(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
あらかじめ登録された会員毎に設けられる専用記憶手段と、インターネットに対するクローリングによって検索対象となる情報を収集する情報収集手段と、各会員に割り当てられた識別コードのうちの1つを送信してアクセスした情報端末装置から指定された検索条件に従って検索を実行する検索手段とを備える検索システムであって、
各会員の専用記憶手段には、情報発信のためのウェブサイトを使用する事業者の名称および連絡先ならびに当該ウェブサイトの代表URLを含む名簿データを登録するための検索対象記憶部と、この検索対象記憶部に代表URLが登録されたウェブサイトの情報を保存するためのサイト情報記憶部とが含まれており、
前記情報収集手段は、登録されている会員毎に、その会員の専用記憶手段の検索対象記憶部に登録されている代表URLのウェブページおよびこれに連なる所定数のウェブページを辿りながら、それらのウェブページ毎に当該ページに含まれるテキストデータと当該ページのURLとを含むサイト情報を作成し、作成したサイト情報を当該会員の専用記憶手段の前記サイト情報記憶部に保存する処理を、処理対象の代表URLを変更しながら繰り返し実行し、
前記検索手段は、アクセスを受け付けた情報端末装置からキーワードとなるテキストデータの送信を受けたことに応じて、この情報端末装置がアクセスのときに送信した識別コードにより特定される専用記憶手段のサイト情報記憶部から前記キーワードに適合するテキストデータを含むサイト情報を抽出し、抽出されたサイト情報の前記キーワードに適合する部分のテキストデータおよびURLを含む検索結果データを前記情報端末装置に送信し、
前記検索手段により抽出されたサイト情報の各々について、当該検索の対象とされた専用記憶手段の検索対象記憶部の中から当該サイト情報のURLに共通するドメイン名を有する代表URLが入った名簿データを特定し、その名簿データを当該サイト情報に組み合わせることによって検索結果と名簿データとが統合されたリストを作成する統合リスト作成手段が、さらに含まれる、検索システム。
前記統合リスト作成手段は、複数のサイト情報に対して同一の名簿データが特定されたときは、それら複数のサイト情報を1つの情報に統合し、その統合後の情報を統合前のサイト情報に共通する名簿データに組み合わせる、請求項1または2に記載された検索システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ビジネスシーンにおいて顧客企業の近況や今後の事業計画などを把握したい場合には、一般に、顧客企業の名称や名刺等に記録されているURLをキーとして汎用の検索システムによる検索を行い、見つかったウェブサイトの情報を確認するという方法がとられる。しかし、この方法によって、多数の顧客の情報を確認することは困難であり、あえて実施する場合には多大な労力や時間がかかる。
【0007】
また、「展示会に出展する予定のある顧客企業」「人材採用の予定がある顧客企業」というように、具体的なターゲットを定めてターゲットとなる顧客企業を抽出することは、汎用の検索システムではおよそ不可能であり、特許文献1,2に記載されているような限定された範囲から収集されたウェブ情報が保存されたデータベースが必要になる。しかし、専用のデータベースやクローラーを含む検索システムを開発するには、その分野に関する高度な知識と多額の資金が必要であり、一般の事業者が自前で開発することは困難である。
【0008】
本発明は上記の問題点に着目してなされたもので、不特定数の会員の各々に、その会員が情報を取得する必要があると考える事業者の発信情報に対象を限定した検索を実施できる環境を提供
すると共に、その検索で抽出された情報を発信している事業者の名称や連絡先を容易に取得できるようにすることを、課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するものとして、本発明は、あらかじめ登録された会員毎に設けられる専用記憶手段と、インターネットに対するクローリングによって検索対象となる情報を収集する情報収集手段と、各会員に割り当てられた識別コードのうちの1つを送信してアクセスした情報端末装置から
指定された検索条件に従って検索を実行する検索手段とを備える検索システムを提供する。
【0010】
各会員の専用記憶手段には、情報発信のためのウェブサイトを使用する事業者の
