特許第6867100号(P6867100)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6867100
(24)【登録日】2021年4月12日
(45)【発行日】2021年4月28日
(54)【発明の名称】情報読取装置及び情報読取システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20210419BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20210419BHJP
   G06Q 50/26 20120101ALI20210419BHJP
【FI】
   G06Q50/10
   G06K7/10 244
   G06Q50/26
【請求項の数】8
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2015-118912(P2015-118912)
(22)【出願日】2015年6月12日
(65)【公開番号】特開2017-4333(P2017-4333A)
(43)【公開日】2017年1月5日
【審査請求日】2018年1月12日
【審判番号】不服2019-14262(P2019-14262/J1)
【審判請求日】2019年10月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(74)【代理人】
【識別番号】100095795
【弁理士】
【氏名又は名称】田下 明人
(72)【発明者】
【氏名】森本 敏生
【合議体】
【審判長】 渡邊 聡
【審判官】 上田 智志
【審判官】 中野 浩昌
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−218990(JP,A)
【文献】 特開2006−350664(JP,A)
【文献】 特開平7−28899(JP,A)
【文献】 特開2013−181363(JP,A)
【文献】 特開2012−98945(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
言語を特定する言語特定情報が記録される記録媒体として採用されるパスポートから前記言語特定情報を読み取る読取部と、
報知すべき情報を複数種類の言語で報知するための複数の言語別報知情報が対応する前記言語特定情報にそれぞれ関連付けられて記憶される記憶部と、
前記記憶部に記憶される複数の前記言語別報知情報のうち前記読取部により読み取られた前記言語特定情報に関連付けられた前記言語別報知情報を選択する選択部と、
前記選択部によって選択された前記言語別報知情報を用いて前記報知すべき情報を報知する報知部と、
を備え、
前記報知部は、前記選択部によって選択された前記言語別報知情報と、複数の前記言語別報知情報のうち予め設定された前記言語別報知情報となる現地語とを用いて、前記報知すべき情報を、報知対象者が記入を求められる印刷媒体に併記するように印刷して報知し、
互いに異なる場所で報知を行う複数の前記報知部を備えることを特徴とする情報読取装置。
【請求項2】
前記記録媒体には、前記言語特定情報が表示されることで当該言語特定情報が記録され、
前記読取部は、
前記記録媒体に表示された前記言語特定情報を撮像する撮像部と、
前記撮像部によって撮像された画像から前記言語特定情報を文字情報として認識する認識部と、
を備え、前記言語特定情報を前記認識部によって文字情報として認識することにより光学的に読み取ることを特徴とする請求項1に記載の情報読取装置。
【請求項3】
前記記録媒体は、非接触通信による読み取りが可能となるように前記言語特定情報が記録されてなる非接触通信媒体を備え、
前記読取部は、前記非接触通信媒体と非接触通信を行う非接触通信部を備え、前記記録媒体から前記非接触通信部を介した非接触通信によって前記言語特定情報を読み取ることを特徴とする請求項1に記載の情報読取装置。
【請求項4】
前記報知部による報知に伴い、当該報知部によって報知される前記報知すべき情報を、複数の前記言語別報知情報のうち予め定められた前記言語別報知情報を用いて報知する第2報知部を備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の情報読取装置。
【請求項5】
言語を特定する言語特定情報が記録される記録媒体として採用されるパスポートから前記言語特定情報を読み取る情報読取装置と、前記情報読取装置と通信可能な上位装置と、報知すべき情報を報知する報知部と、を備える情報読取システムであって、
前記情報読取装置は、
前記記録媒体から前記言語特定情報を読み取る読取部と、
前記読取部によって読み取られた前記言語特定情報を前記上位装置に送信する送信部と、
を備え、
前記上位装置は、
前記送信部から送信された前記言語特定情報を受信する受信部と、
前記報知すべき情報を複数種類の言語で報知するための複数の言語別報知情報が対応する前記言語特定情報にそれぞれ関連付けられて記憶される記憶部と、
前記受信部によって受信された前記言語特定情報に関連付けられた前記言語別報知情報を選択する選択部と、
を備え、
前記報知部は、前記選択部によって選択された前記言語別報知情報と、複数の前記言語別報知情報のうち予め設定された前記言語別報知情報となる現地語とを用いて、前記報知すべき情報を、報知対象者が記入を求められる印刷媒体に併記するように印刷して報知し、
互いに異なる場所で報知を行う複数の前記報知部を備えることを特徴とする情報読取システム。
【請求項6】
前記記録媒体には、前記言語特定情報が表示されることで当該言語特定情報が記録され、
前記読取部は、
前記記録媒体に表示された前記言語特定情報を撮像する撮像部と、
前記撮像部によって撮像された画像から前記言語特定情報を文字情報として認識する認識部と、
を備え、前記言語特定情報を前記認識部によって文字情報として認識することにより光学的に読み取ることを特徴とする請求項5に記載の情報読取システム。
【請求項7】
前記記録媒体は、非接触通信による読み取りが可能となるように前記言語特定情報が記録されてなる非接触通信媒体を備え、
前記読取部は、前記非接触通信媒体と非接触通信を行う非接触通信部を備え、前記記録媒体から前記非接触通信部を介した非接触通信によって前記言語特定情報を読み取ることを特徴とする請求項5に記載の情報読取システム。
【請求項8】
前記報知部による報知に伴い、当該報知部によって報知される前記報知すべき情報を、複数の前記言語別報知情報のうち予め定められた前記言語別報知情報を用いて報知する第2報知部を備えることを特徴とする請求項5から請求項7のいずれか一項に記載の情報読取システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報読取装置及び情報読取システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、個人が所持する記録媒体から識別情報を読み取り、当該識別情報に関連する情報を画面表示や音声などによって外部に報知する情報読取装置の構成が知られている。例えば、特許文献1の入出国記録作成装置は、イメージリーダにより読み取ったパスポートの画像から入出国記録に必要なデータ、すなわちパスポートの旅券番号、生年月日、性別、ローマ字表記された氏名等を切り出す構成である。そして、切り出した画像データを文字認識し、認識したデータをプリンタに出力すると共に、ユーザに対して入出国記録への記入を促す音声によるガイダンスが行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−52100号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の入出国記録作成装置に用いられるユーザインタフェースにおいて、日本人の利用者に対する情報の報知は、日本語のみのアナウンスで行われる構成であっても問題なく、当該利用者にとって指示内容の理解が容易となる。