み目を付けられた磁性材料128は、面ファスナー100が成形される際に面ファスナー100の支持部124A、Bにそれぞれ配置される。磁性材料128A、Bを(部分的又は完全に)切断して縦方向で磁性材料128A、Bの高さを変えることにより、支持上面426といった面ファスナー100の頂部に切断/刻み目付き磁性材料128A、Bを配置することが可能になり、それは上述の通り面ファスナーの磁性強度を高めることができる。一部態様において、面ファスナー100はPBT樹脂から形成され、磁性材料128A、Bは鉄粉を含有するナイロン樹脂から形成され、ナイロンは押出しプロセスで発生した熱によって軟化され得る。他の態様において、磁性材料128A、Bは、樹脂が加熱されて軟化している間にモノフィラメントを樹脂に圧入することによって、(化学的にではなく)物理的に面ファスナー100に定着される。
【0053】
図20及び
図21に示した配列は例示にすぎず、他の構成を有する面ファスナーを成形するために修正できる。1つの非限定的実施例として、拡張部2078の配列は磁性材料の寸法及び間隔を変えるために修正しうる。
なお、
図21に示したような概略図以外の押出しプロセスとして図示しないが、一対のロールを用意して、その一対のロールの間に押出し機から押出された樹脂を流動させるものがある。このような押出しプロセスで使用される一対のロールのうち、少なくとも一方のロールには、
図20で示したようなキャビティが形成されている。また押出し機から押出された樹脂とダイホイールの間には、磁性材料128A、Bが導入される。一態様において、ダイホイールは、
図20や
図21で説明した拡張部2078を備え、それによりその必要がある場合、磁性材料128A、Bの高さを変えるために磁性材料128A、Bを切断又は刻み目付けできる。
すなわち、本書で説明した面ファスナーは以下の製造方法により作製することができる。
面ファスナーを成形するための複数のキャビティが形成されたダイホイールに向けて溶融樹脂を押出し機から押出し、面ファスナーを成形する製造方法において、
ダイホイールと溶融樹脂の間に、線状の磁性材料を導入するステップと、
ダイホイールの外面に形成された、複数の拡張部によって磁性材料を変形させながら溶融樹脂に定着させるステップと、
磁性材料が定着した溶融樹脂を冷却させてダイホイールから引きはがすステップと、を備える、面ファスナーの製造方法。
【0054】
図22〜
図24は別の実施例の面ファスナー2200を図示している。
図22〜
図24に示すように、面ファスナー100、500、900、1300及び1700と比較して、面ファスナー2200はいかなる支持部124も含まない。この実施例では、磁性材料128A、Bは本体102の上面108からずらして、しかしその近傍に配置される。一部実施例では、磁性材料128A、Bは、
図24に示すように、ファスナー118及び横壁130の一部を貫いて延在する。
図22〜
図24の実施例では、磁性材料128A、Bは、切断されず刻み目もない磁性材料の連続部片である。
【0055】
図22〜
図24に示すように、一部の横壁130はそれぞれ、側壁114A、Bに隣接して側壁114A、Bとそれらのファスナー118との間に延在する。
図24に言及すれば、1つの非限定的実施例において、1個以上のスリット136が1個以上の横壁130内に形成される。一部態様において、隣接ファスナー118を連結するそれらの横壁130の内部の、又はそれらに隣接したスリット136は、側壁114A、Bを連結するそれらの横壁130の内部の、又はそれらに隣接したスリット136のスリット幅よりも小さいスリット幅を有し得るが、必ずしもその必要はない。スリット136は、横壁130内に、横壁130とファスナー118との間及び/又は横壁130と側壁114A、Bとの間などに存在し得る。
【0056】
図25A及び
図25Bに言及すれば、面ファスナー2200は、平坦なトレンチ表面2584A及び湾曲したトレンチ表面2584Bに配置されて示される。ここで面ファスナー2200に言及しているが、以下の説明はスリット136を有するあらゆる他の開示面ファスナーにも等しく当てはまる。自動車座席といった各種物品及び構成要素を成形するプロセス中、面ファスナー2200は金型内のトレンチ表面に配置される。しかし、トレンチ表面の形状は、製造者、成形する構成要素その他の各種要因に依存して変化し得る。非限定的実施例として、トレンチ表面は平坦なトレンチ表面2584A又は湾曲したトレンチ表面2584Bとし得る。
