(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記構造式IIにおけるC1〜C5基は、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有炭化水素基、ケイ素含有炭化水素基、シアノ置換炭化水素基からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン電池の非水電解液。
前記化合物Aは、C1〜C5のアルキル基がメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基からなる群から選択される1種であり、前記C1〜C5のハロアルキル基がモノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2−フルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、3,3−ジフルオロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、ヘキサフルオロイソプロピル基からなる群から選択される1種であり、前記C2〜C5の不飽和炭化水素基がビニル基、アリル基、3−ブテニル基、イソブテニル基、4−ペンテニル基、エチニル基、プロパルギル基、3−ブテニル基、1−メチル−2−プロピニル基からなる群から選択される1種であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のリチウムイオン電池の非水電解液。
前記化合物Aは、リン酸トリアセチレンプロピル、ジアセチルプロピルメチルホスフェート、ジアセチルプロピルエチルホスフェート、リン酸ジアセチルプロピル、トリフルオロメチルジプロパルギルホスフェート、ジプロパルギル2,2,2−トリフルオロエチルホスフェート、ジプロパルギル3,3,3−トリフルオロプロピルホスフェート、ヘキサフルオロイソプロピルジアセチルプロピルホスフェート、トリアリルホスフェート、ジアリルメチルホスフェート、ジアリルエチルホスフェート、ジアリルプロピルホスフェート、トリフルオロメチルジアリルホスフェート、2,2,2−トリフルオロエチルジアリルホスフェート、ジアリル3,3,3−トリフルオロプロピルホスフェート、ジアリルヘキサフルオロイソプロピルホスフェートのうちの少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項5に記載のリチウムイオン電池の非水電解液。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、従来の不飽和リン酸エステルを含有するリチウムイオン電池の非水電解液の、高温保存及びサイクル特性が市場のニーズを満たすことができないという問題を解決することを目的とする。良好な高温サイクル特性を有するリチウムイオン電池の非水電解液を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は下記の解決案によって達成され、リチウムイオン電池の非水電解液であって、下記構造式Iに示す化合物A及び構造式IIに示す化合物Bを含む。
【化1】
【0006】
前記構造式Iにおいて、R
1、R
2、R
3はそれぞれ独立してC1〜C5のアルキル基またはハロアルキル基、C2〜C5の不飽和炭化水素基または不飽和ハロゲン化炭化水素基からなる群から選択され、かつR
1、R
2、R
3のうち少なくとも1つは前記不飽和炭化水素基または不飽和ハロゲン化炭化水素基である。
前記構造式IIにおいて、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、またはC1〜C5基からなる群から選択される1種である。
【0007】
好ましくは、前記C1〜C5基は、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有炭化水素基、ケイ素含有炭化水素基、シアノ置換炭化水素基からなる群から選択される。
【0008】
好ましくは、前記R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9は、それぞれ独立して水素原子、フッ素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリメチルシロキシ基、シアノ基、またはトリフルオロメチル基からなる群から選択される。
【0009】
好ましくは、前記化合物Bは、下記構造で表される化合物1〜9のうち1種以上を含む。
【化2】
【0010】
好ましくは、前記化合物Bの含有量は、前記リチウムイオン電池の非水電解液の全質量100質量%に対して、0.1〜5質量%である。
【0011】