しかしながら、外国人の利用者に対しては、ユーザインタフェース側でこれらの利用者が理解可能な言語を特定することは困難であるため、一般的に上記のようなアナウンスが日本語に複数種類の多言語を併記・併用する形で行われる構成となっている。例えば、外国人利用者に対して所定の報知情報を画面や文書で報知する場合には、日本語に英語や中国語やその外国人の母国語などを併記し、音声でアナウンスする場合には、日本語によるアナウンスの後に英語、中国語、外国人の母国語などの順にアナウンスするなどの構成となる。そのため、外国人の利用者にとって不要な言語によっても情報伝達が行われることとなり、報知情報の内容把握の妨げとなってしまう問題がある。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、記録媒体に記録された言語特定情報で特定される言語で報知することで報知すべき情報を把握し易い構成を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、第1の発明に係る情報読取装置は、
言語を特定する言語特定情報が記録される記録媒体として採用されるパスポートから前記言語特定情報を読み取る読取部と、
報知すべき情報を複数種類の言語で報知するための複数の言語別報知情報が対応する前記言語特定情報にそれぞれ関連付けられて記憶される記憶部と、
前記記憶部に記憶される複数の前記言語別報知情報のうち前記読取部により読み取られた前記言語特定情報に関連付けられた前記言語別報知情報を選択する選択部と、
前記選択部によって選択された前記言語別報知情報を用いて前記報知すべき情報を報知する報知部と、
を備え、
前記報知部は、前記選択部によって選択された前記言語別報知情報と、複数の前記言語別報知情報のうち予め設定された前記言語別報知情報となる現地語とを用いて、前記報知すべき情報を、報知対象者が記入を求められる印刷媒体に併記するように印刷して報知し、
互いに異なる場所で報知を行う複数の前記報知部を備えることを特徴とする。
【0007】
第2の発明は、言語を特定する言語特定情報が記録される記録媒体として採用されるパスポートから前記言語特定情報を読み取る情報読取装置と、前記情報読取装置と通信可能な上位装置と、報知すべき情報を報知する報知部と、を備える情報読取システムであって、
前記情報読取装置は、
前記記録媒体から前記言語特定情報を読み取る読取部と、
前記読取部によって読み取られた前記言語特定情報を前記上位装置に送信する送信部と、
を備え、
前記上位装置は、
前記送信部から送信された前記言語特定情報を受信する受信部と、
前記報知すべき情報を複数種類の言語で報知するための複数の言語別報知情報が対応する前記言語特定情報にそれぞれ関連付けられて記憶される記憶部と、
前記受信部によって受信された前記言語特定情報に関連付けられた前記言語別報知情報を選択する選択部と、
を備え、
前記報知部は、前記選択部によって選択された前記言語別報知情報と、複数の前記言語別報知情報のうち予め設定された前記言語別報知情報となる現地語とを用いて、前記報知すべき情報を、報知対象者が記入を求められる印刷媒体に併記するように印刷して報知し、
互いに異なる場所で報知を行う複数の前記報知部を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明では、読取部が、言語を特定する言語特定情報が記録される記録媒体から言語特定情報を読み取り、選択部が、記憶部に記憶される複数の言語別報知情報のうち読取部により読み取られた言語特定情報に関連付けられた言語別報知情報を選択する構成である。そして、報知部は、選択部によって選択された言語別報知情報を用いて報知すべき情報を報知する構成となっている。
【0009】
また、請求項の発明は、情報読取装置と、当該情報読取装置と通信可能な上位装置と、報知すべき情報を報知する報知部と、を備える情報読取システムである。また、情報読取装置が、読取部と、当該読取部によって読み取られた言語特定情報を上位装置に送信する送信部と、を備え、上位装置が、送信部から送信された言語特定情報を受信する受信部と、記憶部と、選択部と、を備えている。
【0010】
このような構成では、記録媒体の言語特定情報を読取部に読み取らせることで、報知すべき情報を報知部によって報知する際に用いる言語を特定することができる。そして、読み取られた言語特定情報で特定される言語で報知すべき情報が報知されるため、報知される者は、理解可能な言語を特定する言語特定情報が記録される記録媒体を読取部に読み取らせることで、報知すべき情報の内容を把握し易くなる。
【0011】
請求項2,の発明では、記録媒体には、言語特定情報が表示されることで当該言語特定情報が記録され、読取部は、記録媒体に表示された言語特定情報を撮像する撮像部と、撮像部によって撮像された画像から言語特定情報を文字情報として認識する認識部と、を備え、言語特定情報を認識部によって文字情報として認識することにより光学的に読み取る構成となっている。
このような構成では、記録媒体自体に言語特定情報を表示することで言語特定情報が読取部によって読取可能となるため、言語特定情報を電磁気的に記録するような複雑な構成とする必要がなく、記録媒体を簡素な構造とすることができる。
【0012】
請求項3,の発明では、記録媒体は、非接触通信による読み取りが可能となるように言語特定情報が記録されてなる非接触通信媒体を備え、読取部は、非接触通信媒体と非接触通信を行う非接触通信部を備え、記録媒体から非接触通信部を介した非接触通信によって言語特定情報を読み取る構成となっている。
このような構成では、読取部は非接触通信媒体との間で非接触通信によって言語特定情報を読み取るため、言語特定情報を記録媒体から光学的に読み取るような構成に比べて、遮蔽物等に影響され難く、言語特定情報の確実な読み取りを実現できる。
【0016】
請求項の発明では、互いに異なる場所で報知を行う複数の報知部を備える構成となっている。
このような構成によって、それぞれ異なる場所において同じ報知すべき情報を報知することができ、1つの場所で報知を行う場合に比べて、より広い範囲に報知すべき情報を行き渡らせ易くなる。
【0017】
請求項の発明では、報知部による報知に伴い、当該報知部によって報知される報知すべき情報を、複数の言語別報知情報のうち予め定められた言語別報知情報を用いて報知する第2報知部を備える構成となっている。
このような構成によって、第2報知部は、報知部によって報知される報知すべき情報と同じ情報を、予め定められた言語によって報知する構成であるため、報知部と第2報知部とにおいて報知対象者が異なる場合であっても、それぞれが理解し易い言語で報知すべき情報を報知することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本発明の第1実施形態に係る情報読取システムを概略的に説明する説明図である。
図2図2は、パスポートの表示状態を示す説明図である。
図3図3(A)は、図1の情報読取装置の電気的構成を例示するブロック図であり、図3(B)は、図3(A)の無線タグ処理部を概略的に例示するブロック図であり、図3(C)は、図3(A)の光学読取部を概略的に例示するブロック図である。
図4図4は、無線タグの電気的構成を概略的に例示するブロック図である。
図5図5は、報知すべき情報を日本語及び他の言語にてそれぞれ表現した文章が表示される輸出免税物品購入記録票の一部を例示する説明図であり、他の言語が、図5(A)では英語であり、図5(B)では簡体字の中国語であり、図5(C)では繁体字の中国語であり、図5(D)では韓国語である。
