特許第6867389号(P6867389)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6867389ガイドワイヤー案内装置及びガイドワイヤー案内アセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6867389
(24)【登録日】2021年4月12日
(45)【発行日】2021年4月28日
(54)【発明の名称】ガイドワイヤー案内装置及びガイドワイヤー案内アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/09 20060101AFI20210419BHJP
   A61M 25/06 20060101ALI20210419BHJP
【FI】
   A61M25/09 530
   A61M25/06 550
【請求項の数】10
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-528329(P2018-528329)
(86)(22)【出願日】2016年10月10日
(65)【公表番号】特表2018-538051(P2018-538051A)
(43)【公表日】2018年12月27日
(86)【国際出願番号】CN2016101706
(87)【国際公開番号】WO2017107621
(87)【国際公開日】20170629
【審査請求日】2018年5月31日
(31)【優先権主張番号】201510991289.2
(32)【優先日】2015年12月24日
(33)【優先権主張国】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】517453243
【氏名又は名称】北京天助瑞▲暢▼医▲療▼技▲術▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING ANGEL−REACH MEDICAL TECHNICAL CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】特許業務法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 雷
(72)【発明者】
【氏名】張 暁東
(72)【発明者】
【氏名】姜 君
【審査官】 上石 大
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2015/0173782(US,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第02803340(EP,A1)
【文献】 特表2008−539954(JP,A)
【文献】 特開2007−275372(JP,A)
【文献】 特表2015−534873(JP,A)
【文献】 特表2004−501675(JP,A)
【文献】 特表2004−528139(JP,A)
【文献】 特表2007−532279(JP,A)
【文献】 特開2009−082566(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0057020(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0250001(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/09
A61M 25/06
A61M 25/00
A61F 2/24
A61B 17/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
案内本体(1)を備えるガイドワイヤー案内装置であって、
前記案内本体(1)内に本体ガイドワイヤー通路(2)と複数のガイドワイヤー案内通路(3)とがそれぞれ設置され、前記本体ガイドワイヤー通路(2)と前記ガイドワイヤー案内通路(3)が前記案内本体(1)の軸方向に沿って前記案内本体(1)をそれぞれ貫通し、前記ガイドワイヤー案内通路(3)の体内側開口と前記本体ガイドワイヤー通路(2)の体内側開口が軸方向に間隔を空けて設置されていること、
