特許第6866489号(P6866489)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6866489血液透析装置の熱交換器における漏洩を検出する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6866489
(24)【登録日】2021年4月9日
(45)【発行日】2021年4月28日
(54)【発明の名称】血液透析装置の熱交換器における漏洩を検出する方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/16 20060101AFI20210419BHJP
【FI】
   A61M1/16 120
   A61M1/16 185
   A61M1/16 111
   A61M1/16 115
【請求項の数】12
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2019-539280(P2019-539280)
(86)(22)【出願日】2018年1月19日
(65)【公表番号】特表2020-513941(P2020-513941A)
(43)【公表日】2020年5月21日
(86)【国際出願番号】US2018014495
(87)【国際公開番号】WO2018136780
(87)【国際公開日】20180726
【審査請求日】2019年8月29日
(31)【優先権主張番号】15/411,610
(32)【優先日】2017年1月20日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508180910
【氏名又は名称】フレセニウス メディカル ケア ホールディングス インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】クルンコビッチ、マーティン
(72)【発明者】
【氏名】レビン、ローランド
(72)【発明者】
【氏名】ミッコルミック、クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ワン、フェイ
(72)【発明者】
【氏名】ワン、アイユェン
【審査官】 寺川 ゆりか
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−153003(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/184572(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0356874(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液透析装置の熱交換器における漏洩を検出するための方法であって、前記血液透析装置は、流体圧力を測定するための1つまたは複数のセンサを含み、前記血液透析装置は、メモリを含むコントローラに通信的に結合されており、
前記コントローラを用いて前記血液透析装置内のドレンバルブを開くことと、前記ドレンバルブは使用済み透析液回路に配設されており、
予め選択された時間期間後に前記コントローラを用いて前記血液透析装置内の前記ドレンバルブを閉じることと、
前記コントローラと組み合わせて前記1つまたは複数のセンサを用いて前記使用済み透析液回路における第1の流体圧力を決定することと
前記メモリに前記第1の流体圧力を記憶することと、
周期的な時間間隔で追加の流体圧力を感知することと、
前記コントローラを用いて前記第1の流体圧力と周期的な間隔で感知された追加の流体圧力との各々を所定の最大流体圧力と比較すること、および周期的な時間間隔での前記感知された追加の流体圧力の各々から減算された前記第1の流体圧力を所定の最小圧力差と比較することのうちの一方または両方によって、前記熱交換器が漏洩を有するかどうかを決定することと、ここにおいて、
前記第1の流体圧力または周期的な時間間隔での前記感知された追加の流体圧力のうちの1つ前記所定の最大流体圧力を超えることに応答して、警報を発生すること、消毒剤を用いた消毒動作を停止すること、システム動作を停止すること、および前記ドレンバルブを開くことのうちの1つまたは複数を含むイベントを実行するためのコマンドを生成することと、
周期的な時間間隔での前記感知された追加の流体圧力から減算された前記第1の流体圧力が前記所定の最小圧力差よりも大きいことに応答して、警報を発生すること、前記消毒剤を用いた前記消毒動作を停止すること、システム動作を停止すること、および前記ドレンバルブを開くことのうちの1つまたは複数を含むイベントを実行するためのコマンドを生成することと
を備える、方法。
【請求項2】
複数のバルブをさらに備え、前記ドレンバルブを開いた後に、前記複数のバルブが、前記血液透析装置内の後続の流体圧力を均等にするために閉じられる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ドレンバルブを閉じるための前記予め選択された時間期間は、前記メモリに記憶される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記感知された追加の流体圧力は、30秒の時間間隔で前記コントローラを用いて決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の流体圧力は、前記コントローラが少なくとも2つの最初の流体圧力読取り値を決定した後に前記メモリに記憶される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
