【実施例1】
【0024】
実施例1の硬貨入出金装置100を
図1から
図12を参照して説明する。本実施例1は、ユーロ硬貨用の硬貨入出金装置100であり、2セント硬貨、5セント硬貨、10セント硬貨、20セント硬貨、1セント硬貨、2ユーロ硬貨、50セント硬貨、及び1ユーロ硬貨を取り扱い対象としているが、日本国硬貨、米国硬貨等対応可能である。
硬貨入出金装置100は、銀行や小売り店等において、単独で硬貨の自動入手金装置として使用され、又は紙幣入出金装置、並びにクレジットカード及びデビットカード処理機等と組み合わされて用いられ、投入された硬貨を代金として受領すると共に、釣銭を出金し、受け入れた硬貨を金種別に保留し、および指定された金額を自動的に出金するために用いられる。
本実施例1における硬貨入出金装置100は、少なくとも、入金口102にバラ状体で受け入れた硬貨Cを一枚ずつ分離して送り出す硬貨分離送出装置104と、硬貨Cの真偽および金種を識別する硬貨識別装置106と、硬貨識別装置106で真正硬貨と識別された硬貨Cを入金口102から遠ざかる方向に直線的に搬送する硬貨搬送装置108と、前記硬貨搬送装置108によって入金口102から遠ざかる方向に搬送される硬貨Cを金種別に振り分ける硬貨振分装置112と、硬貨振分装置112で振り分けられた硬貨Cを保留し、一つずつ送り出す金種別保留操出装置114と、硬貨振分装置112によって振り分けられた硬貨Cを金種別保留操出装置114へ案内する金種別落下通路116と、金種別保留操出装置114から一つずつ送り出された硬貨Cを案内する出金通路118と、出金通路118に落下した硬貨Cを出金口122へ搬送する出金搬送ベルト124を備えている。
【0025】
まず、主に
図1及び
図8を参照し、実施例1の硬貨入出金装置100の全体を説明する。
硬貨入出金装置100は、大凡矩形の本体126と本体126の外面のうち、左側板128L、右側板128R、上板128U、及び後側板128Bをそれぞれ覆うカバー128により、細長立法体形状に構成されている。硬貨入出金装置100の内部には、
図6に示すように、幅方向において、前側から見て幅方向の右側に垂立配置されている内部右側壁板130Rによって縦長の右側空間132Rが区画され、左側に垂立配置されている内部左側壁板130Lによって縦長の左側空間132L、中央に右側空間132R及び左側空間132Lよりも幅広であって、縦長の中央空間132Mが区画される。右側空間132Rには金種別落下通路116の一部が配置され、左側空間132Lには出金通路118が配置され、中央空間132Mには金種別保留操出装置114が配置される。
本体126の垂立する前面には、上下方向の中間部に矩形の出金口122が形成されている。出金口122の下方には、本体126の下部に着脱可能な硬貨容器138のための装着穴142が形成されている。硬貨容器138は、全ての硬貨を回収する際、全ての硬貨Cを収納する。本体126の前面に近い上面には、矩形の硬貨Cの入金口102が上向きに形成されている。他の処理装置と一体化された筐体内に硬貨入出金装置100が配置される場合、左側板128Lのうち硬貨搬送装置108に対する左側上方部分、及び上板128Uを覆う必要性はない。
【0026】
次に本体126を説明する。
本体126は、上記した主要装置が内蔵、又は付設される機能を有し、板金により大凡縦型の立法体形状に構成され、内部には、大凡水平に設置された、天板1281、上段底板1282、中段底板1283、下段底板1284、内部底板1285、及び底板1286によって鉛直方向に大凡4層に区切られている。すなわち、天板1281と上段底板1282との間に上段空間144U、上段底板1282と中段底板1283との間に中段空間144M、中段底板1283と下段底板1284との間に下段空間144Lが形成される。内部底板1285と底板1286との間には底部空間144Bが形成される。上段空間144U、中段空間144M、および下段空間144Lは、入金口102の下方に配置され、当該入金口102から離れる方向に直線的に水平に延在され、それらの高さ、および幅は同一に形成されている。なお、天板1281上には一体化された硬貨搬送装置108と硬貨振分装置112が設置される。また、
図9に示すように、天板1281の幅方向の中央である中央空間132Mの上方には、入金口102側から順に、大凡正方形に形成された、1セント硬貨落下用の1セント開口1461C、2ユーロ硬貨落下用の2ユーロ開口1462E、50セント硬貨落下用の50セント開口14650C形成され、及び後壁246の近傍には右側にオーバーフロー開口146OF、左側に1ユーロ用の1ユーロ開口1461Eが開口されている。また、天板1281の幅方向の右側である右側空間132Rの上方には、入金口102側から順に、大凡硬貨Cの搬送方向に細長く形成された、2セント硬貨落下用の2セント開口1462C、5セント硬貨落下用の5セント開口1465C、10セント硬貨落下用の10セント開口14610C、および20セント硬貨落下用の20セント開口14620Cが形成されている。
【0027】
次に、入金口102を主に
図2を参照しつつ説明する。
入金口102は複数の硬貨Cを纏めて受入れ、硬貨分離送出装置104へ案内する機能を有する。本実施例1において、入金口102は本体126の前側の上面に形成された上向き矩形の開口である。入金口102に続いて前側から後側へ斜め下方向へ向かう案内筒146(
図3)が形成され、その下端は硬貨分離送出装置104を構成する椀状の硬貨保留容器148の上面開口上に開口されている。したがって、入金口102に投入された複数の硬貨Cは、案内筒146に案内されて硬貨分離送出装置104の硬貨保留容器148に落下する。
【0028】
次に硬貨分離送出装置104を主に
図3を参照しつつ説明する。
硬貨分離送出装置104は、バラ状態で保留されている直径が異なる複数金種の硬貨Cを一つずつ分離して次工程である硬貨識別装置106へ送り出す機能を有し、公知の硬貨分離・送出装置が用いられる。
実施例1の硬貨分離送出装置104は、入金口102の下方に配置され、回転円板152、硬貨保留容器148、受取体154及びフルセンサ156を含んでいる。
【0029】
回転円板152は、硬貨Cを一つずつ受け入れる受入部168を有し、所定の角度で傾斜配置され、かつ、所定の速度で回転される。
受入部168は、回転円板152の上面に等間隔に3つの凹部162を形成したY字形のプレート164を回転円板152と同心に固定してある。
凹部162の一側にはピボット運動する押出体166が配置されている(例えば特許第4997374号参照)。
換言すれば、押出体166と凹部162によってほぼ半円形の受入部168が形成されている。
受入部168は、最小径硬貨が二つ並んで受入られることができず、かつ、最大径硬貨が一枚のみ受け入れられる大きさに設定されている。
押出体166は、通常は受入部168を形成するように凹部162の一側に寄った位置に静止状態に位置し、ピボット運動して所定位置に移動した場合、保持されていた硬貨Cを回転円板152の周方向へ送り出す。
【0030】
受入部168は、硬貨保留容器148に相対する下部においてバラ状態で保留された硬貨Cを一つずつ受入れ、押出体166は回転円板152の回転中心よりも上方の所定の位置において受入部168の硬貨Cを周方向へ押し出し、ナイフ形状の受取体154に受け渡す。
回転円板152は図示しない電気モータによって減速機を介して所定の速度で回転される。
