(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図3】画像表示装置による画像表示手法の概要を示す。
【
図4】第1実施例の起動処理のフローチャートを示す。
【
図9】第1実施例の表示処理のフローチャートを示す。
【
図10】第1実施例の表示処理による各画像表示装置の画像の表示例を示す。
【
図11】第1実施例の表示処理による各画像表示装置の画像の表示例を示す。
【
図12】第2実施例の表示処理のフローチャートを示す。
【
図13】第2実施例の表示処理による各画像表示装置の画像の表示例を示す。
【0022】
(第1実施例)
(画像表示システム2の構成;
図1、
図2)
図1、
図2に示すように、画像表示システム2は、画像表示装置10、50と、サーバ80とを備える。画像表示装置10、50とサーバ80とは、インターネット4を介して相互に無線通信(具体的にはWi−Fi通信)を実行可能である。
【0023】
(画像表示装置10の構成)
画像表示装置10は、ユーザの頭部に装着して用いられる画像表示装置(いわゆるヘッドマウントディスプレイ)である。
図1に示すように、画像表示装置10は、フレーム12と、右表示部14Rと、左表示部14Lと、右投影部15Rと、左投影部15Lと、右カメラ16Rと、左カメラ16Lと、コントロールボックス18と、操作部19とを備えている。
【0024】
フレーム12は、眼鏡フレーム状の部材である。ユーザは、眼鏡を装着するようにフレーム12を装着することによって、画像表示装置10を頭部に装着することができる。
【0025】
右表示部14R、左表示部14Lは、それぞれ、透光性の表示部材である。ユーザが画像表示装置10を頭部に装着すると、ユーザの右眼に対向する位置に右表示部14Rが配置され、左眼に対向する位置に左表示部14Lが配置される。以下、右表示部14R、左表示部14Lを総称して「表示部14」と呼ぶ場合がある。
【0026】
右投影部15R、左投影部15Lは、それぞれ、右表示部14R、左表示部14Lに画像を投影する部材である。右投影部15R、左投影部15Lは、それぞれ、右表示部14R、左表示部14Lの側部に設けられている。以下、右投影部15R、左投影部15Lを総称して「投影部15」と呼ぶ場合がある。本実施例では、投影部15は、制御部30の指示に従って、所定の仮想画像(以下では「オブジェクト画像」と呼ぶ)を表示部14に投影する。これにより、ユーザは、表示部14越しにユーザが視認可能な現実世界の対象物又は/及び空間の所定の位置に、上記オブジェクト画像が合成されたかの様に、現実世界の対象物又は/及び空間とオブジェクト画像とを見ることができる。現実世界の対象物又は及び空間とオブジェクト画像との組合せの画像(即ち、ユーザが視認する画像)のことを、以下では「ディスプレイ画像」と呼ぶ場合がある。以下、本明細書では、制御部30が、投影部15に画像の投影を指示することによって、表示部14に所望の画像を表示させることを説明する場合に、投影部15の動作の説明を省略し、単に「制御部30が表示部14に所望の画像を表示させる」などと表現する場合がある。
【0027】
右カメラ16Rは、フレーム12のうち、右表示部14Rの上方位置(即ち、ユーザの右眼の上方に対応する位置)に配置されているカメラである。一方、左カメラ16Lは、フレーム12のうち、左表示部14Lの上方位置(即ち、ユーザの左眼の上方に対応する位置)に配置されているカメラである。右カメラ16Rと左カメラ16Lのそれぞれによって、画像表示装置10を装着するユーザの視界範囲に対応する範囲(以下では「特定範囲」と呼ぶ場合がある)を異なる角度から撮影することができる。即ち、右カメラ16Rはユーザの右眼の視界範囲を撮影し、左カメラ16Lはユーザの左眼の視界範囲を撮影すると言うこともできる。また、以下、右カメラ16Rと左カメラ16Lを総称して「カメラ16」と呼ぶ場合がある。
【0028】
コントロールボックス18は、フレーム12の一部に取り付けられている箱体である。コントロールボックス18には、画像表示装置10の制御系統を司る各要素が収容されている。具体的に言うと、
図2に示すように、コントロールボックス18には、センサ20、Wi−Fiインターフェース22と、制御部30と、メモリ32とが収納されている。以下では、インターフェースのことを「I/F」と記載する。
【0029】
操作部19は、コントロールボックス18の外面に備えられている。操作部19は、ユーザが操作可能なボタンであり、ユーザは、操作部19を操作することによって、様々な指示を画像表示装置10に入力することができる。
【0030】
図2を参照して、コントロールボックス18内の各構成要素について説明する。センサ20は、3軸加速度センサである。センサ20は、X,Y,Zの3軸の加速度を検出する。センサ20の検出値を用いて、制御部30は、画像表示装置10の姿勢、及び、運動状態を特定することができる。
【0031】
Wi−FiI/F22は、インターネット4を介して、外部の装置(例えば、サーバ80)とWi−Fi通信を実行するためのI/Fである。
【0032】
制御部30は、メモリ32に記憶されているプログラムに従って様々な処理を実行する。制御部30が実行する処理の内容は後で詳しく説明する(
図4、
図9等参照)。また、制御部30は、表示部14、投影部15、カメラ16、センサ20、Wi−FiI/F22、及び、メモリ32と電気的に接続されており、これらの各要素の動作を制御することができる。
【0033】
メモリ32は、様々なプログラムを記憶している。メモリ32には、画像表示装置10のユーザに関係するユーザ情報を記憶するためのユーザ情報記憶領域34が設けられている。ユーザ情報は、ユーザを識別するためのユーザIDと、当該ユーザの認証に利用されるパスワードと、調整情報と、を含む。調整情報は、ユーザIDに対応するユーザが画像表示装置10を用いて画像(即ちディスプレイ画像)を視認する際の左右のディスプレイ画像の表示位置を、当該ユーザのための適切な位置に調整するための情報である。ユーザ情報は、後述の記録処理(
図4参照)が実行されることによってメモリ32に記憶される。また、図示していないが、メモリ32は、画像表示装置10を識別するための装置IDも記憶している。
【0034】
(画像表示装置50の構成)
画像表示装置50は、画像表示装置10と同様の構成を有する。即ち、画像表示装置50も、画像表示装置10と同様に、フレーム52と、右表示部54Rと、左表示部54Lと、右カメラ56Rと、左カメラ56Lと、コントロールボックス58と、操作部59とを有する。そして、コントロールボックス58内には、センサ60と、Wi−FiI/F62と、制御部70と、メモリ72とが備えられる。メモリ72にはユーザ情報記憶領域74が備えられる。また、メモリ72は、画像表示装置50を識別するための装置IDも記憶している。以下、本実施例では、画像表示装置10の制御部30が実行する各処理(例えば、
図4の起動処理、
図9の表示処理等)の例を説明する場合があるが、画像表示装置50の制御部70も、画像表示装置10の制御部30が実行する処理と同様の処理をすべて実行することができる。
【0035】
