(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1コンテンツが自装置の画面上に表示される際の初期表示に第2コンテンツを表示する枠が含まれる場合、当該第1コンテンツの受信後、当該第1コンテンツが含む前記枠内に表示される前記第2コンテンツの取得処理であって、第1取得要求に基づく前記第2コンテンツの取得処理の実行に先立って、当該第1取得要求と、当該第2コンテンツに関連するコンテンツである第3コンテンツとの取得処理を、前記第1取得要求とは異なる第2取得要求であって、前記第1コンテンツに含まれる第2取得要求に基づいて実行し、前記初期表示に前記枠が含まれない場合、前記第2コンテンツの取得処理を前記第3コンテンツの取得処理よりも優先して実行する取得部と、
前記初期表示に前記枠が含まれる場合、前記取得部によって取得された前記第3コンテンツを前記枠内に表示するとともに、所定の条件を満たす場合に、前記第2コンテンツを前記第3コンテンツに置き換えて表示するよう制御し、前記初期表示に前記枠が含まれない場合、前記取得部によって取得された前記第2コンテンツを前記枠内に表示するよう制御する表示制御部と、
を備えることを特徴とする表示制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本願に係る表示制御プログラム、表示制御装置、表示制御方法及び配信装置を実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る表示制御プログラム、表示制御装置、表示制御方法及び配信装置が限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0012】
〔1.表示処理の一例〕
まず、
図1を用いて、実施形態に係る表示処理の一例について説明する。
図1は、実施形態に係る表示処理の一例を示す図である。
図1では、実施形態に係る表示制御装置において、実施形態に係る表示制御プログラムが実行する処理の一例について説明する。具体的には、
図1では、実施形態に係る表示制御装置の一例であるユーザ端末100によって、第1コンテンツ、第2コンテンツ及び第3コンテンツが表示される例を示す。より具体的には、ユーザ端末100は、第1コンテンツが含む広告枠内に表示される第2コンテンツの取得処理の実行に先立って、第2コンテンツに関連するコンテンツである第3コンテンツの取得処理を実行する。そして、ユーザ端末100は、取得した第3コンテンツを枠内に表示するとともに、第2コンテンツが取得された場合には、第2コンテンツを第3コンテンツに置き換えて表示するよう制御する。
【0013】
なお、以下では、第1コンテンツとしてウェブページを例に挙げ、第2コンテンツとして静止画像を例に挙げ、第3コンテンツとして広告を例に挙げて説明する。例えば、
図1では、ユーザ端末100が実行する処理によって、ウェブページW01、画像コンテンツP01及び広告C01等がユーザ端末100の画面上に表示される例を示す。すなわち、ユーザ端末100は、以下で説明する表示制御処理に従い、ウェブページW01が有する広告表示領域である広告枠70に画像コンテンツP01又は広告C01を表示する。
【0014】
図1に示したユーザ端末100は、スマートフォンやタブレット等のスマートデバイスであり、3G(3rd Generation)やLTE(Long Term Evolution)等の無線通信網を介して任意のサーバ装置と通信を行うことができる携帯端末装置である。ユーザ端末100は、液晶ディスプレイ等の表示画面を有する。例えば、ユーザ端末100は、タッチパネル等の機能を有する画面を有する。すなわち、ユーザ端末100を利用するユーザであるユーザU01は、指やスタイラスで画面をタッチすることにより各種操作を行う。
【0015】
図1に示したウェブサーバ30は、ユーザ端末100にウェブページを配信するサーバ装置である。ウェブサーバ30によって配信されるウェブページは、例えば、HTML(HyperText Markup Language)により記述されたHTMLファイルや、XML(Extensible Markup Language)により記述されたXMLファイル等により形成される。
図1の例では、ウェブサーバ30は、ウェブページの一例であるウェブページW01をユーザ端末100に配信する。
【0016】
図1に示した広告処理サーバ40は、ユーザ端末100から受信した広告配信命令に従い、広告に関するデータを広告配信サーバ20に要求するサーバ装置である。ここで、広告に関するデータとは、広告取得命令や広告表示の態様等が記載されたHTML(HyperText Markup Language)で記載されたタグ(一般に広告タグ等と称される)やJavaScript(登録商標)等で記載されたスクリプトを含む。広告とは、上記の第3コンテンツに対応する。また、広告に関するデータには、広告に関連する画像や、画像の取得先となるURL(Uniform Resource Locator)が含まれる。画像とは、上記の第2コンテンツに対応する。広告処理サーバ40は、広告配信サーバ20から広告に関するデータを取得した場合、広告に関するデータを広告取得命令と画像とに分離し、各々をユーザ端末100に配信する。言い換えれば、広告処理サーバ40は、実施形態に係る表示制御処理の実現のために、ユーザ端末100と広告配信サーバ20との間の広告に関するデータの送受信を仲介するプロキシサーバとしての機能を実行する。
【0017】
図1に示した広告配信サーバ20は、広告主から入稿された広告を保持し、広告取得要求を受信した場合に、要求元に広告を配信するサーバ装置である。具体的には、広告配信サーバ20は、広告のコンテンツデータ(静止画像や動画像等、いわゆる広告クリエイティブ)の取得先となるURLや、広告の表示処理や態様を制御するスクリプト等が記載されたHTMLファイル(一般に、ad html等と称される)を配信する。
【0018】
上記のように、ウェブサーバ30によって配信されるウェブページW01には、広告配信命令が含まれる。例えば、ウェブページW01を取得したユーザ端末100は、広告配信命令に従い、広告配信を要求する。具体的には、ユーザ端末100にウェブページW01が表示され広告配信機会が発生した場合には、ユーザ端末100は、ウェブページに記載された広告配信命令に従い、広告配信をSSP(Supply-Side Platform)側に要求する。なお、かかる要求は、広告表示の媒体となるウェブページW01を配信するウェブサーバ30からSSP側に行われてもよい。そして、SSP側では、RTB(Real-Time Bidding)を開催し、ユーザ端末100に広告を配信する広告配信サーバを選出する。そして、選出された広告配信サーバが、ユーザ端末100に広告を配信する。
図1では、上記のような広告配信サーバの選出処理の過程については図示を省略しており、
図1に示す広告配信サーバ20は、RTBを経て選出された広告配信サーバであるものとする。
【0019】
ところで、ウェブページの広告表示処理では、ウェブページ埋め込まれたiframe(Inline frame)要素をブラウザが実行することで、広告を表示することが広く行われている。かかる処理によれば、広告がウェブページを構成するHTMLファイルの入れ子として取り扱われるため、JavaScript等が実行されるような特殊な広告表示を行う場合であっても、ウェブページ全体の表示の崩れや改竄が発生することを防止できる。
【0020】
しかしながら、iframe要素は、ウェブブラウザの仕様上、ウェブページを構成する要素(iframe外の構成要素)よりも後に実行される。このため、iframe要素として表示される広告を含むウェブページでは、一瞬(例えば、数ミリ秒から数秒の間)、広告枠が白枠で表示され、後から広告のコンテンツデータ(画像等)が表示される。このような現象は、例えばスマートフォン等でウェブページを表示する際に、ファーストビューに広告枠が配置されている場合等に顕著である。
【0021】
