特許第6866087号(P6866087)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6866087柱の仮接続方法、及び、それに用いられるエレクションピース
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6866087
(24)【登録日】2021年4月9日
(45)【発行日】2021年4月28日
(54)【発明の名称】柱の仮接続方法、及び、それに用いられるエレクションピース
(51)【国際特許分類】
   E04G 21/18 20060101AFI20210419BHJP
【FI】
   E04G21/18 C
【請求項の数】4
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-158034(P2016-158034)
(22)【出願日】2016年8月10日
(65)【公開番号】特開2018-25050(P2018-25050A)
(43)【公開日】2018年2月15日
【審査請求日】2019年7月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
(73)【特許権者】
【識別番号】596118530
【氏名又は名称】テクノス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100154726
【弁理士】
【氏名又は名称】宮地 正浩
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 竜彦
(72)【発明者】
【氏名】濱田 幸弘
(72)【発明者】
【氏名】内藤 充洋
【審査官】 西村 隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−355339(JP,A)
【文献】 特開平07−238684(JP,A)
【文献】 特開2002−138671(JP,A)
【文献】 特開2004−076479(JP,A)
【文献】 実開平07−038228(JP,U)
【文献】 特開2001−254437(JP,A)
【文献】 特開平09−302941(JP,A)
【文献】 特開2001−214516(JP,A)
【文献】 米国特許第06343444(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 21/18
E04B 1/58
E04B 1/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下の柱の接続端側の外周面のエレクションピース取り付け箇所に形成したボルト用孔を通して各々のエレクションピース取り付け箇所にボルトにてエレクションピースを着脱自在に取り付け、これら上下のエレクションピースを連結治具にて連結することで、上下の柱を位置決め状態で仮接続する柱の仮接続方法であって、
前記エレクションピース取り付け箇所において、前記柱の周方向で離した左右の前記ボルト用孔を柱の高さ方向で位置ズレさせる配置状態で形成し、
前記エレクションピースの取り付け箇所を、上下の前記柱の接続端側の外周面の各々の周方向複数箇所において柱の高さ方向で位置ズレさせる配置状態で形成する柱の仮接続方法。
【請求項2】
上下の柱の接続端側の外周面のエレクションピース取り付け箇所に形成したボルト用孔を通して各々のエレクションピース取り付け箇所にボルトにてエレクションピースを着脱自在に取り付け、これら上下のエレクションピースを連結治具にて連結することで、上下の柱を位置決め状態で仮接続する柱の仮接続方法であって、
前記エレクションピース取り付け箇所において、前記柱の周方向で離した左右の前記ボルト用孔を柱の高さ方向で位置ズレさせる配置状態で形成し、
前記エレクションピースを、前記柱の外周面に沿う柱固定板部と、当該柱固定板部の左右中間部から起立する連結治具取付部とから構成し、
前記柱固定板部における左右方向で前記連結治具取付部よりも左側の箇所及び右側の箇所、並びに、前記柱固定板部の左右中間部における上下方向で前記連結治具取付部よりも取り付け対象の前記柱の接続端から離れる側の箇所を前記ボルトにて前記柱に固定する柱の仮接続方法。
【請求項3】
前記柱の外周面に形成した前記ボルト用孔の裏側に、柱を補強する補強部材に兼用して、前記ボルトと螺合させるナットを溶接しておく請求項1又は2記載の柱の仮接続方法。
【請求項4】
上下の柱の接続端側の外周面のエレクションピース取り付け箇所に形成したボルト用孔を通して各々のエレクションピース取り付け箇所にボルトにてエレクションピースを着脱自在に取り付け、これら上下のエレクションピースを連結治具にて連結することで、上下の柱を位置決め状態で仮接続し、
前記エレクションピース取り付け箇所において、前記柱の周方向で離した左右の前記ボルト用孔を柱の高さ方向で位置ズレさせる配置状態で形成する柱の仮接続方法に用いられるエレクションピースであって、
前記柱の外周面に沿う柱固定板部と、当該柱固定板部の左右中間部から起立する連結治具取付部とが備えられ、
前記柱固定板部における左右方向で前記連結治具取付部よりも左側の箇所及び右側の箇所には、前記ボルトで前記柱に取り付けるためのボルト用孔が形成されているとともに、
左右の前記ボルト用孔が上下方向で位置ズレするように構成され、
前記柱固定板部の左右中間部における前記連結治具取付部の上下の少なくとも一方側の箇所にも、前記ボルト用孔が形成されているエレクションピース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、柱の仮接続方法、及び、それに用いられるエレクションピースに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の柱の仮接続方法は、建物の建方工事において、建方済みの下層側の柱の接続端(上端)側に対して上層側の柱の接続端(下端)側を溶接等で適切に本接続できるように、本接続の前工程として、下層側の柱と上層側の柱とを適切な接続姿勢に位置決めした位置決め状態で仮接続するのに用いられている。
