特許第6867437号(P6867437)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6867437無線通信システムにおける常時接続のためのシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6867437
(24)【登録日】2021年4月12日
(45)【発行日】2021年4月28日
(54)【発明の名称】無線通信システムにおける常時接続のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 74/08 20090101AFI20210419BHJP
   H04W 76/20 20180101ALI20210419BHJP
【FI】
   H04W74/08
   H04W76/20
【請求項の数】20
【外国語出願】
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2019-106084(P2019-106084)
(22)【出願日】2019年6月6日
(62)【分割の表示】特願2018-135621(P2018-135621)の分割
【原出願日】2015年1月7日
(65)【公開番号】特開2019-165502(P2019-165502A)
(43)【公開日】2019年9月26日
【審査請求日】2019年7月3日
(31)【優先権主張番号】14/150,539
(32)【優先日】2014年1月8日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】オー,ケルビン カー キン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,リチン
(72)【発明者】
【氏名】マ,ジアンレイ
【審査官】 深津 始
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/057540(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/112733(WO,A1)
【文献】 国際公開第03/049487(WO,A2)
【文献】 欧州特許出願公開第2579671(EP,A2)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0294307(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0246591(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0109368(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0238825(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 −H04B 7/26
H04W 4/00 −H04W 99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信装置により、ユーザ機器(UE)へ、前記UEのネットワークエントリにより、UE識別子を送信するステップであって、前記UE識別子は前記UEをユニークに識別する専用接続署名(DCS)である、ステップと、
前記通信装置により、前記UEへ、半永続的スケジューリングを送信するステップと、
前記通信装置により、エコ状態にある前記UEから、前記通信装置にアクセスするためのメッセージを受信するステップであって、前記メッセージは前記DCSを含み、前記エコ状態は、前記通信装置からの動的リソース割り当て要求及び許可を伴わない前記UEのデータ転送をサポートするメカニズムに基づき、及び前記エコ状態にある前記UEの前記データ転送のために及び前記エコ状態からアクティブ接続管理を伴う前記UEのデータ転送をサポートするアクティブ状態への前記UEの状態遷移のために、前記エコ状態にある前記UEにより前記UE識別子が使用される、ステップと、
前記メッセージに応答して、前記通信装置により、前記エコ状態にある前記UEへ応答を送信するステップであって、前記応答は、前記UEのタイミングを調整するために前記UEのために構成されたタイミングアドバンス情報を含む、ステップと、
前記通信装置により、前記エコ状態にある前記UEから、前記タイミングアドバンス情報に関連付けられた調整されたタイミング及び前記半永続的スケジューリングに基づきデータを受信するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記UEのデータ転送は、前記UEのデータ送信及び/又は受信を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記応答は、電力制御情報を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記応答は、前記エコ状態にある前記UEに、前記エコ状態から前記アクティブ状態へ遷移するよう指示する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記応答は前記アクティブ状態に関連付けられた構成情報を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記メカニズムは、前記UEによる短期間リンク接続レポートの必要がなく且つ前記通信装置からの動的リソース割り当て要求及び許可の必要がないことを意味する弱い接続管理メカニズムによるデータ転送をサポートする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記アクティブ接続管理は、前記UEによる短期間リンク接続レポートの必要があり且つ前記通信装置からの動的リソース割り当て要求及び許可の必要があることを意味する、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
ユーザ機器(UE)により、通信装置から、前記UEのネットワークエントリにより、UE識別子を受信するステップであって、前記UE識別子は前記UEをユニークに識別する専用接続署名(DCS)である、ステップと、
前記UEにより、通信装置から、半永続的スケジューリングを受信するステップと、
