(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
(a)配列番号88のCDR3アミノ酸配列、配列番号136のCDR2アミノ酸配列および配列番号135のCDR1アミノ酸配列を含むTCRα鎖可変(Vα)ドメイン、ならびに
(b)配列番号14のCDR3アミノ酸配列、配列番号134のCDR2アミノ酸配列および配列番号133のCDR1アミノ酸配列を含むTCRβ鎖可変(Vβ)ドメイン、を含む結合タンパク質をコードする異種性ポリヌクレオチドを含む、操作された免疫細胞であって、
前記コードされる結合タンパク質が、HA−1H抗原を含むペプチドに特異的に結合することができ、HA−1H抗原を含まないペプチドに結合しない、前記操作された免疫細胞。
前記コードされるVβドメインが、配列番号3または98のアミノ酸配列に少なくとも90%の同一性を有し、前記コードされるVαドメインが、配列番号4または99のアミノ酸配列に少なくとも90%の同一性を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の操作された免疫細胞。
前記コードされるVβドメインが、配列番号3または98のアミノ酸配列を含み、前記コードされるVαドメインが、配列番号4または99のアミノ酸配列を含む、請求項5に記載の操作された免疫細胞。
前記コードされる結合タンパク質が、配列番号30または111のアミノ酸配列に少なくとも約90%の配列同一性を有するTCRα鎖を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の操作された免疫細胞。
前記コードされる結合タンパク質が、配列番号29または110のアミノ酸配列に少なくとも約90%の配列同一性を有するTCRβ鎖を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の操作された免疫細胞。
(i)前記TCRα鎖をコードする前記異種ポリヌクレオチドおよび(ii)前記TCRβ鎖をコードする前記異種ポリヌクレオチドが単一オープンリーディングフレーム中に含まれ、前記単一オープンリーディングフレームが、(i)及び(ii)の間に配置される自己切断ペプチドをコードするポリヌクレオチドをさらに含む、請求項9に記載の操作された免疫細胞。
前記VαドメインがTRAV21遺伝子によりコードされ、前記VβドメインがTRBV7−9遺伝子によりコードされる、請求項1〜14のいずれか1項に記載の操作された免疫細胞。
結合タンパク質をコードする前記異種性ポリヌクレオチドが、TRAJ40*01遺伝子、TRBD1*01遺伝子およびTRBJ1−4*01遺伝子をさらに含む、請求項15または16に記載の操作された免疫細胞。
前記コードされるCD8共受容体が配列番号71〜75のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含むβ鎖を含む、請求項4〜11、13〜17または19のいずれか1項に記載の操作された免疫細胞。
CD8共受容体β鎖をコードする異種性ポリヌクレオチド、および/またはCD8共受容体α鎖をコードする異種性ポリヌクレオチド、および/または配列番号69のアミノ酸を有するRQRポリペプチドをコードする異種性ポリヌクレオチドを含む、請求項4〜11、13〜17、19または20のいずれか1項に記載の操作された免疫細胞。
前記白血病が、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病(ALL)、混合表現型急性白血病(MPAL)、慢性骨髄性白血病(CML)、B細胞前リンパ球性白血病、ヘアリーセル白血病、または慢性リンパ性白血病(CLL)から選択される、請求項29に記載の医薬組成物。
前記リンパ腫が、ホジキンリンパ腫(HL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、中枢神経系リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、CD37+樹状細胞リンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫、脾臓周辺帯リンパ腫、粘膜関連(MALT)リンパ組織の節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、結節性辺縁帯B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性体液性リンパ腫、またはバーキットリンパ腫から選択される、請求項31に記載の医薬組成物。
前記骨髄異形成障害が、単一血球系統の異形成を伴う不応性血球減少症(不応性貧血、不応性好中球減少症及び不応性血小板減少症)、環状鉄芽球を伴う不応性貧血(RARS)、環状鉄芽球を伴う不応性貧血−血小板増加症(RARS−t)、多血球系異形成を伴う不応性血球減少症(RCMD)、多血球系異形成と環状鉄芽球を伴う不応性血球減少症(RCMD−RS)、芽球増加を伴う不応性貧血(RAEB)、分類不可能な脊髄形成異常、または小児期の不応性血球減少症から選択される、請求項33に記載の医薬組成物。
前記HCTが、HLA成分をコードする遺伝子の染色体ノックアウト、TCR成分をコードする遺伝子の染色体ノックアウト、または両方を含むドナー造血細胞を含む、請求項35に記載の医薬組成物。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本開示のHA−1
H特異的T細胞クローンを単離及び特性評価する方法を示す図である。(
図1の左上)HA−1
H特異的T細胞を単離するために、CD8
+細胞をHA1
Hペプチド(
【化1】
;配列番号1)でパルスした樹状細胞(DC)でプライムし、微量培養で増殖させた。(左中央)IL−12及びIL−15を含むCTL培地中で12日間インキュベートした後、スプリットウェル微量細胞傷害アッセイで一定分量のT細胞を評価し、ここでは、T2細胞をVLHDDLLEAペプチドでパルスしたか、しなかった。(左下)T2
+VLHDDLLEAに特異的に反応した細胞を限界希釈によってクローニングし、細胞傷害性について再評価し、さらなる評価のために迅速に増殖させた(8クローン)。(右上)示された7つ(7)クローンのHA−1
H特異性を示すフローサイトメトリーデータ。HLA−A2−HA−1
Hデキストラマー染色(Y軸)及びCD8(X軸)についての染色。(右下)示されるタイトレーションの同族ペプチドでパルスした
51CR標識されたT2細胞の特異的溶解について示されるCTLクローンを試験したクロム放出アッセイ(CRA)実験のデータ。
【
図2A】
図1に示す方法によって得られた単離した細胞障害性T細胞クローンの特性評価を示す図である。
図2Aは、7つ(7)の代表的なHA−1
H特異的クローン(1、2、10、13、4、16及び5)及び別の腫瘍抗原に特異的な対照クローンのHLA−A2/HA−1
Hマルチマー及びCD8
+モノクローナル抗体染色である。
【
図2B】
図1に示す方法によって得られた単離した細胞障害性T細胞クローンの特性評価を示す図である。
図2Bは、7つのHA−1
H特異的クローンを、HA−1ペプチドでパルスした標的細胞を死滅させることについて試験したクロム放出アッセイのデータである。
【
図2C】
図1に示す方法によって得られた単離した細胞障害性T細胞クローンの特性評価を示す図である。
図2Cは、HA−1
H特異的CTLクローンを、ペプチドでパルスしたT2細胞、HA−1
H+AML細胞系統THP−1、HA−1
H+一次AMLまたはHA−1
−AMLとともにインキュベートした細胞傷害アッセイのデータである。
【
図3】本開示の代表的なHA−1
HTCRをコードするレンチウイルスコンストラクトを示す図である。
【
図4】HA−1 TCRを発現するように形質導入されたT細胞を評価するための手順を示す図である。
【
図5A】HA−1
H形質導入CD8
+T細胞の発現及び活性を示す図である。
図5Aは、TCR2またはTCR16で形質導入されたT細胞のHA−1
Hデキストラマー結合及びCD8発現を示すフローサイトメトリーデータである。
【
図5B】HA−1
H形質導入CD8
+T細胞の発現及び活性を示す図である。
図5Bは、TCR2またはTCR16で形質導入されたCD8
+T細胞ならびに対応する「親クローン」、すなわち、TCR2及びTCR16が単離されたT細胞クローンならびに対照の異なる抗原(SMCY)に特異的な対照クローンの死滅活性を示す。左:HA−1
HでパルスしたT2細胞の溶解。右:不適切なSMCYペプチドでパルスしたT2細胞。
【
図5C】HA−1
H形質導入CD8
+T細胞の発現及び活性を示す図である。
図5Cは、HA−1
H TCR2(破線、丸)、HA−1
H TCR16(破線、正方形)、親TCR2クローン(丸の実線)、親TCR16クローン(正方形の実線)及びSMCYペプチドに特異的な異種性または親クローン(グラフの下部の2つの線)による、示される量のHA−1
Hペプチド(X軸)でパルスしたT2細胞の特異的溶解を示す。
【
図6-1】レンチウイルスベクターを使用した、CD8
+T細胞へのHA−1
H TCRの形質導入及び活性を示す図である。
図6Aは、レンチウイルスベクター(LV)または異なるマイナーH抗原(対照)に特異的なTCRとともに送達された、HA−1
H 特異的TCR(特に、TCRクローン1、2、10、16及び5)をコードするポリヌクレオチドを含むように形質導入されたCD8
+T細胞のHLA−A2/HA−1
Hマルチマー染色を示すフローサイトメトリーである。
図6B〜
図6Eでは、クロム放出アッセイ(CRA)を使用して、特異的溶解活性を評価した。
図6Bは、TCR形質導入CD8
+T細胞(実線及び記号−TCR2丸、TCR16正方形)、HA−1
H特異的T細胞クローン(破線、白色の記号−クローン2=丸、クローン16=正方形)またはT細胞クローン対照(菱形)による、様々な濃度のHA−1ペプチド抗原でパルスされたT2標的細胞の溶解を示す。
図6Cは、示されるエフェクター:標的(E:T)比率での、HA−1
H特異的TCR2(丸)またはHA−1
H特異的TCR16(正方形)で形質導入されたCD8
+T細胞によるHLA−A2
+HA−1
H+LCLの溶解を示す。
図6Dは、HA−1
H TCR2形質導入CD8
+T細胞による、HLA−A2
+/HA−1
+ホモ接合型(H/H)(丸、N=7)、HLA−A2
+/HA1
H+ヘテロ接合型(H/R)(正方形、N=22)、HLA−A2
+/HA−1
H−(R/R)(三角形、N=17)またはHLA−A2陰性(逆三角形、N=41)造血細胞(LCL)標的の溶解を示す。
図6Eは、HA−1
H TCR2形質導入CD8
+T細胞による、共通のHLAアレルを有するLCLの溶解を示す。別段の指定がない限り、20:1のE:T比率を使用した。HA−1
H TCR16を用いて、
図6D及び
図6Eに示すものと匹敵するデータも得られた(非表示)。
【
図6-2】レンチウイルスベクターを使用した、CD8
+T細胞へのHA−1
H TCRの形質導入及び活性を示す図である。
図6Aは、レンチウイルスベクター(LV)または異なるマイナーH抗原(対照)に特異的なTCRとともに送達された、HA−1
H 特異的TCR(特に、TCRクローン1、2、10、16及び5)をコードするポリヌクレオチドを含むように形質導入されたCD8
+T細胞のHLA−A2/HA−1
Hマルチマー染色を示すフローサイトメトリーである。
図6B〜
図6Eでは、クロム放出アッセイ(CRA)を使用して、特異的溶解活性を評価した。
図6Bは、TCR形質導入CD8
+T細胞(実線及び記号−TCR2丸、TCR16正方形)、HA−1
H特異的T細胞クローン(破線、白色の記号−クローン2=丸、クローン16=正方形)またはT細胞クローン対照(菱形)による、様々な濃度のHA−1ペプチド抗原でパルスされたT2標的細胞の溶解を示す。
図6Cは、示されるエフェクター:標的(E:T)比率での、HA−1
H特異的TCR2(丸)またはHA−1
H特異的TCR16(正方形)で形質導入されたCD8
+T細胞によるHLA−A2
+HA−1
H+LCLの溶解を示す。
図6Dは、HA−1
H TCR2形質導入CD8
+T細胞による、HLA−A2
+/HA−1
+ホモ接合型(H/H)(丸、N=7)、HLA−A2
+/HA1
H+ヘテロ接合型(H/R)(正方形、N=22)、HLA−A2
+/HA−1
H−(R/R)(三角形、N=17)またはHLA−A2陰性(逆三角形、N=41)造血細胞(LCL)標的の溶解を示す。
図6Eは、HA−1
H TCR2形質導入CD8
+T細胞による、共通のHLAアレルを有するLCLの溶解を示す。別段の指定がない限り、20:1のE:T比率を使用した。HA−1
H TCR16を用いて、
図6D及び
図6Eに示すものと匹敵するデータも得られた(非表示)。
【
図7】TCR2形質導入細胞とともに、または「親」クローン2細胞とともに、HA−1(HA−1
H+LCL(H/HまたはH/R)及びHA−1
H−LCL(R/R)を内因的に発現する標的細胞をインキュベートした細胞傷害性実験のデータを示す図である。Y染色体関連マイナーH抗原(FIDSYICQV)に特異的な対照クローンも示す。
【
図8-1】HA−1
H−TCR2形質導入CD8
+T細胞による、HA−1
+白血病細胞の特異的な死滅を示す図である。
図8Aは、一次AML試料のパネルとの5時間の共培養(1:1)後に脱顆粒を示すHA−1
H−TCR2形質導入CD8
+T細胞におけるCD107aのHA−1
H特異的発現を示す。
図8B〜
図8Eは、HA−1 TCR形質導入CD8
+T細胞による白血病及びリンパ腫標的の溶解を示すCRAである。
図8Bは、HA−1
HTCR形質導入CD8
+T細胞(ダークグレーのバー)及びHA−1
H特異的T細胞クローン2(ライトグレーのバー)による一次HA−1
H+AMLまたはHA−1
−AMLの溶解を示す。
図8Cは、様々なE:T比率でのHLA−A2
+/HA−1
H+一次AML(AML1)を示す。
図8Dは、B−ALL系統(1)BALL−1、(2)RS4;11、T−ALL系統(1)MOLT4、(2)CEM(3)RPMI−8402(4)HSB−2及びAML系統NB−4を示す。
図8Eは、T細胞リンパ腫(SUP−M2 HLA−A2
+、HA−1
+;SU−DHL−1 HLA−A2
+HA−1
−)細胞系統を示す。
図8Dでは、WTがHLA−A2−であったか、HA−1
H−遺伝子型を有していた場合、
*HLA−A2または
**HLA−A2及びHA−1
Hミニ遺伝子をコードするLVでHLA−A2
−及び/またはHA−1
H−(WT)細胞系統を形質導入(TD)した。別段の指定がない限り、20:1のE:T比率を使用した。
【
図8-2】HA−1
H−TCR2形質導入CD8
+T細胞による、HA−1
+白血病細胞の特異的な死滅を示す図である。
図8Aは、一次AML試料のパネルとの5時間の共培養(1:1)後に脱顆粒を示すHA−1
H−TCR2形質導入CD8
+T細胞におけるCD107aのHA−1
H特異的発現を示す。
図8B〜
図8Eは、HA−1 TCR形質導入CD8
+T細胞による白血病及びリンパ腫標的の溶解を示すCRAである。
図8Bは、HA−1
HTCR形質導入CD8
+T細胞(ダークグレーのバー)及びHA−1
H特異的T細胞クローン2(ライトグレーのバー)による一次HA−1
H+AMLまたはHA−1
−AMLの溶解を示す。
図8Cは、様々なE:T比率でのHLA−A2
+/HA−1
H+一次AML(AML1)を示す。
図8Dは、B−ALL系統(1)BALL−1、(2)RS4;11、T−ALL系統(1)MOLT4、(2)CEM(3)RPMI−8402(4)HSB−2及びAML系統NB−4を示す。
図8Eは、T細胞リンパ腫(SUP−M2 HLA−A2
+、HA−1
+;SU−DHL−1 HLA−A2
+HA−1
−)細胞系統を示す。
図8Dでは、WTがHLA−A2−であったか、HA−1
H−遺伝子型を有していた場合、
*HLA−A2または
**HLA−A2及びHA−1
Hミニ遺伝子をコードするLVでHLA−A2
−及び/またはHA−1
H−(WT)細胞系統を形質導入(TD)した。別段の指定がない限り、20:1のE:T比率を使用した。
【
図9A】HA−1
H+またはHA−1
H−一次白血病細胞に対する、TCR2またはTCR16で形質導入されたT細胞(及び対応する親クローン)の細胞傷害性を示す図である。
図9Aは、示される細胞系統の特異的溶解(4時間、CRA)を示す。
【
図9B】HA−1
H+またはHA−1
H−一次白血病細胞に対する、TCR2またはTCR16で形質導入されたT細胞(及び対応する親クローン)の細胞傷害性を示す図である。
図9Bは、示されるエフェクター:標的比率での標的細胞の特異的溶解。
【
図10】TCR2−及びTCR16−形質導入細胞(ならびに親クローン)を、インターフェロンガンマ(IFNγ)へ線維芽細胞を曝露して、または曝露せずに、HA−1
H遺伝子型陽性真皮線維芽細胞とともにインキュベートした、細胞傷害アッセイのデータを示す。
【
図11A】HA−1
H TCR2及びCD8共受容体変異体で形質導入されたCD4
+T細胞の特性評価を示す図である。
図11Aは、(i、ii)に示すようにCD8α及び/またはβM1〜M5鎖で形質導入されたCD4
+T細胞のHA−1
H/HLA−A2マルチマー染色の平均蛍光強度(MFI)である。(iii)は、様々なCD8共受容体コンストラクトのMFIをグラフにまとめたものである。
【
図11B】HA−1
H TCR2及びCD8共受容体変異体で形質導入されたCD4
+T細胞の特性評価を示す図である。
図11Bは、HA−1
H特異的CD8
+T細胞(黒丸)、CD8α及びβ鎖(正方形、菱形、下向きの三角形)、CD8α鎖単独(上向きの三角形)またはHA−1
H TCRのみ(白丸)で形質導入されたCD4+T細胞による、様々な濃度のHA−1
HペプチドでパルスされたT2の溶解を示すCRAである。
【
図11C】HA−1
H TCR2及びCD8共受容体変異体で形質導入されたCD4
+T細胞の特性評価を示す図である。
図11Cは、HLA−A2
+HA−1
H+LCL、HA−1
H−LCLまたは培地のみによる刺激に応じた、(上から下に)HA−1
H TCR単独、CD8α鎖を有するHA−1
H TCR、CD8α及びβM1鎖を有するHA−1
H TCR、またはCD8α及びβM4鎖を有するHA−1
H TCRで形質導入されたCD4
+T細胞における細胞分裂を伴う、カルボキシフルオレセイン(CFSE)色素の希釈を示す増殖アッセイ。
【
図12A】HA−1
H−TCR2及びCD8共受容体で形質導入されたCD4
+T細胞のさらなる機能的特性評価を示す図である。
図12Aは、HLA−A2
+/HA−1
H+AMLまたはHLA−A2
+/HA−1
H−AMLに応じた、HA−1
H TCR2 LV(上部パネル)またはHA−1
H TCR2−CD8共受容体LV(下部パネル)で形質導入されたCD8
+T細胞(左)及びCD4
+T細胞(右)によるIL−2及びIFN−γ産生を示す細胞内サイトカインアッセイである。
【
図12B】HA−1
H−TCR2及びCD8共受容体で形質導入されたCD4
+T細胞のさらなる機能的特性評価を示す図である。
図12Bは、HLA−A2
+/HA−1
H+一次AML、HLA−A2+/HA−1
H−AMLまたは培地対照に応じた、HA−1
H特異的TCR2 LV(上部パネル)またはHA−1
H TCR2−CD8共受容体LV(下部パネル)で形質導入されたCD8
+T細胞(左)及びCD4
+T細胞(右)の増殖を示すCFSEアッセイ。
【
図13】本開示の安全スイッチ遺伝子コンストラクト(下部)及びT細胞を死滅させるための安全スイッチ遺伝子コンストラクトを使用するスキーマ(上部)の代表的な図である。
【
図14】一次T細胞を安全スイッチ遺伝子及びHA−1
H特異的TCR2を発現する導入遺伝子コンストラクトで形質導入し(またはTCR2単独で形質導入し)、この一次T細胞をHA−1
HペプチドでパルスしたT2細胞とともにインキュベートした細胞傷害アッセイのデータを示す。
【
図15】コードされる安全スイッチを活性化する「自殺薬物」の存在または非存在下での、形質導入されたTCRの生存パーセントを示す。
【
図16】示された濃度の同族安全性スイッチ活性化薬への暴露後の、HA−1
H TCR2+安全遺伝子で形質導入されたCD8
+T細胞の生存を示す図である。iCasp9−TCR2、tEGFr−TCR2、RQR8−TCR2及びMyc−TCR2 CD8
+形質導入T細胞の生存を、示された濃度のそれぞれの安全スイッチ活性化薬:AP1903、抗EGFR mAb(セツキシマブ)+補体;抗CD20mAb(リツキシマブ)+補体;抗myc mAb+補体とともに24時間インキュベートした後に測定した。残りのHA−1 TCR2形質導入T細胞は、フローサイトメトリーによって定量化した。矢印はインビボでヒトにおいて達成され得る及び許容され得る薬物濃度を示す。
【
図17】iCasp9−HA−1
H TCR−CD8+発現コンストラクトを評価するための以下の5つ(5)の異なるタイプのコンストラクトを示す。(i)iCasp 9及びTCR2、(ii)TCR2及びCD8共受容体、(iii)iCasp 9、TCR2及びCD8共受容体、(iv)iCasp9、TCR2及びCD8共受容体にRQRタグを有するCD8共受容体、ならびに(v)iCasp9、TCR2及びTCRのアルファ鎖にQ(CD34)タグを有するCD8共受容体。
【
図18】本開示のTCR形質導入細胞を評価するためのフロチャートを示す図である。
【
図19】HA−1デキストラマーによる富化の前(上部の行)及び後(下部の行)の、示される導入遺伝子コンストラクトのそれぞれにおける操作されたTCRの発現を示すフローサイトメトリーデータを示す図である。
【
図20A】導入遺伝子コンストラクト:iCasp−9−TCR(− −;第1のバー)、TCR及びCD8共受容体(−▲−;第2のバー)、iCasp−9−TCR−CD8共受容体(−◆−;第3のバー)、iCasp9−TCR−RQR−CD8共受容体(−■−;第4のバー)、及びiCas9−CD34タグ−TCR−CD8共受容体(−●−;第5のバー)で形質導入されたT細胞による、ペプチドでパルスした標的細胞(
図20A)及びLCL系統(
図20B)の特異的溶解を示す。
【
図20B】導入遺伝子コンストラクト:iCasp−9−TCR(− −;第1のバー)、TCR及びCD8共受容体(−▲−;第2のバー)、iCasp−9−TCR−CD8共受容体(−◆−;第3のバー)、iCasp9−TCR−RQR−CD8共受容体(−■−;第4のバー)、及びiCas9−CD34タグ−TCR−CD8共受容体(−●−;第5のバー)で形質導入されたT細胞による、ペプチドでパルスした標的細胞(
図20A)及びLCL系統(
図20B)の特異的溶解を示す。
【
図21】HA−1
H+(上部)またはHA−1
H−(下部)細胞系統による刺激後の、示される導入遺伝子コンストラクトで形質導入されたT細胞によるサイトカイン生成を示す図である。
【
図22】示される標的細胞系統に対する、導入遺伝子コンストラクト(上部)で形質導入されたT細胞の細胞溶解活性(下部)を示す図である。
【
図23】インターフェロンガンマの存在または非存在下で、示される非造血細胞に対して、示される導入遺伝子コンストラクトで形質導入されたT細胞の細胞溶解活性がないことを示す。HA−1
H+造血対照細胞はT細胞によって死滅させられた。
【
図24】一次白血病細胞に暴露された場合の、示される導入遺伝子コンストラクトで形質導入された細胞によるサイトカイン生成を示す図である。
【
図25】HA−1
H+一次白血病細胞で刺激した場合の形質導入されたT細胞の増殖を示す、フローサイトメトリーのヒストグラムを示す図である。上部:CFSEでF1細胞を染色することによって増殖を測定するためのスキーム(左)、及び本開示の導入遺伝子コンストラクトで形質導入されたT細胞の代表的な増殖データ。下部:示される導入遺伝子コンストラクトで形質導入されたT細胞の増殖。
【
図26】示された濃度の同族自殺薬物を導入した後の、示される(上部)導入遺伝子コンストラクトで形質導入されたT細胞の生存(下部)を示す。
【
図27】本開示の操作されたT細胞の富化スキームを示す。T細胞を示される導入遺伝子コンストラクト(上部)で形質導入し、発現(中央)を調べる。選択可能な形質導入マーカー(CD34エピトープ;2つの右端の散布図)を発現する細胞を、抗CD34抗体を有する磁気ビーズで選択する。
【
図28A】磁気選択の前(上部の行)及び後(下部の行)の形質導入されたT細胞の頻度を示すフローサイトメトリーデータ(
図28A)を示す。
【
図28B】左側の4つの散布図:CD34選択マーカー及びCD8に対する染色。右側の4つの散布図:HA−1
Hデキストラマー及びCD8に対する染色。選択の前または後にCD34選択マーカー(左)を発現するまたはHA−1
Hに特異的な(右)細胞の細胞数も示す(
図28B)。
【
図29】本開示のTCR安全性遺伝子コンストラクトの様々な機能性を示す概略図である。
【
図30】本開示の例示的iC9−HA−1
H−TCR−RQR−CD8コンストラクトをコードするレンチウイルス送達ベクターの図である。
【
図31】本開示のTCR2−CD8導入遺伝子コンストラクトで形質導入されたCD8
+及びCD4
+細胞の機能的特性評価を示す。左パネル:HA−1
Hペプチド抗原に応じたサイトカイン放出(IL−2;IFN−γ)を示すフローサイトメトリーデータ。中央パネル:フローサイトメトリーデータの定量化。右パネル:HA−1
Hに応じた、形質導入細胞の増殖。
【
図32A】(HA−1
H特異的TCR)−(RQR)−(CD8)で形質導入され、臨床スケールまで増殖されたCD4
+及びCD8
+T細胞の特性評価を示す。
図32Aは、形質導入されたT細胞の増殖である。
【
図32B】(HA−1
H特異的TCR)−(RQR)−(CD8)で形質導入され、臨床スケールまで増殖されたCD4
+及びCD8
+T細胞の特性評価を示す。
図32Bは、HA−1/HLA−A2マルチマー染色を用いるフローサイトメトリーによる、形質導入されたT細胞におけるHA−1
H TCRマルチマーの結合及びCD34の発現を示す。
【
図32C】(HA−1
H特異的TCR)−(RQR)−(CD8)で形質導入され、臨床スケールまで増殖されたCD4
+及びCD8
+T細胞の特性評価を示す。
図32Cは、CD45RA枯渇の後、ならびに形質導入及び増殖に続いた、アフェレーシス時のT細胞における共刺激性分子及びホーミング分子の発現(N=5)を示す。
【
図32D】(HA−1
H特異的TCR)−(RQR)−(CD8)で形質導入され、臨床スケールまで増殖されたCD4
+及びCD8
+T細胞の特性評価を示す。
図32D、
図32Eは、最終的な細胞生成物中のHA−1
H TCR CD8
+及びCD4
+における「枯渇」マーカーの発現(N=3)(
図32D)及び代表的な実施例(
図32E)。
【
図32E】(HA−1
H特異的TCR)−(RQR)−(CD8)で形質導入され、臨床スケールまで増殖されたCD4
+及びCD8
+T細胞の特性評価を示す。
図32D、
図32Eは、最終的な細胞生成物中のHA−1
H TCR CD8
+及びCD4
+における「枯渇」マーカーの発現(N=3)(
図32D)及び代表的な実施例(
図32E)。
【
図33-1】臨床規模のHA−1
H−TCR2−RQR−CD8形質導入T細胞を標的細胞とともにインキュベートした機能的認識アッセイのデータを示す図である。
図33Aは、ET比率20:1でのCRAにおける、CD8
+(実線)及びCD4
+T細胞(破線)による、様々なVLH(実線、ダークグレー)及びVLR(実線、ライトグレー)ペプチド濃度でパルスした標的T2細胞の溶解を示す。
図33Bは、CRAにおけるCD8+(実線)によるHA−1
H+A2
+LCL、HA−1
H−−A2
+LCL、及びAML HA−1
H+A2
+細胞系統(THP−1)の溶解を示す。
図33Cは、10ng/mlのHA−1ペプチドでパルスしたT2細胞による刺激に応じた、T細胞によるIL−2、IFN−γ及びTNFαの産生を示す。
図33Dは、T細胞によって分泌されるサイトカイン種の数を示す円グラフである。
図33Eは、多重イムノアッセイによって測定した場合の、VLHまたはVLRペプチドでパルスしたT2細胞によるT細胞の刺激から24時間後の培地中のサイトカイン及びグランザイムB濃度。
【
図33-2】臨床規模のHA−1
H−TCR2−RQR−CD8形質導入T細胞を標的細胞とともにインキュベートした機能的認識アッセイのデータを示す図である。
図33Aは、ET比率20:1でのCRAにおける、CD8
+(実線)及びCD4
+T細胞(破線)による、様々なVLH(実線、ダークグレー)及びVLR(実線、ライトグレー)ペプチド濃度でパルスした標的T2細胞の溶解を示す。
図33Bは、CRAにおけるCD8+(実線)によるHA−1
H+A2
+LCL、HA−1
H−−A2
+LCL、及びAML HA−1
H+A2
+細胞系統(THP−1)の溶解を示す。
図33Cは、10ng/mlのHA−1ペプチドでパルスしたT2細胞による刺激に応じた、T細胞によるIL−2、IFN−γ及びTNFαの産生を示す。
図33Dは、T細胞によって分泌されるサイトカイン種の数を示す円グラフである。
図33Eは、多重イムノアッセイによって測定した場合の、VLHまたはVLRペプチドでパルスしたT2細胞によるT細胞の刺激から24時間後の培地中のサイトカイン及びグランザイムB濃度。
【
図34A】
図34Aは、CD34免疫磁気ビーズによる富化の前または後の最終生成物中のT細胞におけるCD34(左のグラフ)及びHA−1
H TCR(右のグラフ)の発現(N=3)を示す。
【
図34B】
図34Bは、5NG/ML AP1903または培地対照のみとともに24時間インキュベートした後の細胞生成物中のT細胞の生存を示す図である。
【
図35】示された濃度のHA−1
H抗原でパルスしたT2細胞に対する、本開示の別のHA−1
H TCRで形質導入されたT細胞(丸)及び対照細胞(三角形)の細胞溶解活性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
いくつかの態様では、本開示は、マイナー組織適合性抗原HA−1