そこで、実施形態に係る表示制御処理では、広告表示処理を実行するiframe要素に先立って、配信される広告に関連する画像のURLを取得する処理を実行する。この際に取得される画像は、例えば、広告主が予め広告と対応付けておいた画像であり、広告と関連する画像(例えば、広告が宣伝する商品と同じ商品を被写体とする画像など)である。そして、実施形態に係る表示制御処理では、iframe要素として実行される広告表示処理(例えば、広告のコンテンツデータの取得命令や、取得したコンテンツデータを表示するためのスクリプトの実行等)の前に、取得した画像を先に表示する。さらに、実施形態に係る表示制御処理では、iframe要素が実行されて広告表示処理が完了した時点で、事前に表示しておいた画像を広告に係る本来のコンテンツデータに置き換える。このように、実施形態に係る表示制御処理によれば、白枠を表示することなく(もしくは、白枠を表示する時間を極めて短時間にして)ウェブページを表示することができるため、ウェブページ全体におけるコンテンツ表示の遅延を防止することができる。以下、
図1を用いて、実施形態に係る表示制御処理の流れについて説明する。
【0022】
まず、ユーザ端末100は、ユーザU01が閲覧を所望したウェブページにアクセスする(ステップS11)。具体的には、ユーザ端末100は、ウェブページW01を提供するウェブサーバ30にアクセスする。ウェブサーバ30は、ユーザ端末100のアクセスを受けて、ウェブページW01を配信する(ステップS12)。
【0023】
図1の例において、ウェブページW01は、ニュース等の各種情報(トピックス)が掲載されるポータルサイト用のコンテンツである。
図1の例では図示を省略しているが、ウェブページW01の縦方向のサイズは、ユーザ端末100の画面における縦方向の表示サイズよりも長いものとする。このため、ユーザ端末100の画面内に位置するウェブページW01の領域のみが画面に表示され、画面外に位置するウェブページW01の領域は表示されない。ユーザ端末100のユーザは、例えば、指を用いてスワイプ操作やフリック操作を行うことで、表示されたウェブページW01をスクロールさせ、ウェブページW01のうち画面内に位置させる領域を変更する。
【0024】
また、
図1に示すように、ウェブページW01は、トピックスを表示する表示領域の他に、ウェブページW01とは別に配信される広告を表示する表示領域である広告枠70を含む。広告枠70は、例えば、ウェブページW01の最上部に配置される。広告枠70は、ウェブページW01とは別に配信されるバナー広告等の広告が表示される領域である。
【0025】
また、ウェブサーバ30によって配信されるウェブページには、広告配信命令が含まれる。例えば、ウェブページW01を形成するHTMLファイル等には、広告枠70で表示する広告の配信を要求するためのスクリプトやタグが埋め込まれる。ユーザ端末100は、ウェブページW01に含まれる広告配信命令に従い、広告配信を広告処理サーバ40に要求する(ステップS13)。
【0026】
広告処理サーバ40は、ユーザ端末100から受信した広告配信命令に従い、実際に広告に関するデータを保持する広告配信サーバ20にアクセスする。そして、広告処理サーバ40は、ユーザ端末100で表示する広告の配信を広告配信サーバ20に要求する(ステップS14)。
【0027】
広告配信サーバ20は、受信した広告配信要求に従い、広告に関するデータを広告処理サーバ40に配信する(ステップS15)。実施形態において、広告に関するデータとは、広告に係るコンテンツデータの取得先となるURLや、広告がクリックされた際のリンク先となるURLや、広告閲覧の計測を行ったりiアイコンを表示させたりするためのJavaScript等を含む。また、広告に関するデータには、広告に関する画像も含まれる。この場合、画像とは、具体的な画像データでもよいし、画像の取得先となるURLであってもよい。かかる広告に関するデータは、例えば、iframe要素として実行されるHTMLファイルの形式で配信される。
図1の例では、広告配信サーバ20は、ユーザ端末100に表示する広告として、広告C01を抽出し、広告C01に関するデータを配信するものとする。
【0028】
広告処理サーバ40は、例えばopenRTBの規格に基づき、openRTBのレスポンスにおいて、ユーザ端末100に配信する画像のURLとHTMLファイルとを分離する。具体的には、
図1で示すように、広告処理サーバ40は、広告配信サーバ20から取得した広告に関するデータを、画像コンテンツP01とHTMLファイルA01に分離する。なお、上記のように、画像コンテンツP01は、実際の画像データファイルであってもよいし、画像コンテンツP01を取得するためのURLであってもよい。また、HTMLファイルA01は、上記のように、実際にユーザ端末100で表示される広告のコンテンツデータのURL等が記載されたファイルであり、言い換えれば、広告取得命令である。すなわち、HTMLファイルA01は、iframe要素としてユーザ端末100のブラウザで実行されることによって、広告枠70で表示する広告のコンテンツデータを取得するようユーザ端末100を制御するスクリプトである。
【0029】
広告処理サーバ40は、広告取得命令(
図1の例では、HTMLファイルA01)と画像(
図1の例では、画像コンテンツP01)とを分離して、ユーザ端末100に配信する(ステップS16)。
【0030】
ユーザ端末100は、取得した画像コンテンツP01をウェブページW01に表示するとともに、広告取得命令であるHTMLファイルA01が含むスクリプトを、iframe要素として実行する。かかる処理について、
図1に示したユーザ端末100の画面表示を用いて、順に説明する。なお、以下では、ユーザ端末100の状態遷移を図示する場合、左から順に第1状態、第2状態、第3状態と表記する。
【0031】
第1状態において、ユーザ端末100は、ウェブサーバ30から取得したウェブページW01を表示する。ウェブページW01は、最上部に広告枠70を含む。ステップS16において、ユーザ端末100は、広告処理サーバ40から広告C01に係る広告取得命令と画像とを取得する。そして、ユーザ端末100は、iframe要素における広告取得命令の処理に先立って、広告枠70に画像を表示する(ステップS17)。ステップS17の処理により、ユーザ端末100は、第2状態に遷移する。
【0032】
第2状態において、ユーザ端末100は、広告枠70に画像コンテンツP01を表示する。このとき、ユーザ端末100は、iframe要素外の要素として画像コンテンツP01を広告枠70に表示することにより、広告取得に先立って、画像コンテンツP01を広告枠70に表示することができる。また、ユーザ端末100は、広告主によって広告C01に対応付けられた画像である画像コンテンツP01を表示するので、この後に表示される広告C01と関連するような内容の画像を表示することになる。すなわち、ユーザ端末100は、広告C01に先立って広告枠70に表示されても広告主にとって不利益とはならないような画像である画像コンテンツP01を表示する。
【0033】
その後、ユーザ端末100は、ウェブページW01のiframe要素において、広告C01の広告取得命令を実行する(ステップS18)。具体的には、ユーザ端末100は、HTMLファイルA01に記載されているURLにアクセスし、広告C01のコンテンツデータ(例えば静止画像や動画像等)を取得する。なお、実施形態では、ユーザ端末100が広告配信サーバ20からコンテンツデータを取得する例を示すが、ユーザ端末100は、例えば、広告主が指定するサーバや、外部のストレージサーバ等からコンテンツデータを取得してもよい。
【0034】
上記の処理を経て、ユーザ端末100は、広告C01のコンテンツデータを取得する。そして、ユーザ端末100は、表示していた画像コンテンツP01を広告C01に置き換えて広告枠70に表示する(ステップS19)。ステップS18の処理により、ユーザ端末100は、第3状態に遷移する。
図1の第3状態に示すように、ユーザ端末100は、広告枠70が白枠(空白)となるような表示遅延を発生させずに、広告枠70に表示する予定であった広告C01を表示することができる。
【0035】
上述してきたように、実施形態に係るユーザ端末100は、ウェブページW01が含む広告枠70内に表示される広告C01の取得処理の実行に先立って、広告C01に関連するコンテンツである画像コンテンツP01の取得処理を実行する。そして、ユーザ端末100は、取得された画像コンテンツP01を広告枠70内に表示するとともに、広告C01(より正確には、広告C01に対応するコンテンツデータ)が取得された場合には、広告C01を画像コンテンツP01に置き換えて表示するよう制御する。
【0036】
