【文献】
Advanced Anti-Ageing Sun Emulsion SPF50,Mintel GNPD [online],2015年 9月,ID#:3339115
【文献】
Luxurious Sun Protection Body and Face Cream for Kids SPF50,Mintel GNPD [online],2017年 7月,ID#:4937531
【文献】
Kids Sunscreen SPF50PA+++,Mintel GNPD [online],2016年 4月,ID#:3906579
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
(A)トリスビフェニルトリアジン
本発明の油中水型乳化化粧料は、紫外線吸収剤としてトリスビフェニルトリアジンを含有する。トリスビフェニルトリアジンを用いることにより、本発明の化粧料は、紫外線散乱剤及び顔料級酸化チタンを高配合しなくても、高い紫外線防御効果を維持又はこれまで以上の効果を有する。
【0012】
トリスビフェニルトリアジンは水分散体であってもよい。
【0013】
トリスビフェニルトリアジンの含有量は約1〜約10質量%であり、好ましくは約3〜約10質量%であり、より好ましくは約5〜約10質量%である。
【0014】
トリスビフェニルトリアジンは通常化粧料に用いられるものであればよく、公知の方法で合成されたものでも、市販されているものでもよい。市販品として、例えばTinosorbA2B(商標、BASF社製)が挙げられる。
【0015】
(B)疎水化処理顔料級酸化チタン
本発明の油中水型乳化化粧料は、紫外線散乱効果や着色を目的として疎水化処理顔料級酸化チタンを含有する。
【0016】
本発明で使用出来る疎水化処理として、例えば通常公知のシリコーン、デキストリン脂肪酸エステル、高級脂肪酸、高級アルコール、脂肪酸エステル、金属石鹸、アミノ酸、アルキルフォスフォエーテル、フッ素化合物等の疎水化処理剤を通常公知の処理方法により処理する疎水処理が挙げられる。
【0017】
疎水化処理顔料級酸化チタンの粒子径は、顔料として化粧料に通常使用される粒子径であれば特に制限されない。例えば、約180〜約1000nm、好ましくは約200〜約500nmの一次粒子径の粉体を使用出来る。
【0018】
疎水化処理顔料級酸化チタンの含有量は約1〜約25質量%であり、好ましくは約5〜約20質量%以上であり、さらに好ましくは約9〜約15質量%以上である。
【0019】
疎水化処理顔料級酸化チタンは通常化粧料に用いられるものであればよく、公知の方法で合成されたものでも、市販されているものでもよい。市販品として、例えばSIO1−2チタンCR−50(大東化成工業社製)、NHS−チタンCR−50(三好化成社製)等が挙げられる。
【0020】
(C)水
本発明の化粧料は、油中水型乳化化粧料の基材として水を含有する。
【0021】
(D)油剤
本発明の化粧料は、油中水型乳化化粧料の基材として当業者が通常考える油剤を含有する。ここで「油剤」とは、動物油、植物油、合成油等の起源の炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、油溶性紫外線吸収剤等をいう。固形油、半固形油、液体油、揮発性油等の性状を問わない。これらの一種、又はこれらの同種又は異種の剤を二種以上組み合わせて使用出来る。
【0022】
使用出来る油剤として、例えばシクロペンタンシロキサン、トリメチルシロキシケイ酸、水添ポリイソブテン、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、(ステアロキシメチコン/ジメチコン)コポリマー、等が挙げられる。
【0023】
(E)その他水性成分
本発明の化粧料は、本発明の効果を損ねない限り、トリスビフェニルトリアジン以外の水性成分を含有してもよい。水性成分として、例えばアルコール及びその誘導体、有機酸及びその塩、有機又は無機酸のアミン塩、無機塩が挙げられる。
【0024】
アルコール及びその誘導体として、例えばエタノール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール(DPG)、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1、3−ブチレングリコール(BG)、1、2−ペンタンジオール、グリセリン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセリルモノパルミチルエーテル、グリセリルモノステアリルエーテル、グリセリルモノオレイルエーテルが挙げられる。
【0025】
有機酸として、クエン酸、アルギン酸、アスパラギン酸、乳酸、アスコルビン酸、グルタミン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、グリチルリチン酸が挙げられる。
【0026】
有機酸塩を形成するカウンターカチオンとして、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムが挙げられる。
【0027】
有機又は無機酸のアミン塩として、例えばグルタミン酸塩酸塩、システイン塩酸塩、ヒスチジン塩酸塩、リジン塩酸塩、オルニチン塩酸塩、トリプトファン塩酸塩、アルギニン−グルタミン酸塩、オルニチン−グルタミン酸塩、リジン−グルタミン酸塩、リジン−アスパラギン酸塩、オルニチン−アスパラギン酸塩が挙げられる。
