(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1には、過負荷保護装置の位置決め機構について記載されておらず、過負荷保護装置が圧縮機に対して位置ずれした場合には、過負荷保護装置の圧縮機の表面への密着性が低下するという問題がある。
【0005】
本開示は、検出装置の圧縮機の表面への密着性の低下を抑制できる圧縮機を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様に係る圧縮機
は、
圧縮機構部を収容するケーシングと、
上記ケーシングの内部の状態を検出するための検出面を有し、上記検出面が上記ケーシングの外周面に対向するように配置された検出装置と、
上面視において、上記検出装置と重なる第1部分と、上記検出装置と重ならない第2部分とを有する弾性部材と、
上記検出装置と上記弾性部材の一部とを覆うように、上記ケーシングに取り付けられたカバーと
を備え、
上記カバーが上記弾性部材の上記第2部分を上記ケーシングに押し付けることで、上記検出装置は、上記弾性部材の上記第1部分によって上記ケーシングに押し付けられており、
上記弾性部材は、
上記検出装置が挿入された取付孔と、
上記取付孔の周縁部に設けられ、上記ケーシングに向けて突出した突起部と
を備える
ことを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、突起部によって取付孔の周縁部とケーシングとの間隔が確保されるので、弾性部材が突起部を有しない場合と比較して、弾性部材の変形量が大きくなる。その結果、弾性部材が突起部を有しない場合と比較して、検出装置に作用する反力が大きくなるので、検出装置の検出面と圧縮機の外周面との密着性の低下を効果的に抑制できる。
【0010】
また、弾性部材が、検出装置が挿入された取付孔を有しているので、圧縮機のケーシングに対する検出装置の位置ずれを抑制できる。
【0011】
本開示の他の態様に係る圧縮機
は、
圧縮機構部を収容するケーシングと、
上記ケーシングの内部の状態を検出するための検出面を有し、上記検出面が上記ケーシングの外周面に対向するように配置された検出装置と、
上面視において、上記検出装置と重なる第1部分と、上記検出装置と重ならない第2部分とを有する弾性部材と、
上記検出装置と上記弾性部材の一部とを覆うように、上記ケーシングに取り付けられたカバーと
を備え、
上記カバーが上記弾性部材の上記第2部分を上記ケーシングに押し付けることで、上記検出装置は、上記弾性部材の上記第1部分によって上記ケーシングに押し付けられており、
上記検出装置は、
上記検出面を有する検出装置本体と、
上記検出装置本体の外周面から突出した支持部と
を備え、
上記弾性部材の上記第1部分は、上面視において、上記検出装置の支持部と重なっており、
上記第1部分の下端と上記支持部とが面で接触し、
上記検出装置は、上記弾性部材の上記第1部分によって上記検出装置の上記支持部が上記ケーシングに向けて付勢されることで、上記ケーシングに押し付けられている
ことを特徴とする。
【0012】
この構成によれば、弾性部材の第1部分が支持部によって支持されているため、弾性部材の第2部分がケーシングに押し付けられたときに、弾性部材の第1部分がケーシングに向かって変位して弾性部材の変形量が低下することが抑制される。これにより、弾性部材から検出装置に作用する反力が低下することを抑制できる。
また、弾性部材が支持部と面で接触することで隙間なく密着し、弾性部材が支持部に安定して支持される。このため、弾性部材の第1部分によって検出装置の支持部がケーシングに向けて付勢されたときに、弾性部材が支持部に対して滑ることなく、効率的に検出装置をケーシングに押し付けられる。
【0013】
本開示の他の態様に係る圧縮機
は、
圧縮機構部を収容するケーシングと、
上記ケーシングの内部の状態を検出するための検出面を有し、上記検出面が上記ケーシングの外周面に対向するように配置された検出装置と、
上面視において、上記検出装置と重なる第1部分と、上記検出装置と重ならない第2部分とを有する弾性部材と、
上記検出装置と上記弾性部材の一部とを覆うように、上記ケーシングに取り付けられたカバーと
を備え、
上記カバーが上記弾性部材の上記第2部分を上記ケーシングに押し付けることで、上記検出装置は、上記弾性部材の上記第1部分によって上記ケーシングに押し付けられており、
上記検出装置は、
上記検出面を有する検出装置本体と、
上記検出装置本体の外周面から突出した支持部と
を備え、
上記弾性部材の上記第1部分は、上面視において、上記検出装置の支持部と重なっており、
上記検出装置は、上記弾性部材の上記第1部分によって上記検出装置の上記支持部が上記ケーシングに向けて付勢されることで、上記ケーシングに押し付けられており、
上記支持部は、
上記検出装置本体の外周面を覆う筒状の基部と、
上記基部の上記第1部分側の端部に設けられた
環状のフランジ部と
を備え
、
上記基部の径方向の寸法は、上記フランジ部の径方向の寸法よりも小さいことを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、支持部のフランジ部によって支持された弾性部材の第1部分とケーシングとの間の間隔が、基部によって確保されるので、支持部が基部を有しない場合と比較して、弾性部材の第2部分がケーシングに押し付けられたときの弾性部材の変形量が大きくなる。その結果、支持部が基部を有しない場合と比較して、弾性部材から検出装置に作用する反力が大きくなるので、検出装置の検出面とケーシングの外周面との密着性の低下を効果的に抑制できる。
