(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に本発明を実施するための形態を図面を用いて説明する。なお、X軸とY軸とZ軸が記載されている図において、X軸とY軸とZ軸は互いに直交している。また、Z軸方向は鉛直上向き方向を示し、X軸方向は自動運転フォークリフトの前方向を示し、Y軸方向は自動運転フォークリフトの左方向を示している。
【0030】
●[自動運転フォークリフト1の外観(
図1)]
自動運転フォークリフト1には、用途や作業現場等に応じて種々の外観のものがあるが、本実施の形態の説明では
図1に示すように、リーチ型フォークリフトの外観を有する自動運転フォークリフトを例として説明する。自動運転フォークリフト1は、車体3、リーチレグ10、マスト70、フォーク60、ヘッドガード9、右従動輪8R、左従動輪8L、駆動操舵輪8D、キャスタ輪8C等を有している。
【0031】
リーチレグ10は左右一対で設けられており、車体3の下部から前方に突出するように設けられている。また一対のリーチレグ10の各々の前側部には、右従動輪8R、左従動輪8Lが設けられている。マスト70は左右一対で設けられており、リーチレグ10に沿って前後方向にスライド可能であるとともに、前後方向に傾斜可能である。フォーク60は左右一対で設けられており、マスト70に沿って上下方向にスライド可能(昇降可能)である。自動運転フォークリフト1の上部には、自動運転フォークリフト1の少なくとも一部を覆うヘッドガード9が設けられている。
【0032】
自動運転フォークリフト1の前下端には、障害物検出装置21Fが設けられ、車体3の後下端には、障害物検出装置21Bが設けられている。車体3の右下端には障害物検出装置22Rが設けられ、車体3の左下端には、障害物検出装置22Lが設けられている。そして車体3には、報知装置40が設けられている。また、ヘッドガード9には通信装置30が設けられ、ヘッドガード9の後右端には上方障害物検出装置23Rが設けられ、ヘッドガード9の後左端には上方障害物検出装置23Lが設けられている。つまり、上方障害物検出装置23R、23Lは、自動運転フォークリフト1の上部において、自動運転フォークリフト1の車幅に対応する左右両端に一対で設けられている。なお、上方障害物検出装置23R、23Lは、ヘッドガード9に設けられることなく、車体3に設けられたブラケット等にて、自動運転フォークリフト1の上部において、自動運転フォークリフト1の車幅に対応する左右両端に一対で設けられていてもよい。
【0033】
右従動輪8Rは、右側のリーチレグ10の前端近傍に設けられており、自動運転フォークリフト1の前後方向(
図1及び
図2の例ではX軸方向)に向きが固定されて回転自在に設けられている。左従動輪8Lは、左側のリーチレグ10の前端近傍に設けられており、自動運転フォークリフト1の前後方向(
図1及び
図2の例ではX軸方向)に向きが固定されて回転自在に設けられている。本実施の形態の説明では、右従動輪8Rと左従動輪8Lが、左右一対で自動運転フォークリフト1の前方に設けられている例を説明する。
【0034】
駆動操舵輪8Dは、自動運転フォークリフト1の前後方向に対する角度(
図2における中心軸線1Jに対する角度)を変更可能な操舵モータ52(
図2参照)を有するとともに、駆動モータ51(駆動装置に相当、
図2参照)によって回転駆動される。駆動モータ51は、制御装置50から制御され、自動運転フォークリフト1を前進または後進にて走行させる。また駆動操舵輪8Dは、左右方向において、右側と左側のどちらの側に配置されていてもよい。本実施の形態の説明では、駆動操舵輪8Dが、自動運転フォークリフト1の後方、かつ左側に設けられている例を説明する。
【0035】
キャスタ輪8Cは、
図2に示すXY平面内において方向が自由に変わるように自動運転フォークリフト1に対して支持されているとともに、回転自在となるように自動運転フォークリフト1に支持された車輪である。本実施の形態の説明では、キャスタ輪8Cが、自動運転フォークリフト1の後方、かつ右側に設けられている例を説明する。
【0036】
●[制御装置50に接続される各種の検出装置とアクチュエータの配置(
図2)]
次に
図2を用いて自動運転フォークリフト1の制御装置50に接続される各種の検出装置やアクチュエータの配置位置等について説明する。
図2に示すように、自動運転フォークリフト1には、制御装置50、前側誘導線検出装置2A、後側誘導線検出装置2B、右マーカ検出装置2R、左マーカ検出装置2L、荷物検出装置2C、駆動モータ51、操舵モータ52、ポンプ用モータ61、油圧ポンプ62、通信装置30、報知装置40、障害物検出装置21F、21B、22R、22L、上方障害物検出装置23R、23L、昇降位置検出装置63等が設けられている。なお、自動運転フォークリフト1は、予め床面等に設けられた誘導線(例えば磁気テープ)に沿って走行し、複数が張り巡らされた誘導線の中から、予め設定された走行経路となる誘導線に従って、前進や後進、誘導線の交差点での左右のターン等を行いながら走行する。
【0037】
