(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1に示すように、スロットマシン(遊技機)10は、収納箱11と、前面扉12とを備え、これらから遊技機本体が構成されている。収納箱11には、複数(例えば、3つ)のリールがユニット化されたリールユニット(図示せず)や、メダルの払い出しを行うホッパ装置14(
図2、
図10参照)など各種の部品が収納されている。前面扉12は、上扉12aと下扉12bとに分割されており、これら上扉12a及び下扉12bはそれぞれ収納箱11に軸着され、収納箱11の前面側に設けられた開口部を開口させる開き位置と開口部を閉じる閉じ位置との間で開閉自在に支持されている。
【0014】
上扉12aには、その前面に、各種画像を表示する液晶ディスプレイ15、及び、リールを視認させるための透明窓16が設けられている。リールの外周面には複数種類の図柄が配列されており、リールが停止した状態では、透明窓16を通して1つのリールにつき3個の図柄が表示される。
【0015】
下扉12bには、メダルを投入するメダル投入口22、クレジットされたメダルをベットする際に操作されるベットボタン23、遊技を開始する際に操作されるスタートレバー24、回転しているリールを停止させるためのストップボタン26a〜26c、ホッパ装置から払い出されたメダルを受けるメダル受け皿27、クレジットされたメダルを清算するための清算ボタン28が設けられている。
【0016】
また、スロットマシン10には、下扉12bにも液晶ディスプレイ29が設けられている。この液晶ディスプレイ29は、液晶ディスプレイ15と同様に各種画像を表示可能な他、画面全体を押し込むように操作することが可能となっており、表示手段としてだけでなく操作手段としても機能する。
【0017】
スロットマシン10では、メダル投入口22にメダルを投入、または、ベットボタン23操作することによりメダルがベットされるとスタートレバー24が有効化され、有効化されたスタートレバー24を操作すると遊技が開始される。遊技が開始されると、内部抽選が実行される。内部抽選では、少なくても1つ役またはハズレが割り当てられた複数の当選エリアのいずれかが決定され、決定された当選エリアに割り当てられた役が当選(当選役)となる。
【0018】
また、遊技が開始されると、リールが回転を開始する。リールの回転速度が一定速度に到達して定常回転となるとストップボタン26a〜26cの操作が有効化され、有効化されたストップボタン26a〜26cを操作すると操作されたストップボタンに対応するリールを停止させることができる。そして、全てのリールが停止したときに、当選役に対応する図柄組合せが表示されると、この当選役が入賞となり、入賞した当選役に対応する処理(入賞処理)が実行される。
【0019】
図2に示すように、収納箱11の内部には、前述したホッパ装置14の他、ホッパ装置14から溢れたメダルを収納するためのオーバーフロータンク30、スロットマシン10の各部に電源を供給するための電源回路が収められた電源BOX32、電子部品が実装された回路基板52(
図4参照)などが収められた基板ケース34、36、38が収納されている。
なお、
図2、及び、後述する
図10では、前面扉12の図示を省略している。また、収納箱11の内部には、上述したホッパ装置14、電源BOX32、基板ケース34、36、38以外にも、例えば、リールユニットなど各種の部品が収納されているが、これら(上述したホッパ装置14、オーバーフロータンク30、電源BOX32、基板ケース34、36、38以外の部材)についても図示を省略している。
【0020】
<各種ケースの透明化によるメンテナンス性の向上>
スロットマシン10では、ホッパ装置14の下部の外装を構成する本体箱40、電源BOX32の前面(遊技機本体の手前側の面)、後面(遊技機本体の奥側の面)、上面、側面(遊技機本体の内側(ホッパ装置14側)の面)の4つの面の外装を構成する外装体42、及び、基板ケース34、36、38を透明な材料(例えば、樹脂)から形成している。