【0015】
一実施形態の圧縮機では、
上記支持部の厚さは、上記弾性部材の上記第2部分の厚さよりも厚い。
【0016】
上記実施形態によれば、支持部の厚さが弾性部材の第2部分の厚さよりも厚いため、支持部の厚さが弾性部材の第2部分の厚さよりも薄い場合と比較して、支持部によって支持された弾性部材の第1部分とケーシングとの間の間隔が確保され、弾性部材がケーシングに押し付けられたときの弾性部材の変形量が大きくなる。その結果、支持部の厚さが弾性部材の第2部分の厚さより薄い場合と比較して、弾性部材から検出装置に作用する反力が大きくなるので、検出装置の検出面とケーシングの外周面との密着性の低下を効果的に抑制できる。
【0017】
本開示の他の態様に係る圧縮機
は、
圧縮機構部を収容するケーシングと、
上記ケーシングの内部の状態を検出するための検出面を有し、上記検出面が上記ケーシングの外周面に対向するように配置された検出装置と、
上面視において、上記検出装置と重なる第1部分と、上記検出装置と重ならない第2部分とを有する弾性部材と、
上記検出装置と上記弾性部材の一部とを覆うように、上記ケーシングに取り付けられたカバーと
を備え、
上記カバーが上記弾性部材の上記第2部分を上記ケーシングに押し付けることで、上記検出装置は、上記弾性部材の上記第1部分によって上記ケーシングに押し付けられており、
上記検出装置は、
上記検出面を有する検出装置本体と、
上記検出装置本体の
内部に窪むように設けられた段部と
を備え、
上記弾性部材の上記第1部分は、上面視において、上記検出装置の段部と重なっており、
上記検出装置は、上記弾性部材の上記第1部分によって上記検出装置の上記段部が上記ケーシングに向けて付勢されることで、上記ケーシングに押し付けられている
ことを特徴とする。
【0018】
この構成によれば、弾性部材の第1部分が段部によって支持されているため、弾性部材の第2部分がケーシングに押し付けられたときに、弾性部材がケーシングに向かって変位して弾性部材の変形量が低下することが抑制される。これにより、弾性部材から検出装置に作用する反力が低下することを抑制できる。
【0019】
本発明の他の態様に係る圧縮機は、
圧縮機構部を収容するケーシングと、
上記ケーシングの内部の状態を検出するための検出面を有し、上記検出面が上記ケーシングの外周面に対向するように配置された検出装置と、
上面視において、上記検出装置と重なる第1部分と、上記検出装置と重ならない第2部分とを有する弾性部材と、
上記検出装置と上記弾性部材の一部とを覆うように、上記ケーシングに取り付けられたカバーと
を備え、
上記カバーが上記弾性部材の上記第2部分を上記ケーシングに押し付けることで、上記検出装置は、上記弾性部材の上記第1部分によって上記ケーシングに押し付けられており、
上記検出装置は、上記検出面と反対側の
上面を備え、
上記弾性部材の上記第1部分は、上面視において、上記
上面の少なくとも一部と重なっており、
上記検出装置は、上記弾性部材の上記第1部分によって上記検出装置の上記
上面の少なくとも一部が上記ケーシングに向けて付勢されることで、上記ケーシングに押し付けられて
おり、
上記弾性部材は、
上記検出装置の外周面を取り囲む筒状部と、
上記筒状部の上端に設けられた橋部と
を備え、
上記橋部は、上記検出装置本体の上記上面の一部と接している。
【0020】
一実施形態の圧縮機では、
上記弾性部材は、上記検出装置の外周面を取り囲むように、上記ケーシングとは反対側に向けて突出した筒状部を備える。
【0021】
上記実施形態によれば、検出装置の外周面が筒状部によって覆われているので、検出装置に対する周辺部品などの接触を回避して、検出装置を保護できる。
【0022】
一実施形態の圧縮機は、上記検出装置の上記検出面と上記ケーシングの外周面との間に介在したスペーサ部材を備える。
【0023】
上記実施形態によれば、スペーサ部材が検出装置の検出面とケーシングの外周面との間に介在することで、弾性部材の第1部分とケーシングとの間隔が確保されるので、スペーサ部材を備えない場合と比較して、弾性部材の変形量が大きくなる。その結果、スペーサ部材を備えない場合と比較して、検出装置に作用する反力が大きくなるので、検出装置の検出面と圧縮機の外周面との密着性の低下を効果的に抑制できる。
【0024】
一実施形態の圧縮機では、上記検出装置は、過負荷保護装置である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付図面を参照して、本開示の実施形態に係る圧縮機を説明する。
【0027】
[第1実施形態]
(全体構成)
図1は、本実施形態に係る圧縮機1の上部の縦断面図である。
図2は、本実施形態に係る圧縮機1の上部の分解縦断面図である。
【0028】
図1及び
図2を参照すると、圧縮機1は、圧縮機構部(図示せず)を収容するケーシング10と、ケーシング10に設けられた端子部20とを備える。
【0029】
ケーシング10は、金属製の密閉容器である。ケーシング10の内部には、前述したように、圧縮機構部(図示せず)と、上記圧縮機構部を駆動するモータ(図示せず)とが設けられている。ケーシング10の上部には、端子部20が嵌合可能なように構成された端子部取付孔11が設けられている。ケーシング10の上面10aには、ケーシング10の外側に向かって延びるスタッド12が立設されている。ケーシング10の上面10aは、本開示に係るケーシングの外周面の一例である。
【0030】
端子部20は、ハーメチックターミナル(気密端子)である。端子部20は、端子部本体21と、端子部本体21に挿通された3つのピン端子22とを備える。
【0031】
