特許第6866043号(P6866043)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6866043トレプロスチニルプロドラッグおよびトレプロスチニル誘導体プロドラッグの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6866043
(24)【登録日】2021年4月9日
(45)【発行日】2021年4月28日
(54)【発明の名称】トレプロスチニルプロドラッグおよびトレプロスチニル誘導体プロドラッグの製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 67/08 20060101AFI20210419BHJP
   C07C 69/708 20060101ALI20210419BHJP
   C07C 235/20 20060101ALN20210419BHJP
   C07C 235/22 20060101ALN20210419BHJP
   C07C 231/02 20060101ALN20210419BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20210419BHJP
【FI】
   C07C67/08
   C07C69/708 Z
   !C07C235/20 Z
   !C07C235/20 C
   !C07C235/22 Z
   !C07C231/02
   !C07B61/00 300
【請求項の数】23
【全頁数】43
(21)【出願番号】特願2017-526523(P2017-526523)
(86)(22)【出願日】2015年11月18日
(65)【公表番号】特表2017-535555(P2017-535555A)
(43)【公表日】2017年11月30日
(86)【国際出願番号】US2015061427
(87)【国際公開番号】WO2016081658
(87)【国際公開日】20160526
【審査請求日】2018年11月15日
(31)【優先権主張番号】62/081,515
(32)【優先日】2014年11月18日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513204012
【氏名又は名称】インスメッド インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】マリニン,ウラジミール
(72)【発明者】
【氏名】パーキンス,ウォルター
(72)【発明者】
【氏名】ライファー,フランツィスカ
(72)【発明者】
【氏名】コニーチェク,ドナ エム.
(72)【発明者】
【氏名】リ,ジーリー
(72)【発明者】
【氏名】プラウント,アダム
【審査官】 山本 吾一
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/110491(WO,A1)
【文献】 特表2007−501281(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/061720(WO,A1)
【文献】 国嶋崇隆,YAKUGAKU ZASSHI,2008年,128(3),pp.425-438
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
次式:
【化1】
を有するトレプロスチニルプロドラッグの製造方法であって、
酸触媒の存在下に、トレプロスチニルを式R2−OH(式中、R2は、直鎖C12〜C18アルキルである)のアルコールと混合することと、
この混合物を式(A)の化合物が生成するのに十分な期間インキュベートすることと
を含み、
前記トレプロスチニルが、前記酸触媒と混合される前に、ジオキサン、アセトニトリル(MeCN)、N,N'−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジクロロメタン(DCM)、ならびにMeCN、DMFおよびDCMの2以上の組合せからなる群より選択される一つを含む溶媒に溶解されている、方法。
【請求項2】
前記溶媒がジオキサンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記溶媒が、アセトニトリル(MeCN)、N,N'−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジクロロメタン(DCM)、ならびにMeCN、DMFおよびDCMの2以上の組合せからなる群より選択される一つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記溶媒が、アセトニトリル(MeCN)、N,N'−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジクロロメタン(DCM)、ならびにMeCN、DMFおよびDCMの2以上の組合せからなる群より選択される一つである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記溶媒が、100μmolのトレプロスチニルあたり2mLのジオキサン、
100μmolのトレプロスチニルあたり1mLのジオキサン、
DMF、
DCM、
MeCN、および
1:1のジオキサン:MeCNからなる群より選択される一つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記溶媒が、100μmolのトレプロスチニルあたり2mLのジオキサン、
100μmolのトレプロスチニルあたり1mLのジオキサン、
DMF、
DCM、
MeCN、および
1:1のジオキサン:MeCNからなる群より選択される一つである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記溶媒が、DMFおよびDCMの組合せを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記溶媒が、DMFおよびDCMの組合せである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記溶媒が、DCM中の10%DMFおよびDCM中の20%DMFからなる群より選択される一つを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記溶媒が、DCM中の10%DMFおよびDCM中の20%DMFからなる群より選択される一つである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記酸触媒が、硫酸、スルホン酸、フッ化水素酸、リン酸、トルエンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸塩、ヘテロポリ酸、ゼオライト、金属酸化物、グラフェンオキシジェン、およびこれらの組合せからなる群より選択される一つを含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記酸触媒が、硫酸、フッ化水素酸、リン酸、トルエンスルホン酸、ヘテロポリ酸、およびゼオライトからなる群より選択される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記酸触媒が固体形態である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記固体形態が固体樹脂である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記酸触媒がスルホン酸樹脂である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
2が直鎖C14〜C18アルキルである、請求項1〜15のいずれか一項に記載の
方法。
【請求項17】
2が直鎖C12アルキルである、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
2が直鎖C13アルキルである、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
2が直鎖C14アルキルである、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
2が直鎖C15アルキルである、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
2が直鎖C16アルキルである、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
2が直鎖C17アルキルである、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
2が直鎖C18アルキルである、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は米国仮特許出願第62/081,515号の優先権を主張するものであり、あらゆる目的のために、その開示内容全体を本明細書の一部を構成するものとしてここに援用する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
肺高血圧症(PH)は肺血管系の異常な高血圧を特徴とする。これは心不全に至る進行性の致死的疾患であり、肺動脈、肺静脈または肺毛細管で発生し得る。患者は、息切れ、眩暈、失神等の症状を呈し、これらの症状はいずれも労作により悪化する。この疾患には複数の原因が存在するが、原因不明の特発性の場合もあり、また、他の器官の高血圧症、例えば、門脈肺高血圧症(この患者には門脈圧亢進症および肺高血圧症の両方が発生している)を引き起こす可能性もある。
【0003】
肺高血圧症は世界保健機関(World Health Organization)(WHO)によって5つの群に分類されている。第I群は肺動脈性肺高血圧(PAH)と呼ばれ、原因不明(特発性)のPAH、遺伝性PAH(すなわち、家族性PAHまたはFPAH)、薬物または毒物誘発性PAH、ならびに結合組織病、HIV感染症、肝疾患、先天性心疾患等の状態に伴うPAHが含まれる。第II群の肺高血圧症は、左心性疾患に伴う肺高血圧症であることを特徴とする。第III群の肺高血圧症は、慢性閉塞性肺疾患や間質性肺疾患等の肺疾患に伴うPHおよび睡眠関連呼吸障害(例えば、睡眠時無呼吸)に伴うPHであることを特徴とする。第IV群のPHは、慢性血栓症(thrombotic disease)および/または慢性閉塞性疾患(embolic disease)に起因するPH、例えば、肺内血栓または血液凝固障害に起因するPHである。第V群には、他の疾患または状態、例えば、血液疾患(例えば、真性赤血球増加症、本態性血小板血症)、全身性疾患(例えば、サルコイドーシス、血管炎)、代謝性疾患(例えば、甲状腺疾患、糖原病)に起因するPHが含まれる。
【0004】
肺動脈性肺高血圧症(PAH)患者は世界中で約200,000人に上り、米国には約30,000〜40,000人の患者が存在する。PAH患者は肺動脈に狭窄が生じており、それによって肺動脈圧が上昇するため、心臓が肺に血液を送り出し難くなる。患者は息切れや疲労に苦しんでおり、それによって身体活動が著しく制限される場合が多い。
【0005】
ニューヨーク心臓協会(New York Heart Association)(NYHA)は、PAH患者を疾患の重症度に応じてランク分けするために4段階の機能分類を行った。NYHAのクラスIに分類されるPAH患者は、通常の身体活動により過度の呼吸困難や疲労、胸痛または失神寸前状態(near syncope)が起こらないため、身体活動が制限されない。クラスIのPAH患者に治療は必要ない。NYHAのクラスIIに分類されるPAH患者は身体活動がやや制限される。このような患者は安静時には無症状であるが、通常の身体活動によって過度の呼吸困難や疲労、胸痛または失神寸前状態が起こる。NYHAのクラスIIIに分類されるPAH患者は身体活動が著しく制限される。クラスIIIのPAH患者は安静時には無症状であるものの、軽度の身体活動でも過度の呼吸困難や疲労、胸痛または失神寸前状態が起こる。NYHAのクラスIVに分類されるPAH患者は、いかなる程度の身体活動によっても症状が発現する。クラスIVのPAH患者は安静時も呼吸困難および/または疲労が見られる場合もあり、いかなる程度の身体活動によっても苦痛が増加する。多くの場合、クラスIVのPAH患者には右心不全の症状が見られる。
【0006】
PAH患者の治療には、エンドセリン受容体拮抗薬(ERA)、ホスホジエステラーゼ5(PDE−5)阻害薬、グアニル酸シクラーゼ刺激薬、プロスタノイド(例えば、プロスタサイクリン)またはこれらの組合せが使用される。ERAとしては、アンブリセンタン(レタイリス(Letairis)(登録商標))、シタキセタン、ボセンタン(トラクリア(Tracleer)(登録商標))およびマシテンタン(オプサミット(Opsumit)(登録商標))が挙げられる。PAHの治療用として提示されているPDE−5阻害薬としては、シルデナフィル(レバチオ(Revatio)(登録商標))、タダラフィル(アドシルカ(Adcirca)(登録商標))が挙げられる。PAH治療用として提示されているプロスタノイドとしては、イロプロスト、エポプロステノールおよびトレプロスチニル(treprostinil)(リモジュリン(Remodulin)(登録商標)、タイヴァソ(Tyvaso)(登録商標))が挙げられる。グアニル酸シクラーゼ刺激薬としては、リオシグアト(アデムパス(Adempas)(登録商標))の1種が承認されている。さらに、上述の化合物を組み合わせて患者を治療する場合も多い。
【0007】
門脈肺高血圧症(PPH)は、門脈圧亢進症に肺高血圧症を伴うものとして定義され、これは肝疾患の重篤な合併症である。門脈肺高血圧症の診断は血行動態基準(hemodynamic criteria)に基づく:(1)門脈圧亢進症および/または肝疾患(臨床診断−腹水/静脈瘤/脾腫)、(2)安静時平均肺動脈圧>25mmHg、(3)肺血管抵抗>240dyne s/cm、(4)肺動脈閉塞圧<15mmHgまたは肺動脈−左心房圧較差(transpulmonary gradient)>12mmHg。PPHは肝疾患の重篤な合併症であり、肝硬変患者の0.25〜4%に発生する。現在、PPHは肝移植対象者の4〜6%に合併している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
PAHおよびPPHの治療は存在するものの、現行のプロスタサイクリン療法には深刻な毒性および耐容性の問題が伴うことに加えて、都合の悪い投与スケジュールが必要となる。本発明は、毒性がより低く、耐容性がより高く、好都合なスケジュールで投与できる化合物およびこれらの製造方法を提供することにより、上述の要素を克服/対処するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明の概要
本明細書においては、トレプロスチニルプロドラッグおよびトレプロスチニル誘導体プロドラッグ、例えば、式(I)、(II)または(III)で表される化合物の製造方法を提供する。一実施形態において、トレプロスチニルプロドラッグまたはトレプロスチニル誘導体プロドラッグは、プロドラッグ部分に繋がるエステル結合またはアミド結合を有する。
【0010】
本発明の一態様は、トレプロスチニルのカルボン酸誘導体の合成に関する。一実施形態においては、式:
【化1】

