【実施例】
【0020】
本発明の実施の形態に係るエンジン1は、
図1に示すように、シリンダヘッド2と、当該シリンダヘッド2の上部に取り付けられたロッカーカバー4と、シリンダヘッド2の下部に取り付けられたシリンダブロック6と、当該シリンダブロック6の下部に取り付けられたオイルパン8と、シリンダヘッドに取り付けられた過給機10と、当該過給機に接続された本発明の実施の形態に係るマニホールドコンバータ20と、を備えている。本実施の形態では、便宜上、
図1中の上側(ロッカーカバー4側)を、「上方」ないし「上側」として規定し、
図1中の下側(オイルパン8側)を、「下方」ないし「下側」として規定する。
【0021】
シリンダヘッド2は、エンジン1の骨格を構成する主要部品の一つとして構成されており、
図3に示すように、4つの外壁2a,2b,2c,2dによって外郭が画定されている。外壁2a,2bは、
図3に示すように、燃焼室(図示せず)の配列方向(
図3の左下側から右上側に向かう方向)に沿う方向に延在しており、外壁2c,2dは、燃焼室(図示せず)の配列方向(
図3の左下側から右上側に向かう方向)に直交する方向に延在している。
【0022】
燃焼室(図示せず)の配列方向(
図3の左下側から右上側に向かう方向)に沿う方向に延在する外壁2a,2bのうちの一方の外壁2bには、
図3に示すように、過給機10を締結するためのフランジ部3が形成されている。当該フランジ部3は、外壁2bの延在方向(燃焼室(図示せず)の配列方向(
図3の左下側から右上側に向かう方向)に沿う方向)のほぼ中央に配置されており、当該フランジ部3には、排気通路EXHが開口形成されている。
【0023】
当該排気通路EXHは、シリンダヘッド2の底面を構成するロアデッキ(図示せず)に形成された複数の燃焼室構成凹部(図示せず)に連通するように構成されている。なお、排気通路EXHは、各燃焼室構成凹部(図示せず)に連通接続された複数の枝通路(図示せず)と、当該複数の枝通路(図示せず)が一つに集合された集合通路(図示せず)と、から構成されており、当該集合通路(図示せず)がフランジ部3に開口されている。即ち、排気通路EXHは、各燃焼室からの排気ガスがシリンダヘッド2内で集合された状態で当該シリンダヘッド2外に排出されるように構成されている。
【0024】
また、燃焼室(図示せず)の配列方向(
図3の左下側から右上側に向かう方向)に沿う方向に延在する外壁2a,2bのうちの他方の外壁2aには、図示しない吸気通路が開口されている。当該吸気通路は、複数の燃焼室構成凹部(図示せず)に連通するように構成されている。
【0025】
シリンダブロック6は、エンジン1の骨格を構成する主要部品の一つとして構成されており、図示しないシリンダボアを囲繞するように構成された4つの外壁(
図1には外壁6aのみ記載)によって外郭が画定されている。
【0026】
シリンダブロック6の外壁のうち、シリンダヘッド2が当該シリンダブロック6に締結された際に当該シリンダヘッド2の外壁2bと同じ側に配置される外壁6aには、
図1に示すように、ウォーターポンプ7が設けられている。当該ウォーターポンプ7は、燃焼室(図示せず)の配列方向に沿う方向の一端側(
図1および
図2の右端側)に配置されており、
図2に示すように、外壁6aから燃焼室(図示せず)の配列方向に直交する方向に向かって突出するように設けられている。即ち、シリンダブロック6は、
図2に示すように、エンジン1を上方から見た場合に、逆L字状となっている(
図2の太破線参照)。
【0027】
過給機10は、
図4、
図5および
図6に示すように、タービンおよびブロワー(いずれも図示せず)を有する本体部12と、タービンを駆動するための排気ガスを導入する排気ガス入口14aとタービンを駆動した後の排気ガスを排出される排気ガス出口14bとを有する排気通路部14と、ブロワーへ空気を導入するための空気入口(図示せず)とブロワーによって圧縮された空気をシリンダヘッド2の図示しない吸気通路に送り込むための送給通路(図示せず)とを有する吸気通路部16と、を備えている。過給機10は、本発明における「エンジン側部材」に対応し、排気通路部14は、本発明における「連通路」に対応する実施構成の一例である。
【0028】
排気ガス入口14aは、
図6に示すように、締結フランジ15に開口されている。当該締結フランジ15は、シリンダヘッド2のフランジ部3に締結される。また、排気ガス出口14bは、
図5に示すように、締結フランジ17に開口されている。締結フランジ17は、
図4、
図5および