こうすることで、収納箱11に収納された各種部品の視認性が向上し、例えば、落下してホッパ装置14(本体箱40)の下部に溜まったメダルや、故障箇所、破損箇所の発見が容易となるなどにより、メンテナンス性が向上する。また、不正な改造の痕跡を発見することも容易となる。
なお、ホッパ装置14について、本体箱40の下端部に、遊技機本体の底部(底板100や板金102)とは当接しない非当接部を設けてもよい。すなわち、本体箱40の下端部を、遊技機本体の底部と当接する当接部と、遊技機本体の底部と当接しない非当接部とから構成してもよい。ここで、非当接部は、本体箱40の下端部に形成された開口部や空洞部などである。そして、本例においても、本体箱40の下端部に三角柱状の空洞部40a、40b(
図10参照)が設けられており、これら空洞部40a、40bの下面(下端)が非接触部となっている。
【0021】
<ハーネス経路規制部材による省スペース化>
図2において、基板ケース34は、収納箱11の奥壁44に配置され、基板ケース36、38は、収納箱11の側壁46に配置されている。また、基板ケース36は、奥壁44側の端部が、基板ケース34と側壁46との間に形成された隙間に挿入されるように配置されている。
【0022】
図3、
図4に示すように、基板ケース36の側面(遊技機本体の内側(ホッパ装置14側)の面)には、奥壁44側に開口48が形成され、開口48からハーネス50が露呈している。ハーネス50は基板ケース36外の部品から延び、先端(回路基板52側)には、ハーネス側コネクタ54が設けられ、このハーネス側コネクタ54が回路基板52に実装された基板側コネクタ56に係合されている。このようにハーネス側コネクタ54と基板側コネクタ56とが係合されることによって、基板ケース36外の部品と回路基板52とがハーネス50を介して電気的に接続される。
【0023】
基板ケース36には、開口48の近傍にハーネス経路規制部材58が立設されている。
ハーネス経路規制部材58は、基端部が開口48よりも奥側(奥壁44側)に設けられ、先端部が開口48よりも手前側に設けられている。そして、ハーネス経路規制部材58は、基端部から中間部(基端部と先端部との中間部分)へかけては基板ケース36から遠ざかるように斜め手前方向に向かい、中間部で基板ケース36の外壁と平行な方向に屈曲されて手前側の先端部へ向かう形状に形成されている。
ハーネス50は、回路基板52から垂直に遠ざかる方向へ向かった後、その経路がハーネス経路規制部材58により基板ケース36の外壁と平行な方向(基板ケース36の外壁に沿う方向)に屈曲され(規制され)、基板ケース36の外壁に沿って手前方向へと向かう。
スロットマシン10では、上述のようにハーネス経路規制部材58によりハーネス50の経路を基板ケース36の外壁に沿う方向へと規制するようにした。これにより、ハーネス経路規制部材58を設けずにハーネス50が基板ケース36から垂直に遠ざかる方向に延びている場合と比較して、ハーネス50と基板ケース36外の部品との干渉を防止し、省スペース化(スペースの有効活用)が可能である。具体的には、本実施形態のように、基板ケース34と側壁46との間などの狭い隙間であっても基板ケース36を配置することが可能であり、このような隙間を有効活用できる。
【0024】
なお、本発明は、基板ケースから露呈したハーネスの経路を、ハーネス経路規制部材により基板ケースの外壁に沿う方向へと規制すればよいので、基板ケースやハーネス経路規制部材の具体的な形状や配置位置については、適宜変更できる。
また、上記実施形態では、ハーネス経路規制部材を基板ケースと一体に設ける例で説明をしたが、ハーネス経路規制部材を基板ケースとは別体に設けてもよい。この場合、ハーネス側コネクタを基板側コネクタに接続した後にハーネス経路規制部材を基板ケースに固定すればよい。
さらに、上記実施形態では、ハーネス経路規制部材により、コネクタ(ハーネス側コネクタ)から延びるハーネスの経路を規制する例で説明をしたが、コネクタを介さずに基板に直接接続されているハーネスの経路をハーネス経路規制部材により規制してもよい。
【0025】
