(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施の形態における熱源システムを示す概略図である。
【
図2】冷却水を定流量制御した場合と変流量制御した場合における冷却水往還温度差と冷凍機負荷率との関係を示す図である。
【
図3】外気湿球温度毎の最適な冷却水往還温度差と冷凍機負荷率との関係を示す図である。
【
図4】ターボ冷凍機において冷却水系の配管抵抗値及びポンプの動力を変化させた場合における外気湿球温度毎の最適な冷却水往還温度差と冷凍機負荷率との関係を示す図である。
【
図5】スクリュー冷凍機において冷却水系の配管抵抗値及びポンプの動力を変化させた場合における外気湿球温度毎の最適な冷却水往還温度差と冷凍機負荷率との関係を示す図である。
【
図6】別の冷凍機における外気湿球温度毎の最適な冷却水往還温度差と冷凍機負荷率との関係を示す図である。
【
図7】ターボ冷凍機の場合における外気湿球温度毎の最適な冷却塔の風量比と冷凍機負荷率との関係を示す図である。
【
図8】スクリュー冷凍機の場合における外気湿球温度毎の最適な冷却塔の風量比と冷凍機負荷率との関係を示す図である。
【
図9】ターボ冷凍機の場合における外気湿球温度毎の最適な冷却塔の風量比と冷却水往還温度差との関係を示す図である。
【
図10】スクリュー冷凍機の場合における外気湿球温度毎の最適な冷却塔の風量比と冷却水往還温度差との関係を示す図である。
【
図11】複数のスクリュー冷凍機が冷却塔を共有する場合における外気湿球温度毎の最適な冷却塔の風量比と冷凍機負荷率との関係を示す図である。
【
図12】複数のターボ冷凍機が冷却塔を共有する場合における外気湿球温度毎の最適な冷却塔の風量比と冷凍機負荷率との関係を示す図である。
【
図13】冷却塔の性能が100%の場合における外気湿球温度毎の最適な冷却水往還温度差と冷凍機負荷率との関係を示す図である。
【
図14】冷却塔の性能が70%に低下した場合における外気湿球温度毎の最適な冷却水往還温度差と冷凍機負荷率との関係を示す図である。
【
図15】ターボ冷凍機の場合の省エネルギー効果について本発明と従来技術とを比較した結果を示す図である。
【
図16】スクリュー冷凍機の場合の省エネルギー効果について本発明と従来技術とを比較した結果を示す図である。
【
図17】本発明と従来技術のイニシャルコストについて比較した結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。
【0018】
まず、
図1を参照して、本発明の実施の形態における熱源システム10について説明する。
図1は、本発明の実施の形態における熱源システム10を示す概略図である。
【0019】
熱源システム10は、建築物の空調設備(図示省略)に供給される冷水を冷却する冷凍機11と、冷凍機11に供給される冷却水を冷却する冷却塔12と、を備えている。冷却塔12には、回転数が可変に制御されるファン13が設けられている。
【0020】
冷凍機11と前記空調設備との間には、冷水が循環するように冷水配管14が配設されている。冷水配管14には冷凍機11の冷水循環方向(
図1中の矢印参照)の上流側近傍位置に冷水ポンプ15が設けられている。
【0021】
冷凍機11と冷却塔12との間には、冷却水が循環するように冷却水往配管16a及び冷却水還配管16bがそれぞれ配設されている。冷却水往配管16aには、冷凍機11の冷却水循環方向(
図1中の矢印参照)の上流側近傍位置に冷却水ポンプ17が設けられている。冷却水ポンプ17には、回転数が可変に制御されるモータ(図示省略)が設けられている。
【0022】
冷却水往配管16aの途中には、冷却塔12の冷却水循環方向(
図1中の矢印参照)の下流側近傍位置に冷却水往温度センサ18aが配置されており、冷却水往温度センサ18aは冷却水往配管16aを流れる冷却水の往温度を計測する。また、冷却水還配管16bの途中には、冷却塔12の冷却水循環方向(
図1中の矢印参照)の上流側近傍位置に冷却水還温度センサ18bが配置されており、冷却水還温度センサ18bは冷却水還配管16bを流れる冷却水の還温度を計測する。
【0023】
冷却塔12のファン13、冷却水ポンプ17、冷却水往温度センサ18a、及び冷却水還温度センサ18bには、コントローラ19が電気的に接続されている。コントローラ19は、本発明の実施の形態において制御装置として機能し、熱源システム10を最適に制御する。
【0024】
