(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6865737
(24)【登録日】2021年4月8日
(45)【発行日】2021年4月28日
(54)【発明の名称】交換可能なモジュールを備えるモジュール式監視デバイスプラットフォーム
(51)【国際特許分類】
A61B 5/1455 20060101AFI20210419BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20210419BHJP
【FI】
A61B5/1455ZDM
A61B5/00 A
【請求項の数】15
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-515091(P2018-515091)
(86)(22)【出願日】2016年9月22日
(65)【公表番号】特表2018-532470(P2018-532470A)
(43)【公表日】2018年11月8日
(86)【国際出願番号】EP2016072517
(87)【国際公開番号】WO2017050878
(87)【国際公開日】20170330
【審査請求日】2019年9月20日
(31)【優先権主張番号】16161221.3
(32)【優先日】2016年3月18日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】クロニン ジョン イー.
(72)【発明者】
【氏名】フフィネス クリストファー ミカエル
【審査官】
門田 宏
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2012/0029304(US,A1)
【文献】
特開2002−336281(JP,A)
【文献】
特表2010−531008(JP,A)
【文献】
中国特許出願公開第104434061(CN,A)
【文献】
特表2002−505598(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2005/0075067(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/1455
A61B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者への使用のための、交換可能なモジュールを有するモジュール式パルスオキシメータプラットフォームであって、前記モジュール式パルスオキシメータプラットフォームは、
電源、保健ネットワークと通信するための遠隔通信モジュール、プロセッサ、メモリ、及び、IDリーダを備えるパルスオキシメータと、
アクティブサブユニット、他のプロセッサ、他のメモリ、及び、それぞれのモジュールを一意的に識別するID番号を送信するID送信器を各々が備える複数のモジュールであって、前記アクティブサブユニットの各々は、前記患者の呼吸、脈拍、血圧、体温、又はpHを含む前記患者の生理学的パラメータを測定するための生理学的センサである、複数のモジュールと、を含み、
前記パルスオキシメータ及び前記複数のモジュールの各々は、機械的、電子的、及び電気的に前記パルスオキシメータと前記複数のモジュールとを直列形式で接続する1つ又は複数の接続部をさらに含む、モジュール式パルスオキシメータプラットフォーム。
【請求項2】
前記複数のモジュールの各々の前記1つ又は複数の接続部はさらに、
前記モジュールを前記複数のモジュールのうちの別のモジュール又は前記パルスオキシメータに機械的に連結する機械的接続部と、
前記電源から前記モジュールへの電力供給を可能にする電力通信と、
前記パルスオキシメータ及び前記複数のモジュール間でのデータの通信を可能にするデータ接続部と、を含む、請求項1に記載の交換可能なモジュールを有するモジュール式パルスオキシメータプラットフォーム。
【請求項3】
前記パルスオキシメータは、前記患者の身体の部位上に装着され、前記患者の酸素飽和度を測定するように適合され、前記患者の指、耳、つま先又は指以外の身体の部位で動作するように適合された携帯型パルスオキシメータである、請求項2に記載のモジュール式パルスオキシメータプラットフォーム。
【請求項4】
前記複数のモジュールは、体温モジュール、血圧モジュール、マイクロフォンモジュール、GPSモジュール、セキュリティ警報モジュール、IDモジュール、加速度計モジュール、化学的検出モジュール、SDカードモジュール、及びBluetooth(登録商標)センサモジュールから選択される、請求項2に記載のモジュール式パルスオキシメータプラットフォーム。
