(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6865712
(24)【登録日】2021年4月8日
(45)【発行日】2021年4月28日
(54)【発明の名称】インタラクティブキオスク
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20120101AFI20210419BHJP
【FI】
G06Q30/06 340
【請求項の数】24
【外国語出願】
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2018-86118(P2018-86118)
(22)【出願日】2018年4月27日
(65)【公開番号】特開2018-200684(P2018-200684A)
(43)【公開日】2018年12月20日
【審査請求日】2018年4月27日
(31)【優先権主張番号】15/583,232
(32)【優先日】2017年5月1日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516172237
【氏名又は名称】アクセンチュア グローバル ソリューションズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100102406
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 健二
(74)【代理人】
【識別番号】100100240
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 孝
(72)【発明者】
【氏名】コノリー,コリーン
(72)【発明者】
【氏名】ハリス,イアン
(72)【発明者】
【氏名】ケリー,ルース
(72)【発明者】
【氏名】デフィニス,サイモン
【審査官】
久慈 渉
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−195822(JP,A)
【文献】
特開2009−217636(JP,A)
【文献】
特開2006−119792(JP,A)
【文献】
特開2007−257219(JP,A)
【文献】
特許第6007348(JP,B1)
【文献】
特表2008−512782(JP,A)
【文献】
特開2010−160731(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが出発空港の複数のシステムに接続しやり取りすることを可能とするインタラクティブキオスクであって、
ディスプレイと、
マイクロフォンと、
1つ以上のプロセッサと、
前記1つ以上のプロセッサに結合され命令が記憶されているコンピュータ可読ストレージデバイスと
を備え、前記命令は、前記1つ以上のプロセッサにより実行されると、前記1つ以上のプロセッサに動作を実行させ、前記動作は、
ユーザと視覚および/または口頭での対話をする仮想エージェントによって、ユーザの発話クエリを備えるユーザ入力を、前記マイクロフォンを介して受信することと、
前記インタラクティブキオスクに提示されかつ前記インタラクティブキオスクのスキャナ/カメラによりスキャン/捕捉される搭乗カードに基づいて、前記仮想エージェントによってユーザ固有データを受信することであって、前記ユーザ固有データは、前記ユーザが所持する搭乗カード上に含まれた搭乗カードデータを備え、前記搭乗カードは、ユーザ識別子を備え、前記搭乗カードデータは搭乗カードデータベースから提供され、前記ユーザ固有データは、前記スキャナ/カメラを用いて、前記ユーザ識別子から判断される、前記受信することと、
1つ以上の応答を提供するために、前記仮想エージェントによって、前記ユーザ入力および前記ユーザ固有データに基づき1つ以上のバックエンドシステムに問い合わせを行うことであって、前記ユーザ入力および前記ユーザ固有データは前記インタラクティブキオスクから前記仮想エージェントに送信され、前記仮想エージェントは前記インタラクティブキオスクを前記1つ以上のバックエンドシステムに接続する、前記問い合わせを行うことと、
前記ディスプレイ上に前記ユーザへの前記1つ以上の応答の1つ以上のグラフィック表現を、前記仮想エージェントによって表示することであって、前記1つ以上のグラフィック表現は、購入向けの少なくとも1つの商品を示す、前記表示することと、
前記少なくとも1つの商品の小売業者からの購入を成立させるために、前記仮想エージェントによって、前記少なくとも1つの商品の前記小売業者からの購入を促進することであって、
前記少なくとも1つの商品の小売業者のエージェントが、前記ユーザは前記少なくとも1つの商品の購入者であると識別できるようにするために、前記少なくとも1つの商品の回収識別子が、前記インタラクティブキオスクに提示される前記搭乗カードに付加される、前記購入を促進することと、
前記出発空港内で前記少なくとも1つの商品を物理的に取得するための指示を、前記仮想エージェントによって前記ユーザに提供することであって、前記指示は前記ユーザが前記出発空港内を通るルートを示すマップを備える、前記提供することと
を含む、インタラクティブキオスク。
【請求項2】
前記動作は、前記出発空港内で前記少なくとも1つの商品をユーザが取得するために、前記少なくとも1つの商品の前記購入と、前記ユーザのユーザ識別子とを関連付けることをさらに含む、請求項1に記載のインタラクティブキオスク。
【請求項3】
前記発話クエリは、テキストデータに変換され、前記1つ以上のバックエンドシステムは、前記テキストデータに基づいて問い合わせされる、請求項1に記載のインタラクティブキオスク。
【請求項4】
前記動作は、出発ゲートに基づき空港システムからリアルタイム空港データを取得することをさらに含み、前記リアルタイム空港データは、前記出発空港内の道順、目的地までの時間、および行列待ち時間のうちの1つ以上を備える、請求項1に記載のインタラクティブキオスク。
【請求項5】
少なくとも1つの応答は、サードパーティ小売店システムからの宣伝広告データを備える、請求項1に記載のインタラクティブキオスク。
【請求項6】
前記購入を促進する少なくとも1つのコンポーネントをさらに備える、請求項1に記載のインタラクティブキオスク。
【請求項7】
前記少なくとも1つのコンポーネントは、1つ以上のモバイル支払いシステムを使用して支払いを実行するために前記ユーザのモバイルデバイスと通信するためのワイヤレス通信コンポーネントを備える、請求項6に記載のインタラクティブキオスク。
【請求項8】
動作は、支払いトランザクションデータをサードパーティ小売店システムに送信することをさらに含む、請求項1に記載のインタラクティブキオスク。
【請求項9】
動作は、前記出発空港内の小売店舗に購入データを送信することをさらに含み、前記ユーザは、前記購入データに基づき前記小売店舗から前記少なくとも1つの商品を取得する、請求項1に記載のインタラクティブキオスク。
【請求項10】
スピーカをさらに備える、請求項1に記載のインタラクティブキオスク。
【請求項11】
ユーザが出発空港の複数のシステムに接続しやり取りすることを可能とするインタラクティブキオスクを提供する、コンピュータに実装された方法であって、前記方法は、1つ以上のプロセッサを使用して実行され、
ユーザの発話クエリを備えるユーザ入力を、ユーザと視覚および/または口頭での対話をする仮想エージェントによって受信するステップであって、前記ユーザ入力は、インタラクティブキオスクのマイクロフォンを介して受信される、前記受信するステップと、