名称および連絡先ならびに当該ウェブサイトの代表URLを
含む名簿データを登録するための検索対象記憶部と、この検索対象記憶部に
代表URLが登録されたウェブサイトの情報を保存するためのサイト情報記憶部とが含まれる。
【0011】
情報収集手段は、登録されている会員毎に、その会員の専用記憶手段の検索対象記憶部に登録されている代表URLのウェブページおよびこれに連なる所定数のウェブページを辿りながら、それらのウェブページ毎に当該ページに含まれるテキストデータと当該ページのURLとを含むサイト情報を作成し、作成したサイト情報を当該会員の専用記憶手段のサイト情報記憶部に保存する処理を、
処理対象の代表URLを変更しながら繰り返し実行する。
【0012】
検索手段は、アクセスを受け付けた情報端末装置からキーワードとなるテキストデータの送信を受けたことに応じて、この情報端末装置がアクセスのときに送信した識別コード
により特定される専用記憶手段のサイト情報記憶部からキーワードに適合するテキストデータを含むサイト情報を抽出する。さらに検索手段は、抽出されたサイト情報のキーワードに適合する部分のテキストデータおよびURLを含む検索結果データを、前記アクセスを受け付けた情報端末装置に送信する。
【0013】
上記の
構成によれば、会員がこれまでの活動で繋がりを持った事業者や今後繋がりを持ちたい事業者のウェブサイトの代表URLを
含む名簿データを検索対象記憶部に登録することによって、登録された代表URLのウェブページやこれに連なるウェブページのテキストデータが収集され、それらのテキストデータやURLを含むサイト情報が会員専用のサイト情報記憶部に保存される。会員は、自身に割り当てられた識別コードの送信により検索システムにアクセスすることによって、上記専用のサイト情報記憶部に保存されたサイト情報を対象にした検索を実施することができる。検索結果は、検索に使用されたキーワードに適合する部分のテキストデータを含む内容で提示されるので、会員はその検索結果から目的に適したサイト情報を容易に判別することができる。また、必要があれば、サイト情報中のURLに基づき実際のウェブページにアクセスして、当該ウェブページの全体の内容を確認することもできる。
【0014】
上記の検索システムには、さらに、検索手段により抽出されたサイト情報の各々について、当該検索の対象とされた専用記憶手段の検索対象記憶部の中から当該サイト情報のURLに共通するドメイン名を有する代表URLが入った名簿データを特定し、その名簿データを当該サイト情報に組み合わせることによって検索結果と名簿データとが統合されたリストを作成する統合リスト作成手段が設けられる。
【0015】
さらに上記の検索システムには、前記検索の対象とされた専用記憶手段に対応する識別コードによりアクセスした情報端末装置に統合リスト作成手段により作成されたリストを送信する
統合リスト送信手段を設けることができる。
【0016】
上記の構成によれば、会員は、検索に用いたキーワードに適合するサイト情報と共にそのサイト情報を発信している事業者の
名称や連絡先を取得することができる。したがって、検索対象記憶部に登録された事業者の中から検索条件に適合する事業者を抜き出してそれらの名称や連絡先を含むリストを簡単に取得することができ、これを活用して充実したマーケティング活動を行うことができる。
【0017】
上記の統合リスト作成手段には、複数のサイト情報に対して同一の名簿データが特定されたときにそれらのサイト情報を1つの情報に統合し、その統合後の情報を統合前のサイト情報に共通する名簿データに組み合わせる機能を付加することができる。この機能によれば、名簿データの重複がないリストを得ることができ、リストに基づきEメール等による連絡を行う場合の重複連絡を防ぐことができる。
【0018】
上記の検索システムにはさらに、アクセスを受け付けた情報端末装置から所定数の名簿データを含むデータファイルの送信を受け付け、これを当該情報端末装置から送信された識別コードにより特定される専用記憶手段の検索対象記憶部に保存するアップロード処理手段を設けることができる。このアップロード処理手段を含めることによって、会員自身が検索の対象となる事業者を自由に登録することが可能になり、利便性がより向上する。
【発明の効果】
【0019】
本発明の検索システムによれば、様々な事業分野に携わる企業や個人事業者を会員として、各々の会員に、その会員が情報収集の対象にしたいと考える事業者が発信する情報に対象を絞り込んだ検索を自由に行える環境を提供することができる。
