(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6865770
(24)【登録日】2021年4月8日
(45)【発行日】2021年4月28日
(54)【発明の名称】タップ付き線形ドライバを有するマルチパッド・マルチジャンクションLEDパッケージ
(51)【国際特許分類】
H05B 47/10 20200101AFI20210419BHJP
H01L 33/00 20100101ALI20210419BHJP
H01L 33/48 20100101ALI20210419BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20210419BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20210419BHJP
【FI】
H05B47/10
H01L33/00 J
H01L33/48
F21V23/00 140
F21Y115:10
【請求項の数】15
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-557315(P2018-557315)
(86)(22)【出願日】2017年5月2日
(65)【公表番号】特表2019-520667(P2019-520667A)
(43)【公表日】2019年7月18日
(86)【国際出願番号】US2017030542
(87)【国際公開番号】WO2017192513
(87)【国際公開日】20171109
【審査請求日】2020年4月23日
(31)【優先権主張番号】62/330,754
(32)【優先日】2016年5月2日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】16175057.5
(32)【優先日】2016年6月17日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】500507009
【氏名又は名称】ルミレッズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】チィウ,イーフォン
(72)【発明者】
【氏名】グース,グレゴリー
(72)【発明者】
【氏名】ブレーイェン,イェルーン デン
【審査官】
安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】
特表2014−506373(JP,A)
【文献】
特開2012−129032(JP,A)
【文献】
特開2008−027688(JP,A)
【文献】
特開2016−062886(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0312771(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0026924(US,A1)
【文献】
中国特許出願公開第105122944(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 47/10
F21V 23/00
H01L 33/00
H01L 33/48
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光ダイオード(LED)モジュールであって、当該モジュールは、
少なくとも1つの第1のLEDと少なくとも1つの第2のLEDとを含む第1のLEDパッケージと、
当該モジュール内で前記第1のLEDパッケージから距離を置いて配置された第2のLEDパッケージであり、少なくとも1つの第3のLEDと少なくとも1つの第4のLEDとを含む第2のLEDパッケージと、
前記少なくとも1つの第1のLED及び前記少なくとも1つの第3のLEDに関連付けられた第1のタップと、
前記少なくとも1つの第2のLED及び前記少なくとも1つの第4のLEDに関連付けられた第2のタップであり、前記第1のタップ及び当該第2のタップは同数のLEDに関連付けられている、第2のタップと
を有し、
前記少なくとも1つの第1のLEDと少なくとも1つの第2のLEDとがほぼ点光源として見え、且つ前記少なくとも1つの第3のLEDと少なくとも1つの第4のLEDとがほぼ点光源として見えるようにされており、且つ、前記第1のLEDパッケージから前記第2のLEDパッケージへの前記距離が、前記第1のタップ及び前記第2のタップからの照明変動を平均化するようにされている、
モジュール。
【請求項2】
当該モジュールは更に、交流電圧に基づいて前記第1のタップ及び前記第2のタップを駆動するように構成された第1のタップ付き線形ドライバ(TLD)を有し、前記第1のTLDは、前記交流電圧の瞬時電圧を検知し、該瞬時電圧に基づいて異なる数のLEDに電力供給するように構成される、
請求項1に記載のモジュール。
【請求項3】
前記第1のLEDパッケージは更に、第3のタップに関連付けられた第5のLEDと、第4のタップに関連付けられた第6のLEDとを有し、前記第1のタップ、前記第2のタップ、前記第3のタップ、及び前記第4のタップの各々が、交流電圧に基づいて異なる時間量だけ電源投入される、請求項1に記載のモジュール。
【請求項4】
前記第1のLEDパッケージ及び前記第2のLEDパッケージは、各々が4つのLEDを含む複数のLEDパッケージのセットに含まれており、各パッケージの各LEDが、前記第1のタップ、前記第2のタップ、前記第3のタップ、及び前記第4のタップのうちの異なる1つに結合されており、前記第1のタップに結合されたLED群、前記第2のタップに結合されたLED群、前記第3のタップに結合されたLED群、及び前記第4のタップに結合されたLED群が全て直列に結合されており、当該モジュールは更に、一組のスイッチを有し、各スイッチが、前記第1のタップ、前記第2のタップ、前記第3のタップ、及び前記第4のタップのうちの異なるタップに対応し且つそれに結合されており、前記一組のスイッチは、前記第1のタップ、前記第2のタップ、前記第3のタップ、及び前記第4のタップを、異なる時間量だけ電源投入されるように制御する、