好ましくは、前記化合物Aは、C1〜C5のアルキル基がメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基からなる群から選択される1種であり、前記C1〜C5のハロアルキル基がモノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2−フルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、3,3−ジフルオロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、ヘキサフルオロイソプロピル基からなる群から選択される1種であり、前記C2〜C5の不飽和炭化水素基がビニル基、アリル基、3−ブテニル基、イソブテニル基、4−ペンテニル基、エチニル基、プロパルギル基、3−ブテニル基、1−メチル−2−プロピニル基からなる群から選択される1種である。
【0012】
好ましくは、前記化合物Aは、リン酸トリアセチレンプロピル、ジアセチルプロピルメチルホスフェート、ジアセチルプロピルエチルホスフェート、リン酸ジアセチルプロピル、トリフルオロメチルジプロパルギルホスフェート、ジプロパルギル2,2,2−トリフルオロエチルホスフェート、ジプロパルギル3,3,3−トリフルオロプロピルホスフェート、ヘキサフルオロイソプロピルジアセチルプロピルホスフェート、トリアリルホスフェート、ジアリルメチルホスフェート、ジアリルエチルホスフェート、ジアリルプロピルホスフェート、トリフルオロメチルジアリルホスフェート、2,2,2−トリフルオロエチルジアリルホスフェート、ジアリル3,3,3−トリフルオロプロピルホスフェート、ジアリルヘキサフルオロイソプロピルホスフェートのうち少なくとも1種を含む。
【0013】
好ましくは、前記化合物Aの含有量は、前記リチウムイオン電池の非水電解液の全質量100質量%に対して、2%未満である。
【0014】
正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に設けられたダイアフラムと、電解液とを含むリチウムイオン電池であって、前記電解液は、上述したリチウムイオン電池の非水電解液である。
【0015】
好ましくは、前記正極は正極活物質を含み、前記正極の活物質はLiNi
xCo
yMn
zL
(1−x−y−z)O
2、LiCo
x’L
(1−x’)O
2、LiNi
x’’L’
y’Mn
(2−x’’−y’)O
4、Li
z’MPO
4のうちの少なくとも1種であり、ただし、LはAl、Sr、Mg、Ti、Ca、Zr、Zn、Si又はFeのうちの少なくとも1種であり、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、0<x+y+z≦1、0<x’≦1、0.3≦x’’≦0.6、0.01≦y’≦0.2であり、L’はCo、Al、Sr、Mg、Ti、Ca、Zr、Zn、Si、Feのうちの少なくとも1種であり、0.5≦z’≦1であり、MはFe、Mn、Coのうちの少なくとも1種である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によるリチウムイオン電池の非水電解液は化合物Aと化合物Bを同時に含み、電池の高温保存性能とサイクル特性を効果的に改善することができ、該非水電解液を含有するリチウムイオン電池に良いサイクル特性と高温保存性能を備えさせる。
【0017】
本発明のリチウムイオン電池は、上記非水電解液を含有するため、サイクル特性、高温保存性能を備えさせることができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明が解決しようとする技術的課題、技術的解決手段及び有益な効果をより明確にするために、以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。本明細書に記載された具体的な実施例は、単に本発明を説明するためのものにすぎず、本発明を限定するためのものではないことを理解されたい。
【0019】
本発明の実施例はリチウムイオン電池の非水電解液を提供し、下記構造式Iに示す化合物A及び構造式IIに示す化合物Bを含む。
【化3】
【0020】
前記構造式Iにおいて、R
1、R
2、R
3はそれぞれ独立してC1〜C5のアルキル基またはハロアルキル基、C2〜C5の不飽和炭化水素基または不飽和ハロゲン化炭化水素基からなる群から選択され、かつR
1、R
2、R
3のうち少なくとも1つは前記不飽和炭化水素基または不飽和ハロゲン化炭化水素基である。
【0021】
前記構造式IIにおいて、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、またはC1〜C5基からなる群から選択される1種である。
【0022】
本発明の実施例において、C2〜C5とは、炭素原子数が2〜5であることを意味し、同様に、C1〜C5とは炭素原子数が1〜5であることを意味する。
【0023】
