(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記調整機構は、前記ヘッドバンドの長さを収縮又は伸張することによって、前記ユーザの前記頭部に対する前記ヘッドバンドの嵌合を変更する電気モータを含む、請求項1に記載のヘッドマウントディスプレイ。
前記ヘッドバンドは、ギアラックによって相互接続された第1の部分及び第2の部分を含み、前記電気モータの動作によって前記第1の部分及び前記第2の部分を互いに対して緩めるか又は締め付ける、請求項2に記載のヘッドマウントディスプレイ。
前記フィードバックコンポーネントは、前記ユーザの前記頭部に対する前記ヘッドバンドの締まり具合を測定するように動作可能である、請求項1に記載のヘッドマウントディスプレイ。
前記調整機構は、電気モータを含み、前記フィードバックコンポーネントは、前記電気モータの引き込み電流を測定するように動作可能である、請求項1に記載のヘッドマウントディスプレイ。
前記制御信号は、前記ユーザの前記頭部が前記アイチャンバに隣接して存在するかどうかを表す信号を出力する頭部存在検出器に部分的に基づいている、請求項1に記載のヘッドマウントディスプレイ。
前記ユーザの前記眼に対する前記筐体の動きを測定するように動作可能な視線追跡システムを更に備え、前記制御信号は、前記ユーザの前記眼に対する前記筐体の前記動きに部分的に基づく、請求項1に記載のヘッドマウントディスプレイ。
前記調整機構は、容積膨張又は容積収縮によって、前記ユーザの前記頭部に対する前記ヘッドバンドの嵌合を変更する可変容積構造体を含む、請求項1に記載のヘッドマウントディスプレイ。
前記可変容積構造体は、形状記憶合金ワイヤへの電流の印加に応じて前記可変容積構造体の容積膨張又は容積収縮を起こす前記形状記憶合金ワイヤによって支持されたファブリック構造を含む、請求項12に記載のヘッドマウントディスプレイ。
【発明を実施するための形態】
【0030】
ヘッドマウントディスプレイは、様々な頭部形状及びサイズを有する人々によって使用される。ヘッドマウントディスプレイの調整構造体は、調整に時間がかかる場合があり、快適な嵌合を見つけるには、ユーザによる試行錯誤が必要となる場合がある。本明細書の開示は、手動調整を必要とせずにユーザの頭部形状及びサイズに適合する受動的又は能動的な調整構造体を組み込むヘッドマウントディスプレイに関する。
【0031】
図1は、ヘッドマウントディスプレイ100を示す斜視図である。ヘッドマウントディスプレイは、筐体102、顔シール(face seal)104、及び支持アセンブリを含む。この実施例では、支持アセンブリは、ヘッドバンド106及び調整機構107を含む。本明細書で述べるように、支持アセンブリは自動調整機能を組み込む。支持アセンブリ以外のヘッドマウントディスプレイ100の部分は、文脈を提供するために示され、説明されているが、本明細書に記載される特徴は、広範な構成を利用するヘッドマウントディスプレイと共に利用できることを理解されたい。
【0032】
筐体102は、単一部品構造であってもよく、又は多部品構造であってもよく、剛性又は半剛性のいずれかである。本明細書で説明するように、筐体102は、コンテンツをユーザに表示することを可能にする構成要素を収容する。
【0033】
顔シール104は、筐体102に接続されている。顔シール104は、ユーザの眼の周囲領域にあるユーザの頭部と係合かつ適合するように構成されている。顔シール104は、ユーザの眼に到達する光の量を低減させるように機能することができる。顔シール104はまた、筐体102をユーザの頭部と快適に係合するように機能することもできる。
【0034】
ヘッドバンド106は、調整機構107によって筐体102に調整可能に接続されており、ユーザの頭部に対して筐体102を支持するように構成されている。図示した実施例では、筐体102は概ね矩形構造体であり、ヘッドバンド106は、筐体102の側面に接続されており、ユーザの頭部の周囲に延在する。ヘッドバンド106は、本明細書に記載されるように、可撓性又は半剛性構造体である。
【0035】
図2Aは、ユーザ208によって装着されるヘッドマウントディスプレイ100を示す側面図であり、
図2Bは、ユーザ208によって装着されるヘッドマウントディスプレイ100を示す上面図である。顔シール104は、ユーザ208の顔面210の上部に接触する。一例として、顔シール104は、ユーザ208の額、こめかみ、頬、及び/又は鼻に接触してもよく、ユーザ208の眼領域212の周りに延在してもよい。
【0036】
図3は、
図2Bの線A−Aに沿ったヘッドマウントディスプレイ100の断面図である。ヘッドマウントディスプレイ100は、下壁314、上壁315及び仕切り壁316を含む筐体102を含む。ヘッドマウントディスプレイ100はまた、レンズ318(例えば、ユーザの眼の1つとそれぞれ対になった2つのレンズ)、表示デバイス320、及び電子構成要素322を含む。図示した実施例では、表示デバイス320の2つが含まれているが、ヘッドマウントディスプレイ100は、代わりに単一の表示デバイスを含み得る。加えて、表示デバイス320及び電子構成要素322は、ヘッドマウントディスプレイ100の永久的に取り付けられた構成要素として本明細書に示され、記載されているが、その代わりに、筐体102に取り外し可能かつ選択的に取り付け可能となり得る。例えば、表示デバイス320及び電子構成要素322が筐体102に接続可能であるか、又は筐体内で取り外し可能に受け入れられるように、スマートフォンをディスプレイデバイス320及び電子構成要素322として使用することができる。
【0037】
筐体102は、ヘッドマウントディスプレイ100の外部構造を含み、ヘッドマウントディスプレイ100の内部構造の一部を含んでもよい。筐体102は、ヘッドバンド106(
図1〜
図2B)又は他の支持構造体に接続されている。ヘッドマウントディスプレイ100の内部空間は、仕切り壁316、レンズ318、表示デバイス320及び電子構成要素322などのヘッドマウントディスプレイ100の部分を支持及び/又は囲むために、筐体102によって画定される。筐体102は、複数部品構造であってもよく、又は単一部品構造であってもよい。筐体102は、剛性又は半剛性であってもよく、筐体102の複数部品構造に関しては、剛性部分及び可撓性部分を含む異なった材料特性を有する様々な部分を含んでもよい。
