(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記圧縮サブシステムおよび予備冷却サブシステムは、前記第2の蒸発された第1の冷媒を、前記最も低温の熱交換区分から、前記第1の予備冷却冷媒出口圧力よりも少なくとも5bara低い第2の予備冷却冷媒出口圧力で除去するように作動的に構成されている、請求項1に記載の装置。
前記圧縮システムは、前記第2の圧縮ステージから下流の第1の中間冷却器と、前記第1の中間冷却器の下流にあり、かつそれと流体流連通している冷却された第1の中間冷媒導管と、をさらに備える、請求項5に記載の装置。
前記第2の予備冷却冷媒回路内に含有された前記第1の冷媒の前記第2の部分は、前記第1の予備冷却冷媒回路内に含有された前記第1の冷媒の前記第1の部分よりも高濃度で、エタンおよびエタンよりも軽量の成分を有する、請求項5に記載の装置。
少なくとも前記第1の熱交換区分および前記第2の熱交換区分を通って延在し、かつ前記第1の冷媒の第3の部分を含有する第3の予備冷却冷媒回路を備える、請求項5に記載の装置。
前記再循環ガス回路は、前記フラッシュ熱交換器の下流にあり、かつそれと流体流連通している圧縮機と、前記圧縮機の下流にあり、かつそれと流体流連通しているフラッシュガス冷却器と、をさらに備える、請求項5に記載の装置。
前記少なくとも1つの加温流は、予備冷却冷媒の第1の部分を含み、前記予備冷却冷媒の前記第1の部分が、前記第1の熱交換区分から上流かつ前記第2の後段冷却器から下流の前記第2の予備冷却冷媒回路から取り出される、請求項5に記載の装置。
【背景技術】
【0001】
天然ガスを冷却、液化、および任意にサブクール状態にするための複数の液化システムが当分野において周知であり、例えば、単一混合冷媒(SMR)サイクル、プロパン予備冷却された混合冷媒(C3MR)サイクル、二重混合冷媒(DMR)サイクル、C3MR−窒素ハイブリッド(AP−X(商標)など)サイクル、窒素またはメタン膨張サイクル、およびカスケードサイクルがある。典型的には、かかるシステムにおいて、天然ガスは、1つ以上の冷媒との間接熱交換によって冷却され、液化され、および任意にサブクール状態にされる。混合冷媒、純粋成分、二相冷媒、ガス相冷媒などの様々な冷媒が用いられ得る。窒素、メタン、エタン/エチレン、プロパン、ブタン、およびペンタンの混合物である、混合冷媒(MR)が、多くのベースロード液化天然ガス(LNG)プラントで使用されている。MR流の組成は、典型的には、供給ガス組成および動作条件に基づいて最適化される。
【0002】
冷媒は、1つ以上の熱交換器および冷媒圧縮システムを含む冷媒回路内で循環される。冷媒回路は、閉ループまたは開ループであり得る。天然ガスは、熱交換器内の冷媒との間接熱交換による1つ以上の冷媒回路内での間接熱交換によって冷却され、液化され、および/またはサブクール状態にされる。
【0003】
冷媒圧縮システムは、循環冷媒を圧縮および冷却するための圧縮シーケンスと、圧縮機を駆動するために必要とされる動力を提供する駆動アセンブリと、を含む。予備冷却された液化システムについて、駆動アセンブリおよび圧縮シーケンス内の駆動装置の数および種類は、予備冷却システムおよび液化システムに必要とされる動力比率に影響を与える。冷媒圧縮システムは、天然ガスを冷却、液化、および任意にサブクール状態にするために必要な加熱能力を提供する低温の低圧冷媒流を生成すべく、冷媒が膨張前に高圧に圧縮され冷却される必要があるため、液化システムの重要な構成要素である。
【0004】
DMRプロセスは、2つの混合冷媒流を含み、一方が供給天然ガスを予備冷却するものであり、もう一方が予備冷却された天然ガスを液化するためのものである。2つの混合冷媒流は、2つの冷媒回路、予備冷却システム内の予備冷却冷媒回路、および液化システム内の液化冷媒回路を通過する。各冷媒回路において、冷媒流は、天然ガス供給流を冷却および液化するために必要な冷却能力を提供しつつ、蒸発される。冷媒流が単一圧力レベルで蒸発されるとき、システムおよびプロセスは、「単一圧力」と呼ばれる。冷媒流が2つ以上の圧力レベルで蒸発されるとき、システムおよびプロセスは、「複数の圧力」と呼ばれる。
図1を参照すると、先行技術のDMRプロセスが冷却および液化システム100に示される。本明細書に説明されるDMRプロセスは、単一圧力液化システムおよび2つの圧力レベルを有する複数の圧力予備冷却システムを含む。しかしながら、任意の数の圧力レベルが提示されてもよい。好ましくは天然ガスである供給流は、水、CO
2およびH
2Sなどの酸性ガス、および水銀などの他の汚染物質を除去するために、前処理区分(図示せず)で既知の方法によって洗浄および乾燥され、結果として前処理された供給流102を生じる。本質的に水を含まない前処理された供給流102は、予備冷却システム134内で予備冷却されて、第2の予備冷却された天然ガス流106を生成し、主極低温熱交換器(MCHE)164内でさらに冷却され、液化され、および/またはサブクール状態にされて、第1のLNG流108を生成する。第1のLNG流108は、典型的には、それをLNG圧力降下装置111に通過させることによって圧力降下されて、減圧されたLNG流103を生成し、これが、その後、フラッシュドラム107に送られて、フラッシュガス流109および第2のLNG流105を生成する。第2のLNG流105は、貯蔵圧力まで降下され、LNG貯蔵タンク(図示せず)に送られ得る。貯蔵タンク内で生成されたフラッシュガス流109および任意の蒸発ガス(BOG)は、プラント内で燃料として使用されてもよく、および/またはフレアに送られてもよい。
【0005】
前処理された供給流102は、第1の予備冷却熱交換器160内で冷却されて、第1の予備冷却された天然ガス流104を生成する。第1の予備冷却された天然ガス流104は、第2の予備冷却熱交換器162内で冷却されて、第2の予備冷却された天然ガス流106を生成する。第2の予備冷却された天然ガス流106は、液化され、続いてサブクール状態にされて、セ氏約−170度〜セ氏約−120度、好ましくはセ氏約−170度〜セ氏約−140度の温度の第1のLNG流108を生成する。
図1に示すMCHE164は、2つの管束である、高温束166および低温束167を有するコイル巻き熱交換器である。しかしながら、任意の数の束および任意の交換器の種類が利用されてもよい。
図1は、予備冷却回路内の2つの予備冷却熱交換器および2つの圧力レベルを示したが、任意の数の予備冷却熱交換器および圧力レベルが利用されてもよい。予備冷却熱交換器は、
図1でコイル巻き熱交換器であるように示される。しかしながら、それらは、プレートおよびフィン熱交換器、シェルおよび管熱交換器、または天然ガスの予備冷却に適切な任意の他の熱交換器であってもよい。
【0006】
「本質的に水を含まない」という用語は、前処理された供給流102内の任意の残留水が、下流の冷却および液化プロセス内で水凍結と関連する動作上の問題を防止するために十分に低い濃度で存在することを意味する。本明細書で説明される実施形態において、水濃度は、好ましくは1.0ppm以下、より好ましくは0.1ppm〜0.5ppmである。
【0007】
DMRプロセス内で使用される予備冷却冷媒は、本明細書では高温混合冷媒(WMR)または「第1の冷媒」と呼ばれる混合冷媒(MR)であり、窒素、メタン、エタン/エチレン、プロパン、ブタン、および他の炭化水素成分などの成分を含む。
図1に例示されるように、低圧WMR流110は、第2の予備冷却熱交換器162のシェル側の高温端から取り出され、WMR圧縮機112の第1の圧縮ステージ112A内で圧縮される。中圧WMR流118は、第1の予備冷却熱交換器160のシェル側の高温端から取り出され、WMR圧縮機112内に副流として導入され、これは、第1の圧縮ステージ112Aからの圧縮された流れ(図示せず)と混合する。混合流(図示せず)は、WMR圧縮機112の第2のWMR圧縮ステージ112B内で圧縮されて、圧縮されたWMR流114を生成する。低圧WMR流110および中圧WMR流118内に存在する任意の液体は、気液分離装置(図示せず)内で除去される。
【0008】
圧縮されたWMRストリーム114は、冷却され、好ましくはWMR後段冷却器115内で凝縮され、第1の冷却され圧縮されたWMR流116を生成し、これは、第1の予備冷却熱交換器160内に導入されて、管回路内でさらに冷却されて、第2の冷却され圧縮されたWMR流120を生成する。第2の冷却され圧縮されたWMR流120は、2つの部分、第1の部分122および第2の部分124に分割される。第2の冷却され圧縮されたWMR流の第1の部分122は、第1のWMR膨張装置126内で膨張されて、第1の膨張されたWMR流128を生成し、これは、第1の予備冷却熱交換器160のシェル側に導入されて、冷却能力を提供する。第2の冷却され圧縮されたWMR流の第2の部分124は、第2の予備冷却熱交換器162内に導入されてさらに冷却され、その後、第2のWMR膨張装置130内で膨張されて、第2の膨張されたWMR流132を生成し、これは、第2の予備冷却熱交換器162のシェル側に導入されて、冷却能力を提供する。WMRが予備冷却熱交換器から取り出された後にWMRを圧縮および冷却するプロセスは、本明細書ではWMR圧縮シーケンスと概して呼ばれる。
【0009】
図1は、圧縮ステージ112Aおよび112Bが単一の圧縮機本体内で実施されることを示すが、それらは、2つ以上の別個の圧縮機内で実施されてもよい。さらに、中間冷却熱交換器がステージ間に提供されてもよい。WMR圧縮機112は、遠心分離タイプ、軸タイプ、正変位タイプ、または任意の他の圧縮機タイプなどの任意の種類の圧縮機であり得る。
【0010】
DMRプロセスにおいて、液化およびサブクール状態化は、予備冷却された天然ガスを、本明細書では低温混合冷媒(CMR)または「第2の冷媒」と呼ばれる第2の混合冷媒流に対して熱交換することによって実施される。
【0011】
高温低圧CMR流140は、MCHE164のシェル側の高温端から取り出され、吸引ドラム(図示せず)を通して送られて、任意の液体に分離され、蒸気流は、CMR圧縮機141内で圧縮されて、圧縮されたCMR流142を生成する。高温低圧CMR流140は、典型的には、WMR予備冷却温度またはその近傍の温度、好ましくはセ氏約−30度未満の温度、かつ10bara(145psia)未満の圧力で取り出される。圧縮されたCMR流142は、CMR後段冷却器143内で冷却されて、圧縮され冷却されたCMR流144を生成する。追加のフェーズセパレータ、圧縮機、および後段冷却器が存在してもよい。CMRがMCHE164のおよび高温端から取り出された後にCMRを圧縮冷却するプロセスは、本明細書ではCMR圧縮シーケンスと概して呼ばれる。
【0012】
圧縮され冷却されたCMR流144は、その後、予備冷却システム134内で蒸発WMRに対して冷却される。圧縮され冷却されたCMR流144は、第1の予備冷却熱交換器160内で冷却されて、第1の予備冷却されたCMR流146を生成し、その後、第2の予備冷却熱交換器162内で冷却されて、第2の予備冷却されたCMR流148を生成し、これは、予備冷却温度およびCMR流の組成に応じて完全に凝縮され得るか、二相であり得る。CMR流148は、その後、液化システム165内で液化され、任意にサブクール状態にされる。
図1は、第2の予備冷却されたCMR流148が、二相であり、かつCMRフェーズセパレータ150に送られて、CMR液体(CMRL)流152およびCMR蒸気(CMRV)流151を生成し、この両方がMCHE164に送り戻されて、さらに冷却される構成を示す。フェーズセパレータを出る液体流は、工業的にMRLと呼ばれ、フェーズセパレータを出る蒸気流は、それらがその後に液化された後でも、工業的にMRVと呼ばれる。
【0013】
CMRL流152およびCMRV流151の両方は、MCHE164の2つの分離回路内で冷却される。CMRL流152は、MCHE164の高温束166内で冷却および部分的に液化され、結果としてCMRL膨張装置153にわたって圧力降下される低温流をもたらして、膨張CMRL流154を生成し、これは、MCHE164のシェル側に送り戻されて、高温束166内で必要とされる冷媒を提供する。CMRV流151は、高温束166内で冷却され、続いてMCHE164の低温束167内で、その後、CMRV膨張装置155にわたって圧力が低減されて、MCHE164に導入される膨張CMRV流156を生成して、低温束167および高温束166内で必要とされる冷媒を提供する。
【0014】
MCHE164および予備冷却熱交換器160は、コイル巻き熱交換器、プレートおよびフィン熱交換器、またはシェルおよび管熱交換器などの、天然ガスの冷却および液化に適切な任意の交換器であり得る。コイル巻き熱交換器は、天然ガスの液化のための最新式の交換器であり、プロセスおよび高温冷媒流を流すための複数の渦巻管と、低温冷媒流を流すためのシェル空間と、を備える少なくとも1つの管束を含む。
【0015】
図1に示される構成において、第1の予備冷却熱交換器160の低温端は、セ氏20度未満、好ましくはセ氏約10度未満、より好ましくはセ氏約0度未満の温度である。第2の予備冷却熱交換器162の低温端は、セ氏10度未満、好ましくはセ氏約0度未満、より好ましくはセ氏約−30度未満の温度である。それゆえに、第2の予備冷却熱交換器は、第1の予備冷却熱交換器よりも低い温度である。
【0016】
混合冷媒サイクルの重要な利点は、混合冷媒流の組成が、熱交換器中の冷却曲線および出口温度を調節して、プロセス効率を向上するように最適化され得ることである。これは、冷却プロセスの様々なステージについての冷媒流の組成を調節することによって達成され得る。例えば、高濃度のエタンおよびより重い成分を含む混合冷媒は、予備冷却冷媒として良く適しており、一方で高濃度のメタンおよび窒素を含む混合冷媒は、サブクール冷媒として良く適する。
【0017】
図1に示される構成において、第1の予備冷却熱交換器に冷却能力を提供する第1の膨張WMR流128の組成は、第2の予備冷却熱交換器162に冷却能力を提供する第2の膨張WMR流132の組成と同一である。第1および第2の予備冷却熱交換器が異なる温度まで冷却を行うため、両方の交換器に同一の冷媒組成を使用することは非効率である。さらに、非効率性は、3つ以上の予備冷却熱交換器によって増大する。
【0018】
低下した効率は、同一量のLNGを生成するために必要とされる動力の増加をもたらす。低下した効率は、固定量の利用可能な予備冷却駆動動力で全体としてより高温の予備冷却温度をさらに結果としてもたらす。これは、冷媒負荷を予備冷却システムから液化システムに移し、MCHEをより大きくし、液化動力負荷を増加させ、これは、資本コストおよび実施可能性の見地から望ましくないものであり得る。
【0019】
この問題を解決するための1つの手法は、予備冷却の各ステージに対して2つの別個の閉ループ冷媒回路を有することである。これは、第1の予備冷却熱交換器160および第2の予備冷却熱交換器162のための別個の混合冷媒回路を必要とすることになる。これは、2つの冷媒流の組成が独立的に最適化されることを可能にし、それゆえに効率が改善することになる。しかしながら、この手法は、各予備冷却熱交換器に対して別個の圧縮システムを必要とすることになり、これは、増加した資本コスト、設置面積、および動作上の複雑さをもたらすことになり、望ましいものではない。
【0020】
図1に示される構成に伴う別の問題は、予備冷却システムおよび液化システムによって必要とされる動力が等しくない場合があり、動力を提供するために異なる数の駆動装置を必要とすることである。多くの場合、液化システムは、達成可能である典型的な予備冷却温度によって予備冷却システムよりも高い動力要件を有する。一部の場合において、予備冷却システム駆動装置と液化システム駆動装置との間で50対50の動力分割を達成することが望まれ得る。
【0021】
それゆえに、予備冷却システムの動力要件と液化システムの動力要件との間でより平衡であることを提供し、かつ両方のシステムの効率を改善し、一方で資本コスト、設置面積または動作上の複雑さの増大を回避する、天然ガスを液化するための改善されたシステムに対する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0022】
この発明の概要は、発明を実施するための形態において以下にさらに説明される概念の選択を簡略化された形式で導入するために提供される。この発明の概要は、特許請求の範囲に記載された対象の重要な特徴または本質的特徴を識別することを意図しておらず、特許請求の範囲に記載された対象の範囲を限定するように使用されることも意図していない。
【0023】
一部の実施形態は、以下に説明され、添付の特許請求の範囲によって定義されるように、LNG液化プロセスの予備冷却部分に対する改善を含む。一部の実施形態は、予備冷却部分で複数の予備冷却熱交換器区分を使用し、かつ予備冷却熱交換区分に対する冷却能力を異なる圧力で圧力システム内に提供するために使用される冷媒の流れを導入することによって当分野における必要性を満たす。一部の実施形態は、中間冷却され、かつ圧縮システムの圧縮ステージ間で分離される冷媒の流れの液体部分を導くことによって当分野における必要性を満たす。
【0024】
システムおよび方法のいくつかの態様が以下に概説される。
【0025】
態様1:炭化水素供給流を液化するための装置であって、
少なくとも1つの圧縮ステージを備える圧縮サブシステムと、