【0031】
フルセンサ156は、硬貨保留容器148内の硬貨量が所定量以上になった場合、フル信号を出力する機能を有し、例えば、透過形の光電センサーである。
フルセンサ156がフル信号を出力した場合、入金口102からの硬貨Cの受入が図示しない手段によって制限され、フル信号が出力されなくなった場合、硬貨Cの受入制限は解除される。
【0032】
次に硬貨識別装置106を説明する。
硬貨識別装置106は、硬貨分離送出装置104によって送り出された硬貨Cの物理的性質情報、又は表面模様情報等をセンサーによって取得し、取得した情報に基づいて真贋判定、および金種判定を行う機能を有し、公知の硬貨識別装置が用いられる。本実施例1において硬貨識別装置106は、磁気センサー174、回転円板152の上面と同一平面内に配置されたスライドベース(図示せず)、硬貨Cを送るための回転体176及び基準ガイド178を含んでいる。
スライドベース(図示せず)は、回転体176によって押動される硬貨Cの一面を案内する機能を有する。
回転体176は、硬貨分離送出装置104から受け取った硬貨Cを移動させ、一つずつ硬貨受入部182を通過させる機能を有する。
さらに、回転体176は硬貨受入部182を通過した硬貨Cを硬貨搬送装置108へ受け渡す機能を有する。
回転体176は、スライドベースと平行であって、かつ、近接した平面内において回転可能であり、受入部168と同数の等間隔に配置された3本の押動レバー184によって硬貨受入部182を形成し、Y字形をしている。
基準ガイド178は、硬貨受入部182に相対して通過する硬貨Cを直線的に案内し、磁気センサー174に対する硬貨Cの位置を一定にする機能を有する。公知の硬貨識別装置106としては、特許第4997374号に開示されている、硬貨判別装置を用いることが好ましいが、これに限らない。
【0033】
次に硬貨搬送装置108を説明する。
硬貨搬送装置108は、硬貨識別装置106から一つずつ送り出された硬貨Cを入金口102から遠ざかる方向に直線的に搬送する機能を有する。
本実施例1の硬貨搬送装置108は、後述する硬貨振分装置112と一体化されて天板1281上に固定されている。同一平面内を入金口102から離れる一方向に移動する無端搬送体186及び当該無端搬送体186によって押動される硬貨Cの一面がスライドするスライドプレート188及び前記硬貨Cの周面を案内する一直線状のガイドレール192を含んでいる。
無端搬送体186は、本実施例1において、所定の間隔で配置された第1スプロケット194と第2スプロケット196との間に実質的に水平に張設されたチェーン198である。チェーン198は、扁平なランニングトラック形状に設置され、第1スプロケット194は硬貨識別装置106の回転体176の直ぐ側方に配置されている。チェーン198の側面に押動ピン202が所定の間隔で固定されている。
【0034】
押動ピン202は、押動レバー184の間隔に対応した間隔でチェーン198に複数取り付けられている。
第1スプロケット194は所定の速度で回転され、押動レバー184と押動ピン202は、押動レバー184によって押動ピン202の移送経路204に押動された硬貨Cを、直ぐに押動ピン202によって押動するように設定される。移送経路204は、ガイドレール192によって案内されつつ押動ピン202によって押動される硬貨Cが移動する経路である。
【0035】
ガイドレール192は、押動ピン202によって押される硬貨Cが移送経路204を移動するよう、硬貨Cの下端周面を案内する機能を有する。
ガイドレール192は、ランニングトラック形の上側の直線状を呈するチェーン198に沿って、かつ、その僅か下方に配置される。
ガイドレール192は、前記スライドプレート188に対し、取扱硬貨Cの最大厚みよりも僅かに直交方向に突出している。
したがって、押動ピン202によって押される硬貨Cは、その下面がスライドプレート188によって案内され、かつ、下端周面はガイドレール192によって案内される。
本実施例1におけるガイドレール192は、後述するように、選別部も兼ねている。硬貨搬送装置108は、例えば、特許第4997374号に開示されている、硬貨搬送装置を用いることが好ましいが、これに限らない。
【0036】
次に、硬貨振分装置112を説明する。
硬貨振分装置112は、硬貨搬送装置108によって搬送されている硬貨Cを硬貨識別装置106における識別金種に基づいて該当する金種の硬貨選別孔に落下させて所定金種毎に振り分ける機能を有する。
実施例1の硬貨振分装置112は、ガイドレール192の上側に当該ガイドレール192に沿って配置された上側選別部206、及び、ガイドレール192に沿って下側に配置された下側選別部208を有している。
【0037】
上側選別部206は、硬貨搬送装置108の進行方向に向かって、換言すれば、入金口102から離れる方向へ順に2セント選別孔2C、5セント選別孔5C、10セント選別孔10C、20セント選別孔20C及びオーバーフロー選別孔OFが配置されている。
下側選別部208は、硬貨搬送装置108の進行方向に向かって、換言すれば、入金口102から離れる方向へ順にリジェクト選別孔RJ、1セント選別孔1C、2ユーロ選別孔2E、50セント選別孔50C及び1ユーロ選別孔1Eが配置されている。
なお、各硬貨選別孔に対する金種の配置は一例であるので、必要に応じ自由に配置できる。
【0038】
各硬貨選別孔2C、5C、10C、20C、OF、224、RJ、1C、2E、及び50Cには、電気的アクチュエーターによって作動されるゲート装置(図示せず)が配置されている。
本実施例1において、硬貨選別孔RJ、1C、2E、及び50Cのゲート装置は、ガイドレール192も兼ねている。
すなわち、ガイドレール192は、硬貨選別孔RJ、1C、2E、又は50Cの間に固定される固定ガイド、及び、電動的に移動される可動ガイドによって構成され、通常1本の直線状を呈している。そして、搬送される硬貨Cが硬貨選別孔RJ、1C、2E、又は50Cに落下される場合、可動ガイドを通常の位置から移動させることにより、移送される硬貨Cが可動ガイドに案内されないようにし、所定の硬貨選別孔に落下するようにしてある(特許第4997374参照)。
【0039】
各硬貨選別孔2C、5C、10C、20C、OF、224、RJ、1C、2E、又は50Cに相対するゲート装置は、タイミングセンサ(図示せず)からのタイミング信号、及び、硬貨識別装置106によって検知された硬貨情報によって判別された真偽及び金種に基づいて選択的に開閉される。
結果として、硬貨搬送装置108によって搬送される硬貨Cは、金種毎に所定の硬貨選別孔2C、5C、10C、20C、OF、224、RJ、1C、2E、又は50Cに落下させられる。
【0040】
次に金種別保留操出装置114を主に
図6または
図7を参照しつつ説明する。
金種別保留操出装置114は、硬貨振分装置112において金種毎に選別された硬貨Cを金種別に保留する機能、及び、上位機器、例えばPOSレジからの指令によって、所定金種の硬貨Cを一つずつ所定数払い出す機能を有する。本実施例1において、対象金種は1セント硬貨〜2ユーロ硬貨の8金種であるため、金種別保留操出装置114は8個配置されるが、基本的構成は何れも同一であるため、各部の構成は同一符号を付して説明し、特に金種別に説明の必要がある場合、符号114に続いて金種記号を付して説明する。すなわち、1セント用の1セント保留操出装置1141C、2セント用の2セント保留操出装置1142C、5セント用の5セント保留操出装置1145C、10セント用の10セント保留操出装置11410C、20セント用の20セント保留操出装置11420C、50セント用の50セント保留操出装置11450C、1ユーロ用の1ユーロ保留操出装置1141E、及び2ユーロ用の2ユーロ保留操出装置1142Eが用いられる。