<傾斜部によるコネクタの着脱性の向上>
図2、
図5に示すように、基板ケース36の側面には、開口60が設けられており、開口60から回路基板52(
図4参照)に実装された基板側コネクタ66が露呈されている。基板側コネクタ66には、基板ケース36外の部品から延びるハーネス61の先端に設けられたハーネス側コネクタ64が係合されている。このようにハーネス側コネクタ64と基板側コネクタ66とが係合されることによって、基板ケース36外の部品と回路基板52とがハーネス61を介して電気的に接続される。
【0026】
図5において、基板ケース36には、開口60の近傍に傾斜部68が設けられている。
傾斜部68は、開口60に向かうほど回路基板52へ近づくように、基板ケース36の外壁を傾斜させることにより形成されている。
なお、本実施形態では、開口60の上下左右(上側、下側、奥側、手間側)の4つの方向から開口60に向けて傾斜するように傾斜部68を形成している
このように、傾斜部68を設けることにより、ハーネス側コネクタ64の周囲にスペースが形成され、このスペースを利用してハーネス側コネクタ64を把持するなどが可能となる。つまり、傾斜部68を設けて開口60からハーネス側コネクタ64を露呈させることにより、ハーネス側コネクタ64を着脱するための着脱スペースが確保される。これにより、ハーネス側コネクタ64の着脱が容易となり、メンテナンス性などが向上する。
【0027】
なお、上記実施形態では、傾斜部が、開口60の上下左右(上側、下側、奥側、手間側)の4つの方向から開口60に向けて傾斜している例で説明をしたが、傾斜部は少なくとも1つの方向から開口へ向けて傾斜していればよい。このため、例えば、
図6に示す傾斜部68aのように前後(手前側、奥側)からのみ開口60へ向けて傾斜するようにしてもよい。また、
図7に示すように、基板側コネクタ66やハーネス側コネクタ64が基板ケース36の角(
図7の例では基板ケースの側面の手前側かつ下側)にある場合には、傾斜部68bのように、一方向(
図7の例では前(奥側))からのみ開口60へ向けて傾斜するようにしてもよい。
なお、
図6、
図7では、上述した実施形態と同様の部材については同様の符号を付して説明を省略している。
【0028】
<ハーネス側コネクタの取り付けにより遮蔽される固定具>
図2、
図8、
図9に示すように、基板ケース36の上面の手前側には開口70が形成されており、開口70から回路基板52(
図4参照)に実装された基板側コネクタ76が露呈されている。基板側コネクタ76には、基板ケース36外の部品から延びるハーネス71の先端に設けられたハーネス側コネクタ74が係合されている。このようにハーネス側コネクタ74と基板側コネクタ76とが係合されることによって、基板ケース36外の部品と回路基板52とがハーネス71を介して電気的に接続される。
【0029】
また、基板ケース36の上方には、基板ケース38(近傍部材)が配置されている。基板ケース38は、基板ケース38の手前側の上下2本、及び、奥側の上下2本の合計4本のネジ80(固定具)により収納箱11の側壁46に固定(ネジ止め)されている。そして、ネジ80のうちの1本(本例では、基板ケース38の手前側の下)は、基板側コネクタ76にハーネス側コネクタ74を係合させた(装着した)状態(
図8参照)ではハーネス側コネクタ74により遮蔽され、基板側コネクタ76からハーネス側コネクタ74を取り外した状態(
図9参照)では露呈される位置に設けられている。つまり、このような位置関係となるように、ネジ80(ネジ80による固定位置)と基板側コネクタ76との相対的な位置関係が決定されている。
こうすることで、ハーネス側コネクタ74が装着された状態では、ネジ80へのアクセスが阻害されて基板ケース38を着脱できず、基板ケース38を着脱するためにはハーネス側コネクタ74を取り外さなければならない。つまり、基板ケース38の取り外しに手間がかかる。これにより、基板ケース38を不正に着脱するといった行為を抑制できる。
【0030】