画像コンテンツP01及び広告C01は、同一の提供主(広告主)によって入稿されるコンテンツであり、例えば、共通する宣伝対象を有するコンテンツである。ユーザ端末100は、ウェブページW01の表示においてiframe要素として実行される広告表示処理に先立って画像コンテンツP01を表示する処理を行うことで、通常であればiframe要素の処理が完了するまでは白枠が表示される領域に、広告と同じような訴求効果を有する画像コンテンツP01を表示する。さらに、ユーザ端末100は、iframe要素として実行される広告表示処理が完了した場合には、画像コンテンツP01を広告C01に置き換えることで、本来、表示すべきであった広告C01を表示する。これにより、ユーザ端末100は、広告表示の遅延を防止しつつ、訴求効果を向上させる表示制御処理を行うことができる。
【0037】
なお、ユーザ端末100は、上述した処理を任意の手法で実現することができる。例えば、ユーザ端末100は、予め上記のような表示制御処理を実行するためのスクリプトが記載されたウェブページW01を取得することにより、上記の表示制御処理を実行することができる。具体的には、ユーザ端末100は、ウェブページW01の配信と同時に、上述した表示制御処理を実行させる制御情報の配信を受け付けてもよい。制御情報は、例えば、CSS(Cascading Style Sheets)、JavaScript、HTML、あるいは、上述した表示制御処理を記述可能な任意のスクリプトによって実現される。そして、ユーザ端末100は、制御情報に従って上記した表示制御処理を行う。すなわち、制御情報は、実施形態に係る表示制御プログラムを実行させるためのスクリプトと読み替えてもよい。例えば、制御情報は、ウェブページを構成するHTMLファイルの一部として組み込まれてもよい。以下、このような制御情報に従って、上述した表示制御処理を実行するユーザ端末100等について詳細に説明する。
【0038】
〔2.広告配信システムの構成〕
まず、
図2を用いて、実施形態に係る広告配信システム1の構成について説明する。
図2は、実施形態に係る広告配信システム1の構成例を示す図である。
図2に示すように、広告配信システム1は、ユーザ端末100と、広告主端末10と、広告配信サーバ20と、ウェブサーバ30と、広告処理サーバ40を含む。ユーザ端末100、広告主端末10、広告配信サーバ20、ウェブサーバ30及び広告処理サーバ40は、ネットワークNを介して有線または無線により通信可能に接続される。なお、
図2に示す広告配信システム1に含まれる各装置の数は図示したものに限られず、例えば、広告配信システム1には、複数台のユーザ端末100が含まれてもよい。
【0039】
ユーザ端末100は、ウェブページ等のコンテンツを閲覧するユーザによって利用される情報処理装置である。例えば、ユーザ端末100は、スマートフォン等の携帯電話機や、タブレット端末や、PDA(Personal Digital Assistant)や、デスクトップ型PC(Personal Computer)や、ノート型PC等である。ユーザ端末100は、ユーザによる操作にしたがって、ウェブサーバ30からウェブページを取得し、取得したウェブページを表示する。また、ユーザ端末100は、ウェブページに広告配信命令が含まれる場合には、実施形態に係る広告表示制御処理を実行し、iframe要素として表示制御される広告に先立って、広告に関する画像を広告枠に表示する。
【0040】
広告主端末10は、広告主によって利用される情報処理装置である。例えば、広告主端末10は、デスクトップ型PCや、ノート型PCや、タブレット端末や、携帯電話機や、PDA等である。広告主端末10は、広告主による操作にしたがって、広告を広告配信サーバ20に入稿する。例えば、広告主端末10は、広告として、静止画像や、動画像や、テキストデータ等のコンテンツデータや、広告にリンクされたランディングページ(landing page))を取得するためのURL等の情報を広告配信サーバ20に入稿する。また、広告主は、広告に関する画像を入稿してもよい。上述のように、広告に関する画像は、広告に先立って広告枠で表示される。なお、広告主は、広告に関する画像を広告とは別に入稿するのではなく、広告に係るコンテンツデータに含まれる画像から、広告に関する画像を選択してもよい。この場合、広告主は、広告の入稿に際して、広告に関する画像として対応付ける画像を指定する。
【0041】
なお、広告主は、広告コンテンツの入稿を代理店に依頼する場合がある。この場合、広告配信サーバ20に広告コンテンツを入稿するのは代理店となる。すなわち、「広告主」といった表記は、広告主だけでなく代理店を含む概念であり、「広告主端末」といった表記は、広告主端末10だけでなく代理店によって利用される代理店装置を含む概念であるものとする。
【0042】
広告配信サーバ20は、実施形態に係る配信装置に対応するサーバ装置であって、広告主端末10から入稿された広告を配信するサーバ装置である。例えば、広告配信サーバ20は、広告配信要求を受け付けると、媒体となるウェブページや利用者の属性等から広告のマッチングを行い、マッチングの結果配信対象となる広告をユーザ端末100に配信する。具体的には、
図1で示した例では、広告配信サーバ20が、ウェブページを閲覧したユーザU01(すなわち、ユーザ端末100)と広告C01とをマッチングしたことを示している。なお、配信先となるユーザと広告とのマッチングは、SSP側の処理として行われてもよい。
【0043】
ウェブサーバ30は、ユーザ端末100にウェブページを配信するウェブサーバ等である。例えば、ウェブサーバ30は、ポータルサイト、ニュースサイト、オークションサイト、天気予報サイト、ショッピングサイト、ファイナンス(株価)サイト、路線検索サイト、地図提供サイト、旅行サイト、飲食店紹介サイト、ウェブブログなどに関連する各種情報を含むウェブページをユーザ端末100に配信する。
【0044】
ウェブサーバ30によって配信されるウェブページは、例えば、HTMLにより記述されたHTMLファイルや、XML(Extensible Markup Language)により記述されたXMLファイル等により形成される。また、ウェブサーバ30によって配信されるウェブページには、広告配信命令が含まれる。例えば、ウェブページを形成するHTMLファイル等には、広告配信サーバ20のURL等が広告配信命令として記述される。この場合、ユーザ端末100は、HTMLファイル等に記述されているURLにアクセスすることで、広告配信サーバ20から広告を取得する。また、ウェブページがユーザ端末100に表示される場合、ウェブページを表示するためのHTMLの入れ子として配置されているiframe要素によって広告が表示される。具体的には、ユーザ端末100は、iframe要素外の構成要素を取得してウェブページを構築したのちに、iframe要素を実行し、広告のコンテンツデータを取得したり、広告の表示処理を実行したりする。ウェブサーバ30は、広告とともに、広告の表示処理を制御する制御情報を配信してもよい。この制御情報は、例えば、JavaScriptやCSS等のスクリプト言語により記述される。
図1で述べたように、かかる制御情報によって、ユーザ端末100は、広告に先立って画像の取得要求を実行する処理や、広告に先立って広告枠に画像を表示する処理を制御する。
【0045】
広告処理サーバ40は、ユーザ端末100から受信した広告配信命令に従い、広告に関するデータを広告配信サーバ20に要求するサーバ装置である。広告処理サーバ40は、例えばopenRTBの規格に沿った処理によって、広告配信サーバ20から広告に関するデータを取得する。そして、広告処理サーバ40は、広告に関するデータを広告取得命令と画像とに分離し、各々をユーザ端末100に配信する。
【0046】
〔3.広告配信サーバの構成〕
次に、
図3を用いて、実施形態に係る広告配信サーバ20の構成について説明する。
図3は、実施形態に係る広告配信サーバ20の構成例を示す図である。
図3に示すように、広告配信サーバ20は、通信部21と、記憶部22と、制御部23とを有する。
【0047】
通信部21は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部21は、ネットワークNと有線または無線で接続され、ユーザ端末100や広告主端末10やウェブサーバ30や広告処理サーバ40との間で情報の送受信を行う。
【0048】
記憶部22は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。また、記憶部22は、広告主端末10から入稿された広告に関する各種情報が格納されたデータベースである広告データベース24を記憶する。
【0049】
ここで、
図4に、実施形態に係る広告データベース24に格納された情報の一例を示す。