(サーバ80の構成)
サーバ80は、画像表示装置10、50の管理者(例えば、画像表示装置10、50を提供する企業等)によって設置されるサーバである。サーバ80は、画像表示装置10、50を、予め定められた装置グループに含まれる装置として管理するとともに、画像表示装置10、50間の画像データの通信を中継する。サーバ80は、表示部82と、操作部84と、Wi−FiI/F86と、制御部88と、メモリ90とを備える。
【0036】
表示部82は、様々な情報を表示可能なディスプレイである。操作部84は、キーボード及びマウスを備える。サーバ80のユーザは、操作部84を操作することによって様々な指示をサーバ80に入力することができる。Wi−FiI/F86は、インターネット4を介して、外部の装置(例えば、画像表示装置10、50)とWi−Fi通信を実行するためのI/Fである。制御部88は、メモリ90に記憶されているプログラムに従って様々な処理を実行する。また、メモリ90は、画像表示装置10、50の装置IDと、予め定められたグループIDとを対応付けて記憶している。即ち、メモリ90には、画像表示装置10と画像表示装置50とが、グループIDによって表される装置グループ内に含まれていることを示す情報が記憶されている。
【0037】
(画像表示手法の概要;
図3)
ここで、本実施例の画像表示装置10において、表示部14にディスプレイ画像110が表示される手法(仕組み)の概要を説明しておく。
図3では、現実の物品であるマグカップ100の画像(以下「現実画像」と呼ぶ)101に、仮想画像であるオブジェクト画像102を組み合わせた態様のディスプレイ画像110をユーザU1に視認させる例を想定している。オブジェクト画像102は、マグカップ100に顔が付いたように見せるための仮想画像と、マグカップ100から吹き出しが出ているように見せるための仮想画像とを含む。
【0038】
図3に示すように、この例では、ユーザU1が、画像表示装置10を自身の頭部に装着した状態で、表示部14を介して、現実の物品であるマグカップ100を視認している。このとき、カメラ16の撮影範囲(即ち、ユーザの視界範囲)にはマグカップ100が含まれている。右カメラ16Rと左カメラ16Lはそれぞれマグカップ100を異なる角度から撮影している。
【0039】
制御部30は、右カメラ16Rによって撮影された右カメラ画像に基づいて、右表示部14Rに右ディスプレイ画像110Rを表示させるための右画像データを生成する。同様に、制御部30は、左カメラ16Lによって撮影された左カメラ画像に基づいて、左表示部14Lに左ディスプレイ画像110Lを表示させるための左画像データを生成する。
【0040】
制御部30は、生成された右画像データに基づいて、右表示部14Rに右ディスプレイ画像110R(即ち右オブジェクト画像102R)を表示させるとともに、左表示部14Lに左ディスプレイ画像110L(即ち左オブジェクト画像102L)を表示させる。右ディスプレイ画像110Rには、ユーザU1が右眼で視認しているマグカップ100の右現実画像101Rと、右現実画像101Rに合成された右オブジェクト画像102Rとが含まれる。左ディスプレイ画像110Lには、ユーザU1が左眼で視認しているマグカップ100の左現実画像101Lと、左現実画像101Lに合成された左オブジェクト画像102Lとが含まれる。右ディスプレイ画像110R中の右オブジェクト画像102Rの表示位置と、左ディスプレイ画像110L中の左オブジェクト画像102Lの表示位置とは、互いにわずかに異なっている。これは、右眼と左眼との間の視差を考慮したものである。ユーザU1の右眼は、右ディスプレイ画像110Rを視認し、左眼は、左ディスプレイ画像110Lを視認する。その結果、ユーザU1は、両眼でディスプレイ画像110を視認することができる。
【0041】
以下では、制御部30が、右表示部14Rに右ディスプレイ画像110Rを表示させ、左表示部14Lに左ディスプレイ画像110Lを表示させることにより、ユーザに両眼でディスプレイ画像110を視認させることを、単に「制御部30が表示部14にディスプレイ画像110を表示させる」のように説明する場合がある。
【0042】
上記の通り、本実施例の画像表示装置10は、右カメラ16Rによって撮影された右カメラ画像に基づいて右画像データが生成され、左カメラ16Lによって撮影された左カメラ画像に基づいて左画像データが生成される。そして、各画像データに基づいて右ディスプレイ画像110Rと左ディスプレイ画像110Lとがそれぞれ右表示部14Rと左表示部14Lとに表示される。2個のカメラ16R、16Lによるカメラ画像に基づいて画像110R,110Lが表示されるため、1個のカメラによるカメラ画像に基づいて画像が表示される場合に比べて、ユーザU1は、ディスプレイ画像110に含まれるオブジェクト画像120等を立体的に認識し易い。
【0043】
上記の通り、本実施例の画像表示装置10では、上記の手法によって右ディスプレイ画像110Rと左ディスプレイ画像110L(即ち右オブジェクト画像102Rと左オブジェクト画像102L)とがそれぞれ右表示部14Rと左表示部14Lとに表示されることで、ユーザU1は、1個のディスプレイ画像110を視認することができる。ただし、ユーザ毎に右眼と左眼との間隔、高さ、位置等が異なるため、画像110R、110Lを、右表示部14Rと左表示部14Lの毎回決まった位置に表示させると、ユーザU1の右眼が視認する画像と左眼が視認する画像との間にズレが生じ、オブジェクト画像120が二重に表示される等、ディスプレイ画像110がユーザに適切に視認されない場合がある。以下、このような事態のことを「画像の位置ズレ」と呼ぶ場合がある。画像の位置ズレは、ユーザの右眼と左眼の位置関係によって生じる他に、ユーザの視界中の焦点位置(即ち、ユーザが焦点を合わせている特徴点との距離)が変化することによっても生じ得る。例えば、ユーザが比較的近くの位置に焦点を合わせている場合と、ユーザが比較的遠くの位置に焦点を合わせている場合とでは、両眼の輻輳角が異なる。両眼の輻輳角が異なることにより、上記のような画像の位置ズレが生じ得る。
【0044】
本実施例の画像表示装置10では、画像の位置ズレを抑制するために、後述の起動処理(
図4参照)が実行される。起動処理が実行されることにより、右表示部14Rにおける右ディスプレイ画像110Rの表示位置と、左表示部14Lにおける左ディスプレイ画像110Lの表示位置とが、画像表示装置10を装着するユーザに適した位置に調整される。そして、調整が行われた状態で、画像を表示部14に表示させるための表示処理(
図9参照)が実行される。以下、起動処理(
図4参照)及び表示処理(
図9参照)について詳しく説明する。
【0045】
(起動処理;
図4)
図4を参照して、本実施例の画像表示装置10の制御部30が実行する起動処理について説明する。ユーザが画像表示装置10を自身の頭部に装着し、画像表示装置10の電源をオンすると、制御部30は、
図4の起動処理を開始する。
【0046】
