特許第6866442号(P6866442)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6866442複合オーバーコーティング構造を有する光ファイバ光源
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6866442
(24)【登録日】2021年4月9日
(45)【発行日】2021年4月28日
(54)【発明の名称】複合オーバーコーティング構造を有する光ファイバ光源
(51)【国際特許分類】
   F21S 4/20 20160101AFI20210419BHJP
   G02B 6/00 20060101ALI20210419BHJP
   F21V 8/00 20060101ALI20210419BHJP
   F21V 9/32 20180101ALI20210419BHJP
   F21V 7/06 20060101ALI20210419BHJP
   F21V 7/08 20060101ALI20210419BHJP
   F21V 7/09 20060101ALI20210419BHJP
   F21V 5/02 20060101ALI20210419BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20210419BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20210419BHJP
【FI】
   F21S4/20
   G02B6/00 326
   F21V8/00 200
   F21V9/32
   F21V7/06
   F21V7/08
   F21V7/09
   F21V5/02 100
   F21Y115:10
   F21Y115:30
【請求項の数】23
【外国語出願】
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-161786(P2019-161786)
(22)【出願日】2019年9月5日
(62)【分割の表示】特願2018-530790(P2018-530790)の分割
【原出願日】2016年12月16日
(65)【公開番号】特開2019-207892(P2019-207892A)
(43)【公開日】2019年12月5日
【審査請求日】2019年12月9日
(31)【優先権主張番号】62/268,815
(32)【優先日】2015年12月17日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513271302
【氏名又は名称】エル イー エス エス・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】ティソ,ヤン
【審査官】 下原 浩嗣
(56)【参考文献】
【文献】 特表2014−515871(JP,A)
【文献】 特表2010−514108(JP,A)
【文献】 実開平07−001426(JP,U)
【文献】 特開2003−115209(JP,A)
【文献】 特開2003−281910(JP,A)
【文献】 特開2011−112794(JP,A)
【文献】 特開2000−292786(JP,A)
【文献】 特開2015−181808(JP,A)
【文献】 特開2011−040263(JP,A)
【文献】 特表2001−521200(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0226353(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 4/20
F21V 5/02
F21V 7/06
F21V 7/08
F21V 7/09
F21V 8/00
F21V 9/32
G02B 6/00
F21Y 115/10
F21Y 115/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
側方放出光ファイバを埋め込んだ複合構造であって、
前記光ファイバの外側面上に形成した複合オーバー コーティングを有する、独立した複合構造であって、
