(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面及び実施例を参照して本発明についてさらに詳しく説明する。なお、ここで説明される具体的な実施例は、単なる本発明を解釈するためのものであり、本発明を限定するものではない。
【0014】
なお、説明の便宜上、図面には、全部内容ではなく、本発明に関する一部だけが示される。例示的な実施例をさらに詳しく検討する前に言及することとして、一部の例示的な実施例は、フローチャートとして描画される処理又は方法として説明される。フローチャートが各操作(又はステップ)を順次処理として説明するが、そのうち、多くの操作は、並行的に、併発的に又は同時に実施することができる。また、各操作の手順は、改めて整えることができる。操作が完成する場合、処理を終了してもよいが、図面に含まれていない付加ステップを有していてもよい。処理は、方法、関数、規程、サブルーチン又はサブプログラムなどに対応することができる。
【0015】
実施例1
図1は、本発明の実施例1により提供される障害物速度の検出方法のフローチャートである。本実施例は、無人車両システムが低速障害物の速度を正確に検出する場合に適用することができ、障害物速度の検出方法は、障害物速度の検出装置によって実行される。
障害物速度の検出装置は、ソフトウェア及び/又はハードウェアの方式によって実現することができ、一般的にコンピュータ機器に統合されていてもよい。これに対応して、
図1に示されるように、障害物速度の検出方法は、以下のステップを含む。
ステップS110は、設定された時間ウィンドウで同一のセンサによって収集されたマルチフレームデータに基づいて、マルチフレーム差分技術を使用して、同一の障害物に対応する少なくとも二つのリアルタイムな障害物速度を計算する。
【0016】
この場合、設定された時間ウィンドウは、障害物データの時間の長さを収集するためのことであり、実際のニーズに応じて設定することができる。例えば、設定された時間ウィンドウは、30秒又は1分であってもよい。また、障害物データは、ビデオ画像などのような障害物の動き状況を反映できるデータなどであってもよく、本実施例は、これらに対して限定しない。マルチフレーム差分技術は、動き目標を検出するためのことであり、フレーム間差分技術に基づいて拡大された技術である。フレーム間差分技術は、ビデオ画像シーケンスの隣接する2つのフレームに対して差分演算を行うことによって動き目標輪郭を取得する方法であり、マルチフレーム差分技術は、ビデオ画像シーケンスの離れて設定された一定数のフレームに対して差分演算を行うことによって動き目標輪郭を取得することである。また、設定された数は、3、4又は5などであってもよく、本実施例は、これらに対して限定しない。リアルタイムな障害物速度は、ある時点に対応する障害物の速度であってもよい。
【0017】
本実施例では、センサを使用して障害物データを収集する場合、収集されたデータに対してマルチフレーム差分技術を使用して速度測定の分析を行うため、対応して設定された時間ウィンドウは、データ収集条件を満たす必要がある。例えば、マルチフレーム差分技術が、隣接する5フレームの画像に対して差分演算を要求する場合、設定された時間ウィンドウ内から少なくとも6フレームの画像を収集できなければ、マルチフレーム差分技術で同一の障害物に対応する少なくとも二つのリアルタイムな障害物速度を計算することができない。
【0018】
ステップS120は、少なくとも二つのリアルタイムな障害物速度に基づいて、障害物に対応する少なくとも二つのタイプの速度統計量を計算する。
【0019】
速度統計量は、リアルタイムな障害物速度に基づいて計算された関連データである。選択可能な実施例として、速度統計量のタイプは、速度係数の分散、速度角度差の平均値及び速度係数の2次分散を含んでいてもよい。この場合、速度係数の分散は、すべてのリアルタイムな障害物速度の係数が計算して取得された分散であってもよいし、速度角度差は、隣接する二つのリアルタイムな障害物速度の角度間の差であってもよいし、速度係数の2次分散は、すべてのリアルタイムな障害物速度の係数が計算して取得された2次分散であってもよい。
【0020】
本実施例では、計算されたリアルタイムな障害物速度に基づいて障害物に対応する少なくとも二つのタイプの速度統計量を計算する。選択可能に、速度係数の分散、速度角度差の平均値及び速度係数の2次分散を三つの異なる速度統計量としてもよい。速度統計量は、障害物に対応する静止確率を計算することができる。
【0021】
ステップS130は、速度統計量と静止確率との間のマッピング関係に基づいて、各速度統計量を対応する静止確率にそれぞれマッピングする。
【0022】
