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特許6865561非確率論抵抗性スイッチングメモリデバイス及び製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6865561
(24)【登録日】2021年4月8日
(45)【発行日】2021年4月28日
(54)【発明の名称】非確率論抵抗性スイッチングメモリデバイス及び製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/8239 20060101AFI20210419BHJP
   H01L 27/105 20060101ALI20210419BHJP
   H01L 45/00 20060101ALI20210419BHJP
   H01L 49/00 20060101ALI20210419BHJP
【FI】
   H01L27/105 448
   H01L45/00 Z
   H01L49/00 Z
【請求項の数】11
【外国語出願】
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-226818(P2016-226818)
(22)【出願日】2016年11月22日
(65)【公開番号】特開2017-208523(P2017-208523A)
(43)【公開日】2017年11月24日
【審査請求日】2019年10月24日
(31)【優先権主張番号】62/339,536
(32)【優先日】2016年5月20日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511157620
【氏名又は名称】クロスバー, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Crossbar, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】ジョー, サン ヒョン
【審査官】 小山 満
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2012/0074372(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0334485(US,A1)
【文献】 国際公開第2012/118481(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0051125(US,A1)
【文献】 国際公開第2015/167438(WO,A1)
【文献】 特開平05−313205(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0158973(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/105
H01L 21/8239
H01L 45/00
H01L 49/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
抵抗性スイッチングデバイスであって、
半導体基板上に配置された下部電極と、
前記下部電極上に配置され、アルミニウム及び窒素材料:AlNyを含む抵抗性スイッチング材料と、
前記抵抗性スイッチング材料上に配置され、非化学量論比のアルミニウム及び窒素材料:xが0.60〜0.80の範囲にあるAlNx(y>x)を含む導体材料と、
前記導体材料上に配置された上部電極とを備える抵抗性スイッチングデバイス。
【請求項2】
前記下部電極は、金属窒化物を含む、請求項1に記載の抵抗性スイッチングデバイス。
【請求項3】
AlNyは、化学量論比又は非化学量論比のアルミニウム窒化物であり、yは、1.00〜1.50の範囲である、請求項1に記載の抵抗性スイッチングデバイス。
【請求項4】
yは、1.00〜1.0の範囲である、請求項1に記載の抵抗性スイッチングデバイス。
【請求項5】
前記抵抗性スイッチング材料は、2nm〜20nmの厚みを備える、請求項1に記載の抵抗性スイッチングデバイス。
【請求項6】
前記導体材料は、4nm〜100nmの厚みを備える、請求項1に記載の抵抗性スイッチングデバイス。
【請求項7】
前記抵抗性スイッチング材料は、1メガオーム(MOhms)〜100メガオーム(MOhms)の範囲内で初期抵抗と関連する、請求項1に記載の抵抗性スイッチングデバイス。
【請求項8】
前記導体材料は、1キロオーム(KOhms)〜100キロオーム(KOhms)の範囲内で初期抵抗と関連する、請求項1に記載の抵抗性スイッチングデバイス。
【請求項9】
前記下部電極は、銅、窒化チタン、窒化タンタルからなる群から選択された材料を含む、請求項1に記載の抵抗性スイッチングデバイス。
【請求項10】
半導体デバイスの形成方法であって、
半導体基板上に下部電極を形成する工程と、
前記下部電極上に、アルミニウム及び窒素材料:AlNyを含む抵抗性スイッチング材料層を形成する工程と、
前記抵抗性スイッチング材料層上に、非化学量論比のアルミニウム及び窒素材料:xが0.60〜0.80の範囲にあるAlNx(y>x)を含む導体材料を形成する工程と、
前記導体材料上に上部電極を形成する工程を備える半導体デバイスの形成方法。
【請求項11】
前記抵抗性スイッチング材料を形成する工程は、窒素ガスの第一濃度に関連するアルゴンガス及び窒素ガス環境前記アルミニウム材料を配置する工程を備え、
前記導体材料を形成する工程は、窒素ガスの第二濃度に関連する第二アルゴンガス及び窒素ガス環境前記アルミニウム材料を配置する工程を備え、
窒素ガスの前記第一濃度は、窒素ガスの前記第二濃度を超えてなる、請求項10に記載の半導体デバイスの形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、概して、電子メモリに関するものであり、例えば、この開示は、非線形電流電圧応答をメモリデバイスに提供するように構成されたセレクターデバイスを記載する。
【背景技術】
【0002】
集積回路技術の分野における昨今のイノベーションは、抵抗性メモリである。抵抗性メモリ技術の多くが発展段階にある一方、抵抗性メモリに関する様々な技術的コンセプトは、本発明の譲受人によって示され、このコンセプトは、関連する1又は複数の理論を証明したり覆したりする1又は複数の検証段階にある。それでも、抵抗性メモリ技術は、半導体エレクトロニクス産業の競合技術に勝る実質的な利点を保有している可能性がある。
【0003】
抵抗性ランダムアクセスメモリ(RRAM)は、抵抗性メモリの一例である。本開示の発明者達は、RRAMが高密度不揮発性情報記憶技術としての潜在性を有すると考えている。一般的に、RRAMは、互いに異なる抵抗状態を制御可能にスイッチすることによって情報を保存する。譲受人によって証明された様々なメモリモデルが提供するように、単一の抵抗性メモリは、単一ビット又は複数ビット情報を保存することができ、1回限りのプログラム可能セル又はプログラム可能且つ消去可能なデバイスとして構成することができる。
【0004】