前記案内本体(1)の体内側端面(11)は斜面として形成され、前記本体ガイドワイヤー通路(2)の体内側開口複数の前記ガイドワイヤー案内通路(3)の体内側開口が軸方向に間隔を空けるように前記斜面に沿って各々に設置されていること、
前記案内本体(1)の体内側端面(11)は、段差構造を有する相互に平行な複数の斜面として形成され、前記本体ガイドワイヤー通路(2)の体内側開口と前記ガイドワイヤー案内通路(3)の体内側開口が異なる前記斜面にそれぞれ形成され、複数の前記ガイドワイヤー案内通路(3)の体内側開口が異なる前記斜面にそれぞれ形成されていること、
を特徴とするガイドワイヤー案内装置。
【請求項2】
前記複数のガイドワイヤー案内通路の体外側開口と前記本体ガイドワイヤー通路の体外側開口が前記案内本体(1)の円周方向に沿って等間隔で設置されていることを特徴とする請求項に記載のガイドワイヤー案内装置。
【請求項3】
前記本体ガイドワイヤー通路(2)と前記ガイドワイヤー案内通路(3)はそれぞれの管路(8)で構成され、前記案内本体(1)内で被覆されていることを特徴とする請求項1または2に記載のガイドワイヤー案内装置。
【請求項4】
前記本体ガイドワイヤー通路(2)と前記ガイドワイヤー案内通路(3)とを形成する前記管路(8)は前記案内本体(1)の体内側端面からそれぞれ突出することを特徴とする請求項に記載のガイドワイヤー案内装置。
【請求項5】
前記案内本体(1)には軸方向に沿って延びる現像マーキングライン(7)が設置されていることを特徴とする請求項1に記載のガイドワイヤー案内装置。
【請求項6】
前記案内本体(1)には軸方向に沿って延びる現像マーキングライン(7)が設置され、該現像マーキングライン(7)は一体部(71)と複数の分割部(72)とを含み、前記一体部(71)が前記案内本体(1)の外側壁に配置され、前記複数の分割部が前記段差構造の複数の段差面にそれぞれ配置され且つ隣接する前記案内本体(1)の体内側開口との間にある接続線に形成され、前記段差面は隣接する前記斜面との間に相互に平行に位置することを特徴とする請求項1に記載のガイドワイヤー案内装置。
【請求項7】
前記ガイドワイヤー案内通路(3)及び/又は前記本体ガイドワイヤー通路(2)の体内側開口がトランペット形状であることを特徴とする請求項1に記載のガイドワイヤー案内装置。
【請求項8】
前記案内本体(1)の断面が円形であり、前記斜面が楕円形であり、前記本体ガイドワイヤー通路(2)の体内側開口が前記楕円形の長軸の一端に隣接して設置されていることを特徴とする請求項に記載のガイドワイヤー案内装置。
【請求項9】
前記本体ガイドワイヤー通路は主血管(9)を貫通するように本体ガイドワイヤー(4)を案内し、前記ガイドワイヤー案内通路は前記主血管に接続された分枝血管(10)を貫通するように分枝ガイドワイヤー(6)を案内することを特徴とする請求項1に記載のガイドワイヤー案内装置。
【請求項10】
ガイドワイヤー案内アセンブリであって、請求項1〜のいずれか1項に記載のガイドワイヤー案内装置と、前記ガイドワイヤー案内通路(3)の体外側開口から挿入して体内側開口へ引き出すガイドワイヤーキャッチャ(5)とを含むことを特徴とするガイドワイヤー案内アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、介入医療機器の分野に関し、特に、ガイドワイヤー案内装置および該装置を使用するガイドワイヤー案内アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
心血管・脳血管疾患の頻繁な発生に伴い、血管ステント処置のような介入治療が普及してきた。各種介入治療の中で、対応する部品を案内あるいは制御するガイドワイヤーも多く使用されている。しかし、手術に使用されるガイドワイヤーが多すぎると、体内でガイドワイヤーが相互に絡み合うことがあり、それによって操作に影響を及ぼす可能性が高い。例えば、主血管に複数の分枝血管がつながっている場合には、各血管内のガイドワイヤーが主血管内に集められて体外に伸びる。このとき、血管内の複数のガイドワイヤーが相互に絡み易くなる。したがって、業界では複数のガイドワイヤーの絡み合いの問題を解決しなければならなくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の1つの目的は、ガイドワイヤーの体内での絡み合いの問題を効果的に解決することができるガイドワイヤー案内装置を提供することである。