図4は、実施形態に係る広告データベース24に格納された情報の一例を示す図である。
図4に示した例では、広告データベース24は、「広告主ID」、「広告ID」、「取得命令」、「コンテンツデータ」、「関連画像」、「ターゲティング情報」、「インプレッション数」、「インプレッション保証数」、「対価」といった項目を有する。
【0050】
「広告主ID」は、広告主または広告主端末10を識別するための識別情報を示す。「広告ID」は、広告を識別するための識別情報を示す。「取得命令」は、iframe要素として実行されるスクリプトであり、広告のコンテンツデータ等の取得先等を示したURL等が含まれる。「コンテンツデータ」は、広告を構成するコンテンツのデータを示す。コンテンツデータは、いわゆる広告クリエイティブであり、例えば、静止画像や動画像、テキストデータ等である。なお、
図4では、「取得命令」や「コンテンツデータ」に、「A10」や「E10」といった概念的な情報が格納される例を示したが、実際には、これらの項目には、具体的なスクリプトが記載されたHTMLファイルや、静止画像や動画像やテキストデータ、あるいは、これらの格納場所を示すファイルパス名やURL等が格納される。
【0051】
「関連画像」は、広告に関する画像を示す。関連画像は、入稿の際に広告主から指定された画像であってもよいし、広告配信サーバ20が任意に選択した画像であってもよい。
図4では、「関連画像」に「P10」といった概念的な情報が格納される例を示したが、実際には、かかる項目には、具体的な静止画像データ、データの格納場所を示すファイルパス名やURL等が格納される。なお、関連画像は、1つに限られず、複数であってもよい。複数の関連画像が広告に対応付けられている場合、広告配信サーバ20は、例えば、ユーザ端末100に配信する画像を無作為に選択してもよい。
【0052】
「ターゲティング情報」は、広告の配信先とのマッチングに利用されるターゲティング情報を示す。ターゲティング情報は、例えば、入稿時に広告主から受け付ける。
図4では、「ターゲティング情報」に「F10」といった概念的な情報が格納される例を示したが、実際には、かかる項目には、配信先として指定されたユーザの属性情報(年齢や性別等)や、広告枠を有する媒体(ウェブページ)の内容等が格納される。
【0053】
「インプレッション数」は、現時点で広告がユーザ端末100に表示された数を示す。「インプレッション保証数」は、広告主から入稿された広告がユーザ端末100に表示される回数として保証される数を示す。例えば、広告主は、インプレッション保証数を指定して、広告配信サーバ20に対して広告の入稿を行う。広告配信サーバ20は、広告主から指定されたインプレッション数を達成するように、ユーザ端末100への広告の配信を行う。「対価」は、広告の配信に伴う対価を示す。例えば、対価は、広告主が指定したインプレッション数に基づいて定められる。
図4に示した例では、対価は「bbb」や「ccc」といった概念で示しているが、実際には、広告主が支払う具体的な金額が記憶される。なお、
図4に示した例では、広告主は、所定のインプレッション保証数に対して対価を先に支払う、いわゆる前課金を行って広告の入稿を行っているものとする。
【0054】
すなわち、
図4では、広告主ID「B10」によって識別される広告主が、広告「C10」を入稿した例を示している。また、広告C01は、取得命令として「A10」を含み、コンテンツデータは「E10」であり、関連画像は「P01」であることを示している。また、広告C01に設定されたターゲティング情報は「F10」であり、現在のインプレッション数は「10000」回であり、広告主から指定されたインプレッション保証数は「20000」回であり、広告配信の対価は「bbb」であることを示している。
【0055】
なお、広告データベース24に記憶される項目として、例えば、広告C01の広告効果を示すCTR(Click Through Rate)等の指標値がさらに記憶されてもよい。
【0056】
図3に戻って、説明を続ける。制御部23は、例えば、コントローラ(controller)であり、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、広告配信サーバ20内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部23は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0057】
図3に示すように、制御部23は、入稿受付部25と、要求受付部26と、抽出部27と、配信部28とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部23の内部構成は、
図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部23が有する各処理部の接続関係は、
図3に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0058】
入稿受付部25は、広告主端末10から広告の入稿を受け付ける。例えば、実施形態に係る入稿受付部25は、広告の入稿を受け付けるとともに、広告のコンテンツデータや、広告に設定されるターゲティング情報や、広告に指定するインプレッション保証数等の指定を受け付ける。また、入稿受付部25は、広告の入稿の際、広告に対して設定される各ランディングページ等の所在を示すURLを広告主端末10から受信してもよい。そして、入稿受付部25は、受信したランディングページ等の所在を示すURLを、広告とともに広告データベース24に登録する。
【0059】
また、入稿受付部25は、広告に関する画像を受け付ける。例えば、入稿受付部25は、広告が表示される迄の時間に広告の代わりに表示される画像コンテンツの入稿又は指定を広告主から受け付ける。入稿受付部25は、受け付けた画像と広告とを対応付けて、広告データベース24に登録する。
【0060】
要求受付部26は、広告処理サーバ40を介して、ユーザ端末100から広告の配信要求を受け付ける。例えば、要求受付部26は、広告の取得要求として、HTTPリクエストを受け付ける。
【0061】
抽出部27は、要求受付部26によって広告の取得要求が受け付けられた場合に、配信候補の広告を広告データベース24から選択する。例えば、抽出部27は、ユーザ端末100が表示しているウェブページの内容や、ユーザ端末100のユーザの属性等に基づいて、広告データベース24に登録されている広告から配信対象となる広告のマッチングを行う。かかるマッチングにおいては、広告に対する入札価格や、CTRが高い広告や、入札価格およびCTRの双方が高い広告が優先的に選択されてもよい。
【0062】
なお、このような広告の配信のマッチングは、既知の種々の手法が応用されてもよい。例えば、抽出部27は、ウェブページが検索ページである場合には、検索ページに指定された検索キーワードとマッチする広告を抽出する検索連動型広告と呼ばれる広告配信手法を用いてもよい。また、抽出部27は、ユーザの属性情報(サイコグラフィック属性、デモグラフィック属性など)とマッチする広告を抽出するターゲティング配信と呼ばれる広告配信手法を用いてもよい。なお、マッチングは、抽出部27ではなく、広告配信サーバ20と通信可能なSSP等によって行われてもよい。そして、抽出部27は、配信対象として選択された広告を配信部28に出力する。
【0063】
配信部28は、抽出部27が選択した広告を配信する。なお、配信部28は、広告配信が、実施形態に係る表示制御処理を実行するための制御情報に基づいて実行される場合には、広告とともに広告に関する画像を配信する。具体的には、配信部28は、制御情報に係る画像の取得処理命令に従い、広告に関する画像を特定し、広告に関する画像を配信する。
【0064】
〔4.ウェブサーバの構成〕
次に、
図5を用いて、実施形態に係るウェブサーバ30の構成について説明する。
図5は、実施形態に係るウェブサーバ30の構成例を示す図である。
図5に示すように、ウェブサーバ30は、通信部31と、ウェブページ記憶部32と、制御部33とを有する。
【0065】
通信部31は、例えば、NIC等によって実現される。そして、通信部31は、ネットワークNと有線または無線で接続され、ユーザ端末100や広告配信サーバ20や広告処理サーバ40との間で情報の送受信を行う。
【0066】