さらに他の情報を参照しなくとも、検索で抽出されたサイト情報を発信している事業者の名称や連絡先を取得することができ、各会員のマーケティング活動に大いに貢献することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、本発明が適用された検索システムの構成例を示す機能ブロック図である。
この実施例の検索システムは、何らかの事業を実施している者(法人または個人事業主)を会員として登録し、それらの会員のみに利用を認める会員制のシステムとして、インターネット上のクラウドサーバに設定されたものである。以下、この検索システムに登録された会員またはその構成員で当該システムにログインする者を「ユーザ」と言い、ユーザが使用する情報端末装置(パーソナルコンピュータ,タブレット型端末装置など)を「ユーザ端末」と言う。
【0022】
この実施例の検索システムには、各会員の固有情報が登録される会員データベース4や、登録された会員毎の専用記憶部5(
図1では1つだけ示している。)が設けられる。会員データベース4に登録される固有情報には、ログイン時の認証に使用される識別コードやパスワードが含まれており、専用記憶部5は対応する会員の識別コードに紐付けられている。ただし、認証用の識別コードと専用記憶部5を管理するコードとは必ずしも同一である必要はなく、認証用の識別コードにより会員データベース4を参照して専用記憶部5を特定することができる仕組みになっていれば良い。また、認証用の識別コードとパスワードとの組み合わせによって専用記憶部5が特定されるようにしてもよい。
【0023】
専用記憶部5には、検索対象記憶部51,サイト情報記憶部52,検索結果記憶部53が含まれる。
検索対象記憶部51には、事業者を対象とした名簿データが多数保存される。具体的には、
図3に示すように、事業者毎に、名称,郵便番号,住所,電話番号,メールアドレス,担当者の部署・役職および名前,ならびに事業者が情報発信を行っているウェブサイトの代表URLの各情報が1つのレコードにまとめられ、検索対象記憶部51に保存される。なお、代表URLは、原則としてはウェブサイトのトップページのアドレスであるが、必ずしもそれに限定されるものではない。
【0024】
上記の検索対象記憶部51に登録される名簿データは、主として会員と何らかの関係がある事業者(顧客,取引先,社員が名刺交換をした事業者など)のデータであって、後記するように、会員がアップロードした名簿データファイルから登録される。ただし、アップロードに限らず、会員が検索システムの運営者に登録を委託することもできる。
【0025】
サイト情報記憶部52には、上記の検索対象記憶部51に登録された事業者のウェブサイトから収集された情報が保存される。検索結果記憶部53には、この記憶部53に対応する会員により実施された検索の結果が保存される。
【0026】
さらにこの実施例の検索システムには、情報処理機能として、リクエスト処理部1,サイト情報収集部2,認証処理部3が設けられる。認証処理部3およびリクエスト処理部1は、
図2に示す構成のウェブユーザインタフェースを介してユーザ端末と通信を行いながら、その通信の内容に応じた処理を進める。
【0027】
サイト情報収集部2は、各会員のサイト情報記憶部52に保存するための情報を収集するクローラーである。この実施例のサイト情報収集部2は各会員の専用記憶部5に順にアクセスし、アクセス中の専用記憶部5内の検索対象記憶部51に保存されている代表URLを順に読み出し、各代表URL毎にそのURLを起点にウェブページ間のリンクを辿りながらそれらのウェブページのテキストデータを取得する。取得したテキストデータは、プレーンテキストに整形されると共に、タイトル,更新日,本文テキストの各項目に分類されてアクセス中の専用記憶部5内のサイト情報記憶部52に保存される。また各ウェブページのURLもテキストデータとして上記の3項目に組み合わせられて保存される。以下、1つのウェブページから抽出された上記3項目のテキストデータに当該ウエブページのURLを組み合わせた情報を、「サイト情報」という。
【0028】
なお、この実施例のサイト情報収集部2によるクローリングでは、検索対象記憶部51に登録されている事業者からかけ離れた情報が収集されるのを防ぐために、代表URLからのリンクを辿る範囲をあらかじめ定めた階層までに留めると共に、代表URLにドメイン名が一致しないURLを収集対象から除外するようにしている。
