特許第6866494号(P6866494)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6866494
(24)【登録日】2021年4月9日
(45)【発行日】2021年4月28日
(54)【発明の名称】ECU及び排気ブレーキ制御装置
(51)【国際特許分類】
   F02D 9/06 20060101AFI20210419BHJP
【FI】
   F02D9/06 Z
   F02D9/06 K
   F02D9/06 D
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-546588(P2019-546588)
(86)(22)【出願日】2018年9月10日
(86)【国際出願番号】JP2018033331
(87)【国際公開番号】WO2019069622
(87)【国際公開日】20190411
【審査請求日】2020年2月27日
(31)【優先権主張番号】特願2017-193228(P2017-193228)
(32)【優先日】2017年10月3日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003333
【氏名又は名称】ボッシュ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】石川 成昭
(72)【発明者】
【氏名】池袋 雄樹
【審査官】 戸田 耕太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−248992(JP,A)
【文献】 特開2004−287475(JP,A)
【文献】 特開平03−237228(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02D 9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リレー(40)を介して制御信号(S1)を排気フラップ(19)に送信することにより該排気フラップ(19)の開閉動作を制御するECU(30)において、
前記ECU(30)に備えられたCPU(31)は、
前記排気フラップ(19)の開閉動作を制御する第1の処理部(311)と、
前記第1の処理部(311)を監視する第2の処理部(312)とを備え、
前記第2の処理部(312)は、車両のスリップを検知する外部ECU(50)からのスリップ検知信号(S3)を受信した場合、前記第1の処理部(311)に対し、遮断要求信号(S61A)を送信し、
前記第1の処理部(311)は、前記外部ECU(50)から送信されるスリップ検知信号(S3)、及び前記第2処理部(312)から前記第1処理部(311)に送信される前記遮断要求信号(S61A)の少なくとも一方を受信した場合、前記リレー(40)を動作させて前記制御信号(S1)を遮断し、前記排気フラップ(19)を開位置に動作させる
ことを特徴とするECU(30)。
【請求項2】
前記CPU(31)及び前記リレー(40)に接続されるHブリッジ回路(32)と、
前記Hブリッジ回路(32)とは独立した経路で前記CPU(31)及び前記リレー(40)に接続されるスイッチ回路(33)とを備え、
前記第1の処理部(311)は、
前記Hブリッジ回路(32)又は前記スイッチ回路(33)の何れか一方又は両方を制御することにより、前記リレー(40)を動作させて前記制御信号(S1)を遮断する
ことを特徴とする請求項1に記載のECU(30)。
【請求項3】
前記第2の処理部(312)を監視する第3の処理部(313)を備え、
前記第2の処理部(312)は、
前記第1の処理部(311)により前記制御信号(S1)を遮断することができない場合、遮断要求信号(S61B)を生成して前記第3の処理部(313)に送信し、
前記第3の処理部(313)は、
前記第2の処理部(312)からの遮断要求信号(S61B)を受信した場合、前記リレー(40)を動作させて前記制御信号(S1)を遮断する
ことを特徴とする請求項1または2に記載のECU(30)。
【請求項4】
排気フラップ(19)と、リレー(40)と、ECU(30)と、前記ECU(30)とは別体であって車両のスリップを検知する外部ECU(50)と、を備える排気ブレーキ制御装置(100)において、
前記ECU(30)は、
前記リレー(40)を介して制御信号(S1)を前記排気フラップ(19)に送信することにより該排気フラップ(19)の開閉動作を制御するCPU(31)を備え、
前記CPU(31)は、
前記排気フラップ(19)の開閉動作を制御する第1の処理部(311)と、
前記第1の処理部(311)を監視する第2の処理部(312)とを備え、
前記第2の処理部(312)は、前記外部ECU(50)からのスリップ検知信号(S3)を受信した場合、前記第1の処理部(311)に対し、遮断要求信号(S61A)を送信し、
