【課題を解決するための手段】
【0007】
(本発明の第1の態様)
前記課題を解決するためになされた本発明の第1の態様に係る、二枚貝を開殻して該二枚貝の身から殻を除去する二枚貝除殻装置は、ターンテーブル(インデックステーブル)と、ターンテーブルの周囲に配置された二枚貝処理機構とを備えている。ターンテーブルの上面には、それぞれ第1の殻が上側に位置し第2の殻が下側に位置するように二枚貝を把持する複数のテーブル治具が、平面視で互いに一定の中心角を隔てて円周方向に並んで装着されている。ターンテーブルは、鉛直方向に伸びる回転軸を中心にして前記中心角と同一の回転角で間欠的に回転する。二枚貝処理機構は、二枚貝又はその構成部分(身、殻等)に対して所定の処理、加工又は移送(移載)を行う。
【0008】
二枚貝処理機構は、それぞれターンテーブルの回転停止時において複数のテーブル治具と係合する位置に配置され、ターンテーブルの回転方向に順に並ぶ複数のステーション(ワークステーション)を有する。ここで、第1の実施態様においては、二枚貝処理機構に第1〜第5のステーションが設けられる。この場合、第1のステーションには、順次テーブル治具に二枚貝を投入する二枚貝投入装置が配設される。第2のステーションには、二枚貝を所定の高さ位置に位置決めする二枚貝位置決め装置が配設される。第3のステーションには、貝柱上部を切断する第1貝柱カット装置が配設される。第4のステーションには、貝柱下部を切断する第2貝柱カット装置が配設される。第5のステーションには、二枚貝の身から殻を除去する殻除去装置が配設される。
【0009】
また、第2の実施態様においては、二枚貝処理機構に第1〜第6のステーションが設けられる。この場合、第1のステーションには、順次テーブル治具に二枚貝を投入する二枚貝投入装置が配設される。第2のステーションには、二枚貝の所定の部位で第1及び第2の殻の端部を切除(切断)する殻カット装置が配設される。第3のステーションには、二枚貝を所定の高さ位置に位置決めする二枚貝位置決め装置が配設される。第4のステーションには、貝柱上部を切断する第1貝柱カット装置が配設される。第5のステーションには、貝柱下部を切断する第2貝柱カット装置が配設される。第6のステーションには、二枚貝の身から殻を除去する殻除去装置が配設される。
【0010】
二枚貝が牡蠣である場合、第2の実施態様に係る二枚貝除殻装置の二枚貝処理機構は、次のように構成するのが好ましい。
(1) 二枚貝投入装置は、二枚貝投入コンベアによって搬送されている複数の二枚貝のうちの1つの二枚貝を、該二枚貝投入装置と係合する位置に停止しているテーブル治具に移載する。
(2) 殻カット装置は、該殻カット装置と係合する位置に停止しているテーブル治具に把持されている二枚貝の所定の部位(平面視で貝柱に最も近い縁部の近傍)で、第1及び第2の殻の端部を切除(切断)して両殻間に開口部を形成する。
(3) 二枚貝位置決め装置は、該二枚貝位置決め装置と係合する位置に停止しているテーブル治具に把持されている二枚貝をカメラで撮影して該二枚貝の高さ位置を検出しつつ、該二枚貝の開口部が所定の高さ位置にくるように、テーブル治具昇降装置により該テーブル治具を昇降させる。
(4) 第1貝柱カット装置は、該第1貝柱カット装置と係合する位置に停止しているテーブル治具に把持されている二枚貝の開口部を経由して二枚貝内(上部)に空気を噴射しつつ、該開口部を経由して二枚貝内に切断刃を挿入して貝柱上部を切断することにより該貝柱と第1の殻とを切り離し、二枚貝の蝶番部を中心にして第1の殻を上方に回動させて二枚貝を開殻する。なお、第1の殻は、貝柱上部の切断により自然に開殻するが、第1の殻を機械的に持ち上げることにより開殻を促進するようにしてもよい。
(5) 第2貝柱カット装置は、該第2貝柱カット装置と係合する位置に停止しているテーブル治具に把持されている二枚貝の身を真空吸引により持ち上げつつ切断刃で貝柱下部を切断することにより該貝柱と第2の殻とを切り離す。なお、開口部を経由して二枚貝内(下部)に空気を噴射することにより身を持ち上げるようにしてもよい。
(6) 殻除去装置は、該殻除去装置と係合する位置に停止しているテーブル治具に把持されている二枚貝の身を真空吸引により吸着して該テーブル治具から取り出す一方、第1及び第2の殻を把持して該テーブル治具から取り出す。
【0011】
なお、第1の実施態様に係る二枚貝除殻装置の場合は、二枚貝処理機構が殻カット装置を備えていないので、二枚貝位置決め装置は二枚貝の所定の部位における両殻の隙間が所定の高さ位置にくるようにテーブル治具を昇降させる。また、第1貝柱カット装置は、二枚貝の両殻の隙間を経由して二枚貝内に空気を噴射し、切断刃を挿入する。
