(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記移行指令信号が、(B)も引き起こさずに、かつ(C)も引き起こさずに、(A)を引き起こすことによって、前記目的を達成するように構成されている、請求項1に記載の装置。
前記移行指令信号が、(A)も引き起こさずに、かつ(C)も引き起こさずに、(B)を引き起こすことによって、前記目的を達成するように構成されている、請求項1に記載の装置。
前記移行指令信号が、(A)も引き起こさずに、かつ(B)も引き起こさずに、(C)を引き起こすことによって、前記目的を達成するように構成されている、請求項1に記載の装置。
前記移行指令信号が、少なくとも(A)を引き起こすことによって、前記目的を達成するように構成され、前記コントローラが、前記コードによって、前記第1の段階の前記第1の予測される流速と前記第2の段階の前記第2の予測される流速との間の前記差分に基づいて、前記代替の流れ制御デバイス位置をさらに決定するようにプログラムされている、請求項1、2、3、または6のいずれかに記載の装置。
前記コントローラが、コードによって、前記第1の段階の前記第1の予測される流速と前記第2の段階の前記第2の予測される流速との間の前記差分に基づいて、前記代替の流れ制御デバイス位置をさらに決定するようにプログラムされていることが、
前記コントローラによって、前記第1の段階の前記第1の予測される流速と前記第2の段階の前記第2の予測される流速との間の差分値を決定することと、
前記差分値との線形関係に従って、前記第1の段階の終わりまたはその辺りで流れ制御デバイス位置を修正することによって、前記代替の流れ制御デバイス位置を決定することと、を含む、請求項7に記載の装置。
前記移行指令信号が、少なくとも(A)を引き起こすことによって、前記目的を達成するように構成され、前記コントローラが、前記金属の鋳造のための比例−積分−微分(PID)アルゴリズムを含む、PIDコントローラである、請求項1、2、3、6、7、または8のいずれかに記載の装置。
前記移行指令信号が、少なくとも(B)を引き起こすことによって、前記目的を達成するように構成され、前記装置が、前記鋳型と連結され、かつ前記鋳型を前記導管に対して上昇させることまたは下降させることのうちの少なくとも一方を行うように構成された1つ以上のアクチュエータをさらに備える、請求項1、2、または4のいずれかに記載の装置。
前記移行指令信号が、少なくとも(B)を引き起こすことによって、前記目的を達成するように構成され、前記鋳型の前記並進が、オーバーシュートを軽減するように、前記鋳型を上昇させて前記鋳型と前記導管との間の高さを減少させることを含む、請求項1、2、4、または10のいずれかに記載の装置。
前記移行指令信号が、少なくとも(C)を引き起こすことによって、前記目的を達成するように構成され、前記装置が、(i)前記導管から下方への移動のために、および(ii)前記鋳型に送達される前記溶融金属によって形成されたインゴットを支持するために構成された底部ブロックをさらに備え、前記鋳造速度が、前記底部ブロックが前記導管から下方に移動する速度を含む、請求項1、2、または5のいずれかに記載の装置。
前記移行指令信号が、少なくとも(C)を引き起こすことによって、前記目的を達成するように構成され、前記移行時間でまたはその辺りでの鋳造速度の変更が、オーバーシュートを軽減するように、前記移行時間でまたはその辺りで前記鋳造速度を前記第2の段階中よりも大きくさせることを含む、請求項1、2、5、または12のいずれかに記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の例の主題は、法定要件を満たすために、限定的に本明細書に記載されるが、この説明は必ずしも特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求される主題は、他の方法で具体化されてもよく、異なる要素またはステップを含んでいてもよく、他の既存または将来の技術と一緒に使用されてもよい。この説明は、個々のステップの順序または要素の配置が明示的に記載されている場合を除いて、様々なステップまたは要素の間(3つ以上の間または2つの間)に任意の特定の順序または配置を意味するものと解釈されるべきではない。
【0017】
図1は、鋳造動作の終わりにおける直立型直接チル鋳造装置10の単純化された概略縦断面図である。場合によっては、開示される方法およびシステムは、連続鋳造プロセスと共に使用することができる。
図1を参照すると、装置は、上面図において長方形で環状の形態が好ましいが、随意に、円形または他の形状の直接チル鋳造鋳型11と、最初は鋳型11の下端部14を閉じて封止する上側位置から、鋳造インゴット15を支持する(図示される)下側位置まで、鋳造動作中に、適切な支持手段(図示せず)によって段階的に垂直下方に移動される、底部ブロック12と、を含む。インゴットは、垂直中空注ぎ口18または同等の金属供給機構を通して溶融金属を鋳型の上端部16の中へ導入する一方で、底部ブロック12をゆっくりと下降させることによって、鋳造動作において製造される。溶融金属19は、鋳型11の上側に水平チャネルを形成する注湯機20または他のデバイスを介して、金属溶融炉(図示せず)から注ぎ口18に供給される。
【0018】
注ぎ口18は、注ぎ口を通した溶融金属の流れを調節し、停止させることができる、制御ピン21の下端部を取り囲む。一実施例では、ピン21の遠位端部を形成するセラミックプラグなどのプラグを注ぎ口18の先細内部チャネル内で受け取り、よって、ピン21が上昇すると、プラグと注ぎ口18の開端部との間の面積が増加し、したがって、溶融金属がプラグの周りを流れ、注ぎ口18の下側先端部17から流れ出ることを可能にする。したがって、溶融金属の流れおよび流速は、制御ピン21を適切に上昇または下降させることによって正確に制御され得る。鋳型内への溶融金属の流れの制御のために、任意の所望の構造または機構が使用され得る。便宜上、「導管」、「制御ピン」、および導管に対する制御ピンの位置を制御する「指令信号」という用語は、本文書において、コントローラからの指令信号によって鋳型内への溶融金属の流れまたは流速を調節することができる、ピン/制御ピンに限定されない、任意の機構または構造を指すために利用され、したがって、鋳型の中への溶融金属の流れまたは流速を調節するために制御ピンのポジショナに指令信号を提供することに対する、(特許請求の範囲を含む)本文書における参照は、あらゆる様式で、あらゆる構造または機構を使用して、鋳型内への溶融金属の流れまたは流速を制御するために、あらゆるタイプのアクチュエータに指令信号を提供することを意味することが理解されるであろう。
【0019】
図1で示される構造において、制御ピン21は、注ぎ口18から上方に延在する上側端部22を有する。上側端部22は、注ぎ口18を通した溶融金属の流れを調節するかまたは停止させるために、必要に応じて、制御ピン21を上昇または下降させる制御アーム23に枢動可能に取り付けられる。鋳造について、注湯機20および注ぎ口18は、溶融金属の跳ね返りおよび内部の乱流を回避するために、注ぎ口18の下側先端部17を、初期のインゴットの中にプール24を形成している溶融金属の中へ浸漬することを可能にするのに十分なだけ下降される。これは、酸化物の形成を最小にし、新鮮な溶融金属を鋳型11の中へ導入する。先端部にはまた、鋳型11に進入するときに溶融金属を分配および濾過するのを補助する金属メッシュ生地の形態で分配バッグ(図示せず)も提供され得る。鋳造が完了すると、制御ピン21が下側位置まで移動し、そこでは、制御ピンが注ぎ口18をブロックし、溶融金属が注ぎ口18を通過することを完全に防止し、それによって、鋳型11の中への溶融金属の流れを停止させる。このときに、底部ブロック12は、それ以上下降しないか、またはさらに少量だけ下降し、新しく鋳造されたインゴット15は、その上側端部がまだ鋳型11の中にある状態で、底部ブロック12によって支持される所定の位置に留まる。このとき、注湯機20を上昇させてインゴットの頭部から注ぎ口18を引き出す。
【0020】
装置10は、金属レベルセンサ50を含むことができる。場合によっては、金属レベルセンサ50の構造および動作は従来通りである。センサ50の他の非限定的な選択肢としては、フロートおよびトランスデューサ、レーザセンサ、または溶融金属を収容するための所望の特性を有する別の種類の固定もしくは可動流体レベルセンサが挙げられる。空洞充填動作中には、センサ50から得られた情報をコントローラ52に送ることができる。コントローラ52は、他のデータの中でもセンサ50から得られたデータを使用して、金属が鋳型11の中へ流れて部分的な空洞を充填し得るように、いつ制御ピン21をアクチュエータ54によって上昇および/または下降させるのか、すなわち、いつ所定の空洞の深さが所定の限度に到達したのかを決定することができる。したがって、センサ50およびアクチュエータ54は、
図1で示されるように、コントローラ52と連結されて、センサ50からの情報を、アクチュエータ54の制御下で制御ピン21を位置決めすることに関して使用し、それによって、鋳型11の中への金属の流れおよび/または流速を制御することを可能にする。様々な実施例では、コントローラ52は、比例‐積分‐微分(PID)コントローラであるが、それは、従来のPIDコントローラであり得、または所望に応じてデジタル的かつプログラム可能に実現されるPIDコントローラであり得る。
【0021】
図2は、コントローラ210の実施例であり、このコントローラは、従来のコンピュータ構成要素を使用してデジタル的かつプログラム可能に実現され、また、そのような例のプロセスを実行するために特定の実施例(例えば、
図1に示されるような機器を含む)に関して使用され得る。コントローラ210は、プロセッサ212を含み、このプロセッサは、コントローラ210に、データを受け取らせ、処理させ、そして、