図6に示すように、当該締結フランジ17の締結面を含む仮想平面と締結フランジ15の締結面を含む仮想平面との交差角が略90度となるように形成されている。これにより、シリンダブロック6に締結されたシリンダヘッド2のフランジ部3に、締結フランジ15を介して過給機10が締結されると、
図2に示すように、締結フランジ17の締結面は燃焼室(図示せず)の配列方向に沿う方向の一方側、より具体的には、ウォーターポンプ7が配置された側を向く。締結フランジ17は、本発明における「エンジン部材側のフランジ」に対応する実施構成の一例である。
【0029】
また、締結フランジ17には、
図4および
図5に示すように、一対のスタッドボルトSTB1,STB2が立設されていると共に、ボルト挿通孔17aが形成されている。一対のスタッドボルトSTB1,STB2は、排気ガス出口14bを挟んで対角状に(対向するように)配置されている。一方のスタッドボルトSTB1は、排気ガス出口14bに関して締結フランジ15側に配置され、他方のスタッドボルトSTB2は、排気ガス入口14aに関して締結フランジ15側とは反対側に配置されている。即ち、一方のスタッドボルトSTB1は、
図5に示すように、過給機10が締結フランジ15を介してシリンダヘッド2のフランジ部3に締結された際に、シリンダヘッド2に近い側に配置され、他方のスタッドボルトSTB2は、シリンダヘッド2から遠い側に配置される。なお、ボルト挿通孔17aは、一対のスタッドボルトSTB1,STB2を結ぶ仮想直線VL1に関して締結フランジ15よりも遠い側、即ち、過給機10が締結フランジ15を介してシリンダヘッド2のフランジ部3に締結された際に、シリンダヘッド2から遠い側に配置されている。一対のスタッドボルトSTB1,STB2は、それぞれ本発明における「第1スタッドボルト」および「第2スタッドボルト」に対応する実施構成の一例である。
【0030】
本発明の実施の形態に係るマニホールドコンバータ20は、
図7および
図8に示すように、三元触媒22と、当該三元触媒22にディフューザを介して一体に接続された排気入口管24および排気出口管26と、備えており、過給機10を介して導入される燃焼室(図示せず)からの排気ガスを浄化して排出する浄化装置として構成されている。マニホールドコンバータ20は、本発明における「排気系部材」に対応し、排気入口管24は、本発明における「排気管」に対応する実施構成の一例である。
【0031】
排気入口管24には、
図7および
図8に示すように、過給機10の締結フランジ17に締結するための締結フランジ25が一体に設けられている。締結フランジ25は、
図9に示すように、締結面に直交する方向から見た場合に略菱形形状に形成されており、排気ガスをマニホールドコンバータ20に導入するための導入開口25dが開口形成されている。また、締結フランジ25の外周部には、一対の切欠き25a,25bと、ボルト挿通孔25cと、が形成されている。締結フランジ25は、本発明における「排気系部材側フランジ」に対応し、一対の切欠き25a,25bは、それぞれ本発明における「第1切欠き」および「第2切欠き」に対応する実施構成の一例である。また、ボルト挿通孔25cは、本発明における「貫通孔」に対応する実施構成の一例である。
【0032】
一対の切欠き25a,25bおよびボルト挿通孔25cは、それぞれ、過給機10の締結フランジ17の一対のスタッドボルトSTB1,STB2およびボルト挿通孔17aに対応する配置とされている。即ち、マニホールドコンバータ20が締結フランジ25を介して過給機10の締結フランジ17に締結される際に、切欠き25aがスタッドボルトSTB1に係合され、切欠き25bがスタッドボルトSTB2に係合され、ボルト挿通孔25cがボルト挿通孔17aに整合されるように構成されている。
【0033】
一対の切欠き25a,25bは、一対のスタッドボルトSTB1,STB2のネジ部外径よりも若干大きい幅寸法を有するように形成されており、
図9に示すように、導入開口25dを挟んで対角状に(対向するように)配置されている。一対の切欠き25a,25b間の寸法、より具体的には、一方の切欠き25aの略中心部から他方切欠き25bの略中心部までの距離は、一対のスタッドボルトSTB1,STB2間の距離に等しくなっている。
【0034】
一方の切欠き25aは、導入開口25d側とは反対側(導入開口25dの略径方向外方)を向くように開口されている。他方の切欠き25bは、一方の切欠き25aの開口方向に対して略90度の角度をなす方向を向くように開口されている。より具体的には、切欠き25aの略中心部を支点に