S10では、制御部30は、表示部14に所定のログイン画面(図示しない)を表示させる。ログイン画面は、ユーザに、登録済みのユーザID及びパスワードの入力を要求するための画面である。ログイン画面が表示されている間に、ユーザは、カメラ16の撮影範囲(即ち特定範囲)内において所定のジェスチャーを行うことによって、既に登録済みの自己のユーザID及びパスワードを入力することができる。また、ユーザは、自己のユーザID及びパスワードが未登録の場合、新規登録を希望する旨の所定の新規登録開始操作を行うこともできる。以下では、ユーザが画像表示装置10に対して各種操作を入力する場合、ユーザが特定範囲内においてジェスチャーを行うことによって操作を入力するものとする。なお、他の例では、ユーザは、操作部19を操作することによって、ユーザID等の入力操作及び新規登録開始操作を含む各種操作を行ってもよい。
【0047】
続くS12では、制御部30は、ユーザID及びパスワードが入力されたか否かを判断する。制御部30は、表示部14にログイン画面が表示されている間に、特定範囲内で、ユーザID及びパスワードを入力する操作が行われたことを検出すると、S12でYESと判断し、S14に進む。一方、制御部30は、表示部14にログイン画面が表示されている間に、特定範囲内で新規登録開始操作が行われたことを検出すると、S12でNOと判断し、S20に進む。
【0048】
S14では、制御部30は、ユーザによって入力されたユーザID及びパスワードの認証が成功するか否かを判断する。具体的には、制御部30は、入力されたユーザID及びパスワードの組合せ(以下では、「特定のユーザID等」と呼ぶ)と一致する組合せを含むユーザ情報が、メモリ32のユーザ情報記憶領域34内に存在するか否かを判断する。ユーザ情報記憶領域34内に特定のユーザID等を含むユーザ情報が既に存在する場合、制御部30はS14でYESと判断し、S16に進む。一方、ユーザ情報記憶領域34内に特定のユーザID等を含むユーザ情報が存在しない場合、制御部30はS14でNOと判断し、S10に戻る。
【0049】
S16では、制御部30は、特定のユーザID等に対応付けられてユーザ情報記憶領域34内に記憶されている調整情報を読み出す。これ以後、制御部30は、読み出された調整情報が示す表示位置に従って、右表示部14Rに右ディスプレイ画像110Rを表示させるとともに、左表示部14Lに左ディスプレイ画像110Lを表示させる。S18を終えると、S32に進む。
【0050】
一方、S20(即ち、ユーザによって新規登録開始操作が行われた場合)では、制御部30は、所定の新規情報入力画面(図示しない)を表示部14に表示させ、新規ユーザID及び新規パスワードが入力されることを監視する。ユーザは、表示部14に新規情報入力画面が表示されている間に、特定範囲内で所定の入力ジェスチャーを行うことによって、新規ユーザID及び新規パスワードを入力することができる。この場合、制御部30はS20でYESと判断し、S22に進む。なお、ユーザによって入力された新規ユーザID及び新規パスワードの組合せが、既にユーザ情報記憶領域34内に登録されている場合には、制御部30は、表示部14に、新規ユーザID及び新規パスワードの変更を要求するメッセージを表示させる。
【0051】
S22では、制御部30は、右表示部14R及び左表示部14Lに表示される画像110R、110Lの上下位置調整を行う。具体的には、S22では、制御部30は、
図5の上下調整画面210を表示部14に表示させる。上下調整画面210には、上下位置調整のためのマーク212、214と、画像の表示位置を上げるための上移動ボタン216と、画像の表示位置を下げるための下移動ボタン218と、確定のためのOKボタン220と、が含まれる。2つのマーク212、214のうち、マーク212は、右表示部14Rに表示され、マーク214は、左表示部14Lに表示される。上移動ボタン216、下移動ボタン218、OKボタン220は、右表示部14Rと左表示部14Lの一方に表示される。ユーザは、これらの要素を両眼で見ることによって、
図5に示すような上下調整画面210を視認することができる。ユーザは、2つのマーク212、214を両眼で見ながら、ボタン216、218を操作し、2つのマーク212、214が重なるように調整する。2つのマーク212、214が重なるように調整されることにより、右表示部14R及び左表示部14Lに表示される画像110R、110Lの上下位置が調整される。ユーザは、2つのマーク212、214が重なるように調整された時点で(即ち、上下位置が調整された時点で)OKボタン220を操作し、上下位置を確定させる。この場合、制御部30は、確定された上下位置をメモリ32に一時記憶させるとともに、S24に進む。
【0052】
S24では、制御部30は、画像110R、110Lの左右位置調整を行う。具体的には、S24では、制御部30は、
図6の左右調整画面230を表示部14に表示させる。左右調整画面230には、左右位置調整のためのマーク232、234と、左右の画像の表示間隔を広げるための離間移動ボタン236と、左右の画像の表示間隔を狭くするための近接移動ボタン238と、確定のためのOKボタン240と、が含まれる。2つのマーク232、234のうち、マーク232は、右表示部14Rに表示され、マーク234は、左表示部14Lに表示される。離間移動ボタン236、近接移動ボタン238、OKボタン240は、右表示部14Rと左表示部14Lの一方に表示される。ユーザは、これらの要素を両眼で見ることによって、
図6に示すような左右調整画面230を視認することができる。ユーザは、2つのマーク232、234を両眼で見ながら、ボタン236、238を操作し、2つのマーク232、234が重なるように調整する。2つのマーク232、234が重なるように調整されることにより、右表示部14R及び左表示部14Lに表示される画像110R、110Lの左右位置(別言すると間隔)が調整される。ユーザは、2つのマーク232、234が重なるように調整された時点で(即ち、左右位置が調整された時点で)OKボタン240を操作し、左右位置を確定させる。この場合、制御部30は、確定された左右位置をメモリ32に一時記憶させるとともに、S26に進む。
【0053】
S26では、制御部30は、画像110R、110Lの表示位置の微調整を行う。具体的には、S26では、制御部30は、
図7の微調整画面250を表示部14に表示させる。制御部30は、
図7の微調整画面250を表示部14に表示させる。微調整画面250には、位置調整のためのマーク252、254と、右表示部14Rに表示される画像の表示位置を上下左右に微調整するための右調整ボタン256と、左表示部14Lに表示される画像の表示位置を上下左右に微調整するための左調整ボタン258と、確定のためのOKボタン260と、が含まれる。2つのマーク252、254のうち、マーク252は、右表示部14Rに表示され、マーク254は、左表示部14Lに表示される。右調整ボタン256、左調整ボタン258、OKボタン260は、右表示部14Rと左表示部14Lの一方に表示される。ユーザは、これらの要素を両眼で見ることによって、