のトレプロスチニルエステル誘導体のエステル化は、適切なアルコール(すなわち、R−OH(式中、Rは直鎖もしくは分岐C〜C18アルキル、直鎖C〜C18アルケニルまたは分岐C〜C18アルケニル))を、トレプロスチニルまたは式:
【化2】

の化合物と酸触媒の存在下に混合することによって行われる。一実施形態において、酸触媒は樹脂または他の何らかの固体形態である。一実施形態において酸触媒は硫酸またはスルホン酸である。他の固体(例えば、樹脂)形態または液体形態にある酸触媒としては、これらに限定されるものではないが、フッ化水素酸、リン酸、トルエンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸塩、ヘテロポリ酸、ゼオライト、金属酸化物およびグラフェンオキシジェン(graphene oxygene)が挙げられる。
【0011】
幾つかの実施形態においては、エステル化反応を行う前に、トレプロスチニルまたは式:
【化3】

のトレプロスチニル化合物(式中、R、Rおよびnは上記と同義である)および/またはアルコールR−OHを溶媒に溶解しておく。
【0012】
他の実施形態においては、光延反応を用いることができる。この反応においては、トリフェニルホスフィン(PPh)およびアゾジカルボン酸ジイソプロピル(DIADまたはそのジエチル類縁体であるDEAD)の混合物を用いてアルコールおよびカルボン酸をエステルに変換することにより、本明細書において提供されるカルボン酸エステルプロドラッグの1種が生成する。
【0013】
さらなる他の実施形態においては、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)またはN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)を4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)と組み合わせて使用することにより、エステル化反応(Steglichエステル化と呼ばれる場合もある)が行われる。
【0014】
トレプロスチニルアミド誘導体(例えば、式:
【化4】

で表されるもの)は、カルボン酸基をアミド化する公知の手順に従い製造することができる。例えば、トレプロスチニル(または式:
【化5】

で表される化合物を、例えばジオキサン中に溶解し、HATUまたはPyBOPおよびアルキルアミンR−NHと合一する(R、R、Rおよびnは本明細書の定義と同義である)。
【0015】
本明細書において提供する方法は、一実施形態において、式(I):
【化6】

(式中、Rは、NH、OまたはSであり;Rは、H、直鎖C〜C18アルキル、分岐C〜C18アルキル、直鎖C〜C18アルケニル、分岐C〜C18アルケニル、アリール、アリール−C〜C18アルキル、アミノ酸またはペプチドであり;Rは、H、OH、O−アルキルまたはO−アルケニルであり;Rは、置換されていてもよい直鎖もしくは分岐C〜C15アルキルまたは置換されていてもよい直鎖もしくは分岐C〜C15アルケニルであり;nは0〜5の整数であり、但し、このプロスタサイクリン化合物はトレプロスチニルではない)のプロスタサイクリン化合物またはその医薬上許容される塩を製造するために用いられる。
【0016】
他の実施形態において、本明細書において提供する方法は、式(II):
【化7】

(式中、Rは、NH、OまたはSであり;Rは、直鎖もしくは分岐C〜C18アルキル、直鎖C〜C18アルケニル、分岐C〜C18アルケニル、アリール、アリール−C〜C18アルキル、アミノ酸またはペプチドであり;nは0〜5の整数である)のプロスタサイクリン化合物またはその医薬上許容される塩の製造に用いられる。
【0017】
一実施形態において、式(I)および/または式(II)の化合物は本明細書に記載する方法により製造され、その方法においては、1個または2個以上の水素原子が重水素に置換されている。したがって、一実施形態において、本発明は、1個または2個以上の重水素原子で置換された式(I)および/または式(II)の同位体置換体に関する。式(I)および/または式(II)の同位体置換体は、式(I)および/または式(II)の化合物の生体液中濃度を正確に測定するため、ならびに式(I)および/または式(II)の化合物ならびにこれらの同位体置換体の代謝パターンを求めるために使用することができる。
【0018】
さらなる他の実施形態において、本発明は、式(III):
【化8】

(式中、RおよびRは上記と同義であり、RおよびRは、独立に、H、置換されていてもよい直鎖もしくは分岐C〜C15アルキル、置換されていてもよい直鎖もしくは分岐C〜C15アルケニル、(C=O)−置換されていてもよい直鎖もしくは分岐C〜C15アルキルまたは(C=O)−置換されていてもよい直鎖もしくは分岐C〜C15アルケニルであり、但し、式(III)のプロスタサイクリン化合物はトレプロスチニルではない)のプロスタサイクリン化合物またはその医薬上許容される塩の製造方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本明細書において提供するアルキルエステル−TRプロドラッグ化合物を得るためのエステル化スキームである。
図2】アシル化トレプロスチニル誘導体プロドラッグを合成するための一般的なスキームである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
発明の詳細な説明
本明細書において使用される「アルキル」という語は、直鎖アルキル(アルキル鎖長は数値範囲で示される)および分岐アルキル(鎖中に分岐点が存在し、鎖中の炭素の総数は数値範囲で示される)の両方を指す。例示的な実施形態において、「アルキル」は、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16個の炭素を含む上に定義したアルキル鎖(すなわち、C〜C16アルキル)を指す。
【0021】
本明細書において使用される「アルケニル」という語は、1または2以上の炭素−炭素二重結合を含む炭素鎖を指す。
【0022】
本明細書において使用される「アリール」という語は、環のπ電子が環員原子間で共有されることにより非局在化している(芳香族性を有する)ことを特徴とする環状炭化水素を指し、環員原子の数は数値範囲により示される。例示的な実施形態において、「アリール」は、6、7、8、9または10個の環員原子を含む上述の環状炭化水素(すなわち、C〜C10アリール)を指す。アリール基の例としては、これらに限定されるものではないが、ベンゼン、ナフタレン、テトラリン、インデンおよびインダンが挙げられる。
【0023】
本明細書において使用される「アルコキシ」という語は、−O−(アルキル)(「アルキル」は上記と同義である)を指す。
【0024】
本明細書において任意の部分(moiety)に関し使用される「置換された」という語は、その部分の任意の許容される位置にさらなる置換基が結合していることを指す。特段の指定がない限り、この部分は、炭素、窒素、酸素、硫黄または他の任意の許容される原子を介して結合することができる。
【0025】
「アミノ酸」という語は、天然(遺伝子にコードされている)アミノ酸および非天然(遺伝子にコードされていない)アミノ酸の両方ならびにこれらのアミノ酸の部分を指す。20種類の天然アミノ酸のうち、19種は一般構造:
【化9】

