(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6866904
(24)【登録日】2021年4月12日
(45)【発行日】2021年4月28日
(54)【発明の名称】接続アダプタ
(51)【国際特許分類】
G01R 1/04 20060101AFI20210419BHJP
G01R 31/50 20200101ALI20210419BHJP
H02B 1/40 20060101ALI20210419BHJP
【FI】
G01R1/04 A
G01R31/50
H02B1/40 A
【請求項の数】5
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2019-102994(P2019-102994)
(22)【出願日】2019年5月31日
(65)【公開番号】特開2020-197424(P2020-197424A)
(43)【公開日】2020年12月10日
【審査請求日】2020年1月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルテクノサービス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100142642
【弁理士】
【氏名又は名称】小澤 次郎
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 泰広
【審査官】
島田 保
(56)【参考文献】
【文献】
特開2014−222161(JP,A)
【文献】
特開2004−361248(JP,A)
【文献】
実開平1−151263(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 1/04
G01R 31/50
H02B 1/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分電盤の内部に設けられた分岐ブレーカからIGR探査器に基準信号を取り入れるための接続アダプタであって、
前記分岐ブレーカに形成された中性相用の第1絶縁測定孔に差し込まれると先端が前記中性相に接続されるプローブと、
絶縁体であり、前記プローブが前記第1絶縁測定孔に差し込まれると、前記第1絶縁測定孔に隣接する第2絶縁測定孔に挿入される支持ピンと、
絶縁体である支持体と、
前記支持体に支持された端子と、
前記プローブ及び前記端子を接続する電線と、
前記支持体を前記分電盤の側面に固定可能な固定手段と、
を備えた接続アダプタ。
【請求項2】
前記プローブは、先端部のみが露出するように絶縁体によって覆われた請求項1に記載の接続アダプタ。
【請求項3】
前記支持ピンは前記プローブより短く、
前記プローブの先端が前記中性相に接続された状態で、前記支持ピンのうち前記第2絶縁測定孔に差し込まれた部分が前記分岐ブレーカの内部の導体に接触しない請求項1又は請求項2に記載の接続アダプタ。
【請求項4】
前記端子は板状であり、
前記端子の縁のうち直線状の一辺のみが前記支持体から露出する請求項1から請求項3の何れか一項に記載の接続アダプタ。
【請求項5】
前記支持体は、
第1切り欠きが形成された第1絶縁板と、
第2切り欠きが形成された第2絶縁板と、
を備え、
前記端子は、前記一辺が前記第1切り欠き及び前記第2切り欠きから露出するように、前記第1絶縁板と前記第2絶縁板とによって挟まれた請求項4に記載の接続アダプタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、IGR探査器に基準信号を取り入れるために用いられる接続アダプタに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、IGR探査器が記載されている。IGR探査器は、絶縁不良を起こしている回路を調査する際に使用される。特許文献1に記載されたIGR探査器は、基準信号を入力するためのコードを備える(
図15参照)。このコードは、導体を挟むための接続クリップを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−361248号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
IGR探査器を用いて調査を行う場合に、分電盤から基準信号を取り込むことがある。例えば、特許文献1に記載されたIGR探査器を用いて調査を行う場合は、基準信号を取り込むために、接続クリップを分電盤内の中性相に接続しなければならない。しかし、分電盤の内部には接続クリップを接続できる箇所が限られている。更に、接続クリップを取り付けることが可能な金属板は、感電防止用のカバーで覆われていることが多い。このため、カバーの取り外しが必要になり、IGR探査器を分電盤の中性相に接続する作業に時間が掛かるといった問題があった。
【0005】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされた。この発明の目的は、分電盤の中性相から基準信号を取り込むための接続作業を簡単に行うことができる接続アダプタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る接続アダプタは、分岐ブレーカに形成された中性相用の第1絶縁測定孔に差し込まれると先端が中性相に接続されるプローブと、絶縁体であり、プローブが第1絶縁測定孔に差し込まれると、第1絶縁測定孔に隣接する第2絶縁測定孔に挿入される支持ピンと、絶縁体である支持体と、支持体に支持された端子と、プローブ及び端子を接続する電線と、支持体を分電盤の側面に固定可能な固定手段と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、分電盤の中性相から基準信号を取り込むための接続作業を簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】絶縁不良が発生している回路を特定するための調査方法を説明するための図である。
【
図4】実施の形態1における接続アダプタの例を示す図である。
【
図5】接続部が分岐ブレーカに接続された状態を示す図である。
【
図7】中継部が分電盤に取り付けられた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
添付の図面を参照し、本発明を説明する。重複する説明は、適宜簡略化或いは省略する。各図において、同一の符号は同一の部分又は相当する部分を示す。
【0010】
実施の形態1.