図1で示されるような機器の構成要素のアクションを行わせ、かつ/または制御させるように、メモリ218の中の有形のコンピュータ読み出し可能な媒体(または他の媒体の中でも特にサーバ上またはクラウドの中のポータブル媒体などの他の場所)に記憶されたコードを実行することができる。コントローラ210は、工業装置を制御するなどのアクションを行うために、データを処理し、1組の命令であるコードを実行することができる、任意のデバイスであり得る。非限定的な例として、コントローラ210は、デジタル的かつプログラム可能に実装されるPIDコントローラ、プログラム可能な論理コントローラ、マイクロプロセッサ、サーバ、デスクトップもしくはラップトップ型パーソナルコンピュータ、ハンドヘルドコンピューティングデバイス、およびモバイルデバイスの形態をとることができる。
【0022】
プロセッサ212の例としては、任意の所望の処理回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理、状態機械、または他の適切な回路が挙げられる。プロセッサ212は、1つのプロセッサまたは任意の数のプロセッサを含み得る。プロセッサ212は、バス214を介して、メモリ218に記憶されたコードにアクセスすることができる。メモリ218は、コードを実体的に具現化するように構成された任意の非一時的なコンピュータ読み出し可能な媒体であり得、電子、磁気、または光デバイスが挙げられる。メモリ218の例としては、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、フラッシュメモリ、フロッピーディスク、コンパクトディスク、デジタルビデオデバイス、磁気ディスク、ASIC、構成されたプロセッサ、または他の記憶デバイスが挙げられる。
【0023】
命令は、実行可能コードとして、メモリ218またはプロセッサ212に記憶することができる。命令としては、任意の適切なコンピュータプログラミング言語で書かれたコードから、コンパイラおよび/またはインタプリタによって生成されるプロセッサ固有の命令が挙げられる。命令は、一連の設定点、鋳造プロセスのためのパラメータ、およびプログラムされたステップを含むアプリケーションの形態をとることができ、このアプリケーションは、プロセッサ212によって実行されたときに、鋳型11の中への溶融金属の流れおよび/または流速を制御するための、
図1で示される装置の中のアクチュエータ54を制御し、それによって、注ぎ口18の中のピン21の位置を制御するために、コントローラ210に入力され得る金属レベル設定点および他の鋳造関連のパラメータと組み合わせて、センサ50からの溶融金属レベルのフィードバック情報などを使用することによって、コントローラ210が鋳型の中への金属の流れを制御することを可能にする。
【0024】
コントローラ210は、入力/出力(I/O)インターフェース216を含み、このインターフェースを通して、コントローラ210は、センサ50、アクチュエータ54、および/または他の鋳型装置の構成要素を含む、コントローラ210の外部のデバイスおよびシステムと通信することができる。インターフェース216はまた、所望であれば、他の外部ソースから入力データを受け取ることができる。そのようなソースとしては、コントロールパネル、他のヒューマン/マシンインターフェース、コンピュータ、サーバ、または例えば、その性能および動作を制御するために命令およびパラメータをコントローラ210に送ることができ、本発明に開示されるある特定の実施例のプロセスなどに関して鋳型の中への金属の流れを制御するためにアプリケーションにおいてコントローラ210が命令を実行することを可能にする、そのようなアプリケーションのプログラミングを記憶し、促進することができる他の機器、および
図1の鋳型11などの鋳型の動作を制御するためにその機能を実行する際にコントローラ210に必要なまたは有用なデータの他のソースが挙げられる。そのようなデータは、ネットワークを介して、ハードワイヤを介して、無線で、バスを介して、または所望に応じて他の方法で、I/Oインターフェース216に通信することができる。
【0025】
図3は、従来の制御方法に従って行われる1つの直接チルアルミニウム鋳造プロセスの金属レベル制御傾向グラフを示す。このグラフは、実際の金属レベル(数字310)、金属レベル設定点(312)、および(例えば、コントローラ52のPIDアルゴリズムからの)ピンポジショナへの指令(314)を示す。実際の金属レベル310と金属レベル設定点312はこのグラフでは、同じ垂直スケールを共有しているが、ピンポジショナへの指令314は、異なる垂直スケール上にあるが、見やすくするために同じ水平時間スケール上に重ねられている。
【0026】
図3に示す例では、金属レベル設定点312は、鋳造方式に従って経時的に可変である。鋳造方式は、4つの段階を有するように示されているが、他の任意の数の2つ以上の段階が利用され得る。段階は、流速要求が異なる鋳造プロセスの部分に対応する。例えば、
図1および
図3の両方を参照すると、段階1は、溶融金属が鋳型11を充填し始めたときの鋳造の始まりからプラテンまたは底部ブロック12がT1へ下方に移動し始めるまでの時間期間T0に対応し得る一方、段階2は、プラテンまたは底部ブロック12が安定して下方へ移動してインゴットを形成している時間期間に対応し得る。そのような状況では、底部ブロック12が下方へ移動し始める前に段階1で適用可能な金属流速は、底部ブロック12が下方へ移動し始めた後で段階2で適用可能な金属流速よりも高くなり得る。結果として、2つの段階の間の移行において過剰な金属が導入され、移行点または時間T1に続く
図3に示されるように、実際の金属レベル310と金属レベル設定点312との間にかなりの差分が生じ、そこでは、PIDまたは他のアルゴリズムが、レベルをもう一度収束させるのに十分にピン位置を調整するのに十分に応答する前に、実際の金属レベル310の金属レベル設定点312を上回るオーバーシュートの膨らみが見られる場合がある。そのようなオーバーシュートは、場合によっては、鋳造全体の中段を引き起こすのに十分な大きさである設定点からの逸脱をもたらす可能性がある。
【0027】
オーバーシュートの別の例は、
図3の段階2と段階3との間のT2において理解され得る。段階3は、例えば、改善されたインゴット品質を取得するために、より低いヘッドレベルで運転するためになど、鋳造の後の段階で行われ得るように、金属レベル設定点312の下向きの傾斜として示される。したがって、金属レベルがかなり安定して維持されるときに段階2で適用可能な金属流速は、金属レベルが漸減しているときに段階3で適用可能な金属流速よりも高い可能性がある。結果として、2つの段階の間の移行において過剰な金属が導入され、移行点または時間T2に続く
図3に示されるように、金属レベル設定点312を急激に上回る実際の金属レベル310のかなりの差分が生じ、そこでは、実際の金属レベル310は、PIDまたは他のアルゴリズムが、レベルをもう一度収束させるのに十分にピン位置を調整するのに十分に応答する前に、金属レベル設定点312にわたってオーバーシュートの膨らみを形成する(T1よりも顕著でない)。
【0028】
アンダーシュートの例は、
図3のT3で理解され得る。段階4は、別の段階として示され、この段階では、段階3の下向きの傾斜に続いて金属レベルが維持され、例えば、鋳型11との接触を維持するのに十分な継続的なレベルにヘッドレベルを維持することで、プール24の中の溶融金属を十分に冷却して凝固させて、鋳型11の下端に沿った溶融金属のブリードアウトを防止する。したがって、金属レベルが漸減しているときに段階3で適用可能な金属流速は、金属レベルが平らになったときに段階4で適用可能な金属流速よりも低くなり得る。結果として、段階3および段階4の2つの段階の間の移行において不十分な量の金属が導入され、移行点または時間T3に続く
図3に示されるように、金属レベル設定点312を下回る実際の金属レベル310のかなりの差分が生じ、そこでは、PIDまたは他のアルゴリズムがレベルをもう一度収束させるのに十分にピン位置を調整して十分に応答する前に、実際の金属レベル310の金属レベル設定点312を下回るアンダーシュートの膨らみが見られる場合がある。アンダーシュートはまた、金属レベル設定点が安定したレベルから漸増しているシナリオ(図示せず)においても起こる可能性があり、というのもこれはまた、直後の段階よりも低い金属の流速要求を有するより早い段階をもたらすためである。
【0029】
これとは対照的に、
図4は、本開示の様々な実施例に従って行われるプロセスに関する金属レベル制御傾向である。
図3と同様に、
図4は、実際の金属レベル(数字410)、金属レベル設定点(412)、および(例えば、コントローラ52のPIDアルゴリズムからの)ピンポジショナへの指令(414)を示す。理解され得るように、
図4に示される金属レベル設定点(412)は、
図3の金属レベル設定点312と同じ鋳造方式に従うが、ピンポジショナ414への指令は、段階間の移行でオーバーシュートおよび/またはアンダーシュートを最小にする異なる技術に従って実施される。
【0030】
鋳造方式は、予め決定されているので、他の場合に起こり得るアンダーシュートまたはオーバーシュートを軽減するために予測的に利用することができる。例えば、移行点または時間T1において、PIDまたは他のアルゴリズムの自動動作を連続的に実行させ、最終的に、
図3のようにかなりのオーバーシュートの後に収束を引き起こすのではなく、移行点または時間T1の間に(例えばコントローラ52によって)代替のピン位置を提供することができる。場合によっては、これは、特定の単一スキャンまたはPIDアルゴリズムの計算の結果として提供されたものの代わりに、ピン位置を代替することに対応し得る。例えば、PIDアルゴリズム更新のための典型的なサイクルタイムは、0.1〜0.5秒ごとであり得る。そのため、様々な実施例において、PIDまたは他の自動制御アルゴリズムは、同様の短いウィンドウに対して中断され得る。
【0031】
