(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図示実施例について本発明を説明すると、
図1ないし
図3において、1はプロジェクタ用支持台であり、このプロジェクタ用支持台1は、超短焦点プロジェクタPJを支持して所要位置に移動可能となっている。
超短焦点プロジェクタPJの構成は従来公知であり、その投写レンズPJaから下方側のテーブル2の天板2Aに向けて投影光L1を投影することで、テーブル2の天板2Aに画像を投影できるようになっている。本実施例では、被投影体としてテーブル2を想定しており、このテーブル2の平坦な天板2Aが画像を投影される投影面となっている。
超短焦点プロジェクタPJは箱型をしたケーシングPJbを備えており、このケーシングPJbの前面の所定位置にテーブル2の天板2Aに向けてセンサ3が取り付けられている。このセンサ3は、テーブル2の天板2Aに投影光L1により画像が投影されている状態において、作業者が天板2A上でペンを動かした際に該ペンの動きを検出することができる。
本実施例のプロジェクタ用支持台1は、テーブル2の天板2A(投影面)に向けて上方側から画像を投影可能な超短焦点プロジェクタPJを支持することを想定しており、所要位置に移動可能であって、かつ超短焦点プロジェクタPJの高さ位置と水平方向での支持位置を容易に変更できるようになっている。
【0009】
プロジェクタ用支持台1は、下面に4個の車輪4が設けられたH形のベース部材5と、このベース部材5の中央部に鉛直上方に向けて固定された角筒状の支柱6と、この支柱6に上方側から摺動自在に嵌合された角筒状の昇降部材7と、この昇降部材7を昇降させるとともに所要の高さに固定するガススプリング8と、昇降部材7の上端に水平方向に固定されたガイドプレート11と、このガイドプレート11に摺動自在に取り付けられたスライド部材12と、このスライド部材12にブラケット13を介して固定された三軸調整機構14を備えている。
本実施例は、超短焦点プロジェクタPJを三軸調整機構14に取り付けて支持するようになっている。この三軸調整機構14によって、水平面において直交するX方向とY方向及び鉛直方向のZ方向において、超短焦点プロジェクタPJの投写レンズPJaの光軸を微調整できるようになっている。なお、投写レンズPJaの光軸の角度を調整する角度調整機構としての三軸調整機構14の構成は従来公知であるため、構成の説明は省略する。
【0010】
ベース部材5の下面の4箇所に車輪4が取り付けられており、それによりベース部材5が水平に維持されるとともに、ベース部材5を含めたプロジェクタ用支持台1全体を所要位置に移動可能となっている。4箇所の車輪4における後方側となる2つの車輪4には図示しないストッパが設けられており、これらのストッパによって後方側の車輪4を固定して、プロジェクタ用支持台1を停止状態に維持できるようになっている。
ベース部材5の中央部に鉛直上方に向けて支柱6が固定されており、該支柱6の外周部に対して昇降部材7が昇降自在に嵌合されている。そして、それらの内部に昇降機構としての従来公知のガススプリング8が配置されている。
ガススプリング8は、内部にガスチャンバ等が形成されたシリンダ8Aと、シリンダ8Aに摺動自在に嵌合されたピストン8Bを備えている。ピストン8Bの下端部となる下方側の取り付け部8Cはベース部材5に連結されており、シリンダ8Aの上端となる上方側の取り付け部8Dは連結ピンによって昇降部材7の上方部に連結されている。上部に位置するハンドル9にガススプリング8の操作レバー8Eが設けられており、この操作レバー8Eはケーブル8Fを介してシリンダ8Aの内部と連動している。
作業者が操作レバー8Eを掴んで握り込むことでガススプリング8による昇降部材7のロック状態が解除されるようになっており、その解除状態で昇降部材7を所要高さに昇降させることができる。その昇降作動時おいては、ガススプリング8による上方への付勢力が作用するので、作業者は軽い力で昇降部材7及びその上方側に支持された状態の超短焦点プロジェクタPJを昇降させることができる。
そして、作業者が操作レバー8Eを離すと、操作レバー8Eは元の非作動位置に復帰し、その時点でガススプリング8のピストン8Bがロックされる。そのため、昇降部材7とその上方側に支持された超短焦点プロジェクタPJが所要の高さ位置に固定されるようになっている。
【0011】