請求項3に記載のモジュール。
【請求項5】
第3のタップに関連付けられた第5のLEDと、第4のタップに関連付けられた第6のLEDとを有する第3のLEDパッケージ、
を更に有する請求項2に記載のモジュール。
【請求項6】
前記第1のタップは、前記第1のTLDによって、前記第1から第4のタップの中で最も多い時間にわたって電源投入され、前記第2のタップは、前記第1のTLDによって、前記第1から第4のタップの中で最も少ない時間にわたって電源投入される、請求項5に記載のモジュール。
【請求項7】
前記第1のLEDパッケージ及び前記第2のLEDパッケージは、第1組のLEDパッケージに含められ、該第1組のLEDパッケージの各LEDパッケージは、前記第1のタップによって電力供給されるLEDと、前記第2のタップによって電力供給されるLEDとを含み、
前記第3のLEDパッケージは、第2組のLEDパッケージに含められ、該第2組のLEDパッケージの各LEDパッケージは、前記第3のタップによって電力供給されるLEDと、前記第4のタップによって電力供給されるLEDとを含み、
前記第1のタップによって電力供給される前記第1組のLEDパッケージの前記LEDは、前記第3のタップによって電力供給される前記第2組のLEDパッケージの前記LEDと直列に結合され、前記第3のタップによって電力供給される前記第2組のLEDパッケージの前記LEDは、前記第4のタップによって電力供給される前記第2組のLEDパッケージの前記LEDと直列に結合され、前記第4のタップによって電力供給される前記第2組のLEDパッケージの前記LEDは、前記第2のタップによって電力供給される前記第1組のLEDパッケージの前記LEDと直列に結合され、
当該モジュールは更に、一組のスイッチを有し、各スイッチが、前記第1のタップ、前記第2のタップ、前記第3のタップ、及び前記第4のタップのうちの異なるタップに対応し且つそれに結合されており、前記一組のスイッチは、前記第1のタップ、前記第2のタップ、前記第3のタップ、及び前記第4のタップを、異なる時間量だけ電源投入されるように制御する、
請求項6に記載のモジュール。
【請求項8】
交流電圧に基づいて前記第1のタップを駆動するように構成された第1のTLDと、
前記交流電圧に基づいて前記第2のタップを駆動するように構成された第2のTLDと、
を更に有する請求項1に記載のモジュール。
【請求項9】
前記第1のLEDパッケージ及び前記第2のLEDパッケージはどちらも第1組のLEDパッケージに含められ、該第1組のLEDパッケージの各LEDパッケージは、前記第1のタップによって電力供給されるLEDと、前記第2のタップによって電力供給されるLEDとを含み、
当該モジュールは更に、第2組のLEDパッケージを有し、該第2組のLEDパッケージの各LEDパッケージは、前記第1のTLDによって駆動される第3のタップにより電力供給されるLEDと、前記第2のTLDによって駆動される第4のタップにより電力供給されるLEDとを含み、前記第3のタップは、前記第4のタップとは異なる時間量だけターンオンされる、
請求項8に記載のモジュール。
【請求項10】
発光ダイオード(LED)モジュールを駆動する方法であって、当該方法は、
第1のLEDパッケージに配置された第1のLEDと、前記第1のLEDパッケージから距離を置いて配置された第2のLEDパッケージに配置された第3のLEDとに、第1のタップを介して電力供給することと、
前記第1のLEDパッケージに配置された第2のLEDと、前記第2のLEDパッケージに配置された第4のLEDとに、第2のタップを介して電力供給して、前記第1のタップ及び前記第2のタップに供される照明変動を平均化するよう、前記第1のLEDパッケージの前記LEDがほぼ点光源として見え、且つ前記第2のLEDパッケージの前記LEDがほぼ点光源として見えるようにすることと
を有し、
前記第1のタップの前記電力供給は、交流電圧により、前記第2のタップの前記電力供給よりも時間量において長く、
前記第1のタップ及び前記第2のタップは同数のLEDに関連付けられる、
方法。
【請求項11】
前記第1のタップ及び前記第2のタップに電力供給することは、第1のタップ付き線形ドライバ(TLD)を介して前記第1のタップ及び前記第2のタップに電力供給することを有し、前記第1のタップ付き線形ドライバは、前記交流電圧の瞬時電圧を検知し、該瞬時電圧に基づいて異なる数のLEDに電力供給するように構成される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1のタップ、前記第2のタップ、前記第1のLEDパッケージに配置された第5のLEDに関連付けられた第3のタップ、及び前記第1のLEDパッケージに配置された第6のLEDに関連付けられた第4のタップに、前記交流電圧に基づいて異なる時間量だけ電源投入すること、を更に有する請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のタップに前記第2のタップよりも長い時間量にわたって電力供給することは、前記交流電圧に基づいて第1のタップ付き線形ドライバ(TLD)を介して前記第1のタップを駆動することと、前記交流電圧に基づいて第2のTLDを介して前記第2のタップを駆動することとを有する、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記第1のLEDパッケージ及び前記第2のLEDパッケージはどちらも第1組のLEDパッケージに含められ、該第1組のLEDパッケージの各LEDパッケージは、前記第1のタップによって電力供給されるLEDと、前記第2のタップによって電力供給されるLEDとを含み、