端子部本体21は、金属からなる有底筒形状の部材である。端子部本体21は、ケーシング10に設けられた端子部取付孔11に嵌合した状態で、端子部取付孔11の内周に溶接されることで固定されている。
【0032】
ピン端子22は、金属のような導電性材料からなる。ピン端子22は、端子部本体21に設けられた挿通孔(図示せず)に挿通されて固定されている。
【0033】
圧縮機1は、ケーシング10の上面10a上に配置された過負荷保護装置30と、ケーシング10、端子部20、及び過負荷保護装置30を覆うように、ケーシング10の上面10a上に配置されたガスケット40を備える。過負荷保護装置30は、本開示に係る検出装置の一例である。ガスケット40は、本開示に係る弾性部材の一例である。
図1及び
図2において、過負荷保護装置30の内部構造は省略している。
【0034】
過負荷保護装置30は、ケーシング10の内部の温度を検出して、検出された温度が所定の温度よりも高くなったとき、圧縮機1を停止させる装置である。過負荷保護装置30は、例えば、バイメタル式サーモスタットである。過負荷保護装置30は、過負荷保護装置本体31と、過負荷保護装置本体31の外周面から突出したリブ32とを備える。過負荷保護装置本体31は、本開示に係る検出装置本体の一例である。リブ32は、本開示に係る支持部の一例である。
【0035】
過負荷保護装置本体31は、一方側(
図1及び
図2において下側)の端面に設けられ、ケーシング10の内部の状態を検出するための検出面31aを有する。過負荷保護装置本体31は、他方側(
図1及び
図2において上側)の端面に設けられ、配線(図示せず)を介して制御基板(図示せず)と接続されるタブ端子31bを備える。過負荷保護装置30は、検出面31aがケーシング10の上面10aと対向するように、配置されている。
【0036】
過負荷保護装置30のリブ32は、過負荷保護装置本体31の検出面31aに対して、ケーシング10と反対側に位置している。言い換えると、検出面31aは、リブ32よりもケーシング10側に突出している。過負荷保護装置30のリブ32は、過負荷保護装置30がケーシング10に取り付けられたとき、ケーシング10の表面と離間している。過負荷保護装置30のリブ32は、過負荷保護装置本体31の全周に設けられている。
【0037】
ガスケット40は、シリコーンゴムのような絶縁性及び弾性を有する材料からなる部材である。ガスケット40は、シート状のガスケット本体41を備える。
【0038】
ガスケット40は、端子部20の3つのピン端子22を挿通するための3つのピン端子挿通孔42(
図3に示す)を有する。ピン端子挿通孔42の周囲の領域は、端子部20の端子部本体21の形状に対応して、ケーシング10と反対側に膨出するように形成されている。
【0039】
ガスケット40は、スタッド12の外周を覆うための管部43を有する。管部43は、ガスケット40のガスケット本体41から、ケーシング10と反対側に立設されている。また、
図2に示すように、ガスケット40は、管部43の内周面によって構成され、スタッド12を挿通するためのスタッド挿通孔43aを有する。
【0040】
ガスケット40は、過負荷保護装置30を取り付けるための取付孔44を有する。ガスケット40の取付孔44は、過負荷保護装置30の外形よりも僅かに小さく形成されている。ガスケット40は、取付孔44の周縁部に設けられ、ガスケット本体41よりもケーシング10側に突出した突起部45を備える。ガスケット40は、取付孔44の周縁部に設けられ、ケーシング10と反対側に突出した筒状部46を備える。
【0041】
ガスケット40の突起部45は、過負荷保護装置30のリブ32に支持されている。
【0042】
筒状部46は、過負荷保護装置30の外周面を取り囲むようにガスケット本体41から立設されている。
【0043】
圧縮機1は、端子部20、過負荷保護装置30、及びガスケット40の一部を覆うようにケーシング10に固定されたターミナルカバー50を備える。ターミナルカバー50は、スタッド12が挿入された挿入孔(図示せず)を有している。ターミナルカバー50は、上記挿入孔にスタッド12が挿入された状態で、スタッド12にナット51が螺合することで、ケーシング10に対して固定されている。このとき、ガスケット40は、ターミナルカバー50によってケーシング10に押し付けられている。言い換えれば、ガスケット40は、ターミナルカバー50とケーシング10とによって挟まれている。ガスケット40がターミナルカバー50とケーシング10との間に挟まれていることで、ターミナルカバー50とケーシング10との間はシールされている。ターミナルカバー50は、本開示に係るカバーの一例である。
【0044】
本実施形態では、圧縮機1は、過負荷保護装置30の検出面31aと、ケーシング10の上面10aとの間に介在した伝熱シート60を備える。伝熱シート60は、ケーシング10の表面から過負荷保護装置30の検出面31aに伝熱するように、熱伝導性のよい材料からなる。本実施形態の伝熱シート60は、過負荷保護装置30の検出面31a及びケーシング10の上面10aに対する密着性を確保するように、柔軟性のある材料からなる。伝熱シート60は、本開示に係るスペーサ部材の一例である。
【0045】
図3は、本実施形態の圧縮機1の上面図である。
図3では、ターミナルカバー50の図示を省略している。
図3において、
図1及び
図2と同一の構成には同一の参照符号を付している。
【0046】
図3を参照すると、ガスケット40は、上面視において、過負荷保護装置30と重なる第1部分40a(
図3において斜線のハッチングを付した部分)と、過負荷保護装置30と重ならない第2部分40b(