前記光ファイバであって、前記光ファイバは、前記ファイバ内の1次伝播光を2次光に波長変換する、前記光ファイバ内に組み込んだ活性光ルミネセンス層を有し、前記2次光は、前記ファイバの前記外側面から放出される、光ファイバ;並びに
前記複合オーバーコーティングであって、前記複合オーバーコーティングは、(i)前記光ファイバの長手方向中心軸周りに意図的な非対称形状を有する中実体であって、波長変換せず、前記ファイバの前記外側面上に形成し、前記外側面を完全に囲む不活性光透過材料、及び(ii)前記不活性光透過材料の、上層を除いた外側面上に形成し、前記外側面に一致する光反射層を有する、複合オーバーコーティング
を備え、前記2次光は、前記複合構造から前記不活性光透過材料の前記上層を通して空気中に出現する、複合構造。
【請求項2】
横断面で取った前記光反射層の断面は、放物線状を画定し、前記光ファイバの少なくとも一部分は、前記放物線状の焦点の近傍に位置する、請求項1に記載の複合構造。
【請求項3】
横断面で取った前記光反射層の断面は、円、楕円又は双曲線の一部を画定する、請求項1に記載の複合構造。
【請求項4】
横断面で取った前記光反射層の断面は、異なる曲率の複数の線区分を含む線を画定する、請求項1に記載の複合構造。
【請求項5】
横断面で取った前記光反射層の断面は、端から端まで接合する複数の直線区分を含む線を画定する、請求項1に記載の複合構造。
【請求項6】
前記不活性光透過材料の前記上層は、複数のプリズムを備え、前記複数のプリズムは、前記光ファイバの前記長手方向軸方向に、端から端までではなく、並べて向けられる、請求項1に記載の複合構造。
【請求項7】
前記不活性光透過材料の前記上層は、長手方向面又は横断面に複数のマイクロレンズを備える、請求項1に記載の複合構造。
【請求項8】
前記不活性光透過材料の前記上層は、長手方向面又は横断面に単一の凸レンズを備える、請求項1に記載の複合構造。
【請求項9】
前記複合オーバーコーティングは、底部分を更に備え、前記底部分の一方の側は、前記光反射層の底面に一致し、前記底面と接触し、前記底部分の反対の側は、長手方向面又は横断面内に成形した多角形である、請求項1に記載の複合構造。
【請求項10】
前記底部分に固着し、前記底部分から突出する複数のノブを更に備える、請求項9に記載の複合構造。
【請求項11】
前記ノブは、前記複合オーバーコーティングの前記底部分と同じ材料から作製するか、又は前記底部分の一体部品として形成する、請求項10に記載の複合構造。
【請求項12】
前記ノブは、前記底部分とは個別の部品として形成し、前記底部分に結合している、請求項10に記載の複合構造。
【請求項13】
前記光ファイバは、前記光ファイバ内の1次伝播光の方向を前記光ファイバから横向きに変えるようにする散乱構造を中に形成した長さ方向区分を有する、請求項1に記載の複合構造。
【請求項14】
照明構造であって、
光ファイバであって、前記光ファイバ内の1次伝播光を2次光に波長変換する、前記光ファイバ内に組み込んだ活性光ルミネセンス層を有する、光ファイバ;
不活性光透過材料から構成した中実体であって、前記光ファイバは、前記中実体の内部に位置し、前記中実体は、前記光ファイバの長手方向中心軸周りに意図的な非対称形状を有し、前記2次光は、前記光ファイバの外側面から前記中実体内に放出される、中実体;及び
光反射表面を有する外側反射器であって、前記光反射表面は、前記中実体の側面の一部分に一致し、当接する一方で、前記中実体の別の部分は、覆われないままであり、前記外側反射器の前記光反射表面によって反射された後に、前記2次光が前記別の部分から空気中に出現するようにする、外側反射器
を備える照明構造。
【請求項15】
前記長手方向軸に対して横断面に取った前記外側反射器の断面は、放物線を画定し、前記光ファイバの前記横断面の交差部と少なくとも一部分は、前記放物線の焦点にある、請求項14に記載の照明構造。
【請求項16】
前記外側反射器は、前記中実体の前記側面の全体領域の大部分を覆う、請求項14に記載の照明構造。
【請求項17】
前記外側反射器によって覆われていない前記中実体の前記別の部分は、平坦である、請求項14に記載の照明構造。
【請求項18】
前記外側反射器によって覆われていない前記中実体の前記別の部分は、全体的に平坦であり、マイクロレンズ層を有する、請求項14に記載の照明構造。
【請求項19】
