特許第6867400号(P6867400)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6867400
(24)【登録日】2021年4月12日
(45)【発行日】2021年4月28日
(54)【発明の名称】表示装置の製造方法および表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20210419BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20210419BHJP
   G09F 9/33 20060101ALI20210419BHJP
   H05B 33/10 20060101ALI20210419BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20210419BHJP
   G02B 5/20 20060101ALI20210419BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALI20210419BHJP
【FI】
   G09F9/00 338
   G09F9/00 313
   G09F9/00 366A
   G09F9/00 366G
   G09F9/30 365
   G09F9/33
   H05B33/10
   H05B33/14 A
   G02B5/20
   G02B5/20 101
   G02F1/1335
【請求項の数】24
【全頁数】34
(21)【出願番号】特願2018-545630(P2018-545630)
(86)(22)【出願日】2016年3月2日
(65)【公表番号】特表2019-516119(P2019-516119A)
(43)【公表日】2019年6月13日
(86)【国際出願番号】EP2016000365
(87)【国際公開番号】WO2017148491
(87)【国際公開日】20170908
【審査請求日】2019年1月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】516245265
【氏名又は名称】ピーエー コット ファミリー ホールディング ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】PA.COTTE Family Holding GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】特許業務法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ピエール アラン コット
【審査官】 武田 悟
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−84477(JP,A)
【文献】 特表2007−514975(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/124292(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0157887(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00 − 9/46
G02F 1/1335
H01L 51/50
G02B 5/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイ(2)を有する薄く本質的に破損しない表示装置(1)の製造方法であって、
前記ディスプレイ(2)の発光面(3)に上層(4)が配置され、該上層は、観察者に対向する表面(O)を有し、
前記ディスプレイ(2)の前記発光面(3)から発生した光を通過させるための微小通路が前記上層(4)に形成され、該微小通路は前記観察者に対向する表面(O)に微小開口(A)を形成し、
前記観察者に対向する本質的に平坦な表面(O)が前記上層(4)上に作製され、
前記本質的に平坦な表面(O)を生成するために、前記本質的に平坦な表面(O)の作製は、レーザーおよび/または機械加工による、前記表示装置(1)における前記観察者に対向する表面(O)の加工を備え、
前記上層(4)を構築は、本体部分および犠牲要素(10)を有し、微小通路を形成する少なくとも1つのビーム整形装置(5)の作製を備え、前記本体部分と前記犠牲要素(10)は同じ材料または前記上層内の中空スペースで一体的に構成され、前記本体部分は、前記本体部分の一方側から前記本体部分の他方側に向かう方向に先細になり、前記犠牲要素(10)は、前記本体部分の他方側から前記方向に一定の断面形状で延伸しており、
前記本質的に平坦な表面(O)の作製において、前記犠牲要素の少なくとも一部が除去され、前記本体部分は除去されない、表示装置の製造方法。
【請求項2】
前記上層(4)は付加製造工程によって構築されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記上層(4)は本質的に金属および/または非透明材料および/または光を反射しない材料を備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記上層(4)の作製において、前記少なくとも1つのビーム整形装置(5)が少なくとも部分的に前記上層(4)内に作製されることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記上層(4)の構築は、表面を形成する表面層の作製を含み、該作製によって、観察者に対向する表面(O)が形成され、
前記表面層の作製は表面構造の付加を備え、
前記表面構造は、疎水性および/または疎油性および/または疎細菌性および/または半透明性を有するように構成され、
前記表面層の作製は、仕上げ加工のために前記表面層に貴金属を導入することを備えることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記微小開口(A)は、前記観察者に対向する前記上層の全表面(O)の10%未満の割合で、前記上層(4)における前記観察者に対向する表面(O)上に含まれることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記ディスプレイ(2)は、少なくとも1つのVCSEL、または少なくとも1つのOLED、または少なくとも1つのLED、またはマイクロディスプレイを備え、
前記少なくとも1つのVCSELは少なくとも部分的に微小通路内に含まれ、
前記少なくとも1つのOLED、または前記少なくとも1つのLED、または前記マイクロディスプレイは、微小通路の外側に配置されることを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記上層(4)の構築は、さらに別の層および/または少なくとも1つの機能層の作製を備えることを特徴とする、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
少なくとも1つの機能層として、発電のためのソーラー層が作製され、および/または、
少なくとも1つの機能層として、入力を取得するための接触感知層が作製され、および/または、
少なくとも1つの機能層として、圧力を検知するための圧力感知層が作製され、および/または、
少なくとも1つの機能層として、温度を測定するための温度感知層が作製され、および/または、
少なくとも1つの機能層として、静電容量を測定するための静電容量層が作製されることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの機能層の作製において、少なくとも1つの感知要素が前記機能層に導入され、
前記少なくとも1つの感知要素は、タッチセンサおよび/または温度センサおよび/または圧力センサおよび/または静電容量センサとして構成されることを特徴とする、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つのビーム整形装置(5)は、少なくとも部分的に、半透明材料および/または導電性材料(8)から作製されることを特徴とする、請求項1から10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つのビーム整形装置(5)は、少なくとも観察者に対向するその表面(O)上に、導電性材料(8)を備えることを特徴とする、請求項1から11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つのビーム整形装置(5)は、拡散素子(13)、および/またはコリメータ、および/または集光器を有することを特徴とする、請求項1から12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つのビーム整形装置(5)は、光のための入力部(6)および出力部(7)を備え、
前記入力部(6)は、前記ディスプレイ(2)の少なくとも1つの発光面(3)上に配置され、
前記出力部(7)は、前記上層(4)における前記観察者に対向する表面(O)上に配置され、
拡散素子(13)、および/またはカラーフィルタ素子、および/または色変換素子、および/またはカラー蛍光体素子が、前記少なくとも1つのビーム整形装置(5)の前記出力部(7)に配置され、
前記少なくとも1つのビーム整形装置(5)の前記出力部(7)は、色および/または放射線の測定のために、光を取得および/または評価するように構成されることを特徴とする、請求項1から13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
本質的に平坦な表面を作製するために、前記少なくとも1つのビーム整形装置(5)は出力部側に前記犠牲要素(10)を備え、該犠牲要素は、半透明性を有し、光を受光し伝達することを特徴とする、請求項1から14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つのビーム整形装置(5)の作製において、少なくとも2つのビーム整形装置(5)間に少なくとも1つの感知要素が配置され、および/または、
前記ディスプレイ(2)の発光側は、少なくとも1つの感知要素を有し、および/または、
少なくとも1つの感知要素は前記ディスプレイ(2)と前記上層(4)の間に配置され、および/または、
少なくとも1つの感知要素は前記ディスプレイ(2)の前記発光面(3)間または内に取り付けられ、
前記少なくとも1つの感知要素は、画像センサおよび/または接触感知センサおよび/または圧力感知センサおよび/またはガス感知センサおよび/または温度感知センサを有することを特徴とする、請求項1から15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
少なくとも1つの機能層、および/または前記上層(4)の少なくとも1つの層、および/または少なくとも1つのビーム整形装置(5)は、薄膜法によって作製されることを特徴とする、請求項1から16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
少なくとも1つの機能層、および/または前記上層(4)の少なくとも1つの層、および/または少なくとも1つのビーム整形装置(5)が作製され、
薄膜法による前記作製は、スパッタリングおよび/またはガルバニック処理および/またはナノインプリントおよび/またはロールエンボス加工法および/または射出成形法を備え、および/または、
前記作製は、金属を用いるスパッタリングを備え、および/または、
前記作製は、化学蒸着または物理蒸着またはゾルゲル法を備え、および/または、
前記作製は材料の型成形を備え、
前記型に注がれる材料は、UV光、加熱、または放熱によって固められ、および/または、
前記作製はスパックリング法による塗布を備え、少なくとも1つのビーム整形装置(5)、および/またはディヒューザを形成するために、スパックリングコンパウンドは、前記微小開口(A)に、および少なくとも部分的に前記微小通路に到達し、
前記スパックリングコンパウンドは、量子ドットを形成する半導体材料を備え、および/または、
前記作製は融解を備え、および/または、
前記作製は、付加製造法を備え、および/または、
前記作製は、表面層を生成するための、レーザー、および/または機械加工、および/または化学処理、および/または研磨加工による、前記上層(4)の再加工を含むことを特徴とする、請求項1から17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記上層(4)の構築は、付加製造法を備え、および/または、
前記上層(4)の構築は少なくとも2つのビーム整形装置(5)間の中間スペース(9)の充填を備え、
充填に用いられる材料は、前記少なくとも1つのビーム整形装置(5)を、少なくとも部分的に覆い、および/または、
充填に用いられる材料は、前記犠牲要素の少なくとも1つの領域(O)が材料で囲まれるように、少なくとも前記観察者に対向する表面(O)上で前記少なくとも1つのビーム整形装置(5)を覆うことを特徴とする、請求項1から18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
前記本質的に平坦な表面(O)の作製において、光通路が作製され、光は前記少なくとも1つのビーム整形装置(5)に入射および/またはそこから出射でき、および/または、
