特許第6865954号(P6865954)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6865954
(24)【登録日】2021年4月9日
(45)【発行日】2021年4月28日
(54)【発明の名称】電池ケース用厚み測定装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/342 20210101AFI20210419BHJP
   H01M 50/10 20210101ALI20210419BHJP
   G01B 11/06 20060101ALI20210419BHJP
【FI】
   H01M2/12 101
   H01M2/02 A
   G01B11/06 Z
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-249787(P2016-249787)
(22)【出願日】2016年12月22日
(65)【公開番号】特開2018-106848(P2018-106848A)
(43)【公開日】2018年7月5日
【審査請求日】2019年10月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】513045127
【氏名又は名称】株式会社大北製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000648
【氏名又は名称】特許業務法人あいち国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大北 幸史
(72)【発明者】
【氏名】大北 浩司
【審査官】 松嶋 秀忠
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−176867(JP,A)
【文献】 特開平07−071949(JP,A)
【文献】 中国実用新案第2767956(CN,Y)
【文献】 特開昭58−113701(JP,A)
【文献】 特開2000−249521(JP,A)
【文献】 特開平04−122808(JP,A)
【文献】 特開2013−149451(JP,A)
【文献】 特開2001−143664(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/342
G01B 11/06
H01M 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面部と、該底面部の外縁から立設された側面部と、上記底面部と反対側に位置して開口した開口部とを有する電池ケースの上記側面部の外側面に設けられた安全弁の開裂溝における溝底の厚みを測定するための電池ケース用厚み測定装置であって、
上記電池ケースを支持する支持台と、
該支持台に連結固定されているとともに、上記溝底のケース外側面に向けてレーザ光を照射する照射部と、
該照射部から照射されたレーザ光を上記溝底が反射してなる反射光を検出する検出部と、
上記検出部の検出結果に基づいて、上記溝底の厚みを算出する算出部と、
を有し、
上記支持台は水平方向に延びた棒状をなしており、上記電池ケースを上記開口部から上記支持台に被せて上記開裂溝を上方に向けた状態で上記溝底のケース内側面に接触可能なように上記支持台の先端上面から突出した接触子を備えている、電池ケース用厚み測定装置。
【請求項2】
上記接触子は上記照射部に向けて凸状に湾曲している、請求項1に記載の電池ケース用厚み測定装置。
【請求項3】
上記接触子の先端の曲率半径は、0.4mm〜50mmである、請求項1又は2に記載の電池ケース用厚み測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池ケース用厚み測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電池ケースには、ケース内にガスが過剰に発生して高圧になったときに、ガス抜きを行うための安全弁が設けられたものがある。当該安全弁は、ケースや蓋の一部に設けられた開裂溝によって区画され、ケース内が所定の圧力以上になったときに開裂溝の溝底からなる薄肉部が破断して開弁するように構成されている。
【0003】
ここで、安全弁の開裂溝が所定の内部圧力で確実に破断されるようにするためには、溝底の厚みにバラつきが少ないことが好ましい。そのため、製造過程あるいは検査工程において、溝底の厚みを正確に測定することが必要となる。
【0004】
特許文献1には、電池ケースの蓋に形成された安全弁の開裂溝の溝深さを精度良く測定するために、開裂溝の一部を幅広に形成することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第5075138号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示の技術は、開裂溝の溝深さを測定する精度を向上させるものである。そのため、開裂溝を設けている板部の元の厚みが常に一定であれば、測定した溝深さと板部の元の厚みから高い精度で間接的に溝底の厚みを知ることができる。特許文献1の場合には、つぶし工程を実施することによって元の板厚が既知であることを前提とするものであり、溝深さの測定精度向上が溝底の厚み管理に有効である。
【0007】
