(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
平面視でL字形状のシステムキッチンには、そのコーナー部に、例えば特許文献1に示すようになコーナーキャビネットを設けたものが知られている。
図8に示すように、特許文献1に示すコーナーキャビネット100は、システムキッチン200のコーナー部の入隅部に対応する位置に開口部101a(
図9参照)が形成されたキャビネット本体101と、このキャビネット本体101に対して、開口部101aから当該開口部101aの奥側の隅部に向かって出し入れ自在に設けられた収納ワゴン102と、キャビネット本体101内において収納ワゴン102の左右両側のデッドスペースにそれぞれ配置された左右一対の収納棚103とを備えている。
【0003】
収納棚103は、前記デッドスペースを埋めるように平面視で三角形状に形成されており、キャビネット本体101の内壁面101bに取り付けられた前後方向に延びるレール104によりスライド可能に支持されている。また、収納棚103は、上下方向に複数段(
図8では最上段のみ図示)設けられており、各収納棚103に収納物を出し入れするときには、
図9に示すように、まず収納ワゴン102を手前に引き出した後、左右いずれか(図例では右側)に配置された収納棚103を手前にスライドさせながら引き出すことで、収納物を出し入れすることができるようになっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のコーナーキャビネット100にあっては、収納棚103が内壁面101bに設けられたレール104に沿って支持されているため、
図9に示すように、収納棚103を手前に引き出しても、依然として開口部101aよりも奥側に位置する部分103aが多いため、収納棚103の前記部分103aに対して収納物を出し入れし難いという問題があった。また、上下複数段の収納棚103は一体となってスライドするため、下段の収納棚103に収納物を出し入れするときには、その収納物を上段の収納棚103と干渉しないように出し入れしなければならず、その出し入れ作業が面倒であった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、使用者の使い勝手を向上させることができるコーナーキャビネットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のコーナーキャビネットは、システムキッチンのコーナー部に設置されるコーナーキャビネットであって、前記コーナー部の入隅部に対応する位置に開口部が形成されたキャビネット本体と、前記キャビネット本体内において、前記開口部から当該開口部に対向する奥側の隅部に向かって出し入れ自在に納められた収納ワゴンと、前記キャビネット本体内における前記収納ワゴンの左右両側に形成される空間のうち少なくとも一方の空間において、上下方向の軸線回りに一端部が回動可能に設けられた上下複数段の収納棚と、を備え、前記複数段の収納棚は、前記収納ワゴンが前記キャビネット本体から引き出された状態で、前記一方の空間に格納された格納位置から前記軸線回りに回動することで、前記開口部よりも手前に露出する部分をそれぞれ有し、互いに独立して回動可能である。
【0008】
本発明によれば、キャビネット本体内において収納ワゴンの左右両側に形成される空間のうち少なくとも一方の空間に格納されている上下複数段の収納棚を前記軸線回りに回動させることで、当該収納棚を開口部よりも手前に露出させることができる。その際、上下複数段の収納棚を互いに独立して回動させることができるので、例えば下段の収納棚に収納物を出し入れするときには、当該下段の収納棚のみを前記露出した状態となるまで回動させることで、収納物を上段の収納棚と干渉することなく下段の収納棚に出し入れすることができる。これにより、使用者の使い勝手を向上させることができる。
【0009】
前記コーナーキャビネットは、前記格納位置における前記収納棚の前記収納ワゴン側の一側面と反対側の他側面、及び当該他側面に対向する前記キャビネット本体の側面のうち、一方に設けられたマグネット部材と、他方に設けられ前記マグネット部材に磁力で吸着される磁性部材と、をさらに備え、前記収納棚は、前記磁性部材が前記マグネット部材に磁力により吸着されることで、前記格納位置に保持されるのが好ましい。