図1は、監視システムの例を示す図である。ビル1の電気室2に、配電盤3が設けられる。配電盤3は、ビル1内に電力を分配する。
図1は、配電盤3がビル1内の各店舗4に電力を分配する例を示す。店舗4に、分電盤5が設けられる。
【0011】
監視装置6は、ビル1に備えられた回路の絶縁状態を監視する。例えば、監視装置6は、監視用の基準信号を出力し、回路に絶縁不良、即ち漏電が発生しているか否かを判定する。監視装置6は、絶縁不良を検出すると、外部のコントロールセンター7に検出信号を送信する。コントロールセンター7では、監視装置6から検出信号を受信すると、保守員を派遣して調査を行わせる。
【0012】
監視装置6には、例えば絶縁不良が発生している回路が接続された分電盤5の情報が表示される。保守員は、監視装置6の表示を見て、調査すべき分電盤5を特定する。保守員は、調査すべき分電盤5の設置場所に到着すると、絶縁不良が発生している回路をより詳細に特定するための作業を開始する。
【0013】
図2は、絶縁不良が発生している回路を特定するための調査方法を説明するための図である。
図2は、分電盤5の蓋8が開けられた状態を示す。分電盤5の筐体9の内部には、複数の分岐ブレーカ10が設けられる。分岐ブレーカ10には、店舗4に設置された負荷が接続される。店舗4内の各負荷には、分岐ブレーカ10を介して電力が供給される。
【0014】
図3は、分岐ブレーカ10の例を示す図である。分岐ブレーカ10は、内部に、負荷からの電線が接続された導体11及び12を備える。例えば、導体11は中性相(N相)である。導体12は、R相である。分岐ブレーカ10には、例えば絶縁抵抗値を測定する際にプローブが挿入される導体11用の絶縁測定孔13と導体12用の絶縁測定孔14とが形成される。絶縁測定孔14は、絶縁測定孔13に隣接する。
図3は、絶縁測定孔14が絶縁測定孔13の上方に配置される例を示す。
【0015】
分電盤5の設置場所に到着した保守員は、IGR探査器20を用いて調査を行う。例えば、保守員は、IGR探査器20によって漏れ電流を測定する。上記調査を行うためには、IGR探査器20に監視用の基準信号を取り込む必要がある。このため、IGR探査器20には、GND線21と基準信号線22とが備えられる。保守員は、基準信号線22を接続アダプタ30を介して分電盤5内の分岐ブレーカ10に接続する。これにより、分岐ブレーカ10からの基準信号が接続アダプタ30を介してIGR探査器20に取り込まれる。
【0016】
図4は、実施の形態1における接続アダプタ30の例を示す図である。接続アダプタ30は、例えば接続部31、電線32、及び中継部33を備える。接続部31は、分岐ブレーカ10に接続される。中継部33に、IGR探査器20の基準信号線22が接続される。接続部31と中継部33とは、電線32によって接続される。
【0017】
接続部31は、例えばプローブ34、支持ピン35、及び保持部36を備える。プローブ34は、円柱形状の導体である。プローブ34は、保持部36に固定される。プローブ34は、先端部のみが露出するように絶縁体34aによって覆われる。
図5は、接続部31が分岐ブレーカ10に接続された状態を示す図である。
図5は、
図3のA−A断面に相当する図である。
【0018】
プローブ34は、絶縁測定孔13に差し込まれると先端が導体11に接触する。即ち、プローブ34が中性相に接続される。プローブ34の直径は、絶縁測定孔13の直径より小さい。また、プローブ34は、絶縁測定孔13に差し込まれた際に先端が導体11に接触できるだけの特定の長さを有する。電線32は、プローブ34に接続される。
【0019】
支持ピン35は、棒状の絶縁体である。支持ピン35は、保持部36に固定される。支持ピン35は、プローブ34が保持部36から突出する方向と同じ方向に保持部36から突出する。
図5に示すように、支持ピン35は、プローブ34が絶縁測定孔13に差し込まれると、絶縁測定孔14に挿入される。支持ピン35は、プローブ34より短い。このため、プローブ34の先端が導体11に接触しても、支持ピン35は導体12に接触しない。支持ピン35は、分岐ブレーカ10の内部の如何なる導体にも接触しない。
【0020】
