(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1に記載の他動運動機器は、異なる種類の他動運動を行わせるために、支持台部とエアバッグをそれぞれ動作させるためのモータとポンプ装置を必要とし、機器が大型化及び高コスト化するという問題がある。そこで本発明は、上述した問題を解消するためになされたものであり、身体部位に対して運動とマッサージを行わせることができるマッサージ機を、小型及び低コストで提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、ベースと、使用者の身体の一部である身体部位を支持する可動支持部と、前記可動支持部に支持された前記身体部位にマッサージを行うマッサージ部と、前記可動支持部と前記マッサージ部を駆動させる駆動機構と、を有し、前記駆動機構は、モータと、モータの駆動力を前記可動支持部と前記マッサージ部に伝達する機構部と、を有することを特徴とする。
このような構成とすることにより、1つのモータで、可動支持部に支持された身体部位に対して、運動とマッサージを複合して行わせることができる。
【0006】
また、前記機構部は、前記モータの駆動により回転する駆動軸と、前記駆動軸と前記可動支持部の一端側を連結するクランク機構と、前記駆動軸の回転を前記可動支持部の進退運動に変換するガイド部と、を有することが好ましい。
このような構成とすることにより、可動支持部に進退運動を行わせることができる。例えば、身体部位として足を可動支持部に載置した場合、下肢に対して強制的に運動を行わせることができる。
【0007】
また、前記ガイド部は、前記ベースに取り付けられたガイド軸を有し、前記可動支持部は、前記ベースに対して前記ガイド軸を中心として揺動可能であることが好ましい。
このような構成とすることにより、可動支持部に揺動運動を行わせることができる。例えば、身体部位として足を可動支持部に載置した場合、下肢に対して強制的に運動を行わせることができる。
【0008】
また、前記ガイド軸は、回転可能として前記ベースに取り付けられており、前記マッサージ部は、前記ガイド軸に設けられたローラであることが好ましい。
このような構成とすることにより、ガイド軸をローラの回転軸とすることができ、マッサージ機の構造を簡素化することができる。
【0009】
また、前記機構部は、前記モータの駆動力を減速して前記駆動軸及び前記ガイド軸に伝達する減速器を有し、前記減速器は、前記駆動軸と前記ガイド軸の回転速度が異なるように、前記モータの駆動力を当該駆動軸及び当該ガイド軸に伝達することが好ましい。
このような構成とすることにより、可動支持部とマッサージ部をそれぞれに適した速度で動作させることができる。
【0010】
また、前記可動支持部は、前記マッサージ部を当該可動支持部よりも前記身体部位側に突出させる開口部を有していることが好ましい。
このような構成とすることにより、マッサージ部によるマッサージ作用を阻害しない。
【0011】
また、前記可動支持部は、前記身体部位として足を支持するものであり、前記マッサージ部及び前記開口部は、土踏まずに対応する位置に設けられていることが好ましい。
このような構成とすることにより、可動支持部は、つま先及びかかとを接地させることができ、足を安定して支持することができる。しかも、可動支持部に接地しない土踏まずには、マッサージ作用を与えることができる。
【0012】
また、前記可動支持部は、対をなしており、前記駆動機構は、前記対の可動支持部を相反する方向に進退させることが好ましい。
このような構成とすることにより、異なる身体部位(例えば、左足と右足)又は身体部位の異なる箇所(例えば、左臀部と右臀部)に対して、相反する方向に進退させる運動を行わせることができる。
【0013】
また、前記可動支持部は、最も後退した状態において一端側よりも他端側が前記身体部位側に位置するよう傾斜して設けられている、又は最も進出した状態において一端側よりも他端側が前記身体部位と反対側に位置するように傾斜して設けられていることが好ましい。
このような構成とすることにより、可動支持部の進退範囲を大きくしなくても、身体部位に対して十分な運動を行わせることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、身体部位に対して運動とマッサージを行わせることができるマッサージ機を、小型及び低コストで提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[一実施形態に係るマッサージ機の構成]