【0010】
この場合、収納棚は、格納位置まで回動するとマグネット部材の磁力により格納位置に保持されるので、収納棚が格納位置にある状態で収納ワゴンをキャビネット本体に出し入れするときに、その出し入れを、収納棚が回動して阻害するのを抑制することができる。これにより、使用者の使い勝手をさらに向上させることができる。また、地震等によってキャビネット本体が揺れても収納棚が格納位置から回動するのを抑制することができるので、収納棚内の収納物が倒れたり落下したりするのを抑制することができる。
【0011】
前記コーナーキャビネットにおいて、前記収納棚は、前記キャビネット本体内において前記収納ワゴンの左右両側に形成された空間にそれぞれ設けられており、前記格納位置における前記各収納棚の前記収納ワゴン側の一側面は、手前側から奥側に向かうに従って、前記収納ワゴンの対向する側面に接近するように形成されているのが好ましい。
この場合、両収納棚が格納位置にある状態で、両収納棚の間に収納ワゴンが納まる空間は、両収納棚の前記一側面によって、手前側(開口部側)が広く形成されるとともに、奥側が狭くなるように形成される。これにより、両収納棚の前記一側面によって収納ワゴンの左右両側面を案内することで、収納ワゴンをキャビネット本体内の所定位置に容易に納めることができるので、使用者の使い勝手をさらに向上させることができる。
【0012】
前記コーナーキャビネットにおいて、前記収納ワゴンの背面が凸円弧面であるのが好ましい。
この場合、収納ワゴンをキャビネット本体内に納めるときに、収納ワゴンの背面が収納棚に接触しても、その背面である凸円弧面が収納棚に接触しながら滑ることによって、収納ワゴンをキャビネット本体内に案内することができる。これにより、収納ワゴンをキャビネット本体内にスムーズに納めることができるので、使用者の使い勝手をさらに向上させることができる。
【0013】
前記コーナーキャビネットにおいて、前記収納ワゴンは、前記収納棚と同数の棚部を上下方向に配置して構成されており、前記各棚部は、対応する前記収納棚と同じ高さ位置に配置されているのが好ましい。
この場合、収納棚が格納位置からずれた回動位置にあっても、収納ワゴンをキャビネット本体内に納めるときに、収納棚と同じ高さ位置に配置された棚部が当該収納棚に接触することで、収納棚を確実に格納位置まで回動させることができる。したがって、収納棚を格納位置まで回動させなくても、収納ワゴンをキャビネット本体内に納めるときに、収納棚を格納位置まで回動させることできるので、使用者の使い勝手をさらに向上させることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明のコーナーキャビネットによれば、使用者の使い勝手を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<全体構成>
次に、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るコーナーキャビネットを備えたシステムキッチンの斜視図である。
図2は、そのシステムキッチンの平面図である。
図1及び
図2において、本実施形態のシステムキッチン1は、平面視でL字形状に形成されており、コーナー部に設置されたコーナーキャビネット2と、コーナーキャビネット2を挟んで直角に配置された複数のキッチンキャビネット3と、コーナーキャビネット2の上端部、及び複数のキッチンキャビネット3の上端部に設けられたカウンタトップ4とを備えている。
【0017】
各キッチンキャビネット3には、各種物品を内部に収容できる引き出しタイプの収容部3aが上下方向に複数段(
図1では3段)設けられている。カウンタトップ4は、平面視でL字形状に形成されており、カウンタトップ4の上面には、図示を省略するが、ガスコンロ等よりなる加熱器具、及び食器等の洗い場となるシンク等が取り付けられている。なお、説明の便宜上、
図1ではカウンタトップ4のコーナー部を一部切除しており、
図2ではカウンタトップ4の図示を省略している。
【0018】
<コーナーキャビネット>
コーナーキャビネット2は、キャビネット本体6と、収納ワゴン7と、一対の収納棚8とを備えている。なお、
