(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6865961
(24)【登録日】2021年4月9日
(45)【発行日】2021年4月28日
(54)【発明の名称】折り畳み容器
(51)【国際特許分類】
B65D 5/36 20060101AFI20210419BHJP
【FI】
B65D5/36 B
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-32264(P2017-32264)
(22)【出願日】2017年2月23日
(65)【公開番号】特開2018-135143(P2018-135143A)
(43)【公開日】2018年8月30日
【審査請求日】2019年11月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】593100547
【氏名又は名称】ハーゲンダッツジャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100082821
【弁理士】
【氏名又は名称】村社 厚夫
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(72)【発明者】
【氏名】黒田 悦子
【審査官】
小川 克久
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭57−180617(JP,U)
【文献】
特開2006−069563(JP,A)
【文献】
実開平06−065272(JP,U)
【文献】
特開2001−010632(JP,A)
【文献】
米国特許第04767051(US,A)
【文献】
特開平03−256839(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1長側面部(A)と、第1短側面部(B)と,第2長側面部(C)と、第2短側面部(D)とを有し、
第1長側面部(A)の第1下辺(1)から延びた長方形の下長底面部(F)と、第2長側面部(C)の第2下辺(2)から延びた上長底面部(E)と、第1短側面部(B)の第3下辺(3)から延びた台形の第1短底面部(G)と、第2短側面部(D)の第4下辺(4)から延びた台形の第2短底面部(H)とを有し、
上長底面部(E)の先端に設けられた突起(5)と、第1下辺(1)に設けられて前記突起(5)が挿入される溝(10)とを有し、
第1短底面部(G)が、第1短側面部(B)の第3下辺(3)に対し45°傾斜した第1折り線(12)を介してかつ該第1折り線(12)から下長底面部(F)の方向へ延び、下長底面部(F)に貼付される第1のりしろ(J)を有し、
第2短底面部(H)が、第2短側面部(D)の第4下辺(4)に対し45°傾斜した第2折り線(14)を介してかつ該第2折り線(14)から上長底面部(E)の方向へ延び、上長底面部(E)へ貼付される第2のりしろ(K)を有し、
上長底面部(E)の第2短底面部(H)側の領域が、上長底面部(E)の先端側が第2長側面部(C)と前記第2短側面部(D)との第1境界辺(6)の延長線から離れるように傾斜した強化山折り線(16)を有し、下長底面部(F)の第2短底面部(G)側の先端側が、第1長側面部(A)と第1短側面部(B)との第2境界辺(7)の延長線から離れるように傾斜し、
第1のりしろ(J)が、第3下辺(3)の延長方向に関し下長底面部(F)側の端辺(24)より凹みかつ第1折り線(12)に沿った第1切り込み(22)を有し、第2のりしろ(K)が、第4下辺(4)の延長方向に関し上長底面部(E)側の端辺(20)より凹みかつ第2折り線(14)に沿った第2切り込み(26)を有し、
前記第1切り込み(22)は、前記第3下辺(3)より第1短側面部(B)側に延び且つ前記第1折り線(12)を超えて第1短底面部(G)側に延び、前記第1折り線(12)に沿った長さが該第1折り線(12)に直交する長さより長い矩形形状を有しており、