【0003】
特許文献1には、上下の柱の接続端側の外周面のエレクションピース取り付け箇所にエレクションピースをボルトにて着脱自在に取り付け、これら上下のエレクションピースを連結治具にて連結することで、上下の柱を位置決め状態で仮接続する柱の仮接続方法が記載されている。エレクションピース取り付け箇所は、柱の外周面の周方向複数箇所に柱の高さ方向で位置が揃う配置状態で形成されている。また、各エレクションピースの取り付け箇所では、柱の周方向で離れた左右のボルト用孔が柱の高さ方向で位置が揃う配置状態で上下二段に形成されている。
この柱の仮接続方法では、本接続完了後にボルトを緩めて各エレクションピース取り付け箇所からエレクションピースを取り外すことで、エレクションピースの転用や切断跡の無い柱の仕上がりを実現することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−355339号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の柱の仮接続方法では、複数のエレクションピースの取り付け箇所が柱の高さ方向の同じ位置にあり、しかも、各エレクションピースの取り付け箇所の左右のボルト用孔も柱の高さ方向の同じ位置にあるので、複数のエレクションピース取り付け箇所の左右のボルト用孔が柱における特定の高さ位置の箇所に集中する。
そのため、多くのボルト用孔による断面欠損が柱の高さ方向の一部箇所に集中することになり、その柱の高さ方向の一部箇所への応力集中が懸念される。
更に、このような柱の高さ方向の一部箇所への応力集中を回避するために、本接続後にボルト用孔の孔埋め等の補強作業を行えば、現場での作業工数の増加や工期の長期化を招くことになる。
【0006】
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、柱の外周面のエレクションピース取り付け箇所にエレクションピースをボルトにて着脱自在に取り付けることができながら、エレクションピース取り付け箇所のボルト用孔の集中による柱の高さ方向の一部箇所への応力集中を効率的に抑制することのできる柱の仮接続方法を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1特徴構成は、上下の柱の接続端側の外周面のエレクションピース取り付け箇所に形成したボルト用孔を通して各々のエレクションピース取り付け箇所にボルトにてエレクションピースを着脱自在に取り付け、これら上下のエレクションピースを連結治具にて連結することで、上下の柱を位置決め状態で仮接続する柱の仮接続方法であって、
前記エレクションピース取り付け箇所において、前記柱の周方向で離した左右の前記ボルト用孔を柱の高さ方向で位置ズレさせる配置状態で形成し、
前記エレクションピースの取り付け箇所を、上下の前記柱の接続端側の外周面の各々の周方向複数箇所において柱の高さ方向で位置ズレさせる配置状態で形成する点にある。
【0008】
上記構成によれば、溶接等で上下の柱を本接続した後にボルトを取り外すことで、柱のエレクションピース取り付け箇所からエレクションピースを取り外せるので、エレクションピースの転用による材料費の削減や切断跡のない柱の仕上りを実現することができる。
そして、本構成によれば、エレクションピース取り付け箇所で柱の周方向で離した左右の孔を柱の高さ方向で位置ズレさせるので、ボルト用孔の配置状態の変更という簡易な方法により、エレクションピースの適切な取り付けに必要なボルト用孔の個数は維持しながら、ボルト用孔による断面欠損が柱の高さ方向の一部箇所に集中するのを抑制することができる。よって、柱の高さ方向の一部箇所への応力集中を効率的に抑制することができる。
【0010】
更に、本構成によれば、各柱の周方向複数箇所のエレクションピース取り付け箇所を柱の高さ方向で位置ズレさせるので、エレクションピース取り付け箇所の配置状態の変更という簡易な方法により、エレクションピースの適切な取り付けに必要なボルト用孔の個数は維持しながら、ボルト用孔による断面欠損が柱の高さ方向の一部箇所に集中するのを抑制することができる。よって、柱の高さ方向の一部箇所への応力集中を効率的に抑制することができる。
【0013】
本発明の第特徴構成は、上下の柱の接続端側の外周面のエレクションピース取り付け箇所に形成したボルト用孔を通して各々のエレクションピース取り付け箇所にボルトにてエレクションピースを着脱自在に取り付け、これら上下のエレクションピースを連結治具にて連結することで、上下の柱を位置決め状態で仮接続する柱の仮接続方法であって、
前記エレクションピース取り付け箇所において、前記柱の周方向で離した左右の前記ボルト用孔を柱の高さ方向で位置ズレさせる配置状態で形成し、
前記エレクションピースを、前記柱の外周面に沿う柱固定板部と前記エレクションピースを、前記柱の外周面に沿う柱固定板部と、当該柱固定板部の左右中間部から起立する連結治具取付部とから構成し、
前記柱固定板部における左右方向で前記連結治具取付部よりも左側の箇所及び右側の箇所、並びに、前記柱固定板部の左右中間部における上下方向で前記連結治具取付部よりも取り付け対象の前記柱の接続端から離れる側の箇所を前記ボルトにて前記柱に固定する点にある。
【0014】
上記構成によれば、溶接等で上下の柱を本接続した後にボルトを取り外すことで、柱のエレクションピース取り付け箇所からエレクションピースを取り外せるので、エレクションピースの転用による材料費の削減や切断跡のない柱の仕上りを実現することができる。
そして、本構成によれば、エレクションピース取り付け箇所で柱の周方向で離した左右の孔を柱の高さ方向で位置ズレさせるので、ボルト用孔の配置状態の変更という簡易な方法により、エレクションピースの適切な取り付けに必要なボルト用孔の個数は維持しながら、ボルト用孔による断面欠損が柱の高さ方向の一部箇所に集中するのを抑制することができる。よって、柱の高さ方向の一部箇所への応力集中を効率的に抑制することができる。