図1では、説明の便宜上、収納ワゴン7の図示を省略している。キャビネット本体6は、互いに直角に配置された状態で接合された2枚の背面板61と、各背面板61の外側端部(隣接するキッチンキャビネット3側の端部)に対して直角に配置された状態で接合された2枚の側面板62とを有している。両背面板61の接合部分は、システムキッチン1のコーナー部の出隅部1aを構成している。
【0019】
各側面板62は、平面視で対向する背面板61よりも短く形成されており、これによって、システムキッチン1のコーナー部の入隅部1bに対応する位置に開口部63が形成されている。キャビネット本体6における開口部63の上方は、第1補強フレーム64及び第2補強フレーム65により補強されている。第1補強フレーム64は、一方(
図2では下側)の側面板62における開口部63側の上端部と、この上端部に対向する背面板61の上端部とを連結している。第2補強フレーム65は、他方(
図2では右側)の側面板62における開口部63側の上端部と、この上端部に対向する第1補強フレーム64の途中部とを連結している。
【0020】
なお、第1補強フレーム64は、前記他方(
図2では右側)の側面板62における開口部63側の上端部と、この上端部に対向する背面板61の上端部とを連結してもよい。この場合、第2補強フレーム65は、前記一方(
図2では下側)の側面板62における開口部63側の上端部と、この上端部に対向する第1補強フレーム64の途中部とを連結すればよい。
【0021】
<収納ワゴン>
図3は、収納ワゴン7の斜視図である。
図2及び
図3において、収納ワゴン7は、キャビネット本体6内において、開口部63から奥側の隅部(出隅部1a)に向かって出し入れ自在に納められている。収納ワゴン7は、前面板71と、上下方向に複数段(
図3では2段)配置された棚部73と、下段の棚部73の下方に設けられた複数の車輪78とを備えており、各棚部73に各種物品を収納できるようになっている。
【0022】
前面板71は、収納ワゴン7がキャビネット本体6内に納まった位置(以下、「納まり位置」ともいう)で開口部63を閉鎖するように形成されている。具体的には、前面板71は、納まり位置で第1及び第2補強フレーム64,65の外側面に沿って配置されるように、平面視で奥側(棚部73側)に直角に折り曲げて形成されている。また、前面板71は、納まり位置において、左右両側の側縁部71aが各側面板62の開口部63側の側縁部に当接するように形成されている。これにより、前面板71の折り曲げ部分は、納まり位置でシステムキッチン1のコーナー部の入隅部1bを構成している。前面板71の正面側の上端部には、収納ワゴン7を出し入れ操作するための取手72が取り付けられている。
【0023】
各棚部73は、底板部74と、この底板部74の外縁部に沿って立設された左右一対の側板部75及び背板部76とを有している。底板部74の基端部は、前面板71に沿って直角に凹むように形成されており、前面板71の裏面に対して突出して固定されている。底板部74の先端部及び背板部76は、平面視で半円弧形状に形成されており、背板部76の背面76aは凸円弧面とされている。これにより、納まり位置において棚部73の背板部76がキャビネット本体6の背面板61と干渉しない範囲で、棚部73の収納スペースを可及的に広くすることができる。なお、背板部76の背面76aは、凸円弧面以外の形状に形成されていてもよい。
【0024】
上段の棚部73における底板部74の先端部は、下段の棚部73の背板部76から上方に延びる左右一対の支持棒77によって支持されている。車輪78は、下段の棚部73の底板部74において、前後左右の4隅の下方にそれぞれ取り付けられている(
図7も参照)。これにより、収納ワゴン7をキャビネット本体6内にスムーズに出し入れすることができる。
【0025】
<収納棚>
図4は、コーナーキャビネット2の斜視図である。なお、
図4では、説明の便宜上、収納ワゴン7の図示を省略している。
図2及び
図4において、キャビネット本体6内において、納まり位置にある収納ワゴン7の左右両側に形成された平面視で三角形状の空間S1それぞれには、上下方向に複数段(
図4では2段)の収納棚8が設けられている。各収納棚8には、各種物品を収納できるようになっている。
【0026】