次に、
図1に加えて
図2〜
図6を参照して、本発明の実施の形態に係る熱源システム制御方法の第1の特徴について説明する。
【0025】
本発明の実施に係る熱源制御システム制御方法の第1の特徴は、冷凍機11の負荷率を演算する工程と、予め求められた冷凍機11の負荷率と冷却水往還温度差との関係を示す一次式を用いて、冷却水往還温度差が、前記演算された冷凍機11の負荷率に対応する冷却水往還温度差となるように、冷却水ポンプ17のモータの回転数を可変に制御する工程と、を含んでいる。
この場合、
図1に示すように、コントローラ19は、冷却水ポンプ17のモータ回転数と冷却水往温度センサ18a及び冷却水往配管16aで計測された冷却水往還温度差とから冷凍機11の負荷率を演算することができる他、例えば冷却水還配管16bに設置した流量計(図示省略)で測定された冷却水量と前記冷却水往還温度差とから冷凍機11の負荷率を演算したり、或いは、冷水配管14に設置した流量計(図示省略)で測定された冷水量と冷水配管14に設置した冷水往温度センサ及び冷水還温度センサ(いずれも図示省略)で測定された冷水往還温度差とから冷凍機11の負荷率を演算したりすることも可能である。
【0026】
図2は、冷却水を定流量制御した場合と変流量制御した場合における冷凍機11の負荷率と冷却水往還温度差との関係を示している。
図2中の二点差線は、冷却水を定流量制御(常時100%の流量)した場合の冷凍機11の負荷率と冷却水往還温度差との関係を示し、一点鎖線は、冷却水往還温度差ΔTを常時5℃として冷却水を変流量制御した場合の冷凍機11の負荷率と冷却水往還温度差との関係を示している。ここで、冷凍機11の負荷率(%)とは、冷凍機11の設備容量とその設備に掛かる負荷の量との比(負荷の量/設備容量)のことを言う。
【0027】
一般的に、変流量制御時の冷凍機11の冷却水流量の下限は一般的に50%程度であるため、冷凍機11の負荷率50%(=冷却水量50%)以下の場合の冷却水往還温度差は、冷却水量が50%の時の温度差ΔTとなる。したがって、
図2中において一点鎖線と二点鎖線で囲まれた範囲が冷却水の運転範囲となり、最適な冷却水往還温度差もこの範囲内になる。
【0028】
図3は、
図2中に、外気湿球温度(7WB℃、12WB℃、17WB℃、22WB℃、27WB℃)毎に最適な冷却水往還温度差と冷凍機負荷率との関係をプロットして示している。この場合の冷凍機11は、三菱重工(登録商標)製のインバータ駆動のターボ冷凍機(900冷凍トン)を使用している。
図3によれば、外気湿球温度毎の最適な冷却水往還温度差と冷凍機負荷率との関係は、外気湿球温度によらず、ほぼ同じ軌跡になり、次式(1)のような一次式で示される。次式(1)は、最小二乗法による回帰式に近似して求められ(
図3に回帰線として破線で示されている)、コントローラ19などの記憶手段(図示省略)に予め格納される。
Y=5.7X+0.61(Y≦5) (1)
ここで、Xは冷凍機負荷率(−)、Yは制御目標値の冷却水往還温度差(℃)である。
【0029】
図4及び
図5は、いずれも、冷却水系の配管抵抗値及びポンプの動力を変化させた場合における外気湿球温度毎の最適な冷却水往還温度差と冷凍機負荷率との関係を示しており、この場合の冷凍機11も、
図3の場合と同様に、三菱重工(登録商標)製のインバータ駆動のターボ冷凍機(900冷凍トン)を使用している。ここで、冷却水系の配管抵抗値とは、冷却水往配管16a及び冷却水還配管16bの抵抗値に加えて、冷凍機11、冷却塔12、冷却水ポンプ17、冷却水往温度センサ18a及び冷却水還温度センサ18b等の機器の抵抗を含んでいる。
【0030】
具体的には、
図4は、配管抵抗値が40mAqで実揚程が5mAqの場合における外気湿球温度(7WB℃、12WB℃、17WB℃、22WB℃、27WB℃)毎の最適な冷却水往還温度差と冷凍機負荷率との関係を示しており、この関係は次式(2)で示される。次式(2)は、最小二乗法による回帰式に近似して求められ(
図4に回帰線として破線で示されている)、コントローラ19などの記憶手段(図示省略)に予め格納される。
Y=7.0X+0.57(Y≦5) (2)
ここで、Xは冷凍機負荷率(−)、Yは制御目標値の冷却水往還温度差(℃)である。
【0031】
また、
図5は、配管抵抗値が15mAqで実揚程が2mAqの場合における外気湿球温度(7WB℃、12WB℃、17WB℃、22WB℃、27WB℃)毎の最適な冷却水往還温度差と冷凍機負荷率との関係を示しており、この関係は次式(3)で示される。次式(3)は、最小二乗法による回帰式に近似して求められ(