更に、上記構成によれば、エレクションピースの柱固定板部における左右方向で連結治具取付部よりも左側の箇所及び右側の箇所、並びに、柱固定板部の左右中間部における上下方向で連結治具取付部よりも取り付け対象の柱の接続端から離れる側の箇所をボルトにて柱に固定することにより、上下の柱の仮接続を好適に行えるバランスの良い固定状態でエレクションピースを柱に取り付けることができる。
しかも、エレクションピースの柱固定板部の左右中間部のボルト固定箇所が、連結治具取付部よりも取り付け対象の柱の接続端から離れる側に位置するので、連結治具取付部を柱の接続端側に極力近接させた状態でエレクションピースを柱に取り付けることが可能となり、連結治具の長尺化を回避することができる。
【0015】
本発明の第3特徴構成は、前記柱の外周面に形成した前記ボルト用孔の裏側に、柱を補強する補強部材に兼用して、前記ボルトと螺合させるナットを溶接しておく点にある。
上記構成によれば、ボルト用孔の裏側にナットが予め溶接されているので、ボルトによるエレクションピースの取り付け作業を簡単に行うことができるとともに、そのナットを利用して柱のボルト用孔の形成箇所を補強することができる。
本発明の第特徴構成は、上下の柱の接続端側の外周面のエレクションピース取り付け箇所に形成したボルト用孔を通して各々のエレクションピース取り付け箇所にボルトにてエレクションピースを着脱自在に取り付け、これら上下のエレクションピースを連結治具にて連結することで、上下の柱を位置決め状態で仮接続し、
前記エレクションピース取り付け箇所において、前記柱の周方向で離した左右の前記ボルト用孔を柱の高さ方向で位置ズレさせる配置状態で形成する柱の仮接続方法に用いられるエレクションピースであって、
前記柱の外周面に沿う柱固定板部と、当該柱固定板部の左右中間部から起立する連結治具取付部とが備えられ、
前記柱固定板部における前記連結治具取付部の左右の両側の箇所には、前記ボルトで前記柱に取り付けるためのボルト用孔が形成されているとともに、
左右の前記ボルト用孔が上下方向で位置ズレするように構成されているとともに、
左右の前記ボルト用孔が上下方向で位置ズレするように構成され、
前記柱固定板部の左右中間部における前記連結治具取付部の上下の少なくとも一方側の箇所にも、前記ボルト用孔が形成されている点にある。
【0016】
上記構成によれば、柱の高さ方向で位置ズレさせた左右のボルト用孔を備えたエレクションピース取り付け箇所に対して、適切な姿勢で簡単に取り付けることができるエレクションピースを構成することができる。よって、第1特徴構成で説明した柱の高さ方向の一部箇所への応力集中を効率的に抑制することのできる柱の仮接続方法を適切且つ簡単に実施することが可能となる。
【0018】
更に、上記構成によれば、ボルト用孔の形成された前記柱固定板部における前記連結治具取付部の左右の両側の箇所、及び、柱固定板部の左右中間部における前記連結治具取付部の上下の少なくとも一方側の箇所をボルトにて柱に固定することができるので、上下の柱の仮接続を好適に行えるバランスの良い固定状態で柱に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】柱の仮接続方法の第1実施形態を示す要部の分解図
図2】(a)柱の仮接続方法の第1実施形態を示す側面図、(b)図2(a)のIIb−IIb線断面図(横断面図)
図3】エレクションピースの取り付け構造の別例を示す要部の横断面図
図4】第1実施形態におけるエレクションピース取り付け箇所の説明図
図5】第1実施形態におけるエレクションピースの説明図
図6】柱の仮接続方法の第2実施形態を示す要部の分解図
図7】柱の仮接続方法の第2実施形態を示す側面図
図8】第2実施形態のエレクションピース取り付け箇所の説明図
図9】第2実施形態のエレクションピースの説明図
図10】第3実施形態におけるエレクションピース取り付け箇所の説明図
図11】(a)柱の仮接続方法の第3実施形態を示す側面図、(b)図11(a)のXIb−XIb線断面図
図12】第4実施形態におけるエレクションピース取り付け箇所の説明図
図13】第4実施形態におけるエレクションピース取り付け箇所の説明図
図14】第4実施形態におけるエレクションピースの説明図
図15】(a)柱の仮接続方法の第4実施形態を示す側面図、(b)図15(a)のXVb−XVb線断面図
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明に係る柱の仮接続方法の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
この柱の仮接続方法は、図2に示すように、複数のエレクションピース3と複数の連結治具5とを用いて上下の柱1A、1Bを仮接続するものであり、建方済みの下層側の柱1Bの接続端(上端)1bに対して建方中の上層側の柱1Aの接続端(下端)1aを仮接続する場合に好適に用いることができる。
上下の柱1A,1Bは、鉄骨造や鋼管コンクリート造やプレキャストコンクリート製のRC造などの各種の構造を採用することができ、その形状も各種の形状を採用することができる。本実施形態では、上下の柱1A,1Bが、断面四角形状の角型鋼管製の鉄骨造の柱である場合を例に挙げる。
なお、上下の柱1A、1Bの仮接続箇所の柱1A,1Bの高さ方向(以下、単に柱の高さ方向と略称する)での位置は、種々の事情に応じて適宜に設定することができるが、例えば、作業床から上方側に1.0〜1.5m程度離れた位置に設定するのが作業性の面で好ましい。
【0021】
柱の仮接続方法の第1ステップでは、図1に示すように、上下の柱1A,1Bの接続端1a、1b側の外周面1cのエレクションピース取り付け箇所2に形成したボルト用孔2aを通して、各々のエレクションピース取り付け箇所2にボルト4にてエレクションピース3を着脱自在に取り付ける。この第1ステップは、例えば、敷地内の組立ヤードや工場等にて建方作業前のタイミングで実施することができる。なお、第1ステップを建方作業に並行して実施することも可能である。
【0022】
柱の仮接続方法の第2ステップでは、図2に示すように、上下の柱1A,1Bのエレクションピース取り付け箇所2に取り付けた上下のエレクションピース3を連結治具5にて連結することで、上下の柱1A,1Bを位置決め状態で仮接続する。この第2ステップは、例えば、建方作業に並行して実施することができる。
