特許第6867517号(P6867517)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6867517
(24)【登録日】2021年4月12日
(45)【発行日】2021年4月28日
(54)【発明の名称】吸入器デバイス及び消耗品カートリッジ
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/42 20200101AFI20210419BHJP
   A24F 40/40 20200101ALI20210419BHJP
【FI】
   A24F40/42
   A24F40/40
【請求項の数】16
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2019-567705(P2019-567705)
(86)(22)【出願日】2017年6月6日
(65)【公表番号】特表2020-522271(P2020-522271A)
(43)【公表日】2020年7月30日
(86)【国際出願番号】EP2017063739
(87)【国際公開番号】WO2018224132
(87)【国際公開日】20181213
【審査請求日】2019年12月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エス.エイ.
【氏名又は名称原語表記】JT INTERNATIONAL S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】特許業務法人大塚国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【弁理士】
【氏名又は名称】永川 行光
(74)【代理人】
【識別番号】100188857
【弁理士】
【氏名又は名称】木下 智文
(74)【代理人】
【識別番号】100169100
【弁理士】
【氏名又は名称】辰川 肇
(72)【発明者】
【氏名】ホルロイド,シモン
(72)【発明者】
【氏名】ロエ, クリストファー ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ローガン,アンドリュー アール. ジェイ.
【審査官】 田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2015/165814(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0190477(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2017/0006917(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/42
A24F 40/40
A24F 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸入器デバイス(10)のための消耗品カートリッジ(1)であって、前記消耗品カートリッジ(1)が、
空洞(C)を画定するケーシング(2)であって、第1領域(4)と第2領域(6)とを含むケーシング(2)と、
弾性のある袋であって、前記ケーシングの前記空洞内に位置するとともに気化液体(L)を含んでいる弾性のある袋とを含み、
前記ケーシングの前記第1領域(4)が穿刺可能な部分(5)を含み、前記第2領域が予め穿孔された部分(6a)を含み、前記袋が前記第1領域において前記ケーシングから分離しており、前記袋が、前記吸入器デバイスの穿刺部材により穿刺されると、前記袋の破裂した又は切断された領域が前記穿刺の断面積より著しく大きい開口を作り出すように、
破裂するか、又は切断されるように構成される、消耗品カートリッジ(1)。
【請求項2】
前記袋が前記穿刺可能な部分(5)から先端側にある接続ポイント(P)で前記ケーシングに動かないように接続される、請求項1記載の消耗品カートリッジ。
【請求項3】
前記ケーシングが、前記ケーシングの一方の軸方向端に位置する前記第1領域と前記ケーシングの軸方向に反対側の端に位置する前記第2領域との間に軸方向に延在し、前記ケーシングが前記第1領域を含む主部(2a)と前記主部に取り付けられたカバー(6a)とを含む、請求項に記載の消耗品カートリッジ。
【請求項4】
前記カバー(6a)が、前記予め穿孔された部分(6a)を形成するために、穿孔されるとともに前記第2領域に位置する、請求項に記載の消耗品カートリッジ。
【請求項5】
前記接続ポイント(P)が前記カバー(6a)に隣接する前記ケーシングの前記主部に位置するか、又は前記カバー(6a)に位置する、請求項3又は4に記載の消耗品カートリッジ。
【請求項6】
前記袋が、前記主部と前記カバー(6a)との間で前記ケーシングに取り付けられる、請求項3〜5のいずれか一項に記載の消耗品カートリッジ。
【請求項7】
前記カバーが多孔性材料を含む、請求項3〜6のいずれか一項に記載の消耗品カートリッジ。
【請求項8】
前記カバーが個別の部品から形成されるとともに熱処理又は接着剤により前記ケーシングの前記主部へ密封される、請求項3〜7のいずれか一項に記載の消耗品カートリッジ。
【請求項9】