前記外側反射器によって覆われていない前記中実体の前記別の部分は、全体的に平坦であり、プリズムの層を有し、前記プリズムの層を通して、前記2次光が方向を変えて出現する、請求項14に記載の照明構造。
【請求項20】
前記光ファイバは、前記光ファイバ内の1次伝播光の方向を前記光ファイバから横向きに変えるようにする散乱構造を中に形成した長さ方向区分を有する、請求項14に記載の照明構造。
【請求項21】
前記外側反射器に一致し、前記外側反射器と接触する底部分;及び
前記底部分に固着し、前記底部分から突出する複数のノブ
を更に備える、請求項14に記載の照明構造。
【請求項22】
オーバーモールド工程によって、形成され成形される複合構造であって、前記光ファイバが、前記独立複合構造における相補形状を呈する鋳型の内部に置かれる、請求項1に記載の複合構造。
【請求項23】
オーバーモールド工程によって、形成され成形される照明構造であって、前記光ファイバが、前記独立複合構造における相補形状を呈する鋳型の内部に置かれる、請求項14に記載の照明構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、2015年12月17日出願の米国特許仮出願第62/268,815号の早期の出願日の利益を主張する。
【0002】
本発明の一実施形態は、複合オーバーコーティング構造内に埋め込まれた、光ファイバベースの側方発光体を有する光源に関し、複合オーバーコーティング構造は、光ファイバの側方放出光の照明方式を修正し、光源のシステムへの組込みを容易にするように設計する。他の実施形態も記載する。
【背景技術】
【0003】
光ファイバは、一方のファイバ端部からもう一方のファイバ端部に、損失をそれほど伴わずに光信号をもたらすことが公知である。他の場合には、ファイバは、光信号の伝播方向に実質的に横断する方向に光信号を漏らすように設計される。この効果は、典型的に、光(光信号)と、ファイバ内に組み込んだ散乱領域(例えば穴)との相互作用の結果である。散乱領域は、ファイバを引き伸ばしながら要素を追加することによって実現することができるか、又はファイバに対する機械的処理、レーザー処理若しくは化学後処理を通して実現することができる。
【0004】
他の場合には、ルミネセンス材料を、ファイバコア材料の内部、外装の内部、又はファイバ・コーティングの内部に組み込み、1次光又は伝播光を、1次光よりも低い又はより高い波長を有する2次光に部分的又は完全に変換する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態は、光ファイバ側方放出光源であり、光ファイバ側方放出光源は、発光体として、ファイバコアを有する側方放出光ファイバを有し、ファイバコアを通して、1次光が、例えば光ファイバのファイバ外装から全体の内部反射により伝播する。ファイバの全長部のうちの長さ方向区分は、散乱領域を含み、散乱領域は、伝播1次光(1次光は、区分に入るまでファイバ内で伝播する)の方向を、ファイバから横向きに変えるように働く。活性光ルミネセンス材料は、例えばファイバの外装の外側面上に層又はコーティングとしてファイバと統合することもでき、方向を変えた1次光によって刺激され、波長変換された2次光を生成するようにする。一実施形態では、2次光は、光ルミネセンス材料が吸収しなかった、方向を変えた1次光の一部と組み合わされ、より広いスペクトル光、例えば白色光をファイバから横向きに出現させる。1次光と2次光とのそのような組合せは、白色光の発生に限定するものではない。しかし、光ルミネセンス材料及び1次光の波長は、代替的に、別の色、例えば青色、緑色、黄色、橙色、又は赤色の側方放出光を生じるように設計することができる。
【0006】
実際の発光体である少なくとも長さ方向の区分を含む側方放出ファイバは、設計形状部を有する複合オーバーコーティング構造と統合する(設計形状部は、本明細書では成形オーバーコーティング構造とも呼ぶ)。用語「複合」は、本明細書では、物理的又は化学特性の点で異なる、少なくとも2つの異なる材料から作製した構造を説明するために使用し、これらの材料は、得られる組合せ構造の特性が、個々の構成部品の特性とは異なるように一緒に接合される。例えば、複合構造は、1つ又は複数の不活性光透過部又は層と、反射部又は層との組合せから作製することができる。
【0007】
複合オーバーコーティング構造は、以下のように設計することができる:非対称的に成
