(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記加工装置とは別の位置に設けられ、前記ワークが内側を通過する筒状をなして前記ワーク嵌合孔の同軸上で直動し、前記ワーク嵌合孔に接近する過程で前記複数のワーク保持部材に摺接して前記複数のワーク保持部材を前記第1位置に退避させる排出スリーブと、
前記複数のワーク保持部材を前記第1位置に退避させている前記排出スリーブに向けて前記ワーク嵌合孔内のワークを押し出すノックアウトピンと、を備える請求項3に記載の加工機。
前記加工装置とは別の位置に設けられ、長尺状をなしかつ先端部にワークが嵌合して仮保持される仮保持部を有し、前記ワーク嵌合孔の同軸上を直動して前記ワーク嵌合孔にワークを押し込む押込ロッドと、
前記押し込みロッドに設けられ、前記ワーク嵌合孔に接近する過程で前記ワーク保持部材に摺接して前記第1位置に退避させる第1摺接部と、を有する請求項3又は4に記載の加工機。
前記複数のワーク保持部材には、前記ワーク嵌合孔に近い側の端部から前記ワーク嵌合孔の中心軸側に張り出し、前記ワーク嵌合孔に嵌合されているワークに前記ワーク嵌合孔の中心軸方向から当接するワーク当接部が備えられ、
前記第1摺接部は、前記ワーク嵌合孔の開口から遠い側の端部に配置され、前記ワークを前記ワーク保持部材に当接させないように前記ワーク保持部材を前記第1位置に退避させる請求項5に記載の加工機。
前記自転制御部は、前記公転ベースが前記公転ステップ角ずつ公転する度に、予め設定された自転ステップ角ずつ前記自転ベースを自転させて、前記固定分割位置毎に前記ワークのうち前記公転軸側を向く位置を変化させる請求項7に記載の加工機。
前記自転制御部は、公転停止中に前記自転ベースを複数の自転位置に位置決め制御し、前記複数の加工装置の少なくとも1つは、公転停止中に前記ワークの自転軸回りの複数箇所を加工する請求項7又は8に記載の加工機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の加工機では、ワークに対する加工方向が変わる度に、ワークをダイから排出して隣のダイに移動する動作を要するので、ワークの表面がダイとの摺接によって傷が付き易いという問題があった。また、ワークの表面に傷が付き難くなるようにダイに対するワークの嵌合を緩くすると加工位置がばらつくという問題が生じる。そこで、ワークに対して複数方向から加工を行ってもワークの表面に傷が付き難くかつ高い位置精度で加工を行うことが可能な技術の開発が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためになされた請求項1の発明は、筒形のワークを保持したワーク治具を複数の加工装置に移動してワークに複数回に亘って加工を行う加工機であって、前記ワーク治具には、ワークがその一端部を残して嵌合されるワーク嵌合孔を有した治具ベース部と、前記ワーク嵌合孔の中心軸方向とそれに直交する軸直交方向との両方向で、前記ワーク嵌合孔から離間した第1位置と、前記両方向で前記第1位置より前記ワーク嵌合孔に近い第2位置との間を移動し、前記第2位置又はその近傍で前記ワークの前記一端部に前記中心軸方向から当接するワーク保持部材と、前記ワーク保持部材を前記第2位置に付勢する弾性部材と、前記ワーク嵌合孔に側方から連通する複数のパンチガイド孔と、が備えられ、前記複数の加工装置には、前記ワーク内に進退可能な複数の芯金と、前記パンチガイド孔に通して前記ワーク嵌合孔内の突入し、前記芯金と協働してワークを押圧して加工するパンチと、が備えられている加工機である。
【0006】
請求項2の発明は、前記ワーク保持部材を前記軸直交方向に直動可能に支持すると共に、前記中心軸方向に直動可能に前記治具ベース部によって支持される支持ベースと、前記治具ベース部に回動可能に支持され、前記中心軸から離間する前記ワーク保持部材に押されて回動する第1アームと、前記第1アームと一体に又は連動して回動し、前記第1アームが前記ワーク保持部材に押されて回動したときに、前記支持ベースを前記中心軸方向で前記ワーク嵌合孔から離間させる方向に押圧する第2アームとを有する請求項1に記載の加工機である。
【0007】
請求項3の発明は、前記ワーク保持部材は、前記ワーク嵌合孔の中心軸回りの複数位置に配置されて、共通の前記支持ベースの支持されている請求項1又は2に記載の加工機である。
【0008】
請求項4の発明は、前記加工装置とは別の位置に設けられ、前記ワークが内側を通過する筒状をなして前記ワーク嵌合孔の同軸上で直動し、前記ワーク嵌合孔に接近する過程で前記複数のワーク保持部材に摺接して前記複数のワーク保持部材を前記第1位置に退避させる排出スリーブと、前記複数のワーク保持部材を前記第1位置に退避させている前記排出スリーブに向けて前記ワーク嵌合孔内のワークを押し出すノックアウトピンと、を備える請求項3に記載の加工機である。
【0009】
請求項5の発明は、前記加工装置とは別の位置に設けられ、長尺状をなしかつ先端部にワークが嵌合して仮保持される仮保持部を有し、前記ワーク嵌合孔の同軸上を直動して前記ワーク嵌合孔にワークを押し込む押込ロッドと、前記押し込みロッドに設けられ、前記ワーク嵌合孔に接近する過程で前記ワーク保持部材に摺接して前記第1位置に退避させる第1摺接部と、を有する請求項3又は4に記載の加工機である。
【0010】
請求項6の発明は、前記複数のワーク保持部材には、前記ワーク嵌合孔に近い側の端部から前記ワーク嵌合孔の中心軸側に張り出し、前記ワーク嵌合孔に嵌合されているワークに前記ワーク嵌合孔の中心軸方向から当接するワーク当接部が備えられ、前記第1摺接部は、前記ワーク嵌合孔の開口から遠い側の端部に配置され、前記ワークを前記ワーク保持部材に当接させないように前記ワーク保持部材を前記第1位置に退避させる請求項5に記載の加工機である。
【0011】