【0038】
筐体102の前端部は、装着時にユーザ208に隣接する周辺部分324を含む。周辺部分324は、前端部において筐体102の一部又は全部の周りに延在し、顔シール104のための支持面又は支持構造体を提供する。センサなどの他の構成要素及び/又は構造体は、周辺部分324上に形成されてもよく、又は周辺部分324によって支持されてもよい。
【0039】
仕切り壁316は、外部に露出する第1の側面を有し、アイチャンバ326に隣接している。アイチャンバ326は、仕切り壁316と顔シール104との間の筐体102内に画定される。ヘッドマウントディスプレイ100がユーザ208によって装着されると、ユーザ208の眼はアイチャンバ326に隣接して位置付けられる。顔シール104とユーザ208の顔面210との係合により、顔シール104の外部の環境からアイチャンバ326に入る光の量を低減又は排除するように、顔シール104は動作可能である。しかしながら、ヘッドマウントディスプレイ100の外部からの光を排除しないアイチャンバ326のための開放設計に有利になるように、顔シール104は省略することができることを理解されたい。
【0040】
仕切り壁316は、レンズ318を直接的に又は間接的に支持することができる。図示した実施例では、レンズ318は仕切り壁316に接続されており、仕切り壁316内に形成された開口部328に位置する。ヘッドマウントディスプレイ100の他の実装形態は、レンズ318を仕切り壁316に間接的に接続することができる。一例として、レンズ318は、レンズ318を横方向に、又は互いから離れる方向に移動させるように動作可能な瞳孔間距離調整機構によって支持され得る。別の例として、レンズ318は、ユーザ208の眼とレンズ318との間の距離を変更するために、筐体102の前後方向におけるレンズ318の位置を調整するように動作可能なアイレリーフ調整機構によって支持され得る。
【0041】
レンズ318は、所望の焦点距離及び他の光学特性を達成するために、表示デバイス320からの画像に焦点を合わせ、向きを変更し、再成形する。表示デバイス320は筐体102内に位置し、レンズ318に向かって光を放出するように(例えば、画像を形成するパターンで)配向されている。レンズ318は、3次元環境からの光がユーザ208の眼に到達する方法をシミュレーションするように、表示デバイス320によって放出された画像をユーザ208の眼に向ける。一例として、レンズ318は、両凸レンズであってもよい。別の例として、レンズ318はフレネルレンズであってもよい。レンズ318の焦点距離は、例えば、25mm〜50mmであってもよい。
【0042】
アイチャンバ326と反対側の、仕切り壁316の第2の側には、仕切り壁316と筐体102との間に構成要素チャンバ330が形成されている。構成要素チャンバ330は、筐体102及び仕切り壁316によって画定された実質的な閉鎖空間を有する内部チャンバである。いくつかの実施態様では、複数の内部チャンバが存在する。図示した実施例では、表示デバイス320及び電子構成要素322は、内部チャンバ内に位置する。表示デバイス320は、(図示されるように)仕切り壁316によって、筐体102によって、又は構成要素チャンバ330内に位置する他の構造体によって支持されてもよい。
【0043】
電子構成要素322は、構成要素チャンバ330内に位置し、筐体102によって、又は構成要素チャンバ330内に存在している他の構造によって支持されてもよい。電子構成要素322は、表示デバイス320に接続されており、信号又はデータの形式で、コンテンツを生成又は受信する構成要素を含む。コンテンツは、放出された光によって定義された画像として、表示デバイス320による表示のために出力される表示デバイスによって提供される。電子構成要素322もまた、ヘッドマウントディスプレイ100の位置及び向きなどのヘッドマウントディスプレイ100の動作に関連する状態を検出するセンサを含んでもよい。
【0044】
図4は、ヘッドバンド106に接続された調整機構107の一実施例を示す図である。調整機構107は、本明細書に記載されるように、制御信号に応じて、ユーザ208の頭部に対するヘッドバンド106の嵌合を変更するように動作可能である。図示した実施例では、調整機構107は、筐体431、モータ432、スプール433、駆動接続部434、フィードバック構成要素435、及びコントローラ436を含む。
【0045】
モータ432は、コントローラ436によって制御される電気モータである。任意のタイプの電気モータ又は他のアクチュエータを使用して、ヘッドバンド106の緩み及び締め付けを駆動してもよい。スプール433は、この例ではストラップなどの可撓性部材であるヘッドバンド106に接続されている。スプール433は、ヘッドバンド106の伸張及び引き込み動作が可能であり、筐体102に接続する点の間のヘッドバンド106の長さを変更することによって、ユーザ208の頭部に対するヘッドバンド106の嵌合を膨張、収縮する。スプール433は、駆動接続部434によってモータ432に接続されている。駆動接続部434は、モータ432による回転に応じて(すなわち、モータ432の出力軸で)スプール433を回転させるために、モータ432とスプール433とを相互接続する任意の構成要素である。図示した実施例では、駆動接続部434はベルト駆動であるが、ギアトレイン又はモータ432のスプール433への直接接続など他の構造を使用することができる。また、モータ432とスプール433との組み合わせは、可撓性ヘッドバンドのためのモータ駆動調整の一例であるが、調整機構の筐体431に対してヘッドバンド106を移動させるモータ駆動摩擦ローラなどの他の機構を使用することもできる。
【0046】
フィードバック構成要素435は、ユーザ208に対するヘッドバンド106の締まり具合(すなわち、嵌合)を測定し、ヘッドバンド106の締まり具合を示す信号を出力するセンサ(又はセンサ群)である。フィードバック構成要素435は、例えば、直接的又は間接的にヘッドバンド106の張力を測定することができる。直接測定の一例として、フィードバック構成要素435は、ヘッドバンド106に接続されているか又はヘッドバンド106に埋め込まれている張力計であってもよい。間接測定の一例として、フィードバック構成要素は、ヘッドバンド106と接触しているばね付勢された支柱の偏向を測定する線形可変差動変圧器などの、ヘッドバンド106と接触している力センサであってもよい。間接測定の別の例として、引き込み電流はヘッドバンド106の締まり具合に関連するモータトルクに比例するため、フィードバック構成要素435をモータ432に電気的に接続して、モータ432によって引き込まれる電流を測定することができる。