【請求項5】
1つ又は複数の前記機械的接続部は、前記モジュール又は前記パルスオキシメータの一方の側に配置される第1の接続部と、前記モジュール又は前記パルスオキシメータの反対の側に配置され、前記第1の接続部と機械的に連結可能である第2の接続部と、を含む、請求項2に記載のモジュール式パルスオキシメータプラットフォーム。
【請求項6】
前記保健ネットワークは、保健ネットワークプロセッサ、通信モジュール、IDデータベース、及びモジュールプログラムデータベースを含み、前記モジュールプログラムデータベースは、前記モジュールを動作させるために必要なモジュールタイプ及びいくつかのプログラムデータファイルをテーブル形式で保存する、請求項1に記載のモジュール式パルスオキシメータプラットフォーム。
【請求項7】
前記IDリーダ及び前記ID送信器は、RFID(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、Wi−Fi(登録商標)、セルラ通信又は他の無線通信技術に適合した無線通信モジュールである、請求項1に記載のモジュール式パルスオキシメータプラットフォーム。
【請求項8】
前記IDリーダ及び前記ID送信器は、前記パルスオキシメータ及び前記複数のモジュールのプロセッサによってそれぞれ実行されるソフトウェアにより実現される機能である、請求項1に記載のモジュール式パルスオキシメータプラットフォーム。
【請求項9】
前記IDデータベースは、1つ又は複数のID番号及び当該ID番号に対応する1つ又は複数のモジュールタイプを含む、請求項6に記載のモジュール式パルスオキシメータプラットフォーム。
【請求項10】
前記保健ネットワークは、クラウドサービスネットワークである、請求項6に記載のモジュール式パルスオキシメータプラットフォーム。
【請求項11】
患者への使用のための、交換可能なモジュールを有するモジュール式パルスオキシメータプラットフォームを動作させる方法であって、
前記モジュール式パルスオキシメータプラットフォームは、
電源、保健ネットワークと通信するための遠隔通信モジュール、プロセッサ、メモリ、及び、IDリーダを備えるパルスオキシメータと、
アクティブサブユニット、他のプロセッサ、他のメモリ、及び、それぞれのモジュールを一意的に識別するID番号を送信するID送信器を各々が備える複数のモジュールであって、前記アクティブサブユニットの各々は、前記患者の呼吸、脈拍、血圧、体温、又はpHを含む前記患者の生理学的パラメータを測定するための生理学的センサである、複数のモジュールと、を含み、
患者の健康状況に基づいて選択された前記複数のモジュールと前記パルスオキシメータとが複数の接続部を介して直列に接続され、前記健康状況は、疾患、症状、環境条件、患者の年齢、特定の状況又はこれらの組み合わせであり、
前記方法は、
前記パルスオキシメータのプロセッサが、前記IDリーダを起動するステップと、
前記パルスオキシメータのプロセッサが、前記IDリーダを使用して、前記複数のモジュールによって送信された複数のID番号を識別するステップと、
前記パルスオキシメータのプロセッサが、前記患者の身体の1つの部位に近接した前記パルスオキシメータ及び前記複数のモジュールを動作させ、前記複数のモジュールで前記患者から取得される体温データ、血圧データ、及び音声データをモジュールデータとして、前記複数のモジュールから受信し、前記モジュールデータを前記患者毎のデータセットにグループ分けする、ステップと、
前記パルスオキシメータのプロセッサが、複数の送信された前記モジュールデータ及びパルスオキシメータデータのうちの少なくとも2つを時刻同期させて関連付けるステップと、を含む、
方法。
【請求項12】
前記ID番号が識別されると、前記ID番号に対応したプログラムデータが読み込まれて実行され、接続された前記モジュールは、1つ又は複数の対応する機能を実行することができる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記プログラムデータの一部又は全部は、前記パルスオキシメータのプロセッサ、前記モジュールのプロセッサ、又は、前記パルスオキシメータのプロセッサと前記モジュールのプロセッサとの組み合わせによって読み込まれて実行される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記パルスオキシメータのプロセッサが、前記ID番号が認識されない場合、無認識のID番号を含むID要求を、前記遠隔通信モジュールを使用して前記保健ネットワークに送る、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記保健ネットワークは、前記保健ネットワークのプロセッサ、通信モジュール、IDデータベース、及びモジュールプログラムデータベースを含み、前記モジュールプログラムデータベースは、前記モジュールを動作させるために必要なモジュールタイプ及びいくつかのプログラムデータファイルをテーブル形式で保存し、