請求項7の発明は、公転軸を中心に回転する公転ベースと、前記公転ベースのうち前記公転軸回りを複数等分する位置に配置されかつ前記公転軸と平行な自転軸を中心に自転可能に支持される複数の自転ベースと、前記公転ベースと別個に前記公転軸を中心に回転可能な太陽歯車と、前記複数の自転ベースに一体回転に設けられかつ前記太陽歯車にギヤ連結されている複数の遊星歯車と、を備えて、複数の前記ワーク治具が、前記複数の自転ベースに設けられて、前記ワーク嵌合孔の中心軸と前記自転軸とが一致するように配置され、前記公転軸回りを前記複数等分しかつ固定された複数の固定分割位置のうちの1つ前記固定分割位置に配置されて、前記ワーク治具に前記ワークを供給するワーク供給装置と、前記ワーク供給装置とは別の1つの前記固定分割位置に配置されて、前記自転ベースから前記ワークを排出させるワーク排出装置と、を備えて、前記複数の加工装置が、前記ワーク供給装置と前記ワーク排出装置との間の複数の前記固定分割位置に配置され、各前記ワーク治具が前記固定分割位置からその隣の前記固定分割位置へと順次移動するように、前記公転ベースを公転ステップ角ずつ一方向に回転させる公転制御部と、前記公転ベースの回転に応じて前記太陽歯車を複数の回転位置に位置決め制御する自転制御部と、を備える請求項1乃至6の何れか1の請求項に記載の加工機である。
【0012】
請求項8の発明は、前記自転制御部は、前記公転ベースが前記公転ステップ角ずつ公転する度に、予め設定された自転ステップ角ずつ前記自転ベースを自転させて、前記固定分割位置毎に前記ワークのうち前記公転軸側を向く位置を変化させる請求項7に記載の加工機である。
【0013】
請求項9の発明は、前記自転制御部は、公転停止中に前記自転ベースを複数の自転位置に位置決め制御し、前記複数の加工装置の少なくとも1つは、公転停止中に前記ワークの自転軸回りの複数箇所を加工する請求項7又は8に記載の加工機である。
【0014】
請求項10の発明は、請求項1〜9の加工機を使用して筒状のワークにその軸方向と直交する複数の貫通孔を穿孔する加工方法である。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の加工機では、ワーク治具のワーク嵌合孔にワークがその一端部を残して嵌合した状態で、ワーク治具と共に複数の加工装置に移動してワークに複数回に亘って加工を行う。これにより、ワーク嵌合孔に対するワークの出し入れの頻度が抑えられ、ワークに傷が付き難くなる。また、ワーク治具には、ワークの一端部に中心軸方向から当接するワーク保持部材が備えられているので、移動中のワーク治具に対するワークの位置ずれが防がれる。さらに、ワーク保持部材は、ワーク嵌合孔の中心軸方向と軸直交方向との両方向でワーク嵌合孔から離間した第1位置と、両方向で第1位置よりワーク嵌合孔に近い第2位置との間を移動するので、ワーク保持部材を第2位置に配置した状態にして、ワーク嵌合孔に対するワークの挿抜を容易に行うことができる。しかも、ワーク治具には、ワーク嵌合孔に側方から連通する複数のパンチガイド孔が備えられ、複数の加工装置のパンチが複数のパンチガイド孔に通してワーク嵌合孔内に突入してワークを加工するので、異なる加工装置のパンチによって加工される複数の被加工部分同士の位置精度を高くすることができる。つまり、本発明の加工機によれば、ワークの表面に傷が付き難くかつ高い位置精度で加工を行うことが可能になる。
【0016】
ワーク保持部材を、第1位置と第2位置との間を移動して、ワーク嵌合孔の中心軸方向と軸直交方向との両方向で、ワーク嵌合孔に対して接近及び離間するための構成としては、例えば、第1位置と第2位置との間を結ぶように延びるガイド溝を設け、そのガイド溝にワーク保持部材に設けた突部をスライド係合させてもよいし、請求項2の構成のようにしてもよい。
【0017】
請求項3の加工機は、ワーク保持部材を複数備えているので、ワーク嵌合孔に対するワークの抜け止めが安定する。
【0018】
請求項4の加工機によれば、ワーク嵌合孔からのワークの排出をスムーズに行うことができる。
【0019】
請求項5の加工機では、ワーク押込ロッドへのワークの供給を効率よく行うことができる。
【0020】
請求項6の加工機では、ワークをワーク支持部材に摺接させずにワーク嵌合孔に嵌合することができ、ワークに傷が付き難くなる。
【0021】
請求項7の加工機では、公転ベースの公転軸回りに複数の自転ベースが自転可能に支持されると共に、公転軸回りの複数の固定分割位置に、ワーク供給装置と、複数の加工装置と、ワーク排出装置とが配置されているので、公転ベースを連続回転させることで多くのワークを連続して加工することができる。
【0022】
請求項8の加工機によれば、自転ベースが公転ステップ角ずつ公転する度に自転ステップ角ずつ自転ベースが自転し、ワークの自転軸回りに自転ステップ角の間隔を空けて複数の加工を行うことができる。
【0023】
請求項9の加工機によれば、加工装置の数より多くの方向からワークに加工を行うことができる。
【0024】
請求項10の加工方法では、請求項1〜9の加工機を使用して筒状のワークに複数の貫通孔を穿孔するので、ワークの表面に傷が付き難くかつワークに形成される複数の貫通孔の位置が安定する。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、
図1〜
図21を参照して、加工機10の実施形態について説明する。
図1には加工機10によって貫通孔90Eが加工されたワーク90が示されている。このワーク90は、上下方向に延びる筒状をなし、上端は端部壁91にて閉塞され、下端は開放している。また、ワーク90は、上方に向かって段階的に縮径した形状をなし、下端側から順番に大径部90A、中径部90B、小径部90Cを備える。そして、小径部90Cの周面を8等分する位置に貫通孔90Eが加工機10によって加工される。
【0027】
なお、貫通孔90Eが加工される前のワーク90は、図示しないトランスファープレス機によって板金から成形される。その際、ワーク90は端部壁91が下端に位置した状態で成形され、上下を反転させてトランスファープレス機から加工機10の後述するワーク収容部100(
図12参照)へと排出される。
【0028】
図3に示すように、加工機10は、例えば正方形の支持盤11を有し、その支持盤11の上面中央から
図4に示した中央架台12が起立している。また、中央架台12の上面には、公転用サーボモータ17のステータが固定され、そのステータの上面には減速機18の本体部が固定されている。そして、減速機18の下面中央の入力部に、公転用サーボモータ17の回転出力軸が連結される一方、減速機18の上面中央の出力部に、公転ベース19が取り付けられている。これにより、公転用サーボモータ17を駆動源にして公転ベース19が回転駆動される。以下、公転ベース19の回転軸を公転軸J1と呼ぶこととする。
