(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
味の素(株)は、東京大学教授の池田菊苗博士が発明した特許(出願日:1908年4月24日、1908年7月25日特許査定(特許第14805号、発明の名称:グルタミン酸塩を今後医師主要成分とせる調味料製造法))(例えば、特許文献1参照)に基づき、グルタミン酸ナトリウムの結晶を調味料「味の素:登録商標」として商品化すると共に、脱脂大豆のタンパク質を分解した調味料を「「味液;アジエキ、ミエキ)」:登録商標」として商品化した。池田博士の特許出願から100有余年を経た現在でも、この2つの商品は味の素(株)の主力商品として販売され世界の食卓に「美味しさ」を届けている。
【0003】
この池田博士の特許は、現在では食品の味は「アミノ酸」であることを示している。
【0004】
その後の多くの研究で、例えば、18種のアミノ酸の物理化学的性質が解明されており、アミノ酸科学からタンパク質科学までの広い範囲にわたって、生命と健康に関する研究が展開されている。
【0005】
同時に、アミノ酸の味についての検討やアミノ酸の利用もなされており、多くの調味料に利用されている。
【0006】
味の素(株)製の「味液(登録商標)」は、醤油等の原料として、味の改善や製造コストの低減等に貢献し、「味液」の発売以来約80年にわたり大きな貢献をしている。しかし、「味液」には、製法上、クロロプロパノール(MCP等)等が含まれるという問題がある。
【0007】
タンパク質を加水分解したものに、所定の工程を施し、調味用アミノ酸液を製造する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。このアミノ酸液中のアミノ酸組成分析例によれば、多数のアミノ酸(バリン、アルギニン、ヒスチジン、アラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、プロリン、セリン等)が含まれている。このうちの4種のアミノ酸(アラニン、アルギニン、グリシン、及びグルタミン酸)だけを基準として、特許文献2中の表3のアミノ酸組成分析に基づいて、その比率を計算すれば、それぞれ、15.7wt%、15.7wt%、15.7wt%、及び53.0wt%であり、アラニンは35.0wt%よりも極めて低く、アルギニンは2.2wt%よりも極めて高く、グリシンは44.2wt%よりも極めて低く、グルタミン酸は11.0wt%よりも極めて高い。グルタミン酸が高い量で含まれていることから、pHが低く、強烈な酸味があり、うま味や甘味等は得られない。この特許文献2には、この調味用アミノ酸液を味噌等の製造に用いることに関して具体的な記載はない。この調味用アミノ酸液を、味噌を製造する際に添加しても、味噌の風味や香りや旨味等を改善できないからである。
【0008】
風味評価方法に関する発明であって、旨味物質であるアミノ酸類としてアラニン、アルギニン、グリシン及びグルタミン酸が提案されている(例えば、特許文献3参照)が、それぞれの配合比率については具体的に記載も示唆もない。グルタミン酸が含まれていることから、pHが低く、強烈な酸味があり、うま味や甘味等は得られない。また、日本酒と料理の相性判定システムに係わる発明が提案されており(例えば、特許文献4参照)、味覚の濃淡を決定するアミノ酸としてグルタミン酸、グリシン、アルギニン、アラニンの4種類が、そして旨味成分としてグルタミン酸ナトリウムが開示されているが、それぞれのアミノ酸含有量がどのような範囲で味覚に影響するかについては、記載も示唆もない。グルタミン酸が含まれていることから、pHが低く、強烈な酸味があり、うま味や甘味等は得られないと考えられる。
【0009】
さらに、「味液」中には多数のアミノ酸(リジン、ヒスチジン、アルギニン、アスパラギン酸、スレオニン、セリン、グルタミン酸、プロリン、グリシン、アラニン、シスチン等)が含まれている。これらのうちの4種のアミノ酸(アラニン、アルギニン、グリシン、及びグルタミン酸)だけを基準として、その比率を計算すれば、それぞれ、例えば、15.4wt%、14.0wt%、11.2wt%、及び59.4wt%である。アラニンは35.0wt%よりも極めて低く、アルギニンは2.2wt%よりも極めて高く、グリシンは44.2wt%よりも極めて低く、グルタミン酸は11.0wt%よりも極めて高い。従って、この「味液」自体を、味噌を製造する際に添加しても、味噌の風味や呈味や香りや旨味等をより好ましく改善することは難しいと考えられる。また、この「味液」に基づいて、本発明で用いる4種のアミノ酸を特定の配合量で味噌の製造工程で添加することにより、味噌の風味や呈味や香りや旨味等をより好ましく改善できるだろうとは、当業者といえども容易に想到できるとは思われない。
【0010】
さらにまた、アミノ酸として、グリシン100重量部に対して、アラニン7〜20部、アルギニン27〜40部、グルタミン酸ナトリウム5〜10部、メチオニン1〜3部と、ヌクレオチドと、無機塩とを配合した複合調味料が提案されている(例えば、特許文献5参照)。しかし、これらのうちの4種のアミノ酸(アラニン、アルギニン、グリシン、及びグルタミン酸)だけを基準として、その比率を計算すれば、アラニンの配合量は低く、アルギニンの配合量は高く、グリシンの配合量は高く、グルタミン酸ナトリウムの配合量は低い。配合する上記メチオニンは、加熱によりMMSCL(Methyl Methionil Sulfanil Chloride;メチオニルクロライド)になり、これは、好ましくない分解臭のような独特の匂いとなる。従って、調味料の製造工程において加熱処理される場合には、好ましくない香りを発生するので嫌われる。
【0011】
さらにまた、味噌に対して、その重量を100として、ヒスチジンを0.2〜4.0、乳酸を0.3〜6.0、カリウムを0.1〜1.5、イノシン酸を0.1〜2.0、グルタミン酸を0.01〜1.0の重量比にて配合されてなることを特徴とする、呈風味の改善された味噌が提案されている(例えば、特許文献6参照)。しかし、アラニン、アルギニン、グリシン、グルタミンナトリウムが配合されていないので、本発明のように味噌の呈風味が改善されるどうかは疑問である。
【0012】
