特許第6867425号(P6867425)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6867425
(24)【登録日】2021年4月12日
(45)【発行日】2021年4月28日
(54)【発明の名称】接続構造体の製造方法、及び接続構造体
(51)【国際特許分類】
   H01R 43/00 20060101AFI20210419BHJP
   H01R 11/01 20060101ALI20210419BHJP
   C08L 101/00 20060101ALI20210419BHJP
   C08F 20/00 20060101ALN20210419BHJP
   C08F 283/06 20060101ALN20210419BHJP
   C08G 65/48 20060101ALN20210419BHJP
【FI】
   H01R43/00 H
   H01R11/01 501C
   H01R11/01 501E
   C08L101/00
   !C08F20/00 510
   !C08F283/06
   !C08G65/48
【請求項の数】15
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2019-44256(P2019-44256)
(22)【出願日】2019年3月11日
(62)【分割の表示】特願2015-37479(P2015-37479)の分割
【原出願日】2015年2月26日
(65)【公開番号】特開2019-133942(P2019-133942A)
(43)【公開日】2019年8月8日
【審査請求日】2019年3月14日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000108410
【氏名又は名称】デクセリアルズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100113424
【弁理士】
【氏名又は名称】野口 信博
(72)【発明者】
【氏名】奥宮 秀昭
(72)【発明者】
【氏名】宮内 幸一
(72)【発明者】
【氏名】浅羽 康祐
(72)【発明者】
【氏名】上澤 尚也
【審査官】 鈴木 重幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−169522(JP,A)
【文献】 特開2013−206823(JP,A)
【文献】 特開平11−135909(JP,A)
【文献】 特開2010−121007(JP,A)
【文献】 特開2014−192337(JP,A)
【文献】 特開2001−318618(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R11/01
H01R43/00
H05K 3/32
H01L21/60
C09J 9/02
C09J 7/00
H01B 1/20
B23B 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端子が形成された第1の回路部材及び第2の端子が形成された第2の回路部材の少なくとも一方がフレキシブル基板である接続構造体の製造方法であって、
前記第1の回路部材と前記第2の回路部材とを、樹脂粒子の表面に金属をコートした樹脂コア粒子からなる導電性粒子を含有する異方性導電フィルムを介在させて圧着し、前記第1の回路部材と前記第2の回路部材との間の前記第1の端子と前記第2の端子とが存在していない領域であるスペース部における導電性粒子が、潰れてなり、前記導電性粒子の平均粒子径が1μm以上20μm以下であり、前記導電性粒子の平均粒子径に対する前記第1の端子及び前記第2の端子の合計高さの比が0.5以上1.8以下である接続構造体を得
前記圧着後の前記第1の回路部材と前記第2の回路部材との間のスペース部の距離が、前記第1の端子及び前記第2の端子の合計高さよりも小さい接続構造体の製造方法。
【請求項2】
前記圧着後の前記導電性粒子の平均粒子径に対する第1の回路部材と第2の回路部材との間のスペース部の距離の比の値が、0.6以下である請求項記載の接続構造体の製造方法。
【請求項3】
前記圧着後の前記第1の回路部材と前記第2の回路部材との間のスペース部における導電性粒子の潰れ割合が、20%以上である請求項1又は2記載の接続構造体の製造方法。
【請求項4】
前記圧着後の前記第1の回路部材と前記第2の回路部材との間のスペース部における導電性粒子の潰れ割合が、50%以上である請求項1又は2記載の接続構造体の製造方法。
【請求項5】
前記圧着後の前記第1の回路部材と前記第2の回路部材との間のスペース部における導電性粒子が、粒子径の10%以上潰れてなる請求項1乃至のいずれか1項に記載の接続構造体の製造方法。
【請求項6】
