(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6865699
(24)【登録日】2021年4月8日
(45)【発行日】2021年4月28日
(54)【発明の名称】電気車両および電気車両用の駆動システム
(51)【国際特許分類】
H02K 7/116 20060101AFI20210419BHJP
B60L 15/00 20060101ALI20210419BHJP
B62M 7/12 20060101ALI20210419BHJP
H02K 7/14 20060101ALI20210419BHJP
【FI】
H02K7/116
B60L15/00 H
B62M7/12
H02K7/14 C
【請求項の数】9
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-565727(P2017-565727)
(86)(22)【出願日】2015年6月19日
(65)【公表番号】特表2018-520623(P2018-520623A)
(43)【公表日】2018年7月26日
(86)【国際出願番号】CN2015081968
(87)【国際公開番号】WO2016201705
(87)【国際公開日】20161222
【審査請求日】2017年12月22日
【審判番号】不服2019-15211(P2019-15211/J1)
【審判請求日】2019年11月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】タオ ヂュー
(72)【発明者】
【氏名】ウェイヤ リー
(72)【発明者】
【氏名】チーリン ホアン
(72)【発明者】
【氏名】シャオユン ヅァン
【合議体】
【審判長】
佐々木 芳枝
【審判官】
長馬 望
【審判官】
神山 貴行
(56)【参考文献】
【文献】
特開2014−144748(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 7/116
B60L 15/00
B62M 7/12
H02K 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気車両用の駆動システム(1)であって、
第1出力シャフト(11)を含むモータ(3)と、
前記電気車両のホイール(33)に取り付けられる第2出力シャフト(27)を含む歯車装置(17)であって、前記第1出力シャフト(11)は、前記歯車装置(17)の歯車の係合によって前記第2出力シャフト(27)を駆動して回転させることができる、歯車装置(17)と、を含み、
前記第1出力シャフト(11)は中空であり、前記第2出力シャフト(27)は前記第1出力シャフト(11)と同軸上に配置されるように前記第1出力シャフト(11)を通って延在し、
前記第2出力シャフト(27)は、アダプタ(39)によって前記ホイール(33)のリム(35)に固定式に取り付けられるように構成され、前記リム(35)および前記歯車装置(17)は、前記駆動システム(1)が前記リム(35)に取り付けられるとき、前記リム(35)によって画定された空間内に前記モータ(3)が少なくとも部分的に配置されるように、前記モータ(3)の両側に配置され、
前記モータ(3)は、前記リム(35)の周囲に取り付けられたタイヤ(37)の中心線が当該モータ(3)を横切るように配置され、前記中心線は、前記タイヤ(37)の回転中心線に垂直で、前記タイヤ(37)を二等分する平面上の線である、ことを特徴とする、
電気車両用の駆動システム(1)。
【請求項2】
前記モータ(3)は、モータハウジング(5)と、前記モータハウジング(5)内に固定式に配置されたステータ(7)と、前記ステータ(7)によって画定された中央空間内に回転可能に配置されたロータ(9)とをさらに含み、前記第1出力シャフト(11)は前記ロータ(9)に固定され、前記ロータ(9)と共に回転できるように前記モータハウジング(5)によって回転可能に支持される、請求項1に記載の電気車両用の駆動システム(1)。
【請求項3】