図7に示すような微調整画面250を視認することができる。ユーザは、2つのマーク252、254を両眼で見ながら、ボタン256、258を操作し、2つのマーク252、254が重なるように調整する。2つのマーク252、254が重なるように調整されることにより、右表示部14R及び左表示部14Lに表示される画像110R,110Lの表示位置がそれぞれ微調整される。ユーザは、2つのマーク252、254が重なるように調整された時点でOKボタン260を操作し、位置を確定させる。この場合、制御部30は、確定された表示位置をメモリ32に一時記憶させるとともに、S28に進む。
【0054】
S28では、制御部30は、S22〜S26で確定された表示位置を示す調整情報を生成する。次いで、S30では、制御部30は、S28で生成された調整情報を、新規ユーザID及び新規パスワードと対応付けてユーザ情報記憶領域34に記憶させる。これ以後、制御部30は、S28で生成された調整情報が示す表示位置に従って、右表示部14Rに右ディスプレイ画像110Rを表示させるとともに、左表示部14Lに左ディスプレイ画像110Lを表示させる。S30を終えると、S32に進む。
【0055】
S32では、制御部30は、表示部14にメニュー画面300(
図8参照)を表示させる。
図8に示すように、メニュー画面300は、メニューオブジェクト画像320を含む。本実施例では、表示部14は透光性のディスプレイであるため、ユーザは、表示部14越しに視認できる現実の物品(即ち、室内の光景)にメニューオブジェクト画像320が合わされた態様のメニュー画面300を見ることができる。
【0056】
図8に示すように、メニューオブジェクト画像320は、メインメニューを表している。メニューオブジェクト画像320は、選択可能な3個のアイコン322、324、326と、メニューオブジェクト画像320の表示を終了させるための終了ボタン328と、を含む。各アイコン322〜326は、画像表示装置10の各機能に対応している。この例では、アイコン322はゲームアプリを示し、アイコン324は教育アプリを示し、アイコン326は、画像表示装置10に関する各種設定を変更するための設定機能を示す。ユーザは、所望のアイコンにタッチするジェスチャーを行う(即ち、所望のアイコンを選択する操作を行う)ことにより、所望のアイコンに対応する機能を起動させることができる。S32でメニュー画面300が表示されると、
図4の起動処理が終了する。
【0057】
図4の起動処理によって表示部14にメニュー画面300が表示された後で、ユーザが設定機能を示すアイコン326を選択し、さらに表示位置の調整を指示すると、制御部30は、右表示部14R及び左表示部14Lに表示される画像110R、110Lの左右位置を再調整することができる。その場合、制御部30は、
図4のS22〜S30の処理を再実行し、ユーザの指示に従って、上下位置調整(S22)、左右位置調整(S24)、微調整(S26)を再び行う。この場合、制御部30は、再実行されたS28で生成された調整情報が示す表示位置に従って、右表示部14Rに右ディスプレイ画像110Rを表示させるとともに、左表示部14Lに左ディスプレイ画像110Lを表示させる。このように、ユーザは、
図4の起動処理の終了後も、自己の状態に合わせて、画像の表示位置の調整を随時実行することができる。
【0058】
(表示処理;
図9)
図9を参照して、本実施例の画像表示装置10の制御部30が実行する表示処理について説明する。上記の起動処理(
図4参照)が終了し、表示部14にメニュー画面300が表示された後で、ユーザが、所望のアプリに対応するアイコン(例えばアイコン322)を選択する操作を実行すると、
図9の表示処理が開始される。
【0059】
S50では、制御部30は、右カメラ16Rから、右カメラ16Rが現在撮影している右カメラ画像を取得するとともに、左カメラ16Lから、左カメラ16Lが現在撮影している左カメラ画像を取得する。
【0060】
続くS52では、制御部30は、サーバ80から、自機が含まれる装置グループ内の他の画像表示装置(例えば画像表示装置50)の表示部に表示されているディスプレイ画像のデータ(即ち、右ディスプレイ画像データ及び左ディスプレイ画像データ)を受信する。
【0061】
続くS54では、制御部30は、S50で取得された右カメラ画像、及び、S52で受信された右画像データに基づいて、自機の右表示部14Rに右ディスプレイ画像(
図3の110R参照)を表示させるための右画像データを生成する。同時に、制御部30は、S50で取得された左カメラ画像、及び、S52で受信された左画像データに基づいて、自機の左表示部14Lに左ディスプレイ画像(
図3の110L参照)を表示させるための左画像データを生成する。右画像データ及び左画像データは、現実画像に合成するためのオブジェクト画像のデータを含む。
【0062】
続くS56では、制御部30は、S54で生成された右画像データ及び左画像データに基づいて、表示部14にディスプレイ画像(
図3の110参照)を表示させる。即ち、制御部30は、右画像データに基づいて右表示部14Rに右ディスプレイ画像を表示させ、左画像データに基づいて左表示部14Lに左ディスプレイ画像を表示させる。S56で表示されるディスプレイ画像は、例えば、現実画像(
図3の101参照)に、オブジェクト画像(
図3の102参照)が組み合わされた態様の画像である。
【0063】
続くS58では、制御部30は、S56で表示された右ディスプレイ画像(即ち、現実画像とオブジェクト画像を含む画像)を示す右ディスプレイ画像データと、左ディスプレイ画像(即ち、現実画像とオブジェクト画像を含む画像)を示す左ディスプレイ画像データとを生成し、サーバ80に送信する。サーバ80は、画像表示装置10から右ディスプレイ画像データ及び左ディスプレイ画像データを受信すると、画像表示装置10が含まれる装置グループ内の他の画像表示装置(例えば画像表示装置50)に、画像表示装置10から受信した右ディスプレイ画像データ及び左ディスプレイ画像データを送信する。これにより、画像表示装置10、50の表示部14、54には、それぞれ、同じ対象物を自機の視点から視認した態様のディスプレイ画像が表示される。
【0064】
制御部30は、所定の終了操作が行われるまで、S50〜S58の処理を繰り返し実行する。制御部30は、ユーザの操作に応じて、ディスプレイ画像に含まれるオブジェクト画像の表示態様を変更させる等、操作に応じてディスプレイ画像の表示内容を変更することができる。さらに、制御部30は、サーバ80から受信される右画像データ及び左画像データの内容に応じて、ディスプレイ画像の表示内容を変更することもできる。
【0065】
(具体例;
図10、
図11)
続いて、
図10、
図11を参照して、本実施例の画像表示装置10と画像表示装置50とによって表示処理(
図9参照)が実行される場合において、各装置10、50の表示部14、54に表示されるディスプレイ画像の具体例を説明する。この例では、
図10に示すように、部屋R内に、画像表示装置10を装着したユーザU1と、画像表示装置50を装着したユーザU2とが存在する。この例では、画像表示装置10、50では、ともに、ゲームアプリ(即ち、
図8のアイコン322に対応するアプリ)が起動されており、表示処理(
