(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記粒状の結晶核剤が、結晶核剤とバインダー効果を有する化合物とを含む混合物からなる押出造粒物より前記化合物が除去された粒状物である、請求項1に記載の結晶核剤。
【背景技術】
【0002】
ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂は、安価でバランスの良い性能を有し、汎用のプラスチックとして様々な用途で使用されている。また、一般にポリオレフィン系樹脂は結晶性の樹脂であり、生産効率の向上を目的に、また機械的特性や熱的特性、光学的特性を向上する目的で結晶核剤を加えて用いられることが多い。特に、光学的特性である透明性の改善には結晶核剤の配合が不可欠である。
【0003】
前記結晶核剤には、タルク等の無機系の結晶核剤とジアセタール化合物、カルボン酸やリン酸エステルの金属塩等の有機系の結晶核剤があり、更に有機系の結晶核剤には溶解タイプと非溶解タイプの結晶核剤がある。透明性等の光学的特性の改善には前記ジアセタール系化合物に代表される溶解タイプの有機系の結晶核剤が特に有効であり、多く用いられている。
【0004】
汎用プラスチック、特にポリオレフィン系樹脂の特徴の一つは、安価であることであり、その為には生産性に優れることが重要であり、上述の様に結晶核剤を加えることによる成形サイクルの短縮等の様々な工夫がなされている。原料のフィード性もその一つであり、個々の原料のフィード性、即ちその流動性に優れることが必要である。しかし、上記結晶核剤、なかでもジアセタール系の結晶核剤は流動性が悪く、生産性における大きな問題であった。
【0005】
そのため、これまでにもジアセタール系化合物をはじめとした結晶核剤の流動性の改良に関して様々な検討がなされてきた。例えば、粒状化することにより流動性を改良する方法(特許文献1〜3)や、粒状化せず、流動性改良剤を加えることにより流動性を改良する方法(特許文献4〜7)などが提案されており、実際に使われている。
【0006】
近年、汎用プラスチックにおいては、より一層の生産性の向上が求められており、原料のフィード性、即ちその流動性のより一層の改善が求められており、上記結晶核剤、なかでもジアセタール系の結晶核剤の流動性の更なる改善が生産性を向上する上での大きな課題であった。
【0007】
上記の通り、流動性の改良方法としては、結晶核剤に限らず一般的に次の2つの方法が知られており、広く使われている。
(1)粒径等の粒子形状をコントロールする方法
(2)流動性の改良に有効な添加剤、即ち流動性改良剤を添加する方法
【0008】
上述の様に、近年流動性に対する要求は益々厳しくなるなかで、(2)の方法では、その要求を十分に満たすことが難しいのが現状であった。従って、流動性に対してより厳しい要求が求められる用途では(1)の方法が使われることが多い。
【0009】
(1)の方法の場合、一般に、粒径が大きいほど流動性が良くなる傾向にあり、核剤単独または他の添加剤と混合して粒状化する方法や予め樹脂と混合してマスターバッチ化する方法などが汎用的な方法として使われている。
【0010】
しかし、粒状化した場合、流動性は改良されるが、ポリオレフィン系樹脂中での分散性や溶解性が悪くなる傾向があり、その結果、核剤本来の透明性等の性能の低下だけでなく、白点等の外観上の問題も生じる懸念があり、特に分散性等に対する要求が厳しい分野では、バインダー等の添加剤を加える方法が一般的であった。
【0011】
上記バインダーとしては、これまでにも様々な化合物が検討されてきたが、帯電防止剤や滑剤としてポリオレフィン用添加剤に広く用いられている有機酸モノグリセリドなどが、使い勝手の良いバインダーとして知られている。
【0012】
また、粒状化する方法も流動性に対して重要であり、その方法に関しても、これまでに様々な検討がなされてきた。
【0013】
一方、最近の傾向として、全般的に環境問題等を配慮して、また配合処方の融通性を確保するため、結晶核剤以外の成分の量をできるだけ少なくする方向に進んでおり、バインダーを添加しないで粒状化する方法やできるだけ少ない量のバインダーで粒状化する方法が望まれている。また、用途によっては、バインダーの配合による核剤そのものの性能への影響も懸念されるケースがあり、バインダー量の低減はその観点からも望まれていた。しかし、これまでの造粒法では、ある量以上のバインダーを含まないと粒状化が難しく、バインダー量の低減には限界があった。
【0014】
さらに、用途によっては、上述の樹脂中での分散性や溶解性に関してもより要求が厳しくなっており、これまでの造粒法では有機酸モノグリセリド等の比較的融点の低いバインダーを大量に加える必要があった。しかし、その場合、バインダーに起因するケーキング等の新たな問題の発生が指摘されており、その改善が必要となっていた。
【0015】
特に、ジアセタール系化合物等の結晶核剤の場合、二次凝集性等の問題があり、更に、溶融樹脂中での分散性や溶解性がその核剤性能に大きく影響することが知られており、従来公知の系での粒状化では、全ての要求を十分に満足することが難しいのが現状であり、その改善が強く望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は、粒状化によるポリオレフィン系樹脂用結晶核剤の流動性を改良する方法、その方法を含む流動性の改良された粒状のポリオレフィン系樹脂用結晶核剤の製造方法及び該方法により得られた流動性の改良された粒状のポリオレフィン系樹脂用結晶核剤、更にその結晶核剤を含んでなる透明性に優れたポリオレフィン系樹脂組成物及びその成形体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明者らは、上述の状況に鑑み、上記課題を解決すべく、鋭意検討した結果、バインダー効果を有する特定の化合物を特定の比率で配合した混合物を、特定の条件下で押出造粒した後、上記の添加した化合物を除去することにより、バインダーを含まずに樹脂中での分散性が改善された粒状のポリオレフィン系樹脂用結晶核剤を製造することが可能であり、得られた粒状のポリオレフィン系樹脂用結晶核剤は、流動性に非常に優れており、かつケーキング等の問題もなく、優れた樹脂中での分散性や溶解性を示し、更にその結晶核剤を含んでなるポリオレフィン系樹脂組成物及びその成形体が透明性にも非常に優れていることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0019】
即ち、本発明は以下に示すポリオレフィン系樹脂用結晶核剤の流動性改良方法、その方法を含む流動性の改良された粒状のポリオレフィン系樹脂用結晶核剤の製造方法及び該方法により得られた流動性の改良された粒状のポリオレフィン系樹脂用結晶核剤、更にその結晶核剤を含んでなる透明性に優れたポリオレフィン系樹脂組成物及びその成形体を提供するものである。
【0020】
[項1] 流動性の改良されたポリオレフィン系樹脂用結晶核剤であって、
ゆるみ嵩密度が0.25〜0.5g/cm
3の範囲であり、かため嵩密度が0.3〜0.8g/
cm
3の範囲であり、且つ、
粉化率が40%以下であることを特徴とする粒状の結晶核剤。
【0021】
[項2] 前記粒状の結晶核剤が、結晶核剤とバインダー効果を有する化合物とを含む混合物からなる押出造粒物より前記化合物が除去された粒状物である、[項1]に記載の結晶核剤。
【0022】
[項3] 前記バインダー効果を有する化合物が、炭素数1〜4のアルコール、水、又は該アルコールと水との混合物である、[項2]に記載の結晶核剤。
【0023】
[項4] 前記アルコールが、メタノール及び/又はエタノールである、[項3]に記載の結晶核剤。
【0024】
[項5] バインダー効果を有する化合物が、メタノール、又はメタノールと水との混合物である、[項3]又は[項4]に記載の結晶核剤。
【0025】
[項6] ゆるみ嵩密度が、0.3〜0.45g/cm
3の範囲である、[項1]〜[項5]の何れかに記載の結晶核剤。
【0026】
[項7] ゆるみ嵩密度が、0.35〜0.45g/cm
3の範囲である、[項6]に記載の結晶核剤。
【0027】
[項8] かため嵩密度が0.35〜0.75g/
cm
3の範囲である、[項1]〜[項7]の何れかに記載の結晶核剤。
【0028】
[項9] かため嵩密度が0.35〜0.7g/
cm
3の範囲である、[項8]に記載の結晶核剤。
【0029】
[項10] 粉化率が、30%以下である、[項1]〜[項9]の何れかに記載の結晶核剤。
【0030】
[項11] 粉化率が、20%以下である、[項10]に記載の結晶核剤。
【0031】
[項12] 粉化率が、10%以下である、[項11]に記載の結晶核剤。
【0032】
[項13] 前記
粒状の結晶核剤が、直径0.5〜5mmの範囲の円柱状
の粒状物である、[項1]〜[項12]の何れかに記載の結晶核剤。
【0033】
[項14] 前記円柱状の粒状物の直径が、0.5〜2.5mmの範囲である、[項13]に記載の結晶核剤。
【0034】
[項15] 前記円柱状の粒状物の直径が、0.5〜1.5mmの範囲である、[項14]に記載の結晶核剤。
【0035】
[項16] 前記結晶核剤が下記一般式(1)で示されるジアセタール化合物である、[項1]〜[項15]の何れかに記載の結晶核剤。
【化1】
[式(1)中、R
1及びR
2は、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルキル基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルコキシ基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基又はハロゲン原子を示す。R
3は、水素原子、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルキル基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数2〜4のアルケニル基又は直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を示す。m及びnは、それぞれ1〜5の整数を示す。pは0又は1を示す。2つのR
1は互いに結合してそれらが結合するベンゼン環と共にテトラリン環を形成していてもよい。2つのR
2基は互いに結合してそれらが結合するベンゼン環と共にテトラリン環を形成していてもよい。]
【0036】
[項17] 前記一般式(1)において、R
1及びR
2が、同一又は異なって、メチル基又はエチル基であり、かつ、R
3が水素原子であり、m及びnが1又は2の整数であり、pが1である、[項16]に記載の結晶核剤。
【0037】
[項18] 前記一般式(1)において、R
1及びR
2が、同一又は異なって、プロピル基又はプロポキシ基であり、かつ、R
3がプロピル基又はプロペニル基であり、m及びnが1であり、pが1である、[項16]に記載の結晶核剤。
【0038】
[項19] 前記粒状の結晶核剤の安息角が、45度以下である、[項1]〜[項18]の何れかに記載の結晶核剤。