【0004】
本発明の別の目的は、本発明に係るガイドワイヤー案内装置を使用するガイドワイヤー案内アセンブリを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、案内本体を備え、前記案内本体内に本体ガイドワイヤー通路とガイドワイヤー案内通路とがそれぞれ設置され、前記本体ガイドワイヤー通路と前記ガイドワイヤー案内通路が軸方向に沿って前記案内本体をそれぞれ貫通し、前記ガイドワイヤー案内通路の体内側開口と前記本体ガイドワイヤー通路の体内側開口が軸方向に沿って間隔を空けて設置されているガイドワイヤー案内装置を提供する。
【0006】
好ましくは、前記ガイドワイヤー案内通路は複数あり、前記複数のガイドワイヤー案内通路の体内側開口が軸方向に沿って間隔を空けて設置されている。
【0007】
好ましくは、前記複数のガイドワイヤー案内通路の体外側開口と前記本体ガイドワイヤー通路の体外側開口が前記案内本体の円周方向に沿って等間隔で設置されている。
【0008】
好ましくは、前記案内本体の体内側端面は斜面として形成され、前記本体ガイドワイヤー通路と前記ガイドワイヤー案内通路が軸方向に間隔を空けるように前記斜面に沿って設置されている。
【0009】
好ましくは、前記案内本体の体内側端面は、段差構造を有し相互に平行な複数の斜面として形成され、前記本体ガイドワイヤー通路と前記ガイドワイヤー案内通路が異なる前記斜面にそれぞれ形成されている。
【0010】
好ましくは、前記本体ガイドワイヤー通路と前記ガイドワイヤー案内通路はそれぞれの管路により構成され、前記案内本体内で被覆されている。
【0011】
好ましくは、前記本体ガイドワイヤー通路と前記ガイドワイヤー案内通路とを形成する前記管路は前記案内本体の体内側端面からそれぞれ突出する。
【0012】
好ましくは、前記案内本体には軸方向に沿って延びる現像マーキングラインが設置されている。
【0013】
好ましくは、前記案内本体には軸方向に沿って延びる現像マーキングラインが設置され、該現像マーキングラインは一体部と複数の分割部とを含み、前記一体部が前記案内本体の外側壁に配置され、前記複数の分割部が前記段差構造の複数の段差面にそれぞれ配置され且つ隣接する前記案内本体の体内側開口との間にある接続線に形成され、前記段差面は隣接する前記斜面との間に相互に平行に位置する。
【0014】
好ましくは、前記ガイドワイヤー案内通路及び/又は前記本体ガイドワイヤー通路の体内側開口はトランペット形状である。
【0015】
好ましくは、前記案内本体の断面が円形であり、前記斜面が楕円形であり、前記本体ガイドワイヤー通路の体内側開口が前記楕円形の長軸の一端に隣接して設置されている。
【0016】
好ましくは、前記本体ガイドワイヤー通路は主血管を貫通するように本体ガイドワイヤーを案内し、前記ガイドワイヤー案内通路は前記主血管に接続された分枝血管を貫通するように分枝ガイドワイヤーを案内する。
【0017】
本発明の一態様によれば、本発明によるガイドワイヤー案内装置と、前記ガイドワイヤー案内通路の体外側開口から挿入して体内側開口へ引き出すガイドワイヤーキャッチャとを含むガイドワイヤー案内アセンブリを提供する。
【発明の効果】
【0018】
上記技術的解決手段により、案内本体は、本体ガイドワイヤー通路を貫通する本体ガイドワイヤーを介して体内血管に挿入され、ガイドワイヤーキャッチャによって案内対象ワイヤー、たとえば分枝血管に対応する分枝ガイドワイヤーをガイドワイヤー案内通路内に導入し、本体ガイドワイヤー通路とガイドワイヤー案内通路との体内側開口が軸方向に沿って間隔を空けて設置されているため、案内対象ガイドワイヤーが軸方向において本体ガイドワイヤーからずれるようにガイドワイヤー案内通路内に挿入され、それによって、本体ガイドワイヤー、分枝ガイドワイヤー等の各種ガイドワイヤー間の絡み合いの問題を防止し、さらにガイドワイヤーキャッチャによって案内対象となるガイドワイヤーを案内本体に順調に導入することができ、操作しやすく、実用性が高い。
【0019】