【0029】
認証処理部3は、
図2に示したログインページを介して識別コードやパスワードの送信を受け付け、それらの送信情報により会員データベース4を照合する。この照合により、送信された情報が正当なユーザ端末であると判断すると、認証処理部3は、ユーザ端末の接続先をトップページに切り替えてリクエスト処理部1に処理を引き継ぐ。リクエスト処理部1は、上記のログイン時に受け付けた識別コードに対応する専用記憶部5にアクセス先を限定して処理を実行する。
【0030】
リクエスト処理部1には、メニュー管理部10,アップロード処理部11,検索処理部12,検索結果統合処理部13,ダウンロード処理部14が含まれる。メニュー管理部10は、トップページを介してユーザ端末からメニュー選択を受け付け、ユーザ端末の接続先を、選択されたメニューに対応するウェブユーザインタフェース(
図2に示す検索用ページ,アップロードページ,ダウンロードページのいずれか)に切り替える。
【0031】
アップロードページでは、アップロード処理部11が前出の検索対象記憶部51に保存されるデータの元となる名簿データのデータファイル(この実施例ではcsv形式のファイル)のアップロードを受け付ける。さらにアップロード処理部11は、受け付けたデータファイルを
図3に示したフォーマットに適合するように編集し、これをアクセス中の専用記憶部5の検索対象記憶部51に保存する。
【0032】
検索用ページでは、検索処理部12がユーザ端末から検索条件を受け付けて、アクセス中の専用記憶部5のサイト情報記憶部52に保存された情報に対する検索を実行する。
図4は、検索用ページの具体例を表したものである。
図4(A)は初期段階の検索用ページであって、必須の入力条件であるキーワードの入力欄60,複数のキーワードが入力された場合の演算条件(AND条件およびOR条件)の選択肢62,63,検索実行を指示するボタン61が設けられている。また、入力欄60の上方には、3種類の文字ボタン(「メニュー」「検索トップ」「ログアウト」)が設けられている。
【0033】
選択肢62,63の下にある展開マーク(図中の▼印)が操作されると、
図4(B)に示すように、絞り込み条件を設定するためのツールとして、ウェブページの更新日の期間を設定するための欄64,65と、テキストデータの検索対象範囲の設定欄66(コンボボックス)とが表示される。
【0034】
検索処理部12は、上記のユーザインタフェースを介してユーザ端末から指定された検索条件に従って検索を実行する。検索が終了すると、検索処理部12は、
図5に示すように、検索用ページに検索結果表示欄70を追加し、この欄内に検索により抽出されたサイト情報をリスト表示する。このリストは、ヒットしたサイト情報の内容(タイトル,URL,更新日,本文テキスト)を表すものであるが、本文テキストについては、キーワードを含む一定長さまでのデータが抜粋され、その中のキーワードにハイライト表示(
図5では矩形枠に置き換えて示す。)が施される。またURLの表記にはそのURLへのリンクが設定される。
【0035】
図5では、
図3中に星印を付けた名簿データに該当する事業者のサイト情報が検索結果に含まれるものとして、それらのサイト情報を表している。
図3で星印を付けた名簿データは3件であるが、そのうちの1つ(株式会社田中製作所のデータ)について、2件のサイト情報が抽出されている(
図5のリスト中の2番目および3番目。)。
【0036】
この実施例の検索結果の表示欄70には、表示されたリストをcsv形式のデータファイルに編集するためのボタン71が設けられる。このボタン71が操作されると、検索結果統合処理部13が起動し、検索で抽出された各サイト情報とそれらに対応する事業者の名簿データとの組み合わせによるリスト(以下「統合リスト」という。)が作成される。ここで作成された統合リストが検索結果記憶部53に保存される。
【0037】
上記の検索終了後にユーザ端末の接続先がトップページに戻され、検索結果のダウンロードのリクエストが行われると、ダウンロード処理部14が起動する。ダウンロード処理部14は、ユーザ端末の接続先をダウンロードページに切り替え、このダウンロードページに検索結果記憶部53に保存されているcsvファイルのリストを表示する。ここでユーザ端末から表示されたファイルのいずれかが指定されると、ダウンロード処理部14は選択されたファイルを検索結果記憶部53から読み出し、これをユーザ端末に送信する。
【0038】
