(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non−Transitory Computer−Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバーからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0011】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、電圧・電流といった信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0012】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0013】
1.全体構成
第1章では、本実施形態に係る情報処理システムについて説明する。
図1は、情報処理装置3を含む情報処理システム1の模式図である。情報処理システム1は、情報処理装置3と、情報処理端末6と、サーバー8と、を含む。情報処理装置3と、情報処理端末6と、サーバー8とは、ネットワーク2を介して通信可能に接続されている。
【0014】
1.1 情報処理装置3
図2は、情報処理装置3のハードウェア構成を示すブロック図である。情報処理装置3は、通信部31と、記憶部32と、制御部33と、表示部34と、入力部35とを備える。これらの構成要素が情報処理装置3の内部において通信バス30を介して電気的に接続されていてもよい。
【0015】
(通信部31)
通信部31は、USB、IEEE1394、Thunderbolt、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、LTE/5G等のモバイル通信、Bluetooth(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。即ち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。
【0016】
(記憶部32)
記憶部32は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えばソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。また、これらの組み合わせであってもよい。
【0017】
(制御部33)
制御部33は、情報処理装置3に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部33は、例えば不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。
図3は、情報処理装置3における制御部33が担う機能を表す機能ブロック図である。制御部33は、記憶部32に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、情報処理装置3に係る種々の機能を実現する。
図3においては、単一の制御部33として表記されているが、実際はこれに限るものではなく、機能ごとに複数の制御部33を有するように実施してもよい。またそれらの組み合わせであってもよい。これらの各機能は、次章にて詳述する。
【0018】
(表示部34)
表示部34は、例えば、情報処理装置3に含まれてもよいし、外付けされてもよい。表示部34は、情報処理装置3に外付け、又は内蔵されたCRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ及びプラズマディスプレイ等の表示デバイスである。情報処理装置3の種類に応じて使い分けて実施することが好ましい。当該表示デバイスは、制御部33からの制御信号に応答し、表示画面を生成する。また、制御部33からの制御信号に応答して、表示画面を選択的に表示しうる。ユーザーUは、表示部34に表示された情報処理システム1のメッセージ管理状況を把握することができる。
【0019】
(入力部35)
入力部35は、ユーザーUからのメッセージ作成のための情報入力、メッセージの選択を受け付ける。入力部35は、例えば、マウス等のポインティングデバイス、モード切替スイッチ等の選択デバイス、キーボード等の入力デバイスである。また、入力部35は、グラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface:GUI)を用いることにしてもよい。これらの入力部35は、情報処理装置3に内蔵されてもよいし、外付けされてもよい。また、ユーザーUは、音声を発して、メッセージを作成してもよい。そのため、入力部35は、マイクロフォンであってもよい。
【0020】
1.2 情報処理端末6
図1に表す情報処理端末6及び顧客Cは、同図に示した情報処理端末6−1〜情報処理端末6−n、顧客C1〜顧客Cnのうちの任意のものである。情報処理端末6は、ノートPC、タブレット端末、PDA等の機器であり、複数の顧客Cが保有しているものである。情報処理端末6は、後述するサーバー8とネットワーク2を通じて電気的に接続されている。そのため、そのため、情報処理端末6は、ネットワーク2に接続されているサーバー8にアクセスし、サーバー8に各種情報を記憶若しくは取得可能に構成される。
【0021】
1.3 サーバー8
サーバー8は、情報処理装置3とネットワーク2を通じて電気的に接続されている。そのため、情報処理装置3及び情報処理端末6は、ネットワーク2に接続されているサーバー8にアクセスし、サーバー8に保存されている各種情報を記憶若しくは取得可能に構成される。ここでサーバー8は、ユーザー利用のサーバー81と顧客利用のサーバー82に分けられる。
【0022】
ユーザーU利用のサーバー81は、ユーザーUが所属している団体(例えば、企業、特許事務所、特許業務法人等)が管理しているメッセージを保存している。ユーザーUは、情報処理装置3を用いて、ユーザー利用のサーバー81にアクセスして保存されているメッセージに係る依頼業務(イベント)の可視化及び管理を行う。
【0023】
一方で、顧客利用のサーバー82は、顧客Cが所属している(例えば、企業、個人等)が管理しているメッセージを保存している。顧客Cは、情報処理端末6を用いて、顧客利用のサーバー82にアクセスして保存されているメッセージに係る依頼業務(イベント)の可視化及び管理を行う。
【0024】
以下、本実施形態では、ユーザーUは、企業、特許事務所、特許業務法人等の知財業務に携わる団体又は組織とする。顧客Cは、知的財産権を取得することを念頭に置いている企業、個人等の知的財産権を受ける権利を有する者である。
【0025】
ここでは、メッセージは、電子メールとして説明する。そのため、ユーザーUは、情報処理装置3で作成したメッセージを送信すると、当該メッセージはユーザー利用のサーバー81に送られる。さらに当該メッセージは、顧客利用のサーバー82に転送され、顧客利用のサーバー82で保存される。顧客Cは、顧客利用のサーバー82にアクセスをして当該メッセージを取得する。顧客Cが、情報処理端末6で作成したメッセージを送信した後の処理も同様になされる。電子メールのサービスは、フリーメール、プロバイダメール、独自ドメインメールに分けられるが、どのサービスであってもよい。
【0026】
2.機能構成
第2章では、本実施形態の機能構成について説明する。
図2に表したように、情報処理システム1を構成する情報処理装置3は、制御部33を備え、さらに制御部33は、特定部331と、第1表示処理部332と、生成部333と、第1受付部334と、第2表示処理部335と、第3表示処理部336と、第2受付部337とを備える。即ち、ソフトウェア(記憶部32に記憶されている)による情報処理がハードウェア(制御部33)によって具体的に実現されることで、これら各部の機能が実行されうる。以下、各構成要素についてさらに説明する。
【0027】
2.1 特定部331
特定部331は、特定ステップを実行するように構成される。
図4は、実施形態に係る第1メッセージMFと第2メッセージMSの一例である。
図4に表したように、特定部331は、複数のメッセージと、予め設定された参照情報とに基づいて、少なくとも1つの第1メッセージMFを特定する。ここでメッセージは、電子メール、ビジネスチャット、インターネットFAX等の電子媒体である。紙媒体のメッセージやFAXであつても、OCR(Optical Character Recognition/Reader)で読み取られたデータは、電子媒体に含まれる。特定部331は、このようなメッセージと、メッセージの件名又は、メッセージ内に記載された特定のキーワード等の参照情報とに基づいて、少なくとも第1メッセージMFを特定する。ここで、第1メッセージMFは、第1イベントが完了した旨と、第1イベントの日付とに関する記載を有する。