なお、上記実施形態では、固定具がネジである例で説明したが、固定具はネジ以外であってもよい。ネジ以外の固定具としては、例えば、ボルトやナット、係止爪を係止部に係合させて固定するものなどが挙げられる。
また、上記実施形態では、近傍部材が基板ケースである例で説明をしたが、近傍部材は基板ケース以外であってもよい。
さらに、上記実施形態では、ハーネス側コネクタにより固定具を遮蔽して取り外しを阻止する例で説明をしたが、ハーネスにより固定具を遮蔽して取り外しを阻止する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、開口からハーネス側コネクタ及びハーネスが露呈される例で説明をしたが、開口からハーネスのみが露呈される構成としてもよい。
【0031】
なお、上記実施形態では、ハーネス経路規制部材、傾斜部、固定具の取り外し防止構成(ハーネス側コネクタまたはハーネスにより固定具の取り外しを防止する構成(
図8参照))の全てを共通の基板ケースに設ける例で説明をしたが、これら3つの構成を別々の基板ケースに設けてもよい。もちろん、前述した3つの構成のうちの任意の2つのみを共通の基板ケースに設けてもよい。
また、上記実施形態では、前述した3つの構成を基板ケースの別々の場所(別々の開口の近傍)に設ける例で説明をしたが、これら3つの構成の全て、または、任意の2つを、同じ場所(共通の開口の近傍)に設けてもよい。
【0032】
<メダル落下時の悪影響防止に寄与する底部の板金の厚み>
図10に示すように、収納箱11は、底板100と、底板100上に配置されて底板100の一部を覆う板金102(収納箱11の開口部の下側の内周を形成する導電板)とを備え、遊技機本体の底部は、これら底板100(底板100の上面)及び板金102から構成される。
板金102は、手前側が収納箱11の内部の左右全域に渡るように形成され、左右それぞれの端部が、収納箱11の内部の側面を構成する側板104、106(収納箱11の開口部の左側、右側の内周を形成する導電板)に当接されている。側板104、106は、収納箱11の内部天面を構成する天板108(収納箱11の開口部の上側の内周を形成する導電板)(
図2参照)を介して連結されている。スロットマシン10では、このように連結された板金102、側板104、106、天板108を、金属などの導電性を有する材料から形成し、これらのいずれかを接地(アース)することにより、これら全体がアースとして機能するようにしている。
【0033】
板金102には、切り欠き部110が形成されており、切り欠き部110から底板100が露呈されている。切り欠き部110の左右には一対のスライドレール112、114が設けられており、ホッパ装置14は、スライドレール112、114の間(切り欠き部110の上部)を前後(手前側と奥側)にスライド自在に設けられ、手前側に引き出すことにより収納箱11から取り外され、奥側に押し込むことにより収納箱11に収納される。このように、スライドレール112、114は、ホッパ装置14(着脱部材)を前後にスライド自在に支持する支持部材として機能する。
【0034】
ホッパ装置14は板金102を介してアースされている。
具体的には、板金102と当接するホッパ装置14の本体箱40の下端部に設けられ、左右に突出する突出片14a(板金102の上面と、この上面に対面するスライドレール112、114の下面との間に形成されたスリット状の隙間S1に挿入される部分)を、導電性を有する材料から形成し、ホッパ装置14のアースとして機能させている。
【0035】
前述した隙間S1(スライドレール112、114により形成される隙間(板金102の上面と、この上面に対面するスライドレール112、114の下面との間に形成されたスリット状の隙間))の奥側(スロットマシン10の背面側)には、隙間S1を塞ぐようにストッパ(規制部材)102aが設けられている。そして、ホッパ装置14は、このストッパ102aにより奥側への移動が規制されている(ホッパ装置14がストッパ102aよりも奥側に移動してしまうことがないように構成されている)。