味噌は、通常、独特の「旨味」、「まろやかさ」、「独特の風味」、「独特の呈味」を付与することを目的として、各種料理に用いられる調味料素材である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の味噌に係る実施の形態によれば、この味噌は、原料由来のアミノ酸以外に、さらにアミノ酸混合物として、このアミノ酸混合物の重量基準で、アラニンを一般に35.0〜45.0wt%、好ましく37.5〜42.5wt%、最も好ましくは40.0wt%、アルギニンを一般に1.8〜2.2wt%、好ましくは1.9〜2.1wt%、最も好ましくは2.0wt%、グリシンを一般に44.2〜51.8wt%、好ましくは46.1〜49.9wt%、最も好ましくは48.0wt%、グルタミン酸ナトリウムを一般に9.0〜11.0wt%、好ましくは9.5〜10.5wt%、最も好ましくは10wt%からなるアミノ酸混合物を、得られる味噌の重量基準で1〜3wt%含んでおり(すなわち、得られる味噌の重量を100として、その重量基準で、1〜3wt%含んでいる。以下の味噌の製造方法に係る実施の形態における場合も、同じである。)、このような特定の4種のアミノ酸混合物を特定量含んでいることにより、格別顕著に味噌の風味、呈味等が改善される。
【0031】
このように、特定のアミノ酸混合物を添加して麹菌の発育環境を整えて得られる味噌は、通常添加する塩分を添加しなくとも、保存中に雑菌類、特にカビ類が増殖しないというメリットがあることは驚くべきことである。以下の味噌の製造方法に係る第1〜3の実施の形態においても同様である。
【0032】
本発明の味噌は、特定のアミノ酸混合物の特定量の添加以外は、従来の味噌の原料を用い、従来の味噌製造工程及び工程条件に従って製造でき、特に制限はない。その際、食塩を使用しても使用しなくても良い。本発明で対象とする味噌には、例えば、白味噌及び赤味噌等の米味噌、麦味噌、八丁味噌等のいずれの味噌も含まれる。また、上記の各種味噌(本発明における4種の特定のアミノ酸混合物を含んだ味噌)を粉末化した粉末味噌についても同様に効果がある。原材料としては、味噌製造のための公知の穀類(例えば、米、大豆等)、種麹を用いれば良い。
【0033】
本発明の味噌の製造方法に係る第1の実施の形態によれば、この味噌は、味噌の製造工程で、原料素材の仕込み時に、アミノ酸混合物として、このアミノ酸混合物の重量基準で、アラニンを一般に35.0〜45.0wt%、好ましく37.5〜42.5wt%、最も好ましくは40.0wt%、アルギニンを一般に1.8〜2.2wt%、好ましくは1.9〜2.1wt%、最も好ましくは2.0wt%、グリシンを一般に44.2〜51.8wt%、好ましくは46.1〜49.9wt%、最も好ましくは48.0wt%、グルタミン酸ナトリウムを一般に9.0〜11.0wt%、好ましくは9.5〜10.5wt%、最も好ましくは10wt%含んでなる粉末アミノ酸混合物を、得られる味噌の重量基準で1〜3wt%添加し、醸造・発酵することにより製造される。
【0034】
本発明の味噌の製造方法に係る第2の実施の形態によれば、この味噌は、例えば、原料素材としての大豆、米、大麦をひき砕き、これに米麹を添加し、さらにアミノ酸混合物として、このアミノ酸混合物の重量基準で、アラニンを一般に35.0〜45.0wt%、好ましく37.5〜42.5wt%、最も好ましくは40.0wt%、アルギニンを一般に1.8〜2.2wt%、好ましくは1.9〜2.1wt%、最も好ましくは2.0wt%、グリシンを一般に44.2〜51.8wt%、好ましくは46.1〜49.9wt%、最も好ましくは48.0wt%、グルタミン酸ナトリウムを一般に9.0〜11.0wt%、好ましくは9.5〜10.5wt%、最も好ましくは10wt%含んでなる粉末アミノ酸混合物を、得られる味噌の重量基準で1〜3wt%添加し、醸造・発酵することにより製造される。
【0035】
本発明の味噌の製造方法に係る第3の実施の形態によれば、この味噌は、例えば、水中に味噌の原料となる穀類を1時間以上浸漬し、この穀類を水中で穀類が柔らかくなるまで煮沸し、次いでアミノ酸混合物として、このアミノ酸混合物の重量基準で、アラニンを一般に35.0〜45.0wt%、好ましく37.5〜42.5wt%、最も好ましくは40.0wt%、アルギニンを一般に1.8〜2.2wt%、好ましくは1.9〜2.1wt%、最も好ましくは2.0wt%、グリシンを一般に44.2〜51.8wt%、好ましくは46.1〜49.9wt%、最も好ましくは48.0wt%、グルタミン酸ナトリウムを一般に9.0〜11.0wt%、好ましくは9.5〜10.5wt%、最も好ましくは10wt%含んでなる粉末アミノ酸混合物を、得られる味噌の重量基準で1〜3wt%添加し、その後、穀類を潰し、麹菌を潰した穀類に添加して、醸造・発酵することにより味噌を製造することからなる。アミノ酸混合物を添加して麹菌の発育環境を整えると、塩分を添加しなくとも、保存中に雑菌類、特にカビ類が増殖しないことは知られている。
【0036】
上記第1〜3の実施の形態において、食塩を添加せずに醸造・発酵しても、4種のアミノ酸を配合しているので醸造・発酵が進む。また、このように、特定の4種のアミノ酸混合物を添加して麹菌の発育環境を整えて得られる味噌は、通常添加する塩分を添加しなくとも、保存中に雑菌類、特にカビ類が増殖しないというメリットがあることは驚くべきことである。
【0037】
上記第1〜3の実施の形態において、食塩を、従来技術と同様の工程で添加し、例えば、上記第2の実施の形態においては、米麹の添加の代わりに、米麹と食塩とを混合して添加し、醸造・発酵させて味噌を製造しても良い。その場合、上記味噌の製造方法に係る発明の第1〜3の実施の形態において、添加する食塩の重量と添加するアミノ酸混合物の重量との関係を、好ましくは、食塩36〜44wt%に対してアミノ酸混合物56〜64wt%となるようにすればよい。食塩が36wt%未満であると、醸造中の食塩量が少なくなり過ぎ、塩味が少なくなる傾向があり、44wt%を超えると、製品が塩っぽくなり過ぎ、好ましくない傾向がある。
【0038】
本発明の味噌の製造方法においては、通常の味噌製造穀物原料として用いられるものを全て用いることができ、例えば、精白米、大豆、麦等を挙げることができ、また、種麹としても、既知の麹(例えば、Asp. oryzae)を用いることができ、その他の麹として味噌製造に用いるすべての麹を用いることができる。以下の実施例では、精白米を仕込み、これに種麹を混合して製麹を行い、その後大豆を仕込み、みそつきを行っている。
【0039】
従来の味噌製造工程は、例えば、以下のようにして行われる。穀物原料として、蒸し大豆と精白米を用いて味噌を製造する。先ず、(1)精白米(水が白濁しなくなるまで水洗いした)1.5kgを、水に浸け10〜24時間(夏期の場合は10〜12時間、冬期の場合は20〜24時間)十分に吸水させる。浸漬後、十分に水を切り、ひねり餅ができる程度まで蒸す。(2)蒸米を白布に包んで所定の時間放置し、水分が均一になった時点で35℃前後に冷却した後、種麹(2〜3g)をまき、床もみをする。その後、麹室内で、切り返し、盛り、仲仕事、仕舞仕事等の製麹を行う。(3)その後、食塩(0.8〜1.2kg)を加えて出こうじを行い、塩切りを行って、米麹を作る。(4)塩切こうじと、吸水し、蒸煮した原料大豆とを混合し、仕込みタンクに仕込んで熟成(夏期に、3〜6ヵ月)する。かくして、味噌(4.5〜5.0kg)が得られる。