前記第2切り込み(26)は、前記第4下辺(4)より前記第2短側面部(D)側に延び且つ前記第2折り線(14)を超えて第2短底面部(H)側に延び、前記第2折り線(14)に沿った長さが該第2折り線(14)に直交する長さより長い矩形形状を有している、
ことを特徴とする折り畳み容器。
【請求項2】
前記第1長側面部(A)と、第1短側面部(B)と,第2長側面部(C)と、第2短側面部(D)との内の少なくとも一つが、通気孔を有することを特徴とする請求項1に記載の折り畳み容器。
【請求項3】
前記第1長側面部(A)と、第1短側面部(B)と,第2長側面部(C)と、第2短側面部(D)との少なくとも一つが、上端にタグ有することを特徴とする請求項1に記載の折り畳み容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折り畳み容器、さらに詳しくは、展張して商品等を区分し整理して陳列する等のために使用され、また運搬・保管に都合良く折り畳むことができ、さらにこれら展張及び折り畳みを何ら磨り減りや破壊がなく繰り返してできる折り畳み容器に関する。
【0002】
本明細書において、裁断したシートを折り曲げたり貼付して、ワンタッチで箱状にできるようにすることを「組み立て」と言い、組み立てたものを箱状にすることを「展張」または「セットアップ」と言い、収容物のない空の展張したものを押し潰して平面状にすることを「折り畳む」という。
【背景技術】
【0003】
従来、陳列棚、陳列ショウケース等で商品を整列させて配置する場合、剥き出しで台無しで配置したり、トレーを使用したり、蓋部を除去して開封する段ボール箱の残部をトレーと同じように使用する等が行われている。
剥き出しで陳列棚に直接置く場合、商品を取り出すことにより隣接した他の商品が移動し、商品の整列を維持することが困難であり、並べ換えも手数がかかり、困難である。
トレーは、周囲の側部壁が低く、商品等がトレーから滑り出したり、積み上げた商品が崩れてしまう恐れがある。一方、側部壁が高いトレーは、トレーの運搬や保管に不便であるという問題がある。
前記蓋部を除去して開封する箱は、一般に使い捨てであり、資源の無駄であるばかりでなく、ゴミ廃棄の問題も発生する。
【0004】
蓋部を除去して開封する箱に類似するものとして、合成樹脂の成形品であって、展張、組み立て、折り畳み、分解等が可能な容器もある。しかし、合成樹脂の成形は、構成部品毎に高い製造コストを要する成形用金型が必要であり、少数の製造には利用されていないのが実情である。従って、少数製造の箱は、厚紙や段ボール紙を使用し、裁断及び貼付によって形成することが製造コストの面から望ましい。
【0005】
厚紙や段ボール紙を使用し、裁断によって形成する容器としては、以下に説明する底部構造を有する紙箱が提案されている。すなわち、
図6に示すように、箱体を構成する側面101,102(図示せず)と妻面103,104(図示せず)とを交互に連接し、各側面及び妻面の底辺117〜120を連接した紙箱であって、一つの側面の底面構成部材は妻面底辺の半巾以下の巾の半底面板117とし、他方の底面構成部材は底面全体に亘る全底面板118とし、妻面103,104(図示せず)の底面構成部材119,120は略台形とし、各底板は隣接する半底面板117又は全底面板118に一部が接着して底蓋が構成され、全底面板118に接着させる底板の一部を更に延長させて接着部119b、125を形成し、該接着部の延長基部に剛性緩和用の切込み126を設けた紙箱の底部構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。全底面板118は、折り目118a(図示せず)を持っている。
【0006】
また、折り畳み容器の側面の延長部分等を所定位置に折り返した状態を維持するために、該延長部分の先端に突起を設け、該突起を側面下端に設けた溝に差し込む構成も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実開昭57−180617号公報
【特許文献2】特開平10−45122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記特許文献1等によって提案された紙箱は、
