特許第6867022号(P6867022)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6867022
(24)【登録日】2021年4月12日
(45)【発行日】2021年4月28日
(54)【発明の名称】マスク及びマスクの製造方法
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/11 20060101AFI20210419BHJP
   A62B 18/02 20060101ALI20210419BHJP
【FI】
   A41D13/11 Z
   A62B18/02 C
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-115742(P2017-115742)
(22)【出願日】2017年6月13日
(65)【公開番号】特開2019-2081(P2019-2081A)
(43)【公開日】2019年1月10日
【審査請求日】2019年12月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】391032783
【氏名又は名称】サンエムパッケージ 株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】長尾 昭吾
(72)【発明者】
【氏名】甲賀 泰裕
(72)【発明者】
【氏名】谷口 博信
【審査官】 塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2017/131210(WO,A1)
【文献】 特開2008−212432(JP,A)
【文献】 特開2011−045661(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0157932(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 13/11
A62B 18/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
不織布で構成され、耳又は頭に係止される係止部を有するマスク本体と、
前記マスク本体の上端部に沿って設けられた可撓性のノーズグリップと、
前記ノーズグリップに沿って前記マスク本体の内側に形成された粘弾性を有する樹脂組成物層である鼻当部と、
を備え
前記鼻当部は、粘着力が0.5gf〜4.0gfの材料で構成されており、幅が1.6mm〜7.9mm、厚さが0.6mm〜4.0mmとされ、
前記鼻当部の長手方向の長さは前記ノーズグリップの長さよりも長く、前記鼻当部の前記マスク本体に接する面の幅は前記ノーズグリップの幅よりも大きくされているマスク。
【請求項2】
上端に沿って可撓性のノーズグリップを取付けたマスク本体を成形し、
粘弾性を有する熱可塑性材料を加熱して溶融し、
溶融した前記熱可塑性材料を、前記ノーズグリップに沿って前記マスク本体の内側に帯状に塗布して固化させることにより、前記マスク本体に樹脂組成物層である鼻当部を形成し、
前記鼻当部を、粘着力が0.5gf〜4.0gfの材料で構成し、前記鼻当部の幅を1.6mm〜7.9mmとし、前記鼻当部の厚さを0.6mm〜4.0mmとし、
前記鼻当部の長手方向の長さを前記ノーズグリップの長さよりも長くし、前記鼻当部の前記マスク本体に接する面の幅を前記ノーズグリップの幅よりも大きくする、
マスクの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスク及びマスクの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マスクは、着用することによりウイルスや細菌の吸込みや飛散を抑制することができる。しかし、咳込んだり会話したりする際に着用者の口の動きによってマスクの着用位置がずれた場合、マスクと着用者の顔、特に鼻梁との間に隙間が生じ、ウイルスや細菌の吸込みや飛散を抑制する効果が十分発揮できない虞がある。
【0003】
この問題を解決するため、例えば特許文献1には、上端部に設けられた粘着層を着用者の顔に貼付けることにより、顔との間に隙間が生じることを抑制するマスクが開示されている。また、特許文献2には、上端部にウレタンフォームを設けることにより、鼻梁との密着性を高めたマスクが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−288650号公報