前記第1の処理部(311)は、前記外部ECU(50)から送信されるスリップ検知信号(S3)、及び前記第2処理部(312)から前記第1処理部(311)に送信される前記遮断要求信号(S61A)の少なくとも一方を受信した場合、前記リレー(40)を動作させて前記制御信号(S1)を遮断し、前記排気フラップ(19)を開位置に動作させる
ことを特徴とする排気ブレーキ制御装置(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ECU及び排気ブレーキ制御装置に関し、特にディーゼルエンジンを搭載する車両に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
一般にディーゼルエンジンを搭載する車両は、排気管内に排気フラップを備える。排気フラップは、電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)の制御により、排気管を開放する開位置又は排気管を閉鎖する閉位置に動作する。
【0003】
排気フラップが排気管を閉鎖する閉位置に動作すると、排気管内の排気圧力が増加することでエンジンの回転抵抗が増加し、エンジンブレーキの作用が向上する。このように排気フラップを閉鎖させてエンジンブレーキの作用を向上させるブレーキを一般に排気ブレーキと呼ぶ。
【0004】
特許文献1には、排気ブレーキに関する技術が開示されている。具体的にはバタフライバルブ(排気フラップ)に孔を形成することで、排気フラップが全閉位置の場合でも一定の排気流量を確保する排気ブレーキが開示されている。この特許文献1に記載の技術によれば、排気流量の管理に要するコストを削減することができるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−69321号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ECUの故障や断線等により排気フラップが意図せず閉位置に動作すると、路面状態によってはエンジンブレーキが効きすぎてスリップが発生する。この場合、車両の安全性を確保するために排気フラップを開位置に戻す必要がある。しかしECUや信号線に何らかの不具合が生じている場合には、排気フラップを確実に開位置に動作させることができない場合がある。
【0007】
このような場合に排気フラップを確実に閉位置に動作させる手法として、例えば排気フラップに対する入出力信号を2重化する手法が考えられる。しかし排気フラップに対する入出力信号の全てを2重化しようとすると、設計が非常に複雑化するという課題がある。また排気フラップの動作に関するソフトウェアも複雑化し、全体的なコストも増加する。
【0008】
本発明は以上の点を考慮してなされたものであり、排気フラップの動作の安全性を簡易な構成で確実に確保し得る電子制御装置及び排気ブレーキ制御装置を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる課題を解決するために、本発明においては、リレー(40)を介して制御信号(S1)を排気フラップ(19)に送信することにより該排気フラップ(19)の開閉動作を制御するECU(30)において、前記ECU(30)に備えられたCPU(31)は、前記排気フラップ(19)の開閉動作を制御する第1の処理部(311)と、前記第1の処理部(311)を監視する第2の処理部(312)とを備え、前記第2の処理部(312)は、車両のスリップを検知する外部ECU(50)からのスリップ検知信号(S3)を受信した場合、前記第1の処理部(311)に対し、遮断要求信号(S61A)を送信し、前記第1の処理部(311)は、前記外部ECU(50)から送信されるスリップ検知信号(S3)、及び前記第2処理部(312)から前記第1処理部(311)に送信される前記遮断要求信号(S61A)の少なくとも一方を受信した場合、前記リレー(40)を動作させて前記制御信号(S1)を遮断し、前記排気フラップ(19)を開位置に動作させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、排気フラップの動作の安全性を簡易な構成で確実に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】車両の吸気系及び排気系の全体構成図である。
図2】排気ブレーキ制御装置の内部構成図である。
図3】ECUの内部構成図である。
図4】排気フラップ制御処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下本発明について、図面を参照しながら本発明の一実施の形態を詳述する。なお以下の説明はあくまで本発明の一実施の形態にすぎず、本発明の技術的範囲がこれに限定されるものではない。
【0013】
図1は、車両1の吸気系及び排気系の全体構成を示す。