代替のピン位置の値は、次の段階で必要とされるであろう金属の流速要求の予測される値に対応し得る。いくつかの実施例では、代替のピン位置の値を取得するために、連続した段階の予測される金属の流速要求間の線形関係を利用することができる。例えば、段階2の予測される流速要求が段階1の予測される流速要求よりも25%だけ低い場合、代替のピン位置の値は、段階1の終わりにおけるピン位置の値よりも25%だけ低いように選択されてもよい。グラフ的には、
図4において、他の場合には段階1の終わりに導入されていたであろうピン位置の代わりに、418で導入されている新たな減少されるピン位置として、T1においてそのような代替が表される。いくつかの実施例では、代替のピン位置は、ピン位置が段階1の終わりにあるべきと予期されることについて、予測の開始点に少なくとも部分的に基づいて計算され得る。加えてまたは代わりに、代替のピン位置は、段階1の終わりまたはその付近で検出された実際のピン位置に少なくとも部分的に基づいて計算され得る。
【0032】
T1で代替されるピン位置418を導入した後、PIDまたは他のアルゴリズムは、段階2で再開してもよい。アルゴリズムは「バンプレス」方式で進み、418において、代替されるピン位置を基準点として使用し、そこからアクチュエータ54への指令信号の後続のピン位置を決定してもよい。代替されるピン位置を導入した結果として、PIDまたは他のアルゴリズムは、それに応じて、
図3に示される配置におけるよりもはるかに速く段階間の移行に応答し、結果として、オーバーシュートを減少または除去し、例えば、
図3のT1に続く実際の金属の線310(例えば、その実質的なオーバーシュートの膨らみを有する)を
図4のT1に続く実際の金属の線410(例えば、オーバーシュートが比較的劇的に減少および/または除去される)と比較することによって理解され得る。
【0033】
同様の代替420および422が、
図4のT2およびT3に示されている。代替420は代替のピン位置418と同様であるがそれよりも小さいピン位置の低下であり、というのも、T2は、前の段階からのオーバーシュートの危険性が後の段階のそれよりも高い流速要求を有するという、それほど激しくない場合を含むためである。対照的に、代替のピン位置422は、ピン位置の上昇に対応し、というのも、T3は、後の段階よりも流速要求が低い前の段階からのアンダーシュートの危険性がある場合を含むためである。それぞれの代替420および422のいずれかまたは両方を導入した結果として、PIDまたは他のアルゴリズムは、それに応じて、段階間のそれぞれの移行に応答して、
図3に示される配置におけるよりもはるかに速く応答し、結果として、それぞれのオーバーシュートおよび/またはアンダーシュートを減少または除去し、例えば、
図3のT2に続く実際の金属の線310(例えば、その緩やかではあるが有意なオーバーシュートの膨らみを有する)を、
図4のT2に続く実際の金属の線410(例えば、この場合、オーバーシュートは比較的劇的に減少および/または除去される)と比較することによって、および/または
図3のT3に続く実際の金属の線310(例えば、その実質的なアンダーシュートの膨らみを有する)を
図4のT3に続く実際の金属の線410(例えば、この場合、アンダーシュートが比較的劇的に減少および/または除去される)と比較することによって、理解され得る。
【0034】
図3〜
図4は、特定の鋳造方式によるあるプロセスに関するものであるが、必ずしも他の特定の例を表すものではない。プロセスを、
図5に関してより一般的に説明する。
【0035】
図5は、様々な実施例による、金属レベル送達制御の方法500を図示するフロー図である。方法500における様々な動作は、コントローラ52および/または上述の他の要素によって実施することができる。
【0036】
510において、方法500は、異なる流速要求で段階間の移行を有する鋳造方式のための金属レベル設定点に関する入力を得ることを含む。金属レベル設定点は、鋳造方式に従って経時的に可変であり得る。異なる流速要求を有する段階は、第2の段階の第2の予測される流速とは異なる第1の予測される流速を有する第1の段階に対応し得る。明確にするために、本明細書で使用される「第1の段階」および「第2の段階」という用語は、いくつかの実施例ではそれぞれ適切に
図3〜4で説明された段階1および段階2を指すことがあるが、用語はこれらに限定されず、他の例を含むがこれらに限定されない異なる流速を有する移行によって分離された任意の2つの段階を指すことがあり、例えば、第1の段階が段階2であり、第2の段階が段階3であるか、または第1の段階が段階3であり、第2の段階が段階4であるか、または第1の段階が
図3〜4には具体的に示されていない1つの段階であり、第2の段階が
図3〜4には具体的には示されていない別の段階であり、他も場合もまた同様である。方式は、加えてまたは代わりに、水流または鋳造速度などのパラメータを含み得る。移行は、離散的な時点(例えば、第1の段階が終わり、第2の段階が始まる時点)、または特定の時間範囲(例えば、第1の段階の終わりと第2の段階の始まりとの間の時間)に対応し得る。
【0037】
520において、方法500は、検出された金属レベルを取得することを含む。例えば、これは、
図1に関して上述したように、検出された金属レベルの形態で、コントローラに連結され、鋳型内の溶融金属のレベルを感知するように構成されたレベルセンサから、入力を取得することに対応し得る。いくつかの実施例では、金属レベルセンサから検出された金属レベルは、0.1秒、0.5秒ごとに、または別の間隔に従ってピン位置設定点を再計算することを含む反復プロセスにおいて、PIDアルゴリズムによって使用される。
【0038】
530において、方法500は、金属レベル設定点および検出された金属レベルに基づいて、第1の段階においてピン位置を自動的に制御すること(または別の流れ制御デバイスの他の調整)を含む。これは、PIDまたは他のアルゴリズムに従ってピン位置を制御することに対応し得る。
【0039】
540において、方法500は、第1および第2の段階の流速要求間の差分に基づいて、代替のピン位置の値を決定すること(または別の流れ制御デバイスの他の調整)を含む。いくつかの実施例では、これは、第1の段階の第1の予測される流速と第2の段階の第2の予測される流速との間の差分値を決定することと、次いで差分値との線形関係に従って第1の段階の終わりまたはその付近でピン位置を修正することによって、代替のピン位置の値を決定することと、を含み得る。いくつかの実施例では、代替のピン位置の値を決定することは、第1の段階の第1の予測される流速と第2の段階の第2の予測される流速との間の差分の百分率を決定することと、次いで代替のピン位置の値を取得するために、その百分率の差分によって、第1の段階の終わりまたはその付近でピン位置を修正することと、を含む。いくつかの実施例では、流速は、以下の式に従って決定され得る:流速=[鋳造速度+金属レベル傾斜速度]×鋳型表面積(例えば、式中、流速は、毎分立方ミリメートル(mm
3/分)であり、鋳造速度および金属レベル傾斜度は、毎分ミリメートル(mm/分)であり、鋳型表面積は、平方ミリメートル(mm
2)である)。
【0040】
550において、方法500は、移行のための代替のピン位置の値を提供することを含む。いくつかの実施例では、これは、金属レベルセンサからの単一のスキャンの結果として、指令信号内に出力された単一のピン位置を代替することを含み得る。いくつかの実施例では、金属レベルセンサの複数のスキャンに基づいて生成されたはずの複数の値の代わりに、代替のピン位置の値を導入してもよい。いくつかの実施例では、代替のピン位置の値は、単一または複数のスキャンの持続期間などの特定の時間の量にわたって、またはインゴットおよび/または鋳造プロセスの特性またはパラメータに悪影響を及ぼすことなく、PIDまたは他のアルゴリズムによる自動制御を中断することが所望であるかまたは許容可能である最大の時間の量に対応する特定の時間期間にわたって、導入され得る。いくつかの実施例では、代替のピン位置の値は、移行時間内に制御ピンを代替のピン位置へ移動させる移行指令信号により導入され得る。例えば、検出された金属レベルおよび金属レベル設定点に基づく自動制御は、移行点における代替のピン位置の値を提供することによって、0.5秒未満の間中断され得る。
【0041】
さらに、代替のピン位置は、第1の段階でまたはその付近でおよび第1の段階の終わりで、予測または検出されるピン位置の値よりも高いかまたは低い値に対応し得る。いくつかの実施例では、第1の段階の第1の予測される流速は、第2の段階の第2の予測される流速よりも大きい。そのような場合、移行点におけるピン位置の代替のピン位置の値を提供することは、オーバーシュートを軽減し得る。いくつかの実施例では、第1の段階の第1の予測される流速は、第2の段階の第2の予測される流速よりも小さい。そのような場合、移行点におけるピン位置の代替のピン位置の値を提供することは、アンダーシュートを軽減し得る。
【0042】
560において、方法500は、金属レベル設定点および検出された金属レベルに基づいて、第2の段階におけるピン位置を自動的に制御することを含む。これは、PIDまたは他のアルゴリズムに従ってピン位置を制御することに対応し得る。いくつかの実施例では、制御は、例えば、代替のピン位置の値を差し挟むために自動アルゴリズムを一時的に中断しない、他の場合に起こる可能性のあるアンダーシュートまたはオーバーシュートを軽減するために、制御が代替のピン位置の値から継続するスムーズまたはバンプレス方式で移行し得る。
【0043】
前述の説明の多くは、オーバーシュートおよび/またはアンダーシュートを軽減するためのピン位置の代替を含む技法を参照しているが、オーバーシュートおよび/またはアンダーシュートを軽減するために本明細書に記載の他の技法を同様に利用してもよい。例えば、これらの他の技術(個々にまたは互いに組み合わせておよび/またはピン位置の代替を含む技法と共に)を利用して、(例えば、
図4に関して、またそこにおいて、オーバーシュートおよび/またはアンダーシュートの影響が実際の金属レベル310および金属レベル設定点312に関してより容易に明らかである、