図3において点のハッチングを付した部分)とを有する。
【0047】
ガスケット40の第1部分40aは、上面視において、過負荷保護装置30のリブ32と重なる部分である。ガスケット40の第1部分40aは、ガスケット40の突起部45と筒状部46(
図1に示す)とを含む。本実施形態のガスケット40の第2部分40bは、ガスケット本体41を含む。
【0048】
ガスケット40は、ターミナルカバー50(
図1に示す)がケーシング10に固定されるとき、第2部分40bがターミナルカバー50(
図1に示す)によってケーシング10の上面10aに押し付けられる。具体的には、
図3に示すように、ガスケット40の第2部分40bのうち、端子部20、過負荷保護装置30及びスタッド12を取り囲むように構成された部分A1(2点鎖線参照)がターミナルカバー50によってケーシング10の上面10aに押し付けられる。言い換えれば、ガスケット40のガスケット本体41がターミナルカバー50によってケーシング10の上面10aに押し付けられる。
【0049】
図4は、本実施形態に係る過負荷保護装置30とガスケット40とを斜め上方から見た斜視図である。
図5は、本実施形態に係る過負荷保護装置30とガスケット40とを斜め下方から見た斜視図である。
図4及び
図5は、ターミナルカバー50がケーシング10に固定されていない状態を示している。
図4及び
図5において、
図1から
図3と同一の構成には同一の参照符号を付している。
【0050】
図4を参照すると、ガスケット40のガスケット本体41は、ターミナルカバー50(
図1に示す)がケーシング10(
図1に示す)に固定されていない状態で、平坦なシート状である。ガスケット40の筒状部46は、ガスケット本体41に立設された円筒状であり、過負荷保護装置30の側面を全周に渡って覆っている。ガスケット40は、前述したようにターミナルカバー50がケーシング10に固定されるとき、ガスケット40の第2部分40b(
図3に示す)の部分A1(2点鎖線参照)がターミナルカバー50によってケーシング10の上面10aに押し付けられる。
【0051】
図5を参照すると、本実施形態のガスケット40の突起部45は、ガスケット本体41に対してケーシング10(
図1に示す)側に設けられた円筒状であり、過負荷保護装置30の側面を全周に渡って覆っている。
【0052】
図5に明瞭に示すように、ガスケット40の突起部45は、ガスケット本体41から一方側(
図5の下側)に突出している。過負荷保護装置30のリブ32は、ガスケット40の突起部45よりも一方側(
図5の下側)に位置している。過負荷保護装置30の検出面31aは、過負荷保護装置30のリブ32よりも一方側(
図5の下側)に位置している。
【0053】
(過負荷保護装置30の取付構造)
図6は、ターミナルカバー50がケーシング10に固定されていない状態の過負荷保護装置30の周辺を示す模式的な縦断面図である。
図7は、ターミナルカバー50がケーシング10に固定された状態の過負荷保護装置30の周辺を示す模式的な縦断面図である。
【0054】
図6に示すように、ターミナルカバー50がケーシング10に固定されていない状態では、ガスケット40の突起部45は、過負荷保護装置30のリブ32に支持されている。これにより、過負荷保護装置30の周辺において、ガスケット40のガスケット本体41は、ケーシング10の上面10aから離間している。突起部45のガスケット本体41からの突出量と、リブ32の厚さと、検出面31aのリブ32からの突出量と、伝熱シート60の厚さとの分だけ、ガスケット40のガスケット本体41と、ケーシング10の上面10aとは、離間している。
【0055】
図7に示すように、ターミナルカバー50がケーシング10に固定された状態では、ターミナルカバー50によって、ガスケット40のガスケット本体41がケーシング10の上面10aに押し付けられる(図中白抜き矢印参照)。このとき、過負荷保護装置30のリブ32によって、ガスケット40の突起部45のケーシング10側への移動は、規制されている。このため、過負荷保護装置30の周囲の環状領域において、ガスケット40は、ケーシング10側に向かって弾性変形する。その結果、過負荷保護装置30のリブ32には、ターミナルカバー50の突起部45から、ガスケット40が元の形状に戻ろうとする反力F(図中黒塗り矢印参照)が作用する。この反力Fによって、過負荷保護装置30は、ケーシング10に向かって付勢される。言い換えれば、ガスケット40は、過負荷保護装置30をケーシング10に向けて反力により付勢するように、ターミナルカバー50によってケーシング10に押し付けられている。
【0056】
上記実施形態によれば、過負荷保護装置30が、ガスケット40の反力Fによってケーシング10に向けて付勢されているので、過負荷保護装置30の検出面31aと圧縮機1の外周面との密着性の低下を抑制できる。
【0057】
上記実施形態によれば、突起部45によって取付孔44の周縁部とケーシング10との間隔が確保されるので、ガスケット40が突起部45を有しない場合と比較して、ターミナルカバー50によってガスケット40がケーシング10に押し付けられたときのガスケット40の変形量が大きくなる。その結果、ガスケット40が突起部45を有しない場合と比較して、過負荷保護装置30に作用する反力Fが大きくなるので、過負荷保護装置30の検出面31aと圧縮機1の上面10aとの密着性の低下を効果的に抑制できる。
【0058】
また、ガスケット40が、過負荷保護装置30が挿入された取付孔44を有しているので、過負荷保護装置30のケーシング10に対する位置ずれを抑制できる。