前側誘導線検出装置2Aは、自動運転フォークリフト1の前方、かつ下方に配置されて、床面等にライン状に延びるように設けられた誘導線を検出し、検出信号を制御装置50に向けて出力する。例えば誘導線が磁気テープの場合、前側誘導線検出装置2Aは磁気センサであり、左右方向の幅2Awは、例えば20[cm]程度である。制御装置50は、前側誘導線検出装置2Aからの検出信号に基づいて、前側誘導線検出装置2Aの下方に存在する誘導線が、前側検出装置中心2Acから左右のどちらに、どれだけ離れた距離にあるか、を検出することができる。
【0038】
後側誘導線検出装置2Bは、自動運転フォークリフト1の後方、かつ下方に配置されて、床面等にライン状に延びるように設けられた誘導線を検出し、検出信号を制御装置50に向けて出力する。例えば誘導線が磁気テープの場合、後側誘導線検出装置2Bは磁気センサであり、左右方向の幅2Bwは、例えば20[cm]程度である。制御装置50は、後側誘導線検出装置2Bからの検出信号に基づいて、後側誘導線検出装置2Bの下方に存在する誘導線が、後側検出装置中心2Bcから左右のどちらに、どれだけ離れた距離にあるか、を検出することができる。
【0039】
右マーカ検出装置2Rは、後側誘導線検出装置2B(または前側誘導線検出装置2A)の右側、かつ下方に配置されて、床面等にスポット的に設けられたマーカ(誘導線の交差点の手前であることを示すマーカや一時停止を指示するマーカ等)を検出し、検出信号を制御装置50に向けて出力する。例えばマーカが磁気テープや磁石の場合、右マーカ検出装置2Rは磁気センサである。制御装置50は、右マーカ検出装置2Rからの検出信号に基づいて、右マーカ検出装置2Rの下方に、マーカがあるか否か、を検出することができる。なお、中心軸線1Jから右マーカ検出装置2Rまでの距離2Rwは、マーカの位置にあわせて適宜設定される。
【0040】
左マーカ検出装置2Lは、後側誘導線検出装置2B(または前側誘導線検出装置2A)の左側、かつ下方に配置されて、床面等にスポット的に設けられたマーカ(誘導線の交差点の手前であることを示すマーカや一時停止を指示するマーカ等)を検出し、検出信号を制御装置50に向けて出力する。例えばマーカが磁気テープや磁石の場合、左マーカ検出装置2Lは磁気センサである。制御装置50は、左マーカ検出装置2Lからの検出信号に基づいて、左マーカ検出装置2Lの下方に、マーカがあるか否か、を検出することができる。なお、中心軸線1Jから左マーカ検出装置2Lまでの距離2Lwは、マーカの位置にあわせて適宜設定される。
【0041】
荷物検出装置2Cは、例えばフォーク60の上面に設けられた物体検出センサであり、フォーク60の上面の荷物の有無に応じた検出信号を制御装置50に向けて出力する。制御装置50は、荷物検出装置2Cからの検出信号に基づいて、自動運転フォークリフト1が荷物を持っている状態か、荷物を持っていない状態か、を検出することができる。
【0042】
駆動モータ51は、駆動ギア等を介して駆動操舵輪8Dを回転駆動して、自動運転フォークリフト1を前進、後進、停止等する。制御装置50は、駆動モータ51に制御信号を出力して駆動操舵輪8Dを前進回転、後進回転、停止等の状態に制御することができる。また制御装置50は、図示省略したエンコーダ等の回転検出手段からの検出信号に基づいて、駆動モータ51の回転状態を検出し、自動運転フォークリフト1の走行速度を検出することができる。
【0043】
操舵モータ52は、操舵ギア等を介して駆動操舵輪8Dの操舵角度を変更して、自動運転フォークリフト1の進行方向を左右に変更する。制御装置50は、操舵モータ52に制御信号を出力して駆動操舵輪8Dの操舵角度(自動運転フォークリフト1の中心軸線1Jに対する角度)を制御することができる。また制御装置50は、図示省略したエンコーダ等の回転検出装置からの検出信号に基づいて、操舵モータ52の回転状態を検出し、駆動操舵輪8Dの操舵角度を検出することができる。
【0044】
ポンプ用モータ61は、油圧ポンプ62を駆動するための電動モータである。制御装置50は、ポンプ用モータ61に制御信号を出力してポンプ用モータ61を介して油圧ポンプ62を駆動して、油圧を発生させることができる。制御バルブを介してスライドシリンダ(図示省略)に供給された作動油はマストをスライド駆動し、制御バルブを介してチルトシリンダ(図示省略)に供給された作動油はマストをチルト駆動し、制御バルブを介して昇降シリンダに供給された作動油はフォークを昇降させる。従って制御バルブや昇降シリンダは、マストに沿ってフォークを昇降させる昇降装置64に相当する。また、マストには、フォークの高さを検出する昇降位置検出装置63が設けられている。
【0045】
通信装置30は、制御装置50から制御され、工場内等に予め設けられた受信設備90(