前記袋の前記弾性及び前記接続ポイント(P)の位置が、前記袋が破裂したか、又は切断された後で前記袋が前記穿刺可能な部材から離れることを可能にする、請求項3〜8のいずれか一項に記載の消耗品カートリッジ。
【請求項10】
前記消耗品カートリッジの前記穿刺可能な部分が前記ケーシングの脆弱化部である、請求項1〜のいずれか一項に記載の消耗品カートリッジ。
【請求項11】
前記消耗品カートリッジの前記穿刺可能な部分がシーリング膜又はフィルムにより覆われた孔である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の消耗品カートリッジ。
【請求項12】
前記ケーシングの軸方向断面が実質的に円形である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の消耗品カートリッジ。
【請求項13】
前記ケーシング軸方向断面が非円形である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の消耗品カートリッジ。
【請求項14】
空気ポケットが前記消耗品カートリッジ内部に作り出されるように、前記袋の容積が前記ケーシング空洞の容積より小さい、請求項1〜13のいずれか一項に記載の消耗品カートリッジ。
【請求項15】
請求項1に記載の消耗品カートリッジを受けるように構成された吸入器デバイス(10)であって、前記吸入器デバイスがマウスピースセクション(14)と電源ユニット(19)とを含み、前記吸入器デバイスが、
気化室(21)内部に位置する加熱器(18'')と芯(18')とを含む気化ユニット(18)と、
消耗品カートリッジ(1)を受けるように構成されたカートリッジ室(13)と、
前記カートリッジ室(13)内部に位置する穿刺部材(15)であって、前記穿刺部材が先端部分(16)と液体搬送部分(17)とを有する穿刺部材(15)と
を含み、
前記穿刺部材(15)が管状であり、前記芯(18')が、前記穿刺部材内部に位置するとともに前記穿刺部材(15)の外側に延在する露出された液体搬送部分(17)を有し、前記加熱器が前記露出された液体搬送部分(17)に位置し、当接面(45)を有する当接部分(44)が、前記消耗品カートリッジの穿孔された領域を密封するように、前記カートリッジ室(13)を閉鎖する、吸入器デバイス(10)。
【請求項16】
前記マウスピースセクション及び前記電源ユニットが互いから分離されると前記消耗品カートリッジが前記カートリッジ室から分離されるように、前カートリッジ室(13)が、前記カートリッジ室から前記消耗品カートリッジに放出力をかけるように構成されたレジリエント部材をさらに含む、請求項15に記載の吸入器デバイス(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個人用気化器デバイス又は電子煙草など吸入器デバイスのための消耗品カートリッジに関する。本発明はまた、このような消耗品カートリッジを受けるように構成された吸入器デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
「eシガレット」としても知られている電子煙草などの個人用吸入器デバイスは、煙草、葉巻、及びシガリロのような従来の喫煙具の代替品として過去10年で人気を獲得してきた。Eシガレットは、典型的には、液体ニコチンなどの気化液体を内部貯蔵器から気化させるために気化器を使用する。多くのeシガレットは、ユーザが内部貯蔵器に詰替えボトルを補充するいわゆる「オープンタンクシステム」である。個人用気化器デバイスにおいて用いられる技術は依然として極めて新しいため、そのようなデバイスの設計及び構成の開発が、それらの性能及びそれらの信頼性、並びにそれらの製造の容易さ及びそれらの製造費を向上させるために、現在進行中である。
【0003】
いくつかの吸入器デバイスは、芯と加熱要素とを含む気化ユニットと共に電子煙草用液体(e−liquid)の貯蔵器を含む消耗可能な製品である消耗品カートリッジ又はいわゆる「カートマイザー」の形の気化液体で再チャージされるように構成される。これらの消耗品カートリッジ又はカートマイザーはeシガレットの貯蔵器の手動での再充填の必要性を無くし、消費者にとって使いやすい。しかしながら、これらは典型的には密閉されておらず、そのため電子煙草用液体は、使用前にある長さの時間保管されると時間が経つにつれて劣化し得る。また、カートマイザーは、気化ユニット(すなわち加熱器及び芯)が電子煙草用液体貯蔵器と一緒に交換される必要があるという欠点を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記を考慮して、本発明の目的は、個人用気化器デバイス又は電子煙草などの吸入器デバイスのための新たな及び改良された消耗品カートリッジを提供することである。特に、満足できる及び再生可能な、電子煙草を吸う体験を確実にするような新たな及び改良された消耗品カートリッジを提供することが望ましい。
【0005】
ユーザの電子煙草用液体への曝露を減じる消耗品カートリッジを提供することが望ましい。
【0006】
再充填され得ない消耗品カートリッジを提供することもまた望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1態様によると、本発明は、吸入器デバイスのための消耗品カートリッジであって、消耗品カートリッジが、