吸気系は、吸気管11、コンプレッサ12a、インタークーラ13及び吸気マニホルド14を備える。吸気iは、吸気管11を通って、コンプレッサ12aにより圧縮され、インタークーラ13により冷却され、吸気マニホルド14により各気筒に分配される。各気筒に分配された吸気iは、インジェクタ15から噴射される燃料と混合し、各気筒の燃焼室内で燃焼する。
【0014】
排気系は、排気マニホルド16、排気管17、排気再循環(EGR:Exhaust Gas Recirculation)装置18、タービン12b、排気フラップ19及び排気浄化装置20を備える。各気筒の燃焼室から排出された排気eは、排気マニホルド16により統合された後、排気管17を通って、EGR装置18方向に流れる排気と、タービン12b方向に流れる排気とに分岐される。
【0015】
EGR装置18方向に流れる排気eは、EGR管18aを通って、EGRクーラ18bにより冷却され、EGR弁18cにより流量が調整されて再度、吸気マニホルド14により各気筒に分配される。各気筒に分配された排気eは、燃焼のために再利用される。
【0016】
一方で燃焼のために再利用されない排気eは、タービン12b方向に流れる。排気eは、タービン12bを介して、このタービン12bに接続されているコンプレッサ12aを回転駆動する。なおコンプレッサ12aの回転駆動により吸気iが圧縮される結果、燃焼室内での燃焼が促進される。コンプレッサ12a及びタービン12bは、一般にターボチャージャ12と呼ばれる。
【0017】
タービン12bを通過した排気eは、排気フラップ19により流量が調整される。この排気フラップ19の動作の詳細については後述するが、通常時には開位置に動作し、排気ブレーキ動作時には閉位置に動作する。排気フラップ19により流量が調整された排気eは、排気浄化装置20を通過した後、外部に排出される。
【0018】
排気浄化装置20は、DPF(Diesel Particulate Filter)装置20a及び尿素SCR(Selective Catalytic Reduction)装置20bを備える。DPF装置20aは、排気eに含まれる粒子状物質を捕集し除去する。尿素SCR装置20bは、尿素水溶液を用いて排気eに含まれる窒素酸化物を人体に無害な窒素又は水蒸気に還元する。
【0019】
また車両1は、排気ブレーキ制御装置100を備える。
排気ブレーキ制御装置100は、電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)30、リレー40、外部ECU50及び排気フラップ19を備える。
【0020】
ECU30は、車両1の各部に設置された各種センサ(図示省略)からの信号を受信し、また車両1の各部に設置された各種機器(図示省略)に対して制御信号を送信することにより、車両1の動作を統括的に制御する。
【0021】
特にここでは、ECU30は排気フラップ19を動作させるアクチュエータ(図示省略)に対して、リレー40を介して制御信号S1を送信する。これによりECU30は、通常、開位置にある排気フラップ19を排気ブレーキ動作時には閉位置に動作させることができる。なお閉位置には、排気管17を部分的に閉鎖する中間位置と、排気管17の全部を閉鎖する全閉位置とがある。
【0022】
またECU30は、制御信号S1を送信する信号線とは別の信号線によりリレー40と接続される。ECU30は、制御信号S1を遮断する場合、遮断信号S4又はS5をリレー40に送信する。これによりリレー40が動作し、制御信号S1の送信の有無にかかわらず、排気フラップ19を開位置に動作させることができる。
【0023】
排気フラップ19は、リターンスプリング等のバネ部材を備え(図示省略)、制御信号S1が送信されない通常時には、リターンスプリングのバネ力の作用により開位置の状態を維持する。これに対し排気フラップ19は、制御信号S1が送信される排気ブレーキ動作時には、リターンスプリングのバネ力に反して閉位置に動作する。
【0024】
また排気フラップ19は、位置センサを備え(図示省略)、開位置又は閉位置を示す位置信号S2をECU30に送信する。ECU30は、この位置信号S2に基づいて排気フラップ19の動作を適宜制御する。
【0025】
リレー40は、ECU30と排気フラップ19との間に配置され、ECU30と排気フラップ19との間を通信可能に接続する。またリレー40は、これらECU30と排気フラップ19との間の信号線とは別の独立した信号線によりECU30と排気フラップ19とに接続される。リレー40は、ECU30の制御により、通常時には信号線を導通して制御信号S1を送信可能にする一方、スリップ時には信号線を遮断するように動作する。
【0026】
外部ECU50は、ECU30とは別筐体のECUであり、具体的にはABS(Antilock Brake System)装置やESP(Electronic Stability Control)装置である。外部ECU50は、車両1のスリップを検知すると、スリップ検知信号S3を生成してECU30に送信する。ECU30は、スリップ検知信号S3を受信すると遮断信号S4又はS5を送信し、制御信号S1を遮断することで排気フラップ19を開位置に動作させる。