【0040】
本発明においては、上記した従来の製造工程において、例えば、製麹工程又は熟成工程において、上記アミノ酸混合物を混合し、また、上記食塩を添加する工程を行わず、又は食塩添加する工程を行って、味噌を製造する。
【0041】
味噌は、蒸した大豆と米、大麦等をひき砕き、これに米麹と食塩とを混合せしめ、発酵して製造される。この場合、塩分が10%以上ないと雑菌の繁殖等で味噌の風味が損なわれる可能性があるが、本発明では4種の特定のアミノ酸混合物を添加するので、その影響で雑菌が繁殖することはない。最近は、減塩化の傾向にあるが、通常の従来の米味噌では、食塩分は12%近辺である。低塩味噌としては米麹を糖化したり、液糖を加えたりして短期間発酵で製造することが行われている。例えば、米の使用割合が非常に高い「西京味噌」は魚類や肉類の味噌漬けに利用されており、この場合の塩分濃度は5%程度と非常に低く、アルカリ性である。上記における対策として、糖化液や米麹の一部代替として、本発明の4種の特定のアミノ酸混合物を製品レベルで4%以上添加すれば解決できるというメリットがある。甘味などの他に、4種のアミノ酸の味も呈味効果と共に淡色化、低褐変に有効であり、グリシンの防腐効果もあるので、高品質化が可能である。勿論、塩味の減少に対しては著効である。
【0042】
本発明によれば、得られる味噌は、低褐変性味噌であり、糖を添加していないので、糖尿病対策、肥満対策等の生理活性対応味噌である。
【0043】
本発明では、上記の4種の特定のアミノ酸混合物を味噌の製造工程で添加し、原料由来のアミノ酸に加えて、味や香りや旨味等に有効なアミノ酸を増量することにより作用効果が達成され、多くの利点をもたらすことが確認できた。
【0044】
この理由は、本発明で用いる4種のアミノ酸はいずれも個別の発酵や合成で製造されたものであり、食品添加物規格に合致しているので、これらのアミノ酸を発酵食品(味噌)製造工程において添加することにより、以下の特徴を発揮できるからである。
【0045】
(1)いずれも溶解度が高く、溶解性が良い。ちなみに、溶解度は、50℃での水に対し、グリシン:39.123g/dl、DL−アラニン:23.1g/dl、L−グルタミン酸ナトリウム1水和塩:91.57g/dl、L−アルギニン:40.0g/dlである。
【0046】
(2)いずれも結晶であり、溶解しても着色はなく、少なくとも食品に添加しても色は薄くするが、濃くはならないので、特に色度の上昇を心配することはない。
【0047】
(3)pHは、等電点で、グリシン:5.97、アラニン:6.00、グルタミン酸ナトリウム:3.22、アルギニン:11.15である。本発明では、中性アミノ酸のグリシン、アラニンと酸性アミノ酸のグルタミン酸と塩基性アミノ酸のアルギニンとが配合されている。味噌に限らず、食品は多くの物質の集合体であり、これら食品中に含まれているアミノ酸物質の持つ荷電が緩衝能をもっており、呈味に大きな影響をもたらす。一般の食品は酸性領域であるが、本発明では、これらの4種のアミノ酸混合物を添加した場合にpHを酸性領域にさせないように、酸性アミノ酸のグルタミン酸と塩基性アミノ酸のアルギニンとを配合して緩衝能をつくっており、添加した食品(味噌)の緩衝能を乱さないように多数の混合割合を比較し、配慮している。
【0048】
(4)アミノ酸は最近個々のアミノ酸でも多くの薬理作用の生理活性をもっていることが報告されている。アルギニンは、朝鮮人参や生薬等に多く含まれ、多くの生理活性が報告されている。また、グリシンは、最近では催眠誘発効果があるともいわれており、食品では抗菌作用も報告されており、食品にも使われている。これらの生理活性効果は、食品中の含有量によっては、純粋アミノ酸の示す効果を発現できないこともあり得るが、少なくとも添加していることの意義はあると考えられる。
【0049】
(5)アミノ酸は単体でもそれぞれの呈味をもっており、これらの呈味の総合が食品の味にかなりの影響をもたらす。本発明で配合した4種のアミノ酸の混合割合は、半分以上が中性疎水性のアミノ酸であるグリシン、アラニンである。この2つのアミノ酸は生体内の18種アミノ酸中の甘味アミノ酸の内でも、刺激閾(閾値)に関して、アラニンが60mg/dl、グリシンが110mg/dlであり、スレオニン300mg/dl、プロリン300mg/dl、セリン150mg/dlと比較して、かなり低く、甘味度も高い。そのため、食品中のこれらのアミノ酸の甘味度への寄与率は大きく、今回の4種のアミノ酸の食品(味噌)製造工程での添加により、大きな影響がもたらされたと考えられる。特に、食塩の塩分の見かけの除去効果が大きく、味噌中の塩味が舌に残らないということは、極めて重要である。
【0050】
(6)最近は飲料の摂りすぎや食事の甘味の嗜好度が高くなっていることが指摘されている。このため、糖分の過剰摂取が問題とされ、これと共に日常の運動量の減少もあり、血糖値の上昇から来る「肥満」、「糖尿病」、「心筋系疾患」への危惧が指摘されている。また、多くの人工甘味料も開発されて使用されているが、砂糖等の天然甘味物質との「味」の差と表示の面とから、全てに対応できる甘味料がない。グリシンやアラニンは、砂糖とともに天然の甘味料でもあり、この4種のアミノ酸混合物の使用は甘味度も高いので、この使用によって、砂糖や糖類の使用量の減少にも繋がる。特に、グリシン、アラニンは、アミノ酸であり、体内に入った場合は糖の代謝系とはまったく異なるタンパク質合成系の代謝にまわるので、糖分の過剰摂取の問題が解決できる。
【0051】
(7)家庭での調味料の使用形態が、変化している。以前は、味噌、醤油、酢、塩、砂糖等のいわゆる「さ・し・す・せ・そ」から、これらを工場で混合して製造された「つゆ、たれ」等をそのまま使用して調理に使ったり、直接食卓に置いて使ったりする割合が多かった。しかし、最近は、各家庭での使用形態が変化し、各家庭で独自に調合することが増加しており、このために、製品の「味」の調整や向上には「濃厚さ」がポイントになってしまい、かくして、「砂糖」や「液糖」を多く使う傾向が高まっているのが現状である。また、「甘味」の味の複雑さを念頭に、多くの甘味物質の併用も多くなり、原材料の他の食品添加物の表示が多種になり、ラベルでの表示が多種になり、消費者の識別選択も不便となっている。商品へのアミノ酸の表示には、「アミノ酸等」の一括表示も認められているばかりでなく、アミノ酸は、肥満や糖類による健康への、むしろ良好因子と認める方向になっている。
【0052】