図6図6は、図1の上位装置のメモリに記録された報知すべき情報と国別コード及び言語別報知情報との対応関係を説明する説明図である。
図7図7は、図1の読取装置で行われる読取処理、及び上位装置で行われる報知処理の流れを例示するフローチャートである。
図8図8は、本発明の第1実施形態の第2変形例に係る読取装置で行われる読取処理、及び上位装置で行われる報知処理の流れを例示するフローチャートである。
図9図9は、本発明の第2実施形態に係る読取装置で行われる読取処理及び報知処理の流れを例示するフローチャートである。
図10図10は、報知すべき情報を日本語及び他の言語にてそれぞれ表現した文章が表示される購入者誓約書の一部を例示する説明図であり、図10(A)では他の言語が英語となるイメージを示し、図10(B)では他の言語が簡体字の中国語となるイメージを示し、図10(C)では他の言語が繁体字の中国語となるイメージを示し、図10(D)では他の言語が韓国語となるイメージを示す。
図11】本発明の他の実施形態に係る読取装置に組み付けられたアタッチメントの載置部にパスポートを載置した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[第1実施形態]
以下、本発明に係る情報読取装置及び情報読取システムを具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示す情報読取システム(以下、単に読取システムともいう)10は、言語を特定する言語特定情報が記録される記録媒体からその言語特定情報を読み取り、当該言語特定情報にて特定される言語を用いて外部に所定の情報を報知するシステムである。本実施形態では、上記記録媒体として、例えば、図2に例示するように、上記言語特定情報として国別コード73を含んだ旅券情報72が表示されることで記録されるパスポート70が採用されている。このパスポート70には、顔写真が表示された表示面71の下欄に旅券情報72が表示されており、旅券情報72には、国別コード73や個人情報(氏名や生年月日等)等が含まれている。
【0021】
読取システム10は、図1に示すように、パスポート70等の記録媒体から情報を読み取る情報読取装置(以下、単に読取装置ともいう)20と、当該読取装置20と通信可能であって読取装置20から受信した読取結果に応じて上記所定の情報を報知する上位装置50と、を備えている。
【0022】
読取装置20は、載置面に載置された状態で使用される据置型の情報読取装置であって、記録媒体に表示された情報を撮像して読み取る機能と、記録媒体の無線タグとの間で電磁波による通信を行ない当該無線タグに記憶されるデータの読み書きを行う機能とを兼備するように構成されている。
【0023】
読取装置20は、図3(A)に示すように、読取装置20全体を制御する制御部21を備えている。この制御部21は、マイコンを主体として構成されるものであり、CPU、システムバス、入出力インタフェース等を有し、メモリ22とともに情報処理装置を構成している。メモリ22には、パスポート70の読取処理等を実行するための所定のプログラム等が制御部21により実行可能に予め格納されている。
【0024】
また、制御部21には、LED23、表示部24、キー操作部25、スピーカ27、外部インタフェース28などが接続されている。キー操作部25は、制御部21に対して操作信号を与える構成をなしており、制御部21は、この操作信号を受けて操作信号の内容に応じた動作を行う。また、LED23、表示部24、スピーカ27は、制御部21によって制御される構成をなしており、それぞれ、制御部21からの指令を受けて動作する。外部インタフェース28は、上位装置50等の外部機器との間でネットワーク等を介してデータ通信を行うためのインタフェースとして構成されており、制御部21と協働して通信処理を行う構成をなしている。この外部インタフェース28は、「送信部」の一例に相当し得る。また、読取装置20には、電源部29が設けられており、この電源部29やバッテリ29aによって制御部21や各種電気部品に電力が供給されるようになっている。
【0025】
また、制御部21には、光学読取部40及び無線タグ処理部30が接続されている。
まず、光学読取部40について、図3(C)を用いて説明する。光学読取部40は、制御部21と協働して撮像された文字情報や情報コード等を光学的に読み取る光学的読取手段として機能するものである。また、光学読取部40は、照明光源41、結像部42、及び撮像部43等の光学系と、図示しない増幅回路、A/D変換回路、アドレス発生回路、同期信号発生回路等のマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)系と、を備えている。
【0026】
光学系を構成する照明光源41は、照明光を照射可能な光源として機能するものであり、例えば、LEDなどによって構成されている。光学読取部40によって読み取りを行う場合、まず、制御部21によって指令を受けた照明光源41から照明光Lfが出射され、この照明光Lfが読取口(図示略)を通ってパスポート70等の読取対象に照射される。撮像部43は、例えばCCD素子やCMOS素子等の固体撮像素子(受光素子)が二次元的に配列された受光センサ(エリアセンサ)などによって構成されている。そして、例えば、文字情報である旅券情報72(図2参照)が示されたパスポート70が視野範囲内に配置されている場合には、この旅券情報72等に照射されて反射した反射光Lrを受光する構成となっている。
【0027】
結像部42は、公知の結像レンズによって構成されている。この結像部42は、撮像部43で撮像可能となる視野範囲を定めると共に、読取口(図示略)を通過して入り込んだ光(具体的には、当該入射光がパスポート70等で反射した光)を撮像部43の受光領域に導く構成となっている。そして、結像部42は、視野範囲内に旅券情報72等が配置されたときに当該旅券情報72等の像を撮像部43の受光領域に結像させるように機能する。
【0028】
マイコン系は、上述した光学系によって撮像された表示情報等の画像信号を信号処理するように構成されている。具体的には、視野範囲内に配置された旅券情報72等が撮像部43によって撮像されたときの撮像画像のデータをメモリ22に記憶可能に構成されており、制御部21は、このような旅券情報72等の画像データを解析し、文字情報であれば公知の記号認識処理機能(OCR)を用いて認識するように機能する。また、情報コード(例えば、バーコードなどの一次元コードや、QRコード(登録商標)、データマトリックスコード、マキシコードなどの二次元コードなど)が撮像されている場合には、制御部21は、その情報コードに対して公知のデコード処理を行うことで、情報コードとして符号化された文字データ等を解読するように機能する。
本構成では、制御部21が「認識部」の一例に相当し、撮像部43によって撮像された画像から国別コード73を文字情報として認識するように機能する。
【0029】
次に、無線タグ処理部30について、図3(B)を用いて説明する。無線タグ処理部30は、アンテナ34および制御部21と協働して無線タグ(非接触通信媒体)75との間で電磁波による通信を行ない、無線タグ75に記憶されるデータの読み取り、或いは無線タグ75に対するデータの書込みを行なうように機能するものである。ここで、無線タグ75は、例えば、パスポート70に設けられる無線タグや商品等に付される無線タグも含むものである。この無線タグ処理部30は、公知の電波方式で伝送を行う回路として構成されており、図3(B)にて概略的に示すように、送信回路31、受信回路32、整合回路33などを有している。
【0030】