しかし、開裂溝を設けている板部の元の厚みに変動やバラツキがあれば、溝深さが一定であっても、溝底の厚みが変動する。そのため、溝深さを管理しても、開裂溝の厚みを直接的に管理することは困難である。したがって、溝底の厚みを高い精度で直接測定するには、改良の余地がある。
【0008】
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、電池ケースに設けられた安全弁の開裂溝における溝底の厚みを高い精度で直接測定することができる電池ケース用厚み測定装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様は、底面部と、該底面部の外縁から立設された側面部と、上記底面部と反対側に位置して開口した開口部とを有する電池ケースの上記側面部の外側面に設けられた安全弁の開裂溝における溝底の厚みを測定するための電池ケース用厚み測定装置であって、
上記電池ケースを支持する支持台と、
該支持台に連結固定されているとともに、上記溝底のケース外側面に向けてレーザ光を照射する照射部と、
該照射部から照射されたレーザ光を上記溝底が反射してなる反射光を検出する検出部と、
上記検出部の検出結果に基づいて、上記溝底の厚みを算出する算出部と、
を有し、
上記支持台は水平方向に延びた棒状をなしており、上記電池ケースを上記開口部から上記支持台に被せて上記開裂溝を上方に向けた状態で上記溝底のケース内側面に接触可能なように上記支持台の先端上面から突出した接触子を備えている、電池ケース用厚み測定装置にある。
【発明の効果】
【0010】
上記一態様の電池ケース用厚み測定装置によれば、支持台に備えられた接触子が開裂溝における溝底のケース内側面に接触可能なように支持台から突出しているため、接触子における溝底のケース内側面と接触する位置を溝底の厚みが0である基準位置とすることができる。そして、接触子が設けられた支持台と照射部とが連結固定されていることにより、接触子と照射部との位置関係が固定されることとなる。これらにより、照射部から溝底のケース外側面にレーザ光を照射することによって、溝底の厚みを高い精度で直接測定することができる。その結果、開裂溝が設けられた板部の厚みにバラツキがあっても、溝底の厚みを直接管理することができる。
【0011】
以上のように、本発明によれば、電池ケースに設けられた安全弁の開裂溝における溝底の厚みを高い精度で直接測定することができる電池ケース用厚み測定装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施例1における、電池ケース用厚み測定装置の構成及び使用状態を示す模式図である。
図2図1における、開裂溝近傍の拡大図。
図3】実施例1における、電池ケースの斜視図である。
図4】変形例における、電池ケース用厚み測定装置の構成及び使用状態を示す模式図である。
図5】変形例における、電池ケースの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
上記接触子は上記照射部に向けて凸状に湾曲していることが好ましい。この場合には、溝底の厚みを測定する際に溝底のケース内側面を接触子に接触させたときの互いの接触面積が小さくなる。そのため、溝底の厚みの測定時に当該ケース内側面と接触子との間に隙間ができることを抑制することができる。これにより、溝底の厚みが実際よりも厚く測定されることを防止できる。上記凸状としては、略半球面状を採用することが好ましい。
【0014】
また、上記接触子の先端の曲率半径としては、0.4mm〜50mmの範囲とすることが好ましい。上記接触子の先端の曲率半径が0.4mm未満の場合には、ケース内側面に当接させた際に、当該内側面を不用意に凹ませるおそれがあり、測定精度の確保が低下するおそれがある。そのため、上記接触子の先端の曲率半径は、0.4mm以上であることが好ましく、5mm以上であることがさらに好ましい。一方、上記接触子の先端の曲率半径が50mmを超える場合には、ケース内側面の形状によっては、実質的な点接触が難しくなる場合があり、測定精度の確保が低下するおそれがある。そのため、上記接触子の先端の曲率半径は、50mm以下であることが好ましく、30mm以下であることがさらに好ましい。
【0015】
また、上記接触子は、例えば、ステンレス鋼、焼き入れ鋼、セラミックス、超硬合金等の材質からなることが好ましい。これにより、接触子をケース内側面に当接させた際に接触子が変形することを確実に抑制することができ、また、めっきや真空蒸着等の処理で接触子の表面を硬化したり、接触子の表面にDLC(ダイヤモンドライクカーボン)コーティングを施してアルミ等の溶着を防ぐことにより、測定精度の安定化をさらに図ることができる。
【0016】
上記支持台は棒状をなしており、該支持台の先端に上記接触子が設けられていることが好ましい。この場合には、電池ケースが深絞り型である場合にも、接触子を溝底のケース内側面に当接させやすくなるため、溝底厚み測定作業の作業性が向上する。
【0017】
例えば、筒状形状の電池ケースの底面部に設けられた開裂溝を測定する場合には、上記支持台が下方から上方へ延びた棒状形状を呈し、その上端に上記接触子を設けることが好ましい。これにより、溝底の厚みを測定する際に、電池ケースの底面部を上方に向けると共に開口部を下方に向けて、上記支持台及び接触子に被せるように電池ケースをセットすることができる。これにより、接触子が接触する位置の位置合わせを作業者が行う場合に、比較的容易に作業することができる。それ故、溝底厚み測定作業の作業性を向上させることが可能となる。