もちろん、ストッパ102aと同様の機能を有する規制部材を、前述した隙間以外の部分に設けてもよい。また、規制部材は、板金102、スライドレール112、114、底板100、奥壁44など任意の部材に設けることができる。さらに、規制部材は、遊技機本体(遊技機本体の底部(底板100や板金102)など)とは別体とし、遊技機本体に固定する構成としてもよいし、例えば、板金の後端部を上方へ向けて折り曲げて規制部材として機能させるといったように遊技機本体(遊技機本体の底部)と一体の構成としてもよい。
【0036】
なお、前述した隙間S1(板金102の上面と、この上面に対面するスライドレール112、114の下面との間に形成されたスリット状の隙間であり、本体箱40の下端部から左右に突出した突出片14aが挿入される隙間)の厚み(ホッパ装置14のスライド方向(前後方向)に直行する上下方向の厚み)は、メダルの厚みよりも厚いことが好ましい。また、隙間S1の厚みは、メダルの厚みの整数倍よりも大きい(メダルの厚みの整数倍+アルファ(アルファ>「0」))であることが好ましい。このような構成とすることによって、隙間S1に1枚のメダル(または、上下方向に重なった状態の複数枚のメダル)が隙間なく挟まり、取り出しが困難となるといった問題を防止できる。
【0037】
さらに、隙間S1を、スロットマシン10の前面側から観察した
図14において、この隙間S1の厚み(上下方向の厚み)から、ホッパ装置14(本体箱40)の下端部から左右に突出した突出片14aの厚み(上下方向の厚み)を引いた残りの厚みH、(すなわち、ホッパ装置14を装着(収納箱11に収納)した場合の隙間S1の残りの厚みH)は、メダル2枚分未満の厚みであることが好ましく、さらに好ましくはメダル1枚分未満の厚みとすることである。こうすることで、ホッパ装置14を装着する際やホッパ装置14を装着した状態において、隙間S1の残りの隙間(スライドレール112、114の下面と、突出片14aの上面との間の隙間)にメダルが挟まってホッパ装置14の着脱を妨げるといった問題を防止できる。
【0038】
図10に戻り、板金102には、切り欠き部120が形成されており、切り欠き部120から底板100が露呈されている。切り欠き部120は前後に長く形成されており、オーバーフロータンク30は、切り欠き部120の上部を前後にスライド自在に設けられ、手前側に引き出すことにより収納箱11から取り外され、奥側に押し込むことにより収納箱11に収納される。
このように、ホッパ装置14、及び、オーバーフロータンク30は、遊技機本体の底部上を前後にスライドされることにより遊技機本体(収納箱11)に対して着脱される、本発明の着脱部材として機能する。
【0039】
上述のように、着脱部材(本例では、ホッパ装置14やオーバーフロータンク30)は、遊技機本体の底部をスライドされて着脱されるため、遊技機本体の底部にメダルが落下していると、このメダルによりスライドが阻害され、スムーズな着脱が行えない場合がある。
このため、スロットマシン10では、遊技機本体の底部にメダルが落下している場合であっても、このメダルの上方を着脱部材がスムーズに通過できるように工夫が施されている。
具体的には、
図11に示すように、板金102の厚みをメダル130の厚み以上としている。
これにより、遊技機本体の底部にメダル130が落下しても、このメダル130が切り欠き部110や切り欠き部120に落ち込むことで、着脱部材の移動が阻害されることが無く、着脱部材のスムーズな着脱が可能となる。
【0040】
なお、本実施形態では、板金102の上面にホッパ装置14を載置した場合に、本体箱40の下面のうち、少なくとも奥側(スロットマシン10の背面側)の端部が隙間なく板金102の上面に当接するようにしている。
こうすることで、切り欠き110に落ち込むこと無く板金102の上面にメダル130が乗っている状態であっても、ホッパ装置14を遊技機本体に装着する際に本体箱40の奥側の下端部により押しずらして、切り欠き110に落ち込ませることができる。
また、前述のように、本実施形態では、本体箱40を透明な材料から形成しているため、切り欠き110に落ち込んだメダル130の確認も容易である。
【0041】