前記LEDモジュールは更に、第2組のLEDパッケージを有し、該第2組のLEDパッケージの各LEDパッケージは、前記第1のTLDによって駆動される第3のタップにより電力供給されるLEDと、前記第2のTLDによって駆動される第4のタップにより電力供給されるLEDとを含み、前記第3のタップは、前記第4のタップとは異なる時間量だけターンオンされる、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
ハウジングを有する発光ダイオード(LED)装置であって、
前記ハウジング内に、
少なくとも1つの第1のLEDと少なくとも1つの第2のLEDとを含む第1のLEDパッケージと、
モジュール内で前記第1のLEDパッケージから距離を置いて配置された第2のLEDパッケージであり、少なくとも1つの第3のLEDと少なくとも1つの第4のLEDとを含む第2のLEDパッケージと、
前記少なくとも1つの第1のLED及び前記少なくとも1つの第3のLEDに関連付けられた第1のタップと、
前記少なくとも1つの第2のLED及び前記少なくとも1つの第4のLEDに関連付けられた第2のタップであり、前記第1のタップ及び当該第2のタップは同数のLEDに関連付けられている、第2のタップと
が配置されており、
前記少なくとも1つの第1のLEDと少なくとも1つの第2のLEDとがほぼ点光源として見え、且つ前記少なくとも1つの第3のLEDと少なくとも1つの第4のLEDとがほぼ点光源として見えるようにされており、且つ、前記第1のLEDパッケージから前記第2のLEDパッケージへの前記距離が、前記第1のタップ及び前記第2のタップからの照明変動を平均化するようにされている、
LED装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2016年5月2日に出願された米国仮特許出願第62/330,754号及び2016年6月17日に出願された欧州仮特許出願第16175057.5号の利益を主張するものであり、あたかも完全に記載されているかのように、それらの内容をここに援用する。
【0002】
本開示は、AC給電LED照明技術に関し、より具体的には、タップ付き線形ドライバ(tapped linear driver;TLD)をマルチパッド・マルチジャンクションLEDパッケージとともに使用する装置用の技術に関する。
【背景技術】
【0003】
様々な状況において、照明源として、発光ダイオード(“LED”)がますます一般的に使用されるようになってきている。LEDは、交流電源によって直接的に電力供給されることに関して難題を提示する。伝統的なAC−DC(交流−直流)コンバータは、典型的にかなり嵩張り、多くのLED用途で満足できるものでないことがある。LED技術は絶えず改善されている。
【発明の概要】
【0004】
発光ダイオード(“LED”)モジュールが開示される。当該LEDモジュールは、第1のLEDタップ及び第2のLEDタップを含み、第1のLEDタップは、交流電圧に基づいて、第2のLEDタップよりも長い時間量だけ電源投入される。当該LEDモジュールはまた、第1のLEDタップに関連付けられた第1のLEDと、第2のLEDタップに関連付けられた第2のLEDとが配置された第1のLEDパッケージを含む。当該LEDモジュールは更に、第1のLEDタップに関連付けられた第3のLEDと、第2のLEDタップに関連付けられた第4のLEDとが配置された第2のLEDパッケージを含む。第1のLEDタップ及び第2のLEDタップに供される照明変動を平均化するよう、第1のLEDパッケージのLEDがほぼ点光源として見え、且つ第2のLEDパッケージのLEDがほぼ点光源として見えるように、第2のLEDパッケージは、ハウジングに沿って、第1のLEDパッケージから距離を置いて配置される。
【図面の簡単な説明】
【0005】
以下に説明する図面は、単に例示目的でのものである。図面は、本開示の範囲を限定することを意図していない。図に示される同様の参照符号は、様々な実施形態における同じ部分を示す。
【
図1】一例に従った、タップ付き線形ドライバ(“TLD”)駆動される発光ダイオード(“LED”)システムを示している。
【
図2】一例に従った、4つのLEDタップ104を含むLEDモジュールを示している。
【
図3A】一例に従った、複数のLEDパッケージを含むLEDモジュールを示しており、それらLEDパッケージの各々が、タップ付き線形ドライバの異なるLEDタップに結合された1つのLEDを含んでいる。
【
図3B】一例に従った、全てのLEDタップが各LEDパッケージ上に表されるのではないLEDモジュールを示している。
【
図3C】一例に従った、各LEDパッケージが、LEDタップのサブセットのみからのLEDを含み、各LEDパッケージが、異なるTLDによって駆動されるLEDを有するLEDモジュールを示している。
【
図4】一例に従った、タップ付き線形ドライバを用いてLEDを駆動する方法のフロー図である。
【
図5A】TLD駆動されるLEDを組み込んだLED装置例を示している。
【
図5B】TLD駆動されるLEDを組み込んだLED装置例を示している。
【
図5C】TLD駆動されるLEDを組み込んだLED装置例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下、特定の実施形態を詳細に参照する。開示される実施形態は、請求項を限定するようには意図していない。
【0007】
図1は、一例に従った、タップ付き線形ドライバ(“TLD”)駆動される発光ダイオード(“LED”)システム100を示している。TLD駆動されるLEDシステム100は、タップ制御部106及びスイッチ(SWITCH)110を含むものであるタップ付き線形ドライバ(“TLD”)105によって駆動される4つのLED“タップ(TAP)”104と、LEDタップ104の回路構成とを含んでいる。
【0008】