【0047】
コントローラ436は、ユーザの頭部208に対してヘッドバンド106を収縮又は伸張させることによってヘッドバンド106の嵌合を変更するように、モータ432の動作を調節する。コントローラ436は、例として、回路、コンピュータプログラム命令を実行するプロセッサ、特定用途向け集積回路、又はフィールドプログラマブルゲートアレイであり得る。コントローラ436は、フィードバック構成要素435によって出力された信号を受信し、また、ユーザ入力又はユーザアクションを表す信号などの他のソースから信号を受信してもよい。コントローラ436は、ヘッドバンド106の締め付け及び緩みを制御するために使用される入力を受信するように、フィードバック構成要素に及び任意選択で他の構成要素に電気的に接続されている。
【0048】
フィードバック構成要素435からの信号に部分的に基づいて、コントローラ436は、モータ432にヘッドバンド106を収縮又は伸張させる制御信号を出力する。一例として、コントローラ436は、フィードバック構成要素435からの信号(例えば、ストラップ張力を表す)が閾値を下回る場合、モータ432にヘッドバンド106を締め付けさせることができ、コントローラ436は、フィードバック構成要素435からの信号が閾値を上回る場合、モータ432にヘッドバンド106を締め付けさせること又はヘッドバンド106を緩めさせることを停止できる。
【0049】
いくつかの実施態様では、ノブなどのユーザ操作制御デバイスが設けられており、嵌合調整の手動制御が可能になる。ユーザ操作入力デバイスは、制御が変位する量(すなわち、ノブが回転する度合いに比例した締め付け又は緩み)に対応してヘッドバンド106の構成要素を移動させることによって締まり具合を変更することができ、又は、ユーザ操作入力デバイスは、中立位置に対する角変位に基づいて速度を制御することができる。ヘッドバンド106を緩める又は締め付ける速度は、ユーザの頭部のサイズ(例えば、カメラ又は近接センサによって検出される)に対するヘッドバンド106の現在のサイズに基づいて調整することができ、それにより、ヘッドバンド106の現在のサイズとユーザの頭部との間の差が大きい場合、同じ大きさのユーザ入力はより大きな緩み及び締め付けをもたらす。
【0050】
調整機構107を使用してヘッドバンド106の第1の側面を筐体102に接続し、ヘッドバンド106の第2の側面が筐体102に固定された接続を使用して、単一の調整機構107を使用してヘッドマウントディスプレイ100を実装することができる。固定接続を使用してヘッドバンド106の第1及び第2の側面を筐体102に接続することによって、また、ユーザの頭部の側面に沿った位置又はユーザの頭部の後ろの位置など、ヘッドバンド106に沿って調整機構107の1つ以上を位置決めすることによって、単一の調整機構107を使用してヘッドマウントディスプレイ100を実装することができる。調整機構107のそれぞれを使用してヘッドバンド106の第1の側面及び第2の側面のそれぞれを筐体102に接続することによって、調整機構107の2つを使用してヘッドマウントディスプレイ100を実装することができる。いくつかの実施態様では、ヘッドバンド106は周辺ストラップに加えてユーザの頭部の上に延在する追加のストラップを含み、3つ目の調整機構107を使用して、このストラップを筐体102に調整可能に接続することができる。
【0051】
図5A〜
図5Bは、側面図(
図5A)及び上面図(
図5B)の別の実施例による、調整可能な支持アセンブリを有するヘッドマウントディスプレイ500を示す図である。ヘッドマウントディスプレイ500は、ヘッドマウントディスプレイ100に関して記載された構成要素を含んでもよく、これらの構成要素は、本明細書に別途説明のない限り、同様に構成されており、同様に機能することができる。
【0052】
ヘッドマウントディスプレイ500は、ユーザ208にコンテンツを提示するためのヘッドマウントディスプレイ100に関して説明したような構成要素を含む筐体502を含む。ヘッドマウントディスプレイ500は、ヘッドバンド506及び調整機構507を含む支持アセンブリによって、ユーザ208の頭部に対して支持され得る。
【0053】
ヘッドバンド506は、第1のバンド部分540a及び第2のバンド部分540bを含み、これらは筐体502のそれぞれの側面に接続されている。第1のバンド部分540a及び第2のバンド部分540bは、剛性又は半剛性構造体であってもよい。いくつかの実施態様では、第1のバンド部分540a及び第2のバンド部分540bが剛性構成要素である場合など、ジョイント、スライド、弾性部材、クラッチ、又はスリップ面などの受動的な適合構造(compliant structures)をヘッドバンド506に組み込み、過度の締め付けを防止することができる。
【0054】
調整機構507は、ヘッドバンド506を収縮又は伸張することによってヘッドバンド506の嵌合を変更できるように、第1のバンド部分540aと第2のバンド部分540bとを相互接続する。
図6に示すように、調整機構507は、筐体641、モータ642、及び第1のバンド部分540aと第2のバンド部分540bとを相互接続するギアラックアセンブリ643を含む。ギアラックアセンブリ643は、モータ642によって回転するギアトレイン644を含む。モータ642及びギアトレイン644は、筐体641に対する並進運動を抑制するように筐体641に接続されている。ギアラックアセンブリ643は、第1のバンド部分540a及び第2のバンド部分540bのいずれか又は両方の上に形成されたギア歯と係合する。ギアラックアセンブリ643によって第1のバンド部分540aと第2のバンド部分540bとが相互接続されていることで、モータ642の動作に応じて第1のバンド部分540aが第2のバンド部分540bに対して移動することにより、ヘッドバンド506を緩める又は締め付けることができる。
【0055】