好ましくは、前記化合物Aは、C1〜C5のアルキル基がメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基からなる群から選択される1種であり、前記C1〜C5のハロアルキル基がモノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2−フルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、3,3−ジフルオロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、ヘキサフルオロイソプロピル基からなる群から選択される1種であり、前記C2〜C5の不飽和炭化水素基がビニル基、アリル基、3−ブテニル基、イソブテニル基、4−ペンテニル基、エチニル基、プロパルギル基、3−ブテニル基、1−メチル−2−プロピニル基からなる群から選択される1種である。
【0024】
好ましくは、前記化合物Aは、リン酸トリアセチレンプロピル、ジアセチルプロピルメチルホスフェート、ジアセチルプロピルエチルホスフェート、リン酸ジアセチルプロピル、トリフルオロメチルジプロパルギルホスフェート、ジプロパルギル2,2,2−トリフルオロエチルホスフェート、ジプロパルギル3,3,3−トリフルオロプロピルホスフェート、ヘキサフルオロイソプロピルジアセチルプロピルホスフェート、トリアリルホスフェート、ジアリルメチルホスフェート、ジアリルエチルホスフェート、ジアリルプロピルホスフェート、トリフルオロメチルジアリルホスフェート、2,2,2−トリフルオロエチルジアリルホスフェート、ジアリル3,3,3−トリフルオロプロピルホスフェート、ジアリルヘキサフルオロイソプロピルホスフェートのうち少なくとも1種を含む。好ましい上記化合物Aは、電池の高温保存性能およびサイクル特性を向上させることに役立ち、前記化合物Bと組み合わせて使用することにより、電池性能を高める効果がより良くなる。
【0025】
好ましくは、前記化合物Aの含有量は、リチウムイオン電池の非水電解液の全質量100質量%に対して、2質量%未満である。
【0026】
本発明の実施例が提供するリチウムイオン電池の非水電解液には構造式Iに示すような化合物Aが含まれており、前記化合物Aは電池形成段階で電池正極表面に成膜することができ、電解液の電極表面での持続的な分解を阻害し、それにより電池の高温保存性能とサイクル特性を向上させる。しかしながら、前記化合物Aを添加剤として得られた電解液は、その高温保存性能およびサイクル特性が依然として限られており、利用者のニーズを満たすことができない。
【0027】
本発明の実施例において、前記リチウムイオン電池の非水電解液には、前記構造式Iで表される化合物Aに加えて、前記構造式IIで表される化合物Bが添加される。前記化合物Aと前記化合物Bとの組み合わせ使用により、電池の正負極がいずれも効果的に成膜され、電池の高温サイクル特性および高温保存性能を更に向上させることができる。
【0028】
好ましくは、前記C1〜C5基は、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有炭化水素基、ケイ素含有炭化水素基、シアノ置換炭化水素基からなる群から選択される。
【0029】
更に好ましくは、前記R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9は、それぞれ独立して水素原子、フッ素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリメチルシロキシ基、シアノ基、またはトリフルオロメチル基からなる群から選択される。
【0030】
具体的には、化合物Bは、下記構造で表される化合物1〜9のうち1種以上を含むことが好ましい。
【化4】
【0031】
上記好ましい化合物Bは、前記化合物Aとよりよく組み合わせることができ、リチウムイオン電池に優れた総合性能(サイクル特性、高温保存性能を含む)を付与する。
【0032】
更に好ましくは、化合物Bの含有量は、リチウムイオン電池の非水電解液の全質量100質量%に対して、0.1〜5質量%である。前記化合物Bは、含有量の質量百分率が0.1%未満であると、負極での成膜に不利であり、サイクル特性に対する改善作用が低下し、前記化合物Bは、含有量の質量百分率が5%を超えると、非水電解液中で十分、均一に溶解せず、かつ電極界面での成膜が厚く、ある程度で電池抵抗を増大させ、電池低温性能を劣化させる。
【0033】
上記構造式IIで示される化合物Bの合成方法は従来的であり、例えば化合物Bは多価アルコール(例えばエリスリトール、キシリトールなど)と炭酸エステル(例えばジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネートなど)を用いて、塩基性触媒の作用下でエステル交換反応を行い、再結晶またはカラムクロマトグラフィーにより精製することで得られる。その合成経路の例は次のとおりである。
【化5】
【0034】
化合物B中の含フッ素化合物は、対応するカーボネートとF
2/N