【0029】
公転ベース19は、円板状をなして減速機18より側方に張り出している。また、
図5に示すように、公転ベース19には、複数の自転ベース30が公転軸J1と平行な自転軸J2を中心に自転可能に取り付けられている。具体的には、公転ベース19のうち公転軸J1回りを4等分する架空の線と公転軸J1を中心とする架空の円との4つの交点を通りかつ公転軸J1と平行な自転軸J2(
図4参照)を中心に回転可能に4つの自転ベース30が支持されている。そのために、
図6に示すように、公転ベース19には、各自転軸J2を中心とする円形の貫通孔19Aが形成されて、そこに支持スリーブ37が貫通した状態に固定されている。そして、支持スリーブ37内の1対のベアリングBに回転スリーブ31が回転可能に支持されている。
【0030】
回転スリーブ31は、支持スリーブ37の上方と下方とに突出していて、支持スリーブ37の上端部には、遊星歯車25が一体回転に取り付けられている。遊星歯車25は、円板状をなした例えば平歯車であって、回転スリーブ31より側方に張り出している。そして、
図3に示すように、公転ベース19の中央上方に配置された太陽歯車24に、複数の自転ベース30の遊星歯車25がギヤ連結されている。
【0031】
なお、本実施形態の公転ベース19には、4つの自転ベース30が支持されているが、4つ以外の複数であってもよい。また、太陽歯車24と遊星歯車25とが直接ギヤ連結されているが、太陽歯車24と遊星歯車25とがアイドルギヤを介してギヤ連結されていてもよい。
【0032】
図5に示すように、太陽歯車24は、支持盤11から起立した門形架台20に支持されている。門形架台20は、公転ベース19の上方位置を支持盤11の対角線上に沿って水平に延びる架橋部20A(
図3参照)の両端部を、公転ベース19を挟んで対峙する1対の脚部20B(
図5参照)で支持した構造をなしている。また、架橋部20Aには、公転軸J1を中心とする貫通孔20Cが形成され、その貫通孔20Cを支持スリーブ20Dが貫通した状態に固定されている。そして、支持スリーブ20Dの内側にベアリングを介して駆動シャフト23が回転可能に支持され、その駆動シャフト23の下端部に前述の太陽歯車24が一体回転可能に取り付けられている。また、架橋部20Aの上面には、貫通孔20Cを囲むように円筒状のスペーサ28が固定され、そのスペーサ28に減速機22と自転用サーボモータ21とが積み上げられた状態に組み付けられている。そして、自転用サーボモータ21の回転出力軸が減速機22の上面中央の入力部に連結され、減速機22の下面の出力部が駆動シャフト23に連結されている。これにより、太陽歯車24は、公転ベース19とは別個に回転駆動され、太陽歯車24に連動して複数の自転ベース30が回転駆動される。即ち、複数の自転ベース30は、公転用サーボモータ17の動力によって公転軸J1の回りを公転すると共に、自転用サーボモータ21の動力によってそれぞれ公転軸J1と平行な自転軸J2を中心に自転する。
【0033】
図6に示すように、各自転ベース30には、ワーク90を保持するためのワーク治具40が備えられている。ワーク治具40には、回転スリーブ31の下端部に嵌合固定されたダイ32が含まれ、そのダイ32の中心部をワーク嵌合孔32Dが上下に貫通している。ワーク嵌合孔32Dは、下方から上方に向かって段階的に縮径した形状をなし、下端側から順番に大径部32A,中径部32B及び小径部32Cを有する。
【0034】
そして、
図8に示すように、ワーク90は、ワーク治具40に対し、ワーク嵌合孔32Dの大径部32A及び小径部32Cとの嵌合によって心出しされると共に、後述するノックアウトピン39との当接により軸方向で位置決めされる。また、その位置決めされた状態で、ワーク90の一部は、ワーク嵌合孔32Dから下方に突出する。
【0035】
図7に示すように、ワーク治具40には、自転軸J2と直交する方向で回転スリーブ31及びダイ32を貫通する複数のパンチガイド孔32Eが備えられている。それら複数のパンチガイド孔32Eは、自転軸J2回りを例えば8等分する位置に配置され、自転軸J2の軸方向においては、小径部32Cの中径部32B寄り位置に配置されている。また、パンチガイド孔32Eは、回転スリーブ31の外面からダイ32における内面寄り位置までが、それよりダイ32の内面側の内径に対して略3倍以上の大きさをなしている。
【0036】
なお、本実施形態の自転ベース30には、8つのパンチガイド孔32Eが備えられていたが、8つ以外の複数であってもよいし1つであってもよい。
【0037】
図8に示すように、ワーク治具40は、ワーク嵌合孔32Dに嵌合したワーク90を抜け止めするための1対のワーク支持部材43を有する。それら1対のワーク支持部材43は、ダイ32の下方位置で、水平方向で対向していて、互いに接近及び離間すると共に、接近及び離間動作に連動して昇降する。以下、ワーク治具40の機構について詳説する。
【0038】
図10に示すように、ダイ32の下端部からは、フランジ32Fが側方に張り出し、回転スリーブ31の下面に重ねて固定されている。また、
図9に示すように、フランジ32Fは、円板の180°離れた2箇所を平坦にカットした形状をなし、その平坦にカットされた部分には、後に詳説する1対の第1支持アーム33が固定されている。さらに、フランジ32Fのうち1対の第1支持アーム33から90°ずれた2位置には、1対の貫通孔が形成されて、それら貫通孔に嵌合固定された1対の支持ポール49がフランジ32Fから垂下されている。そして、それら支持ポール49に昇降ベース34が昇降可能に支持されている。
【0039】
昇降ベース34は、円環状のリング部材34Fを有し、そのリング部材34Fの外周面の180°離れた2箇所が平坦にカットされて、それらカットされた部分に1対の第2支持アーム35が固定されている。また、リング部材34Fのうち1対の第2支持アーム35から90°ずれた2位置には、1対の貫通孔が形成されて、それらにガイドスリーブ34Sが貫通した状態に固定されている。そして、それら1対のガイドスリーブ34Sの内側に前述の1対の支持ポール49が挿通されて、前述したように昇降ベース34が支持ポール49に昇降可能に支持されている。また、ガイドスリーブ34Sと支持ポール49のそれぞれの下端部にはフランジ34T,49Fが備えられ、それらフランジ34T,49Fの間に圧縮コイルばね48が挟まれて昇降ベース34が上方に付勢されている。