この場合、静止確率は、障害物が静止状態にある確率であってもよい。
【0023】
これに対応して、速度統計量と静止確率との間のマッピング関係で各タイプの速度統計量に対応する静止確率を計算することができる。
【0024】
選択可能な実施例として、前記速度統計量と静止確率との間のマッピング関係は、以下の式(1)を含んでいてもよい。
【数1】
ただし、
vは速度統計量であり、
Pは静止確率であり、
t及びsは予め設定されたマッピングパラメータである。
【0025】
この場合、vは独立変数であり、速度統計量を表し、t及びsは、いずれも予め設定されたマッピングパラメータであり、定数であってもよい。具体的な値は、実際のニーズに応じて設定することができ、本実施例は、t及びsの具体的な値に対して限定しない。
【0026】
具体的には、tは、統計量の閾値であってもよく、vがtより小さいときに返される静止確率は0であり、障害物が現在非静止状態であることを完全に信頼することを示す。vがt以上である場合、返される確率値は、vが大きくなるにつれて増加し、障害物の静止確率が徐々に増加することを示す。sは、静止確率が速度統計量に伴って上昇することを制御する比例値であり、sの値が小さいほど、確率値が統計量の上昇に伴って上昇する速度が速い。
【0027】
選択可能な実施例として、異なる速度統計量は、異なるマッピングパラメータに対応してもよい。
速度係数の分散に対応するt>速度角度差に対応するt>速度係数の2次分散に対応するtである。
また、速度係数の分散に対応するv>速度角度差に対応するv>速度係数の2次分散に対応するvである。
【0028】
実験によると、速度係数の分散に対応する速度統計量のt及びsの設置値がいずれも最大であり、速度角度差の平均値に対応する速度統計量のt及びsの値がその次であり、速度係数の2次分散に対応する速度統計量のt及びsの閾値が最小である。これに対応して、速度係数の分散に対応する速度統計量の値も最大であり、速度角度差の平均値に対応する速度統計量の値がその次であり、速度係数の2次分散に対応する速度統計量の値が最小である。
【0029】
ステップS140は、マッピングして取得された少なくとも二つの静止確率を融合して、障害物の融合静止確率を取得し、取得した融合静止確率に基づいて、障害物の速度検出結果を決定する。
【0030】
選択可能な実施例として、マッピングして取得された少なくとも二つの静止確率を融合して、障害物の静止確率を取得するステップは、以下の式によって、障害物の融合静止確率P_finalを計算してもよい。
【数2】
ただし、
【数3】
であり、Nはマッピングして取得された静止確率の総数であり、
P_iはi番目の速度統計量に対応する静止確率である。
【0031】
この場合、融合静止確率は、異なる速度統計量に対応する障害物の静止確率を一定の規則により、融合して取得された新しい静止確率であってもよい。
【0032】
これに対応して、本実施例では、異なるタイプの速度統計量に対応する障害物の静止確率を取得した後、上記式で障害物の融合静止確率P_finalを計算することができる。なお、上記の融合静止確率の計算式において、各速度統計量に対応する静止確率の占める重みは同じである。
【0033】
選択可能な実施例では、融合静止確率に基づいて、障害物の速度検出結果を決定するステップは、融合静止確率と確率閾値とを比較するステップと、融合静止確率が確率閾値以上である場合、障害物が静止状態にあると決定するステップと、融合静止確率が確率閾値より小さい場合に、計算して取得されたリアルタイムな障害物速度を障害物の速度として決定するステップとを含むことができる。
【0034】
この場合、確率閾値は、障害物静止状態を判定するための確率値であってもよく、具体的な値は、実際のニーズに応じて設定することができ、本実施例は、これらに対して限定しない。
【0035】
本実施例では、障害物の融合静止確率を取得した後、融合静止確率と確率閾値を比較して障害物の速度検出結果を決定する。具体的には、融合静止確率が確率閾値以上である場合、障害物が静止状態にあると決定し、融合静止確率が確率閾値より小さい場合、計算して取得されたリアルタイムな障害物速度を障害物の速度として決定する。なお、本実施例における確率閾値は、従来の方法における速度閾値とは異なり、直接に障害物速度の数値を比較するのではなく、障害物静止確率の観点から計算することにより、もっと正確に障害物の速度検出結果を決定することができる。
【0036】