形し、複合オーバーコーティング構造が、ファイバからの側方放出光を好ましい「非対称」様式、例えば、指向性方向又は好ましい横断方向で反射するようにし、こうした方向は、全方向ではなく、方向を変えた光が、構造の周囲全体の一部分(本明細書では上面又は上層と呼ぶ)のみを通じてオーバーコーティング構造から出現するようなものである;(例えば複合オーバーコーティング構造を長手方向に挿入することによって)システムへの組付けを容易にするように、複合オーバーコーティング構造の外側底面を非対称的に成形するか又は不規則にする;選択的に不透明、透明又は半透明であるように選択した異なる材料から作製し、ファイバから出現する側方放出光に対し非対称に作製する;ファイバほど可撓性ではないように選択した異なる材料から作製することによって、外骨格を形成する;外部環境に対して不透過性又は密閉している(例えば防水又は防気)ように選択した異なる材料から作製する;システムへの組付けを容易にする更なる挿入体を備える異なる材料から作製する;機械式に構造化した外側又は内側面を呈し、複合オーバーコーティング構造が、ファイバからの側方放出光の方向を好ましい方向に変えるようにする。例えば、縦並びではなく、横並びに向けられた細長いプリズム・セルを有するプリズム構造。プリズム構造は、光ファイバの長手方向軸方向(長手方向)に一連のセルを形成する。
【0008】
成形オーバーコーティング構造の不活性光透過材料を製造する方法は、一連の押出工程を含み、ファイバは、前もって形成しておき、ノズルに通して供給すると同時に流体形態の不活性光透過材料によって覆い、これにより、(押出後、光透過材料が固化すると)光透過部分への予備形状を与え、次に、選択的光若しくは熱重合化工程、又は機械的研磨工程が続き、押出成形した光透過部分の底面の正確な成形を達成する。成形オーバーコーティング構造を製造する他の方法は、一連のオーバーモールド工程であってもよく、ファイバを、最終又は所望の光透過部分の反対又は相補形状を呈する鋳型の内部に置き、選択的光又は熱重合化工程と組み合わせ、光透過部分の底面の正確な成形を達成する。いずれのケースであっても、光透過部の形成の後に、アルミニウム等の反射材料を堆積、スパッタリング、浸漬又は蒸着することによって、光透過部の底面上に反射部を製造する方法が続くことができる。別の実施形態では、反射層の代わりに、拡散層を底面上に形成することができる。このことは、拡散粒子混合物を底面上に堆積、スパッタリング又は蒸着することによって、又は光透過部分を拡散粒子混合物中に浸漬することによって行うことができる。
【0009】
上記の概要は、全ての本発明の態様の網羅的なリストを含むものではない。本発明は、上記で概説した様々な態様の全ての適切な組合せから実施し得る全てのシステム及び方法、並びに以下の詳細な説明で開示し、特に特許請求の範囲及び添付の図面において示すものを包含し得ることが企図される。そのような組合せは、上記の概要には列挙しない特定の利点を有することができる。
【0010】
本発明の実施形態は、添付の図面において限定としてではなく、例として示し、同様の参照番号は、同様の要素を示す。本開示の「1つ(an又はone)」の本発明の実施形態への言及は、必ずしも同じ実施形態に対するものではなく、少なくとも1つを意味することを留意されたい。また、簡潔さ及び図面の総数を減らすために、所与の図面は、本発明の2つ以上の実施形態の特徴を示すために使用することができ、図面の要素は、所与の実施形態でその全てを必要としなくてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1a】複合オーバーコーティング構造を有する光源の一例の斜視図である。
図1b】横断面における放物線状複合オーバーコーティング構造の断面図である。
図1c】側方放出光の図であり、埋め込まれたファイバから出現し、図1bの複合構造によって方向を変えられている。
図2a】プリズム・レンズ上層を有する複合オーバーコーティング構造の長手方向面の断面図である。
図2b】光の方向を変え、再利用する、図2aの複合構造の機能の一部の図である。
図2c図2aの複合構造の横断面における断面図である。
図3a】上面にマイクロレンズ・アレイを有する複合オーバーコーティング構造の横断面における断面図である。