【0040】
1対の第2支持アーム35は、それぞれが上下方向に延びる帯板状をなして自転軸J2を挟んで対向している。また、1対の第2支持アーム35の上端部は、互いに接近する側に直角曲げされ、それらの先端面に形成された角溝に、前述したリング部材34Fの平坦にカットされた部分が嵌め込まれて固定されている。
【0041】
図10に示すように、両第2支持アーム35には、それらの対向方向に貫通する1対の貫通孔35Aが上下に並べて形成され、それらに1対のガイドスリーブ35Bが嵌合固定されている。また、1対のガイドスリーブ35Bには1対の支持ロッド42が直動可能に挿通されている。そして、一方の第2支持アーム35の1対の支持ロッド42の先端部に一方のワーク支持部材43に固定され、他方の第2支持アーム35の1対の支持ロッド42の先端部に他方のワーク支持部材43に固定されている。
【0042】
また、支持ロッド42のうちワーク支持部材43と第2支持アーム35とに挟まれた部分には、圧縮コイルばね36が挿通されていて、ワーク支持部材43が第2支持アーム35から離れる側に付勢されている。さらに、支持ロッド42のうちワーク支持部材43と反対側の基端部は、段付き状に拡径されたヘッド部42Hになっていて、ワーク支持部材43同士が最接近したときに、ヘッド部42Hがガイドスリーブ35Bに当接する。また、第2支持アーム35には、1対の貫通孔35Aの間に、それらと平行な螺子孔35Cが形成され、そこにストッパ用ボルト42Sが螺合している。そして、ワーク支持部材43同士が最も離間したときに、ストッパ用ボルト42Sがワーク支持部材43に当接する。
【0043】
図9に示すように、1対のワーク支持部材43は、合体させると六角柱の上面中央から円柱が起立した形状をなし、それが縦割りに2分割にされてそれぞれのワーク支持部材43になっている。そして、ワーク支持部材43のうち六角柱の分割体43Xに前述の1対の支持ロッド42が連結されている。また、支持ロッド42のうち円柱の分割体43Yの上端は、リング部材34Fの内側に受容されている。さらに、
図10に示すように、1対のワーク支持部材43の対向面には、上下方向に連続して延びる円弧溝43Mが形成され、ワーク支持部材43の上端部には、円弧溝43Mの上端を段付き状に縮径してなる円弧突壁43A(特許請求の範囲の「ワーク当接部」に相当する)が備えられている。
【0044】
図9に示すように、前述した1対の第1支持アーム33は、斜め上下方向にずらして配置された1対の水平部33X,33Yを垂直部33Zで連絡したクランク形状をなしている。そして、各第1支持アーム33の上側の水平部33Xの端部がフランジ32Fに固定されて第2支持アーム35を上方から覆い、垂直部33Zが第2支持アーム35の上部に側方から対向している。また、下側の水平部33Yは、支持ロッド42のヘッド部42Hより第2支持アーム35から離れた位置まで延びてヘッド部42Hを上方から覆っている。さらに、第1支持アーム33には、水平部33Y全体と垂直部33Zの下側部分とに跨がって、それらを幅方向で2分割するようにレバー受容部33Uが形成されている。また、第1支持アーム33の水平部33Yの先端部には、レバー受容部33Uの対向面間に支持ピン41Pが差し渡されている。そして、レバー受容部33Uに中継レバー41がそれぞれ受容されて支持ピン41Pに回動可能に支持されている。
【0045】
図10に示すように、中継レバー41は、略水平に延びる横アーム41Xとその一端から直角に下方に延びる縦アーム41Yとを有し、横アーム41Xと縦アーム41Yとの角部を支持ピン41Pが貫通している。また、第2支持アーム35の上部には、レバー受容部33Uと対向する位置にレバー受容部35Uが形成され、そのレバー受容部35Uに横アーム41Xの先端部が受容されている。さらに、横アーム41Xの先端部には下方に膨出する半円状の突部41Aが備えられてレバー受容部35U内の下面に当接している。また、縦アーム41Yの下端部にも、第2支持アーム35側に向かって膨出する半円状の突部41Bが備えられ、ヘッド部42Hの端面に当接している。これにより、1対のワーク支持部材43が押し広げられると、支持ロッド42により縦アーム41Yが押されて横アーム41Xが第2支持アーム35を下方に押す。その結果、昇降ベース34と共に1対のワーク支持部材43が降下する。
【0046】
つまり、1対のワーク支持部材43は、互いに離間しながら降下する。このとき圧縮コイルばね36,48が押し縮められる。また、1対のワーク支持部材43を押し広げることを止めると、圧縮コイルばね36,48の弾発力により、上記動作とは逆に、1対のワーク支持部材43が、互いに接近しながら上昇する。さらに、
図7及び
図16に示すように、1対のワーク支持部材43が最大に離間した第1位置に至ると、円弧突壁43A同士の間が、ワーク嵌合孔32Dの大径部32Aの直径より拡がると共に、ワーク嵌合孔32Dに嵌合されたワーク90より下方に位置する。一方、
図14に示すように、1対のワーク支持部材43が最大に接近した第2位置に至ると、円弧突壁43A同士の間が、ワーク嵌合孔32Dの大径部32Aの直径より僅かに狭くなり、ワーク嵌合孔32Dの嵌合されたワーク90に下方から当接し、ワーク90がワーク嵌合孔32Dに抜け止めされる。
【0047】
図6に示すように、自転ベース30には、ワーク嵌合孔32Dに嵌合したワーク90を排出するためにノックアウトピン39が備えられている。ノックアウトピン39は、上端寄り位置に段差面39Dを備え、その段差面39Dより下側の本体部39Hが、回転スリーブ31の上端部に嵌合固定されたスライドガイド44に直動可能に支持されている。また、スライドガイド44の上面からL形の支持部材45が起立している。そして、ノックアウトピン39のうち段差面39Dより上側の小径部39Sが支持部材45に直動可能に支持され、支持部材45の下面に段差面39Dが当接することで、ノックアウトピン39が可動範囲の上端位置に位置決めされる。さらに、ノックアウトピン39の本体部39Hの中間位置からはフランジ39Fが張り出し、フランジ39Fとダイ32の上面との間に圧縮コイルばね38が備えられ、ノックアウトピン39を上端位置に付勢している。その上端位置では、ノックアウトピン39の下端部は、ワーク嵌合孔32Dのうちワーク90が進入してこない上端部に突入した状態になる。自転ベース30の構造に関する説明は以上である。