図9参照)が実行されている。ユーザU1、U2は、それぞれ、異なる位置から、部屋R内に存在する現実の物品であるリンゴ400を見ている(即ち、カメラ16、56の撮影範囲内にリンゴ400が存在している)。
【0066】
図10では、ゲーム内におけるユーザU1の操作(具体的には、ユーザU1が仮想の弓を用いて矢を射る操作)により、リンゴ400に矢を模したオブジェクト画像410が刺さった様子を示している。画像表示装置10が
図9のS50〜S58の処理を実行することによって、表示部14にはディスプレイ画像450が表示される。ディスプレイ画像450は、リンゴ400の現実画像401と、矢のオブジェクト画像410とを含む。ディスプレイ画像450では、オブジェクト画像410は、矢が紙面の奥側に向かって刺さっている様子を表わしている。また、画像表示装置50が
図9のS50〜S58の処理を実行することによって、表示部54にはディスプレイ画像460が表示される。ディスプレイ画像460も、リンゴ400の現実画像401と、矢のオブジェクト画像410とを含む。ただし、ディスプレイ画像460では、オブジェクト画像410は、矢が紙面の左側に向かって刺さっている様子を表わしている。このように、画像表示装置10、50の表示部14、54には、それぞれ、同じ対象物を自機の視点から視認した態様のディスプレイ画像450、460が表示される。
【0067】
そして、
図11では、さらに、ゲーム内におけるユーザU2の操作(具体的には、ユーザU2が仮想の旗竿を突き立てる操作)により、リンゴ400に旗を模したオブジェクト画像420がさらに刺さった様子を示している。この際、画像表示装置10の表示部14にはディスプレイ画像470が表示される。ディスプレイ画像470は、さらに、旗のオブジェクト画像420を含む。ディスプレイ画像470では、オブジェクト画像420は、リンゴ400の左側に旗が刺さっている様子を表わしている。また、画像表示装置50の表示部54にはディスプレイ画像480が表示される。ディスプレイ画像480も、旗のオブジェクト画像420をさらに含む。ディスプレイ画像480では、オブジェクト画像420は、リンゴ400の正面に旗が刺さっている様子を表わしている。このように、画像表示装置10、50の表示部14、54には、それぞれ、同じ対象物を自機の視点から視認した態様のディスプレイ画像470、480が表示される。
【0068】
以上、本実施例の画像表示システム2の構成及び動作について説明した。本実施例では、画像表示装置10は、対象の物品を右カメラ16Rと左カメラ16Lの両方で撮影し、右カメラ画像に基づいて右ディスプレイ画像を右表示部14Rに表示させるとともに、左カメラ画像に基づいて左ディスプレイ画像を左表示部14Lに表示させる(
図3、
図9参照)。画像表示装置10を装着したユーザは、右ディスプレイ画像と左ディスプレイ画像とに基づいて、両眼でディスプレイ画像を視認することができる。そのため、本実施例の構成によると、画像表示装置10は、1個のカメラによって物品を撮影した画像のみに基づいてディスプレイ画像を表示させる構成を採用する場合に比べて、ユーザにとって立体的に認識しやすい態様でディスプレイ画像を表示部14に表示させることができる。
【0069】
さらに、本実施例では、制御部30は、
図4のS22〜S30の処理を実行することにより、表示部14にディスプレイ画像を表示する際における、右ディスプレイ画像による表示部分と左ディスプレイ画像による表示部分との位置ズレを解消することもできる。そのため、本実施例の画像表示装置10によると、ユーザにとって違和感の少ない態様でディスプレイ画像を表示させることができる。従って、本実施例によると、ユーザの違和感を低減することができる。
【0070】
また、制御部30は、生成された調整情報を新規ユーザID及び新規パスワードと対応付けてユーザ情報記憶領域34に記憶させる(
図4のS28、S30)。そして、制御部30は、次回以降の起動処理(
図4)において、ユーザ情報記憶領域34に記憶されているユーザID及びパスワードが入力されると(S14でYES)、当該ユーザID等に対応付けられてユーザ情報記憶領域34に記憶されている調整情報を読み出す(S16)。そして、その後、制御部30は、読み出された調整情報が示す表示位置に従って、右表示部14Rに右ディスプレイ画像を表示させるとともに、左表示部14Lに左ディスプレイ画像を表示させる。そのため、画像表示装置10は、ユーザ毎の表示位置を示す調整情報を記憶しておき、ユーザの認証が成功する場合に、その調整情報が示す表示位置を反映することができる。画像表示装置10は、ユーザ毎に、当該ユーザにとって認識し易い態様でディスプレイ画像を表示部14に表示させることができる。
【0071】
また、制御部30は、サーバ80から、自機が含まれる装置グループ内の他の画像表示装置の表示部に表示されているディスプレイ画像のデータ(即ち、右ディスプレイ画像データ及び左ディスプレイ画像データ)を受信し(
図9のS52)、そのディスプレイ画像データに基づいて、自機の表示部に表示させるための右画像データ及び左画像データを生成する(S54)。そして、制御部30は、制御部30は、S54で生成された右画像データ及び左画像データに基づいて、表示部14にディスプレイ画像(
図3の110参照)を表示させる(S56)。さらに、制御部30は、S56で表示されたディスプレイ画像を表わす右ディスプレイ画像データ及び左ディスプレイ画像データを生成し、サーバ80に送信する(S58)。サーバ80は、画像表示装置10から右ディスプレイ画像データ及び左ディスプレイ画像データを受信すると、画像表示装置10が含まれる装置グループ内の他の画像表示装置(例えば画像表示装置50)に、画像表示装置10から受信した右ディスプレイ画像データ及び左ディスプレイ画像データを送信する。従って、
図10、
図11に示すように、画像表示装置10、50は、互いに関係するディスプレイ画像を表示部14、54に表示させることができる。
【0072】
本実施例と請求の範囲の対応関係を説明しておく。画像表示装置10が「第1の画像表示装置」の一例である。画像表示装置50が「外部装置」、「第2の画像表示装置」の一例である。右表示部14R、左表示部14Lが、それぞれ「右眼用表示部」、「左眼用表示部」の一例である。
図9のS54で生成される右画像データ、左画像データが、それぞれ、「第1種の右画像データ」、「第1種の左画像データ」の一例である。
図9のS56で表示される右ディスプレイ画像、左ディスプレイ画像が、それぞれ、「第1種の右ディスプレイ画像」、「第1種の左ディスプレイ画像」の一例である。
図4のS22で行われる上下位置調整の指示、S24で行われる左右位置調整の指示、S26で行われる微調整の指示が、「変化指示」の一例である。S22で行われる上下位置調整、S24で行われる左右位置調整、S26で行われる微調整が、「第1の調整処理」の一例である。S28で生成される調整情報によって示される右表示部のための表示位置、左表示部のための表示位置が、それぞれ、「右調整位置」、「左調整位置」の一例である。ユーザIDが「識別情報」の一例である。
図9のS58でサーバ80に送信される右ディスプレイ画像データ及び左ディスプレイ画像データが、それぞれ「第2種の右画像データ」、「第2種の左画像データ」の一例である。