以下、本発明のマッサージ機1の構成について、使用者の身体部位である下肢に使用する場合を例示して説明する。すなわち、椅子に座った状態で、床に載置したマッサージ機1に足を載せて使用する場合である。なお、以下の説明で用いる方向の概念は、マッサージ機1を床に載置して、足を可動支持部3に載せた使用者から見たときの方向の概念と一致するものとし、その他の場合は適宜説明するものとする。
【0017】
図1は本発明の一実施形態に係るマッサージ機1の斜視図である。
図2はベース2の一部を省略したマッサージ機1の斜視図である。
図3はベース2の一部を省略したマッサージ機1の平面図である。
図4はベース2の一部を省略したマッサージ機1の側面図である。
図5は駆動軸8の平面図である。
図6はマッサージ部4の斜視図である。
図7はマッサージ部4の側面図である。なお、
図2〜
図4では、ベース2の側部材2b及び上部材2cを省略して図示している。
本発明のマッサージ機1は、主として、床に載置するベース2と、使用者の身体の一部である身体部位(足)を支持する可動支持部3と、可動支持部3に支持された身体部位(足)にマッサージを行うマッサージ部4と、可動支持部3とマッサージ部4を駆動させる駆動機構5と、を有している。
【0018】
ベース2は、床に載置される下部材2aと、下部材2aの両側部から立設された側部材2bと、下部材2aを上方から覆う上部材2cと、により内部に空間を有して構成されている。そして、ベース2の内部に駆動機構5が収容されている。
【0019】
可動支持部3は、左右で対をなして設けられている。可動支持部3は、使用者の足を載せるステップ3aを有している。ステップ3aは、一般的な成人の足裏よりも若干大きな板状に形成されている。また、ステップ3aの下面には、その後部及び前後方向中途部において、ベース2と可動支持部3を連結する連結部3bが設けられている。そして、ステップ3aの前後方向一端側(本実施形態では後側)は、後述するアーム23を介してベース2に連結されており、前後方向他端側(本実施形態では前側)は、後述するガイド軸25を介してベース2に連結されている。ステップ3aの上面には、可動支持部3に対する身体部位(足)の位置ずれを防止するゴムパッド等よりなる位置ずれ防止部材(図示せず)を設けていてもよい。
【0020】
可動支持部3は、マッサージ部4を可動支持部3よりも身体部位側に突出させる開口部3cを有している。開口部3cは、可動支持部3の前後方向中途部に設けられており、ステップ3aに身体部位として足を載置した場合は土踏まずの位置に対応している。従って、可動支持部3に足を載置すると、開口部3cの前側でつま先がステップ3aに接地し、開口部3cの後側でかかとがステップ3aに接地するため、可動支持部3は足を安定して支持することができる。
【0021】
駆動機構5は、モータ6と、モータ6の駆動力を可動支持部3とマッサージ部4に伝達する機構部7と、を有している。モータ6は、ベース2の前側であって左右方向略中央において、下部材2aに固定されている。モータ6の出力軸6aは左右方向を向いている。機構部7は、詳細は後述するが、駆動軸8、クランク機構9、ガイド部10、及び減速器11を有している。
【0022】
機構部7は、モータ6の駆動により回転する左右方向を軸方向とする駆動軸8を有している。駆動軸8は、ベース2における後側において、下部材2aに設けられた軸受け20に回転可能として支持されている。また、駆動軸8の左右両端部には、駆動軸8の軸心8aに対して偏心した偏心軸21が設けられている。左右の偏心軸21は、駆動軸8の軸心8a回りの位相が互いに異なっており、具体的には位相が180度異なっている。偏心軸21には、ベアリング22を介してアーム23が回動可能として設けられている。アーム23は、駆動軸8と可動支持部3を連結している。すなわち、偏心軸21とアーム23によりクランク機構9が構成されている。なお、左側のアーム23は、左側の可動支持部3に連結され、右側のアーム23は右側の可動支持部3に連結されている。可動支持部3は、枢軸24を介してアーム23に回動可能として連結されている。
【0023】
また、機構部7は、駆動軸8の回転を可動支持部3の進退運動に変換するガイド部10を有している。ガイド部10は、左右方向を軸方向とするガイド軸25を有している。ガイド軸25は、駆動軸8よりも前側であって、ベース2における前後方向中途部において、下部材2aに設けられた軸受け26に回転可能として設けられている。そして、ガイド軸25を介してベース2と可動支持部3を連結している。可動支持部3は、ガイド軸25に回動可能として設けられている。