【0039】
[項20] 安息角が、40度以下である、[項19]に記載の結晶核剤。
【0040】
[項21] 流動性の改良された粒状のポリオレフィン系樹脂用結晶核剤の製造方法であって、
(i)ポリオレフィン系樹脂用結晶核剤とバインダー効果を有する化合物を混合する混合工程、
(ii)工程(i)で得られた混合物を、押出造粒により、粒状化する造粒工程
(iii)工程(ii)で得られた造粒物より工程(i)で混合したバインダー効果を有する化合物を除去する工程
を具備する製造方法。
【0041】
[項22] 工程(i)で得られた混合物中に占めるバインダー効果を有する化合物の割合が、20〜60重量%である、[項21]に記載の製造方法。
【0042】
[項23] 前記混合物中に占めるバインダー効果を有する化合物の割合が、30〜50重量%である、[項22]に記載の製造方法。
【0043】
[項24] 前記混合物中に占めるバインダー効果を有する化合物の割合が、40〜50重量%である、[項23]に記載の製造方法。
【0044】
[項25] 前記バインダー効果を有する化合物が、炭素数1〜4のアルコール、水、又は該アルコールと水との混合物である、[項21]〜[項24]の何れかに記載の製造方法。
【0045】
[項26] 前記アルコールが、メタノール及び/又はエタノールである、[項25]に記載の製造方法。
【0046】
[項27] バインダー効果を有する化合物が、メタノール、又はメタノールと水との混合物である、[項25]又は[項26]に記載の製造方法。
【0047】
[項28] バインダー効果を有する化合物中に占めるメタノールの割合が、10重量%以上である、[項27]に記載の製造方法。
【0048】
[項29] バインダー効果を有する化合物中に占めるメタノールの割合が、30重量%以上である、[項28]に記載の製造方法。
【0049】
[項30] 工程(ii)の押出方法が、ローラー押出法である、[項21]〜[項29]の何れかに記載の製造方法。
【0050】
[項31] 工程(iii)の除去方法が、抽出法または乾燥法である、[項21]〜[項30]の何れかに記載の製造方法。
【0051】
[項32] 工程(iii)の除去方法が、乾燥法である、[項31]に記載の製造方法。
【0052】
[項33] 前記工程(iii)で得られた粒状の結晶核剤が、ゆるみ嵩密度0.25〜0.5g/cm
3であり、かため嵩密度が0.3〜0.8g/
cm
3の範囲であり、且つ、粉化率40%以下である、[項21]〜[項32]の何れかに記載の製造方法。
【0053】
[項34] 前記工程(iii)で得られた粒状の結晶核剤が、直径0.5〜5.0mmの範囲の円柱状である、[項21]〜[項33]の何れかに記載の製造方法。
【0054】
[項35] 前記結晶核剤が下記一般式(1)で示されるジアセタール化合物である、[項21]〜[項34]の何れかに記載の製造方法。
【化2】
[式(1)中、R
1及びR
2は、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルキル基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルコキシ基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基又はハロゲン原子を示す。R
3は、水素原子、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルキル基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数2〜4のアルケニル基又は直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を示す。m及びnは、それぞれ1〜5の整数を示す。pは0又は1を示す。2つのR
1は互いに結合してそれらが結合するベンゼン環と共にテトラリン環を形成していてもよい。2つのR
2基は互いに結合してそれらが結合するベンゼン環と共にテトラリン環を形成していてもよい。]
【0055】
[項36] 前記一般式(1)において、R
1及びR
2が、同一又は異なって、メチル基又はエチル基であり、かつ、R
3が水素原子であり、m及びnが1又は2の整数であり、pが1である、[項35]に記載の製造方法。
【0056】
[項37] 前記一般式(1)において、R
1及びR
2が、同一又は異なって、プロピル基又はプロポキシ基であり、かつ、R
3がプロピル基又はプロペニル基であり、m及びnが1であり、pが1である、[項35]に記載の製造方法。
【0057】
[項38] ポリオレフィン系樹脂と[項1]〜[項20]の何れかに記載の粒状のポリオレフィン系樹脂用結晶核剤、又は[項21]〜[項37]の何れかに記載の製造方法で製造された流動性の改良された粒状のポリオレフィン系樹脂用結晶核剤を含んでなるポリオレフィン系樹脂組成物。
【0058】
[項39] 粒状のポリオレフィン系樹脂用結晶核剤の含有量が、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、0.001〜10重量部である、[項38]に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
【0059】
[項40] 前記結晶核剤の含有量が、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、0.01〜5重量部である、[項39]に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
【0060】
[項41] [項38]〜[項40]の何れかに記載のポリオレフィン系樹脂組成物を原料とするポリオレフィン系樹脂成形体。
【0061】
[項42] ポリオレフィン系樹脂用結晶核剤の流動性の改良方法であって、
該結晶核剤のゆるみ嵩密度を0.25〜0.5g/cm
3の範囲に、かため嵩密度が0.3〜0.8g/
cm
3の範囲に、粉化率を40%以下に調整することを特徴とする改良方法。
【発明の効果】
【0062】
本発明の粒状のポリオレフィン系樹脂用結晶核剤は、非常に流動性に優れており、生産性の向上などに大きく寄与することができる。また、本発明の粒状のポリオレフィン系樹脂用結晶核剤は、特にジアセタール系化合物等において非常に重要であるポリオレフィン系樹脂中での分散性や溶解性についても、従来の結晶核剤と同等かそれ以上の性能を有しており、ポリオレフィン系樹脂用結晶核剤として非常に優れた性能を発揮することができる。従って、本発明の粒状のポリオレフィン系樹脂用結晶核剤は、様々な用途で幅広く使用することが可能であり、得られた成形体は非常に優れた透明性を有しており、多くの用途で有用である。更に、本発明の粒状のポリオレフィン系樹脂用結晶核剤は、前記工程(iii)でバインダー効果を有する化合物が除去されており、実質的にバインダー化合物を含有しておらず、従来のバインダー化合物を含有する粒状のポリオレフィン系樹脂用結晶核剤で問題となっているケーキング等の問題も解消され、より幅広い用途への応用が可能である。
【発明を実施するための形態】
【0063】
<粒状のポリオレフィン系樹脂用結晶核剤>
本発明の結晶核剤は粒状であることを特徴とする。本発明において、結晶核剤が粒状であるとは、以下に述べる様な流動性の改善に十分な大きさ、即ちある特定の嵩密度を有し、且つ容易に粉化しない、即ちある特定の粉化率を示す形状であることを意味する。その様な粒状の結晶核剤は、例えば、通常の製造方法により得られたポリオレフィン系樹脂用結晶核剤とバインダー効果を有する化合物を混合し、得られた混合物を、押出造粒により、粒状化した後、上記で混合したバインダー効果を有する化合物を除去することにより容易に得られる。
【0064】
本発明において、結晶核剤が粒状であることが、流動性の観点より重要である。一般に、粒径が小さくなると流動性に関する懸念が生じやすいことが知られており、本発明でも粒状化することにより、流動性が大きく改善することが確認されている。より具体的には、上記観点より、得られた粒状のポリオレフィン系樹脂用結晶核剤の嵩密度及び粉化率が特定の範囲であることが重要である。嵩密度は、粒状化の状態を示す目安であり、一般的に粒状化することにより嵩密度が大きくなる。また、粉化率が大きくなると、実際に使用する際に粒状物が壊れて微粉化してしまい、粒状化により流動性改善効果が得られ難くなる傾向にある。また、粒状化におけるサイズは、その結晶核剤の種類や使用する用途により異なり、一概に決めることは難しいが、好ましくは、上記造粒後及びバインダー効果を有する化合物を除去した後の直径が0.5mm以上であることが推奨される。
【0065】
また、本発明において、樹脂中での分散性や溶解性の観点からも、得られた粒状のポリオレフィン系樹脂用結晶核剤の嵩密度及び粉化率が特定の範囲であることが重要である。嵩密度が大きすぎると粒状物が硬く締まりすぎており、樹脂中で分散しにくくなり、溶解性も低下する傾向にある。その場合、粒状物が硬く締まっており、粉化率も小さな値となる。一方、粉化率が過度に大きい場合、本発明の粒状の結晶核剤の移送時やポリオレフィン系樹脂への添加時等に粒状物が砕けてしまい、流動性が低下するだけでなく、粉塵等の問題が生じる懸念もある。その場合、一般的には嵩密度は小さな値となる。従って、流動性が良好であり、かつ樹脂中での分散性や溶解性に優れるためには、嵩密度と粉化率が特定に範囲であることが重要である。
【0066】
本発明において、上記流動性が良好であり、かつ樹脂中での分散性や溶解性に優れるための嵩密度の範囲は、ゆるみ嵩密度が0.25〜0.5g/
cm
3であり、好ましくは0.3〜0.45g/
cm
3、より好ましくは0.35〜0.45g/
cm
3であることが推奨され、同時にかため嵩密度が0.3〜0.8g/
cm
3であり、好ましくは0.35〜0.75g/
cm
3、より好ましくは0.35〜0.7g/
cm
3であることが推奨される。なお、下述の通り、かため嵩密度は、ゆるみ嵩密度を測定したものを更にタッピング等により密な状態にした値であり、ゆるみ嵩密度より大きな値となる。
【0067】
樹脂中での分散性や溶解性には、造粒後の粒径が影響する場合があり、例えば、粒状物は円柱状の場合、樹脂中での分散性や溶解性の観点からは、好ましくはその直径が5mm以下、より好ましくは2.5mm以下、更に好ましくは1.5mm以下であることが推奨される。
【0068】
ここで、嵩密度とは、ある容積の容器に充填された時に、その内容積を体積として計算された密度のことであり、容器中に圧力を加えずに充填した粗な状態で測定した値をゆるみ嵩密度と言い、それを更に一定の条件でタッピングして密な状態にした後に測定した値をかため嵩密度と言う。本発明の様な造粒物の場合、一般的には嵩密度が大きいほど、造粒物中の空隙が少なく、硬く締まった造粒物になっているものと考えられている。また、造粒前と造粒後の比較では、造粒後に嵩密度が大きく増加していれば、造粒前に存在した粉体などの間の空隙が造粒により減少して、良好な造粒物が得られていることを確認することができる。
【0069】