本実施形態では、第1メッセージMFは、知的財産に係る内容であり、第1イベントは、特許庁に対する事務手続きである。
【0028】
2.2 第1表示処理部332
第1表示処理部332は、第1表示処理ステップを実行するように構成される。
図5は、実施形態に係る第1メッセージMFを、一覧性を有して表示させた一例を表す図である。第1表示処理部332は、少なくとも1つの第1メッセージMFを、
図5に表すように、一覧性を有して表示させ、且つ一覧性を有して表示された第1メッセージMFのうち、所定条件を満たす第2メッセージMSの態様を、第2メッセージMS以外の第1メッセージMFと異なるように表示させる。ここで、所定条件は、第1イベントの日付から現在の日付までが、閾値期間を超えていることである。例えば、具体的には、所定条件とは、第1メッセージMFの日付から閾値期間である6月を過ぎたものである。第1表示処理部332は、所定条件を満たす第2メッセージMSを識別して、第2メッセージMS以外の第1メッセージMFと異なるように表示させる。ここで表示のさせ方の一例として、第2メッセージMSの背景色又は文字を第1メッセージMFの背景色又は文字を異なるように表示させることが挙げられる。なお、表示処理とは、表示部34に種々の視覚的情報を表示させるための表示情報の生成を含む。また、表示情報とは、画面、画像、アイコン、メッセージ等といった、ユーザーが視認可能な態様で生成された視覚的情報そのものでもよいし、例えば情報処理装置3の表示部34に画面、画像、アイコン、メッセージ等を表示させるためのレンダリング情報であってもよい。
【0029】
2.3 生成部333
生成部333は、生成ステップを実行するように構成される。
図6は、実施形態に係るリマインドメッセージRMを表示させた一例を表す図である。生成部333は、第2イベント(例えば、第2イベントの日付)をリマインドするためのリマインドメッセージRMを生成する。第2イベントは、第2メッセージMSに含まれる第1イベントに関連するイベントである。第2イベントは、第1イベントと連続性のあるものであり、顧客CからユーザーUへの依頼業務である。そのため、例えば、第1イベントが特許出願の手続きに関する場合、第1イベントの日付は、特許出願の日であり、第2イベントの日付は、優先権主張の法定期限日、審査請求の法定期限日又はPCT出願における各国移行の法定期限日である。生成部333は、このような第2イベントを顧客CにリマインドするためのリマインドメッセージRMを生成する。例えば、具体的には、生成部333は、記憶部32に記憶された第2イベントに係るリマインドメッセージRMを読み込んでリマインドメッセージRMを生成する。
【0030】
2.4 第1受付部334
第1受付部334は、第1受付ステップを実行するように構成される。第1受付部334は、ユーザーUによる第2メッセージMSの選択を受け付ける。具体的には、第1受付部334は、一覧性を有して表示された第1メッセージMFのうち、ユーザーUが選択した所定条件を満たす第2メッセージMSを受け付ける。即ち、ユーザーUが複数表示された第2メッセージMSの内容を確認して、選択されたものが第1受付部334の受付対象となる。
【0031】
2.5 第2表示処理部335
第2表示処理部335は、第2表示処理ステップを実行するように構成される。第2表示処理部335は、生成されたリマインドメッセージRMとともに、第2メッセージMSに返信可能な形式でメッセージ作成画面を表示させる。具体的には、第2表示処理部335は、前述した生成部333によって生成されたリマインドメッセージRMと、電子メールクライアントの機能で実現されるメッセージ作成画面とを表示させる。また、第2表示処理部335は、リマインドメッセージRMがメッセージ作成画面に予め記入された態様で表示させてもよい。メッセージ作成画面は、ワープロ機能を有するアプリケーションソフトウェアでもよい。
【0032】
2.6 第3表示処理部336
第3表示処理部336は、第3表示処理ステップを実行するように構成される。第3表示処理部336は、生成された複数のリマインドメッセージRMを選択可能な形式での選択画面を表示させる。リマインドメッセージRMは、第2イベントの内容に基づいて生成されるが、顧客Cの属性に基づいて生成されてもよい。その結果、複数のリマインドメッセージRMが存在する。第3表示処理部336は、複数のリマインドメッセージRMから、ユーザーUが第2メッセージMSの内容、顧客Cの属性を考慮して、適切なリマインドメッセージRMを選択できるように、選択画面を表示部34に表示させる。
