【文献】
ZTE, ZTE Microelectronics,Rate Matching of Polar Codes for eMBB[online],3GPP TSG RAN WG1 #88 R1-1701602,2017年 2月 7日,[検索日:2017.08.23],Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_88/Docs/R1-1701602.zip>
【文献】
Qualcomm Incorporated,Design of Polar codes for control channel[online],3GPP TSG RAN WG1 adhoc_NR_AH_1701 R1-1700832,2017年 1月10日,[検索日:2017.07.26],Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_AH/NR_AH_1701/Docs/R1-1700832.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記循環バッファから前記N個の符号化ビットを抽出すること(108)が、1つもしくは複数のリンクパラメータ、および/または1つもしくは複数のシステムパラメータに基づいて、前記循環バッファから前記N個の符号化ビットを適応的に抽出すること(108)を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
前記循環バッファから前記N個の符号化ビットを抽出すること(108)が、符号レートK/Nに基づいて前記循環バッファから前記N個の符号化ビットを適応的に抽出すること(108)を含む、請求項4に記載の方法。
情報ビットの前記セットのポーラ符号化を実行する(102)前に、1つもしくは複数のリンクパラメータ、および/または1つもしくは複数のシステムパラメータに基づいて、情報ビットロケーションを適応的に選択することをさらに含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
前記1つもしくは複数のリンクパラメータが、送信しようとする情報ビットの数K、送信に使用される符号長N、および送信に使用される符号レートR=K/Nを含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
前記1つまたは複数のシステムパラメータが、送信がアップリンク送信であるか、またはダウンリンク送信であるかを指示するパラメータ、無線リソース割り当てに関するパラメータ、送信用に使用される波形に関するパラメータ、冗長バージョン(RV)に関するパラメータ、および/または受信機能力に関するパラメータを含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に記載する実施形態は、当業者が、その実施形態を実施することを可能にする情報を表わすと共に、実施形態を実施する最良の形態を示す。添付の図面に照らして以下の説明を読めば、当業者は、本開示のコンセプトを理解すると共に、本明細書に具体的に取り上げられていない、これらのコンセプトの応用を認識するであろう。これらのコンセプトおよび応用は、本開示の範囲に入ることを理解すべきである。
【0014】
無線ノード:本明細書において使用されるときには、「無線ノード」は、無線アクセスノードまたは無線デバイスのいずれかである。
【0015】
無線アクセスノード:本明細書において使用されるときには、「無線アクセスノード」または「無線ネットワークノード」は、無線式で信号を送信および/または受信の動作をする、セルラー通信ネットワークの無線アクセスネットワークにおける任意のノードである。無線アクセスノードの例としては、それに限定はされないが、基地局(例えば、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)第5世代(5G)NRネットワークにおけるNew Radio(NR)基地局(gNB)、または3GPP Long−Term Evolution(LTE)ネットワークにおけるエンハンスト/エボルブドノードB(eNB))、高電力またはマクロ基地局、低電力基地局(例えば、マイクロ基地局、ピコ基地局、ホームeNB、その他)、およびリレーノードが挙げられる。
【0016】
コアネットワークノード:本明細書において使用されるとき、「コアネットワークノード」は、コアネットワーク内の任意の種類のノードである。コアネットワークノードの例としては、例えば、モビリティマネジメントエンティティ(MME)、パケットデータネットワークゲートウェイ(P−GW)、Service Capability Exposure Function(SCEF)、その他が挙げられる。
【0017】
無線デバイス:本明細書において使用されるときには、「無線デバイス」は、無線アクセスノードへ信号を無線で送信および/または受信することによって、セルラー通信ネットワークにアクセスを有する(すなわちサーブされる)、任意の種類のデバイスである。無線デバイスの例としては、それに限定はされないが、3GPPネットワーク内のユーザ機器(UE)デバイス、およびマシン型通信(MTC)デバイスが挙げられる。