図11参照)に向けて所定の情報を送信可能な装置である。例えば受信設備90は、工場内の製造ラインシステムの管理装置や制御盤や通信装置等を有しており、自動運転フォークリフト1から送信された情報を、通信装置を介して管理装置にて受信し、受信した情報を制御盤に表示することができる。報知装置40は、制御装置50から制御され、例えば報知表示ランプ、音声出力スピーカ、報知表示モニタ等、周囲の作業者に、自動運転フォークリフト1に異常が発生していることを報知する装置である。障害物検出装置21F、21B、22R、22L、上方障害物検出装置23R、23Lのそれぞれは、後述する平面状の検出領域をそれぞれ有し、検出領域内に存在する物体を障害物として検出し、検出信号を制御装置50に出力する。昇降位置検出装置63は、例えばマストに沿ったフォークの位置を検出する位置センサであり、フォーク60の高さに応じた検出信号を制御装置50に出力する。
【0046】
制御装置50は、CPUと記憶装置を有しており、上述した各検出装置からの検出信号を取り込み、上述した各アクチュエータ(駆動モータ等)や報知装置40に制御信号を出力し、通信装置30を介して種々の情報を送受信する。
【0047】
●[障害物検出装置の検出領域(
図3、
図4)]
障害物検出装置21F、21B、22R、22L、上方障害物検出装置23R、23Lは、いずれも同じ障害物センサであり、
図3及び
図4では、上方障害物検出装置23Rを例として説明する。
図3は、上方障害物検出装置23Rの外観と、最大検出領域23RXの例を示しており、
図4は、パーソナルコンピュータ等を用いて上方障害物検出装置23Rの最大検出領域23RX内において、所望する検出領域を指定している様子を示している。
【0048】
上方障害物検出装置23Rは、レーザ光を用いて2次元平面状の検出領域を有し、検出領域内の物体を検出可能である。例えば上方障害物検出装置23Rの検出領域の最大範囲となる最大検出領域23RXは、半径が約5[m]、中心角度が約270[°]の扇形である。上方障害物検出装置23Rまたは制御装置50には、複数の検出領域を設定(記憶)しておくことが可能である。作業者は、複数の検出領域を作成して上方障害物検出装置23Rまたは制御装置50に記憶させておき、制御装置50から検出領域の切り替えが可能である。作業者は、
図4の例に示すように、パーソナルコンピュータ等にて検出領域作成用のプログラムを起動して、最大検出領域23RX内において所望する検出領域を指定(作成)することができる。
【0049】
図4の例は、上方障害物検出装置23Rの最大検出領域23RX内において、減速領域23R1と停止領域23R2とを有する検出領域23R3を指定(作成)した例を示している。作業者は、作成した検出領域23R3を、上方障害物検出装置23Rや制御装置50に記憶させることができる。例えば作業者は、走行速度等の運転状態に応じた複数の検出領域を予め作成しておき、作成した複数の検出領域のそれぞれを、上方障害物検出装置23Rや制御装置50に記憶させることができる。
【0050】
●[障害物検出装置の配置位置と、検出領域のイメージ(
図5)]
自動運転フォークリフト1の前下端に設けられた障害物検出装置21Fは、
図5に示すように、例えば床面から100[mm]〜250[mm]の範囲内の高さに、車幅W1(または車幅よりも少し広い幅)を有して前方(X軸方向)に所定距離まで延びる平面状の検出領域21F3を有している。車体3の後下端に設けられた障害物検出装置21Bは、例えば床面から100[mm]〜250[mm]の範囲内の高さに、車幅W1(または車幅W1よりも少し広い幅)を有して後方(X軸方向とは反対方向)に所定距離まで延びる平面状の検出領域21B3を有している。検出領域21F3は、自動運転フォークリフト1から遠い側が減速領域21F1に設定され、自動運転フォークリフト1に近い側が停止領域21F2に設定されている。検出領域21B3は、自動運転フォークリフト1から遠い側が減速領域21B1に設定され、自動運転フォークリフト1に近い側が停止領域21B2に設定されている。
【0051】
車体3の右下端に設けられた障害物検出装置22Rは、
図5に示すように、例えば床面から100[mm]〜250[mm]の範囲内の高さに、車体長さL1(または車体長さよりも少し長い長さ)を有して右方(Y軸方向とは反対方向)に所定距離まで延びる平面状の検出領域22R3を有している。車体3の左下端に設けられた障害物検出装置22Lは、例えば床面から100[mm]〜250[mm]の範囲内の高さに、車体長さL1を有して左方(Y軸方向)に所定距離まで延びる平面状の検出領域22L3を有している。検出領域22R3は、自動運転フォークリフト1から遠い側が減速領域22R1に設定され、自動運転フォークリフト1に近い側が停止領域22R2に設定されている。検出領域22L3は、自動運転フォークリフト1から遠い側が減速領域22L1に設定され、自動運転フォークリフト1に近い側が停止領域22L2に設定されている。
【0052】
車体3(ヘッドガード9)の上右端に設けられた上方障害物検出装置23Rは、
