特許第6867438号(P6867438)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6867438実速度での拡張現実(AR)デバイスの無効化
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6867438
(24)【登録日】2021年4月12日
(45)【発行日】2021年4月28日
(54)【発明の名称】実速度での拡張現実(AR)デバイスの無効化
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20210419BHJP
   G06F 3/0481 20130101ALI20210419BHJP
【FI】
   G06F3/01 510
   G06F3/0481 170
【請求項の数】34
【外国語出願】
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2019-107192(P2019-107192)
(22)【出願日】2019年6月7日
(62)【分割の表示】特願2015-561362(P2015-561362)の分割
【原出願日】2014年2月11日
(65)【公開番号】特開2019-153347(P2019-153347A)
(43)【公開日】2019年9月12日
【審査請求日】2019年6月12日
(31)【優先権主張番号】13/787,340
(32)【優先日】2013年3月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507364838
【氏名又は名称】クアルコム,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 晋平
(72)【発明者】
【氏名】ジャック・マンダラ
【審査官】 田川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−221465(JP,A)
【文献】 特開2005−172851(JP,A)
【文献】 特開2013−032932(JP,A)
【文献】 特開2011−123807(JP,A)
【文献】 特開2005−252735(JP,A)
【文献】 特開2010−097472(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0118051(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0253918(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01−3/0489
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
拡張現実(AR)デバイスのARディスプレイ上の情報を制限するための方法であって、
前記ARデバイスの速度を判定するステップと、
複数の閾値に対する前記速度の比較に少なくとも部分的に基づき、動きのカテゴリを決定するステップであって、前記動きのカテゴリは、第1のカテゴリ、第2のカテゴリ、および第3のカテゴリを含み、第1の閾値が、前記第1のカテゴリおよび前記第2のカテゴリ間を線引きし、第2の閾値が、前記第2のカテゴリおよび前記第3のカテゴリ間を線引きする、ステップと、
前記動きのカテゴリの決定に基づいて前記ARディスプレイをフィルタリングするステップであって、
前記第1のカテゴリに対して、完全な情報を前記ARディスプレイに表示できるようにするステップであって、前記完全な情報がテキストまたは画像を少なくとも含む、ステップと、
前記第2のカテゴリに対して、少なくとも、前記ARディスプレイの全体に渡って表示される前記完全な情報を前記ARディスプレイの脇部分に表示されるアイコンで代替することにより、前記完全な情報から、前記ARディスプレイに表示するための簡略化された情報に制限するステップであって、前記アイコンが前記完全な情報よりも少ない情報を含む、ステップと、
前記第3のカテゴリに対して、短縮情報に移行するステップであって、前記短縮情報が前記簡略化された情報よりも少ない情報を含む、ステップと
を含む、フィルタリングするステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記ARデバイスが、ヘッドマウントディスプレイを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の閾値が、歩行中のユーザから静止中のユーザを線引きし、前記第1のカテゴリが前記ARデバイスの静止状態を示す、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
記第2の閾値が、運転中のユーザから歩行中のユーザを線引きする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ARデバイスの前記速度を判定するステップが、モバイルデバイスの速度を判定するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記短縮情報に移行するステップが、前記短縮情報を一瞬の間提示するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記短縮情報に移行するステップが、
前記完全な情報の情報タイプを判定するステップと、
前記情報タイプに基づいて前記短縮情報を表示するステップと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記短縮情報に移行するステップが、ユーザに一瞬の間通知するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記短縮情報に移行するステップが、いずれかのAR情報の表示を無効にするステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記短縮情報が、音声信号を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