Hの発現を特徴とする過剰増殖性疾患を治療するための組成物及び方法を提供する。背景として、ヒト白血球抗原(HLA)試験は、典型的には、器官、細胞及び組織被移植者を適合性ドナーと適合させるために使用される。HLA試験は、ヒトが遺伝によって受け継いだメジャーHLA遺伝子、及び細胞の表面に存在する対応する抗原またはタンパク質を特定する。これらの抗原は、体の免疫系がどの細胞が「自己」であるか、どれが「外来性」または「非自己」であるかを区別するのを助ける。「非自己」と認識される任意の細胞は、免疫応答、例えば、T細胞媒介性細胞傷害または抗体の産生を誘発することができる。注目すべきことに、メジャーHLA遺伝子に対する試験は、さらなる抗原を生じさせるマイナーHLA遺伝子を特定しない。したがって、「HLA適合された」ドナー細胞でさえ、認識される「外来性」のマイナーなHLAタンパク質またはペプチドを発現する健常な受容細胞を攻撃する可能性がある。上皮組織で発現しているマイナーH抗原は、移植片対宿主病につながるアロ反応性T細胞の標的である。しかし、いくつかのマイナーH抗原は、血液悪性腫瘍に影響を及ぼされ得る造血細胞を含む造血系で優勢にまたは排他的発現している遺伝子と関係がある。したがって、発現が制限されたマイナーH抗原は、移植片対白血病効果を増強しようとし、それによって、再発を防止する療法の重要な潜在的な標的である。
【0009】
マイナー組織適合性抗原HA−1
Hは、同義HMHA1遺伝子(Rho GTPアーゼ活性化タンパク質45とも呼ばれる)にコードされ、白血病細胞及び正常造血細胞で高発現している(例えば、Griffioen et al.,Front.Immunol.7:100,2016、Spierings et al.Biol.Blood Marrow Transpl.19:1244−1253,2013(これらのHA−1発現の開示は参照によって本明細書に組み込まれる)を参照されたい)が、正常非造血細胞ではそうではない。52%の個体に存在するHMHA1変異体(rs1801284 A/AまたはA/G)は、アルギニンの代わりにヒスチジン残基を含む免疫原性ペプチド(
【化2】
;配列番号66)(R139H多型)を生じさせ、共通のHLA−A
*0201(A2)アレルを有する個体において、このペプチドのHLA提示が起こる(den Haan et al.,Science 279:1054−1057,1998)。したがって、HA−1
Hを標的にするT細胞療法は、血液悪性腫瘍のために移植を受け、HLA−A2陰性またはHA−1
H陰性(「HA−1
R」;rs1801284 G/G−
【化3】
;配列番号65)のいずれかであるT細胞ドナーを必要とする対象のおよそ25%に適用可能である。
【0010】
いくつかの態様では、本開示は、HA−1
Hに特異的な結合タンパク質、例えば、TCR及びCARを発現する操作された免疫細胞を提供する。そのような操作された免疫細胞は、血液悪性腫瘍を治療するための、またはその再発もしくは再燃を防止するための単独型の療法として使用することができ、あるいはそのような細胞は、(例えば、同種HCTに続いて、または同種HCTと組み合わせて)、さらなる療法または薬剤を含む治療レジメンの一部として使用することができる。
【0011】
より詳細に本開示を記載する前に、本明細書で使用される特定の用語の定義を提供することは、それらの理解に役立ち得る。さらなる定義が本開示の全体を通して記載される。
【0012】
本明細書では、別段指示がない限り、いかなる濃度範囲、パーセンテージ範囲、比率範囲または整数範囲も、記載される範囲内の任意の整数、及び適切な時には、それらの分数(例えば、ある整数の10分の1及び100分の1)の値を含むことを理解されたい。さらに、ポリマーのサブユニット、サイズまたは厚さなどの任意の物理的特徴に関して本明細書に記載されるいかなる数の範囲も、別段指示がない限り、記載される範囲内の任意の整数を含むことを理解されたい。本明細書で使用する場合、用語「約」は、別段指示がない限り、示される範囲、値または構造の±20%を意味する。本明細書で使用する場合、用語「a」及び「an」は、列挙される成分の「1つまたは複数」を指すことを理解されたい。選択肢(例えば、「または」)の使用は、選択肢の1つ、両方またはこれらの任意の組み合わせのいずれかを意味することを理解されたい。本明細書で使用する場合、用語「含む(include)」、「有する」及び「含む(comprise)」は、同義的に使用され、こうした用語及びこれらの変形形態は、非限定として解釈されることが意図される。
【0013】
さらに、本明細書に記載の構造物及び置換基の様々な組み合わせから生じる個々の化合物または化合物の群は、各化合物または化合物の群が個々に記載される場合と同じ程度に本出願によって開示されることを理解されたい。したがって、特定の構造物または特定の置換基の選択は本開示の範囲内である。
【0014】
用語「から本質的になる」は、「含む(comprising)」と等しくなく、請求の特定の材料もしくはステップ、または請求される主題の基本的な特性に実質的に影響を及ぼさないものを指す。例えば、タンパク質のドメイン、領域もしくはモジュール(例えば、結合ドメイン、ヒンジ領域、リンカーモジュール)またはタンパク質(これは、1つもしくは複数のドメイン、領域もしくはモジュールを有し得る)は、ドメイン、領域、モジュールまたはタンパク質のアミノ酸配列が、組み合わせて、最大で20%(例えば、最大で15%、10%、8%、6%、5%、4%、3%、2%または1%)のドメイン、領域、モジュールまたはタンパク質の長さに寄与し、ドメイン(複数可)、領域(複数可)、モジュール(複数可)またはタンパク質の活性(例えば、結合タンパク質の標的結合親和性)に実質的に影響を及ぼさない(すなわち、40%、30%、25%、20%、15%、10%、5%、または1%以下など、50%を超えて活性を低下させない)、伸長、欠失、変異またはこれらの組み合わせ(例えば、アミノ末端もしくはカルボキシ末端またはドメイン間のアミノ酸)を含む場合、特定のアミノ酸配列「から本質的になる」。
【0015】
本明細書で使用する場合、「免疫系細胞」は、2つの主要な系列、すなわち、骨髄系前駆細胞(これは、単球、マクロファージ、樹状細胞、巨核球及び顆粒球などの骨髄系細胞を生じさせる)ならびにリンパ球前駆細胞(これは、T細胞、B細胞及びナチュラルキラー(NK)細胞などのリンパ球細胞を生じさせる)を生じさせる骨髄の造血幹細胞が起源である、免疫系の任意の細胞を意味する。例示的免疫系細胞としては、CD4
+T細胞、CD8
+T細胞、CD4−CD8−二重陰性T細胞、γδT細胞、調節性T細胞、ナチュラルキラー細胞及び樹状細胞が挙げられる。マクロファージ及び樹状細胞は、ペプチドと複合体化されたAPCの表面にある主要組織適合抗原複合体(MHC)受容体がT細胞の表面にあるTCRと相互作用する場合にT細胞を活性化することができる特殊化した細胞である、「抗原提示細胞」または「APC」と称され得る。
【0016】
「T細胞」または「Tリンパ球」は、胸腺で成熟し、T細胞受容体(TCR)を産生する免疫系細胞である。T細胞は、ナイーブ(「T
N」;抗原に暴露されていない。T
CM(本明細書に記載)と比較して、CD62L、CCR7、CD28、CD3、CD127及びCD45RAの発現が増大しており、CD45ROの発現が低下しているか、発現していない)、メモリーT細胞(T
M)(抗原経験及び長寿命)及びエフェクター細胞(抗原経験、細胞傷害性)であり得る。T
Mは、セントラルメモリーT細胞(T
CM、CD62L、CCR7、CD28、CD45ROを発現する)ならびにエフェクターメモリーT細胞(T
EM、CD45ROを発現し、CD62L、CCR7及びCD28の発現は低下している)のサブセットにさらに分けることができる。エフェクターT細胞(T
E)は、CD45RAを発現する抗原経験CD8
+細胞傷害性Tリンパ球を指し、T
CMと比較してCD62L、CCR7及びCD28の発現が低下しており、グランザイム及びパーフォリンに陽性である。ヘルパーT細胞(T
H)は、サイトカインを放出することによって他の免疫細胞の活性に影響を及ぼすCD4
+細胞である。CD4
+T細胞は適応免疫応答を活性化及び抑制することができ、これら2つの機能のどちらが誘導されるかは、他の細胞及びシグナルの存在に依存するであろう。T細胞を既知の技法を使用して収集することができ、それらの様々な亜集団または組み合わせを抗体への親和性結合、フローサイトメトリーまたは免疫磁気選択などの既知の技法によって富化または枯渇させることができる。他の例示的T細胞としては、調節性T細胞、例えば、CD4
+CD25
+(Foxp3
+)調節性T細胞及びTREG17細胞ならびにTr1、Th3、CD8
+CD28
−及びQa−1拘束性T細胞が挙げられる。
【0017】
「T細胞受容体」(TCR)は、MHC受容体に結合している抗原ペプチドに特異的に結合することができる、免疫グロブリンスーパーファミリーのメンバー(これは、可変結合ドメイン、定常ドメイン、膜貫通領域及び短い細胞質尾部を有する;例えば、Janeway et al.,Immunobiology:The Immune System in Health and Disease,3rd Ed.,Current Biology Publications,P.433,1997を参照されたい)を指す。TCRは、細胞表面上に、または可溶性形態で見出すことができ、一般に、α鎖及びβ鎖(それぞれTCRα及びTCRβとしても知られる)またはγ鎖及びδ鎖(それぞれTCRγ及びTCRδとしても知られる)を有するヘテロダイマーから構成される。
【0018】
他の免疫グロブリン(例えば抗体)のように、TCR鎖(例えば、α鎖、β鎖)の細胞外部分は、N末端に2つの免疫グロブリンドメイン、可変ドメイン(例えば、α鎖可変ドメインもしくはV
α鎖可変ドメインまたはV
β;典型的には、Kabatの番号付け(Kabat et al.,“Sequences of Proteins of Immunological Interest,US Dept.Health and Human Services,Public Health Service National Institutes of Health,1991,5
TH ed.に基づいて、アミノ酸1〜116)を、及び細胞膜に隣接する1つの定常ドメイン(例えば、α鎖定常ドメインまたはC
α、典型的には、Kabatに基づいて5アミノ酸117〜259、β鎖定常ドメインまたはC
β、典型的には、Kabatに基づいてアミノ酸117〜295)を含む。さらに、免疫グロブリンのように、可変ドメインは、フレームワーク領域(FR)によって分離した相補性決定領域(CDR)を含む(例えば、Jores et al.,Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 87:9138,1990、Chothia et al.,EMBO J.7:3745,1988を参照されたい。Lefranc et al.,Dev.Comp.Immunol.27:55,2003も参照されたい)。
【0019】
本明細書で使用する場合、「抗原」または「Ag」は、免疫応答を誘発する免疫原性分子を指す。この免疫応答は、抗体産生、特定の免疫担当細胞(例えばT細胞)の活性化または両方を含み得る。抗原(免疫原性分子)は、例えば、ペプチド、糖ペプチド、ポリペプチド、糖ポリペプチド、ポリヌクレオチド、多糖、脂質などでもよい。抗原は、合成されても、組換えで生成されても、または生物試料に由来してもよいことは、容易に明らかである。1つまたは複数の抗原を含むことができる例示的生物試料としては、組織試料、腫瘍試料、細胞、生体液またはこれらの組み合わせが挙げられる。抗原は、抗原を発現するように改変もしくは遺伝子操作された細胞、または内因的に(例えば、ヒトの介入による改変もしくは遺伝子操作なしで)免疫原性の変異または多型を発現する細胞によって生成することができる。
【0020】
「主要組織適合抗原複合体」(MHC)は、すべての有核細胞の細胞表面にペプチド抗原を送達する糖タンパク質を指す。MHCクラスI分子は、膜貫通α鎖(3つのαドメインを有する)及び非共有結合的に会合したβ
2ミクログロブリンを有するヘテロダイマーである。MHCクラスII分子は2つの膜貫通糖タンパク質、α及びβからなり、これらの両方とも膜を貫通する。各鎖は2つのドメインを有する。MHCクラスI分子はサイトゾルに由来するペプチドを細胞表面に送達し、ここで、ペプチド:MHC複合体がCD8
+T細胞によって認識される。MHCクラスII分子は小胞系に由来するペプチドを細胞表面に送達し、ここで、このペプチドがCD4
+T細胞によって認識される。ヒトMHCはヒト白血球抗原(HLA)と称される。
【0021】
用語「エピトープ」または「抗原性エピトープ」は、同族結合分子、例えば、免疫グロブリン、T細胞受容体(TCR)、キメラ抗原受容体または他の結合分子、ドメインもしくはタンパク質が認識し、特異的に結合する、任意の分子、構造物、アミノ酸配列またはタンパク質決定基を含む。エピトープ決定基は、一般に、アミノ酸または糖側鎖などの分子の化学的に活性な表面基を含み、特異的三次元構造的特性及び特異的荷電特性を有し得る。
【0022】
本明細書で使用する場合、「特異的に結合する」または「に特異的」は、試料中の任意の他の分子または成分と有意に会合または合体しないが、10
5M
−1(これは、この会合反応に対するオン速度[K
on]対オフ速度[K
off]の比率に等しい)以上の親和性またはK
A(すなわち、1/Mの単位での特定の結合相互作用の平衡結合定数)を有する、標的分子への結合タンパク質(例えばTCR受容体)または結合ドメイン(もしくはそれらの融合タンパク質)の会合または合体を指す。結合タンパク質または結合ドメイン(もしくはそれらの融合タンパク質)は、「高親和性」結合タンパク質もしくは結合ドメイン(もしくはそれらの融合タンパク質)に、または「低親和性」結合タンパク質または結合ドメイン(もしくはそれらの融合タンパク質)に分類することができる。「高親和性」結合タンパク質または結合ドメインは、少なくとも10
7M
−1、少なくとも10
8M
−1、少なくとも10
9M
−1、少なくとも10
10M
−1、少なくとも10
11M
−1、少なくとも10
12M
−1または少なくとも10
13M
−1のK
Aを有する結合タンパク質または結合ドメインを指す。「低親和性」結合タンパク質または結合ドメインは、10
7M
−1、10
6M
−1まで、10
5M
−1までのK
Aを有する結合タンパク質または結合ドメインを指す。あるいは、親和性は、Mの単位(例えば、10
−5M〜10
−13M)での特定の結合相互作用の平衡解離定数(K
d)であると定義することができる。
【0023】
ある特定の実施形態では、受容体または結合ドメインは「増強された親和性」を有し得、これは、野生型(または親)結合ドメインに比べて標的抗原へのより強い結合を有する、選択されたまたは操作された受容体または結合ドメインを指す。例えば、増強された親和性は、野生型結合ドメインよりも高い標的抗原に対するK
A(平衡結合定数)の結果、野生型結合ドメインのものより低い標的抗原に対するK
d(解離定数)の結果、野生型結合ドメインのものより低い標的抗原に対するオフ速度(K
OFF)の結果、またはこれらの組み合わせであり得る。ある特定の実施形態では、増強された親和性のTCRは、特定の宿主細胞、例えば、免疫系の細胞、造血幹細胞、T細胞、一次T細胞、T細胞系統、NK細胞、またはナチュラルキラーT細胞で発現を増強するように、コドン最適化され得る(Scholten et al.,Clin.Immunol.119:135,2006)。T細胞は、CD4+またはCD8+T細胞でもよい。
【0024】
特定の標的に特異的に結合する本開示の結合ドメインを特定するための、及び結合ドメインまたは融合タンパク質の親和性を決定するための様々なアッセイが知られており、例えば、マルチマー/テトラマー染色、ウエスタンブロット、ELISA、分析的超遠心分離法、分光法及び表面プラスモン共鳴法(Biacore(登録商標))分析である(例えば、Dolton et al.,Immunology 146:11−22,2015、Scatchard et al.,Ann.NY Acad.Sci.51:660,1949、Wilson,Science 20295:2103,2002、Wolff et al,Cancer Res.53:2560,1993及び米国特許第5,283,173号、第5,468,614号、または同等物を参照されたい。すべて参照により本明細書に組み込まれる)。
【0025】
本開示で使用されるTCRの供給源は、様々な動物種、例えば、ヒト、マウス、ラット、ウサギまたは他の哺乳動物由来であり得る。
【0026】
本明細書で使用する場合、用語「CD8共受容体」または「CD8」は、アルファ−アルファホモダイマーまたはアルファ−ベータヘテロダイマーのいずれかとしての細胞表面糖タンパク質CD8を意味する。CD8共受容体は、細胞障害性T細胞(CD8
+)の機能及びその細胞質内チロシンリン酸化経路を介するシグナリングを通じた機能を補助する(Gao and Jakobsen,Immunol.Today 21:630−636,2000、Cole and Gao,Cell.Mol.Immunol.1:81−88,2004)。5つ(5)の異なるCD8β鎖(UniProtKB識別子P10966を参照されたい)及び単一のCD8α鎖(UniProtKB識別子P01732を参照されたい)が存在する。
【0027】
「CD4」は、TCRが抗原提示細胞とコミュニケートするのを補助する免疫グロブリン共受容体糖タンパク質である(Campbell & Reece,Biology 909(Benjamin Cummings,Sixth Ed.,2002)を参照されたい)。CD4は、免疫細胞、例えば、ヘルパーT細胞、単球、マクロファージ及び樹状細胞の表面に見出され、細胞表面で発現している4つの免疫グロブリンドメイン(D1〜D4)を含む。抗原提示の間、CD4は、TCR複合体とともに動員されて、MHCII分子の異なる領域に結合する(CD4はMHCIIβ2に結合するが、TCR複合体はMHCIIα1/β1に結合する)。理論に拘束されることを望むものではないが、TCR複合体への近接によって、CD4結合キナーゼ分子がCD3の細胞質ドメインに存在する免疫受容体チロシン活性化モチーフ(ITAM)をリン酸化することが可能になると信じられている。この活性は、様々なタイプのヘルパーT細胞を生成するために、活性化されたTCRが発生するシグナルを増幅すると考えられる。
【0028】
ある特定の実施形態では、TCRはT細胞(またはTリンパ球)の表面に見出され、CD3複合体と会合している。「CD3」は、T細胞における抗原シグナリングと関係がある、6つの鎖の多タンパク質複合体(Abbas and Lichtman,2003、Janeway et al.,p.172 and 178,1999を参照されたい)である。哺乳動物では、この複合体は、1つのCD3γ鎖、1つのCD3δ鎖、2つのCD3ε鎖及びCD3ζ鎖のホモダイマー1つを含む。CD3γ、CD3β及びCD3ε鎖は、単一の免疫グロブリンドメインを含む免疫グロブリンスーパーファミリーの非常に関連した細胞表面タンパク質である。CD3γ、CD3β及びCD3ε鎖の膜貫通領域は負に荷電しており、これは、これらの鎖が正に荷電したT細胞受容体鎖と会合することを可能にするという特徴である。CD3γ、CD3β及びCD3ε鎖の細胞内尾部は、それぞれ、免疫受容体チロシン活性化モチーフまたはITAMとして知られる単一の保存されたモチーフを含み、一方で、各CD3ζ鎖は3つを有する。理論に拘束されることを望むものではないが、ITAMはTCR複合体のシグナリング能力に重要であると信じられている。本開示で使用するCD3は、ヒト、マウス、ラットまたは他の哺乳動物を含めた様々な動物種に由来し得る。
【0029】
本明細書で使用する場合、「TCR複合体」は、CD3とTCRの会合によって形成される複合体を指す。例えば、TCR複合体は、1つのCD3γ鎖、1つのCD3β鎖、2つのCD3ε鎖、CD3ζ鎖のホモダイマー1つ、1つのTCRα鎖及び1つのTCRβ鎖からなり得る。あるいは、TCR複合体は、1つのCD3γ鎖、1つのCD3β鎖、2つのCD3ε鎖、CD3ζ鎖のホモダイマー1つ、1つのTCRγ鎖及び1つのTCRβ鎖からなり得る。
【0030】
本明細書で使用する場合、「TCR複合体の成分」は、TCR鎖(すなわち、TCRα、TCRβ、TCRγもしくはTCRδ)、CD3鎖(すなわち、CD3γ、CD3δ、CD3εもしくはCD3ζ)または2つ以上のTCR鎖もしくはCD3鎖によって形成される複合体(例えば、TCRα及びTCRβの複合体、TCRγ及びTCRδの複合体、CD3ε及びCD3δの複合体、CD3γ及びCD3εの複合体もしくはTCRα、TCRβ、CD3γ、CD3δ及び2つのCD3ε鎖のサブ−TCR複合体)を指す。
【0031】
本明細書で使用する場合、用語「HA−1
H抗原」もしくは「HA−1
Hペプチド抗原」もしくは「HA−1
H含有ペプチド抗原」(または「マイナーHA−1
H抗原」もしくは「マイナーHA−1
Hペプチド抗原」もしくは「マイナーHA−1
H含有ペプチド抗原」もしくは「マイナー組織適合性HA−1
H抗原ペプチド」)は、MHC(例えば、HLA)分子と複合体を形成することができ、HA−1
Hペプチド:MHC(例えば、HLA)複合体に特異的な本開示の結合タンパク質が複合体などに特異的に結合することができる、約7アミノ酸、約8アミノ酸、約9アミノ酸、約10アミノ酸から、最大で約20アミノ酸までの長さにわたり、R139H置換多型を含む、HMHA1タンパク質の天然にまたは合成的に生成されたペプチド部分を指す。例示的HA−1
HHA−1ペプチド抗原は、アミノ酸
【化4】
(配列番号66)を有するペプチドを含み、配列中の太字のヒスチジンはR139H多型を示す。
【0032】
本明細書で使用する場合、用語「HA−1
H特異的結合タンパク質」は、HA−1
Hペプチド抗原に(または、例えば細胞表面上のHA−1
Hペプチド抗原:HLA複合体に)特異的に結合し、HA−1
H多型を含まないHMHAペプチド(例えば、配列番号65に示すアミノ酸配列を含むペプチド)に結合せず、そのようなHMHAペプチドを含むHLA複合体に結合しない、タンパク質またはポリペプチド、例えば、TCRまたはCARを指す。
【0033】
ある特定の実施形態では、HA−1
H特異的結合タンパク質は、約10
−8M未満、約10
−9M未満、約10
−10M未満、約10
−11M未満、約10
−12M未満もしくは約10
−13M未満のK
dで、または、例えば、同じアッセイで測定した場合に、本明細書で提供される例示的HA−1
H特異的結合タンパク質、例えば、本明細書で提供されるHA−1
H特異的TCRのうちのいずれかによって示される親和性とほぼ同じ親和性で、その親和性と少なくともほぼ同じ親和性で、もしくはその親和性を超える親和性かほぼその親和性で、HA−1含有ペプチド(またはHA−1
Hペプチド:HLA複合体)に特異的に結合する。ある特定の実施形態では、HA−1特異的結合タンパク質は、HA−1特異的免疫グロブリンスーパーファミリー結合タンパク質またはその結合部分を含む。
【0034】
抗原提示細胞(APC)(例えば、樹状細胞、マクロファージ、リンパ球または他の細胞型)による抗原プロセシングの原理及び免疫適合性(例えば、抗原提示に関連するMHC遺伝子の少なくとも1つのアレル形態を共有する)APCとT細胞の間の主要組織適合抗原複合体(MHC)拘束提示を含めた、APCによるT細胞への抗原提示の原理は、十分に確立されている(例えば、Murphy,Janeway’s Immunobiology(8
th Ed.)2011 Garland Science,NY;chapters 6,9and16を参照されたい)。例えば、サイトゾルに由来する、プロセッシングを受けた抗原ペプチド(例えば、腫瘍抗原、細胞内病原体)は、一般に、約7アミノ酸〜約11アミノ酸の長さであり、クラスI MHC(HLA)分子と会合するが、小胞系でプロセッシングを受けたペプチド(例えば、細菌性、ウイルス性)は約10アミノ酸〜約25アミノ酸まで長さがさまざまであり、クラスII MHC(HLA)分子と会合する。
【0035】
「変化したドメイン」または「変化したタンパク質」は、野生型のモチーフ、領域、ドメイン、ペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質(例えば、野生型のTCRα鎖、TCRβ鎖、TCRα定常ドメイン、TCRβ定常ドメイン)に対して、少なくとも85%(例えば、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%,99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、99.9%)の同一でない配列同一性を有するモチーフ、領域、ドメイン、ペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質を指す。
【0036】
変化したドメインまたは変化したタンパク質または誘導体は、同じアミノ酸に対するすべての可能なコドン選択及び保存的アミノ酸置換に基づくコドン選択に基づくものを含むことができる。例えば、以下の6群のそれぞれは、互いに保存的置換である以下のアミノ酸を含む:1)アラニン(ala;A)、セリン(ser;S)、スレオニン(thr;T)、2)アスパラギン酸(asp;D)、グルタミン酸(glu;E)、3)アスパラギン(asn;N)、グルタミン(gln;Q);4)アルギニン(arg;R)、リジン(lys;K)、5)イソロイシン(ile;I)、ロイシン(L)、メチオニン(met;M)、バリン(val;V)及び6)フェニルアラニン(phe;F)、チロシン(tyr;Y)、トリプトファン(trp;W)。(WO97/09433 、10ページ、Lehninger,Biochemistry,2
nd Edition,Worth Publishers,Inc.,NY,NY,pp.71−77,1975、Lewin Genes IV,Oxford University Press,NY and Cell Press,Cambridge,MA,p.8,1990、Creighton,Proteins,W.H.Freeman and Company 1984も参照されたい)。さらに、コードされる配列中の単一アミノ酸またはわずかな割合のアミノ酸を変化させる、付加するまたは欠失させる個々の置換、欠失または付加も「保存的置換」である。
【0037】
本明細書で使用する場合、「核酸」または「核酸分子」は、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって、またはインビトロ翻訳によって生成されるこれらの断片のうちのいずれかを指し、ライゲーション、切断、エンドヌクレアーゼ作用またはエキソヌクレアーゼ作用のうちのいずれかによって生成される断片も指す。ある特定の実施形態では、本開示の核酸はPCRによって生成される。核酸は、天然に存在するヌクレオチド(例えば、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチド)、天然に存在するヌクレオチドの類似体(例えば、天然に存在するヌクレオチドのα−鏡像異性型)または両方の組み合わせであるモノマーからなり得る。修飾ヌクレオチドは、糖部分またはピリミジンもしくはプリン塩基部分における修飾またはこれらの置換を有し得る。核酸モノマーは、ホスホジエステル結合またはそのような結合の類似型によって連結され得る。ホスホジエステル結合の類似型としては、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホロセレノエート、ホスホロジセレノエート、ホスホロアニロチオエート、ホスホルアニリデート、ホスホルアミデートなどが挙げられる。核酸分子は、一本鎖または二本鎖のいずれかであり得る。
【0038】
用語「単離される」は、その本来の環境(例えば、それが天然に存在する場合は天然環境)から物質が取り出されることを意味する。例えば、生きている動物中に存在する天然に存在する核酸またはポリペプチドは単離されていないが、天然のシステムで共存する物質のいくつかまたはすべてから分離された同じ核酸またはポリペプチドは単離されている。そのような核酸はベクターの一部でもよく、及び/またはそのような核酸もしくはポリペプチドは組成物(例えば、細胞可溶化物)の一部でもよく、それにもかかわらず、そのようなベクターまたは組成物が核酸またはポリペプチドの天然環境の一部ではないという点において、分離されている。用語「遺伝子」は、ポリペプチド鎖の生成に関与するDNAのセグメントを意味し、これは、コード領域に先行する及び続く領域(「リーダー及びトレーラー」)ならびに個々のコーディングセグメント(エクソン)間の介在配列(イントロン)を含む。
【0039】
本明細書で使用する場合、用語「組換え」及び「操作された」は、外来性核酸分子の導入によって改変された細胞、微生物、核酸分子、ポリペプチド、タンパク質、プラスミド、もしくはベクターを指し、またはヒトの介入によって遺伝子操作された、すなわち、異種核酸分子の導入によって改変された細胞もしくは微生物を指し、または内在性の核酸分子もしくは遺伝子の発現が制御される、調節解除される、もしくは構成的であるように変えられ、そのような変化または改変が遺伝子操作によって導入され得る細胞もしくは微生物を指す。ヒトが作り出した遺伝子の変化は、例えば、1種または複数のタンパク質もしくは酵素をコードする核酸分子(これは、例えばプロモーターなどの発現制御エレメントを含んでもよい)を導入する改変、または他の核酸分子の付加、欠失、置換、または細胞の遺伝物質の他の機能的破壊もしくは細胞の遺伝物質への機能的付加を含むことができる。例示的改変としては、参照または親分子由来の非相同または相同なポリペプチドのコード領域またはその機能的断片の中のものが挙げられる。
【0040】
本明細書で使用する場合、「変異」は、それぞれ参照または野生型の核酸分子またはポリペプチド分子と比較した場合の、核酸分子またはポリペプチド分子の配列の変化を指す。変異は、ヌクレオチド(複数可)またはアミノ酸(複数可)の置換、挿入または欠失を含めた、いくつかの異なるタイプの配列変化をもたらし得る。ある特定の実施形態では、変異は、1つもしくは3つのコドンもしくはアミノ酸の置換、1つ〜約5つのコドンもしくはアミノ酸の欠失、またはこれらの組み合わせである。