本質的に平坦な表面層を生成するために、前記本質的に平坦な表面(O)の作製は、材料除去法による、前記表示装置(1)における前記観察者に対向する表面(O)の加工を備え、および/または、
前記観察者に対向する表面(O)の加工は共通の平坦な表面(O)の生成を備え、前記上層(4)、および複数のビーム整形装置(5)は、前記複数のビーム整形装置(5)の出力部(7)および/または前記犠牲要素(10)から光が出射できるように加工されることを特徴とする、請求項1から19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
前記少なくとも1つのビーム整形装置(5)の入力部の面積(FE)および/または前記ビーム整形装置(5)の最大面積に対する、前記少なくとも1つのビーム整形装置(5)の出力部の面積(FA)の比率は、1:25未満または以下であり、および/または、
前記少なくとも1つのビーム整形装置(5)が前記上層(4)から出ている面積の、前記上層の面積に対する比率は、1:10未満または以下であり、および/または、
前記少なくとも1つのビーム整形装置(5)の入力部(6)から出力部(7)までの距離(H)は、前記少なくとも1つのビーム整形装置(5)の前記入力部における最大直径または対角線の長さ(D)に対して、10:1以下であり、および/または、
前記少なくとも1つのビーム整形装置(5)の出力部(7)は、1mm未満の直径(D)または対角線の長さ(D)を有することを特徴とする、請求項1から20のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
前記少なくとも1つのビーム整形装置(5)は、前記少なくとも1つのビーム整形装置(5)の入力部(6)から出力部(7)におよび出力部(7)から入力部(6)に光を導くように適合し、および/または、
前記表面(O)、および/または少なくとも2つのビーム整形装置(5)間の中間スペース(9)は、より高いコントラストのために光の反射を抑制するようにおよび/または光を吸収するように、および/またはアンテナのために無線信号の受信を改善するように適合し、および/または、
前記表面(O)、および/または少なくとも2つのビーム整形装置(5)間の中間スペース(9)は、空気および/またはガスおよび/または放射能の組成を測定するように適合し、および/または、
前記表面(O)、および/または少なくとも2つのビーム整形装置(5)間の中間スペース(9)は、音の測定および/または音の放出および/またはにおいの検出に適合し、および/または、
前記表面(O)、および/または少なくとも2つのビーム整形装置(5)間の中間スペース(9)は、アクチュエータ、送受信アンテナ、可動マイクロ部品、マイクロ溶融要素、マイクロ電磁もしくは磁気素子、またはマイクロ空気圧縮もしくはマイクロ液圧要素を備えるように適合し、形状記憶材料を有することを特徴とする、請求項1から21のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
ディスプレイ(2)と、前記ディスプレイ(2)の発光面(3)に配置され、観察者に対向する本質的に平坦な表面(O)を有する上層(4)と、を有し、
前記上層(4)は、前記ディスプレイ(2)の前記発光面(3)から発生した光を通過させる微小通路を備え、該微小通路は、前記観察者に対向する表面(O)に微小開口(A)を形成し、
前記上層(4)は少なくとも1つのビーム整形装置(5)を備え、該ビーム整形装置は、微小通路を形成し、光のための入力部(6)および出力部(7)を備え、
前記少なくとも1つのビーム整形装置(5)は本体部分および犠牲要素(10)を有し、前記本体部分と前記犠牲要素(10)は同じ材料または前記上層内の中空スペースで一体的に構成され、前記本体部分は前記入力部(6)から前記出力部(7)に向かって先細になり、前記犠牲要素(10)は、前記出力部(7)側に設けられ、前記本体部分から前記本質的に平坦な表面(O)まで一定の断面形状で延伸している、表示装置。
【請求項24】
前記少なくとも1つのビーム整形装置(5)は、少なくとも部分的に、半透明材料および/または導電性材料(8)を備え、前記上層に埋め込まれることを特徴とする、請求項23に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイを有する薄く本質的に破損しない表示装置の製造方法であって、ディスプレイの発光面に上層が配置され、該上層は観察者に対向する表面を有する表示装置の製造方法に関する。さらに本発明は表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
観察者に対向するガラス製の表面を有する表示装置が、例えば特にタブレットまたは携帯電話のためのLCD表示装置またはOLED表示装置として、先行技術において知られている。このような表示装置の欠点は、これらの表示装置が有する限定されたコントラスト範囲、ならびにこれらの表示装置の保護ガラスに必要な厚みである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、本発明は、コントラスト範囲、および/または表示品質、および/またはディスプレイの視覚的印象、および/またはよりエネルギー効率の良い表示装置の設計、および/または表示装置の重量の最適化、および/または機械的安定性の改善に関して、複数の画素または発光面を有するディスプレイを備える表示装置、例えばLCDまたはOLED表示装置の製造方法を改善するという課題に取り組むものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題は独立請求項により解決される。有利な改善例は、従属請求項により明らかにされる。
【0005】
特に、ディスプレイを有する薄く本質的に破損しない表示装置の製造方法によって、この課題は解決される。
【0006】
ここで本方法は、好ましくは上層がディスプレイの発光面に配置され、該上層は観察者に対向する表面を有し、好ましくは、該上層は本質的に金属および/または非透明材料および/または光を反射しない材料を備えるということを含む。ここで該上層はディスプレイの発光面に直接的または間接的に配置されることができる。その結果、ディスプレイの製造方法が従来の製造方法と原則的に異なるのみならず、製造された表示装置もまた異なる。これは、従来の表示装置が本質的にガラスからなる上層を有し、それによってディスプレイからの光を観察者に届けることができるのに対し、簡単に言えば、先行技術におけるこの透明ガラス層を、本質的に非透明な金属製の上層で、および/または非透明材料および/または光を反射しない材料で置き換えることができるためである。ガラスを金属および/または非透明材料および/または光を反射しない材料で置き換えることの利点は第一に、例えば金属が特に耐破壊性に関してガラスよりも著しく高い機械的安定性を有するという事実にある。
【0007】
本明細書において「ディスプレイ」とは、好ましくは、可動部を有せず、電気的に制御される、画像または文字のような様々な情報の光信号を送るためのディスプレイを意味する。理想的には、画像または文字のような様々な情報は複数の発光面から生じ、発光面は好ましくは異なる色を生成することもできる。
【0008】
本明細書において「本質的に金属および/または非透明材料および/または光を反射しない材料を備える」上層とは好ましくは、該上層が好ましくは金属またはプラスチックに近い破壊挙動を有するか、または該上層が特にプラスチックまたは金属の延性挙動を有することを意味する。特に、「本質的に金属および/または非透明材料および/または光を反射しない材料」を有する上層とは、好ましくは金属および/または非透明材料および/または光を反射しない材料を、少なくとも2%、特には5%含む層を意味する。金属、非透明材料および/または光を反射しない材料の割合が高いほど、上層における破損に対する機械的安定性、または上層の耐破壊性が高まる。したがって、金属および/または非透明材料および/または光を反射しない材料を少なくとも90%まで備える上層が特に好ましい。なぜなら、そのような実施形態が、金属、非透明材料および/または光を反射しない材料の材料特性に実質的に対応するためである。
【0009】
金属には、実施形態によって擦過または衝撃などの外部からの影響に対する表面強度が高いという利点がある。金属は、高い弾性限界により、または塑性変形により、落下などの外部からの機械的影響にも耐える。
【0010】
有利には、非透明材料は、プラスチック、特に延性を有するプラスチックであり、まず弾性変形して、塑性変形後まで破損しない。このようにして、表示装置は、落下などの外部からの機械的影響から可能な限り最大に保護され得る。また、非透明材料が高い弾性限界によって機械的影響を低減できることが有利である。
【0011】
さらに、弾性膨張/弾性変形可能であり、塑性変形後にのみ破損するために、光を反射しない材料が、さらに有利に延性特性を有する材料、特にプラスチックであることが有利である。また、光を反射しない材料は、入射光が、表示装置を見ている観察者の妨げになるどんな煩わしい反射光も生成しないという利点を有する。加えて、本方法のさらに別のステップにおいて、ディスプレイの発光面から発生した光を通過させるための微小通路を上層に形成し、それによって観察者に対向する表面に微小開口を形成することが有利である。したがって、ディスプレイの発光面からの光は、上層または微小通路を透過して、観察者に対向する表示装置の表面の微小開口において出射することができる。この場合、既に述べたように、上層は好ましくは例えば金属などの非透明材料を備える。言い換えると有孔層としての上層の実施形態のおかげで、コントラスト、特に黒のコントラストの改善が可能になる。このため、微小通路と、好ましくは本質的に金属または非透明材料または光を反射しない材料を有する上層とを組み合わせることで、改善されたコントラストを有し、強化されたより薄い表示装置が作製される。
【0012】
好ましくは、微小開口は、観察者に対向する上層の表面上に、観察者に対向する上層の全表面の10%未満の割合で導入される。言い換えると、上層に微小通路が導入され、それによって上層の一方側で生成された光が透過し上層の他方側から放射されることが可能になることが好ましい。この場合、好ましくは、発生した光は、観察者に対向する上層の表面における微小開口から出射し、そのため、観察者に届くことができる。観察者に対向する上層の全表面に対する微小開口の割合が10%未満である好ましい状況に基づいて、本質的にまたはほとんど閉じた表示装置の表面を確保でき、該表面は、例えば金属などの延性を有する材料で実現された場合、好ましくは高い耐破壊性を有する。また、上記の実施形態のおかげでより、高いコントラスト範囲、またはより高いコントラスト値/コントラストが生成され得る。
【0013】
好ましくは2つの微小開口間の距離は観察者の分解能よりも小さい。ここで、これらは観察者にとって最大で2分角の角度で見える距離である。その結果、画素または微小開口は大半の観察者にとって判別不可能となる。なぜなら、人間の分解能は、好ましくない状態において、約2分角に相当するからである。
【0014】
特に好ましくは、微小開口間の距離は、観察者にとって、最大で1分角、特に好ましくは0.5分角、特に好ましくは0.25分角の角度で見える。その結果、画素または微小開口は実質的にすべての人間の観察者にとって判別不可能となる。最大角が小さいほど、2つの画素、微小開口、または発光面を判別するのに十分な視力をもった観察者は少なくなる。
【0015】
好ましくは、観察者の眼は、表示装置の使用時に、個々のタイプの表示装置に共通する距離、表示領域から離れている。例えば、その距離は、携帯式装置(携帯電話、時計、タブレットコンピュータ)のディスプレイに対して5cmから1.20m、好ましくは15cmから60cm、デスクトップコンピュータのディスプレイに対して25cmから2m、好ましくは40cmから1m、テレビに対して1mから7m、好ましくは2mから5m、および/または広告および情報ディスプレイに対して2mから100m、好ましくは5mから100m超である。特に好ましい距離は、観察者の分解能よりも短い距離、例えば小型装置に対して30μm未満(800から1000DPI(dots per inch))、または例えばテレビの場合において0.5mm未満の距離であり、その距離において、従来の視距離(>2m)のユーザは、個々の画素、微小開口、または発光面を互いにもはや判別できない。
【0016】
例えば、表示装置は最小ユーザ距離が(眼に対して)50cmであるデスクトップコンピュータである。例えば、潜在的ユーザの70%が0.6分角よりも良い分解能をもたないとする仮定において、表示装置の画素、微小開口、または発光面は、87μm以下、好ましくは安全マージンのために80μm隔てて互いに配置され、そのため、表示装置の通例の使用時に、ユーザの少なくとも70%にとって、個々の発光面または微小開口を判別することができないために、特に高品質な表示が可能になる。結果として、表示装置の解像度は、317DPI、好ましくは安全マージンを含めて320DPIである。
【0017】
好ましくは、観察者の分解能よりも短い距離とは、最大190μm、好ましくは最大80μm、特に好ましくは最大50μmである。その結果、観察者は、通例よりも表示領域に近づいた場合においても、個々の画素、微小開口、または発光面を互いに判別することができなくなる。このため、個々の観察者の分解能および調節能力に応じて、個々の観察者がどれだけ表示装置に近づくかは重要ではない。なぜなら、観察者は、視覚を最適に利用したとしても、また眼の最も近い焦点距離まで近づいたとしても、個々の画素、微小開口、または発光面を互いにほとんど判別できないからである。