エコ状態にある前記UEにより、前記通信装置へ、前記通信装置にアクセスするためのメッセージを送信するステップであって、前記メッセージは前記DCSを含み、前記エコ状態は、前記通信装置からの動的リソース割り当て要求及び許可を伴わないデータ転送をサポートするメカニズムに基づき、及び前記エコ状態にある前記UEの前記データ転送のために及び前記エコ状態からアクティブ接続管理を伴う前記UEのデータ転送をサポートするアクティブ状態への前記UEの状態遷移のために、前記エコ状態にある前記UEにより前記UE識別子が使用される、ステップと、
前記メッセージに応答して、前記エコ状態にある前記UEにより、前記通信装置から、応答を受信するステップであって、前記応答は、前記UEのタイミングを調整するために前記UEのために構成されたタイミングアドバンス情報を含む、ステップと、
前記エコ状態にある前記UEにより、前記通信装置へ、前記タイミングアドバンス情報に関連付けられた調整されたタイミング及び前記半永続的スケジューリングに基づきデータを送信するステップと、
を含む方法。
【請求項9】
前記UEのデータ転送は、前記UEのデータ送信及び/又は受信を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記応答は、電力制御情報を含む、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
前記応答は、前記エコ状態にある前記UEに、前記エコ状態から前記アクティブ状態へ遷移するよう指示する、請求項8乃至10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記エコ状態にある前記UEにより、前記応答に従い前記アクティブ状態へ遷移するステップと、
前記アクティブ状態にある前記UEにより、前記通信装置へ、データを送信するステップと、
を更に含む請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記応答は前記アクティブ状態に関連付けられた構成情報を含む、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記エコ状態は、前記UEによる短期間リンク接続レポートの必要がなく且つ前記通信装置からの動的リソース割り当て要求及び許可の必要がないことを意味する弱い接続管理メカニズムによるデータ転送をサポートする、請求項8乃至13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記アクティブ接続管理は、前記UEによる短期間リンク接続レポートの必要があり且つ前記通信装置からの動的リソース割り当て要求及び許可の必要があることを意味する、請求項8乃至14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
通信装置であって、メモリに結合されたプロセッサを含み、前記プロセッサは、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の方法を実行する
よう構成される、通信装置。
【請求項17】
機器であって、メモリに結合されたプロセッサを含み、前記プロセッサは、請求項8乃至15のいずれか一項に記載のユーザ機器(UE)により実行されるステップを含む方法を実行するよう構成される、機器。
【請求項18】
請求項16に記載の通信装置と、請求項17に記載の機器と、を含むシステム。
【請求項19】
1つ以上のプロセッサにより実行されると前記1つ以上のプロセッサに請求項1乃至
の少なくとも一項に記載の方法を実行させる命令を格納する非一時的プロセッサ可読媒体。
【請求項20】
1つ以上のプロセッサにより実行されると前記1つ以上のプロセッサに請求項8乃至15の少なくとも一項に記載の方法を実行させる命令を格納する非一時的プロセッサ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、米国非仮出願番号第14/150,539号、2014年1月8日、名称「System and Method for Always on Connections in Wireless Communications System」の利益を請求し、該出願は参照によりここに組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、デジタル通信に、より詳細には、無線通信システムにおける常時接続のためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ユーザ機器(UE)は、一層高機能になり、フォアグラウンドで動作する(フォアグラウンドアプリケーションとして参照される)及びバックグラウンドで動作する(バックグラウンドアプリケーションとして参照される)異なるアプリケーションによりeNB(Evolved NodeB)に接続されてきている。UEは、端末、加入者、ユーザ、移動局、モバイル、等としても一般的に参照され得る。eNBは、NodeB、基地局、制御部、通信制御部、アクセスポイント、等としても一般的に参照され得る。
【0004】
フォアグラウンドアプリケーション(及び関連するメッセージトラフィック−「フォアグラウンドトラフィック」)は、ビデオストリーミング、ウェブブラウジング、ファイル転送、ゲーム、等を含む。バックグラウンドアプリケーション(及び関連するメッセージトラフィック−「バックグラウンドトラフィック」)は、モバイルオペレーティングシステム又はインスタントメッセージにより生成されるキープアライブメッセージ、センサ及び/又はスマートメータにより生成されるレポート、等を含む。(例えば、バッテリ寿命を最大化するために)エネルギを節約しながら、(既存の接続の終了を許容し必要なときに別の接続を再確立するのではなく、低遅延通信を可能にするために既存の接続を維持する)常時接続を提供することは、大きな難問である。
【発明の概要】
【0005】
無線通信システムにおいて常時接続のためのシステム及び方法を提供する本開示の例示的な実施形態。
【0006】
本開示の例示的な実施形態によると、UEを作動する方法は、前記UEの中で実行している非セッションベースアプリケーションにより生成される第1のメッセージトラフィックに従い、第1の動作状態を決定するステップと、前記UEの中の状態機械を前記第1の動作状態に設定するステップと、前記状態機械に従い、第1のメッセージを送信するステップと、を有する。