様々な理論が、抵抗性スイッチングの現象を説明するために、発明者達によって提唱されてきた。かかる理論の一つによれば、抵抗性スイッチングは、他の電気絶縁体中の導電性構造の形成の結果である。導電性構造は、イオン、適切な状況(例えば、適切な電界)下でイオン化可能な原子又は他の電荷伝達メカニズムから形成可能である。かかる理論の別のものによれば、フィールド支援原子拡散は、抵抗性メモリセルに印加した適切な電位に応じて発生することができる。本発明者達によって提唱された更に別の理論によれば、導電性フィラメントの形成は、二元酸化物(例えば、NiO、TiO等)のジュール加熱及び電気化学プロセスに応答して、又は、酸化物、カルコゲニド、ポリマー等を含むイオン伝導体に関するレドックス法によって発生させることができる。
【0005】
本発明者達は、良好な耐久性及びライフサイクルを示す電極、絶縁体、電極モデルに基づく抵抗性デバイスを期待している。更に、本発明者達は、高オンチップ密度を有するかかるデバイスを期待している。従って、抵抗性デバイスは、デジタル情報記憶装置のために使用される金属酸化物半導体(MOS)トランジスタの実行可能な代案であってもよい。対象となる特許出願の発明者達は、例えば、抵抗性スイッチングメモリデバイスのモデルが不揮発性フラッシュMOSデバイスに勝る幾つかの潜在的な技術的利点を提供するものと考えている。
【0006】
上記の点を考慮して、本発明者達は、メモリ技術及び抵抗性メモリを更に改良することに務めている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本明細書の幾つかの態様に関する基礎的な知識を提供するために、本明細書の簡単な要約を以下に示す。この要約は、本明細書の網羅的な概要でない。これは、本明細書の鍵となる又は重要な要素を特定する意図も任意の特定の実施形態の範囲又は請求項の任意の範囲を詳細に描画する意図もない。その目的は、本開示において示されるより詳細な説明の前書きとして、簡単な形で本明細書の幾つかの概念を提示することである。
【0008】
本開示の様々な実施形態は、抵抗性スイッチングメモリデバイスを提供する。いくつかの実施形態では、抵抗性スイッチングメモリデバイスは、下部電極、導電層、抵抗性スイッチング層、及び上部電極を備えることができる。さらに、デバイス上の機械的応力を低減するために2つ以上の層を選択することができる。様々な実施形態において、抵抗性スイッチング層及び導電層は、異なる電気抵抗を有する適合性金属窒化物又は金属酸化物材料で形成することができ、抵抗性スイッチング層及び抵抗性スイッチングメモリデバイスの導電性フィラメントに対する機械的応力を低減する。
【0009】
さらなる実施形態では、本開示は、抵抗性スイッチングデバイスを提供する。抵抗性スイッチングデバイスは、半導体基板上に配置された下部電極と、下部電極上に配置され、アルミニウム及び窒素材料:AlNyを含む抵抗性スイッチング材料とを含むことができる。さらに、抵抗性スイッチングデバイスは、抵抗性スイッチング材料上に配置され、アルミニウム及び窒素材料:AlNx(ここでy>x)を含む導体材料と、導体材料上に配置された上部電極を含むことができる。
【0010】
さらなる実施形態では、本開示は、半導体デバイスを形成する方法を提供する。この方法は、半導体基板上に下部電極を形成する工程と、下部電極上に、アルミニウム及び窒素材料:AlNyを含む抵抗性スイッチング材料層を形成する工程とを含むことができる。さらに、本方法は、抵抗性スイッチング材料上に、アルミニウム及び窒素材料:AlNx(y>x)を含む導体材料を形成する工程と、導体材料上に上部電極を形成する工程を含むことができる。
【0011】
以下の記述及び図面は、本明細書のある種の解説となる態様を記載している。これらの態様は、本明細書の原理を使用することができるほんの数例を様々な方法で示している。本明細書の他の利点及び新規の特徴は、図面と関連付けながら考慮すると、本明細書の以下の詳細な説明から明白になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本開示の様々な態様又は特徴は、図面を参照しながら記載されており、同じ参照符号の使用は、全体にわたって同じ要素を表す。本明細書において、多数の特定の詳細事項が、本開示の詳細な知識を提供するために記載されている。しかしながら、対象となる開示におけるある種の態様が、これらの特定の詳細事項なしに実行し得るし、他の方法、コンポーネント、物質等と共に実行し得ることを理解すべきである。他の例において、周知の構造物及びデバイスは、対象となる開示の記載を容易にするために、ブロック図の形態で示している。
図1図1は、様々な開示された実施形態において非化学量論比抵抗性メモリデバイスを提供する例示的なモノリシック構造のブロック図を示す
図2図2は、開示された代替の実施形態における例示の非化学量論比抵抗性スイッチングメモリデバイスのブロック図を示す。
図3図3は、他の代替の実施形態における非化学量論比抵抗性メモリデバイスを提供する例示的なモノリシック構造のブロック図を示す。
図4図4は、さらなる実施形態における抵抗メモリデバイスを製造する例示的な方法のフローチャートを示す。
図5図5は、追加的な実施形態において非化学量論比メモリデバイスを製造する例示的な方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示は、デジタル情報記憶装置に使用される2−ターミナルメモリセルのセレクターデバイスに関する。いくつかの実施形態において、2−ターミナルメモリセルは、抵抗技術(例えば抵抗性スイッチング2−ターミナルメモリセル)を有することができる。抵抗性スイッチング2−ターミナルメモリセル(別名、抵抗性スイッチングメモリセル又は抵抗性スイッチングメモリ)は、本願明細書で利用されるように、2つの導電性接触子の間に活性領域を有する、導電性接触子を具備する回路コンポーネントを備える。2−ターミナルメモリデバイスの活性領域は、抵抗性スイッチングメモリの内容において、複数の安定又は半安定抵抗状態(それぞれ互いに異なる電気抵抗を有する抵抗状態)を示す。更に、複数の状態のそれぞれのものは、2つの導電性接触子に印加される適切な電気信号に応じて形成又は活性化できる。適切な電気信号は、電圧値、電流値、電圧若しくは電流極性等又はその適した組み合わせとすることができる。抵抗性スイッチング2−ターミナルメモリデバイスの例としては、網羅的ではないが、抵抗性ランダムアクセスメモリ(RRAM)、相変化RAM(PCRAM)及び磁性RAM(MRAM)を挙げることができる。
【0014】