TLD105は、例えばAC幹線電力102などの交流(“AC”)電源から直流(“DC”)回路素子(例えば、LED)に電力供給する比較的単純で費用効果の高い方法である。一例において、AC幹線電力102は、“壁から出て来る”電源、すなわち、壁の電気コンセントによって供給される電力を表すが、AC幹線電源102は他の交流電源を表してもよい。より具体的には、従来のAC−DCコンバータは、例えばインダクタ及び変圧器などの高価で嵩張るコンポーネントを含んでおり、LEDモジュールのコスト及びサイズを増大させる。TLD105は、そのような高価で嵩張るコンポーネントを含んでおらず、故に、多大なコスト又は嵩を加えることなくLEDモジュール内に統合されることができる。
【0009】
TLD105は、電源102からの(例えば、ダイオードブリッジ108によって整流され、Vinに高電圧を生じ、グランド端子GNDに低電圧を生じる)瞬時DC電圧を検知し、異なる電圧レベルで異なるセット(組)のLED103をオンに切り換えることによって動作する。より具体的には、グラフ112を参照するに、整流された電圧114が示されている。整流された電圧114が、スイッチ1 110(1)に対応する第1レベルを超えると、タップ制御部106は、スイッチ1 110(1)を閉じ、その他のスイッチ110を開く。整流された電圧114が、スイッチ2 110(2)に対応する第2レベルを超えると、タップ制御部106は、スイッチ2 110(2)を閉じ、その他のスイッチ110を開く。整流された電圧114が、スイッチ3 110(3)に対応する第3レベルを超えると、タップ制御部106は、スイッチ3 110(3)を閉じ、その他のスイッチ110を開く。整流された電圧114が、スイッチ4 110(4)に対応する第4レベルを超えると、タップ制御部106は、スイッチ4 110(4)を閉じ、その他のスイッチ110を開く。整流された電圧114が、スイッチ1に対応する電圧より低いときには、タップ制御部106は、スイッチ1 110(1)、スイッチ2 110(2)、スイッチ3 110(3)、及びスイッチ4 110(4)を開かせる。スイッチ1−4が開いているとき及び/又はその他のときに、ダイオードブリッジ108の上及び下で回路を完成させるために、タップ制御部106の中の又はそれに付随する抵抗負荷(図示せず)が使用され得る。スイッチ110は、例えば何らかの形態のトランジスタ又はその他のタイプのスイッチング機構などの、技術的に実現可能な如何なるスイッチング機構ともし得る。
【0010】
タップ制御部106の上述の動作は、ダイオードブリッジ108からの整流された電源出力の瞬時電圧に応じて、異なるセットのLED103をオンに切り換わらせる。より具体的には、スイッチ1 110(1)が閉じられると、LEDタップ1 104(1)が電力供給されて光を放つ。スイッチ2 110(2)が閉じられると、LEDタップ1 104(1)及びLEDタップ2 104(2)の双方が電力供給されて光を放つ。スイッチ3 110(3)が閉じられると、LEDタップ1 104(1)、LEDタップ2 104(2)、及びLEDタップ3 104(3)が電源投入されて光を放ち、スイッチ4 110(4)が閉じられると、LEDタップ1 104(1)、LEDタップ2 104(2)、LEDタップ3 104(3)、及びLEDタップ4 104(4)が全て電源投入されて光を放つ。図示したスイッチ110が全て開いているときには、どのLEDタップ104も電力供給されない。以上の動作は、図示した回路構成のために起こる。より具体的には、各LEDタップ104が、タップ制御部106に分岐して戻るスイッチと、直列の少なくとも1つの別のLEDタップ104との双方に電気的に結合される。例えば、LEDタップ1 104(1)は、ダイオードブリッジ108と、LEDタップ2 104(2)と、スイッチ110(1)とに直列に結合される。LEDタップ2 104(2)は、LEDタップ1 104(1)と、スイッチ2 110(2)と、LEDタップ3 104(3)とに直列に結合される。LEDタップ3 104(3)は、LEDタップ2 104(2)と、スイッチ3 110(3)と、LEDタップ4 104(4)とに直列に結合される。LEDタップ4 104(4)は、LEDタップ3 104(3)と、スイッチ4 110(4)とに直列に結合される。故に、個々のスイッチ110は各々、LED103のうちの異なる回路を電源に直列に接続させる。
【0011】
上述のように、タップ付き線形ドライバ105を用いてLED103に電力供給することは、効率的であるが、特定の瞬間にオンのLEDの数が変化するので、光の“フリッカ”を引き起こす。
図2は、一例に従った、4つのLEDタップ104を含むLEDモジュール200を示している。LEDモジュール200は、
図1のLED103が配置された物理的装置を有している。説明の明瞭さのため、例えば、タップ付き線形ドライバ105や、電源、他のエレクトロニクス、及び例えばLED103及びタップ付き線形ドライバ105などのエレクトロニクスのための物理的実装手段や、LEDモジュールの物理的形状及び構成などの、LEDモジュールの様々な機構は図示していない。
【0012】
図1に関して説明したように、異なるLEDタップ104は、異なる時間量にわたってオンに切り換えられる。LEDタップ1 104(1)が最も多くオンに切り換えられ、LEDタップ4 104(4)が最も少なくオンに切り換えられる。スイッチオン時間におけるこの差は、これらLEDタップ104が望ましくない様態で配置されている場合に、非常に明白なフリッカをもたらす。
