(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6867213
(24)【登録日】2021年4月12日
(45)【発行日】2021年4月28日
(54)【発明の名称】自転車用バッテリホルダ
(51)【国際特許分類】
B62M 6/90 20100101AFI20210419BHJP
B62J 43/28 20200101ALI20210419BHJP
B62M 6/55 20100101ALI20210419BHJP
【FI】
B62M6/90
B62J43/28
B62M6/55
【請求項の数】30
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-75097(P2017-75097)
(22)【出願日】2017年4月5日
(65)【公開番号】特開2018-176839(P2018-176839A)
(43)【公開日】2018年11月15日
【審査請求日】2019年4月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】西原 大平
【審査官】
伊藤 秀行
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−331982(JP,A)
【文献】
特開平08−053095(JP,A)
【文献】
特開2001−088769(JP,A)
【文献】
特開2017−024700(JP,A)
【文献】
特開2002−068071(JP,A)
【文献】
特開2001−115717(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62M 6/90
B62M 6/55
B62J 43/28
B62J 9/00
B62J 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリユニットの一端部を保持する本体部と、
前記本体部に設けられるフレーム取付部と、を含み、
前記フレーム取付部は、自転車の推進をアシストするモータを含むドライブユニットを自転車のフレームのドライブユニット装着部に取り付けるための取付部材によって、前記フレームに取り付け可能に構成され、
前記取付部材は、前記ドライブユニットに係合可能な係合部を含み、
前記フレーム取付部は、前記係合部に支持されるように構成され、前記係合部が挿入される孔を含み、
前記係合部は、前記ドライブユニットに係合可能な第1ねじ部を含み、
前記孔の内壁部は、前記第1ねじ部と結合可能な雌ねじ部を含む、自転車用バッテリホルダ。
【請求項2】
バッテリユニットの一端部を保持する本体部と、
前記本体部に設けられるフレーム取付部と、を含み、
前記フレーム取付部は、自転車の推進をアシストするモータを含むドライブユニットを自転車のフレームに取り付けるための取付部材によって、前記フレームに取り付け可能に構成され、
前記取付部材は、前記ドライブユニットに係合可能な係合部を含み、
前記フレーム取付部は、前記係合部に支持されるように構成され、前記係合部が挿入される孔を含み、
前記係合部は、前記ドライブユニットに係合可能な第1ねじ部を含み、
前記孔の内壁部は、前記第1ねじ部と結合可能な雌ねじ部を含む、自転車用バッテリホルダ。
【請求項3】
バッテリユニットの一端部を保持する本体部と、
前記本体部に設けられるフレーム取付部と、を含み、
前記フレーム取付部は、自転車の推進をアシストするモータを含むドライブユニットを自転車のフレームのドライブユニット装着部に取り付けるための取付部材によって、前記フレームに取り付け可能に構成され、
前記取付部材は、前記ドライブユニットに係合可能な係合部を含み、
前記フレーム取付部は、前記係合部に支持されるように構成され、前記係合部が挿入される孔を含み、
前記係合部は、
前記ドライブユニットに係合可能な第1ねじ部と、
前記第1ねじ部が前記孔に挿入された状態で、前記第1ねじ部に結合可能な第2ねじ部と、を含む、自転車用バッテリホルダ。
【請求項4】
バッテリユニットの一端部を保持する本体部と、
前記本体部に設けられるフレーム取付部と、を含み、
前記フレーム取付部は、自転車の推進をアシストするモータを含むドライブユニットを自転車のフレームに取り付けるための取付部材によって、前記フレームに取り付け可能に構成され、
前記取付部材は、前記ドライブユニットに係合可能な係合部を含み、
前記フレーム取付部は、前記係合部に支持されるように構成され、前記係合部が挿入される孔を含み、
前記係合部は、
前記ドライブユニットに係合可能な第1ねじ部と、
前記第1ねじ部が前記孔に挿入された状態で、前記第1ねじ部に結合可能な第2ねじ部と、を含む、自転車用バッテリホルダ。
【請求項5】
前記フレーム取付部は、前記孔の延びる方向に間隔を開けて配置される第1取付部分および第2取付部分を含み、
前記第1取付部分および前記第2取付部分のそれぞれに、前記孔が形成される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の自転車用バッテリホルダ。
【請求項6】
バッテリユニットの一端部を保持する本体部と、
前記本体部に設けられるフレーム取付部と、を含み、
前記フレーム取付部は、自転車の推進をアシストするモータを含むドライブユニットを自転車のフレームのドライブユニット装着部に取り付けるための取付部材によって、前記フレームに取り付け可能に構成され、