【特許文献2】特開2014−30654号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に開示されているマスクでは、粘着層を着用者の顔に貼付けるため、マスクの脱着時に皮膚に刺激が加わる虞がある。また、特許文献2に開示されているマスクでは、着用者の鼻梁の形状や大きさ等によってはウレタンフォームが十分に密着できない場合があり、密着性に個人差が生じる。
【0006】
本発明は上記事実に鑑み、皮膚への刺激を抑制しつつ鼻梁との密着性を高めることができるマスク及びマスクの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載のマスクは、不織布で構成され、耳又は頭に係止される係止部を有するマスク本体と、前記マスク本体の上端部に沿って設けられた可撓性のノーズグリップと、前記ノーズグリップに沿って前記マスク本体の内側に形成された粘弾性を有する樹脂組成物層である鼻当部と、を備え、前記鼻当部は、粘着力が0.5gf〜4.0gfの材料で構成されており、幅が1.6mm〜7.9mm、厚さが0.6mm〜4.0mmとされ、前記鼻当部の長手方向の長さは前記ノーズグリップの長さよりも長く、前記鼻当部の前記マスク本体に接する面の幅は前記ノーズグリップの幅よりも大きくされている
【0008】
上記構成によれば、マスク本体の上端部に沿って可撓性のノーズグリップが設けられ、ノーズグリップに沿って粘弾性を有する樹脂組成物層である鼻当部が形成されている。このため、マスクを着用した際にノーズグリップが鼻梁の形状に沿うとともに、鼻当部によってノーズグリップと鼻梁との隙間が塞がれ、マスクと顔との密着性を保つことができる。
【0010】
また、上記構成によれば、鼻当部は、粘着力が0.5gf〜4.0gfの材料で構成されており、幅が1.6mm〜7.9mm、厚さが0.6mm〜4.0mmとされている。このため、マスクと顔の密着性を保ちつつ、鼻当部が顔に張り付くことによる違和感や皮膚の損傷を抑制することができる。
【0011】
請求項に記載のマスクの製造方法は、上端に沿って可撓性のノーズグリップを取付けたマスク本体を成形し、粘弾性を有する熱可塑性材料を加熱して溶融し、溶融した前記熱可塑性材料を、前記ノーズグリップに沿って前記マスク本体の内側に帯状に塗布して固化させることにより、前記マスク本体に樹脂組成物層である鼻当部を形成し、前記鼻当部を、粘着力が0.5gf〜4.0gfの材料で構成し、前記鼻当部の幅を1.6mm〜7.9mmとし、前記鼻当部の厚さを0.6mm〜4.0mmとし、前記鼻当部の長手方向の長さを前記ノーズグリップの長さよりも長くし、前記鼻当部の前記マスク本体に接する面の幅を前記ノーズグリップの幅よりも大きくする。
【0012】
上記方法によれば、マスク本体を成形した後、マスク本体に溶融した熱可塑性材料を塗布して固化させることにより、マスク本体に鼻当部を形成することができる。このため、テープや接着剤等を用いずにマスク本体に鼻当部を接着することができる。
また、上記方法によれば、鼻当部は、粘着力が0.5gf〜4.0gfの材料で構成されており、幅が1.6mm〜7.9mm、厚さが0.6mm〜4.0mmとされている。このため、マスクと顔の密着性を保ちつつ、鼻当部が顔に張り付くことによる違和感や皮膚の損傷を抑制することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、皮膚への刺激を抑制しつつ鼻梁との密着性を高めることができるマスク及びマスクの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態の一例におけるマスクを内側から見た構成を示す平面図である。
図2図1におけるX−X線断面図である。
図3】本発明の実施形態の一例におけるマスクを着用した状態を示す概略斜視図である。
図4】実施例と比較例におけるマスクの性能をそれぞれ示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態に係るマスク及びマスクの製造方法の一例について、図1図3に従って説明する。
【0016】
(構造)
本実施形態のマスク10は、図1図3に示すように、左右両端部(長手方向両端部)に2本のゴム紐12からなる係止部14を有する矩形状のマスク本体16を備えている。
【0017】
マスク本体16は、マスク10の着用時に係止部14が着用者の耳に係止されることにより、着用者の鼻梁及び口を覆う位置に保持される。なお、係止部14は、着用者の頭に掛回される1本のゴム紐等とされていてもよい。
【0018】
マスク本体16は、長手方向に沿って複数(本実施形態では3本)のプリーツ18が形成された不織布で構成されており、短手方向に開拡可能とされている。なお、マスク本体16は複数層に積層された不織布で構成されており、不織布の材料としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、レーヨン、紙、及びそれらが混抄されたもの等、が挙げられる。