図3の結果と比較すると、実際の金属レベル410と金属レベル設定点412との間でより大きな一致があるような)上述したものと同様の結果を取得することができる。代替のピン位置のプログラミングを含む技法と同様に、これらの他の様々な技法はまた、所定の鋳造方式を予測的に利用して、アンダーシュートまたはオーバーシュートを軽減することができるが、いくつかのシナリオでは、これらの他の技術は必ずしも所定の鋳造方式を予測的に利用することなくアンダーシュートまたはオーバーシュートを軽減することができる。これらの他の技法は互いに、および/または代替のピン位置のプログラミングを含む技術と共に実践され得るが、これらの他の技法を最初に以下に個々に説明する。
【0044】
ある代わりの技法では、鋳型位置を変化させて、他の場合に起こり得るアンダーシュートまたはオーバーシュートを軽減することができる。これは、鋳造方式における移行点または移行時間での、またはその付近でなどの、鋳型の上昇、下降、または他の並進を必要とし得る。多くのシナリオでは、アンダーシュートまたはオーバーシュートを軽減するために、比較的少量の並進が効果的なことがある。例示的な実施例として、5mm〜15mmの並進は、様々なシナリオにおけるアンダーシュートまたはオーバーシュートを軽減し得るが、より大きい、より小さい、および/または介在値を含む他の値を使用してもよい。
【0045】
鋳型の並進は、適切な構成要素の使用によって達成され得る。例えば、
図1を再び参照すると、鋳型11は、鋳型11を上昇または下降させることができる鋳型移動装置13と連結されて示されている。
図1の鋳型移動装置13は、スクリューアクチュエータが上下に移動して、鋳型11の垂直位置を変化させることができるねじ付きシャフトを有するように描かれているが、加えてにまたは代わりに、他の形態のリニアアクチュエータまたは他のアクチュエータを利用してもよい。加えて、
図1の鋳型移動装置13は、鋳型11の上面、底面、および側面に取り付けられているように示されているが、鋳型移動装置13は、鋳型11の任意の部分と連結されるか、または他の方法で鋳型11の移動を容易にする方法で支持するための任意の適切な構造を含み得る。
【0046】
鋳型11の並進は、鋳型11と、鋳型11に対して溶融金属19を供給する導管の一部(例えば、注湯機20)との間の高さを変化させ得る。多くの場合、金属レベル設定点(例えば、
図4の金属レベル設定点412)および/または実際のまたは検出された金属レベル(例えば、
図4の実際の金属レベル410)は、鋳型11(
図1)に対して考慮される。したがって、例えば、湧き上がる溶融金属が鋳型11内に流れている間に鋳型11を上昇させると、絶対座標系に対して鋳型11および溶融金属レベルが共に上昇する結果として、鋳型11内の溶融金属レベルを(例えば、鋳型11に対してほぼ同じ位置に)安定させたままにすることができる。
【0047】
任意の適切な技法を実施して、鋳型11の移動が他の値に及ぼし得る影響を説明することができる。例えば、金属レベルセンサ50が鋳型11に直接取り付けられていないか、または他の方法で鋳型11の移動に比例して移動するように配置されていない場合、鋳型11に対する金属レベルは、鋳型11の移動量に関する情報(例えば、鋳型移動装置13または鋳型11の移動を検出することができる他の要素との間で送受信される情報)に基づいて、そのようなセンサによって検出された溶融金属までの距離を得ることによって、またその検出された値を調整することによって計算して、鋳型11に対する金属レベルの総計または全体の値を取得してもよい。代わりに、金属レベルセンサ50は、鋳型11に直接取り付けられるか、もしくは鋳型11の移動に比例して移動するように配置されたフロートセンサ、または他の様々なセンサを含む場合、鋳型11に対する実際の金属レベルを取得するための計算を介在させることは、不要な場合もあれば、非常に単純化されている場合もある。
【0048】
実践では、様々な場合において、移行時間またはその付近で鋳型11を上昇させると、オーバーシュートを減少または除去することができる。例えば、
図4の移行時間T1に関して、流速要件が段階1におけるより高い流速要件から段階2におけるより低い流速要件への低下の形態で変化するにつれて、過剰な溶融金属が、段階2のより低い流速要件に必要な量を上回りかつそれを超えて、導入される可能性がある。鋳型11が移動されない場合(例えば、T1の開始直後の
図3のように)、そのような過剰な溶融金属は、オーバーシュートする可能性があるが、鋳型11を上昇させると、代わりに、過剰な溶融金属が鋳型11の上昇により新たに露出する空間を充填するように機能させることができる。換言すれば、鋳型11を上昇させることは、過剰な溶融金属が占める追加の空間を提供することができ、そのため鋳型11を上昇させずに過剰な溶融金属を導入した場合よりも、鋳型11に対する溶融金属レベルの変動が小さい。例えば、移行時間T1またはその付近で鋳型11を上昇させると、
図3(この図では、実際の金属レベル310が、T1に続いて金属レベル設定点312を実質的に上回って膨らむときに顕著なオーバーシュートが認識できる)に示されるような結果ではなく、
図4(この図では、実際の金属レベル410が金属レベル設定点412にかなり近いままである)に示されるような結果が生じる可能性がある。
【0049】
様々なシナリオでは、移行時間に関連するオーバーシュートを、鋳型11の関連する後続の下降も実施せずに鋳型11を上昇させることによって軽減することができる。例えば、上昇している鋳型11は、ある段階から次の段階への流速要件の低下からの過剰な溶融金属を考慮することができ、そのためより低い流速要件での安定した動作が、上昇したレベルで鋳型11を用いて継続され得る。
【0050】
実践では、様々な場合において、移行時間またはその付近で鋳型11を下降させると、アンダーシュートを減少または除去することができる。例えば、
図4の移行時間T3に関して、流速要件が段階3の低い流速要件から段階4の高い流速要件への増加の形態で変化するにつれて、段階4のより高い流速要件に必要な量を満たすのに十分でない溶融金属の不十分な供給が導入される可能性がある。鋳型11が移動されない場合(例えば、T3の開始直後の
図3のように)、このような溶融金属の不足はアンダーシュートになる可能性があるが、鋳型11を下降させると、代わりに、鋳型11内の金属によってまだ占められていない空間の量を減少させ、鋳型11を下降させることによって、新たに小さくなった残りの空間を比較的少量の溶融金属で十分に充填することを可能にすることができる。換言すれば、鋳型11を下降させることにより、過小量の溶融金属が占める必要のある空間の量を減少させることができ、そのため鋳型11を下降させることなく、過少量の溶融金属を導入した場合よりも、鋳型11に対する溶融金属レベルの変動が小さい。例えば、移行時間T3またはその付近で鋳型11を下降させると、
図3(この図では、実際の金属レベル310が、T3に続いて金属レベル設定点312を実質的に下回って膨らむときに顕著なアンダーシュートが認識できる)に示されるような結果ではなく、
図4(この図では、実際の金属レベル410が金属レベル設定点412にかなり近いままである)に示されるような結果が生じる可能性がある。
【0051】
様々なシナリオでは、移行時間に関連するアンダーシュートは、鋳型11の関連する後続の上昇も実施せずに、鋳型11を下降させることによって軽減することができる。例えば、下降している鋳型11は、ある段階から次の段階への流速要件の上昇からの過小量の溶融金属を考慮することができ、そのためより高い流速要件での安定した動作は、下降したレベルで鋳型11を用いて継続され得る。
【0052】
いくつかの態様では、アンダーシュートまたはオーバーシュートを軽減するために、所定の鋳造方式を予測的な方法で利用して、鋳型11の並進のパラメータを知らせることができる。例えば、アンダーシュートまたはオーバーシュートを軽減するための鋳型11の並進の速度または量は、第1の段階の第1の予測される流速と第2の段階の第2の予測される流速との差分値に基づいて決定することができる。例示的な一実施例として、これは、第1の段階の第1の予測される流速と第2の段階の第2の予測される流速との間の差分値を決定し、次いでその差分値を使用して、移行に起因して予測される過剰な溶融金属の予測される体積を決定し、次いで鋳型の断面の表面積および/または鋳造速度などの他の要因に基づいて、その体積を提供するであろう対応する高さを決定し、次いでその高さを使用して並進の量を知らせることを含み得る。並進の速度は、鋳造速度、流速要件、または他の要因に基づき得る。
【0053】
いくつかの態様では、アンダーシュートまたはオーバーシュートを軽減するための鋳型11の並進のパラメータは、所定の鋳造方式に直接頼ることなく予測的に決定することができる。例えば、いくつかの態様では、鋳型11の並進の速度または量は、検出された金属レベルと金属レベル設定点との間の差分値に基づいて決定される。例示的な実施例として、閉ループPIDコントローラを使用して金属レベル設定点および実際の金属レベルの形態で(例えば、金属レベルセンサ50からの)入力を受信し、鋳型11に対して溶融金属レベルを維持するために、鋳型11を並進(例えば上昇または下降)させるためのそれぞれの指令を鋳型移動装置13に提供することによって応答することができる。換言すれば、溶融金属レベルが鋳型11に対してある範囲内に維持されるように、鋳型11で検出された溶融金属レベルに応じて鋳型11を移動または並進させてもよい。例示的な実施例では、オーバーシュートが発生しているとき、鋳型はPID制御に従って上に移動し、次いでオーバーシュートがピークに達すると、鋳型はPID制御に従って下降し、それはピンがそのPID制御に従って流速を制御している間に起こるであろう。
【0054】