【0033】
2.7 第2受付部337
第2受付部337は、第2受付ステップを実行するように構成される。第2受付部337は、ユーザーUによる複数のリマインドメッセージRMの選択を受け付ける。具体的には、第2受付部337は、前述した第3表示処理部336によって表示部34に表示された選択画面より、ユーザーUによる複数のリマインドメッセージRMの選択を受け付ける。
【0034】
3.情報処理システム1の機能
第3章では、第1章及び第2章で説明した情報処理システム1の各機能について説明する。以下各機能の説明において、イベントは、特許庁に対する事務手続きであり、第1イベントは、特許出願の手続きとし、第2イベントは、優先権主張の手続きとする。
【0035】
3.1 メッセージの一覧性表示機能
前述した特定部331によって、特定された第1メッセージMFは、以下第1表示処理部332によって表示部34に表示される。ここでは、第1メッセージMFは、ユーザーUが特許出願の手続き(第1イベント)を完了した旨を顧客Cに伝えるメッセージである。
【0036】
第1表示処理部332は、
図5に表したように、ユーザーUから顧客Cに送信された複数の第1メッセージMFを、表示部34に一覧性を有して表示させ、且つ、その中から顧客Cに対してリマインドさせる第2メッセージMSの態様を、第2メッセージMS以外の第1メッセージMFと異なるように表示させる。このように顧客Cにリマインドが必要となる第2メッセージMSの態様を特徴的に表示させることで、ユーザーUは、漏れなくリマインドさせる必要がある顧客Cを把握することができる。
【0037】
第1表示処理部332は、一覧性を有して表示させられた第2メッセージMSの文字を第1メッセージMFの文字と異なる色で表示させてもよいし、第2メッセージMSの文字の背景を第1メッセージMFの文字の背景と異なる色で表示させてよい。
図5では、第1表示処理部332は、第2メッセージMSの文字の背景を、第1メッセージMFの背景と異なる色で表示させている。また、第1表示処理部332は、第2メッセージMSの文字を点滅させて、第1メッセージMFの文字を点滅させないで表示してもよい。このように、第1表示処理部332は、異なる色又は表示方法を用いて、第2メッセージMSの態様を、第2メッセージMS以外の第1メッセージMFと異なるようにしてもよいが、これらの態様に限定されない。
【0038】
リマインドする第2メッセージMSを検出するために、第1表示処理部332は、第1メッセージMFのうち所定条件を満たすもの、具体的には、特許出願の手続き(第1イベント)の日付から現在の日付までが、閾値期間を超えているものを抽出する。優先権主張の手続き(第2イベント)の日付は特許出願日から1年である。そのため、リマインドする日を特許出願の日から6月と設定された場合、閾値期間は、6月である。
【0039】
第1表示処理部332は、情報処理装置3に備わる表計算ソフトを用いて、第1メッセージMF及び第2メッセージMSを、一覧性を有して表示させてもよい。また、これらのメッセージを、一覧性を有して表示させる際に、第1表示処理部332は、
図5に表したように優先権リマインド実施項目(リマインド実施項目RE)の欄を表示させてもよい。ユーザーUは、優先権主張の手続き(第2イベント)に係るリマインドメッセージRMを顧客Cに送信した後に、リマインドメッセージRMを送信した日付を優先権リマインド実施項目(リマインド実施項目RE)に入力してもよい。その後、第1表示処理部332は、当該第2メッセージMSの態様を元に戻してもよい。
【0040】
第1表示処理部332は、全ての第1メッセージMFに対して、特許出願の手続き(第1イベント)の日付からユーザーUが情報処理装置3を利用した日(現在の日付)までの期間が6月(閾値期間)を超えているかどうかを計算してリマインドする第2メッセージMSを検出する。このように情報処理装置3を用いて、ユーザーUが、顧客Cに対してリマインドするかどうかを視覚的に判断できるため、手計算で行う場合と比べて、計算時間の削減できる。その結果、本機能は、ユーザーUの業務効率向上に資する。また、情報処理装置3を用いて、特許庁に対する事務手続き(イベント)を管理しているため、計算ミスによるリマインド漏れがなくなるため、本機能は、顧客Cからの信頼性向上にも資する。