【0019】
また、不織布の紡糸方法は、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、スパンレース法、湿式混抄法等、が挙げられる。マスク本体16の上端部及び下端部では、不織布が外側(着用者の顔に接する面とは反対側の面側)に折返されており、長手方向に延びる溶着線20A、20B、20Cに沿って溶着されている。
【0020】
なお、マスク本体16の上端部において、溶着線20A、20Bは互いに間隔をあけて平行に延びており、2本の溶着線20A、20Bの間にはノーズグリップ22が埋包されている。
【0021】
ノーズグリップ22は、可撓性を有する平円形状の帯状のアルミニウムで構成されており、マスク本体16の上端辺に沿って配置されている。図1に示すように、マスク本体16の上端部におけるノーズグリップ22より長手方向両端側は、不織布が短手方向に延びる溶着線20Dに沿って溶着されており、ノーズグリップ22がマスク本体16の上端部における長手方向中央部に保持されている。
【0022】
なお、ノーズグリップ22を構成する材料としては、アルミニウムの他、樹脂や鉄、鉄芯に樹脂を被覆したもの等、様々な材料を用いることができる。また、手で容易に曲げることができる程度の可撓性を有していればよく、形状も平円形状には限られない。
【0023】
また、マスク本体16の上端部の内側(着用者の顔に接する面側)には、ノーズグリップ22に沿って鼻当部24が設けられている。鼻当部24は、粘着力が0.5gf〜4.0gfとされた樹脂組成物層で構成されており、特に熱可塑性樹脂で構成されている。
【0024】
図2に示すように、鼻当部24の断面は略台形状とされており、マスク本体16に接する面の幅がノーズグリップ22の幅より僅かに大きくされている。具体的には、鼻当部24は、幅が1.6mm〜7.9mm、厚さが0.6mm〜4.0mmとされている。
【0025】
また、鼻当部24の長手方向の長さは、ノーズグリップ22の長手方向の長さより長くされている。なお、マスク10の非着用時には、鼻当部24を図示しない離型紙で覆ってもよい。これにより、鼻当部24が他のマスク10の鼻当部24に粘着することを抑制することができる。
【0026】
その他、マスク10の構成は上記実施形態には限られず、例えば、マスク本体16の長手方向両端部に、空気が横漏れすることを抑制するサイドカバーが取付けられていてもよい。
【0027】
(製造方法)
本実施形態のマスク10を製造する場合、まず、不織布を長手方向に沿って複数回折返すことにより、プリーツ18を形成する。次に、不織布の下端部を折返して溶着線20Cに沿って溶着するとともに、ノーズグリップ22を埋包するように不織布の上端部を折返し、ノーズグリップ22を間に挟んで溶着線20A、20Bに沿って溶着する。
【0028】
また、不織布のノーズグリップ22より長手方向両端側を、溶着線20Dに沿って溶着する。さらに、不織布の左右両端部を溶着するとともに、不織布の左右両端部にゴム紐12の両端部をそれぞれ取付けて係止部14を形成する。以上の工程によってマスク本体16を成形する。
【0029】
次に、約170℃に加熱された図示しないグルーガンに熱可塑性材料を投入して熱可塑性材料を溶融させ、溶融した熱可塑性材料を、ノーズグリップ22に沿ってマスク本体16の内側にグルーガンでストランド状(帯状)に押出して塗布する。なお、グルーガンは、溶融した熱可塑性材料を連続的又は断続的に塗布することが可能な構成とされている。
【0030】
このとき、熱可塑性材料の熱によってマスク本体16の不織布が溶けて、熱可塑性材料と不織布とが接着される。その後、マスク本体16の内側に塗布された熱可塑性材料を、離型紙を介して図示しない平板で押圧しながら固化させることで、熱可塑性材料と不織布との接着性を高めるとともに熱可塑性材料を成形して鼻当部24を形成する。
【0031】
なお、熱可塑性材料を固化させる場合、別途設けられた冷却装置によって冷却して固化させてもよく、また自然冷却によって固化させてもよい。以上の工程によって、マスク10を製造する。
【0032】
着用者がマスク10を着用する場合、図3に示すように、ゴム紐12を耳に係止するとともにノーズグリップ22を鼻梁の形状に合わせて屈曲させ、マスク本体16によって鼻梁及び口を覆う。このとき、ノーズグリップ22に沿ってマスク本体16の内側に設けられた鼻当部24が鼻梁に密着し、ノーズグリップと鼻梁との隙間が塞がれる。
【0033】
(作用及び効果)