【0018】
ネットワークノード:本明細書において使用されるときには、「ネットワークノード」は、セルラー通信ネットワーク/システムの無線アクセスネットワークまたはコアネットワークのいずれかの部分である、任意のノードである。
【0019】
本明細書において与えられる記述は、3GPPセルラー通信システムに注目しており、それ故に、3GPP用語または3GPP用語に類似する用語が使用されることが多いことに留意されたい。しかしながら、本明細書において開示されるコンセプトは、3GPPシステムに限定されない。
【0020】
本明細書の記述において、用語「セル」に言及することがあるが、特に5G NRコンセプトについて、セルの代わりにビーム(beam)を使用してもよく、したがって、本明細書に記載されるコンセプトは、セルとビームの両方に等しく応用可能であることに留意されたい。
【0021】
従来式ポーラ符号の主たる制限は、符号語長または符号長が2のべき乗でなくてはならないことである。符号化ビットのパンクチャリング(すなわち、いくつかの符号化ビットを送信することなく省くこと)は、実際に必要となる符号語長における粒度(granularity)を支持するのに、自然な方法である。また、望ましい符号語長が、2のべき乗をわずかにこえるときには、受信機に符号語長を2回、動作することを要求する代わりに、符号化ビットの一部を反復するだけにするのがより実際的であるが、このことは、レイテンシと電力消費を増大させ、処理速度とメモリに対して、より厳しいハードウェア要件を課すことになる。(典型的には、パンクチャリングまたは反復を介して)任意所望の長さを有する符号語を生成する、そのようなプロセスは、レートマッチングプロセスと呼ばれる。ポーラ符号化ビットのパンクチャリングまたは反復を、最適に近い性能を維持しながら、効率的に実施すべき方法は不明である。
【0022】
ここで、ポーラ符号化ビットの循環バッファリングによる、ポーラ符号のためのレートマッチングを実施する方法を提案する。本開示の重要な部分は、ポーラ符号化ビットが循環バッファ中に書き込まれる方法を指定するインターリーバと、ビットが循環バッファから抽出される方法を指定するビット抽出器とが、リンクパラメータ、例えば、符号ブロック長、符号化レート、および(直交振幅変調(QAM))変調順序、および/またはシステムパラメータ、例えば、送信方法(直交周波数分割多重(OFDM)対離散フーリエ変換スプレッドOFDM(DFT-S-OFDM))、無線リソース割り当て、および受信機能力に依存することである。好ましい実施形態によれば、これらの様々なパラメータに基づいて、ポーラ符号化ビットの信頼性をランク付けする列が構築され、それに基づいて、インターリーバが、ポーラ符号化ビットが循環バッファ中に書き込まれる順序付けを決定する。この符号ビットランキング列は、情報ビットランキングを決定し、ひいてはこれがポーラ符号器の情報セットを決定するのに使用される。これらの列の両方を、前述のパラメータの異なる値に対して、事前設定して、メモリに記憶することができる。
【0023】
提案された方法の重要な利点は、ポーラ符号に対する、パンクチャリング、反復、および情報セット選択は、様々なリンクパラメータおよびシステムパラメータに依存することが多いので、この方法が、異なるシナリオに対して符号性能を最適化できることである。提案された方法の別の重要な利点は、この方法が、実装が簡単であり、ポーラ符号化の将来進化に対して十分にフレキシブルであることである。提案された方式は、LTEによって使用されている、既存レートマッチング方式に対する拡張および一般化と見なすこともできる。
【0024】
この解決案の核心内容は、いくつかのリンクパラメータ(例えば、符号ブロック長、符号化レート、および(QAM)変調順序)および/またはシステムパラメータ(例えば、OFDM対DFT−S−OFDM、無線リソース割り当て、および受信機能力)に依存する、レートマッチング機構である。
【0025】
変調なしのレートマッチング構造
図3は、本開示のいくつかの実施形態による、ポーラ符号のための循環バッファによる、レートマッチングを提供するシステム10を示す。図示のように、システム10は、ポーラ符号器12およびレートマッチングシステムまたは機構を含む。レートマッチングシステムは、この例においては、インターリーバ14、循環バッファ16、および抽出/サンプリング機能18(本明細書においては、ビット抽出器18とも呼ばれる)を含む。レートマッチングシステムは、この例においては、情報セット選択機能20(本明細書においては、情報セットセレクタ20とも呼ばれる)、情報ビットランキング列発生器22、および符号ビットランキング列発生器24をさらに含む。なお、
図3に示されている、システム10の様々な構成要素は、この開示を読めば、当業者には理解され、すぐに明白になるように、ハードウェアとして、またはハードウェアとソフトウェアの組合せとして実装されることに留意されたい。以下で考察するように、レートマッチングシステムは、ポーラ符号器12によって出力されるポーラ符号化ビットのセットに対してレートマッチングを行う。言い換えると、レートマッチングシステムは、ポーラ符号器によって出力されるN