図5に示すように、後進した場合の進行方向(X軸方向とは反対方向)と鉛直方向とを含む平面状の検出領域23R3であって、床面よりも上方、かつ、自動運転フォークリフト1の上端の高さに応じた所定高さH1までの領域内であって後進の場合の進行方向における所定距離までの領域である検出領域23R3を有している。車体3(ヘッドガード9)の上左端に設けられた上方障害物検出装置23Lは、後進した場合の進行方向(X軸方向とは反対方向)と鉛直方向とを含む平面状の検出領域23L3であって、床面よりも上方、かつ、自動運転フォークリフト1の上端の高さに応じた所定高さH1までの領域内であって後進の場合の進行方向における所定距離までの領域である検出領域23L3を有している。また検出領域23R3、23L3は、後進の進行方向における車幅W1(または車幅よりも少し広い幅)内とされている。検出領域23R3は、自動運転フォークリフト1から遠い側が減速領域23R1に設定され、自動運転フォークリフト1に近い側が停止領域23R2に設定されている。検出領域23L3は、自動運転フォークリフト1から遠い側が減速領域23L1に設定され、自動運転フォークリフト1に近い側が停止領域23L2に設定されている。
【0053】
●[自動運転フォークリフト1の運転状態に応じた検出領域(
図6〜
図10)]
次に、自動運転フォークリフト1の運転状態に応じた検出領域の切り替えについて説明する。なお、
図6〜
図10では、進行方向(この場合、後進方向)における上方障害物検出装置23Lの検出領域23L3と障害物検出装置21Bの検出領域21B3のみを記載し、他の障害物検出装置21F、22R、22L、及び上方障害物検出装置23Rの検出領域については、記載を省略している。「運転状態」の具体的なものとしては、自動運転フォークリフト1の高さが変化する運転状態と、自動運転フォークリフト1の走行速度が変化する運転状態と、が有る。まず、自動運転フォークリフト1の高さが変化する運転状態について説明する。
【0054】
自動運転フォークリフトが搬入・搬出する荷物のサイズは予め判っており、制御装置50には、荷物高さHc(
図6〜
図8参照)が予め記憶されている。また、ヘッドガード9の高さであるヘッドガード高さHh(
図6参照)も、予め判っており、制御装置50に記憶されている。さらに、
図7に示すように、フォーク高さHfに応じて変化するマスト高さHmも、予め判っており、制御装置50に記憶されている。従って、制御装置50は、荷物aの有無、荷物aのサイズ(荷物高さHc)、フォーク高さHf、フォーク高さHfに応じて変化するマスト高さHm、ヘッドガード高さHh、に基づいて、最も高い最上端高さHmaxを求めることができる。例えば
図6に示す例では、最上端高さHmax=ヘッドガード高さHhであり、
図7に示す例では、最上端高さHmax=マスト高さHmであり、
図8に示す例では、最上端高さHmax=高さHfc(フォーク高さHf+荷物高さHc)となる。なお、フォーク高さHf、フォーク高さHfに応じて変化するマスト高さHm、荷物aの有無、のそれぞれは「自動運転フォークリフト1の運転状態」の1つに相当している。
【0055】
上方障害物検出装置23R、23L(
図5参照)用の検出領域としては、最上端高さHmaxに応じて、複数の検出領域が、上方障害物検出装置23R、23Lや制御装置50に記憶されている。例えば上方障害物検出装置23Lの検出領域として、
図6に示す最上端高さHmax=ヘッドガード高さHhに対応させて、ヘッドガード高さHhよりも少し高い検出領域高さH11(所定高さに相当)を有する検出領域23L3が、上方障害物検出装置23Lや制御装置50に記憶されている。同様に、
図7に示す最上端高さHmax=マスト高さHmに対応させて、マスト高さHmよりも少し高い検出領域高さH12(所定高さに相当)を有する検出領域23L3が、上方障害物検出装置23Lや制御装置50に記憶されている。同様に、
図8に示す最上端高さHmax=フォーク高さHf+荷物高さHcに対応させて、フォーク高さHf+荷物高さHcよりも少し高い検出領域高さH13(所定高さに相当)を有する検出領域23L3が、上方障害物検出装置23Lや制御装置50に記憶されている。また、上方障害物検出装置23Rの検出領域として、上記と同様の検出領域が、上方障害物検出装置23Rまたは制御装置50に記憶されている。なお、
図6〜
図8に示す検出領域23L3における床面からの高さH21〜H23は、例えば100[mm]〜250[mm]程度に設定されている。なお、障害物検出装置21Bの検出領域21B3は、進行方向(この場合、後進方向)の長さが、検出領域23L3と同等とされ、進行方向における減速領域21B1と停止領域21B2との境界位置は、進行方向における減速領域23L1と停止領域23L2との境界位置と同等とされている。
【0056】
次に、自動運転フォークリフト1の走行速度が変化する運転状態について説明する。上方障害物検出装置23R、23L(
図5参照)用の検出領域としては、後進の際の走行速度に応じて、複数の検出領域が、上方障害物検出装置23R、23Lや制御装置50に記憶されている。例えば
図9及び