【0028】
無機塩として、例えば塩酸、硫酸、硝酸、炭酸、リン酸等のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、亜鉛塩、アンモニウム塩が挙げられる。
【0029】
一態様において、本発明の化粧料では、成分(C)に対する成分(E)の含有質量比(E/C)が0〜1(0を含まず)であることが好ましく、それにより乳化化粧料の製造が容易になる。
【0030】
他成分
本発明の化粧料は、本発明の効果を損ねない限り、更に公知の化粧料原料であって油中水型乳化化粧料に配合可能であると当業者が通常考えるものを含有してもよい。例えば、界面活性剤、乳化剤、疎水化処理無機粉体、増粘剤、安定剤、保湿剤、紫外線散乱剤、紫外線吸収剤、pH調整剤、抗酸化剤、抗菌剤、防腐剤、スキンケア剤、潤滑剤、収斂剤、エモリエント剤、ツヤ出し剤、光沢剤、消泡剤、撥水性被膜剤、保護剤等が挙げられる。これら2以上の用途・効果が重複しているものも使用出来る。
【0031】
本発明の化粧料は、本発明の効果を損ねない限り、公知の界面活性剤であって油中水型乳化化粧料に配合可能であると当業者が通常考えるものを含有してもよい。例えば、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、天然系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等が挙げられ、これらの一種、又はこれらの同種又は異種の剤を二種以上組み合わせて使用出来る。
【0032】
本発明の化粧料は、本発明の効果を損ねない限り、シリコーン系界面活性剤、感触改良剤、乳化剤及び/又は粉体分散剤として、例えばポリエーテル変性シリコーンを使用してもよい。
【0033】
本発明で使用できるポリエーテル変性シリコーンは、化粧品用界面活性剤であって、油中水型乳化化粧料を調製するのに適したものである。本願明細書において、用語「油中水」には「W/O(Water in Oil)」タイプだけでなく「W/Si(Water in Silicone)」タイプも含まれる。
【0034】
より具体的なポリエーテル変性シリコーンとして、PEG−3ジメチコン、PEG−9ジメチコン、PEG−9メチルエーテルジメチコン、PEG−10ジメチコン、PEG−11ジメチコン、PEG−32メチルエーテルジメチコン、PEG/PPG−19/19ジメチコン、PEG−12ジメチコンPPG−20クロスポリマー、ポリシリコーン13、ラウリルPEG/PPG−18/19メチコン、ラウリルPEG−10トリス(トリメチルシロキシ)シリルエチルジメチコン、セチルジグリセリルトリス(トリメチルシロキシ)シリルエチルジメチコンが挙げられる。
【0035】
また、上記の一般名称と下記の商品型番には重複もあるが、東レ・ダウコーニング株式会社製のES−5612、BY11−030、BY25−337、BY22−008M、EL−7040 Hydro Elastomer Blend、FZ−2233、S200 Formulation Aid、ES−5300 Formulation Aid、ES−5600 Silicone Glycerol EmulsifierFormulation;信越化学工業株式会社製のKF−6004、KF−6015、KF−6016、KF−6017、KF−6017P、KF−6019、KF−6028、KF−6038;Degussa社のABIL EM90等が挙げられる。
【0036】
本発明の化粧料は、本発明の効果を損ねない限り、本発明の(B)成分以外の疎水化処理無機粉体を含有してもよい。
【0037】
疎水化処理無機粉体の例として、無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、タルク、カオリン、ベントナイト、オキシ塩化ビスマス、酸化プラチナ、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、マイカ、雲母チタン、低次酸化チタン、チタン酸コバルト、コバルトバイオレット、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、黄酸化鉄、赤酸化鉄(ベンガラ)、黒酸化鉄、群青、紺青、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、酸化錫、二酸化セリウム、炭酸カルシウム、オキシ塩化ビスマス、ベルリンブルー、酸化クロムグリーン、ウルトラマリンブルー、マンガンバイオレット等が挙げられる。
【0038】
本発明の化粧料は、本発明の効果を損ねない限り、本発明の(A)成分以外の紫外線吸収剤を更に含有してもよい。
【0039】
紫外線吸収剤市販品としても入手可能であり、例えばメトキシケイヒ酸エチルヘキシルとしてユビナールMC80(商標、BASF社製)、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルとしてユビナールA PLUS B(商標、BASF社製)、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンとしてチノソーブS(商標、BASF社製)、オクトクリレンとしてパルソール340(商標、DSMニュートリション社製)、ポリシリコーン‐15としてパルソールSLX(商標、DSMニュートリション社製)が挙げられる。
【0040】
安定性
本発明の油中水型乳化化粧料は長期的な保存安定性を有する。
【0041】