図9において時計回りに締結フランジ25を回転させたときに略円弧状に移動する他方の切欠き25bの略中心部の軌跡NTの接線TL方向を概ね向く方向に開口されている。
【0035】
ここで、一対の切欠き25a,25bの略中心部とは、切欠き25a,25bをそれぞれ一対のスタッドボルトSTB1,STB2に係合させた際に、当該スタッドボルトSTB1,STB2の中心が配置される位置として規定される。したがって、一対の切欠き25a,25bの略中心部間の距離、即ち、略円弧状の軌跡NTの半径は、スタッドボルトSTB1,STB2の中心間距離と等しい。なお、ボルト挿通孔25cは、一対の切欠き25a,25bの略中心部を結ぶ仮想直線VL2に関して切欠き25bの開口が向く方向とは反対の方向に配置されている。
【0036】
こうして構成されたマニホールドコンバータ20は、締結フランジ25および過給機10の締結フランジ17を介して過給機10に締結される。このとき、マニホールドコンバータ20は、
図2に示すように、過給機10と、シリンダヘッド2の外壁2bおよびシリンダブロック6の外壁6aと、ウォーターポンプ7と、によって構成された略逆U字状(
図2の太線参照)の領域内に配置される。即ち、マニホールドコンバータ20は、
図10に示すように、エンジン1を燃焼室(図示せず)の配列方向に沿う方向の一方側から見た場合(スタッドボルトSTB1,STB2の軸線方向に沿う方向の一方側から見た場合)の仮想投影面上のウォータ―ポンプ7の投影領域7’と重なるような位置関係に配置されている。ここで、マニホールドコンバータ20は、重心位置が三元触媒22上に配置されており、
図10に示すように、過給機10に締結された状態において当該三元触媒22が締結フランジ25の図心を通る仮想鉛直線VVLに関してシリンダヘッド2やシリンダブロック6側と反対側に偏った位置に配置される構成となっている。
【0037】
次に、こうして構成されたマニホールドコンバータ20の脱着の際の作業の様子、特に、エンジン1が車両に搭載された状態でマニホールドコンバータ20の脱着をする際の作業の様子について説明する。本発明の実施の形態に係るエンジン1が車載された状態では、
図2に示すように、マニホールドコンバータ20を脱着するスペースには制約がある。具体的には、締結フランジ17からのスタッドボルトSTB1,STB2の突出方向である車両右側Rh(
図2の右側)には、ウォータ―ポンプ7が配置されており、マニホールドコンバータ20を当該車両右側Rhへ移動させることはできない。また、車両後側Rr(
図2の下側)には、エンジンルームERと車室側との隔壁がマニホールドコンバータ20に接近して配設されているため、マニホールドコンバータ20を車両後側Rrに大きく回転させることも出来ない。以下では、まず、マニホールドコンバータ20をエンジン1から取り外す際の様子を説明し、続いて、マニホールドコンバータ20をエンジン1に取り付ける際の様子を説明する。なお、
図2中上側を「車両前側Fr」ないし「車両前方Fr」と規定し、
図2中下側を「車両後側Rr」ないし「車両後方Rr」と規定し、
図2中右側を「車両右側Rh」ないし「車両右方Rh」と規定し、
図2中左側を「車両左側Lh」ないし「車両左方Lh」と規定する。
【0038】
本発明の実施の形態に係るマニホールドコンバータ20を取り外すには、まず、スタッドボルトSTB1,STB1にネジ係合されているナットおよびボルト挿通孔17a,25cに挿通されたボルトにネジ係合されているナットを取り外すと共に、ボルト挿通孔17a,25cに挿通されたボルトを当該ボルト挿通孔17a,25cから取り外す。
【0039】
ここで、マニホールドコンバータ20の締結フランジ25の切欠き25a,25bが過給機10の締結フランジ17のスタッドボルトSTB1,STB2に係合された状態では、重心を有する三元触媒22が仮想鉛直線VVLに関してシリンダヘッド2やシリンダブロック6側とは反対側に偏った位置に配置される構成となっているため、マニホールドコンバータ20には締結フランジ25を
図10の反時計回りに回転させる方向の回転モーメントMが作用する。当該回転モーメントMは、
図11に示すように、締結フランジ25の切欠き25a,25bのスタッドボルトSTB1,STB2への係合を維持する方向に作用するため、作業者がマニホールドコンバータ20から手を放しても切欠き25a,25bのスタッドボルトSTB1,STB2への係合が解除されることがない。切欠き25a,25bがスタッドボルトSTB1,STB2に係合された状態で、重心を有する三元触媒22が仮想鉛直線VVLに関してシリンダヘッド2やシリンダブロック6側とは反対側に偏った位置に配置される態様は、本発明における「前記第1および第2切欠きが前記第1および第2スタッドボルトに係合された際に、前記排気系部材側フランジの回転方向と同方向の回転モーメントが該排気系部材側フランジに作用するよう重心位置が設定されている」態様に対応する実施構成の一例である。