拡張現実(AR)デバイスのARディスプレイ上の情報を制限するためのARシステムであって、
前記ARディスプレイを備える前記ARデバイスであって、前記ARディスプレイ上で情報を投影するように構成される前記ARデバイスと、
速度を提供する速度センサと、
プロセッサとを備え、前記プロセッサが、
複数の閾値に対する前記速度の比較に少なくとも部分的に基づき、動きのカテゴリを決定することであって、前記動きのカテゴリは、第1のカテゴリ、第2のカテゴリ、および第3のカテゴリを含み、第1の閾値が、前記第1のカテゴリおよび前記第2のカテゴリ間を線引きし、第2の閾値が、前記第2のカテゴリおよび前記第3のカテゴリ間を線引きする、前記動きカテゴリを決定することと、
前記第1のカテゴリに対して、完全な情報を前記ARディスプレイに表示できるようにすることであって、前記完全な情報がテキストまたは画像を少なくとも含む、表示できるようにすることと、
前記第2のカテゴリに対して、少なくとも、前記ARディスプレイの全体に渡って表示される前記完全な情報を前記ARディスプレイの脇部分に表示されるアイコンで代替することにより、前記完全な情報から、前記ARディスプレイに表示するための簡略化された情報に制限することであって、前記アイコンが前記完全な情報よりも少ない情報を含む、制限することと、
前記第3のカテゴリに対して、短縮情報に移行することであって、前記短縮情報が前記簡略化された情報よりも少ない情報を含む、移行することと
を行うように構成される、ARシステム。
【請求項12】
前記ARデバイスが、ヘッドマウントディスプレイを備える、請求項11に記載のARシステム。
【請求項13】
前記ARデバイスが前記速度センサを備える、請求項11に記載のARシステム。
【請求項14】
モバイルデバイスをさらに備える、請求項11に記載のARシステム。
【請求項15】
前記モバイルデバイスが、前記プロセッサを備える請求項14に記載のARシステム。
【請求項16】
拡張現実(AR)デバイスのARディスプレイ上の情報を制限するためのARシステムであって、
前記ARデバイスの速度を判定するための手段と、
複数の閾値に対する前記速度の比較に少なくとも部分的に基づき、動きのカテゴリを決定するための手段であって、前記動きのカテゴリは、第1のカテゴリ、第2のカテゴリ、および第3のカテゴリを含み、第1の閾値が、前記第1のカテゴリおよび前記第2のカテゴリ間を線引きし、第2の閾値が、前記第2のカテゴリおよび前記第3のカテゴリ間を線引きする、手段と、
前記動きのカテゴリの決定に基づいて前記ARディスプレイをフィルタリングするための手段であって、
前記第1のカテゴリに対して、完全な情報を前記ARディスプレイに表示できるようにするための手段であって、前記完全な情報がテキストまたは画像を少なくとも含む、手段と、
前記第2のカテゴリに対して、少なくとも、前記ARディスプレイの全体に渡って表示される前記完全な情報を前記ARディスプレイの脇部分に表示されるアイコンで代替することにより、前記完全な情報から、前記ARディスプレイに表示するための簡略化された情報に制限するための手段であって、前記アイコンが前記完全な情報よりも少ない情報を含む、手段と、
前記第3のカテゴリに対して、短縮情報に移行するための手段であって、前記短縮情報が前記簡略化された情報よりも少ない情報を含む、手段と
を含む、フィルタリングするための手段と
を含む、システム。
【請求項17】
前記ARデバイスが、ヘッドマウントディスプレイを含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記完全な情報の情報タイプを判定するための手段をさらに含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記短縮情報が前記アイコンを含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項20】
前記短縮情報に移行するための前記手段が、ユーザに一瞬の間通知するための手段を含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項21】
前記短縮情報に移行するための前記手段が、いずれかのAR情報の表示を無効にするための手段を含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項22】
前記短縮情報が音声信号を含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項23】
拡張現実(AR)デバイスのARディスプレイ上の情報を制限するためのARデバイスであって、プロセッサおよびメモリを備え、前記メモリが、
前記ARデバイスの速度を判定するためのソフトウェア命令と、
複数の閾値に対する前記速度の比較に少なくとも部分的に基づき、動きのカテゴリを決定するためのソフトウェア命令であって、前記動きのカテゴリは、第1のカテゴリ、第2のカテゴリ、および第3のカテゴリを含み、第1の閾値が、前記第1のカテゴリおよび前記第2のカテゴリ間を線引きし、第2の閾値が、前記第2のカテゴリおよび前記第3のカテゴリ間を線引きする、ソフトウェア命令と、
前記動きのカテゴリの決定に基づいて前記ARディスプレイをフィルタリングするためのソフトウェア命令であって、
前記第1のカテゴリに対して、完全な情報を前記ARディスプレイに表示できるようにするためのソフトウェア命令であって、前記完全な情報がテキストまたは画像を少なくとも含む、ソフトウェア命令と、
前記第2のカテゴリに対して、少なくとも、前記ARディスプレイの全体に渡って表示される前記完全な情報を前記ARディスプレイの脇部分に表示されるアイコンで代替することにより、前記完全な情報から、前記ARディスプレイに表示するための簡略化された情報に制限するためのソフトウェア命令であって、前記アイコンが前記完全な情報よりも少ない情報を含む、ソフトウェア命令と、
前記第3のカテゴリに対して、短縮情報に移行するためのソフトウェア命令であって、前記短縮情報が前記簡略化された情報よりも少ない情報を含む、ソフトウェア命令と