前記インタラクティブキオスクに提示されかつ前記インタラクティブキオスクのスキャナ/カメラによりスキャン/捕捉される搭乗カードに基づいて、前記仮想エージェントによってユーザ固有データを受信するステップであって、前記ユーザ固有データは、前記ユーザが所持する搭乗カード上に含まれた搭乗カードデータを備え、前記搭乗カードは、ユーザ識別子を備え、前記搭乗カードデータは搭乗カードデータベースから提供され、前記ユーザ固有データは、前記スキャナ/カメラを用いて、前記ユーザ識別子から判断される、前記受信するステップと、
1つ以上の応答を提供するために、前記仮想エージェントによって、前記ユーザ入力および前記ユーザ固有データに基づき1つ以上のバックエンドシステムに問い合わせを行うステップであって、前記ユーザ入力および前記ユーザ固有データは前記インタラクティブキオスクから前記仮想エージェントに送信され、前記仮想エージェントは前記インタラクティブキオスクを前記1つ以上のバックエンドシステムに接続する、前記問い合わせを行うステップと、
前記インタラクティブキオスクのディスプレイ上に前記ユーザへの前記1つ以上の応答の1つ以上のグラフィック表現を、前記仮想エージェントによって表示するステップであって、前記1つ以上のグラフィック表現は、購入向けの少なくとも1つの商品を示す、前記表示するステップと、
前記少なくとも1つの商品の小売業者からの購入を成立させるために、前記仮想エージェントによって、前記少なくとも1つの商品の小売業者からの購入を促進するステップであって、
前記少なくとも1つの商品の小売業者のエージェントが、前記ユーザは前記少なくとも1つの商品の購入者であると識別できるようにするために、前記少なくとも1つの商品の回収識別子が、前記インタラクティブキオスクに提示される前記搭乗カードに付加される、前記購入を促進するステップと、
前記出発空港内で前記少なくとも1つの商品を物理的に取得するための指示を、前記仮想エージェントによって前記ユーザに提供するステップであって、前記指示は前記ユーザが前記出発空港内を通るルートを示すマップを備える、前記提供するステップと
を含む、方法。
【請求項12】
前記出発空港内で前記少なくとも1つの商品をユーザが取得するために、前記少なくとも1つの商品の前記購入と、前記ユーザのユーザ識別子とを関連付けるステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記発話クエリは、テキストデータに変換され、前記1つ以上のバックエンドシステムは、前記テキストデータに基づいて問い合わせされる、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記方法は、出発ゲートに基づき空港システムからリアルタイム空港データを取得するステップをさらに含み、前記リアルタイム空港データは、前記出発空港内の道順、目的地までの時間、および行列待ち時間のうちの1つ以上を備える、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
少なくとも1つの応答は、サードパーティ小売店システムからの宣伝広告データを備える、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記インタラクティブキオスクは、前記購入を促進する少なくとも1つのコンポーネントをさらに備える、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つのコンポーネントは、1つ以上のモバイル支払いシステムを使用して支払いを実行するために前記ユーザのモバイルデバイスと通信するためのワイヤレス通信コンポーネントを備える、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
支払いトランザクションデータをサードパーティ小売店システムに送信するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記方法は、前記出発空港内の小売店舗に購入データを送信するステップをさらに含み、前記ユーザは、前記購入データに基づき前記小売店舗から前記少なくとも1つの商品を取得する、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
1つ以上のプロセッサに結合され命令が記憶されているコンピュータ可読ストレージ媒体であって、前記命令は、前記1つ以上のプロセッサにより実行されると、ユーザが出発空港の複数のシステムに接続しやり取りすることを可能とするインタラクティブキオスクを提供する動作を前記1つ以上のプロセッサに実行させ、前記動作は、
前記ユーザの発話クエリを備えるユーザ入力を、前記ユーザと視覚および/または口頭での対話をする仮想エージェントによって受信することであって、前記ユーザ入力は、インタラクティブキオスクのマイクロフォンを介して受信される、前記受信することと、
前記インタラクティブキオスクに提示されかつ前記インタラクティブキオスクのスキャナ/カメラによりスキャン/捕捉される搭乗カードに基づいて、前記仮想エージェントによってユーザ固有データを受信することであって、前記ユーザ固有データは、前記ユーザが所持する搭乗カード上に含まれた搭乗カードデータを備え、前記搭乗カードは、ユーザ識別子を備え、前記搭乗カードデータは搭乗カードデータベースから提供され、前記ユーザ固有データは、前記スキャナ/カメラを用いて、前記ユーザ識別子から判断される、前記受信することと、
1つ以上の応答を提供するために、前記仮想エージェントによって、前記ユーザ入力および前記ユーザ固有データに基づき1つ以上のバックエンドシステムに問い合わせを行うことであって、前記ユーザ入力および前記ユーザ固有データは前記インタラクティブキオスクから前記仮想エージェントに送信され、前記仮想エージェントは前記インタラクティブキオスクを前記1つ以上のバックエンドシステムに接続する、前記問い合わせを行うことと、
前記インタラクティブキオスクのディスプレイ上に前記ユーザへの前記1つ以上の応答の1つ以上のグラフィック表現を、前記仮想エージェントによって表示することであって、前記1つ以上のグラフィック表現は、購入向けの少なくとも1つの商品を示す、前記表示することと、
前記少なくとも1つの商品の小売業者からの購入を成立させるために、前記仮想エージェントによって、前記少なくとも1つの商品の小売業者からの購入を促進することであって、
前記少なくとも1つの商品の小売業者のエージェントが、前記ユーザは前記少なくとも1つの商品の購入者であると識別できるようにするために、前記少なくとも1つの商品の回収識別子が、前記インタラクティブキオスクに提示される前記搭乗カードに付加される、前記購入を促進することと、
前記出発空港内で前記少なくとも1つの商品を物理的に取得するための指示を、前記仮想エージェントによって前記ユーザに提供することであって、前記指示は前記ユーザが前記出発空港内を通るルートを示すマップを備える、前記提供することと
を含む、コンピュータ可読ストレージ媒体。
【請求項21】
動作は、前記出発空港内で前記少なくとも1つの商品をユーザが取得するために、前記少なくとも1つの商品の前記購入と、前記ユーザのユーザ識別子とを関連付けることをさらに含む、請求項20に記載のコンピュータ可読ストレージ媒体。
【請求項22】
前記発話クエリは、テキストデータに変換され、前記1つ以上のバックエンドシステムは、前記テキストデータに基づいて問い合わせされる、請求項20に記載のコンピュータ可読ストレージ媒体。
【請求項23】