前記異方性導電フィルムのDSC(Differential Scanning Calorimetry)で測定した発熱開始温度が、80℃以上110℃以下であり、
前記圧着における温度が、前記発熱開始温度よりも40℃以上高い請求項1乃至のいずれか1項に記載の接続構造体の製造方法。
【請求項7】
前記異方性導電フィルムのDSC(Differential Scanning Calorimetry)で測定した発熱開始温度が、80℃以上110℃以下であり、
前記圧着における温度が、前記発熱開始温度よりも70℃以上高い請求項1乃至のいずれか1項に記載の接続構造体の製造方法。
【請求項8】
前記導電性粒子の平均粒子径が5μm以上15μm以下である請求項1乃至のいずれか1項に記載の接続構造体の製造方法。
【請求項9】
前記第1の回路部材及び前記第2の回路部材の少なくとも一方が端子端部にカバーレイを有するフレキシブル基板である請求項1乃至のいずれか1項に記載の接続構造体の製造方法。
【請求項10】
前記スペース部にある導電性粒子100個中1個以上が潰れ、前記カバーレイにある導電性粒子が15個以上連結した凝集が存在しない請求項記載の接続構造体の製造方法。
【請求項11】
第1の端子が形成された第1の回路部材と、
第2の端子が形成された第2の回路部材と、
樹脂粒子の表面に金属をコートした樹脂コア粒子からなる導電性粒子を含有する異方性導電フィルムが硬化した硬化膜とを備え、
前記第1の回路部材と前記第2の回路部材との間の前記第1の端子と前記第2の端子とが存在していない領域であるスペース部で、前記導電性粒子が潰れてなり、前記導電性粒子の平均粒子径が1μm以上20μm以下であり、前記導電性粒子の平均粒子径に対する前記第1の端子及び前記第2の端子の合計高さの比が0.5以上1.8以下であり、
前記圧着後の前記第1の回路部材と前記第2の回路部材との間のスペース部の距離が、前記第1の端子及び前記第2の端子の合計高さよりも小さい接続構造体。
【請求項12】
前記導電性粒子の平均粒子径に対する第1の回路部材と第2の回路部材との間のスペース部の距離の比の値が、0.6以下である請求項11に記載の接続構造体。
【請求項13】
前記第1の回路部材と前記第2の回路部材との間のスペース部における導電性粒子の潰れ割合が、20%以上である請求項11又は12記載の接続構造体。
【請求項14】
前記第1の回路部材及び前記第2の回路部材の少なくとも一方が端子端部にカバーレイを有するフレキシブル基板である請求項11乃至13のいずれか1項に記載の接続構造体。
【請求項15】
前記スペース部にある導電性粒子100個中1個以上が潰れ、前記カバーレイにある導電性粒子が15個以上連結した凝集が存在しない請求項14記載の接続構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路部材同士を電気的に接続する接続構造体の製造方法、及び接続構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、回路部材の接続用途に異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)が多用されている。しかし、回路部材の端子のファインピッチ化や、配線の複雑化に伴い、熱圧着時に導電性粒子が滞留し、粒子溜りを形成して、絶縁性の悪化やショートを引き起こすことがある。例えば、一方の回路部材がFPC(Flexible Printed Circuits)である場合には、カバーレイの端部が圧着領域に存在することがあり、このような場合には、特に導電性粒子がカバーレイ端部に直線状に粒子溜りを形成して、ショートを引き起こす懸念があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−016133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、優れた絶縁性及び導通性が得られる接続構造体の製造方法、及び接続構造体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、導電性粒子の平均粒子径を端子の合計高さの所定範囲の比率とし、回路部材間のスペース部における導電性粒子が潰れていることにより、一方の回路部材がFPCであっても優れた絶縁性及び導通性が得られることを見出した。
【0006】