本発明によれば、従来のアミノ酸液を使用することによってアミノ酸液製造工程で副生するレブリン酸やギ酸等の有機酸の他に有機塩素関連化合物のMCP(原料中の油脂の分解で生成するグリセリンと塩素の化合物)等の混入の問題もない。本発明では、純度が食品添加物レベル以上(JAS規格)のアラニン、アルギニン、グリシン、及びグルタミン酸ナトリウムを、それぞれ、例えば、40.0wt%、2.0wt%、48.0wt%、及び10.0wt%という最も好ましい量で含んだアミノ酸混合物を用い、食塩を使用する場合に関しては、例えば、製造工程で使用する食塩40wt%に対してこのアミノ酸混合物が60wt%になるように、食塩と共に味噌製造工程の仕込み時に添加しても良い。この添加量は、通常、原料のTNの10%に相当する量である。
【0053】
以上の点に鑑み、実際の味噌製造工程での4種の特定のアミノ酸混合物の添加例を下記の実施例及び比較例により詳細に説明する。以下の実施例及び比較例では、単品の医薬又は食品グレード以上の食品添加物指定のアミノ酸の混合物を、味噌製造工程で使用した。
【実施例1】
【0054】
上記した従来の味噌製造工程に準じて味噌を製造した。その際、原料としては、丸大豆3kg、米麹3kg、種水200mL、食塩0.13又は1.3kgを使用した。当業によれば、得られた味噌は10kgであった。但し、食塩を添加せずに、本発明で用いる上記4種のアミノ酸混合物(0.2kg)を添加した場合と、4種のアミノ酸混合物(0.2kg)及び食塩(0.13kg)を添加した場合と、4種のアミノ酸混合物を添加せずに食塩(1.3kg)のみを添加した場合とを実施した。添加したアミノ酸混合物は、全アミノ酸重量基準で、グリシン48.0wt%(96g)、グルタミン酸ナトリウム10wt%(20g)、アラニン40.0wt%(80g)、アルギニン2.0wt%(4g)からなっていた。上記から、アミノ酸混合物の比率は61wt%、食塩の比率は39wt%であった。なお、アミノ酸混合物の添加量は得られる味噌重量の2wt%であった。
【0055】
かくして得られた、アミノ酸混合物を添加した場合に得られた味噌、アミノ酸混合物及び食塩を添加した場合に得られた味噌及びアミノ酸混合物を添加せずに食塩のみを添加した場合に得られた味噌に関して、それぞれ、5gを湯100mLに溶解し、味噌汁を作製した。かくして得られた味噌汁を味噌の官能評価の専門パネル(某味噌製造会社)20名により官能評価を行った。同時に得られた味噌自体をなめて、同様に官能評価を行った。
【0056】
評価方法:
ブラインド試験により、パネルのそれぞれが、味噌の風味、呈味、香りについて総合的に好ましいか、好ましくないかで評価した。
【0057】
上記実施例1において、アミノ酸混合物を添加して製造された味噌については、味噌汁の場合も味噌自体の場合も、パネル15名が総合的に極めて好ましいとし、5名がまあまあ好ましいとし、アミノ酸混合物を添加せずに食塩のみを添加して製造された従来の味噌については、味噌汁の場合も味噌自体の場合も、パネル17名が総合的に好ましくないとし、3名が市販の味噌と同じくらいであるとした。アミノ酸混合物及び食塩を添加した場合に得られた味噌については、アミノ酸混合物を添加して得られた味噌の場合とほぼ同様に極めて好ましいと評価した。
【0058】
アミノ酸混合物を添加した味噌に対しての評価は、味噌汁の場合も味噌自体の場合も、パネルによれば、平均的に顕著なキレのある甘さがあると共に、塩味が舌に残らず、爽やかな甘さや、後味の良い甘さを有し、さらに甘さを引き立てる旨さがあったということであった。アミノ酸混合物と食塩とを用いて製造された味噌に対しての評価は、アミノ酸混合物を添加した(食塩を用いなかった)場合に得られた評価と比べてあまり変化のない風味、呈味を有していたということであり、アミノ酸混合物を添加せずに食塩のみを使用して製造された従来の味噌に対しての評価は、パネルによれば、平均的に塩味が強く、味噌香も強く、重い臭いを持っており好ましくないということであった。
【0059】
上記した方法により得られた味噌には、レブリン酸、ギ酸等の含有は認められなかったことが確認できた。
【0060】
上記において食塩を添加せずに製造した味噌の場合、4種のアミノ酸混合物を添加することによりカビの繁殖が抑えられ、長期間の保存が可能であったことが確認されたことは驚くことであった。
【実施例2】
【0061】
実施例1においてアミノ酸混合物を添加して食塩を添加せずに味噌を製造した場合について、添加するアミノ酸混合物の量を0.5wt%、1.0wt%、2.0wt% 3.0wt%及び3.5wt%にして、実施例1を繰り返した。その結果、得られた味噌の風味、呈味は、0.5wt%の場合は好ましくなく、3.5wt%の場合は、3.0wt%の場合とあまり変わらないが、高価になり、好ましくない。1.0〜3.0wt%の場合は、味噌の風味、呈味香り等が格別に好ましかった。
【実施例3】
【0062】
上記した実施例1記載の味噌製造方法を繰り返した。但し、アミノ酸混合物を添加し(得られる味噌基準で2wt%)、食塩を添加しなかった場合について実施した。その際、4種のアミノ酸からなるアミノ酸混合物を、以下の表1に記載の配合比率(wt%)で添加し、味噌を製造し、味噌の味(うま味や甘味等の風味や呈味)や香り等を検討した。表1中で参考のために記載した記号「(1)」は、各アミノ酸含有量が一般的範囲内にあること、記号「(2)」は、各アミノ酸含有量が一般的範囲内及び好ましい範囲内にあること、記号「(×)」は、各アミノ酸含有量が一般的範囲外及び好ましい範囲外にあることを示す。これは、本発明において規定したアミノ酸混合物の組成比率の範囲に基づいている。また、コントロールとして、アミノ酸混合物を添加しないで、同様にして味噌を製造した。
【0063】
【表1】
【0064】
製造された味噌に関する官能評価は、次のようにして行った。
(1)パネル:某味噌製造会社の味噌評価の専門パネル8名(男4名:女4名)
(2)使用アミノ酸混合物配合比率:上記表1記載の混合物番号3−1〜3−21
(3)評価方法:ブラインド試験により、パネルのそれぞれが、実施例1の場合と同様に、味噌汁及び味噌自体について、味噌の味と香りについて5点法で評価した。パネルの数値による評価平均値(表中では平均の「評点」として示してある)を以下に示す。その際、砂糖や糖類の重い甘さではなく、格別顕著なキレのある甘さがあると共に、塩味が舌に残らず、後味の良い味を有し、好ましい香りがあった味噌を評点5とし、ややキレのある甘さがあると共に塩味が舌に残らず、後味の良い味を有し、好ましい香りがあった味噌を評点4とし、通常の味噌と同じ甘さがあり、塩味が若干舌に残り、後味があまり良くなく、味噌香が強い味噌を評点3とし、通常の場合より劣るが、若干の後味の良い味を有し、さらに塩味が強い味噌を評点2とし、甘さに乏しく、塩味が強く、後味が良くない味噌を評点1とした。また、「アミノ酸混合物」を添加しなかった味噌についても同様な評価を行った。その結果を、評価平均点(評点)として以下の表2に示す。
【0065】
【表2】
【0066】