また、嵩密度は、上述の通り容器の容量と充填された内容物の重量を測定することにより、容易に求められる値であり、例えば、下記方法などで測定することができる。
漏斗をメスシリンダーの開口部上に、垂直に保持し、漏斗を通してメスシリンダー中に所定量の試料を圧力を加えずに入れ、秤を用いてメスシリンダー内の試料の重量を測定する。得られた重量より下記式(1)を用いてゆるみかさ密度を求める。続いて、メスシリンダーをゴムシート等の上で一定の高さから垂直に落下させる操作(タッピング)を所定の回数繰り返した後。メスシリンダー内の試料の容量を読み取り、下記式(2)を用いてかため嵩密度を求める。
式(1);
ゆるみ嵩密度(g/cm
3)=試料の重量(g)/メスシリンダーの容量(cm
3)
式(2)
かため嵩密度(g/cm
3)=試料の重量(g)/タッピング後の試料の容量(cm
3)
【0070】
粉化率とは、造粒後の粒状物の硬さの目安であり、本発明では、ある特定の衝撃を受けた後、ある特定の粒径以下に微粉化した重量を測定し、衝撃を与える前の全重量に対する比率を求めて、粉化率とした。具体的には、予め600μmのふるいでふるい分けされた試料を用いて、600μmのふるい上で所定時間振動を与え、振動停止後、振動を与えている間に600μmのふるいを通過した重量を測定し、振動を与える前に600μmのふるい上に投入した全重量で割った値を100倍して、粉化率(%)とした。粉化率が大きいほど脆く、わずかな衝撃でも砕けてしまい、樹脂と混合する前に粉化してしまい、粒状の維持が難しくなり、流動性改善の効果が得られ難くなる傾向にある。本発明においては、結晶核剤の種類により、一概には言えないが、粉化率が40%以下であることが好ましく、より好ましくは30%以下、更に好ましくは20%以下、特に好ましくは10%以下であることが、流動性改善効果等の観点より推奨される。また、粉化率が小さすぎる場合、樹脂中での分散性や溶解性が低下する傾向にあるが、結晶核剤やバインダー効果を有する化合物の選択により、必ずしも粉化率が小さくなっても、樹脂中での分散性や溶解性が低下するとは限らない。
【0071】
上記直径とは、得られた円柱状の粒状物の直径をノギス等を用いて計測する方法などで、容易に測定することができる。
【0072】
上記特定の嵩密度及び粉化率に調整する方法は、本発明の効果が得られる限り、特に限定されることはないが、例えば、予め除去可能なバインダー効果を有する化合物をポリオレフィン系樹脂用結晶核剤に混合したものを押出等により造粒した後、混合したバインダー効果を有する化合物を除去することにより、粒状物中に除去したバインダー効果を有する化合物が存在していた部分が空洞となり、通常の同程度の形状の造粒物に比べてかさ密度を小さくすることができる。また、上記方法において、バインダー効果を有する化合物の選択及び配合率や造粒条件等の調整により、ポリオレフィン系樹脂用結晶核剤そのものが固着して粒状を維持し、粉化率の増大を抑制することができる。
【0073】
ポリオレフィン系樹脂用結晶核剤
ポリオレフィン系樹脂用結晶核剤としては、例えば、ジアセタール系化合物、カルボン酸塩系化合物、リン酸エステル塩系化合物、アミド系化合物、ロジン系化合物などが例示される。なかでも、上記ジアセタール系化合物において、本発明の効果が最も顕著である。ただし、その種類は、本発明の効果を奏する限り、特に限定されるものではない。
【0074】
上記ジアセタール系化合物としては、具体的には、下記一般式(1)で示されるジアセタール化合物が例示される。
【化3】
[式(1)中、R
1及びR
2は、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルキル基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルコキシ基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基又はハロゲン原子を示す。R
3は、水素原子、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルキル基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数2〜4のアルケニル基又は直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を示す。m及びnは、それぞれ1〜5の整数を示す。pは0又は1を示す。2つのR
1は互いに結合してそれらが結合するベンゼン環と共にテトラリン環を形成していてもよい。2つのR
2基は互いに結合してそれらが結合するベンゼン環と共にテトラリン環を形成していてもよい。]
【0075】
上記ジアセタール化合物の中でも、更に好ましい化合物としては、例えば、上記一般式(1)中のR
1及びR
2が、同一又は異なって、メチル基又はエチル基であり、かつ、R
3が水素原子であり、m及びnが1又は2の整数であり、pが1である化合物や、上記一般式(1)中のR
1及びR
2がプロピル基又はプロピルオキシ基であり、かつ、R
3がプロピル基又はプロペニル基であり、m及びnが1であり、pが1である化合物などが挙げられる。
【0076】
また、次の様な化合物も更に好ましい化合物として例示することができる;上記一般式(1)において、R
1及びR
2がプロピル基又はプロピルオキシ基であり、かつ、R
3がプロピル基又はプロペニル基であり、m及びnが1であり、pが1である化合物。
【0077】
上記ジアセタール系化合物の具体的な態様としては、次の様な化合物が例示される。1,3:2,4−ジ−O−ベンジリデン−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(メチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(エチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−エチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−エチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−イソプロピルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−イソプロピルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−イソプロピルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−n−プロピルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−n−プロピルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−n−プロピルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−n−ブチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−n−ブチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−n−ブチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−t−ブチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−t−ブチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−t−ブチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,3’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,5’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,6’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,5’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,3’−ジエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,4’−ジエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,5’−ジエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,6’−ジエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,5’−ジエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,4’,5’−トリメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’,5’−トリメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,4’,5’−トリエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’,5’−トリエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−メトキシベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−メトキシベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−メトキシベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−エトキシベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−エトキシベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−エトキシベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−イソプロポキシベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−イソプロポキシベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−イソプロポキシベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−n−プロポキシベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−n−プロポキシベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−n−プロポキシベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−メトキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−メトキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−メトキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−エトキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−エトキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−エトキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−イソプロポキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−イソプロポキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−イソプロポキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−n−プロポキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−n−プロポキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−n−プロポキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−フルオロベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−フルオロベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−フルオロベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−クロロベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−クロロベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−クロロベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−ブロモベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−ブロモベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−ブロモベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3−O−ベンジリデン−2,4−O−(p−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3−O−(p−メチルベンジリデン)−2,4−O−ベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−ベンジリデン−2,4−O−(p−エチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3−O−(p−エチルベンジリデン)−2,4−O−ベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−ベンジリデン−2,4−O−(p−クロロベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3−O−(p−クロロベンジリデン)−2,4−O−ベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−ベンジリデン−2,4−O−(2’,4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3−O−(2’,4’−ジメチルベンジリデン)−2,4−O−ベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−ベンジリデン−2,4−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−2,4−O−ベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−(p−メチルベンジリデン)−2,4−O−(p−エチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3−O−(p−エチルベンジリデン)−2,4−O−(p−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3−O−(p−メチルベンジリデン)−2,4−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−2,4−O−p−メチルベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−(p−エチルベンジリデン)−2,4−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−2,4−O−p−エチルベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−(p−メチルベンジリデン)−2,4−O−(p−クロロベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3−O−(p−クロロベンジリデン)−2,4−O−(p−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジクロロベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−ベンジリデン−1−メチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−n−プロピルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,3’−ジメチルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,4’−ジメチルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,5’−ジメチルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,6’−ジメチルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,5’−ジメチルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,3’−ジエチルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,4’−ジエチルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,5’−ジエチルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,6’−ジエチルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジエチルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,5’−ジエチルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’−メチル−4’−メトキシベンジリデン)−1−メチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジクロロベンジリデン)−1−メチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−メトキシカルボニルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’−メチル−4’−フルオロベンジリデン)−1−メチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’−ブロモ−4’−エチルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−ベンジリデン−1−エチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−n−プロピルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,3’−ジメチルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,4’−ジメチルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,5’−ジメチルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,6’−ジメチルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,5’−ジメチルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,3’−ジエチルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,4’−ジエチルベンジリデ