不揮発性フィラメント系抵抗性スイッチングメモリセルに関して、RSLは、適切な外部刺激の非存在下で、適切な粒子をトラップするようにその中の充分な物理的欠陥サイトを有するために選択することができ、これによって、粒子の運動性及び分散性が低下する。メモリセルにわたって印加される適切なプログラム電圧に応じて、導電路又はフィラメントがRSLを通じて形成される。特に、プログラムバイアス電圧を印加すると、金属イオンは、活性金属層から発生してRSL層に移動する。より具体的には、金属イオンは、RSL層中のボイド又は欠陥サイトに移動する。いくつかの実施形態において、バイアス電圧を除くと、金属イオンは、中性金属粒子になり、RSL層のボイド又は欠陥中に閉じ込められたままになる。充分な量の粒子がトラップされると、フィラメントが形成され、メモリセルは、比較的高い抵抗状態から比較的低い抵抗状態にスイッチする。より具体的には、トラップされた金属粒子は、RSL層を通じて導電路又はフィラメントを提供し、抵抗は、一般的にRSL層を通じたトンネル型抵抗によって決定される。ある抵抗性スイッチングデバイスにおいて、導電性フィラメントを少なくとも部分的に変形させて、メモリセルを低い抵抗状態から高い抵抗状態に戻すイレーズ法が実施される。より具体的には、消去バイアス電圧を印加すると、RSLのボイド又は欠陥中にトラップされた金属粒子が動きやすくなり活性金属層の方に戻るように移動する。この状態変化は、メモリの内容において、バイナリビットのそれぞれの状態と関連することができる。多重メモリセルのアレイに関して、メモリセルのワード、バイト、ページ、ブロック等は、バイナリ情報の0又は1を表し、そして、長時間バイナリ情報を保存する効力でそれらの状態を保持することによってプラグラム又は消去することができる。各種実施形態において、マルチレベル情報(例えば、マルチビット)は、かかるメモリセルに保存してもよい。
【0015】
本願明細書の様々な実施形態は、種々の物理的性質を有する様々なメモリセル技術を利用することができることを理解すべきである。例えば、種々の抵抗性スイッチングメモリセル技術は、プログラム可能な種々のディスクリート抵抗と、種々の関連プログラム/消去電圧と、他の識別特徴と、を有することができる。例えば、対象となる開示の様々な実施形態は、極性の電気信号に対する第一スイッチング応答(例えば、一組のプログラム状態のうちの1つにするプログラミング工程)及び第二極性を有する電気信号に対する第二スイッチング応答(例えば、消去状態にする消去工程)を示すバイポーラスイッチングデバイスを使用することができる。バイポーラスイッチングデバイスは、例えば、同じ極性及び種々の大きさを有する電気信号に応じた第一スイッチング応答(例えば、プログラム工程)及び第二スイッチング応答(例えば、消去工程)を示すユニポーラデバイスと対照的である。
【0016】
特定のメモリセル技術又はプログラム/消去電圧が本願明細書において様々な態様及び実施形態に関して特定されていない場合、かかる態様及び実施形態は、当業者にとって公知又は本願明細書に提供されている内容によって当業者にとって公知となったように、任意の適切なメモリセル技術を組み込んで、その技術に適したプログラム/消去電圧によって作動することが意図されている。種々のメモリセル技術を置換することが、当業者には公知である回路修正又は当業者には公知である動作信号レベルに対する変更を必要とする場合、置換されたメモリセル技術又は信号レベルの変更を含む実施形態は、対象となる開示の範囲内であると更に理解すべきである。
【0017】
対象となる本願の発明者達は、抵抗性メモリに加えて追加の不揮発性2−ターミナルメモリ構造物に精通している。例えば、強誘電体メモリ(RAM)は、一例である。いくつかのその他のものとして、磁気抵抗RAM、有機RAM、相変化RAM及び導電性ブリッジRAM等が挙げられる。2−ターミナルメモリ技術には、種々の長所及び短所があり、長所短所間のトレードオフは一般的なものである。抵抗性スイッチングメモリ技術は、本願明細書に開示される多くの実施形態と共に言及されているが、当業者の都合がよい場合は、他の2−ターミナルメモリ技術を、開示される実施形態のいくつかのために利用することができる。
【0018】
本発明者達は、広範な実験に基づいて、抵抗性スイッチングデバイスの層間の圧縮/引張力が、彼らが発明した抵抗性スイッチングデバイスの長期保存性能に望ましくない影響を及ぼす可能性があると信じている。したがって、様々な実施形態において、本発明者らは、上部電極、抵抗性スイッチング材料、導電性材料、及び下部電極のような抵抗性スイッチングデバイスの材料が、組成及び/又は圧縮又は引張り応力の点で幾分適合していることを望んでいる。単なる一例として、いくつかの実施形態では、導電層は、比較的導電性の金属窒化物などであってもよく、スイッチング層は、比較的抵抗性の金属窒化物(例えば、セラミック)などであってもよい。
【0019】
本発明者らは、様々な金属窒化物を利用した抵抗性スイッチングデバイスの制御された製造を行い、動作抵抗性スイッチングデバイスを可能にする材料の組み合わせを発見した。抵抗性スイッチング材料としての窒化アルミニウムの使用及び成功は、ほとんどの金属窒化物が高導電性であり、したがってスイッチング材料として不適切であるため、本発明者にとって驚きであった。
【0020】
ここで図面を参照すると、図1は、1つ又は複数の実施形態による例示的な抵抗性スイッチングメモリデバイス100のブロック図を示す。抵抗性スイッチングメモリデバイスは、上部電極102と、抵抗性スイッチング層104と、導電層106と、下部電極108とを備えることができる。様々な実施形態では、1つ又は複数の他の層を、層間の接着性、導電性、粒子拡散の低減等のために設けることができる(例えば、下記の図3を参照)。
【0021】
1つ以上の実施形態では、抵抗性スイッチングメモリデバイス100は、AlNxの組成を有する導電層106と、AlNyの組成を有する隣接するスイッチング層104とを含むことができる。導電層は、約55:45〜約60:40の範囲内の金属(例えば、アルミニウム)と窒化物(MNx)との間の比率を有することができる。したがって、いくつかの実施形態では、xは約0.80〜約0.60の範囲内にあってもよい。さらに、様々な実施形態において、スイッチング層104は、約50:50〜約40:60の範囲内の金属(例えば、アルミニウム)と窒化物(MNy)との間の比率を有してもよい。したがって、いくつかの実施形態では、yは、約1.00〜約1.50の範囲内であり得る。理解されるように、いくつかの実施形態では、y対xの関係は、y>xである。様々な実施形態では、測定値に基づいて、導電層106は、約1Kohm〜約100Kohmのオーダーの電気抵抗を有し、抵抗性スイッチング層104は、1Mohm以上の初期抵抗を有すると考えられる。
【0022】
いくつかの実施形態では、導電層106及び抵抗性スイッチング層108は、(異なる比率の化合物としてであっても)同じ要素から形成することができる。その結果、これらの層の圧縮又は引張り特性は類似すると予想される。これを考慮して、スイッチング材料層内に形成された導電性フィラメントは、繰り返しの加熱及び冷却に応答してより少ない機械的応力(例えば、圧縮応力、引っ張り応力など)を受けることが予想される。したがって、多くのプログラム及び消去動作にわたってそのような抵抗性スイッチングデバイスの信頼性が向上することが期待される。
【0023】