すなわち、本発明に係る接続構造体の製造方法は、第1の端子が形成された第1の回路部材及び第2の端子が形成された第2の回路部材の少なくとも一方がフレキシブル基板である接続構造体の製造方法であって、前記第1の回路部材と前記第2の回路部材とを、樹脂粒子の表面に金属をコートした樹脂コア粒子からなる導電性粒子を含有する異方性導電フィルムを介在させて圧着し、前記第1の回路部材と前記第2の回路部材との間の前記第1の端子と前記第2の端子とが存在していない領域であるスペース部における導電性粒子が、潰れてなり、前記導電性粒子の平均粒子径が1μm以上20μm以下であり、前記導電性粒子の平均粒子径に対する前記第1の端子及び前記第2の端子の合計高さの比が0.5以上1.8以下である接続構造体を得、前記圧着後の前記第1の回路部材と前記第2の回路部材との間のスペース部の距離が、前記第1の端子及び前記第2の端子の合計高さよりも小さいことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る接続構造体は、第1の端子が形成された第1の回路部材と、第2の端子が形成された第2の回路部材と、樹脂粒子の表面に金属をコートした樹脂コア粒子からなる導電性粒子を含有する異方性導電フィルムが硬化した硬化膜とを備え、前記第1の回路部材と前記第2の回路部材との間の前記第1の端子と前記第2の端子とが存在していない領域であるスペース部で、前記導電性粒子が潰れてなり、前記導電性粒子の平均粒子径が1μm以上20μm以下であり、前記導電性粒子の平均粒子径に対する前記第1の端子及び前記第2の端子の合計高さの比が0.5以上1.8以下であり、前記圧着後の前記第1の回路部材と前記第2の回路部材との間のスペース部の距離が、前記第1の端子及び前記第2の端子の合計高さよりも小さいことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、導電性粒子の平均粒子径を端子の合計高さの所定範囲の比率とし、部材間のスペース部における導電性粒子が潰れることにより、導電性粒子の流動が抑制され、粒子溜りの発生が抑制されるため、優れた絶縁性及び導通性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本実施の形態に係る接続構造体の一部断面を模式的に示す図である。
図2図2は、圧着温度と発熱開始温度との差が小さい場合の接続構造体の一部断面を模式的に示す図である。
図3図3は、導電性粒子が小さく、圧着温度と発熱開始温度との差が小さい場合の接続構造体の一部断面を模式的に示す図である。
図4図4は、接続構造体の一部断面を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら下記順序にて詳細に説明する。
1.接続構造体の製造方法、及び接続構造体
2.実施例
【0011】
<1.接続構造体の製造方法、及び接続構造体>
本実施の形態に係る接続構造体の製造方法は、第1の端子が形成された第1の回路部材及び第2の端子が形成された第2の回路部材の少なくとも一方がフレキシブル基板である接続構造体の製造方法であって、第1の回路部材と第2の回路部材とを、第1の端子及び第2の端子の合計高さの0.5倍以上1.8倍以下の平均粒子径を有する導電性粒子を含有する異方性導電フィルムを介在させて圧着し、第1の回路部材と第2の回路部材との間のスペース部における導電性粒子が、潰れてなる接続構造体を得るものである。ここで、スペース部とは、第1の回路部材と第2の回路部材とが接続され、端子(ライン)と基材(スペース)とが交互に形成された接続部における基材(スペース)部分をいう。
【0012】
第1の回路部材及び第2の回路部材は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。第1の回路部材としては、例えば、プリント配線板(PWB)、LCD(Liquid Crystal Display)パネル用途のガラス基板等を挙げることができる。また、第2の回路部材としては、例えば、COF(Chip On Film)などのフレキシブル基板(FPC:Flexible Printed Circuits)、テープキャリアパッケージ(TCP)基板等を挙げることができる。
【0013】
図1は、本実施の形態に係る接続構造体の一部断面を模式的に示す図である。図1に示すように、接続構造体は、第1の端子11が第1の支持基板12上に形成された第1の回路部材と、第2の端子21が第2の支持基板22上形成された第2の回路部材と、導電性粒子31を含有する異方性導電フィルムが硬化した硬化膜とを備える。ここで、導電性粒子31が、第1の端子11の高さT1及び第2の端子21の高さT2の合計高さ(T1+T2)の0.5倍以上1.8倍以下の平均粒子径を有することにより、回路部材間のスペース部で導電性粒子31が捕捉され易くなり、導電性粒子31が潰れる。
【0014】
スペース部における導電性粒子は、粒子径の10%以上潰れていることが好ましい。導電性粒子の潰れは、圧着した試験片を剥離後、SEM等を用いて観察することができる。
【0015】
また、スペース部における導電性粒子の潰れ割合は、好ましくは1%以上20%未満、より好ましくは20%以上50%未満、さらに好ましくは50%以上である。導電性粒子の一部が潰れていれば、粒子溜りの発生の抑制の効果が得られる。スペース部における導電性粒子の潰れ割合は、光学顕微鏡を用いて観察し、潰れた状態の導電性粒子をカウントして算出することができる。