予備冷却サブシステムであって、
最も高温の熱交換区分(260、360、460、560および最も低温の熱交換区分(262、362、464、564)を備える複数の熱交換区分と、
複数の熱交換区分の各々を通って延在し、炭化水素流体の供給の下流にあり、かつそれと流体流連通している第1の炭化水素回路(202、302、402、502)と、
第1の炭化水素回路から予備冷却炭化水素流を受容するために第1の炭化水素回路(202、302、402、502)の下流にあり、かつそれと流体流連通している第2の炭化水素回路(106)を有する主熱交換器(264)であって、主熱交換器(164)が、生成物第1の液化炭化水素流への第2の冷媒に対する間接熱交換によって予備冷却炭化水素流を少なくとも部分的に液化するように作動的に構成されている、主熱交換器と、
複数の熱交換区分の各々および主熱交換器(264)を通って延在し、第2の冷媒を含有し、かつ主熱交換器(264)に冷却を提供するように作動的に構成されている第2の冷媒回路(244、344、444、544)と、
最も高温の熱交換区分(260、360、460、560)および圧縮サブシステムを通って延在し、かつ第1の冷媒を含有する第1の予備冷却冷媒回路(275、375、475、575)と、
最も高温の熱交換区分(260、360、460、560)、最も低温の熱交換区分(262、362、462、562)、および圧縮サブシステムを通って延在し、かつ第1の冷媒を含有する第2の予備冷却冷媒回路(216、316、416、516)と、
主熱交換器から第1の液化炭化水素流を受容するために主熱交換器(264)の下流にあり、かつそれと流体流連通しており、さらに第1の液化炭化水素流をフラッシュガス流と第2の液化炭化水素流とに分離するように作動的に構成されている気液分離装置(207)と、
気液分離装置(207)の下流にあり、かつそれと流体流連通している再循環ガス回路であって、再循環流が、最も高温の熱交換区分(260)から上流の第1の炭化水素回路(202)と流体流連通している再循環流混合点(245)を有する、再循環ガス回路と、を備え、
圧縮サブシステムおよび予備冷却サブシステムは、第1の冷媒を、最も高温の熱交換区分(260、360、460、560)に第1の予備冷却冷媒回路(275、375、475、575)を通して第1の予備冷却冷媒入口圧力で、かつ第1の予備冷却冷媒組成を含んで供給し、さらに第1の蒸発された第1の冷媒を、最も高温の熱交換区分(260、360、460、560)から第1の予備冷却冷媒出口圧力で除去するように作動的に構成され、
圧縮サブシステムおよび予備冷却サブシステムは、第1の冷媒を、最も高温の熱交換区分(260、360、460、560)に第2の予備冷却冷媒回路(216、316、416、516)を通して第2の予備冷却冷媒入口圧力かつ第2の予備冷却冷媒組成を含んで供給し、さらに第2の蒸発された第1の冷媒を、最も低温の熱交換区分(262、362、464、564)から第2の予備冷却冷媒出口圧力で除去するように作動的に構成され、第2の予備冷却冷媒入口圧力が、第1の予備冷却冷媒入口圧力よりも高く、第2の予備冷却冷媒出口圧力が、第1の予備冷却冷媒出口圧力よりも低く、かつ第2の予備冷却冷媒組成が、第1の予備冷却冷媒組成とは異なる、装置。
【0026】
態様 2:主熱交換器は、コイル巻き熱交換器である、態様1に記載の装置。
【0027】
態様 3:主熱交換器は、1つのみのコイル束を有する、態様1または2に記載の装置。
【0028】
態様 4:圧縮サブシステムおよび予備冷却サブシステムは、第2の蒸発された第1の冷媒を、最も低温の熱交換区分から、第1の予備冷却冷媒出口圧力よりも少なくとも5bara高い第2の予備冷却冷媒出口圧力で除去するように作動的に構成されている、態様1〜3のいずれか1つに記載の装置。
【0029】
態様 5:第1の予備冷却冷媒組成は、60モル%未満のエタンおよび軽質炭化水素を有し、第2の予備冷却冷媒組成は、60モル%超のエタンおよび軽質炭化水素を有する、態様1〜4のいずれか1つに記載の装置。
【0030】
態様 6:再循環ガス回路は、気液分離装置から下流に位置し、かつそれと流体流連通しているフラッシュ熱交換器をさらに備える、態様1〜5のいずれか1つに記載の装置。
【0031】
態様 7:炭化水素供給流を液化するための装置であって、
最も高温の熱交換区分および最も低温の熱交換区分を備える複数の熱交換区分と、
複数の熱交換区分の各々を通って延在し、炭化水素流体の供給の下流にあり、かつそれと流体流連通している第1の炭化水素回路と、
複数の熱交換区分の各々を通って延在し、かつ第2の冷媒を含有する第2の冷媒回路と、
最も高温の熱交換区分を通って延在し、かつ第1の冷媒を含有する第1の予備冷却冷媒回路と、
最も高温の熱交換区分および最も低温の熱交換区分を通って延在し、かつ第1の冷媒を含有する第2の予備冷却冷媒回路と、
第1の予備冷却冷媒回路の上流端に位置する第1の予備冷却冷媒回路入口と、第1の予備冷却冷媒回路の下流端に位置する第1の圧力降下装置と、第1の圧力降下装置の下流にあり、かつそれと流体流連通しており、さらに最も高温の熱交換区分の第1の低温回路から上流かつそれと流体流連通している第1の膨張冷媒導管と、
第2の予備冷却冷媒回路の上流端に位置する第2の予備冷却冷媒回路入口と、第2の予備冷却冷媒回路の下流端に位置する第2の圧力降下装置と、第2の圧力降下装置の下流にあり、かつそれと流体流連通しており、さらに最も低温の熱交換区分の第2の低温回路から上流かつそれと流体流連通している第2の膨張冷媒導管と、
圧縮システムであって、
第1の圧縮ステージおよび最も低温の熱交換区分の高温端と流体流連通している低圧の第1の冷媒導管と、
第2の圧縮ステージおよび第1の熱交換区分の高温端と流体流連通している中圧の第1の冷媒導管と、
第2の圧縮ステージから下流の第1の後段冷却器と、
第1の気液分離装置であって、第1の後段冷却器と流体流連通しており、かつそこから下流の第1の入口、第1の気液分離装置の上半分に位置する第1の蒸気出口、第1の気液分離装置の下半分に位置する第1の液体出口を有し、第1の液体出口が、第1の予備冷却冷媒回路入口から上流かつそれと流体流連通している、第1の気液分離装置と、
第1の蒸気出口から下流の第3の圧縮ステージと、
第3の圧縮ステージから下流の第2の後段冷却器と、を備える、圧縮システムと、
第1の炭化水素回路から予備冷却された炭化水素流を受容するために第1の炭化水素回路の下流にあり、かつそれと流体流連通している第2の炭化水素回路を有する主熱交換器であって、主熱交換器もまた、複数の熱交換区分の第2の冷媒回路の下流にあり、かつそれと流体流連通しており、主熱交換器が、第2の冷媒に対する間接熱交換によって予備冷却された炭化水素流を少なくとも部分的に液化して、第1の液化炭化水素流を生成するように作動的に構成されている、主熱交換器と、
主熱交換器の下流にあり、かつそれと流体流連通であり、第1の液化炭化水素流をフラッシュガス流と第2の液化炭化水素流とに分離するように作動的に構成されている第3の気液分離装置と、
第3の気液分離装置の下流にあり、かつそれと流体流連通している再循環ガス回路であって、再循環ガス回路が、フラッシュ熱交換器を通って延在し、かつ最も高温の熱交換区分から上流の第1の炭化水素回路と流体流連通している再循環流出口を有する、再循環ガス回路と、を備え、
フラッシュガス熱交換器は、少なくとも1つの加温流に対してフラッシュガス流を加温するように作動的に構成され、
最も高温の熱交換区分は、第1の炭化水素回路を通って流れる炭化水素流体、第2の冷媒回路を通って流れる第2の冷媒、第1の予備冷却する第1の冷媒回路および第2の予備冷却冷媒回路を通って流れる第1の冷媒を、最も高温の熱交換区分の第1の冷却回路を通って流れる第1の冷媒に対して部分的に予備冷却するように作動的に構成され、
最も低温の熱交換区分は、第1の炭化水素回路を通って流れる炭化水素流体を予備冷却して予備冷却された炭化水素流を生成し、第2の冷媒回路を通って流れる第2の冷媒を予備冷却して、予備冷却された第2の冷媒流を生成し、かつ第2の予備冷却冷媒回路を通って流れる第1の冷媒を最も高温の熱交換区分の第1の冷却回路を通って流れる第1の冷媒に対して予備冷却するように作動的に構成されている、装置。
【0032】
態様 8:第1の熱交換区分は、複数の熱交換区分のうちの最も高温の熱交換区分である、態様7に記載の装置。
【0033】
態様 9:第1の圧縮ステージ、第2の圧縮ステージ、および第3の圧縮ステージは、第1の圧縮機の単一ケースに位置している、態様7または8に記載の装置。
【0034】
態様 10:圧縮システムは、第2の圧縮ステージから下流の第1の中間冷却器と、第1の中間冷却器の下流にあり、かつそれと流体流連通している冷却された第1の中間冷媒導管と、をさらに備える、態様7〜9のいずれか1つに記載の装置。
【0035】
態様 11:最も高温の熱交換区分の高温端および冷却された第1の中間冷媒導管と流体流連通している高圧の第1の冷媒導管をさらに備える、態様10に記載の装置。
【0036】
態様 12:
第1の気液分離装置から下流の第3の後段冷却器と、
第2の気液分離装置であって、第3の後段冷却器と流体流連通であり、かつそこから下流の第3の入口、第2の気液分離装置の上半分に位置する第2の蒸気出口、第2の気液分離装置の下半分に位置する第2の液体出口を有する、第2の気液分離装置と、をさらに備える、態様10に記載の装置。
【0037】
態様13:複数の熱交換区分は、第1の熱交換器の複数の区分である、態様7〜12のいずれか1つに記載の装置。
【0038】
態様14:複数の熱交換区分は各々、コイル巻き熱交換器を備える、態様7〜13のいずれか1つに記載の装置。
【0039】
態様15:主熱交換器は、コイル巻き熱交換器である、態様7〜14のいずれか1つに記載の装置。
【0040】
態様16:第2の予備冷却冷媒回路は、最も高温の熱交換区分、第1の熱交換区分、および最も低温の熱交換区分を通って延在している、態様7〜15に記載の装置。
【0041】
態様17:第2の予備冷却冷媒回路内に含有された第1の冷媒は、第1の予備冷却冷媒回路内に含有された第1の冷媒よりも高濃度のエタンおよび軽質炭化水素を有する、態様7〜16に記載の装置。
【0042】
態様18:最も高温の熱交換区分の第1の低温回路は、最も高温の熱交換区分のシェル側であり、最も低温の熱交換区分の第1の低温回路は、最も低温の熱交換区分のシェル側である、態様7〜17のいずれか1つに記載の装置。
【0043】
態様19:少なくとも最も高温の熱交換区分および第1の熱交換区分を通って延在し、かつ第1の冷媒を含有する第3の予備冷却冷媒回路を備える、態様7〜18のいずれか1つに記載の装置。
【0044】
態様20:主熱交換器は、単一束のコイル巻き熱交換器である、態様7〜19のいずれか1つに記載の装置。
【0045】
態様21:再循環ガス回路は、フラッシュ熱交換器の下流にあり、かつそれと流体流連通している圧縮機と、圧縮機の下流にあり、かつそれと流体流連通しているフラッシュガス冷却器と、をさらに備える、態様7〜20のいずれか1つに記載の装置。
【0046】
態様22:少なくとも1つの加温流は、予備冷却された第2の冷媒流の第1の部分を含む、態様7〜21のいずれか1つに記載の装置。
【0047】
態様23:少なくとも1つの加温流は、予備冷却冷媒の第1の部分含み、第1の冷媒の第1の部分が、最も高温の熱交換区分から上流かつ第2の後段冷却器から下流の第2の予備冷却冷媒回路から取り出される、態様7〜22のいずれか1つに記載の装置。
【0048】
態様24:主熱交換器は、任意に、第2の液化炭化水素流が、所定目標温度以下である第2の温度を有し、かつ第1の液化炭化水素流が、第2の温度よりも高い第1の温度を有するように構成されている、態様7〜23のいずれか1つに記載の装置。
【0049】
態様25:第1の冷媒は、第1の組成を有し、第2の冷媒は、第2の組成を有し、第1の組成が第2の組成とは異なる、態様7〜24のいずれか1つに記載の装置。
【0050】
態様26:炭化水素供給流を液化するための装置であって、
最も高温の熱交換区分および最も低温の熱交換区分を備える複数の熱交換区分と、
複数の熱交換区分の各々を通って延在し、炭化水素流体の供給の下流にあり、かつそれと流体流連通している第1の炭化水素回路と、
複数の熱交換区分の各々を通って延在し、かつ第2の冷媒を含有する第2の冷媒回路と、
複数の熱交換区分を通って延在する予備冷却冷媒回路であって、予備冷却冷媒回路が、第1の冷媒を含有し、予備冷却冷媒回路が、第1の冷媒の第1の部分を、膨張装置を通して最も高温の熱交換区分のシェル側内に、最も低温の熱交換区分を通る第1の冷媒の第2の部分を、膨張装置を通して最も低温の熱交換区分のシェル側内に導入するように作動的に構成されている、予備冷却冷媒回路と、
圧縮システムであって、
第1の圧縮ステージおよび最も低温の熱交換区分の高温端と流体流連通している低圧の第1の冷媒導管と、
第2の圧縮ステージおよび最も高温の熱交換区分の高温端と流体流連通している中圧の第1の冷媒導管と、
第2の圧縮ステージから下流の第1の後段冷却器と、
第1の気液分離装置であって、第1の後段冷却器と流体流連通であり、かつそこから下流の第1の入口、第1の気液分離装置の上半分に位置する第1の蒸気出口、第1の気液分離装置の下半分に位置する第1の液体出口を有する、第1の気液分離装置と、
第1の蒸気出口から下流の第3の圧縮ステージと、
第3の圧縮ステージから下流の第2の後段冷却器と、を備える、圧縮システムと、
第1の液体出口の下流にあり、かつそれと流体流連通であり、予備冷却冷媒回路から上流かつそれと流体流連通しているポンプと、を備える、圧縮システムと、
第1の炭化水素回路から予備冷却された炭化水素流を受容するために第1の炭化水素回路の下流にあり、かつそれと流体流連通している第2の炭化水素回路を有する主熱交換器であって、主熱交換器もまた、第2の冷媒回路の下流にあり、かつそれと流体流連通しており、主熱交換器が、第2の冷媒に対する間接熱交換によって予備冷却された炭化水素流を少なくとも部分的に液化して、第1の液化炭化水素流を生成するように作動的に構成されている、主熱交換器と、
主熱交換器の下流にあり、かつそれと流体流連通しており、第1の液化炭化水素流をフラッシュガス流と第2の液化炭化水素流とに分離するように作動的に構成されている第3の気液分離装置と、
第3の気液分離装置の下流にあり、かつそれと流体流連通している再循環ガス回路であって、再循環ガス回路が、フラッシュ熱交換器を通って延在し、かつ最も高温の熱交換区分から上流の第1の炭化水素回路と流体流連通している再循環流出口を有する、再循環ガス回路と、を備え、
フラッシュガス熱交換器は、少なくとも1つの加温流に対してフラッシュガス流を加温するように作動的に構成され、
最も高温の熱交換区分は、第1の炭化水素回路を通って流れる炭化水素流体、第2の冷媒回路を通って流れる第2の冷媒、および予備冷却する第1の冷媒回路を通って流れる第1の冷媒を、最も高温の熱交換区分のシェル側を通って流れる第1の冷媒に対して部分的に予備冷却するように作動的に構成され、
最も低温の熱交換区分は、第1の炭化水素回路を通って流れる炭化水素流体を予備冷却して予備冷却された炭化水素流を生成し、第2の冷媒回路を通って流れる第2の冷媒を予備冷却して予備冷却された第2の冷媒流を生成し、かつ予備冷却冷媒回路を通って流れる第1の冷媒を、最も低温の熱交換区分のシェル側を通って流れる第1の冷媒に対して予備冷却するように作動的に構成されている、装置。
【0051】
態様27:主熱交換器は、コイル巻き熱交換器である、態様26に記載の装置。
【0052】
態様28:主熱交換器は、1つのみのコイル束を有する、態様27に記載の装置。
【0053】
態様29:炭化水素流体を含む炭化水素供給流、および第2の冷媒を含む第2の冷媒供給流を、予備冷却サブシステムの複数の熱交換区分の各々内で第1の冷媒による間接熱交換によって冷却し、かつ主熱交換器内で炭化水素供給流を少なくとも部分的に液化する方法であって、予備冷却サブシステムが、複数の熱交換区分および圧縮サブシステムを備え、方法は、
a.炭化水素供給流および第2の冷媒供給流を、複数の熱交換区分のうちの最も高温の熱交換区分内に導入することと、
b.炭化水素供給流および第2の冷媒供給流を、複数の熱交換区分の各々内で冷却して、予備冷却された炭化水素流および完全に凝縮されている予備冷却された第2の冷媒流を生成することと、
c.主熱交換器内で第2の冷媒に対して、予備冷却された炭化水素流をさらに冷却および少なくとも部分的に液化して、第1の液化炭化水素流を生成することと、
d.複数の熱交換区分のうちの最も低温の熱交換区分から低圧の第1の冷媒流を取り出し、低圧の第1の冷媒流を、圧縮サブシステムの少なくとも1つの圧縮ステージ内で圧縮することと、
e.複数の熱交換区分のうちの第1の熱交換区分から中圧の第1の冷媒流を取り出すことであって、第1の熱交換区分が、最も低温の熱交換区分よりも高温である、取り出すことと、
f.ステップ(d)および(e)が実施された後、低圧の第1の冷媒流と中圧の第1の冷媒流とを混合して、混合された第1の冷媒流を生成することと、
g.圧縮システムから、高高圧の第1の冷媒流を取り出すことと、
h.高高圧の第1の冷媒流を、少なくとも1つの冷却ユニット内で冷却および少なくとも部分的に凝縮して、冷却された高高圧の第1の冷媒流を生成することと、
i.冷却された高高圧の第1の冷媒流を第1の気液分離装置内に導入して、第1の蒸気冷媒流および第1の液体冷媒流を生成することと、