前記歯車装置(17)は、歯車装置ハウジング(19)と、互いに係合される歯車(21a、21b、23a、23b)の少なくとも2つのペアと、前記歯車装置ハウジング(19)によって回転可能に支持される少なくとも1つのトランスミッションシャフト(25)とを含み、前記第1出力シャフト(11)は前記歯車装置ハウジング(19)の中に延在し、それにより、前記少なくとも2つの歯車ペアの第1の歯車ペアの小さい方の直径を有する歯車(21a)が前記第1出力シャフト(11)に固定され、前記少なくとも2つの歯車ペアの最後の歯車ペアの大きい方の直径を有する歯車(23b)は、回転可能に支持される前記第2出力シャフト(27)に固定され、前記少なくとも2つの歯車ペアの他の歯車は、前記少なくとも1つのトランスミッションシャフト(25)に固定される、請求項1に記載の電気車両用の駆動システム(1)。
【請求項4】
前記モータ(3)は、本体(5a)と、前記本体(5a)に取り付けられたエンドカバー(5b)とを有するモータハウジング(5)を含み、前記歯車装置(17)は、本体(19a)と、前記本体(19a)に取り付けられたエンドカバー(19b)とを有する歯車装置ハウジング(19)を含み、前記モータハウジング(5)の前記本体(5a)および前記歯車装置ハウジング(19)の前記本体(19a)は、一体のユニットまたは部品に形成される、請求項1に記載の電気車両用の駆動システム(1)。
【請求項5】
前記リム(35)によって画定された空間の外で、前記モータハウジング(5)の前記本体(5a)の一部が、前記歯車装置ハウジング(19)の前記本体(19a)に接続され、
前記モータハウジング(5)の前記エンドカバー(5b)は、前記リム(35)によって画定された空間内の、前記アダプタ(39)の近傍に配置される、請求項4記載の電気車両用の駆動システム(1)。
【請求項6】
前記駆動システム(1)を前記電気車両のフレームに取り付けるための取付点(43)が、前記歯車装置(17)上に形成される、請求項1に記載の電気車両用の駆動システム(1)。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の駆動システム(1)を含む電気車両。
【請求項8】
前記電気車両は電気オートバイである、請求項7に記載の電気車両。
【請求項9】
前記電気車両は電気自動車である、請求項7に記載の電気車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気車両に関し、特に電気車両用の駆動システムに関する。
【背景技術】
【0002】
環境汚染がますます激しくなってきたので、人々は環境保護により多くの注意を払っている。電気車両はそのホイールを駆動して回転させるために電力を使用する、または主に使用する。したがって、電気車両は従来の車両よりも環境に優しいので、近い将来、より幅広く使用されると予測される。電気車両に一般に使用される駆動システムは、モータと歯車装置とを一般に含む。特にモータは歯車装置によって電気車両のホイールを駆動する。
【0003】
電気車両用の2つの一般的な駆動システム:遊星ギヤインホイール(planetary gear in−wheel)駆動システムおよびニアホイール(near wheel)駆動システムがあることは周知である。遊星ギヤインホイール駆動システムでは、モータおよび歯車装置の両方が、電気車両のホイールのリムの内側に配置され、歯車装置の歯車はモータの出力シャフトの周囲に配置される。ニアホイール駆動システムでは、モータおよび歯車装置の両方は、電気車両のホイールのリムの外側に配置され、モータは歯車装置に対してオフセットした状態で配置されている。ニアホイール駆動システムと比較して、遊星ギヤインホイール駆動システムは、モータおよび歯車装置を同じハウジング内に配置することによってコンパクトなサイズを有し、また、歯車装置の歯車の重量をモータの出力シャフトの周囲に対称に分配することによって良好な平衡度を有する。ニアホイール駆動システムは、改善された冷却性能によってより大きな出力密度を生成し、高効率を達成することができる。ニアホイール駆動システムは、そのより大きな出力密度により、高出力車両にしばしば選択される。しかしながら、既存のニアホイール駆動システムでは、モータおよび歯車装置は互いにオフセットした状態で配置され、その結果、ニアホイール駆動システムの、従って車両の平衡度は非常に劣り、これによりさらに車両の制御が困難になり、乗車快適度が低下する。さらに、ニアホイール駆動システムでは、モータおよび歯車装置は、ホイールの外側に実質的に突出し、これは車両の追い越し能力および外観に悪影響を及ぼす。これらの問題点は、モータの増大したサイズのせいでより大きな出力密度を有するニアホイール駆動システムで明白であり、特に電気オートバイ(電気スクータとも呼ばれる)用に設計されたニアホイール駆動システムで明白である。
【0004】