なお、連結治具5は、上下のエレクションピース3に亘る状態で上下のエレクションピース3を連結可能な各種の構造を適宜に採用することが可能であり、便宜上、図2中では仮想線で表示している。この連結治具5の例としては、ヒロサワ機械株式会社製の「建方エース(商品名)」、港製器工業株式会社製の「ATOMU−701(商品名)」、城東産業株式会社製の「建治くん(商品名)」などを挙げることができる。
【0023】
次に、エレクションピース取り付け箇所2について詳述する。
図1に示すように、エレクションピース取り付け箇所2は、上下の柱1A,1Bの外周面1cのうち、エレクションピース3の裏面側を当て付けた状態でエレクションピース3が取り付けられる部位(本例では、一つのエレクションピース3を取り付けるための後述する一群のボルト用孔2aが形成された部位)であり、上下の柱1A、1Bの接続端1a,1b側の外周面1cの夫々において周方向で離れた複数箇所に形成されている。
【0024】
具体的には、上層側の柱1Aの接続端(下端)1a側の外周面1cの前後左右の四面に上側エレクションピース取り付け箇所2Aが形成されている。四つの上側エレクションピース取り付け箇所2Aは、柱の高さ方向で位置が揃う配置状態(つまり、同じ高さとなる配置状態)で形成されている。
また、下層側の柱1Bの接続端(上端)1b側の外周面1cの前後左右の四面に下側エレクションピース取り付け箇所2Bが形成されている。四つの下側エレクションピース取り付け箇所2Bも、同様に、柱の高さ方向で位置が揃う配置状態で形成されている。
【0025】
各エレクションピース取り付け箇所2には、エレクションピース3をボルト4にて取り付けるための複数のボルト用孔2aが貫通形成されている。本実施形態では、周方向で離れた左右のボルト用孔2aが上下二段となる配置状態で形成されている。
【0026】
そして、各エレクションピース取り付け箇所2において、左右のボルト用孔2aが、柱の高さ方向で位置ズレする配置状態で形成されている。
【0027】
具体的には、図4に示すように、上側エレクションピース取り付け箇所2Aでは、上段側の左右のボルト用孔2a、及び、下段側の左右のボルト用孔2aのいずれも、左側のボルト用孔2aが、柱の高さ方向において右側のボルト用孔2aの位置から設定寸法h1だけ上方側に偏倚した位置に形成されている。設定寸法h1は、例えば、ボルト用孔2aの直径寸法よりも大なる寸法に設定されている。このようにすることで、各エレクションピース取り付け箇所2において、左右のボルト用孔2aを、柱の高さ方向で開口領域が全く重ならない配置状態で形成することができる。
【0028】
また、下側エレクションピース取り付け箇所2Bでは、同一仕様のエレクションピース3を上下反転した姿勢で取り付け可能なように、左右のボルト用孔2aが上側エレクションピース取り付け箇所2Aとは柱の高さ方向である上下方向で反転した配置状態で形成されている。すなわち、下側エレクションピース取り付け箇所2Bでは、上段側の左右のボルト用孔2a、及び、下段側の左右のボルト用孔2aのいずれも、左側のボルト用孔2aが、柱の高さ方向において右側のボルト用孔2aの位置から設定寸法h1だけ下方側に偏倚した位置に形成されている。
【0029】
そのため、この第1実施形態の柱の仮接続方法では、各エレクションピース取り付け箇所2において、左右のボルト用孔2aを、柱の高さ方向で位置ズレさせる配置状態、しかも、柱の高さ方向で開口領域が全く重ならない配置状態で形成することで、エレクションピース3の適切な取り付けに必要なボルト用孔2aの個数は維持しながら、図2(b)に示すように、各エレクションピース取り付け箇所2の上段側の左右のボルト用孔2aについて、柱の高さ方向で位置が揃うボルト用孔2aを半分(八個中の四個)に低減する形態で、ボルト用孔2aによる断面欠損が集中するのを抑制することができる。
また、各エレクションピース取り付け箇所2の下段側の左右のボルト用孔2aについても、同様に、柱の高さ方向で位置が揃うボルト用孔2aを半分(八個中の四個)に低減する形態で、ボルト用孔2aによる断面欠損が集中するのを抑制することができる。
これらのことから、柱の高さ方向の一部箇所に断面欠損が集中することによる柱の高さ方向の一部箇所への応力集中を効率的に抑制することできる。
【0030】
なお、例えば、柱1A,1Bの接続端1a,1b側の外周面1cの各々で、周方向複数箇所のエレクションピース取り付け箇所2の全てのボルト用孔2aが柱の高さ方向で位置ズレするように、各エレクションピース取り付け箇所2において、左右のボルト用孔2aを、柱の高さ方向で位置ズレさせる配置状態で形成することができ、このようにすれば、柱の高さ方向の一部箇所への応力集中を更に抑制することができる。
【0031】
各エレクションピース取り付け箇所2の各ボルト用孔2aの裏側には、図1図2(b)に示すように、各柱1A,1Bの補強部材に兼用して、ボルト用孔2aに挿通させたボルト4と螺合させるナット2bが一体的に備えられている。各ナット2bは、上下の柱1A,1Bの内周面1dのボルト用孔2aの周縁部に対して溶接により固着されている。そのため、第2ステップでのボルト4によるエレクションピース3の取り付け作業を簡単に行うことができるとともに、補強部材を兼用する各ナット2bにより柱1A,1Bのエレクションピース取り付け箇所2を適切に補強することができ、例えば、本接続後においてボルト用孔2aの孔埋め等の補強作業を省略したりするも可能になる。
【0032】
また、例えば、図3に示すように、上下の柱1A,1B(図1参照)の内周面1dにおける各エレクションピース取り付け箇所2の裏側に、各柱1A,1Bの補強部材に兼用して、ボルト4の挿通孔6aが形成された座金6(孔付きの板材の一例)が一体的に備えられていてもよい。各座金6は、四角形状や円形状などの各種の形状を採用することができる。各座金6は、例えば、各柱1A,1Bの板厚と同程度の板厚で構成するのが好ましいが、それよりも薄くする場合には、大きさを拡大すればよい。このように座金6を用いる場合には、上下の柱1A,1Bの内周面1dのボルト用孔2aの周縁部に対し、座金6の外周縁全体を溶接して固着することができる。