(式中、Rはアミノ酸側鎖である)を有する。20番目のアミノ酸であるプロリンも同様に本発明の範囲に包含され、次に示す構造を有する:
【化10】

。20種の天然アミノ酸のうち、グリシン以外は全てキラルであり、D−アミノ酸およびL−アミノ酸の両異性体に加えてこれらの混合物も、本明細書に記載するプロスタサイクリン化合物に使用するのに適している。「アミノ酸」という語にはアミノ酸部分も包含されることにも留意されたい。例えば、アミノ酸部分:
【化11】

は「アミノ酸」という語に包含される。
【0026】
本発明に使用するために適用することができる非天然アミノ酸の例としては、β−アラニン(β−Ala);2,3−ジアミノプロピオン酸(Dpr);ニペコチン酸(Nip);ピペコリン酸(Pip);オルニチン(Om);シトルリン(Cit);t−ブチルアラニン(t−BuA);2−tブチルグリシン(t−BuG);N−メチルイソロイシン(MeIle);フェニルグリシン(PhG);シクロヘキシルアラニン(ChA);ノルロイシン(Nle);ナフチルアラニン(Nal);4−クロロフェニルアラニン(Phe(4−Cl));2−フルオロフェニルアラニン(Phe(2−F));3−フルオロフェニルアラニン(Phe(3−F));4−フルオロフェニルアラニン(Phe(4−F));ペニシラミン(Pen);1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸(Tic);β−2−チエニルアラニン(Thi);メチオニンスルホキシド(MSO);ホモアルギニン(hArg);N−アセチルリジン(AcLys);2,4−ジアミノ酪酸(Dbu);2,3−ジアミノ酪酸(Dab);p−アミノフェニルアラニン(Phe(pNH));N−メチルバリン(MeVal);ホモシステイン(hCys)、ホモフェニルアラニン(hPhe);ホモセリン(hSer);ヒドロキシプロリン(Hyp);ホモプロリン(hPro);および上述の各アミノ酸の対応するD体が挙げられる。他の遺伝子にコードされていないアミノ酸残基としては、3−アミノプロピオン酸;4−アミノ酪酸;イソニペコチン酸(Inp);アザ−ピペコリン酸(azPip);アザ−プロリン(azPro);α−アミノイソ酪酸(Aib);ε−アミノヘキサン酸(Aha);δ−アミノ吉草酸(Ava);N−メチルグリシン(MeGly)が挙げられる。
【0027】
「ペプチド」は、アミノ酸(またはその部分)がペプチド結合により結合した重合体である。本発明に用いられるペプチドは、約2個〜約15個のアミノ酸、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9または10個のアミノ酸(またはその部分)を含む。
【0028】
本明細書において使用される「塩」という語は、遊離酸のアルカリ金属塩の生成および遊離塩基の付加塩の生成に慣用されている医薬上許容される塩を包含する。この塩の性質は、医薬上許容されるものである限り重要ではない。好適な医薬上許容される酸付加塩は無機酸からまたは有機酸から調製することができる。例示的な医薬塩は、Stahl, P.H., Wermuth, C.G., Eds. Handbook of Pharmaceutical Salts: Properties, Selection and Use; Verlag Helvetica Chimica Acta/Wiley-VCH: Zurich, 2002に開示されている(その全内容を本明細書の一部を構成するものとしてここに援用する)。無機酸の非限定的な具体例は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、炭酸、硫酸およびリン酸である。適切な有機酸としては、これらに限定されるものではないが、脂肪族基、脂環式基、芳香族基、アリール脂肪族基および複素環式基を含むカルボン酸およびスルホン酸、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、マレイン酸、フマル酸、ピルビン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、安息香酸、アントラニル酸、メシル酸、ステアリン酸、サリチル酸、p−ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、マンデル酸、エンボン酸(パモ酸)、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パントテン酸、トルエンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、スルファニル酸、シクロヘキシルアミノスルホン酸、アルゲン(algenic)酸、3−ヒドロキシ酪酸、ガラクタル酸またはガラクツロン酸が挙げられる。本明細書に開示する好適な医薬上許容される遊離酸含有化合物の塩としては、これらに限定されるものではないが、金属塩および有機塩が挙げられる。例示的な金属塩としては、これらに限定されるものではないが、適切なアルカリ金属(第Ia族)塩、アルカリ土類金属(第IIa族)塩および他の生理学的に許容される金属が挙げられる。この種の塩は、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウムおよび亜鉛から製造することができる。例示的な有機塩は、1級アミン、2級アミン、3級アミンおよび4級アンモニウム塩、例えば、トロメタミン、ジエチルアミン、テトラ−N−メチルアンモニウム、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N−メチルグルカミン)およびプロカインから製造することができる。
【0029】
本明細書においては、トレプロスチニルプロドラッグに加えて、トレプロスチニル誘導体プロドラッグ、例えば、式(I)、(II)および(III)のプロドラッグを合成するための方法を提供する。このプロドラッグは、肺高血圧症、例えば、肺動脈性肺高血圧および門脈肺高血圧症に加えて、2015年5月28日に公開された米国特許出願公開第2015/0148414号(その開示内容全体をあらゆる目的のために本明細書の一部を構成するものとしてここに援用する)に記載されている他の適応症(indicaiton)の治療における有用性が見いだされている。例えば、トレプロスチニル誘導体プロドラッグまたはトレプロスチニルプロドラッグまたはこれらを含む組成物は、例えば、肺動脈性肺高血圧または門脈肺高血圧症の治療を必要とする患者に、1日1回、1日2回または1日3回の投与計画で使用した場合に効果を発揮する。一実施形態において、本明細書において提供するプロスタサイクリン化合物は、トレプロスチニルよりも低い頻度で投与しながら、トレプロスチニルと同等以上の効力を示すことができる。さらに、一実施形態において、本明細書において提供する化合物の副作用プロファイルはトレプロスチニル投与による副作用プロファイルよりも有害性が低い。
【0030】
本発明の一態様は、トレプロスチニルのカルボン酸誘導体の合成に関する。一実施形態において、式:
【化12】

のトレプロスチニルエステル誘導体は、酸触媒の存在下に、適切なアルコール(すなわち、R−OH(Rは、直鎖もしくは分岐C〜C18アルキル、直鎖C〜C18アルケニルまたは分岐C〜C18アルケニルである))をトレプロスチニルまたは式:
【化13】

の化合物と混合することによりエステル化される。本明細書に記載するように、Rは、H、OH、置換されていてもよい直鎖もしくは分岐C〜C15アルキオキシ(alkyoxy)、O−置換されていてもよい直鎖もしくは分岐C〜C15アルケニル、O−(C=O)−置換されていてもよい直鎖もしくは分岐C〜C15アルキルまたはO−(C=O)−置換されていてもよい直鎖もしくは分岐C〜C15アルケニルであり;Rは、置換されていてもよい直鎖もしくは分岐C〜C15アルキルまたは置換されていてもよい直鎖もしくは分岐C〜C15アルケニルであり;nは0〜5の整数である。最終生成物の純度はエステル化反応に用いられる試薬の純度および/または反応完結後の精製(cleanup)手順にある程度依存することになることを当業者は理解するであろう。例えば、高純度アルコールを用いると、より純度の低いアルコールを用いた場合よりも純度の高いトレプロスチニルエステル誘導体が得られるであろう。同様に、HPLCやダイアフィルトレーション等の精製手順を用いることによってより純度の高い生成物が得られる。
【0031】
一実施形態において、酸触媒は、樹脂または他の何らかの固体形態にある。しかしながら、他の実施形態において、酸触媒は液体形態にある。一実施形態において、酸触媒は硫酸またはスルホン酸である。他の酸触媒(固体、例えば、樹脂または液体形態)としては、これらに限定されるものではないが、フッ化水素酸、リン酸、トルエンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸塩、ヘテロポリ酸、ゼオライト、金属酸化物およびグラフェンオキシジェンが挙げられる。
【0032】
酸触媒樹脂、例えば、スルホン酸樹脂触媒は、例えば、Sigma-AldrichからAMBERLYSTの商品名で市販されている。他の樹脂は、例えばPurolite(登録商標)から市販されており、本明細書に記載する方法に適用することができる。
【0033】
幾つかの実施形態においては、エステル化反応は、トレプロスチニルまたは式:
【化14】