図2のLEDモジュール200の例は、フリッカが顕著になる直線構成のLEDタップ104を有している。より具体的には、LEDタップ1 104(1)が、LEDタップ4 104(4)が配置されたところであるLEDモジュール200の第2端202(2)とは反対側のLEDモジュール200の第1端202(1)に配置されている。LEDタップ104(4)はLEDタップ104(1)よりも短い時間量だけ電源投入されるので、LEDモジュール200の第2端202(2)は、LEDモジュール200の第1端202(1)よりも、高い度合いのフリッカと低い全体輝度との双方を呈することになる。LEDタップ2 104(2)及びLEDタップ3 104(3)のそれぞれの電源投入時間の差が意味することには、これらのタップ104も、その他のタップ104とは異なる度合いのフリッカ及び異なる輝度レベルを経験する。
【0013】
以上の理由のため、本開示は、LEDモジュールに沿った照明品質(例えば、フリッカ及び輝度)の差を低減又は排除するための教示を提供する。概して、これらの原理は、個々のLEDをまとめて複数のLEDパッケージにグループ化し、それらのパッケージを、個々のパッケージ各々内の異なるLEDが異なるLEDタップ104の一部とみなされるように電気的及び物理的に構成することを含む。一例において、各LEDパッケージが、単一のLEDモジュール内で使用される各LEDタップ104の異なるLEDタップ104用のLEDを有する。すると、LEDパッケージは、基本的に、複数の異なるタップの平均化されたフリッカ及び輝度特性を持つ点光源として機能する。他の一例において、各LEDパッケージは、複数の異なるLEDタップ104からのLEDを有するが、各LEDパッケージは必ずしも、モジュール内の各TAPに対応するLEDを有しない。この例では、各LEDパッケージが同等の輝度及びフリッカ特性を有するように、様々なLEDパッケージ内のLEDがタップのグループに結合される。
【0014】
図3A−3Cは、上述の物理的及び回路的な配置技術を組み入れたLEDモジュールの構成を例示している。
図3Aは、一例に従った、複数のLEDパッケージ302を含むLEDモジュール300(1)を示しており、それらLEDパッケージの各々が、タップ付き線形ドライバ105の異なるLEDタップ104に結合された1つのLED103を含んでいる。個々のLEDパッケージ302の各々上で異なるLEDタップ104の各々からのLED103を組み合わせることにより、複数の異なるLEDタップ104に対応する発光特性が各LEDパッケージ302上で“平均化”され、各LEDパッケージ302がそのような平均化された発光特性を持つ単一の点光源として見えることをもたらす。より具体的には、そのようには図示していないが、各LEDパッケージ302上のLED103間の距離は、モジュールの長さに沿ったLEDパッケージ間の距離よりも遥かに小さく、LEDモジュール300の長さ全体との関連で見たとき、各LEDパッケージ302内の4つの異なるLED103を点光源として見させる。
【0015】
LEDモジュール300(1)においては、LEDタップ104は、異なるセットのLED103の選択的な電源投入を可能にするよう、直列に接続されている。より具体的には、LEDタップ1 104(1)は、Vinと、及びLEDタップ2 104(2)と、に直列に接続されている。LEDタップ2 104(2)はLEDタップ3 104(3)と直列に結合され、LEDタップ3 104(3)はLEDタップ4 104(4)と直列に結合されている。LEDタップ1 104(1)とLEDタップ2 104(2)との間の接続点にスイッチ1 110(1)が結合されており、これは、スイッチ1 110(1)が閉じられるときに、LEDタップ1 104(1)を介してVinとTLD105のタップ1との間に回路を形成するためである。LEDタップ2 104(2)とLEDタップ3 104(3)との間の接続点に、及びTLD105のタップ2に、スイッチ2 110(2)が結合されており、これは、スイッチ2 110(2)が閉じられるときに、LEDタップ1 104(1)及びLEDタップ2 104(2)を介してVinとTLD105のタップ2との間に回路を形成するためである。LEDタップ3 104(3)とLEDタップ4 104(4)との間の接続点に、及びTLD105のタップ3に、スイッチ3 110(3)が結合されており、これは、スイッチ3 110(3)が閉じられるときに、LEDタップ1 104(1)、LEDタップ2 104(2)、及びLEDタップ3 104(3)を介してVinとTLD105のタップ3との間に回路を形成するためである。LEDタップ4 104(4)にスイッチ4 110(4)が結合されており、これは、スイッチ4 110(4)が閉じられるときに、図示した全てのLEDタップ104を介してVinとTLD105のタップ4との間に回路を形成するためである。
【0016】
動作において、TLD105は、電源(
図1のAC幹線電力102)の瞬時直流(“DC”)電圧に基づき、これらのスイッチ110を開くか又は閉じるかの何れかであるように制御する。電圧が第1レベルに達すると、少なくとも4個のLED103に電力供給するのに十分な電圧が存在しており、それ故に、TLD105は、スイッチ1 110(1)を閉じるように制御するとともに、その他のスイッチ110を開くように制御する。スイッチ1 110(1)を閉じることは、Vinとタップ付き線形ドライバ105のタップ1(これは最終的にグランドにルーティングされる)との間に回路を形成し、故に、LEDタップ1 104(1)のLED103に電源投入する。電圧が、第1レベルよりも上の第2レベルに達すると、少なくとも8個のLED103に電力供給するのに十分な電圧が存在しており、それ故に、TLD105は、スイッチ2 110(2)を閉じるように制御するとともに、その他のスイッチ110を開くように制御する。スイッチ2 110(2)を閉じることは、Vinとタップ付き線形ドライバ105のタップ2との間に回路を形成し、故に、LEDタップ1 104(1)及びLEDタップ2 104(2)の双方のLED103に電源投入する。