さらなる実施形態では、導電層106のための金属窒化物の使用は、抵抗性スイッチング層104内のフィラメント形成のための導電性材料(例えば、粒子、原子、イオンなど)を提供することができる。さらに、金属窒化物は、(例えば、金属窒化物の電気抵抗に基づいて)抵抗性スイッチングデバイスの電流コンプライアンスにおいて、いくつかの実施形態では、抵抗性スイッチング層104のためのスイッチング材料はAlNyであり、導電層106のための導電性材料は前述のようにAlNx(y>x)であってもよい。上記に照らして、スイッチング材料と導電性材料の他の組み合わせも本発明の実施形態内にあることを理解されたい。例えば、導電性材料AlOx及びスイッチング材料AlOy(x<y)などの金属酸化物も使用することができる。当業者に知られているか、又は本明細書で提供される文脈によって知られている他の適切な材料は、本開示の範囲内にあると考えられる。
【0024】
図2は、本開示の代替実施形態による抵抗性スイッチングメモリデバイス200のブロック図を示す。抵抗性スイッチングメモリデバイス200は、上部電極202、導電層204、抵抗性スイッチング層206及び下部電極208を備えることができる。上部電極202及び下部電極208は、適切な導電性材料で作製することができる。上部電極202又は下部電極208の材料の例は、金属、金属合金、金属窒化物又は金属酸化物、Cu、Al、Ti及び他の適切な導体を含むことができる。いくつかの実施形態では、上部電極202又は下部電極208は、導電性半導体材料(例えば、ドープされたSi、ドープされたポリシリコンなど)を含むことができる。導電層204は、窒化物又は酸化物の第一濃度xを有する金属窒化物又は金属酸化物を含むことができる。さらに、抵抗性スイッチング層は、窒化物又は酸化物の第二濃度yを有する金属窒化物又は金属酸化物を含むことができる。様々な実施形態において、y>xである。
【0025】
図3は、追加の開示された実施形態によるサンプル抵抗性スイッチングメモリデバイス300のブロック図を示す。抵抗性スイッチングメモリデバイス300は、本明細書で説明するように、上部電極302、抵抗性スイッチング層306、導電層308及び下部電極312を備えることができる。さらに、抵抗性スイッチングメモリデバイス300は、1つ又は複数の追加の層又は層の組を含むことができる。例えば、層304の第一の組は、抵抗性スイッチング層306と上部電極302との間の電気伝導性を高めるための導電層、良好な層間接着を促進するための接着層、層間での粒子(金属、例えば、Cu、Al又はOなど)の拡散を低減するためのバリア層、又は別の層にイオンを供給するためのイオン層のうちの1つ以上を含むことができる。さらなる実施形態では、抵抗性スイッチングメモリデバイスは、導電層、接着層、バリア層、又は導電層308と下部電極層312との間のイオン層のうちの1つ以上を含む層310の第二の組を含むことができる。
【0026】
上述した線図は、メモリセル、その導電層又はかかるメモリセル/導電層からなるメモリアーキテクチャのいくつかのコンポーネント(例えば、層)間での相互作用に関して記載している。対象とある開示のある適切な代替態様において、かかる線図には、その中に特定のコンポーネント及び層指、いくつかの特定のコンポーネント/層又は追加のコンポーネント/層を含めることができることを理解すべきである。サブコンポーネントは、親コンポーネント/層の中に含まれるよりは、むしろ別のサブコンポーネントに電気的に接続するように実装することもできる。例えば、中間層を、1又は複数の開示した層に隣接して設けることができる。一例として、予想外の酸化を低減又は制御する適切なバリア層を、1又は複数の開示した層の間に配置することができる。更に他の実施形態において、開示されたメモリスタック又はフィルム層のセットは、描いているものよりも少ない層を有することができる。例えば、スイッチング層は、電極層で挟むというよりは、伝導ワイヤーと電気的に直接接触することができる。加えて、1又は複数の開示された工程は、集合機能を提供する単一の工程に組み合わることができることに留意されたい。開示されたアーキテクチャのコンポーネントは、本願明細書に具体的に記載されていないが、当業者によって知られている1又は複数の他のコンポーネントと相互作用することもできる。
【0027】
上述した例示的な線図を考慮すると、開示された主題に従って実装できる処理方法は、図6−7のフローチャートを参照することにより、よりよく理解される。説明を単純にするために、図6−7の方法は、一連のブロックとして表示且つ記載している一方で、あるブロックは、異なる順番で存在したり、本願明細書に描画及び記載されているもの由来の他のブロックと同時に存在したりしてもよいため、請求の主題は、ブロック順に限定されることはない点を理解し認識すべきである。更に、示された全てのブロックが、本願明細書に記載されている方法を実施するのに必ずしも必要というわけではない。加えて、本明細書全体にわたって開示される方法のいくつか又は全ては、かかる手順を電子装置に移動及び転送することを容易にするために製品に記憶させることができることを更に理解すべきである。使用した製品という用語は、任意のコンピュータ可読装置、キャリアと連動する装置又は記録媒体からアクセス可能なコンピュータプログラムを含むことを意図とする。
【0028】
図4は、1つ以上の開示された実施形態による、抵抗性スイッチングメモリデバイスを形成するための例示の方法400のフローチャートを示す。402において、方法400は、下部電極を形成する工程を含むことができる。下部電極は、金属、ドープされた半導体などの適切な導電性材料で形成することができる。404において、方法400は、第一濃度の第一応力適合性材料の抵抗性スイッチング層を堆積する(例えば、スパッタリングする)工程を含むことができる。第一応力適合性材料は、いくつかの実施形態では金属窒化物を、他の実施形態では金属酸化物を含むことができる。一実施形態では、第一応力適合性材料は、1部の金属に対して約1.00〜約1.50部の範囲の窒化物又は酸化物とすることができる。さらなる実施形態では、抵抗性スイッチング層は、約2ナノメートル(nm)〜約20nmの範囲内の厚さで形成することができる。406において、方法400は、第一濃度よりも小さい第二濃度の第二応力適合性材料の導電層を堆積させる(例えば、スパッタリングする)工程を含むことができる。一実施形態では、第二応力適合性材料は、第一応力適合性材料と同じ材料とすることができる。様々な実施形態において、第二応力適合性材料は、1部の金属に対して約0.6〜約0.8部の範囲の窒化物又は酸化物とすることができる。少なくとも1つの実施形態では、導電層は、約4nm〜約100nmの範囲内の厚さで形成することができる。
【0029】
様々な実施形態では、例えば、導電層と抵抗性スイッチング層の両方が同じ材料であるが異なる比率で形成される場合、両方の層はその場で製作されてもよい。いくつかの実施形態では、このようなデバイスを形成するために、アルゴン及び窒素リッチの環境内でアルミニウムを最初に堆積させ(例えば、スパッタリングして)、(約2nmから約20nmの範囲内の厚さを有する)抵抗性スイッチング層を形成し、次いで、真空を破ることなく、アルゴン及び窒素の不足した環境内でアルミニウムを堆積させて(例えば、スパッタリングして)、(約4nmから約100nmの範囲内の厚さを有する)導電層を形成してもよい。他の実施形態では、2つの別個の堆積プロセスを使用して、空気を遮断しつつ2つの層を形成するか又は空気を遮断せずに2つの層を形成することができる。上部電極及び下部電極のための材料はまた、窒化チタン、窒化タンタル、窒化アルミニウムなどのような導電性窒化物であってもよい。