− 空洞を画定するケーシングであって、第1領域と第2領域とを含むケーシングと、
− 弾性のある袋であって、前記ケーシングの空洞内に位置するとともに気化液体を含んでいる弾性のある袋と
を含み、
ケーシングの第1領域が穿刺可能な部分を含み、第2領域が穿孔された部分を含み、袋が第1領域においてケーシングから分離しており、袋が、吸入器デバイスの穿刺部材により穿刺されると、袋の破裂した又は切断された領域が穿刺部材の断面積より著しく大きい開口を作り出すように、破裂するか、又は切断されるように構成される、
消耗品カートリッジに関する。
【0008】
著しくより大きいというのは、液体が、外側ケーシングを充填するために穿刺部材と袋との間を通って流れることができるということを意味する。好ましくは、袋における開口は穿刺部材への1mmより大きい距離を提供する。
【0009】
本発明は、内部袋が再充填され得ないようにかなりの変形を伴って破裂し得ることの実現に基づく。さらに、ケーシングは弾性のある袋が偶然に破裂することから保護し、したがって弾性膜へのアクセスを防ぐ。使用後のケーシングには、その第1領域及び第2領域の両方に開口が設けられるため、ケーシングの空洞の再充填もまた困難である。
【0010】
穿孔された領域には、孔が設けられる、すなわち、消耗品カートリッジが吸入器デバイス内部に導入される前に「予め穿孔される」。反対に、消耗品カートリッジの穿刺ステップは消耗品カートリッジが吸入器デバイスのカートリッジ室に導入されると達成される。
【0011】
好ましくは、使用の際、袋は、いったん切断されるか、又は破裂すると、穿刺部材の周りを密封しない。代わりに、袋に含まれる気化液体が弾性のある袋から容易に流れ出てケーシングの空洞に入るように、袋と穿刺部材との間に空間がある。
【0012】
例示的な実施形態によると、ケーシングは、ケーシングの一方の軸方向端に位置する第1領域とケーシングの軸方向に反対側の端に位置する第2領域との間に軸方向に延在し、ケーシングは第1領域を含む主部と主部に取り付けられたカバーとを含む。
【0013】
好ましくは、カバーは、予め穿孔された部分を形成するために、穿孔されるとともに第2領域に位置する。
【0014】
例示的な実施形態によると、袋は、穿刺可能領域から先端側にある接続ポイントで、ケーシングに動かないように接続される。
【0015】
接続ポイントは、カバーに隣接するケーシングの主部に位置してもよく、又はカバーに位置する。代替的に、袋は主部とカバーとの間でケーシングに取り付けられる。
【0016】
例示的な実施形態によると、袋の弾性及び接続ポイントの位置は、袋が破裂したか、又は切断された後で袋が穿刺可能な部材から離れることを可能にする。
【0017】
例示的な実施形態によると、カートリッジの穿刺可能領域はケーシングの脆弱化部である。代替的に、カートリッジの穿刺可能領域はシーリング膜又はフィルムにより覆われた孔である。代替的に、穿刺可能領域は外側ケーシングに開口を有し、このことは穿刺部材にとって袋への直接的なアクセスを提供する。
【0018】
例示的な実施形態によると、カバーは多孔性材料を含む。多孔性材料はケーシングが、空洞からの液体を通過させるがゴミがケーシングの空洞に入るのを阻止する小さい孔を提供することを可能にする。
【0019】
カバーは個別の部品から形成されてもよく、熱処理又は接着剤によりケーシングの主部へ密封されてもよい。
【0020】
例示的な実施形態によると、ケーシングの軸方向断面は実質的に円形である。
【0021】
別の例示的な実施形態によると、ケーシングの軸方向断面は非円形である。ケーシングの非円形状は、カートリッジ室と消耗品カートリッジとの間に(蒸気を運び得る)チャネルを作り出す。ケーシングの非円形断面は正凸多角形、葉形、楕円形又は形状の組合せであり得る。ケーシングの壁とカートリッジ室との間の(空気)チャネルの形態は、吸入器デバイスが電源ユニットに位置する、したがってマウスピースから離れている気化室を有する実施形態において特に有利である。したがって、気化室からの空気は、使用の際カートリッジ壁と消耗品カートリッジとの間でカプセルにわたって流れる。
【0022】
好ましくは、カートリッジの使用前に空気ポケットが消耗品カートリッジ内部に作り出されるように、袋の容積(電子煙草用液体で満たされているとき)はケーシング空洞の容積より小さい。
【0023】
第2態様によると、本発明は、消耗品カートリッジを受けるように構成された吸入器デバイスであって、吸入器デバイスがマウスピースセクションと電源ユニットとを含み、吸入器デバイスが、
− 気化室内部に位置する加熱器と芯とを含む気化ユニットと、
− 消耗品カートリッジを受けるように構成されたカートリッジ室と、
− カートリッジ室内部に位置する穿刺部材であって、前記穿刺部材が先端部分と液体搬送部分とを有する穿刺部材と
を含み、
芯が穿刺部材内部に位置するとともに管状の穿刺部材の外側に延在する露出された液体搬送部分を有し、加熱器が露出された液体搬送部分に位置し、当接面を有する当接部分が、消耗品カートリッジの穿孔された領域を密封するように、カートリッジ室を閉鎖する、吸入器デバイスに関する。
【0024】