【0012】
(本発明の第2の態様)
本発明の第2の態様に係る、二枚貝を開殻して該二枚貝の殻から身を取り出す二枚貝除殻装置は、ターンテーブルと、ターンテーブルの周囲に配置された二枚貝処理機構とを備えている。ターンテーブルの上面には、それぞれ第1の殻が上側に位置し第2の殻が下側に位置するように二枚貝を把持する複数のテーブル治具が、平面視で互いに一定の中心角を隔てて円周方向に並んで装着されている。ターンテーブルは、鉛直方向に伸びる回転軸を中心にして前記中心角と同一の回転角で間欠的に回転する。二枚貝処理機構は、二枚貝又はその構成部分(身、殻等)に対して所定の処理、加工又は移送(移載)を行う。
【0013】
二枚貝処理機構は、それぞれターンテーブルの回転停止時において複数のテーブル治具と係合する位置に配置され、ターンテーブルの回転方向に順に並ぶ複数のステーション(ワークステーション)を有する。ここで、第1の実施態様においては、二枚貝処理機構に第1〜第5のステーションが設けられる。この場合、第1のステーションには、順次テーブル治具に二枚貝を投入する二枚貝投入装置が配設される。第2のステーションには、二枚貝を所定の高さ位置に位置決めする二枚貝位置決め装置が配設される。第3のステーションには、貝柱上部を切断する第1貝柱カット装置が配設される。第4のステーションには、二枚貝から貝柱以外の身(以下「貝柱外身」という。)を取り出した上で、貝柱下部を切断する第2貝柱カット装置が配設される。第5のステーションには、テーブル治具から貝柱と第1及び第2の殻とを分離して取り出す分離取出し装置が配設される。
【0014】
また、第2の実施態様においては、二枚貝処理機構に第1〜第6のステーションが設けられる。この場合、第1のステーションには、順次テーブル治具に二枚貝を投入する二枚貝投入装置が配設される。第2のステーションには、二枚貝の所定の部位で第1及び第2の殻の端部を切除(切断)する殻カット装置が配設される。第3のステーションには、二枚貝を所定の高さ位置に位置決めする二枚貝位置決め装置が配設される。第4のステーションには、貝柱上部を切断する第1貝柱カット装置が配設される。第5のステーションには、二枚貝から貝柱外身を取り出した上で、貝柱下部を切断する第2貝柱カット装置が配設される。第6のステーションには、テーブル治具から貝柱と第1及び第2の殻とを分離して取り出す分離取出し装置が配設される。
【0015】
二枚貝が帆立貝である場合、第2の実施態様に係る二枚貝除殻装置の二枚貝処理機構は、次のように構成するのが好ましい。
(1) 二枚貝投入装置は、二枚貝投入コンベアによって搬送されている複数の二枚貝のうちの1つの二枚貝を、該二枚貝投入装置と係合する位置に停止しているテーブル治具に移載する。
(2) 殻カット装置は、該殻カット装置と係合する位置に停止しているテーブル治具に把持されている二枚貝の所定の部位で、第1及び第2の殻の端部を切除(切断)して両殻間に開口部を形成する。
(3) 二枚貝位置決め装置は、該二枚貝位置決め装置と係合する位置に停止しているテーブル治具に把持されている二枚貝をカメラで撮影して該二枚貝の高さ位置を検出しつつ、該二枚貝の開口部が所定の高さ位置にくるように、テーブル治具昇降装置により該テーブル治具を昇降させる。
(4) 第1貝柱カット装置は、該第1貝柱カット装置と係合する位置に停止しているテーブル治具に把持されている二枚貝の開口部を経由して二枚貝内(上部)に空気を噴射しつつ、該開口部を経由して二枚貝内に切断刃を挿入して貝柱上部を切断することにより該貝柱と第1の殻とを切り離し、二枚貝の蝶番部を中心にして第1の殻を上方に回動させて二枚貝を開殻する。なお、第1の殻は、貝柱上部の切断により自然に開殻するが、第1の殻を機械的に持ち上げることにより開殻を促進するようにしてもよい。
(5) 第2貝柱カット装置は、該第2貝柱カット装置と係合する位置に停止しているテーブル治具に把持されている二枚貝から貝柱外身取出し装置で貝柱外身を取り出した上で、貝柱下部を切断することにより該貝柱と第2の殻とを切り離す。
(6) 分離取出し装置は、該分離取出し装置と係合する位置に停止しているテーブル治具に把持されている二枚貝の貝柱を真空吸引により吸着して該テーブル治具から取り出す一方、第1及び第2の殻を把持して該テーブル治具から取り出す。
【0016】
なお、第1の実施対応に係る二枚貝除殻装置の場合は、二枚貝処理機構が殻カット装置を備えていないので、二枚貝位置決め装置は二枚貝の所定の部位における両殻の隙間が所定の高さ位置にくるようにテーブル治具を昇降させる。また、第1貝柱カット装置は、二枚貝の両殻の隙間を経由して二枚貝内に空気を噴射し、切断刃を挿入する。