図5に示すように接続部31を配置した後に保守員が接続部31から手を離すと、電線32が保持部36から垂れ下がり、接続部31に対して矢印Bに示す方向の力が作用する。これにより、支持ピン35が絶縁測定孔14の縁に当たり、接続部31が分岐ブレーカ10に固定される。
図6は、
図5のC−C断面を示す図である。
図6に示すように、支持ピン35は、保持部36に近づくに従って幅が徐々に大きくなるように形成されても良い。これにより、保守員が接続部31から手を離した時のがたつきを抑制し、接続部31を分岐ブレーカ10により強固に固定することができる。
【0021】
中継部33は、例えば端子37、磁石38、及び支持体39を備える。端子37は、例えば板状の導体である。
図4は、端子37が四角形状の金属板である例を示す。端子37は、支持体39に支持される。端子37に、電線32が接続される。即ち、電線32は、プローブ34と端子37とを電気的に接続する。端子37には、IGR探査器20の基準信号線22に設けられたクリップが取り付けられる。
【0022】
磁石38は、支持体39に支持される。
図7は、中継部33が分電盤5に取り付けられた状態を示す図である。
図7は、
図2のD部を拡大した図に相当する。
図7に示す例では、磁石38は、分電盤5の筐体9の外側の側面9aに固定される。磁石38は、支持体39を分電盤5の側面9aに固定可能な手段の一例である。
【0023】
支持体39は、絶縁体である。支持体39が絶縁体であるため、端子37と分電盤5との絶縁性が確保される。本実施の形態に示す例では、支持体39は、絶縁板40及び41を備える。絶縁板40に、U字形状の切り欠き40aが形成される。絶縁板41に、U字形状の切り欠き41aが形成される。切り欠き41aの形状は、切り欠き40aの形状と同じである。
【0024】
端子37は、絶縁板40と絶縁板41とによって挟まれ、一部のみが支持体39から露出する。例えば、端子37は、四方の縁のうち直線状の一辺の一部のみが切り欠き40a及び切り欠き41aから露出する。端子37は、露出する部分が切り欠き40a及び41aによって形成された凹状の空間から突出することがないように、絶縁板40と絶縁板41とによって保持される。
【0025】
保守員は、IGR探査器20を用いた調査を行う際に、先ず、磁石38を筐体9の側面9aに固定し、中継部33を分電盤5の外側に取り付ける。次に、保守員は、支持ピン35が絶縁測定孔14に挿入されるように、プローブ34を絶縁測定孔13に差し込む。これにより、接続部31を分岐ブレーカ10に取り付け、端子37と分岐ブレーカ10内の中性相とを電気的に接続する。その後、保守員はIGR探査器20の基準信号線22に設けられたクリップで端子37を挟み、監視用の基準信号を分電盤5からIGR探査器20に取り込む。
【0026】
監視装置6が絶縁不良を検出した場合、保守員は、早急な調査を要求されることが多い。本実施の形態に示す例であれば、分電盤5の中性相から基準信号を取り込むための接続作業を簡単に且つ短時間で行うことができる。即ち、接続アダプタ30を用いることにより、分電盤5の内部に備えられたカバー等の部品を取り外すことなく上記接続作業を行うことができる。
【0027】
また、保守員は、基準信号線22に設けられたクリップを端子37に取り付けた後、IGR探査器20を用いた調査を行う。この調査では、IGR探査器20を頻繁に動かすため、基準信号線22に設けられたクリップが端子37から外れ易い。本実施の形態に示す例では、中継部33が分電盤5の側面9aに取り付けられている。このため、仮にクリップが端子37から外れても、クリップは、分電盤5の外に落下する。本実施の形態に示す例であれば、端子37から外れたクリップによって短絡事故が発生することを抑制できる。
【符号の説明】
【0028】
1 ビル、 2 電気室、 3 配電盤、 4 店舗、 5 分電盤、 6 監視装置、 7 コントロールセンター、 8 蓋、 9 筐体、 9a 側面、 10 分岐ブレーカ、 11 導体、 12 導体、 13 絶縁測定孔、 14 絶縁測定孔、 20 IGR探査器、 21 GND線、 22 基準信号線、 30 接続アダプタ、 31 接続部、 32 電線、 33 中継部、 34 プローブ、 34a 絶縁体、 35 支持ピン、 36 保持部、 37 端子、 38 磁石、 39 支持体、 40 絶縁板、 40a 切り欠き、 41 絶縁板、 41a 切り欠き