【0016】
また、第1の回路部材と第2の回路部材との間のスペース部の距離は、端子の合計高さよりも小さいことが好ましい。これにより、優れた導通性を得ることができる。また、導電性粒子の平均粒子径に対する第1の回路部材と第2の回路部材との間のスペース部の距離の比の値は、好ましくは1.2以下、より好ましくは1.0以下、さらに好ましくは0.6以下である。これにより、より多くの導電性粒子をスペース部に捕捉することができる。
【0017】
異方性導電フィルムを用いて、第1の回路部材の第1の端子11と第2の回路部材の第2の端子21とを接続する場合は、例えばヒートツールなどの圧着ツールを用いて、所定温度で第2の回路部材を押圧することにより行われる。ここで、所定温度は、圧着時における異方性導電フィルムの温度をいう。
【0018】
圧着時の所定温度は、異方性導電フィルムのDSC(Differential Scanning Calorimetry)で測定した発熱開始温度よりも40℃以上高いことが好ましく、70℃以上高いことがより好ましい。圧着温度が発熱開始温度よりも高いことにより、図1のaのように圧着時に比較的短い時間で硬化反応が進行するため、導電性粒子が流動して滞留する前に、動きを抑えてスペース部に捕捉することができる。但し、発熱開始温度が低いと製品ライフに問題が生じ、発熱開始温度が高いと圧着温度が高くなってしまい、構成部材にダメージを与えたり、圧着後の熱収縮により接続体に歪みが生じたりすることがあるので、発熱開始温度の好ましい範囲は、60℃以上160℃以下であり、より好ましい範囲は、80℃以上110℃以下である。
【0019】
図2及び図3は、圧着温度と発熱開始温度との差が小さい場合の接続構造体の一部断面を模式的に示す図である。圧着温度と発熱開始温度との差が小さい場合、図2に示すように、圧着時に硬化反応が進行していないため、回路部材間のスペース部で導電性粒子31を捕捉し、流動を抑制することが困難となる。また、圧着時に緩衝材を使用した場合、図3に示すように、緩衝材がフィルムを変形させ、スペース部で導電性粒子31が捕捉され易くなるものの、圧着温度と発熱開始温度との差が小さい場合、回路部材間のスペース部で導電性粒子を捕捉し、流動を抑制することが困難となる。
【0020】
[異方性導電フィルム]
異方性導電フィルムは、導電性粒子とバインダー樹脂とを含有する。導電性粒子としては、樹脂粒子の表面にNi、Au等の金属をコートした樹脂コア粒子を用いることができる。樹脂粒子としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、アクリロニトリル・スチレン(AS)樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ジビニルベンゼン系樹脂、スチレン系樹脂等の粒子を用いることができる。また、導電性粒子の平均粒径としては、通常1〜20μm、より好ましくは5〜15μmである。また、導電性粒子の含有量は、好ましくは0.1〜30wt%、より好ましくは1〜10wt%である。
【0021】
バインダー樹脂は、特に限定されるものではなく、ラジカル重合型、アニオン重合型、カチオン重合型などを用いることができる。
【0022】
[ラジカル重合型]
ラジカル重合型のバインダー樹脂は、膜形成樹脂と、ラジカル重合性化合物と、ラジカル重合開始剤とを含有する。
【0023】
膜形成樹脂は、例えば重量平均分子量が10000以上の高分子量樹脂に相当し、フィルム形成性の観点から、10000〜80000程度の重量平均分子量であることが好ましい。膜形成樹脂としては、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ブチラール樹脂等の種々の樹脂が挙げられ、これらは単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、膜形成状態、接続信頼性などの観点からフェノキシ樹脂を好適に用いることが好ましい。膜形成樹脂の含有量は、好ましくは20〜80wt%、より好ましくは30〜60wt%である。
【0024】
ラジカル重合性化合物は、光硬化性組成物自体の反応性を向上させるためのものである。このようなラジカル重合性化合物は、分子内にアクリレート残基又はメタクリレート残基(以下、(メタ)アクリレート残基)を有する重合性化合物であり、接着剤などの分野で用いられている(メタ)アクリレートモノマーから適宜選択して使用することができる。
【0025】