別の代わりの技法では、鋳造速度を変更して、他の場合に起こり得るアンダーシュートまたはオーバーシュートを軽減することができる。これは、底部ブロック12または鋳型11に送達される溶融金属19によって形成されたインゴット15を支持するための、他の構造体の移動速度を変化させることを必要とし得る。速度は、鋳造方式における移行点または移行時間またはその付近で変化し得る。多くのシナリオでは、移行に対する鋳造速度の比較的小さい調整が、アンダーシュートまたはオーバーシュートを軽減するのに効果的であり得る。例示的な実施例として、隣接する段階に対する移行における5%〜50%の低い速度変化は、様々なシナリオにおいてアンダーシュートまたはオーバーシュートを軽減し得るが、より大きい、より小さい、および/または介在値を含む他の値を使用してもよい。
【0055】
移行時間に対する鋳造速度の変更は、適切な構成要素の使用によって達成され得る。例えば、再び
図1を参照すると、所与の鋳造プロセスの詳細に従って変化させることができる制御された速度で底部ブロック12を下降させるために、任意の適切な機構を使用することができる。鋳造速度に関連付けられている速度は、底部ブロック12が鋳型11に対して溶融金属19を供給する導管(例えば、注湯機20)から下方に移動する速度に対応し得る。
【0056】
実践では、様々な場合において、移行時間またはその付近で鋳造速度を増加させることは、オーバーシュートを減少または除去することができる。例えば、
図4の移行時間T1に関して、流速要件が段階1におけるより高い流速要件から段階2におけるより低い流速要件への低下の形態で変化するにつれて、過剰な溶融金属が、段階2のより低い流速要件に必要な量を上回りかつそれを超えて、導入される可能性がある。移行時間またはその付近で鋳造速度が増加されない場合(例えば、T1の開始直後の
図3のように)、そのような過剰な溶融金属は、オーバーシュートする可能性があるが、(例えば、第1の段階の鋳造速度および/または第2の段階の鋳造速度を超えるように)移行時間またはその付近で鋳造速度を増加させると、代わりに、底部ブロック12がより速い速度で移動する結果として、過剰な溶融金属が新たに露出する空間を充填するように機能させることができる。換言すれば、移行時間またはその付近で鋳造速度を増加させることは、過剰な溶融金属が占める追加の空間を提供することができ、そのため移行時間またはその付近で鋳造速度を増加させずに過剰な溶融金属を導入した場合よりも、鋳型11に対する溶融金属レベルの変動が小さい。例えば、移行時間T1またはその付近で鋳造速度を増加させると、
図3(この図では、実際の金属レベル310が、T1に続いて金属レベル設定点312を実質的に上回って膨らむときに顕著なオーバーシュートが認識できる)に示されるような結果ではなく、
図4(この図では、実際の金属レベル410が金属レベル設定点412にかなり近いままである)に示されるような結果が生じる可能性がある。
【0057】
様々なシナリオにおいて、移行時間またはその付近で鋳造速度を増加させることは、鋳造速度の関連するその後の減少と平衡させることができる。例えば、鋳造速度が移行時間またはその付近で上昇した後、鋳造方式によって指示された鋳造速度と収束するように鋳造速度をその後下降させることができる。例示的な実施例では、鋳造速度は、移行時間のレベルの増加から方式設定点まで直線的に傾斜し得る。このような傾斜は、オーバーシュートすることなく鋳型内の溶融金属レベルを維持するために、自動制御(例えば、PIDコントローラを介して)を実施することを可能にするように、適切に緩やかな傾斜で実施されてもよい。
【0058】
実践では、様々な場合において、移行時間またはその付近で鋳造速度を減少させると、アンダーシュートを減少または除去することができる。例えば、
図4の移行時間T3に関して、流速要件が段階3の低い流速要件から段階4の高い流速要件への増加の形態で変化するにつれて、段階4のより高い流速要件に必要な量を満たすのに十分でない溶融金属の不十分な供給が導入される可能性がある。鋳造速度が移行時間でまたはその付近で低下しなかった場合(例えばT3の開始直後の
図3のように)、このような溶融金属の不足はアンダーシュートになる可能性があるが、移行時間またはその付近で鋳造速度が(例えば、第3の段階の鋳造速度および/または第4の段階の鋳造速度より小さくなるように)低下することは、代わりに、鋳型11内の金属によってまだ占有されていない量の空間が成長する速度を減少させ、移行部またはその付近での鋳造速度の減少によって、よりゆっくり成長するように作られている残りの空間を比較的少量の溶融金属で十分に充填することを可能にすることができる。換言すれば、移行部またはその付近で鋳造速度を減少させると、過小量の溶融金属が占める必要のある空間の量を減少させることができ、そのため鋳型11に対する溶融金属レベルは、移行部またはその付近で鋳造速度を減少させることなく、過小量の溶融金属を導入した場合よりも変動が少ない。例えば、移行時間T3またはその付近で鋳造速度を減少させると、
図3(この図では、実際の金属レベル310が、T3に続いて金属レベル設定点312を実質的に下回って膨らむときに顕著なアンダーシュートが認識できる)に示されるような結果ではなく、
図4(この図では、実際の金属レベル410が金属レベル設定点412にかなり近いままである)に示されるような結果が生じる可能性がある。
【0059】
様々なシナリオでは、移行時間またはその付近で鋳造速度を減少させることは、関連するその後の鋳造速度の増加と平衡させることができる。例えば、鋳造速度が移行時間またはその付近で低下または減少した後、鋳造方式によって示された鋳造速度と収束するように、鋳造速度をその後上昇または増加させてもよい。例示的な実施例では、鋳造速度は、移行時間の減少したレベルから方式設定点まで直線的に傾斜し得る。このような傾斜は、アンダーシュートすることなく鋳型内の溶融金属レベルを維持するために(例えば、PIDコントローラを介して)自動制御を実施することを可能にするように適切に緩やかな傾斜で実施されてもよい。
【0060】
いくつかの態様では、アンダーシュートまたはオーバーシュートを軽減するために、所定の鋳造方式を予測的な方法で利用して、鋳造速度の変更のパラメータを知らせることができる。例えば、アンダーシュートまたはオーバーシュートを軽減するための鋳造速度の変更の速度または量は、第1の段階の第1の予測される流速と第2の段階の第2の予測される流速との差分値に基づいて決定することができる。例示的な一実施例として、これは、第1の段階の第1の予測される流速と第2の段階の第2の予測される流速との間の差分値を決定し、次いでその差分値を使用して、移行に起因して予期される過剰な溶融金属の予測される体積を決定し、次いで鋳型の断面の表面積および/または鋳造速度などの他の要因に基づいて、その体積を提供するであろう対応する高さを決定し、次いでその高さを使用して、鋳造速度の変化の速度および持続時間を知らせて、過剰な溶融金属を収容するような体積を達成することを含み得る。例示的な実施例では、オーバーシュートまたはアンダーシュートを軽減するために適切な鋳造速度を予測し、適切な時点での鋳造速度の突然の変化として導入し、引き続いてある時間期間にわたって通常の鋳造速度に戻ってゆっくりと進行して、ピン位置PIDアルゴリズムが金属レベルの速度を追跡することを可能にすることができる。
【0061】
いくつかの態様では、アンダーシュートまたはオーバーシュートを軽減するための鋳造速度の変更のパラメータは、所定の鋳造方式に直接頼ることなく予測的に決定することができる。例えば、いくつかの態様では、鋳造速度の変更は、検出された金属レベルと金属レベル設定点との間の差分値に基づいて決定される。例示的な実施例として、PIDコントローラを使用して金属レベル設定点および実際の金属レベルの形態で(例えば、金属レベルセンサ50からの)入力を受け取り、鋳型11に対する溶融金属レベルを維持するために、底部ブロックの鋳造速度を調整するためのそれぞれの指令を提供することによって応答することができる。換言すれば、溶融金属レベルが鋳型11に対してある範囲内に維持されるように、鋳型11で検出される溶融金属レベルに応じて鋳造速度を変更させてもよい。
【0062】
図3〜
図4は、(例えば、底部ブロック12の)鋳造速度を変更すること、および/またはオーバーシュートまたはアンダーシュートを軽減するために、鋳型11を移動させることを含む技法に関する様々な例の代表として説明され、これらの図は、鋳造方式の一実施例であり、必ずしも他の特定の実施例を代表するものではない。プロセスを、
図6に関してより一般的に説明する。
【0063】
図6は、様々な実施例による、金属レベル送達制御の別の方法600を説明するフロー図である。方法600における様々な動作は、コントローラ52および/または上述の他の要素によって実施することができる。
【0064】
方法600の様々な動作は、方法500に記載されている動作と同様であり得るので、そのような説明は繰り返さない。例えば、610および620において、方法600は、方法500の動作510および520に関して上述したものと同様の動作を含み得る。
【0065】
630において、方法600は、第1の段階についての第1の段階指令信号を提供することを含む。例えば、第1の段階指令信号は、他の段階または移行に対して提供される後続の指令信号とは異なり得る。いくつかの実施例では、第1の段階指令信号は、ピン位置の自動制御(または別の流れ制御デバイスの他の調整)および/または鋳造インゴットを製造するための装置の他の要素の自動制御を提供し得る。いくつかの実施例では、第1の段階指令信号は、金属レベル設定点および検出された金属レベルに基づいて第1の段階で自動制御を提供してもよい。これは、PIDまたは他のアルゴリズムに従ってピン位置を制御することに対応し得る。いくつかの実施例では、530で上述したアクションは、630でのアクションの一例であり得る。
【0066】
640において、方法600は、移行指令信号を提供することを含む。異なる流れ要件を有する段階間の移行に関連するオーバーシュートまたはアンダーシュートを減少または除去するために、移行指令信号は第1の段階指令信号とは異なり得る。移行指令信号は、650、660、または670で示されるアクションのうちの1つ以上の効果を有し得る。例えば、いくつかのシナリオでは、移行指令信号は、650、660、および670で示される3つのアクションのうちの1つのみを引き起こし得る一方、他のシナリオでは、移行指令信号は、3つすべてまたは650、660、および670で示される3つのアクションのいくつかの他の副の組み合わせを引き起こし得る。