【0024】
また、機構部7は、モータ6の駆動力を減速して駆動軸8及びガイド軸25に伝達する減速器11を有している。減速器11は、駆動軸8の軸方向中途部に設けられた第1プーリ31と、モータ6の出力軸6aと第1プーリ31を連結する第1ベルト32と、ガイド軸25の軸方向中途部に設けられた第2プーリ33と、駆動軸8と第2プーリ33を連結する第2ベルト34と、有している。従って、モータ6の駆動力は、減速して駆動軸8に伝達されるとともに、駆動軸8の回転速度よりも更に減速してガイド軸25に伝達される。すなわち、駆動軸8の回転速度は、ガイド軸25の回転速度よりも速い。なお、減速器11は、前述したプーリ31,33とベルト32,34を用いた構造に限られず、その他の構造であってもよい。例えば、ウォームギヤを用いた構造であってもよい。
【0025】
マッサージ部4は、ガイド軸25に設けられたローラ40である。ローラ40は、ガイド軸25の軸心を中心として、ガイド軸25と一体回転可能とされている。また、ローラ40は、左右方向に複数(本実施形態では2つ)設けられており、それぞれ左右の足に対応して位置している。また、ローラ40は、突起を有する複数の施療子40aと、ガイド軸25に取り付けられているとともに施療子40aを保持する保持部40bと、を有している。保持部40bは、左右方向に所定間隔を存して対をなしており、施療子40aが対の保持部40b,40b間において、左右方向の軸回りに回転可能として保持されている。施療子40aは、ガイド軸25の周方向に複数(本実施形態では3つ)設けられている。
【0026】
ローラ40は、大部分が可動支持部3の下側に位置しているとともに、開口部3cに対応する位置に位置している。ローラ40は、少なくとも一部が可動支持部3よりも身体部位側へ開口部3cから突出している。なお、可動支持部3が進退運動している際、ローラ40が常に可動支持部3よりも身体部位側へ突出している必要はなく、ローラ40の一部が可動支持部3よりも身体部位側へ突出する状態が少しでも発生すれば足りる。
【0027】
このように構成されたローラ40は、ガイド軸25が回転すると、施療子40aによって周期的に身体部位にマッサージ作用が与えられる。なお、ローラ40の中心(すなわち、保持部40bの外形の幾何学的な円の中心)は、ガイド軸25の軸心に対して偏心していてもよい。この場合は、ガイド軸25の回転に伴ってローラ40全体としての身体部位側への進出量が変化する。また、ローラ40の構造は、前述した構造に限られない。例えば、底面が左右方向を向く略円柱状に構成し、突起のない側周面を身体部位に当接させてさするようなマッサージ作用を与えてもよい。
【0028】
以上のように構成されたマッサージ機1は、モータ6を駆動すると駆動軸8が回転するとともに、機構部7によりモータ6の駆動力が伝達されてガイド軸25も回転する。駆動軸8が回転することにより、偏心軸21と可動支持部3を連結するアーム23は、ガイド軸25によって回転が規制されているため、駆動軸8の軸心8aを周回する。従って、可動支持部3の後部である連結部3bは、若干の前後成分を有する上下運動を行う。すなわち、可動支持部3全体として見ると、
図4に示すようにガイド軸25を支点として前側が矢視aに沿って上下動する揺動運動を行うこととなる。なお、左右の偏心軸21は、駆動軸8の軸心8a回りの位相が互いに180度異なっているため、対の可動支持部3は相反する方向に揺動する。また、ガイド軸25に設けられたローラ40は、ガイド軸25とともにガイド軸25の軸心を中心とした回転を行う。
【0029】
以上のように動作するマッサージ機1によれば、可動支持部3に支持された足は、かかと側を支点としてつま先側が上下する。左右の足が動作する方向は、互いに相反する方向である。モータ6の回転を速くして可動支持部3を速く揺動させれば、下肢を振動させる運動を行わせることができ、足首やふくらはぎの筋肉をほぐすことができる。モータ6の回転を遅くして可動支持部3をゆっくり揺動させれば、アキレス腱の筋肉を伸ばす運動を行うことができる。
【0030】
また、可動支持部3は、進退範囲における前側が最も後退した(下がった)状態において、後側よりも前側が身体部位側(上側)に位置するよう傾斜して設けられていることが好ましい。このように構成することにより、可動支持部3の進退範囲を大きくしなくても、身体部位に対して十分な運動を行わせることができる。例えば、可動支持部3に足を載せて使用する場合は、つま先が上がった状態から更に上げることができるので、足首を十分背屈させることができる。