前記取付部材は、前記ドライブユニットに係合可能な係合部を含み、
前記フレーム取付部は、前記係合部に支持されるように構成され、前記係合部が挿入される孔を含み、前記孔の延びる方向に間隔を開けて配置される第1取付部分および第2取付部分を含み、
前記第1取付部分および前記第2取付部分のそれぞれに、前記孔が形成され、
前記取付部材は、第1取付部材および第2取付部材を含み、
前記第1取付部分は、前記第1取付部材に支持可能に構成され、
前記第2取付部分は、前記第2取付部材に支持可能に構成される、自転車用バッテリホルダ。
【請求項7】
バッテリユニットの一端部を保持する本体部と、
前記本体部に設けられるフレーム取付部と、を含み、
前記フレーム取付部は、自転車の推進をアシストするモータを含むドライブユニットを自転車のフレームに取り付けるための取付部材によって、前記フレームに取り付け可能に構成され、
前記取付部材は、前記ドライブユニットに係合可能な係合部を含み、
前記フレーム取付部は、前記係合部に支持されるように構成され、前記係合部が挿入される孔を含み、前記孔の延びる方向に間隔を開けて配置される第1取付部分および第2取付部分を含み、
前記第1取付部分および前記第2取付部分のそれぞれに、前記孔が形成され、
前記取付部材は、第1取付部材および第2取付部材を含み、
前記第1取付部分は、前記第1取付部材に支持可能に構成され、
前記第2取付部分は、前記第2取付部材に支持可能に構成される、自転車用バッテリホルダ。
【請求項8】
前記フレーム取付部は、前記ドライブユニットに設けられる凹部に少なくとも一部が配置可能に構成される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の自転車用バッテリホルダ。
【請求項9】
バッテリユニットの一端部を保持する本体部と、
前記本体部に設けられるフレーム取付部と、を含み、
前記フレーム取付部は、自転車の推進をアシストするモータを含むドライブユニットを自転車のフレームのドライブユニット装着部に取り付けるための取付部材によって、前記フレームに取り付け可能に構成され、
前記フレーム取付部は、前記ドライブユニットに設けられる凹部に少なくとも一部が配置可能に構成される、自転車用バッテリホルダ。
【請求項10】
前記取付部材は、前記ドライブユニットに係合可能な係合部を含み、
前記フレーム取付部は、前記係合部に支持されるように構成される、請求項9に記載の自転車用バッテリホルダ。
【請求項11】
バッテリユニットの一端部を保持する本体部と、
前記本体部に設けられるフレーム取付部と、を含み、
前記フレーム取付部は、自転車の推進をアシストするモータを含むドライブユニットを自転車のフレームに取り付けるための取付部材によって、前記フレームに取り付け可能に構成され、
前記取付部材は、前記ドライブユニットに係合可能な係合部を含み、
前記フレーム取付部は、前記係合部に支持されるように構成され、
前記フレーム取付部は、前記ドライブユニットに設けられる凹部に少なくとも一部が配置可能に構成される、自転車用バッテリホルダ。
【請求項12】
前記フレーム取付部は、前記係合部が挿入される孔を含む、請求項10または11に記載の自転車用バッテリホルダ。
【請求項13】
前記孔は、前記フレーム取付部が前記係合部に支持された状態で、前記ドライブユニットに設けられるクランク軸に沿って延びる、請求項12に記載の自転車用バッテリホルダ。
【請求項14】
バッテリユニットの一端部を保持する本体部と、
前記本体部に設けられるフレーム取付部と、を含み、
前記フレーム取付部は、自転車の推進をアシストするモータを含むドライブユニットを自転車のフレームに取り付けるための取付部材によって、前記フレームに取り付け可能に構成され、
前記フレーム取付部は、前記ドライブユニットに設けられる凹部に少なくとも一部が配置可能に構成される、自転車用バッテリホルダ。
【請求項15】
バッテリユニットの一端部を保持する本体部と、
前記本体部に設けられるフレーム取付部と、を含み、
前記フレーム取付部は、自転車の推進をアシストするモータを含むドライブユニットを自転車のフレームに取り付けるための取付部材によって、前記フレームに取り付け可能に構成され、
前記フレーム取付部には、線状部材を配置可能な溝が形成される、自転車用バッテリホルダ。
【請求項16】
前記本体部は、前記フレーム取付部とは異なる位置に設けられ、前記ドライブユニットに接触可能な第1接触部を含む、請求項1〜15のいずれか一項に記載の自転車用バッテリホルダ。
【請求項17】
バッテリユニットの一端部を保持する本体部と、
前記本体部に設けられるフレーム取付部と、を含み、
前記フレーム取付部は、自転車の推進をアシストするモータを含むドライブユニットを自転車のフレームのドライブユニット装着部に取り付けるための取付部材によって、前記フレームに取り付け可能に構成され、
前記本体部は、前記フレーム取付部とは異なる位置に設けられ、前記ドライブユニットに接触可能な第1接触部を含む、自転車用バッテリホルダ。
【請求項18】
バッテリユニットの一端部を保持する本体部と、
前記本体部に設けられるフレーム取付部と、を含み、
前記フレーム取付部は、自転車の推進をアシストするモータを含むドライブユニットを自転車のフレームに取り付けるための取付部材によって、前記フレームに取り付け可能に構成され、
前記取付部材は、前記ドライブユニットに係合可能な係合部を含み、
前記フレーム取付部は、前記係合部に支持されるように構成され、