本実施形態によれば、マスク本体16の上端部に沿って可撓性のノーズグリップ22が設けられており、ノーズグリップ22に沿って粘弾性を有する鼻当部24が形成されている。
【0034】
このため、マスク10を着用した際にノーズグリップ22が鼻梁の形状に沿うとともに、鼻当部24によってノーズグリップ22と鼻梁との隙間が塞がれ、マスク10と顔との密着性を保つことができる。
【0035】
さらに、鼻当部24を構成する樹脂組成物層の粘着力が0.5gf〜4.0gfとされているとともに、鼻当部24の幅が1.6mm〜7.9mm、厚さが0.6mm〜4.0mmとされている。このため、マスク10と顔との密着性を保ちつつ、鼻当部24が顔に張り付くことによる違和感や皮膚の損傷を抑制することができる。
【0036】
なお、鼻当部24の幅(マスク本体16に接する面の幅)及び長さは、ノーズグリップ22の幅及び長さより大きくされている。このため、ノーズグリップ22が鼻梁に直接当接することを抑制することができ、マスク10と顔との密着性をより保つことができる。
【0037】
また、本実施形態によれば、マスク本体16を成形した後、溶融した熱可塑性材料をノーズグリップ22に沿ってマスク本体16の内側にストランド状(帯状)に塗布して固化させることにより、マスク本体16に鼻当部24を形成している。このため、テープや接着剤等を用いずにマスク本体16に鼻当部24を接着することができる。
【実施例】
【0038】
以下、本発明の実施例1〜10、及び比較例1〜7について図4を用いて具体的に説明する。なお、実施例及び比較例では、耐曇り性、漏れ率、皮膚感作、粘着力、装着感の5項目についてマスク性能を評価した。
【0039】
具体的には、耐曇り性については、20℃、65%に管理された恒温恒湿室内で、予め室内でエージングしたマスク10及びメガネを装着し、メガネの曇り方を評価する。図4において、曇ってしまい殆ど視界が無くなる状態を×、視界は無くならないが見難い状態を△、殆ど曇らず正常な視界が確保された状態を○とする。
【0040】
漏れ率については、JIS T−8159の呼吸用保護具の漏れ率試験方法に基づき、マスク10を装着した状態での漏れ率の測定を行う。なお、測定は同一の試験を4回行う。数値が高いほど、マスク10の着用時に大きな漏れが生じていることを表す。
【0041】
皮膚感作については、被験者10名にマスク10の着脱を3回繰返してもらい、肌に感じる違和感を評価してもらう。図4において、皮膚が剥がれるような痛みや感触が生じた場合を×、強いべたつきや痛みは無いが違和感がある場合を△、全く違和感がない場合を○とする。
【0042】
粘着力については、上述した皮膚感作の過程で被験者の感想を聞取り調査する。図4において、強いべたつきがあり着用に違和感がある場合を「あり」、僅かにべたつきがあるものの気にならない場合を「わずかにあり」、全くくっつかない場合を「無し」とする。
【0043】
装着感については、被験者10名にマスク10を着用してもらい、感想を聞取り調査する。図4において、空気が非常に漏れていると感じた場合を「隙間大」又は「押さえ不十分」、殆ど漏れないと感じた場合を「隙間小」、全く漏れない場合を「隙間無し」とする。
【0044】
(実施例1)
実施例1では、目付25gのポリプロピレンのスパンボンド不織布と、目付20gのポリプロピレンのメルトブローン不織布と、目付18gのポリプロピレンのサーマルボンド不織布と、を積層して、幅が175mmのマスク本体16を成形した。
【0045】
また、マスク本体16に幅が4.0mm、厚さが0.6mmのポリエチレン製のノーズグリップ22を埋包し、ノーズグリップ22に沿って、粘着力が0.5gf〜4.0gfの樹脂材料Aによって幅が4.0mm、厚さが2mm、長さが130mmの鼻当部24を形成して、実施例1のマスク10を作製した。
【0046】
図4からわかるように、実施例1のマスク10では、メガネが殆ど曇らず、呼吸時の空気の漏れも僅かであり、着用時の違和感も殆ど無かった。また、鼻当部24が程よい粘着力を有しているため、着用者の鼻梁への密着性に個人差は生じなかった。
【0047】
(実施例2〜4)
実施例2では、鼻当部24の幅を5.0mm、厚さを1.0mmとした。実施例3では、鼻当部24の幅を5.0mm、厚さを4.0mmとした。実施例4では、鼻当部24の長さを160mmとした。
【0048】
実施例2〜4において、その他の条件は実施例1と同一の条件とした。図4からわかるように、実施例2〜4のマスク10においても、実施例1と同様に、メガネが殆ど曇らず、呼吸時の空気の漏れも僅かであり、着用時の違和感も殆ど無かった。
【0049】
(実施例5〜8)