ウェブページ記憶部32は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。そして、ウェブページ記憶部32は、第1コンテンツの一例であるウェブページを記憶する。例えば、ウェブページ記憶部32は、ウェブページを形成するHTMLファイルや、ウェブページに表示される静止画像や動画像を記憶する。なお、ウェブページ記憶部32に記憶されるウェブページには、ウェブページ上に表示させる広告を取得するための広告配信命令が含まれる。
【0067】
制御部33は、例えば、コントローラであり、CPUやMPU等によって、ウェブサーバ30内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部33は、コントローラであり、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
【0068】
図5に示すように、制御部33は、受付部34と、配信部35とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部33の内部構成は、
図5に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部33が有する各処理部の接続関係は、
図5に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0069】
受付部34は、ユーザ端末100からウェブページの取得要求を受け付ける。例えば、受付部34は、ウェブページの取得要求として、HTTPリクエストを受け付ける。
【0070】
配信部35は、受付部34によってウェブページの取得要求が受け付けられた場合に、ウェブページをユーザ端末100に配信する。具体的には、配信部35は、ウェブページ記憶部32から取得要求対象のウェブページを取得し、取得したウェブページをユーザ端末100に配信する。上記の通り、ウェブページ記憶部32に記憶されているウェブページは、広告配信命令を含む。すなわち、ユーザ端末100は、取得したウェブページを表示する際に、ウェブページに含まれる広告配信命令に従い、広告処理サーバ40に対して広告の配信要求を送信する。かかる広告配信命令は、実施形態に係る表示制御プログラムの一部であり、広告枠に表示するコンテンツを配信させるための命令であって、ウェブページが含む枠内に表示される広告の取得処理の実行に先立って、広告に関連するコンテンツである画像コンテンツの取得処理をユーザ端末100に実行させるものである。
【0071】
〔5.広告処理サーバの構成〕
次に、
図6を用いて、実施形態に係る広告処理サーバ40の構成について説明する。
図6は、実施形態に係る広告処理サーバ40の構成例を示す図である。
図6に示すように、広告処理サーバ40は、通信部41と、記憶部42と、制御部43とを有する。
【0072】
通信部41は、例えば、NIC等によって実現される。そして、通信部41は、ネットワークNと有線または無線で接続され、ユーザ端末100や広告配信サーバ20やウェブサーバ30との間で情報の送受信を行う。
【0073】
記憶部42は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部42は、例えば、広告配信サーバ20から取得した広告に関するデータ等を記憶する。
【0074】
制御部43は、例えば、コントローラであり、CPUやMPU等によって、広告処理サーバ40内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部43は、コントローラであり、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
【0075】
図6に示すように、制御部43は、受信部44と、広告処理部45と、配信部46とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部43の内部構成は、
図6に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部43が有する各処理部の接続関係は、
図6に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0076】
受信部44は、ユーザ端末100から広告配信要求を受信する。広告処理部45は、受信部44によって受信された広告配信要求を広告配信サーバ20に送信する。また、広告処理部45は、広告配信サーバ20から取得した広告に関するデータを記憶部42に格納する。また、広告処理部45は、広告に関するデータを広告取得命令と画像とに分離する。広告取得命令とは、ユーザ端末100で表示されるウェブページのiframe要素において実行されるスクリプトである。例えば、広告取得命令には、実際に広告枠で表示される広告のコンテンツデータの取得先URL等が含まれる。また、画像とは、iframe要素が実行される迄に広告枠で表示される画像データ(もしくは、画像データの取得先URL)である。配信部46は、広告処理部45によって分離された広告取得命令と画像とをユーザ端末100に配信する。
【0077】
〔6.ユーザ端末の構成〕
次に、
図7を用いて、実施形態に係るユーザ端末100の構成について説明する。
図7は、実施形態に係るユーザ端末100の構成例を示す図である。
図7に示すように、ユーザ端末100は、通信部110と、入力部120と、出力部130と、制御部140と、記憶部150とを有する。
【0078】
通信部110は、例えば、NIC等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、広告配信サーバ20やウェブサーバ30や広告処理サーバ40との間で情報の送受信を行う。
【0079】
入力部120は、ユーザから各種操作を受け付ける入力装置である。例えば、入力部120は、キーボードやマウスや操作キー等によって実現される。出力部130は、各種情報を表示するための表示装置である。例えば、出力部130は、ユーザ端末100の画面であり、液晶ディスプレイ等によって実現される。なお、ユーザ端末100にタッチパネルが採用される場合には、入力部120と出力部130とは一体化される。なお、
図1の例では、出力部130と、ユーザ端末100におけるウェブページの表示領域が同一である例を示したが、実際には、ウェブページは出力部130の全面に表示されるとは限らない。すなわち、ウェブページ等のコンテンツは、出力部130内に表示されるウェブブラウザソフトウェアのウインドウ内に表示される場合がありうる。この場合、ウェブページを表示する際のユーザ端末100における表示領域とは、ウェブブラウザソフトウェアのウインドウを意味する。
【0080】
制御部140は、コントローラであり、例えばCPUやMPU等によって、ユーザ端末100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(実施形態に係る表示制御プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。例えば、この各種プログラムは、ウェブブラウザと呼ばれるアプリケーションプログラムに該当する。また、制御部140は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
【0081】
図7に示すように、制御部140は、要求部141と、受付部142と、取得部143と、表示制御部144とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部140の内部構成は、
図7に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部140が有する各処理部の接続関係は、
図7に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0082】
上述のように、制御部140に係る各処理部は、制御情報がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。すなわち、要求部141が実行する処理は、制御情報が実行させる要求手順により実現され、受付部142が実行する処理は、制御情報が実行させる受付手順により実現され、取得部143が実行する処理は、制御情報が実行させる取得手順により実現され、表示制御部144が実行する処理は、制御情報が実行させる表示制御手順により実現される。
【0083】