前記方法は、
前記保健ネットワークのプロセッサが、前記パルスオキシメータによって送られた前記ID要求を受信するステップと、
前記保健ネットワークのプロセッサが、前記ID番号を前記IDデータベースに記載された値と照合することによってモジュールタイプを識別するステップであって、前記IDデータベースは、前記ID番号のための1つの欄と、前記モジュールタイプのための他の欄とを含む、ステップと、
前記保健ネットワークのプロセッサが、前記モジュールプログラムデータベースにおいて前記モジュールタイプを検索することによって前記モジュールを実行するために必要なプログラムデータファイルを識別するステップであって、前記モジュールプログラムデータベースは、前記モジュールタイプのための1つの欄と、前記プログラムデータファイルのための他の欄と、を含む、ステップと、
前記保健ネットワークのプロセッサが、前記プログラムデータファイルを前記パルスオキシメータに送るステップと、をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
基本デバイスの機能を拡張するために複数のモジュールを組み込むことができるモジュール式デバイスが知られている。
【背景技術】
【0002】
モジュール式は、古いデバイスをより良い機能を有するより新しいデバイスに取り替える必要性を低減するため、デバイスの有用性を拡張する利点をもたらす。代わりに、新しいモジュールを購入して基本デバイスに組み込むことができる。モジュール式はまた、様々なモジュールが状況に基づいて選択され得る柔軟性及び適合性を提供する。これ以上必要のない又は望まれないモジュールは、容易にモジュール式デバイスプラットフォームから取り除くことができる一方で、必要なモジュールを選択することができる。モジュール式は、病院、診療所、救急室、医院、長期在宅医療設備のようなヘルスケア産業において特に有利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
患者の状態及び健康状況には多様性があるため、特定の患者の状態又は健康状況に適した医療機器を組み合わせるやり方もまた様々である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明による実施形態は、交換可能なモジュールを有するモジュール式パルスオキシメータプラットフォームを動作させるためのシステム及び方法に関する。このシステムは、健康状況に基づいて選択された複数のモジュールを接続するためのプラットフォームとしてのパルスオキシメータを含む。複数のモジュール及びパルスオキシメータの各々は、機械的、電子的、及び電気的にパルスオキシメータを複数のモジュールに直列に接続するための複数の接続手段を含む。
【0005】
いくつかの実施形態による方法は、複数の接続手段を介して、パルスオキシメータと健康状況に基づいて選択された複数のモジュールとを直列に接続するステップを含む。複数のモジュールは、身体の1つの部位に近接して識別され、動作させられる。その後、パルスオキシメータは、様々なモジュールデータ及びパルスオキシメータデータを取得して関連付ける。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、本発明の好ましい実施形態による交換可能なモジュールを有するモジュール式パルスオキシメータプラットフォームを動作させるためのシステムのブロック図を示す。
【
図2】
図2は、本発明の好ましい実施形態によるモジュールのブロック図である。
【
図3】
図3は、本発明の好ましい方法のフローチャートである。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態による
保健ネットワークに接続されたモジュール式パルスオキシメータプラットフォームのブロック図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態によるモジュール式パルスオキシメータプラットフォームソフトウェアのフローチャートである。