図10に示すように、走行速度(大)の場合(所定速度よりも速い場合)の上方障害物検出装置23Lの検出領域として、進行方向への検出領域長さL11(所定距離に相当)を有する比較的長い検出領域23L3が、上方障害物検出装置23Lまたは制御装置50に記憶されている。また、走行速度(小)の場合(所定速度よりも遅い場合)の上方障害物検出装置23Lの検出領域として、進行方向への検出領域長さL12(所定距離に相当)を有する比較的短い検出領域23L3が、上方障害物検出装置23Lまたは制御装置50に記憶されている。また、上方障害物検出装置23Rの検出領域として、上記と同様の検出領域が、上方障害物検出装置23Rまたは制御装置50に記憶されている。なお、障害物検出装置21Bの検出領域21B3は、進行方向(この場合、後進方向)の長さが、検出領域23L3と同等とされ、進行方向における減速領域21B1と停止領域21B2との境界位置は、進行方向における減速領域23L1と停止領域23L2との境界位置と同等とされている。
【0057】
つまり、上方障害物検出装置23R、23Lの検出領域として、
図6〜
図8の例に示した最上端高さHmaxに応じた複数の検出領域が、さらに、走行速度に応じて複数用意されて、上方障害物検出装置23R、23Lまたは制御装置50に記憶されている。また、
図5に示す障害物検出装置21F、21B、22R、22Lのそれぞれの検出領域が、進行方向及び走行速度に応じて複数用意されて、障害物検出装置21F、21B、22R、22Lまたは制御装置50に記憶されている。
【0058】
●[誘導線の例と、走行経路の例(
図11)]
図11は、誘導線が床面に張り巡らされた製造工場等の平面図の例を示している。
図11においてXX軸とYY軸とZZ軸は互いに直交しており、ZZ軸方向は鉛直上方向を示し、XX軸方向とYY軸方向は水平方向を示している。床面には、
図11におけるXX軸方向に沿って誘導線X1、X2が設けられており、
図11におけるYY軸方向に誘導線Y1、Y2が設けられている。また
図11では、誘導線X1と誘導線Y1とが交差する位置を交差点X1Y1、誘導線X1と誘導線Y2とが交差する位置を交差点X1Y2、誘導線X2と誘導線Y1とが交差する位置を交差点X2Y1、誘導線X2と誘導線Y2とが交差する位置を交差点X2Y2、にて示している。
【0059】
走行経路K1は、自動運転フォークリフト1の制御装置に予めプログラムされている。
図11に点線にて示す走行経路K1の例では、自動運転フォークリフト1は、例えば以下のように走行する。なお、本実施の形態における自動運転フォークリフト1は、安全のために普段は後進し、荷物の搬入・搬出のときのみ前進するようにプログラムされている。
(1)誘導線X2の左端から荷物aを保持してスタートし、プログラムされた走行経路に基づいて、誘導線X2に沿って右方向に後進する。
(2)左マーカML1を検出して、プログラムされた走行経路に基づいて、次の交差点X2Y1にて左90°ターンして、誘導線Y1に沿って
図11における上方向に後進する。
(3)停止マーカMS1を検出して、プログラムされた走行経路に基づいて、設備SE1の手前で180°方向転換して停止し、保持している荷物aを、加工受入部に降ろす(搬入する)。
(4)プログラムされた走行経路に基づいて、誘導線Y1に沿って
図11における下方向に後進する。
(5)左マーカML2を検出して、プログラムされた走行経路に基づいて、次の交差点X1Y1にて左90°ターンして、誘導線X1に沿って
図11における右方向に後進する。
(6)左マーカML3を検出して、プログラムされた走行経路に基づいて、次の交差点X1Y2にて左90°ターンして、誘導線Y2に沿って
図11における上方向に後進する。
(7)停止マーカMS2を検出して、プログラムされた走行経路に基づいて、設備SE1の手前で180°方向転換して停止し、加工払出部の荷物bを保持する(搬出する)。
(8)プログラムされた走行経路に基づいて、誘導線Y2に沿って
図11における下方向に後進する。
(9)左マーカML4を検出して、プログラムされた走行経路に基づいて、次の交差点X1Y2にて左90°ターンして、誘導線X1に沿って
図11における右方向に後進する。
【0060】
以上に説明した走行経路K1に従って走行する自動運転フォークリフト1は、前進または後進の進行方向に障害物を検出した場合、安全に停止させることが好ましい。以下では、
図5に示す障害物検出装置21F、21B、22R、22L、上方障害物検出装置23R、23Lを用いて、進行方向における障害物を適切に検出し、安全に停止させるための制御装置50の処理手順の例について説明する。
【0061】
●[制御装置50の処理手順(
図12、
図13)]
次に
図12及び
図13を用いて、制御装置50の処理手順について説明する。制御装置50は、例えば所定時間間隔(例えば数[ms]〜数10[ms]間隔)にて、
図12に示す処理を起動し、起動するとステップS10へと処理を進める。なお、
図12及び
図13に示す処理は、誘導線やマーカ等に従った自動運転の動作(ステップS36C、36B、SUB130A等)も含んでいるが、自動運転の詳細については説明を省略する。
【0062】
ステップS10にて制御装置50は、駆動モータの回転方向と回転速度から自動運転フォークリフトの進行方向と走行速度を検出して記憶し、荷物検出装置の検出信号に基づいて荷物の有無を検出して記憶し、昇降位置検出装置からの検出信号に基づいてフォーク高さを検出して記憶する。そして制御装置50は、上述した最上端高さHmaxを求めて記憶し、ステップS12へと処理を進める。