好ましくは、穿刺部材は実質的に管状であるとともに両端で開いており、先端部分端はカートリッジ室に位置し、他端は、カートリッジ室を気化室から分離するとともに穿刺部材が取り付けられたプレート又は分離壁を通じて気化室内へ開いている。
【0025】
気化室内の加熱器及び芯の露出された液体搬送部分は共に気化ユニットを形成する。気化ユニットは穿刺部材及び接続構造(例えば、デバイスの分離プレート又は壁及び関連する外側構造)と共に、気化ユニットがその耐用年数の終わりに到達すると時々処分及び交換され得る使い捨て気化組立体を形成し得る。いくつかの実施形態において、気化ユニットは使い捨てマウスピースセクションとして形成され得る。他の実施形態において、気化組立体は、マウスピースセクションと電源ユニットとの間で相互連結されるように作動可能である個別の組立体として形成され得る。
【0026】
いくつかの好ましい実施形態において、カートリッジ室はマウスピース(使用の際これを通じてユーザは蒸気を引き出す)における蒸気出口と気化ユニットとの間に位置する。このような実施形態において、デバイスは好ましくは、分離壁又はプレートを通る、及びカートリッジとカートリッジ室の内側壁との間の、及びマウスピースを通って蒸気出口への1つ又は複数のチャネルを含む。
【0027】
例示的な実施形態によると、マウスピースセクション及び電源ユニットが互いから分離されると消耗品カートリッジがカートリッジ室から分離されるように、カートリッジ室は、カートリッジから消耗品カートリッジに放出力をかけるように構成されたレジリエント部材をさらに含む。
【0028】
本発明及びその利点のより完全な理解のために、本発明の例示的な実施形態が、同様の参照符号が同様の部分を指す添付図面を参照して以下の説明においてより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1a】本発明による吸入器デバイスの概略斜視図である。
図1b】本発明の第1実施形態による吸入器デバイスの概略断面図である。
図1c】本発明の第2実施形態による吸入器デバイスの概略断面図である。
図1c】本発明の第3実施形態による吸入器デバイスの概略断面図である。
図2a-c】本発明の一実施形態による吸入器カートリッジ室において配置された一実施形態による消耗品カートリッジを示す一連の概略断面図である。
図3a-e】本発明の実施形態による消耗品カートリッジの一連の概略断面図である。
図4a-e】図2(a)〜(c)の実施形態による吸入器カートリッジ室に配置されている消耗品カートリッジの別の実施形態を示す概略断面図である。
図5a-e】本発明による吸入器デバイスにおいて配置されているさらなる実施形態による消耗品カートリッジを示す一連の概略断面図である。
図6-8】本発明の消耗品カートリッジと併せた本発明による吸入器デバイスの概略断面斜視図である。
図9a-d】本発明の弾性のある袋の例示的な製造プロセスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
添付図面は、本発明のさらなる理解を提供するために含まれており、この明細書に組み込まれるとともにこの明細書の一部を構成する。図は本発明の実施形態を一例として説明し、説明と併せて本発明の原理を説明するのに役立つ。本発明の他の実施形態及び本発明の付随の利点の多くは、それらが以下の詳細な説明を参照してより良好に理解されるようになると、容易に理解される。
【0031】
商業的に実施可能な実施形態において有用又は必要であり得る一般的な及び/又は良好に理解された要素は、実施形態のより抽象的な見方を促すために必ずしも示される必要はないことが理解される。図の要素は必ずしも互いに対して縮尺通りに示される必要はない。方法の実施形態における特定の動作及び/又はステップは起る特定の順序で説明又は図示され得るが、一方で当業者はそのような順序に関する特定性は実際には必要とされないことを理解することがさらに理解される。本明細書において使用される用語及び表現は、特定の意味が他の方法で本明細書において定められている場合を除き、それらの対応するそれぞれの調査及び研究の領域についてのそのような用語及び表現と一致するとおりの通常の意味を有することもまた理解される。
【0032】
図1a〜1dにおいて最もよく分かるとおり、本発明の一実施形態による吸入器デバイス10が示されている。吸入器デバイス10はマウスピースセクション14と電源ユニット19とを含む。電源ユニット19は概略的に示されているのみであり、実際は、望ましいバッテリ容積を可能にするために、典型的には図に示されているよりはるかに大きい。マウスピースセクション14はハウジング12と内部カートリッジ室13とを含む。カートリッジ室13は、気化液体Lを含む消耗品カートリッジ1(例えば、図2a〜cを参照)を受けるように構成される。
【0033】
図1bに示された実施形態において、マウスピースセクション14は、気化器ユニット18を収納する気化室21をさらに含む。気化器ユニット18は加熱器18'と芯18''とを含む。気化室21は、マウスピースセクション14の先端においてユーザが息を吸い込んだ時に周囲の空気を気化室21に受け入れるとともに引き込むための吸気開口22を有してもよい。
【0034】