【
図6】
図6は、本発明の実施形態による
保健ネットワークソフトウェアのフローチャートである。
【
図7】
図7は、本発明の実施形態によるIDデータベースの例示的な実施形態である。
【
図8】
図8は、本発明の実施形態によるモジュールプログラムデータベースの例示的な実施形態である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明のいくつかの実施形態は、交換可能なモジュールを有するモジュール式パルスオキシメータプラットフォームを動作させるための方法であって、パルスオキシメータと健康状況に基づいて選択された複数のモジュールとを複数の接続手段を介して直列に接続するステップと、複数のモジュールによって送信された複数の識別番号を識別するステップと、パルスオキシメータプロセッサを介して、身体の1つの部位に近接したパルスオキシメータ及び複数のモジュールを動作させるステップと、複数のモジュールからパルスオキシメータにモジュールデータを送信するステップと、複数の送信されたモジュールデータ及びパルスオキシメータデータのうちの少なくとも2つを関連付けるステップと、を含む方法に関する。
【0008】
本発明のいくつかの実施形態はまた、交換可能なモジュール104(例えば、104a〜104c)を有するモジュール式パルスオキシメータプラットフォーム100に関し、前記モジュール式パルスオキシメータプラットフォームは、電源108及び遠隔通信モジュール110を備えるパルスオキシメータ102と、各々がアクティブサブユニットを有する複数のモジュール104(例えば、104a〜104c)と、を含み、パルスオキシメータ及び複数のモジュールの各々は、プロセッサ(例えば、106、204)、メモリ(例えば、112、206)、並びに、機械的、電子的、及び電気的にパルスオキシメータと複数のモジュールとを直列に接続するための接続手段114を有する。
【0009】
図1に示される好ましい実施形態では、パルスオキシメータ102は、複数のモジュール104a〜cが直列形式で接続される監視プラットフォームとして設けられている。パルスオキシメータ102は、プロセッサ106、電源108、遠隔通信モジュール110、メモリモジュール112、及び複数の接続手段114を備える。
図2に示されるモジュール104aの例示的な実施形態は、アクティブサブユニット202と、プロセッサ204と、メモリモジュール206と、モジュール104aをパルスオキシメータ102又はモジュール104bのどちらかに機械的、電子的、及び電気的に接続するための複数の接続手段208a、208b、210a、210b、212a、及び212bと、を含む。接続された直列の構成では、機械的接続手段208bがモジュール104aをモジュール104bに機械的に連結すると同時に、機械的接続手段208aがモジュール104aをパルスオキシメータ102に機械的に連結する。同様の構成において、電力通信手段210bがモジュール104bへの電力の供給を可能にすると同時に、電力通信手段210aが電源108からモジュール104aへの電力の供給を可能にする。同様の接続された直列の構成では、データ接続手段212a及び212bはまた、モジュール104a〜c各々の複数のデータ通信手段212a及び212bをパルスオキシメータ102に接続することによって、パルスオキシメータ102と複数のモジュール104a〜cとの間でのデータの通信を可能にする。
【0010】
パルスオキシメータ102は、好ましくは、患者の指に装着され、患者の酸素飽和度を測定するように適合された携帯型パルスオキシメータデバイスである。あるいは、パルスオキシメータ102は、患者の耳、つま先又は患者の指以外の身体の部位上にクリップされるように適合される。
【0011】
複数のモジュール104a〜cは、患者の健康状況に基づいて選択され、パルスオキシメータ102に直列に接続される。本発明のいくつかの実施形態のモジュール式デザインは、健康状況に基づく必要性に応じたモジュール104a〜cの互換性及びカスタマイズ性を有効にする。任意の数のモジュールをパルスオキシメータ102に直列に接続することができる。さらに、好ましくは、モジュール式パルスオキシメータプラットフォームの動作は、モジュールが取り付けられているシーケンスからは独立している。例えば、体温モジュール、血圧モジュール、及びマイクロフォンモジュールを含むシーケンスを有する第1の構成は、好ましくは、血圧モジュール、マイクロフォンモジュール、及び血圧モジュールを含むシーケンスを有する第2の構成と同様に機能する。モジュール104a〜cは、様々な機能を実行し、それらは、体温を測定するためのモジュール(体温モジュール)、全地球測位衛星信号を使用して位置を測定するモジュール(GPSモジュール)、特定の場所に出たり入ったりした場合にセキュリティ警報を発するモジュール(セキュリティ警報モジュール)、バーコード又は他の識別手段を包含し得るモジュール(IDモジュール)、加速度計モジュール(加速度計モジュール)又は微小電気機械システム、試験紙、若しくは他の手段を使用して化学的検出器を測定することができるモジュール(化学的検出モジュール)を含む。