図3b図3aの複合オーバーコーティング構造の長手方向面の断面図である。
図4a】単一レンズ構造を上面に有する複合オーバーコーティング構造の横断面の断面図である。
図4b図4aの複合オーバーコーティング構造の長手方向面の断面図である。
図5】多角形底部と統合した複合オーバーコーティング構造の横断面の断面図である。
図6】複合オーバーコーティング構造の横断面における断面図であり、複合オーバーコーティング構造は、多角形底部と統合し、多角形底部は、中に埋め込まれた1つ又は複数のノブを有し、ノブは、底部の外側に延在する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、いくつかの本発明の実施形態を添付の図面を参照しながら説明する。実施形態で説明する部品の形状、相対位置及び他の態様は、明示的に定義するものではなく、本発明の範囲は、例示の目的で表すにすぎない図示の部品のみに限定されない。また、多くの詳細を示すが、本発明のいくつかの実施形態は、こうした詳細を伴わずに実行し得ることは理解されよう。他の例において、周知の構造及び技法は、本説明の理解を不明瞭にしないように、詳細に示していない。
【0013】
本開示の光ファイバ側方放出光源を記載し、この光源のオーバーコーティング構造は、異なる材料から作製し、異なる材料は、オーバーコーティング構造に埋め込んだ光ファイバの側部から出現した光の方向を変え、作り変えることを支持するように設計、成形する。光源は、あらゆる照明システムの一部として使用することができる。
【0014】
本発明の一実施形態によれば、図1aを参照すると、ファイバベースの側方放出光源は、コア及び外装を有することができる光ファイバ6を有する。1次伝播光は、レーザー又は発光ダイオード(LED)等の発光体によって生成し、発光体は、ファイバ(図示せず)に結合している。1次光は、(例えばファイバ6のコアに形成される)散乱区域によってファイバ6の側部を通りファイバから出て散乱するまで、ファイバ6の中心長手方向軸2に沿って図示の下流方向に伝播する。散乱した放射光又は結合を外れた光は、ファイバ6の長手方向軸2に実質的に横断する方向で、(360°未満の径方向範囲を有する円錐又は葉状の光を形成する)指向性様式で、又は(ファイバの全周囲に等しい強度で放射する)等方性若しくは全方向様式のいずれかで生じる。そのような結果を生じる散乱区域の例は、2012年3月28日出願の国際特許出願第PCT/IB2012/000617号(WAVEGUIDE APPARATUS FOR ILLUMINATION SYSTEMS)に見出すことができる。他のタイプの側方放出光ファイバを代替的に使用することができる。ファイバ6は、1次伝播光に対する波長変換を実施するように、光ルミネセンス材料層をその上に形成することもでき、これにより、1次光と異なる波長を有する2次光を含む側方放出光が生じる。得られた側方放出光は、1次光と比較してより広いスペクトル、例えば白色光を呈することができ、これは、吸収されなかった1次光と2次光の組合せに起因する。代替的に、光ルミネセンス材料及び1次光の波長は、ごくわずかな1次光のみが未吸収のままであるように選択することができ、ファイバ6から出現する側方放出光が、2次光、例えば赤色又は赤外光によって占められることになる。
【0015】
更に図1aを参照すると、ファイバ6の側面に一致する光透過部3、及び反射部4(反
射支援部とも呼ばれる)があり、両方とも、単一の複合オーバーコーティング構造を形成する(ファイバ6は、複合オーバーコーティング構造の光透過部3内に「埋め込まれて」いる)。光透過部3は、単一の光透過不活性(即ち光ルミネセンスではない又は波長変換しない)材料、例えば、ポリカーボネートから作製することができ、ファイバ6の側面を完全に囲むことができ、ファイバと反射部4との間に空隙を残さないことができ、反射部4は、(図示のように)光透過部3の底面に一致する。光透過部3の全ては、同じ材料から作製することができるか、又は異なる材料の層から構成することができる。
【0016】