【0018】
また、筒状形状の電池ケースの側面部に設けられた開裂溝を測定する場合には、上記支持台が略水平方向に延びた棒状形状を呈し、その先端上面に上記接触子を設けることが好ましい。これにより、溝底厚みを測定する際に、電池ケースの開口部を上記接触子に向けると共に測定すべき側面部を上方に向けて、上記支持台及び接触子に被せるように電池ケースをセットすることができる。これにより、接触子が接触する位置の位置合わせを作業者が行う場合に、比較的容易に作業することができる。それ故、溝底厚み測定作業の作業性を向上させることが可能となる。
【実施例】
【0019】
(実施例1)
本発明の実施例である電池ケース用厚み測定装置1について、以下に説明する。
本例の電池ケース用厚み測定装置1は、図1図2に示すように、電池ケース100の外側面105aに設けられた開裂溝102における溝底103の厚みTを測定するためのものである。
そして、図1に示すように、電池ケース用厚み測定装置1は、支持台10、照射部20、検出部30及び算出部40を有する。
支持台10は、電池ケース100を支持する。
図2に示すように、照射部20は、支持台10に連結固定されているとともに、溝底103のケース外側面103bに向けてレーザ光L1を照射する。
検出部30は、照射部20から照射されたレーザ光L1を溝底103が反射してなる反射光L2を検出する。
算出部40(図1参照)は、検出部30の検出結果に基づいて、溝底103の厚みT(図2参照)を算出する。
そして、支持台10は、溝底103のケース内側面103aに当接可能なように支持台10から突出した接触子11を備えている。
【0020】
以下、本例の電池ケース用厚み測定装置1について、詳述する。
図1に示すように、本例の電池ケース用厚み測定装置1は、板状のベース2と、該ベース2に立設されたネック3と、ネック3の先端に設けられたヘッド4とを有する。ヘッド4の先端には、照射部20を構成するレーザ変位センサ5が設けられている。そして、支持台10は、板状のベース2からレーザ変位センサ5に向けて突出している。すなわち、支持台10と照射部20とは、ベース2、ネック3及びヘッド4を介して互いに連結固定され、一体的に設けられている。本例では、支持台10は棒状であって、ベース2に下方から上方に延びるように設けられ、支持台10の長手方向がネック3と平行(鉛直方向)になっている。なお、支持台10は、図1に示すように、測定対象の電池ケース100の深さ(底面部105から開口部104までの距離)よりも長い。
【0021】
図1に示すように、支持台10の先端10aには、接触子11が設けられている。図2に示すように、接触子11は、溝底103のケース内側面103aに接触可能なように、支持台10の先端10aから突出している。そして、接触子11は、照射部20を構成するレーザ変位センサ5に向けて凸状に湾曲している。本例では、凸状形状として半球面状を採用しているとともに、その先端の曲率半径は、5mmに設定してある。なお、曲率半径は、接触子11の頂点(先端)を含む縦断面(鉛直方向の断面)を観察することによって知ることができる。また、本例では、接触子11は、ステンレス鋼からなっている。
【0022】
レーザ変位センサ5は、図1図2に示すように、接触子11に向けてレーザ光L1を照射する照射部20と、レーザ光L1を対象物が反射してなる反射光L2を検出する検出部30とを有する。本例では、レーザ変位センサ5として、CCDレーザ変位計(キーエンス社製、型番LK−G30)を使用した。そして、電池ケース100を設置しない状態でレーザ光L1を照射したときに、接触子11におけるレーザ光L1が照射される位置が、溝底103の厚みT(図2参照)を0とする基準位置となるように設定されている。
【0023】
レーザ変位センサ5は、図1に示すように、制御盤6に接続されている。制御盤6には、照射部20の出力を調整するセンサアンプ41と、検出部30の検出結果に基づいて溝底103の厚みT(図2参照)を算出する算出部40とが内蔵されている。さらに、制御盤6には、算出部40の算出結果を表示する表示部42が備えられているとともに、操作用のフットスイッチ7が接続されている。フットスイッチ7を押下することにより、溝底103の厚みTの測定が開始されるようになっている。本例では、算出部40及びセンサアンプ41の両機能を有するものとして、多機能コントローラ(キーエンス社製、型番LK−G3000)を使用した。
【0024】
本例の電池ケース用厚み測定装置1の使用方法は、以下の通りである。
まず、図1図2に示すように、電池ケース100の底面部105を上方に向けると共に開口部104を下方に向けて、電池ケース100を支持台10に開口部104から被せる。そして、溝底103のケース内側面103aを接触子11に当接させて、底面部105を略水平面状に配置した状態で位置合わせをする。その後、フットスイッチ7を押下して、溝底103の厚みTの測定を開始する。なお、位置合わせは、目視により、可視光であるレーザ光L1の照射点が開裂溝102に重なるようにして行うことができる。
【0025】