【0067】
図6の650に示される第1の選択肢として、移行指令信号は、代替の流れ制御デバイス位置への流れ制御デバイスの移動を引き起こし得る。例えば、これは、ピン位置の代替を含む技法に関して上述したアクションに対応してもよく、それは、動作540および550を含み得る、それらに限定されない。
【0068】
図6の660に示される第2の選択肢として、移行指令信号は、鋳型の並進を引き起こし得る。鋳型の並進は、鋳型と溶融金属を鋳型に送達する導管との間の高さを変化させることができる。非限定的な例として、660での移行指令信号は、
図1の鋳型移動装置13を制御してもよい。いくつかの実施例では、鋳型の並進は、異なる流れ要求を有する第1の段階と第2の段階との間の移行の結果として生じ得るオーバーシュートを減少するためになど、鋳型を上方に移動させることができる。いくつかの実施例では、鋳型の並進は、異なる流れ要求を有する第1の段階と第2の段階との間の移行の結果として生じ得るアンダーシュートを減少するためになど、鋳型を下方に移動させることができる。並進の速度または量は、任意の適切な基準に基づいて決定され得る。例えば、並進の速度または量は、第1の段階および第2の段階のそれぞれの予測される流速の間の差分値に基づいてもよい。加えてまたは代わりに、並進の速度または量は、検出された金属レベルと金属レベル設定点との間の差分値に基づいてもよい。
【0069】
図6の670に示される第3の選択肢として、移行指令信号は鋳造速度の変更を引き起こし得る。鋳造速度の変更は、底部ブロックまたは他の支持構造が鋳型に対しておよび/または溶融金属を鋳型に送達する導管に対して移動する速度を変化させ得る。非限定的な例として、670における移行指令信号は、
図1の底部ブロック12が移動する速度を制御し得る。いくつかの実施例では、鋳造速度の変更は、異なる流れ要求を有する第1の段階と第2の段階との間の移行の結果として生じ得るオーバーシュートを減少するためになど、鋳造速度の一時的な増加を引き起こすことができる。いくつかの実施例では、鋳造速度の変更は、異なる流れ要求を有する第1の段階と第2の段階との間の移行の結果として生じ得るアンダーシュートを低減するためになど、鋳造速度の一時的な減少を引き起こすことができる。鋳造速度の変化の大きさ(および/または変化が実施される加速度)は、任意の適切な基準に基づいて決定されてもよい。例えば、鋳造速度の変化に対する大きさおよび/または加速度は、第1の段階および第2の段階のそれぞれの予測される流速の間の差分値に基づいていてもよい。加えてまたは代わりに、鋳造速度の変化に対する大きさおよび/または加速度は、検出された金属レベルと金属レベル設定点との間の差分値に基づいてもよい。様々な実施例では、鋳造速度を変更することはまた、鋳造速度の一時的な変化に続いて鋳造方式の安定したまたはベースラインの鋳造速度への復帰または収束を実施することも含む。例えば、鋳造速度の一時的な増加に続いて、鋳造速度は、ベースラインの鋳造速度を再開するために、後続の減少を受け得、または鋳造速度は、鋳造速度の一時的な減少に続いて、ベースラインの鋳造速度を再開するために、後続の増加を受け得る。収束は、変更された鋳造速度からベースライン鋳造速度への線形傾斜シフトを含むがこれに限定されない任意の方法で実施してもよい。
【0070】
680において、方法600は、第2の段階のための第2の段階指令信号を提供することを含む。いくつかの実施例では、第2の段階指令信号は、ピン位置の自動制御(または別の流れ制御デバイスの他の調整)および/または鋳造インゴットを製造するための装置の他の要素の自動制御を提供してもよい。いくつかの実施例では、第2の段階指令信号は、金属レベル設定点および検出された金属レベルに基づいて第2の段階で自動制御を提供してもよい。これは、PIDまたは他のアルゴリズムに従って、ピン位置を制御することに対応し得る。いくつかの実施例では、560で上述したアクションは、680でのアクションの一例であり得る。一般に、680のアクションは、他の場合に発生するか、または異なる流れ要求を有する段階間の移行の結果としてより顕著になる可能性があるオーバーシュートまたはアンダーシュートを軽減するために実施される、介在移行指令信号に続く進行中の制御に対応し得る。いくつかの実施例では、移行指令信号は、0.5秒未満またはシステムの単一スキャンなどの短い時間の量にわたって、進行中の制御を中断してもよいが、いくつかの他の実施例では、移行指令信号は、より長い時間期間にわたって進行中の制御を中断または補足してもよい。
【0071】
以下の実施例は、本発明をさらに説明するのに役立つが、同時にそのいかなる限定も構成しない。それどころか、本明細書の説明を読んだ後に、本発明の趣旨から逸脱することなくそれら自体を当業者に示唆し得る様々な実施形態、変更および均等物に頼ることができることを明確に理解されたい。
【0072】
以下で使用されるように、一連の実施例へのいかなる言及も、これらの実施例のそれぞれへの言及として分離的に理解されるべきである(例えば、「実施例1〜4」は「実施例1、2、3、または4」として理解される)。
【0073】
実施例1A(本明細書の他の実施例の特徴のいずれかを組み込んでもよい)は、鋳造プロセスにおいて溶融金属を送達する方法であり、鋳型装置を提供することであって、鋳型装置が、鋳型と、溶融金属を鋳型に送達するように構成された導管であって、制御ピンによって制御可能に閉鎖される、導管と、制御ピンに連結されたポジショナと、鋳型内の溶融金属のレベルを感知するように構成されたレベルセンサと、ポジショナおよびレベルセンサに連結されたコントローラと、を含む、提供することと、少なくとも第1の段階、移行点、および第2の段階を有する鋳造方式に従って、経時的に可変である金属レベル設定点の形態で、コントローラに入力を提供することであって、第1の段階が、第2の段階の第2の予測される流速とは異なる第1の予測される流速を有し、移行点が、第1の段階が終わり第2の段階が始まる時点に対応する、提供することと、検出された金属レベルの形態で、レベルセンサからコントローラへの入力を提供することであって、第1の段階で、経時的に可変である第1のピン位置出力指令信号をコントローラからポジショナに提供することを含み、第1の段階中に制御ピンを自動的に制御して、鋳型内の溶融金属のレベルが、ほぼ金属レベル設定点である溶融金属レベル範囲内に留まるように、導管を通る溶融金属の流れまたは流速を調節するために、検出された金属レベルおよび金属レベル設定点に基づいて決定される第1の変化するピン位置を含む、提供することと、第1の段階の第1の予測される流速と第2の段階の第2の予測される流速との間の差分に基づいて、代替のピン位置の値を決定することと、移行点における第1の変化するピン位置の代わりに、代替のピン位置の値をコントローラからポジショナに提供することと、第2の段階で、経時的に可変であり、第2の段階中に制御ピンを自動的に制御するために、検出された金属レベルおよび金属レベル設定点に基づいて決定される第2の変化するピン位置を含む、第2のピン位置出力指令信号をコントローラからポジショナに提供することと、を含む。
【0074】
実施例2Aは、請求項1A(または先行もしくは後続の実施例のいずれか)に記載の方法であり、第1の段階の第1の予測される流速と第2の段階の第2の予測される流速との間の差分に基づいて、代替のピン位置の値を決定することが、コントローラによって、第1の段階の第1の予測される流速と第2の段階の第2の予測される流速との間の差分の百分率を決定することと、第1の段階の第1の予測される流速と第2の段階の第2の予測される流速との間で決定された百分率の差分によって、第1の段階の終わりまたはその付近で第1の変化するピン位置を修正することによって、代替のピン位置の値を決定することと、をさらに含む。
【0075】
実施例3Aは、請求項1A(または先行もしくは後続の実施例のいずれか)に記載の方法であり、第1の段階の第1の予測される流速が、第2の段階の第2の予測される流速よりも大きく、移行点における第1の変化するピン位置に対する代替のピン位置の値をコントローラからポジショナに提供することが、オーバーシュートを軽減する。
【0076】
実施例4Aは、請求項1A(または先行もしくは後続の実施例のいずれか)に記載の方法であり、第1の段階の第1の予測される流速が、第2の段階の第2の予測される流速よりも小さく、移行点における第1の変化するピン位置に対する代替のピン位置の値をコントローラからポジショナに提供することが、アンダーシュートを軽減する。
【0077】
実施例5Aは、請求項1A(または先行もしくは後続の実施例のいずれか)に記載の方法であり、検出された金属レベルおよび金属レベル設定点に基づく自動制御が、移行点における代替のピン位置の値を提供するために、0.5秒未満にわたって中断される。
【0078】
実施例6Aは、請求項1A(または先行もしくは後続の実施例のいずれか)に記載の方法であり、コントローラが、アルミニウムの鋳造において鋳型内の溶融金属のレベルを制御するための比例‐積分‐微分(PID)アルゴリズムを含むPIDコントローラであり、コントローラが、少なくとも1つの金属レベル設定点を受け付けるかまたは決定するように構成されている。
【0079】