【0030】
図5は、本開示のさらなる実施形態による例示の方法500のフローチャートを示す。502において、方法500は、基板上に下部電極を形成する工程を含むことができる。504において、方法500は、高い電気抵抗を有する抵抗性スイッチング層を形成するために、窒素又は酸素リッチ環境で金属を堆積させる工程を含むことができる。506において、方法500は、抵抗性スイッチング層にわたってより低い電気抵抗を有する導電層を形成するために、(例えば、参照番号504と比較して)窒素又は酸素が不足した環境で金属又は第二金属を堆積させる工程を含むことができる。508において、方法508は、導電層上に上部電極を形成する工程を含むことができる。
【0031】
対象となる開示の様々な実施形態において、開示されたメモリ又はメモリアーキテクチャは、CPU又はマイクロコンピュータと共に独立型又は一体型内蔵メモリデバイスとして使用することができる。ある実施形態は、例えば、コンピュータメモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ、キャッシュメモリ、リードオンリーメモリ又は記憶メモリ等)の一部として実装することができる。他の実施形態は、例えば、携帯用メモリデバイスとして実装することができる。適切な携帯用メモリデバイスの例として、リムーバブルメモリ(例えば、セキュアデジタル(SD)カード、ユニバーサルシリアルバス(USB)メモリスティック若しくはコンパクトフラッシュ(CF)カード等又は適切な前述の組み合わせ)を挙げることができる。(以下の図6及び7を参照)。
【0032】
NANDFLASHは、コンパクトFLASHデバイス、USBデバイス、SDカード、ソリッドステートドライブ(SSD)及びストレージクラスメモリ並びに他のフォームファクターに用いられる。NANDは、過去数十年にわたって、より小さいデバイス及びより高いチップ密度にスケールダウンさせることに成功した技術であることを証明してきたが、スケールダウン技術が25ナノメートル(nm)メモリセル技術を超えたあたりから、いくつかの構造的な問題、性能問題及び信頼性に関する問題が明らかになった。これらのサブセット又は類似の考慮点は、開示された態様によって対処される。
【0033】
図6は、本開示の態様によるメモリセルアレイのメモリアレイ602のための例示の動作及び制御環境600のブロック図を示す。本開示の少なくとも1つの態様では、メモリアレイ602は、様々なメモリセル技術から選択されたメモリを含むことができる。少なくとも一実施形態では、メモリアレイ602は、コンパクトな二次元又は三次元構造に配置された2端子メモリ技術を含むことができる。本明細書に開示されるような、例示のアーキテクチャは、1T1Rメモリアレイ、及び1TnRメモリアレイ(又は1TNRメモリアレイ)を含むことができる。好適な2端子メモリ技術は、抵抗性スイッチングメモリ、導電性ブリッジングメモリ、相変化メモリ、有機メモリ、磁気抵抗メモリなど、又はこれらの適切な組み合わせを含むことができる。
【0034】
列コントローラ606及びセンスアンプ608は、メモリアレイ602に隣接して形成することができる。さらに、列コントローラ606は、メモリアレイ602のビット線のサブセットをアクティベートする(又はアクティベートを識別する)ように構成することができる。列コントローラ606は、参照信号及び制御信号発生器618によって供給される制御信号を利用して、ビット線のサブセットのそれぞれをアクティベートするとともに動作させ、それらのビット線に適切なプログラム、消去又は読み出し電圧を印加する。非アクティベートビット線は、これらの非アクティベートビット線に対するビットディスターブ効果を低減又は回避するために、禁止電圧(基準及び制御信号発生器618によっても印加される)に保つことができる。
【0035】
さらに、動作及び制御環境600は、行コントローラ604を備えることができる。行コントローラ604は、メモリアレイ602のワード線に隣接して形成され、メモリアレイ602のワード線に電気的に接続され得る。また、基準及び制御信号発生器618の制御信号を利用して、行コントローラ604は、適切な選択電圧でメモリセルの特定の行を選択することができる。さらに、行コントローラ604は、選択されたワード線に適切な電圧を印加することによって、プログラム、消去又は読み出し動作を容易にすることができる。
【0036】
センスアンプ608は、列制御部606及び行制御部604によって選択されたメモリアレイ602のアクティベートされたメモリセルからデータを読み出すことができる。メモリアレイ602から読み出されたデータは、入出力バッファ612に提供することができる。同様に、メモリアレイ602に書き込まれるデータは、入出力バッファ612から受信され、メモリアレイ602のアクティベートされたメモリセルに書き込まれる。
【0037】
クロックソース608は、行コントローラ604及び列コントローラ606の読み出し、書き込み、及びプログラム動作のタイミングを容易にするために、それぞれのクロックパルスを提供することができる。クロックソース608は、動作及び制御環境600によって受信された外部コマンド又は内部コマンドに応答して、ワード線又はビット線の選択をさらに容易にすることができる。入力/出力バッファ612は、コマンド及びアドレス入力、ならびに双方向データ入力及び出力を含むことができる。命令は、コマンド及びアドレス入力にわたって提供され、メモリアレイ602に書き込まれるデータならびにメモリアレイ602から読み出されたデータは、双方向データ入力及び出力で伝達され、コンピュータ又は他の処理デバイス(図示しないが、例えば、以下の図7のコンピュータ702を参照)などの外部ホスト装置への接続を容易にする。
【0038】
入出力バッファ612は、書込みデータを受信し、消去命令を受信し、状態又は保守命令を受信し、読出しデータを出力し、状態情報を出力し、アドレスデータ及びコマンドデータを受信し、それぞれの命令のアドレスデータを受け取るように構成される。アドレスデータは、アドレスレジスタ610によって行コントローラ604及び列コントローラ606に転送することができる。さらに、入力データは、センスアンプ608と入出力バッファ612との間の信号入力ラインを介してメモリアレイ602に送信され、出力データは、センスアンプ608から入出力バッファ612への信号出力ラインを介してメモリアレイ602から受信される。入力データをホスト装置から受信し、出力データをI/Oバスを介してホスト装置に引き渡すことができる。
【0039】
ホスト装置から受信したコマンドは、コマンドインターフェース616に提供することができる。コマンドインターフェース616は、ホスト装置から外部制御信号を受け取り、入出力バッファ612に入力されたデータが書き込みデータ、コマンド、アドレスのいずれであるかを判断するように構成することができる。入力コマンドは、ステートマシン620に転送することができる。