同様に、本実施形態では、板金102の上面にオーバーフロータンク30を載置した場合に、オーバーフロータンク30の下面のうち、少なくとも奥側の端部が隙間なく板金102の上面に当接するようにしている。
こうすることで、切り欠き120に落ち込むこと無く板金102の上面にメダル130が乗っている状態であっても、オーバーフロータンク30を遊技機本体に装着する際にオーバーフロータンク30の奥側の下端部により押しずらして、切り欠き120に落ち込ませることができる。
【0042】
なお、一般に、スロットマシンで用いられるメダルとしては、2種類のメダルが知られており、1つは、直径が25mm程度、厚みが1.6mm程度のものであり、もう1つは、直径が30mm程度、厚みが1.7mm程度のものである。
板金102の厚みは、スロットマシン10で用いるメダルの厚みよりも厚ければよいので、用いるメダルにより板金102の厚みを決定すればよい。
ただし、板金102の厚みが1.6mm以上1.7mm未満であると、厚みが1.7mmのメダルを用いるスロットマシンに板金102を流用することができず、汎用性が低くなる。反対に、板金の厚みが厚くなるほど、重量やコストが増大してしまう。
このため、板金102の厚みは、1.7mm程度とすることが好ましい。
【0043】
また、切り欠き部110、120にメダルが落ち込むために、切り欠き部110、120の幅(左右方向の長さ)は、少なくともメダルの直径以上に形成されている必要があるが、切り欠き部110、120の幅がメダルの直径の整数倍であると、切り欠き部110、120に落ち込んだメダルが幅方向に隙間なく並んでしまい、取り出しが困難になるといった問題がある。
このため、切り欠き部110、120の幅は、メダルの直径の整数倍+アルファ(メダルの直径の10%〜90%程度の長さ)であることが好ましい。
なお、前述した切り欠き部110、120の幅の場合と同様に、切り欠き部の奥行き(前後方向の長さ)もメダルの直径の整数倍+アルファであることが好ましい。
さらに、メダルが落ち込む場所としては、切り欠き部以外にも、板金によって覆われずに底板が露呈している部分(露呈部分)が存在する。このため、このような露呈部分についても幅や奥行きを、メダルの直径の整数倍+アルファとすることが好ましい。このような露呈部分としては、板金と板金との間、板金と収納箱11の内壁(側壁46や奥壁44)との間、板金と収納箱11に配置される他の部材(板金以外の部材であり、ホッパ装置14、オーバーフロータンク30、電源BOX32など)との間、前述した他の部材同士の間などが挙げられる。
また、前述したアルファの値はメダルの直径の10%〜90%程度に限定されず適宜変更できる。具体的には、アルファの値は「0」でなければよい(「0<アルファ」であればよい)ので、メダルの直径の10%以下であってもよい。
【0044】
さらに、上記実施形態では、板金102として、手前部分(側板104と側板106を繋ぐように左右に長く形成された部分であり、遊技者側の部分)と、奥側部分(手前部分に対して奥側(スロットマシン10の背面側)の部分であり、ホッパ装置14が載置される部分(スライドレール112、114が設けられた部分)や、電源BOX32が載置される部分(後述する支持レール140、142が設けられた部分)や、オーバーフロータンク30が載置される部分)とが一体に形成されたものを用いる例で説明をしたが、本発明はこれに限定されない。
例えば、
図15に示す板金202のように、手前部分202aと奥側部分202bとを別体に設けてもよい。
なお、板金202のように、手前部分202aと奥側部分202bとが別体に設けられた板金を用いる場合、
図16に示すように、手前部分202a(手前部分の板金)と、奥側部分202b(奥側部分の板金)とが段差無く面一(同じ高さ)に接続されていることが好ましい。こうすることで、手前部分202aと奥側部分202bとの間の段差で着脱部材(ホッパ装置14、オーバーフロータンク30など)の着脱が阻害されるといったことを防止できる(着脱部材をスムーズに着脱できる)。