本実施例1において、金種別保留操出装置114は、大略ホッパボウル236、孔付き回転体238、スライドベース242、弾出装置(図示せず)によって構成される。
ホッパボウル236は、上面が開放された上部が矩形、かつ下部が円形の縦向きの筒状体であって、硬貨Cをばら積み状態で保留する。孔付き回転体238は、ホッパボウル236の底部の円形孔内に回転可能に配置され、硬貨Cが落下する円形孔が偏心位置に複数形成されている。スライドベース242は、孔付き回転体238に落下した硬貨Cの下面を案内する。弾出装置(図示せず)は、孔付き回転体238の側方に配置された固定ローラーに対し近づくように付勢された弾発ローラーによって構成され、孔付き回転体238によって押し出される硬貨Cをそれらローラーに挟んで孔付き回転体238の側方に形成された送出口244から横方向へ弾き出すように構成されている。金種別保留操出装置114は、所謂コインホッパーを用いることが好ましい。
【0041】
次に金種別保留操出装置114の金種別の配置を主に
図9を参照して説明する。
金種別保留操出装置114は、上段空間144Uに3金種分、中段空間144Mに3金種分、及び下段空間144Lに2金種分が配置されている。具体的には、上段底板1282上に、入金口102側から順に、1セント保留操出装置1141C、2ユーロ保留操出装置1142E、及び50セント保留操出装置11450Cが載置されることにより、上段空間144Uに配置され、上段保留操出装置列114Uを構成している。中段底板1283上には、入金口102側から順に2セント保留操出装置1142C、5セント保留操出装置1145C、および1ユーロ保留操出装置1141Eが配置され、中段保留操出装置列114Mを構成している。下段底板1284上には、入金口102側から順に、10セント保留操出装置11410C、20セント保留操出装置11420Cが配置され、下段保留操出装置列114Lを構成している。中段空間144Mにおける1ユーロ保留操出装置1141Eと下段空間144Lにおける20セント保留操出装置11420Cは、後側板128Bの近傍に配置されると共に、上下方向において整列されている。換言すれば、中段空間144Mにおける1ユーロ保留操出装置1141Eと下段空間144Lにおける20セント保留操出装置11420Cは、入金口102から最も遠い中央空間132Mに配置されている。中段空間144Mにおける5セント保留操出装置114SCと下段空間144Lにおける10セント保留操出装置11410Cは、上下方向において整列されている。換言すれば、中段空間144Mにおける5セント保留操出装置114SCと下段空間144Lにおける10セント保留操出装置11410Cは、入金口102から二番目に遠い中央空間132Mに配置いされている。上段空間144Uにおける50セント保留操出装置11450C、2ユーロ保留操出装置1142E、1セント保留操出装置1141Cは、中段空間144Mにおける1ユーロ保留操出装置1141E 、5セント保留操出装置1145C、2セント保留操出装置1142Cに対し、入金口102側にずれている。後側板128Bとの間に金種別落下通路116を配置するためである。
【0042】
次に金種別落下通路116を主に
図8及び
図9を参照して説明する。
金種別落下通路116は、硬貨振分装置112によって金種別に振り分けられた硬貨Cを各金種の金種別保留操出装置114へ案内する機能を有する。本実施例1において、金種別落下通路116は、大凡、上下方向に延在する筒型に形成され、天板1281の上側に配置される上側落下通路116Uと、天板1281の下方に配置される下側落下通路116Lとに分離されている。これにより、下側選別部208に形成された1セント選別孔1C、2ユーロ選別孔2E、50セント選別孔50C、及び1ユーロ選別孔1Eに対応する金種別落下通路116は、天板1281の上側の上側落下通路116Uによってのみ構成されている。
まず上段空間144Uに配置される1セント保留操出装置1141C、2ユーロ保留操出装置1142E、及び50セント保留操出装置11450Cに対する金種別落下通路116を説明する。
図3に示すように、硬貨振分装置112における下側選別部208の最も入金口102に近い返却選別孔RJの下方に、返却金種別落下通路116RJが形成され、返却される硬貨Cが出金口122へ滑落するように案内する。
二番目に入金口102に近い1セント選別孔1Cから落下した1セント硬貨Cは、1セント落下通路1161Cに案内されて
図9に示す1セント開口1461Cに落下した後、上段空間144Uに配置された1セント保留操出装置1141C内に保留される。
三番目に入金口102に近い2ユーロ選別孔2Eから落下した2ユーロ硬貨Cは、2ユーロ落下通路1162Eに案内されて
図9に示す2ユーロ開口1462Eに落下した後、上段空間144Uに配置された2ユーロ保留操出装置1142E内に保留される。
四番目に入金口102に近い50セント選別孔50Cから落下した50セント硬貨Cは、50セント落下通路11650Cに案内されて50セント開口14650Cに落下した後、上段空間144Uに配置された50セント保留操出装置11450C内に保留される。
五番目に入金口102に近い1ユーロ選別孔1Eから落下した1ユーロ硬貨Cは、1ユーロ落下通路1161Eに案内されて1ユーロ開口1461Eに落下した後、中段空間144Mの最も入金口102から遠い位置に配置された1ユーロ保留操出装置1141E内に保留される。1ユーロ保留操出装置1141Eは中段空間144Mに配置されているので、1ユーロ落下通路1161Eは1ユーロ上側落下通路116U1Eと1ユーロ下側落下通路116L1Eに分けて構成されている。1ユーロ下側落下通路116L1Eは後述するオーバーフロー金庫134に対し本体126の横幅方向に並列されている。
【0043】
上側選別部206に配置された2セント選別孔2C、5セント選別孔5C、10セント選別孔10C、20セント選別孔20C、及びオーバーフロー選別孔OFに相対する金種別落下通路116は、天板1281よりも上側の上側落下通路116Uと、天板1281よりも下方の下側落下通路116Lとに分離されている。
最も入金口102に近い2セント選別孔2Cから落下した2セント硬貨Cは、2セント上側落下通路116U2Cに案内されて2セント開口1462Cに落下した後、2セント下側落下通路116L2Cに案内されて中段空間144Mに配置された2セント保留操出装置1142C内に保留される。
二番目に入金口102に近い5セント選別孔5Cから落下した5セント硬貨Cは、5セント上側落下通路116U5Cに案内されて5セント開口1465Cに落下した後、中段空間144Mに配置された5セント下側落下通路116L5Cに案内されて5セント保留操出装置1145C内に保留される。
三番目に入金口102に近い10セント選別孔10Cから落下した10セント硬貨Cは、10セント上側落下通路116U10Cに案内されて10セント開口14610Cに落下した後、10セント下側落下通路116L10Cに案内されて下段空間144Lに配置された10セント保留操出装置11410C内に保留される。
