特許第6866172号(P6866172)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6866172
(24)【登録日】2021年4月9日
(45)【発行日】2021年4月28日
(54)【発明の名称】旋回燃焼ボイラ
(51)【国際特許分類】
   F23C 99/00 20060101AFI20210419BHJP
【FI】
   F23C99/00 305
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-14868(P2017-14868)
(22)【出願日】2017年1月30日
(65)【公開番号】特開2018-123988(P2018-123988A)
(43)【公開日】2018年8月9日
【審査請求日】2019年12月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】514030104
【氏名又は名称】三菱パワー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】岡元 章泰
(72)【発明者】
【氏名】田中 隆一郎
(72)【発明者】
【氏名】岩田 隆
【審査官】 岩▲崎▼ 則昌
(56)【参考文献】
【文献】 特許第5271660(JP,B2)
【文献】 特開昭49−092625(JP,A)
【文献】 特開昭49−038222(JP,A)
【文献】 特開平11−141806(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23C 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平断面視矩形状で上下方向に延びる筒状の火炉と、
前記火炉内で周方向に間隔をあけて設けられた複数のバーナを備え、複数の前記バーナによって前記火炉内で微粉燃料を燃焼させて前記周方向の旋回流を形成するバーナ部と、を備え、
複数の前記バーナは各々、前記上下方向の高さ位置に前記バーナが1つのみとなるように、前記旋回流の旋回方向上流側から下流側に向かって段階的に低くなるよう設けられていることを特徴とする旋回燃焼ボイラ。
【請求項2】
前記バーナ部は、複数の前記バーナを、前記火炉内で上下方向に間隔をあけて複数段に備え、
各段において、複数の前記バーナは各々、前記上下方向の高さ位置に前記バーナが1つのみとなるように、前記旋回流の旋回方向上流側から下流側に向かって段階的に低くなるよう設けられていることを特徴とする請求項1に記載の旋回燃焼ボイラ。
【請求項3】
複数の前記バーナのうちの少なくとも一つは、前記火炉の角部に対して前記旋回流の旋回方向上流側に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の旋回燃焼ボイラ。
【請求項4】
前記火炉の角部に対して前記旋回流の旋回方向下流側に設けられている前記バーナは、複数の前記バーナのうち、最も低い位置に設けられていることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の旋回燃焼ボイラ。
【請求項5】
前記バーナ部の上方に、前記火炉内に空気を供給する空気供給部が設けられ、
前記空気供給部は、前記火炉内で周方向に間隔をあけて設けられた複数の空気噴出ノズルを備え、
複数の前記空気噴出ノズルは、複数の前記バーナのそれぞれに対し、鉛直上方に定められた距離を隔てて設けられていることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の旋回燃焼ボイラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、旋回燃焼ボイラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
石炭、バイオマス及び炭化物等の微粉燃料を旋回燃焼方式により燃焼させる旋回燃焼ボイラが知られている。
【0003】
特許文献1に開示されているように、旋回燃焼ボイラは、火炉内に投入した微粉燃料を燃焼させるバーナを備えたバーナ部を備えている。バーナ部は、複数のバーナが、周方向に間隔をあけて火炉の各角部に設けられている。各バーナは、微粉燃料と一次空気との混合気を燃焼させて火炎を生成する。これら複数のバーナから噴出する火炎によって、火炉内に旋回流が形成される。ここで、旋回流が火炉内で旋回するよう、複数のバーナのそれぞれは、火炉の中心に対して水平面内で傾斜した方向に火炎を噴出するよう設けられている。複数のバーナから噴出する火炎によって生成された旋回流は、火炉内で旋回しながら螺旋状に上昇していく。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5271660号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、微粉燃料が燃焼することによって生じるスラグが、火炉内で旋回しながら螺旋状に上昇していく旋回流から、火炉内に突出したバーナ上に堆積し、クリンカが形成されることがある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、火炉内におけるクリンカの堆積を抑えることができる旋回燃焼ボイラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の旋回燃焼ボイラは以下の手段を採用する。