要求部141は、入力部120を介して受け付けたユーザ操作に従って、ウェブサーバ30にウェブページの取得要求を送信する。また、要求部141は、受付部142によって受け付けられたウェブページに広告配信命令が含まれる場合に、広告の配信要求を広告配信サーバ20に送信する。なお、広告の配信要求とは、必ずしも広告に限られず、関連画像等を含む、広告枠に表示するための任意のコンテンツの配信を要求する意図を含むものである。
【0084】
受付部142は、各種コンテンツを受け付ける。具体的には、受付部142は、要求部141によって送信されたウェブページの取得要求に応答したウェブサーバ30からウェブページを受け付ける。また、受付部142は、要求部141によって送信された広告の配信要求に応答した広告処理サーバ40から、広告取得命令と画像とを受け付ける。
【0085】
取得部143は、第1コンテンツが含む枠内に表示される第2コンテンツの取得処理の実行に先立って、第2コンテンツに関連するコンテンツである第3コンテンツの取得処理を実行する。なお、実施形態では、第1コンテンツはウェブページであり、第1コンテンツが含む枠とは広告枠である。また、取得部143は、第3コンテンツの取得処理を実行した後に、iframe要素において実行される広告取得命令に従って、第2コンテンツの取得処理を実行する。
【0086】
例えば、取得部143は、第3コンテンツとして、第2コンテンツに関連する画像コンテンツの取得処理を実行する。なお、取得処理の実行とは、画像データ自体を広告配信サーバ20から取得すること、もしくは、画像データの取得先であるURLにアクセスして画像データを取得することのいずれをも含む。
【0087】
具体的には、取得部143は、第2コンテンツの提供主(すなわち、広告主)によって予め第2コンテンツに対応付けられた画像コンテンツの取得処理を実行する。これにより、取得部143は、まったくの無関係な画像ではなく、広告主に関連する画像を取得することができる。
【0088】
なお、取得部143は、所定の場合には、ウェブページの配信側(すなわち、広告の媒体側であるウェブサーバ30)によって任意に選択された画像コンテンツの取得処理を実行してもよい。例えば、広告主によって関連する画像が設定されていない場合や、ウェブサーバ30側が広告よりも優先して表示させたい画像がある場合等には、取得部143は、広告に関する画像ではなく、ウェブページの配信側によって任意に選択された画像コンテンツを取得してもよい。
【0089】
また、取得部143は、第3コンテンツの取得処理を実行した後に、第2コンテンツとして、ウェブページが含む広告枠内に表示される広告画像もしくは広告動画の取得処理を実行する。例えば、取得部143は、iframe要素において実行される広告取得命令に従って広告画像もしくは広告動画の取得先URLにアクセスし、広告画像もしくは広告動画のコンテンツデータを取得する。例えば、取得部143は、コンテンツデータを保持する広告配信サーバ20や、広告主が有するサーバから、コンテンツデータとして広告画像もしくは広告動画を取得する。
【0090】
なお、取得部143は、ウェブページがユーザ端末100の画面上に表示される際の初期表示に広告枠が含まれる場合に、第2コンテンツの取得処理の実行に先立って第3コンテンツの取得処理を実行するようにしてもよい。実施形態に係る表示制御処理は、コンテンツの表示遅延防止を目的とするので、ウェブページの初期表示(いわゆるファーストビュー)に広告枠が含まれる場合には画像の取得処理を優先する一方で、ウェブページの初期表示に広告が含まれない場合(すなわち、ユーザに表示遅延が認識されない場合)には、広告の取得処理を優先してもよい。なお、ファーストビュー以外に広告枠が含まれる場合には、取得部143は、ユーザのスクロール操作に合わせて、画面に表示されようとする広告枠ごとに、画像を取得するか広告を取得するかの判定を行ってもよい。
【0091】
表示制御部144は、取得部143によって取得された第3コンテンツを枠内に表示するとともに、所定の条件を満たす場合に、第2コンテンツを第3コンテンツに置き換えて表示するよう制御する。例えば、表示制御部144は、取得部143によって第2コンテンツが取得された場合に、枠内に表示している第3コンテンツを第2コンテンツに置き換えて表示するよう制御する。具体的には、表示制御部144は、まず取得部143によって取得された画像(上記の第3コンテンツに対応)を広告枠に表示し、その後、広告に係るコンテンツデータ(上記の第2コンテンツに対応)が取得された場合には、表示していた画像に代えて広告を表示するよう制御する。なお、表示制御部144は、上記表示制御処理を行うに際して、単に第2コンテンツが取得されたことのみを判定するのみならず、例えば、当該第2コンテンツの表示の準備が完了したタイミングを満たしたことを所定の条件としてもよい。この場合、第2コンテンツの表示の準備が完了したタイミングとは、例えば、iframe要素として実行されるスクリプトの処理が完了したことや、スクリプトの処理が所定の状態まで完了したこと(例えば、ユーザ端末100への表示処理を行うことのできるタイミング)や、表示画面への出力処理のタイミング待ちになったことなど、種々の状況であってもよい。
【0092】
具体的には、表示制御部144は、iframe要素以外の処理として、画像を広告枠内に表示する処理を実行する。その後、表示制御部144は、iframe要素として広告を表示する処理(取得部143が実行する広告取得処理を含む)を実行し、広告を表示する処理が完了した時点で、広告を広告枠内の画像に上書きして、広告を表示する。
【0093】
〔7.処理フロー〕
次に、
図8を用いて、実施形態に係る広告配信システム1による配信処理の手順について説明する。
図8は、実施形態に係る広告配信システム1による配信処理手順を示すシーケンス図である。
【0094】
図8に示すように、ユーザ端末100は、ユーザの操作に従って、ウェブページの取得要求をウェブサーバ30に送信する(ステップS101)。ウェブサーバ30は、ウェブページの取得要求に応じて、ウェブページをユーザ端末100に配信する(ステップS102)。なお、ウェブサーバ30によって配信されるウェブページには、広告配信サーバ20のURL等を含む広告配信命令が含まれる。
【0095】
ユーザ端末100は、ウェブページに含まれる広告配信命令に基づいて、広告の配信要求を広告処理サーバ40に送信する(ステップS103)。なお、かかる広告の配信要求には、広告の取得に先立って広告に関連する画像を取得する旨が含まれる。広告処理サーバ40は、ユーザ端末100から受信した広告配信要求を広告配信サーバ20に送信する(ステップS104)。
【0096】
広告配信サーバ20は、広告に関するデータを広告処理サーバ40に配信する(ステップS105)。広告処理サーバ40は、広告に関するデータから、画像と広告取得命令を分離する(ステップS106)。
【0097】
そして、広告処理サーバ40は、分離した画像と広告取得命令とをユーザ端末100に配信する(ステップS107)。ユーザ端末100は、取得した画像を広告枠に表示する画像表示処理を実行する(ステップS108)。
【0098】
その後、ユーザ端末100は、iframe要素として広告取得命令を実行し、広告取得命令に従って広告を広告配信サーバ20に要求する(ステップS109)。広告配信サーバ20は、広告のコンテンツデータをユーザ端末100に配信する(ステップS110)。ユーザ端末100は、広告枠に表示していた画像に置き換えて広告を表示する広告表示処理を実行する(ステップS111)。
【0099】
次に、
図9を用いて、実施形態に係るユーザ端末100による処理の手順について説明する。
図9は、実施形態に係るユーザ端末100による処理手順を示すフローチャートである。
【0100】
図9に示すように、ユーザ端末100は、ウェブサーバ30に対してウェブページの配信を要求する(ステップS201)。そして、ユーザ端末100は、ウェブページの配信を受け付けたか否かを判定する(ステップS202)。ウェブページの配信を受け付けていない場合(ステップS202;No)、ユーザ端末100は、ウェブページの配信を受け付けるまで待機する。
【0101】
一方、ウェブページの配信を受け付けた場合(ステップS202;Yes)、ユーザ端末100は、ウェブページの表示処理を実行する(ステップS203)。かかる表示処理の過程において、ユーザ端末100は、ウェブページに埋め込まれた広告配信要求に従い、広告枠で表示する画像の配信を要求する(ステップS204)。ユーザ端末100は、要求した画像を取得したか否かを判定する(ステップS205)。画像を取得していない場合(ステップS205;No)、ユーザ端末100は、画像を取得するまで待機する。