B個の符号化ビットに基づいて、所望の数Nの符号化ビットを生成または出力し、ここでN
Bは、ポーラ符号器12のマザー符号の長さであり、符号化ビットの所望の数Nは、N
Bよりも小さく、またはそれよい大きくすることができる。
【0026】
マザー符号ブロック長N
Bのポーラ符号器12は、情報ビットと、情報セットセレクタ20によって指定される情報ビットロケーションのセットとに基づいて、N
B個の符号化ビットのブロックを生成する。これらのN
B個の符号化ビットは、インターリーバ14によって順序変更された後に、循環バッファ16中に書き込まれる。ビット抽出器18は、所望の数Nの符号化ビットが、送信ために抽出されるまで、循環バッファ16から(例えば、周期的に)ビットを抽出するのに使用される。N>N
Bの場合には、反復を達成するために、いくつかのビットは、循環バッファ16から2回以上、抽出されることがある。
【0027】
重要な構成要素は、順序変更された、または再順序付けされた符号化ビットを循環バッファ16中に配置する前に、ポーラ符号器12の符号化ビット出力を順序変更するインターリーバ14と、送信のために循環バッファ16からビットを抽出する、ビット抽出器18である。この明細書においては、「再順序付けする(re-order)」、「順序変更する(permute)」、および「インターリーブする(interleave)」は、区別しないで使用されることに留意されたい。LTEにおいて使用されるターボ符号などの、その他の符号用に設計された、インターリーバと異なり、本明細書において提案されるインターリーバ14および/またはビット抽出器18は、様々なリンクパラメータおよび/または様々なシステムパラメータに依存することができるという意味で、適合性がある。情報セットの選択も、インターリーバ14の選択と密接にリンクしているので、ポーラ符号器12用の情報セレクタ20もひいては、これらの様々なパラメータに依存することになる。
【0028】
リンクパラメータとしては、以下のものが挙げられる:
情報ビットの数K
符号長N、および/または
符号レートR=K/N、
これに対して、システムパラメータとしては以下のものが挙げられる:
アップリンク対ダウンリンク
アップリンクおよびダウンリンクに対するチャネル条件および干渉環境は、全く異なる可能性があり、このことは、インターリーバ、情報セットセレクタ、およびビット抽出器の選択に影響を及ぼす可能性がある。
無線リソース割り当て
ポーラ符号は、制御情報を送信するために、5G NRに採用されている。制御情報は、LTEにおける物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)または物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)のような、専用の制御チャネルによって運ばれるか、またはLTEにおける物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)などのデータチャネルに埋め込まれてもよい。無線リソースは、
図4から
図7に示すように、これらのチャネルに対して異なって割り当てられている(例えば、PDCCHは、周波数拡散が支配的であり、時間が短いのに対して、PDSCHは、時間と周波数の両方に拡散されている)ことが多いので、チャネル条件は異なり、このことは、インターリーバ14、ビット抽出器18、および情報セットセレクタ20の所望の動作に影響を与える可能性がある。
波形:OFDM対DFT−S−OFDM
ダウンリンク制御情報(DCI)に対して、OFDMが使用される。DCIは、PDCCHによって運ばれる。アップリンク制御情報(UCI)に対して、OFDMとDFT−S−OFDMの両方を使用することができる。いずれの波形を使用すべきかは、上位層シグナリングによる。さらに、UCIは、PUCCHおよびPUSCHによって運ぶことができる。
OFDMおよびDFT−S−OFDMは、ポーラ復号器に対して異なるチャネル品質特性を示す。OFDMに対して、変調シンボルは、フェージングのあるチャネル条件を体感することがあり、変調シンボルに対するチャネル対数尤度比(LLR:Log-Likelihood Ratio)が大きく変わる可能性がある。DFT−S−OFDMに対しては、対照的に、チャネル条件は、ドップラーに応じて、DFT−S−OFDMシンボル毎に変わることがあるが、同じDFT−S−OFDMシンボルで運ばれる変調シンボルが、同じチャネル条件(場合によっては分散性チャネル)を体感する。波形に適合するために、ポーラ符号に対するレートマッチングアルゴリズムは、相応にカスタム化しなくてはならない。
冗長バージョン(RV:Redundancy Version)
