(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6867584
(24)【登録日】2021年4月13日
(45)【発行日】2021年4月28日
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
F21S 43/40 20180101AFI20210419BHJP
F21Y 101/00 20160101ALN20210419BHJP
【FI】
F21S43/40
F21Y101:00 100
【請求項の数】4
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2017-66948(P2017-66948)
(22)【出願日】2017年3月30日
(65)【公開番号】特開2018-170176(P2018-170176A)
(43)【公開日】2018年11月1日
【審査請求日】2020年2月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000143639
【氏名又は名称】株式会社今仙電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100095795
【弁理士】
【氏名又は名称】田下 明人
(74)【代理人】
【識別番号】100143454
【弁理士】
【氏名又は名称】立石 克彦
(72)【発明者】
【氏名】遠山 卓男
【審査官】
竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−064655(JP,A)
【文献】
特開2001−202805(JP,A)
【文献】
特開2016−107732(JP,A)
【文献】
特開2005−150041(JP,A)
【文献】
特開2007−140159(JP,A)
【文献】
実開平04−024709(JP,U)
【文献】
特開2017−021963(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 43/40
F21Y 101/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源の前方に配置された光学レンズと、
前記光学レンズを保持し光を透過させるスリットと、
前記光源の後方に配置され、前記光源から出射された光を前方へ反射させる第1反射面と、
前記第1反射面に対向する位置に設けられ、前記第1反射面から反射された光を前記光学レンズ側に反射させる第2反射面と、
前記光学レンズの前方に配置され、前記光学レンズから出射された光を透過させるカバーレンズと、を備え、
前記光学レンズは、前記スリット内に保持される前方部と、前記スリットより幅が広く、前記光源側へ延在する後方部とからなり、
前記光学レンズの前記後方部は、前記第2反射面の反対側の面に入射された光を発光ライン(前方)に向けて反射するようにアールが設けられていることを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
請求項1の車両用灯具であって、
前記光学レンズの前記後方部の前記光源側の端部であって、前記第2反射面側の面には半球状の集光部位が設けられている。
【請求項3】
請求項2の車両用灯具であって、
前記光学レンズの前記後方部は、前記第2反射面側の面は平坦に形成されている。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1の車両用灯具であって、
前記光源は、前記第2反射面の中央部寄りに配置され、
前記第1反射面は、前記第2反射面に対応する位置に配置されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載される車両用灯具に関し、特に、ライン状に光って見える車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、光源と第1反射面との前に集光レンズを設け、集光レンズの前方に横長スリットを設けることで、ライン状に光って見える車両用灯具を開示している。特許文献1では、集光レンズと横長スリットとの間に上側の第1反射面と下側の第2反射面とを設けることで、光の利用効率を改善している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−64655号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、集光レンズと横長スリットを離して配置し、集光レンズと横長スリットとの間に上側の第1反射面と下側の第2反射面とを設けているため、上側の第1反射面と下側の第2反射面との間でランダムな反射が起き、鮮明に細くライン状に光って見せることが難しいと考えられる。