【0027】
図2は、排気ブレーキ制御装置100の内部構成を示す。
排気ブレーキ制御装置100は、上述の通り、ECU30、リレー40、外部ECU50及び排気フラップ19を備える。ECU30は、CPU(Central Processing Unit)31、Hブリッジ回路32及びスイッチ回路33を備える。
【0028】
CPU31は、ECU30の動作を統括的に制御する。ここでは排気フラップ19の動作を制御するため、CPU31は排気フラップ19からの位置信号S2を受信し、位置信号S2に基づいて、排気フラップ19の開閉位置を制御すべき場合はHブリッジ回路32に制御要求信号S11を送信する。
【0029】
またCPU31は、位置信号S2にかかわらず(排気フラップ19の開閉位置にかかわらず)、排気フラップ19を開位置に動作させる必要がある場合はHブリッジ回路32に遮断要求信号S41を送信し、またスイッチ回路33に遮断要求信号S51を送信する。
【0030】
Hブリッジ回路32は、CPU31からの制御要求信号S11に基づいて、排気フラップ19の開閉位置を制御する制御信号S1を送信する。制御信号S1は、リレー40を介してアクチュエータ(図示省略)に送信される。アクチュエータは、制御信号S1に基づいて、排気フラップ19が開位置にある場合には閉位置に動作させる。
【0031】
またHブリッジ回路32は、CPU31からの遮断要求信号S41に基づいて、リレー40の動作を制御する遮断信号S4をリレー40に送信する。この場合、リレー40は、制御信号S1が送信されているか否かにかかわらず、ECU30(Hブリッジ回路32)と、排気フラップ19とを接続する信号線を遮断し、Hブリッジ回路32からの制御信号S1を遮断する。これにより排気フラップ19は、リターンスプリングのバネ力の作用により開位置に動作する。
【0032】
なお実際にはHブリッジ回路32は、ハイサイドスイッチを備え、このハイサイドスイッチは、CPU31からの遮断要求信号S41を受信するとONに切り替わり、リレー40のコイルに電流が流れる。リレー40のコイルに電流が流れると、リレー40が動作して制御信号S1を遮断することができる。
【0033】
スイッチ回路33は、Hブリッジ回路32とは異なる回路であって、Hブリッジ回路32とは独立した経路でCPU31と、リレー40とに接続される。
【0034】
スイッチ回路33は、CPU31からの遮断要求信号S51に基づいて、リレー40の動作を制御する遮断信号S5を送信する。この場合、リレー40は、制御信号S1が送信されているか否かにかかわらず、ECU30(Hブリッジ回路32)と、排気フラップ19とを接続する信号線を遮断し、Hブリッジ回路32からの制御信号S1を遮断する。これにより排気フラップ19は、リターンスプリングのバネ力の作用により開位置に動作する。
【0035】
実際にはスイッチ回路33は、例えばローサイドスイッチである。ローサイドスイッチは、CPU31からの遮断要求信号S51を受信するとONに切り替わり、リレー40のコイルに電流が流れる。リレー40のコイルに電流が流れると、リレー40が動作して制御信号S1を遮断することができる。
【0036】
外部ECU50は、車両1のスリップを検知するECUであり、例えばABSやESPである。外部ECU50のCPU51は、車両1のスリップを検知すると、CPU31にスリップ検知信号S3を送信する。CPU31は、スリップ検知信号S3を受信すると、遮断要求信号S41又はS51を生成してHブリッジ回路32又はスイッチ回路33に送信する。これによりHブリッジ回路32からの制御信号S1を遮断することができる。
【0037】
図3は、ECU30の内部構成を示す。ECU30は、上記の通り、CPU31、Hブリッジ回路32及びスイッチ回路33を備える。ここでは特にCPU31の内部構成について説明する。
【0038】
CPU31は、レベル1〜3の3つの処理領域を備える。
レベル1は、排気フラップ19の開閉動作を実質的に制御する処理領域であり、第1の処理部311を備える。第1の処理部311は、Hブリッジ回路32に制御要求信号S11を送信し、Hブリッジ回路32を介して排気フラップ19の開閉動作を制御する。
【0039】
また第1の処理部311は、外部ECU50からのスリップ検知信号S3を受信した場合、車両1にスリップが発生したことを検知する。この場合、第1の処理部311は、スリップ検知信号S3に基づいて遮断要求信号S41A又はS51Aを生成し、これをHブリッジ回路32又はスイッチ回路33に送信する。
【0040】
レベル2は、レベル1の処理を監視する処理領域であり、第2の処理部312を備える。第2の処理部312は、外部ECU60からのスリップ検知信号S3を受信した場合、車両1にスリップが発生したことを検知する。この場合、第2の処理部312は、スリップ検知信号S3に基づいて遮断要求信号S61Aを生成し、これを第1の処理部311に送信する。