ン)−1−エチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,5’−ジエチルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,6’−ジエチルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジエチルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,5’−ジエチルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’−メチル−4’−メトキシベンジリデン)−1−エチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジクロロベンジリデン)−1−エチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−メトキシカルボニルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’−メチル−4’−フルオロベンジリデン)−1−エチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’−ブロモ−4’−エチルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−ベンジリデン−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−n−プロピルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,3’−ジメチルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,4’−ジメチルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,5’−ジメチルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,6’−ジメチルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,5’−ジメチルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,3’−ジエチルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,4’−ジエチルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,5’−ジエチルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,6’−ジエチルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジエチルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,5’−ジエチルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’−メチル−4’−メトキシベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジクロロベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−メトキシカルボニルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−エトキシカルボニルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−プロポキシカルボニルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3−O−(p−n−プロピルベンジリデン)−2,4−O−(p−プロポキシベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3−O−(p−プロポキシベンジリデン)−2,4−O−(p−n−プロピルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’−メチル−4’−フルオロベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’−ブロモ−4’−エチルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−n−プロピルベンジリデン)−1−プロペニルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−エトキシカルボニルベンジリデン)−1−プロペニルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−プロポキシカルボニルベンジリデン)−1−プロペニルソルビトール、1,3−O−(p−n−プロピルベンジリデン)−2,4−O−(p−プロポキシベンジリデン)−1−プロペニルソルビトール、1,3−O−(p−プロポキシベンジリデン)−2,4−O−(p−n−プロピルベンジリデン)−1−プロペニルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−ベンジリデン−1−アリルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−n−プロピルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,3’−ジメチルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,4’−ジメチルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,5’−ジメチルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,6’−ジメチルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,5’−ジメチルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,3’−ジエチルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,4’−ジエチルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,5’−ジエチルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,6’−ジエチルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジエチルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−エトキシカルボニルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−プロポキシカルボニルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3−O−(p−n−プロピルベンジリデン)−2,4−O−(p−プロポキシベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3−O−(p−プロポキシベンジリデン)−2,4−O−(p−n−プロピルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,5’−ジエチルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’−メチル−4’−メトキシベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジクロロベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−メトキシカルボニルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’−メチル−4’−フルオロベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’−ブロモ−4’−エチルベンジリデン)−1−アリルソルビトール等が例示される。
【0078】
特に、好ましい態様としては、1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−n−プロピルベンジリデン)−1−プロピルソルビトールが挙げられる。
【0079】
また、上記具体的な態様のジアセタール化合物は、単独で用いてもよいが、他の性能、例えば低温加工性等の観点から、2種以上のジアセタール化合物を併用、または予め混合した態様で用いてもよい。
【0080】
上記併用または混合系で用いる場合、例えば、1,3:2,4−ジ−O−ベンジリデン−D−ソルビトールと1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデン)−D−ソルビトールの組合せや1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルベンジリデン)−D−ソルビトールと1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトールの組合せ、1,3:2,4−ジベンジリデン−D−ソルビトールと1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトールの組合せ、1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデン)−D−ソルビトールと1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−クロロベンジリデン)−D−ソルビトールと1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジクロロベンジリデン)−D−ソルビトールと1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、の組合せなどが例示され、どちらか一方のみを微粉砕して用いても構わない。
【0081】
上記ジアセタール化合物は、例えば、日本国特公昭48−43748号公報、特開昭53−5165号公報、特開昭57−185287号公報、特開平2−231488号公報等に記載されている製造方法などを用いて容易に製造することができる。また、現在ポリオレフィン用結晶核剤として市販されているもの、例えば、新日本理化(株)のゲルオールD、ゲルオールMD、ゲルオールDXR、ミリケン社(米国)のミラッド3988、ミラッドNX8000などをそのまま使用してもよい。
【0082】
また、上記ジアセタール化合物以外の結晶核剤としては、例えば、安息香酸ナトリウム塩、p−t−ブチル安息香酸アルミニウム塩、下記一般式(2)で示されるシクロヘキサンジカルボン酸金属塩、下記一般式(3)で表されるノルボルナンジカルボン酸金属塩などのカルボン酸塩系化合物、下記一般式(4)で示されるリン酸エステル塩系化合物、下記一般式(5)で示されるアミド系化合物、下記一般式(6)で示されるロジン酸又はその金属塩化合物(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウムなどのアルカリ金属塩)等のロジン系化合物などが例示される。
【化4】
[式中、M
1及びM
2は、いずれもリチウムイオンであるか、または共同してカルシウム、ストロンチウム、亜鉛、マグネシウムおよび一塩基性アルミニウムからなる群から互いに独立して選択される単一の金属カチオンであり、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11、R
12、R
13、R
14、R
15およびR