送信回路31は、キャリア発振器、符号化部、増幅器、送信部フィルタ、変調部などによって構成されており、キャリア発振器から所定の周波数のキャリア(搬送波)が出力される構成をなしている。また、符号化部は、制御部21に接続されており、当該制御部21より出力される送信データを符号化して変調部に出力している。変調部は、キャリア発振器からのキャリア(搬送波)、及び符号化部からの送信データが入力される部分であり、キャリア発振器より出力されるキャリア(搬送波)に対し、通信対象へのコマンド送信時に符号化部より出力される符号化された送信符号(変調信号)によってASK(Amplitude Shift Keying)変調された被変調信号を生成し、増幅器に出力している。増幅器は、入力信号(変調部によって変調された被変調信号)を所定のゲインで増幅し、その増幅信号を送信部フィルタに出力しており、送信部フィルタは、増幅器からの増幅信号をフィルタリングした送信信号を、整合回路33を介してアンテナ34に出力している。このようにしてアンテナ34に送信信号が出力されると、その送信信号が送信電波として当該アンテナ34より外部に放射される。
【0031】
一方、アンテナ34によって受信された応答信号は、整合回路33を介して受信回路32に入力される。この受信回路32は、受信部フィルタ、増幅器、復調部、二値化処理部、複号化部などによって構成されており、アンテナ34を介して受信された応答信号を受信部フィルタによってフィルタリングした後、増幅器によって増幅し、その増幅信号を復調部によって復調する。そして、その復調された信号波形を二値化処理部によって二値化し、復号化部にて復号化した後、その復号化された信号を受信データとして制御部21に出力している。
本構成では、無線タグ処理部30及びアンテナ34が「非接触通信部」の一例に相当し、無線タグ75と非接触通信を行うように機能する。
【0032】
ここで、無線タグ75の電気的構成について、図4を参照して説明する。
図4に示すように、無線タグ75は、アンテナ75a,電源回路75b,復調回路75c,制御部75d,メモリ75e,変調回路75fなどによって構成されている。電源回路75bは、アンテナ75aを介して受信した読取装置20からの送信信号(キャリア信号)を整流、平滑して動作用電源を生成するものであり、その動作用電源を、制御部75dをはじめとする各構成要素に供給している。
【0033】
また、復調回路75cは、送信信号(キャリア信号)に重畳されているデータを復調して制御部75dに出力している。メモリ75eは、ROM,EEPROM等の各種半導体メモリによって構成されており、所定の制御プログラムや無線タグ75の用途に応じたデータなどが記憶されている。例えば、パスポート70に設けられる無線タグ75のメモリ75eには、当該パスポート70を識別するための旅券情報等が記憶されている。制御部75dは、メモリ75eから上記情報やデータを読み出し、それを送信データとして変調回路75fに出力する構成をなしており、変調回路75fは、応答信号(キャリア信号)を当該送信データで負荷変調してアンテナ75aから反射波として送信するように構成されている。
【0034】
次に、上位装置50の電気的構成について、図1を参照して説明する。
図1に示す上位装置50は、情報読取システム10における各種情報処理を行うホストコンピュータに相当し、主に当該情報読取システム10全体の制御を行うように構成され、外部インタフェース58を介して読取装置20と通信可能となっている。この上位装置50は、例えば売上明細の集計を行うPOS(Point Of Sales)レジ等として機能する。この上位装置50は、図1に示すように、CPU等として構成される制御部51と、当該制御部51とともに情報処理装置を構成するメモリ52と、を備えている。
【0035】
また、制御部51には、表示部54、キー操作部55、プリンタ56、スピーカ57、外部インタフェース58などが接続されている。キー操作部55は、制御部51に対して操作信号を与える構成をなしており、制御部51は、この操作信号を受けて操作信号の内容に応じた動作を行う。また、表示部54、プリンタ56、スピーカ57は、制御部51によって制御される構成をなしており、それぞれ、制御部51からの指令を受けて動作する。特に、表示部54は、液晶表示器や有機ELディスプレイなどの公知の表示装置によって構成され、制御部51による情報処理結果や上位装置50の動作状態などの各種情報を表示し得る構成となっている。また、プリンタ56は、公知のプリンタによって構成され、制御部51から印刷指示がなされたときにその印刷指示に従って情報を印刷するように構成されている。例えば、プリンタ56は、制御部51から送信される情報に基づいて、図5に示すような輸出免税物品購入記録票を印刷するように機能する。また、スピーカ57は、公知のスピーカ等によって構成され、メモリ52に予め記憶される音声データを外部に出力するように構成されている。例えば、制御部51にて行われる決済処理の状況に応じて、「ありがとうございました」などの音声を出力するようになっている。また、外部インタフェース58は、読取装置20等の外部機器との間でネットワーク等を介してデータ通信を行うためのインタフェースとして構成されており、制御部51と協働して通信処理を行う構成をなしている。なお、外部インタフェース58は、「受信部」及び「上位装置側送信部」の一例に相当し得る。
【0036】
次に、読取装置20による読取処理、及び上位装置50による報知処理について説明する。
本実施形態では、読取システム10が適用された免税店において、商品購入時に輸出免税物品購入記録票を作成する際に、パスポート70の読取結果を利用して「報知すべき情報」の報知を行うように上記報知処理が行われる。ここで、上記報知すべき情報とは、読取装置20によるパスポート70の読み取りに起因して当該パスポート70の所持者等の報知対象者に向けて報知されるように予め設定された情報であり、本実施形態では、図5(A)〜(D)に例示するような輸出免税物品購入記録票に印刷される注意書き等の内容が相当する。なお、図5(A)〜(D)は、輸出免税物品購入記録票の一部であって、当該輸出免税物品購入記録票の取り扱いに関する注意書きが印刷されて報知される部分を示している。
【0037】
そして、上位装置50のメモリ52には、上記報知すべき情報を複数種類の言語で報知するための複数の言語別報知情報が対応する国別コード73にそれぞれ関連付けられて予め記憶されるデータベースが構築されている。上記言語別報知情報は、報知すべき情報を対応する国別コード73から特定された言語を用いて報知するための予め設定された情報であり、例えば報知すべき情報を特定された言語で表示するためのテキストデータや特定された言語でアナウンスするための音声データである。
【0038】
具体的には、メモリ52には、図6に示すように、上記輸出免税物品購入記録票の注意書きとして利用される日本語(現地語)の報知すべき情報が予め記憶されるとともに、その日本語と意味を同じくする複数の言語別報知情報が対応する国別コード73にそれぞれ関連付けられて予め記憶されている。なお、図6では、「USA」:アメリカ合衆国、「TWN」:台湾、「CHN」:中国、「KOR」:韓国の4種類の国別コード73と各国別コード73にそれぞれ関連付けられる言語別報知情報(「USA」:英語、「TWN」:中国語(簡体字)、「CHN」:中国語(繁体字)、「KOR」:韓国語)を示しており、他の種別の国別コード73およびその国別コード73に関連付けられる言語別報知情報を省略している。本構成では、メモリ52は、「記憶部」の一例に相当し、報知すべき情報を複数種類の言語で報知するための複数の言語別報知情報が対応する国別コード73にそれぞれ関連付けられて記憶されるように機能する。
【0039】