【0040】
ステートマシン620は、メモリアレイ602(ならびにマルチバンクメモリアレイの他のメモリバンク)のプログラミング及びリプログラミングを管理するように構成することができる。ステートマシン620に提供される命令は、メモリセルアレイ602に関連する読み出し、書き込み、消去、データ入力、データ出力、及び他の機能をステートマシンが管理できるように、制御ロジックコンフィグレーションに従って実装される。いくつかの態様では、ステートマシン620は、様々なコマンドの成功した受信又は実行に関する肯定応答及び否定応答を送受信することができる。さらなる実施形態では、ステートマシン620は、状態関連コマンドをデコード及び実装し、設定コマンドなどをデコード及び実装することができる。
【0041】
読み出し、書き込み、消去、入力、出力などの機能を実現するために、ステートマシン械620は、クロックソース608又は基準信号発生器618を制御することができる。クロックソース608の制御は、行コントローラ604及び列コントローラ606が特定の機能を実現するのを容易にするように構成された出力パルスを発生させることができる。出力パルスは、例えば、列コントローラ606によって選択されたビット線に、又は行コントローラ604によって選択されたワード線に転送されることができる。
【0042】
図7に関して、以下に記載するシステム及び処理は、単一の集積回路(IC)チップ、複数のIC、特定用途向け集積回路(ASIC)などの、ハードウェア内に埋め込まれ得る。更に、各処理内でいくつか又はすべての処理ブロックが現れる順序は、限定的なものと考えるべきでない。むしろ、すべてはここに明示的に図示されていないかも知れない、いくつかの処理ブロックが、さまざまな順序で実行され得ることを理解すべきである。
【0043】
図7を参照すると、特許請求の主題のさまざまな特徴を実行するために適切な動作環境700は、コンピュータ702を含む。コンピュータ702は、処理ユニット704、システムメモリ706、コーデック735、及びシステムバス708を含む。システムバス708は、システムメモリ706を含むがこれに限定されないシステムコンポーネントを、処理ユニット704に結合する。処理ユニット704は、種々の利用可能なプロセッサのいずれかであり得る。デュアルマイクロプロセッサ及び他の多重プロセッサアーキテクチャも、処理ユニット704として用いられ得る。
【0044】
システムバス708は、業界標準アーキテクチャ(ISA)、マイクロチャネルアーキテクチャ(MSA)、拡張ISA(EISA)、インテリジェントドライブエレクトロニクス(IDE)、VESAローカルバス(VLB)、ペリフェラルコンポーネントインターコネクト(PCI)、カードバス、ユニバーサルシリアルバス(USB)、アドバンストグラフィックスポート(AGP)、パーソナルコンピュータメモリカードインターナショナルアソシエーションバス(PCMCIA)、ファイアワイヤー(IEEE1394)、及び、小規模コンピュータシステムインターフェース(SCSI)を含むが、これらに限られない、利用可能な多様なバスアーキテクチャを使用する、メモリバスもしくはメモリコントローラ、周辺バスもしくは外部バス、及び/又は、ローカルバスを含むさまざまな種類のバス構造のいずれかであり得る。
【0045】
システムメモリ706は、さまざまな実施形態に開示のメモリアーキテクチャの1つ以上を用い得る、揮発性メモリ710及び不揮発性メモリ714を含む。起動時などにコンピュータ702内の構成要素間で情報を伝達するためのベーシックルーチンを含む、基本入出力システム(BIOS)は、不揮発性メモリ712に格納される。加えて、本革新に従うと、コーデック735は、エンコーダ又はデコーダの少なくとも一方を含んでよく、ここで、エンコーダ又はデコーダの少なくとも一方は、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェアとソフトウェアの組み合わせで構成されてよい。コーデック735は別個のコンポーネントと図示されているが、コーデック735は、不揮発性メモリ712に包含されてもよい。限定ではなく例示として、不揮発性メモリ712は、読み取り専用メモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、電気的プログラマブルROM(EPROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、又はフラッシュメモリを含み得る。不揮発性メモリ712は、少なくともいくつかの開示の実施形態において、1つ以上の開示のメモリアーキテクチャを用い得る。更に、不揮発性メモリ712は、コンピュータメモリ(たとえば、コンピュータ702またそのメインボードと物理的に一体化される)、又は、取り外し可能なメモリであり得る。開示の実施形態を実施することが可能な、適切な取り外し可能なメモリの例は、セキュアデジタル(SD)カード、コンパクトフラッシュ(CF)カード、ユニバーサルシリアルバス(USB)メモリスティックなどを含み得る。揮発性メモリ710は、外部キャッシュメモリとして作動するランダムアクセスメモリ(RAM)を含み、さまざまな実施形態に開示のメモリアーキテクチャの1つ以上を用い得る。限定でなく例示として、RAMは、スタティックRAM(SRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、シンクロナスDRAM(SDRAM)、倍データレートSDRAM(DDRSDRAM)及びエンハンストSDRAM(ESDRAM)などの、多くの形態で利用可能である。
【0046】
コンピュータ702は、取り外し可能/取り外し不能な揮発性/不揮発性のコンピュータストレージ媒体も含んでよい。図7は、たとえば、ディスクストレージ714を示す。ディスクストレージ714は、磁気ディスクドライブ、ソリッドステートディスク(SSD)、フロッピーディスクドライブ、テープドライブ、Jazドライブ、Zipドライブ、LS−100ドライブ、フラッシュメモリカード、又はメモリスティックのなどの装置を含むが、これらに限られない。加えて、ディスクストレージ714は、ストレージ媒体を、別個に、又は、コンパクトディスクROM装置(CD−ROM)、CD記録可能ドライブ(CD−Rドライブ)、CD書き換え可能ドライブ(CD−RWドライブ)、又は、デジタルバーサタイルディスクROMドライブ(DVD−ROM)などの他の光学ディスクドライブとの組み合わせで含み得るが、これらに限られることのない、他のストレージ媒体と組み合わせて含み得る。ディスクストレージ714のシステムバス708への接続を容易にするために、インターフェース716などの取り外し可能又は取り外し不能のインターフェースが一般的に用いられる。ディスクストレージ714がユーザーに関する情報を格納し得ることを理解すべきである。そのような情報は、サーバーに、もしくは、ユーザーの装置で作動するアプリケーションに、格納又は提供されるかも知れない。1つの実施形態において、ユーザーは、ディスクストレージ714に格納され、及び/又は、サーバー又はアプリケーションに送られる情報の種類を、(たとえば、出力装置736経由で)知らされ得る。ユーザーは、収集され、及び/又は、サーバーもしくはアプリケーションと共有される情報を有することを、オプトイン又はオプトアウトする機会を、(たとえば、入力装置728からの入力経由で)提供され得る。