【0031】
あるいは、可動支持部3は、進退範囲における前側が最も進出した(上がった)状態において、後側よりも前側が身体部位と反対側(下側)に位置するよう傾斜して設けてもよい。このような構成とすることにより、可動支持部3の進退範囲を大きくしなくても、身体部位に対して十分な運動を行わせることができる。例えば、可動支持部3に足を載せて使用する場合は、つま先が下がった状態から更に下げることができるので、足首を十分底屈させることができる。
【0032】
なお、マイコンを有する制御手段(図示せず)を設けて、プログラムに従ってモータ6の回転速度や回転方向を自動的に変更するようにしてもよい。モータ6の駆動により、身体部位である下肢に対して強制的に運動させることができる。更に、土踏まずに対しては、ローラ40によりマッサージ作用を与えることができる。このように、身体部位である下肢に対して、運動とマッサージを複合的に行わせることができる。
【0033】
[マッサージ機の使用例]
以下、本発明のマッサージ機1の使用例について説明する。
例えば、マッサージ機1を床に載置して、椅子に座った状態で使用することができる。この場合は、膝を略90度に曲げた状態で、対の可動支持部3に左右の足をそれぞれ載置して使用する。また、マッサージ機1を床に載置して、起立した状態で使用することもできる。この場合は、膝を伸ばした状態で、対の可動支持部3に左右の足をそれぞれ載置して使用する。また、マッサージ機1を床に載置して、床に座った状態で使用することもできる。この場合は、膝を伸ばした状態で、対の可動支持部3に左右の脚(ふくらはぎ)をそれぞれ載置して使用する。また、マッサージ機1を床又は椅子の座面に載置して、マッサージ機1に座った状態で使用することもできる。この場合は、対の可動支持部3に跨るようにして臀部を載置して使用する。つまり、左臀部を左の可動支持部3に載置し、右臀部を左の可動支持部3に載置して使用する。
【0034】
[変形例1に係るマッサージ機の構成]
以下、本発明のマッサージ機の変形例1について説明する。
図8は本発明の変形例1に係るマッサージ機100の側面断面図である。
図9は本発明の変形例1に係るマッサージ機100の側面断面図である。
図8は、可動支持部3が身体部位側に最も進出した状態を示しており、
図9は、
図8の状態から偏心軸21が駆動軸8の軸心8aを中心として紙面時計回りに90度回転した状態を示している。なお、
図8及び
図9は、開口部3cの内部を通る側面断面図である。
前述したマッサージ機1と異なる点は、可動支持部3がステップ3aの床面に対する角度を変えずに進退運動する点である。以下では、マッサージ機1と同一の構成については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0035】
マッサージ機100は、前述したマッサージ機1と同様に、主として、床に載置するベース2と、使用者の身体の一部である身体部位(足)を支持する可動支持部3と、可動支持部3に支持された身体部位(足)にマッサージを行うマッサージ部4と、可動支持部3とマッサージ部4を駆動させる駆動機構50と、を有している。駆動機構50は、モータ6(
図3参照)と、モータ6の駆動力を可動支持部3とマッサージ部4に伝達する機構部70と、を有している。
【0036】
ベース2には、モータ6の駆動により回転する左右方向を軸方向とする駆動軸8と、駆動軸8の回転に連動して回転する左右方向を軸方向とする従動軸51と、マッサージ部4を回転可能として支持する左右方向を軸方向とする回転軸52と、が設けられている。駆動軸8と従動軸51の間にはベルト53が設けられており、駆動軸8が回転すると従動軸51も連動して回転する。駆動軸8と回転軸52の間にはベルト54が設けられており、駆動軸8又は従動軸51が回転すると回転軸52も連動して回転する。なお、駆動軸8、従動軸51、及び回転軸52を連動して回転させる構造は、前述したベルト53,54を用いた構造に限られず、その他の構造であってもよい。例えば、ウォームギヤを用いた構造であってもよい。
【0037】