【0063】
ステップS12にて制御装置50は、自動運転フォークリフト1の進行方向と走行速度、及び最上端高さHmax(
図6〜
図8参照)に基づいて、各障害物検出装置の検出領域を選択して、ステップS14へと処理を進める。なお、各障害物検出装置とは、
図5に示す障害物検出装置21F、21B、22R、22L、上方障害物検出装置23R、23Lを指す。
【0064】
ステップS14にて制御装置50は、選択した各検出領域を用いて、各障害物検出装置を動作させ、ステップS16へと処理を進める。なお、各障害物検出装置とは、
図5に示す障害物検出装置21F、21B、22R、22L、上方障害物検出装置23R、23Lを指す。
【0065】
ステップS16にて制御装置50は、各障害物検出装置からの検出信号を取得して、ステップS20へと処理を進める。
【0066】
ステップS20にて制御装置50は、いずれかの障害物検出装置(少なくとも1つの障害物検出装置)にて停止領域に障害物を検出したか否かを判定し、いずれかの障害物検出装置の停止領域に障害物を検出している場合(Yes)はステップS24Cに処理を進め、すべての障害物検出装置の停止領域に障害物を検出していない場合(No)はステップS22に処理を進める。なお、自動運転フォークリフトは、上述したように、安全のため、普段の進行方向は後進であり、荷物の搬入・搬出を行うときのみ前進としている。従って、進行方向が前進の場合は、荷物の搬入・搬出を行っている場合であるので、この場合では、障害物検出装置21F(前下端に配置した障害物検出装置、
図5参照)にて検出した障害物は無視する。あるいは、荷役時用の停止領域21F2(
図5参照)として、荷役時において棚などの障害物まで接近する距離よりも短い距離や狭い範囲とした荷役用停止領域を用意して、予め障害物検出装置21F(
図5参照)や制御装置50に記憶させておき、荷役時における停止領域21F2(
図5参照)を、荷役用停止領域に切り替えるようにしてもよい。
【0067】
ステップS22に処理を進めた場合、制御装置50は、いずれかの障害物検出装置(少なくとも1つの障害物検出装置)にて減速領域に障害物を検出したか否かを判定し、いずれかの障害物検出装置の減速領域に障害物を検出している場合(Yes)はステップS24Bに処理を進め、すべての障害物検出装置の減速領域に障害物を検出していない場合(No)はステップS24Aに処理を進める。なお、自動運転フォークリフトは、上述したように、安全のため、普段の進行方向は後進であり、荷物の搬入・搬出を行うときのみ前進としている。従って、進行方向が前進の場合は、荷物の搬入・搬出を行っている場合であるので、この場合では、障害物検出装置21F(前下端に配置した障害物検出装置、
図5参照)にて検出した障害物は無視する。
【0068】
ステップS24Aに処理を進めた場合、制御装置50は、運転制限(例えばRAM)に「制限なし」を記憶してステップS30へと処理を進める。
【0069】
ステップS24Bに処理を進めた場合、制御装置50は、運転制限に「減速」を記憶してステップS30へと処理を進める。
【0070】
ステップS24Cに処理を進めた場合、制御装置50は、運転制限に「停止」を記憶してステップS30へと処理を進める。
【0071】
ステップS30に処理を進めた場合、制御装置50は、走行経路K1(
図11参照)に沿った自身の位置に応じた目標走行速度を算出してステップS32へと処理を進める。
【0072】
ステップS32にて制御装置50は、運転制限に「停止」が記憶されているか否かを判定し、「停止」が記憶されている場合(Yes)はステップS36Cに処理を進め、「停止」が記憶されていない場合(No)はステップS34へと処理を進める。
【0073】
ステップS34に処理を進めた場合、制御装置50は、運転制限に「減速」が記憶されているか否かを判定し、「減速」が記憶されている場合(Yes)はステップS36Bへと処理を進め、「減速」が記憶されていない場合(No)はステップS36Aへと処理を進める。
【0074】
ステップS36Aに処理を進めた場合、制御装置50は、
図13に示す「SUB100」の処理を実行してステップS40へと処理を進める。なお、SUB100の処理の詳細については後述する。
【0075】
ステップS36Bに処理を進めた場合、制御装置50は、自動運転フォークリフトの走行速度が、目標走行速度よりも低い速度であって安全に停止することが可能な速度である徐行速度等となるように、走行速度を徐々に減速させながら、誘導線、マーカ等に従った自動運転を行い、ステップS38Bへと処理を進める。つまり、制御装置50は、減速領域に障害物を検出した場合、自動運転フォークリフトの走行速度を、徐行速度等に減速させるように駆動モータ(駆動装置)を制御する。
【0076】
ステップS38Bにて制御装置50は、報知装置40に「減速」状態であることを示す報知信号を出力させ、ステップS40へと処理を進める。例えば報知装置40が、ランプやスピーカ等を有している場合、長い周期でランプを点滅させたり、「減速します」と音声出力したりする。