図25A及び
図25Bに示すように、スリット136は面ファスナー2200が各種形状のトレンチ表面に良好に合致するように横方向110で面ファスナー2200に柔軟性を付与し得る。また、スリット136は、トレンチ表面の形状に関わらず面ファスナー2200へのフォーム侵入を防止又は低減できる。
【0057】
一部実施例では、
図25A及び
図25Bに示すように、側壁114A、Bの頂端、又は本体102から遠位の側壁114A、Bの部分は、角度を付けるか、湾曲させるか、又は側壁114A、Bが各種輪郭を有するトレンチ表面に良好に合致できるような他の各種形状を有し得る。1つの非限定的実施例として、側壁114A、Bの頂端は外側に向けて高くなるように傾斜している。側壁114A、Bの最も高い頂端は、ファスナー118の最も高い頂端よりも高い。また、1つの別の非限定的実施例として、側壁114A、Bの頂端は、
図25Bに示すように、湾曲したトレンチ表面2584Bに良好に合致するために角度付けできる。
【0058】
図26及び
図27は別の実施例の面ファスナー2600を図示している。
図26及び
図27に示すように、横壁130の一部が隣接構成要素間で連続しているように横壁130の全部の内部にスリットが存在するわけではないこと以外、面ファスナー2600は面ファスナー2200と類似である。限定ではなく例えば、
図26及び
図27は、1列のファスナー118の横壁130の一部が隣接ファスナー118間で連続している(すなわちスリットを含まない)実施例を図示している。
【0059】
図28〜
図30は、面ファスナー2800が複数の結合した面ファスナー区分1760を含むという点で面ファスナー1700と類似である面ファスナー2800を図示している。面ファスナー1700と比較して、面ファスナー2800はいかなる支持部124も含まない。この実施例において、磁性材料128A、Bは面ファスナー2200及び2600と同様に配置され連続しているとしてよいが、必ずしもその必要はない。
【0060】
図28〜
図30に示すように、面ファスナー2800は、ファスナー118の高さとほぼ同じである高さを有する一部の横壁130と、ファスナー118の高さよりも小さい高さを有する他の横壁130とを含む。1つの非限定的実施例において、
図28に示すように、各面ファスナー区分1760は、ファスナー118の高さとほぼ同じである高さを有する横壁130による4列のファスナー118及び、ファスナー118の高さよりも小さい高さを有する横壁130による4列のファスナー118を含む。他の実施例では、横壁130の他の各種組合せが存在し得る。
【0061】
面ファスナー1700と比較して、面ファスナー2800の例示防壁1762はスリット2830を含み、それはスリット136とほとんど類似であるが必ずしもその必要はない。別の態様において、面ファスナー2800は面ファスナー区分1760を連結できる柔軟要素2864を含む。
図28〜
図30に示すように、一部態様において、柔軟要素2864は側壁114A、B間で本体1702に沿って配置される。別の態様において、柔軟要素2864は磁性材料128A、B間に配置される。さらなる態様において、柔軟要素2864は、ファスナー118、横壁130及び/又は防壁1762の一部を貫いて延在する。
【0062】
図31、
図32、
図33A及び
図34は別の実施例の面ファスナー3100を図示している。図示のように、面ファスナー3100が横壁130の1個以上のスリット136の内部に配置された隆条3286を画成していること以外(
図32、
図33A及び
図34参照)、面ファスナー3100は面ファスナー2200と類似である。一部態様において、隆条3286は面ファスナー3100の柔軟性を制御するのを助けることができる。例えば、隆条3286は、その用途に合った妥当な量の柔軟性を付与しつつ、面ファスナー3100が使用者の意図した用途に柔軟すぎるのを防止できる。他の態様において、隆条3286は面ファスナー3100の成形プロセス中に助けとなり得る。例えば、隆条3286は、ファスナー118の付着部122の先端に達するまで樹脂(又は面ファスナー3100の成形に使用される他の材料)を支持することによってファスナー118の成形の助けとなり得る。