【0048】
図3に示すように、加工機10には、自転ベース30にワーク90を供給するワーク供給装置50と、自転ベース30に保持されたワーク90を加工する複数(例えば、2つ)の加工装置70と、加工済みのワーク90を自転ベース30から排出するためにワーク排出装置80とが備えられている。これらワーク供給装置50、ワーク排出装置80及び複数の加工装置70は、公転ベース19に対する複数の自転ベース30の配置に対応して、支持盤11を公転軸J1回りに複数等分(例えば、4等分)した固定分割位置R1〜R4に配置されている。
【0049】
図3に示すように固定分割位置R1に配置されたワーク供給装置50には、
図4に示すように、公転半径方向(公転軸J1と直交しかつ固定分割位置R1を通過する方向)で第1スライド位置(
図11に示された位置)と第2スライド位置(
図12に示された位置)との間を往復移動するスライドベース53が備えられている。また、
図13に示すように、スライドベース53にはワーク90を側方から把持可能な1対のワーク把持部材52が搭載されている。
【0050】
詳細には、スライドベース53の上面からは、1対の支持ブロック53Aが起立して、公転半径方向と直交する第1水平方向で対向している。それら支持ブロック53Aには、第1水平方向に貫通する貫通孔が形成されてそこにロッド52Rが直動可能に支持されている。そして、前述の1つのワーク把持部材52が、1対のロッド52Rの先端部に固定されている。
【0051】
1対のロッド52Rの基端部には、1対のレバー124の上端部が連結されている。それらレバー124は、ブーメラン状に屈曲していて屈曲部がスライドベース53の両側部から垂下された1対の側壁53Sにピン124Pにて回動可能に支持されている。また、1対のレバー124の屈曲部より下側部分は、下方に向かって互いに接近するように延び、それらの下端部にはローラ124Rが取り付けられている。また、スライドベース53の下方にはワーク把持部材52同士の対向方向に延びる溝形レール125が設けられている。溝形レール125は、スライドベース53と一体になって公転半径方向に直動しかつスライドベース53に対して昇降可能に連結されている。そして、両レバー124のローラ124Rが溝形レール125に係合され、溝形レール125の昇降に連動して1対のワーク把持部材52が接近及び離間するようになっている。その溝形レール125は、後述するブレーキモータ110を駆動源として昇降される。
【0052】
また、1対のワーク把持部材52の互いの対向面には縦溝52Mが形成されている。それら縦溝52Mは、
図8に示すように、上下方向の中間位置より上側が段付き状に縮径された形状をなしている。そして、1対のワーク把持部材52の間にワーク90が挟持されると、
図6に示すように、ワーク90の大径部90Aと中径部90Bとが縦溝52Mの内面に当接する。
【0053】
図12に示すように、スライドベース53が公転軸J1から離れた側の第2スライド位置に位置したときに、ワーク把持部材52の真上となる位置には、上下に延びる筒状のワーク収容部100が備えられている。そして、前述したように図示しないトランスファープレス機からワーク90がワーク収容部100内に排出される。また、ワーク収容部100の下端部は、水平方向の移動するスライド蓋101によって開閉されるようになっている。さらに、スライド蓋101は、ブレーキモータ110とは別個の
図17に示された扉駆動源54(例えば、ソレノイド、エアーアクチュエータ)によって駆動される。また、ワーク収容部100には、内部にワーク90が収容されているか否かを検出するワーク検出センサ54S(
図17参照)が備えられている。
【0054】
そして、スライドベース53が第2スライド位置にしていることを条件にしてワーク収容部100が開き、ワーク把持部材52がワーク収容部100からワーク90を受け取って把持する。また、スライドベース53が公転軸J1側の第1スライド位置に位置すると、
図11に示すようにワーク把持部材52に把持されたワーク90が固定分割位置R1に停止した自転ベース30のワーク嵌合孔32Dの同軸下方に配置される。
【0055】
なお、スライドベース53は、ワーク把持部材52と共通のブレーキモータ110から動力を受けて動作する。その動力伝達機構については、後に説明する。
【0056】
図4に示すように、ワーク供給装置50には、ワーク嵌合孔32Dの下方でワーク把持部材52に把持されているワーク90をワーク嵌合孔32Dに下方から押し込むワーク押込ロッド51が備えられている。
図7に示すように、ワーク押込ロッド51は、円柱状の本体部51Aを有し、その本体部51Aより上側部分が下から順番に、テーパー部51B、第1円柱部51C,第2円柱部51D,第3円柱部51E、第4円柱部51Fになって、それらの間には、略水平な段差面がそれぞれ備えられている。なお、第1〜第3の各円柱部51C〜51Eにおけるそれぞれの中間位置より上側は僅かなテーパー角で縮径している。
【0057】
ワーク押込ロッド51は、ボール螺子機構によって上下に移動される。具体的には、
図11に示すようにワーク押込ロッド51は、上下に延びるボール螺子59の上端部に固定されている。また、ワーク押込ロッド51は、図示しない縦溝を有し、その縦溝にワーク供給装置50の支持台65に備えた図示しない係合突部がスライド可能に係合して回り止めされている。また、支持台65には、ボール螺子59に螺合したボールナット60が回転可能かつ上下に移動不能に支持され、ワーク把持用サーボモータ55の回転出力軸が、減速機56と1対のプーリ57とベルト58とを介してボールナット60に接続されている。これにより、ワーク押込ロッド51が昇降するように駆動される。
【0058】
ワーク押込ロッド51は、通常は、