【0018】
好ましくは、1つの好ましくは全ての微小開口または発光面の大きさは最大70μm、好ましくは最大25μm、特に好ましくは最大10μm、または最大5μmでさえあることが好ましい。その結果、観察者は(スイッチオフ時)裸眼で微小開口または発光面を判別できず、コントラストはより高くなる。上記大きさは、好ましくは、表示領域に平行な微小開口または発光面の最大の大きさである。特に好ましくは、上記大きさは可視光および/または透過光の波長以下である。それは、例えば、最大2μm、好ましくは最大1μm、または最大0.5μmである。その結果、特にレイリーの基準に基づいて、発光面から発せられる光の出射角はより大きくなる(したがって、表示装置をより広い角度から見ることができるため有利である)。
【0019】
また、本明細書において、好ましくは、微小開口は、例えば上層における小領域であり、光の出射または通過を可能にする。理想的には、微小開口は、微小通路の一部であるか、または微小通路の始めまたは終わりに配置されている。
【0020】
さらに、ディスプレイが、少なくとも1つのVCSEL、または少なくとも1つのOLED、または少なくとも1つのLED、またはマイクロディスプレイを備えていることが有利である。それによって、発光面を用いた光情報の表示を容易に実現できる。また、発光面が、ディスプレイチップ、好ましくはLEDディスプレイ、および/またはOLEDディスプレイおよび/またはプラズマディスプレイおよび/またはFEDディスプレイおよび/またはSEDディスプレイおよび/またはLCDディスプレイおよび/またはレーザーおよび/またはVCSELディスプレイの実施形態で実現されることが有利である。もちろん、発光面は、ディスプレイ全体を有するのではなく、特に量子ドットと組み合わされて、個々のまたは複数のディスプレイチップ、マイクロディスプレイ、LED、OLED、LCD、レーザーおよび/またはVCSELを有することも可能である。
【0021】
好ましくは、上記少なくとも1つのVCSELは微小通路内に少なくとも部分的に挿入される。このようにして、理想的にはVCSELから発生した光は観察者に対向する表面上の微小開口から完全に出射することができる。発生した光が表示装置からほぼ完全に出射するため、損失を低減することができ、その結果エネルギー入力も低減される。さらには、上層の微小通路に少なくとも1つのVCSELを配置するかまたは少なくとも部分的に挿入することにより、表示装置全体の設計高さを低減することができる。
【0022】
既に示したように、発光面が、例えば、基材(例えばSiウエハなど)上に、例えば一辺の長さが例えば50μmの正方形の形をとってアレイとしてまたはマトリクス状に配置された1つ以上のVCSELまたは例えばビーム径5μmのVCSELレーザーを有することが有利である。正方形状のVCSELレーザーまたはVCSELの放射波長は、好ましくは、互いに異なるか、または、それらが同じである場合には波長装置(例えばカラー蛍光体素子または量子ドットなど)によって異なる放射波長に変換される。そのような多くのユニットが表示装置の発光面の画素または副画素を形成する。
【0023】
さらに、少なくとも1つのOLED、または少なくとも1つのLED、またはマイクロディスプレイが微小通路の外側に配置されることが有利である。このようにして、少なくとも1つのOLED、または少なくとも1つのLED、またはマイクロディスプレイが例えば上層の下に配置され、例えば、いくつかのOLED、いくつかのLED、またはマイクロディスプレイのいくつかの光発生画素は微小通路に向かう光を発生させることが可能である。
【0024】
さらに、上層が生成的製造(generative production)工程によって構築されるか、または上層の構築が生成的製造工程によって行われることが有利である。
【0025】
この場合、この工程は、有利には、選択的レーザー溶融法(Selective Laser Melting:SLM)、選択的レーザー焼結(Selective Laser Sintering:SLS)、選択的燃焼合成法(Selective Head Sintering:SHS)、結合剤噴射法(Binder jetting)、電子ビーム溶解法(Electron Beam Melting:EBM)、熱溶解積層法(Fused Deposition Modeling:FDM)、薄膜積層法(Laminated Object Modeling:LOM)、クラッディング、ワックス積層法(Wax Deposition Modeling:WDM)、コンタークラフティング、コールドガスダイナミックスプレー、光造形法(Stereo Lithography:SLA)、デジタルライトプロセッシング(Digital Light Processing:DLP)および/または液体複合材成形(Liquid Composite Molding:LCM)である。
【0026】
好ましくは上層の構築は、少なくとも1つの層の作製および/または少なくとも1つの機能層の作製および/または少なくとも1つのビーム整形装置の作製を含む。この場合、該少なくとも1つのビーム整形装置は微小通路を形成することができる。また、レーザー、および/または機械加工、好ましくはフライス加工および/またはボーリング加工、および/または化学処理、好ましくはエッチング、および/または研磨加工および/または研削加工によって、微小通路を生成することが可能である。また、構築中にキャリアを作ることができ、それにより、さらに別の構造、層および/またはビーム整形装置を簡易な方法で作製および/または構築することが可能である。
【0027】
さらに、複数のビーム整形装置をマトリクス状に配置することが可能である。したがって複数のビーム整形装置は画素または画像素子として機能し、全体で画像を構成する。
【0028】
この場合、上層が、生成的製造工程によって構築され、微小通路を形成する少なくとも1つのビーム整形装置を備えることが有利である。したがって、少なくとも1つのビーム整形装置そして上層を光が通過できる。
【0029】
好ましくは、少なくとも1つの機能層として発電のためのソーラー層が作製される。それによって、エネルギー貯蔵体を有しないか、または、ソーラー層による充電も可能な比較的小規模のエネルギー貯蔵体を有する表示装置の実施形態が可能になる。
【0030】
さらに、少なくとも1つの機能層として入力を取得するための接触感知層が作製されることが好ましい。このようにして表示装置を介して観察者またはユーザの入力を取得することができ、その結果、例えばスマートフォン、スマートウォッチ、またはタブレットのための入力装置として表示装置を使用できる。
【0031】
好ましくは、少なくとも1つの機能層として、圧力を検知するための圧力感知層が作製される。この実施形態によってまた、表示装置を介して観察者またはユーザの入力を取得することができる。その結果また、例えばスマートフォン、スマートウォッチ、またはタブレットの入力装置として表示装置を使用できる。さらに、圧力感知層によって例えばスマートウォッチ装着者の脈拍を測定することができる。
【0032】
理想的には、少なくとも1つの機能層として、温度を測定するための温度感知層が作製される。それによって、表示装置は外部温度および/または例えばスマートウォッチ装着者の体温を検知することができる。
【0033】
さらに、少なくとも1つの機能層として、静電容量を測定するための静電容量層が作製されることが提供され得る。したがって、表示装置のそのような層を介して観察者またはユーザの入力を取得することができ、その結果、例えばスマートフォン、スマートウォッチ、またはタブレットの入力装置として表示装置を使用できる。
【0034】
さらに、少なくとも1つの機能層の作製時に、少なくとも1つの感知要素が機能層に導入されることが有利である。このようにして、例えば温度を検知するよう機能層を設計するために、例えばセンサチップを表面層の機能層に導入してもよい。
【0035】
また、少なくとも1つの感知要素が、タッチセンサおよび/または温度センサおよび/または圧力センサおよび/または静電容量センサとして構成されることが有利である。このようにして、表示装置が観察者またはユーザの入力を取得することが可能になり、その結果、例えばスマートフォン、スマートウォッチ、またはタブレットのために表示装置を使用できる。また、外部温度および/または例えばスマートウォッチ装着者の体温を取得することができる。
【0036】
理想的には、上層の構築は、表面を形成する表面層、または外表面の作製を含み、該作製によって、観察者に対向する表面が形成される。表面を形成する表面層、または外表面は、理想的には、観察者に対向する表面領域を形成し、観察者はその領域を物理的に触れることができる。すなわち、この領域、またはこの表面層、または表面は、観察者の指、手、したがって皮膚と接触する。したがって表面層上に良質な特徴または特定の表面粗さを加え、表示装置の表面感触を心地よいものにできる。
【0037】
さらに有利な実施形態において、表面層の作製は、仕上げ加工のために表面層または外表面に貴金属を導入することを含む。このようにして、例えば不活性材料を、観察者に対向する表面に導入できる。ここで、不活性材料は、有利には、そのときどきに与えられた条件下で、潜在的な反応物(例えば、空気、水、試薬および反応生成物)と反応しないかまたはわずかにしか反応しない、例えば金または銀のような材料を意味する。
【0038】
好ましくは、表面層はまた、例えば半透明プラスチックによって上層の保護を形成し、および/または上層の弾性を向上させ、および/または上層のための装飾を構成する。したがって魅力的な外観と機能特性を組み合わせることができる。
【0039】
理想的には、表面層または外表面の作製は表面構造の付加を含む。このようにして表示装置の表面感触を改善でき、特にロータス効果に似た撥油性の表面構造などの特性も実現できる。
【0040】
好ましくは、表面構造は疎水性および/または疎油性および/または疎細菌性(細菌との親和性を欠く性質)および/または半透明性を有するように構成される。このようにして、表示装置の表面層もしくは上層、または外表面は、水、油および/または細菌を寄せつけないように構成され得る。さらに、半透明の構成により、表示装置またはその発光面または上層の光の透過が可能になる。もちろん、表示装置または上層の表面構造からの入射光もまた通過できるように表面構造を構成することもできる。好ましくは、少なくとも1つのビーム整形装置の作製時に、該少なくとも1つのビーム整形装置は少なくとも部分的に上層内に作製される。したがって、少なくとも1つのビーム整形装置はまた、内部、外部、または、少なくとも部分的に内部かつ部分的に外部に配置され得る。それぞれの配置は異なる利点を提供する。したがって、例えば表示装置の上層がOLEDに付加される場合に、少なくとも1つのビーム整形装置を上層内へ配置することが有用である。このようにして上層とOLEDとを別々に製造することができる。例えば表示装置の上層をVCSELと組み合わせる場合、少なくとも1つのビーム整形装置を上層の外部に配置することが望ましい。この実施形態によって、必要なスペースを削減でき、非常に薄い表示装置を実現できる。
【0041】
好ましくは、少なくとも1つのビーム整形装置は微小通路を形成する。好ましくは、微小通路は、層の、特に上層の2つの面を接続するものと理解される。言い換えると、微小通路を形成する少なくとも1つのビーム整形装置が、金属シートを貫通する孔と同様に構成されることが有利である。したがって微小通路または少なくとも1つのビーム整形装置は、層内、特に上層内の中空スペースであってもよい。この場合、微小通路/ビーム整形装置の中空スペースの形状は、任意の所望の設計でよいが、円筒形であることが好ましい。言い換えると、少なくとも1つのビーム整形装置を層内の中空スペースとして構成することが有利であり得、該中空スペースは孔またはスルーホールと同様に構成され、中空スペースは、ガス、特に空気で充填されていてもよい。
【0042】
さらに、少なくとも1つのビーム整形装置が少なくとも部分的に半透明および/または導電性材料、特にプラスチックで作られることが有利である。少なくとも部分的に半透明な材料によって、例えばOLEDまたはLEDから発生した光が例えば上層を透過または通過することができ、好ましくは発光の出力の損失が最小限になる。また、少なくとも部分的に半透明な材料は、ガラス繊維、特に「フォトニック結晶ファイバ(PCF)」、あるいはまた「フォトニックバンドギャップファイバ(PBG−Fiber)」で作られ得る。このガラス繊維/材料はほぼ損失なく光を導き、その特性は必要に応じて実質的に調整され得る。導電性材料によって、表示装置のさらに別の特性、特にタッチ入力または接触感知式入力を高精度で検知する能力を改善することができる。
【0043】
また、少なくとも1つのビーム整形装置が、少なくとも観察者に対向するその表面上または側面上において、導電性材料および/または非透明材料および/または無反射材料を備えることが有利である。理想的には、少なくとも観察者に対向するその表面上に導電性材料を備える少なくとも1つのビーム整形装置によって、その表面、および/または少なくとも2つのビーム整形装置間の中間スペースを、アンテナのために無線信号の受信を改善するように、調整することができる。導電性材料は無線信号の受信およびそのような信号の送信に使用され得る。
【0044】