図5に回帰線として破線で示されている)、コントローラ19などの記憶手段(図示省略)に予め格納される。
Y=4.8X+0.69(Y≦5) (3)
ここで、Xは冷凍機負荷率(−)、Yは制御目標値の冷却水往還温度差(℃)である。
【0032】
このように、一次式(回帰線)は、冷却水系の配管抵抗値が大きく冷却水ポンプの動力が大きい場合には、
図4のように前記冷却水の運転範囲の変流量制御の一点鎖線側に寄り、冷却水系の配管抵抗値が小さく冷却水ポンプの動力が小さい場合には、
図5のように該冷却水の運転範囲の定流量制御の二点鎖線側に寄るが、いずれの場合も、配管抵抗値やポンプの動力が変更されても、最適な冷却水往還温度差と冷凍機負荷率との関係は、外気湿球温度に拘わらず、上式(2)及び(3)のように、一次式で示される。
【0033】
図6は、上記した冷凍機とは圧縮方式や容量の異なる別の冷凍機における外気湿球温度毎の最適な冷却水往還温度差と冷凍機負荷率との関係を示しており、この場合の冷凍機11は、神戸製鋼(登録商標)製のインバータ駆動のスクリュー冷凍機(150冷凍トン)を使用している。
図6によれば、冷凍機の圧縮方式や容量が異なる場合であっても、最適な冷却水往還温度差と冷凍機負荷率との関係は、次式(4)のような一次式で示される。次式(4)は、最小二乗法による回帰式に近似して求められ(
図6に回帰線として破線で示されている)、コントローラ19などの記憶手段(図示省略)に予め格納される。
Y=5.2X+0.58(Y≦5) (4)
ここで、Xは冷凍機負荷率(−)、Yは制御目標値の冷却水往還温度差(℃)である。
【0034】
上記したように、本発明の実施に係る熱源制御システム制御方法は、冷却水系の配管抵抗値及びポンプの動力や冷凍機11の圧縮方式や容量などが異なる場合でも適用することができ、高い汎用性を有している。すなわち、本発明の実施に係る熱源制御システム制御方法は、熱源システム10の仕様(冷凍機11の圧縮方式や容量、冷却水系の配管抵抗値、冷却水ポンプ17の動力など)に合わせて予め求められた一次式を用いて、冷却水往還温度差を制御対象とすることによって、熱源システム10を最適に制御することができる。
【0035】
次に、
図1に加えて
図7及び
図8を参照して、本発明の実施の形態に係る熱源システム制御方法の第2の特徴について説明する。
【0036】
本発明の実施に係る熱源制御システム制御方法の第2の特徴は、冷凍機11の負荷率を演算する工程と、予め求められた冷凍機11の負荷率と冷却塔12の風量比との関係を示す一次式を用いて、冷却塔12の風量比が、前記演算された冷凍機11の負荷率に対応する冷却塔12の風量比となるように、冷却塔12のファン13のモータの回転数を可変に制御する工程と、を含んでいる。
この場合、
図1に示すように、コントローラ19は、冷却水ポンプ17のモータ回転数と冷却水往温度センサ18a及び冷却水往配管16aで計測された冷却水往還温度差とから冷凍機11の負荷率を演算することができる他、例えば冷却水還配管16bに設置した流量計(図示省略)で測定された冷却水量と前記冷却水往還温度差とから冷凍機11の負荷率を演算したり、或いは、冷水配管14に設置した流量計(図示省略)で測定された冷水量と冷水配管14に設置した冷水往温度センサ及び冷水還温度センサ(いずれも図示省略)で測定された冷水往還温度差とから冷凍機11の負荷率を演算したりすることも可能である。
【0037】
図7は、ターボ冷凍機の場合における外気湿球温度毎の最適な冷却塔12の風量比と冷凍機11の負荷率との関係を示しており、この場合の冷凍機11は、三菱重工(登録商標)製のインバータ駆動のターボ冷凍機(900冷凍トン)を使用している。
図8は、スクリュー冷凍機の場合における外気湿球温度毎の最適な冷却塔の風量比と冷凍機負荷率との関係を示しており、この場合の冷凍機11は、神戸製鋼(登録商標)製のインバータ駆動のスクリュー冷凍機(150冷凍トン)を使用している。ここで、冷却塔12の風量比(−)とは、冷却塔12のファン13の最大風量と運転風量との比(運転風量/最大風量)のことを言う。
【0038】
図7及び
図8によれば、冷凍機の圧縮方式や容量が異なる場合でも、最適な冷却塔12の風量比と冷凍機11の負荷率との関係は、次式(5)又は(6)のような一次式で示される。次式(5)及び(6)は、最小二乗法による回帰式に近似して求められ(