カートリッジ室13は、カートリッジ室13から気化器室21内へ延在する(吸入器デバイスの軸方向延在部と整列した)軸方向延在部を備えた穿刺部材15を含む。穿刺部材15は管状の要素であり、これは、消耗品カートリッジ1を穿刺する又は切り開くように構成された先端部分16を含む。芯18''は穿刺部材15内部に位置するとともに、気化室21内部で管状の穿刺部材15の外側に延在する露出された液体搬送部分17を有する。穿刺部材15には好ましくは側方穴23が設けられ、これは、気化液体が毛管作用を通じて芯18''に吸収され得るように、穿刺部材15の中央チャネルと連通する。
【0035】
側方穴23は、液体が穿刺部材の長さ全体に沿って芯にしみこむための機構を提供する。穿刺部材15には、消耗品カートリッジ1の軸方向内部長さ全体に沿って延在する長さが設けられ得る。側方穴23は穿刺部材15の長さ全体に沿って提供されることができ、それにより、カートリッジ1から芯への液体Lの信頼性のある吸収が保証され得る。
【0036】
芯18''は液体を吸収及び拡散するように構成された繊維状又は多孔性芯材料を含む。芯18'は例えば、天然繊維、例えば、綿、撚ったガラス又は鉱物繊維又は多孔性セラミック材料を含み得る。穿刺部材15はしたがって、消耗品カートリッジ1と加熱器18'との間の芯18''を介した流体接続を確立するように構成される。液体Lはカートリッジ室13から芯18''へ毛管作用を原因として流れる。
【0037】
加熱器18は、芯18''の周りに巻かれる電気抵抗加熱ワイヤ又はフィラメントを含み得る。気化器ユニット18及び穿刺部材15は、図1bの実施形態に示されるとおり、マウスピースセクション14の前先端に格納され得る。図1b及び1cにおいて最もよく分かるとおり、穿刺部材15は、ブラケット26又はカートリッジ室13を気化室21から分離する壁部分へ取り付けられ得る。
【0038】
吸入器デバイス10の使用の際、カートリッジ室13へのアクセスは、マウスピースセクション14を電源ユニット19から分離することにより達成され得、それにより、使用済みの消耗品カートリッジ1はカートリッジ室13から排出され得るとともに新たなものと交換され得る。マウスピースセクション14及び電源ユニット19は、例えば、ねじ接続、差込結合、蝶番で連結されたか、又はパチン錠での接続により互いと係合し得る。マウスピースセクション14及び電源ユニット19はまた、マウスピースセクション14及び電源ユニット19を互いに関してロック且つ解放するように構成されたレバーを備えた機械的配置構成など他のタイプの係止機構により互いと係合し得る。
【0039】
代替的に、図1c及び1dに示されるとおり、気化器ユニット18は電源ユニット19のハウジング19'に位置し得る。加熱器を電源ユニット19のハウジング28において位置決めする利点は、ユーザの口に伝えられる熱がより少なくなるように、加熱器がマウスピース先端からさらに離れて位置することができるという点である。この実施形態において、図1cに示されるとおり、気化室21は電源ユニット19のハウジング28に位置する。穿刺部材15及び気化ユニット18は電源ユニット19に、例えばフランジ26への接続により、動かないように取り付けられる。マウスピースセクション14は、消耗品カートリッジ1の穿孔された領域6aを密封するように構成された当接面45を有する当接部分44をさらに含む。
【0040】
図1dにおいて示された同様の実施形態において、マウスピースセクション14及び電源ユニット19の両方から分離され得る個別の気化組立体ユニット42において気化器ユニット18を収納することも可能である。マウスピースセクション14、気化器ユニット18を含むカートリッジ室13及び電源ユニット19は、マウスピースセクション14及び電源ユニット19と同じ方法で、例えばねじ接続により、互いに着脱可能に接続され得る。気化器ユニットを個別のユニットに置くことにより、気化器は必要に応じてマウスピースセクション14及び電源ユニット19から独立して交換され得る。
【0041】
図2(a)〜(c)を参照すると、本発明の第1実施形態による消耗品カートリッジ1がさらに示されている。消耗品カートリッジ1は、消耗品カートリッジ1の軸方向に略円筒形の断面を有する外側ケーシング2を含む。しかしながら、断面は円筒形状に限定されず、図3a〜dに示されるとおり、六角形、四角形、楕円、多葉形などであり得る。代替的に、消耗品カートリッジ1のケーシング2にはリブ35が設けられ得る。追加的に又は代替的に、カートリッジ室13には非円形断面又はリブが設けられ得る。形状はカートリッジ室13と消耗品カートリッジ1との間に空気チャネルを作り出し得るため、加熱器18'が電源ユニット30のハウジング28に位置するときは、消耗品カートリッジ又はカートリッジ室13の非円形断面が有利である。さらに、この特定の実施形態(図1c及び1dに示されるとおり)において、吸気口22から気化室21への吸気空気流は、カートリッジ室13を通る必要があり、それにより溝のある通路が有利である。
【0042】
消耗品カートリッジ1は第1領域4と第2領域6とを有する。穿刺可能領域5及び穿孔された領域7はそれぞれ第1領域4及び第2端領域6に位置する。
【0043】