【0041】
3.2 第2メッセージMSの受付機能
ユーザーUは、一覧性を有して表示させられた複数の第2メッセージMSの中から、顧客Cにリマインドする第2メッセージMSを選択する。第1受付部334は、ユーザーUによる第2メッセージMSの選択を受け付ける。具体的には、第1受付部334は、ユーザーUが情報処理装置3の備えるMMI(Man Machine Interface)を通じて選択した第2メッセージMSを受け付ける。第1受付部334によって受け付けられた第2メッセージMSに係る優先権主張の手続き(第2イベント)の日付をリマインドするリマインドメッセージRMが、次節で詳述される生成部333によって、生成される。
【0042】
第1受付部334は、一覧性を有して表示させられた複数の第2メッセージMSの中から、ユーザーUに顧客Cにリマインドする第2メッセージMSを選択させて、受け付けてもよいが。予め、第1受付部334は、情報処理装置3内のフォルダーに第2メッセージMSを保存して、ユーザーUに顧客Cにリマインドする第2メッセージMSを当該フォルダー内から選択させて、受け付けてもよい。
【0043】
このように、ユーザーUが、複数の第2メッセージMSの中から、ユーザーUに顧客Cにリマインドする第2メッセージMSを選択することで、ユーザーUは、リマインド対象である複数の第2メッセージMSの中で優先順位を付けて、顧客CにリマインドメッセージRMを送信することができる。そのため、適切な順序で業務遂行がなされる。
【0044】
3.3 リマインドメッセージRM生成機能
前述した制御部33の備える生成部333は、第1表示処理部332によって検出された第2メッセージMSに関する優先権主張の手続き(第2イベント)の日付をリマインドするためのリマインドメッセージRMを生成する。具体的には、生成部333は、複数ある第2メッセージMSの中からユーザーUによって選択された第2メッセージMSに係る優先権主張の手続き(第2イベント)をリマインドするためのリマインドメッセージRMを生成する。ここで、リマインドメッセージRMは、予めユーザーUが記憶部32に記憶した電子データである。生成部333は、選択された優先権主張の手続き(第2イベント)の内容又は日付に応じて適宜リマインドメッセージRMを生成してもよい。
【0045】
生成部333は、例えば、情報処理装置3で実行されるワープロ機能を有するアプリケーションソフトウェアであってもよい。このようなアプリケーションソフトウェアに、上述したリマインドメッセージRMを生成する機能を付加させることで、ユーザーUは、リマインドメッセージRMを編集することができる。そのため、ユーザーUは、リマインドメッセージRMに特許庁に対する最新の事務手続きの案内を追記することができる。また、ユーザーUは、特許庁に対する廃止された事務手続きの記載を削除することができる。このように編集されたリマインドメッセージRMが顧客Cに送信されることで、顧客Cは、適切な事務手続きをすることができる。
【0046】
リマインドメッセージRMの生成にあたり、第2表示処理部335は、第2メッセージMSに返信可能な形式でメッセージ作成画面を表示させてもよい。具体的には、第2表示処理部335は、情報処理装置3に備わる電子メールクライアントを起動させ、ユーザーUが特許出願の手続き(第1イベント)を完了した旨を顧客Cに伝えた第2メッセージMSが記載された形式で返信メッセージ作成画面を表示させてもよい。ユーザーUは、生成部333が生成したリマインドメッセージRMを複製して、返信メッセージ上で貼付してもよい。さらに、ユーザーUは、返信メッセージ作成画面上で、当該返信メッセージを編集してもよい。
【0047】
このように、第2メッセージMSが選択可能であるため、ユーザーUは、業務上優先順位を付けて、生成部333にリマインドメッセージRMを生成させることができる。ユーザーUと顧客Cの関係性、
優先権主張の手続(第2イベント)の内容、日付等の条件によって、第2メッセージMSが選択されるため、ユーザーUの業務遂行に適切な優先順位でリマインドメッセージRMが生成される。そのためユーザーUは、顧客Cに対して適切なタイミングでリマインドメッセージRMを送信することができ、顧客Cとの信頼性を高めることができる。
【0048】