図7及び
図8にそれぞれ回帰線として破線で示されている)、コントローラ19などの記憶手段(図示省略)に予め格納される。
Z=0.4X+0.47 (5)
Z=0.43X+0.45 (6)
ここで、Xは冷凍機負荷率(−)、Zは冷却塔の風量比(−)である。
【0039】
上記したように、本発明の実施に係る熱源制御システム制御方法は、熱源システム10の仕様に合わせて予め求められた一次式を用いて、冷却塔12の風量比を制御対象とすることによって、熱源システム10を最適に制御することができる。
【0040】
次に、
図1に加えて
図9〜
図12を参照して、本発明の実施の形態に係る熱源システム制御方法の第3の特徴について説明する。
【0041】
本発明の実施に係る熱源制御システム制御方法の第3の特徴は、冷却水往還温度差を演算する工程と、予め求められた冷却水往還温度差と冷却塔12の風量比との関係を示す一次式を用いて、冷却塔12の風量比が、前記演算された前記冷却水往還温度差に対応する冷却塔12の風量比となるように、冷却塔12のファン13のモータの回転数を可変に制御する工程と、を含んでいる。
【0042】
図9は、ターボ冷凍機の場合における外気湿球温度毎の最適な冷却塔12の風量比と冷却水往還温度差との関係を示しており、この場合の冷凍機11は、三菱重工(登録商標)製のインバータ駆動のターボ冷凍機(900冷凍トン)を使用している。
図10は、スクリュー冷凍機の場合における外気湿球温度毎の最適な冷却塔12の風量比と冷却水往還温度差との関係を示しており、この場合の冷凍機11は、神戸製鋼(登録商標)製のインバータ駆動のスクリュー冷凍機(150冷凍トン)を使用している。なお、
図9及び
図10は、いずれも、
図1に示されているように冷凍機11と冷却塔12とが1対1で設置されている場合の関係を示している。
【0043】
図9及び
図10によれば、冷凍機の圧縮方式や容量が異なる場合でも、最適な冷却塔12の風量比と冷却水往還温度差との関係は、次式(7)又は(8)のような一次式で示される。次式(7)及び(8)は、最小二乗法による回帰式に近似して求められ(
図9及び
図10にそれぞれ回帰線として破線で示されている)、コントローラ19などの記憶手段(図示省略)に予め格納される。
Z=0.085W+0.39 (7)
Z=0.092W+0.38 (8)
ここで、Wは測定値の冷却水往還温度差(℃)、Zは冷却塔の風量比(−)である。
【0044】
図11及び
図12は、いずれも、複数の冷凍機11が冷却塔12を共有する場合における外気湿球温度毎の最適な冷却塔12の風量比と冷凍機11の負荷率との関係を示している。具体的には、
図11は、4台のインバータ駆動のスクリュー冷凍機(150冷凍トン×4)が冷却塔12を共有する場合であり、この場合における外気湿球温度毎の最適な冷却塔の風量比と冷凍機負荷率との関係は、次式(9)のような一次式で示される。次式(9)は、最小二乗法による回帰式に近似して求められ(
図11に回帰線として破線で示されている)、コントローラ19などの記憶手段(図示省略)に予め格納される。
Z=0.63X+0.31 (9)
ここで、Xは冷凍機負荷率(−)、Zは冷却塔の風量比(−)である。
【0045】
また、
図12は、1台のインバータ駆動のターボ冷凍機(900冷凍トン×1)と2台の定速ターボ冷凍機(1350冷凍トン×2)が冷却塔12を共有する場合であり、この場合における、最適な冷却塔12の風量比と冷凍機負荷率との関係は、次式(10)のような一次式で示される。次式(10)は、最小二乗法による回帰式に近似して求められ(
図12に回帰線として破線で示されている)、コントローラ19などの記憶手段(図示省略)に予め格納される。
Z=0.48X+0.41 (10)
ここで、Xは冷凍機負荷率(−)、Zは冷却塔の風量比(−)である。
【0046】
このように異なる種類の複数の冷凍機が冷却塔を共有する場合であっても、冷凍機全体の負荷率を変数にすれば、外気湿球温度によらずに、予め求められた一次式を用いて熱源システム10を最適に制御することができる。
【0047】
次に、冷却塔12の経年劣化やショートサーキットなどによって冷却塔12の性能に変化が生じた場合に、熱源システム10の制御特性に与える影響について検討した結果を説明する。
【0048】
図13に示されているように、冷却塔12の性能が100%の場合における外気湿球温度毎の最適な冷却水往還温度差と冷凍機負荷率との関係は、次式(11)のような一次式で示される(