周期的な時間間隔での前記感知された追加の流体圧力は、特定の時間期間にわたって前記コントローラを用いて決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の流体圧力または所定の時間間隔で感知された追加の流体圧力のうちの少なくとも1つが前記所定の最大圧力を超えることに応答して、大量の漏洩が検出される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
周期的な時間間隔での前記感知された追加の流体圧力から減算された前記第1流体圧力が前記所定の最小圧力差よりも大きいことに応答して、少量の漏洩が検出される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記熱交換器において漏洩が生じることに応答して、淡水回路からの水が前記使用済み透析液回路に流入し、その結果、前記使用済み透析液回路側の後続の流体圧力が増加する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記熱交換器における前記漏洩を検出することに応答して、前記血液透析装置の動作は、前記消毒動作が進行中である場合、使用済み透析液および消毒剤が前記淡水回路に流入することが実質的に防止されるように停止される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
漏洩検出は消毒動作中に検出される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記消毒動作は消毒剤を使用する化学リンスである、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
[0001] 本願は、2017年1月20日出願の「Method of Detecting a Leak in a Heat Exchanger of a Hemodialysis Machine」と題する米国特許出願第15/411,610号の国際特許出願であり、その優先権の利益を主張し、その出願の全体が本明細書に参照によって明確に組み込まれている。
【技術分野】
【0002】
[0002] 本開示は、概して、血液透析装置内の熱交換器における漏洩を検出するための制御されたシステムおよび方法に関し、より具体的には、逆流汚染を防止するために熱交換器における漏洩を検出するための制御されたシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 流体流れを伴う医療機器は、典型的には、化学消毒のような消毒動作のための流体流路を伴う。血液透析装置は、患者の腎臓が正しく機能しないときに患者の血液から老廃物、塩分、および流体を濾過することによって腎臓の代わりに機能することができる。流路が患者使用のために適切に洗浄されることを確実にするために、化学洗浄が消毒剤または他の洗浄薬品を流路に流す。血液透析装置が、化学洗浄に、患者と接触し得る流体を含む流路を汚染させないことが極めて重要である。
【0004】
[0004] 透析動作中、使用済み透析液回路内のバルブは常に閉じており、これによって化学洗浄からのいかなる汚染の可能性も防止する。さらに、水入口バルブ(water inlet valve)とハイドロチャンバ(hydrochamber)との間のエアギャップにより、水圧の外部損失がある場合にいかなる患者の汚染も防止される。化学洗浄動作中、バルブは開かれ、その結果、化学洗浄液または他の消毒薬が使用済み透析液側からハイドロチャンバに流れる。ドレンバルブ(drain valve)は、ドレンラインを消毒するために周期的な時間間隔で開き、淡水が、水入口バルブを流れて、ドレンバルブから抜かれた体積に置き換わる。通常の状況下では、淡水回路には陽圧がかかっているので、水は水入口バルブに流入し、消毒薬は水入口バルブを流れ戻ることが防止される。
【0005】
[0005] 外部水源が働かなくなる(fail)場合、水にはもはや陽圧がかからず、化学洗浄液または消毒薬は、逆流が起こり得る通路を有する。熱交換器は、時間が経つにつれて腐食し得、壁または膜に開口を引き起こす。外部水源圧不良の場合、消毒動作が進行中の場合に消毒剤を含み得る使用済み透析液が、使用済み透析液回路から水回路に引き込まれ得、患者と接触し得る流体および外部水源を汚染する恐れがある。患者へのリスクはわずかではあるが、熱交換器における漏洩を検出し、患者の安全を確保するためにあらゆる逆流汚染の可能性を防止するために解決法が必要である。
【0006】
[0006] これらおよび他の検討事項に対して、本願の改良点は有用であり得る。
【発明の概要】
【0007】
[0007] 本発明の概要は、下記の詳細な説明においてさらに説明される概念の選定を簡略化された形式で紹介するために提供される。この発明の概要は、請求項記載の主題の重要な特徴または本質的な特徴を必ずしも特定することを意図しておらず、また請求項記載の主題の範囲の決定を助けるものとも意図していない。
【0008】
[0008] 本開示にしたがうメモリを含むコントローラによって血液透析装置の熱交換器における漏洩を検出するための方法の例示的な実施形態は、コントローラによって、使用済み透析液回路に配設されたドレンバルブを開くことと、予め選択された時間期間後にコントローラによってドレンバルブを閉じることとを備え得る。本方法はさらに、コントローラによって使用済み透析液回路における最初の圧力を決定することと、メモリに最初の圧力を記憶することと、周期的な時間間隔でシステム圧力を感知し、所定の最大圧力と比較することとを含み得る。本方法はさらに、コントローラによって、熱交換器が漏洩を有するかどうかを決定することと、ここにおいて、システム圧力が所定の最大圧力を超えることに応答して、警報を発生すること、消毒剤を用いた消毒動作を停止すること、システム動作を停止すること、およびドレンバルブを開くことのうちの1つまたは複数を含むイベントを実行するためのコマンドを生成することと、システム圧力から減算された最初の圧力が所定の最小圧力差よりも大きいことに応答して、警報を発生すること、消毒剤を用いた消毒動作を停止すること、システム動作を停止すること、およびドレンバルブを開くことのうちの1つまたは複数を含むイベントを実行するためのコマンドを生成することとを含み得る。