図1aのオーバーコーティング構造は、代替的に、中実体(例えば光透過部3)を有するものとして見ることができ、中実体は、不活性光透過材料から作製し、全体に円筒形である(近端又は面から遠端又は面まで延在する側面を有する)が、内部長手方向軸周りに回転対称又は中実体の背骨(例えば中心長手方向軸2)を有さない。外側反射器(例えば反射部4)は、中実体の側面の一部分に一致し、当接する湾曲光反射表面を有する一方で、中実体の別の部分(例えば上層又は上面7)は、反射器の光反射表面によって反射された後に照明光がこの部分から出現するように、覆われないままである。
【0017】
オーバーコーティング構造は、特定の照明方式又は放射パターンの側方放出光を成形する、及び/又は光源をシステム内に統合することを容易にするように働く。オーバーコーティング構造は、光源の外骨格としても働く(光透過部3が、ファイバ6よりも硬質である材料から作製される場合)。
【0018】
図1bは、例示的複合オーバーコーティング構造のいくつかの態様を示す。この図1bは、(ファイバ6の長手方向軸2に横断する)横断面における断面図であり、図1cは、埋め込んだファイバ6から出現する側方放出光を示す。本明細書に示す一態様は、光透過部3は、平坦又は完全に水平な上層7(又は上面7)を有し、上層7は、反射部4によって覆われず、上層7を通して、集中又は方向を変えられた側方放出光が、例えば、光源を囲む空気中に出現する。このことは、中心長手方向軸2周りの複合構造の「非対称形状」によって促進され、このことは、複合構造に、中心長手方向軸2周りの回転対称がないことに関係する。しかし、図1cで最適に示すように、オーバーコーティング構造は、(中心長手方向軸2がある)垂直長手方向面5にわたり左右反射対称を有することができる。
【0019】
図1b〜図1cの特定の例では、光透過部3は、「放物線状」形状を有し、反射部4は、光透過部3の底面を覆い、底面と一致する層として形成される一方で、光透過部3の上面(又は上層)7は、図示のように、覆われていない。しかし、複合照明構造の光収集機能は、この形状に限定するものではない。(例えば図1bのような)ファイバ6の側部から出現した光を好ましい方向で集中させる、反射部4(及び光透過部3の反射部4と一致する底面)のあらゆる代替形状が可能であり、例えば、U字形状(図1aを参照)、半又は部分円筒形状、半又は部分楕円形状、双曲線形状、及び多区分形状(同じでも異なっていてもよい複数の直線又は湾曲線区分から構成され、より長い湾曲を形成するように端と端を接合する)等である。一実施形態では、(上記の形状のいずれか1つを有する)光透過部3の外側面の全体、又はその完全側方周囲は、2つの連続区分、即ち、上面又は上層7、及び本明細書では底面と呼ぶ、その残りに分割される。底面は、湾曲し、その全体を反射部4によって覆うことができるが、上面は、湾曲しておらず(平坦)、反射部4によって全く覆われない。
【0020】
複合オーバーコーティング構造の非対称形状は、(ファイバ6から出現した)側方放出光を集中させ、好ましい外側横断方向に方向を変えるように働き、ここでの例のケースでは、光は、光透過部3の上面7(又は上層7)を通して外側に向けられる。図1bは、光ファイバの側部から出現した光と、オーバーコーティングとの、ファイバ6の長手方向軸2に横断する平面における相互作用を示す。この例における光ファイバ6の長手方向軸2
は、実質的に、(垂直長手方向面5にある)放物線状形状の垂直対称軸上に、(底面によって画定される)放物線の焦点の近傍に配置される。図1cの斜視図からわかるように、ファイバ6の長さ方向区分9から出現した光は、特に反射部4の非対称形状のために、反射部4によって横断方向に方向を変えられる。一実施形態では、方向を変えられた光は、複合構造から、(底面の全体が反射部4によって覆われているために)複合照明構造の上層又は表面7のみから出現する。
【0021】
図2a及び図2bは、長手方向面における別の複合構造を断面図で示すが、上層7は、機械式に「プリズム・レンズ」(又は単にプリズム)構造10に構造化されている(機械式構造の光の方向を変える及び/又は再利用する機能は、プリズム・レンズに限定するものではない−例えば、図3a及び図4bを参照)。ここでの目的は、ファイバ6から横方向に出現し、光透過部3の上面に到達した光の方向を変え、再利用することであり、光が外側に出現する際に、ファイバ6の長さ部に沿ってより平行化するようにする。プリズム構造10は、隣接して置いたプリズム・セル又は円錐セルのあらゆる適切な組合せを有することができ、セルのそれぞれは、垂直に対して傾斜し、例えば隣接して置いた1次元アレイの傾斜プリズム・セル、又は特定の光ビーム方向変更機能を達成するプリズム・レンズを形成するように配置した他のタイプのプリズム・セルに対して傾斜することができる。