前記動作は、出発ゲートに基づき空港システムからリアルタイム空港データを取得することをさらに含み、前記リアルタイム空港データは、前記出発空港内の道順、目的地までの時間、および行列待ち時間のうちの1つ以上を備える、請求項20に記載のコンピュータ可読ストレージ媒体。
【請求項24】
少なくとも1つの応答は、サードパーティ小売店システムからの宣伝広告データを備える、請求項20に記載のコンピュータ可読ストレージ媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、全般的に、インタラクティブキオスクに関する。
【背景技術】
【0002】
営利事業では、顧客、労働者、パートナー、およびオペレーターの体験が切断されている。営利事業は、空港を含むことができる。乗客の観点からは、例えば搭乗手続きの後、乗客は、搭乗時間まで空港で待ち、かつ/または空港を歩き回り、自らが入り込んだ空港エコシステムを実質的に認識せず、かつ/または自己の旅に有益かもしれないリソースを認識しない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示の実装は、インタラクティブキオスクを対象とする。
【0004】
一部の実装では、インタラクティブキオスクは、ディスプレイと、マイクロフォンと、動作を実行する1つ以上のプロセッサとを含み、動作は、ユーザの発話クエリとして提供されるユーザ入力を受信することと、ユーザ固有データを受信することと、1つ以上の応答を提供するために、仮想エージェントにより、ユーザ入力およびユーザ固有データに基づき1つ以上のバックエンドシステムに問い合わせを行うことと、ディスプレイ上にユーザへの1つ以上の応答の1つ以上のグラフィック表現を表示することであって、1つ以上のグラフィック表現は、購入向けの少なくとも1つの商品を示す、表示することと、少なくとも1つの商品の購入を促進することと、或る場所の中で少なくとも1つの商品を物理的に取得するための指示を乗客に提供することとを含む。本側面の他の実装は、対応するシステム、装置、およびコンピュータストレージデバイスにエンコードされ本方法のアクションを実行するよう構成されたコンピュータプログラムを含む。
【0005】
これらの実装および他の実装はそれぞれ、任意選択で、次の特徴のうちの1つ以上を含むことができる:動作が、場所から少なくとも1つの商品をユーザが取得するために、少なくとも1つの商品の購入と、ユーザのユーザ識別子とを関連付けることをさらに含むこと、発話クエリが、テキストデータに変換され、1つ以上のバックエンドシステムが、テキストデータに基づいて問い合わせされること、場所が、空港を含み、動作が、出発ゲートに基づき空港システムからリアルタイム空港データを取得することをさらに含み、リアルタイム空港データが、空港内の道順、目的地までの時間、および行列待ち時間のうちの1つ以上を備えること、インタラクティブキオスクが、ユーザ識別子からユーザ固有データを判断するために、スキャナおよびカメラのうちの1つ以上をさらに含むこと、ユーザ固有データが、ユーザによりかざされた搭乗カードに含まれる搭乗カードデータを含み、搭乗カードが、ユーザ識別子を備え、搭乗カードデータが、搭乗カードデータベースから提供されること、少なくとも1つの応答が、サードパーティ小売店システムからの宣伝広告データを含むこと、インタラクティブキオスクが、購入を促進する少なくとも1つのコンポーネントをさらに含むこと、少なくとも1つのコンポーネントが、1つ以上のモバイル支払いシステムを使用して支払いを実行するためにユーザのモバイルデバイスと通信するためのワイヤレス通信コンポーネントを含むこと、動作が、支払いトランザクションデータをサードパーティ小売店システムに送信することをさらに含むこと、動作が、場所の中の小売店舗に購入データを送信することをさらに含み、乗客が、購入データに基づき小売店舗から少なくとも1つの商品を取得すること、インタラクティブキオスクが、スピーカをさらに含むこと。
【0006】
本開示の実装は以下の利点のうち1つ以上を提供する。例えば、本開示の実装は、予測モデルの結果の人間が読める解釈を提供する。このようにして、予測モデルに対する透明性および結果が提供され、予測モデルをブラックボックスの領域から移行させる。
【0007】
本開示はさらに、1つ以上のプロセッサに結合され命令が記憶されたコンピュータ可読ストレージ媒体を提供し、命令は、1つ以上のプロセッサにより実行されると、1つ以上のプロセッサに、本願明細書で提供される方法の実装による動作を実行させる。
【0008】
本開示は、本願明細書で提供される方法を実装するシステムをさらに提供する。システムは、1つ以上のプロセッサと、1つ以上のプロセッサに結合され命令が記憶されたコンピュータ可読ストレージ媒体とを含み、命令は、1つ以上のプロセッサにより実行されると、1つ以上のプロセッサに、本願明細書で提供される方法の実装による動作を実行させる。
【0009】
当然のことながら、本開示による方法は、本願明細書に記載された側面および特徴の任意の組み合わせを含むことができる。すなわち、本開示による方法は、本願明細書に具体的に記載された側面および特徴の組み合わせに限定されず、提供される側面および特徴の任意の組み合わせをも含む。
【0010】
本開示の1つ以上の実装の詳細が、添付の図面および下記の説明に記載される。本開示の他の特徴および利点は、本記載および図面、ならびに特許請求の範囲から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の実装を実行することができる例示のシステムを示す。
【
図2】本開示の実装による例示の概念アーキテクチャを示す。
【
図3A】本開示の実装による例示のインターフェースを示す。
【
図3B】本開示の実装による例示のインターフェースを示す。
【
図3C】本開示の実装による例示のインターフェースを示す。
【
図3D】本開示の実装による例示のインターフェースを示す。
【
図3E】本開示の実装による例示のインターフェースを示す。
【
図3F】本開示の実装による例示のインターフェースを示す。
【
図4】本開示の実装において実行できる例示のプロセスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の実装は、全般的に、インタラクティブキオスクを対象とする。特に、本開示の実装は、現場(例えば空港)の既存の画面に基づくパネル(例えば宣伝広告画面)に仮想エージェントを組み込み、ユーザサービス提供のために複数の技術を調和させるインタラクティブキオスクを対象とする。一部の実装では、本願明細書にさらに詳しく記載されるとおり、本開示のインタラクティブキオスクは、スピーチ認識技術を使用し、次の特徴のうちの1つ以上を含む:ユーザ認識のためのアクティビティ固有データソース(例えば空港の搭乗券システム)との統合、リアルタイム行列情報との統合、リアルタイム現場情報(例えば空港の出発ゲート)との統合、経路発見のための地図の使用、電子商取引プラットフォームとの統合、ユーザ情報(例えば目的地)に基づく物品のアップセルのための推奨分析の使用、物品を購入するための販売時点情報管理(PoS:point−of−sale)技術との統合、購入情報に最も近い現地小売業者の更新、小売業者での迅速な回収を可能にするアクティビティ固有データサービスへの購入情報の追加、および定性的な洞察のためにタグ付けおよび使用可能なリアルタイム顧客フィードバックの捕捉。
【0013】
本開示の実装は、例示のコンテキストを参照して本願明細書にさらに詳しく記載される。例示のコンテキストは、空港内でそのフライトの出発を待つ乗客としてのユーザを含む。例示のコンテキストでは、インタラクティブキオスクは、例えば搭乗券(カード)システムなどのアクティビティ固有データサービスを含む複数のバックエンドシステムとやり取りする、インタラクティブ空港キオスクとして提供される。ただし、本開示の実装は、任意の適切なコンテキスト(例えば商店街)において実現できることが意図されている。