図6は、
図5に示した検索結果から作成された統合リストの一部分を例示したものである。図中の「タイトル」「URL」「更新日」「本文テキスト」は、検索結果のリストに含められたサイト情報に由来し、それらの右手側にある「事業者名称」以下の項目は
図3に示した名簿データに由来する。なお、
図6の統合リストには名簿データ中の代表URL以外の全ての項目のデータが含まれる。また、
図5の検索結果で2件のサイト情報が抽出された田中製作所については、統合リストでは新しい方のサイト情報のみが採用されている。
【0039】
ここでユーザ端末に対する情報処理の根幹の機能となる検索処理部12および検索結果統合処理部13で実行される処理の具体的内容について、フローチャート(
図7,
図8)を参照して説明する。
【0040】
図7は検索処理部12により実行される処理の概略手順を示すものである。この処理はトップページのメニューで検索処理が選択されたことにより開始される。
検索処理部12は、まず、ログインのときに受け付けられた識別コードに対応する専用記憶部5をアクセス先に設定する(ステップS1)。そして、ユーザ端末を検索用ページに接続し(ステップS2)、ユーザが検索条件を確定して送信処理を実行するまで待機する。
【0041】
ユーザ端末から送信された検索条件を取得すると(ステップS3が「YES」)、検索処理部12は、アクセス中の専用記憶部5内のサイト情報記憶部52に保存されているサイト情報の各々に順に着目して、ループL1を実行する。
【0042】
ループL1では、まず着目中のサイト情報のテキストデータを検索条件のキーワードと照合する(ステップS4)。通常は、サイト情報に含まれるテキストデータ全体が照合の対象となるが、前出の設定欄66による絞り込みの設定に応じて、タイトル部分のみ、URLのみ、本文テキストのみのいずれかに、照合の範囲が絞られることもある(
図4(B)および
図5を参照。)。また設定欄64,65で更新日の範囲が絞り込まれている場合には、その絞り込みの範囲に更新日が含まれるサイト情報のみが照合の対象とされる。
【0043】
上記の照合でキーワードに適合する部分が見つからなかった場合(ステップS5が「NO」)には、つぎのサイト情報に処理対象が切り替えられる。キーワードに適合する部分が見つかった場合(ステップS5が「YES」)には、検索処理部12は、着目中のサイト情報に対し、タイトル,URL,更新日を抽出する処理(ステップS6)と、本文テキストからキーワードに適合する語を含む一定長さまでのテキストデータを抽出する処理(ステップS7)とを実行し、抽出された各情報の組み合わせを1つのレコードにまとめて保存する(ステップS8)。なお、このレコードの保存先は、アクセス中の専用記憶部5の中にある一時記憶領域(図示せず。)である。
【0044】
ループL1が終了すると、検索処理部12は、検索用ページに検索結果の表示欄70を追加し、ループL1の実行によって一時記憶領域に保存された各レコードを読み出し、これらのリストを表示欄70に表示する(ステップS9)。なお、ここでいう「表示」とは、検索で抽出された各レコードをユーザ端末に送信して当該ユーザ端末に表示させる処理を意味する。また表示欄70に表示するレコード数には単位が設けられており(たとえば20レコードを1単位とする。)、1単位分のレコード数を上回る数のレコードがある場合には、
図5に示したように、最初の1単位分のレコードが表示され、その上下に表示対象を切り替えるための文字ボタン(「1,2,3 次へ」の部分)が設けられる。これらのボタンに対する操作に応じて表示対象のレコードが切り替えられるが、その処理の手順については図示を省略する。
【0045】
検索処理部12は、適宜、上記の表示切り替えを行いながら、ステップS10,S11,S12の判定ループを実行する。ここで検索用ページの上部の「検索トップ」を選択する操作を受け付けると、ステップS10が「YES」となってステップS13に進み、検索用ページを
図4(A)に示した初期状態に戻し、一時記憶領域に保存されたレコードも消去する。この後はステップS3に戻り、新たな検索条件の入力に応じて再びループL1以下の処理を実行する。
【0046】
検索結果の表示後に検索用ページの上部の「ログアウト」または「メニュー」を選択する操作を受け付けた場合には、ステップS12が「YES」となって検索処理部12の処理は終了する。その後の手順の図示は省略するが、「メニュー」が操作された場合には、ユーザ端末の接続先はトップページに戻され、処理の主体もメニュー管理部10に戻る。「ログアウト」が操作された場合には、ユーザ端末の接続先はログインページに戻され、認証処理部3が識別コードやパスワードの入力に待機する状態となる。