図9のS52でサーバ80から受信される(即ち、サーバ80を介して画像表示装置50から受信される)右ディスプレイ画像データ及び左ディスプレイ画像データが、それぞれ「第3種の右画像データ」、「第3種の左画像データ」の一例である。
【0073】
(第2実施例)
第1実施例と異なる点を中心に説明する。本実施例の画像表示システム2も、基本的な構成は第1実施例と共通するが、画像表示装置10の制御部30が実行する表示処理の内容が第1実施例とは異なる(
図12参照)。
【0074】
図12を参照して、本実施例の画像表示装置10の制御部30が実行する表示処理について説明する。上記の起動処理(
図4参照)が終了し、表示部14にメニュー画面300が表示された後で、ユーザが、所望のアプリに対応するアイコン(例えばアイコン324)を選択する操作を実行すると、
図12の表示処理が開始される。S70では、制御部30は、自機の設定が送信側であるか否かを判断する。本実施例では、画像表示装置10のメモリ32には、自機が送信側端末として機能するのか、受信側端末として機能するのか、の設定を表わす情報が記憶されている。
【0075】
ここで、送信側端末とは、自機に表示されているディスプレイ画像を表わすデータをサーバ80を介して、他の装置に送信する装置である。受信側端末とは、サーバ80を介して、送信側端末から、送信側端末に表示されているディスプレイ画像を表わすデータを受信し、送信側端末に表示されているディスプレイ画像と同じディスプレイ画像を表示する端末である。画像表示装置10を送信側端末として機能させるのか、受信側端末として機能させるのかは、ユーザが予め設定しておくことができる。メモリ32に自機が送信側端末である設定を表わす情報が記憶されている場合、制御部30は、S70でYESと判断し、S72に進む。一方、メモリ32に自機が受信側端末である設定を表わす情報が記憶されている場合、制御部30は、S70でNOと判断し、S80に進む。
【0076】
S72では、制御部30は、右カメラ16Rから、右カメラ16Rが現在撮影している右カメラ画像を取得するとともに、左カメラ16Lから、左カメラ16Lが現在撮影している左カメラ画像を取得する。
【0077】
S74では、制御部30は、S70で取得された右カメラ画像に基づいて、自機の右表示部14Rに右ディスプレイ画像(
図3の110R参照)を表示させるための右画像データを生成する。同時に、制御部30は、S70で取得された左カメラ画像に基づいて、自機の左表示部14Lに左ディスプレイ画像(
図3の110L参照)を表示させるための左画像データを生成する。右画像データ及び左画像データは、現実画像に合成するためのオブジェクト画像のデータを含む。
【0078】
S76では、制御部30は、S74で生成された右画像データ及び左画像データに基づいて、表示部14にディスプレイ画像(
図3の110参照)を表示させる。即ち、制御部30は、右画像データに基づいて右表示部14Rに右ディスプレイ画像を表示させ、左画像データに基づいて左表示部14Lに左ディスプレイ画像を表示させる。
【0079】
続くS78では、制御部30は、S76で表示された右ディスプレイ画像を示す右ディスプレイ画像データと、左ディスプレイ画像を示す左ディスプレイ画像データとを生成し、サーバ80に送信する。サーバ80は、画像表示装置10から右ディスプレイ画像データ及び左ディスプレイ画像データを受信すると、装置グループ内の受信側端末である他の画像表示装置(例えば画像表示装置50)に、画像表示装置10から受信した右ディスプレイ画像データ及び左ディスプレイ画像データを送信する。この結果、本実施例では、画像表示装置10、50の表示部には、それぞれ、同じディスプレイ画像が表示される。
【0080】
その後、制御部30は、所定の終了操作が行われるまで、S72〜S78の処理を繰り返し実行する。制御部30は、ユーザの操作に応じて、ディスプレイ画像に含まれるオブジェクト画像の表示態様を変更させる等、操作に応じてディスプレイ画像の表示内容を変更することができる。
【0081】
一方、S80(即ち、自機が受信側端末である場合)では、制御部30は、サーバ80から、送信側端末である画像表示装置10の表示部に表示されているディスプレイ画像のデータ(即ち、右ディスプレイ画像データ及び左ディスプレイ画像データ)を受信する。
【0082】
続くS82では、制御部30は、S80で受信された右ディスプレイ画像データ及び左ディスプレイ画像データに基づいて、表示部14にディスプレイ画像を表示させる。即ち、制御部30は、右ディスプレイ画像データに基づいて右表示部14Rに右ディスプレイ画像を表示させ、左ディスプレイ画像データに基づいて左表示部14Lに左ディスプレイ画像を表示させる。これにより、表示部14には、送信側端末である他の画像表示装置の表示部に表示されているディスプレイ画像データと同じ画像が表示される。
【0083】
(具体例;
図13)
続いて、
図13を参照して、本実施例の画像表示装置10と画像表示装置50とによって表示処理(
図12参照)が実行される場合に、各装置10、50の表示部14、54に表示されるディスプレイ画像の具体例を説明する。この例では、
図13に示すように、部屋R内に、画像表示装置10を装着したユーザU1と、画像表示装置50を装着したユーザU2とが存在する。この例では、画像表示装置10、50では、ともに、教育アプリ(即ち、
図8のアイコン324に対応するアプリ)が起動されており、表示処理(
図12参照)が実行されている。そして、画像表示装置10が表示側端末として設定されており、画像表示装置50が受信側端末として設定されている。この例では、画像表示システム2を利用して、講師役であるユーザU1が、生徒役であるユーザU2に対して、料理の仕方等を教授する状況を想定している。ユーザU1は、部屋R内に存在する現実の物品であるパン500を見ている(即ち、カメラ16の撮影範囲内にパン500が存在している)。なお、パン500の一部は予めスライスされている。
【0084】
図13では、講師役であるユーザU1の操作(具体的には、ユーザU1が仮想のナイフを用いてパンをカットする操作)により、パン500の周囲に、説明用のメッセージを示すオブジェクト画像510と、ナイフを模したオブジェクト画像512とが配置された様子を示している。画像表示装置10(即ち送信側端末)では、
図12のS72〜S78の処理が実行される結果、表示部14にディスプレイ画像550が表示される。ディスプレイ画像550は、パン500の現実画像501と、説明用のメッセージのオブジェクト画像510と、ナイフのオブジェクト画像512とを含む。また、画像表示装置50(即ち受信側端末)では、
図12のS80、S82の処理が実行される結果、表示部54にディスプレイ画像600が表示される。ディスプレイ画像600は、画像表示装置10の表示部14に表示されているディスプレイ画像550と同じ画像である。このように、画像表示装置10、50の表示部14、54には、それぞれ、同じ内容のディスプレイ画像550、600が表示される。
【0085】