また、各ナット2bは、座金6に対し適宜に固着することができる。各ナット2bを座金6に対し溶接して固着する場合は、各ナット2bもエレクションピース取り付け箇所2の補強に寄与させることができる。
【0033】
次に、エレクションピース3について詳述する。
エレクションピース3は、図1図2に示すように、上下の柱1A,1Bの外周面1cから突出する状態で上下の柱1A,1Bの外周面1cに取り付けられ、上下の柱1A,1Bに対する連結治具5の装着を可能にする部材である。
本実施形態では、エレクションピース3として、上層側の柱1Aに取り付ける上側エレクションピース3Aと、下層側の柱1Bに取り付ける下側エレクションピース3Bの二種類が使用されている。ちなみに、上側エレクションピース3Aと下側エレクションピース3Bとは、略同様の構成であり、上下方向で反転させた状態で上下の柱1A,1Bに取り付けられる。
【0034】
各エレクションピース3は、各々の柱1A,1Bの外周面1cに沿う矩形板状の柱固定板部3a(柱固定部の一例)と、当該柱固定板部3aの左右中間部から起立する連結治具取付板部3b(連結治具取付部の一例)とを備えた横断面T字状の鋼製部品として構成されている。
【0035】
前記柱固定板部3aにおける連結治具取付板部3bよりも左側の箇所及び右側の箇所には、ボルト4にて柱1A,1Bに取り付けるためのボルト用孔3cが貫通形成されている。この左右のボルト用孔3cは、柱固定板部3aにおいて上下二段に備えられている。
【0036】
そして、柱固定板部3aにおける左右の前記ボルト用孔3cは、連結治具取付板部3bが略鉛直方向に沿うエレクションピース3の取付姿勢において、柱の高さ方向に対応する上下方向で位置ズレするように構成されている。この柱固定板部3aにおける左右の前記ボルト用孔3cの上下方向での位置ズレは、取り付け対象のエレクションピース取り付け箇所2のボルト用孔2aの配置に対応するように設定されている。
【0037】
具体的には、図5に示すように、上側エレクションピース3Aでは、柱固定板部3aの上段側の左右のボルト用孔3c、及び、下段側の左右のボルト用孔3cのいずれも、上側エレクションピース取り付け箇所2Aのボルト用孔2aの配置に対応して、左側のボルト用孔3cが、柱の高さ方向に対応する上下方向において右側のボルト用孔3cの位置から設定寸法h1だけ上方側に偏倚した位置に形成されている。
また、下側エレクションピース3Bでは、柱固定板部3aの上段側の左右のボルト用孔3c、及び、下段側の左右のボルト用孔3cのいずれも、下側エレクションピース取り付け箇所2Bのボルト用孔2aの配置に対応して、左側のボルト用孔3cが、上下方向においてボルト用孔3cの位置から設定寸法h1だけ下方側に偏倚した位置に形成されている。
【0038】
そのため、この第1実施形態の柱の仮接続方法では、左右のボルト用孔2aを柱の高さ方向で位置ズレさせた各エレクションピース取り付け箇所2に対して、各エレクションピース3の連結治具取付板部3bが柱の高さ方向に沿う適切な取り付け姿勢にて各エレクションピース3を取り付けることができる。
【0039】
なお、各エレクションピース3の連結治具取付板部3bにおける取り付け姿勢で柱1A,1Bの接続端1a,1b側とは反対側となる箇所には、連結治具5を装着するための凹状の装着部3dが形成されている。また、上側エレクションピース3Aの装着部3dの近傍には、上層側の柱1Aの建方中に連結治具5を引っ掛け状態で保持可能な棒状の引っ掛け部3eが形成されている。
【0040】
〔第2実施形態〕
図6図9は、本発明の係る柱の仮接続方法の第2実施形態を示している。
この第2実施形態では、図6図7に示すように、各エレクションピース取り付け箇所2において、上下2段の左右のボルト用孔2aに加えて、左右中間部における柱の高さ方向でエレクションピース3の連結治具取付板部3bよりも取り付け対象の柱1A,1Bの接続端1a,1bから離れる端側の箇所にも、ボルト4にて柱1A,1Bに取り付けるためのボルト用孔2aとしての中央側ボルト用孔2eが貫通形成されている。
【0041】
具体的には、図8に示すように、上側エレクションピース取り付け箇所2Aでは、中央側ボルト用孔2eが、左右中間部において上段側の左右のボルト用孔2aの左側のボルト用孔2aよりも設定寸法h2だけ上方側に偏倚した位置に形成されている。設定寸法h2は、例えば、ボルト用孔2aの直径寸法よりも大なる寸法に設定されている。このようにすることで、各エレクションピース取り付け箇所2において、中央側ボルト用孔2eと左右のボルト用孔2aとを、柱の高さ方向で開口領域が全く重ならない配置状態で形成することができる。
【0042】
また、下側エレクションピース取り付け箇所2Bでは、中央側ボルト用孔2eが、上側エレクションピース取り付け箇所2Aとは柱の高さ方向で反転した配置状態で形成されている。すなわち、下側エレクションピース取り付け箇所2Bでは、中央側ボルト用孔2eが、下段側の左右のボルト用孔2aの左側のボルト用孔2aから設定寸法h2だけ下方側に偏倚した位置に形成されている。
なお、図示は省略するが、柱1A,1Bにおける各中央側ボルト用孔2eの裏側には、他のボルト用孔2aの裏側と同様にナット2bが溶接により固着されている。
【0043】
ちなみに、柱1A,1Bの接続端1a,1b側の外周面1cの各々において、周方向複数箇所のエレクションピース取り付け箇所2の全ての中央側ボルト用孔2eを、柱の高さ方向で位置ズレする配置状態で形成してもよい。
【0044】
図6に示すように、各エレクションピース3では、柱固定板部3aにおける上下二段の左右のボルト用孔3cに加えて、柱固定板部3aの左右中間部における連結治具取付板部3bの上下の少なくとも一方側の箇所に、ボルト4にて柱1A,1Bに取り付けるためのボルト用孔3cとしての中央側ボルト用孔3fが貫通形成されている。
【0045】