通信シナリオによっては、1回の送信では、サービスエリアに対して十分な信号信頼性または信号カバレッジを与えるのに十分ではない。しばしば、情報ビットの同ブロックの多重送信が、例えば、ブロードキャストチャネル(物理ブロードキャストチャネル(PBCH)など)、システム情報チャネル(例えば、システム情報ブロック(SIB))、ハイブリッド自動再送要求(HARQ)再送信プロトコルにおいて必要となる。この場合に、同じ情報の異なる符号化バージョンを、異なる送信において送るのが好ましい。レートマッチング機構(例えば、インターリーバ14、情報ビットセレクタ20、およびビット抽出器18)は、これらの異なる冗長バージョン(RV)に対して、異なるものとすることができる。
受信機能力
受信機能力に応じて、レートマッチング機構(例えば、インターリーバ14、ビット抽出器18、および情報ビットセレクタ20)は異なってもよい。ここで、受信機は、主として、ダウンリンク上のUE受信機を指す。
ポーラ符号がデータパケットを運ぶのに使用される場合には、チャネルビットを記憶するためのソフトバッファサイズは、より安価/低複雑度のUEと、より高価/高複雑度UEの間で大幅に変わることがある。この問題は、通常、PDCCHで運ばれる制御情報の受信には当てはまらない。それは通常、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)によって運ばれるデータペイロードの受信には当てはまる。
それ故、受信機ソフトバッファサイズに応じて、レートマッチングアルゴリズムは:
a)UE受信機がソフトビットの大きなバッファを備えている場合には、無線リソースエレメントの利用可能量によってのみ決まる符号長を有する、ポーラ符号を使用すべきであり、
b)UE受信機が、より小さいソフトバッファおよび/またはより安価な復号器を備えている場合には、利用可能なバッファサイズによって決まる制限された符号長を有するポーラ符号を使用すべきである。制限された符号長のために、利用可能な符号化ビットよりも、より多くの時間−周波数リソースが供給される場合には、符号化ビットの一部の反復を、リソースを充填するのに使用することができる。反復された符号ビットからのすべてのソフトビットは、単に、同メモリユニット内に共に適所に追加することができ、それによってソフトバッファ要件が制限された符号長によってのみ指示される。
【0029】
増分冗長性HARQ(IR−HARQ)再送信方法が使用されるときには、上記の考察は、単一送信に加えて、所与のパケットの多重送信の両方に当てはまることに留意されたい。
【0030】
いくつかの好ましい実施形態によれば、インターリーバ14によって使用されるポーラ符号化ビットの順序変更の形成を支援するために、符号化ビットに対するランキングの列であって、最も低い信頼性のビットが配置されるまで、より信頼性の高い符号化ビットが最初に循環バッファ16上に配置されるように符号化ビットが循環バッファ16中にロードされる順序を指定するランキングの列が、上述したこれらのリンクパラメータおよび/またはシステムパラメータに基づいて生成される。所望のブロック長によれば、循環バッファ16における符号化ビットは、次いで、最も信頼性の高い符号ビットから始まり、信頼性の低下順序で、循環バッファ16から抽出される。
【0031】
いくつかの好ましい実施形態によれば、符号ビットランキング列ρ
c:{1,2,…,N
B}→{1,2,…,N
B}は、符号化ビットのインデックスの二進表現の関数である。ρ
c(n)の2つの例を以下に説明する。
ρ
c(n)は、符号化ビットのインデックスの二進表現におけるビットの順序変更を表わすことができる。順序変更の一例は、符号化ビットのインデックスに対するビット逆転動作である。
ρ
c(n)は、符号化ビットのインデックスと、符号化ビットインデックスの二進表現のハミング重みとの間の重み付関数とすることができる。
【0032】
符号ビットランキング列ρ
c(n)は、対応する情報ビットランキング列ρ
i:{1,2,…,N
B}→{1,2,…,N
B}を生成するのにさらに使用され、この情報ビットランキング列は、ポーラ符号器用に使用される、情報セット(すなわち、データを運ぶビットチャネルのロケーション)を決定するのに使用される。情報ビットランキング列ρ
i(n)は、以下のように計算できる:
それをρ
c(n)と同じに設定する(すなわち、ρ
i(n)=ρ
c(n))、または
符号ビットランキング列ρ
c(n)で指定された順番に各符号ビットインデックスの二進表現のなんらかの関数を順次評価して、結果として得られる関数値に従ってρ
i(n)を生成するか、または
順序変更された符号ビットの数、例えば([log
2N]−N)に基づいて情報ビットの一部のランクを低下させる(すなわち、信頼性尺度を低下させる)。
【0033】
いくつかの実施形態によれば、マザー符号ブロック長N
Bの半分より短いブロック長Nが、ポーラ符号器において使用される場合には、符号ビットは、循環バッファ16内の内容のサブサンプリングに基づいて、信頼性が低下するように、循環バッファ16から抽出される。例えば、N
B=2Nである場合には、ビット抽出器18は、Nの符号化ビットが抽出されるまで循環バッファ16から1つおきのサンプルを採取(すなわち、2×サブサンプリング)してもよい。
【0034】
変調ありのレートマッチング構造