【0059】
上記実施形態によれば、ガスケット40の第1部分40aがリブ32によって支持されているため、ガスケット40がケーシング10に向かって変位して、ガスケット40の変形量が低下することが抑制される。これにより、過負荷保護装置30に作用する反力Fが低下することを抑制できる。
【0060】
上記実施形態によれば、過負荷保護装置30の外周面が筒状部46によって覆われているので、過負荷保護装置30に対する周辺部品などの接触を回避して、過負荷保護装置30を保護できる。
【0061】
また、本実施形態のガスケット40は、絶縁性を有する材料からなるので、過負荷保護装置30を絶縁保護できる。
【0062】
上記実施形態によれば、伝熱シート60が過負荷保護装置30の検出面31aとケーシング10の外周面との間に介在することで、取付孔44の周縁部とケーシング10との間隔が確保されるので、伝熱シート60を備えない場合と比較して、ガスケット40の変形量が大きくなる。その結果、伝熱シート60を備えない場合と比較して、過負荷保護装置30に作用する反力Fが大きくなるので、過負荷保護装置30の検出面31aと圧縮機1の上面10aとの密着性の低下を効果的に抑制できる。
【0063】
上記実施形態によれば、ガスケット40が、ターミナルカバー50とケーシング10との間をシールする機能と、過負荷保護装置30をケーシング10に向けて付勢する機能とを兼ね備えている。このため、過負荷保護装置30とケーシング10との密着性の低下を抑制するために、他の部材を備える必要がなく、部品点数の増加が抑制されるので、過負荷保護装置30のケーシング10への取り付け構造を簡略化できる。
【0064】
[第2実施形態]
第2実施形態の圧縮機1は、過負荷保護装置130の取付構造を除いて、第1実施形態の圧縮機1と同様の構成を有している。具体的には、過負荷保護装置130の形状及びガスケット140の形状を除いて、第2実施形態の圧縮機1は、第1実施形態の圧縮機1と同様の構成を有する。第1実施形態と同様の構成要素については、同一の参照符号を付して示し、その詳細な説明を省略する。
【0065】
図8は、本実施形態に係るターミナルカバー50がケーシング10に固定されていない状態の過負荷保護装置130の周辺を示す模式的な縦断面図である。
図9は、ターミナルカバー50がケーシング10に固定された状態の過負荷保護装置130の周辺を示す模式的な縦断面図である。
【0066】
図8及び
図9を参照すると、過負荷保護装置130は、過負荷保護装置本体131と、過負荷保護装置本体131の外周面に設けられた段部132を備える。過負荷保護装置本体131は、本開示に係る検出装置本体の一例である。
【0067】
過負荷保護装置本体131は、一方側(
図8及び
図9において下側)の端面に設けられ、ケーシング10の内部の状態を検出するための検出面131aを有する。過負荷保護装置本体131は、他方側(
図8及び
図9において上側)の端面に設けられ、配線(図示せず)を介して制御基板(図示せず)と接続されるタブ端子131bを備える。過負荷保護装置130は、検出面131aがケーシング10の上面10aと対向するように、配置されている。
【0068】
段部132は、タブ端子131bが設けられた端面からケーシング10側に窪むように形成されている。段部132は、タブ端子131bが設けられた端面の外周縁に設けられている。
【0069】
本実施形態のガスケット140は、シート状のガスケット本体141と過負荷保護装置130を取り付けるための取付孔144を有する。ガスケット140の取付孔144は、過負荷保護装置130の外形よりも僅かに小さく形成されている。第2実施形態に係るガスケット140は、取付孔144の周辺以外の部分では、第1実施形態と同様の構成を有している。具体的には、第2実施形態に係るガスケット140は、図示しないが、第1実施形態と同様に、ピン端子挿通孔、スタッドを挿通するための管部、及び上記管部の内周面によって構成されるスタッド挿通孔などの構成を有している。
【0070】
ガスケット140は、取付孔144の周縁部から立設された筒状部146と、筒状部146の先端から過負荷保護装置130の段部132に沿って筒状部146の内側に向かって延びる突出部147とを備える。
【0071】
図10は、本実施形態の圧縮機1の上面図である。
図10では、ターミナルカバー50の図示を省略している。
図10において、
図8及び
図9と同様の構成には同一の参照符号を付している。
【0072】
図10を参照すると、ガスケット140は、上面視において、過負荷保護装置130と重なる第1部分140a(
図10において斜線のハッチングを付した部分)と、過負荷保護装置130と重ならない第2部分140b(
図10において点のハッチングを付した部分)とを有する。
【0073】
ガスケット140の第1部分140aは、上面視において、過負荷保護装置130の段部132と重なる部分である。ガスケット140の第1部分140aは、突出部147を含む。ガスケット140の第2部分140bは、ガスケット本体141を含む。
【0074】
ガスケット140は、ターミナルカバー50がケーシング10に固定されるとき、第2部分140bがターミナルカバー50によってケーシング10の上面10aに押し付けられる。具体的には、
図10に示すように、ガスケット140の第2部分140bのうち、端子部20、過負荷保護装置30及びスタッド12を取り囲むように構成された部分A1(2点鎖線参照)がターミナルカバー50によってケーシング10の上面10aに押し付けられる。
【0075】