図6を参照して、接着部119bが側面101と半底面板117との境界稜線まで延びておらず、また接着部125が側面102(図示せず)と全底面板118との境界凌線まで延びておらず、半底面板117及び全底面板118の底面としての耐久性が低い。そのため、この紙箱は、液体を充填した瓶等を収容する容器や比重の大きな物体を収容する容器用としては不適切である。すなわち、この箱に重量物を収容した場合、底板部が下向きに歪んだり、接着が剥がれていわゆる底抜けになる恐れがある。
【0009】
前記特許文献1等によって提案された紙箱は、また、上述したように接着部の延長基部に剛性緩和用の切込み126を設けている。しかし、それでも折り畳み容器を折り畳み状態から展張して組み立てた時、全底面板118は接着部125の下方へ引っ張る力を超えて折り畳み状態に戻ろうとする力すなわち全底面板118が持ち上がろうとする力が残存している。その結果、展張後に直ちに折り畳み容器に重量のある物体を入れるか、手で全底面板118を押し下げる等する必要がある。この底板が持ち上がるという性向は、該折り畳み容器に軽い物体を入れた場合は、底部が持ち上がって傾斜することにより、底板上で整列していた収容物が転倒したり散乱するという不都合が生じてしまう。持ち上がった底板上に初めて商品を入れるときも同様な不都合が発生する。
【0010】
(発明の目的)
本発明は、従来の折り畳み容器に関する上述した問題に鑑みてなされたものであって、底部が強固で耐久力があり、一方収容物が少なくなったり無くなったりしても、底面の水平・平面性が維持され、展示会の展示品の整理用や販売用ショウケースの商品の整理・展示用に好適に使用できる折り畳み容器を提供することを目的とする。
【0011】
本発明はまた、折り畳み及び展張(セットアップ)の操作が容易で、かつ不使用で保管管理している折り畳み状態及び展張(セットアップ)の状態が高精度に再現でき、さらに、折り畳み及び展張を繰り返して使用可能な期間すなわち製品寿命が長い折り畳み容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、第1長側面部(A)と、第1短側面部(B)と,第2長側面部(C)と、第2短側面部(D)とを有し、
第1長側面部(A)の第1下辺(1)から延びた長方形の下長底面部(F)と、第2長側面部(C)の第2下辺(2)から延びた上長底面部(E)と、第1短側面部(B)の第3下辺(3)から延びた台形の第1短底面部(G)と、第2短側面部(D)の第4下辺(4)から延びた台形の第2短底面部(H)とを有し、
上長底面部(E)の先端に設けられた突起(5)と、第1下辺(1)に設けられて前記突起(5)が挿入される溝(10)とを有し、
第1短底面部(G)が、第1短側面部(B)の第3下辺(3)に対し45°傾斜した第1折り線(12)を介してかつ該第1折り線(12)から下長底面部(F)の方向へ延び、下長底面部(F)に貼付される第1のりしろ(J)を有し、
第2短底面部(H)が、第2短側面部(D)の第4下辺(4)に対し45°傾斜した第2折り線(14)を介してかつ該第2折り線(14)から上長底面部(E)の方向へ延び、上長底面部(E)へ貼付される第2のりしろ(K)を有し、
上長底面部(E)の第2短底面部(H)側の領域が、上長底面部(E)の先端側が第2長側面部(C)と前記第2短側面部(D)との第1境界辺(6)の延長線から離れるように傾斜した強化山折り線(16)を有し、下長底面部(F)の第2短底面部(G)側の先端側が、第1長側面部(A)と第1短側面部(B)との第2境界辺(7)の延長線から離れるように傾斜し、
第1のりしろ(J)が、第3下辺(3)の延長方向に関し下長底面部(F)側の端辺(24)より凹みかつ第1折り線(12)に沿った第1切り込み(22)を有し、第2のりしろ(K)が、第4下辺(4)の延長方向に関し上長底面部(E)側の端辺(20)より凹みかつ第2折り線(14)に沿った第2切り込み(26)を有することを特徴とする折り畳み容器である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、底部が強固で耐久力があり、一方収容物が少なくなったり無くなったりしても、底面の水平・平面性が維持され、展示会の展示品の整理用や販売用ショウケースの商品の整理・展示用に好適に使用できる折り畳み容器を提供することができる。