図示した実施例では、第1のバンド部分540a上に第1のギア歯645aが形成され、第2のバンド部分540b上に第2のギア歯645bが形成される。ギアトレイン644の回転は、調整機構507の筐体641とヘッドマウントディスプレイ500の筐体502との間で第2のバンド部分540bに対する第1のバンド部分540aの長さを等しく保ちながら、第1のバンド部分540a及び第2のバンド部分540bを筐体641に対して並進させる。あるいは、第1のギア歯645aを第1のバンド部540a上に設ける一方で第2のギア歯645bを第2のバンド部分540bから省略し、代わりに調整機構507の第2のバンド部分に対する並進を含まないように、第2のバンド部分540bを調整機構507の筐体641に接続してもよい。
【0056】
調整機構507は、調整機構107に関して説明したのと同様に、ヘッドバンド506の締め付け及び緩みを制御するフィードバック構成要素646及びコントローラ647を含んでもよい。
【0057】
図示した実施例では、ヘッドマウントディスプレイ500の支持アセンブリは、支持アセンブリが筐体502の側面に接続されており、ヘッドマウントディスプレイ500がヘッドマウントディスプレイの顔シール504とユーザの顔面との接触を介して部分的に支持される「ゴーグル」スタイル構成で、筐体502に接続されている。あるいは、支持アセンブリは、支持アセンブリがユーザの額に接触し、筐体502が支持アセンブリから吊り下げられるように筐体502の上部に接続されている「ハロー(halo)」スタイル構成を使用して実装することができる。
【0058】
図7A〜
図7Bは、可変容積調整機構750を有する支持アセンブリを含み、可変容積調整機構750が収縮位置(
図7A)にあり、可変容積調整機構750が膨張位置(
図7B)にあるヘッドマウントディスプレイ700を示す上面図である。ヘッドマウントディスプレイ700は、ヘッドマウントディスプレイ100に関して記載された構成要素を含んでもよく、これらの構成要素は、本明細書に別途説明のない限り、同様に構成されており、同様に機能することができる。
【0059】
ヘッドマウントディスプレイ700は、筐体702、及び筐体702に接続されたヘッドバンド706を含む。可変容積調整機構750は、容積の膨張又は容積の収縮によって、ユーザの頭部に対するヘッドバンド706の嵌合を変更する可変容積構造体751を含む。可変容積構造体751は、装着時にユーザの頭部と係合するように、ヘッドバンド706の内面上に位置する。可変容積構造体751は、例えば、制御可能な方法(例えば、可変容積構造体751への信号又は流体の供給に応答して)で膨張及び収縮することができる電気デバイス、液圧デバイス、又は空気圧デバイスであり得る。可変容積構造体751の膨張及び収縮は、制御システム752によって調節され、この制御システムは、例えば、可変容積構造体751の膨張及び収縮を起こし制御するように動作可能な電気式、液圧式、又は空気圧式の制御デバイスでもよい。
【0060】
図8Aは、収縮位置にある空気圧可変容積調整機構850を示す断面図であり、
図8Bは、膨張位置にある空気圧可変容積調整機構850を示す断面図である。空気圧可変容積調整機構850は、ヘッドマウントディスプレイ700の可変容積調整機構750の代わりに使用することができる。空気圧可変容積調整機構850は、ヘッドバンド806に接続されており、カバー852及び1つ以上の内部袋(internal bladders)853を有する可変容積構造体851を含む。空気は、内部袋853に供給されて、内部袋を膨張させ、可変容積構造体851を収縮位置から膨張位置に移動させる。空気は、放出されて収縮位置に戻る。空気は、制御システム752に関して説明したように、制御システムによって供給及び放出され得る。
【0061】
図9Aは、収縮位置にある形状記憶合金調整機構950を示す断面図であり、
図9Bは、膨張位置にある形状記憶合金調整機構950を示す断面図である。形状記憶合金調整機構950は、ヘッドマウントディスプレイ700の可変容積調整機構750の代わりに使用することができる。形状記憶合金調整機構950は、ヘッドバンド906に接続されており、カバー952及び圧縮性材料953(例えば、連続気泡フォーム)を有する可変容積構造体951を含む。形状記憶合金ワイヤ954(すなわち、「マッスルワイヤ(muscle wires)」)は、カバー952に埋め込まれ、電流供給の変化に応じて収縮位置と膨張位置との間を移動し、圧縮性材料953を収縮位置で圧縮させ、圧縮性材料953を膨張位置で膨張させる。電流の供給は、制御システム752に関して説明したように、制御システムによって調節され得る。
【0062】
図10A〜
図10Bは、側面図(
図10A)及び上面図(
図10B)の別の実施例による、調整可能な支持アセンブリを有するヘッドマウントディスプレイ1000を示す図である。ヘッドマウントディスプレイ1000は、ヘッドマウントディスプレイ100に関して説明された構成要素を含んでもよく、これらの構成要素は、本明細書に別途説明のない限り、同様に構成されており、同様に機能することができる。
【0063】
ヘッドマウントディスプレイ1000は、ユーザにコンテンツを提示するためのヘッドマウントディスプレイ100に関して説明したような構成要素を含む筐体1002を含む。ヘッドマウントディスプレイ1000は、ヘッドバンド1006を含む支持アセンブリによって、ユーザの頭部に対して支持され得る。ヘッドバンド1006は、ユーザの頭部上に延在するように構成されており、第1のバンド部分1061、第2のバンド部分1062、及び第3のバンド部分1063を含む。第1のバンド部分1061は、筐体1002が第1のバンド部分1061から吊り下げられるように、筐体1002の上面に接続された取り付けブラケット1064によって筐体1002に接続されている。第2バンド部分1062は、第1バンド部分1061に調整可能に接続されている。第3のバンド部分1063は、第2のバンド部分1062に調整可能に接続されており、筐体1002への接続がない支持アセンブリの自由端を画定する。使用中、ユーザの頭部は、筐体1002と筐体1002の第3の部分の自由端との間に位置付けられる。
【0064】