図11に示すように、ワーク把持部材52に保持されたワーク90より下方で待機していて、スライドベース53が第1スライド位置に到達すると上昇する。すると、ワーク押込ロッド51の上端部がワーク90内に突入して嵌合される。そして、ワーク把持部材52が開かれて、ワーク押込ロッド51がさらに上昇し、ワーク押込ロッド51に嵌合されているワーク90が1対のワーク支持部材43内に干渉することなく進入する。そして、ワーク90の上端がワーク支持部材43の円弧突壁43Aに接近したところで、ワーク押込ロッド51のテーパー部51Bが、1対のワーク支持部材43の下縁部に当接する。
【0059】
そこからワーク押込ロッド51がさらに上昇すると、テーパー部51Bが1対のワーク支持部材43の下縁部に摺接して1対のワーク支持部材43が押し拡げられると共に、それに連動して降下する。その間に、ワーク90は、1対のワーク支持部材43を干渉せずに通過してワーク嵌合孔32Dに嵌合されていく。このように、ワーク90をワーク支持部材43に摺接せずにワーク嵌合孔32Dに嵌合するので、ワーク90に傷が付き難い。なお、本実施形態では、ワーク支持部材43の下縁部が、特許請求の範囲の「第1摺接部」に相当する。
【0060】
また、
図7に示すように、ワーク90の小径部90Cがワーク嵌合孔32Dの小径部32Cに圧入されると、ワーク押込ロッド51は上昇から反転して降下し、最初の待機位置まで移動する。すると、1対のワーク支持部材43が接近しながら上昇し、
図8に示すように、ワーク支持部材43の円弧突壁43Aがワーク90に下方から当接してワーク90がワーク嵌合孔32D内に抜け止めされる。
【0061】
図3に示すように、加工装置70は、ワーク供給装置50が配置された固定分割位置R1に対して時計回り方向の隣の固定分割位置R2とさらにその隣の固定分割位置R3とに配置されている。それら加工装置70は、同じ構造であるので、
図4に示された固定分割位置R3の加工装置70について以下説明する。同図に示すように、加工装置70は、上下方向に延びるパイプ状の芯金71を有する。芯金71は、支持台66から側方に張り出すアーム部66Aにより上下に移動可能に支持され、固定分割位置R3に停止したときの自転ベース30の公転軸J1の同軸上に配置されている。
【0062】
図14に示すように、芯金71は、上端寄り位置より上側部分が段付き状に縮径されている。また、芯金71の上端部には、径方向に貫通する芯金孔71Aが、周方向を8等分する位置に形成されている。そして、それらのうち2つの芯金孔71Aが、公転半径方向(公転軸J1と直交しかつ固定分割位置R3を通過する方向)に延びている。
【0063】
芯金71は、前述のブレーキモータ110から動力を受けて駆動され、通常は、自転ベース30が移動領域の下方で待機している。そして、芯金71の上方に自転ベース30が停止すると上昇し、芯金71の芯金孔71Aが自転ベース30の複数のパンチガイド孔32Eと同じ高さとなる位置まで上昇する。なお、芯金71は、前述のブレーキモータ110から動力を受けて動作する。その動力伝達機構については後に説明する。
【0064】
図4に示すように、加工装置70のうち自転ベース30の移動領域を挟んで公転軸J1の反対側には、支持台66の上部に組み付けられたボール螺子機構73が配置されている。そのボール螺子機構73のボール螺子73Aは、公転半径方向に延びて、回転不能かつ直動可能に支持されている。そして、ボール螺子73Aの先端部にパンチ72が固定されている。また、ボール螺子機構73の図示しないボールナットは、回転可能かつ直動不能に備えられ、パンチ用サーボモータ74の動力が図示しない1対のプーリとタイミングベルトを介してボールナットに付与されるようになっている。
【0065】
パンチ72は、ボール螺子73Aの同軸上に延び、
図14に示すように先端部が縮径されている。また、パンチ72は、自転ベース30のパンチガイド孔32Eと同じ高さに配置されている。そして、自転ベース30の何れかのパンチガイド孔32Eが公転半径方向を向きかつワーク90内に芯金71が配置された状態で、パンチ72がパンチガイド孔32Eに突入して、ワーク90に貫通孔90Eを穿孔する。そのとき打ち抜きカスは、芯金71内を通って芯金71の下方に排出される。
【0066】
図3に示すように、ワーク排出装置80は、1対の加工装置70が配置された固定分割位置R3に対して時計回りの隣の固定分割位置R4に配置されている。
図15に示すように、ワーク排出装置80は、上下方向に延びる筒状の排出スリーブ81を有する。排出スリーブ81は、支持台67から側方に張り出すアーム部67Aにより上下に移動可能に支持され、固定分割位置R4に停止したときの自転ベース30の公転軸J1の同軸上に配置されている。なお、排出スリーブ81は、前述のブレーキモータ110から動力を受けて動作する。また、次述する押下ロッド83もブレーキモータ110から動力を受けて動作する。それらの動力伝達機構については後に説明する。
【0067】
図16に示すように、排出スリーブ81の上端部の外周面には、上方に向かって縮径するテーパー部81Aが設けられている。また、排出スリーブ81の内径は、ワーク90の外径より大きい。そして、排出スリーブ81は、通常は、自転ベース30の移動領域の下方で待機していて、上方に自転ベース30が停止すると、1対のワーク支持部材43内の上部まで突入して1対のワーク支持部材43を押し広げる。
【0068】
図15に示すように、ワーク排出装置80のうち自転ベース30の移動領域の上方位置には、上下方向に延びた押下ロッド83が備えられ、支持台67の上部から側方に張り出すアーム部67Bにより上下に移動可能に支持されている。また、押下ロッド83は、圧縮コイルばね83Sによって、通常は、自転ベース30の移動領域の上方位置に保持されている。そして、押下ロッド83は、下方に自転ベース30が停止しかつ排出スリーブ81が1対のワーク支持部材43を押し広げた状態で降下し、ノックアウトピン39を押し下げる。これにより、ワーク90がワーク嵌合孔32Dから押し出され、排出スリーブ81の内側を通過してその下方に排出される。
【0069】
次に、前述したブレーキモータ110によって駆動される各部位への動力伝達機構について説明する。