実施例5では、樹脂材料Aとは別の樹脂材料Bによって鼻当部24を形成した。実施例6では、樹脂材料A、Bとは別の樹脂材料Cによって鼻当部24を形成した。実施例7では、樹脂材料A〜Cとは別の樹脂材料D95部に対し、エッソ石油製の石油樹脂エスコレッツを5部加えることで鼻当部24を形成した。
【0050】
実施例8では、メルトインデックス(MI)が50のエチレンエチルアクリレート共重合体60部に、メルトインデックス(MI)が10のエチレンプロピレンゴム30部と、エッソ石油製の石油樹脂10部を加えることで鼻当部24を形成した。実施例5〜8において、鼻当部24の粘着力は0.5gf〜4.0gfであった。なお、石油樹脂はタッキファイヤーを用いた。
【0051】
実施例5〜8において、その他の条件は実施例1と同一の条件とした。図4からわかるように、実施例5〜8のマスク10においても、実施例1と同様に、メガネが殆ど曇らず、呼吸時の空気の漏れも僅かであり、着用時の違和感も殆ど無かった。
【0052】
(実施例9)
実施例9では、複数に分割されたノーズグリップ22をマスク本体16の上端辺に沿って断続的に埋包し、ノーズグリップ22に沿って鼻当部24を断続的に形成した。なお、その他の条件は実施例1と同一の条件とした。
【0053】
図4からわかるように、マスク本体16にノーズグリップ22及び鼻当部24を断続的に形成した場合であっても、実施例1と同様に、メガネが殆ど曇らず、呼吸時の空気の漏れも僅かであり、着用時の違和感も殆ど無かった。
【0054】
(実施例10)
実施例10では、樹脂材料Aに窒素ガスを混合して発泡させ、発泡した樹脂材料Aを用いて鼻当部24を形成した。なお、その他の条件は実施例1と同一の条件であり、鼻当部24の粘着力は0.5gf〜4.0gfであった。
【0055】
図4からわかるように、発泡した熱可塑性材料を用いて鼻当部24を形成した場合であっても、実施例1と同様に、メガネが殆ど曇らず、呼吸時の空気の漏れも僅かであり、着用時の違和感も殆ど無かった。
【0056】
(比較例1)
比較例1では、鼻当部を無くした以外は、実施例1と同一の条件でマスクを作製した。図4からわかるように、鼻当部が無い比較例1のマスクでは、マスクと鼻梁との間に大きな隙間が生じ、メガネが曇ってしまうとともに呼吸時に空気の大きな漏れが生じていた。
【0057】
(比較例2)
比較例2では、粘着力が10〜20gfの樹脂材料で鼻当部を形成した以外は、実施例1と同一の条件でマスクを作製した。図4からわかるように、鼻当部の粘着力が10〜20gfである比較例2のマスクでは、メガネの曇りや呼吸時の空気の漏れは無いものの、鼻当部が顔に強く貼付いて痛みや違和感が生じていた。
【0058】
(比較例3)
比較例3では、非粘着性のウレタンフォームによって鼻当部を形成した以外は、実施例1と同一の条件でマスクを作製した。図4からわかるように、鼻当部がウレタンフォームである比較例3のマスクでは、着用者(被験者)の鼻梁の形状や大きさ等によって装着感や空気の漏れ率等に個人差が生じていた。
【0059】
(比較例4〜6)
比較例4では、鼻当部の幅を1.5mm、厚さを0.5mmとした。比較例5では、鼻当部の幅を8.0mm、厚さを4.0mmとした。比較例6では、鼻当部の長さを50mmとした。比較例4〜6において、その他の条件は実施例1と同一の条件とした。
【0060】
図4からわかるように、鼻当部の幅が1.5mm、厚さが0.5mmである比較例4のマスクでは、鼻当部の粘着力が弱く、マスクと鼻梁との間に大きな隙間が生じ、メガネが曇ってしまうとともに呼吸時に空気の大きな漏れが生じていた。
【0061】
また、鼻当部の幅が8.0mm、厚さが4.0mmである比較例5のマスクでは、メガネの曇りや呼吸時の空気の漏れは無いものの、鼻当部が顔に強く貼付いて違和感が生じていた。さらに、鼻当部の長さが50mmである比較例6のマスクでは、鼻当部の顔への粘着力が弱く、マスクと鼻梁との間に大きな隙間が生じて呼吸時に空気の大きな漏れが生じていた。
【0062】
(比較例7)
比較例7では、酢酸ビニルが10%含まれるメルトインデックス(MI)が10のエチレン酢酸ビニル共重合体70部に、メルトインデックス(MI)が10のエチレンプロピレンゴム25部と、エッソ石油製の石油樹脂5部を加えることで鼻当部を形成した。なお、石油樹脂はタッキファイヤーを用い、鼻当部の粘着力は0.1gf〜0.4gfであった。その他の条件は実施例1と同一の条件とした。
【0063】
図4からわかるように、鼻当部の粘着力が0.1gf〜0.4gfである比較例7のマスクでは、鼻当部の粘着力が弱く、マスクと鼻梁との間に大きな隙間が生じ、メガネが曇ってしまうとともに呼吸時に空気の大きな漏れが生じていた。
【符号の説明】
【0064】
10 マスク
14 係止部
16 マスク本体
22 ノーズグリップ
24 鼻当部
図1
図2
図3
図4