図8は、システム10が、複素値シンボル変調と共に、ポーラ符号のためのレートマッチングを提供する、いくつかの他の実施形態によるシステム10のブロック図を示す。この場合に、リンクパラメータは、変調順序(すなわち、1つの複素値シンボル内の符号化ビットの数)をさらに含む。
【0035】
2つの追加のインターリーバ26および28が、1つは変調器30の前、1つは変調器30の後に、追加される。予変調インターリーバ26は、循環バッファ16から抽出された符号化ビットを、それらをシンボル中に装着する前に、再順序付けする。予変調インターリーバ26は、各シンボル内の一部のビットは、同シンボルにおける他のものよりも高いSNRを体感するので、異なる信頼度を有する符号化ビットを、各シンボル内の異なるサブスクライブ通知要求(SNR:Subscribe-Notifications-Request)を有する符号化ビット中にマッピングするように設計されている。これは、例えば、四角形インターリーバを使用して実装することができる。
【0036】
変調後のシンボルインターリーバ28は、例えば、異なる信頼度のシンボルが、異なる無線リソースのチャネル品質をマッチングすることができるように、割り当てられた無線リソース(またはOFDMにおけるサブキャリア)中にシンボルをロードする前に実施される。
【0037】
図9は、本明細書に開示される少なくともいくつかの実施形態による、ポーラ符号化と共にレートマッチングが利用される、プロセスの一例を示すフローチャートである。このプロセスは、送信ノード(例えば、ダウンリンク上で送信するときの、セルラー通信ネットワーク内の基地局などの無線アクセスノード、またはアップリンク上で送信するときの無線デバイス)によって実施される。任意選択のステップが破線で示されている。図示のように、任意選択で、送信ノードは、
図3の情報セット選択回路または関数について、上で論じたように、1つもしくは複数のリンクパラメータ、および/または1つもしくは複数のシステムパラメータに基づいて、ポーラ符号化のための情報ビットのセットを適応的に選択する(ステップ100)。例えば、ビットのセットは、上述のように、情報ビットランキング列に従って選択してもよい。送信ノードは、上述のように、ブロック長N
Bを有するマザー符号に応じた情報ビットのセットのポーラ符号化を実施し、それによって上述のようにN
B個の符号化ビットを生成する(ステップ102)。
【0038】
送信ノード(例えば、インターリーバ14)は、符号化ビットを再順序付けし(ステップ104)、再順序付けされた符号化ビットを、循環バッファ16中に記憶する(ステップ106)。上で論じたように、実施形態によっては、符号化ビットは、1つもしくは複数のリンクパラメータ、および/または1つもしくは複数のシステムパラメータに基づいて、再順序付けされる。例えば、実施形態によっては、符号ビットランキング列は、1つもしくは複数のリンクパラメータ、および/または1つもしくは複数のシステムパラメータに基づいて決定され、符号ビットは、決定された符号ビットランキング列に従って再順序付けされる。
【0039】
送信ノード(例えば、ビット抽出器18)は、送信のために循環バッファからNビットを抽出し、それによって送信のためのN個のレートマッチングされた符号化ビットをもたらす(ステップ108)。実施形態によっては、送信のためのビットは、1つもしくは複数のリンクパラメータ、および/または1つもしくは複数のシステムパラメータに適応的に基づいて、循環バッファ16から抽出される。例えば、実施形態によっては、1つもしくは複数のリンクパラメータ、および/または1つもしくは複数のシステムパラメータに基づいて決定してもよい、ランキング(例えば、信頼度)に従って、符号化ビットが再順序付けされて、循環バッファ16内に記憶される。次いで、符号化ビットは、最高ランク付けされたビットから始まり、低下するランキングの順序で、循環バッファ16から抽出してもよい。実施形態によっては、送信のためのビットは、上で論じたように、循環バッファをサブサンプリングすることによって、循環バッファから抽出される。
【0040】
任意選択で、送信ノードは、上述のように、変調の前に、送信のために循環バッファ16から抽出された符号化ビットを(例えば、予変調インターリーバ26を介して)再順序付けしてもよい(ステップ110)。送信ノード(例えば、変調器30)は、次いで、上述のように、再順序付けされた符号化ビットを変調し、それによっていくつかの変調シンボルをもたらしてもよい(ステップ112)。最後に、送信ノードは、上述のように、(例えば、シンボルインターリーバ28を介して)変調されたシンボルを再順序付けしてもよい(ステップ114)。
【0041】
図10は、本開示の実施形態が実装され得る無線システム40(例えば、セルラー通信ネットワーク、例えば3GPP 5GまたはNRネットワークなど)の一例を示す。図示のように、いくつかの無線デバイス42(例えば、UE)が、それぞれが1つまたは複数のセル46にサービスしている、無線アクセスノード44(例えば、gNB)に信号を無線で送信し、かつそこから信号を受信する。無線アクセスノード44は、コアネットワーク48に接続されている。コアネットワーク48は、1つまたは複数のコアネットワークノード(例えば、MME、サービングゲートウェイ(S−GW)、および/またはその他)を含む。