上記混合物番号3−1の場合、グリシン含有量が高いので、得られた味噌は、上記8名のパネルによる官能試験の結果、甘味は強いが、うま味は少ない傾向があるという評価であった。
【0067】
以下の混合物番号3−2〜3−21(アミノ酸混合物)の場合についても、上記と同じパネルによって官能試験を実施し、以下にその結果を示す。
【0068】
上記混合物番号3−2の場合、得られた味噌は、格別顕著にキレのある甘さがあると共に、塩味が舌に残らず、爽やかな甘さや、後味の良い甘さを有し、さらに甘さを引き立てる旨さがあったという評価であった。
【0069】
上記混合物番号3−3の場合、アラニン含有量が低いので、グリシン含有量が高くても、得られた味噌は、顕著に甘味が低い傾向があるという評価であった。
【0070】
上記混合物番号3−4の場合、アルギニン含有量が低く、グリシン含有量が低く、グルタミン酸ナトリウム含有量が高いので、得られた味噌は、顕著に、緩衝性がなくなり、甘味が減少し、うまみが強くなって味がくどくなる傾向があるという評価であった。
【0071】
上記混合物番号3−5の場合、得られた味噌は、キレのある爽やかな甘さや、後味の良い甘さを有すると共に、塩味が舌に残らず、さらに甘さを引き立てる旨さがあるという評価であった。
【0072】
上記混合物番号3−6の場合、アルギニン含有量が高く、グルタミン酸ナトリウム含有量が低いので、得られた味噌は、アルカリ味が高くなる傾向があるという評価であった。
【0073】
上記混合物番号3−7の場合、グリシン含有量が低いので、得られた味噌は甘味が低い傾向があるという評価であった。
【0074】
上記混合物番号3−8の場合、得られた味噌は、上記混合物番号3−2と同様に、格別顕著にキレのある甘さがあると共に、塩味が舌に残らず、爽やかな甘さや、後味の良い甘さを有し、さらに甘さを引き立てる旨さがあったという評価であった。
【0075】
上記混合物番号3−9の場合、得られた味噌は、キレのある爽やかな甘さがあると共に、塩味が舌に残らず、後味の良い甘さを有し、さらに甘さを引き立てる旨さがあるという評価であった。
【0076】
上記混合物番号3−10の場合、得られた味噌は、塩味が舌に残らず、爽やかな甘さや、後味の良い甘さを有し、さらに甘さを引き立てる旨さがあるという評価であった。
【0077】
上記混合物番号3−11の場合、アラニン含有量が高く、アルギニン含有量が低く、グリシン含有量が低く、グルタミン酸ナトリウム含有量が低いので、得られた味噌は、顕著に、甘味が低く、緩衝性が低くなって味の奥深さが少なく、うまみが弱い傾向があるという評価であった。
【0078】
上記混合物番号3−12の場合、アラニン含有量が高く、アルギニン含有量が低く、グリシン含有量が低いので、得られた味噌は、緩衝性が無くなり、味の奥深さが少なくなり、甘味が低くなる傾向があるという評価であった。
【0079】
上記混合物番号3−13の場合、アラニン含有量が高く、アルギニン含有量が高く、グルタミン酸ナトリウム含有量が低いので、得られた味噌は、顕著に、甘味が強くなり過ぎ、アルカリ味が高くなる傾向があるという評価であった。
【0080】
上記混合物番号3−14の場合、得られた味噌は、塩味が舌に残らず、爽やかな甘さや、後味の良い甘さを有し、さらに甘さを引き立てる旨さがあるという評価であった。
【0081】
上記混合物番号3−15の場合、得られた味噌は、塩味が舌に残らず、爽やかな甘さや、後味の良い甘さを有し、さらに甘さを引き立てる旨さがあるという評価であった。
【0082】
上記混合物番号3−16の場合、得られた味噌は、塩味が舌に残らず、爽やかな甘さや、後味の良い甘さを有し、さらに甘さを引き立てる旨さがあるという評価であった。
【0083】
上記混合物番号3−17の場合、得られた味噌は、塩味が舌に残らず、爽やかな甘さや、後味の良い甘さを有し、さらに甘さを引き立てる旨さがあるという評価であった。
【0084】
上記混合物番号3−18の場合、得られた味噌は、塩味が舌に残らず、爽やかな甘さや、後味の良い甘さを有し、さらに甘さを引き立てる旨さがある。
【0085】
上記混合物番号3−19の場合、得られた味噌は、キレのある爽やかな甘さがあると共に、塩味が舌に残らず、爽やかな甘さや、後味の良い甘さを有し、さらに甘さを引き立てる旨さがあるという評価であった。
【0086】
上記混合物番号3−20の場合、得られた味噌は、上記混合物番号3−2と同様に、格別顕著にキレのある甘さがあると共に、塩味が舌に残らず、爽やかな甘さや、後味の良い甘さを有し、さらに甘さを引き立てる旨さがあったという評価であった。
【0087】
上記混合物番号3−21の場合、得られた味噌は、キレのある爽やかな甘さがると共に、塩味が舌に残らず、爽やかな甘さや、後味の良い甘さを有し、さらに甘さを引き立てる旨さがあるという評価であった。
【0088】
アミノ酸混合物を添加しなかった味噌に対しては、キレのある甘さがなく、味噌香も強く、重い臭いを持っているという評価であった。
【0089】
上記実施例の結果に基づけば、以下の4種のアミノ酸だけを、アラニンを一般に35.0〜45.0wt%、好ましく37.5〜42.5wt%、最も好ましくは40.0wt%、アルギニンを一般に1.8〜2.2wt%、好ましくは1.9〜2.1wt%、最も好ましくは2.0wt%、グリシンを一般に44.2〜51.8wt%、好ましくは46.1〜49.9wt%、最も好ましくは48.0wt%、グルタミン酸ナトリウムを一般に9.0〜11.0wt%、好ましくは9.5〜10.5wt%、最も好ましくは10wt%で混合し、これらのアミノ酸を合計で100wt%になるように含んでいる粉末アミノ酸混合物を、味噌の製造工程において、例えば、仕込み初期に添加した場合は、キレのある甘味や香りや外観等に優れ、価格の安い味噌が製造できる。この味噌は、さらに上記実施例に記載したような効果が得られた。このようなバランスの良い特定の配合比率を有する4種のアミノ酸からなる粉末アミノ酸混合物を使用することにより、従来技術にない上記のような特異な顕著な効果が達成されたのである。上記実施例によれば、その数値限定の内と外のそれぞれの効果に顕著な差異があることが明らかである。
【0090】
また、上記粉末アミノ酸混合物(実施例3−1〜13)の所定量を味噌製造プロセスで添加した場合、従来のアミノ酸液を添加した場合や上記比較例1〜8のアミノ酸混合物を添加した場合と比べ、格別顕著なキレのある甘味があり、塩味が舌に残らず、塩味が少なく感じ、そして酸味が少ない味噌が作製できた。さらに、上記したように、これらの粉末アミノ酸混合物は、抗菌作用を有し、安価である。
【0091】
上記実施例で用いたアミノ酸混合物は、各アミノ酸が食品添加物規格(JAS規格)の範囲内にある。この組成範囲のアミノ酸混合物を液体ではなく結晶形態の混合物として調製してあり、粉体形態のままで、味噌製造工程の所定の工程で添加することにより味噌の味の向上を来すことが認められた。