図8に示すように、ターミナルカバー50がケーシング10に固定されていない状態では、ガスケット140の突出部147は、過負荷保護装置130の段部132に支持される。これにより、過負荷保護装置130の周辺において、ガスケット140のガスケット本体141は、ケーシング10の上面10aから離間している。言い換えれば、過負荷保護装置本体131は、ガスケット140のガスケット本体141からケーシング10側に向かって突出している。
【0076】
図9に示すように、ターミナルカバー50がケーシング10に固定された状態では、ターミナルカバー50によって、ガスケット140のガスケット本体141がケーシング10の上面10aに押し付けられる(図中白抜き矢印参照)。このとき、過負荷保護装置130の段部132によって、ガスケット140の突出部147のケーシング10側への移動は、規制されている。このため、過負荷保護装置130の周囲の環状領域において、ガスケット140は、ケーシング10側に向かって弾性変形する。その結果、過負荷保護装置130の段部132には、ガスケット140の突出部147から、ガスケット140が元の形状に戻ろうとする反力F(図中黒塗り矢印参照)が作用する。この反力Fによって、過負荷保護装置130は、ケーシング10に向かって付勢される。言い換えれば、ガスケット140は、過負荷保護装置130をケーシング10に向けて反力Fにより付勢するように、ターミナルカバー50によってケーシング10に押し付けられている。
【0077】
第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0078】
また、段部132が、タブ端子131bが設けられた端面からケーシング10側に窪むように形成されているため、ガスケット140の突出部147によって、タブ端子131bと配線(図示せず)との接続作業が阻害されることがない。このため、タブ端子131bと配線(図示せず)の接続作業の作業性の低下を抑制できる。
【0079】
図11は、第2実施形態の変形例において、ターミナルカバー50がケーシング10に固定されていない状態の過負荷保護装置130の周辺を示す模式的な縦断面図である。
図12は、第2実施形態の変形例において、ターミナルカバー50がケーシング10に固定された状態の過負荷保護装置130の周辺を示す模式的な縦断面図である。
【0080】
図11及び
図12を参照すると、段部132は、過負荷保護装置本体131の側面から過負荷保護装置本体131の内側に窪むように設けられている。また、本変形例の過負荷保護装置130は、段部132と対向するように設けられた上壁部133を備える。ガスケット140の突出部147は、過負荷保護装置130の段部132と上壁部133とによって構成された溝状の凹部に嵌合している。
【0081】
図12に示すように、ターミナルカバー50がケーシング10に固定された状態において、本変形例の段部132は、過負荷保護装置本体131の側面から窪むように設けられているため、上壁部133によって、ガスケット140の突出部147のケーシング10と反対側への撓みが規制される。このため、過負荷保護装置130の段部132からのガスケット140の突出部147の脱落を抑制できる。
【0082】
[第3実施形態]
第3実施形態の圧縮機1は、ガスケット240の管部243の形状を除いて、第1実施形態の圧縮機1と同様の構成を有している。第1実施形態と同様の構成要素については、同一の参照符号を付して示し、その詳細な説明を省略する。
【0083】
図13は、本実施形態に係る圧縮機1の上部の縦断面図である。
図14は、本実施形態に係る過負荷保護装置30とガスケット240とを斜め上方から見た斜視図である。
【0084】
図13及び
図14を参照すると、本実施形態のガスケット240の管部243は、ケーシング10の上面10aとターミナルカバー50の上壁50aまでの距離よりも長い。これにより、本実施形態では、ターミナルカバー50をケーシング10に固定したときに、ターミナルカバー50によって、ガスケット240の管部243がケーシング10に向かって押し付けられる(
図13中白抜き矢印参照)。
【0085】
第3実施形態では、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0086】
ターミナルカバー50をケーシング10に固定したときに、ターミナルカバー50によって、ガスケット240の管部243がケーシング10に向かって押し付けられている。このため、
図13に示すように、ガスケット240は、ターミナルカバー50がケーシング10に固定されるとき、ガスケット240の部分A1に加えて、管部243の周辺部分A2(
図14に示す)もケーシング10の上面10aに押し付けられる。その結果、管部243を有しない場合と比較して、ガスケット240がケーシング10に向かって押し付けられる領域を増大できるので、ガスケット240の密着性の低下を抑制できる。
【0087】
[第4実施形態]
第4実施形態の圧縮機1は、リブ332の形状及びガスケット40が突起部を有していない点を除いて、第1実施形態の圧縮機1と同様の構成を有している。第1実施形態と同様の構成要素については、同一の参照符号を付して示し、その詳細な説明を省略する。
【0088】
図15は、本実施形態においてターミナルカバー50がケーシング10に固定された状態の過負荷保護装置30の周辺を示す模式的な縦断面図である。
【0089】
図15を参照すると、本実施形態のリブ332は、過負荷保護装置本体31の外周面を覆う筒状の基部332aと、基部332aの一方側(ガスケット40の第1部分40a側)の端部から張り出した円板状のフランジ部332bとを備える。リブ332は、過負荷保護装置本体31に対してケーシング10側に向かって変位しないように取り付けられている。本実施形態のリブ332は、本発明に係る支持部の一例である。