好ましくは、第1領域4及び第2領域6は、消耗品カートリッジ1の軸方向において反対側の末端部に配置される。消耗品カートリッジは第2端領域6に、本発明の実施形態においては複数の孔7'が提供された穿孔されたカバー6aを含む。穿孔されたカバー6aはケーシング2の主部2aに取り付けられ、一緒に(すなわちケーシング2の主部2a及びカバー6)外側ケーシング2を形成する。予め穿孔されたカバー6aは例えば、熱処理又は接着剤により外側ケーシング2へ取り付けられてもよい。代替的に、予め穿孔されたカバー6aは多孔性及び透過性カバーからなってもよい。多孔性カバーは液体Lにカバーを通過させるが、吸入器デバイス10へのその挿入前に、ゴミが外側ケーシング2の空洞Cへ入る可能性を最小化する。本発明の実施形態における多孔性カバー6aは、その表面が乾いたままであるように、疎水性材料から形成される。
【0044】
穿刺可能領域5には、穿刺可能膜5bが提供されてもよく、穿刺可能膜5bは、その穿刺されていない状態において外側ケーシング2を密封する。任意選択的に、例えばOリングの形のオープンシールが、穿刺部材15のまわりにぴたりと嵌るように、穿刺可能開口5に配置され得る。穿刺可能膜5bはゴミが外側ケーシング2の空洞Cに入るのを阻止する。任意選択的に、ケーシング2は、穿刺部材15にとって袋3への直接的なアクセスを可能にする開口/孔を有し得る。
【0045】
内部の弾性のある袋3は外側ケーシング2の内部に位置する。弾性のある袋は、気化液体Lを密封して囲むとともに保管するように構成される。弾性のある袋3は外側ケーシング2の内側壁から分離される。好ましくは、弾性のある袋3は、予め穿孔されたカバーに隣接するポイントPで主部2a外側ケーシング2に動かないように取り付けられる。ポイントPは、予め穿孔されたカバー6aに好ましくは位置する。代替的に、ポイントPは外側ケーシング2に位置してもよい。本発明の実施形態において、内部の弾性のある袋3は、消耗品カートリッジ消耗品カートリッジ2の製造時に電子煙草用液体の挿入により、その容量の2倍を超えて拡張し、その後、吸入器デバイス10内の消耗品カートリッジの使用前に消耗品カートリッジ内に含まれる電子煙草用液体の劣化の速度を減じるために密封される。これは、十分に弾性のある材料でできている袋を使用して安全に達成可能であり、弾性のある袋3の破裂及び電子煙草用液体の弾性のある袋3からの流出を非常に支援する。
【0046】
吸入器デバイス10を使用する準備ができると、マウスピースセクション14は電源ユニット19から分離され、消耗品カートリッジ1はカートリッジ室13に挿入される。図2a〜2cに示されるとおり、カートリッジ室13への消耗品カートリッジ1の挿入中、穿刺部材15は消耗品カートリッジ1の第1穿刺可能領域5と整列している。
【0047】
電源ユニット19がマウスピースセクション14と係合させられると、穿刺部材15の先端部分16は、外側ケーシング2が貫通されるように、第1穿刺可能領域5に対して付勢させられる。穿刺部材15の先端部分16は次いで外側ケーシング2内部にさらに導入され、弾性のある袋3を破裂させる。弾性のある袋3が破裂させられると、気化液体Lが弾性のある袋から流出し、外側ケーシング2の空洞C内部を満たす。図1cに示されるとおり、そのレジリエント特徴を原因として、弾性のある袋3は穿孔されたカバー6aのポイントPに向かって引っ込められる。これは、弾性のある袋3が穿刺部材15から離れるように動き、弾性のある袋3が側方穴23及び穿刺部材15の先端部分16を覆うのを回避するため、有利である。
【0048】
いったん消耗品カートリッジが破裂させられると、それはもはや流体を保持しない。このポイントで、流体を含むことに対する責任は、消耗品カートリッジ1の外側ケーシング2と組み合わされたデバイスにかかる。これは、係合部分40を、その初期係合状態において、消耗品カートリッジを破裂させないように設計することにより軽減され得る。係合部分40の第1接続部分40a及び第2の接続40b部分が、互いに対してさらに動かされると、破裂ステップがこのように実施される。
【0049】
可撓性及びレジリエント材料は、弾性のある袋3が、破裂が可撓性膜3において、穿刺部材15の先端部分16の対応する断面積より著しく大きい開口を作り出すような方法で、破裂することを可能にする。外側ケーシング2内部の空洞Cの容積は弾性膜3の容積(それが気化液体Lを格納しているときにその充填された状態において)より大きい。内部空洞Cとその充填された状態における弾性のある袋3が占める容積との容積差は、空気容積からなる。この空気容積は、可撓性膜3が破裂すると、内部カートリッジ室13内部に空気ポケットを作り出す。空気ポケットはカートリッジ室13内部の圧力を調節するとともに気化液体Lがカートリッジ室13に漏れ出るのを防ぐ。
【0050】
ユーザがデバイスを始動させたいとき、電源ユニット19は起動ボタン(図示せず)を押すことによりユーザにより起動される。電源ユニット19からの電気が加熱器18'を起動させる。加熱器18'を起動させることにより、芯18''における液体が加熱され、気化室21内部で蒸気Vへと気化される。ユーザはマウスピースにおいて吸入することにより蒸気Vをデバイスから抽出し得る。ユーザが吸入すると、新たな空気が吸気開口22を通って気化室21へ入る。吸気開口22は、ハウジング12又はマウスピース14において形成された単一の又は複数の開口であり得る。
【0051】