実施例7A(本明細書の他の実施例の特徴のいずれかを組み込んでもよい)は、金属を鋳造するための鋳型装置であり、鋳型と、溶融金属を鋳型に送達するように構成された導管であって、流れ制御デバイスによって制御可能に閉鎖される、導管と、流れ制御デバイスに連結されたポジショナと、鋳型内の溶融金属のレベルを感知するように構成されたレベルセンサと、ポジショナおよびレベルセンサに連結されたコントローラと、を含み、コントローラが、コントローラのメモリ内の非一時的コンピュータ可読媒体に記憶されたコードを実行するように適合されたプロセッサを含み、コントローラが、コードによって、少なくとも第1の段階、移行時間、および第2の段階を有する鋳造方式に従って、経時的に可変である金属レベル設定点の形態で、入力を受け付けるかまたは決定することであって、第1の段階が、第2の段階の第2の予測される流速とは異なる第1の予測される流速を有し、移行時間が、第1の段階の終わりと第2の段階の始まりとの間の時間に対応する、受け付けるかまたは決定することと、検出された金属レベルの形態で、レベルセンサからの入力を受け付けることと、第1の段階中に流れ制御デバイスを自動的に制御して、鋳型内の溶融金属のレベルが、ほぼ金属レベル設定点である溶融金属レベル範囲内に留まるように、検出された金属レベルおよび金属レベル設定点に基づいて、導管を通る溶融金属の流れまたは流速を調節する第1の指令信号をポジショナに提供することと、第1の段階の第1の予測される流速と第2の段階の第2の予測される流速との間の差分に基づいて決定される代替の流れ制御デバイス位置への移行時間において流れ制御デバイスを移動させる移行指令信号をポジショナに提供することと、検出された金属レベルおよび金属レベル設定点に基づいて、第2の段階中に流れ制御デバイスを自動的に制御する第2の指令信号をポジショナに提供することと、を行うようにプログラムされている。
【0080】
実施例8Aは、請求項7A(または先行もしくは後続の実施例のいずれか)に記載の装置であり、コントローラが、コードによって、第1の段階の第1の予測される流速と第2の段階の第2の予測される流速との間の差分に基づいて、代替の流れ制御デバイス位置をさらに決定するようにプログラムされている。
【0081】
実施例9Aは、請求項8A(または先行もしくは後続の実施例のいずれか)に記載の装置であり、コントローラが、コードによって、第1の段階の第1の予測される流速と第2の段階の第2の予測される流速との間の差分に基づいて、代替の流れ制御デバイス位置をさらに決定するようにプログラムされていることが、コントローラによって、第1の段階の第1の予測される流速と第2の段階の第2の予測される流速との間の差分値を決定することと、差分値との線形関係に従って、第1の段階の終わりまたはその付近で流れ制御デバイス位置を修正することによって、代替の流れ制御デバイス位置を決定することと、を含む。
【0082】
実施例10Aは、請求項7A(または先行もしくは後続の実施例のいずれか)に記載の装置であり、第1の段階の第1の予測される流速が第2の段階の第2の予測される流速よりも大きい、
【0083】
実施例11Aは、請求項7A(または先行もしくは後続の実施例のいずれか)に記載の装置であり、第1の段階の第1の予測される流速が、第2の段階の第2の予測される流速よりも小さい、
【0084】
実施例12Aは、請求項7A(または先行もしくは後続の実施例のいずれか)に記載の装置であり、移行時間が、単一のプログラムスキャンに基づいて定義される。
【0085】
実施例13Aは、請求項7A(または先行もしくは後続の実施例のいずれか)に記載の装置であり、コントローラが、金属の鋳造のための比例‐積分‐微分(PID)アルゴリズムを含むPIDコントローラである。
【0086】
実施例14A(本明細書の他の実施例の特徴のいずれかを組み込んでもよい)は、鋳造プロセスにおいて溶融金属を送達する方法であり、コントローラによって、少なくとも第1の段階、移行時間、および第2の段階を有する鋳造方式に従って経時的に可変である金属レベル設定点の形態で、入力を受け付けるかまたは決定することであって、第1の段階が、第2の段階の第2の予測される流速とは異なる第1の予測される流速を有し、移行時間が、第1の段階の終わりと第2の段階の始まりとの間の時間に対応する、受け付けるかまたは決定することと、コントローラによって、コントローラに連結されて鋳型内の溶融金属のレベルを感知するように構成されたレベルセンサから、検出された金属レベルの形態で入力を受け付けることと、コントローラからの第1の指令信号を、溶融金属を鋳型に送達ように構成された導管を制御可能に閉鎖する流れ制御デバイスに連結されたポジショナに提供することであって、第1の指令信号が、第1の段階中に流れ制御デバイスを自動的に制御して、鋳型内の溶融金属のレベルが、ほぼ前記金属レベル設定点である溶融金属レベル範囲内に留まるように、検出された金属レベルおよび金属レベル設定点に基づいて、導管を通る溶融金属の流れまたは流速を調節するように構成されている、提供することと、第1の段階の第1の予測される流速と第2の段階の第2の予測される流速との間の差分に基づいて決定される、代替の流れ制御デバイス位置への移行時間において流れ制御デバイスを移動させる移行指令信号をコントローラからポジショナに提供することと、検出された金属レベルおよび金属レベル設定点に基づいて、第2の段階中に流れ制御デバイスを自動的に制御する第2の指令信号をコントローラからポジショナに提供することと、を含む。
【0087】
実施例15Aは、請求項14A(または先行もしくは後続の実施例のいずれか)に記載の方法であり、第1の段階の第1の予測される流速と第2の段階の第2の予測される流速との間の差分に基づいて、代替の流れ制御デバイス位置を決定することをさらに含む。
【0088】
実施例16Aは、請求項15A(または先行もしくは後続の実施例のいずれか)に記載の方法であり、第1の段階の第1の予測される流速と第2の段階の第2の予測される流速との間の差分に基づいて、代替の流れ制御デバイス位置を決定することが、第1の段階の第1の予測される流速と第2の段階の第2の予測される流速との間の差分値を決定することと、差分値との線形関係に従って、第1の段階の終わりまたはその付近で流れ制御装置デバイス位置を修正することによって、代替の流れ制御デバイス位置を決定することと、を含む。
【0089】
実施例17Aは、請求項14A(または先行もしくは後続の実施例のいずれか)に記載の方法であり、第1の段階の第1の予測される流速が、第2の段階の第2の予測される流速よりも大きい。
【0090】
実施例18Aは、請求項14A(または先行もしくは後続の実施例のいずれか)に記載の方法であり、第1の段階の第1の予測される流速が、第2の段階の第2の予測される流速よりも小さい。
【0091】
実施例19Aは、請求項14A(または先行もしくは後続の実施例のいずれか)に記載の方法であり、移行時間が、単一プログラムスキャンに基づいて定義されること、または0.5秒未満であることのうちの少なくとも一方である。
【0092】
実施例20Aは、請求項14A(または先行もしくは後続の実施例のいずれか)に記載の方法であり、コントローラが、溶融金属の鋳造のための比例‐積分‐微分(PID)アルゴリズムを含むPIDコントローラである。
【0093】
実施例1B(本明細書の他の実施例の特徴のいずれかを組み込んでもよい)は、金属を鋳造するための装置であり、装置が、鋳型と、溶融金属を鋳型に送達するように構成された導管であって、流れ制御デバイスによって制御可能に閉鎖される、導管と、流れ制御デバイスに連結されたポジショナと、鋳型内の溶融金属のレベルを感知するように構成されたレベルセンサと、コントローラのメモリ内の非一時的コンピュータ可読媒体に記憶されたコードを実行するように適合されたプロセッサを含むコントローラと、を含み、コントローラが、コードによって、少なくとも第1の段階、移行時間、および第2の段階を有する鋳造方式に従って経時的に可変である金属レベル設定点の形態で、入力を受け付けるかまたは決定することであって、第1の段階が、第2の段階の第2の予測される流速とは異なる第1の予測される流速を有し、移行時間が、第1の段階の終わりと第2の段階の始まりとの間の時間に対応する、受け付けるかまたは決定することと、検出された金属レベルの形態で、レベルセンサからの入力を受け取ることと、移行時間に関するアンダーシュートまたはオーバーシュートの量を減少または除去するという目的を達成するように構成された移行指令信号を提供することと、を行うようにプログラムされており、移行指令信号が、(A)第1の段階の第1の予測される流速と第2の段階の第2の予測される流速との間の差分に基づいて決定される代替の流れ制御デバイス位置への移行時間における流れ制御デバイスの移動、(B)鋳型と導管との間の高さを変化させるための鋳型の並進、または(C)第2の段階中とは異なるための移行時間でのもしくはその付近での鋳造速度の変更、のうちの少なくとも1つを引き起こすことによって、目的を達成するように構成されている。
【0094】
実施例2Bは、請求項1B(または先行もしくは後続の実施例のいずれか)に記載の装置であり、移行指令信号が、(A)、(B)、および(C)を生じさせることによって目的を達成するように構成されている。
【0095】
実施例3Bは、請求項1B(または先行もしくは後続の実施例のいずれか)に記載の装置であり、移行指令信号が、(B)も引き起こさずに、かつ(C)も引き起こさずに、(A)を引き起こすことによって、目的を達成するように構成されている。
【0096】
実施例4Bは、請求項1B(または先行もしくは後続の実施例のいずれか)に記載の装置であり、移行指令信号が、(A)も引き起こさずに、かつ(C)も引き起こさずに、(B)を引き起こすことによって、目的を達成するように構成されている。
【0097】
実施例5Bは、請求項1B(または先行もしくは後続の実施例のいずれか)に記載の装置であり、移行指令信号が、(A)も引き起こさずに、かつ(B)も引き起こさずに、(C)を引き起こすことによって、目的を達成するように構成されている。
【0098】
実施例6Bは、実施例(複数可)1B、2B、または3B(または先行もしくは後続の実施例のいずれか)のいずれかに記載の装置であり、コントローラが、コードによって、第1の段階中に流れ制御デバイスを自動的に制御して、鋳型内の溶融金属の前記レベルが、ほぼ金属レベル設定点である溶融金属レベル範囲内に留まるように、検出された金属レベルおよび金属レベル設定点に基づいて、導管を通る溶融金属の流れまたは流速を調節する第1の指令信号をポジショナに提供することであって、移行指令信号が、少なくとも(A)を引き起こして、第1の段階の第1の予測される流速と第2の段階の第2の予測される流速との間の差分に基づいて決定される、移行時間における代替の流れ制御デバイス位置への流れ制御デバイスの移動を引き起こすことによって、目的を達成するように構成されている、提供することと、検出された金属レベルおよび金属レベル設定点に基づいて、第2の段階中に流れ制御デバイスを自動的に制御する第2の指令信号をポジショナに提供することと、をさらに行うようにプログラムされている。