四番目に入金口102に近い20セント選別孔20Cから落下した20セント硬貨Cは、20セント上側落下通路116U20Cに案内されて20セント開口14620Cに落下した後、20セント下側落下通路116L20Cに案内されて下段空間144Lに配置された20セント保留操出装置11420C内に保留される。
五番目に入金口102に近いオーバーフロー選別孔OFから落下したオーバーフロー硬貨Cは、オーバーフロー上側落下通路116UOFに案内されてオーバーフロー開口146OFに落下した後、上段空間144Uに配置されたオーバーフロー金庫134内に保留される。なお、オーバーフロー硬貨Cは、カバー128の外側に配置することもできる。
【0044】
2セント下側落下通路116L2C、5セント下側落下通路116L5C、10セント下側落下通路116L10C、および20セント下側落下通路116L20Cは、それぞれ2セント開口1462C、5セント開口1465C、10セント開口14610C、および20セント開口14620Cにそれぞれ続いて、断面が横幅が狭く、硬貨Cの搬送方向に長い長方形に形成され、右側空間132Rにおいて入金口102から離れる方向に並列されている。本実施例1においては、2セント下側落下通路116L2C、5セント下側落下通路116L5C、10セント下側落下通路116L10C、および20セント下側落下通路116L20Cは、カバー128を構成する右側板128Rに一体化されて構成されている。したがって、これら通路において硬貨詰まりが発生した場合、右側板128Rを取り外して作業することにより、容易に硬貨詰まりを解消することができる。またこのように、金種別落下通路116を構成することにより、複数の硬貨落下通路を本体の幅方向において同一の薄い空間に配置することができ、装置を小型化できる利点がある。
【0045】
図8に示すように、2セント下側落下通路116L2Cと5セント下側落下通路116L2Cは、中段空間144Mに、入金口102から遠ざかる方向に順に配置された2セント保留操出装置1142Cと5セント保留操出装置1145Cにそれぞれ硬貨Cを案内するため、クランク形状に形成され、それらの下端は、対応する保留操出装置のホッパボウル236の左(前)側端部開口の上端部に相対して配置されている。
同様に、10セント下側落下通路116L10Cと20セント下側落下通路116L20Cは、下段空間144Lに、入金口102から遠ざかる方向に順に配置された10セント保留操出装置11410C、20セント保留操出装置11420Cにそれぞれ硬貨Cを案内するため、クランク形状に形成され、それらの下端は、対応する保留操出装置のホッパボウル236の右(後)側端部開口の上端部に相対して配置されている。このように金種別落下通路116を配置することにより、金種別落下通路116の屈曲を小さくし、硬貨Cが円滑に落下できる金種別落下通路116を狭い空間において構成することができる。
【0046】
次に出金通路118を主に
図4〜
図7を参照して説明する。
出金通路118は、金種別保留操出装置114から送り出された硬貨Cを案内しつつ落下させる機能を有する。本実施例1において出金通路118は、左側板128Lと内部左側壁板130Lとの間に形成された左側空間132Lである。出金通路118を構成する内部左側壁板130Lには、金種別保留操出装置114から送り出された硬貨Cが通過する横長長方形の金種別の落下口252が複数形成されている。本実施例1において、金種別保留操出装置114は3段に配置されているので、金種別の落下口252も3段に分かれて水平方向に並列されて形成されている。
図5に示すように、上段保留操出装置列114Uに対応して、入金口102側から順に、1セント落下口2521C、2ユーロ落下口2522E、及び50セント落下口25250Cが水平に硬貨搬送装置108に沿って形成され、上段落下口列252Uを構成している。
中段保留操出装置列114Mに対応して、入金口102側から順に、2セント落下口2522C、5セント落下口2525C、及び1ユーロ落下口2521Eが水平に硬貨搬送装置108に沿って形成され、中段落下口列252Mを構成している。
下段保留操出装置列114Lに対応して、入金口102側から順に、10セント落下口25210C、及び20セント落下口25220Cが水平に硬貨搬送装置108に沿って形成され、下段落下口列252Lを構成している。これら落下口252も、金種別保留操出装置114の配置と同様に、中段落下口列252Mと下段落下口列252Lとは上下方向において整列されている。中段落下口列252Mと上段落下口列252Uとは前後方向においてずれて配置されている。
【0047】
本実施例1において出金通路118は、上段落下口列252Uに対する上段出金通路118U、中段落下口列252Mに対する中段出金通路118M、及び下段落下口列252Lに対する下段出金通路118Lによって構成されている。これら上段出金通路118U、中段出金通路118M、及び下段出金通路118Lは、本体126の前後方向において後側に寄せて配置されている。
上段出金通路118Uは、天板1281、左側板128L、内部左側壁板130L、及び上段傾斜板254Uによって囲われた、側面視において倒立三角形状の空間である。上段傾斜板254Uは、上段出金通路118Uの底面を構成し、出金口122側へ向かって、上段落下口列252Uから落下した硬貨が滑り落ちる角度で下向きに傾斜している。上段傾斜板254Uの傾斜角度は水平線に対し35度〜45度が好ましく、その下端である上段傾斜板下端254ULは、本体126の上下、および前後方向において大凡中央に配置されている。
この構成によって、上段傾斜板下端254ULは、1セント落下口2521Cの後端部下方に配置される。したがって、上段落下口列252Uを構成する1セント落下口2521Cから落下した硬貨Cは上段出金通路118Uを通って後述する出金搬送ベルト124上に落下し、2ユーロ落下口2522E、及び50セント落下口25250Cから落下した硬貨Cは、上段出金通路118Uを通って上段傾斜板254U上に落下した後、当該上段傾斜板254U上を滑落して上段傾斜板下端254ULから出金搬送ベルト124上に落下する。
【0048】
中段出金通路118Mは、上段傾斜板254U、左側板128L、内部左側壁板130L、及び中段傾斜板254Mによって囲われた、側面視において倒立台形状の空間である。中段傾斜板254Mは、中段出金通路118Mの底面を構成し、出金口122側へ向かって、中段落下口列252Mから落下した硬貨Cが滑り落ちる角度で下向きに傾斜している。中段傾斜板254Mは上段傾斜板254Uと平行に傾斜され、その下端である中段傾斜板下端254MLは、上段傾斜板下端254ULよりも下方かつ後方に配置されている。
この構成によって、中段傾斜板下端254MLは、2セント落下口2522Cと5セント落下口2525Cの間の下方に配置される。したがって、中段落下口列252Mを構成する2セント落下口2522Cから落下した硬貨Cは中段出金通路118Mを通って後述する出金搬送ベルト124上に落下し、1ユーロ落下口2521E、及び5セント落下口2525Cから落下した硬貨Cは、中段出金通路118Mを通って中段傾斜板254M上に落下した後、当該中段傾斜板254M上を滑落して中段傾斜板下端254MLから出金搬送ベルト124上に落下する。
【0049】