図示した実装形態では、支持アセンブリの調整は受動的であり、電気制御を含まない機械的構成要素を利用する。第1のバンド部分1061は、第1のバンド部分1061と第2のバンド部分1062との間のばね付勢された摺動接続を規定する第1のばね付勢接合部1065によって第2のバンド部分1062に接続されており、ユーザによって拡張されるまで収縮する。支持アセンブリの第2のバンド部分1062は、第2のバンド部分1062と第3のバンド部分1063との間のばね付勢された摺動接続を規定する第2のばね付勢接合部1066によって支持アセンブリの第3のバンド部分1063に接続されており、ユーザによって拡張されるまで収縮する。
【0065】
ユーザの頭部と係合するために、支持アセンブリは、第1のクッションパッド1067、第2のクッションパッド1068、及び第3のクッションパッド1069を含む。第1クッションパッド1067は、筐体1002の近くの支持アセンブリに接続されている。第2のクッションパッド1068は、筐体1002と支持アセンブリの自由端との間で支持アセンブリに接続されており、ユーザの頭頂部と係合する。第3のクッションパッド1069は、支持アセンブリの自由端の近くに位置する。一例として、第1のクッションパッド1067は、ユーザの前頭部と係合するために第1のバンド部分1061に接続されてもよく、第2のクッションパッド1068は、ユーザの頭頂部と係合するために第2のバンド部分1062に接続されてもよく、第3のクッションパッド1069は、ユーザの後頭部と係合するために第3のバンド部分1063に接続されてもよい。
【0066】
図11A〜
図11Bは、側面図(
図11A)及び上面図(
図11B)の別の実施例による、調整可能な支持アセンブリを有するヘッドマウントディスプレイ1100を示す図である。ヘッドマウントディスプレイ1100は、ヘッドマウントディスプレイ100に関して記載された構成要素を含んでもよく、これらの構成要素は、本明細書に別途説明のない限り、同様に構成されており、同様に機能することができる。
【0067】
ヘッドマウントディスプレイ1100は、ユーザにコンテンツを提示するためのヘッドマウントディスプレイ100に関して説明したような構成要素を含む筐体1102を含む。ヘッドマウントディスプレイ1100は、ヘッドバンド1106を含む支持アセンブリによって、ユーザの頭部に対して支持され得る。ヘッドバンド1106は、ユーザの頭部上に延在するように構成されており、第1のバンド部分1161、第2のバンド部分1162、及び第3のバンド部分1163を有する。第1のバンド部分1161は、筐体1102が第1のバンド部分1161から吊り下げられるように、筐体1102の上面に接続された取り付けブラケット1164によって筐体1102に接続されている。第2バンド部分1162は、第1バンド部分1161に調整可能に接続されている。第3のバンド部分1163は、第2のバンド部分1162に調整可能に接続されており、筐体1102への接続がない支持アセンブリの自由端を画定する。使用中、ユーザの頭部は、筐体1102と筐体1102の第3の部分の自由端との間に位置付けられる。
【0068】
図示した実装形態では、支持アセンブリの調整は、例えば、フィードバック信号に基づく制御信号を使用して能動的に制御され、他の実施例に関して説明したように、コントローラ及びフィードバック構成要素を含むことができる。第1のバンド部分1161は、第1のバンド部分1161と第2のバンド部分1162との間の制御可能な摺動接続を規定する第1のモータ式摺動接合部1165によって第2のバンド部分1162に接続されており、制御信号に応じて収縮及び拡張する。支持アセンブリの第2のバンド部分1162は、第2のバンド部分1162と第3のバンド部分1163との間の制御可能な摺動接続を規定する第2のモータ式摺動接合部1166によって支持アセンブリの第3のバンド部分1163に接続されており、制御信号に応じて収縮及び拡張する。
【0069】
第1のモータ式摺動接合部1165及び第2のモータ式摺動接合部1166はそれぞれ、電動モータと、電気モータの動作に応じて相互接続された部品の相対運動を引き起こすギアラックなどの機械的相互接続部とを組み込むことができる。あるいは、第1のモータ式摺動接合部1165及び第2のモータ式摺動接合部1166は、テンションワイヤ又は他の機械的構成要素によって接合部に接続された単一の電気モータによって制御され得る。例えば、テンションワイヤを使用して、第1のモータ式摺動接合部1165及び第2のモータ式摺動接合部1166を、接合部のそれぞれにおけるばねによって加えられた付勢力に対抗して収縮させることができる。
【0070】
ユーザの頭部と係合するために、支持アセンブリは、第1のクッションパッド1167、第2のクッションパッド1168、及び第3のクッションパッド1169を含む。第1クッションパッド1167は、筐体1102の近くの支持アセンブリに接続されている。第2のクッションパッド1168は、筐体1102と支持アセンブリの自由端との間で支持アセンブリに接続されており、ユーザの頭頂部と係合する。第3のクッションパッド1169は、支持アセンブリの自由端の近くに位置する。一例として、第1のクッションパッド1167は、ユーザの前頭部と係合するために第1のバンド部分1161に接続されてもよく、第2のクッションパッド1168は、ユーザの頭頂部と係合するために第2のバンド部分1162に接続されてもよく、第3のクッションパッド1169は、ユーザの後頭部と係合するために第3のバンド部分1163に接続されてもよい。
【0071】
図12は、ヘッドマウントディスプレイ100の電子構成要素1200に対するハードウェア構成の一実施例を示すブロック図である。図示した実施例では、電子構成要素1200は、プロセッサ1202、メモリ1204、記憶装置1206、入力デバイス1208、出力デバイス1210、外部デバイスインタフェース1212、動き追跡システム1214、センサ1216、カメラ1218、及びバッテリ1220を含む。いくつかの実施形態では、電子構成要素1200の一部又は全ては、システムオンチップとして実装される。
【0072】