【0014】
一部の実装では、インタラクティブキオスクは、ディスプレイと、マイクロフォンと、動作を実行する1つ以上のプロセッサとを含み、動作は、ユーザの発話クエリとして提供されるユーザ入力を受信することと、ユーザ固有データを受信することと、1つ以上の応答を提供するために、仮想エージェントにより、ユーザ入力およびユーザ固有データに基づき1つ以上のバックエンドシステムに問い合わせを行うことと、ディスプレイ上にユーザへの1つ以上の応答の1つ以上のグラフィック表現を表示することであって、1つ以上のグラフィック表現は、購入向けの少なくとも1つの商品を示す、表示することと、少なくとも1つの商品の購入を促進することと、或る場所の中で少なくとも1つの商品を物理的に取得するための指示を乗客に提供することとを含む。
【0015】
例示のコンテキストを参照し、一部の実装では、本開示のインタラクティブキオスク(インタラクティブ空港キオスク)は、コネクテッドエアポート内の複数の柱のうち1つの柱として説明でき、これが労働者、乗客、エコシステムパートナー、およびオペレーターの空港体験を、相互にのみでなくサービスパスの体験に沿ってもつなぎ合わせる。一部の実装では、本開示のインタラクティブ空港キオスクを含むコネクテッドエアポートは、従来および新興両方の技術に基づくデータ共有ならびにサービスデザインを実装する。一部の例では、空港内のモノのインターネット(IoT:Internet−of−Things)デバイスがデータを捕捉し、バックエンド解析が、コネクテッドエアポートのコンテキストおよび洞察を用いた機能を可能にする。IoTデバイスに加えて、コネクテッドエアポートはさらに、人工知能(AI:artificial intelligence)、拡張現実(AR:augmented reality)、複合現実(MR:mixed reality)、仮想現実(VR:virtual reality)、およびボット(例えばチャットボット)を活用する。例えば、IoTデバイスは、リアルタイムのロケーションベース情報が収集され伝達されることを可能にする。解析は、物品およびサービスの識別およびプロンプト、経路計画の最適化などを可能にする。ARは、空港での乗客の経路発見に使用できる。VRおよび/またはMRは、休止時間の娯楽、空港での観光地遠隔訪問などに使用でき、かつ/またはAIおよびボットはコネクテッドエアポートとの乗客インタラクションを拡大するために使用できる。なお、コネクテッドエアポートは、本開示のインタラクティブ空港キオスクを使用してコネクテッドエアポートの各側面と連係することができる乗客により主として主導されてもよい。
【0016】
図1は、本開示の実装を実行することができる例示のシステム100を示す。示された例では、システム100は、ネットワーク110上でサーバシステム108と通信するコンピューティングデバイス102、104を含む。一部の例では、コンピューティングデバイス102、104は、様々な形態の処理デバイスを表現することができ、当該処理デバイスには、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、携帯情報端末(PDA:personal digital assistant)、携帯電話、ネットワークアプライアンス、カメラ、スマートフォン、拡張型汎用パケット無線サービス(EGPRS:enhanced general packet radio service)モバイル電話、メディアプレーヤ、ナビゲーションデバイス、電子メールデバイス、ゲーム機、またはこれらデータ処理デバイスもしくは他のデータ処理デバイスのうちの任意の2つ以上の組み合わせが含まれるが、これに限定されない。本願明細書でさらに詳しく説明するとおり、コンピューティングデバイス102、104は、サーバシステム108において提供されるアプリケーションソフトウェアとやり取りすることができる。
【0017】
一部の実装では、サーバシステム108は、1つ以上のサーバ112およびデータベース114を含むことができる。一部の例では、サーバ112は、ウェブサーバ、アプリケーションサーバ、プロキシサーバ、ネットワークサーバ、またはサーバファームを含むが、これに限定されない様々な形態のサーバを表現することができる。例えば、サーバ112は、コンピューティングデバイス102、104によりアクセスされるソフトウェアを実行するアプリケーションサーバとすることができる。動作中、複数のコンピューティングデバイス102、104(例えばクライアントとしての)が、ネットワーク110経由でサーバ112と通信することができる。一部の実装では、ユーザは、コンピューティングデバイス102、104で実行されるユーザインターフェースアプリケーション(例えばウェブブラウザ)において、サーバ112上の利用可能なアプリケーションを呼び出すことができる。各アプリケーションは、1つ以上のリポジトリリソース(例えばデータベース114)のデータに個別にアクセスすることができる。
【0018】
一部の実装では、システム100は、ネットワーク110などの1つ以上のネットワークにまたがる分散型クライアント/サーバシステムとすることができる。ネットワーク110は、任意の数のモバイルクライアント、固定クライアント、およびサーバを接続するローカルエリアネットワーク(LAN:local area network)、ワイドエリアネットワーク(WAN:wide area network)、インターネット、セルラネットワーク、またはそれらの組み合わせなど、大規模なコンピュータネットワークとすることができる。一部の実装では、各クライアント(例えばコンピューティングデバイス102、104)は、仮想プライベートネットワーク(VPN:virtual private network)、セキュアシェル(SSH:Secure Shell)トンネル、またはその他セキュアネットワーク接続を介してサーバ112と通信することができる。一部の実装では、ネットワーク110は、インターネット、ワイヤレスサービスネットワークを含むことができ、公衆交換電話網(PSTN:Public Switched Telephone Network)を含んでもよい。一部の実装では、ネットワーク110は、企業ネットワーク(例えばイントラネット)、および1つ以上のワイヤレスアクセスポイントを含んでもよい。
【0019】
一部の実装では、コンピューティングデバイス102、104は、それぞれ、サーバ112と独自のセッションを確立することができる。各セッションは、コンピューティングデバイス102、104とサーバ112との間の双方向の情報のやりとりを含むことができる。例えば、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP:Hypertext Transfer Protocol)セッションは、情報と個々のコンピューティングデバイス102、104との関連付けを可能にすることができる。一部の例では、セッションは、ステートフルセッションとすることができ、通信部分の少なくとも1つ(例えば、サーバ112またはコンピューティングデバイス102、104)が、セッション中のセッション履歴についての情報を記憶する。一部の例では、ステートレスセッション中のステートレス通信は、関連する応答のある独立したリクエストを含む。
【0020】