【0007】
本開示の別の例示的な実施形態によると、UEは、プロセッサと、前記プロセッサに動作可能に結合される送信機と、を有する。前記プロセッサは、前記UEの中で実行している非セッションベースアプリケーションにより生成される第1のメッセージトラフィックに従い、第1の動作状態を決定し、前記UEの中の状態機械を前記第1の動作状態に設定するよう構成される。前記送信機は、前記状態機械に従い、第1のメッセージを送信するよう構成される。
【0008】
一実施形態の1つの利点は、ECO状態で動作しているUEでは、エネルギ消費が最小化されると同時に、常時接続が維持され得ることである。
【0009】
一実施形態の更なる利点は、ECO状態で動作しているUEがバックグラウンドアプリケーションのための送信をサポートするためにアクティブ状態に切り替わる必要がないので、通信オーバーヘッド及び待ち時間が最小化されることである。状態を切り替える必要を除去することは、メッセージオーバーヘッドを削減することを助け、これは、通信オーバーヘッドを減少させ、通信システムの効率を向上する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本開示並びにその利点のより完全な理解のため、以下では、添付の図と共に以下の説明を参照する。
図1】本願明細書に記載の例示的な実施形態に従う例示的な通信システムを示す。
図2】本願明細書に記載の例示的な実施形態に従う例示的な状態機械の図を示す。
図3A】本願明細書に記載の例示的な実施形態に従う、MAC識別子とネットワークリソース情報との組合せである第1の例示的なUE識別子を示す。
図3B】本願明細書に記載の例示的な実施形態に従う、MAC識別子とスリープサイクルグループ情報との組合せである第2の例示的なUE識別子を示す。
図3C】本願明細書に記載の例示的な実施形態に従う、ECO状態にあるUEのための例示的な許可無し送信メカニズムの図を示す。
図4】本願明細書に記載の例示的な実施形態に従う、アプリケーションにより生成されるメッセージトラフィックの例示的な特性の図を示す。
図5】本願明細書に記載の例示的な実施形態に従う例示的なメッセージ交換図を示す。
図6】本願明細書に記載の例示的な実施形態に従う、ECO状態からACTIVE状態への遷移の中で交換されるメッセージを強調表示する例示的なメッセージ交換図を示す。
図7A】本願明細書に記載の例示的な実施形態に従う、UEがその状態を設定するとき、UEの中で生じる例示的な動作のフロー図を示す。
図7B】本願明細書に記載の例示的な実施形態に従う、eNBから受信する状態情報によりUEがその状態を設定するとき、UEの中で生じる例示的な動作のフロー図を示す。
図8】本願明細書に記載の例示的な実施形態に従う、eNBがUEへ状態情報を送信するとき、eNBの中で生じる例示的な動作のフロー図を示す。
図9A】本願明細書に記載の例示的な実施形態に従う、UEがECO状態からACTIVE状態へ遷移するとき、UEの中で生じる例示的な動作のフロー図を示す。
図9B】本願明細書に記載の例示的な実施形態に従う、UEがECO状態からACTIVE状態へ遷移するのをeNBが助けるとき、eNBの中で生じる例示的な動作のフロー図を示す。
図10A】本願明細書に記載の例示的な実施形態に従う、UEがACTIVE状態からECO状態へ遷移するとき、UEの中で生じる例示的な動作のフロー図を示す。
図10B】本願明細書に記載の例示的な実施形態に従う、UEがACTIVE状態からECO状態へ遷移するのをeNBが助けるとき、eNBの中で生じる例示的な動作のフロー図を示す。
図11】本願明細書に記載の例示的な実施形態に従う例示的な第1の通信装置を示す。
図12】本願明細書に記載の例示的な実施形態に従う例示的な第2の通信装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
この例示的な実施形態の動作及びその構造は、以下に詳細に議論される。しかしながら、理解されるべきことに、本開示は、広範な特定の状況で実施できる多くの適用可能な新規な概念を提供する。議論される特定の実施形態は、本開示の特定の構造及び本開示を動作する方法を単に説明するものであり、本開示の範囲を制限しない。
【0012】
本開示の一実施形態は、無線通信システムにおける常時接続に関する。例えば、UEは、UEにおいて実行している非セッションベースアプリケーションにより生成される第1のメッセージトラフィックに従って第1の動作状態を決定し、UEの中の状態機械を第1の動作状態に設定し、状態機械に従ってメッセージを送信する。別の例として、eNBは、ユーザ機器(UE)において実行している非セッションベースアプリケーションにより生成される第1のメッセージトラフィックに関する情報を受信し、該情報に従って、UEの動作状態を決定し、UEへ動作状態の指示を送信する。
【0013】
本開示は、特定の状況における例示的な実施形態、つまり常時接続のサポートを使用する通信システムに関して記載される。本開示は、3GPP(Third Generation Partnership Project)、IEEE802.11、等、技術標準のような標準準拠通信システム、及び常時接続をサポートする、非標準準拠システムに適用できる。
【0014】
図1は、例示的な通信システム100を示す。通信システム100は、UE110、UE112、UE114、UE116、UE118を含む複数のUEにサービスするeNB105を有する。先に開示したように、UEは一層高機能化しているので、それらは、より広範なアプリケーションを実行可能である。アプリケーションは、セッションベースアプリケーション、又は非セッションベースアプリケーションとして分類されても良い。セッションベースアプリケーション(ビデオストリーミング、ウェブブラウジング、ファイル転送、ゲーム、等、アプリケーションを含み得る)は、概して、一連のデータ交換を利用し、長い待ち時間に対する耐性を有し、多くのメッセージトラフィックを生成し、大きなデータ帯域幅要件を有する、等のアプリケーションである。非セッションベースアプリケーション(モバイルオペレーティングシステム又はインスタントメッセージングにより生成されるキープアライブメッセージ、センサ及び/又はスマートメータにより生成されるレポート、等、アプリケーションを含み得る)は、標準的に、ショートデータ交換を利用し、幾つかは長い待ち時間に耐えることができ、少量のメッセージトラフィックを生成し、小さなデータ帯域幅要件を有する、等のアプリケーションである。しかしながら、幾つかの非セッションベースアプリケーションは、セキュリティセンサ、健康センサ、等のような長い待ち時間に耐えることができない場合がある。