読取装置20によって国別コード73を読み取り、上位装置50によって報知を行う構成は、図7のような流れで処理が行われる。
まず、例えば読取装置20のキー操作部25に対して所定の操作がなされることで制御部21にて読取処理が開始され、読取装置20の視野範囲内に配置されたパスポート70の旅券情報72が撮像部43により撮像されることで、旅券情報72が上記OCR技術を用いて読み取られる(ステップS1)。
【0040】
次に、読取装置20がS1で読み取った旅券情報72を上位装置50に送信する(S2)。そして、上位装置50は、読取装置20から受信した旅券情報72に対して国別コード73の判別を行う(S3)。例えば、図2に示すように、旅券情報72に国別コード73として「USA」が含まれている場合には、旅券情報72からアメリカ合衆国を特定する「USA」の国別コード73を抽出する。
本構成では、撮像部43及び制御部21が「読取部」の一例に相当し、国別コード73を制御部21によって文字情報として認識することにより当該国別コード73を光学的に読み取るように機能する。
【0041】
次に、上位装置50は、受信した旅券情報72に含まれる国別コード73に基づいて国別対応言語に関する情報(言語別報知情報)がメモリ52に記憶されているか否か判定する(S4)。すなわち、上位装置50は、S3で抽出した国別コード73がメモリ52に言語別報知情報と対応付けられてデータベースに記憶されているか判定する。例えば、図2に示すように旅券情報72に国別コード73として「USA」が含まれている場合には、メモリ52に「USA」と、英語を用いた言語別報知情報と、が対応付けられて記憶されているため、S4でメモリ52に言語別報知情報が記憶されていると判定し、当該英語を用いた言語別報知情報を選択して、Yesに進む。そして、報知すべき情報を日本語で表現した文章と、報知すべき情報を国別対応言語(メモリ52に国別コード73と対応付けられて記憶される言語別報知情報で用いられる言語)で表現した文章と、を併記して帳票出力を実施する(S5)。例えば、プリンタ56によって、報知すべき情報を日本語で表現した文章と、当該報知すべき情報を英語で表現した文章と、を注意書きに印刷して図5(A)に示すような輸出免税物品購入記録票を作成する。この作成された輸出免税物品購入記録票により、報知すべき情報が印刷されて報知される。S5の処理が完了すると図7の処理を終了する。
【0042】
このように、旅券情報72に国別コード73として「USA」が含まれるパスポート70をアメリカ国籍の者が読取装置20に読み取らせることで、上位装置50のプリンタ56によって報知する際に用いる言語を英語として特定することができる。このように報知対象者の使用言語を特定でき、報知すべき情報が特定された使用言語や日本語(現地語)を除く他の多言語で印刷されることもないため、印刷媒体における限られた印刷領域に所望の言語(例えば英語)を用いた文章を大きな文字で見易く印刷することが可能となり、上記アメリカ国籍の者は報知すべき情報の内容を把握し易くなる。
【0043】
なお、上述したS3の処理において、旅券情報72に国別コード73として「TWN」が含まれていると判別される場合には、言語別報知情報がメモリ52に記憶されているため(S4でYes)、S5の処理において、報知すべき情報を日本語で表現した文章と、当該報知すべき情報を中国語の簡体字で表現した文章と、を注意書きに印刷して図5(B)に示すような輸出免税物品購入記録票を作成する。
【0044】
また、S3の処理において、旅券情報72に国別コード73として「CHN」が含まれていると判別される場合には、言語別報知情報がメモリ52に記憶されているため(S4でYes)、S5の処理において、報知すべき情報を日本語で表現した文章と、当該報知すべき情報を中国語の繁体字で表現した文章と、を注意書きに印刷して図5(C)に示すような輸出免税物品購入記録票を作成する。
【0045】
また、S3の処理において、旅券情報72に国別コード73として「KOR」が含まれていると判別される場合には、言語別報知情報がメモリ52に記憶されているため(S4でYes)、S5の処理において、報知すべき情報を日本語で表現した文章と、当該報知すべき情報を韓国語で表現した文章と、を注意書きに印刷して図5(D)に示すような輸出免税物品購入記録票を作成する。
【0046】
本構成では、制御部51が「選択部」の一例に相当し、メモリ52に記憶される複数の言語別報知情報のうち読取装置20の撮像部43及び制御部21により読み取られた国別コード73に関連付けられた言語別報知情報を選択するように機能する。
【0047】
一方で、S4の処理において、国別対応言語に関する情報(言語別報知情報)がメモリ52に記憶されていないと判定する場合には、Noに進み、日本語と標準言語を併記して帳票出力を実施する(S6)。ここで、標準言語とは、複数の言語別報知情報のうち予め設定された言語別報知情報に基づいてプリンタ56によって印刷される文章に用いられる言語である。例えば、報知すべき情報を日本語で表現した文章と、当該報知すべき情報を英語で表現した文章と、を注意書きに印刷して図5(A)に示すような輸出免税物品購入記録票を作成する。S6の処理が完了すると、図7の処理を終了する。
このように、報知される者にとって理解可能な言語を特定できないような場合には、比較的に使用人口が多い言語(例えば英語)によって報知する構成とすることで、当該報知される者に対して報知すべき情報を理解させる確率を高めることができる。
【0048】
本構成では、プリンタ56が「報知部」の一例に相当し、制御部51によって選択された言語別報知情報を用いて報知すべき情報を印刷媒体に印刷して報知するように機能する。
【0049】
以上説明したように、本第1実施形態では、読取システム10が、読取装置20と、当該読取装置20と通信可能な上位装置50と、を備えている。また、読取装置20が、撮像部43及び制御部21と、当該読取部によって読み取られた国別コード73を上位装置50に送信する外部インタフェース28と、を備えている。また、上位装置50が、外部インタフェース28から送信された国別コード(言語特定情報)73を受信する外部インタフェース58と、複数の言語別報知情報が対応する国別コード73にそれぞれ関連付けられて記憶されるメモリ52と、読取装置20により読み取られた国別コード73に関連付けられた言語別報知情報を選択する制御部51と、を備えている。そして、上位装置50は、制御部51によって選択された言語別報知情報を用いて報知すべき情報を報知するためのプリンタ56を備えている。
【0050】
このような構成では、パスポート70の国別コード73を読取装置20に読み取らせることで、報知すべき情報をプリンタ56によって報知する際に用いる言語を特定することができる。そして、読み取られた国別コード73で特定される言語で報知すべき情報が報知されるため、報知される者は、理解可能な言語を特定する国別コード73が記録されるパスポート70を読取装置20に読み取らせることで、報知すべき情報の内容を把握し易くなる。すなわち、報知される者にとって報知すべき情報の把握において不要な言語による報知を抑制することができ、読取装置20から報知される者に対する情報伝達量を低減して、内容把握の妨げとならないように効率良く報知すべき情報を伝えることができる。
【0051】
また、パスポート70には、国別コード73が表示されることで当該国別コード73が記録され、読取装置20は、パスポート70に表示された国別コード73を撮像する撮像部43と、撮像部43によって撮像された画像から国別コード73を文字情報として認識する制御部21と、を備え、国別コード73を制御部21によって文字情報として認識することにより光学的に読み取る構成となっている。