電圧が、第2レベルよりも上の第3レベルに達すると、少なくとも12個のLED103に電力供給するのに十分な電圧が存在しており、それ故に、TLD105は、スイッチ3 110(3)を閉じるように制御するとともに、その他のスイッチ110を開くように制御する。スイッチ3 110(3)を閉じることは、Vinとタップ付き線形ドライバ105のタップ3との間に回路を形成し、故に、LEDタップ1 104(1)、LEDタップ2 104(2)、及びLEDタップ3 104(3)のLED103に電源投入する。電圧が、第3レベルよりも上の第4レベルに達すると、少なくとも16個のLED103に電力供給するのに十分な電圧が存在しており、それ故に、TLD105は、スイッチ4 110(4)を閉じるように制御するとともに、その他のスイッチ110を開くように制御する。スイッチ4 110(4)を閉じることは、Vinとタップ付き線形ドライバ105のタップ4との間に回路を形成し、故に、LEDタップ1 104(1)、LEDタップ2 104(2)、LEDタップ3 104(3)、及びLEDタップ4 104(4)のLED103に電源投入する。
【0017】
特定数のLEDパッケージ302、LEDタップ104、LED103などを有するように図示されているが、
図3Aの実施形態は、具体的に図示された個数に限定されない。以下である限りにおいて、すなわち、複数のLEDタップ104が存在し、それらの各々が複数のLED103を含み、各パッケージ302内のLED103がTLD105の異なるタップに結合され、且つLEDタップ104がスイッチと直列に結合されて、TLD105の循環動作に基づいてLEDタップ104の電源投入を制御する限りにおいて、技術的に実現可能な如何なる個数のLEDタップ104、パッケージ302あたりのLED、LEDタップ104あたりのLEDを持つLEDモジュールも企図される。
【0018】
図3B及び3Cは、例に従った別のLEDモジュール300の構成を示している。説明の容易さ及び図の明瞭さのため、
図3Aに示した特定の要素は、
図3B又は3Cには示していない。例えば、
図3Aに示したスイッチ110は、
図3B又は3Cには示していない。しかし、当業者が理解することには、TLD105の各タップは、入力交流信号の瞬時電圧レベルに応じて開く又は閉じるように制御される適切なスイッチを含むことになる。さらに、
図3B及び
図3Cの図が混み合ったものとなることを避けるために、
図3Aに示したLEDパッケージ302は、
図3B又は3Cでは個別に符号を付していない。しかし、当業者が理解することには、
図3AでLEDパッケージ302に使用した記号が、
図3B及び3CのLEDパッケージを表すためにも使用されており、故に、個々の符号は与えていない。同様に、個々のLED103は、
図3B又は3Cでは符号を付していない。しかし、当業者によって理解されることには、
図3B−3C全体を通じて使用されるLED記号の各記号が、
図3Aに関して図示したのと同様にLEDを表す。
【0019】
図3Bは、一例に従った、全てのLEDタップ104が各LEDパッケージ302上に表されるのではないLEDモジュール300(2)を示している。代わりに、各LEDパッケージ302は、複数のLEDタップ104のうちのサブセットのみからのLED103を含む。
図3BのLEDモジュール300(2)の例では、各LEDパッケージ302が、2つの異なるLEDタップ104に結合された2つのLED103を含んでいる。より具体的には、各LEDパッケージ302が、LEDタップ104(1)及びLEDタップ104(4)に関連付けられた2つのLED103、又は、LEDタップ104(2)及びLEDタップ104(3)からの2つのLED103、のいずれかを含んでいる。異なる組のLEDタップ104が使用されているが、LEDタップ104のこれら異なる組み合わせは、同等の発光特性を持つ光出力を生み出す。より具体的には、LEDタップ104(1)は、最も高い輝度と最も少ない量のフリッカとを有し、LEDタップ104(4)は、最も低い輝度と最も多い量のフリッカとを有し、その一方で、LEDタップ104(2)及びLEDタップ104(3)は、中くらいの輝度及びフリッカを有する。故に、これら2つの組み合わせの平均は、同等の輝度及びフリッカ特性を生み出す。図示していないが、TLD105は、タップ1/タップ4の組み合わせとタップ2/タップ3の組み合わせとの輝度差を微調整するために、各TAPに対する電流制御を含んでいてもよい。
【0020】
LEDタップ1 104(1)のLED103は、VinとLEDタップ2 104(2)とに直列に結合され、LEDタップ2 104(2)は、LEDタップ3 104(3)に直列に結合され、LEDタップ3 104(3)は、LEDタップ4 104(4)と直列に結合され、LEDタップ4 104(4)は、TLD105のタップ4に直列に結合されている。TLD105のタップ1は、TLD105のタップ1用のスイッチ110が閉じられるときにLEDタップ1 104(1)を介してVinとTLD105のタップ1との間に回路が形成されることを可能にするよう、LEDタップ1 104(1)とLEDタップ2 104(2)との間に結合されている。TLD105のタップ2は、TLD105のタップ2用のスイッチ110が閉じられるときにLEDタップ1 104(1)及びLEDタップ2 104(2)を介してVinとTLD105のタップ2との間に回路が形成されることを可能にするよう、LEDタップ2 104(2)とLEDタップ3 104(3)との間に結合されている。TLD105のタップ3は、TLD105のタップ3用のスイッチ110が閉じられるときにLEDタップ1 104(1)、LEDタップ2 104(2)、及びLEDタップ3 104(3)を介してVinとTLD105のタップ3との間に回路が形成されることを可能にするよう、LEDタップ3 104(3)とLEDタップ4 104(4)との間に結合されている。TLD105のタップ4は、TLD105のタップ4用のスイッチ110が閉じられるときに図示したLEDタップ104の全てを介してVinとTLD105のタップ4との間に回路が形成されることを可能にするよう、LEDタップ4 104(4)の端部に結合されている。動作において、TLD105は、上述したのと同様にして、入来するAC電力信号の瞬時DC電圧に応じて、タップの各々に関するスイッチを閉じることの間での循環を行う。タップ作動におけるこの変化は、最も長くLEDタップ1 104(1)に、次に長くLEDタップ2 104(2)に、次に長くLEDタップ3 104(3)に、そして、次に長くLEDタップ4 104(4)に電源投入させる。