ラジカル重合性化合物としては、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、リン酸エステル型(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの中でも、硬化物の凝集力の向上、導通信頼性の向上、接着性の向上などの観点から、2官能(メタ)アクリレートであるトリシクロデカンジメタノールジメタクリレート、ウレタンアクリレート、リン酸エステル型アクリレートであるエチレンオキサイド変性リン酸ジメタクリレートを好ましく用いることができる。市場で入手可能な具体例としては、新中村化学工業(株)の商品名「DCP」、新中村化学工業(株)の商品名「U−2PPA」、日本化薬(株)の商品名「PM−2」などを挙げることができる。ラジカル重合性化合物の含有量は、好ましくは20〜80wt%、より好ましくは30〜60wt%である。なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリル酸エステル(アクリレート)とメタクリル酸エステル(メタクリレート)とを包含する意味である。
【0026】
ラジカル重合開始剤としては、過酸化物、アゾ化合物などが挙げられる。過酸化物としては、ジアシルパーオキサイド化合物、パーオキシエステル化合物、ハイドロパーオキサイド化合物、パーオキシジカーボネート化合物、パーオキシケタール化合物、ジアルキルパーオキサイド化合物、及びケトンパーオキサイド化合物などが挙げられる。
これらの中でも、ジアシルパーオキサイド化合物であるラウロイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキサイド、パーオキシエステル化合物である2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサンを好ましく用いることができる。市場で入手可能な具体例としては、日油(株)の商品名「パーロイルL」、日油(株)の商品名「パーヘキサ250」、日油(株)の商品名「ナイパーBW」などを挙げることができる。ラジカル重合開始剤の含有量は、好ましくは0.1〜20wt%、より好ましくは1.0〜10wt%である。
【0027】
さらに、バインダー樹脂には、その他の成分として、必要に応じて、アクリルゴム、各種アクリルモノマー等の希釈用モノマー、充填剤、軟化剤、着色剤、難燃化剤、チキソトロピック剤、シランカップリング剤などを、目的に応じて適宜配合してもよい。
【0028】
[イオン重合型]
アニオン重合型、又はカチオン重合型などのいわゆるイオン重合型のバインダー樹脂は、膜形成樹脂と、重合性化合物と、重合開始剤とを含有する。膜形成樹脂は、前述のラジカル重合型のバインダー樹脂と同様のものを用いることができる。膜形成樹脂の含有量は、好ましくは20〜80wt%、より好ましくは30〜60wt%である。
【0029】
重合性化合物としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド、フェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル等の1官能性エポキシ化合物;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアネート、ヒダントインエポキシ等の含複素環エポキシ樹脂;水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ペンタエリスリトール−ポリグリシジルエーテル等の脂肪族系エポキシ樹脂;芳香族、脂肪族もしくは脂環式のカルボン酸とエピクロルヒドリンとの反応によって得られるエポキシ樹脂;スピロ環含有エポキシ樹脂;o−アリル−フェノールノボラック化合物とエピクロルヒドリンとの反応生成物であるグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;ビスフェノールAのそれぞれの水酸基のオルト位にアリル基を有するジアリルビスフェノール化合物とエピクロルヒドリンとの反応生成物であるグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;シッフ系化合物、スチルベン化合物およびアゾベンゼン化合物のジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヒドロキシイソプロピル)シクロヘキサンとエピクロルヒドリンとの反応生成物等の含フッ素脂環式、芳香環式エポキシ樹脂などを用いることができる。これらの中でも、ガラス、プラスチック等に対する接着性の観点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を好ましく用いることができる。市場で入手可能な具体例としては、三菱化学(株)の商品名「EP828」などを挙げることができる。重合性化合物の含有量は、好ましくは20〜80wt%、より好ましくは30〜60wt%である。
【0030】