【0099】
実施例7Bは、実施例(複数可)1B、2B、3B、または6B(または先行もしくは後続の実施例のいずれか)のいずれかに記載の装置であり、移行指令信号が、少なくとも(A)を引き起こすことによって、目的を達成するように構成され、コントローラが、前記コードによって、第1の段階の第1の予測される流速と第2の段階の第2の予測される流速との間の差分に基づいて、代替の流れ制御デバイス位置をさらに決定するようにプログラムされている。
【0100】
実施例8Bは、請求項7B(または先行もしくは後続の実施例のいずれか)に記載の装置であり、コントローラが、コードによって、第1の段階の第1の予測される流速と第2の段階の第2の予測される流速との間の差分に基づいて、代替の流れ制御デバイス位置をさらに決定するようにプログラムされていることが、コントローラによって、第1の段階の第1の予測される流速と第2の段階の第2の予測される流速との間の差分値を決定することと、差分値との線形関係に従って、第1の段階の終わりまたはその付近で流れ制御デバイス位置を修正することによって、代替の流れ制御デバイス位置を決定することと、を含む。
【0101】
実施例9Bは、実施例(複数可)1B、2B、3B、6B、7B、または8B(または先行もしくは後続の実施例のいずれか)のいずれかに記載の装置であり、移行指令信号が、少なくとも(A)を引き起こすことによって、目的を達成するように構成され、コントローラが、金属の鋳造のための比例−積分−微分(PID)アルゴリズムを含む、PIDコントローラである。
【0102】
実施例10Bは、実施例(複数可)1B、2B、または4Bのいずれかに記載の装置であり、移行指令信号が、少なくとも(B)を引き起こすことによって、目的を達成するように構成され、装置が、鋳型と連結され、かつ鋳型を前記導管に対して上昇させることまたは下降させることのうちの少なくとも一方を行うように構成された1つ以上のアクチュエータをさらに備える。
【0103】
実施例11Bは、実施例(複数可)1B、2B、4B、または10B(または先行もしくは後続の実施例のいずれか)のいずれかに記載の装置であり、移行指令信号が、少なくとも(B)を引き起こすことによって、目的を達成するように構成され、鋳型の並進が、オーバーシュートを軽減するように、鋳型を上昇させて前記鋳型と導管との間の高さを減少させることを含む。
【0104】
実施例12Bは、実施例(複数可)1B、2B、4B、10B、または11B(または先行もしくは後続の実施例のいずれか)のいずれかに記載の装置であり、移行指令信号が、少なくとも(B)を引き起こすことによって、目的を達成するように構成され、鋳型の並進の速度または量が、第1の段階の第1の予測される流速と第2の段階の第2の予測される流速との間の差分値に基づいて決定される。
【0105】
実施例13Bは、実施例(複数可)1B、2B、4B、10Bまたは11B(または先行もしくは後続の実施例のいずれか)のいずれかに記載の装置であり、移行指令信号が、少なくとも(B)を引き起こすことによって、目的を達成するように構成され、鋳型の並進の速度または量が、検出された金属レベルと金属レベル設定点との間の差分値に基づいて決定される。
【0106】
実施例14Bは、実施例(複数可)1B、2B、または5B(または先行もしくは後続の実施例のいずれか)のいずれかに記載の装置であり、移行指令信号が、少なくとも(C)を引き起こすことによって、目的を達成するように構成され、装置が、(i)前記導管から下方への移動のために、および(ii)鋳型に送達される溶融金属によって形成されたインゴットを支持するために構成された底部ブロックをさらに備え、鋳造速度は、底部ブロックが導管から下方に移動する速度を含む。
【0107】
実施例15Bは、実施例(複数可)1B、2B、5B、または14B(または先行もしくは後続の実施例のいずれか)のいずれかに記載の装置であり、移行指令信号が、少なくとも(C)を引き起こすことによって、目的を達成するように構成され、移行時間中の鋳造速度の変更が、オーバーシュートを軽減するように、移行時間でまたはその付近で鋳造速度を第2の段階中よりも大きくさせることを含む。
【0108】
実施例16Bは、実施例(複数可)1B、2B、5B、14B、または15B(または先行もしくは後続の実施例のいずれか)のいずれかに記載の装置であり、移行指令信号が、少なくとも(C)を引き起こすことによって、目的を達成するように構成され、鋳造速度の変更の量が、第1の段階の第1の予測される流速と第2の段階の第2の予測される流速との間の差分値に基づいて決定される。
【0109】
実施例17Bは、実施例(複数可)1B、2B、5B、14B、または15B(または先行もしくは後続の実施例のいずれか)のいずれかに記載の装置であり、移行指令信号が、少なくとも(C)を引き起こすことによって、目的を達成するように構成され、鋳造速度の変更の量が、検出された金属レベルと金属レベル設定点との間の差分値に基づいて決定される。
【0110】
実施例18Bは、実施例(複数可)1B〜17B(または先行もしくは後続の実施例のいずれか)のいずれかに記載の装置であり、第1の段階の第1の予測される流速が、第2の段階の第2の予測される流速よりも大きく、移行指令信号が、オーバーシュートを軽減し、オーバーシュートが、金属レベル設定点より閾値だけ上回る検出された金属レベルに対応する。
【0111】
実施例19Bは、実施例(複数可)1B〜17B(または先行もしくは後続の実施例のいずれか)のいずれかに記載の装置であり、第1の段階の第1の予測される流速が、第2の段階の第2の予測される流速よりも小さく、移行指令信号が、アンダーシュートを軽減し、アンダーシュートが、金属レベル設定点より閾値だけ下回る検出された金属レベルに対応する。
【0112】
実施例20Bは、実施例(複数可)1B〜19B(または先行もしくは後続の実施例のいずれか)のいずれかに記載の装置であり、移行時間が、単一プログラムスキャンに基づいて定義されること、または0.5秒未満であることのうちの少なくとも一方である。
【0113】
上記の態様は、単に本開示の原理に関する明確な理解のために記載された、単に実施可能な実施例である。本開示の趣旨および原理から実質的に逸脱することなく、上記の実施例(複数可)に関しては多くの変形および修正をなすことができる。係る修正および変形のすべてが、本明細書において、本開示の範囲内に含まれ、個々の態様または要素もしくはステップの組み合わせに対するすべての可能性のある請求項が、本開示によって裏付けられることが意図される。さらに、特定の用語は、本明細書ならびに以下の特許請求の範囲で使用されるが、それらは、包括的および説明的な意味でのみ使用され、記載された発明または添付の特許請求の範囲を限定することを目的としていない。
【0114】
本発明を説明する文脈での(特に、以下の特許請求の範囲の文脈での)「a」および「an」および「the」という用語、ならびに類似の指示対象の使用は、本明細書で別途指示されていない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数および複数の双方を包含するものと解釈されたい。「備える(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」、および「含有する(containing)」という用語は、別途注記のない限り、開放型の用語(すなわち、「含むが、それに限定されない」ことを意味する)として解釈されたい。「接続される」という用語は、何かが介在している場合であっても、部分的または全体的に含有され、取り付けられ、または互いに接合されているものとして解釈されたい。本明細書での値の範囲の列挙は、本明細書で別途指示されない限り、単に、その範囲内に入るそれぞれの値を個々に参照する簡単な方法としての役割を果たすように意図されたものであり、それぞれの値は、本明細書で個々に列挙されているかのように、本明細書に組み込まれる。本明細書で説明されるすべての方法は、本明細書で別途指示されない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、任意の好適な順序で行うことができる。本明細書で提供される任意のおよびすべての例、または例示的な言葉(例えば「など(such as)」は、単に、本発明の実施形態をより明確にすることを意図しているに過ぎず、別途特許請求されていない限り、本発明の範囲を限定するものではない。本明細書の中のいかなる言葉も、特許請求されていない何らかの要素が本発明の実践に必須であることを示すものではないと解釈されたい。
【0115】
本発明を行うための、発明者らに知られている最良の方法を含む、本発明の好ましい実施形態が本明細書で説明される。当業者には、上の説明を読むことにより、こうした好ましい実施形態の変形物が明らかになるであろう。本発明者らは、そのような変形物を必要に応じて採用することを予期し、本発明者らは、本明細書で具体的に説明されるもの以外で本発明が実践されることを意図する。したがって、本発明は、準拠法によって許可される、本明細書に添付された特許請求の範囲で述べられる主題のすべての修正物および均等物を含む。さらに、本明細書で別途指示されない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、本発明のすべての可能な変形物における上で説明した要素の任意の組み合わせが本発明によって包含される。
【0116】
本明細書で引用される刊行物、特許出願、および特許を含む、すべての参考文献は、あたかも各文献が個々にかつ具体的に参照により組み込まれるように示され、かつ本明細書で全体として説明されているかのように、参照により本明細書に組み込まれる。