下段出金通路118Lは、中段傾斜板254M、左側板128L、内部左側壁板130L、及び下段傾斜板254Lによって囲われた、側面視において倒立台形状の空間である。下段傾斜板254Lは、下段出金通路118Lの底面を構成し、出金口122側へ向かって、下段落下口列252Lから落下した硬貨Cが滑り落ちる角度で下向きに傾斜している。下段傾斜板254Lは中段傾斜板254Mと平行に傾斜され、その下端である下段傾斜板下端254LLは、中段傾斜板下端254MLよりも下方かつ後方に配置されている。
この構成によって、下段傾斜板下端254LLは、10セント落下口25210Cの後端部の下方に配置される。したがって、下段落下口列252Lを構成する10セント落下口25210Cから落下した硬貨Cは下段出金通路118Lを通って後述する出金搬送ベルト124または下段傾斜板下端254LL上に落下し、20セント落下口2525Cから落下した硬貨Cは、下段出金通路118Lを通って下段傾斜板254L上に落下した硬貨Cはその上を滑落して下段傾斜板下端254LLから出金搬送ベルト124上に落下する。
【0050】
上記説明から明らかなように、上段出金通路118U、中段出金通路118M、および下段出金通路118Lは、左側空間132Lにおいて上下方向に積層状態に配置されている。この構成によって、本体126の幅方向の大きさを抑制することができ、本体126の幅方向の小型化に寄与する。なお、出金通路118の幅(右案内板264Rと左案内面264GLの間隔)は、最大直径硬貨直径の二倍程度が好ましい。本実施例1において、最大直径は2ユーロ硬貨の25.75mmであるので倍の50mm程度が好ましい。
【0051】
次に出金搬送ベルト124を主に
図5を参照して説明する。
出金搬送ベルト124は、金種別保留操出装置114から送り出され、出金通路118(上段出金通路118U、中段出金通路118M、下段出金通路118L)から落下した硬貨Cを上方に位置する出金口122へ搬送する機能を有する。本実施例1において、本実施例1においては、出金搬送ベルト124は前出金搬送ローラー256Fと後出金搬送ローラー256Bとの間に巻き掛けられた出金搬送ベルト124によって構成されている。出金搬送ベルト124は前出金搬送ローラー256Fと後出金搬送ローラー256Bとにより扁平トラックフィールド形状を呈し、出金口122側へ向かって上向きに傾斜配置されている。具体的には、後出金搬送ローラー256Bが下段傾斜板下端254LLよりも下方であって、僅かに前側に配置され、前出金搬送ローラー256Fは上下方向において上段落下口列252Uと大凡同一の高さにおいて、前側の出金口122よりも上方に配置されている。これにより、出金搬送ベルト124の搬送部258は、上段傾斜板下端254UL、中段傾斜板下端254ML、および下段傾斜板下端254LLの下方において、それら下端と同一の距離離れて直線状に前側(出金口122側)へ向かって上り傾斜状態に延在される。この上り傾斜は、水平線に対し45度以上傾けることが好ましく、より好ましくは、大凡60度程度にすることが設置面積と硬貨Cの搬送能力の観点から好ましい。しかし、出金搬送ベルト124の出金口122側への上向き傾斜角度は、硬貨入出金装置100の奥行き方向の寸法への影響を考慮して適宜設定可能である。出金搬送ベルト124の表面には当該出金搬送ベルト124に対し外方へ直角に突出する板状の突起262が当該出金搬送ベルト124の長手方向において所定間隔で設けてある。この突起262の間隔は、後述する落下阻止装置264の間隔は、上段傾斜板下端254ULと中段傾斜板下端254MLとの間隔と同一にすることが好ましい。また、突起262は出金搬送ベルト124の幅方向において右突起262Rと左側突起262Lに分けて構成され、所定の間隔で並列されている。出金搬送ベルト124の出金通路118側の搬送部258上には、本体126の幅方向に所定の間隔で平行に配置された左案内板264Lと右案内板264Rとにより上向きの搬送通路266が構成されている。
【0052】
次に搬送通路266を説明する。出金搬送ベルト124によって搬送される硬貨Cを案内する機能を有し、本実施例1においては、出金搬送ベルト124(平ベルト)が底面を構成し、左案内板264Lと右案内板264Rが左右の案内面を構成する。換言すれば、搬送通路266は、出金搬送ベルト124の搬送部258を底面として、当該底面に対し垂立する左案内板264Lと右案内板264Rにより断面矩形の細長い、出金口122へ向かって斜めに延在する溝状に構成される。搬送通路266の下端には、
図5に示すように、搬送通路266の矩形の横断面全体を塞ぐように、落下阻止板268が配置されている。搬送通路266には、落下阻止装置264が配置されている。
【0053】
次に主に
図10及び
図11を参照して落下阻止装置264を説明する。
落下阻止装置264は、上側の出金通路118に送り出された硬貨Cが搬送通路266において、下側の出金通路118側へ落下しないように阻止する機能を有する。本実施例1においては、上段出金通路118Uに送り出された硬貨Cが、搬送通路266において中段出金通路118Mへ落下しないようにする機能を有する。落下阻止装置264は、上段保留操出装置列114Uから上段出金通路118Uへ送り出された硬貨Cを搬送通路266において、下側の中段出金通路118M側へ落下しないようにする上段落下阻止装置2641と、中段出金通路118Mへ送り出された硬貨Cを搬送通路266において、下側の下段出金通路118L側へ落下しないようにする中段落下阻止装置2642が設けられている。換言すれば、本実施例1において搬送通路266は、上段落下阻止装置2641よりも上方に上段搬送通路266Uが構成され、上段落下阻止装置2641と中段落下阻止装置2642との間に中段搬送通路266Mが構成され、中段落下阻止装置2642の下方に下段搬送通路266Lが形成される。本実施例1において、上段落下阻止装置2641と中段落下阻止装置2642は同一構成であるので上段落下阻止装置2641を代表して説明する。
【0054】
上段落下阻止装置2641は、ガイド体264Gと阻止体264Sによって構成されている。まずガイド体264Gを
図11(B)を参照しつつ説明する。
ガイド体264Gは、上段出金通路118Uを出金搬送ベルト124に沿って下方へ落下してくる硬貨Cを阻止体264S側へ強制的に案内する機能を有する。本実施例1においてガイド体264Gは、出金口122側に向かって拡開する右案内面264GRと左案内面264GLとによって、V字状に形成されている。V字の頂点264GTは、出金搬送ベルト124の幅方向において、中央空間132M側に偏って、右突起262Rの上方に形成されている。従って、硬貨Cはこれら右案内面264GRと左案内面264GLによって案内され、最終的に右突起262R部に案内される。しかし、頂点264GTは、左突起262Lに相対するように形成することもできる。
【0055】
次に阻止体264Sを説明する。
阻止体264Sは、上段出金通路118Uに送り出された硬貨Cが下側の中段出金通路118M側へ落下しないように、上段搬送通路266Uにおいて阻止する機能を有する。本実施例1においては、阻止体264Sは、ガイド体264Gの下端部に上端部を固定された硬質樹脂、硬質ゴム、または金属等のブロックによって構成されている。阻止体264Sの下面は搬送部258側に膨らんだ凸面264SCに形成され、一部は出金搬送ベルト124の搬送部258に接触、または近接状態で配置され、出金搬送ベルト124と凸面264SCの間から硬貨Cが落下しないように構成されている。凸面264SCには、突起262(右突起262R、左突起262L)に相対し、左溝264SL、および右溝264SRが形成され、出金搬送ベルト124と一体となって移動する右突起262R、および左突起262Lが通過できるように構成されている。この構成によって、上段出金通路118Uに落下した硬貨Cは上段落下阻止装置2641、具体的には阻止体264Sによって中段搬送通路266Mへ落下することが阻止される。落下を阻止された硬貨Cは、右突起262R、または左突起262Lによって係止されて出金口122側へ揚送される。