【0009】
[0009] 本開示の様々な前述および他の実施形態によれば、本方法はさらに、ドレンバルブを開いた後に、複数のバルブが、血液透析装置内の圧力を均等にするために閉じられることを含み得る。ドレンバルブを閉じるための予め選択された時間期間は、メモリに記憶され得る。システム圧力は、30秒の時間間隔でコントローラによって決定され得る。最初の圧力は、コントローラが少なくとも2つの最初の圧力読取り値を決定した後にメモリに記憶され得る。システム圧力は、特定の時間期間にわたってコントローラによって決定され得る。システム圧力が所定の最大圧力を超えることに応答して、大量の漏洩が検出され得る。システム圧力から減算された最初の圧力が所定の最小圧力差よりも大きいことに応答して、少量の漏洩が検出され得る。熱交換器において漏洩が生じることに応答して、淡水回路からの水が使用済み透析液回路に流入し得、その結果、使用済み透析液回路側の圧力が増加し得る。熱交換器における漏洩を検出することに応答して、血液透析装置の動作は、消毒動作が進行中である場合、使用済み透析液および消毒剤が淡水回路に流入することが実質的に防止され得るように停止され得る。漏洩検出は、消毒動作中に検出され得る。消毒動作は、消毒剤を使用する化学リンス(chemical rinse)であり得る。
【0010】
[0010] 本開示にしたがう血液透析装置の熱交換器における漏洩を検出するためのコントローラによる実行可能プログラムを記憶する非一時的コンピュータ可読媒体の例示的な実施形態は、コントローラによって、使用済み透析液回路に配設されたドレンバルブを開き、予め選択された時間期間後にコントローラによってドレンバルブを閉じることと、コントローラによって使用済み透析液回路における最初の圧力を決定し、メモリに最初の圧力を記憶することと、周期的な時間間隔でシステム圧力を感知し、所定の最大圧力と比較することと、コントローラによって、熱交換器が漏洩を有するかどうかを決定することと、ここにおいて、システム圧力が所定の最大圧力を超えることに応答して、警報を発生すること、消毒剤を用いた消毒動作を停止すること、システム動作を停止すること、およびドレンバルブを開くことのうちの1つまたは複数を含むイベントを実行するためのコマンドを生成することと、システム圧力から減算された最初の圧力が所定の最小圧力差よりも大きいことに応答して、警報を発生すること、消毒剤を用いた消毒動作を停止すること、システム動作を停止すること、およびドレンバルブを開くことのうちの1つまたは複数を含むイベントを実行するためのコマンドを生成することとを備え得る。
【0011】
[0011] 本開示の様々な前述および他の実施形態によれば、本非一時的コンピュータ可読媒体はさらに、ドレンバルブを開いた後に、複数のバルブが、血液透析装置内の圧力を均等にするために閉じられることを含み得る。ドレンバルブを閉じるための予め選択された時間期間は、メモリに記憶され得る。システム圧力は、30秒の時間間隔でコントローラによって決定され得る。最初の圧力は、コントローラが少なくとも2つの最初の圧力読取り値を決定した後にメモリに記憶され得る。システム圧力は、特定の時間期間にわたってコントローラによって決定され得る。システム圧力が所定の最大圧力を超えることに応答して、大量の漏洩が検出され得る。システム圧力から減算された最初の圧力が所定の最小圧力差よりも大きいことに応答して、少量の漏洩が検出され得る。熱交換器において漏洩が生じることに応答して、淡水回路からの水が使用済み透析液回路に流入し得、その結果、使用済み透析液回路側の圧力が増加し得る。熱交換器における漏洩を検出することに応答して、血液透析装置の動作は、消毒動作が進行中である場合、使用済み透析液および消毒剤が淡水回路に流入することが実質的に防止され得るように停止され得る。漏洩検出は、消毒動作中に検出され得る。消毒動作は、消毒剤を使用する化学リンスであり得る。
【0012】
[0012] 例として、開示される装置の特定の実施形態が、以下の添付図面を参照してここから説明される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】[0013] 本発明の一実施形態による血液透析装置の概略図を例示する。
図2】[0014] 本発明の一実施形態による血液透析装置の、図1の概略図の一部分を例示する。
図3】[0015] 本発明の一実施形態による血液透析装置のハイドロチャンバ構成要素を例示する。
図4】[0016] 本発明の一実施形態によるコントローラおよび血液透析装置の概略図を例示する。
図5A】[0017] 本発明の一実施形態による血液透析装置の熱交換器の内部の壁を例示する。
図5B】本発明の一実施形態による血液透析装置の熱交換器の内部の壁を例示する。
図5C】本発明の一実施形態による血液透析装置の熱交換器の内部の壁を例示する。
図5D】本発明の一実施形態による血液透析装置の熱交換器の内部の壁を例示する。
図6】[0018] 本発明の一実施形態による血液透析装置における漏洩を検出する方法のフロー図を例示する。
【詳細な説明】
【0014】