を含む、フィルタリングするためのソフトウェア命令と
を備える、ARデバイス。
【請求項24】
前記ARデバイスが、ヘッドマウントディスプレイを含む、請求項23に記載のARデバイス。
【請求項25】
前記完全な情報の情報タイプを判定するためのソフトウェア命令をさらに含む、請求項23に記載のARデバイス。
【請求項26】
拡張現実(AR)デバイスのARディスプレイ上の情報を制限するためのプログラムコードを含む、コンピュータ可読記録媒体であって、
前記ARデバイスの速度を判定するためのプログラムコードと、
複数の閾値に対する前記速度の比較に少なくとも部分的に基づき、動きのカテゴリを決定するためのプログラムコードであって、前記動きのカテゴリは、第1のカテゴリ、第2のカテゴリ、および第3のカテゴリを含み、第1の閾値が、前記第1のカテゴリおよび前記第2のカテゴリ間を線引きし、第2の閾値が、前記第2のカテゴリおよび前記第3のカテゴリ間を線引きする、プログラムコードと、
前記動きのカテゴリの決定に基づいて前記ARディスプレイをフィルタリングするためのプログラムコードであって、
前記第1のカテゴリに対して、完全な情報を前記ARディスプレイに表示できるようにするためのプログラムコードであって、前記完全な情報がテキストまたは画像を少なくとも含む、プログラムコードと、
前記第2のカテゴリに対して、少なくとも、前記ARディスプレイの全体に渡って表示される前記完全な情報を前記ARディスプレイの脇部分に表示されるアイコンで代替することにより、前記完全な情報から、前記ARディスプレイに表示するための簡略化された情報に制限するためのプログラムコードであって、前記アイコンが前記完全な情報よりも少ない情報を含む、プログラムコードと、
前記第3のカテゴリに対して、短縮情報に移行するためのプログラムコードであって、前記短縮情報が前記簡略化された情報よりも少ない情報を含む、プログラムコードと
を含む、フィルタリングするためのプログラムコードと
を含む、コンピュータ可読記録媒体。
【請求項27】
前記短縮情報に移行する前記プロセッサが、前記短縮情報を一瞬の間提示するプロセッサを含む、請求項11に記載のARシステム。
【請求項28】
前記短縮情報に移行する前記プロセッサが、ユーザに一瞬の間通知するプロセッサを含む、請求項11に記載のARシステム。
【請求項29】
前記短縮情報に移行するための前記手段が、前記短縮情報を一瞬の間提示するための手段を含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項30】
前記アイコンが前記ARディスプレイのコーナー部分に表示される、請求項1に記載の方法。
【請求項31】
前記完全な情報がテキストおよび画像を含み、前記テキストおよび前記画像が少なくとも前記ARディスプレイの脇部分に表示される前記アイコンで代替される、請求項1に記載の方法。
【請求項32】
前記短縮情報が音声信号を含む、請求項11に記載のARシステム。
【請求項33】
前記短縮情報が音声信号を含む、請求項23に記載のARデバイス。
【請求項34】
前記短縮情報が音声信号を含む、請求項26に記載のコンピュータ可読記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、本譲受人に譲渡され、参照により本明細書に明確に組み込まれる、2013年3月6日に出願された、「Disabling augmented reality (AR) devices at speed」という名称の米国特許出願第13/787,340号に基づく利益および優先権を主張する。
【0002】
本開示は、概してワイヤレス拡張現実(AR)ディスプレイのためのシステム、装置、および方法に関し、より詳細には、ARディスプレイが様々な速度で移動中にARディスプレイに示される情報の少なくとも一部を次第に無効にすることに関する。
【背景技術】
【0003】
ARデバイス(たとえば、AR眼鏡またはヘッドマウントディスプレイ)が、ウェブ検索結果、現在のおよび予想される天気、道案内、ソーシャルメディアコンテンツ、ナビゲーション情報、電子メールおよびメッセージング、写真、映画およびTV番組などの情報を装着者に提供することができる。装着者が運転している、走っている、またはさらには歩いているとき、この情報がしばしば注意をそらすもの(distraction)を形成する可能性がある。装着者が不必要に注意をそらされないように、動きに基づいてこの情報をフィルタリングする方法が必要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
拡張現実(AR)ディスプレイ上の情報を、ARデバイスの様々な速度に基づいて制限するためのシステム、装置、および方法が提示される。装着者が運転している、走っている、またはさらには歩いているとき、情報がしばしば注意をそらすものを形成する。したがって、記載するシステム、デバイス、および方法は、より高いレベルの集中が現実世界の活動に必要とされるとき、装着者が注意をそらされないように、3つ以上のレベルの動き(たとえば、静止、歩行、運転)に基づいてARディスプレイに表示される情報を制限することを目標とする。
【0005】
いくつかの態様によれば、仮想現実(AR)デバイスのARディスプレイ上の情報を制限するための方法が開示され、この方法は、ARデバイスの速度を判定するステップと、速度を第1の閾値および第2の閾値と比較するステップと、速度を第1の閾値および第2の閾値と比較することに基づいてARディスプレイをフィルタリングするステップとを含み、ARディスプレイをフィルタリングするステップが、速度が第1の閾値を下回るとき、完全な情報をARディスプレイに表示できるようにするステップと、速度が第1の閾値を超え、第2の閾値を下回るとき、完全な情報から簡略化された情報に制限してARディスプレイに表示するステップと、速度が第2の閾値を超えるとき、短縮情報に短縮するステップとを含む。
【0006】