【0092】
また、上記実施例で用いられたアミノ酸混合物は、結晶水を持つアミノ酸であるグルタミン酸ナトリウムの添加比率が少ないために、通常の湿度をもつ空気中で放置(例えば、1年以上)しても「潮解」することはなく、混合物としての安定性を備えている。
【0093】
さらに、本発明で用いるアミノ酸混合物は、含まれているアミノ酸の殆どが甘味を持っていることから、このアミノ酸混合物を添加して製造される味噌は、糖分の摂取を制限されている「糖尿病患者」や「腎臓疾患患者」の人々が使用する醤油としても有用である。
【0094】
また、アミノ酸混合物を味噌製造工程の所定の工程で添加した場合、アミノ酸混合物自体が有する味、香り等は、味噌の製造過程で変化せずに、得られた味噌に含まれていたことが、上記した実施例における評価結果から確認できた。
【実施例4】
【0095】
上記した実施例1記載の味噌製造方法を繰り返した。但し、食塩を使用し、アミノ酸混合物と食塩との比率を変えて、アミノ酸混合物50wt%及び食塩50wt%、アミノ酸混合物56wt%及び食塩44wt%、アミノ酸混合物60wt%及び食塩40wt%、アミノ酸混合物64wt%及び食塩36wt%、アミノ酸混合物70wt%及び食塩30wt%と変動させて、実施例1記載の方法を繰り返して、味噌を製造した。
【0096】
その結果、アミノ酸混合物56wt%及び食塩44wt%、アミノ酸混合物60wt%及び食塩40wt%、並びにアミノ酸混合物64wt%及び食塩36wt%の場合は、実施例1の場合とほぼ同程度の風味や呈味や旨味が感じられ、十分に好ましい味噌が得られたが、アミノ酸混合物50wt%及び食塩50wt%の場合は、味噌が塩っぽくなり過ぎ、好ましくない傾向があった。また、アミノ酸混合物70wt%及び食塩30wt%の場合には、醸造中の食塩量が少なくなる傾向があった。
【0097】
上記から、味噌の製造工程で食塩を使用する場合には、味噌の製造工程で添加する食塩の重量と添加するアミノ酸混合物の重量との関係が、目的を達成するためには、好ましくは食塩36〜44wt%に対してアミノ酸混合物56〜64wt%であることが確認できた。
【0098】
なお、味噌の製造方法は標準である10割麹味噌の場合、原料として、大豆と米との等重量に、食塩を使用して製造されるが、味噌の発酵と硬度の調整等で種水を添加する。この種水の量は、味噌の種類、製品、原料、そして各味噌製造企業によって異なり、一様ではないが、通常、3〜5%程度である。通常、この種水に調味料や酵母等を加えるが、本発明におけるアミノ酸混合物の場合、使用する量、溶解性をみても、全量の添加は難しいので、アミノ酸混合物の食塩添加品として加え、食塩量を調整する方法が、味噌の発酵と調味料との均一添加で最も好ましい。
【0099】
本明細書では、上記したように味噌及び味噌の製造方法について説明したが、本発明で用いた粉末アミノ酸混合物を利用して、味噌以外の各種醸造・発酵食品、例えば、食酢、味醂、ワイン、清酒、焼酎、漬物、ソース、ドレッシング、焼き肉のたれ、キムチ等の味や香り等を改良することができる。
【0100】
ところで、醸造発酵食品には種々の分類方法があるが、原料の処理方法と製品の品種とから分類すると、原料から発酵に必要な糖源や蛋白源を得るために麹菌を生育させる工程を有する食品を「醸造発酵食品」とし、原料中に既に糖源を充分に持っており、直接か或いは簡単な処理で発酵の資化源を得て製品となる食品を「発酵食品」とすることができる。この場合、「醸造発酵食品」には、醤油、味噌、味醂、ビール等が含まれる。これらの食品は、原料の蛋白質が高く、アミノ酸、ペプチドを多く含んでおり、呈味力も強い。一方、「発酵食品」は、糖源の豊富な果実等の原料であるので、糖分や香気成分は豊富であるが、アミノ酸由来の呈味は弱い。上記「醸造発酵食品」への上記した4種のアミノ酸混合物の添加は、アミノ酸のパターン変化による呈味の増強であり、「発酵食品」への添加は、味の変化による新規商品化に繋がる。その場合の添加量は、色々であるが、例えば2〜5wt%であっても良い。
【0101】
食酢は、原料によって米酢、酒粕酢、麦芽酢、酒精酢、ブドウ酒、リンゴ酢に大別される。通常、これらの含糖質原料に対して、酵母によってアルコール発酵を行うか、又はアルコール発酵を行わずに、アルコールを添加して酢酸菌によって酢酸発酵を行い、酢酸を主成分とする食酢(酸性調味料)を製造する。食酢は、醤油や味噌と同じく醸造・発酵調味料であり、超淡色であり、煮物や酢の物の調味料として重用されている。
【0102】
以下、アルコール発酵が終わったブドウ酒を用いたブドウ酢の従来の製造方法について説明する。原材料としては、従来、アルコール分10%のブドウ酒:約1,000mL、種酢:400mL(又は少量の酢酸)、酢酸菌、砂糖:約50g、食塩:約10g、セライト少量、グルタミン酸ナトリウム:約1g、酒石酸:約1g、パラオキシ安息香酸ブチルエステル:約0.15gを使用する。
【0103】
通常の製造工程:
(1)酢酸菌としては、例えば、Acetobacter acetiに属する菌で、過酸化能(酢酸を消費して炭酸ガスと水に分解する機能)の弱い菌を使用する。このような菌がなければ、食酢製造工場から得られる発酵の旺盛なもろみ(種酢)を使用しても良い。
(2)ブドウ酒100mLを容器に入れ、常法に従って殺菌する。この際、冷却後に、2〜3%になるようにアルコールを添加することが好ましい。
(3)殺菌したブドウ酒に上記(1)に記載の菌を加え、28℃の恒温器中で4〜5日間放置する。
(4)上記種酢発酵を終えたものを第一次種菌という。次に、容器にブドウ酒300mLを入れ、殺菌冷却した後、2〜3%になるようにアルコールを添加することが好ましい。これに菌膜を破った第一次種菌を添加し、4〜5日間種酢発酵を行う。
(5)この種酢発酵を終えたものを第二次種菌という。第二次種菌培養終了後、酸度を測定し、酸度が4%より低い場合は、酢酸により、酸度を4%程度に調節する。
【0104】
(6)アルコール濃度を7%に調整したブドウ酒600mLを容器に入れ、この容器に、第二次種菌又は種酢を良く撹拌して菌膜を破ったものを加える。酸度4%の第二次種菌、又は種酢400mLにアルコール濃度7%のブドウ酒600mLを加えると、酸度は約1.6%、アルコール度数は4.2%となる。本発酵では初期の酸度を1.0〜1.5%以上に保ち、雑菌の汚染を防ぐ。一般に、酢酸発酵ではアルコール1%から酸度1%の食酢ができる。本仕込みでは、約5.8%酸度(酸度1.6%+アルコール酸度数4.2%)の80%とみて、酸度4.6%以上の食酢ができる。発酵は、28℃の恒温器中で12〜15日間程度酢酸発酵(好気性発酵)させる。
(7)毎日1mLの試料を採取し、0.1N−NaOH液で滴定を行い、最高酸度に達した時点で発酵を止める。