中段落下阻止装置2642も同様に機能し、硬貨Cが中段搬送通路266Mから下段搬送通路266Lへ落下することが阻止される。
【0056】
次に出金口122を主に
図4を参照して説明する。
出金口122は、出金搬送ベルト124によって搬送された硬貨Cを受け渡すために外部装置へ出金し、または本体126内に保留する機能を有し、公知の出金口122が用いられる。本実施例1においては、出金口122は、本体126の前面における上下方向中間の左側に寄せて形成された矩形の開口である。本実施例1において、出金搬送ベルト124に相対する上段搬送通路266Uに続いて出金口122へ向かって下向きの出金口通路272が構成され、さらに出金口通路272の端部に、出金口122が構成され、当該出金口122から外部の受取り部へ供給される。
【0057】
次に金種別保留操出装置114に保留された硬貨Cを回収するための、硬貨容器138を主に
図5を参照して説明する。
硬貨容器138は、前述のように、金種別保留操出装置114から送り出された硬貨Cを収納する機能を有し、入金口102及び出金口122の下方の本体126に構成された装着穴142内に収納される。本実施例1においては、金種別保留操出装置114に保留された硬貨Cを回収する際、出金口122へ硬貨Cを送り出す場合と同様に、出金搬送ベルト124によって揚送し、出金口122へ向けて送り出す。出金口通路272の途中に切換板274が配置されている。切換板274は、出金口122への出金時は出金口通路272の底板を構成する出金位置PPに保持される。しかし、硬貨Cの回収時は、切換板274が跳ね上がった回収位置RPに移動され、出金口通路272を塞ぐと共に、硬貨容器138の上面開口に連なる通路を開口する。これによって、出金搬送ベルト124によって揚送される硬貨Cは、切換板274に案内されて硬貨容器138内に回収される。
【0058】
次に実施例1の硬貨入出金装置100の作用を説明する。
本実施例1においては、上段に配置された上段保留操出装置列114Uから送り出された硬貨Cは、上段落下口列252Uの1セント落下口2521C、2ユーロ落下口2522E、又は50セント落下口25250Cをそれぞれ通って上段出金通路118Uを落下し、上段傾斜板254U上、または出金搬送ベルト124上に落下する。上段傾斜板254U上に落下した硬貨Cは当該上段傾斜板254U上を滑落した後、出金搬送ベルト124上に落下する。上段落下口列252Uと上段傾斜板254U、または出金搬送ベルト124との距離は小さくそれらに落下した硬貨Cが飛び跳ねた場合であっても、その量は小さく、短時間に収まり、出金搬送ベルト124上の突起262に係止されて出金口122へ向けて搬送される。
中段に配置された中段保留操出装置列114Mの2セント落下口2522C、5セント落下口2525C、又は1ユーロ落下口2521Eから送り出された硬貨Cは、中段落下口列252Mをそれぞれ通って中段出金通路118Mを落下し、中段傾斜板254M上、または出金搬送ベルト124上に落下する。中段傾斜板254M上に落下した硬貨Cは当該中段傾斜板254M上を滑落した後、出金搬送ベルト124上に落下する。中段落下口列252Mと中段傾斜板254M、または出金搬送ベルト124との距離は小さくそれらに落下した硬貨Cが飛び跳ねた場合であっても、その量は小さく、短時間に収まり、出金搬送ベルト124上の突起262に係止されて出金口122へ向けて搬送される。
下段に配置された下段保留操出装置列114Lの10セント落下口25210C、又は20セント落下口25220Cから送り出された硬貨Cは、下段落下口列252Lをそれぞれ通って下段出金通路118Lを落下し、下段傾斜板254L上、又は出金搬送ベルト124上に落下する。下段傾斜板254L上に落下した硬貨Cは当該下段傾斜板254L上を滑落した後、出金搬送ベルト124上に落下する。下段落下口列252Lと下段傾斜板254L、または出金搬送ベルト124との距離は小さくそれらに落下した硬貨Cが飛び跳ねた場合であっても、その量は小さく、短時間に収まり、出金搬送ベルト124上の突起262に係止されて出金口122へ向けて搬送される。
通常の出金処理、例えば、釣銭の出金処理においては、硬貨Cの出金数は少ないので円滑に硬貨Cが出金口122へ出金される。本実施例1において、例えば、1セントを支払うために2ユーロ硬貨を入金口102に投入した場合であっても、通常送り出される硬貨Cは、1ユーロ硬貨が1個、50セント硬貨1個、20セント硬貨が2個、5セント硬貨が1個、2セント硬貨が2個である。換言すれば、上段出金通路118Uに50セント硬貨Cが1個、中段出金通路118Mに1ユーロ硬貨が1個、5セント硬貨Cが1個、及び2セント硬貨が2個、下段出金通路118Lに20セント硬貨Cが1個送り出される。この場合、中段出金通路118Mに合計4個の硬貨Cが送り出されるだけであり、これら硬貨Cは出金搬送ベルト124によって円滑に出金口122へ出金される。
【0059】
次に全ての金種別保留操出装置114から硬貨Cを回収する場合の作用を説明する。
この場合、各金種別保留操出装置114から一斉に硬貨Cが送り出される。これにより、出金搬送ベルト124の出金搬送能力を超え、上段出金通路118U、中段出金通路118M、または下段出金通路118Lに滞留することになる。この場合、上段出金通路118Uにおいては、50セント保留操出装置11450C、および2ユーロ保留操出装置1142Eは上段傾斜板254Uの上方に位置することから、これらから送り出された硬貨Cは、上段傾斜板254U上を比較的ゆっくりと滑落した後、出金搬送ベルト124によって搬送される。
中段出金通路118Mにおいても、同様に、1ユーロ保留操出装置1141E、および5セント保留操出装置1145Cは中段傾斜板254Mの上方に位置することから、これらから送り出された硬貨Cは、中段傾斜板254M上をゆっくりと滑落した後、出金搬送ベルト124によって搬送される。
下段出金通路118Lにおいても、同様に、20セント保留操出装置1140Cは下段傾斜板254Lの上方に位置することから、これから送り出された硬貨Cは、下段傾斜板254L上を比較的ゆっくりと滑落した後、出金搬送ベルト124によって搬送される。
これによって、出金搬送ベルト124によって搬送されるまで滞留する硬貨Cは複数に分散されて滞留されることから、硬貨Cが高く積み上がらず、硬貨詰まりが生じ難くなる。
特に、落下阻止装置264が設けられている場合、上段出金通路118U、したがって、上段搬送通路266Uから中段搬送通路266M、及び中段搬送通路266Mから下段搬送通路266Lへ硬貨Cが落下しないので、硬貨Cが高く積み上がらず、より一層硬貨詰まりが生じ難くなる。
【実施例3】
【0063】
次に実施例3の硬貨入出金装置100を
図13から
図19を参照して説明する。