いくつかの態様によれば、拡張現実(AR)デバイスのARディスプレイ上の情報を制限するためのARシステムが開示され、このARシステムは、ARディスプレイを含んでARディスプレイに情報を投影するように構成されたARデバイスと、速度を提供する速度センサと、プロセッサとを含み、プロセッサは、速度が第1の閾値を下回ることに基づいて完全な情報がARディスプレイに表示されることを可能にし、速度が第1の閾値を上回り第2の閾値を下回ることに基づいて完全な情報から簡略化された情報に制限してARディスプレイに表示され、速度が第2の閾値を上回ることに基づいて短縮情報に短縮するように構成される。
【0007】
いくつかの態様によれば、拡張現実(AR)デバイスのARディスプレイ上の情報を制限するためのARシステムが開示され、このシステムは、ARデバイスの速度を判定するための手段と、速度を第1の閾値および第2の閾値と比較するための手段と、速度を第1の閾値および第2の閾値と比較することに基づいてARディスプレイをフィルタリングするための手段とを含み、ARディスプレイをフィルタリングするための手段が、速度が第1の閾値を下回るとき完全な情報をARディスプレイに表示できるようにするための手段と、速度が第1の閾値を上回り、第2の閾値を下回るとき、完全な情報から簡略化された情報に制限してARディスプレイに表示するための手段と、速度が第2の閾値を上回るとき、簡略化された情報を短縮するための手段とを含む。
【0008】
いくつかの態様によれば、拡張現実(AR)ディスプレイ上の情報を制限するためのARデバイスが開示され、このARデバイスは、プロセッサと、メモリとを含み、メモリは、ARデバイスの速度を判定する、速度を第1の閾値および第2の閾値と比較する、速度を第1の閾値および第2の閾値と比較することに基づいてARディスプレイをフィルタリングするソフトウェア命令を含み、ARディスプレイをフィルタリングするソフトウェア命令が、速度が第1の閾値を下回るとき完全な情報をARディスプレイに表示できるようにし、速度が第1の閾値を上回り、第2の閾値を下回るとき、完全な情報から簡略化された情報に制限してARディスプレイに表示し、速度が第2の閾値を上回るとき、短縮情報に短縮するソフトウェア命令を含む。
【0009】
いくつかの態様によれば、拡張現実(AR)デバイスのARディスプレイ上の情報を制限するためにそこに格納されたプログラムコードを含んだ非一時的コンピュータ可読記憶媒体が開示され、この非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、ARデバイスの速度を判定する、速度を第1の閾値および第2の閾値と比較する、速度を第1の閾値および第2の閾値と比較することに基づいてARディスプレイをフィルタリングするプログラムコードを含み、ARディスプレイをフィルタリングするプログラムコードが、速度が第1の閾値を下回るとき完全な情報をARディスプレイに表示できるようにし、速度が第1の閾値を上回り、第2の閾値を下回るとき、完全な情報から簡略化された情報に制限してARディスプレイに表示し、速度が第2の閾値を上回るとき、短縮情報に短縮するプログラムコードを含む。
【0010】
例として様々な態様を示され、説明される次の詳細な説明から、当業者には他の態様が容易に明らかになることは理解される。図面および詳細な説明は、性質上例示とみなされるべきであり、制限とみなされるべきではない。
【0011】
本発明の実施形態について、単に例として、添付の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に従ってARシステムを示す図である。
図2】本発明の一実施形態に従ってARシステムを示す図である。
図3】本発明の一実施形態に従ってARシステムを示す図である。
図4】本発明の一実施形態に従ってARシステムを示す図である。
図5】本発明のいくつかの実施形態に従って、速度に基づいてARディスプレイを制限する方法を示す図である。
図6】本発明の一実施形態に従ってARディスプレイを示す図である。
図7】本発明の一実施形態に従ってARディスプレイを示す図である。
図8】本発明の一実施形態に従ってARディスプレイを示す図である。
図9】本発明の一実施形態に従ってARディスプレイを示す図である。
図10】本発明の一実施形態に従ってARディスプレイを示す図である。
図11】本発明の一実施形態に従ってARディスプレイを示す図である。
図12】本発明の一実施形態に従ってARディスプレイを示す図である。
図13】本発明の一実施形態に従ってARディスプレイを示す図である。
図14】本発明の一実施形態に従ってARディスプレイを示す図である。
図15】本発明の一実施形態に従ってARディスプレイを示す図である。
図16】本発明のいくつかの実施形態に従って、変化する速度に基づいて表示される項目の表である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
添付の図面に関連して以下に示す詳細な説明は、本開示の様々な態様の説明とするものであり、本開示を実践することができる態様のみを表すものではない。この開示に記載する各態様は、単に本開示の一例または例示として提供され、必ずしも他の態様よりも好ましいまたは有利であると解釈されるべきではない。詳細な説明は、本開示を完全に理解できるようにするために特定の詳細を含む。しかしながら、当業者には明らかであるように、本開示は、これらの特定の詳細なしで実践することができる。いくつかの例では、本開示の概念を不明瞭にすることを避けるために、周知の構造およびデバイスをブロック図の形態で示す。頭字語および他の記述用語が、便宜上または明確にするために使用されることがあるが、本開示の範囲を限定しようとするものではない。
【0014】