さらに、少なくとも1つのビーム整形装置が、拡散素子、特にディヒューザ、および/またはコリメータおよび/または集光器を有することが好ましい。言い換えると、好ましくは少なくとも1つのビーム整形装置は拡散素子、特にディヒューザ、および/またはコリメータおよび/または集光器と共に構成または製造される。この場合、拡散素子またはディヒューザは特定の角度範囲において光を放射または拡散することができる。その結果、観察者が光情報を知覚可能な視野角を設定できる。さらに、コリメータによって平行なビーム経路を生成することができ、その結果、例えばLEDまたはOLEDなどの発光面からの光を既定の方向に高い集中状態で放射するまたは向けることができる。集光器によって、発光面、特にLED、OLED等から生成または放射された光を集中させることが可能である。その結果、光の出力を増加させることができ、したがって一つには光度そして光強度を増加させることができ、また一つにはエネルギーを節約することができるため、集光器を有する表示装置は高いエネルギー効率を有する。
【0045】
また、少なくとも1つのビーム整形装置は光の入力部および出力部を備えている。このようにして光は入力部から出力部に進むことができる。
【0046】
好ましくは、入力部はディスプレイの少なくとも1つの発光面に配置され、有利に出力部は観察者に対向する上層の表面上に配置される。したがって少なくとも1つのビーム整形装置の入力部における発光面の光はまた入力部に導入され、導入されたこの光は再び出力部において放射することができる。ディヒューザおよび/またはコリメータおよび/または集光器を有する少なくとも1つのビーム整形装置の好ましい実施形態において、発光面の最大量の光を少なくとも1つのビーム整形装置へと導入するために、集光器が入力部に配置されることが有利である。有利には少なくとも1つのビーム整形装置の出力部は、微小開口内および/または微小開口上に配置される、または配置されてもよい。
【0047】
さらに、拡散素子、特にディヒューザ、および/またはカラーフィルタ素子および/または色変換素子および/またはカラー蛍光体素子、特に量子ドットが少なくとも1つのビーム整形装置の出力部に配置されることが好ましい。ディヒューザによって、少なくとも1つのビーム整形装置から予め決定可能な角度範囲で光を放射できる。このようにして表示装置の個別の要件に視野角を合わせることができる。例えば、機密データの表示装置には狭い視野角が適切であり得る一方で、例えばスマートウォッチに対しては広い視野角が有利である。カラーフィルタ素子、色変換素子および/またはカラー蛍光体素子は、特に量子ドットとして実現され、特定の波長、したがって特定の色の光を、別の波長または色の光に変換することに使用されてもよい。これは、表示装置において少なくとも1つのVCSELを使用する場合に有利である。したがって、表示装置はまた少なくとも1つのVCSELと共に作製されてもよく、該表示装置はRGB色空間における多様な色を実現する。
【0048】
また、少なくとも1つのビーム整形装置の出力部が、色および/または放射線の測定のために光を取得および/または評価するように構成されることが有利である。このようにして、光は、出力部から放射されるだけでなく、出力部で受光されることが可能である。したがって、例えば光情報または電磁放射情報は、少なくとも1つのビーム整形装置、特にその出力部から入力部へ導かれることができる。これに関連して、発光面だけでなく、光感応センサもまた入力部に配置されることが好ましい。該光感応センサは、出力部で受け取られて少なくとも1つのビーム整形装置の入力部に導かれた光情報または電磁放射情報を受け取り、例えばそれを電気信号に変換してもよい。このようにして、例えばこのような表示装置で周囲の写真を撮ること、または表示装置を用いて書類を複写することが可能である。特に色測定のために光を取得および/または評価する場合に、上記センサが、対応する光スペクトルに対する感度を有するように構成されることが有利である。放射線測定と関連して、可視光だけでなく、放射線、特に紫外線または赤外線も、少なくとも1つのビーム整形装置の出力部から、入力部に、特に入力部に配置される発光面またはセンサに導かれ、該センサは上記の種類の放射線に対する感度を有することが有利である。
【0049】
また、少なくとも1つのビーム整形装置が、光情報を両方向に導くように、特に少なくとも1つのビーム整形装置の入力部から出力部に、および出力部から入力部に光を導くように適合することが有利である。したがって、光は、出力部から放射されるだけでなく、出力部で受光されることが可能である。その結果、例えば光情報は少なくとも1つのビーム整形装置、特にその出力部から入力部へ導かれることができる。これに関連して、発光面だけでなく、光感応センサもまた入力部に配置されることが好ましい。該センサは、少なくとも1つのビーム整形装置の出力部で受け取られて入力部に導かれた光情報を受け取り、例えばそれを電気信号に変換してもよい。このようにして、例えばこのような表示装置で周囲の写真を撮ること、または表示装置を用いて書類を複写することが可能である。特に色測定のために光を取得および/または評価する場合に、上記センサが、対応する光スペクトルに対する感度を有するように構成されることが有利である。放射線測定と関連して、可視光だけでなく、放射線、特に紫外線または赤外線もまた、少なくとも1つのビーム整形装置の出力部から、入力部に、特に入力部に配置される発光面またはセンサへ導かれ、該センサは上記の種類の放射線に対する感度を有することが有利である。
【0050】
さらに、少なくとも1つのビーム整形装置が出力部側に犠牲要素を備えることが好ましい。言い換えると、本方法の1ステップにおいて、少なくとも1つのビーム整形装置の出力部に犠牲要素が配置されることが有利である。該犠牲要素は好ましくは円筒形状、直方体形状、または円錐形状、および好ましくは半透明性を有するように構成される。さらに、犠牲要素が光を受光し伝達することが有利である。犠牲要素は好ましくは、名前が示す通り、犠牲になることができる素子として機能する。それにより、特に後続の処理ステップと関連して、本質的に平坦な表面を形成する表面層または本質的に平坦な外表面を形成するために、例えば研削加工または研磨加工などの除去法によって犠牲要素を除去することができる。したがって、本質的に平坦な表面の作製のために犠牲要素が問題なく犠牲になることができるので、犠牲要素によって、少なくとも1つのビーム整形装置の機能がその起こりうる損傷の影響を受けることなく、さらなるビーム整形装置の損傷が防がれる。さらに、表面層を生成するための除去法はまた、レーザー、および/または機械加工、好ましくはフライス加工および/またはボーリング加工、および/または化学処理、好ましくはエッチング、および/または研磨加工による処理であってもよい。
【0051】
本明細書において「本質的に平坦」に設計される表面層または表面は、好ましくは平坦性の公差として理解される。言い換えると、好ましくは「本質的に平坦」な表面層または表面は、0.5ミリメートル離れた2つの理想的な平面間にある表面である。
【0052】
また、少なくとも1つのビーム整形装置の作製において、少なくとも1つの感知要素が少なくとも2つのビーム整形装置間に配置されることが提供され得る。したがって、2つのビーム整形装置間のスペースを、感知に関するタスクに使用することができる。
【0053】
さらに、ディスプレイ、好ましくはその発光側が、少なくとも1つの感知要素を有することが有利である。少なくとも1つの感知要素をディスプレイと上層の間に付加することもまた可能である。このようにして表示装置の異なる位置に感知要素を配置することもまた可能である。これは特に個別の製造方法と関連して利点を有する。また、このようにして少なくとも2つのビーム整形装置間のスペースを理想的に利用することができる。
【0054】
さらに、ディスプレイの発光面間または内部に少なくとも1つの感知要素を取り付けることが好ましい。このようにして、ディスプレイを感知要素と共に構築することができ、その結果、表示装置の製造は単純化される。1つまたは複数の感知要素によって、例えばディスプレイの照度レベルを調整するために、ディスプレイは例えば入射光の色を検出すること、または周囲の明るさを測定することができる。
【0055】
好ましくは、少なくとも1つの感知要素は、センサ、特に二次元および/または三次元センサを有し、好ましくは画像センサおよび/または明るさ感知センサおよび/または接触感知センサおよび/または圧力感知センサおよび/またはガス感知センサおよび/または温度感知センサ、特にピエゾ素子を有する。
【0056】
これに関連して、例えば少なくとも1つの感知要素が、入力を取得するための接触感知センサとして作製または配置されることが好ましい。このようにして表示装置を介して観察者またはユーザの入力を取得することができ、その結果、例えばスマートフォン、スマートウォッチ、またはタブレットの入力装置として表示装置を使用できる。さらに、少なくとも1つの感知要素が、圧力を検知するための圧力感知センサとして作製または配置されることが有利である。この実施形態によってまた表示装置を介して観察者またはユーザの入力を取得することができる。その結果また、例えばスマートフォン、スマートウォッチ、またはタブレットの入力装置として表示装置を使用できる。さらに、圧力感知センサによって例えばスマートウォッチ装着者の脈拍を測定することができる。さらに、温度を測定するための温度感知センサとして少なくとも1つの感知要素を作製または配置することが可能である。それによって、外部温度および/または例えばスマートウォッチ装着者の体温を表示装置が有利に検知することができる。また、静電容量を測定するための静電容量センサとして少なくとも1つの感知要素を作製または配置可能であることが提供されてもよい。したがって、例えば表示装置のそのようなセンサを介して観察者またはユーザの入力を検知することができ、その結果、例えばスマートフォン、スマートウォッチ、またはタブレットの入力装置として表示装置を使用できる。また、少なくとも1つの感知要素が、タッチセンサおよび/または温度センサおよび/または圧力センサおよび/または静電容量センサとして構成されることが有利である。このようにして、表示装置が観察者またはユーザの入力を取得することが可能であり、その結果、例えばスマートフォン、スマートウォッチ、またはタブレットのために表示装置を使用できる。外部温度および/または例えばスマートウォッチ装着者の体温もまた取得できる。接触感知センサの具体的な一実施形態は、例えば、ピエゾ素子、あるいは表示装置の耐圧構成である。温度感知センサは、例えば温度の尺度として電気信号を供給する電気部品または電子部品であってもよい。ここで、それは例えば自身の抵抗を変化させる部品であってもよい。それを行う能力がある素子として、負温度係数(NTC)サーミスタ、正温度係数(PTC)サーミスタ、シリコン測定抵抗器(silicon measuring resistors)、およびセラミックPTCサーミスタを例示する。負温度係数サーミスタは温度の上昇に伴って自身の抵抗を減少させる。正温度係数サーミスタは温度の上昇に伴って自身の抵抗を増加させる。それは処理可能な電気信号を直接供給する部品であってもよい。例えば、これは、集積半導体温度センサ(ソリッドステート回路)を含み、該センサは、自身の温度に比例した電流、または自身の温度に比例した電圧、または自身の温度に応じたデジタル信号を供給する。もちろん、それは、ダイオード、または測定素子として水晶振動子を有する温度センサであってもよい。またいわゆるサーモエレメントも考えられ、これはゼーベック効果を利用して温度差を電圧に変換するものである。さらに焦電材料が使用されてもよく、これは例えばパイロメータまたは熱画像カメラで知られており、非接触で動作し熱放射を測定する。機械式温度スイッチ、例えばバイメタルを曲げることによりスイッチを作動させるバイメタルスイッチが使用されてもよい。ガス感知センサは、例えばオゾン、COなどのガスを検出することができるという利点を有する。この場合、温度、例えば周囲の温度および/または表示装置もしくは特定の部品の温度を検知するために温度感知センサを使用してもよい。センサの二次元および/または三次元的な実施形態によって、表示装置の上層内にセンサを二次元的に配置するだけでなく、上層の高さまたは厚みに沿ってセンサを構成することも可能である。このようにして、かなりの設置スペースを節約でき、またはそれを付加的な目的に使用することもできる。したがって高機能ユニットが構築可能である。
【0057】
さらに、少なくとも1つの機能層、および/または上層の少なくとも1つの層、および/または少なくとも1つのビーム整形装置が薄膜法によって作製されることが有利である。
【0058】
このようにして、非常に薄い層、したがって非常に薄いまたは軽い表示装置を製造することができる。
【0059】