【0021】
図3AのLEDモジュール300(1)と同様に、タップあたりのLED103の数、LED103の総数、LEDパッケージ302の総数、TLD105のタップの総数におけるバリエーション、又はその他のバリエーションが可能である。
【0022】
図3Cは、一例に従った、各LEDパッケージ302が、LEDタップ104のサブセットのみからのLED103を含み、各LEDパッケージ302が、異なるTLD105によって駆動されるLED103を有するLEDモジュール300(3)を示している。LEDモジュール300(3)におけるLED103の構成は、
図3Bに関して説明したのと同様のタイプの“平均化”により、各LEDパッケージ302が同等の特性を持つ光を生み出すものである。より具体的には、各LEDパッケージ302は、異なるTLD105の異なるLEDタップ104に結合されたLED103を有する。各LEDパッケージ302上に略同じ照明特性を生成するように、異なるLEDタップ104が各LEDパッケージ302内で組み合わされる。例えば、LEDモジュール300(3)の最も左側のLEDパッケージ302は、第1のTLD105(1)の第1のタップ104(1−1)からのLED103と、第2のTLD105(2)の第4のタップ104(2−4)からのLED103とを含んでいる。LEDモジュール300(3)の中央のLEDパッケージ302は、2つの中央のタップからのLED(すなわち、第1のTLD105(1)からの第2のタップ104(1−2)と第2のTLD105(2)からの第3のタップ104(2−3)との組み合わせ、又は、第1のTLD105(1)からの第3のタップ104(1−3)と第2のTLD105(2)からの第2のタップ104(2−2)との組み合わせ、のいずれか)を含んでおり、故に、同等の照明特性を持つ。LEDモジュール300(3)の右端のLEDパッケージ302は、第1のTLD105(1)の第4のタップ104(1−4)からのLED103と、第2のTLD105(2)の第1のタップ104(2−1)からのLED103とを含んでいる。
【0023】
図3CのLEDモジュール300(3)内に、各回路がTLD105のうちの異なる1つに関連付けられた2つの異なる回路が形成されている。より具体的には、LEDタップ104(1−1)は、VinとLEDタップ104(1−2)とに直列に結合され、LEDタップ104(1−2)は、LEDタップ104(1−3)と直列に結合され、LEDタップ104(1−3)は、LEDタップ104(1−4)と直列に結合され、LEDタップ104(1−4)は、TLD105(1)のタップ4と直列に結合されている。同様に、LEDタップ104(2−1)は、VinとLEDタップ104(2−2)とに直列に結合され、LEDタップ104(2−2)は、LEDタップ104(2−3)と直列に結合され、LEDタップ104(2−3)は、LEDタップ104(2−4)と直列に結合され、LEDタップ104(2−4)は、TLD105(2)のタップ4と直列に結合されている。TLD105(1)のタップ1は、タップ1がオンに切り換えられるときにVinからTLD105(1)のタップ1まで回路を形成するよう、VinとLEDタップ104(1−1)との間に結合されている。TLD105(1)のタップ2は、タップ2がオンに切り換えられるときにVinからTLD105(1)のタップ2まで回路を形成するよう、LEDタップ104(1−2)とLEDタップ104(1−3)との間に結合されている。TLD105(1)のタップ3は、タップ3がオンに切り換えられるときにVinからTLD105(1)のタップ3まで回路を形成するよう、LEDタップ104(1−3)とLEDタップ104(1−4)との間に結合されている。TLD105(1)のタップ4は、タップ4がオンに切り換えられるときにVinからTLD105(1)のタップ4まで回路を形成するよう、LEDタップ104(1−4)の端部に結合されている。
【0024】
TLD105(1)に関してと同様に、TLD105(2)のタップ1は、タップ1がオンに切り換えられるときにVinからTLD105(2)のタップ1まで回路を形成するよう、VinとLEDタップ104(2−1)との間に結合されている。TLD105(2)のタップ2は、タップ2がオンに切り換えられるときにVinからTLD105(2)のタップ2まで回路を形成するよう、LEDタップ104(2−2)とLEDタップ104(2−3)との間に結合されている。TLD105(2)のタップ3は、タップ3がオンに切り換えられるときにVinからTLD105(2)のタップ3まで回路を形成するよう、LEDタップ104(2−3)とLEDタップ104(2−4)との間に結合されている。TLD105(2)のタップ4は、タップ4がオンに切り換えられるときにVinからTLD105(2)のタップ4まで回路を形成するよう、LEDタップ104(2−4)の端部に結合されている。これらのTLD105は独立に動作するが、どちらも、AC幹線電源102によって電力供給されることができ、故に、ほぼ同相である。一方のTLD105の最も多く電源投入されるタップが、他方のTLD105の最も少なく電源投入されるタップと結合されているので、電力が各LEDパッケージで平均化する。異なる組み合わせのLEDタップ104に対して輝度レベルを一致させるために、TLD105の各タップからの電流出力が微調整されてもよい。