駆動軸8と可動支持部3の前後方向一端部は、クランク機構9によって連結されている。また、従動軸51と可動支持部3の前後方向他端部は、別のクランク機構9によって連結されている。これらクランク機構9,9は、マッサージ機1のクランク機構9と同様の構成である。また、駆動軸8の回転を可動支持部3の進退運動に変換するガイド部55が設けられている。ベース2には上下方向に開口するガイド溝56が設けられており、ステップ3aの下面に設けられた連結部3bがガイド溝56に挿通されている。すなわち、ガイド溝56と連結部3bによりガイド部55が構成されている。このように機構部70は、駆動軸8、従動軸51、回転軸52、クランク機構9、ガイド部55、及びベルト53,54を有している。
【0038】
以上のように構成されたマッサージ機100は、モータ6を駆動すると駆動軸8が回転するとともに、機構部70によりモータ6の駆動力が伝達されて従動軸51及び回転軸52も回転する。駆動軸8が回転することにより、偏心軸21と可動支持部3を連結するアーム23は、ガイド部55によって回転が規制されているため、駆動軸8及び従動軸51の軸心をそれぞれ周回する。従って、可動支持部3は、ステップ3aの床面に対する角度を変えずに、矢視bに沿って上下運動を行う。また、回転軸52に設けられたローラ40は、回転軸52とともに回転軸52の軸心を中心とした回転を行う。
【0039】
[変形例2に係るマッサージ機の構成]
以下、本発明のマッサージ機の変形例2について説明する。
図10は本発明の変形例2に係るベース2の一部を省略したマッサージ機200の斜視図である。
図11は本発明の変形例2に係るベース2の一部を省略したマッサージ機200の平面図である。
図12は本発明の変形例2に係るベース2の一部を省略したマッサージ機200の側面図である。
前述したマッサージ機1と異なる点は、可動支持部3が前後方向両端部においてベース2に連結されている点である。以下では、マッサージ機1と同一の構成については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0040】
マッサージ機200は、前述したマッサージ機1と同様に、主として、床に載置するベース2と、使用者の身体の一部である身体部位(足)を支持する可動支持部3と、可動支持部3に支持された身体部位(足)にマッサージを行うマッサージ部4と、可動支持部3とマッサージ部4を駆動させる駆動機構5と、を有している。駆動機構5は、モータ6と、モータ6の駆動力を可動支持部3とマッサージ部4に伝達する機構部80と、を有している。機構部80は、詳細は後述するが、駆動軸8、クランク機構9、ガイド部60(ガイド軸61)、回転軸62、及び減速器11を有している。
【0041】
ステップ3aの下面には、その後端部及び前端部において、ベース2と可動支持部3を連結する連結部3bが設けられている。そして、ステップ3aの前後方向一端側(本実施形態では後側)は、アーム23を介してベース2に連結されており、前後方向他端側(本実施形態では前側)は、ガイド部60(ガイド軸61)によって軸受け63に連結されている。
【0042】
機構部80は、駆動軸8の回転を可動支持部3の進退運動に変換するガイド部60を有している。ガイド部60は、左右方向を軸方向とするガイド軸61を有している。ガイド軸61は、駆動軸8よりも前側であって、ベース2における前端部において、下部材2aに設けられた軸受け63に回転可能として設けられている。そして、ガイド軸61を介してベース2と可動支持部3を連結している。可動支持部3は、ガイド軸61に回動可能として設けられている。
【0043】
また、機構部80は、モータ6の駆動力を減速して駆動軸8及び回転軸62に伝達する減速器11を有している。減速器11は、駆動軸8の軸方向中途部に設けられた第1プーリ31と、モータ6の出力軸6aと第1プーリ31を連結する第1ベルト32と、回転軸62の軸方向中途部に設けられた第2プーリ33と、駆動軸8と第2プーリ33を連結する第2ベルト34と、有している。従って、モータ6の駆動力は、減速して駆動軸8に伝達されるとともに、駆動軸8の回転速度よりも更に減速して回転軸62に伝達される。すなわち、駆動軸8の回転速度は、回転軸62の回転速度よりも速い。なお、減速器11は、前述したプーリ31,33とベルト32,34を用いた構造に限られず、その他の構造であってもよい。例えば、ウォームギヤを用いた構造であってもよい。
【0044】
マッサージ部4は、左右方向を軸方向とする回転軸62を有するローラ40である。ローラ40は、回転軸62の軸心を中心として回転可能である。また、ローラ40は、左右方向に複数(本実施形態では2つ)設けられており、それぞれ左右の足に対応して位置している。また、
図6及び