【0042】
図3の実施形態または
図8の実施形態のいずれか、ならびに
図9のプロセスは、例えば、無線デバイス42および/または無線アクセスノード44などの、無線システム40内部の任意の無線ノードに実装してもよいことに留意されたい。
【0043】
図11は、本開示のいくつかの実施形態による、無線デバイス42(例えば、UE)の概略ブロック図である。図示のように、無線デバイス42は、1つまたは複数のプロセッサ52(例えば、中央処理ユニット(CPU)、特定用途向けIC(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、および/またはその他)、およびメモリ54を備える、処理回路50を含む。無線デバイス42はまた、それぞれが1つまたは複数の送信機58、および1つまたは複数のアンテナ62に結合された、1つまたは複数の受信機60を含む1つまたは複数の送受信機56を含む。実施形態によっては、上述の無線デバイス42の機能性は、ハードウェア内に(例えば、回路50内部、および/またはプロセッサ52内部のハードウェアを介して)実装するか、またはハードウェアとソフトウェアの組合せ内に実装してもよい(例えば、メモリ54内に記憶されたソフトウェア内に、例えば、完全または部分的に実装され、プロセッサ52によって実行される)。
【0044】
実施形態によっては、命令を含む、コンピュータプログラムが提供され、この命令は、少なくとも1つのプロセッサ52によって実行されると、少なくとも1つのプロセッサ52に、本明細書に記載のいずれかの実施形態による無線デバイス52の機能性の少なくとも一部を実行させる。実施形態によっては、前述のコンピュータプログラムプロダクトを中に含むキャリアが提供される。キャリアは、電子信号、光学信号、無線信号、またはコンピュータ可読記憶媒体(例えば、メモリなどの非一時的なコンピュータ可読媒体)の1種である。
【0045】
図12は、本開示のいくつかの他の実施形態による、無線デバイス42(例えば、UE)の概略ブロック図である。無線デバイス42は、それぞれがソフトウェアにおいて実装される、1つまたは複数のモジュール64を含む。モジュール64は、本明細書に記載された無線デバイス42の機能性を提供する。例えば、モジュール64には、
図9のステップ102の機能を実行するように動作可能な実行モジュール、
図9のステップ104の機能を実行するように動作可能な第1のインターリーブモジュール、
図9のステップ106の機能を実行するように動作可能な記憶モジュール、および
図9のステップ108の機能を実行する動作の可能な抽出モジュールを含めてもよい。
【0046】
図13は、本開示のいくつかの実施形態による、ネットワークノード66(例えば、例えばgNBのような無線アクセスノード34、またはコアネットワークノードのようなネットワークノード)の概略ブロック図である。図示のように、ネットワークノード66は、1つまたは複数のプロセッサ40(例えば、CPU、ASIC、DSP、FPGA、および/またはその他)およびメモリ72を含む回路を含む、制御システム68を含む。制御システム68はまた、ネットワークインターフェイス74を含む。ネットワークノード66が無線アクセスノード44である実施形態において、ネットワークノード66はまた、それぞれが1つまたは複数の送信機78と、1つまたは複数のアンテナ82に結合された1つまたは複数の受信機80とを含む、1つまたは複数の無線ユニット76を含む。実施形態によっては、上述のネットワークノード66の機能性(例えば、無線アクセスノード44の機能性)は、例えばメモリ72内に記憶されて、プロセッサ70によって実行される、ソフトウェアにおいて完全または部分的に実装してもよい。
【0047】
図14は、本開示のいくつかの実施形態による、ネットワークノード66(例えば、無線アクセスノード34)の仮想化された実施形態を示す、概略ブロック図である。本明細書において使用されるときには、「仮想化された(virtualized)」ネットワークノード66とは、ネットワークノード66の機能性の少なくとも部分が仮想コンポーネントとして(例えば、ネットワークにおいて物理処理ノード上で実行される、仮想マシンを介して)実装される、ネットワークノード66である。図示のように、ネットワークノード66は、任意選択で、
図13について記述されたように、制御システム68を含む。加えて、ネットワークノード66が、無線アクセスノード44である場合には、ネットワークノード66はまた、