【0015】
説明のための例として、UE110は、マルチメディアストリーミングアプリケーション、ウェブブラウザ、及びインスタントメッセージングアプリケーションを実行しており、その間、UE112は、マルチユーザビデオゲームを実行している。同様に、UE114は、大容量ファイル転送を実行しながらウェブブラウザを実行しており、UE116は、アクティブではなく接続を維持するためにキープアライブメッセージを送信しているインスタントメッセージングアプリケーションを実行しおり、一方で、UE118は、時々報告するセンサである。
【0016】
通信システムは、多数のUEと通信可能な複数のeNBを用いることが理解されるが、1つのeNB及び多数のUEのみが簡単のために図示される。
【0017】
標準的に、端末接続状態機械(又は単に状態機械)は、ネットワークリソース使用(例えば、専用リソース又は共有リソース)、制御チャネル使用、制御チャネル監視パターン、等の観点で、UEの特性を定めるために、UEの中で用いられる。状態機械の設計は、UEの電力消費、ネットワークリソース(例えば、物理リソース、UE識別子割り当て、等)、データ送信遅延時間、制御プレーンシグナリングオーバヘッド、等に影響を与える。
【0018】
説明のための例として、状態機械が2つの状態:接続(CONNECTED)、及び空き(IDLE)を有し、IDLE状態はUEが送信することを認めない場合、非セッションベースアプリケーションを実行しているUEは、送信する又は送信を受信する前に、CONNECTED状態に遷移する(これは、非セッションベースアプリケーションの特性により、頻繁には生じない)。状態遷移は、概して、UEとそのeNBとの間の複数のメッセージの交換を必要とする。これは、特に、UEがほんの数バイト長の(又はそれより少ない)メッセージを送信し又は受信し得るとき、有意な通信オーバーヘッド及び通信待ち時間を招く。
【0019】
例示的な実施形態によると、状態機械は、非セッションベースアプリケーションを実行しているUEが、実質的なエネルギ消費節約を許容する第1の状態から、より大きなエネルギ消費を生じるが概してどのようにUEが通信するかに関する制約を有しない第2の状態へ変化することなく、バックグラウンドメッセージを用いて通信できるように、設計されても良い。
【0020】
図2は、例示的な状態機械200の図を示す。状態機械200は、2つの状態:アクティブ(ACTIVE)状態205及びエコ(ECO)状態210を有する。ACTIVE状態205は、セッションベースアプリケーション、例えば双方向及び/又はフォアグラウンド(例えば、ウェブブラウジング、ファイル転送、インスタントメッセージング、チャット、ゲーム、等)のためのメッセージトラフィックを送信し及び/又は受信するUEのために設計されても良い。ACTIVE状態205は、アクティブ接続管理によるデータ送信及び受信をサポートし(これは、UEによる短期間リンク接続レポートの必要性、及び動的リソース割り当て要求及びeNBからの許可の必要性を意味する)、スケジューリングされた、半永続的及び/又は永続的スケジューリング及び許可無し送信メカニズムを利用しても良い。ECO状態210は、非セッションベースアプリケーションのための何からのメッセージ送信及び/又は受信を有する、節電状態にあるUEのために設計されても良い。ECO状態210は、弱い(ライト、light)接続管理メカニズムによるデータ送信及び受信をサポートし(これは、通常、UEによる短期間リンク接続レポートの必要性、及び動的リソース割り当て要求及びeNBからの許可の必要性がないことを意味する)、半静的リンク適応を伴う半永続的及び/又は永続的スケジューリング及び/又は許可無し送信メカニズムを利用する。さらに、ECO状態210は、ECO状態210である間、データ送信及び/又は受信を助けるために、UEの識別子の維持を可能にする。ECO状態210は、専用接続署名を用いて、ACTIVE状態205に高速遷移することも可能にする。
【0021】
状態機械200は、ACTIVE状態205からECO状態210へ、ECO状態210からACTIVE状態205へ、ACTIVE状態205からACTIVE状態205へ、及びECO状態210からECO状態210へ、の状態遷移を許容する。
【0022】
ACTIVE状態205にあるUEは、初期ネットワークエントリの後に得られる該UEの専用接続署名(dedicated connection signature:DCS)に基づき、UE中心型識別子(例えば、MAC(media access control)識別子)を割り当てられても良い。ACTIVE状態205にある間、UEは、スケジューリングされた許可メカニズム(標準的なセルラ通信システムのような)、半永続的及び/又は永続的メカニズム、及び/又は許可無しメカニズムを用いて、メッセージトラフィックを送信し及び/又は受信できる。例示的な許可無しメカニズムの詳細な議論は、同一代理人による米国特許出願番号第13/911,716号、名称「System and Method for Small Traffic Transmissions」、2013年6月6日出願、の中で提示される。該出願は、参照によりここに組み込まれる。例示的なDCSの詳細な議論は、同一代理人による米国特許出願番号第13/608,653号、名称「System and Method for User Equipment Centric Unified System Access in Virtual Radio Access Network」、2012年9月10日出願、の中で提示される。該出願は、参照によりここに組み込まれる。
【0023】