従って、電気車両用の既存の駆動システムを改善する必要性が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、電気車両用の既存の駆動システムの上述の欠点の少なくとも1つを克服することである。このため、本発明は、電気車両の平衡度、追い越し能力および外観を実質的に改善する電気車両用の駆動システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様によれば、それは電気車両用の駆動システムであって、
第1出力シャフトを含むモータと、
電気車両のホイールに取り付けられる第2出力シャフトを含む歯車装置であって、第1出力シャフトが、歯車装置の歯車の係合によって第2出力シャフトを駆動して回転させることができる歯車装置とを含み、
第1出力シャフトが中空であり、第2出力シャフトが第1出力シャフトと同軸上に配置されるように第1出力シャフトを通って延在する
駆動システムを提供する。
【0007】
好ましくは、モータは、モータハウジングと、モータハウジング内に固定式に配置されたステータと、ステータによって画定された中央空間内に回転可能に配置されたロータとをさらに含み、第1出力シャフトはロータに固定され、ロータと共に回転できるようにモータハウジングによって回転可能に支持される。
【0008】
好ましくは、歯車装置は、歯車装置ハウジングと、互いに係合される歯車の少なくとも2つのペアと、歯車装置ハウジングによって回転可能に支持される少なくとも1つのトランスミッションシャフトとを含み、第1出力シャフトは歯車装置ハウジングの中に延在し、それにより、少なくとも2つの歯車ペアの第1の歯車ペアの小さい方の直径を有する歯車が第1出力シャフトに固定され、少なくとも2つの歯車ペアの最後の歯車ペアの大きい方の直径を有する歯車が、回転可能に支持される第2出力シャフトに固定され、少なくとも2つの歯車ペアの他の歯車が、少なくとも1つのトランスミッションシャフトに固定される。
【0009】
好ましくは、モータは、本体と、本体に取り付けられたエンドカバーとを有するモータハウジングを含み、歯車装置は、本体と、本体に取り付けられたエンドカバーとを有する歯車装置ハウジングを含み、モータハウジングの本体および歯車装置ハウジングの本体は、一体のユニットまたは部品に形成される。
【0010】
好ましくは、第2出力シャフトは、アダプタによってホイールのリムに取り付けられるように構成され、リムおよび歯車装置は、駆動システムがリムに取り付けられるときリムによって画定された空間内にモータが少なくとも部分的に配置されるように、モータの両側に配置される。
【0011】
好ましくは、リムは、モータの大部分がリムによって画定された空間内に配置されるように設計される。
【0012】
好ましくは、駆動システムを電気車両のフレームに取り付けるための取付点は、歯車装置上に形成される。
【0013】
本発明の別の態様によれば、それは記載されるような駆動システムを含む電気車両を提供する。
【0014】
好ましくは、電気車両は電気オートバイまたは電気自動車である。
【0015】
本発明のこれらのおよび他の目的、特徴および特性、ならびに構造の関連要素の作動および機能の方法、ならびに部品の組み合わせおよび製造の経済性は、それらの全てが本明細書の一部を形成する添付の図面を参照して以下の記載および付随の特許請求の範囲を考慮することでより明確になるであろう。図面中、同様の参照符号は様々な図において対応する部分を示す。しかしながら、図面は例示および説明を単に目的とし、本発明の範囲の定義を意図するものではないことを明確に理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】電気車両のホイールに取り付けられた本発明の好ましい実施形態による電気車両用の駆動システムを概略的に示す側面図である。
【
図2】
図1に示される駆動システムの底面図である。
【
図4】ホイールおよび駆動システムを電気車両のフレームに取り付けるためのスイングアームが
図1に示される駆動システムに取り付けられていることを概略的に示す斜視図である。
【
図5】ホイールおよび駆動システムを電気車両のフレームに取り付けるためのスイングアームが
図1に示される駆動システムに取り付けられていることを概略的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
これより本発明の好ましい実施形態を、説明に役立つ例を参照して詳細に記載する。当業者であれば、実施形態は単に説明を目的とし、本発明を限定するものとして解釈されないことを理解するであろう。