【0077】
ステップS36Cに処理を進めた場合、制御装置50は、自動運転フォークリフトが走行を停止するように減速させながら、誘導線、マーカ等に従った自動運転を行い、ステップS38Cへと処理を進める。つまり、制御装置50は、停止領域に障害物を検出した場合、自動運転フォークリフトの走行を、停止させるように駆動モータ(駆動装置)を制御する。
【0078】
ステップS38Cにて制御装置50は、報知装置40に「停止」状態であることを示す報知信号を出力させ、ステップS40へと処理を進める。例えば報知装置40が、ランプやスピーカ等を有している場合、「減速」状態よりも短い周期でランプを点滅させたり、「停止します」と音声出力したりする。
【0079】
ステップS40に処理を進めた場合、制御装置50は、運転制限に「停止」が記憶されており、かつ、自動運転フォークリフトの走行速度がゼロ(走行停止状態)であるか否かを判定し、条件を満足している場合(Yes)はステップS42へと処理を進め、条件を満足していない場合(No)はステップS48へと処理を進める。
【0080】
ステップS42に処理を進めた場合、制御装置50は、復帰タイマ(RAM)をリセットしてステップS43へと処理を進める。ステップS43にて制御装置50は、送信タイマ(RAM)をカウントしてステップS44へと処理を進める。
【0081】
ステップS44にて制御装置50は、送信タイマが、送信待ち時間を超えているか否かを判定し、送信待ち時間を超えている場合(Yes)はステップS46へと処理を進め、送信待ち時間を超えていない場合(No)は処理を終了する。ステップS44にて、制御装置50は、設定した送信待ち時間に応じて、例えば、数秒毎に異常情報を受信設備に送信することができる。
【0082】
ステップS46に処理を進めた場合、制御装置50は、自身が搭載されている自動運転フォークリフトの識別情報(台車番号など)、走行経路K1(
図11参照)上における停止位置に関する位置情報、障害物を検出して走行停止していることを示す停止情報等を含む異常情報を作成し、作成した異常情報を、通信装置30(
図2参照)を介して無線にて、受信設備90(
図11参照)に送信し、ステップS48へと処理を進める。
【0083】
ステップS48に処理を進めた場合、制御装置50は、送信タイマをリセットして処理を終了する。
【0084】
●[SUB100の処理の詳細(
図13)]
次に
図13を用いて、
図12のフローチャート中におけるステップS36Aの「SUB100」の処理の詳細について説明する。
【0085】
SUB100に処理を進めた場合、制御装置50は、
図13に示すステップSUB110へと処理を進める。SUB110にて制御装置50は、復帰タイマをカウントしてステップSUB115へと処理を進める。
【0086】
ステップSUB115にて制御装置50は、復帰タイマが、第1復帰待機時間未満であるか否かを判定し、第1復帰待機時間未満である場合(Yes)はステップSUB130Cへと処理を進め、第1復帰待機時間以上である場合(No)はステップSUB120へと処理を進める。
【0087】
ステップSUB120に処理を進めた場合、制御装置50は、復帰タイマが、第1復帰待機時間よりも長い第2復帰待機時間未満であるか否かを判定し、第2復帰待機時間未満である場合(Yes)はステップSUB130Bへと処理を進め、第2復帰待機時間以上である場合(No)はステップSUB130Aへと処理を進める。
【0088】
ステップSUB130Cに処理を進めた場合は、走行を停止した後に運転制限が「制限なし」となってからの経過時間が第1復帰待機時間未満の期間であり、制御装置50は、走行停止を維持してステップSUB135Cへと処理を進める。
【0089】
ステップSUB135Cにて制御装置50は、報知装置40に「停止」状態であることを示す報知信号を出力させ、リターンする(
図12のステップS40へ処理を進める)。例えば報知装置40が、ランプやスピーカ等を有している場合、「減速」状態よりも短い周期でランプを点滅させ、「障害物が無くなりました。」と音声出力したりする。
【0090】
ステップSUB130Bに処理を進めた場合は、走行を停止した後に運転制限が「制限なし」となってからの経過時間が第1復帰待機時間以上かつ第2復帰待機時間未満の期間であり、制御装置50は、走行停止を維持してステップSUB135Bへと処理を進める。
【0091】
ステップSUB135Bにて制御装置50は、報知装置40に「停止」状態であることを示す報知信号を出力させ、走行開始を予告する音声を出力してリターンする(
図12のステップS40へ処理を進める)。例えば報知装置40が、ランプやスピーカ等を有している場合、「減速」状態よりも短い周期でランプを点滅させ、「走行を開始します。注意してください。」と音声出力したりする。
【0092】
ステップSUB130Aに処理を進めた場合は、走行を停止した後に運転制限が「制限なし」となってからの経過時間が第2復帰待機時間以上の期間であり、制御装置50は、目標速度に向けて走行を開始して、誘導線、マーカ等に従って自動運転して、ステップSUB135Aへと処理を進める。