形状・粘度
本発明の油中水型乳化化粧料は半固形であり、静置していても複数層に分離することなく、一層の乳化状態を保ち続ける。粘度はとくに限定されないが、半固形状ファンデーションとして当業者が適切と考える粘度が好ましい。例えば約50〜約130Pa・sであり、好ましくは約60〜約120Pa・sである。
【0042】
紫外線防御効果
本発明の油中水型乳化化粧料は皮膚に高い紫外線防御効果を有する。SPF(Sun Protection Factor)値はとくに限定されないが、日焼け止めとして当業者が適切と考えるSPF値が好ましい。例えば約15以上、約20以上、約25以上、約30以上、約35以上、約40以上、約45以上、約50以上、約55以上、等の値が挙げられ、好ましくは約35以上、約40以上、約45以上、約50以上、又は約55以上である。
【0043】
カバー力
本発明の油中水型乳化化粧料は高いカバー力を有するため、シミやそばかすを効果的にカバーでき、厚ぼったくならず自然な仕上がりが得られる。定量的な指標として、例えば、バイオシミプレートを用いた評価が挙げられる。具体的には、化粧料をバイオシミプレートへ塗布し、シミ部と健常部の色差値ΔEを測定する。本発明の化粧料の前記ΔEは特に限定されないが、好ましくは約4.0以下、さらにいっそう好ましくは約3.8以下である。
【0044】
本発明の化粧料は、当業者の技術常識に従い慣用の処方例に従って製造出来る。各成分を配合する方法、順序等は当業者の技術常識に従い任意である。
【0045】
本発明の化粧料は、さらに具体的な用途は限定されず通常のさまざまな用途に使用出来る。特に限定されないが例えばファンデーション、メイクアップ下地、日中用乳液、日焼け止め、アイシャドウなどが挙げられる。
【実施例】
【0046】
以下、具体例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、これらの例は本発明の技術的範囲を何ら限定するものではない。なお、以下の例における配合量は全て質量%である。
【0047】
水相についての予備実験
下記の表1に掲げた組成を有する水相を常法に従って調製した。
【表1】
【0048】
<評価基準>
得られた乳白濁液の状態を、以下の評価基準に基づいて評価した。
【0049】
評価基準:
<状態>
得られた乳白濁液をガラスプレート上に室温で5分静置した後、プレートを45度に傾けた様子を、以下の2段階で評価した(3人のパネラーによる統一見解)。
凝集して、流動性が見られなかった・・・・・・・・・・・・・・・・・・・凝集
凝集物は全く又はほとんど確認されず、均一性及び流動性を保っていた・・・ ○
【0050】
E/C配合比が1を超える例1a及び2aは凝集してしまい、プレートを傾けても流れなかった。E/C配合比が1以下である例3a〜5aは均一性、流動性を保っていた(
図1:左から順に例1a〜5a)。
【0051】
油中水型乳化化粧料の調製
下記の表2に掲げた組成を有する油中水型乳化化粧料を常法に従って調製した。
【表2】
【0052】
得られた化粧料の安定性、粘度、紫外線防御効果、及びカバー力を、以下の評価基準に基づいて評価した。
【0053】
評価基準:
<安定性>
得られた化粧料を−5℃、室温、45℃に保管し、1ヶ月後の状態を以下の2段階で評価した(3人のパネラーによる統一見解)。
2層に分離していた・・・×
一層を保っていた・・・・○
【0054】
<粘度>
B型粘度計(東機産業社製 TVB−10H)を用いて、測定温度25℃、ローターNo.7、回転速度10rpm、測定時間30秒にて粘度を測定した。
【0055】
<紫外線防御効果>
一辺が5cmのPMMAプレート(HELIOPLATE
TM HD6)にサンプルを1.3mg/cm
2になるように塗布し、15分間自然乾燥させた後、UV−2000S SPFアナライザー(Labsphere社製)を用いて異なる場所9ヶ所の紫外線吸収スペクトルを検出し、平均化してSPF値を算出した。
【0056】
<カバー力>
バイオシミプレート(ビューラックス社製)のシミ部と健常部に2mg/cm
2となるように3cm四方にサンプルを塗布し、20分間自然乾燥させた後、分光測色計(コニカミノルタ社製 CM−700d)を用いて測色し、シミ部と健常部の色差値ΔEを算出した。
【0057】
得られた実施例1〜3の化粧料は、全て良好な安定性、紫外線防御効果、及びカバー力を示した。
実施例2と比較例1を比べると、トリスビフェニルトリアジンを含む実施例2は、それを含まない比較例1よりも高いSPF値を示しただけでなく、高いカバー力を示した。
実施例3と比較例2を比べると、トリスビフェニルトリアジンの代わりにメトキシケイヒ酸エチルヘキシルを増やした比較例2は実施例3と同じ程度のSPF値を示したが、比較例2は安定性とカバー力において優れた効果を示さなかった。
実施例3と比較例1を比べると、実施例3は比較例1より疎水化処理顔料級酸化チタンが低量であるにもかかわらず、トリスビフェニルトリアジンを含むことにより、高いSPF値を示しただけでなく、高いカバー力を示した。
疎水化処理顔料級酸化チタンをごく低量(0.50質量%)配合した比較例3は、安定性とカバー力において優れた効果を示さなかっただけでなく、分離や凝集が生じてSPF値の正確な測定ができなかった。
疎水化処理顔料級酸化チタンの代わりに疎水化処理微粒子酸化チタンを配合した比較例4もまた、安定性とカバー力において優れた効果を示さなかっただけでなく、分離や凝集が生じてSPF値の正確な測定ができなかった。