また、板金202のように、手前部分202aと奥側部分202bとが別体に設けられた板金を用いる場合、
図16に示すように、手前部分202aの上面(手前部分の板金の上面)と奥側部分202bの上面(奥側部分の板金の上面)とが隙間無く(隙間の幅がメダルの厚み未満となるように)配置(接続)されていることが好ましい。こうすることで、前述の隙間にメダルが挟まって着脱部材の着脱が阻害されるといったことを防止できる。
もちろん、板金の奥側部分についても部分毎に別体に設けてもよい。この場合、例えば、ホッパ装置14が載置される部分を、他の部分(電源BOX32が載置される部分や、オーバーフロータンク30が載置される部分)とは別体に設けるといったことが考えられる。
【0045】
さらに、
図17に示すように、着脱部材を前述した所定位置に確実に装着できるようにするための指標を設けてもよい。指標は、例えば、遊技機本体の底部の上面に設けられ、着脱部材が所定位置まで挿入されていない場合には着脱部材によって遮蔽されて一部または全部が視認不能であり、着脱部材が所定位置まで挿入された場合には視認可能となる、マークやメッセージである。そして、
図17の例では、指標として、線300(マーク)、矢印302(マーク)、メッセージ304を、板金102の上面に設けている。
【0046】
もちろん、遊技機本体の底部の上面のうち、着脱部材が装着された場合に遮蔽されるべきでない領域、すなわち、着脱部材が所定位置に装着された場合には露呈される領域であり、この領域が着脱部材によって遮蔽されている場合に着脱部材が所定位置まで挿入されていないことを示す領域と、他の領域とを異なる色に着色すること(色分け表示すること)により、着脱部材が所定位置まで挿入されていること(確実に装着できていること)を確認できる構成としてもよい。
【0047】
また、着脱部材を所定位置まで挿入した場合に、着脱部材を所定位置に係止するロック機構を設けてもよい。ロック機構としては、例えば、遊技機本体の底部の上面に、奥側へ向かうほど高さが高くなる傾斜面と、傾斜面よりも奥側に設けられた係止部とを有する爪が考えられる。このような爪を設けた場合、着脱部材は、爪(傾斜面)を乗り上げるように(または、爪(傾斜面)を下方に押し下げて)遊技機本体の奥側へ挿入される。そして、所定位置まで挿入されると、爪(係止部)の後方に着脱部材が落ち込み(または、下方への押圧が解除された爪(係止部)が着脱部材の前方にせり上がり)、着脱部材の前面側に爪(係止部)が配置されて手前側への移動が規制される。このような構成としても、着脱部材を確実に装着できる。
【0048】
遊技機の中には、着脱部材を所定位置まで挿入することによって着脱部材側のコネクタが遊技機本体側のコネクタに係合し、着脱部材と遊技機本体とが電気的に接続される構成としているものもある。このような遊技機では、着脱部材が所定位置まで挿入されていないと(着脱部材が確実に装着されていないと)、着脱部材と遊技機本体との電気的な接続が不安定または接続が断絶してしまうので、前述のように指標やロック機構を設けることによって着脱部材を確実に装着できる構成とすることが特に有効である。
【0049】
<電源BOXの放熱・アース構造>
図10に戻り、板金102上には、前後に長く形成され、所定間隔を開けて左右に並べて配置された一対の支持レール140、142が配置されており、この支持レール140、142上に電源BOX32が載置されている(
図2参照)。すなわち、電源BOX32は、支持レール140、142の高さに相当する分の間隔を開けて板金102の上方に配置されている(
図13参照)。
【0050】
図12に示すように、電源BOX32は、外装体42、150を備えており、電源BOX32の外装はこれら外装体42、150により構成される。
前述のように、外装体42は、例えば、透明な樹脂から形成され、電源BOX32の前面(遊技機本体の手前側の面)、後面(遊技機本体の奥側の面)、上面、側面(ホッパ装置14側の面)の4つの面の外装を構成する。
外装体42は、電源BOX32の後面の外装を構成する後面板152に、複数の放熱用貫通孔154が形成されており、この放熱用貫通孔154から電源BOX32内の熱を放出できるようになっている。