2の混合ガスを用いてフッ素化した後、再結晶またはカラムクロマトグラフィーにより精製することで得られる。その合成経路の例は次のとおりである。
【化6】
【0035】
化合物B中のシアノ含有化合物は、対応するカーボネートを用いて塩化スルホニルと塩素化反応させた後、NaCNまたはKCNとを反応させ、再結晶またはカラムクロマトグラフィーにより精製することで得られる。その合成経路の例は次のとおりである。
【化7】
【0036】
化合物B中のトリメチルシロキシ化合物は、対応するヒドロキシカーボネートを用いて窒素シランと置換反応させた後、再結晶またはカラムクロマトグラフィーにより精製することで得られる。その合成経路の例は次のとおりである。
【化8】
【0037】
更に好ましくは、前記化合物Bの含有量は、リチウムイオン電池の非水電解液の全質量100質量%に対して、0.1〜2質量%である。
【0038】
なお、前記リチウムイオン電池の非水電解液が上記物質のうちの1種を含有する場合、含有量は、当該1種の物質の含有量であり、前記リチウムイオン電の用非水電解液が上記物質のうちの複数種を含有する場合、含有量は、当該複数種の物質の含有量の合計である。
【0039】
本発明の実施例のリチウムイオン電池の非水電解液は化合物Aと化合物Bを同時に含み、電池の高温保存性能と高温サイクル特性を効果的に改善することができ、前記非水電解液を含有するリチウムイオン電池に良いサイクル特性と高温保存性能を備えさせる。
【0040】
上記実施例に加えて、前記リチウムイオン非水電解液は、不飽和環状炭酸エステル化合物、フッ素化環状炭酸エステル化合物、スルホン酸エステル化合物のうち少なくとも1種を更に含むことが好ましい。
【0041】
前記不飽和環状炭酸エステル化合物としては、ビニレンカーボネート(VCと略記される)、ビニルエチレンカーボネート(VECと略記される)のうち少なくとも1種が挙げられる。前記フッ素化環状炭酸エステル化合物としては、フッ素化ビニルカーボネート(FECと略記される)が挙げられる。前記スルホン酸エステル化合物は、1,3−プロパンスルホン化ラクトン(PSと略記される)、1,4−ブタンスルトン(BSと略記される)、1,3−プロピレンスルトン(PSTと略記される)からなる群から選ばれる少なくとも1種である。不飽和環状炭酸エステル化合物の含有量は、前記リチウムイオン電池の非水電解液の全質量100質量%に対して、0.1〜5質量%である。
【0042】
前記フッ素化環状炭酸エステル化合物の含有量は、前記リチウムイオン電池の非水電解液の全質量100質量%に対して、0.1〜30質量%である。
【0043】
前記スルホン酸エステル化合物の含有量は、前記リチウムイオン電池の非水電解液の全質量100質量%に対して、0.1〜5質量%である。
【0044】
リチウムイオン電池の非水電解液の主成分は、当業者であれば公知であるが、非水有機溶媒、リチウム塩および添加剤である。本発明において、化合物A及び化合物Bは添加剤である。非水性有機溶媒及びリチウム塩の含有量は通常どおりであり、具体的には化合物A及び化合物Bを含む添加剤の含有量を決定した後に通常調整することができる。
【0045】
好ましくは、前記リチウム塩は、LiPF
6、LiBF
4、LiBOB、LiDFOB、LiN(SO
2CF
3)
2、LiN(SO
2C
2F
5)
2、LiC(SO
2CF
3)
3、LiN(SO
2F)
2からなる群から選択される1種以上である。前記リチウムイオン電池の非水電解液において、リチウム塩の含有量は0.1〜15質量%である。
【0046】
好ましくは、前記リチウムイオン電池の非水電解液は、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、及びメチルプロピルカーボネートのうちの少なくとも1種である非水有機溶媒を含む。より好ましくは、前記非水性有機溶媒は、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネートおよびメチルカーボネートの組成物である。
【0047】
正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に設けられたダイアフラムと、電解液とを含むリチウムイオン電池であって、前記電解液は、上述したリチウムイオン電池の非水電解液である。
【0048】
好ましくは、前記正極は正極活物質を含み、前記正極の活物質はLiNi
xCo
yMn
zL
(1−x−y−z)O
2、LiCo
x’L
(1−x’)O
2、LiNi
x’’L’
y’Mn
(2−x’’−y’)O
4、Li
z’MPO
4のうちの少なくとも1種であり、ただし、LはAl、Sr、Mg、Ti、Ca、Zr、Zn、Si又はFeのうちの少なくとも1種であり、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、0<x+y+z≦1、0<x’≦1、0.3≦x’’≦0.6、0.01≦y’≦0.2であり、L’はCo、Al、Sr、Mg、Ti、Ca、Zr、Zn、Si、Feのうちの少なくとも1種であり、0.5≦z’≦1であり、MはFe、Mn、Coのうちの少なくとも1種である。