例示のコンテキストを参照すると、一部の例では、コンピューティングデバイス102は、乗客130の旅行用の乗り物(例えば航空機)への搭乗手続を行うエージェント120により操作できる。その目的で、コンピューティングデバイス102は、コンピューティングデバイス102に直接接続された1つ以上の他のデバイスと通信することができる。例示のデバイスは、スキャナ(例えばバーコードスキャナ、QRコードスキャナ)、はかり(例えば荷物の重さをはかるため)、プリンタ(例えば搭乗券および/またはレシートを印刷するため)、リーダー(例えばポイントカード、クレジットカード、運転免許証、および/またはパスポートリーダー)を含むことができる。
【0021】
一部の例では、コンピューティングデバイス104は、乗客搭乗手続きキオスクを含むことができ、エージェント(例えばエージェント120)および/または乗客132によって操作できる。例えば乗客132は、コンピューティングデバイス104を使用して、フライトの搭乗手続きをし、搭乗券および/またはレシートを印刷することができる。その目的で、コンピューティングデバイス104は、その中に物理的に統合された1つ以上の他のデバイスを含むことができる。例示のデバイスは、スキャナ(例えばバーコードスキャナ、QRコードスキャナ)、はかり(例えば荷物の重さをはかるため)、プリンタ(例えば搭乗券および/またはレシートを印刷するため)、リーダー(例えばクレジットカード、運転免許証、および/またはパスポートリーダー)を含むことができる。
【0022】
航空会社産業の旅行乗客の搭乗手続きワークフローは、例えば、いくつかの異なる搭乗手続ステップを含むことができ、その間、航空会社固有の予約システムがアクセスされる。例えば搭乗手続きワークフローは、乗客情報の検索、座席指定、手荷物の取り扱い、オプションサービスの追加、支払い受領、および/または乗客搭乗手続きの最終決定に関係する1つ以上のステップを含むことができる。乗客検索ステップの例として、搭乗手続エージェントは、乗客識別情報を入力して予約システム中の特定の乗客の旅行計画を発見して、搭乗手続プロセスを開始し、かつ/または追加のデータを入力することができる。例えば、リーダー(例えばリーダー)を使用して、ポイントカード、クレジットカード、運転免許証、および/またはパスポート情報を読み取って、乗客の身元を確認し、乗客に関連づけられている予約を取得することができる。支払いステップでは、乗客は例えば、サイズ超過したバッグの預託、ファーストクラスへの座席のアップグレードを含む、区分または追加のサービスに対する支払いを提供することができる。一部の例では、支払いを、リーダーを使用して読み取り可能なクレジットカードを使用して提供できる。他の搭乗手続きの手順がすべて完了した後、搭乗手続きプロセスを完了するための最終決定ステップが提供されてもよい。一部の例では、1つ以上の搭乗券および/またはレシートを印刷できる。
【0023】
図1の例示のシステム100は、本開示の実装によるインタラクティブ空港キオスク(IAK:interactive airport kiosk)140をさらに含む。一部の実装では、本願明細書にさらに詳しく記載されるとおり、IAK140は、乗客130、132がコネクテッドエアポートとやり取りできるようにする。特にIAK140は、乗客130、132が、空港を通る乗客の旅について乗客固有情報および/または乗客関連情報を受信できるようにする。一部の実装では、IAK140は、仮想エージェントと乗客がやり取りするのを可能にし、仮想エージェントは乗客130、132から情報を受信して、それに基づいて1つ以上のバックエンドシステムとやり取りし、乗客130、132のためにサービスを実施する。例えば、本願明細書にさらに詳しく記載のとおり、乗客130、132は、IAK140を介して仮想エージェントとやり取りして、空港についての情報(例えば出発ターミナル、地図、店舗、食事、フライトの遅延など)を取得し、自分の目的地についての情報(例えば天気、通貨、ニュース)を取得し、かつ/または物品および/またはサービスを購入することができる。
【0024】
一部の実装では、複数のIAK140が空港ターミナル内に位置する。例えば、1つ以上のIAK140が、保安検査前のエリア(例えばチケット発行、搭乗手続、手荷物預け/受取り)に位置することができ、さらに保安検査後のエリア(例えば出発ラウンジ、フードコート、ショッピングコート、ゲート)に位置することができる。保安検査前のコンテキストでは、本開示のIAK140は、乗客搭乗手続きキオスク(例えばコンピューティングデバイス104)などの他のタイプのキオスクとは異なる。例えば、乗客搭乗手続きキオスクは、限定的なタスク固有機能性(例えば乗客のフライト搭乗手続きをするタスクに固有のもの)を有してもよく、特定の航空会社に固有であってもよい。対照的に、本願明細書にさらに詳しく記載のとおり、本開示のIAK140は、乗客がコネクテッドエアポートを介して複数のシステムと接続およびやり取りできるようにする。
【0025】
図2は、本開示の実装による例示の概念アーキテクチャ200を示す。例示のコンテキストを参照すると、例示の概念アーキテクチャ200は、IAK202、仮想エージェント204、およびバックエンドシステム206を含む。一部の実装では、仮想エージェント204は、1つ以上のサーバシステム上でホストされ、IAK202は、ネットワーク(例えば
図1のネットワーク110)上で仮想エージェント204と通信する。一部の実装では、仮想エージェント204の少なくとも一部分がIAK202自体の中でホストされる。
【0026】
示されている例では、IAK202は、タッチスクリーン210(例えばユーザの接触を感知するディスプレイ)、リーダー(例えばバーコードスキャナ、QRコードスキャナ、クレジットカードリーダー)、マイクロフォン、1つ以上のプロセッサ216、カメラ218(例えば静止画、ビデオ)、スピーカ220、およびメモリ222を含む。示されている例では、仮想エージェント204は、地図モジュール230、環境情報モジュール232、電子商取引モジュール234、フィードバック解析モジュール236、および電子商取引解析モジュール238を含む。示されている例では、バックエンドシステム206は、旅行システム240、航空会社システム242、PoSシステム244、およびスピーチ処理システム246を含む。なお、仮想エージェント204は、
図2に示されていないバックエンドシステムを含む任意の適切なシステムとやり取りできることが意図される。
【0027】
一部の実装では、乗客(例えば
図1の乗客130、132)がIAK202とやり取りする。例示の乗客のやり取りは、触覚(例えばタッチスクリーン210に触れること)、口頭(例えばIAK202に話しかけ、このスピーチがマイクロフォン214を介してスピーチデータとして記録される)を含むことができる。一部の例では、IAK202は、宣伝広告、フライト情報(例えば出発、到着)、および一般情報(例えば空港の地図)のうちの1つ以上を表示する。乗客のやり取りに応答して、IAK202は、
図3A〜
図3Fを参照して本願明細書にさらに詳しく記載されるものなど、視覚的な応答を提供する1つ以上のヘルプ画面を表示する。一部の例では、乗客のやり取りに応答して、IAK202は、可聴の応答(例えば音声(「どうなさいましたか」)をスピーカ220を介して再生する)を提供する。
【0028】