図2に示すように、ワーク供給装置50、1対の加工装置70及びワーク排出装置80には、それらが配置されている固定分割位置R1〜R4の公転半径方向と直交する水平方向に延びたトルク伝達シャフト111が備えられて回転可能に支持されている。ワーク供給装置50のトルク伝達シャフト111は、ワーク排出装置80側の側部に配置され、1対の加工装置70及びワーク排出装置80の各トルク伝達シャフト111は、それら各装置の横方向全体に亘って延びている。そして、
図3に示すように、隣合うトルク伝達シャフト111が傘歯車112によってギヤ連結されている。また、前述のブレーキモータ110は、固定分割位置R1と固定分割位置R2との間に配置されて、固定分割位置R2のトルク伝達シャフト111に減速機を介して連結されている。これにより、全てのトルク伝達シャフト111がブレーキモータ110によって回転駆動される。
【0070】
また、ワーク供給装置50と1対の加工装置70とワーク排出装置80の各支持台65,66,67のうち公転軸J1と反対側の後部には、カム113が回転可能に支持されている。そして、1対のプーリ114とタイミングベルト115とを介して各カム113が各トルク伝達シャフト111に連結されている。また、ブレーキモータ110から全てのカム113までの間の減速比は同じになっていて、ブレーキモータ110によって全てのカム113が同じ回転速度で回転する。また、カム113と連動回転する部品には回転位置センサ113S(
図17参照。例えば、エンコーダ)が連結されて、カム113の回転位置を検出している。なお、
図2、
図4、
図15には、カム113は、簡略化して円板形状にして示されている。
【0071】
図4に示すように、ワーク供給装置50のスライドベース53には、カム113に従動するレバー120が略水平に延びるロッド120Rを介して接続されている。これにより、前述の如くスライドベース53がブレーキモータ110の動力を受けてスライドする。
【0072】
また、ワーク供給装置50の1対のワーク把持部材52を駆動するために、カム113に従動するレバー120が略鉛直に延びるロッド120Rに接続され、そのロッド120Rの上端部には、水平な転動プレート126が接続されている。そして、転動プレート126がレバー120の揺動に連動して上下に平行移動する。また、
図13にて説明した前述の溝形レール125の下面にはローラ125Rが備えられて、転動プレート126上を公転半径方向に転動するようになっている。これにより、スライドベース53の任意の位置で、1対のワーク把持部材52が前述の如くブレーキモータ110の動力を受けて接近及び離間する。
【0073】
図4に示すように、加工装置70の芯金71は、カム113に従動するレバー121を介して前述の如くブレーキモータ110の動力を受けて昇降する。また、
図15に示すように、ワーク排出装置80の排出スリーブ81もカム113に従動するレバー122を介して前述の如くブレーキモータ110の動力を受けて昇降する。さらに、ワーク排出装置80の押下ロッド83は、支持台67の上面に回動可能に支持されたレバー82と、支持台67の側部に昇降可能に支持されたカム113に従動して昇降する中継ロッド123とを介して前述の如くブレーキモータ110の動力を受けて降下する。
【0074】
図17に示すように、上述したブレーキモータ110、公転用サーボモータ17、自転用サーボモータ21等の各駆動源は駆動制御回路130に接続されている。駆動制御回路130には、PLC131が備えられ、加工機10が起動されると、PLC131が、加工制御プログラムPG1(
図18参照)を実行して以下のように加工機10が動作する。
【0075】
図18に示すように加工制御プログラムPG1が実行されると、カム113が原点位置(初期位置)に停止しかつワーク収容部100(
図11参照)内にワーク90が有ることを条件にして(S11及びS12でYES)、扉開閉処理(S13)が実行される。ここで、カム113の原点位置では、スライドベース53は第2スライド位置に配置され、1対のワーク把持部材52はワーク収容部100の下方に配置される。
【0076】
扉開閉処理(S13)が実行されると、扉駆動源54によってスライド蓋101が開かれ、ワーク収容部100から1対のワーク把持部材52に1つのワーク90が受け渡される。
【0077】
そして、扉開閉処理(S13)に次いでカム駆動処理(S14)が実行され、ブレーキモータ110が作動して全てのカム113が1回転だけ回転駆動される。ここで、カム113の1回転を1周期とすると、
図19に示したタイミングチャートのように1周期中にワーク供給装置50、加工装置70、ワーク排出装置80の各可動部位がブレーキモータ110からの動力を受けて動作する。また、カム駆動処理(S14)が実行されると、
図20及び
図21に示した従動制御プログラムPG2,PG3も実行され、ワーク把持用サーボモータ55とパンチ用サーボモータ74と自転用サーボモータ21とが、回転位置センサ113SSの検出結果に基づいて検出するカム113に対して従動する。
【0078】
具体的には、
図19に示すように、ワーク供給装置50においては、カム駆動処理(S14)が開始されるとスライドベース53が第1スライド位置に移動される(
図11参照)。すると、ワーク把持用サーボモータ55が作動してワーク押込ロッド51が1対のワーク把持部材52に把持されているワーク90内に嵌合する位置まで上昇する(従動制御プログラムPG2のS31でYES、S32)。このとき、例えばワーク把持用サーボモータ55の力制御により、ワーク90の下端にワーク押込ロッド51の段差面が当接するか、ワーク90の内部上面にワーク押込ロッド51の上面が当接する位置までワーク押込ロッド51がワーク90に押し込まれる。その後、1対のワーク把持部材52が離間する。すると、それに応じてワーク押込ロッド51が上昇し(従動制御プログラムPG2のS33でYES,S34)、前述したようにワーク押込ロッド51が1対のワーク支持部材43の間を押し広げて自転ベース30のワーク嵌合孔32Dにワーク90を押し込む。そして、ワーク把持用サーボモータ55が反転してワーク押込ロッド51が待機位置に戻る。
【0079】