【0047】
なお、検索処理部12がステップS3において検索条件の入力に待機している間に「ログアウト」または「メニュー」を選択する操作を受け付けた場合(ステップS15が「YES」)も、上記と同様の流れで処理が進められる。
【0048】
検索結果の表示後にボタン71の操作によりcsvファイルの作成が指定された場合には、ステップS11が「YES」となってステップS14に進む。このステップS14は、検索処理のサブルーチンとして検索結果統合処理部13により実行されるもので、その具体的な手順を示すものが
図8である。
【0049】
図8に示す検索結果統合処理では、まず先のループL1により一時記憶領域に保存されたサイト情報の各レコードを順に処理対象としてループL2が実行される。このループL2において検索結果統合処理部13は、処理対象のレコードからURLを読み出し(ステップS21)、このURLによりアクセス中の専用記憶部5の検索対象記憶部51を検索し、照合対象のURLとドメイン名が共通する代表URLが入った名簿データ(検索対象記憶部51内の1レコードで代表URLが照合対象のURLに完全一致または前方一致するもの)を抽出する(ステップS22)。そして抽出された名簿データを処理対象のレコードに結合する(ステップS23)。
【0050】
ループL2によって、検索結果のリスト中の全てのサイト情報に名簿データが結合されると、検索結果統合処理部13は、処理後のレコード群の中で代表URLが重複しているレコードを探す検索を実行する。この検索で同一の代表URLを含む複数のレコードが見つかると、検索結果統合処理部13はそれらを1つのレコードに統合する(ステップS24)。
【0051】
上記の統合処理では、たとえば、対象となるレコード中の本文テキストの内容を比較し、それらが実質同内容であれば、更新日が最も新しいレコードを統合後のレコードとして選択する(
図5のリストの2番目および3番目のサイト情報、
図6の2番目のレコードを参照。)。ただし、対象となるレコード中の本文テキストの内容が異なる場合には、それらのテキストを組み合わせたものを統合後の本文テキストとし、URLについてもレコード毎のURLの組み合わせを保存してもよい。または本文テキストの内容が大きく異なるときは、統合は行わずに、名簿データが重複していることを示すフラグを付けて各レコードを併存させてもよい。
【0052】
ステップS24の処理が終了すると、検索結果統合処理部13は各レコードの代表URLを削除することによって、各レコードを
図6に示した最終形態のフォーマットに整える(ステップS25)。さらに、検索結果統合処理部13は、この最終形態のフォーマットによるレコードの集合をcsvファイルとして、アクセス中の専用記憶部5の検索結果記憶部53に保存する(ステップS26)。
この保存をもって、検索結果統合処理部13の処理は終了し、その後は
図7のステップS10〜13の判定ループに戻る。
【0053】
なお、この実施例では、検索結果統合処理により作成されたcsvファイルをユーザがダウンロードするには、検索用ページからトップページに戻ってダウンロードの指定を行う必要があるが、これに限らず、検索結果統合処理が終了したことに応じて直ちにcsvファイルのダウンロードが実施されるようにしてもよい。
【0054】
上記のとおり、この実施例の検索システムによれば、登録された会員毎に、その会員用の専用記憶部5に会員が検索対象にしたい事業者のサイト情報を収集し、それらのサイト情報に対象を限定した検索を実施することができるので、いずれの会員も、目的に適した検索を実施して有用な情報を取得することができる。また検索終了後にキーワードに適合するテキスト部分とリンク付きのURLとの組み合わせによるリストが表示されるので、その表示により検索で抽出されたサイト情報の概要を容易に把握し、必要に応じて実際のウェブページを呼び出して確認することができる。
【0055】
さらに、検索により抽出されたサイト情報と当該サイト情報に対応する事業者の名簿データとを統合したものがcsv形式のデータファイルとして提供されるので、ユーザは他の情報を参照しなくとも、検索で抽出された事業者の名称や連絡先のデータを取得することができ、これをマーケティング活動に有効に活用することができる。