本開示の実装によれば、乗客は、IAK202を介して仮想エージェント204とやり取りする。例えば乗客は、クエリ(例えば発話クエリ)をIAK202に入力でき、このクエリが仮想エージェント204に提供されるスピーチデータとして記録される。一部の例では、スピーチデータが処理されてテキストデータが提供される。例えば仮想エージェント204は、発話データをスピーチ処理システム246に提供することができ、スピーチ処理システム246は、スピーチデータをテキストデータに変換し、テキストデータを仮想エージェント204に提供する。一部の例では、仮想エージェント204は、テキストデータに基づいて1つ以上の機能を実行する。例えば、乗客が支援がほしいと示すのに応答して、仮想エージェント204は乗客に情報の入力を促すことができる。例えば仮想エージェント204は、コンピュータ実行可能命令をIAK202に提供して、視覚的応答および/または可聴応答を提供することができる。例えば、乗客が支援をリクエストするのに応答して、IAK202は、「それでは、搭乗券をカメラのところまで持ち上げてくださいますか」を含む応答を表示することができる(スピーカ220を介して聞こえるように再生することも可能である)。
【0029】
一部の例では、乗客がカメラ218の前に物体をかざすのに応答して、IAK202は、1つ以上の画像を捕捉することができ、これが処理されて乗客固有情報を判断できる。例えば、乗客は搭乗券をカメラのところまで持ち上げることができ、カメラは搭乗券の画像を1つ以上捕捉することができる。一部の例では、搭乗券は、物理的な搭乗券(例えば紙に印刷されている)とすることができる。一部の例では、搭乗券は、仮想の搭乗券(例えば乗客が携帯するモバイルデバイスの画面に表示される)とすることができる。一部の例では、仮想エージェント204は、搭乗券の画像をバックエンドシステムに提供でき、バックエンドシステムは、画像を処理して搭乗券データを提供することができる。一部の例では、画像が処理されてテキスト(例えば乗客の氏名、出発日、出発時刻、フライト番号、出発空港、目的地空港、プログラム会員番号)の認識ができる。一部の例では、画像が処理されて、機械可読コード(例えばバーコード、QRコード)から情報を復号することができる。本開示の実装によれば、仮想エージェント204は、搭乗券データに基づき1つ以上のバックエンドシステムに問い合わせることができる。例えば仮想エージェント204は、旅行システム240および/または航空会社システム242に問い合わせて乗客固有情報を取得することができる。
【0030】
一部の実装では、仮想エージェント204は、取得された情報、ならびに発端となった乗客クエリ(例えば乗客との進行中のやり取りを開始させたクエリ)に基づき、IAK202を使用してどのコンテンツを乗客に提示(例えば視覚的に、聞こえるように)するかを決定することができる。一部の例では、コンテンツは、乗客からのパーソナライズされた情報、位置情報(例えば乗客の現在位置(キオスクの位置)、乗客の出発ゲート)、および乗客のクエリに基づいて判断される。例えば乗客は、自分のゲートまでの道順、および/または買い物、レストラン、および/または空港内の設備についての情報をリクエストできる。仮想エージェント204は、個々のバックエンドシステムに問い合わせを行って、特定の場所の空港環境情報を組み合わせ、乗客のクエリに対応したコンテンツを提示することができる。
【0031】
一部の実装では、IAK202は、空港のローカル情報システムと統合して、リアルタイムの保安検査行列待ち時間、乗り換え時刻表(例えば地方のバス/鉄道)、および出発ターミナルまでの時間(例えば徒歩何分か)に関する情報、およびその他任意の適切な情報を受信する。本願明細書に記載のとおり、IAK202は、クエリ、コンテキストによるリアルタイム情報、および目的地情報の組み合わせに基づいて情報を提示する。このように、IAK202は、異種の情報のグループをまとめて乗客の旅/クエリに対応する。
【0032】
一部の実装では、IAK202は、目的地情報に基づいて乗客に提案を提供する。一部の例では、IAK202は、乗客に、その目的地に関連する提案を見るオプションを提案する。一部の例では、IAK202は、乗客の個人プロフィールに関連する物品および/またはサービスを推奨するために仮想エージェント204から提案情報を受信する。例えば仮想エージェント204は、サードパーティ小売業者システムに情報(例えば、提案される項目の一覧、現在の在庫品の入手可能性、空港内の受取り場所、メニューなど)をリクエストし、それを受信する。一部の例では、仮想エージェント204は、目的地空港および/または乗り継ぎ空港に関する情報(例えば目的地の天気)を提供する旅行APIを介してやり取りし、この情報を使用して物品/サービスを乗客に推奨することができる。例えば仮想エージェント204は、例えば旅行API、サードパーティ小売店システム、乗客情報、および同様のものからのデータを使用して推奨エンジンとやり取りし、販売に最適な物品/サービスの特定に基づいた物品/サービスの候補を推奨することができる。
【0033】
一部の実装では、ユーザは、物品/サービスを選択および/または購入するためにユーザ入力(例えば発話される言葉)を提供する。一部の例では、仮想エージェント204は、1つ以上のモバイル支払いサービスおよび搭乗券システム(例えば航空会社サービス242の一部として)とやり取りして購入を成立させる。一部の例では、サードパーティ小売店システムは、在庫および備品をリアルタイムで更新し、リアルタイム回収地点を更新する(例えばPoSシステム244)。一部の例では、PoSシステム244は、レシートを、乗客に関連づけられている(例えば乗客のプロフィールの)電子メールに電子メール送信する。一部の例では、PoSシステム244は、乗客の搭乗カードに支払い済み物品/サービスの回収識別子を付加する。このようにして、乗客は、指定された回収地点まで歩いていくことができ、小売業者のエージェントは、搭乗カードをスキャンして回収識別子を判断することができ、物品/サービスを乗客に提供することができる。
【0034】
図3A〜
図3Fは、本開示の実装による例示のインターフェースを示す。
図3Aを詳しく参照する。例示のインターフェースは、IAKとの乗客のやり取りの開始画面として機能するランディングインターフェース300を含む。一部の実装では、ランディング画面300は、IAKとの当初の乗客のやり取りに応答して表示できる。例えばIAKは、宣伝広告を表示し、乗客の入力に応答して宣伝広告の代わりにランディングインターフェース300を表示する。例示の乗客入力は、触覚入力(例えばIAKの画面に乗客が触れる)および/または口頭入力(例えば乗客が口頭でIAKと意思疎通する)を含むことができる。
【0035】
一部の実装では、仮想エージェントは、IAKを介して、視覚および/または口頭の対話を乗客と開始する。
図3Aの例には、仮想エージェントのグラフィック表現302が提供されている。一部の例では、初期の乗客入力、およびランディング画面300の表示に応答して、仮想エージェントは乗客固有情報をリクエストすることができる。示されている例のランディングインターフェース300では、仮想エージェントは、乗客が搭乗券を持っているかどうかリクエストする。これは、質問のグラフィック表現304をランディング画面に表示することなどによる視覚的リクエスト、および/またはIAKのスピーカを介して乗客に可聴リクエストを再生するなどの可聴リクエストを含むことができる。乗客は応答を提供することができる。示されている例では、乗客は、グラフィック表現306として示されている肯定応答(例えばIAKのマイクロフォンにより捕捉されてテキストに変換される口頭応答)を提供し、仮想エージェントは、搭乗券情報を提供する(例えば搭乗券をIAKのカメラのところまで持ち上げる)ようグラフィック表現308を介してユーザに指示する。
【0036】