j.ポンプを使用して第1の液体冷媒流の圧力を上昇させて、第1のポンピングされた液体冷媒流を生成することと、
k.ステップ(i)の第1の蒸気冷媒流の少なくとも一部分を少なくとも1つの圧縮ステージ内で圧縮することと、
l.圧縮された第1の冷媒流を少なくとも1つの冷却ユニット内で冷却および凝縮して、凝縮された第1の冷媒流を生成することであって、少なくとも1つの冷却ユニットが、ステップ(n)の少なくとも1つの圧縮ステージの下流にあり、かつそれと流体流連通している、冷却および凝縮することと、
m.少なくとも1つの冷却ユニットから上流で第1のポンピングされた液体冷媒流を圧縮された第1の冷媒流と混合することと、
n.凝縮された第1の冷媒流を、複数の熱交換区分のうちの最も高温の熱交換区分内に導入することと、
o.凝縮された第1の冷媒流を最も高温の熱交換区分内で冷却して、冷却され凝縮された第1の冷媒流を生成することと、
p.冷却され凝縮された第1の冷媒流の第1の部分を膨張させて、第1の膨張された第1の冷媒流を生成することと、
q.第1の膨張された第1の冷媒流を最も高温の熱交換区分内に導入して、ステップ(b)のための冷却能力を提供することと、
r.冷却され凝縮された第1の冷媒流の第2の部分を最も低温の熱交換区分内でさらに冷却して、さらに冷却され凝縮された第1の冷媒流を形成することと、
s.さらに冷却され凝縮された第1の冷媒流を膨張させて、第2の膨張された第1の冷媒流を形成することと、
t.第2の膨張された第1の冷媒流を最も低温の熱交換区分内に導入して、ステップ(b)のための冷却能力を提供することと、
u.第1の液化炭化水素流を膨張させて、減圧された第1の液化炭化水素流を形成することと、
v.減圧された第1の液化炭化水素流を、フラッシュガス流と第2の液化炭化水素流とに分離することと、
w.予備冷却サブシステムからの少なくとも1つの流れに対する間接熱交換によってフラッシュガス流を加温して、加温されたフラッシュガス流を形成することと、
x.加温されたフラッシュガス流を圧縮して、圧縮されたフラッシュガス流を形成することと、
y.圧縮されたフラッシュガス流を冷却して、再循環流を形成することと、
z.ステップ(a)を実施する前に、再循環流の少なくとも第1の部分を炭化水素供給流と混合することと、を含む、方法。
【発明を実施するための形態】
【0061】
続く、発明を実施するための形態は、好ましい例示的な実施形態を提供するのみであり、特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。むしろ、好ましい例示的な実施形態の以下の発明を実施するための形態は、当業者に、好ましい例示的な実施形態の実施を可能にする説明を提供する。様々な変更が、その概念および範囲から逸脱することなく、要素の機能および構成で行われ得る。
【0062】
図面と関連して本明細書に導入される参照番号は、他の特徴についての文脈を提供するために、本明細書内に追加的な説明を伴うことなく、1つ以上の後続の図で繰り返され得る。図において、他の実施形態のものと同様の要素は、参照番号に100を加えた値によって表される。例えば、
図2の実施形態と関連するフラッシュドラム207は、
図3の実施形態と関連するフラッシュドラム307に対応する。かかる要素は、特に明記しない限り、または本明細書で図示されない限り、同一の機能および特徴を有するとみなされるべきであり、かかる要素の論述は、それゆえに複数の実施形態に対して繰り返されない場合がある。
【0063】
本明細書および特許請求の範囲で使用される「流体流連通」という用語は、液体、蒸気、および/または二相混合物が、直接または間接のいずれか一方で制御された様式(即ち、漏れずに)で、構成要素間で移送されることを可能にする、2つ以上の構成要素間の接続性の性質を意味する。2つ以上の構成要素が互いに流体流連通しているように2つ以上の構成要素を連結することは、溶接、フランジ導管、ガスケット、およびボルトなどの使用によるなどの、当分野で既知の任意の適切な方法を含み得る。2つ以上の構成要素はまた、それらを分離し得るシステムの他の構成要素、例えば、バルブ、ゲート、または流体流を選択的に遮断もしくは導通させ得る他の装置を介して共に連結され得る。
【0064】
本明細書および特許請求の範囲で使用される「導管」という用語は、流体がシステムの2つ以上の構成要素間で移送され得るように通る1つ以上の構造体を意味する。例えば、導管は、液体、蒸気、および/またはガスを移送するパイプ、ダクト、通路、およびそれらの組み合わせを含み得る。
【0065】
本明細書および特許請求の範囲で使用される「天然ガス」という用語は、主にメタンからなる炭化水素ガス混合物を意味する。
【0066】
本明細書および特許請求の範囲で使用される「炭化水素ガス」または「炭化水素流体」という用語は、少なくとも1つの炭化水素を含むガス/流体を意味し、炭化水素が、ガス/流体の組成全体の少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、含まれる。
【0067】
本明細書および特許請求の範囲で使用される「混合冷媒」(MR)という用語は、少なくとも2つの炭化水素を含む流体を意味し、炭化水素が、冷媒の組成全体の少なくとも80%、含まれる。
【0068】
本明細書および特許請求の範囲で使用される「重質炭化水素」という用語は、少なくともエタンと同程度に重い分子量を有する炭化水素を意味する。
【0069】
「束」および「管束」という用語は、本出願内で交換可能に使用され、同義語であることが意図される。
【0070】
本明細書および特許請求の範囲で使用される「周囲流体」という用語は、周囲圧力および周囲温度またはその近傍でシステムに提供される流体を意味する。
【0071】
特許請求の範囲において、文字が、特許請求の範囲の方法ステップを識別するために使用され得る(例えば、(a)、(b)、および(aa))。これらの文字は、方法ステップの参照を補助するために使用され、特許請求の範囲のステップが実施される順序を示すことを意図せず、かかる順序が特許請求の範囲に具体的に列挙されている場合はその限りである。
【0072】
方向を示す用語が、本明細書および特許請求の範囲で使用され得る(例えば、上、下、左、右など)。これらの方向を示す用語は、単に例示的な実施形態を説明することの補助を意図したものであり、それらの範囲を限定することを意図しない。本明細書において使用される「上流」という用語は、基準点からの導管内の流体の流れの方向と反対である方向を意味することを意図する。同様に、「下流」という用語は、基準点からの導管内の流体の流れの方向と同一である方向を意味することを意図する。
【0073】
本明細書および特許請求の範囲で使用される「高高」、「高」、「中」、「低」、および「低低」は、これらの用語が使用される要素の特性の相対値を表現することを意図する。例えば、高高圧流は、本出願で説明されるかまたは特許請求の範囲である、対応する高圧流、中圧流または低圧流よりも高い圧力を有する流れを示すことを意図する。同様に、高圧流は、本出願で説明されるかまたは特許請求の範囲である、対応する中圧流または低圧流よりも高いが、本出願で説明されるかまたは特許請求の範囲である、対応する高高圧流よりも低い圧力を有する流れを示すことを意図する。同様に、中圧流は、本出願で説明されるかまたは特許請求の範囲である、対応する低圧流よりも高いが、本出願で説明されるかまたは特許請求の範囲である、対応する高圧流よりも低い圧力を有する流れを示すことを意図する。
【0074】
本明細書に別段の記載がない限り、本明細書、図面、および特許請求の範囲において識別される任意かつ全ての百分率は、モル百分率基準であると理解されるべきである。本明細書で別段の記載がない限り、本明細書、図面、および特許請求の範囲において識別される任意かつ全ての圧力は、ゲージ圧力を意味すると理解されるべきである。
【0075】
本明細書において使用される「寒剤」または「寒剤流体」という用語は、セ氏−70度よりも低い温度を有する液体、ガス、または混合相流体を意味することを意図する。寒剤の例としては、液体窒素(LIN)、液化天然ガス(LNG)、液体ヘリウム、液体二酸化炭素、および加圧混合相寒剤(例えば、LINおよび気体窒素の混合物)が挙げられる。本明細書において使用される「極低温度」という用語は、セ氏−70度未満の温度を意味することを意図する。
【0076】
本明細書および特許請求の範囲で使用される「熱交換区分」という用語は、高温端および低温端を有すると定義され、別個の低温冷媒流(大気以外)が、熱交換区分の低温端で導入され、高温の第1の冷媒流が、熱交換区分の高温端から取り出される。複数の熱交換区分は、任意に、単一または複数の熱交換器内に収容され得る。シェルおよび管熱交換器またはコイル巻き熱交換器の場合、複数の熱交換区分は、単一シェル内に収容され得る。
【0077】
本明細書および特許請求の範囲で使用される、熱交換区分の「温度」は、その熱交換区分からの炭化水素流の出口温度によって定義される。例えば、熱交換区分に関して使用されるとき、「最も高温」、「より高温」、「最も低温」、および「より低温」という用語は、他の熱交換区分の炭化水素流の出口温度に対するその熱交換区分からの炭化水素流の出口温度を表す。例えば、最も高温の熱交換区分は、いかなる他の熱交換区内の炭化水素流出口温度よりも高い炭化水素流出口温度を有する熱交換区分を示すことを意図する。
【0078】
本明細書および特許請求の範囲で使用される「圧縮システム」という用語は、1つ以上の圧縮ステージとして定義される。例えば、圧縮システムは、単一圧縮機内の複数の圧縮ステージを備え得る。代替例において、圧縮システムは、複数の圧縮機を備え得る。
【0079】
別段の記載がない限り、流れをある位置に導入することは、実質的にその流れの全てをその位置に導入することを意味ように意図される。本明細書に論じられ、かつ図面に示される全ての流れ(典型的には、通常動作中の流体流の全体的な方向を示す矢印を含む線によって表される)は、対応する導管内に収容されると理解されるべきである。各導管は、少なくとも1つの入口および少なくとも1つの出口を有すると理解されるべきである。さらに、各装置は、少なくとも1つの入口および少なくとも1つの出口を有すると理解されるべきである。
【0080】
表1は、説明される実施形態の理解に対する補助として明細書および図面全体を通して用いられる頭字語のリストを定義する。
【表1】
【0081】
システムおよび方法が、圧縮された混合冷媒流を冷却すること、および冷却され圧縮された混合冷媒流を蒸気部分と液体部分とに分離することを含む、複数の圧力レベルを含む混合冷媒予備冷却システムを有する天然ガス液化プロセスの能力および効率を向上するために本明細書に説明される。液体部分は、第1の予備冷却熱交換器に冷却能力を提供する。蒸気部分は、さらに圧縮、冷却、かつ凝縮され、第2の予備冷却熱交換器に冷却能力を提供するために使用される。さらに、システムおよび方法は、予備冷却天然ガスを液化してLNG流を生成することと、LNG流の圧力を低下させてフラッシュガス流を生成することと、フラッシュガス流の少なくとも一部分を第1の予備冷却熱交換器の吸引管に再循環させることと、を含む。
【0082】
図2は、第1の例示的な実施形態を示す。簡略化のために、
図2および後続の図において、予備冷却システム234のみが詳細に示され、液化システムは、簡略化された様式で示される。
図1の液化システム165の詳細は、後続の図のいずれにも適用可能である。
【0083】
低圧WMR流210(第2の蒸発された第1の冷媒流とも呼ばれる)は、第2の予備冷却熱交換器262のシェル側の高温端から取り出され、WMR圧縮機212の第1の圧縮ステージ212A内で圧縮される。中圧WMR流218(第1の蒸発された第1の冷媒流とも呼ばれる)は、第1の予備冷却熱交換器260のシェル側の高温端から取り出され、WMR圧縮機212内に副流として導入され、これは、第1の圧縮ステージ212Aからの圧縮された流れ(図示せず)と混合する。さらに、第1圧縮ステージ212Aからの圧縮された流れは、中圧WMR流218と混合する前に周囲に対して冷却され得る。混合流(図示せず)は、WMR圧縮機212の第2のWMR圧縮ステージ212B内で圧縮されて高高圧WMR流270を生成する。低圧WMR流210および中圧WMR流218内に存在する任意の液体は、WMR圧縮機212内への導入前に気液分離装置(図示せず)内で除去される。
【0084】
高高圧WMR流270は、5bara〜40bara、好ましくは15bara〜30baraの圧力であり得る。高高圧WMR流270は、WMR圧縮機212から取り出され、高高圧WMRインタークーラ271内で冷却され部分的に凝縮されて、冷却された高高圧WMR流272を生成する。高高圧WMR中間冷却器271は、空気または水を使用する周囲冷却器などの任意の適切な種類の冷却ユニットであり得、1つ以上の熱交換器を備え得る。冷却された高高圧WMR流272は、0.2〜0.8、好ましくは0.3〜0.7、より好ましくは0.4〜0.6の蒸気分率を有し得る。冷却された高高圧WMR流272は、第1のWMR気液分離装置273で相分離されて、第1のWMRV流274および第1のWMRL流275を生成する。
【0085】
第1のWMRL流275は、75%未満のエタンおよび軽質炭化水素、好ましくは70%未満のエタンおよび軽質炭化水素、より好ましくは60%未満のエタンおよび軽質炭化水素を含有する。第1のWMRV流274は、40%超のエタンおよび軽質炭化水素、好ましくは50%超のエタンおよび軽質炭化水素、より好ましくは60%超のエタンおよび軽質炭化水素を含有する。第1のWMRL流275は、第1の予備冷却熱交換器260内に導入されて、管回路内で冷却され、第1のさらに冷却されたWMR流236(冷却された液体冷媒流とも呼ばれる)を生成し、これは、第1のWMR膨張装置226(圧力降下装置とも呼ばれる)内で膨張されて、第1の予備冷却熱交換器260に冷却能力を提供する第1の膨張WMR流228を生成する。適切な膨張装置の例としては、ジュールトムソン(J−T)バルブおよびタービンが挙げられる。
【0086】
第1のWMRV流274は、WMR圧縮機212の中に導入されて、WMR圧縮機212の第3のWMR圧縮ステージ212C内で圧縮され、圧縮されたWMR流214を生成する。圧縮されたWMR流214は、冷却され、好ましくはWMR後段冷却器215内で凝縮され、第1の冷却され圧縮されたWMR流216(圧縮された第1の冷媒流または第2の入口流とも呼ばれる)を生成し、これは、第1の予備冷却熱交換器260内に導入されて、管回路内でさらに冷却されて、第1の予備冷却されたWMR流217を生成する。第1の冷却され圧縮されたWMR流216の分子組成は、第1のWMRV流274のものと同一である。第1の冷却され圧縮されたWMR流216の一部分は、WMR流216a(フラッシュ加温流とも呼ばれる)の一部分として予備冷却システム234から除去され、フラッシュガス交換器284内で冷却されてWMR流の冷却された部分216bを生成し、これが、第2のWMR膨張装置230もしくは第1のWMR膨張装置226または任意の他の適切な位置内での膨張から上流の予備冷却システム234に戻され得る。WMR流216aの一部分は、好ましくは、第1の冷却され圧縮されたWMR流216の約20モル%未満であり、好ましくは第1の冷却され圧縮されたWMR流216の2モル%〜10モル%である。
【0087】
第1の予備冷却されたWMR流217は、第2の予備冷却熱交換器262内に導入されて、管回路内でさらに冷却され、第2のさらに冷却されたWMR流237を生成する。第2のさらに冷却されたWMR流237は、第2のWMR膨張装置230(圧力降下装置とも呼ばれる)内で膨張されて、第2の膨張WMR流232を生成し、これが、第2の予備冷却熱交換器262のシェル側に導入されて、冷却能力を提供する。
【0088】
第1の冷却され圧縮されたWMR流216は、完全に凝縮されてもよく、または部分的に凝縮されてもよい。好ましい実施形態において、第1の冷却され圧縮されたWMR流216は、完全に凝縮される。冷却された高高圧WMR流272は、20%未満のエタンよりも軽量の成分、好ましくは10%未満のエタンよりも軽量の成分、より好ましくは5%未満のエタンよりも軽量の成分を含み得、「予備冷却冷媒組成」と呼ばれる。それゆえに、非常に高圧に圧縮する必要なく、圧縮されたWMR流214を完全に凝縮して、完全に凝縮された第1の冷却され圧縮されたWMR流216を生成することが可能である。圧縮されたWMR流214は、300psia(21bara)〜600psia(41bara)の圧力、好ましくは400psia(28bara)〜500psia(35bara)の圧力であり得る。第2の予備冷却熱交換器262が、天然ガスを完全に液化するために使用される液化熱交換器である場合、冷却された高高圧WMR流272は、より高濃度の窒素およびメタンを有することになり、それゆえに、圧縮されたWMR流214の圧力は、第1の冷却され圧縮されたWMR流216が完全に凝縮されるために、より高い必要がある。これが達成可能ではないため、第1の冷却され圧縮されたWMR流216は、完全に凝縮されず、別個に液化される必要があり得る顕著な蒸気濃度を含有することになる。
【0089】