前記本体部は、前記フレーム取付部とは異なる位置に設けられ、前記ドライブユニットに接触可能な第1接触部を含む、自転車用バッテリホルダ。
【請求項19】
バッテリユニットの一端部を保持する本体部と、
前記本体部に設けられるフレーム取付部と、を含み、
前記フレーム取付部は、自転車の推進をアシストするモータを含むドライブユニットを自転車のフレームに取り付けるための取付部材によって、前記フレームに取り付け可能に構成され、
前記本体部は、前記フレーム取付部とは異なる位置に設けられ、前記ドライブユニットに接触可能な第1接触部を含む、自転車用バッテリホルダ。
【請求項20】
前記第1接触部は、弾性部材を含む、請求項17〜19のいずれか一項に記載の自転車用バッテリホルダ。
【請求項21】
前記フレーム取付部には、線状部材を配置可能な溝が形成される、請求項1〜20のいずれか一項に記載の自転車用バッテリホルダ。
【請求項22】
バッテリユニットの一端部を保持する本体部と、
前記本体部に設けられるフレーム取付部と、を含み、
前記フレーム取付部は、自転車の推進をアシストするモータを含むドライブユニットを自転車のフレームのドライブユニット装着部に取り付けるための取付部材によって、前記フレームに取り付け可能に構成され、
前記フレーム取付部には、線状部材を配置可能な溝が形成される、自転車用バッテリホルダ。
【請求項23】
バッテリユニットの一端部を保持する本体部と、
前記本体部に設けられるフレーム取付部と、を含み、
前記フレーム取付部は、自転車の推進をアシストするモータを含むドライブユニットを自転車のフレームに取り付けるための取付部材によって、前記フレームに取り付け可能に構成され、
前記取付部材は、前記ドライブユニットに係合可能な係合部を含み、
前記フレーム取付部は、前記係合部に支持されるように構成され、
前記フレーム取付部には、線状部材を配置可能な溝が形成される、自転車用バッテリホルダ。
【請求項24】
前記フレームに対する前記本体部の角度を変更可能な角度調整機構をさらに含む、請求項1〜23のいずれか一項に記載の自転車用バッテリホルダ。
【請求項25】
バッテリユニットの一端部を保持する本体部と、
前記本体部に設けられるフレーム取付部と、を含み、
前記フレーム取付部は、自転車の推進をアシストするモータを含むドライブユニットを自転車のフレームのドライブユニット装着部に取り付けるための取付部材によって、前記フレームに取り付け可能に構成され、
前記フレームに対する前記本体部の角度を変更可能な角度調整機構をさらに含む、自転車用バッテリホルダ。
【請求項26】
バッテリユニットの一端部を保持する本体部と、
前記本体部に設けられるフレーム取付部と、を含み、
前記フレーム取付部は、自転車の推進をアシストするモータを含むドライブユニットを自転車のフレームに取り付けるための取付部材によって、前記フレームに取り付け可能に構成され、
前記取付部材は、前記ドライブユニットに係合可能な係合部を含み、
前記フレーム取付部は、前記係合部に支持されるように構成され、
前記フレームに対する前記本体部の角度を変更可能な角度調整機構をさらに含む、自転車用バッテリホルダ。
【請求項27】
前記本体部は、前記バッテリユニットの一端部に接触可能な第2接触部を含み、
前記第2接触部は、弾性部材を含む、請求項1〜26のいずれか一項に記載の自転車用バッテリホルダ。
【請求項28】
前記本体部に設けられ、前記バッテリユニットに接続されるコネクタをさらに含む、請求項1〜27のいずれか一項に記載の自転車用バッテリホルダ。
【請求項29】
前記本体部の少なくとも一部は、前記フレームに形成される収容部に収容可能に構成される、請求項1〜28のいずれか一項に記載の自転車用バッテリホルダ。
【請求項30】
前記ドライブユニットは、前記自転車のクランク軸まわりに配置され、
前記本体部は、前記フレームに沿って配置される前記バッテリユニットを支持可能に構成される、請求項1〜29のいずれか一項に記載の自転車用バッテリホルダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自転車用バッテリホルダに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示される自転車
用バッテリホルダは、自転車のフレームに取り付けられて用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】独国特許出願公開第102011005520号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記自転車用バッテリホルダでは、自転車用バッテリホルダとドライブユニットとを近づけて配置しにくい。
本発明の目的は、ドライブユニットに近づけて配置しやすい自転車用バッテリホルダを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1側面に従う自転車用バッテリホルダの一形態は、バッテリユニットの一端部を保持する本体部と、前記本体部に設けられるフレーム取付部と、を含み、前記フレーム取付部は、自転車の推進をアシストするモータを含むドライブユニットを自転車のフレームに取り付けるための取付部材によって、前記フレームに取り付け可能に構成される。
上記第1側面に従えば、ドライブユニットを自転車のフレームに取り付けるための取付部材を用いて、自転車用バッテリホルダを自転車のフレームに取り付けることができるため、自転車用バッテリホルダをドライブユニットに近づけて配置しやすい。