図13について記述されたように、1つまたは複数の無線ユニット76を含む。制御システム38(存在する場合)は、ネットワークインターフェイス74を介して、ネットワーク86に結合されるか、またはその部分として含まれる1つまたは複数の処理ノード84に接続されている。代替的に、制御システム68が存在しない場合には、1つまたは複数の無線ユニット76(存在する場合)は、ネットワークインターフェイスを介して、1つまたは複数の処理ノード84に接続されている。代替的に、本明細書に記載されたネットワークノード66の機能性の全部を、処理ノード84において実装してもよい(すなわち、ネットワークノード66は制御システム68または無線ユニット76を含まない)。各処理ノード84は、1つまたは複数のプロセッサ88(例えば、CPU、ASIC、DSP、FPGA、および/またはその他)、メモリ90、およびネットワークインターフェイス92を含む。
【0048】
この例においては、本明細書に記載されたネットワークノード66の機能94は、1つまたは複数の処理ノード84において実装されるか、または任意所望の方法で、制御システム68(存在する場合)および1つまたは複数の処理ノード84の全体に分散される。いくつかの特定の実施形態においては、本明細書に記載されたネットワークノード66の機能94の一部または全部は、処理ノード84を上位装置とする仮想環境において実装された、1つまたは複数の仮想マシンによって実行される仮想コンポーネントとして実装される。当業者には理解されるように、所望の機能の少なくとも一部を実行するために、処理ノード84と、制御システム68(存在する場合)または代替的に無線ユニット76(存在する場合)との間の追加のシグナリングまたは通信が使用される。特に、実施形態によっては、制御システム68は含まれなくてもよく、その場合には、無線ユニット76(存在する場合)は、適当なネットワークインターフェイスを介して処理ノード84と直接、通信する。
【0049】
いくつかの特定の実施形態においては、ネットワークノード66のより上位の層の機能性(例えば、プロトコルスタックの層3以上、および場合によっては層2の一部)を、仮想コンポーネントとして処理ノード84に実装してもよく(すなわち、「クラウド内に」実装される)、これに対してより下位の層の機能性(例えば、プロトコルスタックの層1および場合によっては層2の一部)は、無線ユニット76、および場合によっては制御システム68内に実装してもよい。
【0050】
実施形態によっては、命令を含む、コンピュータプログラムが提供され、この命令は、少なくとも1つのプロセッサ70、88によって実行されると、少なくとも1つのプロセッサ70、88に、本明細書に記載のいずれかの実施形態によるネットワークノード66または処理ノード84の機能性を実行させる。実施形態によっては、前述のコンピュータプログラムプロダクトを中に含むキャリアが提供される。キャリアは、電子信号、光学信号、無線信号、またはコンピュータ可読記憶媒体(例えば、メモリ90などの非一時的なコンピュータ可読媒体)の1種である。
【0051】
図15は、本開示のいくつかの他の実施形態による、ネットワークノード66(例えば、無線アクセスノード44)の概略ブロック図である。ネットワークノード66は、それぞれがソフトウェアにおいて実装される、1つまたは複数のモジュール96を含む。モジュール96は、本明細書に記載されるネットワークノード66の機能性を提供する。例えば、モジュール96には、
図9のステップ102の機能を実行するように動作可能な実行モジュール、
図9のステップ104の機能を実行するように動作可能な第1のインターリーブモジュール、
図9のステップ106の機能を実行するように動作可能な記憶モジュール、および
図9のステップ108の機能を実行する動作の可能な抽出モジュールを含めてもよい。
【0052】
本開示の1つの重要な部分は、ポーラ符号化ビットが循環バッファに書き込まれる方法を指定するインターリーバと、ビットが循環バッファから抽出される方法を指定するビット抽出器とが、リンクパラメータ、例えば、符号ブロック長、符号化レート、および(直交振幅変調(QAM))変調順序、および/またはシステムパラメータ、例えば、送信方法(直交周波数分割多重(OFDM)対離散フーリエ変換スプレッドOFDM(DFT−S−OFDM))、無線リソース割り当て、および受信機能力に依存することである。好ましい実施形態によれば、これらの様々なパラメータに基づいて、ポーラ符号化ビットの信頼性をランク付けする列が構築され、それに基づいて、インターリーバが、ポーラ符号化ビットが循環バッファ中に書き込まれる順序付けを決定する。この符号ビットランキング列は、ひいては情報ビットランキング列を決定し、これがポーラ符号器の情報セットを決定するのに使用される。これらの列の両方を、前述のパラメータの異なる値に対して、事前設定して、メモリに記憶することができる。
【0053】
提案された方法の1つの利点は、ポーラ符号に対する、パンクチャリング、反復、および情報セット選択は、様々なリンクパラメータおよびシステムパラメータに依存することが多いので、この方法が、異なるシナリオに対して符号性能を最適化できることである。提案された方法の別の重要な利点は、この方法が、実装が簡単であり、ポーラ符号化の将来進化に対して十分にフレキシブルであることである。提案された方式は、Long−Term Evolution(LTE)によって使用されている、既存レートマッチング方式に対する拡張および一般化と見なすこともできる。
【0054】