ECO状態210にあるUEは、エネルギを節約するよう努力するが、許可無しメカニズム、及び/又は特定種類のメッセージトラフィック(つまり、非セッションベーストラフィック)のための半固定リンク適応を伴う半永続的及び/又は永続的メカニズムを用いて、依然として送信及び/又は受信することが可能であっても良い。UEは、ACTIVE状態205にあるとき、初期ネットワークエントリの後に得られる該UEのDCSに基づき、UE中心型識別子(例えば、MAC識別子)を割り当てられても良い。UE中心型識別子割り当ての幾つかの可能性が存在し得る。UE中心型識別子空間が十分に大きい場合、ユニークな識別子が、ACTIVE状態205及びECO状態210の両方にいるUEに割り当てられても良い。これは、UEのDCS(UEに対してユニークである)と該UEのUE中心型識別子との間に1対1マッピングが存在することを意味する。十分な数のUE中心型識別子が存在しない場合、UEの識別子は、UE中心型識別子を含む幾つかの値の組合せに基づいても良い。
【0024】
図3Aは、MAC識別子とネットワークリソース情報との組合せである第1の例示的なUE識別子を示す。第1の例示的なUE識別子は、UEがECO状態210のようなECO状態にある間、UEを識別するために用いられても良い。図3Aは、例示的なネットワークリソース図を示し、ネットワークリソースの時間リソース識別子及び周波数リソース識別子により識別される4つのネットワークリソースを強調表示している。一例として、ネットワークリソース305は、その周波数リソース識別子F1及び時間リソース識別子T1により識別され、一方で、ネットワークリソース307は、その周波数リソース識別子F2及び時間リソース識別子T1により識別される。
【0025】
説明のための例によると、第1の例示的なUE識別子は、UEのMAC識別子及びネットワークリソース識別子の組合せとして表現できる。図3Aに示すように、ネットワークリソース305を割り当てられた第1のUEのUE識別子は、(MAC_IDK,F1,T1)310であり、ネットワークリソース307を割り当てられた第2のUEのUE識別子は、(MAC_IDK,F2,T1)310である。ここで、MAC_IDKは、ECO状態、例えばECO状態210で使用するための第1のUE及び第2のUEの両方に割り当てられるMAC識別子である。MAC識別子とネットワークリソース識別子との組合せは、異なるUEによるMAC識別子の再利用を可能にする。
【0026】
図3Bは、MAC識別子とスリープ周期グループ情報との組合せである第2の例示的なUE識別子を示す。第2の例示的なUE識別子は、UEがECO状態210のようなECO状態にある間、UEを識別するために用いられても良い。図3Bは、第1のトレース320及び第2のトレース322を示し、UEのページング周期グループを示し、ハイ(high)の期間は、特定のページング周期グループにあるUEがページングチャネルを監視し得るときを表す。
【0027】
説明のための例によると、第2の例示的なUE識別子は、UEのMAC識別子及びそのスリープ周期グループ情報の組合せとして表現できる。図3Bに示すように、第1のページング周期グループの第1のUEのUE識別子は(MAC_IDK,周期グループ1)325であり、第2のページング周期グループの第2のUEのUE識別子は(MAC_IDK,周期グループ2)327である。ここで、MAC_IDKは、第1のUE及び第2のUEの両方に、それらがACTIVE状態、例えばACTIVE状態205にある間、割り当てられるMAC識別子である。
【0028】
図2に戻ると、ECO状態210にあるUEは、それらの個々のeNBによりダウンリンクで送信されるページングメッセージを受信しても良い。さらに、UEはUE識別子(例えば、MAC識別子)をユニークに割り当てられているので、データ送信及び/又は受信が可能である。しかしながら、エネルギ節約ができるために、非セッションベーストラフィック及び/又は低レートトラフィックの許可無し送信が構成される。
【0029】
一般に、UEは、所定の(例えば、自身のスリープ周期グループにより定められるような)スリープ周期から覚醒し、許可無し送信のためにデータチャネルを復号化する。UEは、スケジューリングされた送信メカニズムがないので、動的制御チャネルを監視せず、したがって、エネルギ消費を低減する。
【0030】
図3Cは、ECO状態にあるUEのための例示的な許可無し送信メカニズムの図を示す。図3Cは、第1のトレース340及び第2のトレース342を示し、UEのページング周期グループを示し、ハイの期間は、特定のページング周期グループにあるUEがデータチャネルを監視し得るときを表す。一例として、第1のページング周期グループの部分である第1のUEは、許可無し送信のためにデータチャネルを監視するために、周期345及び346で覚醒しても良い。また、第2のページング周期グループの部分である第2のUEは、許可無し送信のためにデータチャネルを監視するために、周期347及び348で覚醒しても良い。
【0031】
概して、アプリケーションにより生成されるメッセージトラフィックは、UEがどの状態で動作し得るかを決定するために、特徴付けられる必要があっても良い。一例として、アプリケーションにより生成されるメッセージトラフィックは、セッションベーストラフィック(アプリケーションを実行しているUEが、ACTIVE状態で動作することを意味する)又は非セッションベーストラフィック(アプリケーションを実行しているUEが、ECO状態で動作することを意味する)の何れかとして特徴付けられても良い。さらに、アプリケーションにより生成されるメッセージトラフィックがセッションベーストラフィック及び非セッションベーストラフィックの両方として特徴付けられ得る場合(例えば、ソーシャルネットワーキングアプリケーションでは、セッションベーストラフィックがチャットセッションにより生成されても良く、非セッションベーストラフィックが状態更新動作により生成されても良い)、このようなアプリケーションを実行しているUEは、セッションベーストラフィックをサポートするために、ACTIVE状態で動作しても良い。
【0032】