各収納棚8は、平面視で扇型形状に形成されており、その扇型形状の中心部側の端部に形成された円筒部81と、円筒部81の下端部に接続された扇型形状の底板部82と、この底板部82の外縁部に沿って立設された左右一対の側板部83,84及び背板部85とを有している。一対の側板部83,84は、平面視において円筒部81の外周から放射状に延びて形成されている。
【0027】
背板部85は、円筒部81の上下方向の軸線Xを中心とする円弧形状に形成されており、背板部85の周方向の両端部は各側板部83,84の端部に接続されている。各収納棚8は、空間S1内の開口部63に近い位置で、円筒部81を介してその軸線X回りに水平方向に回動可能に設けられている。
【0028】
図5は、収納棚8の回動支持部分を示す
図4の矢印A部分の拡大断面図である。
図4及び
図5において、キャビネット本体6における各空間S1の開口部63側の端部には上下方向に延びる固定軸11がそれぞれ配置されており、各固定軸11の上下両端部は、それぞれ一対の軸受部12を介して、キャビネット本体6の各側面板62の裏面に固定されている。固定軸11の各端部には、一対の軸受部12の間に収納棚8の円筒部81が軸線X回りに回転可能に支持されている。これにより、
図2に示す状態から収納ワゴン7をキャビネット本体6から引き出すことで、各空間S1に設けられた上下2段の収納棚8を、軸線X回りに互いに独立して水平方向に回動させることができる。
【0029】
図4の左側に配置された各収納棚8は、その回動時に背板部85が
図4の右側に配置された側面板62の開口部63側の側縁部62bと干渉しない程度の大きさに形成されている(
図2参照)。同様に、
図4の右側に配置された各収納棚8は、その回動時に背板部85が
図4の左側に配置された側面板62の開口部63側の側縁部62bと干渉しない程度の大きさに形成されている。
【0030】
以上の構成により、
図2に示すように、図中の左下側に配置された各収納棚8は、対応する空間S1に格納された格納位置(図中の実線位置)から、図中の時計回り方向に回動することで、大部分が開口部63よりも手前に露出した露出位置(図中の二点鎖線位置)となる。同様に、図中の右上側に配置された各収納棚8も、対応する空間S1に格納された格納位置から図中の反時計回り方向に回動することで、大部分が開口部63よりも手前に露出した露出位置となる。これにより、収納棚8に対して収納物を容易に出し入れすることができるので、使用者の使い勝手を向上させることができる。
【0031】
また、各空間S1において上下2段に設けられた収納棚8を互いに独立して回動させることができるので、例えば下段の収納棚8に収納物を出し入れするときには、当該下段の収納棚8のみを露出位置まで回動させることで、収納物を上段の収納棚8と干渉することなく下段の収納棚8に出し入れすることができる。これにより、使用者の使い勝手をさらに向上させることができる。
【0032】
図6は、
図2のB−B矢視断面図である。
図2及び
図6において、格納位置に配置された収納棚8の側面板62側の側板部84には、その外面(他側面)84aの奥側端部に磁性部材15が設けられている。また、前記外面84aに対向する側面板62の裏面62a(キャビネット本体6の側面)には、磁性部材15を磁力で吸着するマグネット部材16が設けられている。
【0033】
磁性部材15は、例えば断面L字形状に形成された磁性金属からなり、底板部82の底面に沿って配置された水平部15aと、側板部84の外面84aに沿って配置された垂直部15bとを有する。水平部15aは、ねじ17により底板部82に固定されている。
マグネット部材16は、側面板62の裏面62aにおいて、ねじ18により固定された取付部材19に保持されている。
【0034】
マグネット部材16の先端面には、磁性部材15の垂直部15bが当接する緩衝材20が固定されている。緩衝材20は、例えばポリウレタンフォームからなる。以上の構成により、収納棚8が格納位置まで回動すると、磁性部材15の垂直部15bが緩衝材20に当接してマグネット部材16に磁力により吸着されることで、収納棚8は格納位置に保持された状態となる。
【0035】
これにより、収納棚8が格納位置にある状態で収納ワゴン7をキャビネット本体6に出し入れするときに、その出し入れを、収納棚8が回動して阻害するのを抑制することができるので、使用者の使い勝手をさらに向上させることができる。また、地震等によってキャビネット本体6が揺れても収納棚8が格納位置から回動するのを抑制することができる。これにより、収納棚8内の収納物が倒れたり落下したりするのを抑制することができる。
