【実施例】
【0038】
以下、本発明の実施例1〜10、及び比較例1〜7について
図4を用いて具体的に説明する。なお、実施例及び比較例では、耐曇り性、漏れ率、皮膚感作、
粘着力、装着感の5項目についてマスク性能を評価した。
【0039】
具体的には、耐曇り性については、20℃、65%に管理された恒温恒湿室内で、予め室内でエージングしたマスク10及びメガネを装着し、メガネの曇り方を評価する。
図4において、曇ってしまい殆ど視界が無くなる状態を×、視界は無くならないが見難い状態を△、殆ど曇らず正常な視界が確保された状態を○とする。
【0040】
漏れ率については、JIS T−8159の呼吸用保護具の漏れ率試験方法に基づき、マスク10を装着した状態での漏れ率の測定を行う。なお、測定は同一の試験を4回行う。数値が高いほど、マスク10の着用時に大きな漏れが生じていることを表す。
【0041】
皮膚感作については、被験者10名にマスク10の着脱を3回繰返してもらい、肌に感じる違和感を評価してもらう。
図4において、皮膚が剥がれるような痛みや感触が生じた場合を×、強いべたつきや痛みは無いが違和感がある場合を△、全く違和感がない場合を○とする。
【0042】
粘着力については、上述した皮膚感作の過程で被験者の感想を聞取り調査する。
図4において、強いべたつきがあり着用に違和感がある場合を「あり」、僅かにべたつきがあるものの気にならない場合を「わずかにあり」、全くくっつかない場合を「無し」とする。
【0043】
装着感については、被験者10名にマスク10を着用してもらい、感想を聞取り調査する。
図4において、空気が非常に漏れていると感じた場合を「隙間大」又は「押さえ不十分」、殆ど漏れないと感じた場合を「隙間小」、全く漏れない場合を「隙間無し」とする。
【0044】
(実施例1)
実施例1では、目付25gのポリプロピレンのスパンボンド不織布と、目付20gのポリプロピレンのメルトブローン不織布と、目付18gのポリプロピレンのサーマルボンド不織布と、を積層して、幅が175mmのマスク本体16を成形した。
【0045】
また、マスク本体16に幅が4.0mm、厚さが0.6mmのポリエチレン製のノーズグリップ22を埋包し、ノーズグリップ22に沿って、
粘着力が0.5gf〜4.0gfの樹脂材料Aによって幅が4.0mm、厚さが2mm、長さが130mmの鼻当部24を形成して、実施例1のマスク10を作製した。
【0046】
図4からわかるように、実施例1のマスク10では、メガネが殆ど曇らず、呼吸時の空気の漏れも僅かであり、着用時の違和感も殆ど無かった。また、鼻当部24が程よい
粘着力を有しているため、着用者の鼻梁への密着性に個人差は生じなかった。
【0047】
(実施例2〜4)
実施例2では、鼻当部24の幅を5.0mm、厚さを1.0mmとした。実施例3では、鼻当部24の幅を5.0mm、厚さを4.0mmとした。実施例4では、鼻当部24の長さを160mmとした。
【0048】
実施例2〜4において、その他の条件は実施例1と同一の条件とした。
図4からわかるように、実施例2〜4のマスク10においても、実施例1と同様に、メガネが殆ど曇らず、呼吸時の空気の漏れも僅かであり、着用時の違和感も殆ど無かった。
【0049】
(実施例5〜8)
実施例5では、樹脂材料Aとは別の樹脂材料Bによって鼻当部24を形成した。実施例6では、樹脂材料A、Bとは別の樹脂材料Cによって鼻当部24を形成した。実施例7では、樹脂材料A〜Cとは別の樹脂材料D95部に対し、エッソ石油製の石油樹脂エスコレッツを5部加えることで鼻当部24を形成した。
【0050】
実施例8では、メルトインデックス(MI)が50のエチレンエチルアクリレート共重合体60部に、メルトインデックス(MI)が10のエチレンプロピレンゴム30部と、エッソ石油製の石油樹脂10部を加えることで鼻当部24を形成した。実施例5〜8において、鼻当部24の
粘着力は0.5gf〜4.0gfであった。なお、石油樹脂はタッキファイヤーを用いた。
【0051】