【0006】
前記第1側面に従う第2側面の自転車用バッテリホルダにおいて、前記取付部材は、前記ドライブユニットに係合可能な係合部を含み、前記フレーム取付部は、前記係合部に支持されるように構成される。
上記第2側面に従えば、フレーム取付部が係合部に支持されることによって自転車用バッテリホルダが自転車のフレームに取り付けられる。
【0007】
前記第2側面に従う第3側面の自転車用バッテリホルダにおいて、前記フレーム取付部は、前記係合部が挿入される孔を含む。
上記第3側面に従えば、係合部がフレーム取付部の孔に挿入されることによって自転車用バッテリホルダを自転車のフレームに簡便に取り付けることができる。
【0008】
前記第3側面に従う第4側面の自転車用バッテリホルダにおいて、前記孔は、前記フレーム取付部が前記係合部に支持された状態で、前記ドライブユニットに設けられるクランク軸に沿って延びる。
上記第4側面に従えば、自転車の側面側からフレーム取付部の孔に係合部を挿入させて、自転車用バッテリホルダを係合部に支持させることができる。
【0009】
前記第3または第4側面に従う第5側面の自転車用バッテリホルダにおいて、前記係合部は、前記ドライブユニットに係合可能な第1ねじ部を含み、前記孔の内壁部は、前記第1ねじ部と結合可能な雌ねじ部を含む。
上記第5側面に従えば、第1ねじ部と孔の雌ねじ部の結合によって自転車用バッテリホルダを係合部に安定して固定することができる。
【0010】
前記第3または第4側面に従う第6側面の自転車用バッテリホルダにおいて、前記係合部は、前記ドライブユニットに係合可能な第1ねじ部と、前記第1ねじ部が前記孔に挿入された状態で、第1ねじ部に結合可能な第2ねじ部と、を含む。
上記第6側面に従えば、第1ねじ部と第2ねじ部との結合によって自転車用バッテリホルダを係合部に安定して固定することができる。
【0011】
前記第1〜第6側面のいずれか一つに従う第7側面の自転車用バッテリホルダにおいて、前記フレーム取付部は、前記孔の延びる方向に間隔を開けて配置される第1取付部分および第2取付部分を含み、前記第1取付部分および前記第2取付部分のそれぞれに、前記孔が形成される。
上記第7側面に従えば、第1取付部分および第2取付部分に形成される孔の両方に取付部材が取り付けられることによって、自転車用バッテリホルダがより好適に自転車フレームに取り付けられる。
【0012】
前記第7側面に従う第8側面の自転車用バッテリホルダにおいて、前記取付部材は、第1取付部材および第2取付部材を含み、前記第1取付部分は、第1取付部材に支持可能に構成され、前記第2取付部分は、第2取付部材に支持可能に構成される。
上記第8側面に従えば、第1取付部分および第2取付部分に形成される孔のそれぞれに第1取付部材および第2取付部材を取り付けるため、自転車用バッテリホルダがより好適に自転車フレームに取り付けられる。
【0013】
前記第1〜第8側面のいずれか一つに従う第9側面の自転車用バッテリホルダにおいて、前記フレーム取付部は、前記ドライブユニットに設けられる凹部に少なくとも一部が配置可能に構成される。
上記第9側面に従えば、フレーム取付部は、ドライブユニットに設けられる凹部に少なくとも一部が配置されるため、フレーム取付部への異物の接触を低減することができる。
【0014】
前記第1〜第9側面のいずれか一つに従う第10側面の自転車用バッテリホルダにおいて、前記本体部は、前記フレーム取付部とは異なる位置に設けられ、前記ドライブユニットに接触可能な第1接触部を含む。
上記第10側面に従えば、第1接触部がドライブユニットと接触することによって自転車用バッテリホルダの位置が安定する。
【0015】
前記第10側面に従う第11側面の自転車用バッテリホルダにおいて、前記第1接触部は、弾性部材を含む。
上記第11側面に従えば、ドライブユニットと自転車用バッテリホルダとが点または線で接触することを抑制して、ドライブユニットを自転車用バッテリホルダに安定して支持させることができる。
【0016】
前記第1〜第11側面のいずれか一つに従う第12側面の自転車用バッテリホルダにおいて、前記本体部は、前記バッテリユニットの一端部に接触可能な第2接触部を含み、前記第2接触部は、弾性部材を含む。
上記第12側面に従えば、第2接触部の弾性部
材によって自転車用バッテリホルダがバッテリユニットを好適に保持できる。
【0017】
前記第1〜第12側面のいずれか一つに従う第13側面の自転車用バッテリホルダにおいて、前記本体部に設けられ、前記バッテリユニットに接続されるコネクタをさらに含む。
上記第13側面に従えば、コネクタによってバッテリユニットの電力をバッテリユニットの外部に好適に取り出すことができる。
【0018】
前記第1〜第13側面のいずれか一つに従う第14側面の自転車用バッテリホルダにおいて、前記フレーム取付部には、線状部材を配置可能な溝が形成される。
上記第14側面に従えば、溝に線状部材を配置できるため、利便性が向上する。
【0019】
前記第1〜第14側面のいずれか一つに従う第15側面の自転車用バッテリホルダにおいて、前記フレームに対する前記本体部の角度を変更可能な角度調整機構をさらに含む。
上記第15側面に従えば、角度調整機構によって本体部に取り付けられるバッテリユニットを自転車に適した角度に調整することができる。
【0020】
前記第1〜第15側面のいずれか一つに従う第16側面の自転車用バッテリホルダにおいて、前記本体部の少なくとも一部は、前記フレームに形成される収容部に収容可能に構成される。