【0090】
図15に示す状態において、本実施形態のフランジ部332bは、ガスケット40の第1部分40aを支持している。
【0091】
また、本実施形態のリブ332の厚さ(リブ332のケーシング10側の端部からケーシング10と反対側の端部までの寸法)t1は、ガスケット40の第2部分40bの厚さt2よりも厚い。
【0092】
また、図示しないが、本実施形態のガスケット40の第1部分40aは、上面視において、過負荷保護装置30のリブ332と重なる部分である。具体的には、本実施形態のガスケット40の第1部分40aは、上面視においてリブ332のフランジ部332bと重なる部分である。
【0093】
図15に示すように、ターミナルカバー50がケーシング10に固定された状態では、ターミナルカバー50によって、ガスケット40のガスケット本体41がケーシング10の上面10aに押し付けられる(図中白抜き矢印参照)。このとき、過負荷保護装置30のリブ332のフランジ部332bによって、ガスケット40のケーシング10側への移動は、規制されている。このため、過負荷保護装置30の周囲の環状領域において、ガスケット40は、ケーシング10側に向かって弾性変形する。その結果、過負荷保護装置30のリブ332のフランジ部332bには、ガスケット40から、ガスケット40が元の形状に戻ろうとする反力F(図中黒塗り矢印参照)が作用する。この反力Fによって、過負荷保護装置30は、ケーシング10に向かって付勢される。言い換えれば、ガスケット40は、過負荷保護装置30をケーシング10に向けて反力Fにより付勢するように、ターミナルカバー50によってケーシング10に押し付けられている。
【0094】
第4実施形態によれば、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0095】
また、リブ332のフランジ部332bに支持されたガスケット40の第1部分40aとケーシング10との間の間隔が、リブ332の基部332aによって確保される。このため、リブ332が基部332aを有しない場合と比較して、ガスケット40の第2部分40bがケーシング10に押し付けられたときのガスケット40の変形量が大きくなる。その結果、リブ332が基部332aを有しない場合と比較して、ガスケット40から過負荷保護装置30に作用する反力Fが大きくなるので、過負荷保護装置30の検出面31aとケーシング10の上面10aとの密着性の低下を効果的に抑制できる。
【0096】
さらに、リブ332の厚さt1がガスケット40の第2部分40bの厚さt2よりも厚いため、リブ332の厚さt1がガスケット40の第2部分40bの厚さt2よりも薄い場合と比較して、ガスケット40の第1部分40aとケーシング10との間の間隔が大きくなる。このため、リブ332の厚さt1がガスケット40の第2部分40bの厚さt2より薄い場合と比較して、ターミナルカバー50によってガスケット40がケーシング10に押し付けられたときのガスケット40の変形量が大きくなる。その結果、リブ332の厚さt1がガスケット40の第2部分40bの厚さt2より薄い場合と比較して、過負荷保護装置30に作用する反力Fが大きくなるので、過負荷保護装置30の検出面31aと圧縮機1の上面10aとの密着性の低下を効果的に抑制できる。
【0097】
[第5実施形態]
第5実施形態の圧縮機1は、リブ432の形状及びガスケット40が突起部を有しない点を除いて、第1実施形態の圧縮機1と同様の構成を有している。第1実施形態と同様の構成要素については、同一の参照符号を付して示し、その詳細な説明を省略する。
【0098】
図16は、第5実施形態においてターミナルカバー50がケーシング10に固定された状態の過負荷保護装置30の周辺を示す模式的な縦断面図である。
【0099】
図16を参照すると、本実施形態の432の厚さt1は、ガスケット40の第2部分40bの厚さt2よりも厚い。本実施形態のリブ432は、本発明に係る支持部の一例である。
【0100】
また、図示しないが、本実施形態のガスケット40の第1部分40aは、上面視において、過負荷保護装置30のリブ432と重なる部分である。
【0101】
図16に示すように、ターミナルカバー50がケーシング10に固定された状態では、ターミナルカバー50によって、ガスケット40のガスケット本体41がケーシング10の上面10aに押し付けられる(図中白抜き矢印参照)。このとき、過負荷保護装置30のリブ432によって、ガスケット40のケーシング10側への移動は、規制されている。このため、ターミナルカバー50と過負荷保護装置30の周囲の環状領域において、ガスケット40は、ケーシング10側に向かって弾性変形する。その結果、過負荷保護装置30のリブ432には、ガスケット40から、ガスケット40が元の形状に戻ろうとする反力F(図中黒塗り矢印参照)が作用する。この反力Fによって、過負荷保護装置30は、ケーシング10に向かって付勢される。言い換えれば、ガスケット40は、過負荷保護装置30をケーシング10に向けて反力Fにより付勢するように、ターミナルカバー50によってケーシング10に押し付けられている。
【0102】
第5実施形態によれば、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0103】