[0019] 本実施形態はここから、いくつかの例示的な実施形態が示されている添付図面を参照して以下により十分に説明される。しかしながら、本開示の主題は、多くの異なる形態で具現化されることができ、本明細書に記載の実施形態に限定されるものとしてみなされるべきではない。むしろこれらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全なものとなり、当業者に本主題の範囲を十分に伝えることになるように提供されるものである。図面において、同様の番号は全体を通して同様の要素を指す。
【0015】
[0020] 図1および図2を参照すると、本発明の一実施形態による血液透析装置の概略図が示されている。図2は、本発明の一実施形態による概略図100の一部分105を示す。ここで図3を参照すると、本発明の一実施形態による血液透析装置のハイドロチャンバ110が示されている。上述のように、血液透析装置は、外部水源(図示せず)からハイドロチャンバ110への流体流れを含み得る。図4は、血液透析装置401のためのコントローラ405の概略図400を例示する。コントローラ405は、互いに動作可能に接続され、かつ血液透析装置401に接続された、メモリ410、プロセッサ415、1つまたは複数の電子回路420、ユーザインターフェース425、およびディスプレイ430を含み得る。一実施形態では、血液透析装置401は、これらに限定されるわけではないが流体圧力(単数または複数)、流体温度(単数または複数)、および流体体積を含む、血液透析装置401のパラメータを測定するための1つまたは複数のセンサ(図示せず)を含み得る。
【0016】
[0021] 血液透析装置401は、ハイドロチャンバ110およびハイドロチャンバ110と流体連通している熱交換器115を含み得る。図1および図2に戻って参照すると、血液透析装置内の水回路120および使用済み透析液回路125は、概略図の一部分105において流体流れを供給する。外部水源(図示せず)は、淡水を水回路120に供給し得る。水は熱交換器115を流れ得、その結果、ハイドロチャンバ110に入るより前に加熱される。水入口バルブ130が、熱交換器115とハイドロチャンバ110との間の水回路に配設され得る。水入口バルブ130が開いているとき、水は外部水源からハイドロチャンバ110に流入し得る。実施形態において、水は、ハイドロチャンバ内のエアギャップ145を通過して流れ得る。エアギャップ145は、ハイドロチャンバから水入口バルブ130を通って戻る水の逆流の可能性を防止し得る。
【0017】
[0022] ハイドロチャンバ110は、複数のチャンバ110A、110B、110C、110D、および110Eを含み得る。一実施形態では、水は、第1のチャンバ、例えばチャンバ110Aに入り、チャンバ110Bにおいて加熱され得る。ハイドロチャンバ内の流体をモニタリングするためのセンサおよび/またはスイッチを含むことによって、水流の制御が、例えばチャンバ110Cにおいて生じ得る。流体は、別のチャンバ、例えば110Dおよび/または110Eにおいて脱ガスまたは脱気され得、その結果、流体におけるバランスエラー(balancing error)が低減される。流体回路は、水入口バルブ130、再循環バルブ135、およびハイドロチャンバ110間で接続される。
【0018】
[0023] ここで図2を参照すると、本発明の一実施形態による血液透析装置の概略図の一部分105が示されている。再循環バルブ135は、ハイドロチャンバ110に直接接続され得、その結果、水入口バルブ130と再循環バルブ135との間の流体流路は互いに独立している。例えば、一実施形態では、流体流路160が、水入口バルブ130とハイドロチャンバ110との間にあり得、別の別個の流体流路165が、再循環バルブ135とハイドロチャンバ110との間にあり得る。
【0019】
[0024] 上述のように、透析動作または透析モード中、流体の逆流は、水入口バルブ130とハイドロチャンバ110との間のエアギャップによって防止され得る。さらに、再循環バルブ135は閉じたままであり、その結果、使用済み透析液回路125は、水回路120から遮断されたままである。それによって、万が一水圧の外部損失が生じても、患者の汚染の可能性は防止される。一実施形態では、水は、外部水源(図示せず)から、熱交換器115を通り、水入口バルブ130を通り、エアギャップ145を通過してハイドロチャンバ110に流入し得る。再循環バルブ135が閉じているとき、水回路120は、使用済み透析液回路125から分離され得る。水圧の損失を検出するために、上述のように、1つまたは複数のセンサ150がチャンバ110A〜110E内に配設され得る。一実施形態では、センサ150は、ハイドロチャンバ110における流体レベルを検出するためのフロートであり得る。ハイドロチャンバ110における流体レベルの変化に応答して、血液透析装置のコントローラは、警告、警報、および/または自動シャットダウンを出力し得る。
【0020】
[0025] 消毒動作中、再循環バルブ135は、使用済み透析液回路125からの消毒剤を、流体流路165を通してハイドロチャンバ110に流すために開かれる。一実施形態では、消毒動作は、消毒洗浄および/またはリンスであり得る。一実施形態では、消毒剤は消毒薬であり得る。流体回路の周期的な消毒は、微生物体系においてチューブを洗浄する。
【0021】
[0026] ドレンバルブ140は、使用済み透析液回路から流体を排出するために周期的な時間間隔で開かれ得、その結果、消毒剤はドレンバルブ140を消毒する。排出された流体体積に置き換わるために、水入口バルブ130は、水回路120に水を流すために開く。水回路120は、使用済み透析液回路125に対して陽圧に保たれ、その結果、水は、水入口バルブ130が開かれたとき、常に、高い方の圧力領域から低い方の圧力ハイドロチャンバに流れることになる。例えば、水圧は20psiであり得る。しかしながら、外部水源が働かなくなる場合、流体圧力は水回路120において降下し得る。