【0018】
図1は電気車両のホイールに取り付けられた本発明の好ましい実施形態による電気車両用の駆動システムを概略的に示す側面図であり、
図2は
図1に示される駆動システムの底面図であり、
図3は
図1の線3−3に沿った断面図である。
図1〜3に示されるように本発明の好ましい実施形態による電気車両用の駆動システム1はモータ3を含み、モータ3は、モータハウジング5と、モータハウジング5内に固定式に配置されたステータ7と、モータハウジング5内に回転可能に配置されたロータ9と、ロータ9と共に回転可能な第1出力シャフト11とを有する。モータハウジング5は、本体5aと、本体5aに取り付けられたエンドカバー5bとを含む。ステータ7はステータコア7aと、ステータコア7aに巻き付けられたステータ巻線7bとを含む。第1出力シャフト11は中空であり、ロータ9を貫いて中央に延在し、ロータ9に固定される。第1出力シャフト11は、モータハウジング5の本体5aおよびエンドカバー5b内にそれぞれ配置されたベアリング13a、13bの第1ペアによって2つの端部で回転可能に支持され、それによって、第1出力シャフト11に固定式に取り付けられたロータ9はステータ7によって画定された中央空間内に回転可能に配置される。
【0019】
本発明の好ましい実施形態による電気車両用の駆動システム1はさらに歯車装置17を含み、歯車装置17は歯車装置ハウジング19と、互いに係合された歯車21a、21bの第1ペアと、互いに係合された歯車23a、23bの第2ペアと、トランスミッションシャフト25と、第2出力シャフト27とを有する。歯車のペアのそれぞれは第2出力シャフト27の回転速度を低減するために異なる直径を有する。歯車装置ハウジング19は、本体19aと、本体19aに取り付けられたエンドカバー19bとを含む。モータ3の第1出力シャフト11は歯車装置ハウジング19の中に延在し、その結果、歯車21a、21bの第1ペアの小さい方の直径を有する歯車21aはモータ3の第1出力シャフト11に固定される。歯車21a、21bの第1ペアの大きい方の直径を有する歯車21bは、トランスミッションシャフト25に固定され、トランスミッションシャフト25は、歯車装置ハウジング19の本体19aおよびエンドカバー19b内にそれぞれ配置されるベアリング29a、29bの第2ペアによって2つの端部で回転可能に支持される。歯車23a、23bの第2ペアの小さい方の直径を有する歯車23aは同じくトランスミッションシャフト25に固定される。歯車装置17の第2出力シャフト27は、中空であるモータ3の第1出力シャフト11を通って延在し、その結果、歯車装置17の第2出力シャフト27は第1出力シャフト11と同軸上に配置される。第2出力シャフト27は、モータハウジング5のエンドカバー5bおよび歯車装置ハウジング19のエンドカバー19b内にそれぞれ配置されるベアリング31a、31bの第3ペアによって2つの端部で回転可能に支持される。歯車23a、23bの第2ペアの大きい方の直径を有する歯車23bは第2出力シャフト27の第1端部27aに固定される。第2出力シャフト27の第1端部27aと反対側の第2端部27bは、モータ3の第1出力シャフト11から突出する。
【0020】
第2出力シャフト27の第2端部27bは電気車両のホイール33に取り付けることができる。ホイール33はリム35とリム35の周囲に取り付けられたタイヤ37とを含む。第2出力シャフト27の第2端部27bはアダプタ39によってリム35に固定式に取り付けられる。ディスクブレーキ41は、制動クリッパ(図示せず)でディスクブレーキ41をクランプすることによってホイール33を停止するようにアダプタ39に固定することができる。ディスクブレーキ41はドラムブレーキまたは他の制動システムで置き換えられてもよいことを理解されたい。
【0021】
モータハウジング5および歯車装置ハウジング19は互いに別々に形成され後で1つに組み立てられてもよいが、組立プロセスを単純にしかつ材料およびコストを削減するために、モータハウジング5の本体5aおよび歯車装置ハウジング19の本体19aは一体のユニットまたは部品に形成されることが好ましい。さらに、この好ましい実施形態では、歯車装置17は、2段階減速歯車セットを含んで示されている。2段階を超える減速歯車セットを用いることが可能であることを理解されたい。歯車21a、21bの第1ペアおよび歯車23a、23bの第2ペアは、適用可能ないかなる歯車ペアであってもよく、例えばはすば歯車ペアであってもよい。