上記第16側面に従えば、本体部の少なくとも一部がフレームの収容部に収容されることによって、自転車用バッテリホルダのフレームからの突出量を抑制することができる。このため、自転車用バッテリホルダがユーザの邪魔になりにくい。
【0021】
前記第1〜第16側面のいずれか一つに従う第17側面の自転車用バッテリホルダにおいて、前記ドライブユニットは、前記自転車のクランク軸まわりに配置され、前記本体部は、前記フレームに沿って配置される前記バッテリユニットを支持可能に構成される。
上記第17側面に従えば、自転車用バッテリホルダによってクランク軸まわりに配置されるドライブユニットにバッテリユニットを近接して配置できるため、バッテリユニットからドライブユニットまでの配線を短くできる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の自転車用バッテリホルダは、自転車用バッテリホルダをドライブユニットに近づけて配置しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】実施形態の自転車用バッテリホルダを含む自転車の側面図。
【
図3】
図1の自転車用バッテリホルダと、自転車用バッテリホルダが取り付けられるフレームおよびドライブユニットとを示す分解斜視図。
【
図4】
図3のドライブユニットに取り付けられた自転車用バッテリホルダの斜視図。
【
図7】
図3の自転車用バッテリホルダをフレームに取り付けた状態での部分断面図。
【
図8】変形例の自転車用バッテリホルダをフレームに取り付けた状態での部分断面図。
【
図9】
図8の自転車用バッテリホルダの位置の変位を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1に示される自転車10は、自転車用バッテリホルダ50を含む。以下、自転車用バッテリホルダを、単にバッテリホルダと記載する。一例では、自転車10は、自転車10のフレーム12、フロントフォーク14、前輪16A、後輪16B、および、ハンドル18をさらに含む。フレーム12は、ヘッドチューブ12A、トップチューブ12B、ダウンチューブ12C、シートチューブ12E、シートステー12F、および、チェーンステー12Gを含む。自転車10は、バッテリユニット20およびドライブユニット22を含む。自転車10は、電動変速機、電動サスペンション、電動シートポスト、表示装置、サイクルコンピュータ、ランプ、および、電動操作装置のうちの少なくとも1つを含む自転車用電動コンポーネントを有する。自転車用電動コンポーネントの詳細については、従来の自転車用電動コンポーネントと同様であるので、説明を省略する。
【0025】
図2に示されるとおり、自転車10のフレーム12には、バッテリユニット20を取り付けるための収容部24が設けられる。収容部24は、フレーム12の一部を構成する。
図1に示される例では、収容部24は、ダウンチューブ12Cの一部を構成する。ダウンチューブ12Cは、ヘッドチューブ12A(
図1参照)に連結される連結部12Dと、収容部24とを含む。一例では、収容部24の一方の端部が連結部12Dと接続され、収容部24の他方の端部がシートチューブ12Eと接続される。連結部12Dは、収容部24に一体成形されていてもよく、収容部24とは別体で形成され、溶接または接着等によって一体に接合されていてもよい。収容部24は、フレーム12とは別体に設けられてもよい。収容部24とシートチューブ12Eとの間には、ドライブユニット22が取り付けられるドライブユニット装着部26が設けられる。ドライブユニット装着部26は、収容部24に一体成形されていてもよく、収容部24とは別体で形成され、溶接または接着等によって一体に接合されていてもよい。
【0026】
バッテリユニット20は、複数のバッテリセル28、および、複数のバッテリセル28を収容するバッテリケース30を含む。バッテリユニット20は、収容部24に形成される収容空間24Aに配置される。収容部24は、開口24Bをさらに含む。開口24Bは、例えば自転車10が平地に置かれた状態で高さ方向の下方に開口するように、収容部24に形成されている。開口24Bは、収容部24の収容空間24Aと繋がっている。開口24Bは、バッテリユニット20を収容空間24Aに挿入可能な大きさに形成される。バッテリユニット20は、開口24Bを介して収容空間24Aに収容され、収容部24に取り付けられる。
【0027】
バッテリユニット20は、フレーム12に沿って配置される。バッテリユニット20の一端部20Aは、自転車用バッテリホルダ50によって保持される。バッテリユニット20の他端部20Bは、バッテリユニット20が収容空間24Aの所定の位置に配置された状態において、ボルト32(
図1参照)によって収容部24に取り付けられる。バッテリユニット20が収容部24に取り付けられた状態において、開口24Bは、カバー34によって覆われる。一例では、カバー34は、ボルト36等によってバッテリケース30に取り付けられる。
【0028】