図3Bは、乗客固有情報画面320を示す。一部の例では、乗客固有情報(例えば仮想エージェントにリクエストされたとおりカメラにかざされた乗客の搭乗カードに記録された情報)を捕捉するのに応答して乗客固有情報画面320が表示される。例えば仮想エージェントは乗客固有および/または乗客関連情報を取得することができ、これが乗客固有情報画面320上に表示されることが可能である。示されている例では、乗客固有情報画面320は、空港の少なくとも一部分の地
図322、および移動の概要324を含む。一部の例では、地
図322は乗客関連情報として提供できる(例えば、地図自体はいずれの乗客にも固有ではないが、地図の中の表示される部分は特定の乗客の移動に関連する)。一部の例では、移動の概要324が乗客固有情報として提供されることが可能である(例えば、表示される情報は特定の乗客固有である)。示されている例では、移動の概要324が、道順、通過点、通過点間の時間、個々の位置での空き時間の推定、フライト情報(例えばゲート、待ち合わせ、出発時刻、到着空港、到着時刻)を含む時刻表として提供される。示されている例では、地
図322は、空港を通る乗客の経路を表示する。
【0037】
図3Cは、例示の電子商取引画面330を示す。一部の例では、仮想エージェントは、乗客情報に基づいて電子商取引画面330を表示することができる。示されている例では、電子商取引画面330は、特定の乗客の目的地に関する天気情報のグラフィック表現332、および乗客に関連するかもしれない物品および/またはサービスのグラフィック表現334を表示する。一部の例では、示される物品/サービスは航空機の乗客に汎用である(例えば旅行用枕、旅行用化粧品など、快適なフライトのための商品)。一部の例では、示される物品/サービスは特定の乗客固有である(例えば目的地の気候に基づく日焼け止め、目的地固有の旅行ガイド、目的地固有環境に基づくかゆみどめ(蚊))。
【0038】
図3Dは、例示の支払い画面340を示す。一部の例では、乗客が電子商取引画面330から1つ以上の物品/サービスを選択する(例えば乗客がIAKのタッチスクリーンの、選択される物品のグラフィック表現334に触れる)のに応答して支払い画面340が表示される。本開示の実装によれば、仮想エージェントは、IAKを介して物品(単数または複数)/サービス(単数または複数)の支払いを促進する。例えば乗客は、IAKを介して支払い情報を提供することができる。一例では、乗客は、そのモバイルデバイスを介してモバイル支払いサービスを使用することができる。例示のモバイル支払いサービスは、Android Pay、Apple Pay、Samsung Pay、PayPal、および同様のものを含むことができる。一部の例では、乗客は、自分のモバイルデバイス上でモバイル支払いアプリケーションを開始し、モバイルデバイスの画面をIAKにかざすことができる。一部の例では、IAKは、カメラを介してモバイル支払い情報を捕捉することができる(例えばモバイルデバイスの画面の画像を捕捉する)。一部の例では、IAKは、モバイルデバイスとのNFCを介してモバイル支払い情報を捕捉することができる。
図3Dには示されていないが、仮想エージェントは、どこで物品(単数または複数)/サービス(単数または複数)を取得できるかを乗客に知らせることができる。例えばIAKは、乗客がIAKを介して購入した物品を受け取ることができる免税店までの地図を示す画面、および免税店の中のカウンターを表示することができる。
【0039】
図3Eおよび
図3Fは、乗客のフィードバックを引き出すために表示できる例示のフィードバック画面350を示す。示されている例では、グラフィック表現352は個々のレーティング(例えば非常に満足、満足、どちらとも言えない、不満)を示す。一部の例では、乗客は、レーティングを選択することができる(例えばIAKのタッチスクリーンの個々のグラフィック表現に触れることによる)。一部の例では、乗客は他の形態のフィードバックを提供することができる。例えば乗客は、(例えば
図3Fに示されるような)テキストに変換される口頭のフィードバックを提供することができる。
【0040】
図4は、本開示の実装において実行できる例示のプロセス400を示す。一部の例では、例示のプロセス400は、1つ以上のコンピューティングデバイスを使用して実行される1つ以上のコンピュータプログラムを使用して提供できる。一部の例では、プロセス400は、本開示の実装によるコネクテッドエアポートの少なくとも一部分を提供するために実行される。
【0041】
乗客の入力が受信される(402)。例えば仮想エージェントは、本開示のIAKを使用して乗客の発話クエリを受信する。搭乗カードデータが受信される(404)。例えば仮想エージェントは、乗客がIAKに示す搭乗カードに基づき搭乗カードデータを受信する。一部の例では、IAKのカメラは、搭乗カードの画像を捕捉し、その画像が処理されて搭乗カードデータが提供される。一部の例では、IAKのスキャナは、搭乗カードに印刷されている、搭乗カードデータをエンコードした機械可読コードをスキャンする。
【0042】
乗客の入力および搭乗カードデータに基づき、1つ以上のバックエンドシステムに問い合わせが行われ、1つ以上の応答が提供される(406)。例えば仮想エージェントは、本願明細書に記載のとおり、1つ以上のバックエンドシステムに問い合わせを行う。乗客に対する1つ以上の応答の1つ以上のグラフィック表現が表示される(408)。例えばIAKは応答のグラフィック表現を表示し、グラフィック表現は購入向けの少なくとも1つの商品(例えば物品、サービス)を示す。少なくとも1つの商品の購入が促進される(410)。例えば、本願明細書に記載のとおり、IAKは、乗客が1つ以上のモバイル支払いサービスを使用して商品を購入できるようにする。乗客への指示が、空港内で少なくとも1つの商品を物理的に取得するために提供される(412)。
【0043】
本明細書に記載される各実装および機能動作のすべては、デジタル電子回路において、またはこの明細書で開示された構造およびその構造上の等価物を含むコンピュータソフトウェア、ファームウェア、もしくはハードウェアにおいて、またはそれらのうちの1つ以上の組み合わせにおいて実現されてもよい。各実装は、1つ以上のコンピュータプログラム製品として、すなわちデータ処理装置により実行されるよう、またはデータ処理装置の動作を制御するよう、コンピュータ可読媒体上にエンコードされたコンピュータプログラム命令の1つ以上のモジュールとして実現されてもよい。コンピュータ可読媒体は、機械可読ストレージデバイス、機械可読ストレージ基板、メモリデバイス、機械可読伝播信号をもたらす物質の構成、またはそれらの1つ以上の組み合わせとされてもよい。「コンピューティングシステム」という用語は、データを処理するすべての装置、デバイスおよび機械を包含し、例として、プログラマブルプロセッサ、コンピュータ、または複数のプロセッサもしくはコンピュータを含む。この装置は、ハードウェアに加えて、例えばプロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、またはそれらの1つ以上の組み合わせを構成する対象のコンピュータプログラム(例えばコード)の実行環境を作り出すコードを含んでもよい。伝播信号とは、適切な受信機装置に伝送される情報をエンコードするために生成される人工的に生成された信号(例えば機械生成された電気信号、光信号、または電磁信号)である。
【0044】
コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、スクリプト、またはコードとしても知られる)は、コンパイル型またはインタープリタ型言語を含む任意の適切な形態のプログラミング言語で書かれてもよく、スタンドアロンプログラムとして、またはモジュール、コンポーネント、サブルーチン、あるいはコンピューティング環境用に適した他のユニットとしてなど、任意の適切な形態で展開されてもよい。コンピュータプログラムは、必ずしもファイルシステム内のファイルに対応するとは限らない。プログラムは、他のプログラムまたはデータを保持するファイルの一部分(例えば、マークアップ言語ドキュメントに格納される1つ以上のスクリプト)、対象のプログラム専用の単一ファイル、または複数の連携ファイル(例えば1つ以上のモジュール、サブプログラム、またはコードの一部分を格納する複数ファイル)に格納されてもよい。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上または1つの場所に位置するかもしくは複数の場所に分散し通信ネットワークにより相互接続された複数のコンピュータ上で実行されるよう展開されてもよい。
【0045】
本明細書に記載されたプロセスおよび論理フローは、入力データに作用し出力を生成することにより機能を実行する1つ以上のコンピュータプログラムを実行する1つ以上のプログラマブルプロセッサにより実行されてもよい。プロセスおよび論理フローはさらに専用論理回路(例えばFPGA(field programmable gate array:フィールドプログラマブルゲートアレイ)またはASIC(application specific integrated circuit:特定用途向け集積回路))により実行されてもよく、装置はさらに、該専用論理回路として実装されてもよい。
【0046】
コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサは、例として、汎用および専用マイクロプロセッサの両方、ならびに任意の適切な種類のデジタルコンピュータの任意の1つ以上のプロセッサを含む。一般に、プロセッサは、読み取り専用メモリもしくはランダムアクセスメモリまたは両方から命令およびデータを受信する。コンピュータの構成要素は、命令を実行するプロセッサ、ならびに命令およびデータを記憶する1つ以上のメモリデバイスを含むことができる。一般に、コンピュータはさらに、データを記憶する1つ以上の大容量ストレージデバイス(例えば磁気、光磁気ディスク、もしくは光ディスク)を含むか、またはそれからデータを受け取るよう、もしくはそれへデータを転送するよう動作可能に結合されるか、またはその両方である。なお、コンピュータはそのようなデバイスを有する必要はない。さらに、コンピュータは、別のデバイス(例えばモバイル電話、携帯情報端末(PDA:personal digital assistant)、モバイルオーディオプレーヤ、衛星航法システム(GPS:Global Positioning System)受信機)に組み込まれてもよい。コンピュータプログラム命令およびデータを記憶するのに適したコンピュータ可読媒体は、あらゆる形式の不揮発性メモリ、媒体およびメモリデバイスを含み、例として、半導体メモリデバイス(例えばEPROM、EEPROM、およびフラッシュメモリデバイス)磁気ディスク(例えば内蔵ハードディスクまたはリムーバブルディスク)、光磁気ディスク、ならびにCD ROMおよびDVD−ROMディスクが含まれる。プロセッサおよびメモリは、専用論理回路により補完されてもよく、またはそれに組み込まれてもよい。
【0047】
ユーザとの相互作用を提供するために、情報をユーザに表示するディスプレイデバイス(例えばCRT(cathode ray tube:陰極線管)、LCD(liquid crystal display:液晶ディスプレイ)、LED(light−emitting diode:発光ダイオード)モニタ、ならびにユーザがコンピュータに入力を提供してもよいキーボードおよびポインティングデバイス(例えばマウスまたはトラックボール)を有するコンピュータ上で、各実装が実現されてもよい。他の種類のデバイスが、同じくユーザとの対話を提供するために使用されてもよい。例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、任意の適切な形式の感覚フィードバック(例えば視覚フィードバック、聴覚フィードバック、または触覚フィードバック)であってもよく、ユーザからの入力は、音響、スピーチ、または触覚入力を含め、任意の適切な形式で受信されてもよい。
【0048】
各実装は、バックエンドコンポーネントを含むコンピューティングシステムにおいて(例えばデータサーバとして)、または、ミドルウェアコンポーネントを含むコンピューティングシステム(例えばアプリケーションサーバ)において、または、フロントエンドコンポーネントを含むコンピューティングシステム(例えばユーザが実装と相互作用できるグラフィカルユーザインターフェースもしくはウェブブラウザを有するクライアントコンピュータ)において、またはそのようなバックエンド、ミドルウェア、もしくはフロントエンドコンポーネント1つ以上の任意の適切な組み合わせを含むコンピューティングシステムにおいて実現されてもよい。システムのコンポーネントは、任意の適切な形態または媒体のデジタルデータ通信(例えば通信ネットワーク)により相互接続されてもよい。通信ネットワークの例は、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)およびワイドエリアネットワーク(「WAN」)(例えばインターネット)を含む。
【0049】
コンピューティングシステムは、クライアントおよびサーバを含んでもよい。クライアントおよびサーバは、一般に、互いに遠隔にあり、典型的には通信ネットワークを介して対話する。クライアントおよびサーバの関係は、各コンピュータ上で実行され互いにクライアント・サーバ関係を有するコンピュータプログラムにより生じる。
【0050】
本明細書は多数の詳細を含むが、これらは、本開示の範囲または特許請求の範囲に対する制限として解釈されるべきではなく、むしろ特定の実装に特有の特徴の記載として解釈されるべきである。別々の実装との関連で本明細書に記載されている特定の特徴はさらに、単一の実装に組み合わせて実装されることも可能である。逆に、単一の実装との関連で記載されている様々な特徴は、複数の実装において別々にも、または任意の適切な一部組み合わせにおいても実装されてもよい。さらに、各特徴は、特定の組み合わせで動作するよう上記に記載されていることもあり、当初そのように請求されていることもあるが、一部の事例では、請求されている組み合わせの1つ以上の特徴が、その組み合わせから削除されることが可能であり、請求されている組み合わせは、一部組み合わせまたは一部組み合わせの変形物を対象としてもよい。
【0051】
同じく、各動作は、図面内に特定の順序で示されているが、これは、望ましい結果を達成するために、当該の動作が、示されている特定の順序もしくは順次的な順序で実行されること、または示されているすべての動作が実行されることを要求するものと理解されてはならない。特定の状況では、マルチタスクおよび並列処理が有利なこともある。さらに、上述の実装における様々なシステムコンポーネントの分離は、すべての実装においてそのような分離を要求するものと理解されてはならず、当然のことながら、記載されているプログラムコンポーネントおよびシステムは、一般に、単一ソフトウェア製品に統合されても、または複数のソフトウェア製品にパッケージ化されてもよい。
【0052】
いくつかの実装について記載したが、当然のことながら、本開示の意図および範囲から逸脱することなく、様々な変更が加えられてよい。例えば、ステップが並べ替え、追加、または削除された、上記のフローの種々の形態が使用されてもよい。よって、他の実装は、特許請求の範囲に記載の範囲内にある。