図3A及び3Bに関して上述したLEDモジュール300と同様に、以下である限りにおいて、すなわち、異なるTLDの異なるタップの輝度レベルを“平均化”するようにして、LED300が、異なるTLD105のタップによって電力供給されるLED103を含むLEDパッケージ302を組み込む限りにおいて、例えば、LED103の数、LEDタップ104の数、LEDパッケージ302あたりのLED103の数などにおける数多くのバリエーション、又はその他のバリエーションが可能である。
【0025】
図4は、一例に従った、タップ付き線形ドライバを用いてLEDを駆動する方法400のフロー図である。
図1、2、及び3A−3Cに関して例示したシステムに関して説明するが、当業者が理解することには、技術的に実現可能な別の順序で方法400のステップを実行するように構成されるシステムも、本開示の範囲内である。
【0026】
図示のように、方法400はステップ402で開始し、タップ付き線形ドライバ(“TLD”)105が、交流電圧が第1の電圧レベルに達することに応答して、LED103の第1のセットを該交流電圧で駆動する。上述のように、TLD105は、入力交流電圧に応じて、駆動されるLED103の数を変える。電圧が増加するにつれて、TLD105はより多くの数のLED103を駆動し、電圧が低下するにつれて、TLD105はより少ない数のLED103を駆動する。
【0027】
ステップ404にて、交流電圧が第2の電圧レベルより上まで上昇し、それに応答して、TLD105がLED103の第2のセットを駆動する。LEDの第1のセットのLED103のうちの少なくとも1つは、LEDの第2のセットのLED103のうちの少なくとも1つと同一LEDパッケージ302上にある。この同一パッケージ上での配置は、同一LEDパッケージ302上の異なるLED103が単一の点光源として見えるのに十分に近接して配置されているので、異なるLEDタップ104に関連する異なる照明特性が“平均化”されることを可能にする。
【0028】
ステップ406にて、交流電圧が第2の電圧レベルより下まで低下し、それに応答して、TLD105がLEDの第2のセットを駆動することを止める。換言すれば、TLD105は、LED103の第1のセットを駆動するが、LED103の第2のセットは駆動しない。ステップ408にて、交流電圧が第1の電圧レベルより下まで低下し、それに応答して、TLD105がLEDの第1のセット及びLEDの第2のセットの双方の駆動を止める。ステップ402−408は、交流電圧の交番する電流とともにサイクルとして繰り返される。複数の異なるタップに接続された複数のLEDが共にパッケージングされるので、異なるタップに関連する異なる照明品質が“平均化”される。
【0029】
従って、タップ付き線形ドライバによって駆動されるLEDに関するフリッカ問題を緩和する助けとすべく、幾つかの原理例及び装置実施形態をここに開示する。より具体的には、後述する様々な装置により、TLDを用いてLEDを駆動することに付随するフリッカを低減する助けとなるLEDの構成を例示する。
【0030】
図5Aは、一例に従ったLEDのダウンライト装置502を示している。図示のように、ダウンライト502は、発光デバイスアレイ506を支持するハウジング504を含んでいる。発光デバイスのアレイは、任意の構成に編成されることができ、例えば図示のように線形アレイに編成され得る。発光デバイスアレイ506は、パッケージングされたエミッタ510を含んでおり、これらパッケージングされたエミッタ510は、上述したLEDパッケージのいずれか、又は、ここに提供された教示と一致した、技術的に実現可能なそれらの変更とし得る。パッケージングされたエミッタ510は、異なるタップの照明特性を平均化した点光源として各LEDパッケージが見えるよう、単一のパッケージを共有し且つTLD105の異なるタップによって電力供給される複数のLED103を有する。
【0031】
図5Bは、一例に従った管状(tube)発光ダイオード(TLED)装置522を示している。図示のように、TLED522は、上述したようにLEDタップの照明特性を平均化するように構成されたLEDパッケージ520(上述のLEDパッケージ302のいずれかとし得る)の線形アレイを含んでいる。剛性又は半剛性のハウジング526が、発光デバイスアレイ506を支持するリジッド又はフレキシブル基板528を支持する。リジッド又はフレキシブル基板528は、当該リジッド又はフレキシブル基板の片面又は両面に配置されたプリント配線構造(例えば、トレース、スルーホール、コネクタなど)又はその他の導電構造を含むことができる。
【0032】
図5Cは、一例に従ったトロファ装置542を示している。図示のように、トロファ542は、発光デバイスのアレイを支持する剛性又は半剛性の整形されたハウジング546を含んでいる。発光デバイスのアレイは、任意の構成に編成されることができ、例えば図示のように、整形されたハウジングの境界内に配置された発光デバイスアレイ506上の構成に編成され得る。一部のトロファは、プリント配線板モジュール上に装着されたもっと多数(又は少数)の発光デバイスで構成され得る。これらの発光デバイスは、上述したように異なるLEDタップの照明特性を平均化するように構成された上述のLEDパッケージ302を含み得る。
【0033】
説明してきたのは、電気接続されたLED群の複数の個別制御可能なストリングに関わるアンチフリッカ設計技術を支援しながら、物理的設計(例えば、レイアウト及び相互接続)が単純化されるように、LEDをパッケージングして相互接続する手法である。
【0034】
本発明を詳細に記載してきたが、当業者が理解することには、本開示を所与として、ここに記載された発明概念の精神から逸脱することなく、本発明に変更が為され得る。故に、図示して説明した特定の実施形態に本発明の範囲を限定する意図はない。