前処理された供給流202(特許請求の範囲では炭化水素供給流と呼ばれる)は、再循環流289と混合されて、混合供給流201を生成し、これは、第1の予備冷却熱交換器260内で冷却されて、セ氏20度未満、好ましくはセ氏約10度未満、より好ましくはセ氏約0度未満の温度の第1の予備冷却された天然ガス流204を生成する。当分野で既知であるように、供給流202は、好ましくは、水分と、酸性ガス、水銀、および他の汚染物質などの他の不純物とを除去するように前処理されている。第1の予備冷却された天然ガス流204は、第2の予備冷却熱交換器262で冷却されて、周囲温度、天然ガス供給組成および圧力に応じて、セ氏10度未満、好ましくはセ氏約0度未満、より好ましくはセ氏約−30度未満の温度の第2の予備冷却された天然ガス流206を生成する。第2の予備冷却された天然ガス流206は、部分的に凝縮され得る。
【0090】
圧縮され冷却されたCMR流244(第2の冷媒供給流とも呼ばれる)は、第1の予備冷却熱交換器260内で冷却されて、第1の予備冷却されたCMR流246を生成する。圧縮され冷却されたCMR流244は、20%超のエタンよりも軽量の成分、好ましくは30%超のエタンよりも軽量の成分、より好ましくは40%超のエタンよりも軽量の成分を含み得、「液化冷媒組成」と呼ばれる。第1の予備冷却されたCMR流246は、第2の予備冷却熱交換器262内で冷却されて、第2の予備冷却されたCMR流248(予備冷却された第2の冷媒流とも呼ばれる)を生成する。
【0091】
第2の予備冷却された天然ガス流206および第2の予備冷却されたCMR流248は、液化システムに送られる。第2の予備冷却された天然ガス流は、MCHE264内で液化かつ任意にサブクール状態にされて、セ氏約−160度〜セ氏約−70度、好ましくはセ氏約−150度〜セ氏約−100度の温度の第1のLNG流208(特許請求の範囲では液化炭化水素流と呼ばれる)を生成する。第2の予備冷却されたCMR流248は、好ましくはMCHE264内で完全に凝縮され、かつサブクール状態にされ、低温CMR流を結果として生じ、これは、CMRL膨張装置253にわたって圧力が降下されて、膨張CMRL流254を生成し、これは、MCHE264のシェル側に送り戻されて、必要な冷却を提供する。MCHE264は、単一束交換器として示されるが、複数の束または交換器が使用されてもよい。さらに、第2の予備冷却されたCMR流248は、二相であってもよく、それは、
図1に示されるように、それを気相と液相とに分離し、かつMCHE内の別個の冷却回路、および別個の膨張装置を利用するために、有益であり得る。
【0092】
高温低圧CMR流240は、MCHE264のシェル側の高温端から取り出され、吸引ドラム(図示せず)を通して送られて、任意の液体に分離され、蒸気流は、CMR圧縮機241内で圧縮されて、圧縮されたCMR流242を生成する。高温低圧CMR流220は、典型的には、WMR予備冷却温度またはその近傍の温度、好ましくはセ氏約−30度未満の温度、かつ10bara(145psia)未満の圧力で取り出される。圧縮されたCMR流242は、CMR後段冷却器243内で、典型的には周囲に対して冷却されて、圧縮され冷却されたCMR流244を生成する。追加の相分離器、圧縮機、および後段冷却器が存在してもよい。圧縮され冷却されたCMR流244は、その後、第1の予備冷却熱交換器260内に導入される。
【0093】
第1のLNG流208は、それをLNG圧力降下装置211に通過させることによって圧力降下されて、減圧されたLNG流203を生成し、これが、その後、フラッシュドラム207に送られて、フラッシュガス流209および第2のLNG流205を生成する。減圧されたLNG流203の圧力は、約20bara未満、好ましくは約10bara未満、より好ましくは約5bara未満の圧力であり得る。第1のLNG流の温度および減圧されたLNG流203の圧力に応じて、フラッシュガス流209の流量が変化し得る。典型的には、より低温の第1のLNG流および/またはより高圧の減圧されたLNG流203は、より低いフラッシュガス流209の流量をもたらすことになる。フラッシュガス流209の流量は、減圧されたLNG流203の流量の約30%未満、好ましくは減圧されたLNG流203の流量の約20%未満の流量であり得る。第2のLNG流205は、貯蔵圧力まで降下され、LNG貯蔵タンク(図示せず)に送られ得る。フラッシュガス流209もまた、貯蔵タンク内で生成された任意の蒸発ガス(BOG)を含み得る。フラッシュガス流209は、フラッシュガス交換器284内で加温されて、加温されたフラッシュガス流285を生成し得る。加温されたフラッシュガス流285は、フラッシュガス圧縮機286内で圧縮されて、圧縮されたフラッシュガス流287を生成し、これは、フラッシュガス冷却器288内で冷却されて、再循環流289、および任意に、設備内で燃料として使用される燃料ガス流289aを生成し得る。フラッシュガス圧縮機286は、好ましくは、電気モータなどの別個の専用駆動装置239によって駆動される。燃料ガス流289aの流量は、フラッシュガス流209の流量の約30%未満、好ましくはフラッシュガス流209の流量の約20%未満の流量であり得る。再循環流289は、再循環流混合点245で前処理された供給流202と混合される。代替的実施形態において、再循環流289は、前処理された供給流202と混合されなくてもよく、予備冷却システムおよび液化システム内で別個の専用回路を通して冷却および液化されてもよい。
【0094】
CMR流の一部分248aは、第2の予備冷却されたCMR流248からなどの、任意の位置で液化システム265から除去され得る。CMR流(フラッシュ加温流とも呼ばれる)の一部分248aは、好ましくは第2の予備冷却されたCMR流248の約20モル%未満であり、好ましくは第2の予備冷却されたCMR流248の5モル%〜15モル%の間である。CMR流の一部分248aは、フラッシュガス流209に対して冷却されて、CMR流の冷却された部分248b(冷却されたフラッシュ加温流とも呼ばれる)を生成し、これは、CMRL膨張装置253の上流などの適切な位置で液化システム265に戻され得る。WMR流の一部分216aもまた、フラッシュガス流209に対して冷却されて、WMR流の冷却された部分216b(冷却されたフラッシュ加温流とも呼ばれる)を生成する。
【0095】
図2は、予備冷却回路内の2つの予備冷却熱交換器および2つの圧力レベルを示したが、任意の数の予備冷却熱交換器および圧力レベルが利用されてもよい。予備冷却熱交換器は、
図2でコイル巻き熱交換器であるように示される。しかしながら、それらは、プレートおよびフィン熱交換器、シェルおよび管熱交換器、または天然ガスの予備冷却に適切な任意の他の熱交換器であってもよい。さらに、熱交換器は、付加製造および3次元プリンティングを含む、任意の方法によって製造され得る。
【0096】
図2の2つの予備冷却熱交換器(260、262)は、単一熱交換器内の2つの熱交換区分であり得る。これに代えて、2つの予備冷却熱交換器は、各々1つ以上の熱交換区分を有する、2つの熱交換器であってもよい。
【0097】
任意に、第1の予備冷却されたWMR流217の一部分は、第1のWMR膨張デバイス226内での膨張前に第1のさらに冷却されたWMR流236と混合されて、追加の冷却を第1の予備冷却熱交換器260に提供し得る(破線217aで示される)。
【0098】
図2は、3つの圧縮ステージを示すが、任意の数の圧縮ステージが実施され得る。さらに、圧縮ステージ212A、212B、および212Cは、単一圧縮機本体の一部であってもよく、または複数の別個の圧縮機であってもよい。加えて、中間冷却熱交換器が、ステージ間に提供されてもよい。WMR圧縮機212、
図1のCMR圧縮機141、および/またはフラッシュガス圧縮機286は、遠心分離タイプ、軸タイプ、正変位タイプ、または任意の他の圧縮機タイプなどの任意の種類の圧縮機であってもよく、任意に中間冷却を有する任意の数のステージを含んでもよい。
【0099】
図2に示される実施形態において、最も高温の熱交換区分は、第1の予備冷却熱交換器260であり、最も低温の熱交換区分は、第2の予備冷却熱交換器262である。
【0100】
好ましい実施形態において、第2の予備冷却CMR流248は、完全に凝縮され得、
図1のCMRフェーズセパレータ150および
図1のCMRV膨張デバイス155の必要性を排除する。本実施形態において、
図1の主極低温熱交換器164は、2つの高温供給流、第2の予備冷却された天然ガス流206および第2の予備冷却されたCMR流248を含む単一束熱交換器であり得る。
【0101】
図2に示される構成の利点は、WMR冷媒流が2つの部分である、重質炭化水素を含む第1のWMRL流275とより軽量な成分を含む第1のWMRV流274とに分割されることである。第1の予備冷却熱交換器260は、第1のWMRL流275を使用して冷却され、第2の予備冷却熱交換器262は、第1のWMRV流274を使用して冷却される。第1の予備冷却熱交換器260が、第2の予備冷却熱交換器262よりも高温に冷却されるため、WMR内の重炭化水素が第1の予備冷却熱交換器260内で必要とされ、一方でWMR内の軽質炭化水素が第2の予備冷却熱交換器262内でより深い冷却を提供するために必要とされる。それゆえに、
図2に示される構成は、改善されたプロセス効率をもたらし、さらにそれゆえに、同一量の予備冷却能力のための予備冷却動力要件を低下させる。固定された予備冷却動力および供給流量において、それは、より低温の予備冷却温度を可能にする。この構成はまた、冷却負荷を液化システムから予備冷却システムに移すことを可能にし、それによって、液化システム内の動力要件を低下させ、MCHEのサイズを低減させる。さらに、WMR圧縮機212の様々な圧縮ステージでのWMR組成および圧力は、冷却された高高圧WMR流272内で最適蒸気分率を結果としてもたらすように最適化され得、プロセス効率のさらなる改善をもたらす。好ましい実施形態において、WMR圧縮機212の3つの圧縮ステージ(212A、212B、および212C)は、単一圧縮機本体内で実施され、それによって、資本コスト化を最小にする。
【0102】
図2の構成は、第1の冷却され圧縮されたWMR流216よりも高い割合の重質炭化水素をモル基準で有する第1のWMRL流275(第1の入口流とも称される)の組成物を結果としてもたらす。加えて、第1のWMRL流275の圧力は、第1の冷却され圧縮されたWMR流216の圧力よりも低い。好ましくは、第1のWMRL流275の圧力は、第1の冷却され圧縮されたWMR流216の圧力よりも少なくとも5bara低く、好ましくは第1の冷却され圧縮されたWMR流216の圧力よりも10bara低い。同様に、
図2の構成はまた、中圧WMR流218の圧力よりも低い低圧WMR流210の圧力を結果としてもたらす。好ましくは、低圧WMR流210の圧力は、中圧WMR流218の圧力よりも少なくとも2bara低い。
【0103】
加えて、
図2に示される実施形態は、第1のLNG流208の温度が、同一LNG製品温度(即ち、第2のLNG流205の温度)について先行技術よりも高温であることを可能にする。これは、先行技術のシステムよりも多量のフラッシュガスが生成されることによる。液化能力およびサブクール能力が低減され、設備に対する全体の動力要件を低下させる。それゆえに、実施形態は、予備冷却システムおよび液化システムに対する動力要件を平衡させることを可能にし、好ましい実施形態において、予備冷却システムと液化システムとの間の50対50の動力分割を結果としてもたらす。
【0104】
さらに、
図2の実施形態は、設備内で燃やす供給ガスの必要性を最小にし、それゆえに、焼失される供給ガス量を低下させる。これは、プラント全体の効率を向上させ、設備をより環境配慮的にし、これは、先行技術プロセスに勝る価値のある改善である。
【0105】
図3は、第2の例示的な実施形態を示す。低圧WMR流310は、低圧WMR圧縮機312内で圧縮されて、第1の高圧WMR流313を生成する。中圧WMR流318は、中圧WMR圧縮機321内で圧縮されて、第2の高圧WMR流323を生成する。第1の高圧WMR流313および第2の高圧WMR流323は、混合されて5bara〜25bara、好ましくは10bara〜20baraの圧力で高高圧WMR流370を生成する。高高圧WMR流370は、高高圧WMR中間冷却器371内で冷却されて、冷却された高高圧WMR流372を生成する。高高圧WMR中間冷却器371は、空気または水に対して冷却を行う周囲冷却器であり得、複数の熱交換器を備え得る。冷却された高高圧WMR流372は、0.3〜0.9、好ましくは0.4〜0.8、より好ましくは0.45〜0.6の蒸気分率を有し得る。冷却された高高圧WMR流372は、20%未満のエタンよりも軽量の成分、好ましくは10%未満のエタンよりも軽量の成分、より好ましくは5%未満のエタンよりも軽量の成分を含み得、「予備冷却冷媒組成」と呼ばれる。冷却された高高圧WMR流372は、第1のWMR気液分離装置373で相分離されて、第1のWMRV流374および第1のWMRL流375を生成する。第1のWMRL流375は、75%未満のエタンおよび軽質炭化水素、好ましくは70%未満のエタンおよび軽質炭化水素、より好ましくは60%未満のエタンおよび軽質炭化水素を含有する。第1のWMRV流374は、40%超のエタンおよび軽質炭化水素、好ましくは50%超のエタンおよび軽質炭化水素、より好ましくは60%超のエタンおよび軽質炭化水素を含有する。第1のWMRL流375は、第1の予備冷却熱交換器内に導入されて冷却され、第1のさらに冷却されたWMR流336を生成する。第1のさらに冷却されたWMR流336は、第1のWMR膨張装置326内で膨張されて、第1の予備冷却熱交換器360に冷却能力を提供する第1の膨張WMR流328を生成する。
【0106】
第1のWMRV流374は、高圧WMR圧縮機376で圧縮されて、圧縮されたWMR流314を生成する。圧縮されたWMR流314は、WMR後段冷却器315内で冷却され、かつ好ましくは凝縮されて、第1の冷却され圧縮されたWMR流316を生成する。第1の冷却され圧縮されたWMR流316の分子組成は、第1のWMRV流374のものと同一である。第1の冷却され圧縮されたWMR流316の一部分は、WMR流の一部分316aとして予備冷却システム334から除去され、フラッシュガス交換器384内で冷却されてWMR流の冷却された部分316bを生成し、これが、第2のWMR膨張装置330、第1のWMR膨張装置326または任意の他の適切な位置内での膨張前に予備冷却システム334に戻され得る。第1の冷却され圧縮されたWMR流316の残りは、第1の予備冷却熱交換器360内に導入されて、管回路内でさらに冷却され、第1の予備冷却されたWMR流317を生成する。第1の予備冷却されたWMR流317は、第2の予備冷却熱交換器362内に導入されて、管回路内でさらに冷却され、第2のさらに冷却されたWMR流337を生成する。第2のさらに冷却されたWMR流337は、第2のWMR膨張装置330内で膨張されて、第2の膨張WMR流332を生成し、これが、第2の予備冷却熱交換器362のシェル側に導入されて、冷却能力を提供する。
【0107】
低圧WMR圧縮機312、中圧WMR圧縮機321、および高圧WMR圧縮機376は、任意に中間冷却熱交換器を含む複数の圧縮ステージを備え得る。高圧WMR圧縮機376は、低圧WMR圧縮機312または中圧WMR圧縮機321と同一の圧縮機本体の一部であり得る。圧縮機は、遠心分離タイプ、軸タイプ、正変位タイプ、または任意の他の圧縮機タイプであり得る。さらに、高高圧WMR流370を高高圧WMR中間冷却器371内で冷却することに代えて、第1の高圧WMR流313および第2の高圧WMR流323は、別個の熱交換器(図示せず)内で個々に冷却されてもよい。第1のWMR気液分離装置373は、相分離器であり得る。代替的実施形態において、第1のWMR気液分離装置373は、カラム内に導入される適切な低温流を含む蒸留カラムまたは混合カラムであり得る。
【0108】
任意に、第1の予備冷却されたWMR流317の一部分は、第1のWMR膨張デバイス326内での膨張前に第1のさらに冷却されたWMR流336と混合されて、追加の冷却を第1の予備冷却熱交換器360に提供し得る(破線317aで示される)。さらなる実施形態は、3つの予備冷却回路を含む
図3の変形例である。本実施形態は、低圧WMR圧縮機312および中圧WMR圧縮機321に加えて、第3の圧縮機を含む。本実施形態において、予備冷却サブシステムの圧縮機312、321、376用の駆動装置は、それぞれ、駆動装置333a、333b、および333cとして符号付けされる。
【0109】
前処理された供給流302(炭化水素供給流とも呼ばれる)は、再循環流389と混合されて、混合供給流301を生成し、これは、第1の予備冷却熱交換器360内で冷却されて、セ氏20度未満、好ましくはセ氏約10度未満、より好ましくはセ氏約0度未満の温度の第1の予備冷却された天然ガス流304を生成する。当分野で既知であるように、供給流302は、好ましくは、水分と、酸性ガス、水銀、および他の汚染物質などの他の不純物とを除去するように前処理されている。第1の予備冷却された天然ガス流304は、第2の予備冷却熱交換器362で冷却されて、周囲温度、天然ガス供給組成および圧力に応じて、セ氏10度未満、好ましくはセ氏約0度未満、より好ましくはセ氏約−30度未満の温度の第2の予備冷却された天然ガス流306を生成する。第2の予備冷却された天然ガス流306は、部分的に凝縮され得る。
【0110】