本実施例の画像表示システム2も、第1実施例の画像表示システム2と同様の作用効果を発揮することができる。また、上記の通り、本実施例では、画像表示装置10、50の表示部14、54には、それぞれ、同じ内容のディスプレイ画像550、600が表示される。即ち、各ユーザが同じ画像を視認することができる。
図12のS74で生成される右画像データ及び左画像データが、それぞれ「第1種の右画像データ」、「第1種の左画像データ」の一例である。S78でサーバ80に送信される右ディスプレイ画像データ及び左ディスプレイ画像データが、それぞれ「第2種の右画像データ」、「第2種の左画像データ」の一例である。S80でサーバ80から受信される(即ち、サーバ80を介して送信側端末から受信される)右ディスプレイ画像データ及び左ディスプレイ画像データが、それぞれ「第3種の右画像データ」、「第3種の左画像データ」の一例である。
【0086】
(第3実施例)
第1実施例と異なる点を中心に説明する。本実施例では、右表示部14R及び左表示部14Lに表示される画像110R、110Lの位置調整のための処理の内容が第1実施例とは異なる。上記の通り、第1実施例では、
図4のS22〜S26において、制御部30は、上下位置調整、左右位置調整、微調整をそれぞれ行う(
図5〜
図7参照)。これに対し、本実施例では、
図4のS22〜S26の処理に代えて、制御部30は、
図14の調整画面710を表示部14に表示させて調整を行う。本実施例の調整画面710には、ユーザから見て近い位置における位置調整のためのマーク712、714と、ユーザから見て遠い位置における位置調整のためのマーク722、724と、右調整ボタン730と、左調整ボタン732と、確定のためのOKボタン750と、が含まれる。
【0087】
マーク712、714は、ユーザから見て近い位置に表示されるように視認されるマーク画像である。一方、マーク722、724は、ユーザから見て遠い位置に表示されるように視認されるマーク画像である。なお、
図14の例では、マーク722、724は、4か所に分かれて表示されている。各マークのうち、マーク712及びマーク722は、右表示部14Rに表示され、マーク714及びマーク724は、左表示部14Lに表示される。
【0088】
右調整ボタン730は、右表示部14Rに表示される各画像(この場合はマーク712とマーク722)の表示位置を上下左右に調整するための調整ボタンであり、左調整ボタン732は、左表示部14Lに表示される各画像(この場合はマーク714とマーク724)の表示位置を上下左右に調整するための調整ボタンである。右調整ボタン730が操作されると、操作に伴って、マーク712及びマーク722の表示位置が同時に変化する。同様に、左調整ボタン732が操作されると、操作に伴って、マーク714及びマーク724の表示位置が同時に変化する。本実施例では、右調整ボタン730と、左調整ボタン732と、OKボタン750と、は右表示部14Rと左表示部14Lの一方に表示される。ユーザは、上記の要素を両眼で見ることによって、
図14に示すような調整画面710を視認することができる。
【0089】
ユーザは、マーク712、714、722、724を両眼で見ながら、ボタン730、732を操作し、マーク712とマーク714とが重なり、かつ、マーク722とマーク724とが重なるように調整する。マーク712、714が重なるように調整されることにより、画像110R,110Lのうち、ユーザから見て近い位置に表示される画像の表示位置が調整される。そして、マーク722、724が重なるように調整されることにより、画像110R,110Lのうち、ユーザから見て遠い位置に表示される画像の表示位置が調整される。ユーザは、マーク712、714、及び、マーク722、724が重なるように調整された時点でOKボタン750を操作し、位置を確定させる。この場合、制御部30は、確定された表示位置をメモリ32に一時記憶させ、
図4のS28に進む。これ以降の処理は第1実施例と同様である。
【0090】
人間の物の見方は、近い位置の物体を見る場合と、遠い位置の物体を見る場合と、で異なる。そして、人間の眼は、近い位置の物体と遠い位置の物体を別々のタイミングで見る場合、見え方の違いを補うように調整する機能を有する。そのため、画像表示装置10において、近い位置に表示される画像を見るための調整処理と、遠い位置に表示される画像を見るための調整処理と、を別々のタイミングで行うと、近い位置に表示される画像と遠い位置に表示される画像とが同時に表示される場合に、ユーザが、それらを立体的に視認し難い場合がある。この点、本実施例によると、ユーザは、調整画面710を見ながら、マーク712、714が重なって見えるように調整するとともに、マーク722、724が重なって見えるように調整する。従って、本実施例によると、画像110R、110Lが、ユーザから見て、近い位置の画像と遠い位置の画像とを含む場合であっても、ユーザにとって立体的に認識し易い態様で、画像110R、110Lを表示部14に表示させることができる。
【0091】
本実施例のマーク712、714が、それぞれ、「第1の右マーク画像」、「第1の左マーク画像」の一例である。マーク722、724が、それぞれ、「第2の右マーク画像」、「第2の左マーク画像」の一例である。
【0092】
(第4実施例)
第1実施例と異なる点を中心に説明する。本実施例では、右表示部14R及び左表示部14Lに表示される画像110R、110Lの位置調整のための処理の内容が第1実施例とは異なる。本実施例では、
図4のS22〜S26の処理に代えて、制御部30は、
図15の調整画面810を表示部14に表示させて調整を行う。本実施例の調整画面810には、カメラ16の撮影範囲(即ち、ユーザの視界範囲)に存在する実際の物体(
図15の例ではテレビモニタ850)と、位置調整のためのマーク812、814と、右表示部14Rに表示される画像の表示位置を上下左右に調整するための右調整ボタン830と、左表示部14Lに表示される画像の表示位置を上下左右に調整するための左調整ボタン832と、確定のためのOKボタン840と、が含まれる。
【0093】
2つのマーク812、814のうち、マーク812は、右表示部14Rに表示されるマーク画像であり、マーク814は、左表示部14Lに表示されるマーク画像である。マーク812は、ユーザの視界範囲に存在する実際のテレビモニタ850のモニタ部分の外形に適合する形状を有しており、モニタ部分の外形に重なる位置に表示される。即ち、本実施例では、制御部30は、右カメラ16Rによって撮影された右カメラ画像、及び、左カメラ16Lによって撮影された左カメラ画像から、テレビモニタ850のモニタ部分の形状を認識し、モニタ部分と適合する形状のマーク812の画像を生成して右表示部14Rに表示させている。マーク814は、マーク812と同じ形状(即ち、テレビモニタのモニタ部分の外形に適合する形状)を有している。
【0094】
また、右調整ボタン830、左調整ボタン832、及び、OKボタン840は、右表示部14Rと左表示部14Lの一方に表示される。ユーザは、上記の各要素を両眼で見ることによって、