のトレプロスチニル化合物(式中、R、Rおよびnは上記と同義である)および/またはアルコールR−OHを溶媒に溶解した後に行われる。例えば、トレプロスチニルが12個以上の炭素原子を有するアルキル基でエステル化される一実施形態においては、トレプロスチニルをまず最初にジオキサン等の溶媒に溶解した後、エステル化反応を行う。ジオキサン以外の溶媒またはジオキサンとの組合せを使用することもできる。例えば、アセトニトリル(MeCN)、N,N’−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジクロロメタン(DCM)またはこれらの組合せを使用することができる。表1に様々な溶媒を例示する。
【0034】
【表1】
【0035】
上述した反応以外のカルボン酸エステル化反応も当業者に知られており、本明細書に記載するトレプロスチニルアルキルエステルの製造に適している。例えば、光延反応を用いることができ、光延反応においては、トリフェニルホスフィン(PPh)およびアゾカルボン酸ジイソプロピル(DIADまたはそのジエチル類縁体であるDEAD)の混合物を用いてアルコールおよびカルボン酸をエステルに変換する。この反応において、DIADは水素受容体の役割を果たすため還元され、PPhは酸化されてOPPhとなる。
【0036】
さらなる他の実施形態においては、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)またはN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)が4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)(添加剤)と一緒にエステル化反応に使用される(Steglichエステル化と称される場合もある)。この反応により、DCCまたはDICおよびカルボン酸(トレプロスチニルまたはそのエステル化されていない誘導体)からO−アシルイソ尿素活性化カルボン酸中間体を生成させることができる。この活性化された化合物にアルコールを添加することにより、安定なジシクロヘキシル尿素およびエステルが生成する。一実施形態において、トレプロスチニルまたはそのエステル化されていない誘導体はまず溶媒、例えば、上述の溶媒のうちの1種に溶解され、次いでSteglichエステル化に付される。
【0037】
他のエステル化反応を用いることもできる。例えば、1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム3−オキシドヘキサフルオロリン酸(HATU)またはベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロリン酸塩(PyBOP)をカップリング試薬として使用することができる。これらの試薬はカップリングを促進する添加剤と一緒に使用してもよいし、あるいはそのような添加剤を使用しなくてもよい。例えば、幾つかの実施形態においては、トリエチルアミン(TEA)をHATUまたはPyBOPのいずれかのカップリング試薬と一緒に使用することにより、トレプロスチニルアルキルエステルを生成することができる。本明細書に記載する他のエステル化と同様、トレプロスチニルまたはエステル化されていないトレプロスチニル誘導体をまず最初に溶媒に溶解した後、エステル化反応を行うことができる。
【0038】
さらなる他の実施形態において、トレプロスチニルまたはトレプロスチニル誘導体のエステル化は、国際公開第2011/153363号(その全内容をあらゆる目的のために本明細書の一部を構成するものとしてここに援用する)の実施例3に記載されている反応スキームのステップ1からステップ5の順に進行する。
【0039】
トレプロスチニルアミド誘導体(例えば式:
【化15】

)は、カルボン酸基をアミド化する手順に従い製造することができる。例えば、トレプロスチニル(または式:
【化16】

の化合物(例えば、ジオキサン中に溶解))を、HATUまたはPyBOPおよびアルキルアミンR−NHと合一する(R、R、Rおよびnは上記と同義である)。
【0040】
下の表2に、アルキルアミンR−NHを用いてトレプロスチニルアミド誘導体を生成するための他の反応条件を示す。
【0041】
【表2-1】
【0042】
【表2-2】
【0043】
本明細書に記載する本発明の一態様において、式(I):
【化17】

(式中、Rは、NH、OまたはSであり;
は、H、直鎖C〜C18アルキル、分岐C〜C18アルキル、直鎖C〜C18アルケニル、分岐C〜C18アルケニル、アリール、アリール−C〜C18アルキル、アミノ酸またはペプチドであり;
は、H、OH、置換されていてもよい直鎖もしくは分岐C〜C15アルキオキシ、O−置換されていてもよい直鎖もしくは分岐C〜C15アルケニル、O−(C=O)−置換されていてもよい直鎖もしくは分岐C〜C15アルキルまたはO−(C=O)−置換されていてもよい直鎖もしくは分岐C〜C15アルケニルであり;
は、置換されていてもよい直鎖もしくは分岐C〜C15アルキルまたは置換されていてもよい直鎖もしくは分岐C〜C15アルケニルであり;
nは、0〜5の整数であり、但し、式(I)のプロスタサイクリン化合物はトレプロスチニルではない)のプロスタサイクリン化合物またはその医薬上許容される塩は、本明細書に記載する方法により製造される。
【0044】
さらなる実施形態においては、RがOHであり、nが0または1である式(I)のプロスタサイクリン化合物が製造される。さらなる他の実施形態において、Rは置換されていてもよい直鎖または分岐C〜C15アルキルである。さらなる他の実施形態においては、RはNHまたはOである。
【0045】
一実施形態において、Rが、NH、OまたはSであり;Rが、直鎖C〜C18アルキル、分岐C〜C18アルキル、直鎖C〜C18アルケニル、分岐C〜C18アルケニルであり;Rが、H、OHまたはO−アルキルであり;Rが、置換されていてもよい直鎖もしくは分岐C〜C15アルキルまたは置換されていてもよい直鎖もしくは分岐C〜C15アルケニルであり;nが0〜5の整数である、式(I)のプロスタサイクリン化合物が製造される。さらなる他の実施形態において、Rは、NHまたはOであり、Rは、直鎖C〜C18アルキルまたは分岐C〜C18アルキルである。
【0046】
一実施形態において、Rはアリールまたはアリール−C〜C18アルキルであり;RはOHであり;nは0または1である。さらなる他の実施形態において、Rは置換されていてもよい直鎖または分岐C〜C15アルキルである。
【0047】
一実施形態において、本発明は、式(I)のプロスタサイクリン化合物の製造方法を提供し、この化合物は、式(Ia)、(Ib)、(Ic)もしくは(Id):
【化18】

(式中、Rは、H、直鎖もしくは分岐C〜C18アルキル、直鎖C〜C18アルケニルまたは分岐C〜C18アルケニルであり;
は、H、OH、置換されていてもよい直鎖もしくは分岐C〜C15アルキオキシ、O−置換されていてもよい直鎖もしくは分岐C〜C15アルケニル、−O(C=O)−置換されていてもよい直鎖もしくは分岐C〜C15アルキルまたは−O(C=O)−置換されていてもよい直鎖もしくは分岐C〜C15アルケニルであり;
は:
【化19】

(式中、Rは、H、置換されていてもよい直鎖もしくは分岐C〜C15アルキル、置換されていてもよい直鎖もしくは分岐C〜C15アルケニル、(C=O)−置換されていてもよい直鎖もしくは分岐C〜C15アルキルまたは(C=O)−置換されていてもよい直鎖もしくは分岐C〜C15アルケニルである)、置換されていてもよい直鎖もしくは分岐C〜C15アルキルまたは置換されていてもよい直鎖もしくは分岐C〜C15アルケニルである)の化合物のうちの1種またはこれらの医薬上許容される塩である。さらなる実施形態において、Rは:
【化20】

であり、但し、この化合物はトレプロスチニルではない、すなわち、RおよびRは同時にHになり得ない。
【0048】
式(Ia)、(Ib)、(Ic)および(Id)の一実施形態において、Rは、直鎖または分岐C〜C18アルキルである。さらなる他の実施形態において、Rは:
【化21】

(式中、m1およびm2は、それぞれ独立に、1〜9から選択される整数であり、R’は、それぞれ独立に、H、直鎖もしくは分岐C〜Cアルキルでまたは直鎖もしくは分岐C〜Cアルケニルである)である。さらなる他の実施形態において、Rは:
【化22】

であり、m1およびm2は共に4である。他の実施形態において、Rは:
【化23】

であり、m1は3であり、かつm2は4であるか、またはm1は2であり、かつm2は3である。
【0049】
m1および/またはm2が2〜9の整数である場合、炭素鎖末端のm1/m2はCHであり、残りのm1/m2基はCHである。
【0050】
式(Ia)、(Ib)、(Ic)および(Id)の一実施形態において、Rは:
【化24】

である。さらなる実施形態において、RはOHであり、Rは:
【化25】

(式中、Rは、H、置換されていてもよい直鎖もしくは分岐C〜C15アルキル、置換されていてもよい直鎖もしくは分岐C〜C15アルケニル、(C=O)−置換されていてもよい直鎖もしくは分岐C〜C15アルキルまたは(C=O)−置換されていてもよい直鎖もしくは分岐C〜C15アルケニルである)である。
【0051】
式(Ia)、(Ib)、(Ic)または(Id)の一実施形態において、RはHであり、RはOHであり、Rは:
【化26】