本発明の他の特徴及び効果について、後述する実施形態部分において詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の好適実施形態によるガイドワイヤー案内アセンブリの作動過程での構造模式図である。
図2】本発明の第1実施形態によるガイドワイヤー案内装置の断面模式図である。
図3】本発明の第2実施形態によるガイドワイヤー案内装置の断面模式図である。
図4】本発明の第3実施形態によるガイドワイヤー案内装置の断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図面は本発明に対するさらなる理解のために提供し、且つ明細書の一部を構成し、以下の実施形態とともに本発明を解釈することに用いられるが、本発明を制限するものではない。
【0022】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、ここで説明する実施形態は本発明を説明して解釈するものであり、本発明を制限するものではない。
【0023】
本発明においては、使用されている方位語、例えば「内、外」は、特に断らない限り、治療時の人体を基準として定義されるものである。
【0024】
図1ないし図4に示すように、本発明はガイドワイヤー案内装置及び該装置を使用するガイドワイヤー案内アセンブリを提供する。ガイドワイヤー案内装置は案内本体1を含み、案内本体1が人体に損傷を与えることなく体内に順調に挿入されるように、好ましくは、案内本体1の断面を円形として、安全性をさらに向上させている。案内本体1はポリテトラフルオロエチレン等の材料から構成されてもよく、案内本体1の軸方向の長さは手術に応じて決定できる。
【0025】
本発明の目的を達成するために、案内本体1内に本体ガイドワイヤー通路2とガイドワイヤー案内通路3とがそれぞれ設置され、本体ガイドワイヤー通路2とガイドワイヤー案内通路3とはそれぞれ軸方向に沿って案内本体1を貫通し、ガイドワイヤー案内通路3の体内側開口と本体ガイドワイヤー通路2の体内側開口とが間隔を空けて設置される。また、本発明におけるガイドワイヤー案内アセンブリは、ガイドワイヤー案内装置と、ガイドワイヤー案内通路3の体外側開口から挿入し体内側開口へ延び出すガイドワイヤーキャッチャ5とを含む。
【0026】
従って、本発明の前述した技術手段において、案内本体1は、本体ガイドワイヤー通路2を貫通する本体ガイドワイヤー4を介して体内血管中に挿入されて、ガイドワイヤーキャッチャ5によって案内対象ワイヤー、たとえば分枝血管の分枝ガイドワイヤー6をガイドワイヤー案内通路3内に導入させる。本体ガイドワイヤー通路2とガイドワイヤー案内通路3との体内側開口が軸方向に沿って間隔を空けて設置されているため、案内対象ガイドワイヤーが軸方向において本体ガイドワイヤー4からずれるようにガイドワイヤー案内通路3内に挿入される。それによって、本体ガイドワイヤー4、分枝ガイドワイヤー6等の各種ガイドワイヤー間の絡み合いの問題を回避し、さらにガイドワイヤーキャッチャ5によって案内対象となるガイドワイヤーを案内本体1に順調に導入することができ、操作しやすく、実用性が高い。
【0027】
本発明に使用されるガイドワイヤーキャッチャ5は、本分野で一般的に使用される部材である。たとえば本実施形態において、ガイドワイヤーキャッチャ5は米国COOK社製の型番CloverSnare(R) 4−Loop Vascular Retriever「血管キャッチャ」としてもよい。他の実施形態では、ガイドワイヤーのキャッチャとしての機能を実現可能であれば、本発明の保護範囲に含まれる。また、本発明に使用される案内本体1を体内血管に挿入するための本体ガイドワイヤー4は付加部材であってもよく、介入治療、たとえば血管ステント挿入システムの本体ガイドワイヤーであってもよい。
【0028】
より多くのガイドワイヤーを案内するために、本実施形態において、ガイドワイヤー案内通路3を複数とし、複数のガイドワイヤー案内通路の体内側開口は軸方向に沿って間隔を空けて設置されることで、手術時にガイドワイヤー全体を案内することができる。一実施例として、ガイドワイヤー案内通路3は3本あり、これらは3つの分枝血管10における分枝ガイドワイヤー6にそれぞれ対応する。本発明では、ガイドワイヤー案内通路3の数は手術に使用されるガイドワイヤーの数に応じて決定でき、たとえば3本、4本又はそれ以上としてもよい。