【0022】
[0027] 消毒動作中に再循環バルブ135が開いているときに外部水源における圧力の損失があった場合、消毒剤は、エアギャップ145および個々の流体流路160、165により、水入口バルブ130を流れることが防止される。よって汚染が防止され、患者の安全が確保される。
【0023】
[0028] しかしながら、流体が熱交換器115の第1の側にある使用済み透析液回路125に流れ込み、流体が熱交換器115の第2の側にある水回路120に流れ込むと、熱交換器115において漏洩が依然として生じ得る。熱交換器は、水回路120内の流体流れと使用済み透析液回路125内の流体流れとの間で熱を伝達する。しかしながら、上述のように、腐食性要素も回路120、125を流れ得る。時間が経つにつれて、熱交換器の壁または膜は腐食し得、亀裂、断裂、および/または開口を引き起こす。開口は、流体が回路120、125間で漏洩することを可能にし得る。
【0024】
[0029] 上述のように、患者と接触し得る流体を含む流路の汚染の可能性を排除することが重要である。熱交換器の壁すなわち膜に開口が現れた場合、高圧流体流路から低圧流体流路への流体の漏洩の可能性がある。図5A図5Dに示されるように、熱交換器115の断面図505が例示されている。水が水回路120を通り第1の側510の熱交換器115に流入し得、使用済み透析液および/または消毒剤が熱交換器115の第2の側515にある使用済み透析液回路125を流れ得る。これら2つの側は、壁すなわち膜520によって隔てられ得、その結果、熱は、使用済み透析液回路内の流体から水回路内の流体に伝達され得るが、流体流路は分離されたままである。
【0025】
[0030] 時間が経つにつれて、腐食性流体は、第1の側510と第2の側515との間にある熱交換器115の膜520に開口部525を形成する亀裂、分裂、および/または穴を引き起こし得る。よって流体は、矢印535によって示される、熱交換器115の高い方の圧力側(例えば水回路120を有する第1の側510)から、熱交換器115の低い方の圧力側(例えば使用済み透析液回路125を有する第2の側515)に流れることになる。通常の動作条件下では、水回路120は陽圧にあるので、水は水回路120から使用済み透析液回路125に漏洩し得る。膜520は、可撓性があり得るか曲げ可能であり得、その結果、高い方の圧力領域から低い方の圧力領域に流体が流入するにつれて、開口部525の周りの縁部530は、高圧の領域から遠ざかって使用済み透析液回路125のほうに曲がり得る。さらに流体流れの高い方の圧力は、高圧の領域からさらに遠ざけて縁部530を押すことによって開口部525を広げて開口部525の幅wを増大させ得、漏洩速度の増加を引き起こす。使用済み透析液流体回路125は血液透析装置から排出されるので、これらの条件下の漏洩は、患者に安全性の懸念を何ら呈さない。しかしながら、この漏洩は不必要に水回路120内の水を無駄にし、好ましくは避けられる。
【0026】
[0031] 損失が消毒動作中に生じる場合を含み、外部水源(図示せず)における圧力の損失がある場合、淡水回路120はここでは使用済み透析液回路125に対して陰圧にある。例えば、図5Dを参照すると、熱交換器115が膜520に開口部525を含む場合、流体は、高圧の領域から低圧の領域に流れ、すなわち使用済み透析液回路125からの流体が、矢印540によって示される淡水回路120に流れ、水回路および/または外部水源を汚染し得ることになる。消毒動作中に圧力損失が生じた場合、例えば漂白剤を含み得る、使用済み透析液回路125を流れる消毒剤は、水回路120および/または外部水源に流入し得、汚染および患者に対する安全性の懸念の可能性を引き起こす。開口部525が、縁部530が使用済み透析液回路125のほうに曲がりながら既に形成されているとき、ここでは使用済み透析液回路125にある高い方の圧力は、多少、縁部530を閉じ合わせて開口部525の幅wを縮小および/または排除し、よって漏洩を低減し得るが、これは、必ずしも汚染のリスクを排除するわけではなく、漏洩の検出をより認め難くする場合がある。それゆえ、低い水入口圧の場合の逆流漏洩の可能性が、かかる場合が生じるより前に、図6に示されるフロー図600を有する例示された実施形態で説明されるような高感度な検出試験を通して漏洩を特定できるようにすることによって、できる限り軽減されることが重要である。漏洩検出を、患者の治療動作とは対照的に消毒動作中に行うことが有利であり、これは、漏洩検出プロセスが、血液透析装置の動作を中断し得、それにより患者の治療時間を増加させるからである。さらに、化学リンス動作より前に漏洩を検出することが、患者の安全を確保するのにより有利である。
【0027】
[0032] 漏洩は、血液透析装置によって、メモリに記憶されたコントローラからのプログラムを実行することによって検出され得る。ステップ605において、コントローラは、化学リンスのような消毒動作を開始するための信号を生成し得る。コントローラはまた、漏洩を検出するために許容された時間の長さをモニタリングするためのタイマも開始し得る。現存する漏洩が検出されることを確実にするために、例えば4分という特定の時間期間がセットされ得る。より大型の装置の場合、チューブが適切に洗浄されることを確実にするためにより長い時間期間が必要であり得るという点で、時間期間は、血液透析装置におけるチューブの長さおよび/または流体体積の量に応じ得る。同様に、チューブおよび/またはチューブの長さがより少ないより小型の装置では、チューブが適切に洗浄されることを確実にするためにより短い時間期間が必要とされ得る。所与の血液透析装置セットアップ内の漏洩を検出するようにプログラムが実行されることを可能にするのに十分な任意の時間期間が考えられ得る。