【0041】
「保存的置換」は、あるアミノ酸の、同様の性質を有する別のアミノ酸に対する置換として当技術分野で認識される。例示的な保存的置換は当技術分野で周知である(例えば、WO97/09433、10ページ、Lehninger,Biochemistry,2
nd Edition、Worth Publishers,Inc.NY,NY,pp.71−77,1975、Lewin,Genes IV,Oxford University Press,NY and Cell Press,Cambridge,MA,p.8,1990を参照されたい)。
【0042】
用語「コンストラクト」は、組換え核酸分子を含む任意のポリヌクレオチドを指す。「導入遺伝子」または「導入遺伝子コンストラクト」は、天然に見られない配置で作動可能に連結した2つ以上の遺伝子を含むコンストラクトを指す。用語「作動可能に連結した(operably−linked)」(または、本明細書において、「作動可能に連結した(operably linked)」は一方の機能が他方の影響を受けるような、単一核酸断片における2つ以上の核酸分子の結合を指す。例えば、プロモーターは、それがコード配列の発現に影響を及ぼすことができる(すなわち、コード配列がプロモーターの転写制御下にある)場合、コード配列と作動可能に連結している。
【0043】
「連結されていない」は、関連する遺伝要素が互いに密接に関連しておらず、一方の機能が他方に影響を及ぼさないことを意味する。いくつかの実施形態では、導入遺伝子中に存在する遺伝子は、発現制御配列(例えば、プロモーター)に作動可能に連結している。
【0044】
コンストラクト(例えば導入遺伝子)は、ベクター(例えば、細菌ベクター、ウイルスベクター)中に存在していてもよく、またはゲノム中に組み込まれていてもよい。「ベクター」は、別の核酸分子を輸送することができる核酸分子である。ベクターは、染色体の、非染色体の、半合成のまたは合成の核酸分子を含むことができる、例えば、プラスミド、コスミド、ウイルス、RNAベクター、または直鎖状もしくは環状のDNAもしくはRNA分子でもよい。例示的ベクターは、自律複製ができるもの(エピソームベクター)またはそれに結合している核酸分子の発現ができるもの(発現ベクター)である。本開示の組成物及び方法に有用なベクターは、さらに本明細書に記載されている。
【0045】
本明細書で使用する場合、用語「発現」は、遺伝子などの核酸分子のコード配列に基づいてポリペプチドが生成されるプロセスを指す。このプロセスは、転写、転写後制御、転写後修飾、翻訳、翻訳後制御、翻訳後修飾、またはこれらの任意の組み合わせを含むことができる。
【0046】
細胞への核酸分子の挿入の文脈では、用語「導入される」は、「トランスフェクション」または「形質転換」または「形質導入」を意味し、真核細胞または原核細胞への核酸分子の組み込みへの言及を含み、ここで、核酸分子は、細胞のゲノム(例えば、染色体、プラスミド、プラスチドまたはミトコンドリアのDNA)に組み込まれても、自律性レプリコンに変換されても、一過的に発現されてもよい(例えば、トランスフェクトされたmRNA)。
【0047】
本明細書で使用する場合、「異種性」または「外来性」の核酸分子、コンストラクトまたは配列は、宿主細胞にとってネイティブではないが、宿主細胞由来の核酸分子または核酸分子の一部に相同であり得る、核酸分子または核酸分子の一部を指す。異種性または外来性の核酸分子、コンストラクトまたは配列の供給源は、異なる属または種由来であり得る。ある特定の実施形態では、例えば、コンジュゲーション、形質転換、トランスフェクション、形質導入、エレクトロポレーションなどによって、宿主細胞または宿主ゲノムに異種性または外来性の核酸分子が加えられ(すなわち、内在性またはネイティブでない)、ここで、加えられた分子は、宿主ゲノムに組み込まれてもよいし、または染色体外遺伝物質として(例えば、プラスミドもしくは他の形態の自己複製ベクターとして)存在してもよく、且つ多コピーで存在してもよい。さらに、「異種性」は、たとえ宿主細胞が相同なタンパク質または活性をコードするとしても、宿主細胞に導入される、外来性核酸分子にコードされる非ネイティブの酵素、タンパク質または他の活性を指す。
【0048】
本明細書に記載のように、1つより多い異種性または外来性の核酸分子を、別々の核酸分子として、個々に制御される複数の遺伝子として、ポリシストロニック性核酸分子として、融合タンパク質をコードする単一核酸分子として、またはこれらの任意の組み合わせで、宿主細胞に導入することができる。例えば、本明細書で開示されるように、マイナー組織適合性(H)抗原HA−1
Hペプチドに特異的な所望のTCR(例えば、TCRα及びTCRβ)をコードする2つ以上の異種性または外来性の核酸分子を発現するように宿主細胞を改変することができる。2つ以上の外来性核酸分子を宿主細胞に導入する場合は、2つ以上の外来性核酸分子は、(例えば、単一ベクター上にある)単一核酸分子として導入されてもよく、別々のベクター上にあってもよく、単一部位もしくは複数部位で宿主染色体に組み込まれてもよく、またはこれらの任意の組み合わせでもよいことが理解される。言及される異種核酸分子またはタンパク質活性の数は、コード核酸分子の数またはタンパク質活性の数を指し、宿主細胞に導入される別々の核酸分子の数ではない。
【0049】
本明細書で使用する場合、用語「内在性の」または「ネイティブの」は、通常は宿主細胞中に存在する遺伝子、タンパク質または活性を指す。さらに、親の遺伝子、タンパク質または活性と比較して、変異している、過剰発現している、シャッフルされた、重複している、または変化している、遺伝子、タンパク質または活性は、依然として、その特定の宿主細胞にとって内在性またはネイティブであると考えられる。例えば、第1の遺伝子由来の内在性制御配列(例えば、プロモーター、翻訳減衰配列)は、第2のネイティブの遺伝子または核酸分子の発現を変化させるまたは調節するのに使用することができ、第2のネイティブの遺伝子または核酸分子の発現または調節は、親細胞における通常の発現または制御と異なる。
【0050】
用語「相同な」または「相同体」は、宿主の細胞、種または系統に見られる、またはこれらに由来する分子または活性を指す。例えば、異種性または外来性の核酸分子は、ネイティブの宿主細胞遺伝子に相同であり得、場合により、変化した発現レベル、異なる配列、変化した活性またはこれらの任意の組み合わせを有し得る。
【0051】
本明細書で使用する場合、「配列同一性」は、配列を整列させ、必要であれば、最大のパーセント配列同一性を得るようにギャップを導入した後の、いかなる保存的置換も配列同一性の一部として考慮しない、別の参照ポリペプチド配列中のアミノ酸残基と同一である、ある配列中のアミノ酸残基のパーセンテージを指す。パーセンテージ配列同一性の値は、デフォルト値に設定されたパラメーターを用いて、Altschul et al.(1997),Nucl.Acids Res.25:3389−3402によって規定されるようにNCBI BLAST2.0ソフトウェアを使用して得ることができる。
【0052】
HA−1
H特異的結合タンパク質、アクセサリータンパク質及び操作された宿主細胞
ある特定の態様では、本開示は、HA−1
H抗原に特異的に結合する結合タンパク質をコードする異種性ポリヌクレオチドを含む操作された免疫細胞を提供する。ある特定の実施形態では、コードされる結合タンパク質は、HA−1
H抗原特異的T細胞受容体(TCR)またはHA−1
H抗原特異的キメラ抗原受容体(CAR)である。さらなる実施形態では、結合タンパク質は、さらなるアクセサリータンパク質、例えば、安全スイッチタンパク質、タグ、選択マーカー、CD8共受容体β鎖、α鎖もしくは両方、またはこれらの任意の組み合わせをコードする導入遺伝子コンストラクトの一部として発現する。
【0053】
本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかでは、本開示のコードされるポリペプチド(例えば、iCasp9、TCRβ鎖、TCRα鎖、CD8β鎖、CD8α鎖)は、「シグナルペプチド」(リーダー配列、リーダーペプチド、または移行ペプチドとしても知られる)を含むことができる。シグナルペプチドは、新たに合成されたポリペプチドを細胞の内部または外部の適切な位置にターゲティングする。シグナルペプチドは、局在化もしくは分泌の間に、または一旦局在化もしくは分泌が完了すると、ポリペプチドから除去され得る。シグナルペプチドを有するポリペプチドを「プレタンパク質」と本明細書で言及し、そのシグナルペプチドが除去されたポリペプチドを「成熟」タンパク質またはポリペプチドと本明細書で言及する。代表的なシグナルペプチドは、配列番号1〜3、5〜9及び70〜75ののうちのいずれかの1つ位置1〜位置21からのアミノ酸、または配列番号4、10及び12のうちのいずれか1つの位置1〜位置19からのアミノ酸を含む。
【0054】
TCR及びCARなどの本開示の結合タンパク質は、標的(この場合、HA−1
H)に特異的な結合ドメインを含む。本明細書で使用する場合、「結合ドメイン」(「結合領域」または「結合部分」とも称される)は、標的(例えば、HA−1
HペプチドまたはHA−1
Hペプチド:MHC複合体)と特異的に及び非共有結合的に会合、合体または結合する能力を有する分子またはその一部(例えば、ペプチド、オリゴペプチド、ポリペプチド、タンパク質)を指す。結合ドメインとしては、生物学的分子、分子複合体(すなわち、2つ以上の生物学的分子を含む複合体)または目的の他の標的に対する、任意の天然に存在する、合成の、半合成の、または組換え生成された結合パートナーが挙げられる。例示的結合ドメインとしては、生物学的分子、分子複合体または目的の他の標的に結合するその特異性能力によって選択される、単鎖免疫グロブリン可変領域(例えば、単鎖TCR(scTCR)、単鎖FV(scFV))、受容体外部ドメイン、リガンド(例えば、サイトカイン、ケモカイン)、または合成ポリペプチドが挙げられる。
【0055】
ある特定の実施形態では、HA−1
H特異的結合ドメイン単独で(すなわち、HA−1特異的結合タンパク質のいかなる他の部分もなしで)可溶性であり得、約10
−8M未満、約10
−9M未満、約10
−10M未満、約10
−11M未満、約10
−12M未満または約10
−13M未満のK
dでHA−1
Hに結合することができる。特定の実施形態では、HA−1
H特異的結合ドメインは、HA−1
H特異的scTCR(例えば、単鎖αβTCRタンパク質、例えば、Vα−L−Vβ、Vβ−L−Vα、Vα−Cα−L−VαまたはVα−L−Vβ−Cβ(ここで、Vα及びVβはそれぞれTCRα及びβ可変ドメインであり、Cα及びCβはそれぞれTCRα及びβ定常ドメインであり、Lはリンカである))を含む。
【0056】
用語「可変領域」または「可変ドメイン」は、免疫グロブリンスーパーファミリー結合タンパク質(例えば、TCR)の抗原への結合に関与する免疫グロブリンスーパーファミリー結合タンパク質のドメイン(例えば、TCRα鎖もしくはTCRβ鎖(またはγδTCRについてはγ鎖及びδ鎖))を指す。ネイティブTCRのα鎖及びβ鎖の可変ドメイン(それぞれ、V
α及びV
β)は、一般に、各ドメインが4つの保存されたフレームワーク領域(FR)及び3つのCDRを含む、類似した構造を有する。V
αドメインは、2つの別々のDNAセグメント、すなわち、可変遺伝子セグメント及び結合遺伝子セグメント(V−J)にコードされ、V
βドメインは3つの別々のDNAセグメント、すなわち、可変遺伝子セグメント、多様性遺伝子セグメント及び結合遺伝子セグメント(V−D−J)にコードされる。単一のV
αまたはV
βドメインは、抗原結合特異性を与えるのに十分であり得る。さらに、特定の抗原に結合するTCRは、抗原に結合するTCR由来のV
αまたはV
βドメインを使用して、それぞれ相補的V
αまたはV
βドメインのライブラリーをスクリーニングして、単離することができる。
【0057】
用語「相補性決定領域」及び「CDR」は「超可変領域」または「HVR」と同義であり、抗原特異性及び/または結合親和性を与える、TCR可変領域内の非連続的アミノ酸配列を指すことが当技術分野で既知である。一般に、各α鎖可変領域中に3つのCDR(αCDR1、αCDR2、αCDR3)が存在し、各β鎖可変領域中に3つのCDR(βCDR1、βCDR2、βCDR3)が存在する。CDR3は、プロセッシングを受けた抗原の認識に関与する主要なCDRと考えられる。CDR1及びCDR2主にMHCと相互作用する。
【0058】
ある特定の実施形態では、コードされる結合タンパク質は、(a)TRAV17遺伝子、TRAV21遺伝子またはTRAV10遺伝子にコードされるアミノ酸配列を有するT細胞受容体(TCR)α鎖可変(Vα)ドメイン、ならびに配列番号13〜17及び86のうちのいずれか1つに示すCDR3アミノ酸配列を含むTCRβ鎖可変(Vβ)ドメイン、(b)配列番号87〜92のうちのいずれか1つに示すCDR3アミノ酸配列を含むTCR Vαドメイン、及びTRBV7−9遺伝子にコードされるアミノ酸配列を有するTCR Vβドメイン、または(c)配列番号87〜92のうちのいずれか1つのCDR3アミノ酸配列を含むTCR Vαドメイン、ならびに配列番号13〜17及び86のうちのいずれか1つのCDR3アミノ酸配列を含むTCR Vβドメインを含み、ここで、コードされる結合タンパク質はHA−1
Hマイナー抗原を含むペプチドに特異的に結合することができ、HA−1
Hマイナー抗原を含まないペプチドに結合しない。
【0059】
さらなる実施形態では、コードされる結合タンパク質はTCR V
αドメイン及びTCR V
βドメインを含み、ここで、(a)コードされるV
βCDR3は配列番号13のアミノ酸配列を含み、コードされるV
αCDR3は、配列番号87のアミノ酸配列を含み、(b)コードされるV
βCDR3は配列番号14に示されるアミノ酸配列を含み、コードされるV
αCDR3は、配列番号88のアミノ酸配列を含み、(c)コードされるV
βCDR3は、配列番号15に示されるアミノ酸配列を含み、コードされるV
αCDR3は、配列番号89のアミノ酸配列を含み、(d)コードされるV
βCDR3は、配列番号16に示されるアミノ酸配列を含み、コードされるV
αCDR3は、配列番号90のアミノ酸配列を含み、(e)コードされるV
βCDR3は、配列番号17に示されるアミノ酸配列を含み、コードされるV
αCDR3は、配列番号91のアミノ酸配列を含み、または(f)コードされるV
βCDR3は、配列番号86に示されるアミノ酸配列を含み、コードされるV
αCDR3は、配列番号92のアミノ酸配列を含む。
【0060】
さらなる実施形態では、コードされる結合タンパク質はV
αドメインを含み、コードされるV
αドメインは、配列番号2、4、6、8、10及び12のうちのいずれか1つのアミノ酸配列に少なくとも約90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。追加的な実施形態では、コードされる結合タンパク質は、V
βドメインを含み、コードされるV
βドメインは、配列番号1、3、5、7、9及び11のうちのいずれか1つのアミノ酸配列に少なくとも約90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0061】
いくつかの実施形態では、コードされるV
αドメインはCDR1のアミノ酸配列に変化を含まない、コードされるV
βドメインはCDR1のアミノ酸配列に変化を含まない、またはコードされるV
αドメインのCDR1及びコードされるV
βドメインのCDR1はアミノ酸配列に変化を含まない。さらなる実施形態では、コードされるV
αドメインはCDR2のアミノ酸配列に変化を含まない、コードされるV
βドメインはCDR2のアミノ酸配列に変化を含まない、またはコードされるV
αドメインのCDR2及びコードされるV
βドメインのCDR2はアミノ酸配列に変化を含まない。
【0062】
特定の実施形態では、コードされる結合タンパク質はTCR V
αドメイン及びTCR V
βドメインを含み、ここで、(a)コードされるV
βドメインは配列番号1のアミノ酸配列を含むか、それからなり、コードされるV
αドメイン配列番号2のアミノ酸配列を含むか、それからなり、(b)コードされるV
βドメインは配列番号3のアミノ酸配列を含むか、それからなり、コードされるV
αドメインは配列番号4のアミノ酸配列を含むか、それからなり、(c)コードされるV
βドメインは配列番号5のアミノ酸配列を含むか、それからなり、コードされるV
αドメインは配列番号6のアミノ酸配列を含むか、それからなり、(d)コードされるV
βドメインは配列番号7のアミノ酸配列を含むか、それからなり、コードされるV
αドメインは配列番号8のアミノ酸配列を含むか、それからなり、(e)コードされるV
βドメインは配列番号9のアミノ酸配列を含むか、それからなり、コードされるV
αドメインは配列番号10のアミノ酸配列を含むか、それからなり、または(f)コードされるV
βドメインは配列番号11のアミノ酸配列を含むか、それからなり、コードされるV
αドメインは配列番号12のアミノ酸配列を含むか、それからなる。
【0063】
細胞によって発現される本開示の例示的結合タンパク質はシグナルペプチドを含むことができ(例えば、結合プレタンパク質)、細胞は、シグナルペプチドを除去して、成熟結合タンパク質を生成することができる。ある特定の実施形態では、結合タンパク質は、2つの成分、例えば、α鎖及びβ鎖を含み、これらは、細胞表面で会合して機能的結合タンパク質を形成することができる。2つの会合した成分は成熟タンパク質を含むことができる。ある特定の実施形態では、本開示の結合タンパク質は成熟V
βドメインを含み、成熟V
βドメインは、配列番号96、98、100、102、104または106のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含むか、それからなる。さらなる実施形態では、本開示の結合タンパク質は成熟V
αドメインを含み、成熟V
αドメインは配列番号97、99、101、103、105または107のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含むか、それからなる。さらに別の実施形態では、本開示の結合タンパク質は、成熟V
βドメイン及び成熟V
αドメインを含み、成熟V
βドメインは、配列番号96、98、100、102、104または106のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含むか、それからなり、成熟V
αドメインは配列番号97、99、101、103、105または107のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含むか、それからなる。ある特定の実施形態では、本開示の結合タンパク質は成熟TCRβ鎖を含み、成熟TCRβ鎖は、配列番号108、110、112、114、116または118のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含むか、それからなる。さらなる実施形態では、本開示の結合タンパク質は成熟TCRα鎖を含み、成熟TCRα鎖は、配列番号109、111、113、115、117または119のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含むか、それからなる。さらに別の実施態様では、本開示の結合タンパク質は成熟TCRβ鎖及び成熟TCRα鎖を含み、成熟TCRβ鎖は、配列番号108、110、112、114、116または118のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含むか、それからなり、成熟TCRα鎖は、配列番号109、111、113、115、117または119のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含むか、それからなる。ある特定の実施形態では、本開示の結合タンパク質はCD8β鎖とともに発現し、CD8β鎖は成熟CD8β鎖を含み、成熟CD8β鎖は、配列番号121〜125のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列を含むか、それからなる。さらなる実施形態では、本開示の結合タンパク質はCD8α鎖とともに発現し、CD8α鎖は成熟CD8α鎖を含み、成熟CD8α鎖は配列番号120のアミノ酸配列を含むか、それからなる。より多くの実施形態では、本開示の結合タンパク質はCD8β鎖及びCD8α鎖とともに発現し、CD8β鎖及びCD8α鎖は成熟CD8β鎖及びCD8α鎖を含み、成熟CD8β鎖は、配列番号121〜125のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列を含むか、それからなり、成熟CD8α鎖は、配列番号120のアミノ酸配列を含むか、それからなる。
【0064】
さらなる実施形態では、コードされる結合タンパク質は、成熟TCR V
αドメイン及び成熟TCR V
βドメインを含み、ここで、(a)V
βドメインは配列番号96のアミノ酸配列を含むか、それからなり、V
αドメインは配列番号97のアミノ酸配列を含むか、それからなり、(b)V
βドメインは配列番号98のアミノ酸配列を含むか、それからなり、V
αドメインは配列番号99のアミノ酸配列を含むか、それからなり、(c)V
βドメインは配列番号100のアミノ酸配列を含むか、それからなり、V
αドメインは配列番号101のアミノ酸配列を含むか、それからなり、(d)V
βドメインは配列番号102のアミノ酸配列を含むか、それからなり、V
αドメインは配列番号103のアミノ酸配列を含むか、それからなり、(e)V
βドメインは配列番号104のアミノ酸配列を含むか、それからなり、V
αドメインは配列番号105のアミノ酸配列を含むか、それからなり、または(f)V
βドメインは配列番号106のアミノ酸配列を含むか、それからなり、V
αドメインは配列番号107のアミノ酸配列を含むか、それからなる。
【0065】
本開示の操作された免疫細胞に含まれるコードされる結合タンパク質は、いくつかの実施形態では、TCR定常ドメインを含むことができる。ある特定の実施形態では、TCR定常ドメインは所望のTCR鎖の対形成を増強するように改変される。例えば、改変によって異種性TCRα鎖と異種性TCRβ鎖の間の増強された対形成は、異種性TCR鎖と内在性TCR鎖の望まれない誤対合に関して2つの異種性鎖を含むTCRの優先的なアセンブリーをもたらす(例えば、そのTCR改変が参照により本明細書に組み込まれる、Govers et al.,Trends Mol.Med.16(2):77(2010)を参照されたい)。異種性TCR鎖の対形成を増強する例示的改変としては、異種性TCRα鎖及びβ鎖のそれぞれへの相補的システイン残基の導入が挙げられる。いくつかの実施形態では、異種性TCRα鎖をコードするポリヌクレオチドはアミノ酸位置48(完全長成熟ヒトTCRα鎖配列に対応する)にシステインをコードし、異種性TCRβ鎖をコードするポリヌクレオチドはアミノ酸位置57(完全長成熟ヒトTCRβ鎖配列に対応する)にシステインをコードする。
【0066】
ある特定の実施形態では、コードされる結合タンパク質は、配列番号19、22、24及び26のうちのいずれか1つのアミノ酸配列に少なくとも約90%の配列同一性を有するTCRα鎖定常(C
α)ドメインを含む。さらなる実施形態では、コードされる結合タンパク質は、配列番号19、22、24及び26のうちのいずれか1つのアミノ酸配列に少なくとも約90%の配列同一性を有するTCR C
αをドメイン含み、但し、TCR C
αドメインが位置48に導入されたシステイン残基を保持するという条件である。さらに別の実施形態では、コードされる結合タンパク質は、配列番号19、22、24及び26のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含むか、それからなるTCR C
αドメインを含む。
【0067】
ある特定の実施形態では、コードされる結合タンパク質は、配列番号18、23及び25のうちのいずれか1つのアミノ酸配列に少なくとも約90%の配列同一性を有するTCRβ鎖定常(C
β)ドメインを含む。さらなる実施形態では、コードされる結合タンパク質は、配列番号18、23及び25のうちのいずれか1つのアミノ酸配列に少なくとも約90%の配列同一性を有するTCR C
βドメインを含み、但し、TCR C
βドメインが位置57に導入されたシステイン残基を保持するという条件である。さらに別の実施形態では、コードされる結合タンパク質は、配列番号18、23及び25のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含むか、それからなるTCR C
βドメインを含む。
【0068】
ある特定の実施形態では、コードされる結合タンパク質は、配列番号28、30、32、34、36及び38のうちのいずれか1つのアミノ酸配列に少なくとも約90%同一であるアミノ酸配列を有するTCRα鎖(例えば、TCR C
αドメインと作動的に結合したTCR V
αドメイン)を含み、場合により、TCR C
αドメインは、位置47(C
αドメインの先頭から数える)にシステインを保持する。さらなる実施形態では、コードされる結合タンパク質は、配列番号28、30、32、34、36及び38のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含むか、それからなるTCRα鎖を含む。他の実施形態では、コードされる結合タンパク質は、配列番号27、29、31、33、35及び37のうちのいずれか1つのアミノ酸配列に少なくとも約90%同一であるアミノ酸配列を有するTCRβ鎖(例えば、TCR C
βドメインと作動的に結合したTCR V
βドメイン)を含み、場合により、TCR C
βドメインは、位置57(C
βドメインの先頭から数える)にシステインを保持する。さらに別の実施形態では、コードされる結合タンパク質は、配列番号27、29、31、33、35及び37のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含むか、それからなるTCRβ鎖を含む。
【0069】
本開示の操作された免疫細胞にコードされる結合タンパク質は、開示されるTCRβ鎖と会合した、本明細書中に開示されたTCRα鎖のうちのいずれかを含むことができる。例えば、ある特定の実施形態では、コードされる結合タンパク質は、(a)配列番号27に示されるアミノ酸配列を含むか、それからなるTCRβ鎖、及び配列番号28に示されるアミノ酸配列を含むか、それからなるTCRα鎖、(b)配列番号29に示されるアミノ酸配列を含むか、それからなるTCRβ鎖、及び配列番号30に示されるアミノ酸配列を含むか、それからなるTCRα鎖、(c)配列番号31に示されるアミノ酸配列を含むか、それからなるTCRβ鎖、配列番号32に示されるアミノ酸配列を含むか、それからなるTCRα鎖、(d)配列番号33に示されるアミノ酸配列を含むか、それからなるTCRβ鎖、及び配列番号34に示されるアミノ酸配列を含むか、それからなるTCRα鎖、(e)配列番号35に示されるアミノ酸配列を含むか、それからなるTCRβ鎖、及び配列番号36に示されるアミノ酸配列を含むか、それからなるTCR−α鎖、または(f)配列番号37に示されるアミノ酸配列を含むか、それからなるTCRβ鎖、及び配列番号38に示されるアミノ酸配を含むか、それからなるTCR−α鎖を含む。
【0070】
本開示の操作された免疫細胞は、本明細書に記載の結合タンパク質をコードする単一ポリヌクレオチドを含むことができ、または結合タンパク質は1つより多いポリヌクレオチドにコードされてもよい。換言すれば、結合タンパク質の成分または部分は2つ以上のポリヌクレオチドにコードされてもよく、これらのポリヌクレオチドは、単一核酸分子に含まれてもよく、または2つ以上の核酸分子に含まれてもよい。
【0071】
ある特定の実施形態では、本開示の結合タンパク質の2つ以上の成分または部分をコードする1つのポリヌクレオチドは、単一オープンリーディングフレーム中で作動的に結合した2つ以上のコード配列を含む。そのような配置は、好都合なことに、例えば、TCRのアルファ鎖及びベータ鎖の同時発現(その結果、これらは約1:1の比率で生成される)などの、所望の遺伝子産物の協調的発現を可能にし得る。ある特定の実施形態では、本開示の結合タンパク質の2つ以上の置換可能な遺伝子産物、例えば、TCR(例えば、アルファ鎖及びベータ鎖)またはCARは別々の分子で発現し、翻訳後に会合する。さらなる実施形態では、本開示の結合タンパク質の2つ以上の置換可能な遺伝子産物は、切断可能なまたは除去可能なセグメントによって分離された部分を有する単一ペプチドとして発現する。例えば、単一のポリヌクレオチドまたはベクターにコードされる分離可能なポリペプチドの発現に有用な自己切断ペプチドが当技術分野で既知であり、これには、例えば、ブタテッショウウイルス−1 2A(P2A)ペプチド、例えば、配列番号76〜81のうちのいずれか1つに示されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドにコードされるペプチド、トセアアシグナウイルス(Thoseaasigna virus)2A(T2A)ペプチド、例えば、配列番号82に示されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドにコードされるペプチド、ウマ鼻炎Aウイルス(ERAV)2A(E2A)ペプチド、例えば、配列番号83に示されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドにコードされるペプチド、及び口蹄疫ウイルス2A(F2A)ペプチド、例えば、配列番号84に示されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドにコードされるペプチドが含まれる。
【0072】