【0049】
本発明の実施例において、前記正極、負極、ダイアフラムは、特に限定されるものではなく、当該技術分野において通常の正極、負極、ダイアフラムを用いることができる。
【0050】
本発明の実施例により提供されるリチウムイオン電池は、上記非水電解液を含有するため、優れたサイクル特性、高温保存性能を備えさせることができる。
【0051】
以下、具体的な実施例に基づいて説明する。
【0052】
[実施例1]
4.4Vの、LiNi
0.5Co
0.2Mn
0.3O
2/人造黒鉛電池であって、正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に設けられたダイアフラムと、電解液とを含み、前記電解液は非水電解液であり、前記非水電解液の全質量100質量%に対して、表1の実施例1に示す質量百分率の成分を含有する。
【0053】
[実施例2]
4.4Vの、LiNi
0.5Co
0.2Mn
0.3O
2/人造黒鉛電池であって、正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に設けられたセパレータと、電解液とを含み、前記電解液は非水電解液であり、前記非水電解液の全質量100質量%に対して、表1の実施例2に示す質量百分率の成分を含有する。
【0054】
[実施例3]
4.4Vの、LiNi
0.5Co
0.2Mn
0.3O
2/人造黒鉛電池であって、正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に設けられたセパレータと、電解液とを含み、前記電解液は非水電解液であり、前記非水電解液の全質量100質量%に対して、表1の実施例3に示す質量百分率の成分を含有する。
【0055】
[実施例4]
4.4Vの、LiNi
0.5Co
0.2Mn
0.3O
2/造黒鉛電池であって、正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に設けられたセパレータと、電解液とを含み、前記電解液は非水電解液であり、前記非水電解液の全質量100質量%に対して、表1の実施例4に示す質量百分率の成分を含有する。
【0056】
[実施例5]
4.4Vの、LiNi
0.5Co
0.2Mn
0.3O
2/人造黒鉛電池であって、正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に設けられたセパレータと、電解液とを含み、前記電解液は非水電解液であり、前記非水電解液の全質量100質量%に対して、表1の実施例5に示す質量百分率の成分を含有する。
【0057】
[実施例6]
4.4Vの、LiNi
0.5Co
0.2Mn
0.3O
2/人造黒鉛電池であって、正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に設けられたセパレータと、電解液とを含み、前記電解液は非水電解液であり、前記非水電解液の全質量100質量%に対して、表1の実施例6に示す質量百分率の成分を含有する。
【0058】
[実施例7]
4.4Vの、LiNi
0.5Co
0.2Mn
0.3O
2/人造黒鉛電池であって、正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に設けられたダイアフラムと、電解液とを含み、前記電解液は非水電解液であり、前記非水電解液の全質量100質量%に対して、表1の実施例7に示す質量百分率の成分を含有する。
【0059】
[実施例8]
4.4Vの、LiNi
0.5Co
0.2Mn
0.3O
2/人造黒鉛電池であって、正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に設けられたダイアフラムと、電解液とを含み、前記電解液は非水電解液であり、前記非水電解液の全質量100質量%に対して、表1の実施例8に示す質量百分率の成分を含有する。
【0060】
[実施例9]
4.4Vの、LiNi
0.5Co
0.2Mn
0.3O
2/人造黒鉛電池であって、正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に設けられたダイアフラムと、電解液とを含み、前記電解液は非水電解液であり、前記非水電解液の全質量100質量%に対して、表1の実施例9に示す質量百分率の成分を含有する。
【0061】
[実施例10]
4.4Vの、LiNi
0.5Co
0.2Mn
0.3O
2/人造黒鉛電池であって、正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に設けられたダイアフラムと、電解液とを含み、前記電解液は非水電解液であり、前記非水電解液の全質量100質量%に対して、表1の実施例10に示す質量百分率の成分を含有する。