図3に示されるとおり、ドライブユニット22は、自転車10の推進をアシストするモータ38を含む。ドライブユニット22は、自転車10のクランク軸40まわりに配置される。一例では、ドライブユニット22は、クランク軸40およびハウジング42をさらに含む。ハウジング42は、モータ38の少なくとも一部を収容する。クランク軸40は、ハウジング42に支持される。ハウジング42の外周部42Aには、複数の凸部44が設けられる。各凸部44は、クランク軸40の延びる方向に間隔を置いて並べられる第1凸部44Aおよび第2凸部44Bを含む。第1凸部44Aと第2凸部44Bとの間には凹部42Bが形成される。ドライブユニット22は、取付部材48によって自転車10のフレーム12に取り付けられる。取付部材48は、第1取付部材48Aおよび第2取付部材48Bを含む。取付部材48は、ドライブユニット22に係合可能な係合部48Cを含む。係合部48Cは、ドライブユニット22に係合可能な第1ねじ部48Dを含む。係合部48Cおよび第1ねじ部48Dは、第1取付部材48Aおよび第2取付部材48Bのそれぞれに設けられる。第1取付部材48Aの第1ねじ部48Dは、第1凸部44Aに形成される雌ねじ部44Cに結合可能に構成される。第2取付部材48Bの第1ねじ部48Dは、第2凸部44Bに形成される孔44Dに配置されるナット46に結合可能に構成される。
図7に示されるとおり、ナット46は、孔44Dに圧入されており、軸方向の位置を調整可能に構成される。ナット46の第2凸部44Bに接触する外周部と、第2凸部44Bの孔44Dを定義する内周部の一方には、ローレットが形成されていることが好ましい。第1取付部材48Aおよび第2取付部材48Bは、ボルトを含む。
【0029】
図4に示されるとおり、バッテリホルダ50は、本体部52と、フレーム取付部54と、を含む。バッテリホルダ50は、コネクタ56をさらに含む。
【0030】
図2に示されるとおり、本体部52は、バッテリユニット20の一端部20Aを保持する。本体部52は、バッテリユニット20を支持可能に構成される。本体部52の少なくとも一部は、収容部24に収容可能に構成される。本体部52の少なくとも一部は、収容空間24Aのうちのドライブユニット装着部26側の端部に配置される。
【0031】
図4に示されるとおり、本体部52は、第1部分60および第2部分62を含む。第1部分60は、フレーム12に沿ってバッテリユニット20が配置された状態で、フレーム12の延びる方向に沿う方向におけるバッテリユニット20の一端部20A側の第1端面に対向するように構成される。第2部分62は、フレーム12に沿ってバッテリユニット20が配置された状態で、バッテリユニット20の第1端面に隣接するバッテリユニット20の側面に対向するように構成される。第2部分62は、フレーム12に沿ってバッテリユニット
20が配置された状態で、少なくともバッテリユニット20の下方側に設けられる。第2部分62は、第1部分60における第1方向の第1端部に少なくとも設けられる。第1方向は、フレーム12の延びる方向と直交する。第1方向は、フレーム12の延びる方向と直交し、かつ、クランク軸40の延びる方向と直交することが好ましい。第1部分60および第2部分62は、一体に形成されることが好ましい。第1部分60および第2部分62は、バッテリユニット20の外表面に沿って形成されることが好ましい。第1部分60および第2部分62は、金属または樹脂によって構成される。第1部分60は、バッテリユニット20と対向する第1面60A、および、ドライブユニット22と対向する第2面60Bを含む。第1面60Aには、凹部60Cが形成される。第2部分62は、バッテリユニット20と対向する第1面62Aを含む。バッテリ
ホルダ50の本体部52は、バッテリユニット20の一端部20Aを保持することができれば、形状は限定されない。
【0032】
本体部52は、第1接触部64および第2接触部66を含む。
図5および
図6に示されるとおり、第1接触部64は、フレーム取付部54とは異なる位置に設けられ、ドライブユニット22に接触可能に構成される。第1接触部64は、第1部分60の第2面60Bに設けられる。第1接触部64は、弾性部材68を含む。一例では、弾性部材68は、ゴムおよびウレタン等の合成樹脂を含む。弾性部材68は、第2面60Bの少なくとも一部分に設けられる。弾性部材68は、例えば板状に形成される。弾性部材68は、第1部分60の第2面60Bに、例えば接着剤によって張り付けられる。弾性部材68は、1つのみ設けられてもよく、複数設けられてもよい。弾性部材68は、第2面60Bの全体に設けられてもよい。また、弾性部材68を省略してもよい。第2面60Bに弾性部材68を設けることによって、第2面60Bがドライブユニット22の外表面に沿っていなくても、バッテリホルダ50とドライブユニット22とを面接触させることができる。第1部分60の第2面60Bは、ドライブユニット22の外表面に沿って形成されることがより好ましい。
【0033】
図4および
図6に示されるとおり、第2接触部66は、バッテリユニット20の一端部20Aに接触可能に構成される。第2接触部66は、第1部分60の第1面60Aおよび第2部分62の第1面62Aに設けられる。第2接触部66は、弾性部材70を含む。一例では、弾性部材70は、ゴムおよびウレタン等の合成樹脂を含む。弾性部材70は、第1面60Aの少なくとも一部分に設けられる。弾性部材70は、例えば板状に形成される。弾性部材70は、第1部分60の第1面60Aに、例えば接着剤によって張り付けられる。弾性部材70は、1つのみ設けられてもよく、複数設けられてもよい。また、弾性部材70は、第1面60Aの全体に設けられてもよい。また、弾性部材70を省略してもよい。
【0034】