【0012】
別の実施形態では、パルスオキシメータは、1つ以上の一連のモジュールを取り付けるための1つ以上の接続手段を含む。例えば、
図1に示されるパルスオキシメータ102は、2つのモジュール104a及び104cをパルスオキシメータ102に並列に接続することを可能にするための2つの接続手段114を有する。モジュール104a又はモジュール104cのいずれかに追加の電子モジュールが直列に接続されてもよい。
【0013】
健康状況は、例えば、疾患、症状、環境条件、患者の年齢又は特定の状況であり得る。カスタマイズは、健康状況及び取得が望まれるデータを考慮して、ユーザ又は医療専門家によって実行される。例えば、パルスオキシメータが、血圧モジュール、体温モジュール、SDカードモジュール、Bluetooth(登録商標)センサモジュール、及びマイクロフォンモジュールを備えるようにカスタマイズすることによって、呼吸困難の患者が監視されるようになる。
【0014】
パルスオキシメータ102と複数のモジュール104a〜cとが互いに接続される直列の方式は、舌状要素及び溝要素又は雄コネクタ及び雌コネクタであり得る複数の接続手段208a、208b、210a、210b、212a、及び212bによって可能にされ、2つのモジュールを重ねる又は接続することが第1の接続手段と第2の接続手段とを機械的に連結させるように、第1の接続手段がモジュール又はパルスオキシメータの一方の側に配置され、第2の接続手段がモジュール又はパルスオキシメータの反対の側に配置される。例示的な一実施形態では、接続手段208a、210a、及び212aは雌コネクタであると同時に、接続手段208b、210b、及び212bは雄コネクタであり、モジュール104aの雄コネクタ208a、210a、及び212aは第2のモジュールの雌コネクタ208b、210b、及び212bによって受け止められるように適合される。
【0015】
複数のモジュール104a〜cのそれぞれの内部に存在するアクティブサブユニット202は、好ましくは、呼吸、脈拍、血圧、体温、及びpHなどのユーザ(例えば、患者)の生理学的パラメータを測定するための生理学的センサである。アクティブサブユニット202はまた、アクチュエータ、触覚刺激装置、コントローラ、メモリカード、Bluetooth(登録商標)アダプタ又はパルスオキシメータ102の機能を拡張する任意のモジュールのような、任意のモジュール要素であってもよい。
【0016】
図3は、本発明の好ましい方法を示す。健康状況に基づいて複数のモジュール104が選択され、次いで、選択された複数のモジュール104は、互い同士に、及びパルスオキシメータ102に、複数の接続手段114を介して直列に接続される(ステップ302)。識別(ID)番号は、モジュール104によって送信され、パルスオキシメータ102によって受信されると、ID番号が識別される(ステップ304)。これらのID番号は、有線又は無線の手段によって送信され得る。ID番号に基づいて、パルスオキシメータプロセッサ106は、当該ID番号のために構成されたソフトウェア及び規則を使用し、これに応じて、接続されたモジュール104を動作させる(ステップ306)。パルスオキシメータ102及び複数のモジュール104の物理的な大きさ及び直列の構成は、パルスオキシメータ102及び複数のモジュール104が身体の1つの部位、例えば患者の右手、患者の右耳又は患者の左足に近接しての動作を可能にする。検知モジュールによって取得されたセンサデータなどのデータは、モジュール104とパルスオキシメータ102との間で通信される(ステップ308)。パルスオキシメータプロセッサ106によってパルスオキシメータ102及び複数のモジュール104から得られた様々なデータセットは、分析ツール及びアルゴリズムを使用して互いに関連付けられる(ステップ310)。
【0017】