【0040】
そして、切欠き25bとスタッドボルトSTB2との係合を解除するべく、
図12および
図13に示すように、ナットやボルトによる締結が解除された状態の締結フランジ25(マニホールドコンバータ20)を、スタッドボルトSTB1を回転中心として三元触媒22がシリンダヘッド2やシリンダブロック6から遠ざかる方向(車両後方Rr側であって、
図12の時計回り)に回転させる。この状態で、
図13および
図14に示
すように、締結フランジ25(マニホールドコンバータ20)を車両後方斜め下側に向かってスライド(平行移動)させることによって、切欠き25aとスタッドボルトSTB1との係合が解除され、マニホールドコンバータ20のエンジン1からの取り外しが完了する。
【0041】
ここで、切欠き25bとスタッドボルトSTB2との係合を解除する際に、締結フランジ25(マニホールドコンバータ20)を車両後方Rr側(
図12の時計回り)に回転させる角度は、切欠き25aのスタッドボルトSTB1への係合を解除でき、マニホールドコンバータ20をエンジン1から取り外すことが可能な角度で良いため、マニホールドコンバータ20をエンジンルームER内で大きく回転させる必要はない。
【0042】
次に、マニホールドコンバータ20をエンジン1に取り付ける際の作業の様子について説明する。マニホールドコンバータ20を過給機10に締結する際には、基本的には、上述したマニホールドコンバータ20のエンジン1からの取り外しの手順と逆の手順を踏むことにより行う。
【0043】
即ち、まず、マニホールドコンバータ20の締結フランジ25の切欠き25aをスタッドボルトSTB1との係合させるべく、
図15に示すように、締結フランジ25(マニホールドコンバータ20)を車両後方斜め下側から車両前方斜め上側に向かってスライド(平行移動)させる。切欠き25aとスタッドボルトSTB1とが係合されると、
図16、
図17および
図18に示すように、締結フランジ25(マニホールドコンバータ20)を、スタッドボルトSTB1を回転中心として三元触媒22がシリンダヘッド2やシリンダブロック6に近づく方向(車両前方Fr側であって、
図16の反時計回り)に回転させて、切欠き25bとスタッドボルトSTB2とを係合させる。
【0044】
ここで、切欠き25bとスタッドボルトSTB2とを係合する際に、締結フランジ25(マニホールドコンバータ20)を車両前方Fr側(
図16の反時計回り)に回転させる角度は、締結フランジ25(マニホールドコンバータ20)をスライド(平行移動)させて切欠き25aをスタッドボルトSTB1に係合させることができる回転位置からの角度で良いため、マニホールドコンバータ20をエンジンルームER内で大きく回転させる必要はない。
【0045】
また、マニホールドコンバータ20の締結フランジ25の切欠き25a,25bが過給機10の締結フランジ17のスタッドボルトSTB1,STB2に係合された状態では、重心を有する三元触媒22が仮想鉛直線VVLに関してシリンダヘッド2やシリンダブロック6側とは反対側に偏った位置に配置される構成となっているため、マニホールドコンバータ20には締結フランジ25を
図18の反時計回りに回転させる方向の回転モーメントMが作用するため、当該回転モーメントMによって締結フランジ25の切欠き25a,25bのスタッドボルトSTB1,STB2への係合が維持され、作業者がマニホールドコンバータ20から手を放しても切欠き25a,25bのスタッドボルトSTB1,STB2への係合が解除されることがない。
【0046】
こうして、切欠き25a,25bがスタッドボルトSTB1,STB2に係合された状態では、
図18に示すように、締結フランジ25のボルト挿通孔25cと締結フランジ17のボルト挿通孔17aとが整合されている。当該状態において、ボルト挿通孔25c,17aにボルトを挿通すると共に当該ボルトにナットをねじ込み、さらに、スタッドボルトSTB1,STB2にもナットをねじ込むことによって、マニホールドコンバータ20の過給機10への締結が完了する。
【0047】