16は、同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜9のアルキル基(ここで、いずれか2つのビシナル(隣接炭素に結合)またはジェミナル(同一炭素に結合)アルキル基は、一緒になって6個までの炭素原子を有する炭化水素環を形成してもよい)、ヒドロキシ基、炭素数1〜9のアルコキシ基、炭素数1〜9のアルキレンオキシ基、アミノ基および炭素数1〜9のアルキルアミノ基、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素および沃素)ならびにフェニル基からなる群からそれぞれ選択される。]
【化5】
[式中、M
3及びM
4は、同一又は異なって、金属カチオンまたは有機カチオンから成る群から独立して選択されるか、または該2つの金属イオンは単一の金属イオンにまとめられ(二価、例えばカルシウム等)、R
17、R
18、R
19、R
20、R
21、R
22、R
23、R
24、R
25、及びR
26は水素原子、炭素数1〜9のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜9のアルコキシ基、炭素数1〜9のアルキレンオキシ基、アミノ基、及び炭素数1〜9のアルキルアミノ基、ハロゲン原子、フェニル基、アルキルフェニル基、及び最大9個の炭素原子を有するジェミナルまたはビシナルの炭素環から成る群から個々に選択され、好ましくは、金属カチオンはカルシウム、ストロンチウム、バリウム、マグネシウム、アルミニウム、銀、ナトリウム、リチウム、ルビジウム、カリウム等から成る群から選択される。]
【化6】
[式中、R
27〜R
30は、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜9のアルキル基を表し、R
31は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、dは1又は2の整数であり、dが1のとき、M
5はアルカリ金属を表し、dが2のとき、M
5はアルカリ土類金属、亜鉛又はヒドロキシアルミニウムを表す。]
【化7】
[式中、fは、2〜6の整数を表す。R
32は、炭素数2〜18の飽和若しくは不飽和の脂肪族ポリカルボン酸残基、炭素数3〜18の脂環族ポリカルボン酸残基又は炭素数6〜18の芳香族ポリカルボン酸残基を表す。2〜6個のR
33は、同一又は異なって、それぞれ、炭素数5〜30の飽和若しくは不飽和の脂肪族アミン残基、炭素数5〜30の脂環族アミン残基又は炭素数6〜30の芳香族アミン残基を表す。]
【化8】
[式中、R
34 、R
35 およびR
36 は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基を示し、各同一であっても異なっていてもよい。]
【0083】
バインダー効果を有する化合物
本発明におけるバインダー効果を有する化合物とは、ポリオレフィン系樹脂用結晶核剤同士の圧着を促進する効果のある化合物を意味し、具体的には、結晶核剤の表面を濡らしたり、結晶核剤を膨潤させたり、一部溶解させたりする効果を有する化合物であることが推奨される。
【0084】
バインダー効果を有する化合物としては、本発明の効果を奏するものであれば、どの様な構造の化合物でも使用することができるが、本発明の目的を満たすためには造粒後に容易に除去可能な化合物である必要がある。
【0085】
具体的には、除去方法が乾燥等により留去する方法(乾燥法)の場合には、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール等の低級アルコールやヘキサン、シクロヘキサン等の低沸点炭化水素化合物、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン化合物、ジオキサン等のエーテル化合物、及び、水などが挙げられ、単独でまたは組み合わせて用いても良い。
【0086】
中でも、炭素数1〜4のアルコール、水、又は該アルコールと水との混合物が推奨され、特に炭メタノール、又はメタノールと水との混合物が最も推奨される。また、メタノールと水との混合物である場合、混合物中に占めるメタノールの割合が、好ましくは5重量%以上、より好ましくは10重量%以上 更に好ましくは30重量%以上、特に好ましくは50重量%以上であることが好ましい。
【0087】
また、除去方法が抽出法等の上記以外の方法の場合には、グリセリン、流動パラフィン、パラフィンワックス、脂肪酸、高級アルコールなども用いることができる。
【0088】
ポリオレフィン系樹脂用結晶核剤に対するバインダー効果を有する化合物の混合量は、本発明の効果を奏する限り、特に制限はなく、更にそれぞれの化合物の種類によっても異なり、また、造粒条件によっても異なるため、一概に決められないが、好ましくはポリオレフィン系樹脂用結晶核剤との混合物中に占める割合が、20〜60重量%であることが、より好ましくは30〜50重量%であることが、特に好ましくは40〜50重量%であることが推奨される。
【0089】
バインダー効果を有する化合物の混合量が、20重量部未満では造粒が難しくなる傾向があり、無理に造粒すると樹脂中での分散性や溶解性が低下する懸念があり、60重量部を超えても混合量に見合った改善効果は得られ難く、更に粉化率の上昇する懸念があり、いずれも好ましくない。
【0090】
粒状のポリオレフィン系樹脂用結晶核剤の製造
本発明の粒状のポリオレフィン系樹脂用結晶核剤の製造方法に関して、以下に更に具体的な例を示して、詳しく説明する。但し、本発明は、目的の性能が得られる限り、必ずしも以下の方法に限定されるものではない。
【0091】
例えば、工程(i)〜(iii)を具備する製造方法が典型的な具体例として挙げられる。
工程(i):ポリオレフィン系樹脂用結晶核剤とバインダー効果を有する化合物を混合して、混合物を得る。
工程(ii):工程(i)で得られた混合物を、粒状化し、造粒物を得る。
工程(iii):工程(ii)で得られた造粒物より工程(i)で混合したバインダー効果を有する化合物を除去し、本発明の粒状のポリオレフィン系樹脂用結晶核剤を得る。
【0092】
工程(i)の混合方法は、ポリオレフィン系樹脂用結晶核剤とバインダー効果を有す化合物が均一に混合できる方法であれば、どの様な方法を用いても良いが、例えば、攪拌混合機やスクリュー混合機などを用いて、室温または100℃以下に加温しながら数分から数十分間混合する方法などが挙げられる。
【0093】
工程(ii)の造粒方法は、上記混合物を粒状化できる方法であれば、どの様な方法を用いても良いが、好ましくは、押出造粒法が推奨される。押出造粒法とは、原料、本発明では工程(i)で得られた混合物を、スクリュー、プランジャー、ローラーなどを用いて圧力をかけて、一定のサイズの多数の孔の空いたスクリーンダイから横向きや下向きに円柱状に押し出して造粒する方法であり、円柱状に押し出された後、カッター等で適当な長さに切断して粒状物を得ることができる。得られた粒状物は、更に整形機等を用いて形状を整えることもできる。
【0094】
上記押出方法は、本発明の効果を有する粒状化物が得られる方法であれば、特に制限はないが、生産性等を考慮した場合、ローラーを用いて下向きに押し出す方法が最も効率的である。
【0095】
上記押出造粒は、通常室温下で行われることが多いが、100℃以下の低温に加温して行っても良い。
【0096】
上記スクリーンダイの孔径は、本発明の効果を有する粒状化物が得られる範囲であれば、特に制約はないが、流動性と樹脂中での分散性や溶解性のバランスを考慮した場合、好ましくは直径0.5〜5mm程度の孔径のスクリーンダイを用いることが推奨され、好ましくは直径0.5〜2.5mm程度の孔径のスクリーンダイ、より好ましくは直径0.5〜1.5mm程度の孔径のスクリーンダイを用いることにより、本発明の効果を最も発揮することが可能である。
【0097】
また、押し出す際の圧力に関しては、上記スクリーンダイの孔径にも依存するものであり、一概に限定することは難しいが、圧力が低すぎると生産性が落ちる傾向にあり、圧力を上げすぎると得られた粒状物が硬くなりすぎて、ポリオレフィン系樹脂中での分散性や溶解性に影響が生じる懸念がある。
【0098】
押し出された造粒物が連続した状態の場合は、スクリーンダイの直後にカッター等を設置し、適当な長さに調整して、次の工程に供給することもできる。
【0099】
工程(iii)の除去方法は、工程(i)で混合されたバインダー効果を有する化合物が除去できる方法であれば、どの様な方法を用いても良い。具体的には、バインダー効果を有する化合物の種類により異なり、その種類に適した方法が選択されるが、例えば、沸点の比較的低い低級アルコール等を用いた場合には、加熱及び/又は減圧下で留去する、所謂乾燥法が一般的である。また、沸点が高く、留去困難な化合物の場合には、バインダー効果を有する化合物のみを溶解する溶媒等を用いて除去する、所謂抽出法を用いることもできる。
【0100】
乾燥法の場合、着色等が生じない様に条件を設定することが重要であり、好ましくは、150℃以下、より好ましくは120℃以下に設定することが推奨される。また、留去が難しい場合には、減圧にする方法なども有効である。
【0101】
また、工程(iii)の後に、必要に応じて、整粒工程や分級工程を加えることも有効である。例えば、汎用のふるい式や気流式の分級機などを用いて粒子形状を整えることにより、より本発明の効果を発揮しやすくなる。
【0102】
<ポリオレフィン系樹脂組成物>
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、本発明に係る上記粒状のポリオレフィン系樹脂用結晶核剤とポリオレフィン系樹脂とを、必要に応じてその他のポリオレフィン系樹脂用添加剤を加えて、室温にてドライブレンド後、所定の条件にて溶融混合することにより、容易に得ることができる。
【0103】
ポリオレフィン系樹脂中の本発明に係る粒状のポリオレフィン系樹脂用結晶核剤の含有量は、結晶核剤としての効果を奏する限り、特に制約はないが、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、好ましくは0.001〜10重量部、より好ましくは0.01〜5重量部であることが好ましい。
【0104】
[ポリオレフィン系樹脂]
上記ポリオレフィン系樹脂としては、本発明の効果を奏する限り特に限定されることなく、従来公知のポリオレフィン系樹脂が使用可能であり、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリメチルペンテン系樹脂、ポリブタジエン系樹脂などが例示される。より具体的には、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、直鎖状ポリエチレン、エチレン含量50重量%以上、好ましくは70重量%以上のエチレンコポリマー、プロピレンホモポリマー、プロピレン50重量%以上、好ましくは70重量%以上のプロピレンコポリマー、ブテンホモポリマー、ブテン含量50重量%以上、好ましくは70重量%以上のブテンコポリマー、メチルペンテンホモポリマー、メチルペンテン含量50重量%以上、好ましくは70重量%以上のメチルペンテンコポリマー、ポリブタジエン等が例示される。また、上記コポリマーはランダムコポリマーであってもよく、ブロックコポリマーであってもよい。更に、これらの樹脂の立体規則性がある場合は、アイソタクチックでもシンジオタクチックでもよい。上記コポリマーを構成し得るコモノマーとして、具体的にはエチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデセン等の炭素数2〜12のα−オレフィン、1,4−エンドメチレンシクロヘキセン等のビシクロ型モノマー、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル等の(メタ)アクリル酸エステル、酢酸ビニル等が例示される。