【0029】
また、図2に示すように、本実施形態において、複数のガイドワイヤー案内通路3と本体ガイドワイヤー通路2との体外側開口が案内本体1の円周方向に沿って等間隔で設置される。それにより、案内本体1から導出される複数のガイドワイヤーは揃って設置され、対応した体外側制御装置に接続しやすくなる。複数のガイドワイヤー案内通路3と本体ガイドワイヤー通路2との体内側開口が軸方向に沿って間隔を空けて設置されることで、一部のガイドワイヤー案内通路3は案内本体1内で湾曲状に設置されることになる。各通路が互いに分離され、各ガイドワイヤーが柔軟性を有するため、案内本体1内でガイドワイヤーが曲げられてもガイドワイヤーの機能に悪影響を与えることがないだけでなく、絡み合うこともない。
【0030】
図1に示すように、体内側に軸方向に沿って間隔を空けて各開口が容易に形成されるために、本発明の第1実施形態では、案内本体1の体内側端面11は斜面として形成され、本体ガイドワイヤー通路2とガイドワイヤー案内通路3は軸方向に間隔を空けるように該斜面に沿って設置される。ガイドワイヤー案内通路3が複数ある場合、複数のガイドワイヤー案内通路3と本体ガイドワイヤー通路2との体内側開口は斜面の中心線に沿って直線状に設置されてもよい。案内本体1の断面が円形である場合、斜面は楕円形となり、複数の体内側開口を楕円の長軸に沿って設置できる。また、複数の体内側開口は必要に応じて異なる線上に設置されても構わない。このような斜面配置により、複数の通路口を簡単に設置することができ、それだけでなく、案内本体1を体内で簡単に移動させて、案内作用を果たすことができる。また、斜面を設置することにより、複数の通路口は軸方向に沿って設置されると同時に直径方向又は接線方向に沿って設置可能である。従って、複数のガイドワイヤーは、案内本体1に挿入される前に、相互により分離しやすくなり、絡み合うことを防止できる。
【0031】
図3に示すように、本発明の第2実施形態において、図1中の斜面形態全体を利用せず、本実施形態の案内本体1の体内側端面11は、段差構造を有し、相互に平行な複数の斜面として形成されており、本体ガイドワイヤー通路2及びガイドワイヤー案内通路3はそれぞれ異なる斜面に形成されている。具体的に、斜面は4つあり、それらに1つの本体ガイドワイヤー通路2と3つのガイドワイヤー案内通路3の4つの体内側開口をそれぞれ形成するものとしてもよい。このように複数の斜面を設置する形態によれば、複数の通路口を互いに隔て、且つガイドワイヤー同士が案内本体1に挿入される前に絡み合うことを防止できる。
【0032】
本発明の実施形態では、ガイドワイヤー案内装置の製造を容易にするため、好ましくは、本体ガイドワイヤー通路2及びガイドワイヤー案内通路3はそれぞれ管路8により構成されて案内本体1内で被覆される。図1に示すように、破線で1本の管路8が表示される。すなわち、被覆材料で複数の独立した管路8を被覆して固定することにより、本発明によるガイドワイヤー案内装置が構成される。他の可能な実施形態では、プロセスで実施可能な場合、案内本体1に貫通孔を一体的に成形することにより、本発明によるガイドワイヤー案内装置を製造加工することも可能となる。
【0033】
図4に示すように、本発明の第3実施形態では、本体ガイドワイヤー通路2とガイドワイヤー案内通路3とを形成する管路8が案内本体1の体内側端面からそれぞれ突出する点が、第1実施形態及び第2実施形態と異なる。すなわち、複数の通路の体内側開口が案内本体1の体内側端面に形成されるものではなく、管路8の体内側開口に応じて自在に設置され、且つ各通路の長さも異なる。このようにしても、各ガイドワイヤーは相互に絡み合わないように導入することができる。
【0034】
本実施形態において、操作を容易にするため、案内本体1には軸方向に沿って伸びる現像マーキングライン7が設置される。手術中に現像マーキングライン7を観察することで、現像マーキングライン7の位置および変形程度が手術操作の根拠として提供され、手術の精度を向上できる。本発明の第2実施形態において、現像マーキングライン7は一体部71と複数の分割部72とを含み、一体部71は案内本体1の外側壁に配置される。複数の分割部72は、段差構造の複数の段差面にそれぞれ配置され、且つ隣接する体内側開口同士の間の接続線に形成され、前記段差面は隣接する斜面同士の間に互いに平行に位置する。このように、一体部71の作用以外、複数の分割部72によっても各通路口の位置の識別をアシストすることもでき、操作をさらに正確で簡便にすることができる。