本発明の第1態様に係る旋回燃焼ボイラは、平断面視矩形状で上下方向に延びる筒状の火炉と、前記火炉内で周方向に間隔をあけて設けられた複数のバーナを備え、複数の前記バーナによって前記火炉内で微粉燃料を燃焼させて前記周方向の旋回流を形成するバーナ部と、を備え、複数の前記バーナは各々、前記上下方向の高さ位置に前記バーナが1つのみとなるように、前記旋回流の旋回方向上流側から下流側に向かって段階的に低くなるよう設けられていることを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、火炉内で周方向に間隔をあけて設けられた複数のバーナによって生成される旋回流は、火炉内で周方向に旋回しつつ螺旋状に上昇していく。このため、各バーナから噴出される火炎は、旋回流の旋回方向に旋回しつつ上方に向かう。したがって、上流側の他のバーナよりも低い位置に設けられたバーナは、上流側の他のバーナから噴出して旋回しながら上方に向かう火炎に曝されることもなく、上下方向に大きな間隔を隔てることになる。したがって、低い位置に設けられたバーナ上にクリンカが堆積しにくくなる。
また、この構成によれば、最も高い位置に設けられたバーナに対し、旋回流の旋回方向下流側に設けられた全てのバーナにおいて、クリンカが堆積しにくくなる。
【0009】
上記第1態様において、前記バーナ部は、複数の前記バーナを、前記火炉内で上下方向に間隔をあけて複数段に備え、各段において、複数の前記バーナは各々、前記上下方向の高さ位置に前記バーナが1つのみとなるように、前記旋回流の旋回方向上流側から下流側に向かって段階的に低くなるよう設けられているとさらに好適である。
【0010】
この構成によれば、複数のバーナを、上下方向に複数段に設ける場合においても、各段において、上流側の他のバーナよりも低い位置に設けたバーナにおいては、クリンカが堆積しにくくなる。
【0013】
上記第1態様において、前記火炉の角部に対して前記旋回流の旋回方向下流側に設けられている前記バーナは、複数の前記バーナのうち、最も低い位置に設けられているとさらに好適である。
【0014】
バーナを、火炉の角部に対し、旋回方向の下流側に設けた場合、旋回流は、火炉の角部で向きを変えた後、その下流側に設けられたバーナに衝突する。このため、火炉の角部と、その下流側に設けられたバーナとの間で、旋回流に淀みが生じやすくなる。このように淀みが生じやすい部位において、バーナを上流側の他のバーナよりも低い位置に設けることで、バーナ上にクリンカが堆積するのを抑えることができる。
【0015】
上記第1態様において、複数の前記バーナのうちの少なくとも一つは、前記火炉の角部に対して前記旋回流の旋回方向上流側に設けられているとさらに好適である。
【0016】
この構成によれば、火炉の角部に対し、バーナを旋回流の旋回方向上流側に設けることで、火炉の角部の下流側にバーナを設けた場合のように、旋回流に淀みが生じるのを抑えることができる。これによって、火炉の角部にクリンカが堆積するのを抑えることができる。
【0017】
上記第1態様において、前記バーナ部の上方に、前記火炉内に空気を供給する空気供給部が設けられ、前記空気供給部は、前記火炉内で周方向に間隔をあけて設けられた複数の空気噴出ノズルを備え、複数の前記空気噴出ノズルは、複数の前記バーナのそれぞれに対し、鉛直上方に定められた距離を隔てて設けられているとさらに好適である。
【0018】
この構成によれば、バーナ部の上方に空気供給部を備える場合、複数のバーナのそれぞれに対し、その上方に設けられた複数の空気噴出ノズルが、鉛直上方に定められた距離を隔てていることで、バーナ部から周方向旋回しつつ上昇していく旋回流の滞留時間を確保することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、火炉内におけるクリンカの堆積を抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の第1実施形態に係る旋回燃焼ボイラの全体概略構成を示す縦断面図であり、図2のI−I矢視断面図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る旋回燃焼ボイラの平断面図である。
図3】本発明の第2実施形態に係る旋回燃焼ボイラの全体概略構成を示す縦断面図であり、図4のIII−III矢視断面図である。
図4】本発明の第2実施形態に係る旋回燃焼ボイラの平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明に係る旋回燃焼ボイラの実施形態について、図面を参照して説明する。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態について、図1を用いて説明する。