本実施例は、設定された時間ウィンドウで同一のセンサによって収集されたマルチフレームデータに基づいて、マルチフレーム差分技術を使用して、同一の障害物に対応する少なくとも二つのリアルタイムな障害物速度を計算する。そして、少なくとも二つのリアルタイムな障害物速度に基づいて、障害物に対応する少なくとも二つの速度統計量を計算し、速度統計量と静止確率との間のマッピング関係に基づいて、各速度統計量を対応する静止確率にそれぞれマッピングする。マッピングして取得された少なくとも二つの静止確率を融合して障害物の融合静止確率を取得し、最終に融合静止確率に基づいて障害物の速度検出結果を決定することによって、センサにより収集された複数のリアルタイムな障害物速度によって障害物の速度を検出することを実現する。これにより、既存の無人車両システムが低速障害物の速度の検出を行うときに存在する安定性及び安全性が低い問題を解决するため、無人車両システムによって検出された障害物速度の安定性、信頼性及び精度を向上させることができる。
【0037】
実施例2
図2は、本発明の実施例2により提供される障害物速度の検出装置の概略図である。
図2に示されるように、障害物速度の検出装置は、リアルタイム障害物速度計算モジュール210と、速度統計量計算モジュール220と、静止確率計算モジュール230と、速度検出結果決定モジュール240とを備えている。
リアルタイム障害物速度計算モジュール210は、設定された時間ウィンドウで同一のセンサによって収集されたマルチフレームデータに基づいて、マルチフレーム差分技術を使用して、同一の障害物に対応する少なくとも二つのリアルタイムな障害物速度を計算する。
速度統計量計算モジュール220は、少なくとも二つのリアルタイムな障害物速度に基づいて、障害物に対応する少なくとも二つのタイプの速度統計量を計算する。
静止確率計算モジュール230は、速度統計量と静止確率との間のマッピング関係に基づいて、各速度統計量を対応する静止確率にそれぞれマッピングする。
速度検出結果決定モジュール240は、マッピングして取得された少なくとも二つの静止確率を融合して、障害物の融合静止確率を取得し、取得した融合静止確率に基づいて、障害物の速度検出結果を決定する。
【0038】
本実施例は、設定された時間ウィンドウで同一のセンサによって収集されたマルチフレームデータに基づいて、マルチフレーム差分技術を使用して、同一の障害物に対応する少なくとも二つのリアルタイムな障害物速度を計算する。そして、少なくとも二つのリアルタイムな障害物速度に基づいて、障害物に対応する少なくとも二つの速度統計量を計算し、速度統計量と静止確率との間のマッピング関係に基づいて、各速度統計量を対応する静止確率にそれぞれマッピングする。マッピングして取得された少なくとも二つの静止確率を融合して障害物の融合静止確率を取得し、最終に融合静止確率に基づいて障害物の速度検出結果を決定することによって、センサにより収集された複数のリアルタイムな障害物速度によって障害物の速度を検出することを実現する。これにより、既存の無人車両システムが低速障害物の速度の検出を行うときに存在する安定性及び安全性が低い問題を解决するため、無人車両システムによって検出された障害物速度の安定性、信頼性及び精度を向上させることができる。
【0039】
選択可能に、速度統計量のタイプは、速度係数の分散、速度角度差の平均値及び速度係数の2次分散を含んでいてもよい。
【0040】
選択可能に、速度統計量と静止確率との間のマッピング関係は、以下の式(1)を含んでいてもよい。
【数1】
ただし、
vは速度統計量であり、
Pは静止確率であり、
t及びsは予め設定されたマッピングパラメータである。
【0041】
選択可能に、異なる速度統計量は、異なるマッピングパラメータに対応してもよい。
速度係数の分散に対応するt>速度角度差に対応するt>速度係数の2次分散に対応するtである。
また、速度係数の分散に対応するv>速度角度差に対応するv>速度係数の2次分散に対応するvである。
【0042】
選択可能に、速度検出結果決定モジュール240は、具体的には、以下の式によって、障害物の融合静止確率P_finalを計算してもよい。
【数2】
ただし、
【数3】
であり、
Nはマッピングして取得された静止確率の総数であり、
P_iはi番目の速度統計量に対応する静止確率である。
【0043】
選択可能に、速度検出結果決定モジュール240は、具体的には、融合静止確率と確率閾値とを比較し、融合静止確率が確率閾値以上である場合、障害物が静止状態にあると決定し、融合静止確率が確率閾値より小さい場合、計算して取得されたリアルタイムな障害物速度を障害物の速度として決定してもよい。
【0044】
上記の障害物速度の検出装置は、本発明の任意の実施例により提供される障害物速度の検出方法を実行することができ、実行方法に対応する機能モジュール及び有益な効果を備える。本実施例において詳細に説明されていない技術的詳細は、本発明の任意の実施例により提供される障害物速度の検出方法を参照することができる。