ある特定の実施形態では、本開示の結合タンパク質は、1つまたは複数のジャンクションアミノ酸を含む。「ジャンクションアミノ酸」または「ジャンクションアミノ酸残基」は、ポリペプチドの2つの隣接するモチーフ、領域またはドメインの間の、例えば、結合ドメインと隣接する定常ドメインの間の、またはTCR鎖と隣接する自己切断ペプチドの間の1つまたは複数の(例えば、2〜約10)のアミノ酸残基を指す。ジャンクションアミノ酸は、融合タンパク質をコードするコンストラクトの設計から(例えば、融合タンパク質をコードする核酸分子の構築の間に制限酵素部位の使用によって生じるアミノ酸残基)、または例えば、本開示のコードされる結合タンパク質の1つまたは複数のドメインに隣接する自己切断ペプチドの切断から(例えば、TCRα鎖とTCRβ鎖の間に配置されるP2Aペプチド。その自己切断は、α鎖、TCRβ鎖または両方に1つまたは複数のジャンクションアミノ酸を残し得る)生じ得る。
【0073】
本開示の操作された免疫細胞に含まれる結合タンパク質は、ある特定の実施形態では、HA−1
Hペプチド:HLA複合体に特異的に結合することができる。例えば、具体的な実施形態では、本開示の結合タンパク質はHA−1
Hペプチド:HLA複合体に特異的に結合することができ、ここで、HLAはHLA−A
*0201を含むことができる。特定の実施形態では、HA−1
Hペプチドはアミノ酸配列VLHDDLLEA(配列番号66)を含む。
【0074】
前述の実施形態のうちのいずれかでは、操作された免疫細胞に含まれるコードされる結合タンパク質は、TCR、TCRの抗原結合性断片(例えば、単鎖TCR(「scTCR」))またはキメラ抗原受容体(「CAR」)を含むことができる。
【0075】
ある特定の実施形態では、TCRの抗原結合性断片は単鎖TCR(scTCR)を含み、これは、TCR V
αとTCR V
βドメインの両方を含むが、単一のTCR定常ドメイン(C
αまたはC
β)しか含まない。さらなる実施形態では、TCRの抗原結合断片またはキメラ抗原受容体は、キメラである(例えば、1つより多いドナーもしくは種由来のアミノ酸残基もしくはモチーフを含む)、ヒト化されている(例えば、ヒトにおいて免疫原性の危険性を低減するように変えられた、もしくは置換された非ヒト生物由来の残基を含む)、またはヒトである。
【0076】
「キメラ抗原受容体」(CAR)は、天然に存在しないまたは宿主細胞中に天然に存在しない様式で互いに連結している2つ以上の天然に存在するアミノ酸配列を含むように操作された融合タンパク質であって、細胞表面上に存在する場合に受容体として機能することができる融合タンパク質を指す。本開示のCARは、膜貫通ドメイン及び1つまたは複数の細胞内シグナリングドメイン(場合により、共刺激性ドメイン(複数可)を含む)に連結した抗原結合ドメインを含む細胞外部分(すなわち、免疫グロブリンまたは免疫グロブリン様分子から得られるまたは生じ、例えば、がん抗原に特異的な抗体もしくはTCRから生じるscFV、またはNK細胞由来の免疫受容体から生じるもしくは得られる抗原結合ドメイン)を含む(例えば、Sadelain et al.,Cancer Discov.,3(4):388(2013)を参照されたい。Harris and Kranz,Trends Pharmacol.Sci.,37(3):220(2016)、及びStone et al.,Cancer Immunol.Immunother.,63(11):1163(2014)も参照されたい)。
【0077】
操作されたTCRを生成する方法は、例えば、Bowerman et al.,Mol.Immunol.46(15):3000(2009)に記載されており、その技法は参照により本明細書に組み込まれる。CARの作製方法は当技術分野で周知であり、例えば、米国特許第6,410,319号、米国特許第7,446,191号、米国特許公開第2010/065818号、米国特許第8,822,647号、PCT公開第WO2014/031687号、米国特許第7,514,537号、及びBrentjens et al.,2007,Clin.Cancer Res.13:5426に記載されており、それらの技法は参照により本明細書に組み込まれる。
【0078】
本開示の操作された免疫細胞は、例えばがんに対する療法として、投与することができる。状況によっては、細胞免疫療法と関係がある活性を低減または停止することが望ましい場合もある。したがって、ある特定の実施形態では、本開示の操作された免疫細胞は、結合タンパク質及びアクセサリータンパク質、例えば、安全スイッチタンパク質(これは、望ましい場合に、そのような細胞の活性を選択的にモジュレートする(例えば、減らすまたは除去する)ために、同族薬物または他の化合物を使用して標的にされ得る)をコードする異種性ポリヌクレオチドを含む。この関連で使用される安全スイッチタンパク質としては、例えば、医薬品グレードの抗EGFRモノクローナル抗体、セツキシマブ(アービタックス)tEGF受容体のための、細胞外N末端リガンド結合ドメイン及び細胞内受容体型チロシンキナーゼ活性がないが、ネイティブアミノ酸配列、I型膜貫通細胞表面局在及び立体構造的にインタクトな結合エピトープを保持するトランケートされたEGF受容体ポリペプチド(huEGFRt)、(tEGFr;Wang et al.,Blood 118:1255−1263,2011)、カスパーゼポリペプチド(例えば、iCasp9;Straathof et al.,Blood 105:4247−4254,2005、Di Stasi et al.,N.Engl.J.Med.365:1673−1683,2011、Zhou and Brenner,Exp.Hematol.pii:S0301−472X(16)30513−6.doi:10.1016/j.exphem.2016.07.011)、RQR8(Philip et al,Blood 124:1277−1287,2014)、本明細書で論じる、ヒトc−mycタンパク質の10アミノ酸タグ(Myc)(Kieback et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 105:623−628,2008)、ならびにマーカー/安全スイッチポリペプチド、例えば、RQR(CD20+CD34;Philip et al.,2014)が挙げられる。
【0079】
治療的細胞に有用な他のアクセサリー成分は、細胞が特定される、選別される、単離される、富化されるまたは追跡されるのを可能にするタグまたは選択マーカーを含む。例えば、所望の特性を有する印がつけられた免疫細胞(例えば、抗原特異的TCR及び安全スイッチタンパク質)を、所望の純度の治療用製品へ含めるために、試料中の印がつけられていない細胞から選別することができ、より効率的に活性化させることができ、増殖させることができる。
【0080】
本明細書で使用する場合、用語「選択マーカー」は、選択マーカーを含むポリヌクレオチドで形質導入された免疫細胞の検出及びポジティブ選択を可能にする特定可能な変化を細胞に与える核酸コンストラクトを含む。RQRは、CD20の主要細胞外ループ及び2つの最小CD34結合部位を含む選択マーカーである。いくつかの実施形態では、RQRをコードするポリヌクレオチドは、16アミノ酸のCD34最小エピトープをコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態、例えば、本明細書の実施例で提供されるある特定の実施形態では、CD34最小エピトープはCD8ストークドメインのアミノ末端位置に組み込まれる(Q8)。さらなる実施形態では、CD34最小結合部位配列をCD20に対する標的エピトープと結合させて、T細胞に対するコンパクトなマーカー/自殺遺伝子(RQR8)を形成することができる(Philip et al.,2014、参照により本明細書に組み込まれる)。このコンストラクトは、例えば、導入遺伝子を発現する操作されたT細胞の選択的除去を可能にする臨床的に認められた医薬的抗体リツキシマブを利用する、磁気ビーズ(Miltenyi)に結合したCD34特異的抗体を用いて、そのコンストラクトを発現する免疫細胞の選択を可能にする(Philip et al.,2014)。
【0081】
さらなる例示的選択マーカーとしては、通常はT細胞で発現していない、いくつかのトランケートされたI型膜貫通タンパク質:トランケートされた低親和性神経成長因子、トランケートされたCD19及びトランケートされたCD34も挙げられる(例えば、それぞれその全体が本明細書に組み込まれる、Di Stasi et al,N.Engl.J.Med.365:1673−1683,2011、Mavilio et al.,Blood 83:1988−1997,1994、Fehse et al.,Mol.Ther.1:448−456,2000を参照されたい)。CD19及びCD34の特に魅力的な特色は、臨床グレードの選別のためにこれらのマーカーを標的にすることができる、既製のMiltenyi CliniMACs(商標)選択システムが利用できることである。しかし、CD19及びCD34は、組み込むベクターのベクターパッケージング能力及び転写効率に重い負担をかける可能性がある、比較的大きな表面タンパク質である。細胞外の非シグナリングドメインまたは様々なタンパク質(例えば、CD19、CD34、LNGFR)を含む表面マーカーも用いることができる。任意の選択マーカーを用いることができ、これは、医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準(Good Manufacturing Practices)にふさわしいものであるべきである。ある特定の実施形態では、選択マーカーは、目的の遺伝子産物(例えば、TCRまたはCARなどの本開示の結合タンパク質)をコードするポリヌクレオチドとともに発現される。選択マーカーのさらなる例としては、例えば、レポーター、例えば、GFP、EGFP、β−galまたはクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)が挙げられる。ある特定の実施形態では、例えばCD34などの選択マーカーは細胞によって発現され、CD34は、本明細書に記載の方法で使用するための形質導入された目的の細胞を選択する、富化する、または単離する(例えば、免疫磁気選択による)するのに使用することができる。本明細書で使用する場合、CD34マーカーは、抗CD34抗体、または例えば、scFV、TCRもしくはCD34に結合する他の抗原認識成分と区別される。
【0082】
ある特定の実施形態では、選択マーカーは、RQRポリペプチド、トランケートされた低親和性神経成長因子(tNGFR)、トランケートされたCD19(tCD19)、トランケートされたCD34(tCD34)またはこれらの任意の組み合わせを含む。
【0083】
背景として、免疫療法細胞生成物へのCD4
+T細胞の包含は、抗原誘導性IL−2分泌をもたらすことができ、移行させた細胞傷害性CD8
+T細胞の持続性及び機能を増強することができる(例えば、Kennedy et al.,Immunol.Rev.222:129(2008)、Nakanishi et al.,Nature 462(7272):510(2009)を参照されたい)。ある状況では、CD4
+T細胞中のクラスI拘束性TCRは、クラスI HLAペプチド複合体に対するTCRの感度を増強するために、CD8共受容体の移行を必要とし得る。CD4共受容体はCD8と構造が異なり、効果的にCD8共受容体の代わりになり得ない(例えば、Stone & Kranz,Front.Immunol.4:244(2013)を参照されたい。Cole et al.,Immunology 137(2):139(2012)も参照されたい)。したがって、本開示の組成物及び方法で使用するための別のアクセサリータンパク質は、CD8共受容体またはその成分を含む。
【0084】
ある特定の実施形態では、本開示の結合タンパク質をコードする異種性ポリヌクレオチドを含む操作された免疫細胞は、さらに、CD8共受容体タンパク質またはそのベータ鎖もしくはアルファ鎖成分をコードする異種性ポリヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、コードされるCD8共受容体は、配列番号71〜75のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含むβ鎖を含む。さらなる実施形態では、コードされるCD8共受容体は、配列番号69のアミノ酸配列を有するRQRポリペプチドをさらに含む組換えCD8共受容体である。理論に拘束されることを望むものではないが、RQRポリペプチドが選択マーカー/安全スイッチとして機能するためには、宿主細胞表面からの距離が重要であると信じられている(Philip et al.,2010(上記))。いくつかの実施形態では、コードされるRQRポリペプチドは、コードされるCD8共受容体のβ鎖、α鎖または両方に含まれる。具体的な実施形態では、操作された免疫細胞は、iCasp9をコードする異種性ポリヌクレオチド、及びRQRポリペプチドを含むβ鎖を含み、CD8α鎖をさらに含む組換えCD8共受容体タンパク質をコードする異種性ポリヌクレオチドを含む。特定の実施形態では、コードされるCD8α鎖は配列番号70に示されるアミノ酸配列を含む。
【0085】
さらなる実施形態では、操作された免疫細胞は、iCasp9をコードする異種性ポリヌクレオチド、及びRQRポリペプチドを含むα鎖を含み、さらにCD8β鎖を含む組換えCD8共受容体タンパク質をコードする異種性ポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、コードされるCD8α鎖とコードされるCD8β鎖の両方はRQRポリペプチドを含む。
【0086】
操作された免疫細胞は、結合タンパク質、安全スイッチタンパク質、選択マーカー及びCD8共受容体タンパク質をコードする単一ポリヌクレオチドを含むように効率的に形質導入され得、この単一ポリヌクレオチドを効率的に発現することができる。例えば、いくつかの実施形態では、本開示の操作された免疫細胞は、5’から3’に、([iCasp9ポリペプチド]−[ブタテッショウウイルス2A(P2A)ペプチド]−[TCRβ鎖]−[P2Aペプチド]−[TCRα鎖]−[P2Aペプチド]−[RQRポリペプチドを含むCD8β鎖]−[P2Aペプチド]−[CD8α鎖])をコードする異種性ポリヌクレオチドを含む。具体的な実施形態では、TCRβ鎖をコードするポリヌクレオチドは、配列番号41のヌクレオチド配列を含むか、それからなり、TCRα鎖をコードするポリヌクレオチドは配列番号42のヌクレオチド配列を含むか、それからなる。
【0087】
特定の実施形態では、操作された免疫細胞は、配列番号85のヌクレオチド配列を含むか、それからなる異種性ポリヌクレオチドを含む。
【0088】
例えば、T細胞、NK細胞、またはNK−T細胞を含めて、任意の適切な免疫細胞を、本開示の結合タンパク質をコードする異種性ポリヌクレオチドを含むように操作することができる。いくつかの実施形態では、操作された免疫細胞は、CD4
+T細胞、CD8
+T細胞、または両方を含む。所望の核酸でT細胞をトランスフェクトする/形質導入する方法は、所望の標的特異性のT細胞を使用する養子移植手順(例えば、Schmitt et al.,Hum.Gen.20:1240,2009、Dossett et al.,Mol.Ther.17:742,2009、Till et al.,Blood 112:2261,2008、Wang et al.,Hum.Gene Ther.18:712,2007、Kuball et al.,Blood1 109:2331,2007、US2011/0243972、US2011/0189141、Leen et al.,Ann.Rev.Immunol.25:243,2007)を有するとして記載されており(例えば、米国特許出願公開第US2004/0087025号)、したがって、本明細書における教示に基づいて、本明細書中に開示される実施形態へこれらの方法体系を適合させることが意図される。
【0089】
任意の適切な方法を使用して、細胞、例えばT細胞をトランスフェクトするもしくは形質導入する、または本方法のポリヌクレオチドもしくは組成物を投与することができる。ポリヌクレオチドを宿主細胞に送達するための既知の方法としては、例えば、陽イオンポリマー、脂質様分子及びある特定の市販品、例えば、IN−VIVO−JET PEIなどの使用が挙げられる。他の方法としては、エキソビボの形質導入、注射、エレクトロポレーション、DEAE−デキストラン、超音波処理の負荷、リポソーム媒介性トランスフェクション、受容体媒介性形質導入、微粒子銃、トランスポゾン媒介性移行などが挙げられる。宿主細胞をトランスフェクトするまたは形質導入するさらに別の方法は、本明細書でさらに詳細に記載されるベクターを使用する。
【0090】
前述の実施形態のうちのいずれかでは、操作された免疫細胞は、免疫シグナリングまたは他の関連した活性に関与するポリペプチドをコードする1種または複数の内在性遺伝子の発現を低減させるまたは排除するように改変された「万能ドナー」細胞でもよい。例示的遺伝子ノックアウトとしては、PD−1、LAG−3、CTLA4、TIM3、HLA分子、TCR分子などをコードするものが挙げられる。理論に拘束されることを望むものではないが、ある特定の内因的に発現した免疫細胞タンパク質は、操作された免疫細胞を受け取った同種異系宿主によって外来性として認識され得、これは、操作された免疫細胞を排除させる可能性があり(例えば、HLAアレル)、または操作された免疫細胞の免疫活性をダウンレギュレートする可能性があり(例えば、PD−1、LAG−3、CTLA4)、または異種発現した本開示の結合タンパク質の結合活性を妨げる可能性がある(例えば、非HA−1
H抗原に結合し、それによって、HA−1
H抗原を発現する細胞に結合する操作された免疫細胞を妨げる、内在性TCR)。したがって、そのような内在性遺伝子またはタンパク質の発現または活性を低下させるまたは排除することは、同種異系宿主内における操作された免疫細胞の活性、寛容性及び持続性を向上させることができ、(例えば、HLA型を問わず任意の受容者に)投与するための万能の「既製の」細胞が可能になる。
【0091】
ある特定の実施形態では、本開示の操作された免疫細胞は、PD−1、LAG−3、CTLA4、TIM3、HLA成分(例えば、α1マクログロブリン、α2マクログロブリン、α3マクログロブリン、β1ミクログロブリン、もしくはβ2ミクログロブリンをコードする遺伝子)、またはTCR成分(例えば、TCR可変領域またはTCR定常領域をコードする遺伝子)をコードする遺伝子の1つまたは複数の染色体遺伝子ノックアウトを含む(Torikai et al.,Nature Sci.Rep.6:21757(2016)、Torikai et al.,Blood 119(24):5697(2012)、及びTorikai et al.,Blood 122(8):1341(2013)を参照されたい。これらの遺伝子編集技法及び組成物は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。本明細書で使用する場合、用語「染色体遺伝子ノックアウト」は、操作された免疫細胞による機能的に活性な内在性ポリペプチド産物の産生を防止する、操作された免疫細胞における遺伝子の変化を指す。染色体遺伝子ノックアウトをもたらす変化としては、例えば、導入されたナンセンス変異(未成熟終止コドンの形成を含める)、ミスセンス変異、遺伝子欠失及び鎖破壊、ならびに操作された免疫細胞において内在性遺伝子発現を阻害する阻害性核酸分子の異種性発現を挙げることができる。
【0092】
染色体遺伝子ノックアウトは、免疫細胞の染色体編集によって導入することができる。ある特定の実施形態では、染色体遺伝子ノックアウトは免疫細胞の染色体編集によって行われる。染色体編集は、例えば、エンドヌクレアーゼを使用して実施することができる。本明細書で使用する場合、「エンドヌクレアーゼ」は、ポリヌクレオチド鎖内のホスホジエステル結合の切断を触媒することができる酵素を指す。ある特定の実施形態では、エンドヌクレアーゼは、標的遺伝子を切断し、それによって、標的遺伝子を不活性化する、または「ノックアウトする」ことができる。エンドヌクレアーゼは、天然に存在していてもよく、組換えでもよく、遺伝子改変されていてもよく、または融合エンドヌクレアーゼでもよい。エンドヌクレアーゼによって引き起こされる核酸の鎖破壊は、一般に、相同組換えまたは非相同末端結合(NHEJ)の異なる機構を介して修復される。相同組換えの間、ドナー核酸分子は、標的遺伝子を不活性化するための遺伝子「ノックイン」に使用され得る。NHEJは、切断部位でDNA配列に変化、例えば、少なくとも1つのヌクレオチドの置換、欠失または付加をもたらすことが多い、エラーを起こしやすい修復プロセスである。NHEJは、標的遺伝子を「ノックアウトする」のに使用することができる。エンドヌクレアーゼを使用して免疫細胞中の遺伝子または遺伝子発現を破壊するまたはノックアウトする方法は当技術分野で既知であり、例えば、PCT公開第WO2015/066262号、第WO2013/074916号、及び第WO2014/059173号に記載されており、これらのそれぞれからの方法は、参照により組み込まれる。エンドヌクレアーゼの例としては、ジンクフィンガーヌクレアーゼ、TALE−ヌクレアーゼ、CRISPR−Casヌクレアーゼ及びメガヌクレアーゼが挙げられる。
【0093】
本明細書で使用する場合、「ジンクフィンガーヌクレアーゼ」(ZFN)は、非特異的DNA切断ドメイン、例えば、FokIエンドヌクレアーゼに融合したジンクフィンガーDNA結合ドメインを含む融合タンパク質を指す。約30アミノ酸の各ジンクフィンガーモチーフはDNAの約3塩基対に結合し、ある特定の残基のアミノ酸をトリプレット配列の特異性を変化させるように変えることができる(例えば、Desjarlais et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.90:2256−2260,1993、Wolfe et al.,J.Mol.Biol.285:1917−1934,1999を参照されたい)。所望のDNA配列、例えば、約9〜約18塩基対の範囲の長さを有する領域に対する結合特異性をもたらすために、複数のジンクフィンガーモチーフを直列に連結することができる。背景として、ZFNは、ゲノム中の部位特異的なDNA二本鎖破壊(DSB)の形成を触媒することによってゲノム編集を媒介し、DSB部位におけるゲノムに相同な隣接配列を含む導入遺伝子の標的化組み込みは、相同組み換え修復によって促進される。あるいは、ZFNによって生成されたDSBは、切断部位でヌクレオチドの挿入または欠失をもたらすエラーを起こしやすい細胞性修復経路である非相同末端結合による(NHEJ)修復を介して、標的遺伝子のノックアウトをもたらし得る。ある特定の実施形態では、遺伝子ノックアウトは、ZFN分子を使用して作製された、挿入、欠失、変異またはこれらの組み合わせを含む。
【0094】
本明細書で使用する場合、「転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ」(TALEN)は、TALE DNA結合ドメイン及びDNA切断ドメイン、例えばFokIエンドヌクレアーゼを含む融合タンパク質を指す。「TALE DNA結合ドメイン」または「TALE」は、それぞれ、一般に、12番目及び13番目のアミノ酸が異なる高度に保存された33〜35アミノ酸配列を有する、1つまたは複数のTALE反復ドメイン/単位からなる。TALE反復ドメインは、標的DNA配列へのTALEの結合に関与する。反復可変二残基(RVD)と称される異なるアミノ酸残基は、特異的なヌクレオチド認識と関連がある。これらのTALEのDNA認識のための天然の(標準的な)コードは、位置12及び13のHD配列はシトシン(c)への結合をもたし、NGはTに結合し、NIはAに結合し、NNはGまたはAに結合し、及びNGはTに結合するように決定されており、非標準の(非定型の)RVDも知られている(例えば、その非定型のRVDが参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許公開第US2011/0301073号を参照されたい)。TALENは、T細胞のゲノム中で部位特異的な二本鎖破壊(DSB)を導くのに使用することができる。非相同末端結合(NHEJ)は、アニーリングのための配列重複がほとんどないまたはまったくない、二本鎖破壊の両側からのDNAを連結し、それによって、ノックアウト遺伝子が発現するエラーを導入する。あるいは、相同組み換え修復は、導入遺伝子中に相同な隣接配列が存在することを条件として、DSB部位に導入遺伝子を導入することができる。ある特定の実施形態では、遺伝子ノックアウトは、挿入、欠失、変異またはこれらの組み合わせを含み、TALEN分子を使用して作製される。
【0095】
本明細書で使用する場合、「クラスター化して規則的な配置の短い回文配列リピート/Cas」(CRISPR/Cas)ヌクレアーゼシステムは、塩基対形成の相補性を介してゲノム内の標的部位(プロトスペーサーとして知られている)を認識し、次いで、短い、保存されたプロトスペーサー関連モチーフ(PAM)が相補的標的配列の3’に直接続く場合にDNAを切断するためにCRISPR RNA(crRNA)ガイドCasヌクレアーゼを用いるシステムを指す。CRISPR/Casシステムは、Casヌクレアーゼの配列及び構造に基づいて、3つの型(すなわち、I型、II型及びIII型)に分類される。I型及びIII型のcrRNAガイドサーベイランス複合体は、複数のCasサブユニットを必要とする。最も研究されているII型システムは、少なくとも3つの成分:RNAガイドCas9ヌクレアーゼ、crRNA及びトランスアクティングcrRNA(tracrRNA)を含む。tracrRNAは二本鎖形成領域を含む。crRNA及びtracrRNAは、Cas9ヌクレアーゼと相互作用することができ、crRNAのスペーサーとPAMから上流の標的DNAのプロトスペーサーの間のワトソン−クリック塩基対形成を介して、標的DNAの特定の部位にCas9/crRNA:tracrRNA複合体をガイドすることができる二本鎖を形成する。Cas9ヌクレアーゼは、crRNAスペーサーによって規定された領域内の二本鎖破壊を切断する。NHEJによる修復は、標的遺伝子座の発現を破壊する挿入及び/または欠失をもたらす。あるいは、相同組み換え修復を介して、相同な隣接配列を有する導入遺伝子をDSB部位に導入することができる。crRNA及びtracrRNAは、単一のガイドRNA(sgRNAまたはgRNA)に操作することができる(例えば、Jinek et al.,Science 337:816−21,2012を参照されたい)。さらに、標的部位に相補的なガイドRNAの領域を所望の配列を標的にするように変えるまたはプログラムすることができる(Xie et al.,PLOS One 9:e100448,2014、米国特許出願公開第US2014/0068797号、米国特許出願公開第US2014/0186843号、米国特許第8,697,359号及びPCT公開第WO2015/071474号。これらのそれぞれの技法及び組成物は参照により組み込まれる)。ある特定の実施形態では、遺伝子ノックアウトは、挿入、欠失、変異またはこれらの組み合わせを含み、CRISPR/Casヌクレアーゼシステムを使用して作製される。
【0096】
本明細書で使用する場合、「ホーミングエンドヌクレアーゼ」とも称される「メガヌクレアーゼ」は、大きな認識部位(約12〜約40塩基対の二本鎖DNA配列)を特徴とするエンドデオキシリボヌクレアーゼを指す。メガヌクレアーゼは、配列及び構造モチーフに基づいて、以下の5つのファミリーに分けることができる:LAGLIDADG、GIY−YIG、HNH、His−Cysボックス及びPD−(D/E)XK。例示的メガヌクレアーゼとしては、I−SceI、I−CeuI、PI−PspI、PI−Sce、I−SceIV、I−CsmI、I−PanI、I−SceII、I−PpoI、I−SceIII、I−CreI、I−TevI、I−TevII及びI−TevIIIが挙げられ、これらの認識配列は既知である(例えば、米国特許第5,420,032号及び第6,833,252号、Belfort et al.,Nucleic Acids Res.25:3379−3388,1997、Dujon et al.,Gene 82:115−118,1989、Perler et al.,Nucleic Acids Res.22:1125−1127,1994、Jasin, Trends Genet.12:224−228,1996、Gimble et al.,J.Mol.Biol.263:163−180,1996、Argast et al.,J.Mol.Biol.280:345−353,1998を参照されたい)。
【0097】
ある特定の実施形態では、PD−1、LAG3、TIM3、CTLA4、HLAをコードする遺伝子、またはTCR成分をコードする遺伝子から選択される標的の部位特異的なゲノム改変を促進するために、天然に存在するメガヌクレアーゼを使用することができる。他の実施形態では、標的遺伝子に対して新規な結合特異性を有する操作されたメガヌクレアーゼが、部位特異的なゲノム改変に使用される(例えば、Porteus et al.,Nat.Biotechnol.23:967−73,2005、Sussman et al.,J.MOL.BIOL.342:31−41,2004、Epinat et al.,Nucleic Acids Res.31:2952−62,2003、Chevalier et al.,Molec.Cell 10:895−905,2002、Ashworth et al.,Nature 441:656−659,2006、Paques et al.,Curr.Gene Ther.7:49−66,2007、米国特許公開第US2007/0117128号、第US2006/0206949号、第US2006/0153826号、第US2006/0078552号及び第US2004/0002092号を参照されたい)。
【0098】
ある特定の実施形態では、染色体遺伝子ノックアウトは、腫瘍関連抗原に特異的に結合する抗原特異的受容体をコードする異種性ポリヌクレオチドを含む操作された免疫細胞に導入されている阻害性核酸分子を含み、阻害性核酸分子は標的特異的阻害剤をコードし、コードされる標的特異的阻害剤は、操作された免疫細胞において、内在性遺伝子発現(すなわち、PD−1、TIM3、LAG3、CTLA4、HLA成分、TCR成分またはこれらの任意の組み合わせのもの)を阻害する。