この解決案の特定の実施形態の核心内容は、いくつかのリンクパラメータ(例えば、符号ブロック長、符号化レート、および(QAM)変調順序)および/またはシステムパラメータ(例えば、OFDM対DFT−S−OFDM、無線リソース割り当て、および受信機能力)に依存する、レートマッチング機構である。
【0055】
当業者であれば、本開示の実施形態に対する改善および変更を認識するであろう。これらの改善および変更のすべては、本明細書において開示されたコンセプトの範囲内であると考えられる。
【0056】
文献リスト
[1]E.Arikan、「Channel Polarization: A Method for Constructing Capacity−Achieving Codes for Symmetric Binary−Input Memoryless Channels」、IEEE Transactions on Information Theory, vol. 55, pp. 3051−3073, Jul. 2009.
[2]I.TalおよびA.Vardy、「List Decoding of polar codes」、Proceedings of IEEE Symp. Inf. Theory, pp. 1−5, 2011.
[3]Leroux他、「A Semi−Parallel Successive−Cancellation Decoder for Polar Codes」、IEEE TRANSACTIONS ON SIGNAL PROCESSING, VOL. 61, NO. 2, JANUARY 15, 2013.
【0057】
以下の頭文字は、本開示を通して使用される。
3GPP 第3世代パートナーシッププロジェクト(Third Generation Partnership Project)
5G 第5世代(Fifth Generation)
ASIC 特定用途向けIC(Application Specific Integrated Circuit)
CPU 中央処理ユニット
CRC 巡回冗長検査(Cyclic Redundancy Check)
DCI ダウンリンク制御情報(Downlink Control Information)
DFT−S−OFDM 離散フーリエ変換スプレッドOFDM(Discrete Fourier Transform Spread OFDM)
DSP デジタル信号プロセッサ
eNB エンハンスト/エボルブドノードB(Enhanced or Evolved Node B)
FPGA フィールドプログラマブルゲートアレイ
gNB New Radio基地局
HARQ ハイブリッド自動再送要求(Hybrid Automatic Repeat Request)
IR−HARQ 増分冗長性ハイブリッド自動再送要求(Incremental Redundancy Hybrid Automatic Repeat Request)
LDPC 低密度パリティ検査(Low-Density Parity-Check)
LLR 対数尤度比(Log-Likelihood Ratio)
LTE Long−Term Evolution
ML 最大尤度(Maximum-Likelihood)
MME モビリティマネジメントエンティティ(Mobility Management Entity)
MTC マシン型通信(Machine Type Communication)
PBCH 物理ブロードキャストチャネル(Physical Broadcasting Channel)
P−GW パケットデータネットワークゲートウェイ
NR New Radio
OFDM 直交周波数分割多重(OFDM: Orthogonal Frequency Division Multiplexing)
PDCCH 物理ダウンリンク制御チャネル(Physcical Downlink Control Channel)
PDSCH 物理ダウンリンク共有チャネル(Physical Downlink Shared Channel)
PSCCH 物理サイドリンク制御チャネル(Physical Sidelink Control Channel)
PUCCH 物理アップリンク制御チャネル(Physical Uplink Control Channel)
PUSCH 物理アップリンク共有チャネル(Physical Uplink Share Channel)
QAM 直交振幅変調(Quadrature Amplitude Modulation)
SC Successive Cancellation
SCEF Service Capability Exposure Function
SCL Successive Cancellationのリスト復号(List decoding)
S−GW サービングゲートウェイ(Serving Gateway)
SIB システム情報ブロック(System Information Block)
SNR サブスクライブ通知要求(Subscribe-Notifications-Request)
UCI アップリンク制御情報(Uplink Control Information)
UE ユーザ機器