【0056】
たとえば、多数の事業者の中で特定の分野の事業に携わる企業に対し、その分野の業務に関係するイベントの案内を行いたい場合、当該分野に関連するキーワードによる検索を実施し、検索結果から得た統合リストを用いてダイレクトメールの送付や電子メールの配信を行うことができる。
【0057】
抽出された事業者に一括で連絡をとる目的に限らず、社内で共有したい情報をリストアップする目的に利用することもできる。たとえば、ユーザは、「新着情報」「ニュース」等のキーワードを用いて検索対象記憶部51に登録された事業者が発信している最新情報を抽出する検索を実行し、検索結果から得られた統合リストをダウンロードした後に、そのリスト中の本文データや実際のウェブページから重要な情報を抜き出し、これらの重要情報により統合リストの本文データを置き換える方法により、統合リストを再編集することができる。この再編集後の統合リストを社内関係者に配布すれば、各人が顧客や取引先の動向を容易に把握することができる。配布を受けた社内関係者が元のウェブ情報で詳細を確認したり、情報を発信している事業者に連絡をとりたい場合にも、リスト内のURLや連絡先によって容易に目的を果たすことができる。
【0058】
なお、サイト情報に対する検索処理では、ユーザにより指定されたキーワードに一致するテキストが含まれるサイト情報を抽出するだけでなく、キーワードへの類義語を検索の対象に含めてもよい。
【0059】
また、この実施例のサイト情報収集部2は、検索対象記憶部51に登録される代表URLと同一のドメイン名のウェブページのみからサイト情報を収集したが、代表URLのウェブページに直接にリンクしているウェブページまでは、ドメイン名に関わらず、収集の対象にしてもよい。ただし、その結果、代表URLにドメイン名が一致しないウェブサイトのサイト情報が検索により抽出された場合の検索結果統合処理では、当該サイト情報に対する名簿データは空白の状態に設定される。
【0060】
検索対象記憶部51に保存される名簿データは、主として登録された会員自身が実際に付き合いのある事業者(顧客、取引先等)のデータになると考えられるが、これに限らず、会員と直接の繋がりのない事業者であっても、会員が情報を収集したいと考えて自ら調べた事業者の名簿データも検索対象記憶部51に保存することができる。そのような目的で利用される可能性をふまえ、検索対象記憶部51での必須の登録情報を代表URLおよび事業者名称のみとしたり、適宜、保存された名簿データの内容の変更や新規の名簿データの追加を行えるようにしてもよい。
【0061】
会員に割り当てられる識別コードは1つに限らず、複数の社員の一人一人にそれぞれ異なる識別コードを付与することもできる。その場合には、識別コード毎に異なる専用記憶部5を設定することにより、各社員が互いに異なる情報ソースを用いて検索を実施できるようにしてもよい。
【0062】
会員に割り当てられる識別コードが一つのみの場合でも、専用記憶部5の検索対象記憶部51に複数の名簿データファイルを保存する方法または名簿データの各レコードに種別コードを含める方法により、登録される名簿データを分類できるようにしてもよい。さらに、サイト情報記憶部52に保存されるサイト情報を名簿データの分類に紐付けておけば、ユーザは目的に応じた分類を選択することによって、検索対象の事業者を自由に絞り込むことが可能になる。
【0063】
たとえば、名簿データを「顧客」と「顧客候補」に分けて管理する場合には、いずれか一方のみを選択した検索を実行することも、双方を選択した検索を実行することもできる。その他、事業分野別、地域別、会員の部署や担当別など、様々な方針で名簿データを分類し、その分類に基づき検索対象を絞り込むことができる。
【0064】
上記の仕組みに加えて、検索システムの運営者の側で様々な事業者の名簿データを事業分野別に分類したデータベースを作成し、サイト情報収集部2にこのデータベースに基づいて事業分野別にサイト情報の収集を行わせ、収集されたサイト情報を会員が利用できるようにしてもよい。
たとえば、サイト情報収集部2が収集したサイト情報をシステムの運営者が管理する記憶部に事業分野別に保存し、データベースの利用の申込みをした会員の登録情報または専用記憶部5にその会員が利用できる事業分野の識別コードを保存しておけば、検索処理部12は、当該会員からのアクセスに応じてその会員が利用可能な事業分野を特定し、その事業分野に関して収集されたサイト情報を対象にした検索を実行することができる。