第2表示処理部335が、リマインドメッセージRMとともに、先にユーザーUが送信した特許出願の手続き(第1イベント)完了に係る第2メッセージMSが記載された形式で返信メッセージ作成画面を表示させるため、特許庁に対する事務手続きの連続性が顧客Cに理解されやすくなる。顧客CがリマインドメッセージRMのみ受信した場合と比べて、顧客Cが自ら過去の第2メッセージMSを検索して確認する手間が省略される。よって、本機能は、顧客Cの業務効率向上にも資する。
【0049】
また、生成部333は、第2メッセージMSの返信先の属性に基づいて、少なくとも1つのリマインドメッセージRMを生成してもよい。ここで、属性は、リマインドメッセージRMの返信先の属する企業の業界、業種、業態、事業規模、事業場所又は財務状況である。イベントが特許庁に対する審査請求の手続きである場合、リマインドメッセージRMの返信先は、大手企業と中小企業では異なってもよい。返信先が、特許法施行令第10条第1号イ〜トに該当する場合、顧客Cは、出願審査請求料の減免申請ができる。そのため、リマインドメッセージRMにその旨を記載することで、減免申請の対象者が減免申請を漏れなく行うことができる。このように、第2メッセージMSの返信先である顧客Cの属性に基づいて、リマインドメッセージRMを生成することは、ユーザーUにとっても顧客Cにとっても有益である。
【0050】
第3表示処理部336は、生成部333が生成した複数のリマインドメッセージRMを選択可能な形式での選択画面を、表示部34に表示させる。第2受付部337は、ユーザーUによる複数のリマインドメッセージRMの選択を受け付ける。受け付けられた複数のリマインドメッセージRMから、ユーザーUは、適切なリマインドメッセージRMを選択し、顧客Cに優先権主張の手続(第2イベント)の日付をリマインドするリマインドメッセージRMを送信する。ユーザーUが複数生成されたリマインドメッセージRMを編集することで、より適切なリマインドメッセージRMが顧客Cに送信される。
【0051】
上述した手法に加えて、ユーザーUは、電子メールクライアントにリマインドメッセージRMを生成する機能を付加させて、ユーザーUがリマインドメッセージRMを顧客Cに電子メールとして返信してもよい。リマインドメッセージRMを生成する手法は限定されない。
【0052】
4.情報処理方法
第4章では、第1章から第3章までで説明した情報処理方法について説明する。情報処理方法は、情報処理システム1の各ステップを備える。具体的には、特定ステップでは、複数のメッセージと、予め設定された参照情報とに基づいて、少なくとも1つの第1メッセージMFを特定する。第1メッセージMFは、第1イベントが完了した旨と、第1イベントの日付とに関する記載を有する。第1表示処理ステップでは、少なくとも1つの第1メッセージMFを、一覧性を有して表示させ、且つ一覧性を有して表示された第1メッセージMFのうち、所定条件を満たす第2メッセージMSの態様を、第2メッセージMS以外の第1メッセージMFと異なるように表示させる。所定条件は、第1イベントの日付から現在の日付までが、閾値期間を超えていることである。
図7は、実施形態に情報処理方法に係るアクティビティ図である。以下、本図に沿って説明する。
【0053】
(アクティビティA01)
特定部331は、特許出願の手続き(第1イベント)完了に係る第1メッセージMFを特定する。
(アクティビティA02)
第1表示処理部332は、第1メッセージMFの中から、特許出願の手続き日から6月経過した(所定条件を満たす)第2メッセージMSを検出する。
(アクティビティA03)
第1表示処理部332は、第2メッセージMSの態様を、第2メッセージMS以外の第1メッセージMFと異なるように表示させる。
(アクティビティA04)
ユーザーUは、第2メッセージMSを選択する場合、アクティビティA05が実行される。自動でリマインドメッセージRMが生成される場合、アクティビティA06が実行される。
(アクティビティA05)
第1受付部334は、ユーザーUが選択した第2メッセージMSを受け付ける。
(アクティビティA06)
生成部333は、第2メッセージMSの返信先の属性に基づいて、少なくとも1つのリマインドメッセージRMを生成する。
(アクティビティA07)
生成部333は、複数のリマインドメッセージRMを生成した場合、アクティビティA08が実行される。複数のリマインドメッセージRMを生成してない場合、アクティビティ11が実行される。