実施例3は、出金通路118(以下便宜的に「第3出金通路1183」という。)及び落下阻止装置264の構成が実施例1及び2とは異なり、その他の構成は実施例1と同一である。よって、実施例1と同一部には同一符号を付して説明を省略し、異なる構成を説明する。
第3出金通路1183は、金種別保留操出装置114毎に出金通路118を構成した例である。
【0064】
図14および
図15に示すように、左側空間132Lには、金種別の落下口252の下方にそれぞれ傾斜板254が配置され、金種毎に出金通路118が形成されている。上段落下口列252Uに対しては、平板形状の1セント傾斜板2541C、2ユーロ傾斜板2542E、および50セント傾斜板25450Cが配置されている。具体的には、1セント傾斜板2541Cが上端部を1セント落下口2521Cと2ユーロ落下口2522Eとの間に配置された後、出金口122側の搬送通路266へ向かって前下がりに配置されている。
同様に、2ユーロ傾斜板2542Eが上端部を2ユーロ落下口2522Eと50セント落下口2522Eとの間に配置された後、搬送通路266へ向かって前下がりに配置されている。
同様に、50セント傾斜板25450Cが上端部を50セント落下口2522Eの直下に配置された後、搬送通路266へ向かって前下がりに配置されている。
これらにより、1セント傾斜板2541Cの上側に1セント出金通路1181Cが形成され、2ユーロ傾斜板2542Eの上側に2ユーロ出金通路1182Eが形成され、50セント傾斜板25450Cの上側に50セント出金通路11850Cが形成され、それら出金通路118は出金口122側の出金搬送ベルト124へ向かって前下がりに形成される。
【0065】
中段落下口列252Mに対しては、平板形状の2セント傾斜板2542C、5セント傾斜板2545C、および1ユーロ傾斜板2541Eが配置されている。具体的には、2セント傾斜板2542Cが上端部を2セント落下口2522Cと5セント落下口2525Cとの間に配置された後、搬送通路266へ向かって前下がりに配置されている。
同様に、5セント傾斜板2545Cが上端部を5セント落下口2525Cと1ユーロ落下口2521Eとの間に配置された後、搬送通路266へ向かって前下がりに配置されている。
同様に、1ユーロ傾斜板2541Eが上端部を1ユーロ落下口2521Eの直下に配置された後、出金口122側の搬送通路266へ向かって前下がりに配置されている。
これらにより、2セント傾斜板2542Cの上側に2セント出金通路1182Cが形成され、5セント傾斜板2545Cの上側に5セント出金通路1185Cが形成され、1ユーロ傾斜板2541Eの上側に1ユーロ出金通路1181Eが形成され、それら出金通路118は出金口122側の出金搬送ベルト124へ向かって前下がりに形成される。
これらにより、2セント傾斜板2542Cの上側に2セント出金通路1182Cが形成され、5セント傾斜板2545Cの上側に5セント出金通路1185Cが形成され、1ユーロ傾斜板2541Eの上側に1ユーロ出金通路1181Eが形成され、それら出金通路118は出金口122側の出金搬送ベルト124へ向かって前下がりに形成される。
【0066】
下段落下口列252Lに対しては、平板形状の10セント傾斜板25410C、および20セント傾斜板25420Cが配置されている。具体的には、10セント傾斜板25410Cが上端部を10セント落下口25210Cと20セント落下口25220Cとの間に配置された後、出金口122側の搬送通路266へ向かって前下がりに配置されている。
同様に、20セント傾斜板25420Cが上端部を20セント落下口25220Cの直下に配置された後、出金口122側の搬送通路266へ向かって前下がりに配置されている。
これらにより、10セント傾斜板25410Cの上側に10セント出金通路11810Cが形成され、20セント傾斜板25420Cの上側に20セント出金通路11820Cが形成され、それら出金通路118は出金口122側の出金搬送ベルト124へ向かって前下がりに形成される。
【0067】
上記構成から明らかなように、金種別保留操出装置114から送り出された硬貨Cは、金種別の落下口252からそれぞれ金種別の出金通路118を落下した後、金種別の傾斜板254上に落下し、それら傾斜板254上を滑落した後、搬送通路266の底面たる出金搬送ベルト124上に落下し、当該出金搬送ベルト124の進行によって、出金口122へ搬送される。
【0068】
次に落下阻止装置264(便宜的に「第二落下阻止装置264S」という。)を主に
図18、及び
図19を参照して説明する。第二落下阻止装置264Sは、落下阻止装置264と同様に、出金搬送ベルト124上の硬貨Cが下方の搬送通路266へ落下しないように阻止すると共に、搬送通路266の出金口122側へ跳ね上げる機能を有する。本実施例3において、第二落下阻止装置264Sは全部で4組配置されている。具体的には、2ユーロ傾斜板2542Eの下端2542EEに相対して第一第二落下阻止装置264S1、2セント傾斜板2542Cの下端2542CEに相対して第二第二落下阻止装置264S2、1ユーロ傾斜板2541Eの下端2541EEに相対して第三第二落下阻止装置264S3、20セント傾斜板25420Cの下端25420CEに相対して第四第二落下阻止装置264S4が配置されている。本実施例3における第一第二落下阻止装置264S1、第二第二落下阻止装置264S2、第三第二落下阻止装置264S3、及び第四第二落下阻止装置264S4は全て同一に構成されているので、
図15において鎖線円で囲った第二第二落下阻止装置264S2を代表して説明する。
【0069】
第二第二落下阻止装置264S2は、第二案内装置282、第二阻止体284、および第二突起286によって構成されている。各構成部品の機能を概括すれば、出金搬送ベルト124上を落下する硬貨Cを第二案内装置282によって第二阻止体284へ案内し、第二突起286によって出金口122側へ跳ね上げ、硬貨Cを出金搬送ベルト124上において分散させることで、硬貨Cが第二突起286に係止されやすくしている。
【0070】
まず第二案内装置282を主に
図19を参照しつつ説明する。
第二案内装置282は、出金搬送ベルト124上を落下してくる硬貨Cを第二阻止体284、換言すれば、出金搬送ベルト124の幅方向の中央に案内する機能を有する。
第二案内装置282は、出金搬送ベルト124の長手方向端部に沿ってその上側である第2出金通路1182側に配置された左右一対の棒状の案内体であり、左右対称に形成されているので、右第二案内装置282を代表して説明し、左案内板264Lの同一部には名称における右を左に変更すると共に、符号は同一数字にアルファベットのRをLに代えて付すことにより説明を省略する。
【0071】
右案内体282Rは、中間部の横断面(出金搬送ベルト124の幅方向断面)が大凡直角三角形の細長棒状であって、上側端部に出金搬送ベルト124の中央側へ順次近づく右中央寄せ斜面282UR、中間部が出金搬送ベルト124の上面へ順次近づく左下向き斜面282DR、下端部に出金搬送ベルト124の中央から端部へ順次離れる左離隔斜面282LRが形成され、左離隔斜面282LRの上側は、円弧状の左逃げ面282RRに形成されている。この構成により、出金搬送ベルト124上を落下してきた硬貨Cを左中央寄せ斜面282UR、及び右中央寄せ斜面282ULによって出金搬送ベルト124の幅方向における中央へ寄せ、出金搬送ベルト124の上方から落下してきた硬貨Cは左下向き斜面282DR、及び右下向き斜面282UL(見えない)によって、同様に出金搬送ベルト124の中央へ案内することにより、上側から落下する硬貨Cを第二阻止体284の中央に向かって案内する。