【0062】
[実施例11]
4.4Vの、LiNi
0.5Co
0.2Mn
0.3O
2/人造黒鉛電池であって、正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に設けられたダイアフラムと、電解液とを含み、前記電解液は非水電解液であり、前記非水電解液の全質量100質量%に対して、表1の実施例11に示す質量百分率の成分を含有する。
【0063】
[実施例12]
4.4Vの、LiNi
0.5Co
0.2Mn
0.3O
2/人造黒鉛電池であって、正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に設けられたダイアフラムと、電解液とを含み、前記電解液は非水電解液であり、前記非水電解液の全質量100質量%に対して、表1の実施例12に示す質量百分率の成分を含有する。
【0064】
[実施例13]
LiNi
0.8Co
0.15Al
0.05O
2/シリコンカーボンであって、正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に設けられたダイアフラムと、電解液とを含み、前記電解液は非水電解液であり、前記非水電解液の全質量100質量%に対して、表2の実施例13に示す質量百分率の成分を含有する。
【0065】
[実施例14]
LiNi
0.8Co
0.15Al
0.05O
2/シリコンカーボンであって、正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に設けられたセパレータと、電解液とを含み、前記電解液は非水電解液であり、前記非水電解液の全質量100質量%に対して、表2の実施例14に示す質量百分率の成分を含有する。
【0066】
[比較例1]
4.4Vの、LiNi
0.5Co
0.2Mn
0.3O
2/人造黒鉛電池であって、正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に設けられたダイアフラムと、電解液とを含み、前記電解液は非水電解液であり、前記非水電解液の全質量100質量%に対して、表1の比較例1に示す質量百分率の成分を含有する。
【0067】
[比較例2]
4.4Vの、LiNi
0.5Co
0.2Mn
0.3O
2/人造黒鉛電池であって、正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に設けられたダイアフラムと、電解液とを含み、前記電解液は非水電解液であり、前記非水電解液の全質量100質量%に対して、表1の比較例2に示す質量百分率の成分を含有する。
【0068】
[比較例3]
4.4Vの、LiNi
0.5Co
0.2Mn
0.3O
2/人造黒鉛電池であって、正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に設けられたダイアフラムと、電解液とを含み、前記電解液は非水電解液であり、前記非水電解液の全質量100質量%に対して、表1の比較例3に示す質量百分率の成分を含有する。
【0069】
[比較例4]
4.4Vの、LiNi
0.5Co
0.2Mn
0.3O
2/人造黒鉛電池であって、正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に設けられたダイアフラムと、電解液とを含み、前記電解液は非水電解液であり、前記非水電解液の全質量100質量%に対して、表1の比較例4に示す質量百分率の成分を含有する。
【0070】
[比較例5]
4.4Vの、LiNi
0.5Co
0.2Mn
0.3O
2/人造黒鉛電池であって、正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に設けられたダイアフラムと、電解液とを含み、前記電解液は非水電解液であり、前記非水電解液の全質量100質量%に対して、表1の比較例5に示す質量百分率の成分を含有する。
【0071】
[比較例6]
4.4Vの、LiNi
0.5Co
0.2Mn
0.3O
2/人造黒鉛電池であって、正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に設けられたダイアフラムと、電解液とを含み、前記電解液は非水電解液であり、前記非水電解液の全質量100質量%に対して、表1の比較例6に示す質量百分率の成分を含有する。
【0072】
[比較例7]
LiNi
0.8Co
0.15Al
0.05O
2/シリコンカーボンであって、正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に設けられたダイアフラムと、電解液とを含み、前記電解液は非水電解液であり、前記非水電解液の全質量100質量%に対して、表2の比較例7に示す質量百分率の成分を含有する。
【0073】
[比較例8]
LiNi
0.8Co
0.15Al
0.05O