図9に示すように、上側エレクションピース3Aでは、中央側ボルト用孔3fが、上側エレクションピース取り付け箇所2Aの中央側ボルト用孔2eの配置に対応して、柱固定板部3aの左右中間部における連結治具取付板部3bの上方側の箇所に形成されている。具体的には、中央側ボルト用孔3fは、上側エレクションピース3Aの柱固定板部3aの左右中間部における上段側の左右のボルト用孔3cの左側のボルト用孔3cから設定寸法h2だけ上方側に偏倚した位置に形成されている。
【0046】
また、下側エレクションピース3Bでは、中央側ボルト用孔3fが、下側エレクションピース取り付け箇所2Bの中央側ボルト用孔2eの配置に対応して、柱固定板部3aの左右中間部における連結治具取付板部3bの下方側の箇所に形成されている。具体的には、中央側ボルト用孔3fは、下側エレクションピース3Bの柱固定板部3aの左右中間部における下段側の左右のボルト用孔3cの左側のボルト用孔3cから設定寸法h2だけ下方側に偏倚した位置に形成されている。
【0047】
そのため、この第2実施形態の柱の仮接続方法では、各エレクションピース3を、柱固定板部3aの上下二段の左右のボルト用孔3cと、柱固定板部3aの左右中間部のボルト用孔3c(中央側ボルト用孔3f)とを通してボルト4にて柱1A,1Bに固定することにより、図7に示すように、柱1A,1Bの仮接続を適切に行えるバランスの良い固定状態でエレクションピース3を柱1A,1Bに取り付けることができる。
【0048】
しかも、図9に示すように、各エレクションピース3の柱固定板部3aの左右中間部の中央側ボルト用孔3fが、連結治具取付板部3bよりも取り付け対象の柱1A,1Bの接続端1a,1bから離れる側に位置するので、図7に示すように、連結治具取付板部3bを柱1A,1Bの接続端1a,1b側に極力近接させた状態で各エレクションピース3を取り付けることが可能となり、上下のエレクションピース3に亘らせる連結治具5の長尺化を回避することができる。
【0049】
なお、その他の構成は、前述した第1実施形態と同一であるので、同一の構成箇所には同一の番号を付記し、その説明は省略する。
【0050】
〔第3実施形態〕
図10図11は、本発明の係る柱の仮接続方法の第3実施形態を示している。
この第3実施形態では、図10に示すように、エレクションピース取り付け箇所2が、上下の柱1A,1Bの接続端1a,1b側の外周面1cの各々の周方向複数箇所において、柱の高さ方向で位置ズレする配置状態で形成されている。特に、周方向で隣接するエレクションピース取り付け箇所2どうしが、柱の高さ方向で位置ズレする配置状態で形成されている。
なお、この第3実施形態では、各エレクションピース取り付け箇所2において、左右のボルト用孔2aは、柱の高さ方向で位置が揃う配置状態で形成されている。
【0051】
更に、上層側の柱1Aにおける前後左右の四つの上側エレクションピース取り付け箇所2Aと、下層側の柱1Bにおける前後左右の四つの下側エレクションピース取り付け箇所2Bとが、前後左右の各面において、上側エレクションピース取り付け箇所2Aと下側エレクションピース取り付け箇所2Bとの柱の高さ方向での位置関係が同一となるように、柱の高さ方向での位置ズレパターンを揃えた状態で形成されている。
【0052】
すなわち、上層側の柱1Aにおける前後左右の四つの上側エレクションピース取り付け箇所2Aは、柱1Aの前後面と柱1Aの左右側面とで、柱の高さ方向で位置ズレさせる配置状態で形成されている。具体的には、柱1Aの前後面の上側エレクションピース取り付け箇所2Aが、柱1Aの左右側面の上側エレクションピース取り付け箇所2Aよりも設定寸法h3だけ上方側に偏倚した位置に形成されている。設定寸法h3は、例えば、各エレクションピース取り付け箇所2のボルト用孔2aの直径寸法よりも大なる寸法に設定されている。このようにすることで、柱1Aの前後面のエレクションピース取り付け箇所2Aの左右のボルト用孔2aと、柱1Aの左右側面のエレクションピース取り付け箇所2Aの左右のボルト用孔2aとを、柱の高さ方向で開口領域が全く重ならない配置状態で形成することができる。
【0053】
また、下層側の柱1Bにおける前後左右の四つの下側エレクションピース取り付け箇所2Bも、柱1Aの位置ズレパターンと同じく、柱1Bの前後面と柱1Bの左右側面とで、柱の高さ方向で位置ズレさせる配置状態で形成されている。具体的には、柱1Bの前後面の下側エレクションピース取り付け箇所2Bが、柱1Bの左右側面の下側エレクションピース取り付け箇所2Bよりも設定寸法h3だけ上方側に偏倚した位置に形成されている。
【0054】
そのため、この第3実施形態の柱の仮接続方法では、エレクションピース取り付け箇所2を、上下の柱1A,1Bの接続端1a、1b側の外周面1cの各々の周方向複数箇所において、柱の高さ方向で位置ズレさせる配置状態、しかも、隣接するエレクションピース取り付け箇所2どうしの左右のボルト用孔2aを、柱の高さ方向で開口領域が全く重ならない配置状態で形成することで、エレクションピース3の適切な取り付けに必要なボルト用孔2aの個数は維持しながら、図11(b)に示すように、エレクションピース取り付け箇所2の上段側の左右のボルト用孔2aについて、柱の高さ方向で位置が揃うボルト用孔2aを半分(八個中の四個)に低減する形態で、ボルト用孔2aによる断面欠損が集中するのを抑制することができる。
また、各エレクションピース取り付け箇所2の下段側の左右のボルト用孔2aについても、柱の高さ方向で位置が揃うボルト用孔2aを半分(八個中の四個)に低減する形態で、ボルト用孔2aによる断面欠損が集中するのを抑制することができる。
これらのことから、柱の高さ方向の一部箇所に断面欠損が集中することによる応力の集中を効率的に抑制することできる。
しかも、エレクションピース取り付け箇所2が、柱の前後左右の各面において上下のエレクションピース3の柱の高さ関係が同一となるので、図11(a)に示すように、柱1A,1Bの前後左右の各面で共通仕様の連結治具5を使用することができる。
【0055】
ちなみに、柱1A,1Bの接続端1a,1b側の外周面1cの各々において、周方向複数箇所のエレクションピース取り付け箇所2の全てのボルト用孔2aが柱の高さ方向で位置ズレするように、周方向複数箇所のエレクションピース取り付け箇所2を、柱の高さ方向で位置ズレさせる配置状態で形成することができ、このようにすれば、柱の高さ方向の一部箇所への応力集中を更に抑制することができる。