図13に回帰線として破線で示されている)。
Y=5.8X+0.56(Y≦5) (11)
ここで、Xは冷凍機負荷率(−)、Yは制御目標値の冷却水往還温度差(℃)である。
【0049】
これに対して、
図14に示されているように、冷却塔12の性能が70%に低下した場合における外気湿球温度毎の最適な冷却水往還温度差と冷凍機負荷率との関係は、上式(11)とほぼ同じ次式(12)のような一次式で示される(
図14に回帰線として破線で示されている)。
Y=5.9X+0.58(Y≦5) (12)
ここで、Xは冷凍機負荷率(−)、Yは制御目標値の冷却水往還温度差(℃)である。
【0050】
すなわち、本発明によれば、冷却塔12の経年劣化やショートサーキットなどで冷却塔12の性能が落ちたとしても、熱源システム10の制御特性にほとんど影響を与えないため、冷却塔12の経年劣化やショートサーキットなどにより冷却能力が変化しても熱源システム10の調整を行う必要がない。
【0051】
次に、熱源システム10の省エネルギー性能について、従来技術と本発明とを比較した結果について説明する。
【0052】
具体的には、一般的なオフィスを想定した年間空調熱負荷条件において、熱源システムを最適に制御する従来技術を採用していない比較例1と、熱源システムを最適に制御する従来技術を採用している比較例2と、上記した本発明の熱源システム10とについて、それぞれ、冷凍機11、冷却水ポンプ17、及び冷却塔12のファン13の総消費電力量を試算して比較した。
【0053】
図15は、三菱重工(登録商標)製のインバータ駆動のターボ冷凍機(900冷凍トン×1台)の場合の省エネルギー効果について本発明と従来技術とを比較した結果を示しており、
図16は、神戸製鋼(登録商標)製のインバータ駆動のスクリュー冷凍機(150冷凍トン×1台)の場合の省エネルギー効果について比較した結果を示している。
【0054】
図15及び
図16に示されている試算結果によれば、冷凍機11の機種や容量に拘わらず、本発明の熱源システム10は、比較例1の従来技術より優れた省エネルギー効果を発揮するのは言う迄もなく、比較例2の従来技術と比較しても同等の省エネルギー効果を得ることを確認することができた。
【0055】
また、
図17は、比較例2の従来技術と本発明(冷却水ポンプのモータ回転数と冷却水往還温度差とから冷凍機負荷率を演算する場合)のイニシャルコストについて試算して比較した結果を示している。
図17によれば、本発明のイニシャルコストは比較例2の従来技術のイニシャルコストの16分の1で済むことが分かった。すなわち、本発明によれば、比較例2の従来技術と同等の優れた省エネルギー効果を発揮しつつ、イニシャルコストの大幅な削減を図ることができる。
【0056】
上記したように本発明の熱源システム制御方法及びその装置によれば、冷凍機11の負荷率と冷却水往還温度差との関係を示す一次式、或いは冷凍機11の負荷率と冷却塔12の風量比との関係を示す一次式、或いは冷却水往還温度差と冷却塔12の風量比との関係を示す一次式さえ求めれば、コントローラ19による単純でシンプルな制御で優れた省エネルギー効果を発揮することができる。
【0057】
また、外気湿球温度の計測が不要で、最小限のセンサだけで最適化制御を行うことができるため、物件毎に新たなソフトウェアを開発したり、複雑な計算をこなすPLCを用いたりする必要がなく、汎用の安価な制御装置(コントローラ19)を使用することができる。
【0058】
さらに、コントローラ19による熱源システム19の最適な制御が、冷却水の温度差と流量の関係で成立するため、冷凍機11が複数連携する場合でも冷却水ポンプ17毎に独立した制御をかけることができる。
【0059】
なお、上記した本発明の実施の形態の説明は、本発明に係る熱源システム制御方法及びその装置における好適な実施の形態を説明しているため、技術的に好ましい種々の限定を付している場合もあるが、本発明の技術範囲は、特に本発明を限定する記載がない限り、これらの態様に限定されるものではない。すなわち、上記した本発明の実施の形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、かつ、他の既存の構成要素との組合せを含む様々なバリエーションが可能であり、上記した本発明の実施の形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。