図3に示されるとおり、フレーム取付部54は、本体部52に設けられる。フレーム取付部54は、本体部52と一体に形成される。フレーム取付部54は、金属または樹脂によって構成される。本体部52が樹脂によって形成され、フレーム取付部54が金属によって形成される場合、フレーム取付部54の一部が、本体部52に埋め込まれることが好ましい。本体部52と、フレーム取付部54とは、ボルト等の結合部材によって結合されていてもよく、溶着、接着、または、溶接などによって接合されていてもよい。フレーム取付部54は、例えば第1部分60における第1方向の第2端部に設けられる。第2端部は、第1部分60における第1方向の第1端部とは反対側に形成される。フレーム取付部54は、ドライブユニット22に設けられる凹部42Bに少なくとも一部が配置可能に構成される。
【0035】
フレーム取付部54は、ドライブユニット22を自転車10のフレーム12に取り付けるための取付部材48によって、フレーム12に取り付け可能に構成される。フレーム取付部54は、取付部材48の係合部48Cに支持されるように構成される。フレーム取付部54は、係合部48Cが挿入される孔54Aを含む。孔54Aは、フレーム取付部54が係合部48Cに支持された状態で、ドライブユニット22に設けられるクランク軸40に沿って延びる。孔54Aの内壁部は、第1ねじ部48Dと結合可能な雌ねじ部54Bを含む。
【0036】
フレーム取付部54は、第1取付部分72および第2取付部分74を含む。第1取付部分72および第2取付部分74のそれぞれに、孔54Aが形成される。第1取付部分72および第2取付部分74は、孔54Aの延びる方向に間隔を開けて配置される。第1取付部分72は、第1取付部材48Aに支持可能に構成される。第2取付部分74は、第2取付部材48Bに支持可能に構成される。
【0037】
図3および
図7を参照して、フレーム取付部54をフレーム12に取り付ける構造について説明する。
図7は、第2取付部分74およびその周辺構造を示している。
図3に示すドライブユニット装着部26に形成される孔26A、および、第1取付部分72の孔54Aを対応させた状態で、第1取付部材48Aがドライブユニット装着部26に形成される孔26Aを貫通し、第1取付部分72の孔54Aの雌ねじ部54Bにねじ込まれることによって、第1取付部分72がフレーム12に取り付けられる。
【0038】
図7に示すドライブユニット装着部26に形成される孔26A、ナット46の孔、および、第2取付部分74の孔54Aを対応させた状態で、第2取付部材48Bがドライブユニット装着部26に形成される孔26Aを貫通し、ナット46および第2取付部分74の孔54Aにねじ込まれることによって第2取付部分74がフレーム12に取り付けられる。第2取付部材48Bの第1ねじ部48Dをナット46および第2取付部分74の孔54Aにねじ込むことによって、ナット46の孔44D内での位置が調整されて、ドライブユニット22とフレーム12との間のがたつきを抑制できる。
【0039】
図4に示されるとおり、フレーム取付部54には、線状部材Cを配置可能な溝76が形成される。線状部材Cは、一例ではコネクタ56とドライブユニット22とを接続する電力線を含む。別の例では、線状部材Cは、電気ケーブル、ボーデンケーブル、および、油圧ケーブルの少なくとも1つを含む。電気ケーブルは、電気信号を伝達する信号線を含んでいてもよく、電力を伝達する電力線を含んでいてもよく、PLC(Power Line Communication)用の電線を含んでいてもよい。ボーデンケーブルは、例えば、操作装置と、変速機、ブレーキ
装置、アジャスタブルシートポスト、または、サスペンションとを接続する。油圧ケーブルは、例えば、操作装置と、変速機、ブレーキ装置、アジャスタブルシートポストまたはサスペンションとを接続する。溝76は、第1取付部分72と第2取付部分74との間に形成される。溝76は、本体部52の凹部60Cと連通する。
【0040】
図4および
図6に示されるとおり、コネクタ56は、本体部52に設けられ、バッテリユニット20に接続される。一例では、コネクタ56は、本体部52の凹部60Cに設けられる。コネクタ56は、バッテリユニット20がバッテリホルダ50に保持された状態で、バッテリユニット20のコネクタ(図示略)と電気的に接続可能に構成される。バッテリユニット20は、コネクタがバッテリホルダ50のコネクタ56に接続されることによって、電動コンポーネントに電力を供給することができる。
【0041】
本実施形態によれば、ドライブユニット22をフレーム12に取り付けるための
取付部材48を用いてバッテリホルダ50をフレーム12に取り付けることができるので、バッテリホルダ50をフレーム12に独立して取り付けるために必要なフレーム12への加工を省略できる。
【0042】
(変形例)
上記実施形態に関する説明は、本発明に従う自転車用バッテリホルダが取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本発明に従う自転車用バッテリホルダは、例えば以下に示される上記実施形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わせられた形態を取り得る。以下の変形例において、実施形態の形態と共通する部分については、実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0043】
・
図8に示されるとおり、取付部材48の係合部48Cが、第1ねじ部48Dおよび第2ねじ部78を含むようにしてもよい。第2ねじ部78は、第1ねじ部48Dとは別体のナット80に設けられる。第2ねじ部78は、第1ねじ部48Dが