代替で、アプリケーションにより生成されるメッセージトラフィックを特徴付ける代わりに、アプリケーションが特徴付けられても良い。一例として、アプリケーションは、セッションベースアプリケーション又は非セッションベースアプリケーションの何れかとして特徴付けられても良い。アプリケーションの特徴付けは、UEの状態を設定するために用いられても良い。説明のための例として、セッションベースアプリケーションを実行しているUEは、ACTIVE状態で動作するよう設定されても良く、一方で、非セッションベースアプリケーションを実行しているUEは、ECO状態で動作するよう設定されても良い。UEがセッションベースアプリケーション及び非セッションベースアプリケーションの両方を実行している場合、UEは、セッションベースアプリケーションをサポートするために、ACTIVE状態で動作するよう設定されても良いことに留意する。
【0033】
図4は、アプリケーションにより生成されるメッセージトラフィックの例示的な特徴付けの図400を示す。図400に示すように、センサアプリケーション405、ソーシャルネットワークアプリケーション406、ブラウジングアプリケーション407、及びゲームアプリケーション408を含む(しかしこれらに限定されない)複数のアプリケーションから生成されるメッセージトラフィックは、例えばそれらのサービス品質(quality of service:QoS)を調べることにより特徴付けられても良い。説明のための例として、センサアプリケーション405からのメッセージトラフィックは、ソーシャルネットワークアプリケーション406からの状態更新メッセージと同様に、第1のQoS要件(タイプ1)410を有しても良い。しかしながら、ソーシャルネットワークアプリケーション406からのチャットメッセージ及びブラウジングアプリケーション407からのメッセージは、第2のQoS要件(タイプ2)412を有しても良い。ゲームアプリケーション408からのメッセージは、第3のQoS要件(タイプ3)414を有しても良い。
【0034】
QoS要件は、UE状態及びトラフィックマッピング構成ユニット415(又は単に構成ユニット)に供給されても良い。ACTIVE状態422は概して全種類のトラフィックに対応できるので、構成ユニットでは、トラフィックマッピング構成情報は、メッセージトラフィックを特徴付け及びメッセージトラフィックをECO状態420にマッピングするために使用されても良い。図400に示すように、第1のQoS要件のメッセージトラフィックは、ECO状態420にマッピングされても良く、一方で、第2及び第3のQoS要件のメッセージトラフィックは、ACTIVE状態422によりサポートされても良い。
【0035】
例示的な実施形態に従い、トラフィックマッピング構成情報は、トラフィックマッピング構成情報の生成を担うeNB又はネットワークエンティティにより生成されても良い。代替の例示的な実施形態に従い、トラフィックマッピング構成情報は、技術標準により又は無線通信システムのオペレータにより指定されても良い。トラフィックマッピング構成情報は、監視アプリケーションにより収集される履歴データ及びそれらが生成するメッセージ、並びに通信システム、UEのエネルギ消費、等への影響に基づいても良い。
【0036】
例示的な実施形態によると、トラフィックマッピング構成情報は、UEに供給されても良い。トラフィックマッピング構成情報は、UEが初期ネットワークエントリを実行するとき、該UEに供給されても良い。トラフィックマッピング構成情報は、更新されても良い。更新は、変化する動作条件に適合するよう行われても良い。一例として、UEの電力消費が高すぎる場合、一部のメッセージトラフィック(又はアプリケーション)の特徴付けは、セッションベースから非セッションベースに、又はその逆に変更されても良い。更新は、指定された間隔で行われても良い。更新されたトラフィックマッピング情報は、ブロードキャストメッセージ又は(RRC(radio resource control)のような)マルチキャスト上位レイヤシグナリングメッセージによりUEに供給されても良い。
【0037】
図5は、例示的なメッセージ交換図500を示す。メッセージ交換図500は、UE505とeNB510との間で交換されるメッセージを示す。図5に示すように、eNB510は、更新されたトラフィックマッピング構成情報をUE505へ送信する(イベント515として示される)。更新されたトラフィックマッピング構成情報は、ブロードキャストメッセージでブロードキャストされ又はマルチキャストメッセージでマルチキャストされても良い。
【0038】
QoS要件は、メッセージトラフィックをどのように特徴付けるかの一例であり得ることに留意する。メッセージトラフィックを特徴付ける他の方法は、データ容量(又は量)、ユーザ優先度、アプリケーション優先度、待ち時間感度、等を有しても良い。したがって、メッセージトラフィックを特徴付けるためのQoS要件の使用についての議論は、例示的な実施形態の範囲又は精神のいずれも限定すると考えられるべきではない。
【0039】
UEは、状態を遷移しても良い。UEは、(限定ではないが)UEにおける新しいアプリケーションの実行、UEにおける既存のアプリケーションの終了、等を含む様々な理由で状態を遷移しても良い。ECO状態で動作しているUEは、ACTIVE状態に遷移しても良く、逆も同様である。一例として、現在ECO状態で動作しているUEは、該UEがセッションベースアプリケーション(又はセッションベースメッセージトラフィックを生成するアプリケーション)を実行し始める場合、ACTIVE状態に遷移しても良い。同様に、現在ACTIVE状態で動作しているUEは、該UEがセッションベースアプリケーション(又はセッションベースメッセージトラフィックを生成するアプリケーション)をもはや実行しない場合、ECO状態に遷移しても良い。
【0040】
図6は、ECO状態からACTIVE状態への遷移の中で交換されるメッセージを強調表示する例示的なメッセージ交換図600を示す。状態遷移は、競合無し状態遷移としても参照され得る簡易且つ高速な状態遷移を可能にする競合無しアクセス手順であっても良い。メッセージ交換図600は、UE605がECO状態からACTIVE状態に遷移するとき、UE605とeNB610との間で交換されるメッセージを示す。UE605は、自身のDCSを含むメッセージをeNB610に送信することにより状態遷移を開始しても良い(イベント615として示される)。eNB610は、アクティブ状態構成情報をUE605へ送信することにより応答しても良い(イベント620として示される)。アクティブ状態構成情報は、電力制御情報、タイミングアドバンス情報、等のようなパラメータを有しても良い。
【0041】