このような構成では、パスポート70自体に国別コード73を表示することで国別コード73が読取装置20によって読取可能となるため、国別コード73を読取装置20にキー操作部25を操作する等によって手入力する構成に比べて、国別コード73の入力作業が格段に容易になる。
【0052】
また、プリンタ56によって、制御部51により選択された言語別報知情報と、複数の言語別報知情報のうち予め設定された言語別報知情報(現地語を用いて報知するための予めメモリ22に記憶された情報であり、図7の処理においては日本語を用いた情報)と、を用いて報知すべき情報を印刷して報知する構成となっている。
このような構成によって、予め設定された言語別報知情報(現地語を用いた言語別報知情報)によっても報知すべき情報を報知するため、予め設定された言語別報知情報に関する言語(現地語)を理解可能な者に対しても報知すべき情報を把握させ易くなる。
【0053】
また、プリンタ56は、制御部51によって選択された言語別報知情報を用いて報知すべき情報を印刷媒体に印刷して報知する構成となっている。
このような構成によって、日本語以外の複数種類の言語を用いて報知すべき情報が併記されるように印刷される構成に比べて、個人にとって不要な言語を用いて表現された報知すべき情報を読む必要がなくなり、報知すべき情報の把握が容易になる。また、印刷領域が有限である印刷媒体において、制御部51によって選択された言語別報知情報以外の言語別報知情報に基づいた文章の印刷が不要となり、印刷領域を有効に利用することができる。
【0054】
次に、第1実施形態の第1変形例について説明する。
上記第1実施形態において、読取装置20が、撮像部43によって記録媒体の言語特定情報を撮像し、OCR技術を用いて認識することにより言語特定情報を光学的に読み取る構成を例示したが、記録媒体から無線タグ75を介した非接触通信によって当該無線タグ75に記録された言語特定情報を読み取る構成としてもよい。ここで、記録媒体として、例えば、無線タグ75が設けられたパスポート70を採用することができ、当該無線タグ75には言語特定情報として国別コード73を含んだ旅券情報72が記録される構成とする。また、例えば、図2に示すように、無線タグ75が、パスポート70の表示面71を一方の面に備えるページとは異なる厚紙のページに埋め込まれる構成であってもよい。本構成では、無線タグ処理部30及びアンテナ34が「読取部」の一例に相当し得る。
このような構成であっても、読み取られた国別コード73で特定される言語で報知すべき情報が報知されるため、報知される者は、理解可能な言語を特定する国別コード73が記録されるパスポート70を読取装置20に読み取らせることで、報知すべき情報の内容を把握し易くなる。また、無線タグ処理部30及びアンテナ34は無線タグ75との間で非接触通信によって国別コード73を読み取るため、国別コード73をパスポート70から光学的に読み取る場合に比べて、遮蔽物等に影響され難く、国別コード73の確実な読み取りを実現できる。
【0055】
次に、第1実施形態の第2変形例について説明する。
上記第1実施形態において、報知すべき情報を表現した文章をプリンタ56で印刷して帳票出力する構成(図7のS5,S6)を例示したが、このような処理に加えて、報知すべき情報の報知をスピーカ57による音声出力や表示部54による画像表示によって行ってもよい。例えば、スピーカ57及び表示部54によって報知すべき情報を報知する場合、図8のような流れで処理が行われる。なお、S11〜S14の処理は、上記第1実施形態の構成で行われる処理における図7のS1〜S4の処理と同じである。このような構成では、報知すべき情報を所定の言語で表現した音声データ及びテキストデータが言語別報知情報に相当し、国別コード73と対応付けられてメモリ52に記憶されている。また、メモリ52には、報知すべき情報を日本語で発声する音声データ、及び当該報知すべき情報を日本語の文章で表現するテキストデータ等も記憶されている。
【0056】
図8のS14の処理においてYesと判定する場合、日本語と国別対応言語を用いてスピーカ57による音声通知を実施する(S15)。例えば、S13で抽出した国別コードが「USA」である場合には、メモリ52に「USA」と対応付けられて記憶されている音声データに基づいて、スピーカ57によって報知すべき情報を日本語と英語で音声出力する。次に、日本語と国別対応言語を用いて表示部54による画像表示を実施する(S16)。例えば、S13で抽出した国別コードが「USA」である場合には、メモリ52に「USA」と対応付けられて記憶されているテキストデータに基づいて、表示部54によって報知すべき情報を日本語と英語で表現した文章を画像表示する構成である。また、S17の処理は、図7のS5の処理と同じであり、S17の処理が完了すると図8の処理が終了する。
このような構成では、表示部54及びスピーカ57が「報知部」の一例に相当し、制御部51によって選択された言語別報知情報を用いて報知すべき情報をそれぞれ画像表示及び音声出力によって報知するように機能する。
【0057】
一方で、図8のS14の処理においてNoと判定する場合において、標準音声として用いる言語を予め英語としてメモリ52に記憶する構成であれば、スピーカ57によって報知すべき情報を英語で音声出力する(S18)。そして、標準音声として用いる言語を予め英語としてメモリ52に記憶する構成であれば、表示部54によって報知すべき情報を英語で表現した文章を画像表示する(S19)。また、S20の処理は、図7のS6の処理と同じであり、S6の処理が完了すると図8の処理が終了する。
【0058】
本構成では、表示部54及びスピーカ57は、制御部51によって選択された言語別報知情報を用いて報知すべき情報をそれぞれ画像表示及び音声出力によって報知する構成となっている。
このような構成によって、制御部51により選択された言語別報知情報に基づく画像表示及び出力音声の少なくともいずれかのみを見たり聞いたりすることができ、報知すべき情報の把握が容易になる。
【0059】
また、図8のS15,S18の処理において、スピーカ57による報知すべき情報の報知の代わりに、パスポート70の読み取りや報知すべき情報の報知に関する内容をスピーカ57による音声出力によって伝える構成であってもよい。例えば、スピーカ57による音声出力は、「ありがとうございました」等の挨拶や、「帳票が印刷されます」等の注意アナウンスを音声で出力することによって行われてもよい。同様に、図8のS16,S19の処理において、表示部54による報知すべき情報の報知の代わりに、パスポート70の読み取りや報知すべき情報の報知に関する内容を表示部54による画像表示によって伝える構成であってもよい。例えば、表示部54による画像表示は、「ありがとうございました」等の挨拶文や、「帳票が印刷されます」等の注意アナウンスの文章を表示することによって行われてもよい。
【0060】
なお、上記第1実施形態の第2変形例では、プリンタ56による帳票の印刷に伴ってスピーカ57による音声出力や表示部54による画像表示によって報知すべき情報を報知する構成を例示したが、スピーカ57及び表示部54のうちのいずれか一方によって報知する構成であってもよい。また、プリンタ56による報知の代わりに、スピーカ57及び表示部54のうちの少なくとも一方によって報知する構成であってもよい。
【0061】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