【0047】
図7は、ユーザーと、適切な動作環境700中の記載された基本的コンピュータ資源との間で、媒介として作動するソフトウェアを説明していることを理解すべきである。このようなソフトウェアは、オペレーティングシステム718を含む。オペレーティングシステム718は、ディスクストレージ714に格納し得、コンピュータ702の資源を制御し割り当てるよう作動する。アプリケーション720は、プログラムモジュール724、及び、システムメモリ706又はディスクストレージ714に格納された、ブート/シャットダウントランザクションテーブルなどの、プログラムデータ726を通じて、オペレーティングシステム718による資源の管理を利用する。特許請求する主題は、種々のオペレーティングシステム又はオペレーティングシステムの組み合わせで実施され得ることを理解すべきである。
【0048】
ユーザーは、入力装置728を通じて、命令又は情報をコンピュータ702に入力する。入力装置728は、マウス、トラックボール、スタイラス、タッチパッド、キーボード、マイクロフォン、ジョイスティック、ゲームパッド、サテライトディッシュ、スキャナ、TVチューナカード、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、ウェブカメラなどの、ポインティングデバイスを含むが、これに限られない。これらの及び他の入力装置は、インターフェースポート730経由でシステムバス708を通じて、処理ユニット704に接続する。インターフェースポート730は、たとえば、シリアルポート、パラレルポート、ゲームポート、及びユニバーサルシリアルバス(USB)を含む。出力装置736は、入力装置728と同じ種類のポートのいくつかを使用する。よって、たとえば、USBポートが、コンピュータ702に入力を提供するために、及び、コンピュータ702から出力装置736に情報を出力するために、使用されてよい。他の出力装置のほかに、モニタ、スピーカー、及びプリンターなどの、特別なアダプターを必要とするいくつかの出力装置があることを示すために、出力アダプター734が設けられる。出力アダプター734は、限定ではなく例示のために、出力装置736とシステムバス708との接続の手段を提供する、ビデオ及びサウンドカードを含むことができる。リモートコンピュータ738などの、他の装置及び/又は装置のシステムが、入力能力及び出力能力の双方を提供することに留意すべきである。
【0049】
コンピュータ702は、リモートコンピュータ738などの、1つ以上のリモートコンピュータへの論理結合を使用するネットワーク環境において作動し得る。リモートコンピュータ738は、パーソナルコンピュータ、サーバー、ルーター、ネットワークPC、ワークステーション、マイクロプロセッサ系機器、ピア装置、スマートフォン、タブレット、又は他のネットワークノードであり得、一般に、コンピュータ702に関して説明した要素の多くを含む。簡潔さのために、メモリストレージ装置740のみが、リモートコンピュータ738と共に図示されている。リモートコンピュータ738は、ネットワークインターフェース742を通じてコンピュータ702に論理結合され、次いで、通信接続744経由で接続される。ネットワークインターフェース742は、ローカルエリアネットワーク(LAN)及びワイドエリアネットワーク(WAN)ならびにセルラーネットワークなどの、有線及び/又は無線の通信ネットワークを包含する。LAN技術は、光ファイバ分散データインターフェース(FDDI)、より線分散データインターフェース(CDDI)、イーサネット、トークンリングなどを含む。WAN技術は、ポイントツウポイントリンク、総合デジタル通信網(ISDN)及びその変形物などのサーキットスイッチングネットワーク、パケット交換ネットワーク、ならびに、デジタル加入者線(ADSL)を含むが、これらに限られない。
【0050】
通信接続744は、ネットワークインターフェース742をシステムバス708に接続するために用いられるハードウェア/ソフトウェアを指す。通信接続744は、明瞭化のために、コンピュータ702の内側に示されているが、コンピュータ702の外部にも存在し得る。ネットワークインターフェース742への接続に必要なハードウェア/ソフトウェアは、例示のみの目的で、通常の電話等級モデム、ケーブルモデム及びDSLモデムを含むモデム、ISDNアダプター、有線及び無線のイーサネットカード、ハブ、ならびに、ルーターなどの内部技術及び外部技術を含む。
【0051】
示された開示の態様は、通信網を通じてリンクした遠隔処理デバイスによってある種のタスクが実行される分散計算処理環境において実施してもよい。分散計算処理環境において、プログラムモジュール又は記憶情報又は命令等は、ローカル又は遠隔記憶装置に位置することができる。
【0052】
更に、本願明細書に記載されている様々なコンポーネントは、対象となる開示の実施形態を実施するために、適切な値のコンポーネント及び回路デバイスを含むことができる電気回路を備えることができることを理解すべきである。更に、様々なコンポーネントの多くが1又は複数のICチップ上に実装することができることは、理解し得ることである。例えば、一実施形態において、コンポーネントのセットを単一のICチップに実装することができる。他の実施態様において、一又は複数の各コンポーネントは、別々のICチップ上に製作又は実装される。
【0053】
ここで使用する、「コンポーネント」、「システム」、「アーキテクチャ」などの用語は、ハードウェア、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせ、ソフトウェア(たとえば、実行時)、又はファームウェアのいずれかの、コンピュータ又はエレクトロニクス関連物を指すことが意図されている。たとえば、コンポーネントは、1つ以上のトランジスタ、メモリセル、トランジスタ又はメモリセルの配置、ゲートアレイ、プログラマブルゲートアレイ、特定用途向け集積回路、コントローラ、プロセッサ、プロセッサ上で作動するプロセス、オブジェクト、実行可能ファイル、プログラム、もしくは、半導体メモリにアクセスする又は干渉するアプリケーション、コンピュータなど、又は、これらの適切な組み合わせであり得る。コンポーネントは、消去可能なプログラミング(たとえば、消去可能メモリに少なくとも部分的に格納されたプロセス命令)、又は、ハードプログラミング(たとえば、製造時に消去不能メモリに焼かれたプロセス命令)を含み得る。
【0054】