(8)発酵液を恒温器から出し、少量のセライト等を加えてろ過し、菌膜を除いて原酢を得る。
(9)通常、製品とするためには、様々な副材料を添加する。例えば、糖分が少ないものは砂糖を1〜5%程度、味を調えるためには食塩を0.1〜1.0%程度、旨味を付けるためにはグルタミン酸ナトリウムを0.01%程度、酸味を引き立てるためには酒石酸を0.1%程度添加する。また、防腐剤として、パラオキシ安息香酸ブチルエステルが、食品衛生法に従って所定量添加される。
【0105】
食酢は、通常、上記したようにして製造されるが、得られた食酢に上記した4種のアミノ酸混合物(アラニン、アルギニン、グリシン及びグルタミン酸ナトリウム)を所定量(例えば、得られた食酢の重量基準で1〜5wt%)添加することにより、以下述べるように、風味、呈味の改善された食酢を提供することができる。
【0106】
原料由来のアミノ酸以外に、アミノ酸混合物として、このアミノ酸混合物の重量基準で、上記した味噌に添加したアミノ酸混合物と同じ成分比率の4種のアミノ酸混合物、すなわちアラニンを一般に35.0〜45.0wt%、好ましく37.5〜42.5wt%、最も好ましくは40.0wt%、アルギニンを一般に1.8〜2.2wt%、好ましくは1.9〜2.1wt%、最も好ましくは2.0wt%、グリシンを一般に44.2〜51.8wt%、好ましくは46.1〜49.9wt%、最も好ましくは48.0wt%、グルタミン酸ナトリウムを一般に9.0〜11.0wt%、好ましくは9.5〜10.5wt%、最も好ましくは10wt%からなるアミノ酸混合物を、通常の方法で得られた食酢に重量基準で1〜5wt%含む食酢は、上記したような各アミノ酸の風味、呈味が食酢の風味、呈味として現れ、好ましい食酢を提供することができる。
【0107】
さらに、従来法により、米、小麦、又はトウモロコシから選ばれた穀物を用いて酒を作り、これに酢酸菌を添加して酢酸発酵させて食酢を製造する際に、原料由来のアミノ酸以外に、さらにアミノ酸混合物として、このアミノ酸混合物の重量基準で、アラニンを一般に35.0〜45.0wt%、好ましく37.5〜42.5wt%、最も好ましくは40.0wt%、アルギニンを一般に1.8〜2.2wt%、好ましくは1.9〜2.1wt%、最も好ましくは2.0wt%、グリシンを一般に44.2〜51.8wt%、好ましくは46.1〜49.9wt%、最も好ましくは48.0wt%、グルタミン酸ナトリウムを一般に9.0〜11.0wt%、好ましくは9.5〜10.5wt%、最も好ましくは10wt%からなる粉末アミノ酸混合物を得られる食酢に対して重量基準で1〜5wt%添加する。
【0108】
上記した食酢及び上記した方法により製造された食酢は、添加したアミノ酸混合物の各アミノ酸の効果について味噌に関して説明した表1及び表2のような風味、呈味と同様な傾向があるので、副材料を添加する必要はない。すなわち、従来法の場合に行うように、糖分を添加したり、食塩で味を調えたり、旨味を付けたり、酸味を付けたり、防腐剤を添加したりすることは必要でない。また、上記4種のアミノ酸混合物は、TNが16%であるので、目的の窒素量に基づいて計算された数値で添加すれば、所望の味等を改善できる。
【0109】
以下、味醂について説明する。味醂は、醤油や味噌や食酢と同じく醸造発酵調味料であり、超淡色であり、煮物や酢の物の調味料として重用されている。味醂は、餅米や米麹を主原料として作るアルコール飲料の一つであるが、原料が米であるため、製品中のTN(Total Nitrogen)は著しく低い。しかし、上記した4種のアミノ酸混合物を得られる味醂に添加することにより、高いTNを有し、風味、呈味が改善された味醂を提供できる。この4種のアミノ酸混合物は、TNが16%であるので、目的の窒素量に基づいて計算された数値で添加すればよい。
【0110】
味醂の場合、原料由来のアミノ酸以外に、アミノ酸混合物として、このアミノ酸混合物の重量基準で、アラニンを一般に35.0〜45.0wt%、好ましく37.5〜42.5wt%、最も好ましくは40.0wt%、アルギニンを一般に1.8〜2.2wt%、好ましくは1.9〜2.1wt%、最も好ましくは2.0wt%、グリシンを一般に44.2〜51.8wt%、好ましくは46.1〜49.9wt%、最も好ましくは48.0wt%、グルタミン酸ナトリウムを一般に9.0〜11.0wt%、好ましくは9.5〜10.5wt%、最も好ましくは10wt%からなるアミノ酸混合物を、通常の方法で得られる味醂に対して重量基準で1〜5wt%添加することにより、上記したような各アミノ酸の風味、呈味が味醂の風味、呈味として現れ、好ましい風味、呈味や香りを有する味醂を提供することができる。
【0111】
さらに、米、米糠麹、醸造用アルコール及び焼酎を主原料として、又は米、米糠麹、及び焼酎を主原料として、糖化・熟成処理をして、製造した味醂に、原料由来のアミノ酸以外に、さらにアミノ酸混合物として、このアミノ酸混合物の重量基準で、アラニンを一般に35.0〜45.0wt%、好ましく37.5〜42.5wt%、最も好ましくは40.0wt%、アルギニンを一般に1.8〜2.2wt%、好ましくは1.9〜2.1wt%、最も好ましくは2.0wt%、グリシンを一般に44.2〜51.8wt%、好ましくは46.1〜49.9wt%、最も好ましくは48.0wt%、グルタミン酸ナトリウムを一般に9.0〜11.0wt%、好ましくは9.5〜10.5wt%、最も好ましくは10wt%からなるアミノ酸混合物を得られる味醂の重量基準で1〜5wt%添加することにより、風味、呈味、香りに優れた味醂を提供することができる。
【0112】
アミノ酸混合物を製造された味醂に特定量添加した場合、アミノ酸混合物自体が有する風味、呈味、香り等は変化せずに、味醂に含まれていたことが確認できた。
【0113】
以下、ワインについて、上記4種のアミノ酸混合物の添加について説明する。
ワインの場合、原料由来のアミノ酸以外に、アミノ酸混合物として、このアミノ酸混合物の重量基準で、アラニンを一般に35.0〜45.0wt%、好ましく37.5〜42.5wt%、最も好ましくは40.0wt%、アルギニンを一般に1.8〜2.2wt%、好ましくは1.9〜2.1wt%、最も好ましくは2.0wt%、グリシンを一般に44.2〜51.8wt%、好ましくは46.1〜49.9wt%、最も好ましくは48.0wt%、グルタミン酸ナトリウムを一般に9.0〜11.0wt%、好ましくは9.5〜10.5wt%、最も好ましくは10wt%からなるアミノ酸混合物を得られるワインに対して重量基準で1〜5wt%含んでなる。
【0114】
上記したように、アミノ酸混合物として、上記した粉末アミノ酸混合物を通常の方法により製造されたワインに重量基準で1〜5wt%を添加することにより風味、呈味、香りに優れたワインを提供することができる。