さらに、薄膜法による作製が、スパッタリングおよび/またはガルバニック処理および/またはナノインプリントおよび/またはロールエンボス加工法および/または射出成形法を含むことが有利である。上記の方法によって、マイクロメートルおよびナノメートル範囲での構造が実現可能である。したがって、上記範囲での上層の構造および製造がまた可能である。好ましくは、上記作製は、金属、特にアルミニウム、チタン、金、または銀を用いるスパッタリングを含む。ほとんどの場合、スパッタリングは、スパッタ堆積におけるサブステップとして用いられ、スパッタ堆積は、PVD法のグループに属する中真空に基づくコーティング技術である。ここで、それは材料を飛散させるために使用され、その材料は次に基材(基板)に堆積し固体層を形成する。コーティング技術の分野においてスパッタ堆積はしばしば単に「スパッタリング」と呼ばれる。ガルバニック処理は、好ましくは、電気めっき、ニッケル電気めっき、または基材上への金属堆積物の電気化学堆積と理解される。ニッケル電気めっきは、ニッケルの薄い層を金属物体に施すガルバニック処理技術である。ニッケルは、装飾的であってもよいし、耐腐食性、耐摩耗性を提供し、摩耗部品または小型部品の構築のために使用されてもよい。ナノインプリントまたはナノインプリントリソグラフィという用語は、好ましくは費用対効果高くナノ構造を製造するためのナノリソグラフィ法と理解される。この場合、ネガ型を形成するナノ構造スタンプによって、ポジ型が「押印」される。原則的にポジ型にはモノマーまたはポリマーが使用され、それらは型押し後に固められる。ロールエンボス加工法では少なくとも1つのビーム整形装置が例えばプラスチック材料製のローラによって型押しされる。これにより、ビーム整形装置を簡単に、費用対効果高く、迅速に製造することが可能になる。射出成形法は、一次成形工程であり、原則的にプラスチック加工において用いられる。この場合、各材料は、射出成形機を用いて溶融(可塑化)され、圧力を加えられ、型を形成する射出成形工具に射出される。射出成形工具において、材料は、冷却または架橋反応によって再び固体状態に変化し、該工具が開かれた後に完成品として取り外される。この場合、該工具によって完成品の形状および表面構造が決定する。
【0060】
また、作製が、化学蒸着、物理蒸着、またはゾルゲル法を含むことが有利である。
【0061】
真空に基づくコーティング法または薄膜技術のグループは物理蒸着(略してPVD)と呼ばれる。化学蒸着とは異なり、物理的方法によって、原材料は気相に変換される。次に、気化した材料は、コーティングされるべき基材に向けられ、そこで凝縮してターゲット層を形成する。物理蒸着の方法は、例えば、加熱蒸散、電子ビーム蒸着、パルスレーザ蒸着、陰極アーク蒸着、分子線エピタキシー、スパッタリング、またはイオンプレーティングを含む。この場合、上記の蒸着法によって実質的に全ての金属そしてカーボンを堆積させることができる。酸素、窒素、または炭化水素のような反応性ガスを供給することで、酸化物、窒化物、または炭化物も堆積または製造することができる。原則的に、物理蒸着は数ナノメートルから数マイクロメートルの範囲の薄い層を製造するのに用いられる。
【0062】
マイクロ電子部品および光ファイバケーブルを製造するためのコーティング法のグループは化学蒸着(CVD)と呼ばれる。この場合、基材表面を加熱し、その結果、化学反応によって固体成分が気相から堆積する。化学蒸着の方法は、コーティングされる被加工物の表面上における少なくとも1つの反応によって特徴付けられる。少なくとも1つのガス状の出発化合物および少なくとも2つの反応生成物(そのうちの少なくとも1つは固相でなければならない)が反応に含まれていなければならない。この方法の1つの特別な特徴は均一な層堆積である。物理蒸着法とは対照的に、化学蒸着では複雑な三次元形状の表面をコーティングすることもまた可能である。
【0063】
ゾルゲル法とは、コロイド分散溶液、いわゆるゾルまたは溶液から非金属無機材料またはハイブリッドポリマー材料を製造する方法のことを言う。最初の基本反応において溶液中の原材料から最小粒子が生成される。さらに別の特別な処理によって、粉体、繊維、層またはエアロゲルまでも生成することができる。
【0064】
さらに、少なくとも1つの機能層、および/または上層の少なくとも1つの層、および/または少なくとも1つのビーム整形装置の作製は材料の型成形を含むことが好ましい。射出成形とは対照的に、型成形においては、好ましくは、材料が圧力を加えられて型に射出されるのではなく、例えばエンジンのような大型部品の型成形方法と同様に、キャスティングコンパウンドが型に流し込まれるかまたは例えば1つの層上に注がれる。このようにして、表面を形成する本質的に平坦な表面層、または本質的に平坦な外表面を簡単に費用対効果高く生産することができる。
【0065】
さらに、UV光、加熱、または放熱によって、型に注がれた材料を固めることが好ましい。これによって、キャスティングコンパウンドがまず型のキャビティに流入し、したがって型に材料を注いだ後の時間遅延によるエアポケットを防ぐことができる。
【0066】
光または熱によって固める前に、型に注がれまたは型に入れられたコンパウンドに振動を加えることも可能であり、それによってエアポケットを外側に移動させることができる。このようにして、既に示したようにエアポケットを防ぐことができ、品質の高い層を生産することができる。
【0067】
理想的には、少なくとも1つの機能層、および/または上層の少なくとも1つの層、および/または少なくとも1つのビーム整形装置の作製は、スパックリング法による塗布を含む。このような方法において、簡単な用語で表現すると、上層または上層の一部分、特に、表面を形成する表面層、または外表面を形成するために、こてを用いてスパックリングコンパウンドを塗布する。この方法の利点はスパックリングコンパウンドの塗布および分布が容易なことにある。
【0068】
スパックリング法において、少なくとも1つのビーム整形装置、特にディヒューザを形成するために、スパックリングコンパウンドが微小開口内に、および好ましくは少なくとも部分的に微小通路内に浸透することが理想的である。このようにして、スパックリングコンパウンドは、上層の一部、特に、表面を形成する表面層、または外表面を形成するだけでなく、同時に、有利にはディヒューザとしての実施形態の少なくとも1つのビーム整形装置を形成することができる。
【0069】
好ましくは、スパックリングコンパウンドは量子ドットを形成する半導体材料を含む。したがって、スパックリングコンパウンドによって、ディヒューザが生成されるだけでなく、量子ドットもまた生成され、量子ドットによって、例えばVCSELが生成した色または単色光をあらゆる色に変更することができ、その結果、例えばRGB空間における画素が作製される。
【0070】
さらに、少なくとも1つの機能層、および/または上層の少なくとも1つの層、および/または少なくとも1つのビーム整形装置の作製が融解を含むことが好ましい。このようにして、例えば、熱を加えることで、材料を、粉体の形状から、融解後に固化した形状に変えることができる。この製造法により、有利に層上に平坦な表面を製造することができる。
【0071】
また、少なくとも1つの機能層、および/または上層の少なくとも1つの層、および/または少なくとも1つのビーム整形装置の作製が、生成的製造法、特に光造形法(SLA)を含むことが有利である。この場合、それは、好ましくは、選択的レーザー溶融法法(SLM)、選択的レーザー焼結(SLS)、選択的燃焼合成法(SHS)、結合剤噴射法、電子ビーム溶解法(EBM)、熱溶解積層法(FDM)、薄膜積層法(LOM)、クラッディング、ワックス積層法(WDM)、コンタークラフティング、コールドガスダイナミックスプレー、光造形法(SLA)、デジタルライトプロセッシング(DLP)および/または液体複合材成形(LCM)であってもよい。モデル、パターン、プロトタイプ、ツール、および最終製品を高速に費用対効果高く生産するためのラピッドプロトタイピング法は、しばしば生成的製造法または付加製造と呼ばれる。原則的に、そのような生産法によって、物体は、データモデルに基づき、化学的および/または物理的処理によって、不定形の液体、粉体などから、または、特徴のないストリップ状またはワイヤ状の材料から直接生産される。
【0072】
また、少なくとも1つの機能層、および/または上層の少なくとも1つの層、および/または少なくとも1つのビーム整形装置の作製が上層の再加工を含むことが提供されてもよい。上層の再加工は例えば特定の表面構造の製造であってもよい。特に上記作製は、表面層または外部表面を生産するための、レーザー、および/または機械加工、好ましくはフライス加工および/またはボーリング加工、および/または化学処理、好ましくはエッチング、および/または研磨加工による上層の再加工を含む。上記の方法によって、一つには、本質的に平坦な表面、または観察者に対向する上層の本質的に平坦な表面層の作製が可能である。また一つには、通路または微小通路を上層に配置することもできる。これは、例えば、フライス加工および/またはボーリング加工および/またはエッチングで、上層を通る通路を形成するによって実現される。このようにして、例えば光通路をまた作製することができ、それによって、例えば上層の一方側から他方側に発光面からの光を導くまたは通すことが可能である。
【0073】
さらに、再加工はキャリアおよび/またはキャリア層の除去を含むこともまた可能であり、その上には、様々な構造、層および/またはビーム整形装置を容易に構築または作製することができる。キャリア層が省略され得ることもまた考えられる。これは、例えば、上層が、キャリア層またはキャリア上ではなく、表示装置のディスプレイまたはディスプレイのガラス上にあるかまたは配置される場合に、理想的なケースである。
【0074】
さらに、上層の構築が、生成的製造法、特に材料の型成形を含むことが有利である。型成形においては、好ましくは、材料が圧力を加えられて型に射出されるのではなく、例えばエンジンのような大型部品の鋳造方法と同様に、キャスティングコンパウンドが型に流し込まれるかまたは例えば1つの層に注がれる。このようにして、上層の表面を形成する本質的に平坦な表面層、または平坦な外部表面を簡単に費用対効果高く生産することができる。さらに、この場合においてもUV光、加熱、または放熱によって、型に注がれた材料を固めることが好ましい。これによって、キャスティングコンパウンドがまず型のキャビティに流入し、したがって材料の鋳造後の時間遅延によるエアポケットを防ぐことができる。光または熱によって固める前に、型に注がれまたは型に入れられたコンパウンドに振動を加えることもまた可能であり、それによってエアポケットを外側に移動させることができる。このようにして、既に示したようにエアポケットを防ぐことができ、品質の高い層を生産することができる。
【0075】
上層の構築が少なくとも2つのビーム整形装置間の中間スペースの充填を含むことがまた好ましい。このアプローチにより、例えばまずビーム整形装置を製造し、それらを互いに正確に位置決めし、それに続いてビーム整形装置間の中間スペースを充填することによって、互いに分離されている個々のビーム整形装置を結合することが可能になる。したがって、複数のビーム整形装置または少なくとも1つのビーム整形装置は、上層の構築の前に製造され得るだけでなく、品質管理を受けることもまた可能であり、表示装置の作製における仕損を避けることができる。
【0076】
さらに、充填に用いられる材料、特にプラスチック、有利には不透明なプラスチック、または金属が、少なくとも1つのビーム整形装置を、少なくとも部分的に、好ましくは完全に覆うことが有利である。少なくとも1つのビーム整形装置を覆うことは、特に上層の再加工の場合における後続の製造ステップにおいて、材料を付加するという目的にかない、また再加工を容易にする。
【0077】
また、充填に用いられる材料、特にプラスチックまたは金属が、犠牲要素の少なくとも1つの領域または小領域が材料で囲まれるように、少なくとも1つのビーム整形装置における少なくとも観察者に対向する表面上を覆うことが提供されてもよい。言い換えると、好ましくは、作製された上層、表面を形成する表面層、または観察者に対向する表面の再加工の場合において、犠牲要素が、最大で完全に、好ましくは95%除去されるように、犠牲要素が充填に用いられる材料によって覆われることが有利である。この除去は、例えばフライス加工および/またはエッチングおよび/または研磨加工によって行われ得る。
【0078】
さらに、観察者に対向する本質的に平坦な表面が上層上に作製されることが有利である。言い換えると、表面を形成する上層の表面層が、観察者に対向する本質的に平坦な表面を有することが有利である。そのような平坦な表面の作製において、表示装置の均一な外観が生み出されるだけでなく、表示装置が、1つの材料で、したがって一体型で構築されているという主観的印象をユーザまたは観察者に与える感触もまた生み出される。加えて、本質的に平坦な表面を作製することは、様々に機能するさらに別の層および/または表面構造をその表面に付加することができるため、有利である。したがって、例えば疎水性および/または疎油性および/または疎細菌性および/または半透明性を有するように構成される表面構造を付加することが可能である。
【0079】
好ましくは、本質的に平坦な表面の作製において光通路が作製され、光が少なくとも1つのビーム整形装置に入射および/またはそこから出射できる。通路の作製は例えばボーリング加工および/またはエッチングおよび/またはフライス加工によって実現され得る。もちろん通路を製造するための他の材料除去法も考えられる。
【0080】
さらに、本質的に平坦な表面層または本質的に平坦な外部表面を製造するために、本質的に平坦な表面の作製が、材料除去法、特に研削加工および/または研磨加工および/またはレーザーおよび/または機械加工による、表示装置における観察者に対向する表面の処理を含むことが有利である。言い換えると、表面を形成する上層の本質的に平坦な表面層、または本質的に平坦な外部表面が上記の方法によって生産される場合に有利である。そのような平坦な表面または表面層の作製において、表示装置の均一な外観が生み出されるだけでなく、表示装置が、1つの材料で、したがって一体型で構築されているという主観的印象をユーザまたは観察者に与える感触もまた生み出される。これは特に高品質の加工を付与する。そのように構築される表示装置によって、表面層側または上層側において耐水性を有するように表示装置を設計することがまた可能である。加えて、本質的に平坦な表面を作製することは、様々に機能するさらに別の層および/または表面構造をその表面に付加することができるため、有利である。したがって、例えば疎水性および/または疎油性および/または疎細菌性および/または半透明性を有するように構成される表面構造を付加することが可能である。