本発明の一実施形態によれば、複数の送信されたモジュールデータ及びパルスオキシメータデータのうちの少なくとも2つを関連付けるステップ(すなわち、様々なデータを関連付けるステップ)は、それぞれのデータセットの同期、相関、及び計算を含む。パルスオキシメータ102及び複数のモジュール104から得られたデータは、日時が刻印され、共にグループ化される。例えば、パルスオキシメータ102を介して一つのセッションの間に得られた体温データ及び血圧データは、同じ患者及び同じセッションに属するものとしてタグ付けされる。あるいは、様々なデータセットを関連付けるステップは、較正、相関、及び診断などの機能を実行するためにアルゴリズムに様々なデータセットを入力することを含む。
【0018】
本発明の例示的な一実施形態において、医療専門家は、患者のバイタルサインを監視する。医療専門家は、患者に対してカスタマイズされたモジュールを選択する。このように、医療専門家は、体温センサ、血圧センサ、SDカードモジュール、ディスプレイモジュール、及びマイクロフォンをパルスオキシメータプラットフォームに接続してもよい。接続されたモジュール104は、パルスオキシメータ102によって識別され、所定の動作パラメータ、例えばモジュールドライバ、サンプリング周波数、及びメモリ割り当てに従って動作させられる。体温センサ、血圧センサ、及びマイクロフォンによって得られたデータは、パルスオキシメータに送られ、パルスオキシメータプロセッサは、体温データ、血圧データ、及び音声データをセッション及び/又は患者に関連付けられるデータセットにグループ分けする。これらのステップに続いて、医療専門家は、ディスプレイモジュールを取り外してWi−Fi(登録商標)モジュールを取り付けることができ、これによって、これらのデータをさらなる処理のためにクラウドサーバにアップロードすることができる。
【0019】
図4に示される本発明の別の実施形態では、パルスオキシメータ102は、
保健ネットワークプロセッサ406、通信モジュール408、IDデータベース410、及びモジュールプログラムデータベース412を含む
保健ネットワーク404と通信するために、遠隔通信モジュール110を使用してインターネット402に接続する。この実施形態では、モジュール104a〜104cの各々は、それぞれのモジュールを各々が一意的に識別するID番号を送信するためのID送信器416を収容し、パルスオキシメータ102は、IDリーダ414を収容する。IDリーダ414、及びID送信器416は、RFID(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、Wi−Fi(登録商標)、セルラ通信又は他の無線通信技術に適合した無線通信モジュールである。あるいは、IDリーダ414、及びID送信器416は、パルスオキシメータ及び複数のモジュールのプロセッサによってそれぞれ実行されるソフトウェア機能であり、ID番号は、本明細書に記載の複数の通信手段を介して通信される。
【0020】
本発明の一実施形態によるIDデータベース410は、ID番号及び対応するモジュールタイプを保存するデータベースである。本明細書で使用される場合、用語「モジュールタイプ」は、例えば、コントローラ又は体温センサとして機能するモジュールなどの、その特定の機能性に基づくモジュールのタイプを指す。モジュールタイプはまた、ブランド、モデル、製造情報又はモジュールを識別する任意の情報に関連する情報を含んでもよい。本発明の一実施形態によるモジュールプログラムデータベース412は、モジュールを動作させるために必要な様々なモジュールタイプ及びプログラムデータファイルをテーブル形式で保存する。個々のモジュール又はモジュールの組み合わせを動作させるために必要な様々なプログラムは、デバイスドライバ、構成ファイル、設定データ、ユーザプロファイル又は特定のタスクを実行するための任意のルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント若しくはデータ構造などを含む。
【0021】
本発明の一実施形態では、
保健ネットワーク404は、複数のモジュールを動作させるために必要なプログラムを提供するクラウドサービスネットワークである。
保健ネットワーク404は、例えば、製造業者、第三者のクラウドサービスプロバイダ、政府機関、病院又はローカルエリアネットワークコンピュータによって管理される任意のネットワークであり得る。
【0022】