本明細書に記載する位置判定技法は、ワイヤレスワイドエリアネットワーク(WWAN)、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)、ワイヤレスパーソナルエリアネットワーク(WPAN)など、様々なワイヤレス通信ネットワークと併せて実装されることが可能である。「ネットワーク」および「システム」という用語は、多くの場合区別なく用いられている。WWANは、符号分割多元接続(CDMA)ネットワーク、時分割多元接続(TDMA)ネットワーク、周波数分割多元接続(FDMA)ネットワーク、直交周波数分割多元接続(OFDMA)ネットワーク、シングルキャリア周波数分割多元接続(SC-FDMA)ネットワーク、ロングタームエボリューション(LTE)などであることが可能である。CDMAネットワークは、cdma2000、広帯域CDMA(W-CDMA)など、1つまたは複数の無線アクセス技術(RAT)を実装することができる。cdma2000は、IS-95規格、IS-2000規格、およびIS-856規格を含む。TDMAネットワークは、モバイル通信用グローバルシステム(GSM(登録商標):Global System for Mobile Communications)、デジタル高機能携帯電話システム(D-AMPS:Digital Advanced Mobile Phone System)、またはその他のRATを実装することができる。GSM(登録商標)およびW-CDMAについては、「第3世代パートナーシッププロジェクト」(3GPP)と名付けられた団体からの文書に記載されている。cdma2000については、「第三世代パートナーシップ2」(3GPP2)と名付けられた団体からの文書に記載されている。3GPPおよび3GPP2の文書は、公的に入手可能である。WLANは、IEEE802.11xネットワークであることが可能であり、WPANは、Bluetooth(登録商標)ネットワーク、IEEE802.15x、または他のタイプのネットワークであることが可能である。この技術は、WWAN、WLAN、および/またはWPANのいかなる組合せと併せて実装することもできる。
【0015】
本明細書で使用するモバイルデバイスは、時には移動局(MS)またはユーザ機器(UE)、たとえばセルラ電話、携帯電話、もしくは他の無線通信デバイス、パーソナルコミュニケーションシステム(PCS)デバイス、パーソナルナビゲーションデバイス(PND)、パーソナルインフォメーションマネージャ(PIM)、携帯情報端末(PDA)、ラップトップ、またはワイヤレス通信および/もしくはナビゲーション信号を受信することができる他の好適なモバイルデバイスなどと呼ばれる。「モバイルデバイス」という用語はまた、たとえば近距離のワイヤレス、赤外線、有線接続、または他の接続によって、パーソナルナビゲーションデバイス(PND)と通信するデバイスを含むよう意図されており、衛星信号の受信、支援データの受信、および/または位置関連の処理がデバイスで行われるか、PNDで行われるかを問わない。また「モバイルデバイス」は、たとえばインターネット、Wi-Fi、または他のネットワークを介してサーバと通信することができる、ワイヤレス通信デバイス、コンピュータ、ラップトップなどのすべてのデバイスを含むよう意図されており、衛星信号の受信、支援データの受信、および/または位置関連の処理がデバイスで、サーバで、またはネットワークと関連する別のデバイスで行われるかどうかを問わない。上記のいかなる使用可能な組合せも、同様に「モバイルデバイス」とみなされる。
【0016】
拡張現実(AR)ディスプレイに表示される情報を、完全な情報から短縮情報に制限された情報まで、ARデバイスの様々な速度に基づいてフィルタリングするためのシステム、装置、および方法が提示される。装着者が運転している、走っている、またはさらには歩いているとき、情報がしばしば注意をそらすものを形成する。したがって、記載するシステム、デバイス、および方法は、より高いレベルの集中が現実世界の活動に必要とされるとき、装着者があまり注意をそらされないように、3つ以上のレベルの動き(たとえば、静止、歩行、運転)に基づいてARディスプレイに表示される情報をフィルタリングすることを目標とする。
【0017】
図1図4は、本発明のいくつかの実施形態に従って、ARシステムを示している。いくつかのARシステムは、ARデバイス100、モバイルデバイス200、およびネットワーク300を含む。ARデバイス100は、独立型、またはモバイルデバイス200と一体化したものとすることができる。ARデバイス100は、モバイルデバイス200を介してネットワーク300に間接的に接続されてもよい。ARデバイス100は、別個のモバイルデバイス200なしでネットワーク300に直接接続されてもよい。ARデバイス100は、ネットワーク300に接続されなくてもよい。モバイルデバイス200が含まれるとき、ARデバイス100とネットワーク300との間の通信を提供することができる。ネットワーク300は、セルラネットワークおよび/またはWiFiネットワークであって、場合によりインターネット上のサーバに接続されてもよい。
【0018】
図1では、システムが、ネットワーク300-1と通信しているARデバイス100-1を含んでいる。別個のモバイルデバイス200は含まれていない。ARデバイス100-1は、ワイヤレス回路と、速度センサとを含んでいる。ARデバイス100-1は、眼鏡または他のヘッドマウントディスプレイまたはディスプレイもしくは画像プロジェクタを有するモバイルデバイスの形態とすることができる。ワイヤレス回路によりARデバイス100-1は、ワイドエリアネットワーク(WAN)を使用してネットワーク300-1にワイヤレスに接続することができる。WANワイヤレス回路は、WANネットワーク(たとえば、セルラネットワークおよび/またはWiFiネットワーク)への相互接続を含むことができる。速度センサは、GPSデバイス、モーションセンサ、加速度計、ジャイロメータ、および/または同様のものを含むことができる。速度センサは、速度または速さパラメータを含んだメッセージを受信する受信機であってもよい。いずれの場合も、ARデバイス100中の速度センサおよびプロセッサは、ARデバイス100-1が移動している速度のカテゴリを検出することができる。
【0019】
図2では、ARデバイス100-2がモバイルデバイス200-1にワイヤレスに結合される。ARデバイス100-2は、Bluetooth(登録商標)ワイヤレス回路などのパーソナルエリアネットワーク(PAN)を介してモバイルデバイス200-1に接続するワイヤレス回路を含む。ARデバイス100-2には、WAN接続がなくてもよい。また、モバイルデバイス200-1には、ネットワーク300へのWAN接続があっても、なくてもよい。ARデバイス100-2は、ヘッドマウントなどの形態とすることができる。モバイルデバイス200-1は、モバイルデバイス200-1が移動している速度のカテゴリを検出する速度センサおよびプロセッサを含み、したがって、モバイルデバイス200-1とともに移動していると考えられるARデバイス100-1の速度は、わかるようになる。