【0022】
図4および5は、ホイールおよび駆動システムを電気車両のフレームに取り付けるためのスイングアームが
図1に示される駆動システムに取り付けられていることを概略的に示す斜視図である。
図4および5の例では、ホイールおよび駆動システムは、電気オートバイのフレーム(図示せず)に取り付けられるように示されている。ホイールおよび駆動システムを電気車両のフレームに取り付けるためのスイングアーム45は、フォーク型である。フォーク型スイングアーム45の後端部は、支持ベアリング(図では見ることができない)によって、一方の側で歯車装置17に形成された取付点43に、および他方の側で第2出力シャフト27に取り付けられている。フォーク型スイングアーム45の前端部は、電気車両のフレームに取り付けることができる。ショックアブソーバ47が、車両の移動中の振動を減衰するために、フォーク型スイングアーム45と電気車両のフレームとの間に配置されてもよい。本発明による電気車両用の駆動システムは、電気オートバイ以外の電気車両に、例えば電気自動車に適用可能であることを理解されたい。
【0023】
本発明による電気車両用の駆動システム1の作動を詳細に記載する。電流がモータ3に適用されると、モータ3の第1出力シャフト11がロータ9と共に回転する。モータ3の第1出力シャフト11は歯車21a、21bの第1ペアの係合によってトランスミッションシャフト25を駆動して回転させる。トランスミッションシャフト25はさらに歯車23a、23bの第2ペアの係合によって第2出力シャフト27を駆動して回転させる。リム35に固定式に取り付けられた第2出力シャフト27はさらに電気車両のホイール33を駆動し、それによって最終的に電気車両を道路上で走行させる。
【0024】
図3に示されるように、歯車装置17の第2出力シャフト27は、モータ3の第1出力シャフト11を通って延在し、その結果、ホイール33および歯車装置17はモータ3の両側に配置され、これは電気車両のホイールに取り付けられた駆動システム1の重量をより均一かつ対称に分配させ、それにより駆動システムの、ひいては電気車両の平衡度を実質的に改善する。モータ3はリムによって画定された空間内に少なくとも部分的に配置され、これは本発明による駆動システムが装備された電気車両のサイズを低減し、それによって電気車両の追い越し能力および外観を改善する。高出力密度および増大したサイズの駆動システムの場合でさえ、駆動システムのモータの大部分は、リムの形状を設計することによって、リムによって画定された空間内に同じく配置することができる。
【0025】
本発明を図面および前述の記載において詳細に説明および記載してきたが、そのような説明および記載は説明または例と見なすべきであり限定と見なすべきでない。本発明は開示された実施形態に制限されない。開示された実施形態の他の変形が、特許請求された本発明を実行する際に、図面、開示内容、および従属項を検討することにより、当業者により理解かつ実現されることができる。
【0026】
特許請求の範囲において、「含む(comprising)」という語は、他の要素もステップも排除せず、不定冠詞「1つの(a)」または「1つの(an)」は複数を排除しない。単一のプロセッサまたは他のユニットが、特許請求の範囲に再掲されたいくつかのアイテムの機能を果たすことができる。特定の措置が相互に異なる従属項に再掲されているという事実だけでは、これらの措置の組み合わせを有利に利用できないことを示すことにならない。特許請求の範囲内のいかなる参照符号も、範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【符号の説明】
【0027】
1 駆動システム
3 モータ
5 モータハウジング
5a 本体
5b エンドカバー
7 ステータ
7a ステータコア
7b ステータ巻線
9 ロータ
11 第1出力シャフト
13a ベアリング
13b ベアリング
17 歯車装置
19 歯車装置ハウジング
19a 本体
19b エンドカバー
21a 歯車
21b 歯車
23a 歯車
23b 歯車
25 トランスミッションシャフト
27 第2出力シャフト
27a 第1端部
27b 第2端部
29a ベアリング
29b ベアリング
31a ベアリング
31b ベアリング
33 ホイール
35 リム
37 タイヤ
39 アダプタ
41 ディスクブレーキ
43 取付点
45 スイングアーム
47 ショックアブソーバ