【0014】
本発明によればまた、折り畳み及び展張(セットアップ)の操作が容易で、かつ不使用で保管管理している折り畳み状態及び展張(セットアップ)の状態が高精度に再現でき、さらに、折り畳み及び展張を繰り返して使用可能な期間すなわち製品寿命が長い折り畳み容器を提供することができる。
【0015】
(発明の実施態様1)
前記第1長側面部(A)と、第1短側面部(B)と,第2長側面部(C)と、第2短側面部(D)との内の少なくとも一つが、通気孔(L)を有することを特徴とする。
【0016】
(発明の実施態様2)
前記第1長側面部(A)と、第1短側面部(B)と,第2長側面部(C)と、第2短側面部(D)との少なくとも一つが、上端にタグを(T)をすることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施例の折り畳み容器の展開図である。
【
図2】本発明の実施例の展張途中の状態の折り畳み容器の平面図である。
【
図3】本発明の実施例の展張途中の状態の折り畳み容器の底面図である。
【
図4】本発明の実施例の展張された状態の折り畳み容器の平面図である。
【
図5】本発明の実施例の展張された状態の折り畳み容器の底面図である。
【
図6】公知の折り畳み容器の展張途中の状態の底面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(構成)
以下に、本発明の実施例を図に基づいて説明する。
本実施例の折り畳み容器1は、アイスクリーム等の商品を冷凍ショウケースにおいて陳列する、すなわち収納した商品を整列させて積み上げ、無くなった場合に補充し、また並べ替えたり、入れ替えたりすることを効率的に行うことができ、さらに長期にわたり繰り返し使用することができる折り畳み容器であり、上部が開放されており、蓋部材はない。
【0019】
折り畳み容器1は、吸水性のない汚れにくい表面を持った紙又は樹脂製のシートを裁断することによって形成される。折り畳み容器1は、
図1に示すように、順次連続して形成される長方形の第1長側面部Aと、第1短側面部Bと,第1長側面部Aと同じ形・寸法の第2長側面部Cと、第1短側面部Bと同じ形・寸法の第2短側面部Dとを有する。
第1長側面部A、第1短側面部B,第2長側面部C、及び第2短側面部Dは、複数の縦長の通気孔Lが整列して形成される。
第1長側面部Aの第1短側面部Bと反対側の端部には、第2短側面部Dに貼付される側面のりしろMが形成される。
【0020】
第1長側面部Aは、その第1下辺1から延びた下長底面部Fを有する。第2長側面部Cは、その第2下辺2から延びた長方形の上長底面部Eを有する。
第1短側面部Bは、その第3下辺3から延びた台形の第1短底面部Gを有する。第2短側面部Dは、その第4下辺4から延びた台形の第2短底面部Hを有する。
【0021】
第1短底面部Gは、第1短側面部Bの第3下辺3に対し45°傾斜した第1折り線12を介してかつ該第1折り線12から下長底面部Fの方向へ延びた第1のりしろJを有する。
第2短底面部Hは、第2短側面部Dの第4下辺4に対し45°傾斜した第2折り線14を介してかつ該第2折り線14から上長底面部Eの方向へ延びた第2のりしろKを有する。
【0022】
上長底面部Eは、その先端に突起5を有する。突起5は、展張の際に第2下辺2に設けられた溝10に挿入される。
【0023】
第1のりしろJは、第3下辺3の延長方向に関し下長底面部F側の端辺24より凹んでおりかつ第1折り線12に沿って形成された第1切り込み22を有する。
第2のりしろKは、第4下辺4の延長方向に関し上長底面部E側の端辺20より凹んでおりかつ第2折り線14に沿って形成された第2切り込み26を有する。
【0024】
上長底面部Eは、第2下辺2と第1境界辺6の第1交点30から、先端に行くに従って第2短底面部Hから離れる方向へ延びた強化山折り線16を有する。第1境界辺6は、第2長側面部Cと第2短側面部Dの境界である。