【0099】
染色体遺伝子ノックアウトは、ノックアウト手順または薬剤の使用の後に、操作された免疫細胞のDNAをシーケンスすることによって、直接的に確認することができる。染色体遺伝子ノックアウトは、ノックアウトの後に遺伝子発現を欠くこと(例えば、遺伝子にコードされるmRNAまたはポリペプチド産物を欠くこと)によって、推測することができる。
【0100】
別の態様では、本開示の操作された免疫細胞及び医薬的に許容可能な担体、希釈剤または賦形剤を含む組成物が本明細書で提供される。有効量の操作された免疫細胞または操作された免疫細胞を含む組成物を含む単位用量も本明細書で提供される。ある特定の実施形態では、単位用量は、約1:1の比率で、(i)少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、または少なくとも約95%の操作されたCD4
+T細胞を含む組成物を、(ii)少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、または少なくとも約95%の操作されたCD8
+T細胞を含む組成物と組み合わせて含み、ここで、単位用量は、低減量のナイーブT細胞を含むか、実質的に含まない(すなわち、匹敵する数のPBMCを有する患者試料と比較して、約50%未満、約40%未満、約30%未満、約20%未満、約10%未満、約5%未満、約1%未満の、単位用量中に存在するナイーブT細胞の集団を有する)。
【0101】
いくつかの実施形態では、単位用量は、約1:1の比率で、(i)少なくとも約50%の操作されたCD4
+T細胞を含む組成物を、(ii)少なくとも約50%の操作されたCD8
+T細胞を含む組成物と組み合わせて含み、ここで、単位用量は、低減量のナイーブT細胞を含むか、実質的に含まない。さらなる実施形態では、単位用量は、約1:1の比率で、(i)少なくとも約60%の操作されたCD4
+T細胞を含む組成物を、(ii)少なくとも約60%の操作されたCD8
+T細胞を含む組成物と組み合わせて含み、ここで、単位用量は、低減量のナイーブT細胞を含むか、実質的に含まない。さらに別の実施形態では、単位用量は、約1:1の比率で、(i)少なくとも約70%の操作されたCD4
+T細胞を含む組成物を、(ii)少なくとも約70%の操作されたCD8
+T細胞を含む組成物と組み合わせて含み、ここで、単位用量は、低減量のナイーブT細胞を含むか、実質的に含まない。いくつかの実施形態では、単位用量は、約1:1の比率で、(i)少なくとも約80%の操作されたCD4
+T細胞を含む組成物を、(ii)少なくとも約80%の操作されたCD8
+T細胞を含む組成物と組み合わせて含み、ここで、単位用量は、低減量のナイーブT細胞を含むか、実質的に含まない。いくつかの実施形態では、単位用量は、約1:1の比率で、(i)少なくとも約85%の操作されたCD4
+T細胞を含む組成物を、(ii)少なくとも約85%の操作されたCD8
+T細胞を含む組成物と組み合わせて含み、ここで、単位用量は、低減量のナイーブT細胞を含むか、実質的に含まない。いくつかの実施形態では、単位用量は、約1:1の比率で、(i)少なくとも約90%の操作されたCD4
+T細胞を含む組成物を、(ii)少なくとも約90%の操作されたCD8
+T細胞を含む組成物と組み合わせて含み、ここで、単位用量は、低減量のナイーブT細胞を含むか、実質的に含まない。
【0102】
本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかでは、単位用量は、等しいまたはほぼ等しい数の操作されたCD45RA
−CD3
+CD8
+及び操作されたCD45RA
−CD3
+CD4
+T
M細胞を含む。
【0103】
ポリヌクレオチド、導入遺伝子及びベクター
さらなる態様では、本開示は、単離ポリヌクレオチドの少なくとも一部が宿主細胞(例えば、本明細書で開示されるような操作された免疫細胞)における発現のためにコドン最適化されるという条件で、本明細書に記載の結合タンパク質(例えば、HA−1
H特異的TCR、scTCRまたは本明細書に記載のTCR V
α及びV
βドメインを含む(及び場合により、本明細書に記載の定常ドメインもしくは他の成分をさらに含む)CAR)をコードし、さらに、安全スイッチタンパク質、選択マーカー、CD8共受容体β鎖またはCD8共受容体α鎖またはこれらの任意の組み合わせをコードしていてもよい単離ポリヌクレオチドを提供する。
【0104】
特に、(例えば、本開示の結合タンパク質のうちのいずれかをコードする)、操作された免疫細胞に含まれる前述の異種性ポリヌクレオチドのうちのいずれも、さらに、または代わりに単離形態で提供され得、ここで、ポリヌクレオチドは宿主細胞における発現のためにコドン最適化される。例えば、ある特定の実施形態では、単離ポリヌクレオチドはHA−1
H特異的結合タンパク質のTCRβ鎖をコードし、配列番号39、41、43、45、47、49または51のうちのいずれか1つのヌクレオチド配列を含むか、それからなる。さらなる実施形態では、単離ポリヌクレオチドは、HA−1
H特異的結合タンパク質のTCRα鎖をコードし、配列番号40、42、46、48、50または52のうちのいずれか1つのヌクレオチド配列を含むか、それからなる。
【0105】
ある特定の実施形態では、TCRα鎖をコードする異種性ポリヌクレオチド及びTCRβ鎖をコードする異種性ポリヌクレオチドは、操作された免疫細胞に含まれる単一オープンリーディングフレーム中に含まれ、単一オープンリーディングフレームは、α鎖をコードするポリヌクレオチド及びβ鎖をコードするポリヌクレオチドの間に配置される自己切断ペプチドをコードするポリヌクレオチドをさらに含む。いくつかの実施形態では、自己切断ペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号76〜84のうちのいずれか1つのヌクレオチド配列を含むか、それからなる。
【0106】
さらなる実施形態では、単一オープンリーディングフレームは、配列番号59〜63のうちのいずれか1つのヌクレオチド配列に対して少なくとも約80%同一のヌクレオチド配列を含む。具体的な実施形態では、単一オープンリーディングフレームは、配列番号59〜63のうちのいずれか1つのヌクレオチド配列を含むか、それからなる。さらに別の実施形態では、コードされる([TCRβ鎖]−[自己切断ペプチド]−[TCRα−鎖])は、配列番号53〜57のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含むか、それからなり、これは、細胞がシグナルペプチドを除去する前、及び自己切断ペプチドによってβ鎖とα鎖が分離される前に存在する。
【0107】
本開示の単離ポリヌクレオチドは、本明細書で開示されるように、安全スイッチタンパク質、選択マーカー、CD8共受容体β鎖(例えば、配列番号71〜75)、またはCD8共受容体アルファ鎖(例えば、配列番号70)をコードするポリヌクレオチドをさらに含むことができ、または任意のそれらの組み合わせをコードするポリヌクレオチドを含むことができる。具体的な実施形態では、単離物は、iCasp9をコードする異種性ポリヌクレオチド及びRQRポリペプチドを含むβ鎖またはα鎖を含む組換えCD8共受容体タンパク質をコードする異種性ポリヌクレオチドを含む。
【0108】
いくつかの実施形態では、単離ポリヌクレオチドは、5’から3’に、([安全スイッチタンパク質をコードするポリヌクレオチド]−[自己切断ペプチドをコードするポリヌクレオチド]−[TCRβ鎖をコードするポリヌクレオチド]−[自己切断ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド]−[TCRα鎖をコードするポリヌクレオチド]−[自己切断ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド]−[RQRポリペプチドを含むCD8β鎖をコードするポリヌクレオチド]−[自己切断ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド]−[CD8α鎖をコードするポリヌクレオチド])を含む単一オープンリーディングフレームを含む。
【0109】
さらなる実施形態では、単離ポリヌクレオチドは、5’から3’に、([iCasp9ポリペプチド]−[ブタテッショウウイルス2A(P2A)ペプチド]−[TCRβ鎖]−[P2Aペプチド]−[TCRα鎖]−[P2Aペプチド]−[RQRポリペプチドを含むCD8β鎖]−[P2Aペプチド]−[CD8α鎖])をコードする単一オープンリーディングフレームを含む。ある特定の実施形態では、TCRβ鎖をコードするポリヌクレオチドは、配列番号41のヌクレオチド配列を含むか、それからなり、TCRα鎖をコードするポリヌクレオチドは配列番号42のヌクレオチド配列を含むか、それからなる。
【0110】
具体的な実施形態では、単離ポリヌクレオチドは、配列番号85のヌクレオチド配列を含むか、それからなる。
【0111】
本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかでは、単離ポリヌクレオチドは免疫細胞、例えばT細胞における発現のためにコドン最適化される。
【0112】
別の態様では、導入遺伝子コンストラクトが本明細書で提供され、ここで、導入遺伝子コンストラクトは、(a)安全スイッチタンパク質をコードするポリヌクレオチド、(b)TCRβ鎖をコードするポリヌクレオチド、(c)TCRα鎖をコードするポリヌクレオチド、(b)選択マーカーをコードするポリヌクレオチド、(c)CD8共受容体β鎖をコードするポリヌクレオチド、及び(d)CD8共受容体α鎖をコードするポリヌクレオチドを含む単一オープンリーディングフレームに作動的に連結している発現制御配列(例えば、プロモーター配列)を含む。
【0113】
目的のポリペプチドを遺伝子操作する及び生成するための導入遺伝子コンストラクトの構築は、当技術分野で既知の任意の適切な分子生物学操作技法を使用して達成することができる。効率的な転写及び翻訳を得るために、ある特定の実施形態では、本開示の各導入遺伝子コンストラクト中のポリヌクレオチドは、目的のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列に作動可能に(すなわち、作動的に)連結した少なくとも1つの適切な発現制御配列(調節配列とも呼ばれる)、例えば、リーダー配列、特にプロモーターを含む。ある特定の実施形態では、導入遺伝子コンストラクトは、安全スイッチタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含み、コードされる安全スイッチタンパク質は、(i)トランケートされたEGF受容体(tEGFr)、(ii)iCasp9、(iii)RQRポリペプチド、(iv)mycエピトープ、または(v)これらの任意の組み合わせを含む。
【0114】
さらなる実施形態では、コードされる選択マーカーは、(i)RQRポリペプチド、(ii)トランケートされた低親和性神経成長因子(tNGFR)、(iii)トランケートされたCD19(tCD19)、(iv)トランケートされたCD34(tCD34)、または(v)これらの任意の組み合わせを含む。
【0115】
いくつかの実施形態では、コードされるCD8共受容体は、配列番号69に示されるアミノ酸配列を有するRQRポリペプチドを含む組換えCD8共受容体である。特定の実施形態では、導入遺伝子コンストラクトは、コードされるCD8β鎖中に含まれるRQRポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。さらなる実施形態では、導入遺伝子コンストラクトは、コードされるCD8α鎖中に含まれるRQRポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。
【0116】
例えば、ある特定の実施形態では、本開示の導入遺伝子コンストラクトは、(a)安全スイッチタンパク質をコードするポリヌクレオチド、(b)TCRβ鎖をコードするポリヌクレオチド、(c)TCRα鎖をコードするポリヌクレオチド、(d)RQRポリペプチドを含むCD8β鎖をコードするポリヌクレオチド、及び(e)CD8α鎖をコードするポリヌクレオチドを含むオープンリーディングフレームを含む。5’から3’に、([安全スイッチタンパク質をコードするポリヌクレオチド]−[自己切断ペプチドをコードするポリヌクレオチド]−[TCRβ鎖をコードするポリヌクレオチド]−[自己切断ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド]−[TCRα鎖をコードするポリヌクレオチド]−[自己切断ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド]−[RQRポリペプチドを含むCD8β鎖をコードするポリヌクレオチド]−[自己切断ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド]−[CD8α鎖をコードするポリヌクレオチド])を含む単一オープンリーディングフレームを含めて、ポリヌクレオチド成分のいかなる配置も本明細書で意図される。
【0117】
具体的な実施形態では、本開示の導入遺伝子コンストラクトは、5から3’に、([iCasp9ポリペプチド]−[P2Aペプチド]−[TCRβ鎖]−[P2Aペプチド]−[TCRα鎖]−[P2Aペプチド]−[RQRポリペプチドを含むCD8β鎖]−[P2Aペプチド]−[CD8α鎖])をコードする単一オープンリーディングフレームを含む。
【0118】
さらなる実施形態では、導入遺伝子コンストラクトは、本明細書に記載のポリヌクレオチドに作動的に連結した発現制御配列を含むことができる。例えば、導入遺伝子コンストラクトは、本開示の結合タンパク質をコードするポリヌクレオチドに作動的に連結した発現制御配列を含むことができ、ここで、結合タンパク質は、(a)TRAV17遺伝子、TRAV21遺伝子もしくはTRAV10遺伝子にコードされるアミノ酸配列を有するT細胞受容体(TCR)α鎖可変(V
α)ドメイン、ならびに配列番号13〜17及び86のうちのいずれか1つに示されるCDR3アミノ酸配列を含むTCRβ鎖可変(V
β)ドメイン、(b)配列番号87〜92のうちのいずれか1つに示すCDR3アミノ酸配列を含むTCR V
αドメイン、及びTRBV7−9遺伝子にコードされるアミノ酸配列を有するTCR V
βドメイン、または(c)配列番号87〜92のうちのいずれか1つのCDR3アミノ酸配列を含むTCR V
αドメイン、ならびに配列番号13〜17及び86のうちのいずれか1つのCDR3アミノ酸配列を含むTCR V
βドメインを含み、ここで、コードされる結合タンパク質はHA−1
H抗原を含むペプチドに特異的に結合することができ、HA−1
H抗原を含まないペプチドに結合しない。
【0119】
本開示の導入遺伝子コンストラクトを含むベクターも本明細書で提供される。ベクターのいくつかの例としては、プラスミド、ウイルスベクター、コスミドなどが挙げられる。いくつかのベクターは、導入される宿主細胞(例えば、細菌性複製開始点を有する細菌ベクター及びエピソーム哺乳類ベクター)中で自律複製ができ得るが、他のベクターは、宿主細胞のゲノムに組み込まれ得るか、宿主細胞への導入時にポリヌクレオチドインサートの組み込みを促進し、それによって、宿主ゲノムとともに複製することができる(例えば、レンチウイルスベクター、レトロウイルスベクター)。さらに、いくつかのベクターは、作動的に連結した遺伝子の発現を指示することができる(これらのベクターは、「発現ベクター」と称することができる)。関連実施形態によれば、1種または複数の薬剤(例えば、本明細書に記載の結合タンパク質をコードするポリヌクレオチド)が対象に同時投与される場合、各薬剤は、別々のベクター中に、または同じベクター中に存在していてもよく、複数のベクター(それぞれ異なる薬剤または同じ薬剤を含む)を細胞もしくは細胞集団に導入することができ、または対象に投与することができることがさらに理解される。
【0120】
ある特定の実施形態では、本開示のポリヌクレオチドを、ベクターのある特定の要素に作動的に連結することができる。例えば、連結しているコード配列の発現及びプロセシングをもたらすのに必要とされるポリヌクレオチド配列を作動的に連結することができる。発現制御配列としては、適切な転写開始配列、終了配列、プロモーター配列及びエンハンサー配列;効率的なRNAプロセシングシグナル、例えば、スプライシング及びポリアデニル化シグナル;細胞質mRNAを安定化する配列;翻訳効率を増強する配列(すなわち、Kozakコンセンサス配列);タンパク質の安定性を増強する配列;及び場合によっては、タンパク質分泌を増強する配列を挙げることができる。発現制御配列は、それらが、目的の遺伝子及び目的の遺伝子を制御するようにトランスで、または離れて作用する発現制御配列と隣接している場合、作動的に連結され得る。
【0121】
ある特定の実施形態では、ベクターは、プラスミドベクターまたはウイルスベクター(例えば、レンチウイルスベクターもしくはγ−レトロウイルスベクターから選択されるベクター)を含む。ウイルスベクターとしては、レトロウイルス、アデノウイルス、パルボウイルス(例えば、アデノ随伴ウイルス)、コロナウイルス、マイナス鎖RNAウイルス、例えば、オルソミクソウイルス(例えば、インフルエンザウイルス)、ラブドウイルス(例えば、狂犬病ウイルス及び水疱性口内炎ウイルス)、パラミクソウイルス(例えば、麻疹及びセンダイ)、プラス鎖RNAウイルス、例えば、ピコルナウイルス及びアルファウイルス、ならびに二本鎖DNAウイルス、例えば、アデノウイルス、ヘルペスウイルス(例えば、単純ヘルペスウイルス1型及び2型、エプスタイン−バーウイルス、サイトメガロウイルス)、ならびにポックスウイルス(例えば、ワクシニア、鶏痘及びカナリア痘)が挙げられる。他のウイルスとしては、例えばノーウォークウイルス、トガウイルス、フラビウイルス、レオウイルス、パポーバウイルス、ヘパドナウイルス及び肝炎ウイルスが挙げられる。レトロウイルスの例としては、トリ白血病肉腫、哺乳類C型、B型ウイルス、D型ウイルス、HTLV−BLV群、レンチウイルス及びスプマウイルスが挙げられる(Coffin,J.M.,Retroviridae:The viruses and their replication,In Fundamental Virology,Third Edition,B.N.Fields et al.,Eds.,Lippincott−Raven Publishers,Philadelphia,1996)。
【0122】
「レトロウイルス」は、RNAゲノムを有するウイルスであり、このRNAゲノムは逆転写酵素を使用してDNAに逆転写され、次いで、逆転写されたDNAは宿主細胞ゲノムに組み込まれる。「ガンマレトロウイルス」は、レトロウイルス科の1つの属を指す。ガンマレトロウイルスの例としては、マウス幹細胞ウイルス、マウス白血病ウイルス、ネコ白血病ウイルス、ネコ肉腫ウイルス及びトリ細網内皮症が挙げられる。本明細書で使用する場合、「レンチウイルスベクター」は、遺伝子送達のためのHIVベースのレンチウイルスベクターを意味し、これは、組み込み型でもよく、または非組み込み型でもよく、比較的大きなパッケージング能力を有し、様々な異なる細胞型を形質導入することができる。レンチウイルスベクターは、通常、プロデューサー細胞への3つ(パッケージング、エンベロープ及び移行)またはそれ以上のプラスミドの一過的トランスフェクションの後に生成される。HIVのように、レンチウイルスベクターは、ウイルス表面の糖タンパク質と細胞表面の受容体の相互作用を介して標的細胞に侵入する。侵入時に、ウイルスRNAは逆転写を受け、これは、ウイルスの逆転写酵素複合体によって媒介される。逆転写産物は二本鎖の直鎖状ウイルスDNAであり、これは、感染細胞のDNAへのウイルスの組み込みの基質である。
【0123】
ある特定の実施形態では、ウイルスベクターは、ガンマレトロウイルス、例えば、モロニーマウス白血病ウイルス(MLV)由来のベクターでもよい。他の実施形態では、ウイルスベクターは、より複雑なレトロウイルス由来のベクター、例えば、レンチウイルス由来のベクターでもよい。HIV−1由来のベクターはこの範疇に属する。他の例としては、HIV−2、FIV、ウマ伝染性貧血ウイルス、SIV及びマエディビスナウイルス(ヒツジレンチウイルス)に由来するレンチウイルスベクターが挙げられる。TCRまたはCAR導入遺伝子を含むウイルス粒子で哺乳類宿主細胞を形質導入するための、レトロウイルス及びレンチウイルスのウイルスベクター及びパッケージング細胞の使用方法は当技術分野で既知であり、例えば、米国特許第8,119,772号、Walchli et al.,PLoS One 6:327930,2011、Zhao et al.,J.Immunol.174:4415,2005、Engels et al.,Hum.Gene Ther.14:1155,2003、Frecha et al.,Mol.Ther.18:1748,2010、及びVerhoeyen et al.,Methods Mol.Biol.506.97,2009において以前に記載されている。レトロウイルス及びレンチウイルスのベクターコンストラクト及び発現システムは市販されてもいる。他のウイルスベクターもポリヌクレオチド送達に使用することができ、例えば、DNAウイルスベクター、例えば、アデノウイルスベースのベクター及びアデノ随伴ウイルス(AAV)ベースのベクター;単純ヘルペスウイルス(HSV)に由来するベクター、例えば、アンプリコンベクター、複製欠陥HSV及び弱毒化HSVである(Krisky et al.,Gene Ther.5:1517,1998)。
【0124】
遺伝子療法用途のために最近開発された他のベクターを本開示の組成物及び方法とともに使用することもできる。そのようなベクターとしては、バキュロウイルス及びα−ウイルスに由来するもの(Jolly,DJ.1999.Emerging Viral Vectors,pp 209−40 in Friedmann T.ed.The Development OF Human Gene Therapy.New York:Cold Spring Harbor Lab)、またはプラスミドベクター(例えば、Sleeping Beautyもしくは他のトランスポゾンベクター)が挙げられる。
【0125】
ウイルスベクターゲノムが、別々の転写産物として宿主細胞で発現させる複数のポリヌクレオチドを含む場合は、ウイルスベクターは、2つの(またはそれ以上の)転写産物の間に、バイシストロニックまたはマルチストロニックな発現を可能にするさらなる配列を含むこともできる。ウイルスベクターで使用されるそのような配列の例としては、配列内リボソーム進入部位(IRES)、フューリン切断部位、ウイルス2Aペプチド、またはこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0126】
ある特定の実施形態では、ベクターは、宿主細胞(例えば、造血前駆細胞またはヒト免疫系細胞)に導入遺伝子コンストラクトを送達することができる。具体的な実施形態では、ベクターは、ヒト免疫系細胞、例えば、CD4
+T細胞、CD8
+T細胞、CD4
−CD8
−二重陰性T細胞、γδT細胞、ナチュラルキラー細胞、樹状細胞、またはこれらの任意の組み合わせなどに導入遺伝子コンストラクトを送達することができる。さらなる実施形態では、ベクターは、ナイーブT細胞、セントラルメモリーT細胞、エフェクターメモリーT細胞、またはこれらの任意の組み合わせに導入遺伝子コンストラクトを送達することができる。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドまたは導入遺伝子コンストラクトをコードするベクターは、宿主細胞で染色体ノックアウトを行うのに使用することができる(例えば、CRISPR−Casエンドヌクレアーゼまたは本明細書で開示されるような別のエンドヌクレアーゼ)、または遺伝子療法の置換(gene therapy replacement)もしくは遺伝子修復療法において、治療的導入遺伝子もしくはその一部を宿主細胞に送達するのに使用することができるヌクレアーゼをコードするポリヌクレオチドをさらに含むことができる。あるいは、染色体ノックアウトまたは遺伝子置換または遺伝子修復療法のために使用されるヌクレアーゼを、本開示のポリヌクレオチドまたは導入遺伝子コンストラクトをコードするベクターから独立して宿主細胞に送達することができる。
【0127】
使用
さらに他の態様では、本開示は、対象において、HA−1抗原の発現を特徴とする過剰増殖性障害を治療するための、または該障害の再発を防止するための方法を提供し、この方法は、本開示の操作された免疫細胞を含む単位用量(または、操作された免疫細胞を含む組成物)を対象に投与し、それによって、過剰増殖性障害を治療することを含む。
【0128】
「治療する」または「治療」または「改善する」は、対象(例えばヒトまたはヒト以外の哺乳動物、例えば、霊長類、ウマ、ネコ、イヌ、ヤギ、マウスもしくはラット)の疾患、障害または状態の医療管理を指す。一般に、本開示の操作された免疫細胞及び場合により補助剤を含む、適切な用量または治療レジメンは、治療的または予防的利益を引き出すのに十分である量で投与される。治療的または予防的/防止的利益としては、臨床転帰の向上、疾患に付随する症状の軽減もしくは緩和、症状の発生の減少、生活の質の向上、より長い無疾患状況、疾患の程度の縮小、病態の安定化、疾患進行の遅延、寛解、生存、長期の生存、またはこれらの任意の組み合わせがあげられる。
【0129】
本明細書で使用する場合、「治療有効量」または「有効量」は、統計学的に有意な方法での、臨床転帰の向上、疾患に付随する症状の軽減もしくは緩和、症状の発生の減少、生活の質の向上、より長い無疾患状況、疾患の程度の縮小、病態の安定化、疾患の進行の遅延、寛解、生存、または長期の生存を含めた治療効果をもたらすのに十分である、操作された免疫細胞の量を指す。単独で投与される、個々の活性成分または単一活性成分を発現する細胞に言及する場合は、治療有効量は、その成分またはその成分を単独で発現する細胞の効果を指す。組み合わせに言及する場合は、治療有効量は、連続的に投与されるか同時に投与されるかに関わらず、活性成分の組み合わせた量または治療効果をもたらす活性成分を発現する細胞と組み合わせた補助活性成分の組み合わせた量を指す。組み合わせはまた、1種より多い活性成分を発現する細胞でもよい。
【0130】
用語「医薬的に許容可能な賦形剤もしくは担体」または「生理学的に許容可能な賦形剤または担体」は、ヒトまたは他のヒト以外の哺乳動物対象への投与に適しており、安全である、または重大な有害事象を引き起こさないと一般に認識されている、生物学的に適合性のビヒクル、例えば生理食塩水(本明細書でより詳細に記載されている)を指す。
【0131】
本明細書で使用する場合、「統計学的に有意な」は、スチューデントのT検定を使用して計算した場合の0.050以下のp値を指し、測定された特定の事象または結果が偶然生じたことはありそうもないことを示す。
【0132】
本明細書中に開示された方法は、例えば、対象において、HA−1抗原の発現を特徴とする過剰増殖性障害を治療するまたは該障害の再発を防止するのに有用であり得、ここでは、HA−1
H抗原は、対象の過剰増殖細胞が発現するHLA複合体中に存在する。
【0133】
HA−1
H:HLA複合体を特徴とする過剰増殖性障害の例としては、血液悪性腫瘍が挙げられる。ある特定の実施形態では、血液悪性腫瘍は、白血病(例えば、急性白血病または慢性白血病)を含む。具体的な実施形態では、白血病は、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病(ALL)、混合表現型急性白血病(MPAL)、慢性骨髄性白血病(CML)、B細胞前リンパ球性白血病、ヘアリーセル白血病、または慢性リンパ性白血病(CLL)を含む。ある特定の実施形態では、血液悪性腫瘍はリンパ腫を含む。ある特定の実施形態では、リンパ腫は、ホジキンリンパ腫(HL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、中枢神経系リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、CD37+樹状細胞リンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫、脾臓周辺帯リンパ腫、形質細胞性骨髄腫、骨外形質細胞腫、粘膜関連(MALT)リンパ組織の節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、結節性辺縁帯B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性体液性リンパ腫、バーキットリンパ腫/白血病、不確定悪性度のB細胞増殖、リンパ腫様肉芽腫症及び移植後リンパ増殖性障害を含む。ある特定の実施形態では、血液悪性腫瘍は、骨髄異形成障害、例えば、単一血球系統の異形成を伴う不応性血球減少症(不応性貧血、不応性好中球減少症及び不応性血小板減少症)、環状鉄芽球を伴う不応性貧血(RARS)、環状鉄芽球を伴う不応性貧血−血小板増加症(RARS−t)、多血球系異形成を伴う不応性血球減少症(RCMD)、多血球系異形成と環状鉄芽球を伴う不応性血球減少症(RCMD−RS)、芽球増加を伴う不応性貧血(RAEB)、分類不可能な脊髄形成異常、及び小児期の不応性血球減少症を含む。さらなる実施形態では、血液悪性腫瘍は骨髄腫を含む。本発明によって治療することができる対象は、一般に、ヒトならびに獣医学目的の他の霊長類対象、例えば、サル及び類人猿である。前述の実施形態のうちのいずれかでは、対象はヒト対象でもよい。対象は雄でも、雌でもよく、乳児、児童、青年、成人及び老人対象を含めたいかなる適切な年齢でもよい。本開示による細胞は、医学分野の当業者によって決定されるような、治療される疾患、状態または障害に適した方法で投与することができる。上記実施形態のうちのいずれかでは、本明細書に記載の操作された免疫細胞または単位用量は、標的細胞(例えば、白血病細胞)に遭遇するように、静脈内に、腹腔内に、腫瘍内に、骨髄に、リンパ節に、または脳脊髄液に投与される。組成物の投与の適切な用量、適切な継続期間及び頻度は、患者の状態;疾患、状態または障害のサイズ、タイプ及び重症度;活性成分の特定の形態;ならびに投与方法などの因子によって決定される。