第2実施形態は、読取装置20が、上位装置50を介さずに報知すべき情報を報知する点が上記第1実施形態と異なる。すなわち、読取装置20が、パスポート70から国別コード73を読み取り、当該国別コード73に基づいて報知すべき情報を所定の言語で報知するための言語別報知情報を選択する。そして、読取装置20は、選択した言語別報知情報を用いて報知すべき情報を報知するようになっている。また、第2実施形態に係る読取装置は、ハードウェア構成については第1実施形態の読取システム10が備える読取装置20と同様であり、同一の符号を付し、ハードウェア構成の詳細な説明は省略する。ここで、読取装置20のメモリ22には、第1実施形態と同様に、図6に示すような、報知すべき情報と、国別コード73と言語別報知情報とが対応付けられたデータベースと、が記憶されている構成とする。また、読取装置20は、上位装置50のプリンタ56と同様の構成のプリンタを備えている。また、本第2実施形態では、読取装置20において、メモリ22が「記憶部」の一例に相当し、制御部21が「選択部」の一例に相当し、表示部24、スピーカ27、及び上記プリンタが「報知部」の一例に相当する。
【0062】
次に、読取装置20によって行われる読取処理及び報知処理について説明する。本第2実施形態では、読取装置20が、パスポート70から旅券情報72を読み取ると共に、読み取った旅券情報72に基づいて報知すべき情報を報知する構成である。読取装置20によって読取及び報知を行う構成は、図9のような流れで処理が行われる。
まず、例えば読取装置20のキー操作部25に対して所定の操作がなされることで制御部21にて読取処理が開始され、読取装置20の視野範囲内に配置されたパスポート70の旅券情報72が撮像部43により撮像されることで、旅券情報72が上記OCR技術を用いて読み取られる(ステップS31)。ここで、第1実施形態と同様に、図2に示すようなパスポート70が表示媒体となる場合、パスポート70の旅券情報72が、撮像部43によって撮像された旅券情報72が上記OCR技術を用いて認識される。なお、上記第1実施形態の第1変形例の構成と同様に、無線タグ75を介して非接触通信によって旅券情報72を読み取ってもよい。
【0063】
次に、読取装置20は、読み取った旅券情報72から国別コード73を判別する(S32)。例えば、図2に示すように、旅券情報72に「USA」の文字列73が含まれている場合には、旅券情報72からアメリカ合衆国を特定する「USA」の国別コード73を抽出する。
【0064】
次に、読取装置20は、読み取った旅券情報72に含まれる国別コード73に基づいて国別対応言語に関する情報(言語別報知情報)がメモリ22に記憶されているか否か判定する(S33)。すなわち、読取装置20は、S32で抽出した国別コード73がメモリ22に言語別報知情報と対応付けられてデータベースに記憶されているか判定する。
【0065】
例えば、図2に示すように旅券情報72に国別コード73として「USA」が含まれている場合には、メモリ22に「USA」と、英語を用いた言語別報知情報と、が対応付けられて記憶されているため、S33でメモリ22に言語別報知情報が記憶されていると判定し、当該英語を用いた言語別報知情報を選択して、Yesに進む。そして、日本語と国別対応言語とを併記して帳票出力を実施する(S34)。例えば、報知すべき情報を日本語で表現した文章と、当該報知すべき情報を英語で表現した文章と、を注意書きに印刷して図5(A)に示すような輸出免税物品購入記録票を作成する。S34の処理が完了すると図9の報知処理を終了する。
【0066】
なお、上述したS33の処理において、旅券情報72に国別コード73として「TWN」が含まれていると判別される場合には、S34で、報知すべき情報を日本語と中国語の簡体字で表現した文章を注意書きに印刷して図5(B)に示すような輸出免税物品購入記録票を作成する。また、上述したS33の処理において、旅券情報72に国別コード73として「CHN」が含まれていると判別される場合には、S34で、報知すべき情報を日本語と中国語の繁体字で表現した文章を注意書きに印刷して図5(C)に示すような輸出免税物品購入記録票を作成する。また、上述したS33の処理において、旅券情報72に国別コード73として「KOR」が含まれていると判別される場合には、S34で、報知すべき情報を日本語と韓国語の簡体字で表現した文章を注意書きに印刷して図5(D)に示すような輸出免税物品購入記録票を作成する。
【0067】
一方で、S33の処理において、国別対応言語に関する情報(言語別報知情報)がメモリ22に記憶されていないと判定する場合には、Noに進み、日本語と標準言語を併記して帳票出力を実施する(S35)。例えば、報知すべき情報を日本語で表現した文章と、当該報知すべき情報を英語で表現した文章と、を注意書きに印刷して図5(A)に示すような輸出免税物品購入記録票を作成する。S35の処理が完了すると図9の報知処理を終了する。
【0068】
以上説明したように、本第2実施形態では、読取装置20において、撮像部43及び制御部21が、言語を特定する国別コード73が記録されるパスポート70から国別コード73を読み取り、制御部21が、メモリ22に記憶される複数の言語別報知情報のうち読取部により読み取られた国別コード73に関連付けられた言語別報知情報を選択する構成である。そして、プリンタは、制御部21によって選択された言語別報知情報を用いて報知すべき情報を報知する構成となっている。
このような構成では、上位装置50を介することなく読取装置20自身によって報知処理が行われるため、上位装置50と情報のやり取りに関する通信が不要となり、迅速な報知処理を行うことができる。
【0069】
次に、第2実施形態の変形例について説明する。
上記第1実施形態の第2変形例と同様に、上記第2実施形態においても、プリンタによる報知処理(図9のS34,S35の処理)の前に、スピーカ27による音声出力の処理(図8のS15,S18と同様の処理)や表示部24による画像表示の処理(図8のS16,S19と同様の処理)を加えた構成であってもよい。あるいは、プリンタによる報知の代わりに、スピーカ27及び表示部24のうちの少なくとも一方によって報知する構成であってもよい。なお、出力する音声によって表現される内容や画像による表示内容は、上記第1実施形態の第2変形例と同様である。
このような構成では、表示部24及びスピーカ27が「報知部」の一例に相当し、制御部21によって選択された言語別報知情報を用いて報知すべき情報をそれぞれ画像表示及び音声出力によって報知するように機能する。
【0070】
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0071】
上記第1,2実施形態において、「記録媒体」の一例としてパスポート70を示したが、言語を特定する国別コード73が記録される構成であればその他の構成であってもよい。例えば、記録媒体は、観光地などの施設において利用されるイヤホンガイドに関するシステムにおいて、携帯端末に送信されるガイダンス説明で使用される言語を、記録された国別コード73の種類に応じて変更する所定のカード(例えばIDカード)であってもよい。この場合、サービスの提供を受ける者が、予め自身が理解可能な言語を特定する情報である国別コード73が記録されたIDカードを所持し、読取装置に当該IDカードの国別コード73を読み取らせることで、当該読取装置やその上位装置が携帯端末に国別コード73に対応付けられた言語を用いた音声を報知すべき情報として送信させることができる。
また、「記録媒体」は、一般的に使用されている電子マネーカードや乗車券等として用いるICカードや、運転免許証や住民基本台帳カード等の識別情報が記録されるカードであってもよい。これらのカードを利用してサービスを提供するようなシステムにおいて、これらのカードに記録されている国別コード73を読み取ることで、当該サービスの提供時に国別コード73で特定される言語を用いて所望の報知すべき情報を報知する構成とすることもできる。
【0072】