【0105】
かかる重合体を製造するために適用される触媒としては、一般に使用されているチーグラー・ナッタ型触媒はもちろん、遷移金属化合物(例えば、三塩化チタン、四塩化チタン等のチタンのハロゲン化物)を塩化マグネシウム等のハロゲン化マグネシウムを主成分とする担体に担持してなる触媒と、アルキルアルミニウム化合物(トリエチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリド等)とを組み合わせてなる触媒系、メタロセン触媒等も使用できる。
【0106】
本発明に係るポリオレフィン系樹脂のメルトフローレート(以下「MFR」と略記する。JIS K 7210−1999)は、その適用する成形方法により適宜選択されるが、通常0.01〜200g/10分程度、好ましくは0.05〜100g/10分程度が推奨される。
【0107】
[その他の添加剤]
また、上述の通り、本発明のポリオレフィン系樹脂組成物には、その使用目的やその用途に応じて、本発明の効果を損なわない範囲でその他のポリオレフィン系樹脂用添加剤が含まれていてもよい。
【0108】
上記ポリオレフィン系樹脂用添加剤としては、例えば、ポリオレフィン等衛生協議会編「ポジティブリストの添加剤要覧」(2002年1月)に記載されている各種添加剤が挙げられる。具体的には、蛍光増白剤(2,5−チオフェンジイル(5−t−ブチル−1,3−ベンゾキサゾール)、4,4’−ビス(ベンゾオキサゾール−2−イル)スチルベン等)、酸化防止剤、安定剤(金属化合物、エポキシ化合物、窒素化合物、燐化合物、硫黄化合物等)、紫外線吸収剤(ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物等)、界面活性剤、滑剤(パラフィン、ワックス等の脂肪族炭化水素、炭素数8〜22の高級脂肪酸、炭素数8〜22の高級脂肪酸金属(Al、Ca)塩、炭素数8〜22の高級脂肪族アルコール、ポリグリコール、炭素数4〜22の高級脂肪酸と炭素数4〜18の脂肪族1価アルコールとのエステル、炭素数8〜22の高級脂肪酸アマイド、シリコーン油、ロジン誘導体等)、充填剤(タルク、ハイドロタルサイト、マイカ、ゼオライト、パーライト、珪藻土、炭酸カルシウム、ガラス繊維等)、発泡剤、発泡助剤、ポリマー添加剤、可塑剤(ジアルキルフタレート、ジアルキルヘキサヒドロフタレート等)、架橋剤、架橋促進剤、帯電防止剤、難燃剤、分散剤、有機無機の顔料(インディゴ化合物、フタロシアニン系化合物、アントラキノン系化合物、ウルトラマリン化合物、アルミン酸コバルト化合物等)、加工助剤、他の核剤等の各種添加剤が例示される。
【0109】
これらの添加剤を使用する場合、その使用量は、本発明の効果を阻害しない限り、通常使用されている範囲で使用すればよいが、例えば、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、好ましくは0.0001〜100重量部程度、より好ましくは0.001〜50重量部程度で使用されるのが一般的である。
【0110】
上記酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、亜リン酸エステル系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等が例示され、具体的な酸化防止剤としては、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、テトラキス[メチレン−3−(3,5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオネート]メタン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどのフェノール系酸化防止剤、アルキルジスルフィド、チオジプロピオン酸エステル、ベンゾチアゾールなどの硫黄系酸化防止剤、トリスノニルフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、3,9−ビス(2,6−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5,5]ウンデカンなどの亜リン酸エステル系酸化防止剤等が例示される。中でも、フェノール系酸化防止剤であるテトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、亜リン酸エステル系の酸化防止剤であるトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、3,9−ビス(2,6−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5,5]ウンデカンなどが特に推奨される。
【0111】
<ポリオレフィン系樹脂成形体>
本発明のポリオレフィン系樹脂成形体は、上記本発明のポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、慣用されている成形方法に従って成形することにより得られる。前記成形方法としては、本発明の効果を奏する限り、特に制約はなく、射出成形、押出成形、ブロー成形、圧空成形、回転成形、フィルム成形等の従来公知の成形方法のいずれも採用できる。
【0112】
かくして得られたポリオレフィン系樹脂成形体は、透明性等の光学的特性や耐衝撃性等の機械的特性に優れており、成形品やシート、フィルムとして、自動車部材、電気部材、機械部品、日常雑貨など様々な用途で、非常に有用である。
【実施例】
【0113】
以下に実施例を示し、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。尚、実施例中の化合物の略号、及び各特性の測定は以下の通りである。
【0114】
[粒状のポリオレフィン系樹脂用結晶核剤の性状]
(1)嵩密度の測定
漏斗をメスシリンダーの開口部上2cmとなるように、かつそれと軸が一致するように垂直に保持し、漏斗を通して100cm
3のメスシリンダーに結晶核剤を100cm
3圧力を加えずに入れた。秤を用いてメスシリンダー内の結晶核剤の重量を0.1gの桁まで測定した。得られた重量より下記式(1)を用いてゆるみかさ密度を求めた。続いて、メスシリンダーをゴムシートの上5cmの高さから垂直に落下させる操作(タッピング)を50回繰り返した。メスシリンダー内の結晶核剤の容量を0.1cm
3の桁まで読み取り、下記式(2)を用いてかため嵩密度を求めた。
式(1);
ゆるみ嵩密度(g/cm
3)=メスシリンダー内の結晶核剤の重量(g)/100cm
3
式(2)
かため嵩密度(g/cm
3)=メスシリンダー内の結晶核剤の重量(g)/タッピング後の結晶核剤の容量(cm
3)
【0115】
(2)粉化率
600μmのふるい上に試料10gをゆっくりと投入した後、30分間振動を与えた、振動停止後、600μmのふるいを通過した重量を測定し、下式より粉化率(%)を求めた。
粉化率(%)=ふるいを通過した重量(g)/ふるい上に投入した重量(g)×100
粉化率測定に供した試料は、全て測定前に試験で用いたふるいと同じ目開きのふるいでふるい分けして、ふるい上に残ったもののみを使用しており、上記試験でふるいを通過した微粉末は全て試験中に微粉末化した粉末である。
【0116】
[流動性の評価]
(3)安息角の測定
25℃、湿度60%の条件下で、結晶核剤30gを、漏斗上縁までの距離が1cmの高さから、開口部の直径9cm、穴の直径1cmの漏斗上へ注ぎ込み、振動させずに漏斗下口から10cmの位置にある直径9cmの円形台上に落下させる。落下した円錐状の堆積物の高さを測定し、水平面と母線のなす角を計算から求め、安息角(単位:度)とした。この安息角が小さいほど粉末流動性が良いことを示す。
【0117】
(4)粉体流動性試験(漏斗試験)
結晶核剤を、漏斗の上縁までの距離が5cmの高さから、開口部の直径15cm、穴の直径1.5cmの漏斗上へ注ぎ込み、振動させずに漏斗下口より落下させる。結晶核剤の漏斗から排出状態より、以下の基準に従って、結晶核剤の流動性を4段階評価にて判定した。
(評価基準)
◎:結晶核剤が全て速やかに漏斗から排出され、漏斗内壁の付着物もほとんど確認されない。
○:結晶核剤がわずかに漏斗から排出されずに残るが、わずかな衝撃により残った結晶核剤も全て排出される。
△:結晶核剤が漏斗から排出されずに残り、わずかな衝撃だけでは漏斗上に残った結晶核剤を完全に排出することは困難である。
×:結晶核剤が漏斗から排出されずに多量に残り、衝撃を与えても漏斗上に残った結晶核剤を排出することは困難である。
【0118】
[成形体の性状]
(5)ヘイズ値の測定
東洋精機製作所製のヘイズメータを用いて、JIS K7136(2000)に準じた方法でヘイズ値を測定した。評価試料には、1mm厚み射出成形品のポリプロピレン系樹脂成形体を使用した。得られたヘイズ値の数値が小さい程、透明性に優れていることを示す。
【0119】
(6)白点評価
射出成形した50mm×50mm×1mm形状のポリオレフィン系樹脂成形体を評価試料として使用し、目視観察で成形体中の白点の数をカウントした。得られた結果は、試料5枚の平均値をとり、その試料の白点数とし、得られた評価結果より、以下の3段階で分類評価した。
◎:白点数が3個未満である。成形体の性能上、全く問題のないレベルである。
○:白点数が3〜15個の範囲である。核剤としての性能上、問題はないが、他の物性面で未分散物の影響が出る可能性がある。
×:白点数が15個を超えて存在が確認される。明らかに、核剤の性能面でも十分に効果が発現されておらず、更に未分散物が様々な物性面で問題を生ずる可能性が高い。
【0120】
実施例中の化合物の略号
DMDBS:1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール
EDBS:1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルベンジリデン)−D−ソルビトール
CDBS:1,3:2,4−ビス−O−(p−クロロベンジリデン)−D−ソルビトール
PDBN:1,3:2,4−ビス−O−(p−n−プロピルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール
【0121】
[実施例1〜12]