【0115】
アミノ酸混合物を製造されたワインに添加した場合、アミノ酸混合物自体が有する風味、呈味、香り等は、変化せずに、ワインに含まれていたことが確認できた。
【0116】
以下、清酒について、上記4種のアミノ酸混合物を添加する場合について説明する。
清酒の場合、原料由来のアミノ酸以外に、さらにアミノ酸混合物として、このアミノ酸混合物の重量基準で、アラニンを一般に35.0〜45.0wt%、好ましく37.5〜42.5wt%、最も好ましくは40.0wt%、アルギニンを一般に1.8〜2.2wt%、好ましくは1.9〜2.1wt%、最も好ましくは2.0wt%、グリシンを一般に44.2〜51.8wt%、好ましくは46.1〜49.9wt%、最も好ましくは48.0wt%、グルタミン酸ナトリウムを一般に9.0〜11.0wt%、好ましくは9.5〜10.5wt%、最も好ましくは10wt%からなるアミノ酸混合物を清酒中に重量基準で1〜5wt%含んでなり、それにより、アミノ酸混合物自体が有する風味、呈味、香りに優れた清酒を提供することができる。
【0117】
アミノ酸混合物を清酒に添加した場合、アミノ酸混合物自体が有する風味、呈味、香り等が変化することなく、清酒中に含まれていたことが確認できた。
【0118】
以下、焼酎について、上記4種のアミノ酸混合物を添加する場合について説明する。
焼酎は、原料由来のアミノ酸以外に、アミノ酸混合物として、このアミノ酸混合物の重量基準で、アラニンを一般に35.0〜45.0wt%、好ましく37.5〜42.5wt%、最も好ましくは40.0wt%、アルギニンを一般に1.8〜2.2wt%、好ましくは1.9〜2.1wt%、最も好ましくは2.0wt%、グリシンを一般に44.2〜51.8wt%、好ましくは46.1〜49.9wt%、最も好ましくは48.0wt%、グルタミン酸ナトリウムを一般に9.0〜11.0wt%、好ましくは9.5〜10.5wt%、最も好ましくは10wt%からなるアミノ酸混合物を得られた焼酎に重量基準で1〜5wt%含んでなる。これにより、アミノ酸混合物自体が有する風味、呈味、香りに優れた焼酎を提供することができる。
【0119】
アミノ酸混合物を焼酎に添加した場合、アミノ酸混合物自体が有する風味、呈味、香り等は、焼酎中で変化することなく、焼酎に含まれていたことが確認できた。
【0120】
以下、漬物について、上記4種のアミノ酸混合物を使用する場合について説明する。
含有塩分の減少した漬物を得るために、高い塩分濃度を有する漬物に対して、アミノ酸混合物として、このアミノ酸混合物の重量基準で、アラニンを一般に35.0〜45.0wt%、好ましく37.5〜42.5wt%、最も好ましくは40.0wt%、アルギニンを一般に1.8〜2.2wt%、好ましくは1.9〜2.1wt%、最も好ましくは2.0wt%、グリシンを一般に44.2〜51.8wt%、好ましくは46.1〜49.9wt%、最も好ましくは48.0wt%、グルタミン酸ナトリウムを一般に9.0〜11.0wt%、好ましくは9.5〜10.5wt%、最も好ましくは10wt%からなる粉末アミノ酸混合物を、漬物重量に対して1〜10wt%均一に振りかけて、1夜以上静置することにより含有塩分が減少した漬物を得ることができる。このように、このアミノ酸混合物には、「塩の追い出し効果」があるものと考えられる。
【0121】
前記漬物が高い塩分濃度を有する沢庵であり、前記沢庵が燻製大根からなる沢庵である。
【0122】
上記漬物との関係で、秋田名物の「いぶりがっこ(「株式会社雄勝野きむらや」の登録商標)」に対して上記4種のアミノ酸混合物を適用する例を説明する。この「いぶりがっこ」は、大根を燻製にして食塩を用いて甘辛くした「沢庵」であるが、秋田独特の地元漬物として薄く切ってご飯のおかずや清酒の「つまみ」として「独特」の歯ごたえもあり人気がある。
【0123】
この「いぶりがっこ」の端キレを集め、砂糖と味醂液とに浸けて、甘い沢庵漬けとして販売している。これは好評ではあるが、後味に塩気が強くでる。
【0124】
そこで、この塩気を取るか、弱める検討を行った。塩気を抜くために、一晩流水に浸けて脱水する場合、旨味成分も流れてしまい、塩気だけを抜くことは難しい。そのため、上記4種の粉末アミノ酸混合物(例えば、アラニン40.0wt%、アルギニン2.0wt%、グリシン48.0wt%、グルタミン酸ナトリウム10wt%からなる粉末アミノ酸混合物)を、この「いぶりがっこ」に少量(「いぶりがっこ」の重量基準で、例えば、1〜2wt%)振り掛けて、1夜静置した。その結果、塩味が無くなるか、少なくなることが判明した。かくして、この漬物はとても甘く、美味しい新商品となった。
【0125】
かくして、上記した比率の範囲で構成される4種の粉末アミノ酸混合物をいぶりがっこに適用することにより、塩味が無くなるか、少なくなることが明らかになった。
【0126】
このように塩気が改良された原理は、沢庵に染みこんだ「食塩」(分子量58.5)がグリシン(分子量75.07)、アラニン(分子量89.09)と浸透圧置換したためであり、その結果、塩気が抜けたものと考えられる。
【0127】
上記では塩気のある漬物から塩気を抜くことについて説明したが、漬物液中にこのアミノ酸混合物を適宜の量で添加することにより、塩気の減少した又は塩気の感じられない各種漬物を得ることができる。
【0128】
例えば、通常の漬物漬液を用いて漬物を製造する場合に、アミノ酸混合物として、アラニンを一般に35.0〜45.0wt%、好ましく37.5〜42.5wt%、最も好ましくは40.0wt%、アルギニンを一般に1.8〜2.2wt%、好ましくは1.9〜2.1wt%、最も好ましくは2.0wt%、グリシンを一般に44.2〜51.8wt%、好ましくは46.1〜49.9wt%、最も好ましくは48.0wt%、グルタミン酸ナトリウムを一般に9.0〜11.0wt%、好ましくは9.5〜10.5wt%、最も好ましくは10wt%からなる粉末アミノ酸混合物を、漬液重量基準で1〜10wt%添加した漬液を用いることにより、塩味がなく、甘味が増し、高級感が出る漬物を製造することができる。アミノ酸混合物には、「塩の追い出し効果」があるからであると考えられる。
【0129】
さらに、ソース、ドレッシング、焼き肉のたれ、ヨーグルト、チーズ、納豆、紅茶、キムチ、ビール、梅酒等について上記4種のアミノ酸混合物を1〜5wt%程度適用すれば、味等の点で、格別に改善されることが分かった。かくして、醸造食品を含めて、各種食品に適用すれば、風味、呈味、香り等の点が格別に改良されるものと思料される。
【0130】
なお、上記食酢以下の説明では、アミノ酸混合物を製品に添加することで説明したが、アミノ酸混合物ということに鑑みれば、製造プロセスのどの工程で添加しても物質の変化はないので、同様な結果が得られる。