【0134】
組成物または単位用量中の細胞の量は、少なくとも1つの細胞(例えば、1つの操作されたCD8
+T細胞亜集団、1つの操作されたCD4
+T細胞亜集団)であり、またはより典型的には、10
2細胞を越え、例えば、10
6まで、10
7まで、10
8細胞まで、10
9細胞まで、または10
10細胞を超える。ある特定の実施形態では、細胞は、約106〜約10
10細胞/m
2の範囲で、好ましくは、約10
5〜約10
9細胞/m
2の範囲で投与される。細胞の数は、組成物が意図される最終的な使用及びその中に含まれる細胞のタイプに依存する。例えば、特定の抗原に特異的な融合タンパク質を含むように改変された細胞は、少なくとも30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%またはそれ以上のそのような細胞を含む細胞集団を含むであろう。本明細書で提供される使用については、細胞は一般に、1リットル以下、500ml以下、250ml以下または100ml以下の体積である。実施形態では、所望の細胞の密度は、典型的には、104細胞/mlを越え、一般に、107細胞/mlを越え、一般に、10
8細胞/ml以上である。細胞は、単回注入として、またはある期間にわたって複数回注入で投与することができる。臨床的に適切な数の免疫細胞を、10
6、10
7、10
8、10
9、10
10または10
11細胞に累積的に等しいかそれを超える複数回の注入に分配することができる。ある特定の実施形態では、操作された免疫細胞の単位用量を、同種異系ドナー(例えば、HA1
H−陰性、HLA−A2−陰性または両方であるドナー)由来の造血幹細胞とともに(例えば、同時にまたは同時期に)同時投与することができる。
【0135】
本明細書で開示される操作された免疫細胞及び医薬的に許容可能な担体、希釈剤または賦形剤を含む医薬組成物(すなわち、組成物)も意図される。適切な賦形剤としては、水、生理食塩水、デキストロース、グリセロールなど及びこれらの組み合わせが挙げられる。実施形態では、本明細書で開示される融合タンパク質または宿主細胞を含む組成物は、適切な注入媒体をさらに含む。適切な注入媒体は、任意の等張媒体製剤でもよく、典型的には、通常の生理食塩水、Normosol R(Abbott)またはPlasma−Lyte A(Baxter)、5%デキストロース水、乳酸リンゲル液が利用可能である。ヒト血清アルブミンまたは他のヒト血清成分で注入媒体を補充することができる。
【0136】
医薬組成物は、医学分野の当業者によって決定されるような、治療される(または防止される)疾患または状態に適した方法で投与することができる。組成物の投与の適切な用量及び適切な継続期間及び頻度は、患者の健康状態、患者のサイズ(すなわち、体重、大きさ(mass)または体面積)、患者の状態のタイプ及び重症度、活性成分の特定の形態及び投与方法などの因子によって決定される。一般に、適切な用量及び治療レジメンは、治療的及び/または予防的利益(臨床転帰の向上、例えば、より頻繁な完全なもしくは部分的な寛解、またはより長い無疾患及び/または全生存期間、または症状の重症度の軽減を含めた、本明細書に記載されるようなもの)を提供するのに十分である量で、組成物(複数可)提供する。
【0137】
医薬組成物の有効量は、投薬量で、及び必要とされる期間にわたって、本明細書に記載の所望の臨床結果または有利な治療を達成するのに十分な量を指す。有効量は、1または複数回の投与で送達することができる。投与が疾患または疾患状況を有することが既に知られているか確認されている対象に対するものである場合、用語「治療量」は、治療に関連して使用され得るが、「予防有効量」は、防止クールとして、疾患または疾患状況(例えば、再燃)を発生する余地があるまたは危険性がある対象へ有効量を投与することを説明するのに使用され得る。
【0138】
本明細書に記載の医薬組成物は、単位用量容器または多回用量容器、例えば、密閉のアンプルまたはバイアル中に提供することができる。そのような容器は、患者へ注入するまで製剤の安定性を保持するために、凍結されてもよい。ある特定の実施形態では、単位用量は、約10
7細胞/m
2〜約10
11細胞/m
2の用量で、本明細書に記載の操作された免疫細胞を含む。様々な治療レジメンにおいて本明細書に記載の特定の組成物を使用するのに適した投薬及び治療レジメンの開発は、例えば、非経口または静脈内の投与または製剤を含む。
【0139】
対象組成物が非経口的に投与される場合、組成物は無菌の水性または油性の溶液または懸濁液を含むこともできる。適切な無毒の非経口的に許容可能な希釈剤または溶媒としては、水、リンゲル溶液、等張塩溶液、1,3−ブタンジオール、エタノール、水との混合液状態のプロピレングリコールまたはポリエチレングリコールが挙げられる。水性の溶液または懸濁液は、1種または複数の緩衝剤、例えば、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウムまたは酒石酸ナトリウムをさらに含むことができる。当然ながら、任意の投薬単位製剤の調製に使用されるいかなる材料も、用いられる量において、医薬的に純粋であり、実質的に無毒であるべきである。さらに、活性化合物を徐放性の調製物及び製剤に組み込むことができる。本明細書で使用する場合、投薬単位剤形は、治療対象に対する単位投薬量として適する、物理的に別々の単位を指し、各単位は、適切な医薬担体とともに所望の効果をもたらすように計算された所定量の操作された免疫細胞または活性化合物を含むことができる。
【0140】
一般に、適切な投薬及び治療レジメンは、利益をもたらすのに十分である量で、活性な分子または細胞を提供する。そのような応答は、非治療対象と比較して、治療対象において臨床転帰の向上(例えば、より頻繁な寛解、完全なまたは部分的なまたはより長い無疾患生存)を確立することによって、モニターすることができる。腫瘍タンパク質に対する既存の免疫応答の増大は、一般に、臨床転帰の向上と関連がある。そのような免疫応答は、一般に、標準的な増殖、細胞傷害性またはサイトカインアッセイを使用して評価することができ、これらは決まりきった作業である。
【0141】
予防的使用については、用量は、疾患または障害と関係がある疾患を防止する、その発生を遅らせる、またはその重症度を減らすのに十分であるべきである。本明細書に記載の方法に従って投与される免疫原性組成物の予防的利益は、(インビトロ及びインビボの動物研究を含めた)前臨床研究及び臨床研究を行うことによって、及びそれらから得られたデータを適切な統計学的、生物学的及び臨床的な方法及び技法によって解析することによって決定することができ、当業者はそれらすべてを容易に実施することができる。
【0142】
本明細書で使用する場合、組成物の投与は、送達の経路または様式に関わらず、対象へのその送達を指す。投与は、連続的または断続的及び非経口的に行われ得る。投与は、認識される状態、疾患もしくは病態を有すると既に確認された対象を治療するためでもよく、またはそのような状態、疾患もしくは病態に罹りやすい、またはそのような状態、疾患もしくは病態を発生する危険性がある対象を治療するためでもよい。補助的な療法との同時投与は、任意の順序及び任意の投薬スケジュールでの複数の薬剤の同時及び/または連続的送達(例えば、1種または複数のサイトカイン;免疫抑制療法、例えば、カルシニューリン阻害剤、コルチコステロイド、微小管阻害剤、低用量のミコフェノール酸プロドラッグまたはこれらの任意の組み合わせを伴う操作された免疫細胞)を含むことができる。
【0143】
ある特定の実施形態では、複数用量の本明細書に記載の操作された免疫細胞が対象に投与され、これは約2〜約4週の投与間隔で投与することができる。
【0144】
本開示の治療または防止方法は、治療クールまたはレジメンの一部として対象に施すことができ、これは、本明細書で開示される単位用量、細胞、または組成物の投与の前または後にさらなる治療を含むことができる。例えば、ある特定の実施形態では、操作された免疫細胞の単位用量が与えられている対象は、造血細胞移植(HCT;骨髄破壊的及び非骨髄破壊的HCTを含める)を受けているか、以前に受けたことがあった。具体的な実施形態では、HCTはHA−1
−、HLA−A2
−または両方であるドナー細胞を含み、HCTドナー細胞を受けている対象はHA−1
+/HLA−A2
+である。前述の実施形態のうちのいずれかでは、HCTで使用される造血細胞は、(例えば、本明細書に記載の方法に従う染色体遺伝子ノックアウトによって)HLA分子またはTCR分子から選択されるポリペプチド生成物をコードする1種または複数の内在性遺伝子の発現を低減させるまたは排除するように改変されている「万能ドナー」細胞でもよい。HCTを行うための技法及びレジメンは当技術分野で既知であり、任意の適切なドナー細胞、例えば、臍帯血、骨髄もしくは末梢血に由来する細胞、造血幹細胞、動員された幹細胞、または羊水由来の細胞の移植を含むことができる。したがって、ある特定の実施形態では、本開示の操作された免疫細胞は、改変HCT療法において、造血幹細胞とともに、またはその直後に投与することができる。
【0145】
さらなる実施形態では、対象は、操作された免疫細胞またはHCTを受ける前に、リンパ球枯渇化学療法を以前に受けたことがあった。ある特定の実施形態では、リンパ球枯渇化学療法は、シクロホスファミド、フルダラビン、抗胸腺細胞グロブリン、またはこれらの組み合わせを含む前処置レジメンを含む。
【0146】
本開示による方法は、併用療法で疾患または障害を治療するために1種または複数のさらなる薬剤を投与することをさらに含むことができる。例えば、ある特定の実施形態では、併用療法は、免疫チェックポイント阻害剤とともに(同時発生的に、同時に、または連続して)操作された免疫細胞を投与することを含む。いくつかの実施形態では、併用療法は、刺激性免疫チェックポイント剤のアゴニストとともに操作された免疫細胞を投与することを含む。さらなる実施形態では、併用療法は、第2の療法、例えば、化学療法剤、放射線療法、手術、抗体またはこれらの任意の組み合わせとともに操作された免疫細胞を投与することを含む。
【0147】
本明細書で使用する場合、用語「免疫抑制剤(immune suppression agent)」または「免疫抑制剤(immunosuppression agent)」は、免疫応答を制御または抑制するのを支援するために阻害シグナルを与える、1種または複数の細胞、タンパク質、分子、化合物または複合体を指す。例えば、免疫抑制剤としては、免疫刺激を部分的にもしくは完全に遮断する、免疫活性化を低下させる、防止する、もしくは遅延させる、または免疫抑制を増大させる、活性化する、もしくはアップレギュレートする分子が挙げられる。(例えば、免疫チェックポイント阻害剤ともに)標的にする例示的免疫抑制剤としては、PD−1、PD−L1、PD−L2、LAG3、CTLA4、B7−H3、B7−H4、CD244/2B4、HVEM、BTLA、CD160、TIM3、GAL9、KIR、PVR1G(CD112R)、PVRL2、アデノシン、A2aR、免疫抑制性サイトカイン(例えば、IL−10、IL−4、IL−1RA、IL−35)、IDO、アルギナーゼ、VISTA、TIGIT、LAIR1、CEACAM−1、CEACAM−3、CEACAM−5、TREG細胞、またはこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0148】
免疫抑制剤阻害剤(免疫チェックポイント阻害剤とも称される)は、化合物、抗体、抗体断片もしくは融合ポリペプチド(例えば、FC融合体、例えば、CTLA4−FcもしくはLAG3−Fc)、アンチセンス分子、リボザイムもしくはRNAI分子、または低分子量有機分子でもよい。本明細書に開示される実施形態のうちのいずれかでは、方法は、単独でまたは任意の組み合わせで、以下の免疫抑制成分のうちのいずれか1つの1種または複数の阻害剤とともに、操作された免疫細胞を、含むことができる。
【0149】
ある特定の実施形態では、操作された免疫細胞は、PD−1阻害剤、例えば、PD−1特異的抗体またはその結合断片、例えば、ピディリズマブ、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、MEDI0680(以前はAMP−514)、AMP−224、BMS−936558またはこれらの任意の組み合わせと組み合わせて使用される。さらなる実施形態では、本開示の操作された免疫細胞(または、これを発現する操作された宿主細胞)は、PD−L1特異的抗体またはその結合断片、例えば、BMS−936559、デュルバルマブ(MEDI4736)、アテゾリズマブ(RG7446)、アベルマブ(MSB0010718C)、MPDL3280Aまたはこれらの任意の組み合わせと組み合わせて使用される。
【0150】
ある特定の実施形態では、本開示の操作された免疫細胞は、LAG3阻害剤、例えば、LAG525、IMP321、IMP701、9H12、BMS−986016またはこれらの任意の組み合わせと組み合わせて使用される。
【0151】
ある特定の実施形態では、操作された免疫細胞はCTLA4の阻害剤と組み合わせて使用される。特定の実施形態では、操作された免疫細胞はCTLA4特異的抗体またはその結合断片、例えば、イピリムマブ、トレメリムマブ、CTLA4−Ig融合タンパク質(例えば、アバタセプト、ベラタセプト)またはこれらの任意の組み合わせと組み合わせて使用される。
【0152】
ある特定の実施形態では、操作された免疫細胞は、B7−H3特異的抗体またはその結合断片、例えば、エノビリツズマブ(MGA271)、376.96または両方と組み合わせて使用される。B7−H4抗体結合断片は、例えば、Dangaj et al.,Cancer Res.73:4820,2013に記載されているようなscFvまたはその融合タンパク質、ならびに米国特許第9,574,000号及びPCT特許公開第WO/201640724A1号及び第WO2013/025779A1号に記載されているものでもよい。
【0153】
ある特定の実施形態では、操作された免疫細胞はCD244の阻害剤と組み合わせて使用される。
【0154】
ある特定の実施形態では、操作された免疫細胞はBLTA、HVEM、CD160の阻害剤またはこれらの任意の組み合わせと組み合わせて使用される。抗CD−160抗体は、例えば、PCT公開第WO2010/084158号に記載されている。
【0155】
ある特定の実施形態では、操作された免疫細胞はTIM3の阻害剤と組み合わせて使用される。
【0156】
ある特定の実施形態では、操作された免疫細胞はGal9の阻害剤と組み合わせて使用される。
【0157】
ある特定の実施形態では、操作された免疫細胞はアデノシンシグナリングの阻害剤、例えば、デコイアデノシン受容体と組み合わせて使用される。
【0158】
ある特定の実施形態では、操作された免疫細胞はA2aRの阻害剤と組み合わせて使用される。
【0159】
ある特定の実施形態では、操作された免疫細胞はKIRの阻害剤、例えば、リリルマブ(BMS−986015)と組み合わせて使用される。
【0160】
ある特定の実施形態では、操作された免疫細胞は阻害性サイトカイン(典型的には、TGFβ以外のサイトカイン)またはTREGの発生または活性の阻害剤と組み合わせて使用される。
【0161】
ある特定の実施形態では、操作された免疫細胞は、IDO阻害剤、例えば、レボ−1−メチルトリプトファン、エパカドスタット(INCB024360;Liu et al.,Blood 115:3520−30,2010)、エブセレン(Terentis et al.,Biochem.49:591−600,2010)、インドキシモド、NLG919(Mautino et al.,American Association for Cancer Research 104th Annual Meeting 2013;Apr 6−10,2013)、1−メチル−トリプトファン(1−MT)−チラ−パザミンまたはこれらの任意の組み合わせと組み合わせて使用される。
【0162】
ある特定の実施形態では、操作された免疫細胞はアルギナーゼ阻害剤、例えば、N(オメガ)−ニトロ−L−アルギニンメチルエステル(L−NAME)、N−オメガ−ヒドロキシ−ノル−1−アルギニン(ノル−NOHA)、L−NOHA、2(S)−アミノ−6−ボロノヘキサン酸(ABH)、S−(2−ボロノエチル)−L−システイン(BEC)またはこれらの任意の組み合わせと組み合わせて使用される。
【0163】
ある特定の実施形態では、操作された免疫細胞はVISTAの阻害剤、例えば、CA−170(Curis,Lexington,Mass.)と組み合わせて使用される。
【0164】
ある得定の実施形態では、操作された免疫細胞はTIGITの阻害剤、例えばCOM902(Compugen,Toronto,Ontario Canada)など、CD155の阻害剤、例えばCOM701(Compugen)など、または両方と組み合わせて使用される。
【0165】
ある特定の実施形態では、操作された免疫細胞はPVRIGの阻害剤、PVRL2の阻害剤または両方と組み合わせて使用される。抗PVRIG抗体は、例えば、PCT公開第WO2016/134333号に記載されている。抗PVRL2抗体は、例えば、PCT公開第WO2017/021526号に記載されている。
【0166】
ある特定の実施形態では、操作された免疫細胞はLAIR1阻害剤と組み合わせて使用される。
【0167】
ある特定の実施形態では、操作された免疫細胞はCEACAM−1、CEACAM−3、CEACAM−5の阻害剤またはこれらの任意の組み合わせと組み合わせて使用される。
【0168】
ある特定の実施形態では、操作された免疫細胞は刺激性免疫チェックポイント分子の活性を増大させる(すなわち、アゴニストである)薬剤と組み合わせて使用される。例えば、操作された免疫細胞は、CD137(4−1BB)アゴニスト(例えば、ウレルマブなど)、CD134(OX−40)アゴニスト(例えば、MEDI6469、MEDI6383またはMEDI0562など)、レナリドマイド、ポマリドミド、CD27アゴニスト(例えば、CDX−1127など)、CD28アゴニスト(例えば、TGN1412、CD80またはCD86など)、CD40アゴニスト(例えば、CP−870、893、rhuCD40LまたはSGN−40など)、CD122アゴニスト(例えば、IL−2など)、GITRのアゴニスト(例えば、PCT特許公開第WO2016/054638号に記載されているヒト化モノクローナル抗体など)、ICOSのアゴニスト(CD278)(例えば、GSK3359609、mAb88.2、JTX−2011、Icos145−1、Icos314−8またはこれらの任意の組み合わせなど)と組み合わせて使用することができる。本明細書に開示される実施形態のうちのいずれかでは、方法は、単独でまたは任意の組み合わせで、前述のうちのいずれかを含めた刺激性免疫チェックポイント分子の1種または複数のアゴニストとともに、操作された免疫細胞を投与することを含むことができる。
【0169】
ある特定の実施形態では、併用療法は、操作された免疫細胞及び非炎症性固形腫瘍が発現するがん抗原に特異的な抗体もしくはその抗原結合断片、放射線治療、手術、化学療法剤、サイトカイン、RNAiまたはこれらの任意の組み合わせの1つまたは複数を含む第2の療法を含む。
【0170】
ある特定の実施形態では、併用療法の方法は、融合タンパク質を投与すること、及び放射線治療または手術をさらに施すことを含む。放射線療法は当技術分野で周知であり、X線療法、例えば、ガンマ照射及び放射性医薬品療法を含む。対象において所与のがんを治療するのに適した手術及び手術技法は当業者に周知である。
【0171】
ある特定の実施形態では、併用療法の方法は、操作された免疫細胞を投与すること、及び化学療法剤をさらに投与することを含む。化学療法剤としては、これらに限定はされないが、クロマチン機能の阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤、微小管阻害薬、DNA損傷剤、代謝拮抗剤(例えば、葉酸アンタゴニスト、ピリミジン類似体、プリン類似体及び糖修飾類似体)、DNA合成阻害剤、DNA相互作用剤(例えば、挿入剤)及びDNA修復阻害剤が挙げられる。例示的化学療法剤としては、限定はされないが、以下の群が挙げられる:代謝拮抗/抗がん剤、例えば、ピリミジン類似体(5−フルオロウラシル、フロクスウリジン、カペシタビン、ゲムシタビン及びシタラビン)ならびにプリン類似体、葉酸アンタゴニストならびに関連した阻害剤(メルカプトプリン、チオグアニン、ペントスタチン及び2−クロロデオキシアデノシン(クラドリビン));抗増殖性/抗有糸分裂剤、例えば、天然物、例えば、ビンカアルカロイド(ビンブラスチン、ビンクリスチン及びビノレルビン)、微小管破壊剤、例えば、タキサン(パクリタキセル、ドセタキセル)、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ノコダゾール、エポチロン及びナベルビン、エピジポドフィロトキシン(エトポシド、テニポシド)、DNA損傷剤(アクチノマイシン、アムサクリン、アントラサイクリン、ブレオマイシン、ブスルファン、カンプトテシン、カルボプラチン、クロラムブシル、シスプラチン、シクロホスファミド、シトキサン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、ヘキサメチルメラミンオキサリプラチン、イホスファミド、メルファラン、メクロレタミン、マイトマイシン、ミトキサントロン、ニトロソ尿素、プリカマイシン、プロカルバジン、タキソール、タキソテール、テモゾロミド、テニポシド、トリエチレンチオホスホルアミド及びエトポシド(VP16));抗生物、例えば、ダクチノマイシン(アクチノマイシンD)、ダウノルビシン、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、イダルビシン、アントラサイクリン、ミトキサントロン、ブレオマイシン、プリカマイシン(ミトラマイシン)及びマイトマイシン;酵素(全身的にL−アスパラギンを代謝し、それ自体のアスパラギンを合成する能力を有さない細胞を欠乏させるL−アスパラギナーゼ);抗血小板剤;抗増殖性/抗有糸分裂アルキル化剤、例えば、ナイトロジェンマスタード(メクロレタミン、シクロホスファミド及び類似体、メルファラン、クロラムブシル)、エチレンイミンならびにメチルメラミン(ヘキサメチルメラミン及びチオテパ)、スルホン酸アルキル−ブスルファン、ニトロソ尿素(カルムスチン(BCNU)及び類似体、ストレプトゾシン)、トラゼン−ダカルバジニン(DTIC);抗増殖性/抗有糸分裂代謝拮抗剤、例えば、葉酸類似体(メトトレキサート);白金配位錯体(シスプラチン、カルボプラチン)、プロカルバジン、ヒドロキシ尿素、ミトタン、アミノグルテチミド;ホルモン、ホルモン類似体(エストロゲン、タモキシフェン、ゴセレリン、ビカルタミド、ニルタミド)及びアロマターゼ阻害剤(レトロゾール、アナストロゾール);抗凝血剤(ヘパリン、合成ヘパリン塩及びトロンビンの他の阻害剤);線維素溶解剤(例えば、組織プラスミノーゲンアクチベーター、ストレプトキナーゼ及びウロキナーゼ)、アスピリン、ジピリダモール、チクロピジン、クロピドグレル、アブシキシマブ;抗遊走剤;抗分泌剤(ブレベルジン);免疫抑制剤(シクロスポリン、タクロリムス(FK−506)、シロリムス(ラパマイシン)、アザチオプリン、ミコフェノール酸モフェチル);抗血管新生化合物(TNP470、ゲニステイン)及び増殖因子阻害剤(血管内皮増殖因子(VEGF)阻害剤、維芽細胞増殖因子(FGF)阻害剤);アンギオテンシン受容体遮断薬;一酸化窒素ドナー;抗センスオリゴヌクレオチド;抗体(トラスツズマブ、リツキシマブ);キメラ抗原受容体;細胞周期阻害剤及び分化誘導剤(トレチノイン);mTOR阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤(ドキソルビシン(アドリアマイシン)、アムサクリン、カンプトテシン、ダウノルビシン、ダクチノマイシン、エニポシド、エピルビシン、エトポシド、イダルビシン、イリノテカン(CPT−11)及びミトキサントロン、トポテカン、イリノテカン)、コルチコステロイド(コルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン及びプレニゾロン);増殖因子シグナル伝達キナーゼ阻害剤;ミトコンドリア機能障害誘導剤、毒素、例えば、コレラ毒素、リシン、Pseudomonas外毒素、Bordetella pertussisアデニル酸シクラーゼ毒素またはジフテリア毒素及びカスパーゼ活性化剤;ならびにクロマチン破壊剤。
【0172】
サイトカインは、抗がん活性に対する宿主免疫応答を操るために使用されることが増えている。例えば、Floros & Tarhini,Semin.Oncol.42(4):539−548,2015を参照されたい。免疫性の抗がん性または抗腫瘍性応答を促進するのに有用なサイトカインとしては、単独のまたは本開示の操作された免疫細胞との任意の組み合わせの、例えば、IFN−α、IL−2、IL−3、IL−4、IL−10、IL−12、IL−13、IL−15、IL−16、IL−17、IL−18、IL−21、IL−24及びGM−CSF挙げられる。
【0173】
養子免疫療法のモジュレート方法も本明細書で提供され、この方法は、安全スイッチタンパク質をコードする異種性ポリヌクレオチドを含む本開示の操作された免疫細胞を以前に与えられたことがある対象に、対象において、以前に投与された操作された免疫細胞を除去するのに有効な量で、安全スイッチタンパク質の同族化合物を投与することを含む。
【0174】
本明細書で使用する場合、用語「養子免疫療法(adoptive immune therapy)」または「養子免疫療法(adoptive immunotherapy)」は、天然に存在するまたは遺伝子操作された疾患または抗原特異的免疫細胞(例えば、T細胞)の投与を指す。養子細胞免疫療法は、自己(免疫細胞は受容者由来である)、同種異系(免疫細胞は同じ種のドナー由来である)または同系(免疫細胞は受容者と遺伝的に同一のドナー由来である)でもよい。
【0175】
ある特定の実施形態では、安全スイッチタンパク質はtEGFRを含み、同族化合物はセツキシマブであり、または安全スイッチタンパク質はiCasp9を含み、同族化合物はAP1903(例えば、ダイマー化AP1903)であり、または安全スイッチタンパク質はRQRポリペプチドを含み、同族化合物はリツキシマブであり、または安全スイッチタンパク質はmyc結合ドメインを含み、同族化合物はmyc結合ドメインに特異的な抗体である。
【0176】
さらに別の態様では、本開示の組成物または単位用量の製造のための方法が提供される。ある特定の実施形態では、方法は、(i)本開示のベクターで形質導入された一定分量の宿主細胞と(ii)医薬的に許容可能な担体を組み合わせることを含む。ある特定の実施形態では、本開示のベクターは、養子移植療法(例えば、がん抗原のターゲティング)で使用するための宿主細胞(例えば、T細胞)をトランスフェクトする/形質導入するために使用される。
【0177】
いくつかの実施形態では、この方法は、一定分量をとる前に、形質導入された宿主細胞を培養し、ベクターが組み込まれている(すなわち、発現している)として形質導入細胞を選択することをさらに含む。さらなる実施形態では、方法は、培養及び選択の後に、及び一定分量をとる前に、形質導入された宿主細胞を増殖させることを含む。本方法の実施形態のうちのいずれかでは、後の使用のために、製造した組成物または単位用量を凍結することができる。本方法に従って組成物または単位用量を製造するために任意の適切な宿主細胞を使用することができ、例えば、造血幹細胞、T細胞、一次T細胞、T細胞系統、NK細胞、またはNK−T細胞が挙げられる。具体的な実施形態では、方法は、CD4
+T細胞またはCD8
+T細胞である宿主細胞を含む。
【実施例】
【0178】
実施例1
HA−1
H特異的TCRの単離及びクローニング
以前に記載されたインビトロ方法(Bleakley et al.,Blood 115:4923−4933,2010(
図1)を使用して、HA−1
H特異的CD8
+T細胞クローンを単離した。特に、CD8
+T細胞単離キット及び抗CD45RO免疫磁気ビーズ(Miltenyi Biotec)を使用して、HLA−A2
+ドナー(2ドナー)の末梢血単核球(PBMC)からCD8
+T細胞を単離した。自己樹状細胞(DC)を1μg/mL HA−1
Hペプチド
【化5】
で3〜6時間、37℃でパルスした。精製したCD8
+T
Nを、完全Tリンパ球(CTL)培地中で、30:1のT
N対DCの比率で、ペプチドでパルスしたDCと混合し、6×10
4T細胞/ウェルで、96ウェルプレート中で共培養し、開始から10ng/mL IL−12を補充し、7日目から10ng/mL IL−15を補充した。11〜13日目に、スプリットウェルマイクロクロム放出アッセイ(CRA;μCRA)において、HA−1
H特異的細胞傷害性について細胞を評価した。続いて、1ug/mL HA−1
HペプチドでパルスしたT2細胞を溶解したT細胞系統(>20%溶解及びペプチドでパルスしていない標的に対してパルスした標的の>5倍以上の溶解)を、抗CD3モノクローナル抗体(mAb)、インターロイキン−2(IL−2)及びフィーダー細胞を使用して、限界希釈によりクローニングした。
【0179】
11〜13日目に、μCRAによってクローンをスクリーニングした。上記の判断基準を使用した際に特異的な細胞傷害性を示すウェルからのT細胞クローンを、急速増殖プロトコール(REP)によって、抗CD3mAb、IL−2及びフィーダー細胞を使用して増殖させた。増殖させたクローンの特異性をCRA、HA−1/HLA−A2マルチマー染色及び細胞内サイトカイン染色(ICC)によって評価した。HA−1
H/HLA A2マルチマーを用いて、CTLクローンのHA−1
H特異性を検証した。特に、HLA−A2/HA−1
Hマルチマー及びCD8
+モノクローナル抗体(mAb)を使用して、HA−1特異的クローン(クローン1、2、10、13、14、16及び5)及び別の腫瘍抗原に特異的な対照クローンを染色した(
図2A)。
【0180】
さらに、クロム放出アッセイ(CRA)を使用して、7つのHA−1特異的CTLクローン(1、2、10、13、14、16及び5)をHA−1