【0072】
次に第二阻止体284を説明する。
第二阻止体284は、第二案内装置2642によって案内されつつ落下した硬貨Cを、出金搬送ベルト124上を更に落下させないと共に、出金搬送ベルト124の上方、換言すれば出金口122へ向かって、跳ね上げる機能を有する。本実施例3の第二阻止体284は、大凡正方形の板形状であって、上端部側面から横向きに突出する左支軸284RL、右支軸284RRが左案内板264L、右案内板264Rにそれぞれ回動自在に支持されている。また、第二阻止体284の右端部284R、左端部284Lは、それぞれストッパ292に係止され、
図18(B)に示すように、第二阻止体284が出金搬送ベルト124の上面に対し大凡直角をなす状態において停止され、その際の第二阻止体284の下端は、出金搬送ベルト124の上面に対し、最薄の硬貨Cの厚み未満になるように設定されている。
第二阻止体284の出金口122側の面の中央には、横断面が三角形の掻分体294が突設されている。掻分体294が硬貨Cの密集塊に突入することにより、当該密集塊を崩した後、第二阻止体284によって跳ね上げるので硬貨Cの跳ね上げが効果的に行える。
【0073】
次に第二突起286を説明する。
第二突起286は、第二阻止体284を押動して左支軸284RL、右支軸284RR回りに強制的に回動させる機能を有する。本実施例3において、第二突起286は、出金搬送ベルト124の上面に対し直角に突出形成された四角板状であって、出金搬送ベルト124の幅方向に間隔を空けると共に、出金搬送ベルト124の長手方向において僅かにずらして形成された右第二突起286Rと左第二突起286Lよりなる一対の小片であり、出金搬送ベルト124と同一材質によって形成されている。この構成によって、出金搬送ベルト124の硬貨Cの搬送方向への移動によって、第二突起286は第二阻止体284を背面側から所定の速度で押動する。これによって、
図18(C)に示すように、第二阻止体284は左支軸284RL、右支軸284RRを支点に出金口122側へ回動される。換言すれば、第二阻止体284によって落下を阻止されている硬貨Cは、第二阻止体284の出金口122側への回動によって、出金口122側へ跳ね上げられた後、出金搬送ベルト124へ落下する。したがって、第二阻止体284によって移動を阻止された硬貨Cは、分散されて出金搬送ベルト124上へ落下する。分散されることにより、各硬貨Cは、第二突起286に係止されやすくなり、硬貨Cの搬送効率が高まる。また、一つの第二阻止体284を構成する右第二突起286Rと左第二突起286Lが出金搬送ベルト124の長手方向に僅かにずれて配置されていることにより、第二阻止体284が出金口122側へ回動されている時間が長くなるので、硬貨Cをこれら右第二突起286Rと左第二突起286Lとにより係止し易くなる。第二阻止体284が出金口122側へ回動されている間、硬貨Cの下方の出金通路118への落下は、右第二突起286Rと左第二突起286Lによって阻止されるため、硬貨Cが下方の搬送通路266へ落下することはない。なお、右第二突起286Rと左第二突起286Lとを一体化することもできるが、第二突起286の厚みが増加するので、実施例3のように分割することが好ましい。
【0074】
次に実施例3の作用を説明する。
実施例3において、金種別保留操出装置114毎に出金通路118が設けられている。したがって、下段保留操出装置列114Lの20セント保留操出装置11420Cから送り出された20セント硬貨は、20セント落下口25220Cを通って20セント出金通路11820Cを落下した後、出金搬送ベルト124上に落下する。下段保留操出装置列114Lの10セント保留操出装置11410Cから送り出された10セント硬貨は、10セント落下口25210Cを通って10セント出金通路11810Cを落下した後、出金搬送ベルト124上に落下する。中段保留操出装置列114Mの1ユーロ保留操出装置1141Eから送り出された1ユーロ硬貨は、1ユーロ落下口2521Eを通って1ユーロ出金通路1181Eを落下した後、出金搬送ベルト124上に落下する。中段保留操出装置列114Mの5セント保留操出装置1145Cから送り出された5セント硬貨は、5セント落下口2525Cを通って5セント出金通路1185Cを落下した後、出金搬送ベルト124上に落下する。中段保留操出装置列114Mの2セント保留操出装置1142Cから送り出された2セント硬貨は、2セント落下口2522Cを通って2セント出金通路1182Cを落下した後、出金搬送ベルト124上に落下する。上段保留操出装置列114Uの50セント保留操出装置11450Cから送り出された50セント硬貨は、50セント落下口25250Cを通って50セント出金通路11850Cを落下した後、出金搬送ベルト124上に落下する。上段保留操出装置列114Uの2ユーロ保留操出装置1142Eから送り出された2ユーロ硬貨は、2ユーロ落下口2522Eを通って2ユーロ出金通路1182Eを落下した後、出金搬送ベルト124上に落下する。上段保留操出装置列114Uの1セント保留操出装置1141Cから送り出された1セント硬貨は、1セント落下口2521Cを通って1セント出金通路1181Cを落下した後、出金搬送ベルト124上に落下する。
20セント出金通路11820C又は10セント出金通路11810Cから出金搬送ベルト124上に落下した硬貨Cは、第四第二落下阻止装置264S4によって更なる搬送通路266における落下を阻止される。
1ユーロ出金通路1181E又は5セント出金通路1185Cから出金搬送ベルト124上に落下した硬貨Cは、第三第二落下阻止装置264S3によって更なる落下を阻止される。
2セント出金通路1182C又は50セント出金通路11850Cから出金搬送ベルト124上に落下した硬貨Cは、第二第二落下阻止装置264S2によって更なる落下を阻止される。
2ユーロ出金通路1182E又は1セント出金通路1181Cから出金搬送ベルト124上に落下した硬貨Cは、第一第二落下阻止装置264S1によって更なる落下を阻止される。
出金搬送ベルト124上の硬貨Cは、右第二突起286R、又は左第二突起286Lに係止されて出金口122へ向けて搬送される。
全ての硬貨Cを回収する場合、各金種別保留操出装置114から一斉に硬貨Cが送り出される。これにより、出金搬送ベルト124の出金搬送能力を超え、1セント出金通路1181C、2ユーロ出金通路1182E、50セント出金通路11850C、2セント出金通路1182C、5セント出金通路1185C、1ユーロ出金通路1181E、10セント出金通路11810C、または20セント出金通路11820Cに滞留することになる。この場合、各出金通路118を構成する傾斜板254の上方に滞留することから、硬貨Cが出金搬送ベルト124によって順次搬送されるにしたがって、これら滞留した硬貨Cは、傾斜板254上をゆっくりと滑落した後、出金搬送ベルト124によって搬送される。また、第一第二落下阻止装置264S1〜第四第二落下阻止装置264S4によって、落下を阻止されている硬貨Cは、第二突起286によって押動される第二阻止体284によって、出金口122側へ跳ね上げられ、出金搬送ベルト124上において分散される。これにより、硬貨Cは第二突起286に係止され易くなり、円滑に出金口122側へ搬送される。