アニオン重合型の重合開始剤としては、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾールなどのイミダゾール誘導体;トリエチルアミンジメチルベンジルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エンなどの有機アミンなどが挙げられる。これらの中でも、イミダゾール誘導体をイソシアネートでアミンアダクト処理させたマイクロカプセル型の重合開始剤を好ましく用いることができる。市場で入手可能な具体例としては、旭化成(株)の商品名「ノバキュア3941HP」などを挙げることができる。重合開始剤の含有量は、好ましくは0.1〜50wt%、より好ましくは1.0〜40wt%である。
【0031】
カチオン重合型の重合開始剤としては、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロボレート、トリフェニルスルフォニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルフォニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルフォニウムヘキサフルオロボレートなどが挙げられる。カチオン重合型の重合開始剤の含有量は、好ましくは0.1〜50wt%、より好ましくは1.0〜40wt%である。
【0032】
さらに、バインダー樹脂には、その他の成分として、必要に応じて、アクリルゴム、充填剤、軟化剤、着色剤、難燃化剤、チキソトロピック剤、シランカップリング剤などを、目的に応じて適宜配合してもよい。
【実施例】
【0033】
<2.実施例>
以下、本発明の実施例について説明する。本実施例では、ガラス基板と、所定高さの配線を有するFPC(Flexible Printed Circuits)とを、平均粒径10μmの導電性粒子を含有する異方性導電フィルム(ACF)を用いて圧着した。そして、接続構造体の回路部材間の距離の測定、粒子潰れの評価、粒子溜りの評価、絶縁性の評価、及び導電性の評価を行った。なお、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
【0034】
[評価用の回路部材]
第1の回路部材として、0.7mm厚みのITOベタガラスを(15mm×80mm)を300μmピッチ(L/S=1/1)でパターニングしたITOガラス基板を準備した。また、第2の回路部材として、300μmピッチ(L/S=1/1)の所定高さ(4,5,8,12,18,25μm)の配線を有し、接続部の端部にカバーレイを有するFPCを準備した。なお、ITO配線の高さは、0.1μm未満と薄いため、合計の配線高さに含めなかった。
【0035】
[ACFの作製]
表1に示すように、フェノキシ樹脂を30質量部、2官能アクリレートを30質量部、ウレタンアクリレートを20質量部、リン酸エステル型アクリレートを2質量部、導電性粒子を2質量部、ラジカル発生剤A(パーロイルL)を6質量部配合し、DSC(Differential Scanning Calorimetry)で測定した反応開始温度が80℃である組成物1を作製した。
【0036】
表1に示すように、組成物1のラジカル発生剤A(パーロイルL)の代わりに、ラジカル発生剤B(パーヘキサ250)を6質量部配合し、DSCで測定した反応開始温度が100℃である組成物2を作製した。
【0037】
表1に示すように、組成物1のラジカル発生剤A(パーロイルL)の代わりに、ラジカル発生剤C(ナイパーBW)を6質量部配合し、DSCで測定した反応開始温度が110℃である組成物3を作製した。
【0038】
表1に示すように、フェノキシ樹脂を30質量部、液状エポキシ化合物を18質量部、エポキシ用硬化剤(ノバキュア3941HP)を40質量部、シランカップリング剤を2質量部、導電性粒子を2質量部配合し、DSCで測定した反応開始温度が90℃である組成物4を作製した。
【0039】
ACFの厚みは、配線間から流れるACF量をFPCの配線高さから計算し、各FPCで配線間から流れるACF量が同じになるように算出した。ACFの厚みの計算値は、14μm〜22μmの範囲であった。
【0040】
【表1】
【0041】
[接続構造体の作製]
2mm幅の異方性導電フィルムを、ITOガラス基板に貼り付け、その上にFPCを仮固定した後、緩衝材として厚みが200μmのシリコンラバーを使用し、圧着ヘッドにてFPCのカバーレイを踏むように圧着して接続構造体を作製した。すなわち、導電性粒子がカバーレイ部分に溜まり易く、粒子凝集が起こり易いように圧着した。
【0042】
組成物1〜3の異方性導電フィルムを使用した場合の圧着条件は、150℃−5MPa−10秒とし、組成物4の異方性導電フィルムを使用した場合の圧着条件は、180℃−3MPa−10秒とした。
【0043】
[回路部材間の距離]