昇降部材7の上端にガイドプレート11が水平状態で固定されており、このガイドプレート11に断面がコ字形をしたスライド部材12が摺動自在に係合されている。これにより、スライド部材12は、ガイドプレート11の長手方向に沿ってX方向に移動可能となっている。
スライド部材12の長手方向の中央部にブラケット13を介して三軸調整機構14が連結されており、この三軸調整機構14に超短焦点プロジェクタPJを取り付けることができるようになっている。
スライド部材12の下面における長手方向の端部に2本の固定ねじ15、15が取り付けられており、これらの固定ねじ15を回してそれらの先端をガイドプレート11の下面に押し付けることで、ガイドプレート11の長手方向(X方向)の所要位置にスライド部材12を固定することができる。他方、固定ねじ15を緩めることにより、スライド部材12、三軸調整機構14及びそれに支持された超短焦点プロジェクタPJをガイドプレート11の長手方向(X方向)の所要位置に移動させることができる。
このように、三軸調整機構14により超短焦点プロジェクタPJを支持した状態においては、スライド部材12と三軸調整機構14を介して超短焦点プロジェクタ11を水平面のX方向に平行移動させることができる。
スライド部材12の背面にブラケット16を介してハンドル9が水平状態で連結されており、このハンドル9にガススプリング8の操作レバー8Eが取り付けられている。両固定ねじ15によってスライド部材12をガイドプレート11に固定した状態において、作業者がハンドル9を握ってプロジェクタ用支持台1全体を押し、或いは引いて移動させるようになっている。
投写レンズPJaを下方に向けた状態で超短焦点プロジェクタPJが三軸調整機構14に取り付けられると、該三軸調整機構14によってX方向、Y方向及びZ方向において、超短焦点プロジェクタPJの投写レンズPJaの光軸を微調整できるようになっている。
【0012】
昇降部材7の前面に鉛直方向のガイド溝7Aが形成されており、このガイド溝7Aにセンサ取り付け部18の基部18Aが昇降自在に取り付けられている。センサ取り付け部18は水平に支持されており、所要時にはガイド溝7Aに沿ってセンサ取り付け部18の高さ位置を調整できるようになっている。このセンサ取り付け部18に光センサ19を水平に取り付けるようになっている。
光センサ19はレーザ光L2を放射する従来公知の構成を備えており、センサ取り付け部18に光センサ19が取り付けられた状態において、光センサ19が作動されると、テーブル2の天板2Aの近接上方位置において水平面のY方向に沿ったレーザ光L2を放射することができる。その状態において作業者が天板2A上でペンを移動させると、該ペンの動きを光センサ19によって検出できるようになっている。なお、このような光センサ18の構成は公知のものであり、詳細な説明は省略する。
昇降部材7の背面の所定高さ位置に、丁番21を介して平板状の作業台22が搖動可能に取り付けられている。作業台22は、使用しない時には鉛直上方に向けられて昇降部材7の背面に密着しており、他方、使用する時には作業台22を手前に引いて全体を水平に位置させる。その状態で作業台22上にパーソナルコンピュータや所要の機器等を載置できるようになっている。
また、昇降部材7における左右の側面には、電気コードを巻き取って保持するための上下一対のフック23、23が配置されている。
以上のように、本実施例のプロジェクタ用支持台1は、所要の位置に移動可能となっており、また、三軸調整機構14に支持した状態の超短焦点プロジェクタPJを昇降部材7等を介して昇降させることができる。さらに、三軸調整機構14に支持した超短焦点プロジェクタPJを、スライド部材12によって水平面におけるX方向に移動させることができるようになっている。
【0013】
以上の構成において、本実施例のプロジェクタ用支持台1は、以下のようにして使用される。すなわち、先ず、テーブル2から離れた位置において、投写レンズPJaが鉛直下方に向くようにして超短焦点プロジェクタPJを作業者が三軸調整機構14に取り付ける。また、センサ取り付け部18に光センサ19を水平に取り付ける。
このようにして超短焦点プロジェクタPJ及び光センサ19がプロジェクタ用支持台1に支持されると、作業者は、ストッパによる車輪4の固定状態を解除してからハンドル9を握ってプロジェクタ用支持台1を押してテーブル2がある位置まで移動させる。そして、光センサ19及び超短焦点プロジェクタPJがテーブル2の天板2Aの上方側に位置するところまでプロジェクタ用支持台1を移動させた後に、ストッパにより車輪4を固定する(