プロセッサ1202は、コンピュータプログラム命令を実行し、かつコンピュータプログラム命令によって記述された動作を実行するように動作可能である。一例として、プロセッサ1202は、中央処理装置などの従来のデバイスであってもよい。メモリ1204は、ランダムアクセスメモリモジュールなどの揮発性高速短期情報記憶装置であってもよい。記憶装置1206は、ハードドライブ又はソリッドステートドライブなどの不揮発性情報記憶装置であってもよい。入力デバイス1208は、ボタン、スイッチ、モーションセンシティブコントローラ、キーボード、マウス、タッチスクリーン入力デバイス、ジェスチャ入力デバイス、オーディオ入力デバイス(例えば、マイクロフォン)などの任意のタイプのヒューマン−マシンインタフェースを含んでもよい。出力デバイス1210は、ヘッドマウントディスプレイ100の表示デバイス320又はオーディオ出力デバイス(例えば、スピーカ)などの動作状態に関する指示をユーザに提供するように動作可能な任意のタイプのデバイスを含んでもよい。
【0073】
外部デバイスインタフェース1212は、任意のタイプのプロトコルを使用する有線又は無線インタフェースである。一例として、外部デバイスインタフェース1212は、コンテンツをレンダリングすることなどによって、ヘッドマウントディスプレイ100の表示デバイス320によって表示されるコンテンツなどのコンテンツを生成するために利用される外部コンピューティングデバイスへの有線接続を含んでもよい。別の例として、外部デバイスインタフェース1212により、ヘッドマウントディスプレイ100の動作中にサーバベースのリソースを利用するために、インターネットアクセスへ無線接続できるようになる。
【0074】
動き追跡システム1214は、ヘッドマウントディスプレイ100の3軸回転及び加速度を検出し、この情報をプロセッサ1202又は他のシステムへの入力として提供することができる。一例として、動き追跡システム1214によって出力される情報を利用して、特定のソフトウェアアプリケーションにおけるビュー追跡を実行することができ、動き追跡システム1214によって出力される情報は、コンテンツの生成中にソフトウェアアプリケーションによって使用され得る。動き追跡システム1214は、例えば、運動を説明する情報を出力するために、加速度計、ジャイロスコープ、及び磁力計を利用する慣性測定ユニットを含むことができる。動き追跡システムはまた、構造光ステレオデバイス、深度カメラ、ライダーデバイス(LIDAR devices)、レーダーデバイス、超音波デバイス、外部赤外線源からの信号を測定する赤外線検出器、及び外部赤外線検出器によって測定することができる信号を放出する赤外線ビーコンなどの、他のタイプの動き追跡技術を含むことができる。
【0075】
センサ1216は、動き追跡システム内のセンサに加えて、様々なタイプのセンサを有する。例としては、生体センサ、温度センサ、光センサ、及び力センサが挙げられる。センサ1216の一部は、他の構成要素に含まれてもよい。例えば、温度センサは、プロセッサ1202に組み込まれてもよい。センサ1216に含まれるセンサの特定例は、電気機械的(例えば、物理的スイッチ)又は電気的(例えば、静電容量信号)検感知を利用する第1の手存在センサ1222及び第2の手存在センサ1224であり、ユーザが筐体の第1及び第2の側面などの位置のデバイスをつかんでいることを検出する。近接センサ1226は、ユーザの顔面がアイチャンバに隣接して位置しているかどうかを判定するために、デバイスのアイチャンバ内に位置付けられてもよい。視線追跡センサ1228(例えば、デバイスのアイチャンバ内に位置した赤外線カメラを使用して)は、ユーザの眼の位置及び視線角度を測定するために提供されてもよい。
【0076】
カメラ1218は、単一のカメラ又は複数のカメラを含むことができ、ヘッドマウントディスプレイ100を取り囲む環境の映像をキャプチャするために含まれてもよく、又は環境内の特徴若しくはユーザの特徴を感知するために使用することができる。一例として、カメラ1218は、ヘッドマウントディスプレイのアイチャンバに取り付けられており、ヘッドマウントディスプレイ100のアイチャンバ326内などの視線追跡に使用することができる。
【0077】
バッテリ1220は、電子構成要素1200を含むヘッドマウントディスプレイ100の様々な構成要素に電力を供給する。一例として、バッテリ1220は、任意の好適なタイプの充電式バッテリであり得る。
【0078】
図13は、ヘッドマウントディスプレイを調整するためのプロセス1300の第1の例を示すフローチャートである。プロセス1300では、調整可能なヘッドバンドの締め付け及び緩みは、両手が存在するときにヘッドマウントディスプレイが緩められ、片手又は両手がヘッドマウントディスプレイから離れたときに締め付けられるように、ユーザの手がヘッドマウントディスプレイに接触することに基づいて制御される。プロセス1300は、例えば、ヘッドマウントディスプレイ100、ヘッドマウントディスプレイ500、ヘッドマウントディスプレイ700、ヘッドマウントディスプレイ1000、及びヘッドマウントディスプレイ1100を使用して実行することができる。プロセス1300はまた、電子構成要素1200を使用して実行することもできる。動作の一部は、コンピューティングデバイスを使用して実行される。コンピューティングデバイスの一例としては、プロセッサ、メモリ、及びメモリに記憶され、本明細書に記載される動作を実行するためにプロセッサによって実行され得るコンピュータ実行可能プログラム命令が挙げられる。コンピューティングデバイスは、電子構成要素1200のプロセッサ1202及びメモリ1204を含んでもよい。
【0079】
動作1302は、筐体上の第1の位置及び第2の位置とのユーザ接触を検出したことに応じて、調整可能なヘッドバンドを筐体に対して緩めることを含む。第1の位置及び第2の位置は、例えば、ヘッドマウントディスプレイの筐体(例えば、ヘッドマウントディスプレイ100の筐体102)の左右側面上などの、第1の手存在センサ1222及び第2の手存在センサ1224の位置であってもよい。動作1304は、筐体上の第1の位置又は第2の位置とのユーザ接触の停止を検出したことに応じて、調整可能なヘッドバンドを筐体に対して締め付けることを含む。動作1306では、調整可能なヘッドバンドが適切に締められたことを示すフィードバック信号が受信される。動作1308では、動作1306で受信したフィードバック信号に応じて、調整可能なヘッドバンドの締め付けが停止する。
【0080】