【0022】
図1に示すように、旋回燃焼ボイラ20Aは、火炉21と、バーナ部30Aと、追加空気投入部(空気供給部)40と、過熱器22と、再熱器23と、節炭器24と、を備えている。
【0023】
火炉21は、平断面視矩形状で上下方向に延びる筒状をなしている。火炉21の内側面を形成する炉壁21wには、複数の伝熱管(図示無し)が設けられている。これら複数の伝熱管(図示無し)は、それぞれ上下方向に延び、外部から水が供給される。
【0024】
過熱器22は、火炉21の上部に設けられている。
再熱器23、節炭器24は、火炉21の上部の出口に連結された煙道25Aに設けられている。
【0025】
バーナ部30Aは、火炉21内の下部に設けられている。図2に示すように、バーナ部30Aは、火炉21内で周方向に間隔をあけて設けられた複数のバーナ31A,31B,31C,31Dを備えている。
この実施形態において、バーナ部30Aは、複数のバーナ31A,31B,31C,31Dが、火炉21内で上下方向に間隔をあけて2段(複数段)に設けられている。
【0026】
バーナ31A,31B,31C,31Dのそれぞれは、一次空気と微粉燃料との混合気を火炉21内に噴出し、微粉燃料を燃焼させ、火炉21内で火炎を生成する。周方向の複数のバーナ31A,31B,31C,31Dのそれぞれによって生成された火炎は、旋回流Fを形成する。この旋回流Fは、火炉21内で周方向に旋回しながら螺旋状に上昇する。
バーナ31A,31B,31C,31Dは、火炉21の四方の側面21a、21b、21c、21dのそれぞれに、火炉21の外部から内部に向かって貫通して設けられている。バーナ31A,31B,31C,31Dは、その基端部31bが、火炉21の角部21kに対して旋回流Fの旋回方向Sw上流側において炉壁21wに固定されている。バーナ31A,31B,31C,31Dの先端部31aは、炉壁21wの内方に突出し、旋回流Fの旋回方向Swの下流側に向かって火炎を噴射するよう、水平面内で傾斜して設けられている。
【0027】
各段の複数のバーナ31A,31B,31C,31Dは、旋回流Fの旋回方向Swの上流側のバーナ31Aから下流側のバーナ31B,31C,31Dに向かって段階的に低くなるよう設けられている。
【0028】
図1に示すように、追加空気投入部40は、火炉21内において、バーナ部30Aの上方に設けられている。追加空気投入部40は、火炉21内で周方向に間隔をあけて設けられた複数の空気噴出ノズル41を備えている。各空気噴出ノズル41は、火炉21の外部から二次空気を火炉21内に送り込む。各空気噴出ノズル41は、火炉21の外部から内部に向かって貫通し、炉壁21wの内方に突出している。
周方向に間隔をあけて設けられた複数の空気噴出ノズル41は、周方向に複数設けられたバーナ31A,31B,31C,31Dのそれぞれに対し、鉛直上方に設けられている。各空気噴出ノズル41は、バーナ31A,31B,31C,31Dに対し、鉛直上方に定められた距離を隔てて設けられている。
この追加空気投入部40から燃焼用の空気を投入することにより、バーナ部30Aから追加空気投入部40までの領域が還元雰囲気とされる。
【0029】
上述したような構成によれば、バーナ部30Aは、周方向に間隔をあけて設けられた複数のバーナ31A,31B,31C,31Dが、旋回流Fの旋回方向Swの上流側から下流側に向かって段階的に低くなるよう設けられている。
このような旋回燃焼ボイラ20Aによれば、上流側のバーナ31Aよりも低い位置に設けられたバーナ31B,31C,31Dは、上流側のバーナ31Aから噴出して旋回しながら上方に向かう火炎(旋回流F)に対し、上下方向に大きな間隔を隔てることになる。したがって、低い位置に設けられたバーナ31B,31C,31D上にクリンカが堆積しにくくなる。すなわち、最も高い位置に設けられたバーナ31Aに対し、旋回流Fの旋回方向Swの下流側に設けられた全てのバーナ31B,31C,31Dにおいて、クリンカが堆積しにくくなる。
【0030】
また、複数のバーナ31A,31B,31C,31Dは、火炉21の角部21kに対して旋回流Fの旋回方向Swの上流側に設けられている。
これにより、火炉21の角部21kの下流側にバーナ31A,31B,31C,31Dを設けた場合には、旋回流Fに淀みが生じてしまうが、角部21kの旋回方向Swの上流側にバーナ31A,31B,31C,31Dを設けることで、淀みの発生を抑えることができる。これによって、火炉21の角部21kにクリンカが堆積するのを抑えることができる。なお、角部21kとは、火炉21において周方向で互いに隣接する炉壁と炉壁とが交差する部分のみならず、炉壁と炉壁とが交差する部分に対して火炉21の周方向に広がる炉壁の周方向端部近傍を含む。
【0031】
さらに、バーナ部30Aの上方に、火炉21内に空気を供給する追加空気投入部40が設けられ、追加空気投入部40において、複数のバーナ31A,31B,31C,31Dのそれぞれに対し、その上方に設けられた複数の空気噴出ノズル41が、鉛直上方に定められた距離を隔てている。これにより、バーナ部30Aから周方向旋回しつつ上昇していく旋回流Fの滞留時間を確保することができる。したがって、NOxを確実に低減することができる。