図15に示すような調整画面810を視認することができる。ユーザは、近い位置に表示されているマーク812、814を両眼で見ながら、ボタン830、832を操作し、マーク812、814が重なるように調整する。この際、ユーザは、マーク814を動かして、マーク814を、テレビモニタ850に既に重ねて表示されているマーク812に重ねるように調整することができる。即ち、ユーザは、実際の物体であるテレビモニタ850を基準として調整を行うことができる。マーク812、814が重なるように調整されることにより、右表示部14R及び左表示部14Lに表示される画像110R、110Lの位置が調整される。ユーザは、マーク812、814が重なるように調整された時点でOKボタン840を操作し、位置を確定させる。この場合、制御部30は、確定された表示位置をメモリ32に一時記憶させ、
図4のS28に進む。これ以降の処理は第1実施例と同様である。
【0095】
本実施例によると、ユーザは、テレビモニタ850に重なるように表示されたマーク812と、マーク814と、が重なって見えるように、マーク814の表示位置を変更することができる。テレビモニタ850(即ち、実際の物体)を基準として、マーク812、814の位置合わせを行うことができる。そのため、テレビモニタ850を基準にしない場合に比べて、マーク812、814の位置合わせを正確に行うことができる。従って、上記の構成によると、より適切に、ユーザにとって立体的に認識し易い態様で、画像110R,110Lを表示部14に表示させることができる。
【0096】
本実施例のマーク812、814が、それぞれ、「右マーク画像」、「左マーク画像」の一例である。また、上記の例のマーク812、814が、それぞれ、「第1の画像」、「第2の画像」の一例である。また、テレビモニタ850が「物体」の一例である。
【0097】
(第5実施例)
第1実施例と異なる点を中心に説明する。本実施例では、
図16に示すように、画像表示装置1000の構成が、第1実施例とは異なる。本実施例の画像表示装置1000は、表示部1014が遮光性のディスプレイであって、ユーザが画像表示装置1000を装着した際に、ユーザの視界を遮るものである点において、第1実施例とは異なる。その他の構成要素は第1実施例とほぼ同様である。
【0098】
上記の通り、本実施例では、表示部1014が遮光性のディスプレイであるため、制御部30は、表示部1014にディスプレイ画像を表示させる場合、表示部1014のうちのユーザの右眼に対向する領域に右ディスプレイ画像を表示させ、表示部1014のうちのユーザの左眼に対向する領域に左ディスプレイ画像を表示させる。
【0099】
以上、実施例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば、以下の変形例を採用してもよい。
【0100】
(変形例1)上記の各実施例では、画像表示装置10(50、1000)は、フレーム12(52)にすべての構成要素14〜32(54〜72、1014)が搭載された1個の装置として構成されている。これに限られず、画像表示装置の構成要素の一部がフレーム外に設けられていてもよい。例えば、メモリ32が、制御部30と通信可能な態様でフレーム12の外に設けられていてもよい。この変形例では、フレーム12に搭載されている構成要素と、フレーム12の外に設けられている構成要素とを組み合わせることによって画像表示装置10が形成されていればよい。
【0101】
(変形例2)上記の各実施例では、画像表示装置10は、コントロールボックス18の外に備えられている操作部19を有する。これに限られず、画像表示装置10には、物理的な操作部19が設けられていなくてもよい。各種指示の入力は、すべて、制御部30が、カメラ16の撮影範囲(即ち上記の特定範囲)内で行われるユーザのジェスチャーを検出することによって行われてもよい。また、操作部19に代えて、キーボード等の外部の入力装置を接続可能な接続部が設けられていてもよい。その場合、各種指示の入力は、接続部に接続された外部の入力装置によって行われてもよい。
【0102】
(変形例3)上記の各実施例では、右カメラ16R、左カメラ16Lは、それぞれ、右表示部14R、左表示部14Lの上方位置に配置されている。右カメラ16R、左カメラ16Lの配置位置はこれに限られず、右カメラがユーザの右眼の視界範囲に対応する範囲を撮影し、左カメラがユーザの左眼の視界範囲に対応する範囲を撮影可能であれば、任意の位置に配置されていてもよい。
【0103】
(変形例4)上記の各実施例では、右表示部14Rに右ディスプレイ画像を表示させるための右画像データは、右カメラ画像に基づいて生成され、左表示部14Lに左ディスプレイ画像を表示させるための左画像データは、左カメラ画像に基づいて生成される。これに限られず、右画像データは、右カメラ画像と左カメラ画像との合成画像のうち右側の画像に基づいて生成され、左画像データは、上記の合成画像のうち左側の画像に基づいて生成されてもよい。
【0104】
(変形例5)上記の第2実施例において、画像表示装置10、50は、サーバ80を介さずに直接無線通信を行ってもよい。その場合、例えば、画像表示装置10と画像表示装置50は、Bluetooth(登録商標)通信等、Wi−Fi通信以外の無線通信を実行してもよい。
【0105】
(変形例6)上記の第2実施例において、受信側端末に設定されている画像表示装置には、カメラが備えられていなくてもよい。即ち、受信側端末である装置は、受信専用機であってもよい。
【0106】
(変形例7)上記の各実施例では、画像表示装置は、いずれも、略眼鏡状のフレームを有しており、眼鏡を装着するようにユーザの頭部に装着可能なものである。これに限られず、画像表示装置は、ユーザの頭部に装着可能であれば、帽子状、ヘルメット状等、任意の支持枠を有していてもよい。
【0107】
(変形例8)画像表示装置は、視力矯正、目の保護等の用途のために一般的に使用されているアイウェア(眼鏡、サングラス等)に、カメラ及びコントロールボックス等を装着することによって形成されてもよい。その場合、アイウェアのレンズ部分が表示部として利用されてもよい。
【0108】
(変形例9)上記の第3実施例において、制御部30は、調整画面710を表示することに代えて、上下位置調整のための上下調整画面、左右位置調整のための左右調整画面、微調整のための微調整画面、を順に表示させて調整を行うようにしてもよい。同様に、第4実施例において、制御部は、調整画面810を表示することに代えて、上下位置調整のための上下調整画面、左右位置調整のための左右調整画面、微調整のための微調整画面、を順に表示させて調整を行うようにしてもよい。
【0109】
(変形例10)第4実施例において、制御部30は、調整画面810を表示させる際に、マーク812に代えて、マーク814をテレビモニタ850に重ねて表示させるようにしてもよい。
【0110】
(変形例11)第4実施例において、ユーザの視界範囲に存在し、位置調整の基準に用いられる物体は、
図15に示すテレビモニタ850に限られず、任意の物体であってもよい。従って、例えば、位置調整のための専用の物品が用いられてもよい。
【0111】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。