【0081】
観察者に対向する表面の加工が共通の平坦な表面の生成を含むことが提供されてもよく、好ましくは、複数のビーム整形装置の出力部および/または犠牲要素から光が出射できるように、上層および複数のビーム整形装置、特にそれらの出力部および/またはそれらの犠牲要素を加工してもよい。上記の特徴と関連して、複数のビーム整形装置の出力部によって光が出射可能なように観察者に対向する表面を加工することが有利である。このようにして、上層の一方側からの光が他方側に進み、または好ましくは入力部からの光が出力部に進み、および有利にはまた出力部からの光が入力部に進む。
【0082】
さらに、少なくとも1つのビーム整形装置の入力部の面積および/またはビーム整形装置の最大面積に対する、少なくとも1つのビーム整形装置の出力部の面積比率は1:25未満または以下であることが有利である。この比率によって最大の光の出力または最大の光の量が少なくとも1つのビーム整形装置の入力部から出力部に導かれることを可能にする。したがって損失も最小限に抑えることができる。
【0083】
また、少なくとも1つのビーム整形装置が上層から出ている面積の、上層の面積に対する比率が1:10未満または以下、特に1:100から1:94の間であることが有利である。この比率によって、発光面またはビーム整形装置のために表示装置が使用可能なスペースを最適に利用して最適な解像度を提供する表示装置を作製することができる。
【0084】
好ましくは、少なくとも1つのビーム整形装置の入力部から出力部までの距離は、少なくとも1つのビーム整形装置の入力部における最大直径または対角線の長さに対して10:1以下、特に1:1以下である。この実施形態によってまた、損失を最小化し、少なくとも1つのビーム整形装置の出力部において、最大の光、光の強度、または光の量を観察者の方向に放射することが可能になる。
【0085】
理想的には、少なくとも1つのビーム整形装置の出力部は、1mm未満、好ましくは50μm未満、特に30μm未満、好ましくは20μm未満、特に好ましくは8μm未満の直径または対角線の長さを有する。対角線が長いほど、特に例えば空港または駅での広告のための大面積ディスプレイなどの大面積表示装置の製造が容易になる。対角線が短いほど、例えば携帯電話および/またはスマートフォンおよび/またはタブレットなどの小面積表示装置の解像度が向上する。
【0086】
また、表面、および/または少なくとも2つのビーム整形装置間の中間スペースが、より高いコントラストのために光の反射を抑制するようにおよび/または光を吸収するように、および/またはアンテナのために無線信号の受信を改善するように適合することが提供され得る。光の反射を抑制することで、例えばコントラストを向上させることができ、その結果、観察者はより濃い色合いの黒の印象を得ることができる。光が吸収される場合にも同じことが成立する。理想的には、少なくとも観察者に対向する表面上に導電性材料を備える少なくとも1つのビーム整形装置によって、アンテナのために無線信号の受信を改善するように、表面、および/または少なくとも2つのビーム整形装置間の中間スペースを調整することができる。導電性材料は無線信号の受信およびそのような信号の送信に使用され得る。
【0087】
好ましくは、表面、および/または少なくとも2つのビーム整形装置間の中間スペースは、空気および/またはガスおよび/または放射能の組成を測定するように適合する。言い換えると、表面、および/または少なくとも2つのビーム整形装置間の中間スペースが、空気および/またはガスおよび/または放射能の測定または検知が可能なセンサを有することが有利である。このようにして、表示装置は、情報の表示だけでなく、環境状態の検知のためにも使用され得る。
【0088】
さらに、表面、および/または少なくとも2つのビーム整形装置間の中間スペースが騒音の測定および/または騒音の放出および/または臭気の検出に適合することが有利である。この実施形態によって、表示装置はまた環境状態を検出することができる。さらに、騒音の放出によって、例えば警告信号および/またはスピーカーフォンおよび/または発信者によって引き起こされる呼び出し音を生成することができる。
【0089】
好ましくは、表面、および/または少なくとも2つのビーム整形装置間の中間スペースは、アクチュエータ、特にマイクロモータ、送受信アンテナ、可動マイクロ部品、マイクロ溶融要素、マイクロ電磁もしくは磁気素子、またはマイクロ空気圧縮もしくはマイクロ液圧要素を備えるように適合し、好ましくは形状記憶材料を有する。例えばモーター、形状記憶材料、またはアクチュエータなどの能動的な可動要素によって、エネルギーまたは電流/電圧が加えられることで、形状変化が可能な表示装置の作製が可能である。したがって、そのような表示装置は、例えば、平坦な構成から、予め定義可能な曲率を有する湾曲した構成に至ることができる。
【0090】
結論として、特定の特徴によって、設計、厚み、および機械的安定性が先行技術をはるかに上回る表示装置の作製が可能であることを報告できる。
【0091】
この場合、完全な表示装置または表示装置自体は、従来の表示装置に比べて向上した機械的安定性を保証し、より薄い厚みまたは全体の奥行きを有することができる。
【0092】
とりわけ、本発明の表示装置の1つの決定的な利点は、種類(特にLCDまたはOLED、またはプラズマ、またはFED)に関係なく、従来の、既知の表示装置よりも優れていることである。何よりもまず、これは、従来の表示装置が、通常、サファイアガラス、いわゆる「ゴリラ」ガラス、または防弾ガラスなどの強化ガラスまたはプラスチックで作られた0.5mmから1.5mmの厚みの透明保護層を有する必要があるからである。本発明では省略可能であるこの透明保護層は、表示装置の全体の重量にかなり寄与する。したがって、論理的な結果として、本発明の表示装置は従来の表示装置よりも軽い。
【0093】
さらに、本明細書に提示した製造方法によって、表示装置における特別な独自のデザイン効果および高い機械的安定性を達成できることは、本発明の一部である。特にスイッチオフ状態時、またはこの革新的な表示装置の明るくされてない部分において、蝶の場合と同様な虹色効果が現れ得るかまたは生成され得る。概して、本発明の表示装置の製造方法は、従来の表示装置の場合においては可能でもなく望ましくもない、独自のデザイン効果、可能性、および特徴を表示装置に提供する方法である。
【0094】
保護ガラスがもはや必要ないことで本発明のさらに好ましい特徴が生じる。従来の表示装置において保護ガラス(またはプラスチック)は比較的厚いため、表示装置を機械的に保護することができる。しかし、そのようなガラス自体はあまり弾性的ではないかまたは壊れやすい。したがって、概して表示装置のための保護ガラスは少なくとも0.5mmから1.5mmの厚さであり、時にその製造費用が非常に高額になる。破損時の取り換えは困難であり、その費用は高額である。
【0095】
本発明の製造方法による表示装置は、本質的に発光面および上層を有するため、もはや厚く透明な保護ガラスの必要性はない。
【0096】
ここで、充填のための材料または充填材料はより壊れにくい金属で形成されてもよい。したがって、本発明の製造方法によって、革新的な表示装置の少なくとも4つの重要な特徴を達成できる。
【0097】
第1に、本発明の方法によって製造される表示装置は従来の表示装置よりもはるかに壊れにくい。例えば従来の表示装置を有する携帯装置が床に落ちた場合、保護ガラスがこの表示装置に直接結合しているため、実質的に全ての場合において表示装置は破損する。
【0098】
第2に、本発明の製造方法によって、従来の表示装置と比較してかなり薄く実現される表示装置を作製できる。
【0099】
従来の表示装置はいくつかの層からなり、それらの層は非常に薄くてもよいが、保護ガラス(またはプラスチック)は、保護機能を確保しまたは自らを保護するために比較的厚く保たれなければならない。これは本発明の製造方法による表示装置には当てはまらない。発光面は極めて薄く保たれ(従来の最良の表示装置の場合と同様に、例えばOLEDにおいて100μmから200μm)、例えば700μmの厚い保護ガラスは(ビーム整形装置を含めて)たった100μmから300μmの充填材料または金属で置き換えられることが可能である。
【0100】
この例から、例えば合計1mmの厚さの従来の表示装置を、例えば合計250μmの厚さの本発明の製造方法による装置で置き換えることができることが明らかである。これは例えば時計などの携帯装置にとって大きな利点であり、その場合においては、歴史的に、製造者は常にそれらを極めて薄く(および軽く)設計しようとしてきた。
【0101】
この点において、本発明は例えばOLEDまたはOLED表示装置のための特別な利点を示す。OLEDは湿気および酸素からの保護のための保護ガラスをさらに必要とする。
【0102】
この保護を確保するために、保護ガラスは(本発明によれば、もはや機械的保護を提供しなくてもよいため)極めて薄くてもよいか、または、光学材料および/または保護材料(金属など)が、まさに製造中に、湿気および酸素に対する保護ガラスの保護機能を果たすかもしくはそれと置き換わる。もちろん、これは、OLED表示装置に限られたことではなく、液晶(LCD)、VCSEL、FED、またはプラズマ表示装置にも、まさに製造中にまたはその後に適用され得る。
【0103】
第3に、アルミニウム、リチウム、またはチタンのような金属は、とりわけ、従来の保護ガラスに必要な厚み(または容積)に比べてほんの少しの厚みのみを有する場合に、ガラスと同様にまたはそれよりはるかに高い強度で、ガラス同様にまたはそれより軽量であり得るため、本発明の方法による表示装置をかなり軽量に製造することができる。
【0104】
第4に、本発明の製造方法によって従来の表示装置と比較してはるかにフレキシブルな表示装置を作製することができる。このフレキシブル性は、有利に、例えばガラスなどの砕けやすいまたは壊れやすい材料が使用されていないかまたはほとんど使用されていないという利点から生じる。さらに、ビーム整形装置間の中間スペースに付加され、弾性のあるフレキシブルな材料または充填材料を使用することで、表示装置全体の曲げを容易にすることができる。このようにして、表示装置は、弾性のある充填材料のおかげで、全方向に変形しまたは曲がることができる。この場合、曲げた際に、少なくとも1つのビーム整形装置は変化しないままであることが可能であり、その結果、その光学特性が保たれる。言い換えると、ビーム整形装置間の材料もしくは充填材料のみがフレキシブルであるかまたはフレキシブルであるように構成されることが有利である。
【0105】
したがって、フレキシブルなディスプレイまたは表示装置も実現可能である。
【0106】
上記の4点は、全ての携帯装置にとって、特に(日光に曝された場合における)より低反射な面およびエネルギーのより大きな節約と組み合わされて、特に有利である。
【0107】
上記の特徴の全てを用いて、表示装置の製造方法だけでなく、表示装置自体もまた構成できることは明らかである。したがって、上記の特徴は本方法の特徴であるだけでなく装置の特徴にもなり、その結果、表示装置も構成することができる。
【0108】
さらに、上記のように表示装置の製造方法の特徴は、表示装置において、個別に、または互いに組み合わされて使用され得ることが明らかである。
【0109】
言い換えると、表示装置の製造方法における上記の特徴は、ここで、表示装置におけるさらに別の特徴と組み合わされることもまた可能である。
【0110】
有利には、特に上記の特徴を有する方法によって得られた表示装置は、ディスプレイおよび上層を備える。このようにして、理想的には、上層は、特に落下によって引き起こされる外部からの影響からディスプレイを保護するという目的を果たす。
【0111】
この場合、理想的には上層はディスプレイの発光面に配置され、さらに観察者に対向する本質的に平坦な表面を有する。このようにして、発光面の光は上層を最適に通過することができ、観察者に対向する本質的に平坦な表面は表示装置のユーザに心地よい感触をもたらす。
【0112】
また、上層が、ディスプレイの発光面から発生した光を通過させるための微小通路を備え、該微小通路は観察者に対向する表面に微小開口を形成することが有利である。したがって、発光面から発生した光が上層を通過することが可能になる。
【0113】
さらに、上層が少なくとも1つのビーム整形装置を備え、該ビーム整形装置は微小通路を形成し光の入力部および出力部を備えることが好ましい。好ましくは、上層は少なくとも1つのビーム整形装置を有し、該ビーム整形装置は出力部側に犠牲要素を備える。有利には少なくとも1つのビーム整形装置の機能に影響を与えることなく、犠牲要素は本質的に平坦な表面の作製のために犠牲になることができる。
【0114】
また、少なくとも1つのビーム整形装置が、少なくとも部分的に、半透明材料、特にガラス繊維、および/または導電性材料(8)、特にプラスチックを備え、好ましくは生成的製造工程によって構築される上層に埋め込まれていることが有利である。
【0115】
さらに、少なくとも1つのビーム整形装置が、拡散素子、特にディヒューザ、および/またはコリメータおよび/または集光器を有することが好ましい。したがって、少なくとも1つのビーム整形装置によって光を集中させ、平行にし、および/または拡散させることができる。