圧縮され冷却されたCMR流344(第2の冷媒供給流とも呼ばれる)は、第1の予備冷却熱交換器360内で冷却されて、第1の予備冷却されたCMR流346を生成する。圧縮され冷却されたCMR流344は、20%超のエタンよりも軽量の成分、好ましくは30%超のエタンよりも軽量の成分、より好ましくは40%超のエタンよりも軽量の成分を含み得、「液化冷媒組成」と呼ばれる。第1の予備冷却されたCMR流346は、第2の予備冷却熱交換器362内で冷却されて、第2の予備冷却されたCMR流348(予備冷却された第2の冷媒流とも呼ばれる)を生成する。
【0111】
第2の予備冷却された天然ガス流306および第2の予備冷却されたCMR流348は、液化システム365に送られる。第2の予備冷却された天然ガス流は、MCHE364内で液化かつ任意にサブクール状態にされて、セ氏約−160度〜セ氏約−70度、好ましくはセ氏約−150度〜セ氏約−100度の温度の第1のLNG流308(特許請求の範囲では液化炭化水素流と呼ばれる)を生成する。第2の予備冷却されたCMR流348は、好ましくはMCHE364内で完全に凝縮され、かつサブクール状態にされ、低温流を結果として生じ、これは、CMRL膨張装置353にわたって圧力が降下されて、膨張CMRL流354を生成し、これは、MCHE364のシェル側に送り戻されて、必要な冷却を提供する。MCHE364は、単一束交換器として示されるが、複数の束または交換器が使用されてもよい。さらに、第2の予備冷却されたCMR流348は、二相であってもよく、それは、
図1に示されるように、それを気相と液相とに分離し、かつMCHE内の別個の冷却回路、および別個の膨張装置を利用するために、有益であり得る。
【0112】
高温低圧CMR流340は、MCHE364のシェル側の高温端から取り出され、吸引ドラム(図示せず)を通して送られて、任意の液体に分離され、蒸気流は、CMR圧縮機341内で圧縮されて、圧縮されたCMR流342を生成する。高温低圧CMR流320は、典型的には、WMR予備冷却温度またはその近傍の温度、好ましくはセ氏約−30度未満の温度、かつ10bara(145psia)未満の圧力で取り出される。圧縮されたCMR流342は、CMR後段冷却器343内で、典型的には周囲空気に対して冷却されて、圧縮され冷却されたCMR流344を生成する。追加の相分離器、圧縮機、および後段冷却器が存在してもよい。圧縮され冷却されたCMR流344は、その後、第1の予備冷却熱交換器360内に導入される。
【0113】
第1のLNG流308は、それをLNG圧力降下装置311に通過させることによって圧力降下されて、減圧されたLNG流303を生成し、これが、その後、フラッシュドラム307に送られて、フラッシュガス流309および第2のLNG流305を生成する。第2のLNG流305は、貯蔵圧力まで降下され、LNG貯蔵タンク(図示せず)に送られ得る。フラッシュガス流309もまた、貯蔵タンク内で生成された任意の蒸発ガス(BOG)を含み得る。フラッシュガス流309は、フラッシュガス交換器384内で加温されて、加温されたフラッシュガス流385を生成し得る。加温されたフラッシュガス流385は、フラッシュガス圧縮機386内で圧縮されて、圧縮されたフラッシュガス流387を生成し、これは、フラッシュガス冷却器388内で冷却されて、再循環流389、および任意に、設備内で燃料として使用される燃料ガス流389aを生成し得る。再循環流389は、前処理された供給流302と混合される。
【0114】
CMR流の一部分348aは、第2の予備冷却されたCMR流348からなどの、任意の位置で液化システム365から除去され得る。CMR流の一部分348aは、フラッシュガス流309に対して冷却されて、CMR流の冷却された部分348bを生成し、これは、CMRL膨張装置353の上流などの適切な位置で液化システム365に戻され得る。WMR流の一部分316aもまた、フラッシュガス流309に対して冷却されて、WMR流の冷却された部分316bを生成し得る。
【0115】
図3に示される実施形態において、最も高温の熱交換区分は、第1の予備冷却熱交換器360であり、最も低温の熱交換区分は、第2の予備冷却熱交換器362である。WMR圧縮機312、
図1のCMR圧縮機141、および/またはフラッシュガス圧縮機386は、遠心分離タイプ、軸タイプ、正変位タイプ、または任意の他の圧縮機タイプなどの任意の種類の圧縮機であってもよく、任意に中間冷却を有する任意の数のステージを含んでもよい。
【0116】
図2のように、好ましい実施形態において、第2の予備冷却されたCMR流348は、完全に凝縮され得、
図1のCMR相分離器150および
図1のCMRV膨張デバイス155の必要性を排除する。本実施形態において、
図1の主極低温熱交換器164は、2つの高温供給流、第2の予備冷却された天然ガス流306および第2の予備冷却されたCMR流348を含む単一束熱交換器であり得る。
【0117】
図2と同様に、
図3に示される構成の利点は、WMR冷媒流が2つの部分である、重質炭化水素を含む第1のWMRL流375と軽質炭化水素を含む第1のWMRV流374とに分割されることである。第1の予備冷却熱交換器360が、第2の予備冷却熱交換器362よりも高温に冷却されるため、WMR内の重質炭化水素が第1の予備冷却熱交換器260内で必要とされ、一方でWMR内の軽質炭化水素が第2の予備冷却熱交換器262内でより深い冷却を提供するために必要とされる。それゆえに、
図3に示される構成は、改善されたプロセス効率をもたらし、さらにそれゆえに、先行技術の
図1と比較して、予備冷却動力要件を低下させる。この構成はまた、冷却負荷を液化システムから予備冷却システムに移すことを可能にし、それによって、液化システム内の動力要件を低下させ、MCHEのサイズを低減させる。さらに、WMR組成および圧力は、冷却された高高圧WMR流372のための最適蒸気分率を結果としてもたらすように最適化され得、プロセス効率のさらなる改善をもたらす。
【0118】
加えて、
図2と同様、
図3に示される実施形態は、第1のLNG流308についての温度が、タンク内の第2のLNG流305の同一温度について先行技術よりも高温であることを可能にする。これは、先行技術の場合よりも多量のフラッシュガスが生成されることによる。それゆえに、液化能力およびサブクール能力が低減され、設備に対する全体の動力要件を低下させる。実施形態はまた、予備冷却システムおよび液化システムについてのほぼ等しい動力要件を可能にする。
【0119】
図3に示される構成の
図2のものと比較した欠点は、WMRの並列圧縮によって少なくとも2つの圧縮機本体を必要とすることである。しかしながら、複数の圧縮機本体が存在しているシナリオで有益である。
図3に示される実施形態において、低圧WMR流310および中圧WMR流318は、並列に圧縮され、これは、圧縮機サイズ制限が懸念されるシナリオで有益である。低圧WMR圧縮機312および中圧WMR圧縮機321は、独立して設計され得、異なる数のインペラ、圧力比率、および他の設計特性を有し得る。
【0120】
図4は、3つの圧力の予備冷却回路が提供される第3の実施形態を示す。低圧WMR流419は、第3の予備冷却熱交換器497のシェル側の高温端から取り出され、WMR圧縮機412の第1の圧縮ステージ412A内で圧縮される。中圧WMR流410は、第2の予備冷却熱交換器462のシェル側の高温端から取り出され、WMR圧縮機412内に副流として導入され、これは、第1の圧縮ステージ412Aからの圧縮された流れ(図示せず)と混合する。混合流(図示せず)は、WMR圧縮機412の第2の圧縮ステージ412B内で圧縮されて、第1の中間WMR流425を生成する。
【0121】
第1の中間WMR流425は、WMR圧縮機412から取り出され、かつ周囲冷却器であり得る高圧WMR中間冷却器427内で冷却されて、冷却された第1の中間WMR流429を生成する。高圧WMR流418は、第1の予備冷却熱交換器460のシェル側の高温端から取り出され、かつ冷却された第1の中間WMR流429と混合されて、混合高圧WMR流431を生成する。低圧WMR流419、中圧WMR流410、高圧WMR流418、および冷却された第1の中間WMR流429内に存在する任意の液体は、気液分離装置(図示せず)内で除去される。代替的実施形態において、高圧WMR流418は、例えば、WMR圧縮機412に対する副流として、WMR圧縮シーケンス内の任意の他の適切な位置で導入され得るか、またはWMR圧縮機412に対する任意の他の入口流と混合され得る。
【0122】
混合高圧WMR流431は、WMR圧縮機412内に導入され、かつWMR圧縮機412の第3のWMR圧縮ステージ412C内で圧縮されて、高高圧WMR流470を生成する。高高圧WMR流470は、5bara〜35bara、好ましくは15bara〜25baraの圧力であり得る。高高圧WMR流470は、WMR圧縮機412から取り出され、高高圧WMR中間冷却器471内で冷却され、かつ部分的に凝縮されて、冷却された高高圧WMR流472を生成する。高高圧WMR中間冷却器471は、空気または水を使用する周囲冷却器であり得る。冷却された高高圧WMR流472は、0.2〜0.8、好ましくは0.3〜0.7、より好ましくは0.4〜0.6の蒸気分率を有し得る。冷却された高高圧WMR流472は、20%未満のエタンよりも軽量の成分、好ましくは10%未満のエタンよりも軽量の成分、より好ましくは5%未満のエタンよりも軽量の成分を含み得、「予備冷却冷媒組成」と呼ばれる。冷却された高高圧WMR流472は、第1のWMR気液分離装置473で相分離されて、第1のWMRV流474および第1のWMRL流475を生成する。
【0123】
第1のWMRL流475は、75%未満のエタンおよび軽質炭化水素、好ましくは70%未満のエタンおよび軽質炭化水素、より好ましくは60%未満のエタンおよび軽質炭化水素を含有する。第1のWMRV流474は、40%超のエタンおよび軽質炭化水素、好ましくは50%超のエタンおよび軽質炭化水素、より好ましくは60%超のエタンおよび軽質炭化水素を含有する。第1のWMRL流475は、第1の予備冷却熱交換器460内に導入されて冷却され、第2の冷却され圧縮されたWMR流420を生成し、これは、2つの部分、第1の部分422および第2の部分424に分割する。第2の冷却され圧縮されたWMR流420の第1の部分422は、第1のWMR膨張装置426内で膨張されて、第1の予備冷却熱交換器460に冷却能力を提供する第1の膨張されたWMR流428を生成する。第2の冷却され圧縮されたWMR流420の第2の部分424は、第2の予備冷却熱交換器462の管回路内でさらに冷却されて、第2のさらに冷却されたWMR流437を生成する。第2のさらに冷却されたWMR流437は、第2のWMR膨張装置430内で膨張されて、第2の膨張WMR流432を生成し、これが、第2の予備冷却熱交換器462のシェル側に導入されて、冷却能力を提供する。
【0124】
第1のWMRV流474は、WMR圧縮機412内に導入されて、第4のWMR圧縮ステージ412D内で圧縮されて、圧縮されたWMR流414を生成する。圧縮されたWMR流414は、WMR後段冷却器415内で冷却され、かつ好ましくは凝縮されて、第1の冷却され圧縮されたWMR流416を生成する。第1の冷却され圧縮されたWMR流416の分子組成は、第1のWMRV流474のものと同一である。第1の冷却され圧縮されたWMR流416の一部分は、WMR流の一部分416aとして予備冷却システム434から除去され、フラッシュガス交換器484内で冷却されてWMR流の冷却された部分416bを生成し、これが、第3のWMR膨張デバイス482、第2のWMR膨張装置430、第1のWMR膨張装置426または任意の他の適切な位置内での膨張前に予備冷却システム434に戻され得る。第1の冷却され圧縮されたWMR流416の残りは、第1の予備冷却熱交換器460内に導入されて、管回路内でさらに冷却され、第2の予備冷却されたWMR流480を生成し得る。第2の冷却WMR流480は、第2の予備冷却熱交換器462内に導入されてさらに冷却され、第3の予備冷却WMR流481を生成し、これは、第3の予備冷却熱交換器497内に導入されてさらに冷却され、第3のさらに冷却されたWMR流438を生成する。第3のさらに冷却されたWMR流438は、第3のWMR膨張装置482内で膨張されて、第3の膨張WMR流483を生成し、これが、第3の予備冷却熱交換器497のシェル側に導入されて、冷却能力を提供する。
【0125】
任意に、第3の予備冷却されたWMR流481の一部分は、第2のWMR膨張装置430内での膨張前に第2のさらに冷却されたWMR流437と混合されて(破線481aによって示される)、第2の予備冷却熱交換器462に追加の冷却を提供し得る。
【0126】
前処理された供給流402(炭化水素供給流とも呼ばれる)は、混合点445で再循環流489と混合されて、混合供給流401を生成し、これは、第1の予備冷却熱交換器460内で冷却されて第1の予備冷却された天然ガス流404を生成する。第1の予備冷却された天然ガス流404は、第2の予備冷却熱交換器462内で冷却されて第3の予備冷却された天然ガス流498を生成し、これは、第3の予備冷却熱交換器497内でさらに冷却されて第2の予備冷却された天然ガス流406を生成する。圧縮され冷却されたCMR流444は、第1の予備冷却熱交換器460内で冷却されて、第1の予備冷却されたCMR流446を生成する。圧縮され冷却されたCMR流444は、20%超のエタンよりも軽量の成分、好ましくは30%超のエタンよりも軽量の成分、より好ましくは40%超のエタンよりも軽量の成分を含み得、「液化冷媒組成」と呼ばれる。第1の予備冷却されたCMR流446は、第2の予備冷却熱交換器462内で冷却されて第3の予備冷却されたCMR流447を生成し、これは、第3の予備冷却熱交換器497内でさらに冷却されて第2の予備冷却されたCMR流448を生成する。
【0127】
第2の予備冷却された天然ガス流406および第2の予備冷却されたCMR流248は、液化システム465に送られる。第2の予備冷却された天然ガス流は、MCHE464内で液化かつ任意にサブクール状態にされて、セ氏約−160度〜セ氏約−70度、好ましくはセ氏約−150度〜セ氏約−100度の温度の第1のLNG流408(特許請求の範囲では液化炭化水素流と呼ばれる)を生成する。第2の予備冷却されたCMR流448は、好ましくはMCHE464内で完全に凝縮され、かつサブクール状態にされ、低温流を結果として生じ、これは、CMRL膨張装置453にわたって圧力が降下されて、膨張CMRL流454を生成し、これは、MCHE464のシェル側に送り戻されて、必要な冷却を提供する。MCHE464は、単一束交換器として示されるが、複数の束または交換器が使用されてもよい。さらに、第2の予備冷却されたCMR流448は、二相であってもよく、それは、
図1に示されるように、それを気相と液相とに分離し、かつMCHE内の別個の冷却回路、および別個の膨張装置を利用するために、有益であり得る。
【0128】
高温低圧CMR流440は、MCHE464のシェル側の高温端から取り出され、吸引ドラム(図示せず)を通して送られて、任意の液体に分離され、蒸気流は、CMR圧縮機441内で圧縮されて、圧縮されたCMR流442を生成する。高温低圧CMR流440は、典型的には、WMR予備冷却温度またはその近傍の温度、好ましくはセ氏約−30度未満の温度、かつ10bara(145psia)未満の圧力で取り出される。圧縮されたCMR流442は、CMR後段冷却器443内で、典型的には周囲空気に対して冷却されて、圧縮され冷却されたCMR流444を生成する。追加の相分離器、圧縮機、および後段冷却器が存在してもよい。圧縮され冷却されたCMR流444は、その後、第1の予備冷却熱交換器460内に導入される。
【0129】
第1のLNG流408は、それをLNG圧力降下装置411に通過させることによって圧力降下されて、減圧されたLNG流403を生成し、これが、その後、フラッシュドラム407に送られて、フラッシュガス流409および第2のLNG流405を生成する。第2のLNG流405は、貯蔵圧力まで降下され、LNG貯蔵タンク(図示せず)に送られ得る。フラッシュガス流409もまた、貯蔵タンク内で生成された任意の蒸発ガス(BOG)を含み得る。フラッシュガス流409は、フラッシュガス交換器484内で加温されて、加温されたフラッシュガス流485を生成し得る。加温されたフラッシュガス流485は、フラッシュガス圧縮機486内で圧縮されて、圧縮されたフラッシュガス流487を生成し、これは、フラッシュガス冷却器488内で冷却されて、再循環流489、および任意に、設備内で燃料として使用される燃料ガス流489aを生成し得る。再循環流489は、前処理された供給流402と混合される。
【0130】
CMR流の一部分448aは、第2の予備冷却されたCMR流448からなどの、任意の位置で液化システム465から除去され得る。CMR流の一部分448aは、フラッシュガス流409に対して冷却されて、CMR流の冷却された部分448bを生成し、これは、CMRL膨張装置453の上流などの適切な位置で液化システム465に戻され得る。WMR流の一部分416aもまた、フラッシュガス流409に対して冷却されて、WMR流の冷却された部分416bを生成し得る。
【0131】
図4は、4つの圧縮ステージを示すが、任意の数の圧縮ステージが存在し得る。さらに、圧縮ステージは、単一の圧縮機本体の一部であってもよく、または任意に中間冷却を有する複数の別個の圧縮機であってもよい。WMR圧縮機412、