2/シリコンカーボンであって、正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に設けられたダイアフラムと、電解液とを含み、前記電解液は非水電解液であり、前記非水電解液の全質量100質量%に対して、表2の比較例8に示す質量百分率の成分を含有する。
【0074】
本発明の実施例1〜14、比較例1〜8の4.4Vの電池への性能試験を行い、試験指標及び試験方法は以下のとおりである。
【0075】
(1)高温サイクル特性は、45℃、1CでのN回サイクルの容量維持率を試験することによって具現され、具体的な方法として、45℃で、化成後の電池を1Cの定電流定電圧で4.4Vに充電し、遮断電流を0.01Cにし、その後1Cの定電流で3.0Vに放電する。このようにしてN回サイクルで充放電した後、N回サイクル後の容量維持率を算出して、高温サイクル特性を評価する。
45℃ 1CでのNサイクルの容量維持率は以下の式によって算出される。
Nサイクル目の容量維持率(%)=(Nサイクル目の放電容量/1サイクル目の放電容量)×100%。
【0076】
(2)常温サイクル特性は、25℃、1CでのN回サイクルの容量維持率を試験することによって具現され、具体的な方法として、25℃で、化成後の電池を1Cの定電流定電圧で4.4Vに充電し、遮断電流を0.01Cにし、その後1Cの定電流で3.0Vに放電する。このようにしてN回サイクルを充放電した後、Nサイクル目後の容量維持率を算出して、常温サイクル特性を評価する。
25℃ 1CでのN回サイクルの容量維持率は以下の式によって算出される。
Nサイクル目の容量維持率(%)=(Nサイクル目の放電容量/1サイクル目の放電容量)×100%。
【0077】
(3)60℃でN日間保存した後の容量維持率、容量回復率及び厚み膨張率の試験方法:化成後の電池を常温で1Cの定電流定電圧で4.4Vに充電し、遮断電流を0.01Cにし、続いて1Cの定電流で3.0Vに放電し、電池の初期放電容量を測定し、更に1C定電流定電圧で4.4Vに充電し、遮断電流を0.01Cにし、電池の初期厚みを測定し、その後電池を60℃でN日間保存した後、電池の厚みを測定し、更に1C定電流で3.0Vに放電し、電池の維持容量を測定し、その後、更に1Cの定電流定電圧で4.4Vに充電し、遮断電流を0.01Cにし、その後、1Cの定電流で3.0Vに放電して、回復容量を測定する。容量維持率、容量回復率は次の式によって算出される。
電池容量維持率(%)=維持容量/初期容量×100%、
電池容量回復率(%)=回復容量/初期容量×100%、
電池厚み膨張率(%)=(N日後の厚み−初期厚み)/初期厚み×100%。
【0078】
実施例1〜12、比較例1〜6の試験結果を下記表1に示す。
【表1】
【0079】
当業者であれば、よく知られているように、表1及び表2の実施例及び比較例には、既に挙げた各物質に加えて、通常の溶媒及びリチウム塩等の物質が含まれており、本発明においては特に説明しないが、電解液において、既に挙げた上記物質以外の重量が溶媒及びリチウム塩の含有量である。
【0080】
表1に示すように、実施例1〜12及び比較例1〜6を比較すると、実施例1〜12のリチウムイオン非水電解液には、化合物Aと化合物Bが同時に添加され、比較例1〜6のリチウムイオン非水電解液には化合物Aのみが添加されている。その結果から、化合物Aと化合物Bの両方を添加したリチウムイオン非水電解液からなる電池は、比較例1〜6と比較して、25℃、45℃でのサイクル特性と60℃での保存性能が著しく向上していることがわかる。化合物Aと化合物Bを組み合わせて使用すると、両者が相乗効果により、電池の高温保存及び高温サイクル特性を明らかに改善できることが分かる。
【0081】
実施例13〜14、比較例7〜8の試験結果を下記表2に示す。
【表2】
【0082】
表2に示すように、実施例13、実施例14及び比較例7、比較例8を比較すると、実施例13及び比較例14のリチウムイオン非水電解液に、化合物A及び化合物Bを添加した結果、化合物Aのみを添加したリチウムイオン非水電解液は、電池常温サイクル特性、高温サイクル特性が相対的に低く、高温保存性能が著しく劣っている。化合物Aを添加した上で、Bを添加すると、電池の常温サイクル特性、高温サイクル特性が改善されることができる。
【0083】
以上の記載は、本発明の好ましい実施形態に過ぎず、本発明を限定するためのものではなく、本発明の趣旨及び原則内でなされたいかなる修正、等価置換及び改良等も、本発明の範囲内に含まれるものである。
【0084】
[付記]
[付記1]
リチウムイオン電池の非水電解液であって、下記構造式Iで表される化合物Aと構造式IIで表される化合物Bとを含むことを特徴とするリチウムイオン電池の非水電解液。
【化9】
前記構造式Iにおいて、R
1、R
2、R
3はそれぞれ独立してC1〜C5のアルキル基またはハロアルキル基、C2〜C5の不飽和炭化水素基または不飽和ハロゲン化炭化水素基からなる群から選択され、かつR
1、R
2、R