【0093】
ステップSUB135Aにて制御装置50は、報知装置40からの報知出力を解除してリターンする(
図12のステップS40へ処理を進める)。例えば報知装置40の、ランプやスピーカ等を有している場合、これらからの出力を停止させる。
【0094】
以上に説明したように、SUB100の処理では、制御装置50は、障害物を検出して走行停止している状態から、障害物が無くなって走行を再開する際、即座に走行を再開するのでなく、障害物が無くなってから第1復帰待機時間の間では、障害物が無くなったことを報知する(ステップSUB135C)が停止状態を維持する。そして、第1復帰待機時間から第2復帰待機時間の間では、走行の再開を予告する走行再開予告報知をする(ステップSUB135B)が停止状態を維持する。これにより、周囲の作業者に対して安全に走行を再開することができる。
【0095】
以上に説明した処理手順により、例えば走行経路の側方から、床面に接触することなく所定高さで走行経路の側へと突出した障害物が存在する場合、自動運転フォークリフト1は、
図14〜
図16に示すように自律走行する。なお、
図14〜
図16では、進行方向(この場合、後進方向)における上方障害物検出装置23Lの検出領域23L3と障害物検出装置21Bの検出領域21B3のみを記載し、他の障害物検出装置21F、22R、22L、及び上方障害物検出装置23Rの検出領域については、記載を省略している。
図14に示すように、走行速度が大きい場合(例えば所定速度以上の目標速度)では、制御装置は、進行方向への長さL21が長い検出領域23L3を用いて障害物を検出する。減速領域23L1にて障害物を検出した場合(障害物が減速領域23L1に達した場合)、
図15に示すように、制御装置は、走行速度を徐行速度に向けて減速し、走行速度が小さくなった場合(所定速度未満)では、進行方向への長さL22が短い検出領域23L3を用いて障害物を検出する。そして停止領域23L2にて障害物を検出した場合(障害物が停止領域23L2に達した場合)、
図16に示すように、制御装置は、自動運転フォークリフト1を徐行速度から安全に停止させる。以上に説明したように、本実施の形態にて説明した自動運転フォークリフト1は、障害物となり得るすべてのものにRFIDタグを持たせる等の処置が不要で手間がなく、かつ、進行方向に存在する種々の障害物を適切に検出し、より安全な自動運転フォークリフトを実現することができる。
【0096】
また、障害物を検出して走行停止した自動運転フォークリフトから送信される異常情報には、自動運転フォークリフトの識別情報(台車番号など)、走行経路K1(
図11参照)上における停止位置に関する位置情報、走行を停止していることを示す停止情報等が含まれている。障害物を検出して走行停止している自動運転フォークリフトは、速やかに復旧される(走行が再開される)べきである。作業者は、
図11に示す受信設備90にて、走行停止している自動運転フォークリフトからの異常情報を確認することで、どの自動運転フォークリフトが、どこで停止しているか、を確認することができるので、速やかに自動運転フォークリフトを復旧させることができる。
【0097】
本発明の自動運転フォークリフト1は、本実施の形態で説明した構成、構造、外観、形状、処理手順等に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。
【0098】
本実施の形態の説明では、上方障害物検出装置23R、23Lを、後方に向けて配置した例を説明したが、フォークや荷物に検出領域が遮断されないようにブラケット等を用いて、前方に向けて適切な位置に配置するようにしてもよい。また本実施の形態の説明では、上方障害物検出装置23R、23Lを左右両端に一対で設けた例を説明したが、例えば自動運転フォークリフトが壁に沿って移動する走行経路の場合、壁と反対側のみに上方障害物検出装置を設ければよい。
【0099】
本実施の形態の説明では、上方障害物検出装置の検出領域を、減速領域と停止領域に分けた例を説明したが、減速領域と停止領域を分けず、検出領域に障害物を検出した場合に、自動運転フォークリフト1を停止させる(徐々に減速して停止させる)ようにしてもよい。また、本実施の形態の説明では、上方障害物検出装置の検出領域を、自動運転フォークリフト1の運転状態に応じて切り替える例を説明したが、検出領域を切り替えないようにしてもよい。
【0100】
本実施の形態にて説明した自動運転フォークリフト1は、無人で自律走行可能であるが、車体3の運転席に乗員検出装置(例えば、運転席の床面に設けた重量検知センサ)を設け、乗員を検出した場合に自律走行を停止して乗員の操作に従う、無人及び有人で走行可能な自動運転フォークリフトとしてもよい。
【0101】
また、本発明の自動運転フォークリフト1は、製造工場内での製品または部品の搬送の利用に限定されず、種々の用途で利用される種々の自動運転フォークリフト1に適用することが可能である。
【0102】
また、本実施の形態の説明に用いた数値は一例であり、この数値に限定されるものではない。