図2、
図10に示すように電源BOX32の背後(奥壁44側)には、奥壁44を貫通する開口156が形成されており、放熱用貫通孔154から放出された熱は、開口156を介してスロットマシン10の外部に放出される。
【0051】
図12に戻り、外装体150は、金属など導電性を有する材料から形成され、電源BOX32の下面(底面)と、側面(側壁46(
図2、
図10参照)側の面)の2つの外装を構成する。
外装体150は、電源BOX32の側面を構成する側面板158に、電源回路を搭載した基板がネジ止めされるなどして取り付けられている。また、側面板158には、前方(手前側)に延設された延設部160が設けられており、
図2に示すように、この延設部160が側板104に当接されている。これにより、電源BOX32(外装体150や、側面板158に取り付けられた部品)がアースされる。また、側面板158から側板104へと熱を伝達することにより電源BOX32の熱を逃がすことができる。
【0052】
再び
図12に戻り、外装体150は、電源BOX32の下面を構成する下面板162に、複数の放熱口164が形成されており、この放熱口164から電源BOX32内の熱を放出できるようになっている。
図13に示すように、放熱口164は、その開口部166が電源BOX32と板金102との間に形成された隙間(支持レール140、142により形成された隙間)に配置されており、この隙間へ向けて放熱する。また、放熱口164は、開口部166が後側(奥壁44に形成された開口156側)へ向けられており、開口156へ向けて放熱する。つまり、放熱口164により、電源BOX32内の熱が電源BOX32と板金102との間の隙間及び開口156を介してスロットマシン10の外部へと放出される。
【0053】
さらに、本例では、支持レール140、142を、金属などの導電性を有する材料から形成している。これにより、電源BOX32(外装体150や、側面板158に取り付けられた部品)がアースされる。また、下面板162から支持レール140、142を介して板金102へと熱を伝達することにより電源BOX32の熱を逃がすことができる。
【0054】
なお、上記実施形態では、電源BOX32の外装を構成する6つの面のうち2つの面(片方の側面と底面)を、金属などから形成してアース及び放熱の機能を持たせる例で説明をしたが、電源BOX32の外装を構成する6つの面のうちアース及び放熱の機能を持たせる面の位置や数については自由に設定できる。
また、上記実施形態では、電源BOX32の外装を構成する6つの面のうち4つの面を透明な樹脂などから形成して視認性を向上させる例で説明をしたが、電源BOX32の外装を構成する6つの面のうち透明とする面の位置や数については自由に設定できる。
もちろん、1つの面の一部を金属などから形成してアース及び放熱の機能を持たせ、この面の残りの部分を透明として視認性を向上させてもよい。
【0055】
また、上記実施形態では、電源BOX32を支持レール140、142上に載置する例で説明をしたが、本発明はこれに限定されるものではない。支持レール140、142を廃止し、遊技機本体の底部(板金102の上面)と電源BOX32の底面との間に隙間が形成されるように、電源BOX32を側壁46にネジ止めするなどして固定してもよい。
【0056】
さらに、上記実施形態では、電源BOX32の下面を構成する下面板162に、開口部166が奥側(後側)へ向くように放熱口164を設ける例で説明をしたが、本発明はこれに限定されるものではない。放熱口は、例えば、放熱用貫通孔154(
図12参照)と同様の貫通孔(下面板162に形成された貫通孔であり、開口が下方を向くように形成された貫通孔)であってもよい。このような貫通孔を放熱口としても電源BOX32内の熱を電源BOX32外に放出できる。もちろん、ファンなどの送風手段を設け、電源BOX32内の熱を電源BOX32外に放出したり、電源BOX32(放熱口)から放出された熱を開口156を介してスロットマシン10の外部へと放出してもよい。