であり、Rは:
【化27】

(式中、m1およびm2は、それぞれ独立に1〜9から選択される整数であり、R’は、それぞれ独立に、H、直鎖もしくは分岐C〜Cアルキルまたは直鎖もしくは分岐C〜Cアルケニルである)である。m1および/またはm2が2〜9の整数である場合、炭素鎖末端のm1/m2はCHであり、残りのm1/m2基はCHである。
【0052】
他の実施形態においては、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic)または式(Id)のプロスタサイクリン化合物のうちの1種の製造方法が提供され、式中、Rは、式(Ia’)、式(Ib’)、式(Ic’)または式(Id’):
【化28】

(式中、RはH、直鎖もしくは分岐C〜C18アルキルまたは直鎖もしくは分岐C〜C18アルケニルであり;Rは:
【化29】

(式中、Rは、H、置換されていてもよい直鎖もしくは分岐C〜C15アルキル、置換されていてもよい直鎖もしくは分岐C〜C15アルケニル、(C=O)−置換されていてもよい直鎖もしくは分岐C〜C15アルキルまたは(C=O)−置換されていてもよい直鎖もしくは分岐C〜C15アルケニルである)、置換されていてもよい直鎖もしくは分岐C〜C15アルキルまたは置換されていてもよい直鎖もしくは分岐C〜C15アルケニルであり、但し、RおよびRは同時にHにならない)のうちの1種が提供されるように、OHである。式(Ia’)、式(Ib’)、式(Ic’)および式(Id’)の一実施形態において、Rは:
【化30】

であり、Rは:
【化31】

であるか、またはRは:
【化32】

(式中、m1およびm2は、それぞれ独立に、1〜9から選択される整数であり、R’は、それぞれ独立に、H、直鎖もしくは分岐C〜Cアルキルまたは直鎖もしくは分岐C〜Cアルケニルである)である。さらなる他の実施形態において、Rは:
【化33】

である。
【0053】
本発明のさらなる他の実施形態は、式(Ia’’)、(Ib’’)、(Ic’’)または(Id’’):
【化34】

(式中、
は、H、直鎖もしくは分岐C〜C18アルキル、直鎖C〜C18アルケニル、分岐C〜C18アルケニル、アリール、アリール−C〜C18アルキル、アミノ酸またはペプチドであり;
は、H、OH、置換されていてもよい直鎖もしくは分岐C〜C15アルキオキシ、O−置換されていてもよい直鎖もしくは分岐C〜C15アルケニル、O−(C=O)−置換されていてもよい直鎖もしくは分岐C〜C15アルキルまたはO−(C=O)−置換されていてもよい直鎖もしくは分岐C〜C15アルケニルであり;
は、H、置換されていてもよい直鎖もしくは分岐C〜C15アルキル、置換されていてもよい直鎖もしくは分岐C〜C15アルケニル、(C=O)−置換されていてもよい直鎖もしくは分岐C〜C15アルキルまたは(C=O)−置換されていてもよい直鎖もしくは分岐C〜C15アルケニルであり、但し、RおよびRは同時にHにならない)の1種のプロスタサイクリン化合物またはこれらの医薬上許容される塩の製造方法に関する。さらなる実施形態において、RはOHであり、Rは、5−ノナニル、4−ヘプチル、4−オクチル、3−オクチル、2−ジメチル−1−プロピル、3,3−ジメチル−1−ブチル、2−エチル−1−ブチル、3−ペンチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシルまたはオクタデシルである。さらなる他の実施形態において、Rは、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシルまたはオクタデシルである。さらなる他の実施形態において、Rは直鎖アルキルである。
【0054】
本発明の一実施形態は、式(Ic)、(Ic’)および(Ic’’)の化合物の製造方法に関する。さらなる実施形態において、Rは、直鎖C〜C18アルキルまたは分岐C〜C18アルキルである。さらなる他の実施形態において、Rは直鎖C〜C18アルキルまたは分岐C〜C18アルキルである。さらなる他の実施形態において、Rは直鎖C〜C14アルキル、例えば、直鎖Cアルキル、Cアルキル、C10アルキル、C12アルキルまたはC14アルキルである。
【0055】
一実施形態においては、Rは直鎖C〜C18アルキルであり、RはOHであり、RはHである、式(Ic’’)の化合物が提供される。他の実施形態においては、Rは直鎖C〜C18アルキルであり、RはOHであり、RはHである、式(Ic’’)の化合物が提供される。他の実施形態においては、Rは直鎖C〜C16アルキルであり、RはOHであり、RはHである、式(Ic’’)の化合物が提供される。さらなる他の実施形態においては、Rは直鎖C〜C14アルキルであり、RはOHであり、RはOHである、式(Ic’’)の化合物が提供される。
【0056】
一実施形態においては、Rは直鎖C〜C18アルキルであり、RはOHであり、RはHである、式(Ic’’)のプロスタサイクリン化合物の製造方法が提供される。他の実施形態において、Rは分岐C〜C18アルキルであり、RはOHであり、RはHである、式(Ic’’)の化合物が提供される。他の実施形態においては、Rは分岐C〜C16アルキルであり、RはOHであり、RはHである、式(Ic’’)の化合物が提供される。さらなる他の実施形態においては、Rは分岐C〜C14アルキルであり、RはOHであり、RはHである、式(Ic’’)の化合物が提供される。
【0057】
さらなる他の実施形態においては、RはOHであり、RはHであり、Rは:
【化35】

であり、m1およびm2は、それぞれ独立に、1〜9から選択される整数である、式(Ia’’)、(Ib’’)、(Ic’’)または(Id’’)のプロスタサイクリン化合物の製造方法が提供される。さらなる他の実施形態において、Rは:
【化36】

である。
【0058】
式(Ia’’)、(Ib’’)、(Ic’’)または(Id’’)のさらなる他の実施形態において、RはHであり、RはOHであり、Rは:
【化37】

であり、m1およびm2は、それぞれ独立に、1〜9から選択される整数である。さらなる他の実施形態において、Rは:
【化38】

である。
【0059】
一実施形態においては、Rが直鎖または分岐C〜C18アルキルである、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)または(Id)のプロスタサイクリン化合物の製造方法が提供される。さらなる実施形態において、Rは、5−ノナニル、4−ヘプタニル、4−オクタニル、3−オクタニル、2−ジメチル−1−プロパニル、3,3−ジメチル−1−ブタニル、2−エチル−1−ブタニル、3−ペンタニル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシルまたはオクタデシルである。
【0060】
一実施形態においては、Rが直鎖または分岐C〜C18アルキルである、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ia’)、(Ib’)、(Ic’)、(Id’)、(Ia’’)、(Ib’’)、(Ic’’)または(Id’’)のプロスタサイクリン化合物の製造方法が提供される。さらなる他の実施形態において、Rは直鎖C〜C18アルキルである。他の実施形態において、Rは:
【化39】

(式中、m1およびm2は、それぞれ独立に、1〜9から選択される整数であり、R’は、それぞれ独立に、H、直鎖もしくは分岐C〜Cアルキルまたは直鎖もしくは分岐C〜Cアルケニルである)である。さらなる他の実施形態において、Rは:
【化40】

である。
【0061】
他の実施形態においては、Rが分岐C〜C18アルキルである、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)または(Id)のプロスタサイクリン化合物の製造方法が提供される。さらなる実施形態において、Rは、5−ノナニル、4−ヘプチル、4−オクチル、3−オクチル、2−ジメチル−1−プロピル、3,3−ジメチル−1−ブチル、2−エチル−1−ブチル、3−ペンチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシルまたはオクタデシルである。
【0062】
本発明の一実施形態において、本明細書において提供される方法により製造されるプロスタサイクリン化合物は次に示す構造を有する:
【化41】

(式中、Rは、NH、OまたはSである)。
【0063】
例えば、RはOまたはNであり、次に示す化合物:5−ノナニルトレプロスチニル(アルキルエステル、5C−TR)または5−ノナニルトレプロスチニル(アミド結合により結合、5C9−TR−A):
【化42】

のうちの1種が提供される。
【0064】
一実施形態においては、Rが:
【化43】

(式中、m1およびm2は、それぞれ独立に、1〜9から選択される整数であり、R’は、それぞれ独立に、H、直鎖もしくは分岐C〜Cアルキルまたは直鎖もしくは分岐C〜Cアルケニルである)である、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)または(Id)のプロスタサイクリン化合物の製造方法が提供される。
【0065】
m1および/またはm2が2〜9の整数である場合、炭素鎖末端のm1/m2はCHであり、残りのm1/m2基はCHである。
【0066】
さらなる他の実施形態において、Rが:
【化44】

である、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ia’)、(Ib’)、(Ic’)、(Id’)、(Ia’’)、(Ib’’)、(Ic’’)または(Id’’)のプロスタサイクリン化合物の製造方法が提供される。
【0067】
本明細書において提供される化合物は、R部分として対称分岐アルキルまたは非対称分岐アルキルを含むことができる。例えば、Rは:
【化45】