【0063】
隆条3286は本体102の上面108から上方向に延出する。各隆条3286は、上面108から隆条3286の頂端3288までの距離である高さを画成する。一部態様において、隆条3286の高さは横壁130の高さよりも小さい。1つの非限定的実施例として、横壁130はおよそ1.7mmの高さを有し、隆条3286はおよそ0.15mmの高さを有し得る。他の実施例では、隆条及び横壁は他の適切な高さを有し得る。
【0064】
隆条3286は任意の適切な輪郭及び形状を有し得る。限定ではなく例えば、
図34は第1の輪郭を有する隆条3286の実施例を図示しており、
図35は第2の輪郭を有する面ファスナー3100Aの別の実施例の隆条3286を図示している。必要に応じて、面ファスナー3100は各種輪郭の隆条3286を含み得る。
【0065】
図33A、
図33B及び
図34に言及すれば、前述の通り、各ファスナー118は、ファスナー118の頂端132から本体102の上面108までの距離である高さfを有する。図示のように、各スリット136は、ファスナー118の頂端132からスリット136の最下限までの距離である高さhを画成する。スリット136の高さhはほぼf±(0.15*f)の範囲内の値である。この範囲のスリット136の高さにより、面ファスナー3100における所要量の柔軟性を付与するのを助けることができる。
【0066】
一部態様において、hはおよそf−0.15f(又はおよそ0.85f)以上であり、且つおよそf+0.15f(又はおよそ1.15f)以下である。この態様において、スリット136の最下限は、上面108の上方、下方又は上面の各種位置にあり得る。1つの非限定的実施例として、
図33Aは、hがおよそ0.85f以上であり、且つfより小さい高さhのスリット136を図示している。
図33Bは、面ファスナー3100とほとんど類似である別の非限定的実施例の面ファスナー3300を図示している。しかし、面ファスナー3100と比較して面ファスナー3300では、スリット136は本体102の上面108の下方まで延在し本体102に溝3390を形成している。この態様において、各スリット136は、hがfより大きく、且つおよそ1.15f以下である高さhを有する。他の各種実施例では、例えば
図3に示すように、hはfとほぼ同じ値としてよい。
【0067】
さらに
図33A、
図33B及び
図34に言及すれば、本体102は上面108から本体102の底面302までの距離である厚さtを画成する。一部実施例では、tとfとの合計は面ファスナー3100又は3300の全高である。距離sは本体102の底面302からスリット136の最下限までの距離である。各種実施例において、hとsの合計はtとfの合計とほぼ同じである。
【0068】
場合によっては、距離sが最大値smaxである時、高さhは最小である。距離sが最小値sminである時、高さhは最大である。このようにして、距離sはスリット136の高さhと逆関係にあり、smin≦s≦smaxである。一部の非限定的実施例では、smaxはほぼt+t以下であり、sminはほぼt−tよりも大きい。このようにして、距離sはほぼt−tよりも大きいsmin以上としてよく、ほぼt+t以下であるsmax以下である。1つの非限定的実施例として、距離sはほぼt+(1/2)tの値(又は本体102の厚さtよりおよそ50%大きい)とし得る。この実施例では、基礎の厚さtが0.3mmであれば、距離sは0.3mm+0.15mm、すなわち0.45mmである。各種実施例において、sがほぼtよりも大きい時、距離sは本体102の底面302から隆条3286の頂端3288までの距離に一致する。sがtとほぼ等しい時、高さhは横壁130の頂端134から本体102の上面108までの距離に一致する。
【0069】