【0028】
[0033] ステップ610において、消毒動作のリンスステップが、ある時間期間の間実行される。上述のように、コントローラは、装置サイズ要件に応じた時間の間、リンスステップを含む消毒動作を実行するための信号を生成し得る。例えば、消毒動作のリンスステップは、45秒間動作され得る。
【0029】
[0034] ステップ615において、コントローラは、漏洩検出試験を開始するための信号を生成する。ステップ620において、コントローラは、ドレンバルブ140およびバルブ175を開くための信号を生成する。バルブ175(図6のステップ620ではV43と指定)は、熱交換の使用済み透析液側を圧力センサと接続するために漏洩検出試験中開かれるベントバルブ(venting valve)であり得る。図1に示されるように、複数のバルブ170が流体回路に配設されている。ドレンバルブ140が開かれると、バルブ170は、ある時間期間の間閉じられ、次いでドレンバルブ140も閉じられる。ステップ615および620は、血液透析装置が、漏洩試験を始める前に流体回路において均圧を有することを確実にする。これは、漏洩を検出する際にエラーを低減および/または排除するのに有利である。
【0030】
[0035] ステップ625において、熱交換器の使用済み透析液側における圧力読取り値が、周期的な時間間隔で、例えば30秒ごとに、決定され得る。コントローラは圧力レベルを検出し得、圧力レベルはコントローラのメモリに記憶され得る。誤りの可能性のある読取りを避けるために、少なくとも初めの2つの圧力読取り値が廃棄され得る。ステップ630において、最初の圧力読取り値が、所定の最大圧力と比較される。実施形態において、所定の最大圧力は200mmHgであり得る。圧力読取り値が所定の最大圧力を下回る場合、圧力読取り値は、ステップ635において最初の圧力(Press0)としてメモリに記憶される。圧力読取り値が所定の最大圧力を超える場合、圧力読取り値は、ステップ640において不良(failure)としてコントローラのメモリに記憶される。
【0031】
[0036] ステップ645において、不良がカウントされ、その結果、第2の不良が認識された場合、すなわち第2のシステム圧力読取り値が所定の最大圧力を超える場合、コントローラが、警報を発生する、消毒剤を用いた消毒動作を停止する、システム動作を停止する、およびドレンバルブを開く、のうちの1つまたは複数を実行して、漏洩検出試験は650において完了する。システム圧力が所定の最大圧力を超えるとき、それは大量の漏洩が検出されていることを示す。ステップ645において、記憶された圧力不良が第2の不良でない、例えばそれが所定の最大圧力を超える第1の不良である場合、ステップ625におけるシステム圧力読取りは、周期的な時間間隔で継続する。実施形態において、漏洩検出プログラムは圧力の増加を検出する。熱交換器の漏洩に応答して、淡水回路からの圧力が熱交換器を横断する(cross)ことになり、それによって使用済み回路側の圧力を増加させる。ステップ630において大量の漏洩が検出されることの代替としておよび/またはそれに加えて、より少量の漏洩を検出するためのステップにおいてプログラムが実行され得る。
【0032】
[0037] ステップ635に戻って参照すると、最初の圧力(Press0)は、コントローラのメモリに記憶される。ステップ655において、漏洩試験のためのタイマがセットされ得る。ステップ660において、システム圧力読取り値から最初の圧力が減算される Press − Press0。システム圧力から減算された最初の圧力が、所定の最小圧力差よりも大きいことに応答して(例えば差≧25)、不良が生じる。システム圧力から減算された最初の圧力が、所定の最小圧力差よりも大きいとき、少量の漏洩が検出されていることを示す。ステップ665はタイマをリセットし、不良はステップ640に戻って記憶される。ステップ645および650と同様に、不良が第2の不良である場合、コントローラは、警報を発生する、消毒剤を用いた消毒動作を停止する、システム動作を停止する、およびドレンバルブを開く、のうちの1つまたは複数を含むイベントを実行するためのコマンドを生成し得る。システム圧力から減算された最初の圧力が、所定の最小圧力よりも少ない場合、ステップ670において、検出時間が所定のタイマと比較される。タイマを超過していない場合、プロセスはステップ625に戻る。タイマを超過している場合、消毒動作はステップ675において継続され、漏洩検出試験は完了する。
【0033】
[0038] 一実施形態では、漏洩検出プログラムは、例えば体積が0.1mL/分ほど少量の漏洩流量を検出し得る。所望の許容可能な漏洩流量の決定において、ANSI/AAMI RD62:2006規格は、0.5mg/L 百万分率(ppm)という遊離塩素の最大許容濃度を示している。一般に、家庭用漂白剤は、約6%すなわち60,000ppmである。本発明の一実施形態による血液透析装置は、漂白剤1対水34、すなわち60,000ppm ÷ 35 = 1,714ppm に相当する。
【0034】
[0039] よって、装置が0.5ppmという最大許容濃度に制限するために、3,428という減少係数(例えば1714ppm ÷ 0.5ppm)が必要とされる。0.1mL/分 * 40秒 * 1分/60秒 = 0.067mL の漏洩量。X mL / 0.067mL = 3428 → X = 230mL。例えば、水回路側に少なくとも230mLの水が維持される限り、塩素濃度は、ANSI/AAMI RD62:2006規格の0.5ppmを超えない。本発明による血液透析装置の一実施形態では、ハイドロチャンバは、230mLの最小水量の3倍以上、例えば約740mLを保持し得、患者をリスクにさらすことなく熱交換器における漏洩を十分に検出し得る。