孔54A挿入された状態で、第1ねじ部48Dに結合可能に構成される。この場合、孔54Aの雌ねじ部54Bは、省略される。
【0044】
・
図8に示す変形例のバッテリホルダ50は、角度調整機構82をさらに含む。角度調整機構82は、フレーム12に対する本体部52の角度を変更可能に構成される。バッテリホルダ50は、孔54Aの軸線まわりに旋回可能である。角度調整機構82は、取付部材48の第1ねじ部48Dおよび第2ねじ部78によって構成される。取付部材48の第1ねじ部48Dをフレーム取付部54の孔54Aに挿入し、かつ、第2ねじ部78にねじ込む前に、フレーム取付部54のドライブユニット22に対する角度を調整する。角度を調整した状態で、第2ねじ部78を第1ねじ部48Dにねじ込むことによって、
図9の実線と
図9の二点鎖線との間でフレーム12に対する本体部52の角度が調整される。
【0045】
・第2凸部44Bの孔44Dからナット46を省略し、孔44Dに雌ねじ部を形成してもよい。
【0046】
・第1取付部分72および第2取付部分74の一方を省略してもよい。また、第1取付部分72および第2取付部分74の両方に取り付けられる1つのフレーム取付部54を設けてもよい。このフレーム取付部54は、第1凸部44Aと対向する部分に第1取付部材48Aの第1ねじ部48Dが挿入される雌ねじ部が形成され、第2凸部44Bと対向する部分に第2取付部材48Bの第1ねじ部48Dが挿入される雌ねじ部を含む。この変形例では、溝76は省略される。この場合、溝76に代えて、線状部材Cを配置するための孔をフレーム取付部54に形成してもよい。
【0047】
・本体部52から第2部分62を省略してもよい。要するに、バッテリユニット20の一端部20Aを保持できる構造であれば、本体部52の構造は適宜変更することができる。
【0048】
・本体部52から第2部分62を省略し、第1部分60の第1面60Aにバッテリユニット20の一端部20Aに設けられる第1係合部と係合可能な第2係合部を設けてもよい。第1係合部は、一例では凸部および凹部の少なくとも一方を含む。第2係合部は、第1係合部と係合可能な凹部および凸部の少なくとも一方を含む。第1係合部の凸部または凹部は、自転車10の幅方向に延びる。ユーザは、バッテリユニット20をフレーム12に取り付ける場合、バッテリユニット20の第1係合部を、第1部分60の第1面60Aに設けられる第2係合部に引っ掛けて、第2係合部まわりでバッテリユニット20を旋回させることによって、バッテリユニット20を収容空間24Aの内部に移動させる。
【0049】
・フレーム取付部54が、ドライブユニット22の凸部44と、フレーム12との間に配置されてもよい。例えば、クランク軸40の延びる方向においてフレーム取付部54の第1取付部分72が第1凸部44Aよりもドライブユニット22の外側に配置され、第1取付部分72が第1凸部44Aとドライブユニット装着部26との間に挟み込まれる。また、例えば、クランク軸40の延びる方向においてフレーム取付部54の第2取付部分74が第2凸部44Bよりもドライブユニット22の外側に配置され、第2取付部分74が第2凸部44Bとドライブユニット装着部26との間に挟み込まれる。
【0050】
・フレーム取付部54が、クランク軸40の延びる方向においてフレーム12と取付部材48との間に配置されてもよい。例えば、取付部分72,74がドライブユニット装着部26と取付部材48のボルトヘッドとの間に挟み込まれる。
【0051】
・バッテリホルダ50に設けられるコネクタ56は、省略されてもよい。
・バッテリホルダ50は、取付部材48に着脱可能に取り付けられているが、バッテリホルダ50は、取付部材48に着脱不能に取り付けられてもよい。例えば取付部材48は、ボルトではなく、リベットによって構成されていてもよく、取付部材48と、バッテリホルダ50とは、接着、溶接、または、溶着によって固定されていてもよい。この場合、取付部材48を凸部44およびバッテリホルダ50に取り付けた後に、取付部材48とバッテリホルダ50とを接着、溶接、または、溶着によって固定してもよい。
【0052】
・実施形態では、収容部24がダウンチューブ12Cに配置されているが、収容部24は、シートチューブ12Eに設けられてもよい。収容部24の開口24Bに代えてまたは加えて、上方、または、幅方向の一方に開口する開口を設けてもよい。
【0053】
・自転車10のフレーム12から収容空間24Aが形成される収容部24を省略することもできる。この場合、バッテリユニット20は、バッテリホルダ50とフレーム12に取り付けられてバッテリユニット20の他端部20Bを支持する支持部(図示略)に保持されるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0054】
12…フレーム、24…収容部、20…バッテリユニット、20A…一端部、22…ドライブユニット、38…モータ、40…クランク軸、48…取付部材、48A…第1取付部材、48B…第2取付部材、48C…係合部、48D…第1ねじ部、50…バッテリホルダ(自転車用バッテリホルダ)、52…本体部、54…フレーム取付部、54A…孔、54B…雌ねじ部、56…コネクタ、64…第1接触部、68…弾性部材、66…第2接触部、70…弾性部材、72…第1取付部分、74…第2取付部分、76…溝、78…第2ねじ部、82…角度調整機構。