図7Aは、UEがその状態を設定するとき、UEの中で生じる例示的な動作のフロー図700を示す。動作700は、UEが自身の状態を設定するとき、UE110−118のようなUEの中で生じる動作を示し得る。
【0042】
動作700は、UEがeNBと共に初期エントリを実行することで開始しても良い(ブロック705)。先に議論したように、初期エントリの部分として又は初期エントリの後、UEは、eNBからトラフィックマッピング構成情報を受信しても良い。UEは、実行中のアプリケーション又はアプリケーションにより生成されるメッセージトラフィックに従い、自身の状態を決定しても良い(ブロック707)。一例として、UEは、アプリケーションにより生成されるメッセージトラフィックを特徴付けるために、図4に示すアプリケーションにより生成されるメッセージトラフィックの例示的な特徴付けを用いても良い。同様の技術は、メッセージトラフィックの代わりにアプリケーションを特徴付けるために、UEにより使用されても良い。UEは、ブロック707で決定された状態に従って、自身の動作状態を設定しても良い(ブロック709)。
【0043】
図7Bは、eNBから受信する状態情報によりUEがその状態を設定するとき、UEの中で生じる例示的な動作750のフロー図を示す。動作750は、UEが、eNBから受信した状態情報により自身の状態を設定するとき、UE110−118のようなUEの中で生じる動作を示し得る。
【0044】
動作750は、UEがeNBと共に初期エントリを実行することで開始しても良い(ブロック755)。UEは、実行中のアプリケーション又はアプリケーションにより生成されるメッセージトラフィックに関する情報をeNBへ送信しても良い(ブロック757)。自身のアプリケーション又は自身によるメッセージトラフィックを特徴付けるのではなく、UEは、eNBに特徴付けを実行させ及びUEの状態を決定させるために、アプリケーション又はメッセージトラフィックに関する情報をeNBへ送信しても良い。UEは、eNBから状態情報を受信しても良い(ブロック759)。状態情報は、UEの動作状態の指示子を有しても良い。UEは、状態情報に従って、自身の動作状態を設定しても良い(ブロック761)。
【0045】
図8は、eNBがUEへ状態情報を送信するとき、eNBの中で生じる例示的な動作750のフロー図を示す。動作750は、eNBが状態情報をUEへ送信するとき、eNB105のようなeNBの中で生じる動作を示し得る。
【0046】
動作800は、eNBがUEと共に初期エントリを実行することで開始しても良い(ブロック805)。eNBは、UEが実行しているアプリケーション又はアプリケーションにより生成されるメッセージトラフィックに関する情報を受信しても良い(ブロック807)。eNBは、UEから受信した情報に従って、UEの動作状態を決定しても良い(ブロック809)。eNBは、アプリケーションにより生成されるメッセージトラフィックを特徴付けるために、図4に示すアプリケーションにより生成されるメッセージトラフィックの例示的な特徴付けを用いても良い。eNBは、動作状態に関する情報(例えば、状態情報)をUEへ送信しても良い(ブロック811)。
【0047】
図9Aは、UEがECO状態からACTIVE状態へ遷移するとき、UEの中で生じる例示的な動作900のフロー図を示す。動作900は、UEが、ECO状態からACTIVE状態へ遷移するとき、つまり競合無し状態遷移に参加するとき、UE110−118のようなUEの中で生じる動作を示し得る。
【0048】
動作900は、UEがDCSを含むメッセージをeNBへ送信することで開始しても良い(ブロック905)。先に議論したように、DCSは、ネットワークエントリするとUEに供給されるユニークな値であっても良い。UEは、eNBから応答を受信しても良い(ブロック907)。eNBからの応答は、電力制御情報、タイミングアドバンス情報、等のようなパラメータを有しても良い。UEは、自身の状態をACTIVE状態に変更しても良い(ブロック909)。
【0049】
図9Bは、UEがECO状態からACTIVE状態へ遷移するのをeNBが助けるとき、eNBの中で生じる例示的な動作950のフロー図を示す。動作950は、UEがECO状態からACTIVE状態へ遷移するのをeNBが助けるとき、つまり競合無し状態遷移に参加するとき、eNB105のようなeNBの中で生じる動作を示し得る。
【0050】
動作950は、eNBがUEからDCSを含むメッセージを受信することで開始しても良い(ブロック955)。DCSはユニークなので、eNBは、DCSに関する自身の知識から、UEを識別できる。eNBは、UEへ応答を送信しても良い(ブロック957)。eNBからの応答は、電力制御情報、タイミングアドバンス情報、等のようなパラメータを有しても良い。
【0051】
図10Aは、UEがACTIVE状態からECO状態へ遷移するとき、UEの中で生じる例示的な動作1000のフロー図を示す。動作1000は、UEが、ACTIVE状態からECO状態へ遷移するとき、UE110−118のようなUEの中で生じる動作を示し得る。
【0052】
動作1000は、UEがECO状態に変化するためにシグナリングを受信することで開始しても良い(ブロック1005)。一般に、ACTIVE状態からECO状態への遷移は、eNBにより開始される。UEは、自身の状態をECO状態に変更しても良い(ブロック1007)。UEは、UEがECO状態に遷移したこと又はECO状態に遷移することを示す応答を、eNBに送信しても良い(ブロック1009)。
【0053】
図10Bは、UEがACTIVE状態からECO状態へ遷移するのをeNBが助けるとき、eNBの中で生じる例示的な動作1050のフロー図を示す。動作1050は、UEがACTIVE状態からECO状態へ遷移するのをeNBが助けるとき、eNB105のようなeNBの中で生じる動作を示し得る。
【0054】
動作1050は、eNBUEにシグナリングを送信して、ECO状態へ遷移することをUEに知らせることで開始しても良い(ブロック1055)。ACTIVE状態からECO状態への遷移はeNBにより開始されるので、eNBはUEへシグナリングを送信する。eNBは、UEがECO状態に遷移したこと又はECO状態に遷移することを示す応答を、UEから受信しても良い(ブロック1057)。
【0055】