図4に示すように、第1の回路部材と第2の回路部材とのスペース部の距離Dについて、接続構造体の接続部の断面をSEM(Scanning Electron Microscope)観察して測定した。
【0044】
[粒子潰れの評価]
接続構造体の接続部をFPC側から光学顕微鏡を用いて第1の回路部材と第2の回路部材とのスペース部の100個の導電性粒子を観察し、粒子径の10%以上潰れた導電性粒子をカウントした。粒子潰れの評価は、次の基準により行った。
◎:潰れた導電性粒子が50個以上
○:潰れた導電性粒子が20個以上50個未満
△:潰れた導電性粒子が1個以上20個未満
×:潰れた導電性粒子が0個
【0045】
[粒子溜りの評価]
接続構造体の接続部をFPC側から光学顕微鏡により観察し、カバーレイ部分の導電性粒子の凝集状態を目視した。粒子溜りの評価は、次の基準により行った。
◎:粒子凝集が観察されない。
○:粒子凝集が観察され、連結した導電性粒子が5個以下の凝集が1箇所以上存在する。
△:粒子凝集が観察され、連結した導電性粒子が6個〜14個の凝集が1箇所以上存在する。
×:粒子凝集が観察され、連結した導電性粒子が15個以上の凝集が1箇所以上存在する。
【0046】
[絶縁性の評価]
接続構造体に30Vの電圧を印加し(2端子法)、15箇所の配線間(スペース部)の絶縁抵抗を測定し、ショートの発生回数をカウントした。絶縁性の評価は、次の基準により行った。
○:ショートの発生箇所が0箇所
×:ショートの発生箇所が1箇所以上
【0047】
[導通性の評価]
デジタルマルチメーターを用いて、4端子法にて接合構造体の抵抗値を測定した。導通性の評価は、次の基準により行った。
◎:0.5Ω未満
○:0.5Ω以上、1.0Ω未満
×:1.0Ω以上
【0048】
<比較例1>
表2に示すように、第2の回路部材として配線高さが25μmのFCPを使用し、異方性導電フィルムとして反応開始温度が110℃である組成物3を使用した。すなわち、導電性粒子の平均粒子径に対する配線高さの比の値は2.5であった。異方性導電フィルムを用いて第1の回路部材と第2の回路部材とを、反応開始温度より40℃高い150℃の温度で圧着させ、接続構造体を得た。第1の回路部材と第2の回路部材とのスペース部の距離は18.3μmであった。また、スペース部での粒子潰れの評価は×、カバーレイ部分での粒子溜りの評価は×、絶縁性の評価は×、導通性の評価は○であった。
【0049】
<比較例2>
表2に示すように、第2の回路部材として配線高さが4μmのFCPを使用し、異方性導電フィルムとして反応開始温度が110℃である組成物3を使用した。すなわち、導電性粒子の平均粒子径に対する配線高さの比の値は0.4であった。異方性導電フィルムを用いて第1の回路部材と第2の回路部材とを、反応開始温度より40℃高い150℃の温度で圧着させ、接続構造体を得た。第1の回路部材と第2の回路部材とのスペース部の距離は8.3μmであった。また、スペース部での粒子潰れの評価は◎、カバーレイ部分での粒子溜りの評価は◎、絶縁性の評価は○、導通性の評価は×であった。
【0050】
<実施例1>
表2に示すように、第2の回路部材として配線高さが18μmのFCPを使用し、異方性導電フィルムとして反応開始温度が110℃である組成物3を使用した。すなわち、導電性粒子の平均粒子径に対する配線高さの比の値は1.8であった。異方性導電フィルムを用いて第1の回路部材と第2の回路部材とを、反応開始温度より40℃高い150℃の温度で圧着させ、接続構造体を得た。第1の回路部材と第2の回路部材とのスペース部の距離は11.7μmであった。また、スペース部での粒子潰れの評価は△、カバーレイ部分での粒子溜りの評価は△、絶縁性の評価は○、導通性の評価は○であった。
【0051】
<実施例2>
表2に示すように、第2の回路部材として配線高さが12μmのFCPを使用し、異方性導電フィルムとして反応開始温度が110℃である組成物3を使用した。すなわち、導電性粒子の平均粒子径に対する配線高さの比の値は1.2であった。異方性導電フィルムを用いて第1の回路部材と第2の回路部材とを、反応開始温度より40℃高い150℃の温度で圧着させ、接続構造体を得た。第1の回路部材と第2の回路部材とのスペース部の距離は7.8μmであった。また、スペース部での粒子潰れの評価は○、カバーレイ部分での粒子溜りの評価は○、絶縁性の評価は○、導通性の評価は○であった。
【0052】
<実施例3>
表2に示すように、第2の回路部材として配線高さが5μmのFCPを使用し、異方性導電フィルムとして反応開始温度が110℃である組成物3を使用した。すなわち、導電性粒子の平均粒子径に対する配線高さの比の値は0.5であった。異方性導電フィルムを用いて第1の回路部材と第2の回路部材とを、反応開始温度より40℃高い150℃の温度で圧着させ、接続構造体を得た。第1の回路部材と第2の回路部材とのスペース部の距離は7.8μmであった。また、スペース部での粒子潰れの評価は◎、カバーレイ部分での粒子溜りの評価は◎、絶縁性の評価は○、導通性の評価は△であった。