【0045】
実施例3
図3は、本発明の実施例3により提供される端末の構造概略図である。
図3は、上記の実施例を実現するためのコンピュータ機器312のブロック図を示している。
図3に示されるコンピュータ機器312は、単なる一例であり、本発明の実施例の機能及び使用範囲に何らの制限をもたすものではない。
【0046】
図3に示されるように、コンピュータ機器312は、汎用コンピューティングデバイスの形態で示されてもよい。コンピュータ機器312のコンポーネントとしては、限定されないが、少なくとも一つのプロセッサ316と、記憶装置328と、異なるシステムコンポーネント(記憶装置328とプロセッサ316とを含む)を接続するバス318とを備えている。
【0047】
バス318は、メモリバス又はメモリコントローラ、周辺バス、アクセラレーテッドグラフィックスポート、プロセッサ又は多様なバス構造のうち任意のバス構造を使用するローカルバスを含む、複数種のバス構造のうち少なくとも一つのものを表す。限定するわけではないが、一例として、これらのアーキテクチャは、インダストリスタンダードアーキテクチャ(Industry Standard Architecture、ISA)バス、マイクロチャネルアーキテクチャ(Micro Channel Architecture、MCA)バス、エンハンストISAバス、ビデオエレクトロニクススタンダーズアソシエーション(Video Electronics Standards Association、VESA)ローカルバス、及びペリフェラルコンポーネントインターコネクト(Peripheral Component Interconnection、PCI)バスを含む。
【0048】
コンピュータ機器312は、典型的には、多様なコンピュータシステム読み取り可能な媒体を備える。これらの媒体は、コンピュータ機器312がアクセスできる任意の入手可能な媒体であってもよく、揮発性媒体及び不揮発性媒体と、リムーバブル媒体及びノンリムーバブル媒体とを含む。
【0049】
記憶装置328は、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)330及び/又はキャッシュメモリ332などの揮発性メモリの形態を取るコンピュータシステム読み取り可能な媒体を含んでいてもよい。コンピュータ機器312は、他のリムーバブル/ノンリムーバブル、揮発性/不揮発性コンピュータシステム記憶媒体をさらに含んでいてもよい。例示だけであるが、ストレージシステム334は、ノンリムーバブル、不揮発性磁気媒体(
図3に示されていないが、通常「ハードドライブ」と称される)に対して読み出し及び書き込みをするために用いることができる。
図3に示されていないが、リムーバブル、不揮発性磁気ディスク(例えば、「フロッピーディスク」)に対して読み出し及び書き込みをするための磁気ディスクドライブ、及びリムーバブル、不揮発性光学ディスク(例えば、シーディーロム(Compact Disc Read Only Memory、CD−ROM)、ディーブイディーロム(Digital Video Disc Read Only Memory、DVD−ROM)又は他の光学媒体)に対して読み出し及び書き込みをするための光学ディスクドライブを提供することができる。そのような場合、各ドライブは、少なくとも一つのデータメディアインターフェイスによりバス318に接続することがきる。記憶装置328は、本発明の各実施例に記載の機能を実行するように構成されているプログラムモジュールのセット(例えば、少なくとも一つ)を有する少なくとも一つのプログラム製品を含んでいてもよい。
【0050】
プログラムモジュール326のセット(少なくとも一つ)を有するプログラム336は、例えば、記憶装置328に記憶されてもよく、限定されないが、このようなプログラムモジュール326は、オペレーティングシステム、少なくとも一つのアプリケーションプログラム、他のプログラムモジュール及びプログラムデータを含み、これらの例のそれぞれ又は何らかの組み合わせには、ネットワーキング環境の実装が含まれる可能性がある。また、プログラムモジュール326は、通常本発明に記載の実施例における機能及び/又は方法を実行する。
【0051】