【0032】
なお上記第1実施形態では、周方向に複数設けたバーナ31A,31B,31C,31Dは、旋回流Fの旋回方向Sw上流側から下流側に向かって段階的に低くなるよう設けたが、これに限らない。
例えば、複数のバーナ31A,31B,31C,31Dのうちの少なくとも一つが、旋回流Fの旋回方向Sw上流側に位置する他のバーナ31A,31B,31C,31Dよりも低い位置に設けられていればよい。
このような構成によれば、上流側の他のバーナ31A,31B,31C,31Dよりも低い位置に設けられたバーナ31A,31B,31C,31Dにおいては、上流側の他のバーナ31A,31B,31C,31Dから噴出して旋回しながら上方に向かう火炎(旋回流F)中に曝されることがなく、上下方向に大きな間隔を隔てることになる。したがって、火炉21の低い位置に設けられたバーナ31A,31B,31C,31D上にクリンカが堆積しにくくなる。
【0033】
〔第2実施形態〕
次に、本発明に係る旋回燃焼ボイラの第2実施形態について説明する。なお、以下の説明において、上記第1実施形態と共通する構成については同符号を付してその説明を省略する。
【0034】
図3に示すように、旋回燃焼ボイラ20Bは、火炉21と、バーナ部30Bと、追加空気投入部40と、過熱器22と、再熱器23と、節炭器24と、を備えている。
この実施形態において、旋回燃焼ボイラ20Bは、火炉21の後流側の側面21dが、その後流側の煙道25Bに隣接して配置されている。
【0035】
バーナ部30Bは、火炉21内の下部に設けられている。図4に示すように、バーナ部30Bは、火炉21内で周方向に間隔をあけて設けられた複数のバーナ31A,31B,31C,31Dを備えている。
バーナ31A,31B,31C,31Dは、火炉21の四方の側面21a、21b、21c、21dのそれぞれに、火炉21の外部から内部に向かって貫通して設けられている。複数のバーナ31A,31B,31C,31Dのうち、3つのバーナ31A,31B,31Cは、その基端部31bが、火炉21の角部21kに対して旋回流Fの旋回方向Swの上流側の側面21a,21b,21cに固定されている。また、残るバーナ31Dは、その基端部31bが、火炉21の角部21kに対して旋回流Fの旋回方向Swの下流側となる側面21bにおいて固定されている。これは、側面21bに隣接して煙道25Bが設けられているため、バーナ31Dの基端部31bを、火炉21の角部21kに対して旋回流Fの旋回方向Swの上流側の側面21dに固定できないからである。
【0036】
ここで、火炉21の角部21kに対して旋回流Fの旋回方向Swの下流側に設けられているバーナ31Dは、複数のバーナ31A,31B,31C,31Dのうち、最も低い位置に設けられている。さらに、複数のバーナ31A,31B,31C,31Dが、旋回流Fの旋回方向Sw上流側から下流側に向かって段階的に低くなるよう設けられている場合、バーナ31Dが、最も低い位置となるようにする。
【0037】
上述したような構成によれば、バーナ部30Bにおいて、火炉21の角部21kに対して旋回流Fの旋回方向Swの下流側に設けられているバーナ31Dは、複数のバーナ31A,31B,31C,31Dのうち、最も低い位置に設けられている。
ここで、バーナ31Dは、火炉21の角部21kに対し、旋回方向Swの下流側に設けられているので、旋回流Fは、火炉21の角部21kにおいて向きを変えた後、その下流側に設けられたバーナ31Dに衝突すると、角部21kとバーナ31Dとの間の部位Pで淀みが生じやすくなる。しかし、このように淀みが生じやすい部位Pにおいて、バーナ31Dを上流側の他のバーナ31A,31B,31Cよりも低い位置に設けることで、バーナ31D上にクリンカが堆積するのを抑えることができる。
【0038】
また、複数のバーナ31A,31B,31Cは、火炉21の角部21kに対して旋回流Fの旋回方向Swの上流側に設けられている。
このような旋回燃焼ボイラ20Bによれば、火炉21の角部21kに対し、バーナ31A,31B,31Cを旋回流Fの旋回方向Swの上流側に設けることで、旋回流Fに淀みが生じるのを抑えることができる。これによって、火炉21の角部21kにクリンカが堆積するのを抑えることができる。
【0039】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、例えばバーナ段数や段毎に形成される旋回流の数など、その要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0040】
20A、20B 旋回燃焼ボイラ
21 火炉
21a、21b、21c、21d 側面
21k 角部
21w 炉壁
22 過熱器
23 再熱器
24 節炭器
25A、25B 煙道
30A、30B バーナ部
31A〜31D バーナ
31a 先端部
31b 基端部
40 追加空気投入部(空気供給部)
41 空気噴出ノズル
F 旋回流
Sw 旋回方向
図1
図2
図3
図4