(アクティビティA08)
第3表示処理部336は、生成された複数のリマインドメッセージRMを選択可能な形式での選択画面を表示する。
(アクティビティA09)
ユーザーUは、選択画面上の複数のリマインドメッセージRMから、複数のリマインドメッセージRMを選択するか判断する。複数のリマインドメッセージRMを選択する場合、アクティビティA10が実行される。複数のリマインドメッセージRMを選択しない場合、アクティビティ11が実行される。
(アクティビティA10)
第2受付部337は、ユーザーUによる複数のリマインドメッセージRMの選択を受け付ける。
(アクティビティA11)
第2表示処理部335は、生成されたリマインドメッセージRMとともに、優先権主張の手続き(第2イベント)を顧客Cに伝える第2メッセージMSを返信可能な形式でメッセージ作成画面を表示させる。
(アクティビティA12)
ユーザーUは、生成されたリマインドメッセージRMが記載された第2メッセージMSを編集する。
(アクティビティA13)
ユーザーUは、第2メッセージMSを顧客Cに送信する。
【0054】
このような情報処理方法によれば、時系列に発生するイベントと、これをリマインドするにあたって、関連する既送付のメッセージとが一覧性を有し表示されるため、時系列に発生するイベントを、顧客に正確にスムーズに伝達することができる。また、ユーザーが1年以上前に送ったログをわざわざ探索しなければならないような場面等もなくなり、手間やヒューマンエラーが低減する。
【0055】
5.その他
下記のような態様によって前述の実施形態を実施してもよい。
(1)情報処理システム1は、営業、サービス等の顧客Cとの関係性を伴う業務に適用されてもよい。第1イベントは、顧客Cに対して最初行った業務であり、第2イベントは、各種キャンペーン、サービスであってもよい。第1メッセージMFは、ユーザーUが顧客Cの情報を登録した顧客情報であってもよい。
(2)情報処理システム1は、ユーザーUに対して第1メッセージMF及び第2メッセージMSを、一覧性を有して表示させずに、生成部333に、リマインドメッセージRMを生成させてもよい。ユーザーUと顧客Cとの関係によっては、ユーザーUは、第2メッセージMSを選択せずリマインドメッセージRMを生成した方が、業務効率が高まる。
(3)情報処理システム1は、AI(Artificial Intelligence)機能を備えてもよい。生成部333は、AI機能を利用して、顧客Cの属性である業界、業種、業態、事業規模、事業場所又は財務状況、及び担当者の属性に基づいて、顧客Cに適したリマインドメッセージRMを生成してもよい。
(4)情報処理システム1において、制御部33が顧客反応ステップを実行するように構成されてもよい。具体的には、ユーザーUがリマインドメッセージRMを顧客Cに送信した後、顧客反応ステップでは、顧客Cから返信メッセージの比率及び返信までの日数等の各種統計データを算出する。このような各種統計データに基づいて、ユーザーUは、リマインドメッセージRMの文面の修正、リマインドメッセージRMの送信タイミング等の業務改善を適切に実行することができる。
(5)情報処理システム1において、制御部33が広告情報追加ステップを実行するように構成されてもよい。具体的には、生成部333が生成したリマインドメッセージRMに、広告情報追加ステップでは、顧客Cにとって有益な広告情報を追加する。このように広告情報を追加することで、顧客Cが積極的にリマインドメッセージRMを確認することに繋がる。
(6)情報処理システム1において、制御部33(不図示の通知部)が通知ステップを実行するように構成されてもよい。通知ステップでは、リマインドメッセージRMに含まれる第2イベントの日付に基づいて、第2イベントの日付より前にユーザーUに第2イベントの日付を通知してもよい。例えば、制御部33は、情報処理装置3の有する時計機能を用いて、第2イベントの日付の前に、第2イベントが近づいていることを検出し、その旨をユーザーUに通知する。通知する手段は、情報処理装置3の有するアプリケーションソフトを用いて視覚情報で通知してもよいし、情報処理装置3の有する音声発生機能を用いて音声情報で通知してもよい。
(7)プログラムであって、コンピュータに、情報処理システム1の各ステップを実行させるものが提供されてもよい。
【0056】