また、リブ432の厚さt1がガスケット40の第2部分40bの厚さt2よりも厚いため、リブ432の厚さt1がガスケット40の第2部分40bの厚さt2よりも薄い場合と比較して、ガスケット40の第1部分40aとケーシング10との間の間隔が大きくなる。このため、リブ432の厚さt1がガスケット40の第2部分40bの厚さt2より薄い場合と比較して、ターミナルカバー50によってガスケット40がケーシング10に押し付けられたときのガスケット40の変形量が大きくなる。その結果、リブ432の厚さt1がガスケット40の第2部分40bの厚さt2より薄い場合と比較して、過負荷保護装置30に作用する反力Fが大きくなるので、過負荷保護装置30の検出面31aと圧縮機1の上面10aとの密着性の低下を効果的に抑制できる。
【0104】
[第6実施形態]
第6実施形態の圧縮機1は、ガスケット540の形状及び検出装置30がリブを有しない点を除いて、第1実施形態の圧縮機1と同様の構成を有しており、
図1及び
図2を援用する。第6実施形態において、第1実施形態と同様の構成要素については、同一の参照符号を付して示し、その詳細な説明を省略する。
【0105】
図17は、第6実施形態においてターミナルカバー50がケーシング10に固定された状態の過負荷保護装置30の周辺を示す模式的な縦断面図である。
図18は、第6実施形態の圧縮機1の上面図である。
図18では、ターミナルカバー50の図示を省略している。
【0106】
図17及び
図18を参照すると、本実施形態のガスケット540は、シート状のガスケット本体541と過負荷保護装置30を取り付けるための取付孔544を有する。ガスケット540の取付孔544は、過負荷保護装置30の外形よりも僅かに小さく形成されている。第6実施形態に係るガスケット540は、取付孔544の周辺以外の部分では、第1実施形態と同様の構成を有している。具体的には、第6実施形態に係るガスケット540は、図示しないが、第1実施形態と同様に、ピン端子挿通孔、スタッドを挿通するための管部、及び上記管部の内周面によって構成されるスタッド挿通孔などの構成を有している。
【0107】
ガスケット540は、取付孔544の周縁部から立設された筒状部546と、筒状部546の上端において筒状部546の開口部に跨がって設けられた橋部548とを備える。
【0108】
本実施形態の橋部548は、過負荷保護装置本体31のタブ端子31bが設けられている上面31c上に延びている。また、
図18に示すように、橋部548は、一対のタブ端子31bの間に配置されており、過負荷保護装置本体31の上面31cを横切るように延びている。
【0109】
図18に示すように、ガスケット540は、上面視において、過負荷保護装置30と重なる第1部分540a(
図18において斜線のハッチングを付した部分)と、過負荷保護装置30と重ならない第2部分540b(
図18において点のハッチングを付した部分)とを有する。
【0110】
本実施形態のガスケット540の第1部分540aは、上面視において、過負荷保護装置本体31の上面31cと重なる部分である。言い換えれば、本実施形態のガスケット540の第1部分540aは、上面視において、過負荷保護装置本体31の上面31cの一部と重なっている。ガスケット540の第1部分540aは、橋部548の一部を含む。ガスケット540の第2部分540bは、ガスケット本体541を含む。
【0111】
図17に示すように、ガスケット540は、ターミナルカバー50がケーシング10に固定されるとき、第2部分540bがターミナルカバー50によってケーシング10の上面10aに押し付けられる。具体的には、
図18に示すように、ガスケット540の第2部分540bのうち、端子部20、過負荷保護装置30及びスタッド12を取り囲むように構成された部分A1(2点鎖線参照)がターミナルカバー50によってケーシング10の上面10aに押し付けられる。
【0112】
図17に示すように、ターミナルカバー50がケーシング10に固定された状態では、ターミナルカバー50によって、ガスケット540のガスケット本体541がケーシング10の上面10aに押し付けられる(図中白抜き矢印参照)。このとき、過負荷保護装置30の上面31cによって、ガスケット540の橋部548のケーシング10側への移動は、規制されている。このため、ターミナルカバー50と過負荷保護装置30の周囲の環状領域において、ガスケット540は、ケーシング10側に向かって弾性変形する。その結果、過負荷保護装置本体31の上面31cには、ガスケット540の橋部548から、ガスケット540が元の形状に戻ろうとする反力F(図中黒塗り矢印参照)が作用する。この反力Fによって、過負荷保護装置30は、ケーシング10に向かって付勢される。言い換えれば、ガスケット540は、過負荷保護装置30をケーシング10に向けて反力Fにより付勢するように、ターミナルカバー50によってケーシング10に押し付けられている。
【0113】
第6実施形態によれば、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0114】
本実施形態において、橋部548は、過負荷保護装置本体31の上面31cを横切るように延びていたが、これに限定されず、上面視において、過負荷保護装置本体31の上面31cの少なくとも一部と重なっていればよい。
【0115】
以上、実施形態を説明したが、特許請求の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【0116】
例えば、上記第1〜第6実施形態では、検出装置は、過負荷保護装置であったが、これに限定されず、単なる温度センサであってもよいし、振動センサであってもよい。検出装置が振動センサである場合には、スペーサ部材は、伝熱シートに限定されず、熱伝導性を有していなくてもよい。