コンピュータ機器312は、少なくとも一つの外部機器314(例えば、キーボードやポインティングデバイス、ディスプレイ324など)と通信してよいし、ユーザがコンピュータ機器312とインタラクションすることを可能にする少なくとも一つのデバイスと通信してもよいし、及び/又はコンピュータ機器312が少なくとも一つの他のコンピューティングデバイスと通信することを可能にする任意のデバイス(例えば、ネットワークカード、モデムなど)と通信してもよい。このような通信は、入力/出力(I/O)インターフェイス322を介して行うことができる。また、コンピュータ機器312は、ネットワークアダプタ320を介して、少なくとも一つのネットワーク(例えば、ローカルエリアネットワーク(Local Area Network、LAN)、ワイドエリアネットワーク(Wide Area Network、WAN)、及び/又はパブリックネットワーク、例えば、インターネット)と通信できる。図に示されるように、ネットワークアダプタ320は、バス318を介して、コンピュータ機器312の他のモジュールと通信する。なお、図示されていないが、他のハードウェア及び/又はソフトウェアモジュールをコンピュータ機器312と組み合わせて使用することができ、限定されないが、マイクロコードやデバイスドライバ、冗長化処理ユニット、外部ディスクドライブアレイ、ディスクアレイ(Redundant Arrays of Independent Disks、RAID)システム、テープドライバ又はデータアーカイバルストレージシステムなどを含む。
【0052】
プロセッサ316は、記憶装置328に記憶されるプログラムを実行することにより、多様な機能アプリケーション及びデータ処理を実行し、例えば、本発明の上記実施例により提供される障害物速度の検出方法を実現する。
【0053】
すなわち、処理ユニットがプログラムを実行するとき、設定された時間ウィンドウで同一のセンサによって収集されたマルチフレームデータに基づいて、マルチフレーム差分技術を使用して、同一の障害物に対応する少なくとも二つのリアルタイムな障害物速度を計算することと、少なくとも二つのリアルタイムな障害物速度に基づいて、障害物に対応する少なくとも二つの速度統計量を計算することと、速度統計量と静止確率との間のマッピング関係に基づいて、各速度統計量を対応する静止確率にそれぞれマッピングすることと、マッピングして取得された少なくとも二つの静止確率を融合して、障害物の融合静止確率を取得し、融合静止確率に基づいて、障害物の速度検出結果を決定することとを実現する。
【0054】
コンピュータ機器が、設定された時間ウィンドウにおいて同一のセンサによって収集されたマルチフレームデータに基づいて、マルチフレーム差分技術を使用して、同一の障害物に対応する少なくとも二つのタイプのリアルタイムな障害物速度を計算する。そして、少なくとも二つのリアルタイムな障害物速度に基づいて、障害物に対応する少なくとも二つのタイプの速度統計量を計算し、速度統計量と静止確率との間のマッピング関係に基づいて、各速度統計量を対応する静止確率にそれぞれマッピングする。マッピングして取得された少なくとも二つの静止確率を融合して障害物の融合静止確率を取得し、最終的に融合静止確率に基づいて障害物の速度検出結果を決定することによって、センサにより収集された複数のリアルタイムな障害物速度によって障害物の速度を検出することを実現する。これにより、既存の無人車両システムが低速障害物の速度の検出を行うときに存在する安定性及び安全性が低い問題を解决するため、無人車両システムによって検出された障害物速度の安定性、信頼性及び精度を向上させることができる。
【0055】
実施例4
本発明の実施例4は、コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ記憶媒体を提供する。コンピュータプログラムがコンピュータプロセッサによって実行される場合に、上記の実施例により提供される障害物速度の検出方法が実現される。すなわち、設定された時間ウィンドウで同一のセンサによって収集されたマルチフレームデータに基づいて、マルチフレーム差分技術を使用して、同一の障害物に対応する少なくとも二つのリアルタイムな障害物速度を計算するステップと、少なくとも二つのリアルタイムな障害物速度に基づいて、障害物に対応する少なくとも二つのタイプの速度統計量を計算するステップと、速度統計量と静止確率との間のマッピング関係に基づいて、各速度統計量を対応する静止確率にそれぞれマッピングするステップと、マッピングして取得された少なくとも二つの静止確率を融合して、障害物の融合静止確率を取得し、融合静止確率に基づいて、障害物の速度検出結果を決定するステップとが実現される。
【0056】