図7にも示すとおり、ローラ40は、突起を有する複数の施療子40aと、回転軸62に取り付けられているとともに施療子40aを保持する保持部40bと、を有している。保持部40bは、左右方向に所定間隔を存して対をなしており、施療子40aが対の保持部40b,40b間において、左右方向の軸回りに回転可能として保持されている。施療子40aは、回転軸の周方向に複数(本実施形態では3つ)設けられている。このように構成されたローラ40は、回転軸62が回転すると、施療子40aによって周期的に身体部位にマッサージ作用が与えられる。
【0045】
以上のように構成されたマッサージ機200は、モータ6を駆動すると駆動軸8が回転するとともに、機構部80によりモータ6の駆動力が伝達されて回転軸62も回転する。駆動軸8が回転することにより、偏心軸21と可動支持部3を連結するアーム23は、ガイド軸61によって回転が規制されているため、駆動軸8の軸心8aを周回する。従って、可動支持部3の後部である連結部3bは、若干の前後成分を有する上下運動を行う。すなわち、可動支持部3全体として見ると、
図12に示すように、ガイド軸61を支点として後側が矢視cに沿って上下動する揺動運動を行うこととなる。なお、左右の偏心軸21は、駆動軸8の軸心8a回りの位相が互いに180度異なっているため、対の可動支持部3は相反する方向に揺動する。また、ローラ40は、回転軸62の軸心を中心とした回転を行う。
【0046】
以上のように動作するマッサージ機200によれば、可動支持部3に支持された足は、つま先側を支点としてかかと側が上下する。左右の足が動作する方向は、互いに相反する方向である。モータ6の回転を速くして可動支持部3を速く揺動させれば、下肢を振動させる運動を行わせることができ、足首やふくらはぎの筋肉をほぐすことができる。モータ6の回転を遅くして可動支持部3をゆっくり揺動させれば、アキレス腱の筋肉を伸ばす運動を行うことができる。しかも、可動支持部3は前後両端部においてベース2に連結されているため、可動支持部3を安定して動作させることができる。また、異音を低減することができ、マッサージ機200の耐久性も向上する。
【0047】
[マッサージ機の適用例]
以下、本発明のマッサージ機1の適用例について説明する。
図13は、本発明のマッサージ機1の適用例を示す図である。
図13に示すとおり、マッサージ機1は、椅子型マッサージ機200の各所に設けることができる。椅子型マッサージ機200は、使用者が着座する座部201と、座部201の後部に設けられた使用者が凭れる背凭れ部202と、座部201の前部に設けられた使用者の下肢を支持するフットレスト203と、座部201の左右両側に設けられた使用者の上肢を支持する肘掛け部204と、を有している。
【0048】
座部201には、左臀部と右臀部をそれぞれ載置できるように対の可動支持部3が設けられている。背凭れ部202には、左上半身と右上半身に後方から当接するように対の可動支持部3が設けられている。フットレスト203の足裏を支持する部分には、左右の足をそれぞれ載置できるように対の可動支持部3が設けられている。フットレスト203の脚(ふくらはぎ)を支持する部分には、左右の脚にそれぞれ後方から当接するように対の可動支持部3が設けられている。座部201、背凭れ部202、及びフットレスト203に設けられたマッサージ機1は、左側の可動支持部3と右側の可動支持部3とが、互いに相反する方向に進退運動することが好ましい。
【0049】
また、左右の肘掛け部204の手の平を支持する部分には、対の可動支持部3が分離して設けられている。すなわち、マッサージ機1の左側の可動支持部3を左側の肘掛け部204に配置し、右側の可動支持部3を右側の肘掛け部204に配置している。肘掛け部204に設けられたマッサージ機1は、左側の可動支持部3と右側の可動支持部3とが、互いに相反する方向に進退運動することが好ましい。なお、座部201、背凭れ部202、フットレスト203、及び肘掛け部204の全てにマッサージ機1を設ける必要はなく、少なくともいずれか1つの部材に設けていればよい。また、マッサージ機1に代えて、又はマッサージ機1と組み合わせて、マッサージ機100を椅子型マッサージ機200の各所に設けてもよい。
【0050】
また、本発明のマッサージ機1,100は、図示する形態に限らず、この発明の範囲内において他の形態のものであっても良い。
例えば、前述した実施形態では、可動支持部3を左右で対をなす構成としたが、単一であってもよい。この場合、左右の足を単一の可動支持部3に載置して使用することができる。また、前述した実施形態では、左右の偏心軸21は駆動軸8の軸心8a回りの位相が異なる構成としたが、同じ位相であってもよい。