【0102】
一方、画像を取得した場合(ステップS205;Yes)、ユーザ端末100は、広告枠に取得した画像を表示する(ステップS206)。そして、ユーザ端末100は、iframe要素として広告取得命令を実行することで、広告のコンテンツデータの配信を要求する(ステップS207)。ユーザ端末100は、広告のコンテンツデータを取得したか否かを判定する(ステップS208)。コンテンツデータを取得していない場合(ステップS208;No)、ユーザ端末100は、コンテンツデータを取得するまで待機する。
【0103】
一方、コンテンツデータを取得した場合(ステップS208;Yes)、ユーザ端末100は、表示中の画像に置き換えて、広告のコンテンツデータを広告枠に表示する(ステップS209)。
【0104】
〔8.変形例〕
上述した実施形態に係る処理は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。以下では、広告配信システム1の他の実施形態について説明する。
【0105】
〔8−1.HTML以外で記載されたコンテンツ〕
上記実施形態では、ウェブページを構成するHTMLファイルに含まれるiframe要素の表示遅延を防止するために、ユーザ端末100が、実施形態に係る表示制御処理を実行する例を示した。ここで、実施形態に係る表示制御処理は、HTMLファイルに含まれるiframe要素の実行時において適用されるのみならず、同様の構成を有する任意のコンテンツに対して適用されてもよい。
【0106】
すなわち、ユーザ端末100は、ウェブページを表示するためのスクリプトにおいて入れ子状に配置されたスクリプトによって第2コンテンツの取得処理を実行するとともに、入れ子状に配置されたスクリプト以外のスクリプトによって第3コンテンツの取得処理を実行してもよい。
【0107】
例えば、実施形態に係る表示制御処理は、あるプログラムの中に別のプログラムを組み込むような、いわゆるコンパウンドドキュメント(Compound Document)と称されるものに対して、広く適用可能である。
【0108】
〔8−2.広告以外のコンテンツ〕
上記実施形態では、ウェブページに表示される広告において、実施形態に係る表示制御処理が適用される例を示した。ここで、実施形態に係る表示制御処理は、広告に限らず、任意のコンテンツに対して適用されてもよい。
【0109】
例えば、実施形態に係る表示制御処理は、動画配信サイト等の動画配信に利用されてもよい。この例では、例えば、動画表示枠の表示処理においてiframe要素が利用されているとする。この場合、ユーザ端末100は、動画表示枠で動画が再生される準備が完了する前に、動画に関連する画像データを取得する。そして、ユーザ端末100は、動画表示枠に画像を表示しておき、動画が再生される準備が完了した時点(例えば、所定量以上の動画ファイルがダウンロードされた時点)で、画像と動画とを置き換える処理を行ってもよい。
【0110】
〔8−3.ユーザ端末の操作記録〕
また、上述してきたユーザ端末100は、実施形態に係る広告が表示されているウェブページに対して、ユーザがどれだけユーザ端末100を操作したかという記録を広告配信サーバ20に送信してもよい。具体的には、ユーザ端末100は、画像や広告に対するクリック操作や、ウェブページをリロードした回数など、ユーザがユーザ端末100に対して行う種々の操作を記録する。そして、通信部110は、ユーザ端末100により記録された操作履歴に関する情報を広告配信サーバ20等に送信する。
【0111】
広告配信サーバ20は、ユーザ端末100から配信されたユーザ端末100の操作履歴に関する情報を受信する。さらに、広告配信サーバ20は、受信したユーザ端末100の操作履歴に関する情報を集計し、かかる情報について分析した情報をさらに取得する。具体的には、広告配信サーバ20は、実施形態に係る制御情報を伴う広告と、かかる制御情報を伴わない広告とについて、タッチ操作の回数や、ウェブページからの離脱率や、CTRなどの広告効果の指標を比較した情報などを取得する。また、広告配信サーバ20は、実施形態に係る制御情報を伴う広告と、かかる制御情報を伴わない広告とについて、インプレッション数の計数値などの比較を示す情報を広告主に提示してもよい。これにより、広告配信サーバ20は、ユーザ端末100における実施形態に係る制御情報を伴う広告の表示態様の有用性(例えば、広告の表示遅延が減少したことによるCTRの増加など)を広告主に示すことができる。
【0112】
〔8−4.広告に係るコンテンツ〕
上記実施形態で示した広告に係るコンテンツとは、営利若しくは非営利の広告だけではなく、ボランティアの募集、公共広告、公共に対する通知、その他任意のコンテンツであってもよい。例えば、広告に係るコンテンツは、
図1で示した広告のような、いわゆる広告のみならず、ユーザに興味を抱かせ、広告に含まれる情報、または、広告と関連するコンテンツ(例えば、広告をクリックしたことで表示されるランディングページ等)に含まれる情報を広く報知するものであれば、画像、動画像、文字、図形、記号、ハイパーリンク、その他任意のコンテンツを適用可能である。すなわち、ユーザに対して、広告に係るコンテンツが表示されるウェブページよりも興味を生じさせようとするコンテンツであれば、任意のコンテンツを広告に係るコンテンツとして適用可能である。
【0113】
〔8−5.広告が表示されるコンテンツ〕
上記実施形態では、広告がウェブページ内に表示される例を示したが、広告が表示されるのはウェブページに限られない。例えば、上記してきた広告は、ユーザ端末100で実行されるアプリや、携帯電話ゲーム等の画面に含まれる表示領域(広告枠)に表示されてもよい。また、ユーザ端末100は、広告以外にも、任意のコンテンツについて、上述した処理を実行してもよい。
【0114】
〔8−6.制御情報〕
上記実施形態では、ユーザ端末100が、ウェブページを構成するHTMLファイルに含まれる制御情報に従って表示制御処理を実行する例を示した。ここで、制御情報は、ユーザ端末100が表示しようとするウェブページに含まれていてもよいし、広告配信要求を受け付けた広告処理サーバ40からユーザ端末100に配信されてもよい。この場合、ユーザ端末100は、画像と広告取得命令とを取得する際に、制御情報を取得する。そして、ユーザ端末100は、制御情報に従い、広告枠で画像を表示するとともに、iframe要素として広告取得命令を実行する。そして、ユーザ端末100は、広告に係るコンテンツデータを取得した時点で、画像と広告とを置き換える処理を実行する。すなわち、制御情報の配信元がウェブサーバ30から広告処理サーバ40であるかは、ユーザ端末100の行う表示制御処理の結果には影響しない。このように、ユーザ端末100は、上記制御情報の配信元にかかわらず上述してきた表示制御処理を行うことができる。
【0115】
〔8−7.装置構成〕
また、上記実施形態では、広告配信システム1に、ユーザ端末100と、広告配信サーバ20と、ウェブサーバ30と、広告処理サーバ40とが含まれる例を示したが、広告配信システム1の構成はこの例に限られない。例えば、ウェブサーバ30と広告配信サーバ20とは1個の装置として形成されてもよい。この場合、
図5に示したウェブサーバ30は、例えば、ウェブページ記憶部32とは別に、広告記憶部を有する。そして、ウェブサーバ30は、ユーザ端末100からウェブページの取得要求を受け付けた場合に、広告記憶部にある広告とともに、広告配信命令を含まないウェブページをユーザ端末100に配信する。
【0116】
また、上記実施形態では、広告配信サーバ20からユーザ端末100に広告が配信される例を示したが、ウェブサーバ30が、広告配信サーバ20から広告を取得してもよい。この場合、広告配信サーバ20は、ウェブサーバ30から広告の取得要求を受け付ける。また、広告配信サーバ20は、ウェブサーバ30に広告を配信する。また、ウェブサーバ30の配信部35は、広告配信サーバ20から取得した広告とともに、広告配信命令を含まないウェブページをユーザ端末100に配信する。
【0117】
〔8−8.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0118】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、
図7に示した要求部141及び受付部142は統合されてもよい。
【0119】