図36は、面ファスナー3100とほとんど類似である別の実施例の面ファスナー3600の1区分を図示している。面ファスナー3100と比較して、面ファスナー3600は、スリット136に達する頂端134に拡張部3688を有する横壁130を含む。これらの実施例では、拡張部3688は、スリット136の内部に配置された隆条3286の頂端3288から横壁130の頂端134までのスリット136の幅を狭くさせる。隆条3286が省略された他の実施例では、拡張部3688は、上面108から頂端134まで、又は(溝3390といった)溝の最下限から頂端134までのスリット136の幅を狭くさせる。頂端134でスリット136を狭くする拡張部3688は、フォームが面ファスナー3600に侵入し得る領域を縮小するのを助けることができる。
【0070】
図37〜
図40は隆条3786を含む別の実施例の面ファスナー3700を図示している。隆条3286と同様、隆条3786は面ファスナー3700の柔軟性を制御するのを助けることができる。例えば、隆条3786は、その用途に合った妥当な量の柔軟性を付与しつつ、面ファスナー3100が使用者の意図した用途に柔軟すぎるのを防止し得る。
図37〜
図40に示すように、隆条3286が横方向110に延在する面ファスナー3100に対して、面ファスナー3700の隆条3786は縦方向112に延在する。一態様において、隆条3786は縦方向112で連続的に延在し得るが、代替として隆条3786は縦方向112に延在する区分を画成してもよい。隆条3286と同様、隆条3786は本体102の上面108から頂端3888へ上方向に延出する。
【0071】
隆条3786の輪郭は異なってもよい。1つの非限定的実施例として、
図40は頂端3888がほとんど水平である第1の輪郭を有する隆条3786の実施例を図示している。
図41〜
図44は谷4190を画成する別の非限定的実施例の隆条3786を図示している。上述の通り、隆条3286の輪郭は、必要に応じて修正でき、面ファスナーは各種形状の輪郭の隆条を含み得る。
【0072】
図45〜
図47は別の実施例の面ファスナー4500を図示しており、これは面ファスナー2800の構成要素と、さらに横方向110に延在する面ファスナー3100の隆条3286とを含む。
【0073】
図48は、ここで述べた面ファスナー2200を成形するために使用されるダイホイール4968(
図49に例示)の外面4866のイメージ模型を図示している。
図48は単に図解のための外面4866の図である。ダイホイール4968は形状が円筒形であり、外面4866はファスナー118を成形するための複数のファスナー形キャビティ4870を画成する。一態様において、ファスナー形キャビティ4870はフック形キャビティである。
図48に示すように、また、一部態様において、ダイホイール4968の外面4866は、横壁130を成形するための複数のキャビティ4872及び側壁114A、Bを成形するための複数のキャビティ4876を画成する。また、ダイホイール4968の外面4866は、磁性材料128A、Bが面ファスナー2200に配置されるそれらの場所を成形するためのキャビティ4892を含む。
【0074】
図49は、上述の面ファスナー2200を成形するための例示的な押出しプロセスを図示している概略図である。
図49に示すように、押出機4980がダイホイール4968に隣接して配置される。押出機4980は、面ファスナー2200を成形するための樹脂が流動できる流路4982を含む。流路4982は、樹脂がダイホイール4968の外面4866上に流動できるようにダイホイール4968の外面4866に対して配置される。一態様において、樹脂が流路4982によって導入されると同時に、磁性材料128(図示せず)もまたダイホイール4968に対して導入され、面ファスナー2200を成形する。別の態様において、磁性材料128は樹脂が導入された後に導入される。ダイホイール4968は樹脂が導入された後に回転できる。
図48及び
図49に示した構成装置は例示にすぎず、他の構成を有する面ファスナーを成形するために修正できる。
【0075】
本書に述べた概念に従った多様な種類の実施形態の追加説明を示す「EC」(実施例の組合せ)として明示的に列挙した少なくとも数例を含む例示的な実施形態の集合を以下に提示する。これらの実施例は互いに排他的、網羅的又は限定的であるように意図しておらず、本発明はこれらの例示実施形態に限定されず、むしろ、請求したクレーム及びそれらの等価物の範囲内の全部の可能な修正及び変更を包含する。