図1のCMR圧縮機141、および/またはフラッシュガス圧縮機486は、遠心分離タイプ、軸タイプ、正変位タイプ、または任意の他の圧縮機タイプなどの任意の種類の圧縮機であってもよく、任意に中間冷却を有する任意の数のステージを含んでもよい。
【0132】
図2のように、好ましい実施形態において、第2の予備冷却されたCMR流448は、完全に凝縮され得、
図1のCMR相分離器150および
図1のCMRV膨張デバイス155の必要性を排除する。本実施形態において、
図1の主極低温熱交換器164は、2つの高温供給流、第2の予備冷却された天然ガス流406および第2の予備冷却されたCMR流448を含む単一束熱交換器であり得る。
【0133】
図4に示される実施形態において、最も高温の熱交換区分は、第1の予備冷却熱交換器460であり、最も低温の熱交換区分は、第3の予備冷却熱交換器497である。
【0134】
図4に示される実施形態は、
図2に示される実施形態の利点の全てを有する。さらなる実施形態は、2つの予備冷却熱交換器のみを有する
図4の変形例であり、それにより、第2の冷却され圧縮されたWMR流420全体が、第1の熱交換器に冷却を提供するために使用される。本実施形態は、追加の熱交換器の必要性を排除し、資本コストが低下する。
【0135】
図5は、第4の実施形態、かつ3つの予備冷却熱交換器を有する
図4に示される実施形態の変形例を示す。低圧WMR流519は、第3の予備冷却熱交換器597のシェル側の高温端から取り出され、WMR圧縮機512の第1の圧縮ステージ512A内で圧縮される。中圧WMR流510は、第2の予備冷却熱交換器562のシェル側の高温端から取り出され、WMR圧縮機512内に副流として導入され、これは、第1の圧縮ステージ512Aからの圧縮された流れ(図示せず)と混合する。混合流(図示せず)は、WMR圧縮機512の第2の圧縮ステージ512B内で圧縮されて、第1の中間WMR流525を生成する。第1の中間WMR流525は、周囲冷却器であり得る高圧WMR中間冷却器527内で冷却されて、冷却された第1の中間WMR流529を生成する。
【0136】
低圧WMR流519、中圧WMR流510、および高圧WMR流518内に存在する任意の液体は、気液分離装置(図示せず)内で除去される。
【0137】
高圧WMR流518は、第1の予備冷却熱交換器560のシェル側の高温端から取り出され、かつ冷却された第1の中間WMR流529と混合されて、混合中圧WMR流531を生成する。
【0138】
混合中圧WMR流531は、WMR圧縮機512内に導入され、かつWMR圧縮機512の第3のWMR圧縮ステージ512C内で圧縮されて、高高圧WMR流570を生成する。高高圧WMR流570は、5bara〜35bara、好ましくは10bara〜25baraの圧力であり得る。高高圧WMR流570は、WMR圧縮機512から取り出され、高高圧WMRインタークーラ571内で冷却され部分的に凝縮されて、冷却された高高圧WMR流572を生成する。高高圧WMR中間冷却器571は、空気または水を使用する周囲冷却器であり得る。冷却された高高圧WMR流572は、0.2〜0.8、好ましくは0.3〜0.7、より好ましくは0.4〜0.6の蒸気分率を有し得る。冷却された高高圧WMR流572は、20%未満のエタンよりも軽量の成分、好ましくは10%未満のエタンよりも軽量の成分、より好ましくは5%未満のエタンよりも軽量の成分を含み得、「予備冷却冷媒組成」と呼ばれる。冷却された高高圧WMR流572は、第1のWMR気液分離装置573で相分離されて、第1のWMRV流574および第1のWMRL流575を生成する。
【0139】
第1のWMRL流575は、75%未満のエタンおよび軽質炭化水素、好ましくは70%未満のエタンおよび軽質炭化水素、より好ましくは60%未満のエタンおよび軽質炭化水素を含有する。第1のWMRV流574は、40%超のエタンおよび軽質炭化水素、好ましくは50%超のエタンおよび軽質炭化水素、より好ましくは60%超のエタンおよび軽質炭化水素を含有する。第1のWMRL流575は、第1の予備冷却熱交換器560内に導入されて管回路内で冷却され、第1のさらに冷却されたWMR流536を生成する。第1のさらに冷却されたWMR流536は、第1のWMR膨張装置526内で膨張されて、第1の膨張WMR流528を生成する。第1の膨張WMR流528は、第1の予備冷却熱交換器560に対する冷却能力を提供する。
【0140】
第1のWMRV流574は、WMR圧縮機512内に導入されて第4のWMR圧縮ステージ512D内で圧縮され、10bara〜50bara、好ましくは15bara〜45baraの圧力の第2の中間WMR流590を生成する。第2の中間WMR流590は、WMR圧縮機512から取り出され、かつ第1のWMRV中間冷却器591内で冷却されて部分的に凝縮され、冷却された第2の中間WMR流592を生成する。第1のWMRV中間冷却器591は、空気または水に対して冷却する周囲冷却器であり得る。冷却された第2の中間WMR流592は、0.2〜0.8、好ましくは0.3〜0.7、より好ましくは0.4〜0.6の蒸気分率を有し得る。冷却された第2の中間WMR流592は、第2のWMR気液分離装置593で相分離されて、第2のWMRV流594および第2のWMRL流595を生成する。第2のWMRL流595は、約40%〜80%のエタンおよび軽質炭化水素、好ましくは約50%〜75%のエタンおよび軽質炭化水素、より好ましくは60%〜70%のエタンおよび軽質炭化水素を含有する。
【0141】
第2のWMRL流595は、第1の予備冷却熱交換器560の管回路内で冷却されて、第1の予備冷却されたWMR流517を生成する。第1の予備冷却されたWMR流517は、第2の予備冷却熱交換器562の管回路内でさらに冷却されて、第2のさらに冷却されたWMR流537を生成する。第2のさらに冷却されたWMR流537は、第2のWMR膨張装置530内で膨張されて、第2の予備冷却熱交換器562に冷却能力を提供する第2の膨張WMR流532を生成する。代替的実施形態において、第1の予備冷却されたWMR流517の一部分は、追加の冷却を第1の予備冷却熱交換器560に提供するために、第1のWMR膨張デバイス526内での膨張前に第1のさらに冷却されたWMR流536と混合され得る。
【0142】
第2のWMRV流594は、WMR圧縮機512内に導入されて、第5のWMR圧縮ステージ512E内で圧縮されて、圧縮されたWMR流514を生成する。圧縮されたWMR流514は、WMR後段冷却器515内で冷却され、かつ好ましくは凝縮されて、第1の冷却され圧縮されたWMR流516を生成する。第1の冷却され圧縮されたWMR流516は、40%超のエタンおよび軽質炭化水素、好ましくは50%超のエタンおよび軽質炭化水素、より好ましくは60%超のエタンおよび軽質炭化水素を含有する。第1の冷却され圧縮されたWMR流516の一部分は、WMR流の一部分516aとして予備冷却システム534から除去され、フラッシュガス交換器584内で冷却されてWMR流の冷却された部分516bを生成し、これが、第3のWMR膨張デバイス582、第2のWMR膨張装置530、第1のWMR膨張装置526、または任意の他の適切な位置内での膨張前に予備冷却システム534に戻され得る。第1の冷却され圧縮されたWMR流516の残りは、第1の予備冷却熱交換器560内に導入されて、管回路内でさらに冷却され、第2の予備冷却されたWMR流580を生成し得る。第2の冷却WMR流580は、第2の予備冷却熱交換器562内に導入されてさらに冷却され、第3の予備冷却WMR流581を生成し、これは、第3の予備冷却熱交換器597内に導入されてさらに冷却され、第3のさらに冷却されたWMR流538を生成する。第3のさらに冷却されたWMR流538は、第3のWMR膨張装置582内で膨張されて、第3の膨張WMR流583を生成し、これが、第3の予備冷却熱交換器597のシェル側に導入されて、冷却能力を提供する。
【0143】
前処理された供給流502(特許請求の範囲では炭化水素供給流と呼ばれる)は、再循環流589と混合されて、混合供給流501を生成し、これは、第1の予備冷却熱交換器560内で冷却されて第1の予備冷却された天然ガス流504を生成する。第1の予備冷却された天然ガス流504は、第2の予備冷却熱交換器562内で冷却されて第3の予備冷却された天然ガス流598を生成し、これは、第3の予備冷却熱交換器597内でさらに冷却されて第2の予備冷却された天然ガス流506を生成する。圧縮され冷却されたCMR流544は、第1の予備冷却熱交換器560内で冷却されて、第1の予備冷却されたCMR流546を生成する。圧縮され冷却されたCMR流544は、20%超のエタンよりも軽量の成分、好ましくは30%超のエタンよりも軽量の成分、より好ましくは40%超のエタンよりも軽量の成分を含み得、「液化冷媒組成」と呼ばれる。第1の予備冷却されたCMR流546は、第2の予備冷却熱交換器562内で冷却されて第3の予備冷却されたCMR流547を生成し、これは、第3の予備冷却熱交換器597内でさらに冷却されて第2の予備冷却されたCMR流548を生成する。
【0144】
第2の予備冷却された天然ガス流506および第2の予備冷却されたCMR流548は、液化システム565に送られる。第2の予備冷却された天然ガス流は、MCHE564内で液化かつ任意にサブクール状態にされて、セ氏約−160度〜セ氏約−70度、好ましくはセ氏約−150度〜セ氏約−100度の温度の第1のLNG流508(特許請求の範囲では液化炭化水素流と呼ばれる)を生成する。第2の予備冷却されたCMR流548は、好ましくはMCHE564内で完全に凝縮され、かつサブクール状態にされ、低温流を結果として生じ、これは、CMRL膨張装置553にわたって圧力が降下されて、膨張CMRL流554を生成し、これは、MCHE564のシェル側に送り戻されて、必要な冷却を提供する。MCHE564は、単一束交換器として示されるが、複数の束または交換器が使用されてもよい。さらに、第2の予備冷却されたCMR流548は、二相であってもよく、それは、
図1に示されるように、それを気相と液相とに分離し、かつMCHE内の別個の冷却回路、および別個の膨張装置を利用するために、有益であり得る。
【0145】
高温低圧CMR流540は、MCHE564のシェル側の高温端から取り出され、吸引ドラム(図示せず)を通して送られて、任意の液体に分離され、蒸気流は、CMR圧縮機541内で圧縮されて、圧縮されたCMR流542を生成する。高温低圧CMR流520は、典型的には、WMR予備冷却温度またはその近傍の温度、好ましくはセ氏約−30度未満の温度、かつ10bara(145psia)未満の圧力で取り出される。圧縮されたCMR流542は、CMR後段冷却器543内で、典型的には周囲に対して冷却されて、圧縮され冷却されたCMR流544を生成する。追加の相分離器、圧縮機、および後段冷却器が存在してもよい。圧縮され冷却されたCMR流544は、その後、第1の予備冷却熱交換器560内に導入される。
【0146】
第1のLNG流508は、それをLNG圧力降下装置511に通過させることによって圧力降下されて、減圧されたLNG流503を生成し、これが、その後、フラッシュドラム507に送られて、フラッシュガス流509および第2のLNG流505を生成する。第2のLNG流505は、貯蔵圧力まで降下され、LNG貯蔵タンク(図示せず)に送られ得る。フラッシュガス流509もまた、貯蔵タンク内で生成された任意の蒸発ガス(BOG)を含み得る。フラッシュガス流509は、フラッシュガス交換器584内で加温されて、加温されたフラッシュガス流585を生成し得る。加温されたフラッシュガス流585は、フラッシュガス圧縮機586内で圧縮されて、圧縮されたフラッシュガス流587を生成し、これは、フラッシュガス冷却器588内で冷却されて、再循環流589、および任意に、設備内で燃料として使用される燃料ガス流589aを生成し得る。再循環流589は、前処理された供給流502と混合される。
【0147】
CMR流の一部分548aは、第2の予備冷却されたCMR流548からなどの、任意の位置で液化システム565から除去され得る。CMR流の一部分548aは、フラッシュガス流509に対して冷却されて、CMR流の冷却された部分548bを生成し、これは、CMRL膨張装置553の上流などの適切な位置で液化システム565に戻され得る。WMR流の一部分516aもまた、フラッシュガス流509に対して冷却されて、WMR流の冷却された部分516bを生成し得る。
【0148】
図5に示される実施形態において、最も高温の熱交換区分は、第1の予備冷却熱交換器560であり、最も低温の熱交換区分は、第3の予備冷却熱交換器597である。
【0149】
図5は、
図2に説明される実施形態の全ての利点を有する。それは、第3の予備冷却熱交換器および追加の圧縮ステージを含み、それゆえに、
図2よりも高い資本コストを有する。しかしながら、
図5は、3つの異なるWMR組成を含み、3つの予備冷却熱交換器の各々に対して1つ、3つの異なるWMR組成を含む。それゆえに、
図5の実施形態は、増加した資本コストで改善されたプロセス効率を結果としてもたらす。
【0150】
任意に、第2の予備冷却されたWMR流580の一部分は、第1のWMR膨張デバイス526内での膨張前に第1のさらに冷却されたWMR流536と混合されて、追加の冷却を第1の予備冷却熱交換器560に提供し得る(破線581aで示される)。代替的または追加的に、第3の予備冷却されたWMR流581の一部分は、追加の冷却能力を第2の予備冷却熱交換器562に提供するために、第2のWMR膨張デバイス530内での膨張前に第2のさらに冷却されたWMR流537と混合され得る。
【0151】
図6は、
図2の変形例である、第5の実施形態を示す。低圧WMR流610は、第2の予備冷却熱交換器662のシェル側の高温端から取り出され、WMR圧縮機612の第1の圧縮ステージ612A内で圧縮される。中圧WMR流618は、第1の予備冷却熱交換器660のシェル側の高温端から取り出され、WMR圧縮機612内に副流として導入され、これは、第1の圧縮ステージ612Aからの圧縮された流れ(図示せず)と混合する。混合流(図示せず)は、WMR圧縮機612の第2のWMR圧縮ステージ612B内で圧縮されて高高圧WMR流670を生成する。低圧WMR流610および中圧WMR流618内に存在する任意の液体は、WMR圧縮機612内への導入前に気液分離装置(図示せず)内で除去される。
【0152】
高高圧WMR流670は、5bara〜40bara、好ましくは15bara〜30baraの圧力であり得る。高高圧WMR流670は、WMR圧縮機612から取り出され、高高圧WMR中間冷却器671内で冷却されて部分的に凝縮され、冷却された高高圧WMR流672を生成する。高高圧WMR中間冷却器671は、空気または水を使用する周囲冷却器などの任意の適切な種類の冷却ユニットであり得、1つ以上の熱交換器を備え得る。冷却された高高圧WMR流672は、0.2〜0.8、好ましくは0.3〜0.7、より好ましくは0.4〜0.6の蒸気分率を有し得る。冷却された高高圧WMR流672は、20%未満のエタンよりも軽量の成分、好ましくは10%未満のエタンよりも軽量の成分、より好ましくは5%未満のエタンよりも軽量の成分を含み得、「予備冷却冷媒組成」と呼ばれる。冷却された高高圧WMR流672は、第1のWMR気液分離装置673で相分離されて、第1のWMRV流674および第1のWMRL流675を生成する。
【0153】
第1のWMRL流675は、75%未満のエタンおよび軽質炭化水素、好ましくは70%未満のエタンおよび軽質炭化水素、より好ましくは60%未満のエタンおよび軽質炭化水素を含有する。第1のWMRV流674は、40%超のエタンおよび軽質炭化水素、好ましくは50%超のエタンおよび軽質炭化水素、より好ましくは60%超のエタンおよび軽質炭化水素を含有する。第1のWMRL流675は、WMRポンプ663内で圧力が増加されて、ポンピングされた第1のWMRL流677を生成する。
【0154】
第1のWMRV流674は、WMR圧縮機612内に導入されてWMR圧縮機612の第3のWMR圧縮ステージ612C内で圧縮され、圧縮されたWMR流614を生成し、これは、ポンピングされた第1のWMRL流677と混合されて、混合され圧縮されたWMR流661を生成し得る。混合され圧縮されたWMR流661は、WMR後段冷却器615内で冷却され、かつ好ましくは凝縮されて、第1の冷却され圧縮されたWMR流616(圧縮された第1の冷媒流とも呼ばれる)を生成する。第1の冷却され圧縮されたWMR流616の組成は、冷却された高高圧WMR流672のものと同一である。第1の冷却され圧縮されたWMR流616の一部分は、WMR流の一部分616aとして予備冷却システム634から除去され、フラッシュガス交換器684内で冷却されてWMR流の冷却された部分616bを生成し、これが、第2のWMR膨張装置630、第1のWMR膨張装置626、または任意の他の適切な位置内での膨張前に予備冷却システム634に戻され得る。
【0155】
第1の冷却され圧縮されたWMR流616の残りは、その後、第1の予備冷却熱交換器660内に導入されて、管回路内でさらに冷却され、第2の冷却され圧縮されたWMR流620を生成し得る。第2の冷却され圧縮されたWMR流620は、2つの部分、第1の部分622および第2の部分624に分割される。第2の冷却され圧縮されたWMR流620の第1の部分622は、第1のWMR膨張装置626内で膨張されて、第1の膨張WMR流628を生成し、これは、第1の予備冷却熱交換器660のシェル側に導入されて、冷却能力を提供する。第2の冷却され圧縮されたWMR流620の第2の部分624は、第2の予備冷却熱交換器662内に導入されてさらに冷却され、それによって、第2のさらに冷却されたWMR流637を形成し、その後、第2のWMR膨張装置630内で膨張されて、第2の膨張WMR流632を生成し、これは、第2の予備冷却熱交換器662のシェル側に導入されて、冷却能力を提供する。