図14は、ヘッドマウントディスプレイを調整するためのプロセス1400の第1の実施例を示すフローチャートである。プロセス1400では、ユーザの顔面がアイチャンバに隣接して存在するときに、締め付けが開始される。プロセス1400は、例えば、ヘッドマウントディスプレイ100、ヘッドマウントディスプレイ500、ヘッドマウントディスプレイ700、ヘッドマウントディスプレイ1000、及びヘッドマウントディスプレイ1100を使用して実行することができる。プロセス1400はまた、電子構成要素1200を使用して実行することもできる。動作の一部は、コンピューティングデバイスを使用して実行される。コンピューティングデバイスの一例としては、プロセッサ、メモリ、及びメモリに記憶され、本明細書に記載される動作を実行するためにプロセッサによって実行され得るコンピュータ実行可能プログラム命令が挙げられる。コンピューティングデバイスは、電子構成要素1200のプロセッサ1202及びメモリ1204を含んでもよい。
【0081】
動作1402は、筐体に対して調整可能なヘッドバンドの緩みを得ることを含む。動作1402では、近接センサ1226などの近接センサは、ユーザの顔面がヘッドマウントディスプレイのアイチャンバに隣接して存在しないことを示すことができる。動作1404では、近接センサからの出力信号に基づいて、ユーザの顔面が現在ヘッドマウントディスプレイのアイチャンバに隣接して存在すると判定したことに応じて、ヘッドマウントディスプレイの締め付けが開始される。動作1406では、フィードバック信号が受信され、調整可能なヘッドバンドが適切に締め付けられたことを示す。動作1408では、動作1406で受信したフィードバック信号に応じて、調整可能なヘッドバンドの締め付けが停止する。
【0082】
図15は、ヘッドマウントディスプレイを調整するためのプロセス1500の第1の実施例を示すフローチャートである。プロセス1500では、ユーザの頭部に対するヘッドマウントディスプレイの動きを検出したことに応じて、ヘッドマウントディスプレイの調整可能なヘッドバンドが締め付けられる。プロセス1500は、例えば、ヘッドマウントディスプレイ100、ヘッドマウントディスプレイ500、ヘッドマウントディスプレイ700、ヘッドマウントディスプレイ1000、及びヘッドマウントディスプレイ1100を使用して実行することができる。プロセス1500はまた、電子構成要素1200を使用して実行することもできる。動作の一部は、コンピューティングデバイスを使用して実行される。コンピューティングデバイスの一例としては、プロセッサ、メモリ、及びメモリに記憶され、本明細書に記載される動作を実行するためにプロセッサによって実行され得るコンピュータ実行可能プログラム命令が挙げられる。コンピューティングデバイスは、電子構成要素1200のプロセッサ1202及びメモリ1204を含んでもよい。
【0083】
動作1502は、ユーザの頭部に対するヘッドマウントディスプレイの動きを検出することを含む。動きは、例えば、視線追跡センサ1228などの眼の位置センサを使用して、ヘッドマウントディスプレイに対するユーザの眼の位置の動きを測定することによって検出することができる。例えば、ヘッドマウントディスプレイの筐体の外側に位置した可視スペクトルカメラなどの他の感知デバイスを使用して、相対運動を検出することができる。動作1504は、動作1502における相対運動の検出に基づいて、ヘッドマウントディスプレイの調整可能なヘッドバンドを締め付けることを含む。例えば、動作1504は、動作1502で検出された相対運動が閾値を超えていると判定したことに応じて実行されてもよい。動作1506では、フィードバック信号が受信され、調整可能なヘッドバンドが適切に締め付けられたことを示す。動作1508では、動作1506で受信したフィードバック信号に応じて、調整可能なヘッドバンドの締め付けが停止する。
【0084】
図16は、ヘッドマウントディスプレイを調整するためのプロセス1600の第1の実施例を示すフローチャートである。プロセス1600では、ヘッドマウントディスプレイの調整可能なヘッドバンドの締め付けは、ユーザに表示されているコンテンツのタイプに部分的に基づいて制御され、低レベルなユーザの動き(例えば、映画)にコンテンツが関連付けられている場合、嵌合をより緩く調整でき、高レベルなユーザの動きにコンテンツが関連付けられている場合、嵌合をよりきつく調整できる。コンテンツのタイプは、本明細書ではコンテンツタイプ識別子と呼ばれる、コンテンツに関連付けられた識別情報に基づいて決定することができる。プロセス1600は、例えば、ヘッドマウントディスプレイ100、ヘッドマウントディスプレイ500、ヘッドマウントディスプレイ700、ヘッドマウントディスプレイ1000、及びヘッドマウントディスプレイ1100を使用して実行することができる。プロセス1600はまた、電子構成要素1200を使用して実行することもできる。動作の一部は、コンピューティングデバイスを使用して実行される。コンピューティングデバイスの一例としては、プロセッサ、メモリ、及びメモリに記憶され、本明細書に記載される動作を実行するためにプロセッサによって実行され得るコンピュータ実行可能プログラム命令が挙げられる。コンピューティングデバイスは、電子構成要素1200のプロセッサ1202及びメモリ1204を含んでもよい。
【0085】
動作1602は、ヘッドマウントディスプレイのユーザに表示されているコンテンツに関連付けられたコンテンツタイプ識別子を取得することを含む。コンテンツタイプ識別子は、コンテンツに関連付けることができる。一例として、コンテンツタイプ識別子は、コンテンツ作成者又は他の当事者によって設定されるフラグなどの値であり得る。別の例として、コンテンツタイプ識別子は、コンテンツのソース(例えば、メディアプレーヤー対ゲームアプリケーション)を分析するなどのロジックを使用して、又はコンテンツに対するコントローラからの入力若しくは動きに基づく入力などのユーザ入力のタイプを監視することによって、決定することができる。動作1604は、コンテンツタイプに基づいてヘッドマウントディスプレイの所望の嵌合を決定することを含む。一例として、所望の嵌合は、締まり具合を表す値(「締め付け値」)として表し、第1のコンテンツタイプが第2のコンテンツタイプよりも低い締め付け値に関連付けられていてもよい。
【0086】