【0035】
また、好ましくは、ガイドワイヤー案内通路3及び/又は本体ガイドワイヤー通路2の体内側開口は通路外側へ展開する構造を有するトランペット形状である。該トランペット形状の設計によって大径段部からガイドワイヤーを導入して、小径段部を介してガイドワイヤーを安定的に案内することで、より操作を容易にすることができる。それによって各ガイドワイヤーの導入が実施しやすくなる。
【0036】
また、複数のガイドワイヤーの案内を実施しやすくするため、本実施形態において、本体ガイドワイヤー通路2の体内側開口は楕円形の長軸の一端、たとえば案内本体1の最内端に隣接するように設置される。このように、各ガイドワイヤー案内通路3は長軸に沿って順次設置される。また、本実施形態において、本体ガイドワイヤー通路は主血管9を貫通する本体ガイドワイヤー4を案内し、ガイドワイヤー案内通路は該主血管に接続された分枝血管10を貫通する分枝ガイドワイヤー6を案内する。このようにして、本体ガイドワイヤー4は主血管9の側壁に密着して設置され、斜面は主血管9に接続した複数の分枝血管10の開口と面するようになり、それによって、案内本体1への各分枝ガイドワイヤー6の導入が容易になる。従って、各ガイドワイヤーはより規則的に配列され、相互に絡み合うことを回避することができる。
【0037】
以下、本発明によるガイドワイヤー案内方法について説明する。該ガイドワイヤー案内方法は本発明による前記ガイドワイヤー案内アセンブリを使用する。ガイドワイヤー案内方法は、たとえば血管ステント等の介入手術のガイドワイヤー挿入方式と同様の挿入方式を利用して、本体ガイドワイヤー4を所定位置に挿入するステップaと、本体ガイドワイヤー4を本体ガイドワイヤー通路2に貫通させることで、本体ガイドワイヤー4により案内本体1を案内しながら本体ガイドワイヤー4に沿って体内に挿入するステップbと、ガイドワイヤー6を捕捉するために、ガイドワイヤーキャッチャ5をガイドワイヤー案内通路3に貫通させて体内側開口から引き出すステップcと、ガイドワイヤーキャッチャ5を引っ張ることによって、案内対象ガイドワイヤー6をガイドワイヤー案内通路3に導入する最後のステップdとを含む。ステップcにおいて、事前にガイドワイヤーキャッチャ5をガイドワイヤー案内通路3に挿入して、案内本体1が所定位置まで移動すると引き出す。あるいは案内本体1がロック位置まで移動した後、ガイドワイヤーキャッチャ5を挿入する。前述のように、各手術用のガイドワイヤー、特に本体ガイドワイヤー4と分枝ガイドワイヤー6とを案内本体1により案内して体外へ引き出すことができ、各ガイドワイヤーの体外端はガイドワイヤー案内通路3の体外側開口から引き出して各対応操作装置に接続できる。このように、挿入した案内本体1によって、手術中に使用した各種ガイドワイヤーを体内で順調に延伸させて規則的に配列させることができ、ガイドワイヤー同士の絡み合い等の問題を防止し、手術が順調に実施できるようになる。
【0038】
以上、図面を参照しながら本発明の好適実施形態を詳細に説明したが、本発明は前述の実施形態の詳細に制限されず、本発明の技術発想を逸脱することなく、本発明の技術手段について複数種の簡単な変形を行うことができ、これら簡単な変形はいずれも本発明の保護範囲に属する。
【0039】
なお、矛盾しない限り、上記実施形態において説明した各技術的特徴は適切な方式で組み合わせることができ、必要のない繰り返しを避けるために、本発明は、可能な様々な組み合わせについての記載を省略する。
【0040】
また、本発明の各種実施形態も任意に組み合わせてもよく、同様に、本発明の発想を逸脱しない限り、本発明の開示内容とみなされるべきである。
【符号の説明】
【0041】
1 案内本体
2 本体ガイドワイヤー通路
3 ガイドワイヤー案内通路
4 本体ガイドワイヤー
5 ガイドワイヤーキャッチャ
6 分枝ガイドワイヤー
7 現像マーキングライン
8 管路
9 主血管
10 分枝血管
11 体内側端面
図1
図2
図3
図4