であり、m1およびm2は等しい整数とすることができ、したがってRは対称分岐アルキルである。m1およびm2が異なる場合、Rは非対称分岐アルキルである。
【0068】
他の実施形態においては、本明細書に記載する方法の1つにより、Rが:
【化46】

であり、m1は2であり、かつm2は3であるか、またはm1およびm2はそれぞれ独立に4であるか、またはm1およびm2はそれぞれ独立に3である、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ia’)、(Ib’)、(Ic’)、(Id’)、(Ia’’)、(Ib’’)、(Ic’’)または(Id’’)の化合物が提供される。
【0069】
他の実施形態において、本開示方法により製造されるプロスタサイクリン化合物は、R位に非対称分岐アルキル、例えば、3−ヘキサニル(3C)、2−ヘプタニル(2C)、3−ヘプタニル(3C)、2−オクタニル(2C)、3−オクタニル(3C)、4−オクタニル(4C)等を含む。
【0070】
他の実施形態においては、Rが、2,2−ジエチル−1−ペンチル、3−ペンチル、4−オクチル、5−ノナニル、2−エチル−1−ブチル、2−プロピル−1−ペンチル、12−ブチル−1−オクチル、2−ジメチル−1−プロピルおよび3,3−ジメチル−1−ブチルから選択される分岐アルキルである、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)または(Id)のプロスタサイクリン化合物が、本開示方法により製造される。
【0071】
さらなる他の実施形態において、Rが直鎖または分岐C〜C18アルケニルである、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ia’)、(Ib’)、(Ic’)または(Id’)のプロスタサイクリン化合物の製造方法が提供される。例えば、一実施形態において、Rは、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、トリデセニル、テトラデセニル、ペンタデセニル、ヘキサデセニル、ヘプタデセニルまたはオクタデセニルから選択される直鎖C〜C18アルケニルである。さらなる実施形態において、RはOHである。他の実施形態において、Rは、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、トリデセニル、テトラデセニル、ペンタデセニル、ヘキサデセニル、ヘプタデセニルまたはオクタデセニルから選択される分岐C〜C18アルケニルである。さらなる実施形態において、RはOHである。
【0072】
一実施形態において、Rが:
【化47】

である、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)または(Id)のプロスタサイクリン化合物が提供され、本明細書において提供する方法の1つにより合成される。さらなる実施形態において、Rは:
【化48】

である。
【0073】
一実施形態において、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)または(Id)のプロスタサイクリン化合物は、本明細書において提供する方法の1つにより合成され、Rは直鎖C〜C18アルキルであり、RはOHであり、Rは:
【化49】

である。さらなる実施形態において、Rは、5−ノナニル、4−ヘプチル、4−オクタニル、3−オクタニル、2−ジメチル−1−プロピル、3,3−ジメチル−1−ブチル、2−エチル−1−ブチル、3−ペンチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシルまたはオクタデシルである。
【0074】
一実施形態において、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)または(Id)のプロスタサイクリン化合物は本明細書において提供する方法の1つにより合成され、Rは、ヘキシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、5−ノナニル、4−ヘプタニル、4−オクタニル、3−オクタニル、2−ジメチル−1−プロピル、3,3−ジメチル−1−ブチル、2−エチル−1−ブチル、3−ペンチルであり、RはOHであり、Rは:
【化50】

である。
【0075】
一実施形態においては、Rがヘキシルであり、RがOHであり、Rが:
【化51】

である、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)または(Id)のプロスタサイクリン化合物が、本明細書において提供する方法の1つにより合成される。
【0076】
一実施形態においては、Rがヘキシルであり、RがOHであり、Rが:
【化52】

である、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)または(Id)のプロスタサイクリン化合物が、本明細書において提供する方法の1つにより合成される。
【0077】
他の実施形態においては、Rがヘキシルであり、RがOHであり、RがHである、式(Ia’’)、(Ib’’)、(Ic’’)または(Id’’)のプロスタサイクリン化合物の製造方法が提供される。さらなる実施形態においては、プロスタサイクリン化合物は式(Ic’’)の化合物である。さらなる他の実施形態においては、Rがドデシル、テトラデシル、ペンタデシルまたはヘキサデシルであり、RがOHであり、RがHである、式(Ia’’)、(Ib’’)、(Ic’’)または(Id’’)のプロスタサイクリン化合物が提供される。さらなる実施形態において、本発明の化合物は式(Ia’’)の化合物である。さらなる他の実施形態において、本発明の化合物は、後に詳述する脂質ナノ粒子製剤中に存在する。
【0078】
一実施形態において、Rがヘプチルであり、RがOHであり、Rが:
【化53】

である、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)もしくは(Id)のプロスタサイクリン化合物またはこれらの医薬上許容される塩が、本明細書に記載する方法により合成される。
【0079】
一実施形態において、Rがオクチルであり、RがOHであり、Rが:
【化54】

である、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)もしくは(Id)のプロスタサイクリン化合物または医薬上許容される塩が、本明細書に記載する方法により合成される。
【0080】
一実施形態において、Rがノニルであり、RがOHであり、Rが:
【化55】

である、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)もしくは(Id)のプロスタサイクリン化合物または医薬上許容される塩が、本明細書に記載する方法により合成される。
【0081】
他の実施形態において、Rがデシルであり、RがOHであり、Rが:
【化56】

である、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)もしくは(Id)のプロスタサイクリン化合物または医薬上許容される塩が、本明細書に記載する方法により合成される。
【0082】
さらなる他の実施形態において、Rがウンデシルであり、RがOHであり、Rが:
【化57】

である、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)もしくは(Id)のプロスタサイクリン化合物または医薬上許容される塩が、本明細書に記載する方法により合成される。
【0083】
さらなる他の実施形態において、Rがドデシルであり、RがOHであり、Rが:
【化58】

である、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)もしくは(Id)のプロスタサイクリン化合物または医薬上許容される塩が、本明細書に記載する方法により合成される。
【0084】
一実施形態において、Rがトリデシルであり、RがOHであり、Rが:
【化59】

である、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)もしくは(Id)のプロスタサイクリン化合物または医薬上許容される塩が、本明細書に記載する方法により合成される。
【0085】
他の実施形態において、Rがテトラデシルであり、RがOHであり、Rが:
【化60】

である、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)もしくは(Id)のプロスタサイクリン化合物または医薬上許容される塩が、本明細書に記載する方法により合成される。
【0086】
さらなる他の実施形態において、Rがペンタデシルであり、RがOHであり、Rが:
【化61】

である、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)もしくは(Id)のプロスタサイクリン化合物または医薬上許容される塩が、本明細書に記載する方法により合成される。
【0087】
本発明の他の実施形態は、Rがヘキサデシルであり、RがOHであり、Rが:
【化62】

である、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)もしくは(Id)のプロスタサイクリン化合物または医薬上許容される塩に関し、これらは本明細書に記載する方法により合成される。
【0088】
本発明のさらなる他の実施形態は、Rがヘプタデシルであり、RがOHであり、Rが:
【化63】

である、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)もしくは(Id)のプロスタサイクリン化合物または医薬上許容される塩に関し、これらは本明細書に記載する方法により合成される。
【0089】
本発明のさらなる他の実施形態は、Rがオクタデシルであり、RがOHであり、Rが:
【化64】

である、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)もしくは(Id)のプロスタサイクリン化合物または医薬上許容される塩に関し、これらは本明細書に記載する方法により合成される。
【0090】
一実施形態においては、1個または2個以上の水素原子が重水素に置き換わっている、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)もしくは(Id)の化合物または医薬上許容される塩の製造方法が提供される。したがって、一実施形態において、本発明は、1個または2個以上の重水素原子で置換された式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)または(Id)の同位体置換体に関する。式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)または(Id)の同位体置換体は、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)または(Id)の化合物の生体液中の濃度を正確に測定するため、および、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)または(Id)の化合物およびその同位体置換体の代謝パターンを求めるために使用することができる。
【0091】
本発明の他の実施形態においては、式(II):
【化65】

(式中、Rは、NH、OまたはSであり;
は、直鎖もしくは分岐C〜C18アルキル、直鎖C〜C18アルケニル、分岐C〜C18アルケニル、アリール、アリール−C〜C18アルキル、アミノ酸またはペプチドであり;
nは0〜5の整数である)のプロスタサイクリン化合物またはその医薬上許容される塩の製造方法が提供される。
【0092】
一実施形態において、本発明の方法は、Rが、NH、OまたはSであり;Rが、直鎖もしくは分岐C〜C18アルキル、直鎖C〜C18アルケニルまたは分岐C〜C18アルケニルであり;nが0〜5の整数である、式(II)のプロスタサイクリン化合物またはその医薬上許容される塩を製造することを含む。さらなる実施形態において、nは1であり、RはNHまたはOである。
【0093】
一実施形態において、本発明の方法は、式(II)のプロスタサイクリン化合物を製造することを含み、このプロスタサイクリン化合物は、式(IIa)、(IIb)、(IIc)もしくは(IId)の化合物またはその医薬上許容される塩である:
【化66】