【0005】
本発明の目的は、鮮明にライン状に光って見える車両用灯具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る車両用灯具は、光源と、前記光源の前方に配置された光学レンズと、前記光学レンズを保持し光を透過させるスリットと、前記光源の後方に配置され、前記光源から出射された光を前方へ反射させる第1反射面と、前記第1反射面に対向する位置に設けられ、前記第1反射面から反射された光を前記光学レンズ側に反射させる第2反射面と、前記光学レンズの前方に配置され、前記光学レンズから出射された光を透過させるカバーレンズと、を備え、
前記光学レンズは、前記スリット内に保持される前方部と、前記スリットより幅が広く、前記光源側へ延在する後方部とからなり、前記光学レンズの前記後方部は、前記第2反射面の反対側の面に入射された光を発光ライン(前方)に向けて反射するようにアールが設けられている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の車両用灯具は、スリットに光学レンズを設けるため、光学レンズとスリットとの間で光りが広がらず、拡散しないため、鮮明に細くライン状に光って見せることができる。また、光源からの光を、後方に配置された第1反射面で反射させ、第1反射面に対向する位置に設けられた第2反射面で、第1反射面から反射された光を光学レンズ側に反射させるため、有効かつ効率的に光源からの光を利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の第1実施形態の車両用灯具のカバーレンズの投影態様を示す説明図である。
【
図2】第1実施形態に係る車両用灯具の断面図である。
【
図3】第1実施形態の車両用灯具を切断して示す斜視図である。
【
図5】第2実施形態の車両用灯具のハーフミラーレンズの投影態様を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態の車両用灯具10のカバーレンズ50の投影態様を示す説明図である。なお、以下の説明において、「前」、「後」、「上」、「下」、「右」、「左」とは、車両用灯具10から見た方向を意味する。
カバーレンズ50は台形形状に形成され、台形形状の左辺(車両用灯具側から見た左辺)50L、下辺50Bに沿って、赤色のライン像60が映し出される。
【0010】
図2は、第1実施形態に係る車両用灯具10の断面図であり、
図3は、車両用灯具を切断して示す斜視図である。
車両用灯具10は、白熱球灯等の光源12と、光源の前方に配置され、該光源から出射された光を出射させる光学レンズ40と、光学レンズ40を保持し光を透過させるスリット34と、光源12から出射された拡散光を平行光として前方へ反射させる第1反射面20と、第1反射面に対向し、第1反射面で反射された光を光学レンズ側に反射させる第2反射面32と、光学レンズからの光を透過して赤色のライン像を映し出すカバーレンズ50とを備える。カバーレンズ50は、光源の白色光を赤色に変え映し出す。第1反射面20は光源の拡散光を前方への平行光に変えるため回転放物面状に形成されている。第2反射面32は、第1反射面からの平行光を光学レンズ側に集光させるため、放物線を発光ライン(前方)に沿って押し出した形状に形成されている。車両用灯具10は、筐体30に保持される。第2反射面32は、筐体30の一部として構成された支持板38に支持される。スリット34は、支持板38の端部と、筐体30のクランク片30Aとの間に形成される。光源12は、スリット14に対して直線上の後方に配置されるため、第1実施形態の車両用灯具は、光源からの直接光を効率的にスリットへ通過させることができる。
【0011】
第1実施形態の車両用灯具の光学レンズ40は、スリット34内に保持される前方部40fと、スリットより幅が広く光源側に形成されている後方部40bから成る。後方部40bの光源側の端部であって、第2反射面側の面40bsには断面半球状の集光部位40bcが設けられている。また、後方部40bは、第2反射面側の面40bsは平坦に形成され、第2反射面の反対側の面40bbはアールが設けられている。即ち、第2反射面の反対側の面40bbは、平坦な第2反射面側の面40bsから入射された光を発光ライン(前方)に向けて反射するように、放物線を発光ラインに沿って押し出した形状に形成されている。ここで、第2反射面の反対側の面40bbの表面に反射材を被覆することも可能である。第2反射面32からの反射光が断面半球状の集光部位40bcに集められ、アールの設けられた後方部40bの第2反射面の反対側の面40bbで反射されて、前方部40f側に向かう発光ライン(前方)に沿った光に変えられるため、有効かつ効率的に光源からの光を利用できる。