【0041】
第1の処理部311は、例えば受信すべきスリップ検知信号S3を受信していない場合、或いは、スリップ検知信号S3に基づいて生成すべき遮断要求信号S41A又はS51Aを生成していない場合でも、第2の処理部312からの遮断要求信号S61Aに基づいて遮断要求信号S41A又はS51Aを生成し、これをHブリッジ回路32又はスイッチ回路33に送信する。
【0042】
これにより、第1の処理部311に部分的な不具合が生じている場合や第1の処理部311と、外部ECU50との間の接続に不具合が生じている場合であっても、車両1にスリップが発生した場合には排気フラップ19を開位置に確実に動作させることができる。
【0043】
また第2の処理部312は、第1の処理部311からの遮断要求信号S41A又はS51Aの有無を監視しており、遮断要求信号S61Aを第1の処理部311に送信したにもかかわらず、第1の処理部311から遮断要求信号S41A又はS51Aが送信されない場合、遮断要求信号S61Bを生成し、これを第3の処理部313に送信する。
【0044】
レベル3は、レベル2の処理を監視する処理領域であり、第3の処理部313を備える。第3の処理部313は、第2の処理部312からの遮断要求信号S61Bを受信した場合、遮断要求信号S41B又はS51Bを生成し、これをHブリッジ回路32又はスイッチ回路33に送信する。
【0045】
これにより、第1の処理部311に不具合が生じており遮断要求信号S41A又はS51Aが送信されない場合であって、かつ、車両1にスリップが発生した場合、排気フラップ19を開位置に確実に動作させることができる。
【0046】
図4は、排気フラップ制御処理のフローチャートを示す。排気フラップ制御処理は、ECU30のCPU31により実行される。また排気ブレーキを動作させる場合に適宜実行される。
【0047】
まずCPU31は、外部ECU50からのスリップ検知信号S3を第1の処理部311又は第2の処理部312の何れかにおいて受信したか否かを判断する(SP1)。
【0048】
ステップSP1の判断で否定結果を得ると(SP1:N)、CPU31は、車両1にスリップは発生していないものと判断し、正常時の排気フラップ制御処理を実行して(SP2)、本処理を終了する。
【0049】
これに対しステップSP1の判断で肯定結果を得ると(SP1:Y)、CPU31は、車両1にスリップが発生しているものと判断し、第1の処理部311において遮断要求信号S41A又はS51Aを生成する。
【0050】
そしてCPU31は、この遮断要求信号S41A又はS51AをHブリッジ回路32又はスイッチ回路33に送信することにより、制御信号S1を遮断する(SP3)。
【0051】
次いでCPU31は、第1の処理部311から遮断要求信号S41A又はS51Aが送信されたか否かを判断する(SP4)。
【0052】
ステップSP4の判断で肯定結果を得ると(SP4:Y)、CPU31は排気フラップ19を開位置に動作させることができたものと判断して、本処理を終了する。
【0053】
これに対しステップSP4の判断で否定結果を得ると(SP4:N)、CPU31は第1の処理部311に何らかの不具合が生じているものと判断し、第3の処理部313において遮断要求信号S41B又はS51Bを生成する。
【0054】
そしてCPU31は、この遮断要求信号S41B又はS51BをHブリッジ回路32又はスイッチ回路33に送信することにより、制御信号S1を遮断して(SP5)、本処理を終了する。
【0055】
以上のように本実施の形態によれば、外部ECU50からのスリップ検知信号S3を第1の処理部311及び第2の処理部312の両方で受信することができるようにして、両方又は何れか一方でスリップ検知信号S3を実際に受信した場合に制御信号S1を遮断することができるようにした。よって排気フラップ19の動作の安全性を簡易な構成で確実に確保することができる。
【0056】
またCPU31及びリレー40に接続されるHブリッジ回路32と、このHブリッジ回路32とは独立してCPU31及びリレー40に接続されるスイッチ回路33とを備えるようにして、Hブリッジ回路32又はスイッチ回路33のうちの何れからでも制御信号S1を遮断することができるようにした。
【0057】
これにより、たとえHブリッジ回路32から制御信号S1を遮断することができない場合であっても、スイッチ回路33から制御信号S1を遮断することができる。よって排気フラップ19の動作の安全性を簡易な構成で確実に確保することができる。
【0058】
また第3の処理部313により制御信号S1を遮断することができるようにした。これにより、たとえ第1の処理部311により制御信号S1を遮断することができない場合であっても、第3の処理部313により制御信号S1を確実に遮断することができる。よって排気フラップ19の動作の安全性を簡易な構成で確実に確保することができる。
図1
図2
図3
図4