【0116】
さらに、ディスプレイの少なくとも1つの発光面上に入力部が配置されることが有利である。有利には観察者に対向する上層の表面上に出力部が配置される。したがって少なくとも1つのビーム整形装置の方向はディスプレイの発光面に対してまたはディスプレイに対して決定される。
【0117】
拡散素子、特にディヒューザ、および/またはカラーフィルタ素子および/または色変換素子および/またはカラー蛍光体素子、特に量子ドットが少なくとも1つのビーム整形装置の出力部に配置されることがまた可能である。ディヒューザによって、少なくとも1つのビーム整形装置から予め決定可能な角度範囲で光を放射できる。このようにして表示装置の個別の要件に視野角を合わせることができる。したがって、例えば機密データの表示装置には狭い視野角が適切であり得る一方で、例えばスマートウォッチに対しては広い視野角が有利である。カラーフィルタ素子、色変換素子および/またはカラー蛍光体素子は、特に量子ドットとして実現され、特定の波長、したがって特定の色の光を、別の波長または色の光に変換することに使用されてもよい。これは、表示装置において少なくとも1つのVCSELを使用する場合に有利である。したがって、表示装置はまた少なくとも1つのVCSELと共に作製されてもよく、該表示装置はRGB色空間における多様な色を実現する。
【0118】
また、上層が、本質的に金属、および/または非透明および/または光を反射しないプラスチックもしくは材料を備えることが有利である。好ましくは、金属および/またはプラスチックは、強固な材料、または、例えば落下および/または擦過および/または湿気などの外部の機械的影響に耐えることができる材料である。
【0119】
好ましくは、作製は構築と理解されてもよく、または理想的には構築もまた作製と理解されてもよいことにまた留意されたい。
【0120】
以下において、本発明は、関連する図と組み合わせて例示的な実施形態に基づきより詳細に説明される。図は概略的に以下を示す。
【図面の簡単な説明】
【0121】
図1】薄く本質的に破損しない表示装置の製造方法の第1の例示的な実施形態の個別のステップを示す。
図2】薄く本質的に破損しない表示装置の製造方法の第1の例示的な実施形態の個別のステップを示す。
図3】薄く本質的に破損しない表示装置の製造方法の第1の例示的な実施形態の個別のステップを示す。
図4】薄く本質的に破損しない表示装置の製造方法の第1の例示的な実施形態の個別のステップを示す。
図5】薄く本質的に破損しない表示装置の製造方法の第1の例示的な実施形態の個別のステップを示す。
図6a】作製された本発明の表示装置の一部分の平面図を示す。
図6b図1から図5のビーム整形装置5の立体図を示す。
図7】薄く本質的に破損しない表示装置の製造方法の第2の例示的な実施形態の個別のステップを示す。
図8】薄く本質的に破損しない表示装置の製造方法の第2の例示的な実施形態の個別のステップを示す。
図9】薄く本質的に破損しない表示装置の製造方法の第2の例示的な実施形態の個別のステップを示す。
図10】薄く本質的に破損しない表示装置の製造方法の第2の例示的な実施形態の個別のステップを示す。
図11】薄く本質的に破損しない表示装置の製造方法の第2の例示的な実施形態の個別のステップを示す。
図12】薄く本質的に破損しない表示装置の製造方法の第3の例示的な実施形態の個別のステップを示す。
図13】薄く本質的に破損しない表示装置の製造方法の第3の例示的な実施形態の個別のステップを示す。
図14】薄く本質的に破損しない表示装置の製造方法の第3の例示的な実施形態の個別のステップを示す。
図15】薄く本質的に破損しない表示装置の製造方法の第3の例示的な実施形態の個別のステップを示す。
図16】薄く本質的に破損しない表示装置の製造方法の第3の例示的な実施形態の個別のステップを示す。
図17】薄く本質的に破損しない表示装置の製造方法の第3の例示的な実施形態の個別のステップを示す。
【発明を実施するための形態】
【0122】
以下の説明において同じ物体に対し同じ符号が使用される。
【0123】
以下の例示的な実施形態は、可能な製造方法の可能な実施形態における変形と理解されるべきであることに留意されたい。
【0124】
特許請求の範囲に規定される主題または方法の範囲により、さらに別の実施形態が考えられ、また可能である。
【0125】
図1から図6は、薄く本質的に破損しない表示装置1の製造方法の第1の例示的な実施形態のいくつかの個別のステップを示す。
【0126】
上記の図において、ディスプレイ2を有する薄く本質的に破損しない表示装置1の製造方法が要約された形で紹介される。これに関して、上層4はディスプレイ2の発光面3に配置され、観察者に対向する表面Oを有する。上層4は本質的に金属、非透明材料、または光を反射しない材料を備える。
【0127】
上層4において、微小通路は、ディスプレイ2の発光面3から発生した光を通すように形成され、該微小通路は、観察者に対向する表面Oに微小開口Aを形成する。
【0128】
複数のステップを含む本発明の方法の最初の部分において上層4が構築される。
【0129】
それは、中でも図1に示される第1のステップにおいて、薄膜積層法、生成的製造法によってキャリアT上で行われる。具体的に示すと、この場合、上層4の構築において複数のビーム整形装置5が作製され、それらは少なくとも部分的に半透明材料、特にプラスチックから作製される。これらのビーム整形装置5は上層4内に光を通すための微小通路を形成する。
【0130】
この場合、図1による本例において、各ビーム整形装置5は、拡散素子、特にディヒューザ(図1には不図示)、および/またはコリメータ(不図示)および/または集光器を有する。図1において各ビーム整形装置5はさらに、放物線状の横断面を有し、その結果、集光器が形成される。これによって入射光の集中が可能になる。この場合、下端はキャリアT上に配置されており、上端と比較してより大きな横断面または直径を有する。
【0131】
そうすることで各ビーム整形装置5の下端は、キャリアT上に配置され、入力部6を形成し、上端は光の出力部7を形成する。
【0132】
図2に示される第2の製造ステップにおいて、ビーム整形装置5の表面が導電性材料8で覆われるか、被膜されるか、または塗布される。言い換えると、いまやビーム整形装置5は、少なくとも観察者に対向する表面上に導電性材料8を備える。材料8は、さらに、導電性を有しないように、または単に不透明に構成されてもよい。
【0133】
図2の場合において、ビーム整形装置5は薄膜法によって作製され、該方法はスパッタリングおよび/またはガルバニック処理および/またはナノインプリントおよび/またはロールエンボス加工法および/または射出成形法である。この場合には、ビーム整形装置5の作製は、金属、特にアルミニウムを用いるスパッタリングを含む。その結果、導電性に加えて、光反射表面を、軽い材料から容易に費用対効果高く生成することができる。したがって、各ビーム整形装置5の集光器内または各ビーム整形装置5内の光は、入力部6における入射光が集光器によって各ビーム整形装置5の出力部7に向けて集中または集束するように、金属によって覆われた領域上で反射され得る。
【0134】
図3において、上層4の構築の後続のサブステップが概略的に示される。ここで上層の構築は生成的製造法、特に材料の型成形を含む。上層の型成形または構築はビーム整形装置5間の中間スペース9の充填を特徴とする。その結果、とりわけ機械的安定性が向上する。
【0135】
さらに、充填に用いられる材料は、この場合には好ましくは不透明なプラスチックまたは金属であるが、ビーム整形装置5を完全に覆う。示された通り、型成形の間、上層4上に本質的に平坦な表面を作製することはできない。
【0136】
したがって、図4に示す次のステップで、観察者に対向する本質的に平坦な表面Oが上層上に作製される。この場合、本質的に平坦な表面の作製において光通路が作製され、光がビーム整形装置5に入射および/またはそこから出射できる。その結果、ビーム整形装置5は少なくとも部分的または完全に上層内に作製される。
【0137】
図3に関する上記の状況を別の言葉で表現すると、平坦な表面Oを作製することで微小開口Aが上層4に生成され、それによってビーム整形装置5の出力部7における光の出射が可能になる。
【0138】
本質的に平坦な表面Oの作製は、材料除去法、特に研削加工および/または研磨加工によって、表示装置1における観察者に対向する表面Oを加工することを含む。レーザー、および/または機械加工、好ましくはフライス加工および/またはボーリング加工、および/または化学処理、好ましくはエッチング、および/または研磨加工および/または研削加工によって、表面Oまたは表面層を生成することがまた可能である。
【0139】
図4で説明したステップを要約すると、観察者に対向する表面Oの加工は共通の平坦な表面の生成を含むと指摘でき、ビーム整形装置3の出力部7から光が出射可能なように、上層4および複数のビーム整形装置3、特にその出力部7が加工される。
【0140】
一般に、上層4の構築は生成的製造法によって行われ、上層4の構築は、ビーム整形装置5の作製と共に、さらに別の層および/または少なくとも1つの機能層の作製をまた特徴とすることができる。
【0141】
この場合、上層の構築は、表面を形成する表面層、または外表面の作製を含み、該作製によって観察者に対向する表面Oが形成される。しかし本実施例においては、上層4は1つの層のみを有し、該層にはビーム整形装置5が埋め込まれている。したがって図4において上層4は表面層に相当する。
【0142】
さらに、表面層の作製は表面構造の付加を含むことができ、表面構造は疎水性および/または疎油性および/または疎細菌性および/または半透明性を有するように構成されてもよい。
【0143】
共通の平坦な表面の生成による観察者に対向する表面Oの加工後に、キャリアTが同様に除去される。これは、除去法、特に研削加工および/または研磨加工によって行われる。レーザー、および/または機械加工、好ましくはフライス加工および/またはボーリング加工、および/または化学処理、好ましくはエッチング、および/または研磨加工および/または研削加工によってキャリアTを除去することもまた可能である。
【0144】
図5に示す後続のステップにおいて、薄く本質的に破損しない表示装置1の形成のために、ディスプレイ2が図4の上層4に配置される。
【0145】
この場合、ディスプレイ2は発光面3としてOLEDまたはマイクロディスプレイを備え、発光面3はガラス基板Gによって保護される。観察者に対向する表面Oを有する上層4はディスプレイ2のこれらの発光面3上またはガラス基板G上に配置される。
【0146】
より正確には、上層に形成された微小通路または微小通路を形成するビーム整形装置5は、その入力部6がディスプレイ2の発光面3にまたはガラス基板G上にある状態で配置される。この場合、理想的には各ビーム整形装置5は発光面3の上方に配置され、その結果、ビーム整形装置の最大限の光を利用することが可能になる。
【0147】
その結果、ビーム整形装置5の出力部7は、上層4における観察者に対向する表面O上に配置される。反対側から見ると、上層4内のビーム整形装置5によって形成された微小通路の外側のOLEDまたはマイクロディスプレイ2は、発光面3から発生した光が上層4を通過できるように配置される。言い換えると、発光面3からの光は入力部6に入り出力部7から出る。したがって、既に示したように、微小通路または微小通路を形成するビーム整形装置5は光の通過に使用され、その結果、観察者に対向する表面Oにおいて、ディスプレイの発光面から発生した光は微小開口Aから出射することができる。
【0148】
図6aは、作製された本発明の表示装置1の一部分の平面図を示す。
【0149】
この場合、製造の間に、微小開口Aは、観察者に対向する上層4の全表面Oの10%未満の割合で、上層4における観察者に対向する表面O上に作製されまたは含まれる。この場合、表示装置1の上部において、微小開口Aは、下部においてよりも互いに離れて配置される。結果的に、様々な距離が実現可能であり、同時に、微小開口についての全表面の10%未満の割合に関する要件が確保される。
【0150】
図6bは図1から図5のビーム整形装置5の立体図を示す。
【0151】
この場合、図6bは、ビーム整形装置5の入力部6の面積FEまたはビーム整形装置5の最大面積に対する、ビーム整形装置5の出力部7の面積FA比率が1:25未満であることを概略的に示す。
【0152】
さらに、図6bは、ビーム整形装置5が上層から出ている面積FAの、上層の面積に対する比率が1:100未満であることを示す。
【0153】
また図6bから、ビーム整形装置5の入力部6から出力部7までの距離Hは、ビーム整形装置5の入力部6における最大直径Dに対して、1:1に等しいことが見て取れる。
【0154】
この場合、ビーム整形装置5の出力部7は50μm未満の直径を有する。
【0155】
より小さな直径が好ましい。
【0156】
図7から図11は、薄く本質的に破損しない表示装置の製造方法の第2の例示的な実施形態のいくつかの個別のステップを示す。
【0157】
この場合、第2の例示的な実施形態のステップは全て第1の例示的な実施形態のステップと同じである。ただし、ビーム整形装置5は異なる。したがって、下記の記述は差異のみを扱い、第1の例示的な実施形態から第2の例示的な実施形態に同様に適用することができるさらなる説明については繰り返さない。
【0158】