本例において使用した電池ケース100は、図3に示すように、いわゆる深絞り型であって、平面視矩形の底面部105と、底面部105の4辺にそれぞれ立設された4つの側面部106とを有し、底面部105と反対側は開口部104となっている。開口部104は、図示しない蓋により閉塞されるように構成されている。底面部105には、安全弁101を構成する開裂溝102が形成されている。図2に示すように、開裂溝102の深さは、底面部105の板厚よりも小さくなっている。これにより、開裂溝102は所定の厚みTの溝底103を有する。開裂溝102は、エンドミル等により切削加工によって形成されている。本例では、開裂溝102の幅は1.0mmに設定されており、開裂溝102の深さは、1.5mm〜2.0mmの範囲内の所定の値に設定されている。
【0026】
本例の電池ケース用厚み測定装置1の作用効果について詳述する。
本例の電池ケース用厚み測定装置1においては、支持台10に備えられた接触子11が開裂溝102における溝底103のケース内側面103aに接触可能なように支持台10から突出しているため、接触子11における溝底103のケース内側面103aと接触する位置を厚みTが0である基準位置とすることができる。そして、接触子11が設けられた支持台10と照射部20とが連結固定されていることにより、接触子11と照射部20との位置関係が固定されている。これらにより、照射部20から溝底103のケース外側面103bにレーザ光L1を照射することによって、溝底103の厚みTを高い精度で直接測定することができる。その結果、開裂溝102が設けられた底面部105の厚みにバラツキがあっても、溝底103の厚みTを直接管理することができる。
【0027】
また、支持台10が下方から上方に向けて延びた棒状であって、その上端に接触子11が配設されている。そのため、作業者が電池ケース100をセットする際、その開口部104から支持台10に被せて、底面部105を略水平面状に配置した状態で溝底103のケース内側面103aを接触子11に接触させることができる。そのため、作業者は、底面部105を略水平面状に保った状態で相対的に移動させることができ、位置合わせ作業が非常に容易となる。
【0028】
さらに、本例では、接触子11は照射部20に向けて凸状に湾曲している。これにより、溝底103の厚みTを測定する際に溝底103のケース内側面103aを接触子11に接触させたときの互いの接触面積が小さくなる。そのため、溝底103の厚みの測定時に溝底103のケース内側面103aと接触子11との間に隙間ができることを抑制できる。これにより、溝底103の厚みTが実際よりも厚く測定されることを防止できる。
【0029】
さらに、本例では、接触子11の先端の曲率半径は、5mmとなっている。これにより、接触子11を溝底103のケース内側面103aに当接させた際に、当該ケース内側面103aを不用意に凹ませることが防止されて測定精度が確保されているとともに、ケース内側面103aと点接触しやすくなっている。
【0030】
また、本例では、支持台10が棒状に形成されている。これにより、深絞り型の電池ケース100においても、支持台10に設けられた接触子11を溝底103のケース内側面103aに当接させやすくなるため、測定の作業性が向上する。さらに、接触子11と溝底103のケース内側面103aとの位置合わせも比較的容易にできるため、溝底厚み測定作業の作業性が向上する。
【0031】
以上のように、本例によれば、電池ケース100における安全弁101の溝底103の厚みTを高い精度で直接測定できる電池ケース用厚み測定装置1を提供することができる。
【0032】
上記実施例1では、図1に示すように、支持台10が下方から上方へ延びた棒状形状を呈し、その上端に接触子11が設けられているが、これに替えて、図4に示す変形例では、支持台10がネック3からヘッド4に平行な略水平方向に延びた棒状形状を呈し、その先端上面に接触子11が設けられている。そして、接触子11がレーザ変位センサ5に向けて凸状に湾曲している。なお、接触子11の形状は実施例1の場合と同様である。また、本変形例において、実施例1と同等の部材には、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0033】
本変形例の電池ケース用厚み測定装置1は、図4図5に示すように、側面部106に開裂溝102が設けられた電池ケース100に使用することに適している。本変形例の電池ケース用厚み測定装置1では、電池ケース100を、開裂溝102を備える側面部106を上方に向けて、支持台10に開口部104から被せる。そして、溝底103のケース内側面103aを接触子11に当接させて、開裂溝102を備える側面部106を略水平面状に配置した状態で位置合わせをする。その後、実施例1の場合と同様に、電池ケース100における溝底103の厚みT(図2参照)を算出する。
これにより、本変形例の電池ケース用厚み測定装置1においても、実施例1の場合と同様の作用効果を奏する。
【0034】
なお、実施例1及び変形例では、電池ケース用厚み測定装置1の測定対象として深絞り型の電池ケース100を採用したが、測定対象の電池ケースは深絞り型に限定されず、種々の形状の電池ケースを採用することができる。
【符号の説明】
【0035】
1 電池ケース用厚み測定装置
10 支持台
11 接触子
20 照射部
30 検出部
100 電池ケース
101 安全弁
102 開裂溝
103 溝底
103a ケース内側面
103b ケース外側面
図1
図2
図3
図4
図5