工程(i):温度計、冷却装置を設置した(株)ダルトン製の全量4.7Lの万能混合撹拌機(5dmv−01−rr型)に、粉末状のポリオレフィン系樹脂用結晶核剤であるDMDBSとバインダー効果を有する化合物であるメタノールまたはメタノールと水の混合溶液を表1に記載の所定量を仕込み、室温で10分間攪拌し、ポリオレフィン系樹脂用結晶核剤とバインダー効果を有する化合物の混合物を得た。
工程(ii):次に、孔径1.0mmのスクリーンダイを設置した(株)ダルトン製のファインディスクペレッターPV−5型に得られた混合物を、室温下で負荷が一定になる様に徐々に投入し、押出造粒を行い、造粒物を得た。
工程(iii):続いて、得られた造粒物から、真空下120℃で1時間乾燥してメタノールまたはメタノールと水の混合物を除去した。
分級工程:バインダー効果を有する化合物を除去した後に、目開き600μmのふるいで分級し、小さい造粒物及び未造粒の粉末を除去し、本発明の粒状のポリオレフィン系樹脂用結晶核剤を得た。造粒物の直径はノギスで測定したところ、0.8〜1.2mmの範囲であった。
【0122】
得られた粒状のポリオレフィン系樹脂用結晶核剤を用いて、ゆるみ嵩密度、かため嵩密度、粉化率を測定し、結果を表1に示した。続いて、得られた粒状のポリオレフィン系樹脂用結晶核剤を用いて、粉体流動性試験(漏斗試験)による粉体流動性の評価を行い、結果を合わせて表1に示した。
【0123】
次に、ポリオレフィン系樹脂としてポリプロピレンランダムコポリマー(MFR=7g/10分(荷重2160g、温度230℃)、(株)プライムポリマー社製、R−720)100重量部、結晶核剤として上記で得られた粒状のポリオレフィン系樹脂用結晶核剤0.2重量部、及びその他添加剤としてステアリン酸カルシウム(CaSt)0.05重量部、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(Irg1010)0.01重量部、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト(BASFジャパン(株)製、商品名「IRGAFOS168」)0.05重量部をドライブレンドした。そのドライブレンド物を一軸押出機(田辺プラスチックス機械株式会社製VS―20)を用いてバレル温度250℃にて溶融混合後、押し出されたストランドを冷却し、ペレタイザーでカッティングして、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。
【0124】
続いて、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、射出成形機(日精樹脂工業株式会社製NS40−5A)にて射出成形温度(加熱温度)240℃、金型温度(冷却温度)40℃の条件下で成形して、厚みが1mmのポリオレフィン系樹脂成形体を得た。
【0125】
上記で得られた成形体を評価試料として用いて、ヘイズ値を測定し、得られた結果を表1に示した。また、上記方法にて目視により成形体中の白点評価を行い、その結果も合わせて表1に示した。
【0126】
[比較例1]
バインダー効果を有する化合物を混合せずに、DMDBSのみを用いて、実施例1と同様に押出造粒を実施して、粒状のポリオレフィン系樹脂用結晶核剤の製造を試みたが、僅かに粒状化されたが、ほとんどが粉末状態のままであり、粒状化された部分も非常に脆く、実質的に粒状とは言えない状態であった。従って、分級等の操作は行わず、そのままの状態で、本発明外のポリオレフィン系樹脂用結晶核剤とした。
得られたポリオレフィン系樹脂用結晶核剤を用いて、ゆるみ嵩密度、かため嵩密度を測定し、結果を表1に示した。続いて、得られたポリオレフィン系樹脂用結晶核剤を用いて、粉体流動性試験(漏斗試験)による粉体流動性の評価を行い、結果を合わせて表1に示した。
【0127】
続いて、実施例1と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂組成物及びポリオレフィン系樹脂成形体を得た。得られた成形体を用いて、ヘイズ値を測定し、得られた結果を表1に示した。また、上記方法にて目視により成形体中の白点評価を行い、その結果も合わせて表1に示した。
【0128】
[比較例2]
造粒前の粉末状のDMDBSのゆるみ嵩密度、かため嵩密度を測定し、結果を表1に示した。続いて、実施例と同様に粉体流動性試験(漏斗試験)による粉体流動性の評価を行い、結果を表1に示した。
【0129】
続いて、実施例1と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂組成物及びポリオレフィン系樹脂成形体を得た。得られた成形体を用いて、ヘイズ値を測定し、得られた結果を表1に示した。また、上記方法にて目視により成形体中の白点評価を行い、その結果も合わせて表1に示した。
【0130】
【表1】
[実施例13〜24]
ポリオレフィン系樹脂用結晶核剤として、DMDBSの代わりにEDBSとDMDBSのEDBS/DMDBS=7/3の混合物を用いた以外は、実施例1と同様に実施して、本発明の粒状のポリオレフィン系樹脂用結晶核剤を得た。造粒物の直径はノギスで測定したところ、0.8〜1.1mmの範囲であった。
得られた粒状のポリオレフィン系樹脂用結晶核剤を用いて、ゆるみ嵩密度、かため嵩密度、粉化率を測定し、結果を表1に示した。続いて、得られた粒状のポリオレフィン系樹脂用結晶核剤を用いて、粉体流動性試験(漏斗試験)による粉体流動性の評価を行い、結果を合わせて表2に示した。
【0131】
[比較例3]
バインダー効果を有する化合物を混合せずに、EDBSとDMDBSのEDBS/DMDBS=7/3の混合物のみを用いて、実施例1と同様に押出造粒を実施して、粒状のポリオレフィン系樹脂用結晶核剤の製造を試みたが、僅かに粒状化されたが、ほとんどが粉末状態のままであり、粒状化された部分も非常に脆く、実質的に粒状とは言えない状態であった。従って、分級等の操作は行わず、そのままの状態で、本発明外のポリオレフィン系樹脂用結晶核剤とした。
得られたポリオレフィン系樹脂用結晶核剤を用いて、ゆるみ嵩密度、かため嵩密度を測定し、結果を表2に示した。続いて、得られたポリオレフィン系樹脂用結晶核剤を用いて、粉体流動性試験(漏斗試験)による粉体流動性の評価を行い、結果を合わせて表2に示した。
【0132】
続いて、実施例1と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂組成物及びポリオレフィン系樹脂成形体を得た。得られた成形体を用いて、ヘイズ値を測定し、得られた結果を表2に示した。また、上記方法にて目視により成形体中の白点評価を行い、その結果も合わせて表2に示した。
【0133】
[比較例4]
造粒前の粉末状のEDBSとDMDBSのEDBS/DMDBS=7/3の混合物のゆるみ嵩密度、かため嵩密度を測定し、結果を表2に示した。続いて、実施例と同様に粉体流動性試験(漏斗試験)による粉体流動性の評価を行い、結果を表2に示した。
【0134】
続いて、実施例13と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂組成物及びポリオレフィン系樹脂成形体を得た。得られた成形体を用いて、ヘイズ値を測定し、得られた結果を表2に示した。また、上記方法にて目視により成形体中の白点評価を行い、その結果も合わせて表2に示した。
【0135】
【表2】
【0136】
[実施例25〜32]
ポリオレフィン系樹脂用結晶核剤として、DMDBSの代わりにPDBNを用いた以外は、実施例1と同様に実施して、本発明の粒状のポリオレフィン系樹脂用結晶核剤を得た。造粒物の直径はノギスで測定したところ、0.9〜1.3mmの範囲であった。
得られた粒状のポリオレフィン系樹脂用結晶核剤を用いて、ゆるみ嵩密度、かため嵩密度、粉化率を測定し、結果を表1に示した。続いて、得られた粒状のポリオレフィン系樹脂用結晶核剤を用いて、粉体流動性試験(漏斗試験)による粉体流動性の評価を行い、結果を合わせて表3に示した。
【0137】
[比較例5]
バインダー効果を有する化合物を混合せずに、PDBNのみを用いて、実施例1と同様に押出造粒を実施して、粒状のポリオレフィン系樹脂用結晶核剤の製造を試みたが、僅かに粒状化されたが、ほとんどが粉末状態のままであり、粒状化された部分も非常に脆く、実質的に粒状とは言えない状態であった。従って、分級等の操作は行わず、そのままの状態で、本発明外のポリオレフィン系樹脂用結晶核剤とした。
得られたポリオレフィン系樹脂用結晶核剤を用いて、ゆるみ嵩密度、かため嵩密度を測定し、結果を表3に示した。続いて、得られたポリオレフィン系樹脂用結晶核剤を用いて、粉体流動性試験(漏斗試験)による粉体流動性の評価を行い、結果を合わせて表3に示した。
【0138】
[比較例6]
造粒前の粉末状のPDBNのかさ密度を測定し、結果を表3に示した。続いて、実施例と同様に粉体流動性試験(漏斗試験)による粉体流動性の評価を行い、結果を表3に示した。
【0139】
【表3】
【0140】
[実施例33〜38]
ポリオレフィン系樹脂用結晶核剤として、DMDBSの代わりにCDBSのみを用いた以外は、実施例1と同様に実施して、本発明の粒状のポリオレフィン系樹脂用結晶核剤を得た。造粒物の直径はノギスで測定したところ、0.7〜1.2mmの範囲であった。
得られた粒状のポリオレフィン系樹脂用結晶核剤を用いて、ゆるみ嵩密度、かため嵩密度、粉化率を測定し、結果を表1に示した。続いて、得られた粒状のポリオレフィン系樹脂用結晶核剤を用いて、粉体流動性試験(漏斗試験)による粉体流動性の評価を行い、結果を合わせて表3に示した。
【0141】
[比較例7]
バインダー効果を有する化合物を混合せずに、CDBSのみを用いて、実施例1と同様に押出造粒を実施して、粒状のポリオレフィン系樹脂用結晶核剤の製造を試みたが、僅かに粒状化されたが、ほとんどが粉末状態のままであり、粒状化された部分も非常に脆く、実質的に粒状とは言えない状態であった。従って、分級等の操作は行わず、そのままの状態で、本発明外のポリオレフィン系樹脂用結晶核剤とした。
得られたポリオレフィン系樹脂用結晶核剤を用いて、ゆるみ嵩密度、かため嵩密度、粉化率を測定し、結果を表4に示した。続いて、得られたポリオレフィン系樹脂用結晶核剤を用いて、粉体流動性試験(漏斗試験)による粉体流動性の評価を行い、結果を合わせて表4に示した。
【0142】
[比較例8]
造粒前の粉末状のCDBSのかさ密度を測定し、結果を表4に示した。続いて、実施例と同様に粉体流動性試験(漏斗試験)による粉体流動性の評価を行い、結果を表4に示した。
【0143】
【表4】
【0144】
上記表1〜4における実施例と比較例の結果を比較すれば明らかな様に、本発明の粒状のポリオレフィン系樹脂用結晶核剤は、これまで課題であった流動性が著しく改善されており、生産性向上に大きく寄与するものであることがわかる。また、表1〜4における実施例と比較例の結果より、本発明の粒状のポリオレフィン系樹脂用結晶核剤が、樹脂中での分散性や溶解性に非常に優れており、これまで粒状のポリオレフィン系樹脂用結晶核剤で課題であった樹脂中での分散性や溶解性の課題が解決され、その結果、得られたポリオレフィン系樹脂成形体が白点等の問題もなく、非常に優れた透明性を有するものであり、様々な用途で非常の有用であることがわかる。