【0020】
図3では、システムが、ARデバイス100-2(上記)、モバイルデバイス200-2、およびネットワーク300-2を含む。ARデバイス100-2は、PANインターフェースを使用してモバイルデバイス200-2と通信する。そして、モバイルデバイス200-2は、別のPANインターフェースを用いてARデバイス100と、およびWANインターフェースを使用してネットワーク300-2と通信する。この図では、ネットワーク300-2は、モバイルデバイス200-2の速度、したがってARデバイス100-2の速度を判定する。モバイルデバイス200-2は、この速度または速度の量子化されたレベルを含んだネットワーク300-2からのメッセージを受信する。
【0021】
図4では、システムが、ARデバイス100-2(上記)、モバイルデバイス200-1、およびネットワーク300-2を含む。モバイルデバイス200-1は、モバイルデバイス200-1が移動している速度のカテゴリを検出する速度センサおよびプロセッサを含み、したがって、モバイルデバイス200-1とともに移動していると考えられるARデバイス100-2の速度は、わかるようになる。
【0022】
上記の各システムでは、動きを少なくとも3つのカテゴリ(たとえば、静止、歩行、運転)に分類するために、速度が量子化される、言い換えれば閾値と比較される。ARデバイス100の速度は、ネットワーク300、モバイルデバイス200、またはARデバイス100自体によって判定されることが可能である。
【0023】
図6図15は、本発明のいくつかの実施形態に従って、様々なARディスプレイを示している。
【0024】
図5では、本発明のいくつかの実施形態に従って、速度に基づいてARディスプレイを制限する方法400が示される。処理は、ARデバイス100で行われてもよい。あるいは処理は、モバイルデバイス200またはネットワーク300にオフロードされてもよい。いずれの場合にも、ARデバイス100は、現在の速度がある閾値の間であることに基づいて、様々なレベル、ボリューム、量、または種類の情報を示す。次の例は、3つの重なっていないカテゴリの間で速度が上昇している、すなわち、静止位置(第1の閾値を下回る)から歩行速度(第1の閾値と第2の閾値との間)へ、最終的には運転速度(第2の閾値を上回る)になると考える。一般的には、速度が上昇するにつれて、注意をそらす情報がARデバイス100を介してユーザにあまり提示されなくなる。
【0025】
410において、プロセッサがARデバイス100の速度を判定する。速度を判定するプロセッサは、ARデバイス100に、付随するモバイルデバイス200に、ARデバイス100もしくはモバイルデバイス200を追跡するネットワーク300またはその組合せにあってもよい。多くの場合、モバイルデバイス200は、モバイルデバイス200(したがって付随するARデバイス100)の速度を判定するために使用することができる内蔵GPS受信機を有する。同じプロセッサまたは異なるプロセッサは、ARデバイス100が特定の速度で移動しているかどうかを判定する。
【0026】
420において、プロセッサが、速度を第1の閾値および第2の閾値と比較する。たとえば、第1の閾値は、歩行中のユーザから静止ユーザを線引きすることができ、第2の閾値は、運転中のユーザから歩行中のユーザを線引きことができる。
【0027】
430において、プロセッサは、第1の閾値および第2の閾値に対する判定された速度の比較に基づいて、ARディスプレイのために情報をフィルタリングする。フィルタリングは、ステップ440(静止)、ステップ450(歩行)、およびステップ460(運転)でさらに説明する。
【0028】
440において、プロセッサは、第1の速度が第1の閾値を下回ることに基づいて、AR情報のすべてがARデバイス100上に示されることを可能にする。この場合、ARデバイス100は、(たとえば、ユーザが歩行中から静止ユーザを線引きすると考えられる)第1の閾値を下回る速度で移動しており、したがってAR情報はフィルタリングされない。プロセッサは、モバイルデバイス200にあって、ARデバイス100にAR情報をフィードしてもよい。あるいはプロセッサは、ARデバイス100自体にあって、判定した速度に基づいてどのAR情報を表示するかを決定してもよい。あるいはプロセッサは、ネットワーク300にあって、モバイルデバイス200を介して間接的に、またはネットワーク300を介して直接的に、ARデバイス100にAR情報をフィードしてもよい。
【0029】
450において、プロセッサは、速度が第1の閾値を上回り、第2の閾値を下回るとき、完全な情報を簡略化された情報に制限してARディスプレイに表示されるようにする。この場合、ARデバイス100は、第1の閾値を上回るが第2の閾値を下回る速度で移動している。たとえば、ARデバイス100は、現在、第1の閾値と第2の閾値の間である歩行速度で動いている。プロセッサは、AR情報の一部をフィルタリングすることができる。たとえば、簡略化された情報は、単にアイコンもしくは数バイトのAR情報、可聴音、読み上げられるテキスト、またはほんの数秒間表示されるアイコンもしくはテキストであってもよく、それによりユーザにとって注意をそらすものを制限する。
【0030】
460においてプロセッサは、速度が第2の閾値を上回るとき、完全な情報または簡略化された情報を短縮情報にさらに短縮する。この場合、ARデバイス100は、第2の閾値を上回って移動している。たとえば、ARデバイス100は、現在、第2の閾値を上回る運転速度で動いている。ARデバイス100は、ARデバイス100が第2の閾値を上回って移動していることに基づいて、簡略化されたAR情報をさらに制限すること、またはAR情報を表示しないことによって、情報を短縮することができる。すなわちプロセッサは、AR情報のかなりの部分または全部をフィルタリングすることができる。たとえば、ARディスプレイは、AR情報を全く示さない、数バイトをフィルタリングして単にアイコンにする、音声を再生する、文字のテキストを可聴音に変換する、および/または所定の時間(たとえば、1秒、2秒、5秒、または10秒)の間、簡略化された情報を一瞬の間示すことが可能である。