消耗品カートリッジ1が使い切られると、吸入器デバイス10が開かれることができ、消耗品カートリッジ1が除去され得る。消耗品カートリッジ1はカートリッジ室13から引き出すことにより手動で除去され得る。消耗品カートリッジの除去を円滑にするために、突出部又はフラップなどの把持部が、消耗品カートリッジ2の外側ケーシング2の第1端領域4又は第2端領域6に位置し得る。把持部は、ユーザに露出された端領域4、6に位置するとともに、電源ユニット19がマウスピースセクション14から分離されるとカートリッジ室13から係合解除される。代替的に、吸入器デバイス10は、消耗品カートリッジ放出機構をさらに含み得る。単純な実施形態において、消耗品カートリッジ放出機構は、コイルばね又は板ばねなどレジリエント部材を含み得る。レバーにより起動され得る機械的カートリッジ放出機構を備えた吸入器デバイス10を提供することもまた可能であろう。
【0052】
使い切られた消耗品カートリッジ1は第1端領域4及び第2端領域6の両方において孔を有する。具体的には、領域のうちの一方は予め穿孔され、他方の領域は消耗品カートリッジ1の使用中に穿刺される。したがって、消耗品は、使用されるとケーシング2の対抗する側に孔を有する。これらの孔は、ユーザが消耗品カートリッジを第1孔において充填しようとする場合にカートリッジが第2孔から漏れるため、リフィル保護を提供する。
【0053】
外側ケーシング2及び弾性のある袋3は、消耗品カートリッジ1の製造プロセスの2つの個別のステップにおいて製造される。ケーシング2は好ましくは、成形プロセスにおいて熱可塑性材料を使用することにより製造される。弾性のある袋は好ましくは、
− 長尺状部材を押し出すこと、
− 長尺状部材の端部分を閉鎖すること、
− 所定の内部圧力に到達するまで長尺状部材を気化液体Lで充填すること、
− 長尺状部材に対して互いから間隔を隔てて配置された締結部材の対を取り付けること、
− 2つの密封領域が長尺状部材に作り出されるように、締付部材に熱を加えること、
− 2つの密封領域の間を切断すること、
− 弾性のある袋を予め穿孔されたカバーに接続すること、及び
− 袋がケーシング内部にある状態でカバーを置くこと
により製造される。
【0054】
代替的に、消耗品カートリッジは、外側ケーシング2を熱可塑性物質など好適な材料で成形することにより製造され得る。弾性のある袋3は標準的な「バルーン成形プロセス」で製造され得、その後弾性のある袋3は気化液体Lで充填されるとともにケーシング2へ導入される。穿孔された蓋6aはケーシングに接続される。好ましくは、同じステップにおいて、バルーンの首部はケーシング2と穿孔されたカバー6aとの間に延在し、その結果、ケーシング2及び穿孔されたカバー6aが一緒に接合されると、弾性のある袋3の首がポイントPにおいて接続される。代替的に、弾性のある袋はポイントPにおいて穿孔されたカバー6aに接続され得る。
【0055】
図面の図4(a)〜(e)を参照すると、本発明の別の例示的な実施形態による消耗品カートリッジ1及び吸入器デバイス10が示されている。吸入器デバイス10は図1a〜1cに示された第1実施形態と同様である。しかしながら、図4(a)−(e)の吸入器デバイスは、穿刺部材が消耗品カートリッジ1の軸方向長さを超えるようにより長い15という点で第1実施形態と異なっている。
【0056】
図4bにおいて最もよく分かるとおり、消耗品カートリッジ1は、ある量の気化液体Lを含むための空洞Cを囲んでいる円筒形のケーシング2を有する。したがって、ケーシング2は液体Lを直接的に格納している。消耗品カートリッジ1は、消耗品カートリッジ1の軸方向における反対側の面に位置する第1穿刺可能領域5と第2穿刺可能領域7とを含む。
【0057】
穿刺部材15は軸方向において消耗品カートリッジより長いことから、穿刺部材は、消耗品カートリッジ1の軸方向において2つの先端側位置の消耗品カートリッジ1のケーシング2を穿刺することができる。電源ユニット19又は端キャップには、36が付された凹部が提供され得る。凹部36は、消耗品カートリッジ1の第2位置で消耗品カートリッジ1を穿刺するときに、穿刺部材15を収容するための空間を作り出す。
【0058】
第1穿刺可能領域5及び第2穿刺可能領域7はケーシング2における脆弱化部として形成され得る。脆弱化部は低抵抗ゾーンを作り出すとともに、それらの領域における消耗品カートリッジの穿刺を円滑にする。好ましくは、第1穿刺可能領域5は脆弱化部を有し、第2穿刺可能領域ケーシング2はカバー又は膜を有する。これは製造中の消耗品カートリッジ1の充填を円滑にする。
【0059】
代替的に、穿刺可能領域5、7の両方は、外側ケーシング3における孔として形成されることができ、第1穿刺可能膜3及び第2穿刺可能膜3'により密封される。好ましくは、穿刺可能領域5、7は消耗品カートリッジ及び穿刺部材15に対して中央にある。シーリング膜3、3'は、膜3、3'が穿刺されると穿刺部材15を密封するとともに穿刺部材15の周りにぴたりと嵌るように、エラストマー材料を含み得る。これは、膜3、3'及び/又は第1穿刺可能領域5及び第2穿刺可能領域7を通じた液体Lの漏れを防ぐ。
【0060】
第1穿刺可能領域5及び第2穿刺可能領域7はケーシング2の壁におけるくぼみとして形成され得る。くぼみは脆弱化部を偶然に開くことから保護する。
【0061】