Hペプチドでパルスした標的の死滅について試験した。T細胞クローンは、HA−1
Hペプチド
【化6】
でパルスした標的細胞を非常に低いペプチド濃度で認識し、最大半量の溶解が10pMのペプチド濃度で見られた(
図2B)(ICCデータ非表示)。内在性のHA−1
H発現がある、またはない細胞に対する単離クローンの細胞傷害性も調べた。このアッセイは、HA−1
H+急性骨髄性白血病(AML)細胞系統(THP−1)及びHA−1
H+一次AMLを溶解するがHA−1
H−AMLを溶解しない7つのHA−1
H特異的CTLクローン(TCR1、TCR2、TCR10、TCR13、TCR14、TCR16及びTCR5)を示す(
図2C)。
【0181】
次に、単離したHA−1
H TCRをクローニングした。8つのCTLのTCR V
β及びV
α遺伝子をシーケンスし、6つの異なるTCRを特定した(TCR1とTCR13は同一であることが分かり、TCR2とTCR14も同様であった)。6つのTCRをコードする遺伝子(及び特定のアレル)及びTCRのV
β CDR3アミノ酸配列を表1に示す。
【表1-1】
【表1-2】
【0182】
7番目のTCR、「TCR29」も特定し、シーケンスした。シーケンス後に、HA−1
H TCR(形質導入されたCD8
+T細胞で機能が不十分であるTCR24を除く)をコードする遺伝子をコドン最適化して、発現を最大にし、以下に記載のように、システイン修飾を導入して、内在性TCR鎖との誤対合の危険性を低減させた。コドン最適化及びシステイン修飾後のCTLクローンTCRβ及びTCRα遺伝子のヌクレオチド配列を配列番号39〜48及び51〜52に示す。
【0183】
各HA−1
H特異的T細胞クローンからRNAを抽出した。5’−第1鎖cDNA増幅及びcDNA末端の迅速増幅(RACE)PCRを行って、SMARTer RACE cDNA増幅キット(Clontech Laboratories)を使用して、完全長TCR領域を特定した。5’CDSプライマーA、SMARTer IIAオリゴ及びSMARTScribe逆転写酵素を使用して、RNAからcDNAを合成した。続いて、このcDNAを使用して、Phusion(登録商標)ハイフィデリティーDNAポリメラーゼ及びTCRアルファ(α)−(5’−GGTGAATAGGCAGACAGACTT−3’)(配列番号93)またはTCRベータ(β)−鎖(GTGGCCAGGCACACCAGTGT)(配列番号94)に対する遺伝子特異的プライマーを使用して、RACE PCR反応を行った。RACE PCR産物を精製し、シーケンスして、TCRα−及びβ鎖を特定した。IMGT/V−QUESTを使用して、TCR可変(V)、多様性(D)及び結合(J)領域を規定した。
【0184】
位置48(ThrからCys)及び57(SerからCys)で相補的システイン残基をTCRα及びβ遺伝子の定常ドメインに組み込んで、外来性TCRの対形成を増加させ、内在性TCRとの誤対合を減少させた。協調的遺伝子発現を確実にするために、ブタテッショウウイルス(P2A)由来の2A要素によってTCR鎖を分離させた。導入遺伝子を、発現を増強するためにコドン最適化し、GeneArt(Life Technologies)によって合成し、制限消化及びライゲーションによって、pRRLSIN.cPPT.MSCV.WPRE LVベクターにクローニングした。コードされるTCRコンストラクトのアミノ酸配列を配列番号53〜57に示す。
【0185】
実施例2
HA−1
H特異的TCRの異種性発現及び活性
次に、コドン最適化し、システイン修飾したTCRを発現及び活性について試験した。
【0186】
レンチウイルス(LV)ベクターを使用して一次T細胞を形質導入して、操作されたHA−1
H特異的TCRコンストラクトをコードするポリヌクレオチドを送達した。形質導入されたT細胞を選別し、増殖させ、HA−1
H特異性について試験した(
図4)。6つのHA−1
H TCR LVのうちの5つが一次CD8
+及びCD4
+T細胞を効率的に形質導入し(
図5A及び6A)、少量のHA−1
HペプチドでパルスしたHLA−A2
+細胞の特異的認識を与えた。TCR2及びTCR16が最も強い細胞障害活性を示し、これらをさらなる実験のために選択した。これらのTCRで形質導入されたT細胞は、HA−1
Hでパルスした細胞(
図5B、5C、6B及び35)、内在性のHA−1
H発現を有する細胞系統(
図6C〜6E及び
図7)ならびに内在性HA−1
Hを有する一次白血病細胞(
図8A〜8E、
図9)を死滅させたが、これらの操作された細胞はHA−1
H−陰性細胞(
図7)、一次白血病細胞(
図8A、8B及び9)または線維芽細胞(
図10)によって活性化されず、これらを死滅させなかった。さらに、CD8
+及びCD4
+HA−1
H TCR T細胞は、HA−1
Hペプチドの刺激に応じて、IFNγ及びIL−2を分泌した(データ非表示)。HA−1
H TCR CD4
+細胞は高ペプチド濃度でパルスした標的細胞を死滅させたが、HA−1
HTCR単独でのLV形質導入は、ネイティブレベルの抗原を有する一次白血病細胞に対してCD4
+T細胞を応答性にしなかった(データ非表示)。
【0187】
要約すれば、これらのデータは、T細胞が、形質導入されたHA−1
H TCRを効果的に発現し、リンパ球細胞に対して抗原特異的死滅活性を有することを示す。
【0188】
実施例3
CD4
+HA−1
H TCR細胞におけるCD8共受容体の機能
免疫療法細胞生成物へのCD4
+T細胞の包含は、抗原誘導性IL−2分泌をもたらすこと、ならびに移行させた細胞傷害性CD8
+T細胞の持続性及び機能を増強することができる(例えば、Kennedy et al.,Immunol.Rev.222.129(2008)、Nakanishi et al.,Nature 462(7272):510(2009)を参照されたい)。しかし、CD4
+T細胞中の多くのクラスI拘束性TCRの最適な機能は、クラスI HLAペプチド複合体に対するTCRの感度を増強するために、CD8共受容体の移行を必要とする。CD4共受容体はCD8と構造が異なり、効果的にCD8共受容体の代わりになることができない(例えば、Stone & Kranz,Front.Immunol.4:244(2013)を参照されたい。Cole et al.,Immunology 137(2):139(2012)も参照されたい。HA−1
HTCR単独で形質導入されたCD4
+T細胞中で細胞溶解活性を誘導するためには、比較的高いHA−1
Hペプチド濃度が必要とされ、HA−1 TCR CD4
+T細胞は細胞系統または白血病を認識せず、これは、TCRのCD8共受容体依存性を意味する(データ非表示)。
【0189】
導入遺伝子コンストラクト中にCD8共受容体を含める様々なオプションを探索した。CD8共受容体は、典型的にはCD8α鎖とβ鎖のダイマーとして、ヒトの通常のαβTCR T細胞の表面に存在し、異なる細胞質内尾部配列を有する5つのβ鎖変異体(βM1〜5)が存在する(例えば、Thakral et al.,J.Immunol.180(11):7431(2008)を参照されたい。Thakral et al.,PLoS One 8(3):e59374(2013)も参照されたい)。CD8共受容体鎖のアミノ酸配列を配列番号48〜53に示す。
【0190】
完全長またはトランケートされた変異体としてCD8α鎖及びCD8β鎖の一方または両方を含む、HA−1
H TCR2コンストラクトを生成した。一次CD4
+T細胞を形質導入するのに使用した場合、α鎖及びβは細胞表面で発現され、αβダイマー及びαモノマーは、βモノマーが行うよりもより大きな程度まで、TCRで形質導入されたT細胞によって、HA−1
H/HLA−A2マルチマー結合を増加させた(
図11A(i−ii))。細胞内の鎖成分のトランケーションを有するCD8α鎖及びβ鎖は、TCR単独を上回ってマルチマー結合を増加させなかった(
図11A(iii))。CD8α及びβM1またはβM4変異体での形質導入は、CD8α及びβM2またはβM5鎖が行うよりも、CD4
+T細胞におけるHA−1
H TCRの機能を向上させた(
図11B)。機能アッセイでは、βM1またはβM4鎖の組み込みは、CD8αモノマーより大きい程度までCD4
+T細胞の機能を向上させた(
図11B及び11C)。βM1は、βM4が行うよりも大きな応答特異性をもたらした。したがって、βM1変異体を選択し、CD8α及びβM1配列ならびにHA−1
H TCRを含むマルチシストロンLV中で使用した。ベクターで形質導入されたCD4
+T細胞は、IL−2及びインターフェロンガンマ(IFNγ)を分泌し(
図12A)、HA−1
H+AML細胞と共培養した場合に増殖した(
図12B)。
【0191】
実施例4
HA−1
H TCRコンストラクトへの安全スイッチの導入
任意の予期しない毒性の場合に、HA−1
H TCR形質導入T細胞が迅速に枯渇され得るということを確実にするために、4つのコドン最適化「安全スイッチ」HA−1
H TCRコンストラクトを生成した:(1)誘導性カスパーゼ9(iCasp9)は、改変ヒトFK−結合タンパク質へのヒトカスパーゼ9の融合に基づき、条件付きダイマー化を可能にする。合成ダイマー化薬に暴露されると、iCasp9は活性化され、このコンストラクトを発現する細胞の迅速な死を引き起こす(例えば、Straathof et al.,Blood 105(11):4247(2005)を参照されたい)、(2)トランケートされたヒトEGFR(「tEGFR」)は、細胞外N末端リガンド結合ドメイン及び細胞内受容体型チロシンキナーゼ活性がないが、I型膜貫通細胞表面局在及び医薬品グレードの抗EGFR mAb、セツキシマブに対する結合エピトープを保持するポリペプチドである(Wang et al.,Blood 118(5)4255(2011)を参照されたい)、(3)RQR8はT細胞に対するコンパクトな組み合わされたマーカー及び安全スイッチであり、トランケートされたCD8共受容体ストーク上に提示されたCD34(抗体QBEnd10によって認識されるマーカー)及びCD20抗原(細胞外ループミモトープ)の両方由来の標的エピトープを組み合わせる。RQR8は医薬品グレードの抗CD20mAb、リツキシマブが結合する(Philip et al.,Blood 124(8):1255(2011)を参照されたい)、(4)Mycタグを付けたTCRは、タグ特異的mAbが結合する、ヒトc−Mycタンパク質の10アミノ酸タグを組み込む(Kieback et al.,PNAS 105(2):623(2008)を参照されたい)。
【0192】
tEGFR、RQR8またはmyc−タグへのそれぞれのmAbの結合は、補体依存性または抗体依存性細胞傷害に対する標的及び形質導入細胞の排除をもたらす。安全スイッチ分子を、TCRβ及びTCRαコード配列の上流に、且つこれらのコード配列と作動的に結合させて、TCR2 LVコンストラクトにクローニングした。協調的遺伝子発現を確実にするように、TCRβとTCRα配列をブタテッショウウイルス由来のP2A要素によって分離させた。iCasp9−HA−1
H TCR、tEGFR−HA−1
H TCR、RQR8−HA−1
H TCRまたはMycタグを付けたHA−1
H−TCRで形質導入されたT細胞は、すべて、HA−1
H TCR発現及びHA−1
HTCR単独で形質導入されたT細胞による認識と類似したHA−1
H+標的細胞認識を示した(
図14)。
【0193】
安全スイッチがT細胞を排除する能力を試験するために、最適濃度(
図16)のそれぞれの同族薬物(iCasp9/HA−1
H TCRに対してダイマー化剤AP1903;補体+適切なmAb(tEGFR−HA−1
H TCRに対して抗EGFR mAb;RQR8−HA−1
H TCRに対して抗CD20 mAbプラス;及びすべての他のコンストラクト中のMycタグを付けたHA−1
H−TCRに対して抗MycタグmAb)とともに、形質導入されたT細胞を24時間インキュベートした。安全スイッチが形質導入されたT細胞のすべては、それらのそれぞれの誘発剤に感受性が高かった(
図16。
図15も参照されたい)。しかし、AP1903を伴うiCasp9は、形質導入されたT細胞の最も迅速且つ完全な排除を一貫してもたらし、これをさらなる評価のために選択した。
【0194】
実施例5
導入遺伝子コンストラクトの設計及び選択
次に、iCasp9及びCD8αβM1共受容体の両方を組み込んでいるHA−1
H TCR導入遺伝子を機能性について解析した。形質導入されたT細胞の選択及び追跡を支援するために、2つのマーカー構成を設計した。1つでは、RQRポリペプチドの最小CD34エピトープ(「Q」)をHA−1
H TCRのα鎖に入れ子式に入れた。もう1つでは、RQRポリペプチドを完全長の機能的CD8αβM1共受容体のβ鎖に組み込んだ。次いで、5つのLV導入遺伝子コンストラクトを作出して、CD8
+T細胞を形質導入し、(1)iCasp9−HA−1
H TCR2、(2)HA−1
H−TCR2−CD8共受容体、(3)iCasp9−HA−1
H TCR2−CD8、(4)iCasp9−HA−1
H TCR2−RQR−CD8、及び(5)iCasp9−CD34−HA−1
H TCR2−CD8を比較した(
図17及び18を参照されたい)。
【0195】
すべてのコンストラクトは、特異的に、サイトカインを分泌し、HA−1
H+を死滅させるが、HA−1
H−AML細胞または線維芽細胞は死滅させず、十分に動作しなかったiCasp9−CD34−HA−1
H TCR2−CD8コンストラクト(TCRα鎖にはめ込まれたCD34エピトープを有する)を除いては、類似した機能を有する(
図19〜26を参照されたい)、T細胞を生成した。すべての所望の要素(免疫磁気選択の能力を含む;
図27〜29を参照されたい)を含み、あまり複雑でないコンストラクトと同様に機能したiCasp9−HA−1
H TCR2−RQR−CD8導入遺伝子をさらなる研究のために選択した。このコンストラクトの模式図を
図30に示し、コンストラクトのヌクレオチド配列を配列番号85に示す。
【0196】
実施例6
HA−1
H TCR T細胞の臨床規模の生成及び試験
T細胞免疫療法生成物の細胞組成物は、養子T細胞移入後に、抗原特異的T細胞の持続性及び機能に対して重要な下流効果を有し得る(例えば、Sommermeyer et al.,Leukemia 30(2):492(2016)を参照されたい。Wang et al.,Blood 117(6):1888(2011)及びHinrichs et al.,PNAS 106
*41):17469(2009))も参照されたい。一般に、T
N、Tメモリー幹細胞(T
SCM)及びセントラルメモリーT細胞(T
CM)を含めた「より若い」T細胞サブセットに由来する抗原特異的T細胞の注入は、有利であると思われる。HCT後のT細胞免疫療法においては、ドナーT細胞のネイティブTCRによって媒介されるGVHDの可能性を考慮することも重要である。T
Nはマウスモデルにおいて重度のGVHDを引き起こし、PBSC移植片由来のCD45RA
+T
Nの枯渇は、ヒトにおいて、重度及び/または慢性のGVHDの危険性を低下させる(例えば、Bleakley et al.,J.Clin.Invest.125(7)2677(2015)を参照されたい)。CD4
+ヘルパーT細胞が腫瘍部位においてクローン性増殖を増強すること、及び活性化誘導細胞死を防止することによって、抗腫瘍CTL応答を増強することができるので、同じ抗原に特異的なCD4
+細胞とCD8
+細胞の両方を含むことも望ましい(例えば、Giuntoli et al.,Clin.Cancer Res.8(3):922(2002)を参照されたい。Kennedy and Celis,J.Immunol.177(5)2862(2006)も参照されたい)。したがって、T細胞生成物(1〜2×10
9PBSC/PBMC)から最初にCD45RA
+T
N細胞を枯渇させて重篤なGVHDの危険性を最小限にし、CD14
+単球を枯渇させてLV形質導入効率を最適化してから、CD8
+及びCD4
+富化画分を分離して、一定のCD4:CD8組成物を確実にし(約3×10
6細胞の各細胞型)、刺激し(CD3/CD28ミクロビーズのビーズ)、iCasp9−HA1 TCR2−RQR−CD8 LVでT細胞を形質導入した。
【0197】
形質導入細胞を4〜5日後にHA−1
H/HLA−A2マルチマー及びCD34 mAbを使用してフローソートし、OKT3細胞、PBMC、HA−1
+LCL及びIL−2を含む、REP(急速増殖プロトコール)を使用するG−Rexフラスコ中で培養した。CD4
+及びCD8
+HA−1
H TCRメモリーT細胞は効率的に増幅し、平均して2000倍増殖した(
図32A;
図31の一番左のパネルも参照されたい)。CD4
+及びCD8
+形質導入T細胞を収集し、混合し(16〜20日目で、合計3〜6×10
9細胞)、次いで、CD34についての選択を介して富化して、≧1.5×10
9細胞の富化集団を生成した。次いで、放出アッセイを行って、純度(>75%)、生存率、機能、特異性、ウイルスの有無及び無菌性について試験した。HA−1
H TCRの発現を保持していた最終的なT細胞生成物(
図32B)は、CD62L、CCR7及びCD27の可変的発現を伴う、CD45RO
+CD28
+表現型を主として有しており(
図32C)、PD−1などの枯渇マーカーを発現しない細胞を含んでいた(
図32D、32E)。
【0198】
増殖したCD8
+及びCD4
+HA−1
H TCR T細胞は、HA−1
Hでパルスした細胞(
図33A)またはHA−1
H+白血病細胞系統(
図33B)の刺激に応じて、特異的に死滅させる、及びサイトカインを分泌する能力を保持しており、多くのHA−1
H TCR CD8
+及びCD4
+細胞は複数のサイトカインを分泌した(
図33C;
図31の中央及び右側のパネルも参照されたい)。さらに、抗CD34免疫磁気ビーズを使用して細胞を富化することができ(
図34A)、AP1903ダイマー化薬への暴露によって細胞は効率的に排除された(
図34B)。最後に、TCRイムノシーケシング(Adaptive Biotechnologies)を使用して、細胞生成物におけるHA−1
H TCR CD4
+及びCD8
+T細胞中のネイティブTCRを評価し、多様なポリクローナル集団が観察された(データ非表示)。さらに、生成物は、最近養子T細胞移入後の持続性及び増殖の可能性と関連付けられた発見(Chapuis et al.,Sci.Immunol.2(8)(2017)である、多数の非常に低頻度のTCRを含んでいた。
【0199】
実施例7
HA−1
HT細胞療法生成物を使用する臨床研究
実施例5に記載されているHA−1
H細胞療法生成物(pRRLSIN iC9−HA−1
H−TCR2−RQR−CD8(今後は「HA−1
H TCR LV」と省略する)で形質導入されたCD8
+及びCD4
+メモリーT細胞)を使用して、実行可能性及び安全性研究を行う。患者試料は、再発性白血病(AML、ALL、別の急性白血病またはCML)を有する小児、青年及び成人を含む。特に、0〜70歳の患者をそれぞれおよそ12人の対象の2つの年齢群に登録し、1つの群は≧16歳の年齢であり、1つの群は<16歳の年齢の群である。すべての患者はHLA−A
*0201を発現し、HA−1(H)遺伝子型(RS_1801284:A/G、A/A)を有する。患者は、既定の基準によって適切にHLA適合された、HCTに対する成人ドナーも有し、AML、ALL、別のタイプの急性白血病または慢性骨髄性白血病について同種HCTを現在受けているか、以前に受けていた。
【0200】
再発の疑いの後に骨髄試料を得る。次いで、患者は、一般に、T細胞生成物を注入する前にリンパ球枯渇化学療(フルダラビン)を受ける。その後、以下の3つの判断基準を満たす場合に、単回用量のHA−1
H TCR LV−T細胞(約1:1のCD4
+:CD8
+T
M)を患者に投与する:(1)HCT後に再発性または難治性疾患のエビデンスがある、(2)HA−1
H TCR T細胞が生成されている、及び(3)リンパ球枯渇化学療法が施されている(示される場合)。表2に示す投与計画に従って、HA−1
H TCR LV−T細胞を(重力またはシリンジポンプを介して中心静脈カテーテルを通して許容される程度に迅速に)注入によって投与する。
【表2】
【0201】
若いコホートの対象の治療より前に、少なくとも1〜2人の対象≧16歳を治療する。各年齢群(≧16及び<16歳)で、用量レベル1(3×10
6HA−1
H TCR T細胞/kg)から始まるHA−1
H TCR T細胞の5用量レベルのうちの1つで、3人以上の患者のコホートにおいて患者を治療する。各年齢群内の連続した対象への治験薬の投与の間の28日間を観察する。T細胞生成物の注入後4、18及び32日目に骨髄試料を得る。本研究の他の態様は、以下をモニターすることを含む:末梢血中での移行したHA−1
H TCR T細胞のインビボ持続性、HA−1
H TCR T細胞が骨髄に遊走する能力、養子T細胞移入の前及び可能であれば後のHA−1
H TCR T細胞の機能、HA−1
H TCR T細胞の注入に続いて白血病の負荷の低減があるかどうか、HA−1
H TCR T細胞の注入に続いて受容者の造血キメラ現象の低減があるかどうか、及びHA−1
H TCR T細胞の注入に続いて移植片対宿主病(GVHD)の徴候または症状の出現または再燃があるかどうか。
【0202】
本出願が優先権を主張する、2016年9月23日に出願された米国特許仮出願第62/399,291号は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0203】
上記の様々な実施形態を組み合わせて、さらなる実施形態を提供することができる。本明細書で言及される及び/または出願データシートに収載される米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、海外特許、海外特許出願及び非特許文献のすべては、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。実施形態の態様は、必要であれば、様々な特許、出願及び刊行物の概念を採用するように修正して、さらに別の実施形態を提供することができる。
【0204】
上記の詳細な説明を考慮して、これら及び他の変更を実施形態に行うことができる。一般に、以下の特許請求の範囲では、使用される用語は、本明細書及び特許請求の範囲に開示される特定の実施形態に特許請求の範囲を制限すると解釈されるべきではなく、すべてのあり得る実施形態を、そのような特許請求の範囲が権利を与えられる全範囲の均等物とともに含むと解釈されるべきである。したがって、特許請求の範囲は本開示によって制限されない。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
(a)TRAV17遺伝子、TRAV21遺伝子もしくはTRAV10遺伝子にコードされるアミノ酸配列を有するT細胞受容体(TCR)α鎖可変(Vα)ドメイン、ならびに配列番号13〜17及び86のうちのいずれか1つのCDR3アミノ酸配列を含むTCRβ鎖可変(Vβ)ドメイン、
(b)配列番号87〜92のうちのいずれか1つのCDR3アミノ酸配列を含むTCR
Vαドメイン、及びTRBV7−9遺伝子にコードされるアミノ酸配列を有するTCR
Vβドメイン、または
(c)配列番号87〜92のうちのいずれか1つのCDR3アミノ酸配列を含むTCR
Vαドメイン、ならびに配列番号13〜17及び86のうちのいずれか1つのCDR3アミノ酸配列を含むTCR Vβドメイン
を含む結合タンパク質をコードする異種性ポリヌクレオチドを含む、操作された免疫細胞であって、
前記コードされる結合タンパク質が、HA−1H抗原を含むペプチドに特異的に結合することができ、HA−1H抗原を含まないペプチドに結合しない、前記操作された免疫細胞。
(項目2)
(a)前記コードされるVβCDR3が配列番号14のアミノ酸配列を含み、前記コードされるVαCDR3が配列番号88のアミノ酸配列を含む、
(b)前記コードされるVβCDR3が配列番号13のアミノ酸配列を含み、前記コードされるVαCDR3が、配列番号87のアミノ酸配列を含む、
(c)前記コードされるVβCDR3が配列番号15のアミノ酸配列を含み、前記コードされるVαCDR3が配列番号89のアミノ酸配列を含む、
(d)前記コードされるVβCDR3が配列番号16のアミノ酸配列を含み、前記コードされるVαCDR3が配列番号90のアミノ酸配列を含む、
(e)前記コードされるVβCDR3が配列番号17のアミノ酸配列を含み、前記コードされるVαCDR3が配列番号91のアミノ酸配列を含む、または
(f)前記コードされるVβCDR3が配列番号86のアミノ酸配列を含み、前記コードされるVαCDR3が配列番号92のアミノ酸配列を含む、
項目1に記載の操作された免疫細胞。
(項目3)
前記コードされるVαドメインが配列番号2、4、6、8、10及び12のうちのいずれか1つのアミノ酸配列に少なくとも約90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、項目1または2に記載の操作された免疫細胞。
(項目4)
前記コードされるVβドメインが配列番号1、3、5、7、9及び11のうちのいずれか1つのアミノ酸配列に少なくとも約90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、項目1〜3のいずれか1項に記載の操作された免疫細胞。
(項目5)
前記コードされるVαドメインがCDR1のアミノ酸配列に変化を含まない、前記コードされるVβドメインがCDR1のアミノ酸配列に変化を含まない、または前記コードされるVαドメインの前記CDR1及び前記コードされるVβドメインの前記CDR1がアミノ酸配列に変化を含まない、項目3または4に記載の操作された免疫細胞。
(項目6)
前記コードされるVαドメインがCDR2のアミノ酸配列に変化を含まない、前記コードされるVβドメインがCDR2のアミノ酸配列に変化を含まない、または前記コードされるVαドメインの前記CDR2及び前記コードされるVβドメインの前記CDR2がアミノ酸配列に変化を含まない、項目3〜5のいずれか1項に記載の操作された免疫細胞。
(項目7)
(a)前記コードされるVβドメインが配列番号3のアミノ酸配列を含むか、それからなり、前記コードされるVαドメインが配列番号4のアミノ酸配列を含むか、それからなる、
(b)前記コードされるVβドメインが配列番号1のアミノ酸配列を含むか、それからなり、前記コードされるVαドメインが配列番号2のアミノ酸配列を含むか、それからなる、
(c)前記コードされるVβドメインが配列番号5のアミノ酸配列を含むか、それからなり、前記コードされるVαドメインが配列番号6のアミノ酸配列を含むか、それからなる、
(d)前記コードされるVβドメインが配列番号7のアミノ酸配列を含むか、それからなり、前記コードされるVαドメインが配列番号8のアミノ酸配列を含むか、それからなる、
(e)前記コードされるVβドメインが配列番号9のアミノ酸配列を含むか、それからなり、前記コードされるVαドメインが配列番号10のアミノ酸配列を含むか、それからなる、または
(f)前記コードされるVβドメインが配列番号11のアミノ酸配列を含むか、それからなり、前記コードされるVαドメインが配列番号12のアミノ酸配列を含むか、それからなる、
項目1〜6のいずれか1項に記載の操作された免疫細胞。
(項目8)
前記コードされる結合タンパク質が配列番号19〜22、24及び26のうちのいずれか1つのアミノ酸配に対して少なくとも約90%の配列同一性を有するTCRα鎖定常ドメインを含む、項目1〜7のいずれか1項に記載の操作された免疫細胞。
(項目9)
前記コードされる結合タンパク質が配列番号18、23及び25のうちのいずれか1つのアミノ酸配列に少なくとも約90%の配列同一性を有するTCRβ鎖定常ドメインを含む、項目1〜8のいずれか1項に記載の操作された免疫細胞。
(項目10)
前記コードされる結合タンパク質が配列番号28、30、32、34、36及び38のうちのいずれか1つのアミノ酸配列に少なくとも約90%同一であるアミノ酸配列を有するTCRα鎖を含む、項目1〜9のいずれか1項に記載の操作された免疫細胞。
(項目11)
前記コードされる結合タンパク質が配列番号28、30、32、34、36及び38のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含むか、それからなるTCRα鎖を含む、項目1〜10のいずれか1項に記載の操作された免疫細胞。
(項目12)
前記コードされる結合タンパク質が配列番号27、29、31、33、35及び37のうちのいずれか1つのアミノ酸配列に少なくとも約90%同一であるアミノ酸配列を有するTCRβ鎖を含む、項目1〜11のいずれか1項に記載の操作された免疫細胞。
(項目13)
前記コードされる結合タンパク質が配列番号27、29、31、33、35及び37のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含むか、それからなるTCRβ鎖を含む、項目1〜12のいずれか1項に記載の操作された免疫細胞。
(項目14)
前記コードされる結合タンパク質が、
(a)配列番号27のアミノ酸配列を含むか、それからなるTCRβ鎖、及び配列番号28のアミノ酸配列を含むか、それからなるTCRα鎖、
(b)配列番号29のアミノ酸配列を含むか、それからなるTCRβ鎖、及び配列番号30のアミノ酸配列を含むか、それからなるTCRα鎖、
(c)配列番号31のアミノ酸配列を含むか、それからなるTCRβ鎖、及び配列番号32のアミノ酸配列を含むか、それからなるTCRα鎖、
(d)配列番号33のアミノ酸配列を含むか、それからなるTCRβ鎖、及び配列番号34のアミノ酸配列を含むか、それからなるTCRα鎖、
(e)配列番号35のアミノ酸配列を含むか、それからなるTCRβ鎖、及び配列番号36のアミノ酸配列を含むか、それからなるTCR−α鎖、または
(f)配列番号37のアミノ酸配列を含むか、それからなるTCRβ鎖、及び配列番号38のアミノ酸配列を含むか、それからなるTCR−α鎖
含む、項目8〜13のいずれか1項に記載の操作された免疫細胞。
(項目15)