【0031】
ARデバイス100は、第1の閾値速度および第2の閾値速度よりも遅く移動することと、速く移動することとを繰り返すことがある。したがって、ARデバイス100が速度を変えるにつれて、ARディスプレイは、完全なAR情報を示す、様々な量の簡略化されたAR情報を示す、またはAR情報を示さないことが可能である。一般的に、ARデバイスは、非常に限られたAR情報が表示される、またはAR情報が表示されなくなるまで、速度閾値が上がるにつれて、より少ない情報を表示する。したがって、簡略化された情報は、完全な情報よりも少ない情報を含み、短縮情報は、簡略化された情報よりも少ない情報を含む。たとえば、アイコンが、テキストよりも少ない情報を含む。同様に、音声またはビープ音は、アイコンよりも少ない情報を含む。より低い解像度の画像は、より高い解像度の画像よりも少ない情報を含む。より小さい画像は、より大きい画像よりも少ない情報を含む。ビープ音は、読み上げられるテキストよりも少ない情報を含む。
【0032】
ARデバイス100(たとえば、AR眼鏡などのヘッドマウントディスプレイ)が、ウェブ検索結果、現在のおよび予想される天気、道案内、ソーシャルメディアコンテンツ、ナビゲーション情報、電子メールおよびメッセージング、写真、映画およびTV番組などの情報を装着者に提供することができる。注意をそらすものを制限するために、装着者が第1の閾値を上回る速度で移動しているとき、この情報の一部が制限され、装着者がより高い第2の閾値を上回る速度で移動しているとき、さらに制限される、または無効にされる。
【0033】
図6に示すように、たとえばウェブ検索結果が、静止しているとき、完全に詳細に示され、ARディスプレイ上の中心に置かれる。図7に示すように、第1の閾値と第2の閾値との間で動いている(たとえば、歩いている)とき、ウェブ検索結果は、ビューのメインフィールドの脇にアイコンとして示される。図8では、天気は、静止しているとき、完全な、詳細情報で示される。しかしながら図9では、第1の閾値と第2の閾値との間で動いているとき、天気は、現在の気温および「時々曇り」または「雨のおそれ」などの簡単なその日の予報に制限されている。図10では、静止しているとき、画面全体にわたって映画が示されている。しかしながら図11では、映画またはTV番組は一時停止され、アイコンとして脇に示されている。図12では、静止しているとき、詳細な道案内が示されている。図13では、第1の閾値と第2の閾値との間で動いているとき、詳細な道案内は、短い段階的な道案内に変換される。図14では、たとえばソーシャルメディアアプリケーションもしくはサイト、電子メール、メッセージング、または写真からのAR情報が、静止とともに完全に詳細に示される。しかしながら図15では、第1の閾値と第2の閾値との間で動いているとき、このAR情報は、ユーザの注意をそらさないように脇に移されたアイコンとして示される。上記の実施形態のそれぞれにおいて、第2の閾値を上回って動いているとき、ARディスプレイが無効にされる。
【0034】
表示されるAR情報は、速度に基づいてフィルタリングされることが可能である。たとえば、装着者が静止しているまたは第1の閾値速度を下回って移動しているとき、AR情報は完全に提示される。装着者が第1の閾値速度を上回るが第2の閾値速度を下回って移動しているとき、AR情報は簡略化される。装着者が第2の閾値速度を上回って移動しているとき、AR情報はさらに簡略化される、または無効にされる。あるいは、3つ以上の閾値が使用される。すなわち、装着者が第1の閾値を下回って移動している(たとえば、静止に近い)とき、AR情報は、完全に利用できる。装着者が第1の閾値と第2の閾値との間で移動している(たとえば、歩行中である)とき、一部のAR情報が簡略化される。装着者が第2の閾値と第3の閾値との間で移動している(たとえば、ジョギング中である)とき、より多くが簡略化される。装着者が第3の閾値を上回って移動している(たとえば、運転中である)とき、AR情報のさらに多くが簡略化される、または無効にされる。
【0035】
図16は、本発明のいくつかの実施形態に従って、変化する速度に基づいて表示される項目を表にしたものである。表示されるAR情報は、速度および内容に基づいてフィルタリングされることが可能である。速度(たとえば、単位mphまたはkph)は、3つ以上のカテゴリに量子化されてもよい。たとえば、第1の閾値を下回るARデバイス100が、静止している、またはほとんど動いていないとみなされてもよい。第1の閾値と第2の閾値との間のARデバイス100は、歩行中である、またはゆっくり動いているとみなされてもよい。第2の閾値を上回るARデバイス100は、運転中である、または速く動いているとみなされてもよい。さらにカテゴリまたは量子化レベルが考慮されてもよい。
【0036】
図のように、ウェブ検索結果、天気、および道案内は、それぞれ異なるように扱われることが可能である。ウェブ検索結果は、静止しているとき、完全に詳細に示され、ゆっくり動いているとき、アイコンとして示されるが、速く動いているとき、無効にされることが可能である。道案内は、静止しているとき、完全に詳細に示され、歩いているとき、簡略化されたリストとして示され、装着者が運転しているとき、次の曲がり角を示す1本の線に簡略化されることが可能である。天気は、静止では完全に詳細に示され、歩いている、または運転しているとき、同じ詳細まで簡略化されることが可能である。
【0037】