【0056】
なお、その他の構成は、前述した第1実施形態と同一であるので、同一の構成箇所には同一の番号を付記し、その説明は省略する。
【0057】
〔第4実施形態〕
図12図15は、本発明の係る柱の仮接続方法の第4実施形態を示している。
この第4実施形態では、第2実施形態と同様、各エレクションピース取り付け箇所2において、上下2段の左右のボルト用孔2aに加えて、左右中間部における柱の高さ方向でエレクションピース3の連結治具取付板部3bよりも取り付け対象の柱1A,1Bの接続端1a,1bから離れる端側の箇所にも、ボルト用孔2aとしての中央側ボルト用孔2eが貫通形成されている。
【0058】
また、この第4実施形態では、第3実施形態と同様、エレクションピース取り付け箇所2が、上下の柱1A,1Bの接続端1a,1b側の外周面1cの各々の周方向複数箇所において、柱の高さ方向で位置ズレする配置状態で形成されている。具体的には、図12に示すように、上層側の柱1Aにおける前後左右の四つの上側エレクションピース取り付け箇所2Aは、柱1Aの前後面と柱1Aの左右側面とで、柱の高さ方向で位置ズレさせる配置状態とされ、同様に、下層側の柱1Bにおける前後左右の四つの下側エレクションピース取り付け箇所2Bも、柱1Bの前後面と柱1Bの左右側面とで、柱の高さ方向で位置ズレさせる配置状態とされている。
【0059】
そして、各エレクションピース取り付け箇所2における左右のボルト用孔2aの柱の高さ方向での位置ズレ量(設定寸法h1)と、各エレクションピース取り付け箇所2におけるボルト用孔2aとしての中央側ボルト用孔2eとそれに柱の高さ方向で近接するボルト用孔2aとの柱の高さ方向での位置ズレ量(設定寸法h2)と、エレクションピース取り付け箇所2の柱の高さ方向での位置ズレ量(設定寸法h3)との三者を調整することで、柱の高さ方向で位置ズレさせる複数のエレクションピース取り付け箇所2のボルト用孔2aが柱の高さ方向で同じ位置に揃わないように構成されている。
【0060】
詳しくは、図13に示すように、設定寸法h1〜h3の三者は、柱の高さ方向において、各エレクションピース取り付け箇所2のボルト用孔2a(左右のボルト用孔2a及び中央側ボルト用孔2e)どうしの間の隙間に、当該エレクションピース取り付け箇所2に対して位置ズレ対象となる別のエレクションピース取り付け箇所2のボルト用孔2aが配置されるよう調整されている。
更に詳しく説明すると、この実施形態では、柱の周方向で並ぶ四つのエレクションピース取り付け箇所2において、左右側面のエレクションピース取り付け箇所2と前後面のエレクションピース取り付け箇所2を位置ズレさせるので、各エレクションピース取り付け箇所2に対して位置ズレ対象となるエレクションピース取り付け箇所2の形態が一形態となる。この場合、例えば、各エレクションピースの取り付け箇所2におけるボルト用孔2aの柱の高さ方向での位置ズレ量である設定寸法h1、h2を、ボルト用孔2aの直径の2倍の寸法に設定し、エレクションピース取り付け箇所2の柱の高さ方向での位置ズレ量である設定寸法h3を、ボルト用孔2aの直径寸法に設定することで、柱の高さ方向で位置ズレさせる二形態のエレクションピース取り付け箇所2のボルト用孔2aが柱の高さ方向で同じ位置に揃わないように構成することができる。
【0061】
なお、図示は省略するが、例えば、柱の周方向で並ぶ四つのエレクションピース取り付け箇所2において、位置ズレ対象となるエクションピース取り付け箇所2を三形態とし、柱の周方向で並ぶ四つのエレクションピース取り付け箇所2の全てを柱の高さ方向で位置ズレさせることもできる。
このようにする場合には、各エレクションピースの取り付け箇所2におけるボルト用孔2aの柱の高さ方向での位置ズレ量である設定寸法h1、h2を、ボルト用孔2aの直径の4倍の寸法に設定し、位置ズレ対象となる三形態のエレクションピース取り付け箇所2の柱の高さ方向での位置ズレ量である設定寸法h3の夫々を、ボルト用孔2aの直径寸法、直径の二倍の寸法、直径の三倍の寸法に設定することで、柱の高さ方向で位置ズレさせる四つのエレクションピース取り付け箇所2のボルト用孔2aの全てが柱の高さ方向で同じ位置に揃わないように構成することができる。
【0062】
図14に示すように、各エレクションピース3には、エレクションピース取り付け箇所2におけるボルト用孔2aの配置に対応してボルト用孔3cが備えられている。
また、本実施形態では、柱1A,1Bの左右側面のエレクションピース取り付け箇所2が柱1A,1Bの前後面のエレクションピース取り付け箇所2に対して、柱の高さ方向で接続端1a、1bから離れる側に偏倚していることに対し、柱1A,1Bの左右側面に取り付けるエレクションピース3の柱固定板部3aの上下幅が、柱1A,1Bの前後面に取り付けるエレクションピース3の柱固定板部3aの上下幅よりも大きく設定されている。そして、柱の周方向で並ぶ四つのエレクションピース3の間で柱の高さ方向における連結治具取付板部3bの位置が揃うように、エレクションピース3の柱固定板部3aに連結治具取付板部3bが備えられている。
【0063】
そのため、この第3実施形態の柱の仮接続方法では、エレクションピース3の適切な取り付けに必要なボルト用孔2aの個数は維持しながら、図15(b)に示すように、エレクションピース取り付け箇所2の上段側の左右のボルト用孔2aについて、柱の高さ方向で位置が揃うボルト用孔2aを四分の一(八個中の二個)に低減する形態で、ボルト用孔2aによる断面欠損が集中するのを抑制することができる。
また、各エレクションピース取り付け箇所2の下段側の左右のボルト用孔2aについても、柱の高さ方向で位置が揃うボルト用孔2aを四分の一(八個中の二個)に低減する形態で、ボルト用孔2aによる断面欠損が集中するのを抑制することができる。
更に、各エレクションピース取り付け箇所2の中央側ボルト用孔2eについても、柱の高さ方向で位置が揃う中央側ボルト用孔2eを半分(四個中の二個)に低減する形態で、中央側ボルト用孔2eによる断面欠損が集中するのを抑制することができる。
これらのことから、柱の高さ方向の一部箇所に断面欠損が集中することによる応力の集中を効率的に抑制することできる。