下長底面部Fは、第1下辺1と第2境界辺7の第2交点34から、先端に行くに従って第1短底面部Gから離れる方向へ延びた直線上で切断されている。第2境界辺7は、第1長側面部Aと第1短側面部Bの境界である。
【0025】
(組み立て)
上長底面部Eにおいて、第2短底面部H側の折り返し部分Nが、
図1に示す強化折り線16が山折線となるようにすなわち紙面の裏側へ、折り返しされる。
【0026】
次に、側面のりしろMの表面または裏面に貼付のりを塗る。第1のりしろJ及び第2のりしろKの
図1における裏面の各全面に貼付のりを塗る。
【0027】
次に、
図2〜
図5に示すように、側面のりしろM、第1のりしろJ及び第2のりしろKの貼付のりを塗った面を、それぞれ第2短側面部D、上長底面部E及び半長底面部Fの第1図における表面に貼り付ける。
【0028】
(折り畳み・展張)
上述した組み立てをした
図2及び
図3に示す状態の折り畳み容器を、同図における左右方向から押して左右方向の寸法を縮小させると、第1短底面部Gが、第1のりしろJを介して下長底面部Fを引き下げる。また、第2短底面部Hが、第2のりしろKを介して上長底面部Eを引き下げる。その結果、
図4及び
図5に示すように、容器として使用可能な展張状態となる。
【0029】
折り返し部分Nを設けたため、この展張作動において、上長底面部Eと第2短側面部Dとの間に摩擦抵抗力が発生せず、展張を妨げられることはない。さらに、下長底面部Fが、第1下辺1と第2境界辺7の第2交点34から、先端に行くに従って第2短底面部Gから離れる方向へ延びた直線上で切断されているため、下長底面部Fと第1短側面部Bとの間に摩擦抵抗力が発生せず、展張が妨げられることはない。
最後に、全長底面部Eを下方へ押し込み、全長底面部Eの突起5を溝10に差し込む。
【0030】
この展張の結果、折り畳み容器1の底部は、第1のりしろJと下長底面部Fとの貼付及び第2のりしろKと上長底面部Eとの貼付に加えて、上長底面部Eと半長底面部Fが、上長底面部Eと連続した折り返し部分Nを挟み込む。そのため、折り畳み容器の底部は、大きな剛性を有し、大きな耐久力を持った構成となり、重量物を収容しても底部が押し下げられて変形する恐れが小さくなる。
【0031】
一方、上長底面部Eの突起5が溝10に差し込まれているため、収容物が少なくなって底部への荷重が軽くなったり、さらに荷重ゼロになっても、上長底面部Eは所定の水平平面状態を維持する。この構成は、収容物の入れ替えを効率良く行うことができるだけでなく、安定した水平面上で収容物を常に継続して整頓状態にしておくことができるという大きな利点を有する。
【0032】
収容物のない折り畳み容器を運搬したり保管するときは、折り畳む。折り畳みは、内部底部の強化折り線16に指をかけて持ち上げ、突起5を溝10から外す。
この作動は、全長底面部Eを第1下辺1を中心にして揺動するように持ち上げることになる。次いで、
図2及び
図3における上下方向に押し潰す。
【0033】
この折り畳み時、第1のりしろJが、第3下辺3の延長方向に関し下長底面部F側の端辺24より凹んでおりかつ第1折り線12に沿って形成された切り込み22を有するため、下長底面部Fと第1短底面部Gが存在する底隅部は、シートが過剰に折り重なることがなく、容易に折り畳み状態にすることができる。
【0034】
また、第2のりしろKが、第4下辺4の延長方向に関し下長底面部F側の端辺20より凹んでいてかつ第2折り線14に沿って形成された切り込み26を有するため、下長底面部Fと第2短底面部Hが存在する底隅部は、シートが過剰に折り重なることがなく、容易に折り畳み状態になることができる。
【符号の説明】
【0035】
1 折り畳み容器
A 第1長側面部
B 第1短側面部
C 第2長側面部
D 第2短側面部
E 全長底面部
F 半長底面部
G 第1短底面部
H 第2短底面部
J 第1のりしろ
K 第2のりしろ
L 通気孔
M 側面のりしろ
N 折り返し部分
2 第2下辺
3 第3下辺
4 第4下辺
5 突起
7 第2境界辺
10 溝
14 第2折り線
16 強化折り線
20 端辺
21 辺
22 第1切り込み
26 第2切り込み