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0120】
〔9.ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係るユーザ端末100、広告配信サーバ20、ウェブサーバ30及び広告処理サーバ40は、例えば
図10に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、ユーザ端末100を例に挙げて説明する。
図10は、ユーザ端末100の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0121】
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラム(例えば、実施形態に係る表示制御プログラム)に基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0122】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を記憶する。通信インターフェイス1500は、通信網500(
図2に示したネットワークNに対応する)を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、また、通信網500を介してCPU1100が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0123】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して生成したデータを出力装置へ出力する。
【0124】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0125】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係るユーザ端末100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部140の機能を実現する。また、HDD1400には、ユーザ端末100が備える記憶部内のデータが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から通信網500を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0126】
〔10.効果〕
上述したように、実施形態に係る表示制御プログラムは、表示制御装置(実施形態ではユーザ端末100)に、取得手順と、表示制御手順とを実行させる。取得手順は、第1コンテンツが含む枠内に表示される第2コンテンツの取得処理の実行に先立って、当該第2コンテンツに関連するコンテンツである第3コンテンツの取得処理を実行する。表示制御手順は、取得手順によって取得された第3コンテンツを枠内に表示するとともに、所定の条件を満たす場合に、当該第2コンテンツを当該第3コンテンツに置き換えて表示するよう制御する。例えば、表示制御手順は、取得手順によって第2コンテンツが取得された場合に、枠内に表示している第3コンテンツを当該第2コンテンツに置き換えて表示するよう制御する。
【0127】
このように、実施形態に係る表示制御プログラムは、本来、枠内に表示すべき第2コンテンツの取得処理の実行に先立って第3コンテンツの取得処理を実行し、第2コンテンツが取得されたタイミングで、当該第2コンテンツを当該第3コンテンツに置き換えて表示するよう制御する。これにより、表示制御装置は、第2コンテンツの取得処理や表示制御処理が実行されている間も、枠を空白表示することなく、第3コンテンツを表示することができる。すなわち、表示制御プログラムによれば、枠におけるコンテンツの表示処理の遅延を防止することができる。
【0128】
また、取得手順は、第3コンテンツとして、第2コンテンツに関連する画像コンテンツの取得処理を実行する。
【0129】
このように、実施形態に係る表示制御プログラムは、第2コンテンツに関連する画像コンテンツを取得するので、第2コンテンツの代わりに第3コンテンツが表示されたとしても、ユーザにとって違和感のない表示を行うことができる。
【0130】
また、取得手順は、第2コンテンツの提供主によって予め当該第2コンテンツに対応付けられた画像コンテンツの取得処理を実行する。
【0131】
このように、実施形態に係る表示制御プログラムは、第2コンテンツの提供主によって予め対応付けられた画像コンテンツを表示することで、枠内に広告と同じような訴求効果を有する画像コンテンツを表示することができる。これにより、表示制御プログラムは、広告表示の遅延を防止しつつ、訴求効果を向上させる表示制御処理を行うことができる。
【0132】
また、取得手順は、第3コンテンツとして、第1コンテンツの配信側によって任意に選択された画像コンテンツの取得処理を実行する。
【0133】
このように、実施形態に係る表示制御プログラムは、任意の画像を表示させてもよい。これにより、表示制御プログラムは、状況に応じて枠内で表示するコンテンツを柔軟に変化させることができるとともに、コンテンツの表示遅延を防止することができる。
【0134】
また、取得手順は、第3コンテンツの取得処理を実行した後に、第2コンテンツとして、第1コンテンツが含む広告枠内に表示される広告画像もしくは広告動画の取得処理を実行する。
【0135】
このように、実施形態に係る表示制御プログラムは、第3コンテンツに替えて広告画像もしくは広告動画を表示するため、これらのコンテンツの取得処理を実行する。これにより、表示制御プログラムは、画像を表示した後には本来の広告を表示することができるため、第2コンテンツの提供主が意図した広告効果を低下させず、かつ、コンテンツの表示遅延を防止することができる。
【0136】
また、取得手順は、第1コンテンツを表示するためのスクリプトにおいて入れ子状に配置されたスクリプトによって第2コンテンツの取得処理を実行するとともに、入れ子状に配置されたスクリプト以外のスクリプトによって第3コンテンツの取得処理を実行する。
【0137】
このように、実施形態に係る表示制御プログラムは、iframe要素を有するHTMLファイルや、その他の入れ子状の構成を有するスクリプト等、種々の表示処理において適用することができる。すなわち、表示制御プログラムは、種々の言語によって記載されたコンテンツ表示における表示遅延を防止することができる。
【0138】
また、取得手順は、第1コンテンツが表示制御装置の画面上に表示される際の初期表示に枠が含まれる場合に、第2コンテンツの取得処理の実行に先立って第3コンテンツの取得処理を実行する。
【0139】
このように、実施形態に係る表示制御プログラムは、ファーストビューに枠が含まれる場合に表示制御処理を実行するようにしてもよい。これにより、表示制御プログラムは、コンテンツの表示遅延が目立つ状況であるファーストビューにおいて、かかる遅延をユーザに感じさせないような表示を行うことができる。また、表示制御プログラムは、第3コンテンツを枠に表示しておくことで、例えば、後から広告が挿入された場合にウェブページの表示レイアウトが崩れること等を防止することもできる。
【0140】
また、実施形態に係る配信装置(実施形態ではウェブサーバ30)は、第2コンテンツを表示するための枠を含む第1コンテンツと、第1コンテンツの表示処理を制御する制御情報とを表示制御装置に配信する配信部(実施形態では配信部35)を備える。また、制御情報は、枠内に表示される第2コンテンツの取得処理の実行に先立って、当該第2コンテンツに関連するコンテンツである第3コンテンツの取得処理を実行する取得手順と、取得手順によって取得された第3コンテンツを枠内に表示するとともに、第2コンテンツが取得された場合には、当該第2コンテンツを当該第3コンテンツに置き換えて表示するよう制御する表示制御手順とを表示制御装置に実行させる。
【0141】
このように、実施形態に係る配信装置は、制御情報を表示制御装置に配信し、制御情報に基づいて、表示制御装置に表示制御処理を実行させてもよい。かかる構成によっても、結果として、ユーザに配信された第1コンテンツにおいて、コンテンツ表示の遅延を防止させることができる。
【0142】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0143】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、配信部は、配信手段や配信回路に読み替えることができる。