動作1606は、動作1604で決定された所望の嵌合に基づいて制御信号を出力することによって、ヘッドマウントディスプレイの調整可能なヘッドバンドを締め付けることを含む。動作1608では、フィードバック信号が受信され、調整可能なヘッドバンドが適切に締め付けられたことを示す。動作1610では、動作1608で受信したフィードバック信号に応じて、調整可能なヘッドバンドの締め付けが停止する。
【0087】
上述のように、本技術の一態様は、ヘッドマウントデバイスの調整を向上するために、様々なソースから入手可能なデータを収集及び使用することである。本開示は、いくつかの例において、この収集されたデータは、特定の人物を一意に特定する個人情報データ、又は特定の人物に連絡する若しくはその所在を突き止めるために使用できる個人情報データを含み得ることを想到している。そのような個人情報データとしては、人口統計データ、ロケーションベースのデータ、電話番号、電子メールアドレス、ツイッターID、自宅の住所、ユーザの健康又はフィットネスのレベル(例えば、バイタルサイン測定値、服薬情報、運動情報)に関するデータ若しくは記録、誕生日、又は任意のその他の識別情報若しくは個人情報を挙げることができる。
【0088】
本開示は、本技術におけるそのような個人情報データの使用がユーザの利益になる使用であり得る点を認識するものである。例えば、個人情報データを使用して、ユーザによる装着時に、ヘッドマウントデバイスの自動調整が可能となる設定を記憶することができる。更には、ユーザに利益をもたらす、個人情報データに関する他の使用もまた、本開示によって想到される。例えば、健康データ及びフィットネスデータは、ユーザの全般的なウェルネスについての洞察を提供するために使用することができ、あるいは、ウェルネスの目標を追求するための技術を使用している個人への、積極的なフィードバックとして使用することもできる。
【0089】
本開示は、そのような個人情報データの収集、分析、開示、転送、記憶、又は他の使用に関与するエンティティが、確固たるプライバシーポリシー及び/又はプライバシー慣行を遵守するものとなることを想到する。具体的には、そのようなエンティティは、個人情報データを秘密として厳重に保守するための、業界又は政府の要件を満たしているか又は上回るものとして一般に認識されている、プライバシーのポリシー及び慣行を実施し、一貫して使用するべきである。そのようなポリシーは、ユーザによって容易にアクセス可能とするべきであり、データの収集及び/又は使用が変化するにつれて更新されるべきである。ユーザからの個人情報は、そのエンティティの合法的かつ正当な使用のために収集されるべきであり、それらの合法的使用を除いては、共有又は販売されるべきではない。更には、そのような収集/共有は、ユーザに告知して同意を得た後に実施されるべきである。更には、そのようなエンティティは、そのような個人情報データへのアクセスを保護して安全化し、その個人情報データへのアクセスを有する他者が、それらのプライバシーポリシー及び手順を遵守することを保証するための、あらゆる必要な措置を講じることを考慮するべきである。更には、そのようなエンティティは、広く受け入れられているプライバシーのポリシー及び慣行に対する自身の遵守を証明するために、第三者による評価を自らが受けることができる。更には、ポリシー及び慣行は、収集及び/又はアクセスされる具体的な個人情報データのタイプに適合されるべきであり、また、管轄権固有の考慮事項を含めた、適用可能な法令及び規格に適合されるべきである。例えば、米国では、特定の健康データの収集又はアクセスは、医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律(Health Insurance Portability and Accountability Act、HIPAA)などの、連邦法及び/又は州法によって管理することができ、その一方で、他国における健康データは、他の規制及びポリシーの対象となり得るものであり、それに従って対処されるべきである。それゆえ、各国の異なる個人データのタイプに関して、異なるプライバシー慣行が保たれるべきである。
【0090】
前述のことがらにも関わらず、本開示はまた、個人情報データの使用又は個人情報データへのアクセスを、ユーザが選択的に阻止する実施形態も想到する。すなわち、本開示は、そのような個人情報データへのアクセスを防止又は阻止するように、ハードウェア要素及び/又はソフトウェア要素を提供することができると想到する。例えば、ヘッドマウンドデバイスの調整の場合において、本技術は、サービスの登録中又はその後のいつでも、ユーザが個人情報データ収集への参加の「オプトイン」又は「オプトアウト」を選択できるように構成され得る。「オプトイン」及び「オプトアウト」の選択肢を提供することに加えて、本開示は、個人情報のアクセス又は使用に関する通知を提供することを想到する。例えば、ユーザの個人情報データにアクセスすることとなるアプリのダウンロード時にユーザに通知され、その後、個人情報データがアプリによってアクセスされる直前に再びユーザに注意してもよい。
【0091】
更には、本開示の意図は、個人情報データを、非意図的若しくは非認可アクセス又は使用の危険性を最小限に抑える方法で、管理及び処理するべきであるという点である。データの収集を制限し、データがもはや必要とされなくなった時点で削除することによって、危険性を最小限に抑えることができる。更には、適用可能な場合、特定の健康関連アプリケーションにおいて、ユーザのプライバシーを保護するために、データの非特定化を使用することができる。非特定化は、適切な場合には、特定の識別子(例えば、生年月日など)を除去すること、記憶されたデータの量又は特異性を制御すること(例えば、位置データを住所レベルよりも都市レベルで収集すること)、データがどのように記憶されるかを制御すること(例えば、データをユーザ全体にわたって集約すること)及び/又は他の方法によって、容易にすることができる。
【0092】
それゆえ、本開示は、1つ以上の様々な開示された実施形態を実施するための、個人情報データの使用を広範に網羅するものではあるが、本開示はまた、そのような個人情報データにアクセスすることを必要とせずに、それらの様々な実施形態を実施することもまた可能であることを想到している。すなわち、本技術の様々な実施形態は、そのような個人情報データの全て又は一部分が欠如することにより、実施不可能となるものではない。例えば、調整設定は、デバイスが使用されるたびに決定することができる。