AR情報は、これを一瞬の間(すなわち、速度に基づいた所定の時間の間)表示することによって簡略化される。たとえば、装着者が静止している(または第1の閾値速度を下回って移動している)ときに新しいメッセージが届く場合、完全なメッセージが表示される。装着者が第1の閾値速度を上回り、第2の閾値速度を下回って移動しているとき、アイコンが一瞬の間表示されて(たとえば、2秒間)、装着者に新しいメッセージを知らせ、その後消える、または最小化されてアイコンになる。装着者が第2の閾値速度を上回って移動しているとき、音声アラートが一瞬の間聞こえて(たとえば、ビープ音、「メールが届きました」または「左に関心の地点」と述べるメッセージ)、装着者に新しいイベントを知らせる。この時点で、装着者は音声のプロンプトおよびコマンド(たとえば、「メールを読む」)を使用することで、視覚的に注意をそらすことを避けることができる、またはより遅い速度で動くことができる。
【0038】
さらに、速度または量子化された速度が、実際の速さを判定することなく判定されることが可能である。たとえば、モーションセンサが、ARデバイス100またはモバイルデバイス200は、モーションセンサが動きを全くまたはほとんど検出しない(たとえば、第1の閾値を下回る)とき、停止している、モーションセンサがいくらかの動きを検出する(たとえば、第1の閾値と第2の閾値の間)ときゆっくり動いている、モーションセンサが急速に変化する動きまたは振動を検出する(たとえば、第2の閾値を上回る)とき、速く動いていると判定することができる。この場合、動きがないまたはほとんどないことが停止を表し、いくらかの動きが歩行を表し、著しい動きが運転を表す。さらに、たとえばユーザが、車、またはタクシー、列車、バス、もしくは航空機などの公共交通機関の乗客であるとき、ユーザがこの閾値テストを停止する(override)ことができる。
【0039】
本明細書に記載する手法は、用途に応じて様々な手段によって実行することができる。たとえばこうした手法は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはその任意の組合せで実行することができる。ハードウェアによる実行については、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理装置(DSPD)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、電子デバイス、本明細書に記載する機能を実行するように設計された他の電子ユニット、またはその組合せの中に、処理ユニットを実装することができる。
【0040】
ファームウェアおよび/またはソフトウェアによる実行については、本明細書に記載する機能を実行するモジュール(たとえばプロシージャ、関数など)を用いて、方法を実装することができる。本明細書に記載する方法を実行する際に、命令を実体的に組み入れるいかなる機械可読媒体も使用することができる。たとえば、ソフトウェアコードをメモリに格納し、プロセッサユニットによって実行することができる。メモリは、処理ユニット内にまたは処理ユニット外に実装することができる。本明細書で使用する「メモリ」という用語は、いかなるタイプの長期、短期、揮発性、不揮発性、または他のメモリを指し、メモリもしくはいくつかのメモリの特定のタイプ、またはメモリが格納される媒体のタイプに限定されないものとする。
【0041】
ファームウェアおよび/またはソフトウェアで実行される場合、機能は、コンピュータ可読媒体上に1つまたは複数の命令またはコードとして格納されることが可能である。例には、データ構造でコード化されたコンピュータ可読媒体、およびコンピュータプログラムでコード化されたコンピュータ可読媒体が含まれる。コンピュータ可読媒体は、物理的なコンピュータ記憶媒体を含む。記憶媒体は、コンピュータがアクセスすることができるいかなる入手可能な媒体であってもよい。例として、このようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROMもしくは他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置もしくは他の磁気記憶装置、または、所望のプログラムコードを命令もしくはデータ構造の形式で格納するために使用することができ、コンピュータがアクセスすることができる他のいかなる媒体も含むことができるが、これらに限定ではなく、本明細書で使用するディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(CD:compact disc)、レーザディスク(laser disc)、光ディスク(optical disc)、デジタル多用途ディスク(DVD:digital versatile disc)、フロッピー(登録商標)ディスク(floppy disk)、およびブルーレイディスク(blu-ray(登録商標) disc)を含み、ディスク(disk)は通常磁気的にデータを再生し、ディスク(disc)はレーザを使用して光学的にデータを再生する。上記のものの組合せもまた、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0042】
コンピュータ可読媒体上に記憶することに加えて、命令および/またはデータは、通信装置に含まれる伝送媒体上の信号として提供することができる。たとえば、通信装置は、命令およびデータを示す信号を有するトランシーバを含むことができる。命令およびデータは、1つまたは複数のプロセッサに特許請求の範囲に概要を示す機能を実行させるように構成される。すなわち、通信装置は、開示の機能を実行するための情報を示す信号を有する送信媒体を含む。第1に、通信装置に含まれる送信媒体は、開示の機能を行うための情報の第1の部分を含むことができ、第2に、通信装置に含まれる送信媒体は、開示の機能を行うための情報の第2の部分を含むことができる。
【0043】
当業者が本開示を作成するまたは利用することができるように、開示した実施形態の前述の説明を提供する。これらの態様への様々な変更形態が当業者には容易に理解されることとなり、本明細書で定義した一般的な原理は、本開示の趣旨または範囲を逸脱することなく他の態様に適用され得る。
【符号の説明】
【0044】
100 ARデバイス
200 モバイルデバイス
300 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図16