【0076】
EC1.面ファスナーであって、第1の端縁、第1の端縁から遠位の第2の端縁及び第1の端縁と第2の端縁との間に延在する上面を含む本体を備え、本体は第1の端縁から第2の端縁への横方向及び横方向を横切る縦方向を画成しており、本体の上面から上方向に延出し、本体の横方向に延在する列に配列された複数のファスナーを備え、本体の上面から上方向に延出し縦方向に延在する支持部を備え、支持部は複数の高地及び複数の谷を画成する支持上面を含んでおり、複数の高地の各々の高さは複数の谷の各々の高さよりも大きく、本体の上面から上方向に延出する複数の横壁を備え、支持上面の複数の高地の1個の少なくとも一部分又は複数の谷の1個の一部分に配置された磁性材料を備える、面ファスナー。
【0077】
EC2.磁性材料は、磁性材料の上面から本体の上面までの距離が縦方向で変化するように支持上面の複数の高地及び複数の谷に配置された刻み目を付けた連続要素である、上記又は以降の実施例の組合せのいずれかの面ファスナー。
【0078】
EC3.磁性材料は互いに分離した支持上面の区分を含む、上記又は以降の実施例の組合せのいずれかの面ファスナー。
【0079】
EC4.磁性材料の区分は複数の高地の少なくとも一部に配置される、上記又は以降の実施例の組合せのいずれかの面ファスナー。
【0080】
EC5.複数の高地の各高地は、支持上面の前向き部、支持上面の上向き部及び支持上面の後向き部を備える、上記又は以降の実施例の組合せのいずれかの面ファスナー。
【0081】
EC6.磁性材料は、複数の高地の少なくとも1個の高地の支持上面の前向き部、支持上面の上向き部又は支持上面の後向き部の少なくとも1つに配置される、上記又は以降の実施例の組合せのいずれかの面ファスナー。
【0082】
EC7.複数の高地のうちの1個は複数のファスナーの列の1列にまたがる、上記又は以降の実施例の組合せのいずれかの面ファスナー。
【0083】
EC8.複数の高地のうちの1個は複数のファスナーの2列にまたがる、上記又は以降の実施例の組合せのいずれかの面ファスナー。
【0084】
EC9.本体の上面から上方向に延出し第1の端縁と第2の端縁との間に配置された第1の側壁と、本体の上面から上方向に延出し第1の側壁と第2の端縁との間に配置された第2の側壁とをさらに備えており、複数のファスナー、支持部及び複数の横壁は第1の側壁と第2の側壁との間で本体の上面に配置されている、上記又は以降の実施例の組合せのいずれかの面ファスナー
【0085】
EC10.複数の横壁の少なくとも一部は複数のファスナーの横方向に隣接するものを連結する、上記又は以降の実施例の組合せのいずれかの面ファスナー。
【0086】
EC11.複数のファスナーの横方向に隣接するものを連結する横壁の少なくとも1個の内部に、又はそれに隣接してスリットがあり、スリットは少なくとも1個の横壁の頂端から本体の上面に向けて延在する、上記又は以降の実施例の組合せのいずれかの面ファスナー。
【0087】
EC12.面ファスナーであって、第1の端縁、第1の端縁から遠位の第2の端縁及び第1の端縁と第2の端縁との間に延在する上面を含む本体を備え、本体は第1の端縁から第2の端縁への横方向及び横方向を横切る縦方向を画成しており、本体の上面から上方向に延出し、本体の横方向に延在する列に配列された複数のファスナーを備え、本体の上面から上方向に延出し縦方向に延在する支持部を備え、支持部は支持上面を含んでおり、支持上面は複数の高地及び複数の谷を画成しており、複数の高地の各々の高さは複数の谷の各々の高さよりも大きく、本体の上面から上方向に延出する複数の横壁を備え、複数の横壁の各横壁は本体の横方向に延在し横壁幅を備えており、複数の横壁の少なくとも1個の横壁の内部に、又はそれに隣接して少なくとも1個のスリットがあり、少なくとも1個のスリットは少なくとも1個の横壁の頂端から本体の上面に向けて延在し、横壁幅よりも小さいスリット幅を有しており、支持上面の複数の高地の1個の少なくとも一部分又は複数の谷の1個の一部分に配置された磁性材料を備える、面ファスナー。
【0088】
EC13.磁性材料は、磁性材料の上面から本体の上面までの距離が縦方向で変化するように支持上面の刻み目を付けた連続要素である、上記又は以降の実施例の組合せのいずれかの面ファスナー。