【0156】
第1の冷却され圧縮されたWMR流616は、完全に凝縮されてもよく、または部分的に凝縮されてもよい。好ましい実施形態において、第1の冷却され圧縮されたWMR流616は、完全に凝縮される。予備冷却冷媒組成によって、非常に高圧に圧縮する必要なく、圧縮されたWMR流614を完全に凝縮して、完全に凝縮された第1の冷却され圧縮されたWMR流616を生成することが可能である。圧縮されたWMR流614は、300psia(21bara)〜600psia(41bara)の圧力、好ましくは400psia(28bara)〜500psia(35bara)の圧力であり得る。第2の予備冷却熱交換器662が、天然ガスを完全に液化するために使用される液化熱交換器である場合、冷却された高高圧WMR流672は、より高濃度の窒素およびメタンを有することになり、それゆえに、圧縮されたWMR流614の圧力は、第1の冷却され圧縮されたWMR流616が完全に凝縮されるために、より高い必要がある。これが達成可能ではないため、第1の冷却され圧縮されたWMR流616は、完全に凝縮されず、別個に液化される必要があり得る顕著な蒸気濃度を含有することになる。
【0157】
前処理された供給流602(特許請求の範囲では炭化水素供給流と呼ばれる)は、再循環流689と混合されて、混合供給流601を生成し、これは、第1の予備冷却熱交換器660内で冷却されて、セ氏20度未満、好ましくはセ氏約10度未満、より好ましくはセ氏約0度未満の温度の第1の予備冷却された天然ガス流604を生成する。当分野で既知であるように、供給流602は、好ましくは、水分と、酸性ガス、水銀、および他の汚染物質などの他の不純物とを除去するように前処理されている。第1の予備冷却された天然ガス流604は、第2の予備冷却熱交換器662で冷却されて、周囲温度、天然ガス供給組成および圧力に応じて、セ氏10度未満、好ましくはセ氏約0度未満、より好ましくはセ氏約−30度未満の温度の第2の予備冷却された天然ガス流606を生成する。第2の予備冷却された天然ガス流606は、部分的に凝縮され得る。
【0158】
圧縮され冷却されたCMR流644(第2の冷媒供給流とも呼ばれる)は、第1の予備冷却熱交換器660内で冷却されて、第1の予備冷却されたCMR流646を生成する。圧縮され冷却されたCMR流644は、20%超のエタンよりも軽量の成分、好ましくは30%超のエタンよりも軽量の成分、より好ましくは40%超のエタンよりも軽量の成分を含み得、「液化冷媒組成」と呼ばれる。第1の予備冷却されたCMR流646は、第2の予備冷却熱交換器662内で冷却されて、第2の予備冷却されたCMR流648(予備冷却された第2の冷媒流とも呼ばれる)を生成する。
【0159】
第2の予備冷却された天然ガス流606および第2の予備冷却されたCMR流648は、液化システム665に送られる。第2の予備冷却された天然ガス流は、MCHE664内で液化かつ任意にサブクール状態にされて、セ氏約−160度〜セ氏約−70度、好ましくはセ氏約−150度〜セ氏約−100度の温度の第1のLNG流608(特許請求の範囲では液化炭化水素流と呼ばれる)を生成する。第2の予備冷却されたCMR流648は、好ましくはMCHE644内で完全に凝縮され、かつサブクール状態にされ、低温流を結果として生じ、これは、CMRL膨張装置653にわたって圧力が降下されて、膨張CMRL流654を生成し、これは、MCHE664のシェル側に送り戻されて、必要な冷却を提供する。MCHE664は、単一束交換器として示されるが、複数の束または交換器が使用されてもよい。さらに、第2の予備冷却されたCMR流648は、二相であってもよく、それは、
図1に示されるように、それを気相と液相とに分離し、かつMCHE内の別個の冷却回路、および別個の膨張装置を利用するために、有益であり得る。
【0160】
高温低圧CMR流640は、MCHE664のシェル側の高温端から取り出され、吸引ドラム(図示せず)を通して送られて、任意の液体に分離され、蒸気流は、CMR圧縮機641内で圧縮されて、圧縮されたCMR流642を生成する。高温低圧CMR流640は、典型的には、WMR予備冷却温度またはその近傍の温度、好ましくはセ氏約−30度未満の温度、かつ10bara(145psia)未満の圧力で取り出される。圧縮されたCMR流642は、CMR後段冷却器643内で、典型的には周囲に対して冷却されて、圧縮され冷却されたCMR流644を生成する。追加の相分離器、圧縮機、および後段冷却器が存在してもよい。圧縮され冷却されたCMR流644は、その後、第1の予備冷却熱交換器660内に導入される。
【0161】
第1のLNG流608は、それをLNG圧力降下装置611に通過させることによって圧力降下されて、減圧されたLNG流603を生成し、これが、その後、フラッシュドラム607に送られて、フラッシュガス流609および第2のLNG流605を生成する。第2のLNG流605は、貯蔵圧力まで降下され、LNG貯蔵タンク(図示せず)に送られ得る。フラッシュガス流609もまた、貯蔵タンク内で生成された任意の蒸発ガス(BOG)を含み得る。フラッシュガス流609は、フラッシュガス交換器684内で加温されて、加温されたフラッシュガス流685を生成し得る。加温されたフラッシュガス流685は、フラッシュガス圧縮機686内で圧縮されて、圧縮されたフラッシュガス流687を生成し、これは、フラッシュガス冷却器688内で冷却されて、再循環流689、および任意に、設備内で燃料として使用される燃料ガス流689aを生成し得る。再循環流689は、前処理された供給流602と混合される。
【0162】
CMR流の一部分648aは、第2の予備冷却されたCMR流648からなどの、任意の位置で液化システム665から除去され得る。CMR流の一部分648aは、フラッシュガス流609に対して冷却されて、CMR流の冷却された部分648bを生成し、これは、CMRL膨張装置653の上流などの適切な位置で液化システム665に戻され得る。WMR流の一部分616aもまた、フラッシュガス流609に対して冷却されて、WMR流の冷却された部分616bを生成し得る。
【0163】
図6は、予備冷却回路内の2つの予備冷却熱交換器および2つの圧力レベルを示したが、任意の数の予備冷却熱交換器および圧力レベルが利用されてもよい。予備冷却熱交換器は、
図6でコイル巻き熱交換器であるように示される。しかしながら、それらは、プレートおよびフィン熱交換器、シェルおよび管熱交換器、または天然ガスの予備冷却に適切な任意の他の熱交換器であってもよい。さらに、熱交換器は、付加プリンティング製造方法を含む、任意の方法によって製造され得る。
【0164】
図6の2つの予備冷却熱交換器(660、662)は、単一熱交換器内の2つの熱交換区分であり得る。これに代えて、2つの予備冷却熱交換器は、各々1つ以上の熱交換区分を有する、2つの熱交換器であってもよい。
【0165】
WMR圧縮機612、
図1のCMR圧縮機141、および/またはフラッシュガス圧縮機686は、遠心分離タイプ、軸タイプ、正変位タイプ、または任意の他の圧縮機タイプなどの任意の種類の圧縮機であってもよく、任意に中間冷却を有する任意の数のステージを含んでもよい。
【0166】
図6に示される実施形態において、最も高温の熱交換区分は、第1の予備冷却熱交換器660であり、最も低温の熱交換区分は、第2の予備冷却熱交換器662である。
【0167】
好ましい実施形態において、第2の予備冷却されたCMR流648は、完全に凝縮され得、
図1のCMR相分離器150および
図1のCMRV膨張デバイス155の必要性を排除する。本実施形態において、
図1の主極低温熱交換器164は、2つの高温供給流、第2の予備冷却された天然ガス流606および第2の予備冷却されたCMR流648を含む単一束熱交換器であり得る。
【0168】
先行技術に勝る
図6の利点は、WMRポンプ663の追加によって予備冷却プロセスの効率を改善することである。第1のWMR気液分離装置からの蒸気を単に圧縮し、中間ステージの液体をはじき出し、それを別々にポンピングすることによって、予備冷却プロセスの効率が著しく向上する。
【0169】
加えて、
図6に示される実施形態は、第1のLNG流608についての温度が、タンク内の第2のLNG流605の同一温度を依然として提供しつつ、先行技術よりも高温であることを可能にする。これは、先行技術の場合よりも多量のフラッシュガスが生成されることによる。それゆえに、液化能力およびサブクール能力が低減され、設備に対する全体の動力要件を低下させる。実施形態はまた、予備冷却システムおよび液化システムについての等しい動力分割を可能にする。
【0170】
全ての実施形態(
図2〜
図6およびそれらの変形例)において、予備冷却熱交換器からの高温シェル側流内に存在する任意の液体は、気液相分離器に送られて、WMR圧縮機内で蒸気を圧縮する前にいかなる液体も除去される。代替的実施形態において、相当量の液体が、予備冷却熱交換器からの高温シェル側流内に存在する場合、液体分は、任意の圧縮ステージの排出物と混合されるか、もしくは予備冷却熱交換器内に導入される1つ以上の液体流と混合されるようにポンピングされ得るか、または予備冷却熱交換器内の分離回路内に導入され得る。例えば、
図5において、高圧WMR流518、低圧WMR流519、または中圧WMR流510内に存在する任意の液体は、圧縮されたWMR流514、または第1のWMRL流575と混合されるようにポンピングされ得る。
【0171】
全ての実施形態において、任意の後段冷却器または中間冷却器は、過熱防止装置および凝縮器などの複数の個々の熱交換器を備え得る。
【0172】
図2〜6において、
図2の前処理された供給流202の一部分はまた、フラッシュガス交換器284内で冷却され、かつ任意に液化されて、貯蔵圧力が降下され、かつ貯蔵タンク(図示せず)に送られ得る追加のLNGを生成し得る。
【0173】
第2の予備冷却された天然ガス流(206、306、406、506)の温度は、「予備冷却温度」として定義され得る。予備冷却温度は、供給天然ガス流が予備冷却システムを出て液化システムに入る温度である。予備冷却温度は、供給天然ガスの予備冷却および液化のための動力要件に影響を与える。
【0174】
本明細書で使用される「予備冷却動力要件」という用語は、特定の一組の動作条件(供給流流量、予備冷却、および液化低温端温度など)の下で予備冷却冷媒を圧縮するために使用される圧縮機212を動作させるために必要とされる動力を意味する。同様に、「液化動力要件」という用語は、特定の一組の動作条件の下で液化冷媒を圧縮するために使用される圧縮機241を動作させるために必要とされる動力を意味する。液化動力要件に対する予備冷却動力要件の比率は、システムについての「動力分割」として定義される。
図2〜6に説明される実施形態について、動力分割は、0.2〜0.7、好ましくは0.3〜0.6、より好ましくは0.45〜0.55である。
【0175】
圧縮機212は、駆動装置233によって駆動され、圧縮機241は、駆動装置235によって駆動され、これらの各々は、
図2に概略的に示される。当分野において既知であるように、システム200内の各圧縮機は、動作するために駆動装置を必要とする。図面を簡略化するために、駆動装置は、予備冷却サブシステムおよび液化サブシステムの一部である圧縮機上のみに示される。例えば、電気モータ、航空転用ガスタービン、または産業用ガスタービンなどの、当分野で既知の任意の適切な駆動装置が使用され得る。
【0176】
動力分割が増加するにつれて、液化システムについての動力要件が低下し、予備冷却温度が低下する。言い換えると、冷却負荷が、液化システムから予備冷却システムに移される。これは、MCHEサイズおよび/または液化動力可用性が制御されているシステムにとって有益である。動力分割が低下するにつれて、液化システムについての動力要件が上昇し、予備冷却温度が上昇する。言い換えると、冷却負荷が、予備冷却システムから液化システムに移される。この構成は、予備冷却交換器サイズ、数、または予備冷却動力可用性が制限されているシステムにとって有益である。動力分割は、典型的には、特定の天然ガス液化設備に対して選択された駆動装置の種類、数、および容量によって決定される。例えば、偶数の駆動装置が利用可能である場合、約0.5の動力分割で動作させ、動力負荷を予備冷却熱交換器に移し、予備冷却温度を低下させることが好ましい場合がある。奇数の駆動装置が利用可能である場合、動力分割は、0.3〜0.5であり得、冷却負荷を液化システムに移し、予備冷却温度を上昇させる。
【0177】
全ての実施形態の重要な利点は、利用可能な駆動装置の数、動力分割、予備冷却熱交換器の数、量、種類、および容量、熱交換器の数、熱交換器設計基準、圧縮機の制限、および他のプロジェクト特有の要件に基づいて、圧縮ステージ、圧力レベル、および予備冷却温度の最適化を可能にすることである。
【0178】
説明される全ての実施形態について、任意の数の圧力レベルが、予備冷却システムおよび液化システムに存在し得る。さらに、冷却システムは、開ループであってもよく、または閉ループであってもよい。
【0180】
以下は、例示的な実施形態の動作の実施例である。実施例のプロセスおよびデータは、年間当たり約7.5百万メートルトンのLNGを生成し、具体的には
図2に示された実施形態を参照するLNGプラント内の2つの圧力の予備冷却回路を有するDMRプロセスおよび単一圧力の液化回路のシミュレーションに基づく。本実施例の説明を簡略化するために、
図2に示された実施形態に関して説明された要素および参照番号が使用されることになる。
【0181】
91bara(1320psia)、セ氏24度(カ氏75度)、かつ56,000kgモル/hrの流量の前処理された天然ガス供給流202は、91bara(1320psia)、セ氏22度(カ氏72度)、かつ5760kgモル/hrの流量の再循環流289と混合されて混合供給ガス流を生成し、これは、第1の予備冷却熱交換器260内で冷却されて、セ氏−22度(カ氏−8度)の第1の予備冷却された天然ガス流204を生成し、これは、第2の予備冷却熱交換器262内で冷却されて、セ氏−62度(カ氏−80度)の第2の予備冷却された天然ガス流206を生成する。
【0182】
3bara(44psia)、セ氏−65度(カ氏−85度)の高温低圧CMR流(混合供給流)201は、複数のステージ内で圧縮および冷却されて、61bara(891psia)かつセ氏25度(カ氏77度)の圧縮され冷却されたCMR流244を生成し、これは、第1の予備冷却熱交換器260内で冷却されて、セ氏−22度(カ氏−8度)の第1の予備冷却されたCMR流246を生成する。圧縮され冷却されたCMR流244は、55%のエタンよりも軽量の成分ならびに95%のエタンおよびより軽量の成分を含む。その後、第2の予備冷却熱交換器262内で冷却かつ完全に凝縮されて、セ氏−62度(カ氏−80度)の第2の予備冷却されたCMR流248を生成する。9モル%の第2の予備冷却されたCMR流248は、CMR流248aの一部分として除去されて、フラッシュガス交換器284内で冷却され、セ氏−156度(カ氏−249度)のCMR流248bの冷却された部分を生成し、CML膨張装置内で圧力が降下され、MCHE264のシェル側内に導入される。
【0183】
第2の予備冷却された天然ガス流206は、MCHE264内で液化かつ任意にサブクール状態にされて、セ氏約−140度(カ氏−220度)の温度の第1のLNG流208(特許請求の範囲では液化炭化水素流と呼ばれる)を生成する。第1のLNG流208は、それをLNG圧力降下装置211に通過させることによって圧力降下されて、セ氏−159度(カ氏−254度)かつ1.2bara(18psia)の減圧されたLNG流203を生成し、これは、その後、フラッシュドラム207に送られて、7,000kgモル/hrのフラッシュガス流209、および第2のLNG流205を生成する。フラッシュガス流209は、減圧されたLNG流203の11モル%である。第2のLNG流205は、貯蔵圧力まで降下され、LNG貯蔵タンクに送られる。
【0184】
フラッシュガス流209は、フラッシュガス交換器284内で加温されて、セ氏−3度(カ氏−27度)の加温されたフラッシュガス流285を生成する。加温されたフラッシュガス流285は、その後、フラッシュガス圧縮機286内で圧縮されて、セ氏52度(カ氏126度)かつ92bara(1327psia)の圧縮されたフラッシュガス流287を生成し、これは、フラッシュガス冷却器288内で冷却されて、再循環流289、および設備内で燃料として使用される燃料ガス流289aを生成する。燃料ガス流289aは、フラッシュガス流209の16モル%である。
【0185】
3.8bara(56psia)、セ氏−25度(カ氏−13度)、かつ33,000kgモル/hrの低圧WMR流210(蒸発された第1の冷媒流とも呼ばれる)は、第2の予備冷却熱交換器262のシェル側の高温端から取り出され、WMR圧縮機212の第1の圧縮ステージ212A内で圧縮される。7bara(108psia)、セ氏17度(カ氏62度)、かつ42,125kgモル/hrの中圧WMR流218(中圧の第1の冷媒流とも呼ばれる)は、第1の予備冷却熱交換器260のシェル側の高温端から取り出され、WMR圧縮機212内に副流として導入され、これは、第1の圧縮ステージ212Aからの圧縮された流れ(図示せず)と混合する。混合流(図示せず)は、WMR圧縮機212の第2のWMR圧縮ステージ212B内で圧縮されて、26bara(372psia)かつセ氏79度(カ氏175度)の高高圧WMR流270(高高圧の第1の冷媒流とも呼ばれる)を生成する。