プリズム構造10のこの実施形態では、各個のプリズム・セルは、図2cでわかるように、横断方向に細長く、プリズム・セルは、図2a及び図2bからわかるように、長手方向に(縦並びではなく)横並びに配置又は向けられている。他の実施形態では、プリズム・セルは、細長くなく、例えば正方形であってもよい。プリズム構造10は、真下に接合する光透過部3の材料とは異なっていてもよい適切な光透過材料から作製することができる。プリズム構造10は、個別部品(上面又は上層7は1部品である)として作製することができ、次に、光透過部3の平坦上面に接合する。図2bは、ファイバ6への平面長手方向における、光ファイバ6の側部から出現した光と、複合オーバーコーティングとの間の相互作用を示す。ファイバから出現した光は、空気−プリズム界面での反射によって直接方向を変え、これは、図では(1)として示され、また、光は、間接的に方向を変えることもできる、即ち、複合照明構造の内部で、この複合照明構造を離れる前にいくつかの反射を受け、これは、図では(2)として示す。図2cは、横断面における図2aの複合構造を断面図で示す。
【0022】
図3aは、横断面における複合オーバーコーティング構造の断面図を示し、複合オーバーコーティング構造は、その上面7にマイクロレンズ・アレイ構造12を有する。図3bは、垂直長手方向面における図3aの複合オーバーコーティング構造の断面図を示す。この実施形態では、各個のマイクロレンズは、図3aからわかるように、横断方向に細長く、マイクロレンズは、図3bからわかるように、長手方向に(縦並びではなく)横並びに配置又は向けられている。マイクロレンズ構造12の個々のマイクロレンズは、オーバーコーティングから出た側方放出光を「完全に」合焦する図4a及び図4bに示す単一連続レンズ構造14とは対照的に、オーバーコーティング構造から出た側方放出光を「選択的」に合焦又は均質化すると言える。マイクロレンズ・アレイ構造12及び単一連続レンズ構造14はそれぞれ、真下に接合する光透過部3の材料とは異なっていてもよい適切な光透過材料から作製することができる。各構造は、個別部品(上面又は上層7は1部品である)として作製することができ、次に、光透過部3の平坦上面に接合する。
【0023】
図5及び図6は、複合構造の一実施形態の更なる態様を示し、より大きなシステムの一部として光源をより容易に固着させるように働くことができる複合構造の底部の異なる例を示す。図5は、多角形形状又は多角形底部16を示し、多角形底部16は、一方の側で反射部4の外面に一致する一方で、反対側では、多角形形状である(ここでは、直線区分によって右隅に接合した左隅を有するが、他の多角形形状が可能である)。多角形形状は、不規則構造として、光源を、システムの対合する不規則レセプタクルに嵌合するように
底部16の使用を可能にする。図6は、図5の構造といくつかのノブ17(2つが見える)との組合せを示し、ノブ17は、多角形底部16の外面に固着され、外面から外側に延在する。ノブ17は、光源をシステムに固着するように働くことができる。ノブは、多角形底部16と同じ材料から作製することができ、ノブ及び多角形底部16が、光源の単一又は一体部品を形成するようにする。代替的に、ノブ17は、個別形成部品であってもよく、この個別形成部品を、例えば重合化工程の前に多角形底部16に結合又は挿入し、多角形底部16の外側面に対し正確な境界をもたらすことができる。
【0024】
特定の実施形態を上記で説明し、添付の図面に示してきたが、そのような実施形態は、単に例示的であり、広範な本発明に対する制限ではなく、本発明は、図示、説明した特定の構造及び構成に限定するものではないことは理解されよう。というのは、当業者は、様々な他の修正を想起し得るためである。例えば、図2a〜図2cは、長手方向面に延在する一連に並べて配置した細長プリズム・セルから構成したプリズム・レンズ構造を示すが、一代替形態は、横断面に延在するプリズム・セルを一連に並べて向けることであり得る。従って、本説明は、限定するものではなく、例示的と見なされるべきである。
図1a
図1b
図1c
図2a
図2b
図2c
図3a
図3b
図4a
図4b
図5
図6