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
前記情報処理システムにおいて、前記制御部は、生成ステップをさらに実行するように構成され、前記生成ステップでは、第2イベントをリマインドするためのリマインドメッセージを生成し、ここで前記第2イベントは、前記第2メッセージに含まれる前記第1イベントに関連するイベントである、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記制御部は、第1受付ステップをさらに実行するように構成され、前記第1受付ステップでは、ユーザーによる前記第2メッセージの選択を受け付け、前記生成ステップでは、選択された前記第2メッセージに係る前記第2イベントをリマインドするための前記リマインドメッセージを生成する、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記制御部は、第2表示処理ステップをさらに実行するように構成され、前記第2表示処理ステップでは、生成された前記リマインドメッセージとともに、前記第2メッセージに返信可能な形式でメッセージ作成画面を表示させる、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記第2表示処理ステップでは、前記リマインドメッセージが前記メッセージ作成画面に予め記入された態様で表示させる、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記生成ステップでは、前記第2メッセージの返信先の属性に基づいて、少なくとも1つの前記リマインドメッセージを生成し、ここで前記属性は、前記返信先の属する企業の業界、業種、業態、事業規模、事業場所又は財務状況である、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記制御部は、次の各ステップをさらに実行するように構成され、第3表示処理ステップでは、生成された複数の前記リマインドメッセージを選択可能な形式での選択画面を表示させ、第2受付ステップでは、ユーザーによる複数の前記リマインドメッセージの選択を受け付ける、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記制御部は、通知ステップをさらに実行するように構成され、前記通知ステップでは、前記リマインドメッセージに含まれる前記第2イベントの日付に基づいて、前記第2イベントの日付より前にユーザーに前記第2イベントの日付を通知する、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記第1メッセージは、知的財産に係る内容であり、前記第1イベントは、特許庁に対する事務手続きである、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記第1イベントの前記日付は、特許出願の日である、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記第2イベントの前記日付は、優先権主張の法定期限日、審査請求の法定期限日又はPCT出願における各国移行の法定期限日である、もの。
情報処理方法であって、前記情報処理システムの各ステップを備える、方法。
プログラムであって、コンピュータに、前記情報処理システムの各ステップを実行させる、もの。
もちろん、この限りではない。
【0057】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
本発明の一態様によれば、情報処理システムが提供される。この情報処理システムは、制御部を備える。制御部は、次の各ステップを実行するように構成される。特定ステップでは、複数のメッセージと、予め設定された参照情報とに基づいて、少なくとも1つの第1メッセージを特定する。第1メッセージは、第1イベントが完了した旨と、第1イベントの日付とに関する記載を有する。第1表示処理ステップでは、少なくとも1つの第1メッセージを、一覧性を有して表示させ、且つ一覧性を有して表示された第1メッセージのうち、所定条件を満たす第2メッセージの態様を、第2メッセージ以外の第1メッセージと異なるように表示させる。所定条件は、第1イベントの日付から現在の日付までが、閾値期間を超えていることである。