本実施例に係るコンピュータ記憶媒体は、少なくとも一つのコンピュータ読み取り可能な媒体の任意の組み合わせを使用することができる。コンピュータ読み取り可能な媒体は、コンピュータ読み取り可能な信号媒体、或いはコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であってもよい。コンピュータ読み取り可能な媒体は、例えば、電子、磁気、光、電磁気、赤外線、半導体のシステム、装置又はデバイス、或いは上記の任意の組み合わせであってもよいが、これらに限定されない。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体のより具体的な一例(非網羅的なリスト)は、少なくとも一つの配線を備える電気接続部、ポータブルコンピュータディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(Read Only Memory、ROM)、消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリ((Erasable Programmable Read Only Memory、EPROM)又はフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD−ROM)、光記憶装置、磁気記憶装置、又は上記の任意の適切な組み合わせを含む。本文において、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、命令実行システム、装置又はデバイスにより使用され、或いはそれらと組み合わせて使用されることが可能であるプログラムを含む又は記憶する任意の有形の媒体であってもよい。
【0057】
コンピュータ読み取り可能な信号媒体は、ベースバンドにおける、又は搬送波の一部として伝播するデータ信号を含むことができ、その中にはコンピュータ読み取り可能なプログラムコードが搭載される。この伝播するデータ信号は様々な形式を使用することができ、電磁信号、光信号又は上記の任意の適切な組み合わせを含むがこれらに限定されない。コンピュータ読み取り可能な信号媒体は、さらに、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体以外の任意のコンピュータ読み取り可能な媒体であってもよく、コンピュータ読み取り可能な媒体は、命令実行システム、装置又はデバイスにより使用され、或いはそれらと組み合わせて使用されるプログラムを送信、伝播又は伝送することができる。
【0058】
グラムコードは、無線、有線、光ケーブル、無線周波数(Radio Frequency、RF)など、又は上記の任意の適切な組み合わせを含むが、これらに限定されない任意の適切な媒体によって伝送することができる。
【0059】
少なくとも一つのプログラミング言語又はそれらの組み合わせで本発明の動作を実行するためのコンピュータプログラムコードを作成することができ、プログラミング言語は、Java(登録商標)、Smalltalk、C++などのプロジェクト指向のプログラミング言語を含み、さらに、「C」言語又は同様のプログラミング言語といった従来の手続き型プログラミング言語をも含む。プログラムコードは、完全にユーザーコンピュータで実行されてもよいし、部分的にユーザーコンピュータに実行されてもよいし、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして実行されてもよいし、部分的にユーザーコンピュータで部分的にリモートコンピュータで実行されてもよいし、又は完全にリモートコンピュータ又はサーバーで実行してもよい。リモートコンピュータの場合、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意の種類のネットワークを介してユーザのコンピュータに接続することができ、又は、外部コンピュータに接続することができる(例えば、インタネットサービスプロバイダを利用してインターネット経由で接続する)。
【0060】
実施例5
上記の各実施例に基づいて、本発明の実施例5は、車体を備える車両を提供する。車両は、上記の実施例のコンピュータ機器と、車体に設けられたセンサとをさらに備える。センサは、周囲環境における障害物のリアルタイムな障害物速度を検出するためのものである。
【0061】
典型的には、センサは、ミリ波レーダ又はレーザレーダを含んでいてもよい。
【0062】
なお、以上は、本発明の好ましい実施例及び運用される技術的原理に過ぎない。当業者は、本発明がここで記載される特定の実施例に限定されないことを理解することができる。当業者であれば、本発明の保護範囲を逸脱することはなく、種々の明らかな変化、新たな調整及び取り換えを行うことができる。したがって、上記実施例により本発明について比較的詳細に説明したが、本発明は、上記実施例のみに限定されず、本発明の構想を逸脱しない範囲で、より多くの他の効果同等な実施例をさらに含むことができ、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって决定される。