しかも、エレクションピース取り付け箇所2が、柱1A,1Bの前後左右の各面においてエレクションピース3の連結治具取付板部3bの柱の高さ方向での位置が揃うので、図15(a)に示すように、柱1A,1Bの前後左右の各面で共通仕様の連結治具5を使用することができる。
【0064】
なお、その他の構成は、前述した第2実施形態又は第3実施形態と同一であるので、同一の構成箇所には同一の番号を付記し、その説明は省略する。
【0065】
〔別実施形態〕
(1)本発明は、前述の各実施形態を適宜に組み合わせも好適に実施することができる。例えば、第3実施形態のように、上下の柱1A,1Bの接続端1a,1b側の外周面1cの各々の周方向複数箇所のエレクションピース取り付け箇所2が、柱の高さ方向で位置ズレする配置状態で形成され、更に、第1、第2実施形態のように、各エレクションピース取り付け箇所2において、左右のボルト用孔2aが柱の高さ方向で位置ズレする配置状態で形成されていてもよい。
【0066】
(2)前述の第3実施形態では、柱1A,1Bの周方向で並ぶ前後左右の四つのエレクションピース取り付け箇所2のうち、前後面の隣接しない二つのエレクションピース取り付け箇所2と、左右側面の隣接しない二つのエレクションピース取り付け箇所2とが、柱の高さ方向で位置ズレするように構成されている場合を例に示したが、例えば、前面及び左側面の隣接する二つのエレクションピース取り付け箇所2と、右側面及び後面の隣接する二つのエレクションピース取り付け箇所2とが、柱の高さ方向で位置ズレするように構成されていてもよい。また、例えば、前後左右の四つのエレクションピース取り付け箇所2の全てが柱の高さ方向で位置ズレするように構成されていてもよい。要するに、位置ズレさせるエレクションピース取り付け箇所2は、柱1A,1Bの配置状況等の各種の事情に応じて適宜に変更することができる。
【0067】
(3)前述の各実施形態では、エレクションピース取り付け箇所2の左右のボルト用孔2a、及び、エレクションピース3の左右のボルト用孔3cが、上下二段で形成されている場合を例に示したが、一段又は三段以上で形成されていてもよい。
【0068】
(4)前述の各実施形態では、エレクションピース取り付け箇所2が、柱1A,1Bの前後左右の各面に形成されている場合を例に示したが、柱1A,1Bの形状や仕様に応じた適宜の箇所に形成することができる。
【0069】
(5)前述の第2実施形態では、各エレクションピース取り付け箇所2において、左右中間部における柱の高さ方向でエレクションピース3の連結治具取付板部3bよりも取り付け対象の柱1A,1Bの接続端1a,1bから離れる端側の箇所に中央側ボルト用孔2eが形成されている場合を例に示したが、これに代えて、又は、これに加えて、左右中間部における柱の高さ方向でエレクションピース3の連結治具取付板部3bよりも取り付け対象の柱1A,1Bの接続端1a,1b側の箇所に連結治具取付板部3bが形成されていてもよい。
【0070】
(6)前述の第2実施形態では、上側エレクションピース取り付け箇所2Aと下側エレクションピース取り付け箇所2Bの両方に中央側ボルト用孔2eが形成されている場合を例に示したが、上側エレクションピース取り付け箇所2Aと下側エレクションピース取り付け箇所2Bのいずれか一方だけに中央側ボルト用孔2eが形成されていてもよい。
【0071】
(7)前述の第2実施形態では、エレクションピース3における柱固定板部3aの左右中間部における連結治具取付板部3bの上下の一方側の箇所に中央側ボルト用孔3fが形成されている場合を例に示したが、エレクションピース3における柱固定板部3aの左右中間部における連結治具取付板部3bの上下の両方側の箇所に中央側ボルト用孔3fが形成されていてもよい。
【0072】
(8)前述の第2実施形態では、上側エレクションピース3Aと下側エレクションピース3Bの両方に中央側ボルト用孔3fが形成されている場合を例に示したが、上側エレクションピース3Aと下側エレクションピース3Bのいずれか一方だけに中央側ボルト用孔3fが形成されていてもよい。
【0073】
(9)前述の第1、第2実施形態では、各エレクションピース取り付け箇所2において、左右のボルト用孔2aが、柱の高さ方向で開口領域が全く重ならない配置状態で形成されている場合を例に示したが、柱の高さ方向で位置ズレしていれば、開口領域の一部が重なる配置状態で形成されていてもよい。
同様に、前述の第2実施形態では、各エレクションピース取り付け箇所2において、中央側ボルト用孔2eと左右のボルト用孔2aとが、柱の高さ方向で開口領域が全く重ならない配置状態で形成されている場合を例に示したが、柱の高さ方向で位置ズレしていれば、開口領域の一部が重なる配置状態で形成されていてもよい。
同様に、前述の第3実施形態では、周方向で離れた複数のエレクションピース取り付け箇所2のうち、一方のエレクションピース取り付け箇所2の左右のボルト用孔2aと、他方のエレクションピース取り付け箇所2の左右のボルト用孔2aとが、柱の高さ方向で開口領域が全く重ならない配置状態で形成されている場合を例に示したが、柱の高さ方向で位置ズレしていれば、開口領域の一部が重なる配置状態で形成されていてもよい。
【0074】
(10)前述の各実施形態では、上下の柱1A,1Bの外周面1cのうち、一つのエレクションピース3を取り付けるための一群のボルト用孔2aが形成された部位をエレクションピース取り付け箇所2とする場合を例に示したが、上下の柱1A,1Bの外周面1cのうち、一つのエレクションピース3を取り付けるための一群のボルト用孔2aに含まれる一つのボルト用孔2aが形成された部位をエレクションピース取り付け箇所2としてもよい。
【符号の説明】
【0075】
1A 上層側の柱
1a 接続端(下端)
1B 下層側の柱
1b 接続端(上端)
2 エレクションピース取り付け箇所
2a ボルト用孔
2b ナット
3 エレクションピース
3a 柱固定板部
3b 連結治具取付板部
3c ボルト用孔
4 ボルト
5 連結治具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15