【0035】
[0040] 上述のように、熱交換器における漏洩検出は、圧力損失が水の外部ソースにおいて生じて、患者を汚染し得るか外部水源に戻り得る漂白剤または他の有害な薬品を流体回路に引き込む可能性のある、水回路側の陰圧を引き起こす最悪のシナリオを避けるために特に重要である。血液透析装置の一実施形態は、例えば40秒以内に、外部水源における圧力の損失を検出し得る。一実施形態では、40秒は、漏洩を決定するのに必要な時間として、説明された血液透析装置に応じて決定される。
【0036】
[0041] 開示されたシステムのいくつかの実施形態は、例えば、機械(すなわちプロセッサまたはマイクロコントローラ)によって実行された場合に、機械に本開示の実施形態にしたがって方法および/または動作を行わせ得る命令または命令のセットを記憶し得る、記憶媒体、コンピュータ可読媒体、または製造品を使用して実施され得る。さらに、サーバまたはデータベースサーバは、機械実行可能プログラム命令を記憶するように構成された機械可読媒体を含み得る。かかる機械は、例えば、任意の好適な処理プラットフォーム、コンピューティングプラットフォーム、コンピューティングデバイス、処理デバイス、コンピューティングシステム、処理システム、コンピュータ、プロセッサ、または同様のものを含み得、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの組合せの任意の好適な組合せを使用して実施され、システム、サブシステム、コンポーネント、またはそのサブコンポーネントにおいて利用され得る。コンピュータ可読媒体または物品は、例えば、任意の好適なタイプのメモリユニット、メモリデバイス、メモリ物品、メモリ媒体、記憶デバイス、記憶物品、記憶媒体および/または記憶ユニット、例えば、メモリ(非一時的メモリを含む)、リムーバブルまたは非リムーバブル媒体、消去可能または非消去可能媒体、書込み可能または書換え可能媒体、デジタルまたはアナログ媒体、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク読取り専用メモリ(CD−ROM)、記録可能なコンパクトディスク(CD−R)、書換え可能なコンパクトディスク(CD−RW)、光ディスク、磁気媒体、磁気光学媒体、リムーバブルメモリカードまたはディスク、様々なタイプのデジタルバーサタイルディスク(DVD)、テープ、カセット、もしくは同様のものを含み得る。命令は、任意の好適な高レベル、低レベル、オブジェクト指向、ビジュアル、コンパイルおよび/または解釈されたプログラミング言語を使用して実装される、ソースコード、コンパイルされたコード、解釈されたコード、実行可能コード、静的コード、動的コード、暗号化されたコード、および同様のもののような、任意の好適なタイプのコードを含み得る。
【0037】
[0042] 本明細書で使用されるとき、単数形で記載され、用語「a」または「an」を用いて進められる要素または動作は、除外が明記されていない限り、複数形の要素または動作を除外するものと理解されるべきではない。さらに、本開示の「1つの実施形態」に対する参照は、記載された特徴も組み込むさらなる実施形態の存在を除外するものとして解釈されることを意図するものではない。
【0038】
[0043] 本開示は、本明細書に説明された特定の実施形態によって範囲が限定されるべきではない。実際に、本明細書に説明されているものに加えて、本開示の他の様々な実施形態および修正形態が、前述の説明および添付図面から当業者には明らかとなる。よって、かかる他の実施形態および修正形態は、本開示の範囲内に入ることを意図している。さらに、本開示は、特定の目的のための特定の環境での特定の実装形態のコンテキストで本明細書に説明されているが、当業者は、その有用性がそれに限定されるものではなく、本開示が、任意の数の目的のための任意の数の環境で有利に実施され得ることを認識するであろう。したがって、以下に記載の特許請求の範囲は、本明細書に説明された本開示の十分な広さおよび趣旨の観点から解釈されるべきである。
以下に、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
メモリを含むコントローラによって血液透析装置の熱交換器における漏洩を検出するための方法であって、
前記コントローラによってドレンバルブを開くことと、前記ドレンバルブは使用済み透析液回路に配設されており、
予め選択された時間期間後に前記コントローラによって前記ドレンバルブを閉じることと、
前記コントローラによって前記使用済み透析液回路における最初の圧力を決定し、前記メモリに前記最初の圧力を記憶することと、
周期的な時間間隔でシステム圧力を感知し、所定の最大圧力と比較することと、
前記コントローラによって、前記熱交換器が漏洩を有するかどうかを決定することと、ここにおいて、
前記システム圧力が所定の最大圧力を超えることに応答して、警報を発生すること、消毒剤を用いた消毒動作を停止すること、システム動作を停止すること、および前記ドレンバルブを開くことのうちの1つまたは複数を含むイベントを実行するためのコマンドを生成することと、
前記システム圧力から減算された前記最初の圧力が所定の最小圧力差よりも大きいことに応答して、警報を発生すること、前記消毒剤を用いた前記消毒動作を停止すること、システム動作を停止すること、および前記ドレンバルブを開くことのうちの1つまたは複数を含むイベントを実行するためのコマンドを生成することと
を備える、方法。
[C2]
前記ドレンバルブを開いた後に、複数のバルブが、前記血液透析装置内の圧力を均等にするために閉じられる、C1に記載の方法。
[C3]
前記ドレンバルブを閉じるための前記予め選択された時間期間は、前記メモリに記憶される、C1または2に記載の方法。