以上説明した本発明の実施の形態に係るマニホールドコンバータ20によれば、過給機10の締結フランジ17に立設された一対のスタッドボルトSTB1,STB2に係合される一対の切欠き25a,25bを締結フランジ25に形成し、当該締結フランジ25を一対のスタッドボルトSTB1,STB2の軸線方向に交差する方向からスライド(平行移動)させることによって一方の切欠き25aを一方のスタッドボルトSTB1に係合させ、当該状態でスタッドボルトSTB1を回転中心として締結フランジ25(マニホールドコンバータ20)を反時計回りに回転させることで他方の切欠き25bを他方のスタッドボルトSTB2に係合させる構成であるため、ウォータ―ポンプ7の配置のために一対のスタッドボルトSTB1,STB2の軸線方向からマニホールドコンバータ20を取り付けることが困難で、かつ、エンジン1が車両に搭載された状態でマニホールドコンバータ20の脱着を行うような作業スペースが制限される場合であっても、当該マニホールドコンバータ20を容易に過給機10を介してエンジン1に取り付けることができる。これにより、マニホールドコンバータ20のエンジン1に対する脱着性をより向上することができる。
【0048】
また、本発明の実施の形態に係るマニホールドコンバータ20によれば、マニホールドコンバータ20の締結フランジ25の切欠き25a,25bが過給機10の締結フランジ17のスタッドボルトSTB1,STB2に係合された状態では、三元触媒22の締結フランジ25に対する配置に起因して、マニホールドコンバータ20には締結フランジ25を反時計回り(
図18における反時計回り)に回転させる方向の回転モーメントMが作用する構成であるため、当該回転モーメントMによって締結フランジ25の切欠き25a,25bのスタッドボルトSTB1,STB2への係合が維持され、作業者がマニホールドコンバータ20から手を放しても切欠き25a,25bのスタッドボルトSTB1,STB2への係合が解除されることがない。これにより、マニホールドコンバータ20の過給機10への脱着性をより一層向上することができる。この結果、マニホールドコンバータ20の過給機10への脱着の際の作業者の負担を軽減することができる。
【0049】
さらに、本発明の実施の形態に係るマニホールドコンバータ20によれば、マニホールドコンバータ20は、一対のスタッドボルトSTB1,STB2と、ボルト挿通孔17a,25cに挿通されるボルトと、による3点で過給機10の締結フランジ17に締結される構成であるため、マニホールドコンバータ20の過給機10への固定を安定させることができる。
【0050】
本実施の形態では、一対のスタッドボルトSTB1,STB2と、ボルト挿通孔17a,25cに挿通されるボルトと、による3点でマニホールドコンバータ20を過給機10に締結する構成としたが、これに限らない。例えば、マニホールドコンバータ20の締結フランジ25および過給機10の締結フランジ17に、ボルト挿通孔17a,25cとは異なるボルト挿通孔をさらに形成して、一対のスタッドボルトSTB1,STB2と、一対のボルトと、による4点でマニホールドコンバータ20を過給機10に締結する構成としても良い。
【0051】
本実施の形態では、マニホールドコンバータ20の締結フランジ25の切欠き25a,25bが過給機10の締結フランジ17のスタッドボルトSTB1,STB2に係合された状態では、重心を有する三元触媒22が仮想鉛直線VVL(
図11参照)に関してシリンダヘッド2やシリンダブロック6側とは反対側に偏った位置に配置される構成とし、当該配置に起因した回転モーメントMをマニホールドコンバータ20に作用させる構成としたが、これに限らない。例えば、マニホールドコンバータ20の締結フランジ25の切欠き25a,25bが過給機10の締結フランジ17のスタッドボルトSTB1,STB2に係合された状態で、三元触媒22が締結フランジ25に対して偏らない配置となる構成としても良い。この場合、締結フランジ25の切欠き25a,25bの開口を、作業者がマニホールドコンバータ20から手を放しても切欠き25a,25bのスタッドボルトSTB1,STB2への係合が維持されるような方向に形成することが望ましい。
【0052】
本実施の形態では、シリンダブロック6に設けられたウォータ―ポンプ7によって、マニホールドコンバータ20が車両右側Rhへ移動させることができない構成としたが、これに限らない。ウォータ―ポンプ7に限らず、例えば、スタータモータやジェネレータなどの補機や、エンジン1自体の形状によってマニホールドコンバータ20が車両右側Rhへ移動させることができない構成においても本発明を適用することは可能である。
【0053】
本実施形態は、本発明を実施するための形態の一例を示すものである。したがって、本発明は、本実施形態の構成に限定されるものではない。