【0053】
<実施例4>
表2に示すように、第2の回路部材として配線高さが8μmのFCPを使用し、異方性導電フィルムとして反応開始温度が110℃である組成物3を使用した。すなわち、導電性粒子の平均粒子径に対する配線高さの比の値は0.8であった。異方性導電フィルムを用いて第1の回路部材と第2の回路部材とを、反応開始温度より40℃高い150℃の温度で圧着させ、接続構造体を得た。第1の回路部材と第2の回路部材とのスペース部の距離は5.2μmであった。また、スペース部での粒子潰れの評価は◎、カバーレイ部分での粒子溜りの評価は○、絶縁性の評価は○、導通性の評価は○であった。
【0054】
<実施例5>
表2に示すように、第2の回路部材として配線高さが18μmのFCPを使用し、異方性導電フィルムとして反応開始温度が100℃である組成物2を使用した。すなわち、導電性粒子の平均粒子径に対する配線高さの比の値は1.8であった。異方性導電フィルムを用いて第1の回路部材と第2の回路部材とを、反応開始温度より50℃高い150℃の温度で圧着させ、接続構造体を得た。第1の回路部材と第2の回路部材とのスペース部の距離は12.1μmであった。また、スペース部での粒子潰れの評価は○、カバーレイ部分での粒子溜りの評価は○、絶縁性の評価は○、導通性の評価は○であった。
【0055】
<実施例6>
表2に示すように、第2の回路部材として配線高さが18μmのFCPを使用し、異方性導電フィルムとして反応開始温度が80℃である組成物1を使用した。すなわち、導電性粒子の平均粒子径に対する配線高さの比の値は1.8であった。異方性導電フィルムを用いて第1の回路部材と第2の回路部材とを、反応開始温度より70℃高い150℃の温度で圧着させ、接続構造体を得た。第1の回路部材と第2の回路部材とのスペース部の距離は12.6μmであった。また、スペース部での粒子潰れの評価は○、カバーレイ部分での粒子溜りの評価は◎、絶縁性の評価は○、導通性の評価は○であった。
【0056】
<実施例7>
表2に示すように、第2の回路部材として配線高さが8μmのFCPを使用し、異方性導電フィルムとして反応開始温度が80℃である組成物1を使用した。すなわち、導電性粒子の平均粒子径に対する配線高さの比の値は0.8であった。異方性導電フィルムを用いて第1の回路部材と第2の回路部材とを、反応開始温度より70℃高い150℃の温度で圧着させ、接続構造体を得た。第1の回路部材と第2の回路部材とのスペース部の距離は5.4μmであった。また、スペース部での粒子潰れの評価は◎、カバーレイ部分での粒子溜りの評価は◎、絶縁性の評価は○、導通性の評価は○であった。
【0057】
<実施例8>
表2に示すように、第2の回路部材として配線高さが8μmのFCPを使用し、異方性導電フィルムとして反応開始温度が90℃である組成物4を使用した。すなわち、導電性粒子の平均粒子径に対する配線高さの比の値は0.8であった。異方性導電フィルムを用いて第1の回路部材と第2の回路部材とを、反応開始温度より90℃高い180℃の温度で圧着させ、接続構造体を得た。第1の回路部材と第2の回路部材とのスペース部の距離は4.9μmであった。また、スペース部での粒子潰れの評価は◎、カバーレイ部分での粒子溜りの評価は◎、絶縁性の評価は○、導通性の評価は○であった。
【0058】
【表2】
【0059】
比較例1のように、端子の合計高さが、導電性粒子の平均粒子径の2.5倍と大きい場合、スペース部での粒子潰れが無く、粒子溜りが発生し、絶縁性の評価が不良であった。また、比較例2のように、端子の合計高さが、導電性粒子の平均粒子径の0.4倍と小さい場合、ライン部で端子上の導電性粒子を潰す圧力が分散され、押し込み不足が生じるため、導通性の評価が不良であった。
【0060】
一方、実施例1〜8のように、端子の合計高さが、導電性粒子の平均粒子径の0.5倍以上1.8倍以下である場合、スペース部で導電性粒子が潰れ、良好な絶縁性及び導通性が得られた。また、実施例1,2,4〜8のように、回路部材間のスペース部の距離が、端子の合計高さよりも小さいことにより、優れた導通性が得られた。また、実施例4,7,8のように、導電性粒子の平均粒子径に対する回路部材間のスペース部の距離の比の値が、0.6以下であることにより、スペース部で導電性粒子が潰れる割合が大きくなり、より良好な絶縁性及び導通性が得られた。また、実施例6〜8のように、圧着温度が異方性導電フィルムのDSCで測定した発熱開始温度よりも70℃以上高いことにより、ペース部分で導電性粒子が潰れる割合が大きくなり、粒子溜りの発生を抑制することができた。
【符号の説明】
【0061】
11 第1の端子、12 第1の支持基板、21 第2の端子、22 第2の支持基板、31 導電性粒子

図1
図2
図3
図4