図11は、例示的な第1の通信装置1100を示す。通信装置1100は、局、ユーザ機器、端末、加入者、移動局、等の実装であっても良い。通信装置1100は、ここで議論される実施形態のうちの種々の実施形態を実施するために用いられても良い。図11に示すように、送信機1105は、パケット、等を送信するように構成される。通信装置1100は、パケット、状態情報、トラフィックマッピング構成情報、等を受信するよう構成される受信機1110も有する。
【0056】
特徴付けユニット1120は、アプリケーションにより生成されるメッセージトラフィックに基づき、アプリケーションを特徴付けるよう構成される。特徴付けユニット1120は、アプリケーションにより生成されるメッセージトラフィックを特徴付けるよう構成される。シグナリングユニット1122は、送信するためにメッセージを生成するよう構成される。状態機械制御ユニット1124は、状態機械の状態を制御するよう構成される。状態機械制御ユニット1124は、第1の状態から第2の状態へ状態機械を遷移させるよう構成される。状態機械制御ユニット1124は、トラフィックマッピング構成情報、状態情報、等に従って、状態機械を遷移させるよう構成される。状態機械制御ユニット1124は、図2に示すように、ACTIVE状態及びECO状態を有する状態機械を実装するよう構成される。エントリユニット1126は、eNBと共にネットワークエントリ手順を実行するよう構成される。メモリ1130は、状態、状態情報、アプリケーションの特徴付け、メッセージトラフィックの特徴付け、トラフィックマッピング構成情報、等を格納するよう構成される。
【0057】
通信装置1100の要素は、特定ハードウェアロジックブロックとして実装されても良い。代替で、通信装置1100の要素は、プロセッサ、制御部、特定用途向け集積回路、等の中で実行するソフトウェアとして実装されても良い。更に別の代替では、通信装置1100の要素は、ソフトウェア及び/又はハードウェアの組合せとして実装されても良い。
【0058】
一例として、受信機1110及び送信機1105は、特定ハードウェアブロックとして実装されても良く、一方で、特徴付けユニット1120、シグナリングユニット1122、状態機械制御ユニット1124、及びエントリユニット1126は、(マイクロプロセッサ1115のような)マイクロプロセッサ、又はフィールドプログラマブルロジックアレイのカスタム回路若しくはカスタムコンパイルロジックアレイで実行するソフトウェアモジュールであっても良い。特徴付けユニット1120、シグナリングユニット1122、状態機械制御ユニット1124、及びエントリユニット1126は、メモリ1130に格納されるモジュールであっても良い。
【0059】
図12は、例示的な第2の通信装置1200を示す。通信装置1200は、AP、基地局、NodeB、eNB、制御部、通信制御部、等の実装であっても良い。通信装置1200は、ここで議論される実施形態のうちの種々の実施形態を実施するために用いられても良い。図12に示すように、送信機1205は、パケット、状態情報、トラフィックマッピング構成情報、等を送信するように構成される。通信装置1200は、パケット、等を受信するよう構成される受信機1210も有する。
【0060】
特徴付けユニット1220は、アプリケーションにより生成されるメッセージトラフィックに基づき、アプリケーションを特徴付けるよう構成される。特徴付けユニット1220は、アプリケーションにより生成されるメッセージトラフィックを特徴付けるよう構成される。特徴付けユニット1220は、アプリケーション及び/又は通信装置1200に接続されるUE向けのメッセージトラフィックを特徴付けるよう構成される。シグナリングユニット1222は、送信するためにメッセージを生成するよう構成される。状態機械制御ユニット1224は、状態機械の状態を制御するために、状態情報を生成するよう構成される。状態機械制御ユニット1224は、第1の状態から第2の状態へ状態機械を遷移させるために、状態情報を生成するよう構成される。状態機械制御ユニット1224は、トラフィックマッピング構成情報、状態情報、等に従って、状態機械を遷移させるために状態情報を生成するよう構成される。エントリユニット1226は、UEと共にネットワークエントリ手順を実行するよう構成される。メモリ1230は、状態、状態情報、アプリケーションの特徴付け、メッセージトラフィックの特徴付け、トラフィックマッピング構成情報、等を格納するよう構成される。
【0061】
通信装置1200の要素は、特定ハードウェアロジックブロックとして実装されても良い。代替で、通信装置1200の要素は、プロセッサ、制御部、特定用途向け集積回路、等の中で実行するソフトウェアとして実装されても良い。更に別の代替では、通信装置1200の要素は、ソフトウェア及び/又はハードウェアの組合せとして実装されても良い。
【0062】
一例として、受信機1210及び送信機1205は、特定ハードウェアブロックとして実装されても良く、一方で、特徴付けユニット1220、シグナリングユニット1222、状態機械制御ユニット1224、及びエントリユニット1226は、(マイクロプロセッサ1215のような)マイクロプロセッサ、又はフィールドプログラマブルロジックアレイのカスタム回路若しくはカスタムコンパイルロジックアレイで実行するソフトウェアモジュールであっても良い。特徴付けユニット1220、シグナリングユニット1222、状態機械制御ユニット1224、及びエントリユニット1226は、メモリ1230に格納されるモジュールであっても良い。
【0063】
本開示及びその利点が詳細に記載されたが、種々の変更、置換及び修正が添付の請求の範囲により定められる本開示の精神及び範囲から逸脱することなく行われうることが理解されるべきである。
【符号の説明】
【0064】
100 通信システム
105 eNB
110、112、114、116、118 UE
1100 通信装置
1105 送信機
1110 受信機
1130 メモリ
1120 特徴付けユニット
1122 シグナリングユニット
1124 状態機械制御ユニット
1126 エントリユニット
1200 通信装置
1205 送信機
1210 受信機
1230 メモリ
1220 特徴付けユニット
1222 シグナリングユニット
1224 状態機械制御ユニット
1226 エントリユニット
図1
図2
図3a
図3b
図3c
図4
図5
図6
図7a
図7b
図8
図9a
図9b
図10a
図10b
図11
図12