各加工装置70においては、カム駆動処理(S14)が実行されると芯金71が上昇して芯金71の芯金孔71Aが自転ベース30のパンチガイド孔32Eと同じ高さになる上端位置に移動して待機する。そして、ワーク押込ロッド51がワーク90のワーク嵌合孔32Dへの押し込みを完了して1対のワーク支持部材43の下方に離脱したところで(従動制御プログラムPG3のS41、S42で共にYES)、カウンタnを「0」にする初期設定を行ってから、そのカウンタnを1つインクリメントする(従動制御プログラムPG3のS43,S44)。そして、パンチ用サーボモータ74が作動してパンチ72が待機位置から前進してワーク90に貫通孔90Eを穿孔してから待機位置に戻り(従動制御プログラムPG3のS45)、次いで、自転用サーボモータ21が作動して自転ベース30を公転ベース19に対して時計回り方向に1/8回転だけ回転駆動する(従動制御プログラムPG3のS46)。そして、カウンタnを1つインクリメントして、カウンタnが「4」になるまで上記動作を繰り返す(S47のNOのループ)。この動作を繰り返して各加工装置70がそれぞれワーク90に4つの貫通孔90Eを穿孔する。
【0080】
なお、上述した自転ベース30が1/8回転する間だけ、芯金71が上端位置から僅かに降下して芯金71とワーク90とが摺接しないようにしてもよい。
【0081】
ワーク排出装置80においては、カム駆動処理(S14)が実行されると排出スリーブ81が上昇して1対のワーク支持部材43を押し広げ、前述の如く、ノックアウトピン39によってワーク90をワーク嵌合孔32Dから押し出す。
【0082】
図19に示すように、カム駆動処理(S14)の開始から終了するまでの一周期の間に以上の動作が行われる。そして、カム駆動処理(S14)が終了すると、
図18に示すように、公転処理(S15)が行われて公転ベース19が90°(特許請求の範囲の「公転ステップ角」に相当する)だけ
図3の時計回り方向に回転駆動されると共に、自転処理(S16)が行われて自転ベース30が公転ベース19に対して時計回り方向に1/8回転だけ回転駆動される。これにより、固定分割位置R1〜R4にそれぞれ配置されていた自転ベース30が、それらの隣の固定分割位置R1〜R4に移動して初期状態に戻る。そして、再び、カム113が原点に配置されているか否かが判断されて(S11)で、上述した動作が繰り返される。このようにして加工機10では、ワーク90が、固定分割位置R1〜R4に間欠的に順次送給されて、ワーク90に対して異なる複数方向から複数の貫通孔90Eが加工される。
【0083】
本実施形態の加工機10の構成及び動作の説明は、以上である。以上説明してきたよう、本実施形態の加工機10及びこの加工機10を使用した加工方法によれば、ワーク治具40のワーク嵌合孔32Dにワーク90が嵌合した状態で、ワーク治具40と共に複数の加工装置70に移動してワーク90に複数回に亘って加工を行う。これにより、ワーク嵌合孔32Dに対するワーク90の出し入れの頻度が抑えられ、ワーク90に傷が付き難くなる。また、ワーク治具40には、ワーク90の一端部に中心軸(自転軸J2)方向から当接するワーク保持部材43が備えられているので、移動中のワーク治具40に対するワーク90の位置ずれが防がれる。さらに、ワーク保持部材43は、ワーク嵌合孔32Dの中心軸方向と軸直交方向との両方向でワーク嵌合孔32Dから離間した第1位置と、両方向で第1位置よりワーク嵌合孔32Dに近い第2位置との間を移動するので、ワーク保持部材43を第2位置に配置した状態にして、ワーク嵌合孔32Dに対するワーク90の挿抜を容易に行うことができる。しかも、ワーク治具40には、ワーク嵌合孔32Dに側方から連通する複数のパンチガイド孔32Eが備えられ、複数の加工装置70のパンチ72が複数のパンチガイド孔32Eに通してワーク嵌合孔32D内に突入してワーク90を加工するので、異なる加工装置70のパンチ72によって加工される複数の被加工部分(貫通孔90E)同士の位置精度を高くすることができる。つまり、本実施形態の加工機10によれば、ワーク90の表面に傷が付き難くかつ高い位置精度で加工を行うことが可能になる。
【0084】
また、公転ベース19の公転軸J1回りに複数の自転ベース30が自転可能に支持されると共に、公転軸J1回りの複数の固定分割位置に、ワーク供給装置50と、複数の加工装置70と、ワーク排出装置80とが配置されているので、公転ベース19を連続回転させることで多くのワーク90を連続して加工することができる。
【0085】
なお、本実施形態では、加工制御プログラムPG1の公転処理(S15)を実行しているときのPLC131を含む駆動制御回路130が、特許請求の範囲の「公転制御部」に相当し、加工制御プログラムPG1及び従動制御プログラムPG3の自転処理(S16、S46)を実行しているときのPLC131を含む駆動制御回路130が、特許請求の範囲の「自転制御部」に相当する。
【0086】
[他の実施形態]
(1)前記実施形態の加工機10は、2つの加工装置70が同じように動作して同一複数の貫通孔90Eをワーク90に穿孔していたが、複数の加工装置の間でワークに穿孔する貫通孔の数が異なっていてもよい。
【0087】
(2)また、公転ベース30が一定の公転ステップ角ずつ公転する度に、一定の自転ステップ角ずつ自転ベース30を自転させて各加工装置70にてワーク90に一方向だけから加工する構成としてもよい。
【0088】
(3)前記実施形態の加工機10の加工装置70は、ワーク90に貫通孔90Eを穿孔していたが、ワーク90に凹部を加工するものであってもよい。
【0089】
(4)前記実施形態の加工機10の加工装置70は、ワーク90に対して自転軸J2と直交する方向から加工を行っていたが、自転軸J2と斜めに交差する方向から加工を行うものであってもよい。
【0090】
(5)前記実施形態の加工機10によって加工されるワーク90は、円筒状であったが、円柱状、角筒状、角柱状、又はそれら以外の形状であってもよい。
【0091】
(6)前記実施形態の加工機10は、公転ベース19の回転により自転ベース30を、ワーク供給装置50,加工装置70、ワーク排出装置80,そして、再びワーク供給装置50へと循環するように移動していたが、自転ベース30を、例えば、トランスファープレス機に備えられているトランスファー装置によって直線的にワーク供給装置50,加工装置70、ワーク排出装置80へと移動する構成としてもよい。