図5は、パルスオキシメータプロセッサ106、プロセッサ204又はその両方によって実施されるアルゴリズムを示すフローチャートである。少なくとも1つのモジュール104をパルスオキシメータ102に接続すると、パルスオキシメータプロセッサ106は、接続されたモジュールによって送信されたID番号を受信する(ステップ502)。その後、ID番号を識別するためにIDリーダ414が起動される(ステップ504)。ID番号が識別された場合、接続されたモジュール104が1つ又は複数の対応する機能を実行できるように、ID番号に対応するプログラムデータが読み込まれ、実行される(ステップ506)。プログラムデータの一部又は全部は、パルスオキシメータプロセッサ106、プロセッサ204又はパルスオキシメータプロセッサ106と1つ又は複数のプロセッサ204との組み合わせによって読み込まれ、実行されてもよい。ID番号が認識されない場合、無認識のID番号を含むID要求が、パルスオキシメータ102の遠隔通信モジュール110を使用して
保健ネットワーク404に送られる(ステップ508)。
保健ネットワーク404による識別の後、必要なプログラムがパルスオキシメータ102によって受信される(ステップ510)。
【0023】
図6は、
保健ネットワークプロセッサ406によって実施されるアルゴリズムを示すフローチャートである。パルスオキシメータ102によって送信されたID要求が
保健ネットワークシステム404において受信される(ステップ602)。モジュールタイプを識別するために、ID番号がIDデータベース410に記載された値と照合される(ステップ604)。次いで、モジュールプログラムデータベース412は、好ましくは、例えば、プロセッサ406によって、ID番号を送信したモジュール104を動作させるために必要なプログラムデータファイルを識別するために調べられる(ステップ606)。その後、プログラムデータファイルはパルスオキシメータ102に送られる(ステップ608)。
【0024】
図7は、本発明のIDデータベース410の一実施形態である。IDデータベース410は、ID番号及びモジュールタイプのための2つの欄を含む。例えば、ID番号「0154873」は、「TK427パルスオキシメータ」タイプのパルスオキシメータに対応する。
【0025】
図8は、モジュールプログラムデータベース412の実施形態である。モジュールプログラムデータベースは、モジュールタイプ及びプログラムデータファイルのための2つの欄を含み、例えば、モジュールタイプ「BTL−A4コントローラ(ベッド)」に関連付けられるデータファイルは、「BTLmain.dat」、「A4DisplayDriver.dat」、及び「A4GUI.dat」を含む。他のデータフォーマットもまた、本発明の実施形態に従って使用され得る。
【0026】
本発明の別の例示的な実施形態では、医師は、呼吸障害を有する患者のバイタルサインを監視する。医師は、患者の状態に対してカスタマイズされたいくつかのモジュールを選択する。医師は、例えば、患者の血圧(BP)及び呼吸を監視するために、BPモジュール及びマイクロフォンモジュールを選択してパルスオキシメータプラットフォームに接続してもよい。マイクロフォンモジュール及びBPモジュール内に存在する1つ又は複数のRFID(登録商標)タグは、パルスオキシメータにRFID(登録商標)タグ番号を送信する。マイクロフォンセンサに対応するRFID(登録商標)タグ番号は、パルスオキシメータによって識別され、これにより、マイクロフォンモジュールは、パルスオキシメータメモリモジュールに既に保存されているマイクロフォンモジュールドライバに従って動作させられる。しかし、BPモジュールに対応するRFID(登録商標)タグ番号がパルスオキシメータによって認識されない場合、パルスオキシメータは、新たに接続されたモジュールの同一性及び適合性を判定するためにパルスオキシメータ製造業者のウェブサイトに接続し、必要なドライバをダウンロードする。BPモジュールドライバがダウンロードされると、BPモジュールが患者のBPを測定するように動作させることができる。
【0027】
BPデータ、音声データ、及びパルスオキシメータデータの取得後、これらのデータセット間の関連性を提供し、医師が正確な診断を行うように誘導するために、これらのデータセットは、パルスオキシメータプロセッサによって分析される。これらのステップに続いて、医師は、BPセンサを取り外し、処理結果を見るためにディスプレイモジュールを接続してもよい。
【0028】
本発明は、上述した本発明のいくつかの例示的な実施形態に限定されることを意図しない。当業者であれば想像することができる別のバリエーションも本開示の範囲内であると意図される。