例示のために、メモリから実行されるプロセス及びプロセッサは、共にコンポーネントであり得る。他の例として、アーキテクチャは、電子ハードウェア(たとえば、パラレルトランジスタ又はシリアルトランジスタ)の配置、プロセス命令及びプロセッサを含み得、プロセッサは、プロセス命令を電子ハードウェアの配置に適する態様で実行する。加えて、アーキテクチャは、単一のコンポーネント(たとえば、トランジスタ、ゲートアレイなど)、又は、コンポーネントの配置(たとえば、トランジスタのシリアル又はパラレル配置、プログラム回路に接続されたゲートアレイ、電力リード線、電気的接地、入力信号線、及び出力信号線など)を含み得る。システムは、1つ以上のコンポーネントに加えて、1つ以上のアーキテクチャを含み得る。1つのシステムの例は、交差した入力/出力線及びパスゲートトランジスタのほか、電源、信号生成器、通信バス、コントローラ、I/Oインターフェース、アドレスレジスタなどを含むスイッチングブロックアーキテクチャを含み得る。定義においてはいくらかの重複が予期され、アーキテクチャ又はシステムは、スタンドアローンのコンポーネント、又は、他のアーキテクチャ、システムなどのコンポーネントであり得る、ことを理解すべきである。
【0055】
上記に加えて、開示の主題は、開示の主題を実施する電子装置を制御するための、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、もしくは、それらの適切な組み合わせを生産するための、一般的な製造技術、プログラミング技術又はエンジニアリング技術を使用した、方法、装置又は製品として実施され得る。ここで使用する「装置」及び「製品」の用語は、電子装置、半導体装置、コンピュータ、コンピュータ読み取り可能なあらゆる装置からアクセス可能なコンピュータプログラム、担体、又は媒体、を包含することが意図されている。コンピュータ読み取り可能な媒体は、ハードウェア媒体又はソフトウェア媒体を含み得る。加えて、媒体は、非一時的媒体又は輸送媒体を含み得る。1つの例において、非一時的媒体は、コンピュータ読み取り可能なハードウェア媒体を含み得る。コンピュータ読み取り可能なハードウェア媒体の具体的な例は、磁気ストレージ装置(たとえば、ハードディスク、フロッピーディスク、磁気ストリップなど)、光学ディスク(たとえば、コンパクトディスク(CD)、デジタルバーサタイルディスク(DVD)など)、スマートカード、及び、フラッシュメモリ装置(たとえば、カード、スティック、キードライブなど)を含み得るが、これらに限定されない。コンピュータ読み取り可能な輸送媒体は、搬送波などを含み得る。もちろん、当業者は、開示の主題の範囲及び精神から逸脱することなく、この構成に多くの変更が加えられ得ることを認識するであろう。
【0056】
上記で説明したことは、本革新の例を含む。本革新を説明するために、コンポーネント又は技法の考えられるあらゆる組み合わせを記載することは、当然、不可能であるが、当業者は、本革新の他のさらなる組み合わせ及び並べ替えが、可能であることを認識し得る。従って、開示の主題は、本明細書の精神及び範囲に入る修正、変更、及び変化をすべて包含すると意図されている。更に、「含む(includes)」、「含んでいる(including)」、「有する(has)」又は「有している(having)」の用語及びそれらの変化形が、発明の詳細な説明又は特許請求の範囲のいずれかで使用されている範囲内で、それらの用語は、「含む(comprising)」という用語が特許請求の範囲の転換語として用いられるときに解釈されるように、「含む(comprising)」と同様に包括的であることが意図されている。
【0057】
更に、「例示の(exemplary)」の用語は、本明細書では、例(example)、例(instance)又は例(illustration)として役立つという意味で、使用されている。本明細書において「例示の(exemplary)」として記載されたあらゆる特徴又は設計は、他の特徴又は設計よりも好ましい又は有利であると、必ずしも解釈すべきでない。むしろ、「例示の(exemplary)」の用語の使用は、概念を具体的な形態で提示することが意図されている。本出願で使用する「又は」の用語は、排他的「又は」ではなく包括的「又は」の意味であると意図されている。つまり、他に規定されず、又は、文脈から明瞭ない限り、「XがA又はBを用いる」は、あらゆる自然な包括的配置を意味する意図である。すなわち、「XがAを用いる」、「XがBを用いる」、又は「XがAとBの両方を用いる」場合、これらのいずれの例においても、「XがA又はBを用いる」は満たされる。加えて、本出願明細書及び添付の特許請求の範囲で使用する冠詞「a」及び「an」は、単数形を示すことが他に規定されず、又は、文脈から明瞭ない限り、一般に、「1つ以上」を意味すると解釈すべきである。
【0058】
加えて、発明の詳細な説明のいくつかの部分は、アルゴリズム又は電子メモリ内のデータビットの処理操作の観点で表されている。これらの処理の説明又は記載は、自分の仕事の実体を同等に熟練した他の人に効果的に伝達することを知っている当技術分野の人によって用いられる機構である。処理とは、ここでは、一般に、所望の結果に至る首尾一貫した一連の行為であると考えられる。その行為とは、物理量の物理的操作を必要とする行為である。必ずではないが、一般に、これらの量は、格納、移転、結合、比較、及び/又は他の態様で操作され得る、電気的及び/又は磁気的信号の形態を取る。
【0059】
主に普通の使用という理由で、これらの信号を、ビット、値、要素、符号、文字、用語、数などと呼ぶことが便利であることが判っている。しかし、これらの又は類似の用語のすべては、適切な物理量に関連しており、それらの量に付される便利な標識に過ぎないことを、覚えておくべきである。他に具体的に述べず、前述の説明から明らかでない限り、開示の主題全体を通じて、処理する、計算する、複製する、模倣する、決定する、又は伝達するなどの用語を用いた説明は、電子装置の回路、レジスタ又はメモリ内の物理(電気的又は電子的)量として表されるデータ又は信号を操作又は変形して、機械又はコンピュータシステムの、メモリもしくはレジスタ又は他のそのような情報格納装置、伝達装置及び/又は表示装置内の物理量として同様に表される他のデータ又は信号とする、処理システム及び/又は類似の消費者の又は産業上の電子装置もしくは機械の、動作及び処理を述べていることを理解すべきである。
【0060】
上述のコンポーネント、アーキテクチャ、回路、プロセスなどによってなされる種々の機能に関して、それらのコンポーネントを説明するために使用される用語(「手段」への言及を含む)は、他に示されない限り、実施形態の例示の特徴に示した機能を行う開示の構造と構造的には等価でなくても、記載のコンポーネントの規定の機能を行うあらゆるコンポーネントに相当する(たとえば、機能的同等性)と意図されている。加えて、特定の特徴が、いくつかの実施態様の中の1つのみに関して開示されてきたかも知れないが、そのような特徴は、所望のとおりに、また、あらゆる所与の又は特定の用途に有利になるように、他の実施態様の1つ以上の他の特徴と組み合わされてよい。実施形態は、システムのみならず、種々の処理の動作及び/又はイベントを行うためのコンピュータ実行可能な命令を含む、コンピュータ読み取り可能な媒体を含むことも、認識すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7