上記第1実施形態の第1変形例において、記録媒体に無線タグ75を設け、読取装置20が、無線タグ処理部30を介して非接触通信で言語特定情報を読み取り可能な構成を示したが、記録媒体に無線タグ75を設けることなく、読取装置20が、記録媒体からOCR技術を用いて言語特定情報を読み取る構成(撮像部43を用いた撮像によって言語特定情報を光学的に読み取る構成)としてもよい。
このような構成では、記録媒体自体に言語特定情報を表示することで言語特定情報が撮像部43及び制御部21によって読取可能となるため、言語特定情報を電磁気的に記録するような複雑な構成とする必要がなく、記録媒体を簡素な構造とすることができる。
【0073】
上記第1,2実施形態において、帳票出力による報知で、図5に示すような輸出免税物品購入記録票を作成する構成を例示したが、帳票出力による報知は、このような輸出免税物品購入記録票の作成に限られない。例えば、輸出免税物品購入記録票の作成以外にも、図10に示すような購入者誓約書を作成して報知する構成であってもよい。このような構成では、パスポート70から読み取った旅券情報に含まれる国別コードが「USA」の場合、報知すべき情報を日本語で表現した文章と、当該報知すべき情報を英語で表現した文章と、を注意書きに印刷して、図10(A)に示すような購入者誓約書を作成する。なお、図10(A)では、英語の文章のイメージを複数の記号○の列によって示している。同様に、国別コードが「TWN」の場合、報知すべき情報を日本語で表現した文章と、当該報知すべき情報を中国語の簡体字で表現した文章と、を注意書きに印刷して図10(B)に示すような購入者誓約書を作成する。なお、図10(B)では、中国語の簡体字の文章のイメージを複数の記号△の列によって示している。同様に、国別コードが「CHN」の場合、報知すべき情報を日本語で表現した文章と、当該報知すべき情報を中国語の繁体字で表現した文章と、を注意書きに印刷して図10(C)に示すような購入者誓約書を作成する。なお、図10(C)では、中国語の繁体字の文章のイメージを複数の記号×の列によって示している。同様に、国別コードが「KOR」の場合、報知すべき情報を日本語で表現した文章と、当該報知すべき情報を韓国語で表現した文章と、を注意書きに印刷して図10(D)に示すような購入者誓約書を作成する。なお、図10(D)では、韓国語の文章のイメージを複数の記号□の列によって示している。
【0074】
また、上記第1実施形態の第2変形例において、スピーカ57や表示部54が互いに異なる場所に複数設けられる構成であってもよい。例えば、上位装置50が備える複数の表示部54のうちの1つが商品を置いて接客可能な構成の接客テーブル上の販売員側で販売員に向かって表示するように設けられ、他の1つがパスポート70を所持する購入者側で当該購入者に向かって表示するように設けられる構成であってもよい。
このような構成によって、それぞれ異なる場所において同じ報知すべき情報を報知することができ、1つの場所で報知する場合に比べて、より広い範囲に報知すべき情報を行き渡らせ易くなる。
また、上記第2実施形態の第2変形例においても同様に、スピーカ27、表示部24を互いに異なる場所に複数設ける構成であってもよい。
【0075】
また、上記第1実施形態の第2変形例において、スピーカ57及び表示部54による報知に伴い、これらの構成によって報知される報知すべき情報を、複数の言語別報知情報のうち予め定められた言語別報知情報を用いて報知する第2スピーカ及び第2表示部を備える構成としてもよい。
このような構成によって、第2スピーカ及び第2表示部は、スピーカ57及び表示部54によって報知される報知すべき情報と同じ情報を、予め定められた言語によって報知する構成であるため、スピーカ57及び表示部54と第2スピーカ及び第2表示部とにおいて報知対象者が異なる場合であっても、それぞれが理解し易い言語で報知すべき情報を報知することが可能となる。
また、上記第2実施形態においても同様に、上記第2プリンタと同様の構成の第2プリンタを備える構成としてもよい。また、上記第2実施形態の変形例においても同様に、上記第2スピーカ、及び第2表示部と同様の構成の第2スピーカ、及び第2表示部を備える構成としてもよい。
これらの構成では、第2スピーカ、第2表示部、及び第2プリンタが「第2報知部」の一例に相当し得る。
【0076】
また、上記第1実施形態において、プリンタ56によって報知を行う構成を例示したが、プリンタ56による報知と共に、或いはプリンタ56による報知の代わりに携帯端末によって報知を行う構成であってもよい。なお、携帯端末は、公知の携帯端末(例えば携帯電話機、スマートフォン、その他の携帯側情報処理端末等)によって構成され、制御部やスピーカ、画像表示部、通信インタフェース等を備えている。例えば、読取システム10の報知処理における図7のS5の処理で、上位装置50が携帯端末に言語別報知情報を送信し、携帯端末が受信した当該言語別報知情報に基づいてスピーカによって音声出力し、画像表示部によって画像表示する構成であってもよい。本構成では、スピーカ、画像表示部が「報知部」の一例に相当し、通信インタフェースが「携帯端末側受信部」の一例に相当し得る。
このような構成によって、読取装置20や上位装置50から離れた場所にいる者であっても、上位装置50の制御部51により選択された言語別報知情報を用いて報知すべき情報が携帯端末によって報知されるため、報知すべき情報をより一層把握し易くなる。
なお、このような構成は、上記第2実施形態においても適用できる。
【0077】
また、上記第1,2実施形態では、報知すべき情報の報知処理において、日本語も用いる構成を示したが、国別対応言語や標準言語のみを用いて報知する構成であってもよい。例えば、上記第1実施形態では、図7のS5の処理において、報知すべき情報を国別対応言語(メモリ52に国別コード73と対応付けられて記憶される言語別報知情報で用いられる言語)で表現した文章をプリンタ56で印刷して帳票出力を実施する構成である。
【0078】
また、上記第1,2実施形態において、読取装置20の構成は、図11に示すように、箱状の形態で、アタッチメント80が組付けられるような構成であってもよい。読取装置20は、ケース20aを備え、当該ケース20aの上面に読取口20bが形成されている。アタッチメント80は、国別コード73を撮像する際にパスポート70を載置するための載置台として機能する情報読取装置用アタッチメントであり、読取装置20に対して着脱可能に形成されている。また、アタッチメント80は、読取装置20に組み付けられる基部81と、パスポート70が載置される載置部82と、この載置部82を基部81に対して支持する4つの支持部材83〜86とを一体にして備えている。また、載置部82には、載置されたパスポート70に対して位置決め手段として機能する位置決め部87,88が設けられている。そして、読取装置20に対してパスポート70の国別コード73を読み取らせる場合、パスポート70の縁が位置決め部87,88に接触することで、当該パスポート70の国別コード73が読取装置20の上面に形成された読取口20bの中央に対向するように位置決めされることになる。このような構成によって、読取口20bに対して国別コード73を撮像可能な状態でパスポート70を容易に載置することができ、読取性能も向上させることができる。
【符号の説明】
【0079】
10…情報読取システム
20…情報読取装置
21…制御部(認識部、読取部、選択部)
30…無線タグ処理部(非接触通信部、読取部)
34…アンテナ(非接触通信部、読取部)
43…撮像部(読取部)
50…上位装置
51…制御部(選択部) 52…メモリ(記憶部) 54…表示部(報知部)
56…プリンタ(報知部) 57…スピーカ(報知部)
70…パスポート(記録媒体)
図1
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図11