【0186】
高高圧WMR流270は、WMR圧縮機212から取り出され、高高圧WMRインタークーラ271内で冷却され部分的に凝縮されて、25bara(363psia)、セ氏25度(カ氏77度)、かつ0.44の蒸気分率の冷却された高高圧WMR流272を生成する。冷却された高高圧WMR流272は、第1のWMR気液分離装置273で相分離されて、第1のWMRV流274および第1のWMRL流275を生成する。第1のWMRL流275は、56%のエタンおよび軽質炭化水素を含有し、一方で第1のWMRV流274は、80%のエタンおよび軽質炭化水素を含有する。第1のWMRL流275は、第1の予備冷却熱交換器260内に導入されて、管回路内で冷却され、セ氏−22度(カ氏−8度)の第1のさらに冷却されたWMR流236を生成し、これは、第1のWMR膨張装置226内で膨張されて、8bara(115psia)かつセ氏−25度(カ氏−13度)の第1の膨張WMR流228を生成し、これは、第1の予備冷却熱交換器260に冷却能力を提供する。
【0187】
第1のWMRV流274は、WMR圧縮機212内に導入されて第3のWMR圧縮ステージ212C内で圧縮され、41bara(598psia)かつセ氏48度(カ氏119度)の圧縮されたWMR流214を生成する。圧縮されたWMR流214は、冷却され、好ましくはWMR後段冷却器215内で凝縮され、セ氏25度(カ氏77度)の第1の冷却され圧縮されたWMR流216を生成し、これは、第1の予備冷却熱交換器260内に導入されて、管回路内でさらに冷却されて、セ氏−22度(カ氏−8度)の第1の予備冷却されたWMR流217を生成する。第1の冷却され圧縮されたWMR流216の5モル%は、WMR流の一部分216aとして予備冷却システムから除去され、かつフラッシュガス交換器284内で冷却されて、セ氏−63度(カ氏−81度)のWMR流の冷却された部分216bを生成する。第1のWMRL流275は、第1の冷却され圧縮されたWMR流216よりも16bara低圧である。
【0188】
第1の予備冷却されたWMR流217は、第2の予備冷却熱交換器262内に導入されて、管回路内でさらに冷却され、セ氏−62度(カ氏−80度)の第2のさらに冷却されたWMR流237を生成する。第2のさらに冷却されたWMR流237は、第2のWMR膨張装置230内で膨張されて、3bara(47psia)かつセ氏−57度(カ氏−70度)の第2の膨張されたWMR流232を生成し、これは、第2の予備冷却熱交換器262のシェル側内に導入されて、冷却能力を提供する。
【0189】
本実施例において、動力分割は、0.52である。本実施形態は、
図1に対応するものよりも約7%高いプロセス効率、および
図1のものよりも約セ氏18度低温の予備冷却温度を有する。それゆえに、本実施例は、本明細書に説明された実施形態が、設備の効率および全体容量を改善するために効率的な方法およびシステムを提供することを論証する。
本発明は、以下の態様を含んでいる。
(1)炭化水素供給流を液化するための装置であって、
少なくとも1つの圧縮ステージを備える圧縮サブシステムと、
予備冷却サブシステムであって、
最も高温の熱交換区分および最も低温の熱交換区分を備える複数の熱交換区分と、
前記複数の熱交換区分の各々を通って延在し、炭化水素流体の供給の下流にあり、かつそれと流体流連通している第1の炭化水素回路と、を備える、予備冷却サブシステムと、
前記第1の炭化水素回路から予備冷却された炭化水素流を受容するために前記第1の炭化水素回路の下流にあり、かつそれと流体流連通している第2の炭化水素回路を有する主熱交換器であって、前記主熱交換器が、生成物第1の液化炭化水素流への第2の冷媒に対する間接熱交換によって前記予備冷却された炭化水素流を少なくとも部分的に液化するように作動的に構成されている、主熱交換器と、
前記複数の熱交換区分の各々および前記主熱交換器を通って延在し、第2の冷媒を含有し、かつ前記主熱交換器に冷却を提供するように作動的に構成されている第2の冷媒回路と、
前記最も高温の熱交換区分および前記圧縮サブシステムを通って延在し、かつ第1の冷媒を含有する第1の予備冷却冷媒回路と、
前記最も高温の熱交換区分、前記最も低温の熱交換区分、および前記圧縮サブシステムを通って延在し、かつ前記第1の冷媒を含有する第2の予備冷却冷媒回路と、
前記主熱交換器から第1の液化炭化水素流を受容するために前記主熱交換器の下流にあり、かつそれと流体流連通しており、さらに前記第1の液化炭化水素流をフラッシュガス流と第2の液化炭化水素流とに分離するように作動的に構成されている気液分離装置と、
前記気液分離装置の下流にあり、かつそれと流体流連通している再循環ガス回路であって、再循環流が、前記最も高温の熱交換区分から上流の前記第1の炭化水素回路と流体流連通している再循環流混合点を有する、再循環ガス回路と、を備え、
圧縮サブシステムおよび予備冷却サブシステムは、前記第1の冷媒を、前記最も高温の熱交換区分に前記第1の予備冷却冷媒回路を通して第1の予備冷却冷媒入口圧力で、かつ第1の予備冷却冷媒組成を含んで供給し、さらに第1の蒸発された第1の冷媒を、前記最も高温の熱交換区分から第1の予備冷却冷媒出口圧力で除去するように作動的に構成され、
圧縮サブシステムおよび予備冷却サブシステムは、前記第1の冷媒を、前記最も高温の熱交換区分に前記第2の予備冷却冷媒回路を通して第2の予備冷却冷媒入口圧力かつ第2の予備冷却冷媒組成を含んで供給し、さらに第2の蒸発された第1の冷媒を、前記最も低温の熱交換区分から第2の予備冷却冷媒出口圧力で除去するように作動的に構成され、前記第2の予備冷却冷媒入口圧力が、前記第1の予備冷却冷媒入口圧力よりも高く、前記第2の予備冷却冷媒出口圧力が、前記第1の予備冷却冷媒出口圧力よりも低く、かつ前記第2の予備冷却冷媒組成が、前記第1の予備冷却冷媒組成とは異なる、装置。
(2)前記主熱交換器は、コイル巻き熱交換器である、(1)に記載の装置。
(3)前記圧縮サブシステムおよび予備冷却サブシステムは、前記第2の蒸発された第1の冷媒を、前記最も低温の熱交換区分から、前記第1の予備冷却冷媒出口圧力よりも少なくとも5bara低い第2の予備冷却冷媒出口圧力で除去するように作動的に構成されている、(1)に記載の装置。
(4)前記再循環ガス回路は、前記気液分離装置から下流に位置し、かつそれと流体流連通しているフラッシュ熱交換器をさらに備える、(1)に記載の装置。
(5)炭化水素供給流を液化するための装置であって、
第1の熱交換区分および第2の熱交換区分を備える複数の熱交換区分、前記第1の熱交換区分は前記第2の熱交換区分よりも高温である、と、
前記複数の熱交換区分の各々を通って延在し、炭化水素流体の供給の下流にあり、かつそれと流体流連通している第1の炭化水素回路と、
前記第1の熱交換区分を通って延在し、かつ第1の冷媒の第1の部分を含有する第1の予備冷却冷媒回路と、
前記第1の熱交換区分および前記第2の熱交換区分を通って延在し、かつ前記第1の冷媒の第2の部分を含有する第2の予備冷却冷媒回路と、
前記複数の熱交換区分の各々を通って延在し、かつ第2の冷媒を含有する第2の冷媒回路と、
前記第1の予備冷却冷媒回路の上流端に位置する第1の予備冷却冷媒回路入口と、前記第1の予備冷却冷媒回路の下流端に位置する第1の圧力降下装置と、前記第1の圧力降下装置の下流にあり、かつそれと流体流連通しており、さらに前記第1の熱交換区分の第1の低温回路から上流かつそれと流体流連通している第1の膨張冷媒導管と、
前記第2の予備冷却冷媒回路の上流端に位置する第2の予備冷却冷媒回路入口と、前記第2の予備冷却冷媒回路の下流端に位置する第2の圧力降下装置と、前記第2の圧力降下装置の下流にあり、かつそれと流体流連通しており、さらに前記第2の熱交換区分の第2の低温回路から上流かつそれと流体流連通している第2の膨張冷媒導管と、
圧縮システムであって、
第1の圧縮ステージおよび前記第2の熱交換区分の高温端と流体流連通している低圧の第1の冷媒導管と、
第2の圧縮ステージおよび第1の熱交換区分の高温端と流体流連通している中圧の第1の冷媒導管と、
前記第2の圧縮ステージから下流の第1の後段冷却器と、
第1の気液分離装置であって、前記第1の後段冷却器と流体流連通しており、かつそこから下流の第1の入口、前記第1の気液分離装置の上半分に位置する第1の蒸気出口、前記第1の気液分離装置の下半分に位置する第1の液体出口を有し、前記第1の液体出口が、前記第1の予備冷却冷媒回路入口から上流かつそれと流体流連通している、第1の気液分離装置と、
前記第1の蒸気出口から下流の第3の圧縮ステージと、
前記第3の圧縮ステージから下流の第2の後段冷却器と、を備える、圧縮システムと、
前記第1の炭化水素回路から予備冷却された炭化水素流を受容するために前記第1の炭化水素回路の下流にあり、かつそれと流体流連通している第2の炭化水素回路を有する主熱交換器であって、前記主熱交換器もまた、前記複数の熱交換区分の前記第2の冷媒回路の下流にあり、かつそれと流体流連通しており、前記主熱交換器が、前記第2の冷媒に対する間接熱交換によって前記予備冷却された炭化水素流を少なくとも部分的に液化するように作動的に構成されて、第1の液化炭化水素流を生成する、主熱交換器と、
前記主熱交換器の下流にあり、かつそれと流体流連通しており、前記第1の液化炭化水素流をフラッシュガス流と第2の液化炭化水素流とに分離するように作動的に構成されている第2の気液分離装置と、
前記第2の気液分離装置の下流にあり、かつそれと流体流連通している再循環ガス回路であって、前記再循環ガス回路が、フラッシュ熱交換器を通って延在し、かつ前記第1の熱交換区分から上流の前記第1の炭化水素回路と流体流連通している再循環流出口を有する、再循環ガス回路と、を備え、
前記フラッシュ熱交換器は、少なくとも1つの加温流に対して前記フラッシュガス流を加温するように作動的に構成され、
前記第1の熱交換区分は、前記第1の炭化水素回路を通って流れる前記炭化水素流体、前記第2の冷媒回路を通って流れる前記第2の冷媒、前記第1の予備冷却する第1の予備冷媒回路を通って流れる前記第1の冷媒の第1の部分、および前記第2の予備冷却冷媒回路を通って流れる前記第1の冷媒の第2の部分を、前記第1の熱交換区分の前記第1の低温回路を通って流れる前記第1の冷媒の前記第1の部分に対して部分的に予備冷却するように作動的に構成され、
前記第2の熱交換区分は、前記第1の炭化水素回路を通って流れる前記炭化水素流体を予備冷却して予備冷却された炭化水素流を生成し、前記第2の冷媒回路を通って流れる前記第2の冷媒を予備冷却して、予備冷却された第2の冷媒流を生成し、かつ前記第2の予備冷却冷媒回路を通って流れる前記第1の冷媒を前記第2の熱交換区分の前記第1の低温回路を通って流れる前記第1の冷媒に対して予備冷却するように作動的に構成されている、装置。
(6)前記第1の圧縮ステージ、前記第2の圧縮ステージ、および前記第3の圧縮ステージは、第1の圧縮機の単一ケースに位置している、(5)に記載の装置。
(7)前記圧縮システムは、前記第2の圧縮ステージから下流の第1の中間冷却器と、前記第1の中間冷却器の下流にあり、かつそれと流体流連通している冷却された第1の中間冷媒導管と、をさらに備える、(5)に記載の装置。
(8)前記第1の熱交換区分の高温端および前記冷却された第1の中間冷媒導管と流体流連通している高圧の第1の冷媒導管をさらに備える、(7)に記載の装置。
(9)前記第1の気液分離装置から下流の第3の後段冷却器と、
第2の気液分離装置であって、前記第3の後段冷却器と流体流連通しており、かつそこから下流の第3の入口、前記第2の気液分離装置の上半分に位置する第2の蒸気出口、前記第2の気液分離装置の下半分に位置する第2の液体出口を有する、第2の気液分離装置と、をさらに備える、(7)に記載の装置。
(10)前記第2の予備冷却冷媒回路は、前記第1の熱交換区分、前記第1の熱交換区分、および前記第2の熱交換区分を通って延在している、(5)に記載の装置。
(11)前記第2の予備冷却冷媒回路内に含有された前記第1の冷媒の前記第2の部分は、前記第1の予備冷却冷媒回路内に含有された前記第1の冷媒の前記第1の部分よりも高濃度で、エタンおよび軽質成分を有する、(5)に記載の装置。
(12)少なくとも前記第1の熱交換区分および前記第2の熱交換区分を通って延在し、かつ前記第1の冷媒の第3の部分を含有する第3の予備冷却冷媒回路を備える、(5)に記載の装置。
(13)主熱交換器は、単一束のコイル巻き熱交換器である、(5)に記載の装置。
(14)前記再循環ガス回路は、前記フラッシュ熱交換器の下流にあり、かつそれと流体流連通している圧縮機と、前記圧縮機の下流にあり、かつそれと流体流連通しているフラッシュガス冷却器と、をさらに備える、(5)に記載の装置。
(15)前記少なくとも1つの加温流は、前記予備冷却された第2の冷媒流の第1の部分を含む、(5)に記載の装置。
(16)前記少なくとも1つの加温流は、予備冷却冷媒の第1の部分を含み、前記予備冷却冷媒の前記第1の部分が、前記第1の熱交換区分から上流かつ前記第2の後段冷却器から下流の前記第2の予備冷却冷媒回路から取り出される、(5)に記載の装置。
(17)前記第1の冷媒は、第1の組成を有し、前記第2の冷媒は、第2の組成を有し、前記第1の組成が前記第2の組成とは異なる、(5)に記載の装置。
(18)炭化水素供給流を液化するための装置であって、
最も高温の熱交換区分および最も低温の熱交換区分を備える複数の熱交換区分と、
前記複数の熱交換区分の各々を通って延在し、炭化水素流体の供給の下流にあり、かつそれと流体流連通している第1の炭化水素回路と、
前記複数の熱交換区分の各々を通って延在し、かつ第2の冷媒を含有する第2の冷媒回路と、
複数の熱交換区分を通って延在する予備冷却冷媒回路であって、前記予備冷却冷媒回路が、第1の冷媒を含有し、前記予備冷却冷媒回路が、前記第1の冷媒の第1の部分を、膨張装置を通して前記最も高温の熱交換区分のシェル側内に、前記最も低温の熱交換区分を通る前記第1の冷媒の第2の部分を、膨張装置を通して前記最も低温の熱交換区分のシェル側内に導入するように作動的に構成されている、予備冷却冷媒回路と、
圧縮システムであって、
第1の圧縮ステージおよび前記最も低温の熱交換区分の高温端と流体流連通している低圧の第1の冷媒導管と、
第2の圧縮ステージおよび前記最も高温の熱交換区分の高温端と流体流連通している中圧の第1の冷媒導管と、
前記第2の圧縮ステージから下流の第1の後段冷却器と、
第1の気液分離装置であって、前記第1の後段冷却器と流体流連通しており、かつそこから下流の第1の入口、前記第1の気液分離装置の上半分に位置する第1の蒸気出口、前記第1の気液分離装置の下半分に位置する第1の液体出口を有する、第1の気液分離装置と、
前記第1の蒸気出口から下流の第3の圧縮ステージと、
前記第3の圧縮ステージから下流の第2の後段冷却器と、
前記第1の液体出口の下流にあり、かつそれと流体流連通しており、前記予備冷却冷媒回路から上流かつそれと流体流連通しているポンプと、を備える、圧縮システムと、
前記第1の炭化水素回路から予備冷却された炭化水素流を受容するために前記第1の炭化水素回路の下流にあり、かつそれと流体流連通している第2の炭化水素回路を有する主熱交換器であって、前記主熱交換器もまた、前記第2の冷媒回路の下流にあり、かつそれと流体流連通しており、前記主熱交換器が、生成物第1の液化炭化水素流への前記第2の冷媒に対する間接熱交換によって前記予備冷却された炭化水素流を少なくとも部分的に液化するように作動的に構成されている、主熱交換器と、
前記主熱交換器の下流にあり、かつそれと流体流連通しており、前記第1の液化炭化水素流をフラッシュガス流と第2の液化炭化水素流とに分離するように作動的に構成されている第3の気液分離装置と、
前記第3の気液分離装置の下流にあり、かつそれと流体流連通している再循環ガス回路であって、前記再循環ガス回路が、フラッシュ熱交換器を通って延在し、かつ前記最も高温の熱交換区分から上流の前記第1の炭化水素回路と流体流連通している再循環流出口を有する、再循環ガス回路と、を備え、
前記フラッシュ熱交換器は、少なくとも1つの加温流に対して前記フラッシュガス流を加温するように作動的に構成され、
前記最も高温の熱交換区分は、前記第1の炭化水素回路を通って流れる前記炭化水素流体、前記第2の冷媒回路を通って流れる前記第2の冷媒、および前記予備冷却する第1の冷媒回路を通って流れる前記第1の冷媒を、前記最も高温の熱交換区分の前記シェル側を通って流れる前記第1の冷媒に対して部分的に予備冷却するように作動的に構成され、
前記最も低温の熱交換区分は、前記第1の炭化水素回路を通って流れる前記炭化水素流体を予備冷却して予備冷却された炭化水素流を生成し、前記第2の冷媒回路を通って流れる前記第2の冷媒を予備冷却して予備冷却された第2の冷媒流を生成し、かつ前記予備冷却する第1の冷媒回路を通って流れる前記第1の冷媒を、前記最も低温の熱交換区分の前記シェル側を通って流れる前記第1の冷媒に対して予備冷却するように作動的に構成されている、装置。
(19)前記主熱交換器は、コイル巻き熱交換器である、(18)に記載の装置。