(i)前記TCRα鎖をコードする異種ポリヌクレオチド及び(ii)前記TCRβ鎖をコードする異種ポリヌクレオチドが単一オープンリーディングフレーム中に含まれ、前記単一オープンリーディングフレームが、(i)及び(ii)の間に配置される自己切断ペプチドをコードするポリヌクレオチドをさらに含む、項目10〜14のいずれか1項に記載の操作された免疫細胞。
(項目16)
前記自己切断ペプチドをコードする前記ポリヌクレオチドが配列番号76〜84のうちのいずれか1つのヌクレオチド配列を含むか、それからなる、項目15に記載の操作された免疫細胞。
(項目17)
前記単一オープンリーディングフレームが配列番号59〜63のうちのいずれか1つのヌクレオチド配列に少なくとも約80%同一であるヌクレオチド配列を含む、項目15または16に記載の操作された免疫細胞。
(項目18)
前記単一オープンリーディングフレームが配列番号59〜63のうちのいずれか1つのヌクレオチド配列を含むか、それからなる、項目17に記載の操作された免疫細胞。
(項目19)
前記コードされる単一オープンリーディングフレームが配列番号53〜57のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含むか、それからなる、項目15〜18のいずれか1項に記載の操作された免疫細胞。
(項目20)
前記コードされる結合タンパク質がHA−1Hペプチド:HLA複合体に特異的に結合することができる、項目1〜19のいずれか1項に記載の操作された免疫細胞。
(項目21)
前記HLAがHLA−A*0201を含む、項目20に記載の操作された免疫細胞。
(項目22)
前記HA−1Hペプチドがアミノ酸配列VLHDDLLEA(配列番号66)を含む、項目1〜21のいずれか1項に記載の操作された免疫細胞。
(項目23)
前記コードされる結合タンパク質がTCR、TCRの抗原結合性断片またはキメラ抗原受容体(CAR)を含む、項目1〜22のいずれか1項に記載の操作された免疫細胞。
(項目24)
前記TCRの前記抗原結合性断片が単鎖TCR(scTCR)を含む、項目23に記載の操作された免疫細胞。
(項目25)
前記コードされる結合タンパク質がCARを含む、項目23に記載の操作された免疫細胞。
(項目26)
前記コードされる結合タンパク質がTCRを含む、項目23に記載の操作された免疫細胞。
(項目27)
(a)安全スイッチタンパク質、
(b)選択マーカー、
(c)CD8共受容体β鎖
(d)CD8共受容体α鎖、または
(e)これらの任意の組み合わせ
をコードする異種性ポリヌクレオチドをさらに含む、項目1〜26のいずれか1項に記載の操作された免疫細胞。
(項目28)
前記コードされる安全スイッチタンパク質が、
(i)トランケートされたEGF受容体(tEGFR)、
(ii)iCasp9、
(iii)RQRポリペプチド、
(iv)mycエピトープ、または
(v)これらの任意の組み合わせ
を含む、項目27に記載の操作された免疫細胞。
(項目29)
前記コードされる選択マーカーが、
(i)RQRポリペプチド、
(ii)トランケートされた低親和性神経成長因子(tNGFR)、
(iii)トランケートされたCD19(tCD19)、
(iv)トランケートされたCD34(tCD34)、または
(v)これらの任意の組み合わせ
を含む、項目27または28に記載の操作された免疫細胞。
(項目30)
前記コードされるCD8共受容体が配列番号71〜75のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含むβ鎖を含む、項目27〜29のいずれか1項に記載の操作された免疫細胞。
(項目31)
前記コードされるCD8共受容体が、配列番号69のアミノ酸配列を有するRQRポリペプチドを含む組換えCD8共受容体である、項目27〜30のいずれか1項に記載の操作された免疫細胞。
(項目32)
前記コードされるRQRポリペプチドが、前記コードされるCD8共受容体のβ鎖中に含まれる、項目31に記載の操作された免疫細胞。
(項目33)
前記コードされるRQRポリペプチドが、前記コードされるCD8共受容体のα鎖中に含まれる、項目31または32に記載の操作された免疫細胞。
(項目34)
iCasp9をコードする異種性ポリヌクレオチド及びRQRポリペプチドを含むβ鎖を含む組換えCD8共受容体タンパク質をコードする異種性ポリヌクレオチドを含む、項目32に記載の操作された免疫細胞。
(項目35)
5’から3’に、([iCasp9ポリペプチド]−[ブタテッショウウイルス2A(P2A)ペプチド]−[TCRβ鎖]−[P2Aペプチド]−[TCRα鎖]−[P2Aペプチド]−[RQRポリペプチドを含むCD8β鎖]−[P2Aペプチド]−[CD8α鎖])をコードする異種性ポリヌクレオチドを含む、項目32または34に記載の操作された免疫細胞。
(項目36)
前記TCRβ鎖をコードするポリヌクレオチドが配列番号41のヌクレオチド配列を含むか、それからなり、前記TCRα鎖をコードするポリヌクレオチドが配列番号42のヌクレオチド配列を含むか、それからなる、項目27〜35のいずれか1項に記載の操作された免疫細胞。
(項目37)
配列番号85のヌクレオチド配列を含むか、それからなる異種性導入遺伝子ポリヌクレオチドを含む、操作された免疫細胞。
(項目38)
前記免疫細胞がT細胞、NK細胞、またはNK−T細胞である、項目1〜37のいずれか1項に記載の操作された免疫細胞。
(項目39)
前記免疫細胞がCD4+T細胞またはCD8+T細胞である、項目38に記載の操作された免疫細胞。
(項目40)
前記免疫細胞がPD−1遺伝子、LAG3遺伝子、TIM3遺伝子、CTLA4遺伝子、HLA成分遺伝子、TCR成分遺伝子またはこれらの任意の組み合わせの染色体遺伝子ノックアウトを含む、項目39に記載の操作された免疫細胞。
(項目41)
前記染色体遺伝子ノックアウトが、α1マクログロブリン遺伝子、α2マクログロブリン遺伝子、α3マクログロブリン遺伝子、β1ミクログロブリン遺伝子またはβ2ミクログロブリン遺伝子から選択されるHLA成分遺伝子のノックアウトを含む、項目40に記載の操作された免疫細胞。
(項目42)
前記染色体遺伝子ノックアウトが、TCRα可変領域遺伝子、TCRβ可変領域遺伝子、TCR定常領域遺伝子またはこれらの組み合わせから選択されるTCR成分遺伝子のノックアウトを含む、項目41に記載の操作された免疫細胞。
(項目43)
項目1〜42のいずれか1項に記載の操作された免疫細胞及び医薬的に許容可能な担体、希釈剤または賦形剤を含む、組成物。
(項目44)
有効量の(i)項目1〜42のいずれか1項に記載の操作された免疫細胞または(ii)項目43に記載の組成物を含む、単位用量。
(項目45)
約1:1の比率で、(i)少なくとも約30%の操作されたCD4+T細胞を含む組成物を(ii)少なくとも約30%の操作されたCD8+T細胞を含む組成物と組み合わせて含み、実質的にナイーブT細胞を含まない、項目44に記載の単位用量。
(項目46)
対象において、HA−1H抗原の発現を特徴とする過剰増殖性障害を治療するための、またはそうした過剰増殖性障害の再発を防止するための方法であって、項目44または45に記載の単位用量を前記対象に投与し、それによって、前記過剰増殖性障害を治療することを含む、前記方法。
(項目47)
前記HA−1H抗原が、前記対象の過剰増殖細胞が発現するHLA複合体中に存在する、項目46に記載の方法。
(項目48)
前記過剰増殖性障害が血液悪性腫瘍を含む、項目46または47に記載の方法。
(項目49)
前記血液悪性腫瘍が、白血病、リンパ腫、骨髄異形成障害、または骨髄腫を含む、項目48に記載の方法。
(項目50)
前記血液悪性腫瘍が白血病を含む、項目49に記載の方法。
(項目51)
前記白血病が、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病(ALL)、混合表現型急性白血病(MPAL)、慢性骨髄性白血病(CML)、B細胞前リンパ球性白血病、ヘアリーセル白血病、または慢性リンパ性白血病(CLL)から選択される、項目50に記載の方法。
(項目52)
前記血液障害がリンパ腫を含む、項目51に記載の方法。
(項目53)
前記リンパ腫が、ホジキンリンパ腫(HL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、中枢神経系リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、CD37+樹状細胞リンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫、脾臓周辺帯リンパ腫、粘膜関連(MALT)リンパ組織の節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、結節性辺縁帯B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性体液性リンパ腫、またはバーキットリンパ腫から選択される、項目52に記載の方法。
(項目54)
前記血液悪性腫瘍が骨髄異形成障害を含む、項目49に記載の方法。
(項目55)
前記骨髄異形成障害が、単一血球系統の異形成を伴う不応性血球減少症(不応性貧血、不応性好中球減少症及び不応性血小板減少症)、環状鉄芽球を伴う不応性貧血(RARS)、環状鉄芽球を伴う不応性貧血−血小板増加症(RARS−t)、多血球系異形成を伴う不応性血球減少症(RCMD)、多血球系異形成と環状鉄芽球を伴う不応性血球減少症(RCMD−RS)、芽球増加を伴う不応性貧血(RAEB)、分類不可能な脊髄形成異常、または小児期の不応性血球減少症から選択される、項目54に記載の方法。
(項目56)
前記対象が造血細胞移植(HCT)を受けているか、以前に受けていた、項目46〜55のいずれか1項に記載の方法。
(項目57)
前記HCTが、HLA成分をコードする遺伝子の染色体ノックアウト、TCR成分をコードする遺伝子の染色体ノックアウト、または両方を含むドナー造血細胞を含む、項目56に記載の方法。
(項目58)
前記対象がリンパ球枯渇化学療法を以前に受けたことがあった、項目46〜57のいずれか1項に記載の方法。
(項目59)
前記リンパ球枯渇化学療法が、シクロホスファミド、フルダラビン、抗胸腺細胞グロブリン、またはこれらの組み合わせを含んでいた、項目58に記載の方法。
(項目60)
前記単位用量に含まれる前記操作された細胞の1つまたは複数が前記対象に対して同種異系である、項目46〜59のいずれか1項に記載の方法。
(項目61)
項目27〜42のいずれか1項に記載され、安全スイッチタンパク質をコードする異種性ポリヌクレオチドを含む操作された免疫細胞を以前に与えられたことがある対象に、前記対象において、以前に投与された操作された免疫細胞を除去するのに有効な量で、前記安全スイッチタンパク質の同族化合物を含む投与することを含む、養子免疫療法のモジュレート方法。
(項目62)
(a)前記安全スイッチタンパク質がtEGFRを含み、前記同族化合物がセツキシマブである、
(b)前記安全スイッチタンパク質がiCasp9を含み、前記同族化合物がAP1903である、
(c)前記安全スイッチタンパク質がRQRポリペプチドを含み、前記同族化合物がリツキシマブである、
(d)前記安全スイッチタンパク質がmyc結合ドメインを含み、前記同族化合物が前記myc結合ドメインに特異的な抗体である、または
(e)(a)〜(d)の任意の組み合わせである、
項目61に記載の方法。
(項目63)
前記安全スイッチがiCasp9及び前記iCasp9に結合した前記AP1903を含む、項目62に記載の方法。
(項目64)
結合タンパク質をコードする単離ポリヌクレオチドであって、前記コードされる結合タンパク質が、
(a)TRAV17遺伝子、TRAV21遺伝子もしくはTRAV10遺伝子にコードされるアミノ酸配列を有するT細胞受容体(TCR)α鎖可変(Vα)ドメイン、ならびに配列番号13〜17及び86のうちのいずれか1つのCDR3アミノ酸配列を含むTCRβ鎖可変(Vβ)ドメイン、
(b)配列番号87〜92のうちのいずれか1つのCDR3アミノ酸配列を含むTCR
Vαドメイン、及びTRBV7−9遺伝子にコードされるアミノ酸配列を有するTCR
Vβドメイン、または
(c)配列番号87〜92のうちのいずれか1つのCDR3アミノ酸配列を含むTCR
Vαドメイン、ならびに配列番号13〜17及び86のうちのいずれか1つのCDR3アミノ酸配列を含むTCR Vβドメイン
を含み、
前記コードされる結合タンパク質が、HA−1H抗原を含むペプチドに特異的に結合することができ、HA−1H抗原を含まないペプチドに結合せず、前記ポリヌクレオチドが宿主細胞での発現のためにコドン最適化される、前記単離ポリヌクレオチド。
(項目65)
(a)前記コードされるVβCDR3が配列番号14のアミノ酸配列を含み、前記コードされるVαCDR3が配列番号88のアミノ酸配列を含む、
(b)前記コードされるVβCDR3が配列番号13のアミノ酸配列を含み、前記コードされるVαCDR3が配列番号87のアミノ酸配列を含む、
(c)前記コードされるVβCDR3が配列番号15のアミノ酸配列を含み、前記コードされるVαCDR3が配列番号89のアミノ酸配列を含む、
(d)前記コードされるVβCDR3が配列番号16のアミノ酸配列を含み、前記コードされるVαCDR3が配列番号90のアミノ酸配列を含む、または
(e)前記コードされるVβCDR3が配列番号17のアミノ酸配列を含み、前記コードされるVαCDR3が配列番号91のアミノ酸配列を含む、
項目64に記載の単離ポリヌクレオチド。
(項目66)
前記コードされるVαドメインが配列番号2、4、6、8、10及び12のうちのいずれか1つのアミノ酸配列に少なくとも約90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、項目64または65に記載の単離ポリヌクレオチド。
(項目67)
前記コードされるVβドメインが配列番号1、3、5、7、9及び11のうちのいずれか1つのアミノ酸配列に少なくとも約90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、項目64〜66のいずれか1項に記載の単離ポリヌクレオチド。
(項目68)
前記コードされるVαドメインがCDR1のアミノ酸配列に変化を含まない、前記コードされるVβドメインがCDR1のアミノ酸配列に変化を含まない、または前記コードされるVαドメインの前記CDR1及び前記コードされるVβドメインの前記CDR2がアミノ酸配列に変化を含まない、項目66または67に記載の単離ポリヌクレオチド。
(項目69)
前記コードされるVαドメインがCDR2のアミノ酸配列に変化を含まない、前記コードされるVβドメインがCDR2のアミノ酸配列に変化を含まない、または前記コードされるVαドメインの前記CDR2及び前記コードされるVβドメインの前記CDR2がアミノ酸配列に変化を含まない、項目66〜68のいずれか1項に記載の単離ポリヌクレオチド。
(項目70)
(a)前記コードされるVβドメインが配列番号3のアミノ酸配列を含むか、それからなり、前記コードされるVαドメインが配列番号4のアミノ酸配列を含むか、それからなる、
(b)前記コードされるVβドメインが配列番号1のアミノ酸配列を含むか、それからなり、前記コードされるVαドメインが配列番号2のアミノ酸配列を含むか、それからなる、
(c)前記コードされるVβドメインが配列番号5のアミノ酸配列を含むか、それからなり、前記コードされるVαドメインが配列番号6のアミノ酸配列を含むか、それからなる、
(d)前記コードされるVβドメインが配列番号7のアミノ酸配列を含むか、それからなり、前記コードされるVαドメインが配列番号8のアミノ酸配列を含むか、それからなる、
(e)前記コードされるVβドメインが配列番号9のアミノ酸配列を含むか、それからなり、前記コードされるVαドメインが配列番号10のアミノ酸配列を含むか、それからなる、
(f)前記コードされるVβドメインが配列番号11のアミノ酸配列を含むか、それからなり、前記コードされるVαドメインが配列番号12のアミノ酸配列を含むか、それからなる
項目64〜69のいずれか1項に記載の単離ポリヌクレオチド。
(項目71)
前記コードされる結合タンパク質が配列番号19〜22、24及び26のうちのいずれか1つのアミノ酸配列に少なくとも約90%の配列同一性を有するTCRα鎖定常ドメインを含む、項目64〜70のいずれか1項に記載の単離ポリヌクレオチド。
(項目72)
前記コードされる結合タンパク質が配列番号18、23及び25のうちのいずれか1つのアミノ酸配列に少なくとも約90%の配列同一性を有するTCRβ鎖定常ドメインを含む、項目64〜71のいずれか1項に記載の単離ポリヌクレオチド。
(項目73)
前記コードされる結合タンパク質が配列番号28、30、32、34、36及び38のうちのいずれか1つのアミノ酸配列に少なくとも約90%同一であるアミノ酸配列を有するTCRα鎖を含む、項目64〜72のいずれか1項に記載の単離ポリヌクレオチド。
(項目74)
前記コードされる結合タンパク質が配列番号28、30、32、34、36及び38のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含むか、それからなるTCRα鎖を含む、項目64〜73のいずれか1項に記載の単離ポリヌクレオチド。
(項目75)
前記TCRα鎖をコードするポリヌクレオチドが配列番号40、42、46、48、50または52のうちのいずれか1つのヌクレオチド配列を含むか、それからなる、項目74に記載の単離ポリヌクレオチド。
(項目76)
前記コードされる結合タンパク質が配列番号27、29、31、33、35及び37のうちのいずれか1つのアミノ酸配列に少なくとも約90%同一であるアミノ酸配列を有するTCRβ鎖を含む、項目64〜75のいずれか1項に記載の単離ポリヌクレオチド。
(項目77)
前記コードされる結合タンパク質が配列番号27、29、31、33、35及び37のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含むか、それからなるTCRβ鎖を含む、項目64〜76のいずれか1項に記載の単離ポリヌクレオチド。
(項目78)
前記TCRβ鎖をコードするポリヌクレオチドが配列番号39、41、43、45、47、49または51のうちのいずれか1つのヌクレオチド配列を含むか、それからなる、項目77に記載の単離ポリヌクレオチド。
(項目79)
前記コードされる結合タンパク質が、
(a)配列番号27のアミノ酸配列を含むか、それからなるTCRβ鎖、及び配列番号28のアミノ酸配列を含むか、それからなるTCRα鎖、
(b)配列番号29のアミノ酸配列を含むか、それからなるTCRβ鎖、及び配列番号30のアミノ酸配列を含むか、それからなるTCRα鎖、
(c)配列番号31のアミノ酸配列を含むか、それからなるTCRβ鎖、及び配列番号32のアミノ酸配列を含むか、それからなるTCRα鎖、
(d)配列番号33のアミノ酸配列を含むか、それからなるTCRβ鎖、及び配列番号34のアミノ酸配列を含むか、それからなるTCRα鎖、
(e)配列番号35のアミノ酸配列を含むか、それからなるTCRβ鎖、及び配列番号36のアミノ酸配列を含むか、それからなるTCR−α鎖、または
(f)配列番号37のアミノ酸配列を含むか、それからなるTCRβ鎖、及び配列番号38のアミノ酸配列を含むか、それからなるTCR−α鎖
を含む、項目64〜78のいずれか1項に記載の単離ポリヌクレオチド。
(項目80)
前記TCRβ鎖をコードする前記ポリヌクレオチドと前記TCRα鎖をコードする前記ポリヌクレオチドの間に配置される自己切断ペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む、項目64〜79のいずれか1項に記載の単離ポリヌクレオチド。
(項目81)
前記コードされる自己切断ペプチドが配列番号76〜84のうちのいずれか1つのヌクレオチド配列を含むか、それからなる、項目80に記載の単離ポリヌクレオチド。
(項目82)
前記単一オープンリーディングフレームが配列番号59〜63のうちのいずれか1つのヌクレオチド配列に少なくとも約80%同一であるヌクレオチド配列を含む、項目80または81に記載の単離ポリヌクレオチド。
(項目83)
前記単一オープンリーディングフレームが配列番号59〜63のうちのいずれか1つのヌクレオチド配列を含むか、それからなる、項目82に記載の単離ポリヌクレオチド。
(項目84)
前記コードされる([TCRβ鎖、自己切断ペプチド、TCRα鎖])が配列番号53〜57のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含むか、それからなる、項目80〜83のいずれか1項に記載の単離ポリヌクレオチド。
(項目85)
前記コードされる結合タンパク質がHA−1Hペプチド:HLA複合体に特異的に結合することができる、項目64〜84のいずれか1項に記載の単離ポリヌクレオチド。
(項目86)
前記HLAがHLA−A*0201を含む、項目85に記載の単離ポリヌクレオチド。
(項目87)
前記HA−1Hペプチドがアミノ酸配列VLHDDLLEA(配列番号66)を含む、項目64〜86のいずれか1項に記載の単離ポリヌクレオチド。
(項目88)
前記コードされる結合タンパク質がTCR、TCRの抗原結合性断片またはキメラ抗原受容体(CAR)を含む、項目64〜87のいずれか1項に記載の単離ポリヌクレオチド。
(項目89)
前記TCRの前記抗原結合性断片が単鎖TCR(scTCR)を含む、項目88に記載の単離ポリヌクレオチド。
(項目90)
前記コードされる結合タンパク質がCARを含む、項目88に記載の単離ポリヌクレオチド。
(項目91)
前記コードされる結合タンパク質がTCRを含む、項目88に記載の単離ポリヌクレオチド。
(項目92)
(a)安全スイッチタンパク質、
(b)選択マーカー、
(c)CD8共受容体β鎖、
(d)CD8共受容体α鎖、または
(e)これらの任意の組み合わせ
をコードするポリヌクレオチドをさらに含む、項目64〜91のいずれか1項に記載の単離ポリヌクレオチド。
(項目93)
前記コードされる安全スイッチタンパク質が、
(i)トランケートされたEGF受容体(tEGFR)、
(ii)iCasp9、
(iii)RQRポリペプチド、
(iv)mycエピトープ、または
(v)これらの任意の組み合わせ
を含む、項目92に記載の単離ポリヌクレオチド。
(項目94)
前記コードされる選択マーカーが、
(i)RQRポリペプチド、
(ii)トランケートされた低親和性神経成長因子(tNGFR)、
(iii)トランケートされたCD19(tCD19)、
(iv)トランケートされたCD34(tCD34)、または
(v)これらの任意の組み合わせ
を含む、項目92または93に記載の単離ポリヌクレオチド。
(項目95)
前記コードされるCD8共受容体が配列番号71〜75のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含むβ鎖を含む、項目92〜94のいずれか1項に記載の単離ポリヌクレオチド。
(項目96)
前記コードされるCD8共受容体が、配列番号69のアミノ酸配列を有するRQRポリペプチドを含む組換えCD8共受容体である、項目92〜95のいずれか1項に記載の単離ポリヌクレオチド。
(項目97)
前記RQRポリペプチドをコードする前記ポリヌクレオチドが前記コードされるCD8共受容体のβ鎖をコードするポリヌクレオチド中に含まれる、項目96に記載の単離ポリヌクレオチド。
(項目98)
前記RQRポリペプチドをコードする前記ポリヌクレオチドが前記コードされるCD8−共受容体のα鎖をコードするポリヌクレオチド中に含まれる、項目96または97に記載の単離ポリヌクレオチド。
(項目99)
iCasp9をコードするポリヌクレオチド、及びRQRポリペプチドを含むβ鎖を含む組換えCD8共受容体タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む、項目98に記載の単離ポリヌクレオチド。
(項目100)
5’から3’に、([安全スイッチタンパク質をコードするポリヌクレオチド]−[自己切断ペプチドをコードするポリヌクレオチド]−[TCRβ鎖をコードする前記ポリヌクレオチド]−[自己切断ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド]−[TCRα鎖をコードするポリヌクレオチド]−[自己切断ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド]−[RQRポリペプチドを含むCD8β鎖をコードするポリヌクレオチド]−[自己切断ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド]−[CD8α鎖をコードするポリヌクレオチド])を含む単一オープンリーディングフレームを含む、項目99に記載の単離ポリヌクレオチド。
(項目101)
前記単一オープンリーディングフレームが、5’から3’に、([iCasp9ポリペプチド]−[ブタテッショウウイルス2A(P2A)ペプチド]−[TCRβ鎖]−[P2Aペプチド]−[TCRα鎖]−[P2Aペプチド]−[RQRポリペプチドを含むCD8β鎖]−[P2Aペプチド]−[CD8α鎖])をコードする、項目100に記載の単離ポリヌクレオチド。
(項目102)
前記TCRβ鎖をコードするポリヌクレオチドが配列番号41のヌクレオチド配列を含むか、それからなり、前記TCRα鎖をコードするポリヌクレオチドが配列番号42のヌクレオチド配列を含むか、それからなる、項目92〜101のいずれか1項に記載の単離ポリヌクレオチド。
(項目103)
前記ポリヌクレオチドが配列番号85のヌクレオチド配列を含むか、それからなる、単離ポリヌクレオチド。
(項目104)
前記単離ポリヌクレオチドがT細胞における発現のためにコドン最適化される、項目64〜103のいずれか1項に記載の単離ポリヌクレオチド。
(項目105)
項目64〜104のいずれか1項に記載のポリヌクレオチドに作動的に連結した発現制御配列を含む、導入遺伝子コンストラクト。
(項目106)
(a)安全スイッチタンパク質をコードするポリヌクレオチド、
(b)TCRβ鎖をコードするポリヌクレオチド、
(c)TCRα鎖をコードするポリヌクレオチド、
(b)選択マーカーをコードするポリヌクレオチド、
(c)CD8共受容体β鎖をコードするポリヌクレオチド、及び
(d)CD8共受容体α鎖をコードするポリヌクレオチド
を含む単一オープンリーディングフレームに作動的に連結した発現制御配列を含む、導入遺伝子コンストラクト。
(項目107)
前記コードされる安全スイッチタンパク質が、
(i)トランケートされたEGF受容体(tEGFR)、
(ii)iCasp9、
(iii)RQRポリペプチド、
(iv)mycエピトープ、または
(v)これらの任意の組み合わせ
を含む、項目106に記載の導入遺伝子コンストラクト。
(項目108)
前記コードされる選択マーカーが、
(i)RQRポリペプチド;
(ii)トランケートされた低親和性神経成長因子(tNGFR)、
(iii)トランケートされたCD19(tCD19)、
(iv)トランケートされたCD34(tCD34)、または
(v)これらの任意の組み合わせ
を含む、項目106または107に記載の導入遺伝子コンストラクト。
(項目109)
前記コードされるCD8共受容体が、配列番号69のアミノ酸配列を有するRQRポリペプチドを含む組換えCD8共受容体である、項目106〜108のいずれか1項に記載の導入遺伝子コンストラクト。
(項目110)
前記コードされるRQRポリペプチドが、前記コードされるCD8β鎖中または前記コードされるCD8α鎖中に含まれる、項目109に記載の導入遺伝子コンストラクト。
(項目111)
前記単一オープンリーディングフレームが、
(a)安全スイッチタンパク質をコードするポリヌクレオチド、
(b)TCRβ鎖をコードするポリヌクレオチド、
(c)TCRα鎖をコードするポリヌクレオチド、
(d)RQRポリペプチドを含むCD8β鎖をコードするポリヌクレオチド、及び
(e)CDα鎖をコードするポリヌクレオチド
を含む、項目110に記載の導入遺伝子コンストラクト。
(項目112)
前記単一オープンリーディングフレームが、5’から3’に、([安全スイッチタンパク質をコードする前記ポリヌクレオチド]−[自己切断ペプチドをコードするポリヌクレオチド]−[TCRβ鎖をコードする前記ポリヌクレオチド]−[自己切断ポリペプチドをコードする前記ポリヌクレオチド]−[TCRα鎖をコードする前記ポリヌクレオチド]−[自己切断ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド]−[RQRポリペプチドを含むCD8β鎖をコードする前記ポリヌクレオチド]−[自己切断ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド]−[CD8α鎖をコードする前記ポリヌクレオチド])をコードする、項目111に記載の導入遺伝子コンストラクト。
(項目113)
前記単一オープンリーディングフレームが5’から3’に、([iCasp9ポリペプチド]−[P2Aペプチド]−[TCRβ鎖]−[P2Aペプチド]−[TCRα鎖]−[P2Aペプチド]−[RQRポリペプチドを含むCD8β鎖]−[P2Aペプチド]−[CD8α鎖])をコードする、項目112に記載の導入遺伝子コンストラクト。
(項目114)
項目106〜113のいずれか1項に記載の導入遺伝子コンストラクトを含む、ベクター。
(項目115)
前記導入遺伝子コンストラクトを宿主細胞に送達することができる、項目114に記載のベクター。
(項目116)
前記宿主細胞が造血前駆細胞またはヒト免疫系細胞である、項目115に記載のベクター。
(項目117)
前記ヒト免疫系細胞がCD4+T細胞、CD8+T細胞、CD4−CD8−二重陰性T細胞、γδT細胞、ナチュラルキラー細胞、樹状細胞、またはこれらの任意の組み合わせである、項目116に記載のベクター。
(項目118)
前記免疫系細胞がCD4+細胞またはCD8+T細胞である、項目117に記載のベクター。
(項目119)
前記T細胞がナイーブT細胞、セントラルメモリーT細胞、エフェクターメモリーT細胞、またはこれらの任意の組み合わせである、項目117に記載のベクター。
(項目120)
ウイルスベクターである、項目114〜119のいずれか1項に記載のベクター。
(項目121)
前記ウイルスベクターがレンチウイルスベクターまたはγ−レトロウイルスベクターである、項目120に記載の発現ベクター。