【0036】
なお、本実施形態では、磁性部材15を収納棚8側(側板部84)に設け、マグネット部材16をキャビネット本体6側(側面板62)に設けているが、磁性部材15をキャビネット本体6側に設け、マグネット部材16を収納棚8側に設けてもよい。
【0037】
図2において、収納棚8が格納位置にあり、かつ収納ワゴン7が納まり位置にある状態で、収納棚8の側面板62側の側板部84は、その外面84aと、当該外面84aに対向する側面板62の裏面62aとが平行になるように形成されている。これに対して、収納棚8の収納ワゴン7側の側板部83は、その外面(一側面)83aが手前側(円筒部81側)から奥側(背板部85側)に向かうに従って、収納ワゴン7の対向する側板部75の外面(側面)75aに接近するように形成されている。
【0038】
これにより、左右の各空間S1において収納棚8がマグネット部材16及び磁性部材15により格納位置に保持されている状態で、左右の収納棚8の間における収納ワゴン7が納まる空間S2は、両収納棚8の各外面83aによって、手前側(開口部63側)が広く形成されるとともに、奥側が狭くなるように形成される。以上の構成により、収納ワゴン7をキャビネット本体6内に納めるときに、両収納棚8の外面83aによって収納ワゴン7を案内することで、収納ワゴン7をキャビネット本体6内の所定位置に容易に納めることができるので、使用者の使い勝手をさらに向上させることができる。
【0039】
また、収納ワゴン7をキャビネット本体6内に納めるときに、収納ワゴン7の背面(各棚部73の背板部76の背面)76aが左右両側の収納棚8に接触しても、その背面76aである凸円弧面が収納棚8に接触しながら滑ることによって、収納ワゴン7をキャビネット本体6内に案内することができる。これにより、収納ワゴン7をキャビネット本体6内にスムーズに納めることができるので、使用者の使い勝手をさらに向上させることができる。
【0040】
図7は、収納ワゴン7の棚部73と収納棚8との高さ関係を示す断面図である。
図7に示すように、収納ワゴン7の上下方向に配置された棚部73の段数は、各空間S1において上下方向に配置された収納棚8の段数と同数(2段)であり、各棚部73は、対応する収納棚8と同じ高さ位置に配置されている。すなわち、収納ワゴン7の下段に配置された棚部73における床面から底面までの高さh1は、キャビネット本体6の下段に配置された収納棚8における床面から底面までの高さH1と同じである。また、収納ワゴン7の上段に配置された棚部73における床面から底面までの高さh2は、キャビネット本体6の上段に配置された収納棚8における床面から底面までの高さH2と同じである。
【0041】
以上の構成により、収納棚8が格納位置からずれた回動位置にあっても、収納ワゴン7をキャビネット本体6内に納めるときに、収納棚8と同じ高さ位置に配置された棚部73が当該収納棚8に接触することで、収納棚8を確実に格納位置まで回動させることができる。したがって、収納棚8を格納位置まで回動させなくても、収納ワゴン7をキャビネット本体6内に納めるときに、収納棚8を格納位置まで回動させることできるので、使用者の使い勝手をさらに向上させることができる。
【0042】
<その他>
なお、今回開示した実施形態は例示であって制限的なものではない。本発明の権利範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の構成と均等の範囲内での全ての変更が含まれる。例えば、上記実施形態における収納棚8は、収納ワゴン7の左右両側の空間S1に設けられているが、いずれか一方の空間S1のみに設けられていてもよい。
【0043】
また、上記実施形態では、収納棚8をマグネット部材16の磁力により格納位置に保持しているが、必ずしも格納位置に保持する必要はない。また、収納ワゴン7において上下方向に配置される棚部73、及び各空間S1において上下方向に配置される収納棚8は、互いに異なる段数であってもよい。その際、収納棚8の段数または棚部73の段数は、1段だけでもよい。また、本実施形態のコーナーキャビネット2は、平面視でL字形状のシステムキッチン1に用いられているが、平面視でコ字形状のシステムキッチンなど、コーナー部を有する他のシステムキッチンにも適用することができる。