【0012】
第1実施形態の車両用灯具10は、スリット34に光学レンズ40を設けるため、光学レンズとスリットとの間で光りが広がらず、拡散しないため、鮮明に細くライン状に光るライン像60を投影することができる。また、光源12からの光を、後方に配置された第1反射面20で反射させ、第1反射面に対向する位置に設けられた第2反射面32で、第1反射面から反射された光を光学レンズ40側に反射させるため、有効かつ効率的に光源からの光を利用できる。
【0013】
[第2実施形態]
図4は第2実施形態の車両用灯具の断面を示す。
第2実施形態の車両用灯具110では、光源12がスリット34の後方では無く、第2反射面32の中心32c寄りに配置されている。そして、光源からの直接光が第2反射面32で反射され、光学レンズ40に入射されると共に、光源からの拡散光が第1反射面20で平行光に変えられ、第2反射面32で反射され、光学レンズ40に入射される。このため、第2実施形態の車両用灯具110は、有効かつ効率的に光源からの光を利用できる。
【0014】
図5は、本発明の第2実施形態の車両用灯具10のハーフミラーレンズ150の投影態様を示す説明図である。
図4は、
図5中のc−c断面に相当する。
図4中に示されるように第2実施形態の車両用灯具110では、光学レンズ40の前方にハーフミラーレンズ150が配置され、ハーフミラーレンズ150と対向する位置に反射鏡36が設けられている。
図5中に示されるようにハーフミラーレンズ150は台形形状に形成され、台形形状の左辺(車両用灯具側から見た左辺)150L、下辺150B、右辺150Rに沿って、一番明るい赤色の実像60Aが映し出され、実像60Aの内側に赤色の第1虚像60Bが映し出され、第1虚像60Bの内側に赤色の第2虚像60Cが映し出され、第2虚像60Cの内側に赤色の第3虚像60Dが映し出される。実像60A、第1虚像60B、第2虚像60C、第3虚像60Dの順で徐々に輝度が低下していく。図示しないが、更に複数の虚像が映し出される。
【0015】
第2実施形態の車両用灯具110では、光学レンズ40の前方部40fの先端には傾斜が設けられている。断面形状で、光学レンズ40の前方部40fの先端に第2反射面の反対側が第2反射面側よりも下がる傾斜が着けられている。これにより、出射光が、
図4中で、第2反射面側、
図5中のハーフミラーレンズ150で下辺150Bに対向する上辺150U側に曲げられる(屈折される)。
【0016】
光学レンズ40からの光の一部が透過され、
図5中のハーフミラーレンズ150で赤色の実像60Aが映し出される。なお、光源は白色で、ハーフミラーレンズ150が赤色に色づけられている。そして、透過されない残りが後方へ反射され、そのうち反射された光が反射鏡36により再び前方のハーフミラーレンズ150に向けて反射され、反射光の一部が透過され、
図5中のハーフミラーレンズ150で赤色の第1虚像60Bが映し出される。透過されない残りが後方へ反射され、そのうち反射された光が反射鏡36により再び前方のハーフミラーレンズ150に向けて反射され、反射光の一部が透過され、
図5中のハーフミラーレンズ150で赤色の第2虚像60Cが映し出される。透過されない残りが後方へ反射され、そのうち反射された光が反射鏡36により再び前方のハーフミラーレンズ150に向けて反射され、反射光の一部が透過され、
図5中のハーフミラーレンズ150で赤色の第3虚像60Dが映し出される。
【0017】
第2実施形態の車両用灯具110は、スリット34に光学レンズ40を設け、光源12から出射された光を光学レンズ側へ第2反射面32で反射させるため、スリット34をハーフミラーレンズ150の周縁に沿って設けることで、ハーフミラーレンズの周縁に沿って発光ダイオードを配置する必要が無くなる。即ち、ハーフミラーレンズ150の左辺150Lと下辺150Bとの角部に光源12を設け、下辺150Bと右辺150Rとの角部に光源12を設けることで、ハーフミラーレンズの周縁(左辺150L、下辺150B、右辺150R)に沿って実像60Aと共に複数の虚像60B、60C、60Dを投影させることができる。必要とされる光源の数が少ないため、光源を交換可能に設けることができる。このため、発光ダイオードでは無く、点灯寿命の有る白熱電球を用いることが可能となる。また、光源が少数で済むため、車両用灯具を廉価に製造することができる。
【符号の説明】
【0018】
10 車両用灯具
12 光源
20 第1反射面
32 第2反射面
34 スリット
36 反射鏡
40 光学レンズ
40f 前方部
40b 後方部
50 カバーレンズ
150 ハーフミラーレンズ