【0089】
EC14.磁性材料は互いに分離した支持上面の区分を含む、上記又は以降の実施例の組合せのいずれかの面ファスナー。
【0090】
EC15.磁性材料は、複数の高地の少なくとも一部の高地の支持上面の前向き部、支持上面の上向き部又は支持上面の後向き部の少なくとも1つに配置される、上記又は以降の実施例の組合せのいずれかの面ファスナー。
【0091】
EC16.支持部は第1の支持上面を備える第1の支持部であり、面ファスナーはさらに、 第1の端縁と第2の端縁との間で本体の上面から上方向に延出する第1の側壁と、第1の側壁と第2の端縁との間で本体の上面から上方向に延出する第2の側壁と、本体の上面から上方向に延出し縦方向に延在する第2の支持部とを備えており、第2の支持部は第2の支持上面を備えており、複数のファスナー、第1の支持部、第2の支持部及び複数の横壁は第1の側壁と第2の側壁との間で本体の上面に配置されており、第1の支持部は複数のファスナーと第1の側壁との間に配置されており、第2の支持部は複数のファスナーと第2の側壁との間に配置されている、上記又は以降の実施例の組合せのいずれかの面ファスナー。
【0092】
EC17.磁性材料は第1の支持上面に配置された第1の磁性材料であり、面ファスナーは第2の支持上面に配置された第2の磁性材料をさらに含む、上記又は以降の実施例の組合せのいずれかの面ファスナー。
【0093】
EC18.面ファスナーであって、第1の端縁、第1の端縁から遠位の第2の端縁及び第1の端縁と第2の端縁との間に延在する上面を含む本体を備え、本体は第1の端縁から第2の端縁への横方向及び横方向を横切る縦方向を画成しており、本体の上面から上方向に延出し、本体の横方向に延在する列に配列された複数のファスナーを備え、本体の上面から上方向に延出し縦方向に延在する支持部を備え、支持部は複数の高地及び複数の谷を画成する支持上面を含んでおり、複数の高地の各々の高さは複数の谷の各々の高さよりも大きく、本体の上面から上方向に延出する複数の横壁を備え、複数の横壁の各横壁は本体の横方向に延在しており、複数の横壁の少なくとも一部は複数のファスナーの列のファスナーを連結しており、複数の横壁のうちの1個の内部に、又はそれに隣接して少なくとも1個のスリットがあり、少なくとも1個のスリットは横壁の頂端から本体の上面に向けて延在しており、支持上面の複数の高地の1個の少なくとも一部分又は複数の谷の1個の一部分に配置された磁性材料を備える、面ファスナー。
【0094】
EC19.複数の高地の各高地は、支持上面の前向き部、支持上面の上向き部及び支持上面の後向き部を備える、上記又は以降の実施例の組合せのいずれかの面ファスナー。
【0095】
EC20.磁性材料は互いに分離した区分を備えており、区分の各々は、複数の高地の少なくとも一部の高地の支持上面の前向き部、支持上面の上向き部又は支持上面の後向き部の少なくとも1つに配置される、上記又は以降の実施例の組合せのいずれかの面ファスナー。
【0096】
EC21.磁性材料は、磁性材料の高さが本体の上面に対して縦方向で変化するように支持上面の複数の高地及び複数の谷に配置された刻み目を付けた連続要素である、上記又は以降の実施例の組合せのいずれかの面ファスナー。
【0097】
EC22.複数の高地のうちの1個は複数のファスナーの列の1列にまたがる、上記又は以降の実施例の組合せのいずれかの面ファスナー。
【0098】
EC23.複数の高地のうちの1個は複数のファスナーの2列にまたがる、上記又は以降の実施例の組合せのいずれかの面ファスナー。
【0099】
上記の態様は、単に本開示の原理の明確な理解のために述べた、具体化の想定可能な実施例にすぎない。本開示の精神及び原理を逸脱しなければ上記の実施形態(複数も)には多くの変更及び修正をなすことができる。全部のそうした修正及び変更はここで本開示の範囲内に含まれるべく意図しており、個々の態様又は要素もしくはステップの組合せに対する全部の可能なクレームは本開示によって支持されるべく意図している。さらに、特定的な用語を本書のほか後続のクレームにおいて使用しているが、それらは一般的且つ記述的な意味だけで使用されており、記載された本発明も後続のクレームも限定するためのものではない。