実施例5〜8において、その他の条件は実施例1と同一の条件とした。
図4からわかるように、実施例5〜8のマスク10においても、実施例1と同様に、メガネが殆ど曇らず、呼吸時の空気の漏れも僅かであり、着用時の違和感も殆ど無かった。
【0052】
(実施例9)
実施例9では、複数に分割されたノーズグリップ22をマスク本体16の上端辺に沿って断続的に埋包し、ノーズグリップ22に沿って鼻当部24を断続的に形成した。なお、その他の条件は実施例1と同一の条件とした。
【0053】
図4からわかるように、マスク本体16にノーズグリップ22及び鼻当部24を断続的に形成した場合であっても、実施例1と同様に、メガネが殆ど曇らず、呼吸時の空気の漏れも僅かであり、着用時の違和感も殆ど無かった。
【0054】
(実施例10)
実施例10では、樹脂材料Aに窒素ガスを混合して発泡させ、発泡した樹脂材料Aを用いて鼻当部24を形成した。なお、その他の条件は実施例1と同一の条件であり、鼻当部24の
粘着力は0.5gf〜4.0gfであった。
【0055】
図4からわかるように、発泡した熱可塑性材料を用いて鼻当部24を形成した場合であっても、実施例1と同様に、メガネが殆ど曇らず、呼吸時の空気の漏れも僅かであり、着用時の違和感も殆ど無かった。
【0056】
(比較例1)
比較例1では、鼻当部を無くした以外は、実施例1と同一の条件でマスクを作製した。
図4からわかるように、鼻当部が無い比較例1のマスクでは、マスクと鼻梁との間に大きな隙間が生じ、メガネが曇ってしまうとともに呼吸時に空気の大きな漏れが生じていた。
【0057】
(比較例2)
比較例2では、
粘着力が10〜20gfの樹脂材料で鼻当部を形成した以外は、実施例1と同一の条件でマスクを作製した。
図4からわかるように、鼻当部の
粘着力が10〜20gfである比較例2のマスクでは、メガネの曇りや呼吸時の空気の漏れは無いものの、鼻当部が顔に強く貼付いて痛みや違和感が生じていた。
【0058】
(比較例3)
比較例3では、非粘着性のウレタンフォームによって鼻当部を形成した以外は、実施例1と同一の条件でマスクを作製した。
図4からわかるように、鼻当部がウレタンフォームである比較例3のマスクでは、着用者(被験者)の鼻梁の形状や大きさ等によって装着感や空気の漏れ率等に個人差が生じていた。
【0059】
(比較例4〜6)
比較例4では、鼻当部の幅を1.5mm、厚さを0.5mmとした。比較例5では、鼻当部の幅を8.0mm、厚さを4.0mmとした。比較例6では、鼻当部の長さを50mmとした。比較例4〜6において、その他の条件は実施例1と同一の条件とした。
【0060】
図4からわかるように、鼻当部の幅が1.5mm、厚さが0.5mmである比較例4のマスクでは、鼻当部の粘着力が弱く、マスクと鼻梁との間に大きな隙間が生じ、メガネが曇ってしまうとともに呼吸時に空気の大きな漏れが生じていた。
【0061】
また、鼻当部の幅が8.0mm、厚さが4.0mmである比較例5のマスクでは、メガネの曇りや呼吸時の空気の漏れは無いものの、鼻当部が顔に強く貼付いて違和感が生じていた。さらに、鼻当部の長さが50mmである比較例6のマスクでは、鼻当部の顔への粘着力が弱く、マスクと鼻梁との間に大きな隙間が生じて呼吸時に空気の大きな漏れが生じていた。
【0062】
(比較例7)
比較例7では、酢酸ビニルが10%含まれるメルトインデックス(MI)が10のエチレン酢酸ビニル共重合体70部に、メルトインデックス(MI)が10のエチレンプロピレンゴム25部と、エッソ石油製の石油樹脂5部を加えることで鼻当部を形成した。なお、石油樹脂はタッキファイヤーを用い、鼻当部の
粘着力は0.1gf〜0.4gfであった。その他の条件は実施例1と同一の条件とした。
【0063】
図4からわかるように、鼻当部の
粘着力が0.1gf〜0.4gfである比較例7のマスクでは、鼻当部の粘着力が弱く、マスクと鼻梁との間に大きな隙間が生じ、メガネが曇ってしまうとともに呼吸時に空気の大きな漏れが生じていた。