図4(b)及び図4(c)において見られるとおり、使用の際、消耗品カートリッジ1がカートリッジ室13に挿入されると、穿刺部材15の先端部分16は、ケーシング2の穿刺可能領域5と整列するとともにケーシング2の穿刺可能領域5を通過する。図4(d)において見られるとおり、カートリッジ1が室13にさらに挿入されると、穿刺部材15の先端部分16は第2穿刺可能領域7とも整列する。
【0062】
図4(e)において見られるとおり、電源ユニット19を回転させるか又は他の方法で吸入器デバイス10のハウジング12と接続することにより、カートリッジ1は室13へと完全に駆動されるか、又は強制的に入れられる。これは穿刺部材15の先端部分16に、穿刺部材15がケーシング2の軸方向長さ全体を通じて延在するように、第2穿刺可能領域7を穿刺させる。閉鎖された吸入器デバイス10において、先端部分16は端領域6を越えて突出するとともに端キャップ19における対応する凹部内にある。
【0063】
図5(a)〜(c)及び図6〜8は、本発明の消耗品カートリッジ1及び吸入器デバイス10の別の代替的実施形態を説明している。吸入器デバイス10は図1a〜1cに示された第2実施形態と同様である。消耗品カートリッジ1もまた図4a〜eに示された先行する実施形態と同様であるが、穿刺可能領域5、7の構造が異なっている。消耗品カートリッジ1は、消耗品カートリッジ1の軸方向に反対側の位置に2つの穿刺された孔があることを可能とすることにより、先行する実施形態と同じ方法で機能する。
【0064】
消耗品カートリッジ1は、ある量の気化液体Lを含むための空洞Cを画定する略円筒形のケーシング2を含む。消耗品カートリッジ1は、共にシート状の穿刺可能フィルム又は膜が設けられた第1穿刺可能領域5と第2穿刺可能領域7とを有する。外側ケーシング2は主部分2aと蓋部分6とを含み得る。蓋部分6の利点は、消耗品カートリッジ1の製造プロセスにおいてレセプタクルを気化液体で充填するためのより大きいアクセス開口を提供することである。
【0065】
使用の際、先行する実施形態と同じ方法で消耗品カートリッジ1はカートリッジ室に挿入されるとともに穿刺部材15により穿刺され、それにより第1穿刺可能領域5は穿刺される。消耗品カートリッジ1を図7において見られるとおり矢印の方向に押すことにより、カートリッジ1は室13にさらに挿入される。穿刺部材15は消耗品カートリッジ1のケーシング2より長いため、先端部分16は、膜3'により覆われるとともに密封される第2開口7を有するケーシングの反対側端領域6と接触する。端キャップ19(例えば、電源ユニット又はバッテリユニット)をデバイス10のハウジング12と接続させることにより、カートリッジ1は室13へと完全に駆動されるか、又は強制的に入れられ、第2穿刺可能領域7で穿刺される。
【0066】
当業者により理解されるとおり、電源ユニット又はバッテリユニット19は、典型的には、吸入器デバイス10に存在するコントローラ又はマイクロコントローラモジュールと協働する。これらは、電力又は電流を加熱コイルに提供するため、及び気化プロセスを制御するためエアロゾル発生手段18に作動的に接続される。カートリッジ1に残っている液体容量を決定するために、センサ(図示せず)が任意選択的に穿刺部材15において提供されてもよい。
【0067】
本発明の特定の実施形態が本明細書において図示及び説明されたが、様々な代替的及び/又は均等な実装形態が存在することが当業者には理解される。1つ又は複数の例示的な実施形態は例に過ぎず、範囲、適用可能性、又は構成を決して限定することを意図するものではないことが理解されるべきである。むしろ、前述の概要及び詳細な説明は当業者に、少なくとも1つの例示的な実施形態を実施するための便利なロードマップを提供し、例示的な実施形態において説明された機能及び配置構成に、添付のクレームに定められた範囲及びそれらの法的な均等物から逸脱すること無しに、様々な変更がなされ得ることが理解される。概して、この出願は、本明細書において検討された特定の実施形態のいずれの適応形態又は変更形態もカバーすることを意図するものである。
【0068】
本明細書において説明されたプロセス、方法、デバイス、装置又はシステムが挙げられた特徴又は部品又は要素又はステップに限定されず、明確に挙げられていないかそのようなプロセス、方法、物品、又は装置に固有の他の要素、特徴、部品又はステップを含み得るように、この文書において、「含む(comprise)」、「含む(comprising)」、「含む(include)」、「含む(including)」、「含む(contain)」、「含む(containing)」、「有する(have)」、「有する(having)」という用語、及びその変化形は、包含的な(すなわち非排他的な)意味で理解されることを意図することもまた理解される。さらに、本明細書で使用する「a」及び「an」という用語は、別段の明示がない限り、1つ又は複数として理解されることを意図する。さらに、「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、標識としてのみ使用され、数値的要件を課すこともそれらの対象の重要性の特定の順位付けを確立することも意図するものではない。
図1a
図1b
図1c
図1d
図2a
図2b
図2c
図3a
図3b
図3c
図3d
図3e
図4a
図4b
図4c
図4d
図4e
図5a
図5b
図5c
図6
図7
図8
図9a
図9b
図9c
図9d