3のうち少なくとも1つは前記不飽和炭化水素基または不飽和ハロゲン化炭化水素基であり、前記構造式IIにおいて、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、またはC1〜C5基からなる群から選択される1種である。
【0085】
[付記2]
前記構造式IIにおけるC1〜C5基は、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有炭化水素基、ケイ素含有炭化水素基、シアノ置換炭化水素基からなる群から選択されることを特徴とする付記1に記載のリチウムイオン電池の非水電解液。
【0086】
[付記3]
前記R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9は、それぞれ独立して水素原子、フッ素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリメチルシロキシ基、シアノ基、またはトリフルオロメチル基からなる群から選択されることを特徴とする付記1に記載のリチウムイオン電池の非水電解液。
【0087】
[付記4]
前記化合物Bは、下記構造で表される化合物1〜9のうち1種以上を含むことを特徴とする付記1に記載のリチウムイオン電池の非水電解液。
【化10】
【0088】
[付記5]
前記化合物Bの含有量は、前記リチウムイオン電池の非水電解液の全質量100質量%に対して、0.1〜5質量%であることを特徴とする付記1に記載のリチウムイオン電池の非水電解液。
【0089】
[付記6]
前記化合物Aは、C1〜C5のアルキル基がメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基からなる群から選択される1種であり、前記C1〜C5のハロアルキル基がモノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2−フルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、3,3−ジフルオロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、ヘキサフルオロイソプロピル基からなる群から選択される1種であり、前記C2〜C5の不飽和炭化水素基がビニル基、アリル基、3−ブテニル基、イソブテニル基、4−ペンテニル基、エチニル基、プロパルギル基、3−ブテニル基、1−メチル−2−プロピニル基からなる群から選択される1種であることを特徴とする付記1〜5のいずれか一つに記載のリチウムイオン電池の非水電解液。
【0090】
[付記7]
前記化合物Aは、リン酸トリアセチレンプロピル、ジアセチルプロピルメチルホスフェート、ジアセチルプロピルエチルホスフェート、リン酸ジアセチルプロピル、トリフルオロメチルジプロパルギルホスフェート、ジプロパルギル2,2,2−トリフルオロエチルホスフェート、ジプロパルギル3,3,3−トリフルオロプロピルホスフェート、ヘキサフルオロイソプロピルジアセチルプロピルホスフェート、トリアリルホスフェート、ジアリルメチルホスフェート、ジアリルエチルホスフェート、ジアリルプロピルホスフェート、トリフルオロメチルジアリルホスフェート、2,2,2−トリフルオロエチルジアリルホスフェート、ジアリル3,3,3−トリフルオロプロピルホスフェート、ジアリルヘキサフルオロイソプロピルホスフェートのうちの少なくとも1種を含むことを特徴とする付記6に記載のリチウムイオン電池の非水電解液。
【0091】
[付記8]
前記化合物Aの含有量は、前記リチウムイオン電池の非水電解液の全質量100質量%に対して、2%未満であることを特徴とする付記1〜5、7のいずれか一つに記載のリチウムイオン電池の非水電解液。
【0092】
[付記9]
正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に設けられたダイアフラムと、電解液とを含むリチウムイオン電池であって、前記電解液は、付記1〜8のいずれか一つに記載のリチウムイオン電池の非水電解液であることを特徴とするリチウムイオン電池。
【0093】
[付記10]
前記正極は正極活性材料を含み、前記正極の活性物質はLiNi
xCo
yMn
zL
(1−x−y−z)O
2、LiCo
x’L
(1−x’)O
2、LiNi
x’’L’
y’Mn
(2−x’’−y’)O
4、Li
z’MPO
4のうちの少なくとも1種であり、ただし、LはAl、Sr、Mg、Ti、Ca、Zr、Zn、Si或Feのうちの少なくとも1種であり、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、0<x+y+z≦1、0<x’≦1、0.3≦x’’≦0.6、0.01≦y’≦0.2であり、L’はCo、Al、Sr、Mg、Ti、Ca、Zr、Zn、Si、Feのうちの少なくとも1種であり、0.5≦z’≦1であり,MはFe、Mn、Coのうちの少なくとも1種であることを特徴とする付記9に記載のリチウムイオン電池。