[C4]
前記システム圧力は、30秒の時間間隔で前記コントローラによって決定される、C1〜3のいずれか一項に記載の方法。
[C5]
前記最初の圧力は、前記コントローラが少なくとも2つの最初の圧力読取り値を決定した後に前記メモリに記憶される、C4に記載の方法。
[C6]
前記システム圧力は、特定の時間期間にわたって前記コントローラによって決定される、C1〜5のいずれか一項に記載の方法。
[C7]
前記システム圧力が前記所定の最大圧力を超えることに応答して、大量の漏洩が検出される、C1〜6のいずれか一項に記載の方法。
[C8]
前記システム圧力から減算された前記最初の圧力が所定の最小圧力差よりも大きいことに応答して、少量の漏洩が検出される、C1〜7のいずれか一項に記載の方法。
[C9]
前記熱交換器において漏洩が生じることに応答して、淡水回路からの水が前記使用済み透析液回路に流入し、その結果、前記使用済み透析液回路側の圧力が増加する、C1〜8のいずれか一項に記載の方法。
[C10]
前記熱交換器における前記漏洩を検出することに応答して、前記血液透析装置の動作は、前記消毒動作が進行中である場合、使用済み透析液および消毒剤が前記淡水回路に流入することが実質的に防止されるように停止される、C9に記載の方法。
[C11]
漏洩検出は消毒動作中に検出される、C1〜10のいずれか一項に記載の方法。
[C12]
前記消毒動作は消毒剤を使用する化学リンスである、C11に記載の方法。
[C13]
血液透析装置の熱交換器における漏洩を検出するための、メモリを含むコントローラによる実行可能プログラムを記憶する非一時的コンピュータ可読媒体であって、
前記コントローラによってドレンバルブを開くことと、前記ドレンバルブは使用済み透析液回路に配設されており、
予め選択された時間期間後に前記コントローラによって前記ドレンバルブを閉じることと、
前記コントローラによって前記使用済み透析液回路における最初の圧力を決定し、前記メモリに前記最初の圧力を記憶することと、
周期的な時間間隔でシステム圧力を感知し、所定の最大圧力と比較することと、
前記コントローラによって、前記熱交換器が漏洩を有するかどうかを決定することと、ここにおいて、
前記システム圧力が所定の最大圧力を超えることに応答して、警報を発生すること、消毒剤を用いた消毒動作を停止すること、システム動作を停止すること、および前記ドレンバルブを開くことのうちの1つまたは複数を含むイベントを実行するためのコマンドを生成することと、
前記システム圧力から減算された前記最初の圧力が所定の最小圧力差よりも大きいことに応答して、警報を発生すること、前記消毒剤を用いた前記消毒動作を停止すること、システム動作を停止すること、および前記ドレンバルブを開くことのうちの1つまたは複数を含むイベントを実行するためのコマンドを生成することと
を備える、非一時的コンピュータ可読媒体。
[C14]
前記ドレンバルブを開いた後に、複数のバルブが、前記血液透析装置内の圧力を均等にするために閉じられる、C13に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
[C15]
前記ドレンバルブを閉じるための前記予め選択された時間期間は、前記メモリに記憶される、C13または14に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
[C16]
前記システム圧力は、30秒の時間間隔で前記コントローラによって決定される、C13〜15のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
[C17]
前記最初の圧力は、前記コントローラが少なくとも2つの最初の圧力読取り値を決定した後に前記メモリに記憶される、C16に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
[C18]
前記システム圧力は、特定の時間期間にわたって前記コントローラによって決定される、C13〜17のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
[C19]
前記システム圧力が前記所定の最大圧力を超えることに応答して、大量の漏洩が検出される、C13〜18のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
[C20]
前記システム圧力から減算された前記最初の圧力が所定の最小圧力差よりも大きいことに応答して、少量の漏洩が検出される、C13〜19のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
[C21]
前記熱交換器において漏洩が生じることに応答して、淡水回路からの水が前記使用済み透析液回路に流入し、その結果、前記使用済み透析液回路側の圧力が増加する、C13〜20のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
[C22]
前記熱交換器における前記漏洩を検出することに応答して、前記血液透析装置の動作は、前記消毒動作が進行中である場合、使用済み透析液および消毒剤が前記淡水回路に流入することが実質的に防止されるように停止される、C21に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
[C23]
漏洩検出は消毒動作中に検出される、C13〜22のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
[C24]
前記消毒動作は消毒剤を使用する化学リンスである、C23に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図6