したがって、詳細には、図1の製造ステップは図7の製造ステップと同じで、図2の製造ステップは図8の製造ステップと同じで、図3の製造ステップは図9の製造ステップと同じであり、以下は省略される。既に述べたように、それぞれの対応するステップに関する説明は、全て第1の例示的な実施形態から第2の例示的な実施形態に同様または同一に置き換えられ得る。
【0159】
第1と第2の例示的な実施形態の差異はビーム整形装置5の実施形態である。
【0160】
第2の例示的な実施形態によると、第1の例示的な実施形態のビーム整形装置とは対照的に、これらは出力部側に犠牲要素10を有する。
【0161】
該犠牲要素は、本実施例において円筒形に構成され、1つのビーム整形装置5を上方に延伸させ、全体として上層4の厚みは増加する。
【0162】
もちろんビーム整形装置5の犠牲要素10はさらに別の形状をとってもよい。したがって、また犠牲要素は直方体形状または円錐形状に構成されてもよい。さらに、犠牲要素10は上記のビーム整形装置5と同じ材料から構築され、したがって、それらは好ましくは一体的にまたは互いの一部分として構成される。材料は光を吸収し透過することができる半透明材料であってもよい。
【0163】
図3と同様に、図9において、上層4は、生成的製造法、特に材料の型成形によって構築される。上層4の型成形または構築はビーム整形装置5間の中間スペース9の充填を特徴とする。その結果、とりわけ機械的安定性が向上する。
【0164】
この場合、充填に用いられる材料、特にプラスチックまたは金属は、犠牲要素の少なくとも1つの領域に材料がないように、または犠牲要素10の大部分が材料で囲まれるように、少なくとも観察者に対向する表面O上においてビーム整形装置5を覆う。
【0165】
図10の次のステップにおいて、図4と同様に、観察者に対向する本質的に平坦な表面Oが上層4上に作製される。この場合、本質的に平坦な表面Oを作製する際に光通路が作製され、光はビーム整形装置5に入射および/またはそこから出射できる。その結果、ビーム整形装置5は少なくとも部分的に、または完全に上層内に作製される。
【0166】
本質的に平坦な表面Oの作製は、材料除去法、特に研削加工および/または研磨加工によって、表示装置1における観察者に対向する表面Oを加工することを含む。レーザー、および/または機械加工、好ましくはフライス加工および/またはボーリング加工、および/または化学処理、好ましくはエッチング、および/または研磨加工および/または研削加工によって、表面Oまたは表面層を生成することがまた可能である。
【0167】
ここで、犠牲要素10の利点もまた明らかになる。これは、ビーム整形装置5を犠牲要素10と一緒に作製することで製造公差をより大きく設計できるという事実によるものであり、その結果、製造費用を下げることができる。
【0168】
第1の例示的な実施形態の場合においては、最大の光の出力を得るために型成形後にビーム整形装置の高さまで正確に研削する必要がある一方で、第2の例示的な実施形態においては犠牲要素10のおかげでもはやその必要はない。ビーム整形装置5の光の出力を損失することなく、除去のために犠牲要素10の高さを犠牲にすることができる。したがって、研削加工工程の形で除去を行う際、除去においてより大きな公差を用いることができる。さらに、その結果仕損が減少し、したがって生産性が向上する。
【0169】
図10に関する上記の状況を別の言葉で表現すると、平坦な表面Oの作製において、微小開口Aが上層4に生成され、これらの微小開口Aにより、犠牲要素10によって形成された出力部7において、光がビーム整形装置5から出射することが可能になる。
【0170】
要約すると、図10で説明されたステップに対し、観察者に対向する表面Oの加工は共通の平坦な表面Oの生成を含み、上層4、および複数のビーム整形装置3、特にその出力部7は、ビーム整形装置3の出力部5から光が出射されるように加工されると述べることができる。この場合、出力部5はビーム整形装置5の犠牲要素10によって形成される。
【0171】
一般に、上層の構築は生成的製造法によって行われ、上層4の構築は、同様に、さらに別の層および/または少なくとも1つの機能層の作製、および/またはビーム整形装置5の作製を含むと述べることもまたできる。
【0172】
さらにここでまた、図4の第1の例示的な実施形態の場合のように、共通の平坦な表面を生成することによる観察者に対向する表面Oの加工の後に、キャリアTが除去される。これは除去法、特に研削加工および/または研磨加工によって行われる。もちろんここで、レーザー、および/または機械加工、好ましくはフライス加工および/またはボーリング加工、および/または化学処理、好ましくはエッチングおよび/または、研磨加工および/または研削加工によってキャリアTを除去することもまた可能である。
【0173】
図11に示す次のステップにおいて、ディスプレイ2は図10の上層4上に配置され、薄く本質的に破損しない表示装置1が形成される。図5に関する記述を参照されたい。
【0174】
図12から図17は、薄く本質的に破損しない表示装置の製造方法の第3の例示的な実施形態のいくつかの個別のステップを示す。
【0175】
ここで、図12に示される第1のステップにおいて、スタンピングツールおよび/または射出成形工具として母型11が作製される。先の2つの例示的な実施形態における変形、すなわち、犠牲要素10を有するおよび有しないビーム整形装置5を示すために、図12または図13において、両方の変形が同時に提示される。犠牲要素10に対する2つの異なる実施形態もまた示される。
【0176】
母型の作製後、該母型を用いて、ナノインプリントおよび/またはロールエンボス加工法および/または射出成形法によって、図12または図13に示されるように、犠牲要素10を有するおよび有しないビーム整形装置5が作製される。この場合ビーム整形装置5はキャリアTを介して接続される。
【0177】
図13を参照すると、第1の、左の犠牲要素10は、上記の第2の例示的な実施形態と同様に構成される実施形態である。対照的に第2の、右の犠牲要素10は下部から上部に向かって次第に細くなる円錐形状を有する。したがって、犠牲要素10のための様々な形状が考えられそして実施され得る。
【0178】
先の2つの例示的な実施形態に関連して既に述べたように、第3の例示的な実施形態における1つのビーム整形装置5も入力部6および出力部7を有し、出力部7はいまや犠牲要素10上に見出され得る。
【0179】
図14において上層4はさらにガルバニック処理によって構築され、ビーム整形装置5間の中間スペース9が充填される。この処置によって機械的安定性が向上する。
【0180】
さらに、ここで、充填に用いられる材料は、この場合には、金属、好ましくはチタンであるが、犠牲要素10に加えてビーム整形装置5を完全に覆う。示されるように、ガルバニック処理の場合においては上層4上に本質的に平坦な表面Oは作製されない。
【0181】
理想的には、本方法の別のステップがガルバニック処理による中間スペース9の充填に先行することができる。このステップにおいては、好ましくは、ビーム整形装置5の表面に対して、光を反射する金属を用いて蒸着またはスパッタリングを行う。これによって、損失を減らしエネルギーを節約するためにビーム整形装置5は入力部6からの光の量を出力部7に集中させることができる。そのような層の付加は第1および第2の例示的な実施形態と同様に説明されるが、導電性材料に関し、この材料は、例えばアルミニウムのように光を反射するように構成されてもよい。
【0182】
図15に示される次のステップにおいて、観察者に対向する本質的に平坦な表面Oが上層4上に作製される。この場合、本質的に平坦な表面の作製の際に光通路が作製され、犠牲要素10またはビーム整形装置5の出力部7から光が出射できるか、または光がビーム整形装置5に入射および/またはそこから出射できる。その結果ビーム整形装置5は少なくとも部分的にまたは完全に上層内に作製される。
【0183】
さらにキャリアTが除去される。観察者に対向する本質的に平坦な表面Oの作製、およびキャリアTの除去は上層4の再加工によって実行される。ここで、上層4が複数の層で構成される場合、上層4または表面層の生成のために、上層4の再加工は、レーザー、および/または機械加工、好ましくはフライス加工および/またはボーリング加工、および/または化学処理、好ましくはエッチング、および/または研磨加工によって実行される。
【0184】
簡略化のため、図16の次のステップにおいて、犠牲要素10の描写は省略される。しかし、以下の説明が犠牲要素10を有するビーム整形装置5にも適用されることに留意されたい。
【0185】
図16によれば、次のステップにおいて、図15の上層4は、エッチングによってビーム整形装置5の出力部7に凹部11が作製されるように再加工される。この場合、エッチングの前に、塗布および露光が可能な塗料によって、ならびにマスクおよびその後の露光工程によって、エッチングの間に除去または保護される上層4上の領域が画定される。言い換えると、この工程はマイクロチップ製造の工程と同様に構成される。
【0186】
作製された凹部12はビーム整形装置5の各出力部7上に配置され、凹部12において各拡散素子13はディヒューザとして設計される。代替としてまたは付加的に、凹部11にコリメータを配置することもまた可能である。
【0187】
この場合、スパックリング工程による塗布によって拡散素子13を作製できる。スパックリング工程において、微小開口によって形成された凹部12にスパックリングコンパウンドが到達する。
【0188】
上層4が完成した後、図17に示す後続のステップにおいて、薄く本質的に破損しない表示装置1を完成させるために、上層はディスプレイ2上に配置される。
【0189】
この目的のために、上層4は、ディスプレイのガラス基板G上に、ディスプレイ2の発光面3の上方に配置される。この配置は例えば接着剤によって支持されてもよく、上層4はディスプレイ2に接続される。
【0190】
より正確には、上層に形成された微小通路または微小通路を形成するビーム整形装置5は、その入力部6がディスプレイ2の発光面3にまたはディスプレイ2の発光面3の上方にある状態で配置される。その結果、ビーム整形装置5の出力部7は、上層4における観察者に対向する表面O上に配置される。
【0191】
ディスプレイ2はOLEDまたはマイクロディスプレイを発光面3として有する。したがって、上層4内のビーム整形装置5によって形成される微小通路の外側のOLEDまたはマイクロディスプレイは、発光面3から発生した光が上層4を通過できるように配置される。言い換えると、発光面3からの光はビーム整形装置5の入力部6に入射し、その出力部7から出射する。したがって、既に示したように、微小通路または微小通路を形成するビーム整形装置5は光の通過に使用され、ディスプレイ2の発光面3から発生した光は観察者に対向する表面Oに微小開口Aを形作る。
【0192】
以下において、本発明の方法のさらに別の実施形態を簡単に概説する。これらの記述は提示されたすべての例示的な実施形態に適用することができる。
【0193】
したがって、例えば、上層4の構築が、ビーム整形装置5の作製、および/またはさらに別の層および/または少なくとも1つの機能層の作製を含むことが可能である。この場合、少なくとも1つの機能層として、発電のためのソーラー層が作製されてもよく、および/または入力を取得するための接触感知層が作製されてもよく、および/または圧力を検知するための圧力感知層が作製されてもよく、および/または温度を測定するための温度感知層が作製されてもよく、および/または少なくとも1つの機能層として静電容量を測定するための静電容量層が作製されてもよい。
【0194】
この場合、少なくとも1つの機能層の作製において、少なくとも1つの感知要素が機能層に導入され、好ましくは該少なくとも1つの感知要素はタッチセンサおよび/または温度センサおよび/または圧力センサおよび/または静電容量センサとして構成可能であることが考えられる。
【0195】
ビーム整形装置5の作製において、少なくとも1つの感知要素は2つのビーム整形装置間に配置されることもまた可能である。代替的にまたは付加的に、ディスプレイまたはその発光側は少なくとも1つの感知要素を有していてもよい。さらに、少なくとも1つの感知要素はディスプレイと上層の間に付加されることが考えられる。
【0196】
少なくとも1つの感知要素は、センサ、特に二次元および/または三次元センサ、好ましくは画像センサおよび/または接触感知センサおよび/または圧力感知センサおよび/またはガス感知センサ、特にピエゾ素子であってもよい。
【0197】
さらに、キャリアT上に上層4を作製することは必須ではない。ガラス基板Gまたはディスプレイ2またはその発光面3上に上層4を直接配置することもまた可能である。その結果、さらに薄く、したがって軽量な表示装置を作製することができる。
【0198】
上記の例示的な実施形態およびそれらの可能な変形の全てに関し、それらは当然互いに組み合わされることが可能であることに留意されたい。そのような組み合わせは特に本明細書の概要部分から生じる。
【符号の説明】
【0199】
1 表示装置
2 ディスプレイ
3 発光面
4 上層
5 ビーム整形装置
6 入力部
7 出力部
8 導電性材料
9 中間スペース
10 犠牲要素
11 母型
12 凹部
13 拡散素子
A 微小開口
T キャリア
G ガラス基板
FA 出力部の面積
FE 入力部の面積
D 入力部の直径
H 距離
図1
図2
図3
図4
図5
図6a
図6b
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17