(式中、Rは、直鎖もしく分岐C〜C18アルキル、直鎖C〜C18アルケニル、分岐C〜C18アルケニル、アリール、アリール−C〜C18アルキル、アミノ酸またはペプチドである)。さらなる実施形態においては、Rが直鎖もしくは分岐C〜C18アルキル、直鎖C〜C18アルケニルまたは分岐C〜C18アルケニルである、式(IIa)、(IIb)、(IIc)または(IId)の化合物が提供される。一実施形態においては、1個または2個以上の水素原子が重水素原子に置換されている式(II)、(IIa)、(IIb)、(IIc)または(IId)の化合物が提供される。したがって、一実施形態において、本発明は、1個または2個以上の重水素原子で置換された式(II)、(IIa)、(IIb)、(IIc)または(IId)の同位体置換体に関する。式(II)、(IIa)、(IIb)、(IIc)または(IId)の同位体置換体は、式(II)、(IIa)、(IIb)、(IIc)または(IId)の化合物の生体液中の濃度を正確に測定するため、ならびに式(II)、(IIa)、(IIb)、(IIc)または(IId)の化合物およびその同位体置換体の代謝パターンを求めるために使用することができる。さらに本発明は、これらの重水素化された同位体置換体を含む組成物および本明細書に記載する疾患および状態を治療する方法を提供する。
【0094】
他の実施形態において、本発明の方法は、式(IIc)のプロスタサイクリン化合物を製造することを含む。さらなる実施形態において、Rは、直鎖C〜C18アルキルまたは分岐C〜C18アルキルである。例えば、一実施形態において、Rは直鎖C〜C18アルキルである。式(IIc)の他の実施形態において、Rは直鎖C〜C10アルキルである。式(IIc)のさらなる他の実施形態において、Rはヘキシル、ヘプチルまたはオクチルである。
【0095】
本明細書に記載する方法により製造することができる式(IIa)および式(IId)の化合物を次の表3および表4に示す。
【0096】
【表3】
【0097】
【表4】
【0098】
本発明のさらなる他の実施形態は、式(III):
【化67】

(式中、RおよびRは式(I)および(II)と同義であり、
およびRは、独立に、H、置換されていてもよい直鎖もしくは分岐C〜C15アルキル、置換されていてもよい直鎖もしくは分岐C〜C15アルケニル、(C=O)−置換されていてもよい直鎖もしくは分岐C〜C15アルキルまたは(C=O)−置換されていてもよい直鎖もしくは分岐C〜C15アルケニルから選択され、但し、式(III)のプロスタサイクリン化合物はトレプロスチニルではない)のプロスタサイクリン化合物またはその医薬上許容される塩の製造方法に関する。
【0099】
一実施形態において、本発明の製造方法は、R位、R位および/またはR位の1または2以上の位置にキラルな部分を含むプロスタサイクリン化合物を提供する。例えば、一実施形態において、R位に位置する部分はキラルな部分であり、R体、S体またはこれらの混合物のいずれかを含む。R位、R位および/またはR位の光学異性体はD/L表記法を用いて区別することもできる。例えば、Rはアミノ酸またはアミノ酸部分であり、このアミノ酸またはアミノ酸部分はD体、L体またはこれらの混合物であってもよい。
【0100】
一実施形態において、R部分、R部分および/またはR部分の1種または2種以上はR体またはS体である。他の実施形態において、本明細書において提供するR部分、R部分および/またはR部分の1種または2種以上はR部分およびS部分の混合物を含む。本明細書において使用される「R体」または「S体」は光学的に純粋な異性体を意味する。「光学的に純粋な異性体」とは、R体またはS体(D/L表記法を用いる場合はD体またはL体)の純度が少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%である。ラセミ化合物は、両方の光学異性体を等量ずつ含む混合物である化合物である。
【実施例】
【0101】

以下に示す実施例を参照しながら本発明をさらに説明する。しかしながら、これらの実施例は上に述べた実施形態と同様に例示であり、本発明の範囲を何らかの形で限定するものと解釈すべきではないことに留意されたい。
【0102】
実施例1−トレプロスチニルアルキルエステルの合成
カルボン酸部分をアルキル基で誘導化したトレプロスチニル化合物を調製した。具体的には、トレプロスチニルのカルボン酸部分を、C、C、C、C、C、C、C10、C12、C16およびC18アルキル鎖で誘導体化する(すなわち、下に示す式(A)のRをC、C、C、C、C、C、C10、C12、C16またはC18アルキルにする)ことにより様々なエステル鎖長を有するトレプロスチニルアルキルエステルを生成した。トレプロスチニルは、例えば,米国特許第6,765,117号および米国特許第8,497,393号に開示された方法により合成することができる。プロスタグランジン誘導体の合成は米国特許第4,668,814号に開示されている。米国特許第6,765,117号、米国特許第8,497,393号および米国特許第4,668,814号のそれぞれの開示内容全体をあらゆる目的のために本明細書の一部を構成するものとしてここに援用する。
【化68】
【0103】
スキーム1:
強酸性樹脂Amberlyst(登録商標)15(Rohm and Haas)を触媒として使用してトレプロスチニルのエステル化を行った。トレプロスチニル酸を無水ジオキサン/アルコールに10mg/mL(通常4mL)の濃度で溶解した。添加するアルコール(R−OH)は、対応する鎖長を有するR基を得るのに適するものとした。一例として、C(エチルエステル)化合物の場合、アルコールはエタノールとした。溶媒中のアルコールのモル量はトレプロスチニルのモル量の10倍とした。
【0104】
洗浄および乾燥させたAmberlyst樹脂にトレプロスチニルのジオキサン/アルコール溶液を加えた。ガラスバイアル中、樹脂1g当たりトレプロスチニル40mgを加えた。混合物を振盪機に載置し、40℃で一晩インキュベートした。次いでバイアルから液体部分を抜き取り、ジオキサン3mLで洗浄した。次いで回収した溶媒を全て集めた。溶媒を窒素気流中、蒸発が停止するまで乾燥させた。残留しているトレプロスチニルアルキルエステルおよび不揮発性アルコール(長鎖アルコールを使用した場合)をヘキサン/酢酸エチル(1:1)2mLに溶解し、等量のリン酸エステル緩衝液、次いで水で液液抽出することにより精製した。次いで有機層を分離し、窒素気流中で乾燥させ、さらに真空中で乾燥させた。長鎖アルコールを使用した場合は、液体クロマトグラフィーでアルコールを分離するさらなる精製ステップが必要であった(ACE CN、5μm、Ultra-Inert HPLCカラム、100×21.2mmを使用し、移動相をヘキサン/プロパノール98:2%とした)。
【0105】
スキーム2:
(1R,2R,3aS,9aS)−[[2,3,3a,4,9,9a−ヘキサヒドロ−2−ヒドロキシ−1−[(3S)−3−ヒドロキシオクチル]−1H−ベンズ[f]インデン−5−イル]オキシ]酢酸(トレプロスチニル)(78.1mg、200μmol)を1,4−ジオキサン(2.0mL)に溶解した溶液にAmberlyst(登録商標)15樹脂(2.0g)およびアルコールR−OH(2.0mmol、10当量)を加えた。反応混合物を40℃に加熱し、約100rpmで18〜196時間振盪した。溶媒を除去し、樹脂をアセトニトリル(MeCN)(3×3mL)で洗浄した。1,4−ジオキサンおよびMeCN抽出液を合一し、加温した穏やかなN気流中で、穏やかに加熱することにより、高密度のロウ状固体を得た。粗生成物を20%PrOH/ヘキサンに溶解し、分取HPLCで精製した。精製物から、加温した穏やかなN気流中、穏やかに加温することによって、溶媒を除去することにより、オフホワイト色のロウ状固体を得た。純粋な物質を保存するために乳酸エチルに懸濁させた。また、濃度を測定するために分析HPLCに付した。
【0106】
一例として、スキーム2の方法により、次の表5に記載する式(A)の化合物を合成した。
【0107】
【表5-1】
【0108】
【表5-2】
【0109】
トレプロスチニルのアルキルエステルを合成するための一般的な流れ図を図1および下のスキーム1に示す。アルコールは所望のアルキルエステル鎖長(例えば、偶数または奇数の鎖長を有する直鎖または分岐鎖のC〜C18アルキルエステル)に基づき調整することができる。トレプロスチニルエステルプロドラッグの合成に使用される他の反応条件を下の表6に示す。
【化69】
【0110】
【表6-1】