図1〜
図3の状態)。
この後、作業者はガススプリング8の操作レバー8Eを握り込んで昇降部材7のロック状態を解除し、その解除状態において昇降部材7を昇降させて所要の高さ位置で操作レバー8Eから手を離して、昇降部材7をガススプリング8によりロックする。これにより、投写レンズPJaからの投影光L1の範囲がテーブル2の天板2Aの大きさに好適な高さ位置に、超短焦点プロジェクタPJが支持される。
この後、作業者は、スライド部材12の固定ねじ15を緩めてからスライド部材12、三軸調整機構14及び超短焦点プロジェクタPJをガイドプレート11に沿って水平面のX方向に所要量だけ移動させる。この後、固定ねじ15を締めてガイドレール11にスライド部材12を固定する。
超短焦点プロジェクタPJは、製造メーカーの違いによって投写レンズPJaの配置位置が異なっているが、本実施例においては、スライド部材12によってX方向に超短焦点プロジェクタPJを平行移動させることができる。そのため、各超短焦点プロジェクタPJの投写レンズPJaの配置位置の違いに応じて、超短焦点プロジェクタPJをX方向の好適な位置に停止させることできる。
この後、作業者は三軸調整機構14により超短焦点プロジェクタPJの投写レンズPJaの光軸を水平面のX方向、Y方向及び鉛直方向のZ方向において微調整を行う。
次に、光センサ19を支持したセンサ取り付け部18をガイド溝7Aに沿って昇降させて光センサ19の支持高さを調整する。具体的には、光センサ19からレーザ光L2が水平に照射された際に、レーザ光L2がテーブル2の天板2Aの上方1〜2mmの高さとなる位置に、光センサ19を位置させるようにしている。
このようにして超短焦点プロジェクタPJの投写レンズPJaの高さ調整及びX方向での位置調整と光センサ19の高さ位置の調整が完了する。
この後、必要であれば作業者は作業台22を水平に位置させて、該作業台22にパーソナルコンピュータ等を載せて所要の作業を行うことができる。
この後、超短焦点プロジェクタPJの投写レンズPJaから投影光L1が下方側のテーブル2の天板2Aへ投影されるので、天板2Aに画像が投影されるようになっている。そして、そのように天板2Aに画像が投影されている状態において、作業者が天板2A上でペンを動かして文字等を記載すると、該ペンの動きは作動されている光センサ19及びセンサ3によって検出されて、ペンの移動軌跡が超短焦点プロジェクタPJの投写レンズPJaを介してテーブル2の天板2Aに投影されるようになっている。
【0014】
以上のように、本実施例のプロジェクタ用支持台1は、車輪4を有するベース部材5を備えているので、プロジェクタ用支持台1を所要位置まで容易に移動させることができる。また、昇降部材7とそれを昇降させるガススプリング8を備えているので、三軸調整機構14に超短焦点プロジェクタPJを取り付けた状態において、該超短焦点プロジェクタPJの高さ位置を容易に調整することができる。
さらに、三軸調整機構14に支持された超短焦点プロジェクタPJは、スライド部材12によって水平面のX方向に移動可能となっている。そのため、各メーカーの超短焦点プロジェクタPJの違いに応じて、その投写レンズPJaの位置をX方向の好適な位置に位置させることができる。そのため、汎用性が高いプロジェクタ用支持台1を提供できる。
また、光センサ19を取り付け可能なセンサ取り付け部18が設けられており、該センサ取り付け部18により光センサ19の支持高さを調整することができる。そのため、取り付け部18に光センサ19を取り付けた後において、光センサ19の高さ調整を容易に行うことができる。
したがって、本実施例によれば、テーブル2への着脱作業が不要であって、汎用性が高く、かつ使い勝手が良好なプロジェクタ用支持台1を提供することができる。
なお、上記実施例における光センサ19用の取り付け部18は省略しても良い。また、上記実施例においては被投影体としてテーブル2を想定しているが、水平な平坦面からなる投影部を備えていればテーブル2以外の固定台であっても良い。
なお、上記実施例においては、超短焦点プロジェクタPJを三軸調整機構14に取り付けて支持するように構成しているが、三軸調整機構14の代わりに従来公知の二軸調整機構を用いても良い。つまり、投写レンズPJaの光軸の角度を調整する角度調整機構として二軸調整機構を用いても良い。従来公知のように、二軸調整機構によれば、水平面におけるX方向とY方向において投写レンズPJaの光軸を微調整することができる。