【0111】
実施例2−トレプロスチニル誘導体のアシル化
トレプロスチニルまたはトレプロスチニルエステル誘導体(例えば、実施例1で調製したようにアルキル基またはアルケニル基でカルボン酸部分を誘導体化したもの)を次に示すようにアシル化する。
【0112】
実施例1の化合物(0.05mol)またはトレプロスチニルを0℃でジクロロメタン10mLに溶解する。ジメチルアミノピリジン(20mol%)を加えた後、塩化アシルR(CO)Cl(2.1当量)(Rは本明細書に記載するRまたはR)の溶液を実施例1の化合物またはトレプロスチニルに0℃で加える。溶液を23℃に加温しながら1時間撹拌する。この反応を薄層クロマトグラフィーで監視し、さらなる変化が観測されなくなったらNaHCO(飽和)で反応を停止し、反応停止した混合物をジクロロメタン(3×10mL)で抽出する。有機抽出液を合一して無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、溶媒を減圧下に濃縮することにより粗生成物を得る。ジクロロメタン中メタノール(2%)を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製する。
【0113】
アシル化されたトレプロスチニルプロドラッグおよびトレプロスチニル誘導体プロドラッグを合成するための一般的なスキームを下図および図2に示す(Rは本明細書に記載した通り、例えばHまたは直鎖もしくは分岐アルキル基である):
【化70】
【0114】
当該技術分野において知られている他のアシル化法(それぞれの2級アルコールの選択的アシル化を含む)を用いることもできる。さらにRは、2級ヒドロキシル基をアシル化した後にR基が選択的に除去されるように選択することができる。このように保護基を用いる方策は当業者に知られており、例えば、Peter G.M. Wutes and Theodora W. Greene, Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis, 4th Edition, Wiley (2006)に記載されている(その全内容をあらゆる目的のために本明細書の一部を構成するものとしてここに援用する)。この種のプロセスの例示的なスキームを次に示す:
【化71】
【0115】
16TR−OAcの合成:
【化72】

ヘキサデシルトレプロスチニル(C16TR)(78.1mg、200μmol)を1,4−ジオキサン(2.0mL)に溶解した溶液に、トリエチルアミン(TEA)(98μL、700μmol、3.5当量)、無水酢酸(166μL、1,760μmol、8.8当量)および触媒量のジメチルアミノピリジン(DMAP)を加えた。反応混合物を40℃で72時間振盪した。溶媒を減圧下に除去することにより無色粘稠性(thick)油状物を得た。この粗生成物をヘキサンに溶解し、飽和NaHCO(3×5mL)溶液で洗浄した。有機層を合一し、加温した穏やかなN気流中、穏やかに加温することによって溶媒を除去することにより、無色粘稠性油状物を得た。粗生成物を20%PrOH/ヘキサンに溶解し、0.45μmのシリンジフィルターを通過させ、分取HPLC精製に付した。この精製物から、加温した穏やかなN気流中、穏やかに加温することによって溶媒を除去することにより、無色粘稠性油状物を得た。純粋な材料を保存するために乳酸エチルに懸濁させた。また、濃度を測定するために分析HPLCに付した。
【0116】
16−TR−OAc:全収率73%。さらにこの化合物をNMR分光法により特性評価した。
H NMR(500MHz,CDCl)δ 0.89(t,J=7.0Hz,6H),1.17−1.32(m,33H),1.43−1.46(m,2H),1.49−1.66(m,8H),1.89−1.93(m,1H),1.99(s,3H),2.06(s,3H),2.30−2.35(m,2h),2.47(dのd,J=14.5Hz,J=6.0Hz,1H),2.55(dのd,J=15.0Hz,J=6.0Hz,1H),2.76(dのd,J=14.5Hz,J=6.0Hz,1H),2.90(dのd,J=15.0Hz,J=6.0Hz,1H),4.19(t,J=7.0Hz,2H),4.62(s,2H),4.70−4.74(m,1H),4.87(p,J=6.0Hz,1H),6.63(d,J=8.0Hz,1H),6.82(d,J=8.0Hz,1H),7.08(t,J=8.0Hz,1H)ppm;13C NMR(125MHz,CDCl)δ 14.2,14.3,21.5(2),22.7,22.9,25.1,26.0(2),28.3,28.8,29.4,29.6,29.7,29.8,29.9,31.9,32.1,33.6,33.7,34.3,37.8,40.7,49.0,65.6,66.2,74.6,79.0,109.8,121.8,126.4,127.6,140.7,155.1,169.6,171.0,171.1 ppm.
【0117】
実施例3−トレプロスチニルアミド誘導体の合成
トレプロスチニルは市販されており、例えば、米国特許第6,765,117号および米国特許第8,497,393号に開示されている方法により合成することができる。プロスタグランジン誘導体の合成は米国特許第4,668,814号に記載されている。米国特許第6,765,117号、米国特許第8,497,393号および米国特許第4,668,814号の開示内容をそれぞれ本明細書の一部を構成するものとしてここに援用する。
【0118】
(1R,2R,3aS,9aS)−[[2,3,3a,4,9,9a−ヘキサヒドロ−2−ヒドロキシ−1−[(3S)−3−ヒドロキシオクチル]−1H−ベンズ[f]インデン−5−イル]オキシ]酢酸(すなわち、トレプロスチニル)(78.1mg、200μmol)を1,4−ジオキサン(2.0mL)に溶解した溶液に、トリエチルアミン(TEA)(98μL、700μmol、3.5当量)と、アルキルアミンR−NH(240μmol、1.2当量)と、PyBOP(364mg、700μmol、3.5当量)をMeCN(アセトニトリル)(2.0mL)に溶解した溶液とを加えた。
【0119】
反応混合物を40℃に加熱し、約100rpmで一晩振盪した。溶媒を減圧下に除去することにより粗生成物を黄色粘稠性油状物として得た。20%PrOH/ヘキサン(3×3mL)で繰り返し洗浄することにより、この油状物から生成物を抽出(液−液抽出)した。有機抽出液を、加温した穏やかなN気流中、穏やかに加熱することによって溶媒を除去することにより、淡黄色粘稠性油状物を得た。粗生成物を20%PrOH/ヘキサンに溶解し、0.45μmのシリンジフィルターを通過させ、分取HPLC精製に付した。精製物を、加温した穏やかなN気流中、穏やかに加熱することによって溶媒を除去することにより、無色粘稠性油状物を得た。純粋な物質を保存するために乳酸エチルに懸濁させた。また、濃度を測定するために分析HPLCに付した。
【0120】
次に示す式Bのトレプロスチニルアミド誘導体を上に示した合成スキームにより製造した(表6)。括弧内に収率も示す。
【化73】
【0121】
【表6-2】
【0122】
【表6-3】
【0123】
−TR−AおよびC12−TR−AをNMR分光法により特性評価した。
C6−TR−AのNMRによる特性評価
H NMR(500MHz,CDCl)δ 0.90(q,J=7.0Hz,6H),1.17(q,J=12.0Hz,1H),1.30−1.70(m,18H),1.81−1.83(m,1H),1.80−1.93(m,1H),2.20(p,J=6.0Hz,1H),2.22−2.23(m,1H),2.47−2.54(m,2H),2.75−2.82(m,2H),3.16(sextet,J=4.0Hz,1H),3.35(q,J=7.0Hz,2H),3.63(s,1H),3.70−3.80(m,1H),4.48(s,2H),6.55(s,1H),6.70(d,J=7.5Hz,1H),6.85(d,J=7.5Hz,1H),7.11(t,J=7.5Hz,1H)ppm;13C NMR(125MHz,CDCl)δ 14.2,14.3,22.8,22.9,25.6,26.4,26.7(2),28.8,29.7,31.6,32.1,33.0,33.8,35.1,37.7,39.2,41.4,41.6,46.5,52.4,68.4,72.8,110.4,122.2,126.8,127.3,141.2,154.5,168.7 ppm;HRMS(ESI,2:2:1 MeCN,MeOH,HO):m/z=474.35717([M+H]).
C12−TR−AのNMR特徴
HRMS(ESI,2:2:1 MeCN,MeOH,HO):m/z=558.45099([M+H]).
【0124】
ここに記載した発明をその特定の実施形態を参照しながら説明してきたが、本発明の真の趣旨を逸脱することなく様々な変更を行うことが可能であり、均等物に置き換えることも可能であることを当業者は理解すべきである。加えて、ここに記載した発明の目的の趣旨および範囲に適合させるために、特定の状況、材料、組成物、プロセス、プロセスステップまたはステップに多くの修正を施すことも可能である。これらの修正は全て添付の特許請求の範囲内で行うことを意図している。
【0125】
本明細書において引用する特許、特許出願、特許出願公開、雑誌記事および手順全体をあらゆる目的のために本明細書の一部を構成するものとしてここに援用する。
図1
図2